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1 Chiba University of Commerce システム管理 #1 たかさき こうや<[email protected]> 千葉商科大学政策情報学部 Techniques of System Administration Chiba University of Commerce はじめまして 僕がたかさきです Chiba University of Commerce 「たかさきこうや」とは何者か? 普段:SE/NE 毎週金曜日に、大学で非常勤 秋学期のみ 他に、嘉悦大学というところで働いてます 嘉悦大学=CUCの学長をやった 故・加藤寛先生が次に学長をやっていたところ 非常勤=有期のバイトのようなもの 教授、准教授、助教、専任講師 つまり「先生」と呼ばれるような立場にない Chiba University of Commerce システム管理とは? 情報基礎I,IIを終わらせた2年生以上の 学生さんの中でインフラをただ漫然と使うだけではなく、 構築することに主眼を置いた科目 Chiba University of Commerce この科目で前提とする科目 情報基礎I,IIの必須知識を収めていること それに毛が生えている と尚良し 渡辺恭人(りほえむ)先生の情報システムを 履修済みか、履修相当の知識があること Chiba University of Commerce この科目が前提になる科目 というものは存在しないが ネットワーク系の科目 大矢野先生 柏木先生 渡辺(恭人)先生 や、くぼ先生の科目の前提知識としては、 あった方がいい知識

Chiba University of Commerce はじめまして - cuc.ac.jpkohya/IPL2013/TSA-0.pdf1 Chiba University of Commerce システム管理#1 たかさきこうや

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Chiba University of Commerce

システム管理 #1

たかさき こうや<[email protected]>

千葉商科大学政策情報学部

Techniques of System Administration

Chiba University of Commerce

はじめまして• 僕がたかさきです

Chiba University of Commerce

「たかさきこうや」とは何者か?• 普段:SE/NE

–毎週金曜日に、大学で非常勤

• 秋学期のみ

• 他に、嘉悦大学というところで働いてます– 嘉悦大学=CUCの学長をやった故・加藤寛先生が次に学長をやっていたところ

• 非常勤=有期のバイトのようなもの– ⇔教授、准教授、助教、専任講師

– つまり「先生」と呼ばれるような立場にない

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システム管理とは?• 情報基礎I,IIを終わらせた2年生以上の学生さんの中で…

• インフラをただ漫然と使うだけではなく、構築することに主眼を置いた科目

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この科目で前提とする科目• 情報基礎I,IIの必須知識を収めていること

– それに毛が生えていると尚良し

• 渡辺恭人(りほえむ)先生の情報システムを履修済みか、履修相当の知識があること

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この科目が前提になる科目• というものは存在しないが

• ネットワーク系の科目

–大矢野先生

–柏木先生

–渡辺(恭人)先生

• や、くぼ先生の科目の前提知識としては、あった方がいい知識

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この科目で目指すところ–皆さんの就職活動時のイメージ

• 「CUCは、インターネットをガンガン採り入れているらしい」

• 「政策情報学部らしい」

• というステレオタイプから導き出される誤解を、真実にする!という大目標

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つまり• コンピュータ環境を使う人から、コンピュータ環境を作る人への脱却

• あるいは、サポートされる人からサポートする人への成長

– まぁ僕的には情報基礎IIIのつもり

• =CUCの学生さんに必須のスキル

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でも• 純粋な学問からはちょっと遠い

• むしろ、専門学校のような技術に比重が置かれる

• でも、それじゃ「大学」じゃないので、頭も使って貰いたい

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システム• システム【system】

–複数の要素が有機的に関係し合い、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。

• 広辞苑第4版より

• 僕らが使うコンピュータとネットワークは、まさに複数の要素の集合体

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例えば• 「Webページが見れない」

– という場合

• 電源が刺さっているか

• コンピュータが起動しているか

• キーボードやマウスは繋がっているか

• ソフトは正しく起動しているか

• インターネットに接続できているか

• など、様々な問題が考えられうる

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日常生活において

• 僕たちは、こうした問題を本能で切り分けている

–例えば、「自分が転んで怪我をした」場合

• 天候は悪かったか

• 足場は悪かったか

• 他者の介入があったか

• 考え事をしていたか

• 転んだ際の当たり所は悪かったか

• なんてことを考える

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でも

• コンピュータを目の前にすると、突然こうした問題の切りわけが出来なくなる

• これじゃ、管理する側にはなれないよね?

