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TER14045 18 運転士の取扱を考慮したマイクロシミュレーションによる ラッシュ時の列車運行の分析 落合 康文 (小田急電鉄株式会社)富井 規雄(千葉工業大学) Analysis of train operation during peak hours using a micro simulator in which drivers' behavior is considered Yasufumi Ochiai , (Odakyu Electric Railway Co., Ltd.) Norio Tomii, (Chiba Institute of Technology) One of the recent problems in urban railways in Japan is that small delays often happen during rush hours. Because trains are running very densely, even a small delay propagates to succeeding trains and the delay tends to expand. In order to precisely evaluate the robustness of a railway system, a detailed simulation so called microscopic simulation in which components of a railway system are modeled in detail is used. There exist a lot of research with regard to the microscopic simulation, but they have not explicitly dealt with the manipulation by the driver, which is yet crucial to obtain a realistic result of simulation. We have developed a microscopic simulator, in which drivers’ manipulation is explicitly expressed. In this paper, we introduce how the simulator is constructed and how the simulator was effective in the analysis we did when a part of the tracks were relocated and we were anxious that robustness of the timetable might decrease. キーワード:列車ダイヤ,マイクロシミュレーション,頑健性,遅延 Keywords: Train diagram, microscopic simulation, robustness, delay 1. はじめに 近年,列車の定時性に対するニーズの高まりを受け,遅 延に強いダイヤ,すなわち頑健性の高いダイヤを構築する ことが最重要課題となっている。特に朝方ラッシュ時間帯 の運行は,多くの旅客を乗せた列車を緻密に運行している ため,様々な要因により発生する小さな初期の遅延が後続 の列車へ次々と伝播し,遅延が拡大するという現象がしば しば発生する。小田急電鉄では朝ラッシュピーク時間帯, ターミナルである新宿駅に 1 分台までの遅延で到着するか 否かを一つの基準として原因と対策の検討を実施している が,検討を行うためには,ラッシュ運行の詳細な特徴をつ かみ,ダイヤ計画,ならびにオペレーションに反映してい く必要がある。 ダイヤを計画するうえで,一般的な手法として,運転時 隔曲線を用いた運転時隔の算出,ならびに適切な運転時隔 が確保されることを前提とした運転時分を査定し,停車時 間と組み合わせて作成していくという方法が確立されてい る。しかし,実際のラッシュ運行では,停車時分の伸び縮 みや,車両性能の差異等をはじめとする様々な要因により, 計画通りの運転時隔を確保できず,結果として想定を超え る下位の信号現示による徐行運転や,駅間での停止信号に よる機外待ちが発生し,運転時分が計画よりも伸び,大き な遅延に拡大していくということがしばしば発生する。 また,緻密な運行である故,ダイヤパターンを断片的に 検討しただけでは,ラッシュ時間帯全体に対する影響の大 きさや伝播の仕方を詳細に検討することは難しい。また, 先行列車の運転状況により刻々と状況が変化する中で, 様々な条件を考慮し運転士が的確に判断しながら列車を操 縦しているため,理想的な状況下で運転時分を査定するた めに作図する運転曲線のような運転は現実的でなく,運転 士の操縦に関する要素を考慮せずに,実際のラッシュ運行 を詳細に分析することはできないと言っても過言ではな い。そこで,線路条件や信号設備,車両設備,列車ダイヤ だけでなく,駅間での運転士の取扱をきめ細かく設定し再 現することにより,駅間での機外待ち等も含めた,より精 度の高いラッシュ運行シミュレーションをラッシュ時間帯 全般に渡り行うことで,ラッシュ運行の詳細な特徴を把握 し,効果的なオペレーションの検討を実施した。本稿では, 今回作成したマイクロシミュレーション手法について述べ たのち,下北沢地区在来線地下化切替時における,同シミ ュレーションを用いた分析内容と,地下化工事施行後の実 際の運行状況について検証し,考察する。

Chiba Institute of Technology - 運転士の取扱を考慮 …TER-14-045 1/8 運転士の取扱を考慮したマイクロシミュレーションによる ラッシュ時の列車運行の分析

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TER-14-045

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運転士の取扱を考慮したマイクロシミュレーションによる ラッシュ時の列車運行の分析

落合 康文*(小田急電鉄株式会社)富井 規雄(千葉工業大学)

Analysis of train operation during peak hours using a micro simulator

in which drivers' behavior is considered Yasufumi Ochiai*, (Odakyu Electric Railway Co., Ltd.) Norio Tomii, (Chiba Institute of Technology)

One of the recent problems in urban railways in Japan is that small delays often happen during rush hours. Because trains are running very densely, even a small delay propagates to succeeding trains and the delay tends to expand. In order to precisely evaluate the robustness of a railway system, a detailed simulation so called microscopic simulation in which components of a railway system are modeled in detail is used. There exist a lot of research with regard to the microscopic simulation, but they have not explicitly dealt with the manipulation by the driver, which is yet crucial to obtain a realistic result of simulation. We have developed a microscopic simulator, in which drivers’ manipulation is explicitly expressed. In this paper, we introduce how the simulator is constructed and how the simulator was effective in the analysis we did when a part of the tracks were relocated and we were anxious that robustness of the timetable might decrease.

