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Cisco Systems, Inc. All contents are Copyright © 1992–2004 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Important Notices and Privacy Statement. Page 1 of 13 ホワイ ト ペーパー Cisco IP Transfer Point MTP3 User Adaptation M3UA) および SCCP User Adaptation SUA) シグナリン ゲートウェイ 概要 モバイル事業者には、 現在、 2 つの主要なビジネス ニーズがあ り ます。 1 つはネ ッ ト ワ ー ク の拡大に合わせて コ ス ト を削減 し 、 加入者の要望に応え る こ と 、 も う 1 つは収益 の拡大と加入者の維持および獲得につながるサービスを提供する こ とです。 Signaling System 7 SS7) ネッ ト ワークを完全な IP ネッ ト ワークに移行するこ とによ り、 モバイ ル事業者はこの両方のニーズを実現する こ と ができ ます。 Cisco IP Transfer Point ITP) は、 SS7 シグナリング トラフィックを IP ネッ ト ワーク上 で伝送するための製品フ ァ ミ リ ーです。 Cisco ITP の最初の リ リ ースでは、 Internet Engineering Task Force IETF)の Signaling Transport SIGTRANMTP2-User Peer-to-Peer Adaptation M2PA) レイヤ プロ ト コルをサポート しています。 このリ リースでは、 コ ス ト の高い Time Division Multiplexing TDM; 時分割多重) ネ ッ ト ワ ー ク か ら コ ス ト 効 率のよい IP ネットワークに SS7 ト ラ フ ィ ッ ク の一部を移す こ と に よ り 、 IP ネットワー クへの移行の第一歩を実現しました。 Cisco ITP の最新リ リースでは、 SIGTRAN MTP3-User Adaptation M3UA) レイヤ プロ ト コルおよび SCCP-User Adaptation SUAレイヤ プロ ト コルを使用しており、 従来の SS7 ネ ッ ト ワー ク と の通信が可能な IP 対応 のエンド ノードやアプリケーションを可能にすることで、 IP ネッ ト ワークへの移行を さらに進歩させています。 ネ ッ ト ワークの効率化 Home Location Register HLR)、 Short Message Service Center SMSC)、 Signaling Control Point SCP) などの新しい高性能 Signaling Endpoint SEP) の処理能力は、 従来の SS7 ネッ ト ワークを上回っています。モバイル事業者は、 これらのアプ リ ケーシ ョ ンを十分 に活用し、 低コス ト で効率的に展開するための方法を模索しています。 しかし、 コス ト の問題や SS7 ネッ ト ワークの制約によ り、 これまで実現には至り ませんでした。 Cisco ITP M3UA/SUA シグナリング ゲー ト ウ ェ イ は、従来の SS7 の制約を打破し、こ れらのアプ リ ケーシ ョ ンを十分に活用可能とする、 シグナ リ ング ト ラ フ ィ ッ ク 伝送の ための高性能で拡張性の高いソ リ ューシ ョ ンを実現しています。 これによ り、 モバイル 事業者は TDM Signaling Transfer Point STP) の コ ス ト を低減す る と 同時に、 SCP プ リ ケーシ ョ ンの高い ROI (投資対効果) を実現しています。

Cisco IP Transfer Point · 2008. 3. 15. · ietf のsigtran ワーキング グループは、ip ネットワーク上で従来のss7 シグナリングを伝送する標準プ ロトコル(ss7oip)を策定しました。最初に下位レイヤに対応する規格が定められ、ss7

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ホワイ ト ペーパー

Cisco IP Transfer Point

MTP3 User Adaptation (M3UA) および SCCP User Adaptation (SUA) シグナリン

グ ゲートウェイ

概要

モバイル事業者には、 現在、 2 つの主要なビジネス ニーズがあ り ます。 1 つはネッ ト

ワークの拡大に合わせてコス ト を削減し、加入者の要望に応えるこ と、 も う 1 つは収益

の拡大と加入者の維持および獲得につながるサービスを提供する こ とです。 SignalingSystem 7 (SS7) ネッ ト ワークを完全な IP ネッ ト ワークに移行するこ とによ り、 モバイ