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もうひとつ。管理って• どういうこと?

• かん‐り【管理】

–管轄し処理すること。良い状態を保つように処置すること。とりしきること。「健康―」「品質―」

–財産の保存・利用・改良を計ること。

• 広辞苑第4版より

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僕たちは

• ネットワークやコンピュータを、ただ漫然と使うだけではいけない

• 良い状態を保ち、より良い状態へと改善を図る

• 状態を全体的に把握し、能動的に関わる

• これが「管理」

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このために必要なこと• コンピュータとネットワークに、少しだけ「すりよってあげよう」

• コンピュータもネットワークも、人間とは違う概念で動いている

– 「意味ワカンナイ」といって拒絶するのは自由だけど、それじゃ永遠に分かり合うことはできないよね?

• 恋愛とおなじだ!

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実は

• この言葉に、僕の願いの全てが込められている

• 「システム管理」は、僕がCUCと歩んだ18年の歴史の中で、唯一

「科目名決定に関与した」科目

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他の科目は• 僕以外にもいくらでも教える人がいる科目

–商経学部

• 情報基礎

• 情報処理

• Web情報デザイン

–政策情報学部

• 情報基礎I,II

• を経験したけど、いずれも「僕以外の担当」がいる

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でも、システム管理は• 今後、誰か別の人が担当することはあっても

• 現在は僕以外にやる人がいない

• そういう科目

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再度• 「システム管理」とはコンピュータやネットワークなど、取り巻く要素の集合体を管轄し、より良くするために

• 何が出来るか、その技法を学ぶ科目

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その科目の評価について• 3回休んだら即アウト、みたいな(語学はそうなの?)ルールはない

• でも、毎回扱う内容が多岐に渡る上、講義中で「前回の復習」をしている時間がない

–ので、予告しておくけど

• 1回でも休むと、取り戻すのが辛いよ!ホントに!

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評価の方法• お題が出ます

• 中間課題が出ます

• 最終課題も出ます

–習熟度を見て講義内テストもやるかどうか決めます

• 配分はそのうち決めます

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講義資料• 講義に使った資料は、Webにあらかたアップします

• 紙で配ることは、ほぼありません

– ISO14001(?)な大学だし

• 教科書もありません

–参考資料が欲しければWebで探すか

– あるいは自分で探して買ってくれ

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教科書がない理由• この分野の本は、山ほどある

• 僕が指定しなくても、自分で「自分にあった」本を買えばいい

–本を買うお金がなければ、Webに資料はいくらでもある

• 玉石混合だけどね

• つか、大学生なんだから、「自分で自分に必要な本を探して買う」スキルぐらい身につけようぜ!

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そして何より• 最終課題をするにあたり、多少の出費がある

–数千円

• そっちにお金はとっておきたいし…

• だから、教科書も参考書もありません

– CUCにいるかどうかは知らないけど、大したことのない自分の著作を学生に教科書と騙って売りつける人もいるらしいネ

• 僕にも共著の著作はあるけど…

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関連資格(?)

• NTTコミュニケーションズの「インターネット検定(ドットコムマスター)」検定委員もやってます

– http://www.com-master.jp/

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昨今の就職事情• 割と厳しいので、資格はあった方がいい

– インターネット検定である必要はない

– CCNAとか、ITパスポートとか、基本情報とか…

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さて• そろそろ御託は終わりにして

• 本題に入ります

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みんなの目の前にあるパソコン• 勿論「パーソナルコンピュータ」の略

• 「パソコン」は、広義では「個人用途のコンピュータ」ぐらいの意

• インターネットの世界では、その目的別に二つの用語で呼ばれることが多い

• 「サーバ」と「クライアント」

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「サーバ」と「クライアント」 #1

• 「サーバ」…サービスをするコンピュータ

– コーヒーをサービスする装置→コーヒーサーバ

– ビールをサービスする装置→ビアサーバ

• インターネットの世界では、目的別にサービスをするコンピュータが分かれている

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「サーバ」と「クライアント」 #2

• 電子メールをサービスするコンピュータ

– →メールサーバ

• Webをサービスするコンピュータ

– →Webサーバ

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余談:ちなみに• 「インターネットのアドレス」とか「ホームページ」とか呼ばれている例のアレhttp://www.cuc.ac.jp/