キーワード:列車ダイヤ,マイクロシミュレーション,頑健性,遅延

Keywords: Train diagram, microscopic simulation, robustness, delay

1. はじめに

近年,列車の定時性に対するニーズの高まりを受け,遅

延に強いダイヤ,すなわち頑健性の高いダイヤを構築する

ことが 重要課題となっている。特に朝方ラッシュ時間帯

の運行は,多くの旅客を乗せた列車を緻密に運行している

ため,様々な要因により発生する小さな初期の遅延が後続

の列車へ次々と伝播し,遅延が拡大するという現象がしば

しば発生する。小田急電鉄では朝ラッシュピーク時間帯,

ターミナルである新宿駅に 1 分台までの遅延で到着するか否かを一つの基準として原因と対策の検討を実施している

が,検討を行うためには,ラッシュ運行の詳細な特徴をつ

かみ,ダイヤ計画,ならびにオペレーションに反映してい

く必要がある。 ダイヤを計画するうえで,一般的な手法として,運転時

隔曲線を用いた運転時隔の算出,ならびに適切な運転時隔

が確保されることを前提とした運転時分を査定し,停車時

間と組み合わせて作成していくという方法が確立されてい

る。しかし,実際のラッシュ運行では,停車時分の伸び縮

みや,車両性能の差異等をはじめとする様々な要因により,

計画通りの運転時隔を確保できず,結果として想定を超え

る下位の信号現示による徐行運転や,駅間での停止信号に

よる機外待ちが発生し,運転時分が計画よりも伸び,大き

な遅延に拡大していくということがしばしば発生する。 また,緻密な運行である故,ダイヤパターンを断片的に

検討しただけでは,ラッシュ時間帯全体に対する影響の大

きさや伝播の仕方を詳細に検討することは難しい。また,

先行列車の運転状況により刻々と状況が変化する中で,

様々な条件を考慮し運転士が的確に判断しながら列車を操

縦しているため,理想的な状況下で運転時分を査定するた

めに作図する運転曲線のような運転は現実的でなく,運転

士の操縦に関する要素を考慮せずに,実際のラッシュ運行

を詳細に分析することはできないと言っても過言ではな

い。そこで,線路条件や信号設備,車両設備,列車ダイヤ

だけでなく,駅間での運転士の取扱をきめ細かく設定し再

現することにより,駅間での機外待ち等も含めた,より精

度の高いラッシュ運行シミュレーションをラッシュ時間帯

全般に渡り行うことで,ラッシュ運行の詳細な特徴を把握

し,効果的なオペレーションの検討を実施した。本稿では,

今回作成したマイクロシミュレーション手法について述べ

たのち,下北沢地区在来線地下化切替時における,同シミ

ュレーションを用いた分析内容と,地下化工事施行後の実

際の運行状況について検証し,考察する。

2/8

図 1 主なクラス構成

図 2 運行管理表示盤スタイルでの表示

2. マイクロシミュレーションによる頑健性向上策の検討

〈2・1〉 マイクロシミュレーションとは ラッシュ運行の頑健性に係る事項として,代表的なものに線路条件,

信号設備,車両性能といった設備全般の他,運転士の操縦

方法の個人差や旅客流動の変動による駅停車時分の伸び縮

み等が挙げられる。また,ラッシュ時間帯の遅延は,小さ

な初期遅延が後続の列車に次々と伝播しやすいことから,

運行実績を分析するのみでは頑健性向上のポイントをつか

むことが難しい。 そのため,頑健性向上の施策を検討するためには,与え

られた条件のもとで列車運行の状況を予測可能なシミュレ

ーションが有効である。列車運行をシミュレーションする

方式としては,駅の着と発の事象のみを離散的にシミュレ

ーション対象とする方式がある(macroscopic simulationと呼ぶ。例えば,文献 1)。この方式では,列車の駅間の詳細な挙動はシミュレーション対象とされない。また,信号

システムからの影響も直接には考慮されない。そのため,

列車が緻密に走行する路線において,先行列車の影響を考

慮する用途のためには十分ではない。 列車の駅間の詳細な挙動をシミュレーションする方式と

して,運動方程式にもとづいて列車の動きを連続的にシミ

ュレーションする方式(microscopic simulationと呼ぶ)がある。列車ダイヤを作成する際に用いる列車の駅間の運転

時分(基準運転時分)を求めるためには,同様の microscopic simulation が用いられる。しかし,基準運転時分を求める際には,列車は先行列車の影響を受けての減速は発生しな