ル事業者はこの両方のニーズを実現するこ とができます。

Cisco IP Transfer Point (ITP) は、 SS7 シグナリ ング ト ラフ ィ ッ クを IP ネッ ト ワーク上

で伝送するための製品フ ァ ミ リ ーです。 Cisco ITP の最初の リ リ ースでは、 InternetEngineering Task Force (IETF) の Signaling Transport (SIGTRAN) MTP2-User Peer-to-PeerAdaptation (M2PA) レイヤ プロ ト コルをサポート しています。 この リ リースでは、 コ

ス トの高い Time Division Multiplexing (TDM; 時分割多重) ネッ ト ワークからコス ト効

率のよい IP ネッ ト ワークに SS7 ト ラフ ィ ッ クの一部を移すこ とによ り、 IP ネッ ト ワー

クへの移行の第一歩を実現しま した。 Cisco ITP の最新 リ リースでは、 SIGTRAN の

MTP3-User Adaptation (M3UA) レイヤ プロ ト コルおよび SCCP-User Adaptation (SUA)

レイヤ プロ ト コルを使用しており、 従来の SS7 ネッ ト ワーク との通信が可能な IP 対応

のエンド ノードやアプリ ケーシ ョ ンを可能にするこ とで、 IP ネッ ト ワークへの移行を

さらに進歩させています。

ネッ トワークの効率化

Home Location Register (HLR)、 Short Message Service Center (SMSC)、 Signaling ControlPoint (SCP) などの新しい高性能 Signaling Endpoint (SEP) の処理能力は、 従来の SS7ネッ ト ワークを上回っています。モバイル事業者は、 これらのアプリ ケーシ ョ ンを十分

に活用し、低コス トで効率的に展開するための方法を模索しています。 しかし、 コス ト

の問題や SS7 ネッ ト ワークの制約によ り、 これまで実現には至り ませんでした。

Cisco ITP の M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイは、従来の SS7 の制約を打破し、こ

れらのアプ リ ケーシ ョ ンを十分に活用可能とする、 シグナリ ング ト ラフ ィ ッ ク伝送の

ための高性能で拡張性の高いソ リ ューシ ョ ンを実現しています。 これによ り、モバイル

事業者は TDM や Signaling Transfer Point (STP) のコス ト を低減する と同時に、 SCP ア

プリ ケーシ ョ ンの高い ROI (投資対効果) を実現しています。

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収益を産み出すアプリケーシ ョ ンおよびサービスの実現

SS7-over-IP (SS7oIP) シグナリ ング ゲート ウェイを使用する と、 IP ベースの最新のアプリ ケーシ ョ ンおよび

サービスをすみやかに展開できます。 モバイル インターネッ ト / イン ト ラネッ トでは、有線のインターネッ

ト と同様にオープンなアプローチが必要と されています。 そして、 このよ うな環境においてこそ、 モバイル

事業者は独自の魅力的なアプリ ケーシ ョ ンやサービスを携えて市場に参入するこ とができます。 また、 モバ

イル インターネッ ト市場で成功を収めるには、 これらのアプリ ケーシ ョ ンを IP ベースで稼働させ、 第 2 世

代 (2G)、 2.5G、 および第 3 世代 (3G) ワ イヤレス ネッ ト ワークへのシームレスな移行を可能にする と と も

に、 ネッ ト ワークや加入者数の増大に合わせて拡張できるよ うにする必要があ り ます。

このよ うな高度なアプリ ケーシ ョ ンとサービスによって、モバイル事業者は新たな収益源を得るこ とができ

ます。また、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上にも役立つため、顧客数の増加につながり ます。