↑は、インターネット的には「サービスのひとつ」に過ぎない

• WWW(World Wide Web)サービス

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余談:Webサーバ、とは?• World Wide Webと言ってしまうと、世界中にサービスをしていることになる

• 世界の人が対象じゃないサービスは単にwebサービスと言うこともある

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「サーバ」と「クライアント」#3

• 「クライアント」…サービスの提供を受けるコンピュータ

–探偵モノのドラマの顧客…「クライアント」

• 今みんなが使っているPCは、サービスを「提供されている」だけ

– Web

– メール

– その他のインターネットサービス

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なので今後は• 用途を示す場合、「PC」とか「パソコン」とか呼ばずに

• 「サーバ」

• 「クライアント」

• と呼びましょう

–目的志向だね!

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サーバとクライアントの違い• サーバとクライアントに、機能の違いはない

– ただし、性能と信頼性が違う

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コンピュータの性能• を、決定する要素

– メインボード(マザーボード)

– CPU

– メインメモリ

– HDD

– グラフィックカード

• ディスプレイ

–電源

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サーバの性能• データを持つタイプのサーバ

– HDD

• RAID1等を用いる

• 高速HDDを用いる

– メモリ

• パリティチェック機能等を用いる

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信頼性• クライアント

– 1日8時間使用して2年もつ、みたいな設計思想

• サーバ

– 1日24時間365日使用して3年以上もつ

• ※あくまで一例

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コンピュータの中の情報の扱い• コンピュータ内部は銅線で繋がっている

• 銅線の中には、便箋も音も光も流せない

–流せるのは電気だけ

• じゃぁ、情報を電気に置き換えて流そう

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でも、どうやって置き換える?• 電気の強さにしようか?

–一番弱い状態をA、一番強い状態をZとおきかえて…みたいな?

• でも、それは環境による誤差が出やすい

–電気を通しやすいケーブルと通しにくいケーブルとか…

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なので、もうその辺は• 開き直って

• 「電気が通っているか」

• 「電気が通っていないか」

• だけで、区別しよう!

– と、偉い人は考えた

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コンピュータ内部での情報の取り扱い

• 電気が流れている状態を1、流れていない状態を0とする

– つまり、onかoffかということ

– 従って、コンピュータ内部では情報は0と1で現される

• でも、これじゃすぐ桁が足らなくなる

• 0と1をたくさん組み合わせよう

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• ひとつの桁には、入ることが出来る数字の数が決まってる

0~9しか入らない

9まで行ったら次の桁にくりあがって1増え、自分の桁は0に戻る

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フツー• 数字は、0から9までを組み合わせる

–全部で10通り

• これは、人間の指の本数が左右で10本だったから、という説が濃厚

– それを二つ組み合わせると、00から99までの100通りになる

• 10×10 つまり10の2乗で、100だね

• これを、10進数と言う

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でもコンピュータには• 指がない(当たり前だ)

– あるのは、電気のon/offだけ

• だから、コンピュータは0と1しか使えない

• 0、1とくれば、人間だと次は2だけど

• コンピュータは、0、1の次は10• いきなり桁が繰り上がっちゃう

• これを、2進数と言う

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2進数• それは数字を

0と1しか使わない数え方

0

1

10

11

100

101

110

111

1000

1001

1010

1011

1100

1101

1110

1111

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

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10進数だと

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でもこれが• 意外と便利だったりする

• 例えば、人間の指は片手で5本しかない

• これを、全部折り曲げた状態を「0」とする–全部の指が「off」

–即ち、00000とする

• 1はどうする? 一応右手のつもり

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まず1は• 親指を立てる

– つまり00001

• 更に、2を表現するときは、人差し指を立てて、親指を閉じる

– つまり、00010

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じゃあ、3は?• 再度親指を立てる

– つまり00011

• 4はというと中指を立てて、親指と人差し指を寝かす

– つまり00100

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これを繰り返すと• 指が全部立っている状態は、即ち

31であることが分かる

「1」の指

「2」の指

「4」の指「8」の指

「16」の指

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じゃぁ、そんな2進数で• どうやって人間が使う文字を扱う?

– それぞれのコンピュータが独立しているなら、勝手に決めればいいじゃん、という話だけど…

• 実際には、コンピュータ同士で情報をやり取りしなければならない

• 規格を作ろう!

