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CHP排熱利用型木質チップ乾燥機の開発 2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 1 ボルタージャパン株式会社

CHP排熱利用型木質チップ乾燥機の開発 · 2018-06-08 · CHP排熱利用型木質チップ乾燥機の開発 2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 1 ボルタージャパン株式会社

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CHP排熱利用型木質チップ乾燥機の開発

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 1

ボルタージャパン株式会社

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目次

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 2

P.3 事業の背景

P.4 目指すゴール

P.5 実施概要

P.6 熱供給元および検証システム Volter40 システム概要

P.7 Volter40 独自の運転制御

P.8 検証設備 ボルタージャパン本社 ビジターセンター

P.9 燃料チップ乾燥の重要性

P.10 乾燥試験結果

P.11 燃料管理を徹底している海外事例

P.12 外気温と温風温度

P.13 乾燥品質検証 Volter40 稼働率

P.14 商用システムの検討

P.15 乾燥コスト

P.16 まとめ~本年度の成果と課題~

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事業の背景

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 3

●FIT制度とエネルギー地産地消のニーズが高まる中で、小型バイオマスCHPのニーズが高まっている。●欧州の様々な機器が日本に導入され始めているが、燃料規格に適合する低含水率のチップは流通していない。●そのため、CHPの熱の一部を利用した木質チップ乾燥システムが有効である。

木質バイオマス利用

ボイラー

大型バイオマス2000kWe以上

小型木質CHP100kWe以下

Volter40からの低温排熱を利用したチップ乾燥システムの開発

切削チップ

含水率 サイズ形状

15%以下

1.6~5cm(粉無し)

Volter40 燃料要件

既存のサプライチェーンで対応可能既存のサプライチェーンで対応不可能

課題

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目指すゴール

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 4

製材 製紙

地域資源

未利用木材

従来利用の木材

●CHPから供給される熱の一部を利用し乾燥チップの製造を行う。

●地域資源由来のエネルギーを効率的に利用し、地産地消が進む。

●熱電併給による高い経済性から小型木質バイオマスCHPの普及が進む。

電気

紙建材等

温浴施設

きのこ栽培

ハウス農業

介護施設

市町村(地域エネルギー会社)

排熱利用型チップ乾燥機

ウェットチップ

乾燥チップ

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実施概要

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 5

85℃温水

空気熱交換器100kW

温風

乾燥機

Volter40冷却水

乾燥チップ

熱源 [低温]ボルター排熱(最大85℃温水)

処理方式 バッチ式

想定仕様 処理能力:1日1t(50%W.B.→15%W.B.)処理時間:15~20h×1バッチ処理方法:タワー型の温風通路の両側に300mmの厚さで

生チップを配置し、豊富な風量を利用し乾燥チップを製造熱源条件:温水温度85℃(ガス化発電設備の排熱)乾燥風量:15,240m3/h(固定)

■開発のポイント・Volter40実機を利用し、1バッチでVolter40 1日分の乾燥チップを製造する。・チップの堆積量を300mmと極力まで薄くし、風の摩擦を減らし、低熱量でも均質な乾燥チップを製造する。

・無人運転のために人手がかからない機械化されたシステムとする。

Volter40 1号機設置場所

乾燥機試験実施場所

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熱供給元および検証システム Volter40 システム概要

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 6

ドレイン水(自動排出)灰(自動排出)

電気:40kW熱 :100kW稼働:7,800時間/年

一社)日本エネルギー学会開催第 12 回バイオマス科学会議用資料より引用

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Volter40 独自の運転制御

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 7

ダウンドラフト方式の木質バイオマスCHPの特徴として、ガス化炉内の温度が適正であれば、ガス中のタールは燃焼し、エンジンにダメージを与えることはありません。

しかし、含水率が高いチップが燃料に混入した場合、ガス化炉底部の燃焼温度が下がり、タールが燃え尽きずにエンジンに到達し、システムに深刻なダメージを与える可能性があります。

Volter40 は、ガス化炉の温度を基準とした運転制御により、リスクのある状況下でエンジンへのガス供給を自動停止。早ければ数分で発電を自動的に再開します。

ガス化炉温度を元にした自動運転

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2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 8

検証設備 ボルタージャパン本社 ビジターセンター(秋田県北秋田市)

施設名称:ビジターセンター

設置台数:1台

発電出力:40kW

利用方法:電気→自社内にて利用

熱 →乾燥機開発

排熱ファン100kWth

乾燥チップ15%以下

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燃料チップ乾燥の重要性

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7:2

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:03

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9

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:12

7:0

7

発電出力(毎分)kW

燃料チップ乾燥が不十分な場合のVolter40の発電トラックレコード

Volter40の定格出力は40kWである。適切な乾燥チップが提供されていれば、システムは連続で稼働し続ける。(図中緑破線枠参照)

燃料チップの含水率にムラがある場合、発電停止となり出力は-2Kw(自家消費)となり、再びガス化炉温度が上昇するまで熱・電ともに供給がストップする。(図中赤破線枠参照)

→乾燥チップ品質(乾燥ムラ)をVolter40の稼働率から検証

高含水率のチップ混入 → ガス化炉温度の低下 → 自動発電停止→ 低含水率チップへ復帰 → ガス化炉温度上昇 → 自動発電開始

乾燥が十分でない(乾燥ムラのある)チップ燃料適切な乾燥チップ

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2018/2/21 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 10