いことを前提としている。また,運転士の操縦方法は陽に

は考慮されていない。しかし,特に列車が稠密に運転され

ている区間において小規模の列車遅延が発生した場合に

は,このような理想的な状況での運転ができるとは限らな

い。従って,現実を忠実に再現するためには,地上子の位

置なども含めた信号システムの機能と列車の性能を考慮し

た詳細なシミュレーションが必要となる。また,その際,

運転士の操縦方法を陽に加味することが望まれる。 microscopic シミュレーションについては,これまで多く

の研究事例が報告されているが(文献 2, 3など),運転士の操縦方法を陽に考慮した研究は報告されていない。 本研究では,設備全般に加え,現実的な運転士の操縦方

法を再現し,シミュレーション要素に加えることで,標準

的な運行をラッシュ時間帯全般に渡り再現できるシミュレ

ータを構築する。さらに,駅停車時分や各列車の発車遅延

等をフレキシブルに設定し,シミュレーションを繰り返す

ことにより,様々な条件でどのようにラッシュ運行が変化

するか,詳細な特徴をつかむことで,頑健性の向上につな

がるポイントを検討する。 〈2・2〉 運転士の操縦方法の考慮 ラッシュ時間帯の運行は種別の異なる列車が特に緻密に運行されているた

め,運転士は信号現示をはじめ,先行列車の動きにより刻々

と変化する状況に合わせ,的確に列車を操縦する必要があ

る。また,1つのミスが重大事故につながりかねないため,

1つの確認を行うにも,必要十分な時間をかけて行う必要

がある他,混雑した車内にいる旅客に対する乗り心地の配

慮も当然必要である。今回シミュレーションを行う上で考

慮した主な要素を以下に示す。 (1) 惰行確保秒数 列車の運行状況から,力行から制

動,あるいは制動から力行へと変化する場合,通常運転時

は乗り心地の面から,一定時間の惰行をその間に挟む必要

がある。具体的な数値としては,筆者の運転経験から,力

行から制動に変化する場合には 5 秒程度,制動から力行に変化する場合には 10秒程度惰行を確保したい。

(2) 停止信号による停止後,運転を再開するまでの時間

3/8

ラッシュ時間帯は高密度に列車が運転されているため,

停止信号により信号機の機外で停車する場合がある。運転

士は,この信号機の現示が進行を指示する現示に変化した

場合,現示の変化を認めたのち,当該信号機を指差し,声

に出して現示を確認後(指差喚呼),制動を緩め,力行位置

にハンドルを操作することで,車両のモータに電流が流れ,

列車が起動する。現実的なシミュレーション結果を得るた

めには,このときにかかる時間(具体的には,8秒程度)を考慮する必要がある。

(3) 下り坂運転時のブレーキ操作 駅間の運転時分を査定するための当社の一般的な運転曲線では,下り坂に

ついては等速で作図している。しかし,現実的には乗車旅

客数やこう配,架線電圧等により完全な等速で運転するこ

とは難しく,制動と惰行を繰り返しながら走行していくケ

ースが多い。従って,現実と合致した結果を得るためには,

等速運転ではなく,制動と惰行を繰り返す運転(具体的に

は,制動操作時は 0.5km/h/sでの速度低下,5秒程度の惰行により,制限速度付近への速度上昇の後再び制動操作を繰

り返す)とする必要がある。 (4) 乗り心地の考慮 運転士は,自らの運転操作が車内の乗客の乗り心地に与える影響を考慮して運転操作を行

う。具体的には,信号現示が頻繁に変化し,制限速度が短

時間に変化する場合にも,力行と制動を短時間に繰り返す

ことなく,なるべく加減速が滑らかになるような運転を行

なう。駅間の列車運行を忠実に模擬するためには,この点

も考慮する必要がある。 (5) 速度低下時の再加速 運転士は,速度がある値以上低下してきた場合には再度加速を行なう。シミュレーシ

ョンにおいても,この操作を反映できる必要がある。

3. 運転士の取扱を考慮したマイクロシミュレータ

〈3・1〉 全体構成 今回製作したマイクロシミュレータの主なクラス構成を図 1 に示す。各設備一つ一つをクラス部品として構成し,MainControllerクラスからの一定周期で実施される更新通知により数値計算を行う形式として