– と、偉い人は考えた

–⇒ASCII規格

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考えたこと• 数字は、全部で0と1を8つ組み合わせよう

• ただし、本当に使うのは7つで、8つ目は特殊な用途に使おう

–パリティビット

–誤り検出

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ASCII規格• 英語以外の言語のことは考えてない

–考える必要もなかった

–当時のコンピュータは性能が低かったので、余計なこともしたくなかった

• コンピュータ同士で情報をやり取りするために、アメリカ人が取り扱うであろう情報を電気信号(0と1)に置き換えてやったもの

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じゃぁ、そのためには• 一体0と1の組み合わせが何桁あれば足りる?

– 1桁なら2通りの文字しか表現できない

– 2桁なら組み合わせて4通り

– 3桁なら8通り

– 4桁なら16通り

– 5桁なら32通り…

– …

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参考:2進数の数• 例えば…

• 10進数の、7桁の数だと10の7乗=1000万通りを数えられる

• 正確には、0から9999999まで

• 2進数が10桁あると2の10乗=1024通りを数えられる

• 正確には、0から1023まで

2 =646

「?進数」の「?」の部分が入る。10進数なら10

「桁数」が入る。6桁なら6

数えることが出来る数字

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さて、数えてみよう• 数字は10文字

• アルファベットは大文字小文字で52文字

• 記号は30個くらい

• これなら7桁あれば余裕で足りる

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この7桁を使い• それぞれの番号に、文字を割り当てていく

– Ex

• 0100001 = !

• 0100011 = #

• 0110000 = 0

• 0111000 = 8

• 1000001 = A

• 1001011 = K

• 1011010 = Z

• 1100001 = a

• 1111010 = z

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先ほど書いたとおり• 7桁では中途半端

• 8桁で行こう

– 最後の桁は、誤り検出に使おう

• 8桁なのは、「桁数も2のn乗だと色々都合が良い」から

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ビットとバイト• ところで、この2進数のことを常に「0と1」とか言うのはウザいよ

• なので、これを「ビット」と呼ぼう

– 「0と1」の組み合わせが4つの場合は「4ビット」と呼ぼう

– 「0と1」の組み合わせが7つなら「7ビット」

– 「0と1」の組み合わせが8つなら「8ビット」

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使い方• 8ビットあれば、0~255までの任意の数字を表現できる

• CUCの学籍番号が7桁あれば、全学生(しかも100年分)に任意のIDが割り当てられるのと同じ

– …とか思ってたら、新しい学部作ったら足らなくなっちゃって、数字以外の文字を使っちゃったりしてな

• 設計ミスの良い例

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更に• ビットを8つ単位で「1バイト」と呼ぼう

• 位取りみたいなもの

–日本や中国は、4桁ごとに位取りするでしょ?

• 一、 十、 百、 千

• 一万、十万、百万、千万

• 一億、十億、百億、千億…

• ちなみに、英語圏だと3桁ごとに位取りする– one, ten, handred

– one thousand, ten thousand, handred thousand

– one million, ten million, handred million

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しかしなんだな• 0と1しか使わないと、なんか無駄に桁数だけ多くなって、人間の視認性が低いね

• そこで、2進数の桁数を4桁いっぺんに表現する「16進数」が考えられた

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16進数• 0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,a,b,c,d,e,f

• の16個の数字(一部アルファベット)を使う

0000 = 0

0001 = 1

0010 = 2

0011 = 3

0100 = 4

0101 = 5

0110 = 6

0111 = 7

1000 = 8

1001 = 9

1010 = a

1011 = b

1100 = c

1101 = d

1110 = e

1111 = f

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これを使うと• 例えば、

– 1111 1111 (255) は、ffと表現できる

– 0110 0100 (100) は、64と表現できる

– ただし、日常生活ではしばしば64と書いたときに「10進数」なのか「16進数」なのか分からなくなるので、

• 0x64と書く(16進数の場合)

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従って• 1バイトというと、00からffまでの「箱」を指す

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さて、本日の”お題”

• さっきの数え方で、右手で0から31までをスムーズに数えられるようになろう!

[email protected]宛にメールする(今日中)

– 「俺は出席したぞ」という自己主張

– 「なんか適当に自己紹介」

• 「情報基礎誰のクラスだったか&今誰のゼミか」+

– 「ある集合に、一意の数字を付けるんだけど数字の桁数が決まっている例」を探して紹介