中心となるネッ トワーク インフラスト ラクチャ

幅広いアプリ ケーシ ョ ンやサービスへの柔軟な対応を可能にするには、中心となるネッ ト ワーク インフラス

ト ラ クチャが技術的にオープンでなければなり ません。従来の Intelligent Network(IN; インテ リジェン ト ネッ

ト ワーク) や Advanced Intelligent Network (AIN; 高度インテ リジェン ト ネッ ト ワーク) を使用して新しいア

プリ ケーシ ョ ンおよびサービスを実現するこ とは、 狭く閉ざされたコ ミ ュニティだけでしか開発できない、

時間のかかる難しい作業でした。 これに対して SS7oIP は、 市場参入時の障壁を低く し、 IN および AIN を十

分に活用できるよ うにします。 また、オープンな規格であるため、市場へのアプリ ケーシ ョ ン ベンダーの参

入を促進するこ とが可能です。 Cisco ITP は M3UA/SUA のシグナリ ング ゲート ウェイ機能を備えているた

め、 モバイル事業者は標準ベースの IP ネッ ト ワークを使用してビジネス目標を実現できます。

SS7oIP の概要

IETF の SIGTRAN ワーキング グループは、 IP ネッ ト ワーク上で従来の SS7 シグナリ ングを伝送する標準プ

ロ ト コル (SS7oIP) を策定しました。 最初に下位レイヤに対応する規格が定められ、 SS7 に相当する冗長性

とアベイラビ リ ティが実現されました。 さ らにこの上位に、 IP ベースのエンドポイン トに対する SS7 シグナ

リ ング伝送メカニズム (バッ クホール) が追加されました。

詳し くは、 SIGTRAN のホームページ http://www.ietf.org/html.charters/sigtran-charter.html を参照してください。

Cisco ITP ファ ミ リーでサポート されているプロ ト コルは次のとおりです。

• Stream Control Transmission Protocol (SCTP、 RFC2960) ― TCP と同様、 ト ランスポート レイヤ プロ ト コ

ルです。 このプロ ト コルを使用する と、 信頼性の高いデータ転送、 多重ス ト リーム、 データのバンドル

とフラグ メンテーシ ョ ン、 輻輳制御とフロー制御、 マルチホーミ ングによる信頼性の向上などの機能を

実現できます。 SCTP は、 Cisco ITP 製品ファ ミ リーの ト ランスポート レイヤ プロ ト コルです。

• MTP2-User Peer-to-Peer Adaptation (M2PA、 Internet-Draft) ― SCTP と同時に使用するこ とによ り、 MTP3に MTP2 と同等のト ランスポート レイヤ サービスを提供します。 Cisco ITP 製品には M2PA が実装され

ており、 従来の SS7 ネッ ト ワークから MTP3 メ ッセージをオフロード します。

• MTP3-User Adaptation (M3UA、Internet-Draft) ― MTP3 レイヤとのインターフェイスを持つプロ ト コル IPベース アプリ ケーシ ョ ン (ISDN-User Part [ISUP;ISDN ユーザ部 ] および Signaling Connection Control Part[SCCP] など) に対して、従来の SS7 ネッ ト ワークへのゲート ウェイを提供するク ライアン ト / サーバ プロ ト コルです。 Cisco ITP 製品には、 M3UA が実装されています。

• SCCP-User Adaptation (SUA、 Internet-Draft) ― SCCP レイヤとのインターフェイスを持つ IP ベース アプ

リ ケーシ ョ ン (Transaction Capabilities Application Part [TCAP] など) に対して、 従来の SS7 ネッ ト ワーク

へのゲート ウェイを提供するク ライアン ト / サーバ プロ ト コルです。 Cisco ITP 製品には、 SUA が実装さ

れています。

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M3UA および SUA

M3UA は、SS7 MTP3-User Part メ ッセージおよび MTP ネッ ト ワーク管理イベン ト を SCTP ト ランスポート経

由で IP ベース アプリ ケーシ ョ ン エンドポイン トに伝送するための ト ランスポート メカニズムを備えていま

す。 M3UA シグナリ ング ゲート ウェイは、 SS7 の MTP2 および MTP3 プロ ト コル レイヤを終端し、 ISUP、SCCP、およびその他の MTP3 ユーザ プロ ト コル メ ッセージを配信します。 Application Server Process (ASP)はシグナリ ング ゲート ウェイのコンポーネン トであ り、アプ リ ケーシ ョ ンのエンドポイン ト上に存在するプ