いる。 小シミュレーション単位を,車両の挙動に関する

ものは 100ms周期,その他軌道回路・信号現示・運行表示盤スタイルでの表示は1秒周期とすることで,精度を確保

しつつ,高速でのシミュレーションを可能とした。出力形

式としては,運行実績ダイヤ図,各列車の運転曲線図,時

隔曲線図として出力できる他,図 2 に示すような運行管理表示盤スタイルにより視覚的に列車の動きを捉えられる機

能を設け,リアルタイムにシミュレーションが進み,列車

が徐々に詰まっていく様子を,誰もが運輸司令所内で監視

している感覚でとらえられる仕組みも設けた。 〈3・2〉 運転士の操縦を再現するアルゴリズム 通常,基準運転時分を査定するための運転曲線を作図する際

には,2・2で述べた要素を踏まえ,時間的に順方向から作図

した線と,停止位置もしくは速度制限箇所から逆方向に時

間を遡るように作図した線を組み合わせ 適な運転曲線を

作図していく。しかし,運転曲線は 短の走行時間を求め

るために理想的な運転方法を見つけるのが目的であるが,

本研究では,ラッシュの運行を詳細に検討することを目的

としているという点が異なる。実際の運転士は様々な予期

をしているものの,時間を遡って操作をやりなおすことは

もちろん不可能である。従って,現実に合致したシミュレ

ーションを実施するためには,ある状況におかれた時の運

転士の思考のプロセスを再現し,より現実に近い運転操作

を再現できることが望ましい。そこで,本研究では,シミ

ュレーションの進行によって時々刻々と変化する信号現示

に従い,現実世界と同様,順方向のみで,運転士の操縦を

再現するためのアルゴリズムを考案した。以下に示す(1)~(5)の処理を更新周期毎に再計算することで,列車の動きが再現される。

(1) 準備 列車の現在位置・速度,および次停車駅までの間に存在する制限速度(信号現示によるものも含む),

制限開始位置から,次に制動をかけなければならない地点

(sb_next とする)を計算する。また,下りこう配線を走行中の場合は,力行をやめた場合に,指定の秒数(tmarginとする)の間惰行をした場合に重力で加速する速度(vit とする)を計算しておく。

(2) 力行中の場合 以下の①②のいずれかの条件を満たす場合は,力行を止め,惰行に移行する。①②を全て

満たさない場合は,力行を継続するが,目標速度に応じて,

適なノッチ段を再設定する。 ① 速度(v)が制限速度(vl)に近づいた場合:

v > vl - 0.5 - vit ② 距離(s)が次に制動をかけなければならない地点に近づいた場合:

s   ≧ sb_next +   v!.!×  tmargin

(3) 惰行中の場合 現在地点が,次に制動をかけなければならない地点を超えた場合は制動に移行する。制限速

度(vl)の0.2km/hまで近づいた場合は,抑速制動に移行する。その他以下の①~③の全てを満たす場合に限り力行に移行

する。 ① 速度(v)が低い場合: v < vl - vmargin - 0.5- vit

(vmargin: 速度が何キロ低下したら再力行するかを設定。標準で 5km/hに設定している。)

② 距離(s)が次に制動をかける地点(sb_next)よりも十分手前である場合:

s   ≧  sb_next +   !!.!×  tmargin

③ 前回制動から惰行に移行してから指定秒数以上経過している場合

4/8

(a) 運転士の操縦要素を一切考慮しない場合

(b) 運転士の操縦要素を考慮した場合

(c) 実際の運行実績データより

(2012年 12月~2013年 2月中の 5日間平均) 図 4 運転士の操縦要素の考慮による結果の差異

(4) 制動中の場合 制限速度(v_target)以下になった場合,惰行に移行する。ただし,下り勾配区間の場合には,

惰行後,指定秒数以上走行しても制限速度を上回らない速

度まで落ちていることを条件に惰行に移行する。 v ≦ v_target - vit その他,速度(v)が 0km/hまで低下,すなわち停車した場

合には,停止信号による機外待ちで発生した駅間停車であ

るかどうかを判定し,駅間停車である場合,信号現示が変

化後指定秒数後に惰行へ移行させる。駅に到着した場合は,

到着時の処理へ移行する。 (5) 抑速制動中の場合 現在位置が,制動開始地点

(sb_next)を超えた場合は,制動に移行する。その他,以下の①②双方を満たす場合に惰行に移行する。

① 速度(v)が十分に低下している場合: v < vl - 0.5 - vit × 3 ② 制動開始地点(sb_next)まで十分に距離がある場合:

s ≧  sb_next − v!.!× tmargin

〈3・3〉 その他機能 特定条件が整った場合や,特定の列車毎に運転士の操縦方法を変更してシミュレーションを

実施するための機能として,各種パラメータを動的に変更

する機能も有している。 〈3・4〉 シミュレーション結果の評価 図 3に運転士の操縦方法を考慮せずにシミュレーションを実施した際の運

転曲線と,3・2のアルゴリズムにより運転士の操縦方法を考慮してシミュレーションを実施した際の運転曲線の違い

を,豪徳寺駅~下北沢駅間(地下化工事前)での各駅停車

を例に示す。3・2のアルゴリズムを適用した場合,図中の①に示すように,力行から制動に移行する際,惰行を確保で

きている他,図中の②に示すように,信号現示の変化によ

り制限速度が変わった場合に制動から力行へ移行する際も

惰行を確保できている。また,図中の③で示すように,信

号現示が頻繁に変化し,制限速度が短時間に変化する場合

にも,力行と制動を短時間に繰り返すことなく,より実際

の運転士の操縦に近い滑らかな運転を再現できている。 さらに,複数列車に対するシミュレーション結果の例を

図 4に示す。この図には,下北沢駅 7時 30分~8時 40分の間の各列車の停車時間を 65秒に設定して行った,成城学園前駅~新宿駅間のラッシュ運行全時間帯でのシミュレー