燃料管理を徹底している海外事例

稼働時間:8299時間総発電量:313,966kWh

ベストトラック:シリアルアンバー37(Sn37)

1年間(標準7,800時間稼働)

300,000kWh

ジョン・ラック建設(John Ruck Construction Ltd)建設資材用の鉄骨構造製造木材チップ製造事業

導入設備Volter40 3台

エネルギー利用方法自家利用電気→自社設備で利用(余剰を売電)熱 →チップ乾燥、設備暖房

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2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 11

乾燥試験結果

33.6%

20.6%

12.9%

8.2%

3.3%

33.4%

41.0%

36.5%

24.0%22.2%

10.9%8.4%

5.5%6.7%

2.7%

13.3% 12.9% 12.2% 11.3%

7.4%

3.0%

32.6%

24.8%

0.0% 0.0%

33.0% 32.5%

37.0%

24.2%

19.4% 18.9%17.3%

12.9%

10.1%

7.4%

11.1% 12.1%

5.9%

3.0%0.7% 0.6%

37.8%

30.2%

23.5%

19.3%

24.7%

12.5%10.1%

8.4%7.1% 8.1%

4.9%

32.8%

21.1%

16.1%

11.5%8.9% 8.8% 8.1% 7.6%

5.5%3.6%

1.8% 1.8%0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

経過時間 0.0 3.0 6.0 9.0 12.0 15.0 18.0 21.0 24.0 27.0 30.0 33.0 36.0 39.0 42.0

乾燥試験結果

乾燥試験① 乾燥試験② 乾燥試験③ 乾燥試験④ 乾燥試験⑤ 乾燥試験⑥ 乾燥試験⑦

チップ条件:杉 切削チップ(皮無し)平均値上では、24時間以内に乾燥は完了。乾燥機内の一部で乾燥ムラが発生していたため24時間以上の乾燥を実施。※含水率は全てハンディタイプの計測器で測定(赤外線方式の計測器では初期含水率が+20%強となる)

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10.0

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60.0

70.0

記録日時

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温風温度

外気温 温風温度 排気ダクト1

2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 12

外気温と温風温度

乾燥機内の温風温度はラジエーターの給気(外気)の温度変動を受けて冬季に向けて低下。プラントルームなど比較的暖かい場所から給気をおこなうことで、季節変動による乾燥効率の低下を回避することができる。

乾燥試験① 乾燥試験② 乾燥試験③ 乾燥試験④ 乾燥試験⑦

乾燥試験⑤,⑥はデータ破損のため割愛

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乾燥品質検証 Volter40 稼働率

試験① 試験② 試験③ 試験④ 試験⑤ 試験⑥

開始 1/18 12:30 1/24 12:30 1/29 15:30 2/2 0:30 2/5 23:00 2/13 0:00

終了 1/20 5:30 1/25 4:30 1/30 8:00 2/2 8:00 2/6 23:30 2/16 0:00

稼働時間 41 16 15.5 7.5 24.5 72

稼働率 95.15% 97.29% 92.32% 87.78% 72.18% 82.84%

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Volter40 稼働試験発電出力

稼働試験④~⑥において、乾燥機内温風温度低下により燃料チップに乾燥ムラが発生。発電の自動停止・復旧が頻発し稼働率が低下。

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2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 14

商用システムの検討

システムの特徴CHP排熱を利用し木質チップを効率よく乾燥可能。CHP排熱用のラジエーターファンに接続することで容易に設置が可能

【基本仕様】熱源条件:温水最大85℃⇔最大65℃(100kWth)温風温度:30℃~60℃(設置条件による)乾燥期間:1~2日(設置条件による)乾燥量:木質チップ約7m3(バッチ式)乾燥開始水分:50%(W.B.)乾燥目標水分:15%(W.B.)消費電力量:約5.5kWh(ファン動力)投入方法:定量投入機(約1.5時間)本体寸法:2120×2530×5750 W*H*D

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2018/3/2 VOLTER Japan CO.,Ltd. all rights reserved 15

乾燥コスト

CHPの熱をすべて乾燥に回すことで、チップ乾燥コストは2.37円となる。(人件費は除く)一方で、チップ乾燥と熱供給を同時に行うためには、乾燥効率を上げる必要がある。

- プラントルーム内の比較的暖かい空気をラジエーターに供給し、温風温度を上げる。- 乾燥機本体を建屋内に設置し、放熱ロスを減少させる。

上記2点の対策により、乾燥時間の短縮(=乾燥コスト削減)とともに熱電併給による経済性向上を実現することができると考えられる。

機器費

¥2.05

管理費(年間)

¥0.15

電力料金

¥0.17

乾燥コスト内訳

機器費 管理費(年間) 電力料金

¥2.37/kg(含水率15%)

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まとめ~本年度の成果と課題~

《成果》CHP排熱のみで燃料用チップの乾燥が可能なシステムを開発。

《課題》乾燥ムラ対策・乾燥効率の向上ラジエーターファンの取り込み空気の経路変更による乾燥効率向上乾燥機本体の放熱ロスを減少させることによる乾燥効率向上