ロセスまたはデータベース (コール エージェン トや HLR など) です。

図 1 は、 従来の SS7 サービス コン ト ロール ポイン ト、 M3UA シグナリ ング ゲート ウェイ、 IP ベース ASP、および各プロ ト コル スタ ッ ク間の関係を示しています。

図 1 M3UA ベースのアーキテクチャ

図 1 では、 従来の SS7 SCP (右側) は MTP1、 MTP2、 および MTP3 を使用して SCCP および ISUP メ ッセー

ジをネッ ト ワークに送信します。シグナリ ング ゲート ウェイは SS7 リ ンクを終端して、MTP3 メ ッセージを

M3UA メ ッセージに変換し、 これを SCTP/IP 経由で ASP に送信します。 ASP の M3UA は、 MTP3 と同様に

SCCP および ISUP をアプ リ ケーシ ョ ンに配信します。

SUA は、 SS7 SCCP-User Part メ ッセージおよび SCCP ネッ ト ワーク管理イベン ト を SCTP ト ランスポート経

由で IP ベース アプリ ケーシ ョ ン エンドポイン トに伝送するための ト ランスポート メカニズムを備えていま

す。 SUA シグナリ ング ゲート ウェイは、 SS7 の MTP2、 MTP3、 および SCCP プロ ト コル レイヤを終端し、

TCAP、 Radio Access Network Application Part (RANAP)、 およびその他の SCCP ユーザ プロ ト コル メ ッセー

ジを配信します。 ASP はシグナリ ング ゲート ウェイのコンポーネン トであ り、 アプ リ ケーシ ョ ンのエンド

ポイン ト上に存在するプロセスまたはデータベース (コール エージェン トや HLR など) です。

IP Network SS7 Network

Signaling Gateway

SCTP/IP SS7

ISUP and SCCP Messages ISUP and SCCP Messages

ASP SS7 SG SEP

MAP IS-41

TCAP

SCCP

M3UA

SCTP

IP

M3UA

SCTP

IP

ISUP

MAP IS-41

TCAP

SCCP

MTP3

MTP2

MTP1

MTP3

MTP2

MTP1

ISUP

SCCPGTT

NIF

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図 2 は、従来の SS7 サービス コン ト ロール ポイン ト 、 SUA シグナリ ング ゲート ウェイ、 IP ベース ASP、お

よび各プロ ト コル スタ ッ ク間の関係を示しています。

図 2 SUA ベースのアーキテクチャ

図 2 では、 従来の SS7 SCP (右側) は MTP1、 MTP2、 および MTP3 を使用して SCCP メ ッセージをネッ ト

ワークに送信します。 シグナリ ング ゲート ウェイは SS7 リ ンクを終端して、 SCCP メ ッセージを SUA メ ッ

セージに変換し、 これを SCTP/IP 経由で ASP に送信します。 ASP の SUA は、 SCCP と同様に TCAP をアプ

リ ケーシ ョ ンに配信します。

ルーティング キー、 アプリケーシ ョ ン サーバ、 および ASP

シグナリ ング ゲート ウェイは、 ルーティング キーに基づいて適切な宛先にメ ッセージをルーティングしま

す。 ルーティング キーは、 SS7 メ ッセージのフ ィルタ リ ングに使用されるパラ メータによって定義されま

す。 これらのパラ メータは実装形態によって異なり ます。ルーティング キーは、次のよ うなパラ メータを組

み合わせて定義されます。

• Destination Point Code (DPC) (必須)

• Origination Point Code (OPC)

• Service Indicator (SI)

• ISUP Circuit Identifier Code (CIC)