ション結果の違い,ならびに 2012年 12月~2013年 2月のうちの5日間を平均した運行実績をクロマティックダイヤ

図として示す。ここで,クロマティックダイヤ図とは,遅

延量の大きさを色の違いにより可視化したダイヤ図のこと

で,定時運行に近いと青色,遅延量が増大してくると徐々

に赤色へと変化して表示され,遅延の発生や拡大していく

様子が分かる仕組みになっている(4)。 (a)~(c)の全てに共通して,8時頃~8時 30分頃にかけて,

先行列車の停車時分増大による遅延が後続列車に影響を及

図 3 運転士の操縦方法を考慮した場合としない場合の運転曲線図

010203040506070

48005000520054005600580060006200640066006800

ャx(km/h)

キロ程(m)

考慮なし

考慮あり

① ③

世田谷代田駅 豪徳寺駅 梅ヶ丘駅 下北沢駅

5/8

図 5 在来線地下化区間の概要

◆ ★新

宿

・・・

代々木上原

世田谷代田

・・・

成城学園前

・・・

向ヶ丘遊園

・・・

急行・準急 ● ● ● ● ● ●

各駅停車 ● ● ● ● ● ● ● ● ●

新宿方へ約20m移設 小田原方へ約80m移設

停車場から停留場に変更

★ 地下 深部◆ 東京地下鉄千代田線乗り入れ駅

*一部区間上りのみ2線

地下化切替区間 複々線区間*

(a) 地下化前(停車場)

(b) 地下化後(停留場)

図 6 東北沢駅の停留場への変更

ぼしだし,遅延が拡大し,その後収束している様子が色の

移り変わりから見てとれる。 (a)の運転士の操縦に関する要素を考慮しない場合,途中

駅での 大遅延は 1分 56秒,新宿駅到着遅延は 31秒に収まるという結果が出た。また,複線設備で全列車が停車す

るため,定時性に も大きな影響が出る下北沢駅の発着時

隔については,現地での実測で 短でも 1分 05秒程度であるのに対し,シミュレーション結果では 1分 02秒と実測値よりも小さい値となった。これは,下北沢駅手前で停止信

号によって停止した後,信号現示が変化した場合に運転を

再開するまでの時間が考慮されていないためであると考え

られる。一方,(b)の運転士の操縦に関する要素を考慮した場合では,途中駅での 大遅延 3分 05秒,新宿駅到着遅延1 分 38 秒,下北沢駅の発着時隔についても 短 1 分 07 秒と現地での実測値の平均的な実態に近い値となった。これ

は,停止信号により停止した後に,運転を再開するまでの

時素設定(8秒)が適切に作用したためであると考えられる。なお,時素設定の 8秒と(a)と(b)での時隔の差は 5秒とここにも違いがあるが,これは,(b)では起動に時間をかけた分,先行列車との運転間隔が開き,再起動後の走行がスムース

であったことによる。また,下北沢駅 7 時 30 分~8 時 40分の各列車停車時間の平均が約 63.9秒,新宿駅到着遅延は1分 45秒であった運行実績データ(c)と比較し,遅延の拡大状況,遅延量の大きさ,収束状況の傾向が概ね一致してお

り,実際のラッシュ運行を高精度で再現できていると考え

られる。 運転士の操縦による要素を考慮しない場合と考慮した場

合とを比較すると,前者では,運転時分,運転時隔ともに

短く算出されている。その違いは僅かであるが,多数の列

車が緻密に運行されているラッシュ時間帯では,その差が

蓄積されることとなる。その結果として,影響の大きさが

変わり,結果に差が現れていると考えられる。 これらの結果から,本研究で提案するシミュレーション

方式は,運転士の運転方法を考慮しない従来の方式と比較

して,高い精度で現実の列車運行を再現できていると判断

できる。

4. 運転士の取り扱いを考慮したマイクロシミュレーションの適用例

〈4・1〉地下化工事の概要 2013年 3月 23日,代々木上原駅~梅ヶ丘駅間の下北沢地区在来線約 2.2km が地下化された。同区間では地下化後,複々線化完成に向け,新た

な 2 線(将来の緩行線)を建設中であり,現時点では,まだ複線である。地下化による主な変更点は以下のとおりで

ある(図 5)。 (1) 東北沢駅を「停車場」から「停留場」に変更 東

北沢駅については,複々線化工事開始前からの経緯により,

転てつ機の設備は既に廃止されていたものの,これまで「停

車場」のままであったが,今回の地下化工事にあわせ,線

路形態に即した「停留場」に変更することとした。当社の

停車場では,停車列車に対しては出発信号機に停止信号を

現示したまま進入させ,出発する直前に出発信号機に進行

を指示する信号(YY現示以上)を現示するという扱いを行なっている(いわゆる「停止定位」)。また通過列車につい

ては,出発信号機に進行を指示する信号を現示した後に場

内信号機の信号に進行を指示する信号を現示するという扱

いを行なっている。このため,これまで,通過列車につい

ては,先行列車の 後部が出発信号機の防護区間を通過し

終わり出発信号機に進行を指示する信号が現示されるまで

場内信号機に進行を指示する信号が現示されないため,東

北沢駅を通過することができなかった。しかし,停留場に

することによって,1閉そく区間分,先に進むことができ

るようになった(図 6)。 (2) 下北沢駅,世田谷代田駅の移設 駅設備建設上の

制約から,下北沢駅を小田原方へ約 80m,世田谷代田駅を新宿方へ約 20m,それぞれ移設することを余儀なくされ,両駅の駅間距離が短縮されることとなった。

(3) 信号現示系統の変更 地下化に伴い,下北沢駅が深部に位置することとなったため,上り線については,

6/8

図 8 新宿駅到着 大遅延の予測

0:00:43 0:00:450:01:38

0:03:13

0:05:06

0:00:26 0:00:48

0:02:33

0:01:47

0:01:58

0:05:03

0:07:04

0:00:00

0:01:00

0:02:00

0:03:00

0:04:00

0:05:00

0:06:00

0:07:00

55 60 65 70 75

新宿駅到着最大遅延

下北沢駅停車秒数

地上

A案

B-1案

B-2案

図 7 朝方ラッシュ時間帯のダイヤ

梅ヶ丘駅より下北沢駅にかけて急な下り勾配が続く。同区

間はラッシュ時間帯の高密度運転に対応するため1閉そく

区間が短い。また,地下化の完成によって工事徐行が無く

なり制限速度が上がったことと,下り勾配により,必要な

制動距離が増大したことにより,地下化前と比べて,1閉そく区間分から 大で 4 閉そく区間分手前の信号機より,これまでにくらべて下位である減速(YG),もしくは注意(Y)を現示することとなった。

(4) 列車ダイヤの修正 地下化に伴い,梅ヶ丘駅~代々木上原駅間の各駅について,時刻修正を行った。これ

までの工事徐行が無くなり,同区間の運転時分は優等列車

で 50 秒程度短縮された。また,東京メトロの列車との輻輳を防止するため,一部列車について,代々木上原駅での着

時刻を変更した。なお,この修正では同区間の時刻以外は

変更していない。 〈4・2〉 地下化による朝ラッシュ輸送への影響 (1) 東北沢駅の停留場化による変化 当社のラッシ

ュピーク輸送は,各駅停車・急行・急行(または準急)の 3本を 1セットとして,約 6分 40秒サイクルでこのセットを繰り返している(図 7)。これまで,各駅停車の東北沢駅での停車時間が伸びた場合,各駅停車に続く急行は下北沢駅

発車後,東北沢駅手前で詰まりが発生するため,その後に

続く急行(または準急)の下北沢駅の発着時隔は,通常 1分 07秒~1分 12秒程度であるのに対し,1分 20秒から大で 1分 30秒程度まで拡大する場合があった。4.1で述べたように,停留場化により通過列車に対する現示の時機が

変更となったことで,全ての列車の発着時隔が 1分 05秒程度になり,各駅停車の東北沢駅での停車時間の伸びによる

影響が減少し,定時性が向上すると考えられた。 (2) 下北沢駅,世田谷代田駅の移設による影響 同駅

間の信号機の建植位置は今後導入予定のD-ATS-Pを前提に設定されているが,現行同区間の ATS は旧来の OM-ATSである。下北沢駅に先行列車がおり,停止信号による機外

待ちをする際,OM-ATS の標準の停止位置である信号機の約 50m 手前に停車した場合(これを A 案とする),これまでその続行の列車について世田谷代田駅に進入することが

できていたものが,駅間距離が短縮されたために,進入で

きなくなり,影響が及ぶのではないかと懸念された。そこ

で,例外的に約 30m手前に停車させ(これを B案とする),後続列車が世田谷代田駅に進入できるようにするべきかど

うか,詳細な検討を行う必要が生じた。 〈4・3〉 シミュレータによる検討 地下化工事という設備全般の大規模な変更により,朝方ラッシュ輸送の特徴

がどのように変化するか,およびどのようなオペレーショ

ンをすべきか,運転士の取扱を考慮したマイクロシミュレ

ーションにより詳細な検討を行った。 (1) 下北沢駅外方で停止信号により停車する際の停止位置 当社のラッシュ輸送において,複線で全列車が停車

する下北沢駅の運転時隔が も条件が厳しいことが明らか

であるため,下北沢駅外方で停止信号により停止した場合

の機外待ちの位置の検討をシミュレーションにより行っ

た。ここでの検討方法としては,7時 30分~8時 40分の間各列車の下北沢駅の停車時間は同一と仮定し,その停車時

間を変化させた場合に,新宿駅への 大到着遅延がどの程

度に拡大するかという観点でシミュレーションを行った。

シミュレーションの結果を図 8 に示す。標準的な取扱である A案,および 30m手前にまで進入させた B案(次に述べる運転士の取り扱いを反映した場合の結果と対比するため

に,便宜上これを B-1 案と呼ぶ)とも大きな違いはなく,地上時よりも遅延が発生しないことがシミュレーション結

果から得られた。一見この結果からは,例外的に B 案が優れており,後続の各駅停車を世田谷代田駅へ到着できる状

況にしておいた方がよいと考えられる。 しかし,ここで運転士の現実的な取り扱いを加味すると

結果が異なることが懸念された。そこで,B-1案で検討した例外的に信号機の 30m手前まで接近させた場合に想定される,運転士の取扱いを反映したシミュレーションを実施し

た(これを B-2 案と呼ぶ)。当社の ATS は地上子と車上子により構成され,ある地点で地上子より情報を受信した場

合,その情報は車上に記録され,信号現示が上位側に変化

した場合でも次の地上子を通過し,車上の情報が更新され

るまで制限速度が維持される。下北沢駅ホーム始端にある

場内閉そく信号機用の地上子は,信号機直下と約 50m手前に設置されている。A 案の場合,機外待ち後に運転を再開する場合,この約 50m手前に設置されている地上子により,

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(a) 地下化前

(b) 地下化後

図 10 東北沢駅・世田谷代田駅による新宿 大到着遅延に

対する影響の変化

(a) 地下化前

(b) 地下化後

図 9 東北沢駅停留場化による効果 直ぐに車上の情報が更新されるため,ノッチアップが容易

である。ところが,B 案の場合,場内相当閉そく信号機の手前 30mまで接近させるため,同信号機が停止信号の場合,手前約 50mの地点で 15km/hの制限速度情報を受け,速度超過した場合には直ちに非常制動が動作する状態になって

いる。また,先行列車が発車し,運転を再開する場合に,

車上の情報が更新されるのは次の地上子,すなわち信号機

の直下まで進行したときである。この区間については,地

下 深部である下北沢駅に急こう配で下っている区間であ

り,満員の列車で速度超過し非常制動が動作するリスクを

考慮すると,運転士に運転を再開するときにノッチの使用

をするよう指示することも難しく,信号機直下までの約

30m を惰行により進行せざるを得ないと考えられた。そこ

で,3・3の機能を活用し,この条件の場合はノッチをカットするよう組み込んでシミュレーションを行った。その結果,

下北沢駅の停車時分が 60秒程度まではA案と大きな差がないものの,65 秒を超えると差が現れ,現行よりも悪化することが判明した(図 8)。 以上のシミュレーション結果より,後続の各駅停車は世

田谷代田駅に進入することができないものの,その後の遅

延の発生を抑える点で有効であることが判明したため,下

北沢駅手前での機外待ち停止位置は A 案を採用することとした。 なお,D-ATS-P が整備された際には,レール伝送により

地点に係らず即座に車上の情報が更新されるため,B 案を採用することが可能になり,さらに安定性が増す見込みで

ある。 (2) 東北沢駅停留場化による特徴の変化に対する対応 東北沢駅が停留場化されることで,下北沢駅より手前の

区間と先の区間での特徴に変化が発生する。シミュレーシ

ョンの結果からも,東北沢の停留場化により,下北沢駅の

運転時隔が改善されることが見て取れる(図 9)。また(1)の検討から,東北沢駅のみでなく,世田谷代田駅の停車時分

の伸び・縮みがラッシュ輸送に与える影響の変化を検討す

るために,下北沢駅の停車時分を 65秒に固定し,東北沢駅・世田谷代田駅の停車時分を変化させシミュレーションを実

施した。結果を図 10に示す。このグラフより,地上設備時は世田谷代田駅よりも,東北沢駅の停車時分の増加に伴う

新宿駅到着 大遅延の伸びが大きいのに対し,地下化後は

東北沢駅よりも世田谷代田駅の停車時分の増加による影響

が大きくなっていることが傾きからわかる。地上設備時は,

駅係員の要員を確保し,東北沢駅の停車時分を 50秒以内に抑えるよう努めていたが,地下化後については 60秒程度まで停車時分が伸びても大きな影響が発生しないことが分か

った。代わりに,世田谷代田駅での停車時分の伸びに対す

る 大遅延の伸びの方が大きくなることから,これまでの

東北沢駅よりも世田谷代田駅に要員を厚くし,停車時分の

短縮に努め,定時性を向上させることとした。 (3) 検討のまとめ 朝ラッシュ輸送に対する影響を

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図 11 新宿駅到着1分台達成 実績日数

(a) 地下化前 2012年 12月~2013年 3月のうち 19日間の平均

(b) 地下化後 2013年 4月~7月のうち 32日間の平均 図 12 遅延発生時のクロマティックダイヤ図

予測するにあたり,運転士の取扱を考慮したマイクロシミ

ュレーションにより,7時 30分~8時 40分の間,下北沢駅,東北沢駅,世田谷代田駅の平均停車時分を様々に変化させ,

新宿駅到着 大遅延がどの様に変化するかにより,ラッシ

ュ運行全体への影響を予測した。その結果,下北沢駅の機

外待ち停止位置は,後続の各駅停車が世田谷代田駅に進入

できなくなってしまうものの,当社での標準的な取扱であ

る約 50m手前に,また世田谷代田駅の停車時分を極力短くできるよう要員を配置して地下化切替を迎えることとし

た。 〈4・4〉 在来線地下化切替実施後の運転状況 当社のラッシュ時間帯で特に注目しているのは,下北沢駅を 7時 40分~8 時 42 分の間に発着するピーク 29 本の列車である。そこで,これら列車(千代田線直通列車を除く)の新宿駅

到着遅延が 1 分台で収束した日と,当社として特に改善の必要があると考える 2 分以上に発散した日に分け,それぞれについて,地下化前と地下化後の平均遅延を比較・分析

した。 (1) 新宿駅到着遅延が 1 分台で収束した日 図 11 に地下化切替前の 2012年度と地下化切替後の 2013年度に対して,ラッシュ時間帯,全列車新宿駅到着1分台を達成し

た日数の変化を比較する。地下化後の 2013年度は 1月,2月が寒さの厳しい日が多かったことにより 2012 年度より

も達成日数が低くなっているが,概ね年間を通して 2012年度よりも達成率が上がり,2012年度の年間 127日に対し,2013 年度は年間 144 日と達成率が約 7.2%上昇した。地下化した区間以外のダイヤについては変更しなかったことか

ら,これは,純粋に地下化時に行なった対策による頑健性

向上効果と考えている。 (2) 新宿駅到着遅延が 2 分以上に発散した日 新宿

駅到着遅延が 2 分以上となった日の運転状況の違いについても,地下化前後で大きな違いが出た。それぞれに対する

クロマティックダイヤ図を図 12 に示す。図 12-a からわかるように,地下化前は下北沢駅の 7時 30分頃の遅延が 1分程度であっても 9 時台後半まで影響を及ぼし,新宿駅到着の 大遅延は 4分 37秒まで拡大している。一方,地下化後は,下北沢駅の 7時 30分頃の遅延が 2分台まで拡大してしまった状況であっても,新宿駅到着の 大遅延は 2分 53秒で収まり,8 時台後半で遅延が収束に向かっている(図12-b)。また,ピーク時間帯 29本の列車のうち,1本目の列車が下北沢駅に到着してから, 後の 29本目の列車が到着するまでにかかる時間が,地下化前は 1時間 06分 15秒であったのに対し,地下化後は 1時間 03分 39秒と,地下化前に比べ 2分 36秒も改善されており,地下化による施策の効果が現れたものと考えている。

5. おわりに

本研究では,ラッシュ時間帯の列車運行を詳細に分析し,

頑健性を高めるために,運転士の操縦に関する要素を考慮

することの重要性を述べ,マイクロシミュレーションにお

いて現実的な運転士の取扱を考慮する手法を考案し,ラッ

シュ時間帯の列車運行を高精度で再現することに成功し

た。また,このマイクロシミュレータを用いることにより,

線路切替による設備変更に伴うラッシュ運行の特性の変化

を分析し,適切なオペレーション施策を検討,実施したこ

とにより,頑健性が向上していることを明らかにすること

ができた。 今後は運行実績や軌道回路単位での実績データとマイク

ロシミュレータを組み合わせて活用することにより,遅延

発生の要因を一つ一つ研究し,特に遅延が大きく発生しが

ちな新学期輸送や冬季に発生するコート等での着膨れによ

る列車遅延発生時に,遅れを 小化できる手法を研究する

ことで,輸送サービスの向上に努めていく所存である。

文 献

(1) 安部恵介, 荒屋真二: 「 長経路法を用いた列車運行シミュレーシ

ョン」,情処論, vol.27, No.1 (1986) (2) OpenTrack http://www.opentrack.ch (3) RailSys http://www.rmcon.de (4) 稲川真範,富井規雄,牛田貢平:「列車運行実績データの可視化」,

J-Rail2009 第 16回鉄道技術連合シンポジウム論文集 (2009)