• SCCP サブシステム番号

• グローバル タイ トル

アプリ ケーシ ョ ン サーバは、個別のルーティング キーを持つ論理エンティティです。アプリ ケーシ ョ ン サー

バには、 メ ッセージを処理する固有の ASP が 1 つまたは複数存在します。

IP Network SS7 Network

Signaling Gateway

SCTP/IP SS7

SCCP Messages SCCP Messages

ASP SS7 SG SEP

MAP IS-41

TCAP

SUA

SCTP

IP

SUA

SCTP

IP

MAP IS-41

TCAP

SCCP

MTP3

MTP2

MTP1

MTP3

MTP2

MTP1

SCCPGTT

IWF

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図 3 は、 ポイン ト コード 1.1.1 でシグナリ ング ゲート ウェイが ISUP メ ッセージを一方の ASP (ASPA) に

ルーティングし、 SCCP メ ッセージをも う一方の ASP (ASPB) にルーティングする様子を示しています。

図 3 ルーティング キーの例

シグナリ ング ゲート ウェイは、 特定のアプリ ケーシ ョ ン サーバに属する (たとえば、 ルーティング キーが

一致する) メ ッセージを、 そのアプリ ケーシ ョ ン サーバに対応する 1 つまたは複数の ASP にルーティング

します。 ASP はアプリ ケーシ ョ ン サーバの現在のト ラフ ィ ッ ク モードに基づいて選択されます。

ト ラフ ィ ック モード

M3UA および SUA は、オーバーライ ド、ロードシェア、およびブロードキャス トの 3 つのト ラフ ィ ッ ク モー

ドをサポート しています。

ASP は ASP Active メ ッセージをシグナリ ング ゲート ウェイに送信するこ とによ り、ASP が特定のアプリ ケー

シ ョ ン サーバのシグナリ ング ト ラフ ィ ッ クを処理可能であるこ とを通知します。 ASP は Active メ ッセージ

によって希望する ト ラフ ィ ッ ク モードを通知します。

– オーバーライ ド モードの場合、 ASP はアプリ ケーシ ョ ン サーバでアクティブになっている ASP すべ

てに優先され、 そのアプリ ケーシ ョ ン サーバのすべての ト ラフ ィ ッ クを受け取り ます。

– ロードシェア モードの場合、 ASP はアクティブになっている他の ASP と ト ラフ ィ ッ ク配信を共有し

ます。 シグナリ ング ゲート ウェイのロードシェア リ ング アルゴ リ ズムは、 実装形態によって異なり

ます。

– ブロードキャス ト モードの場合、ASP はアクティブである他の ASP と同じ メ ッセージを受信します。

ポイン ト コード

アプリ ケーシ ョ ン サーバは MTP3 ユーザに相当するため、固有のポイン ト コードを持っています。 これは、

シグナリ ング ゲート ウェイが SS7 ネッ ト ワークの残りの部分に管理メ ッセージを通知するために必要とな

り ます。 ルーティング キーには、 アプリ ケーシ ョ ン サーバのポイン ト コードが必須です。 アプリ ケーシ ョ

ン サーバは、 シグナリ ング ゲート ウェイのポイン ト コードを共有できます。 また、 複数のアプリ ケーシ ョ

ン サーバで 1 つのポイン ト コードを共有するこ と もできます。

Signaling Point Management Cluster (SPMC) は、 SS7 から単一のポイン ト コードで識別される、 アプリ ケー

シ ョ ン サーバの集合を指します。

Signaling Gateway

ISUP Messages

ISUP Messages

ASPA

ASPB

STP

STP

AS BLUE

AS GREEN

AS Blue Routing Key = DPC 1.1.1, SI ISUP ASP List = ASPAAS Green Routing Key = DPC 1.1.1, SI ISUP

ASP List = ASPB

PC 1.1.1

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アプリケーシ ョ ン プラッ ト フ ォ ーム アーキテクチャ

従来の SS7 アーキテクチャ

アプ リ ケーシ ョ ンがインテ リ ジェン ト ネッ ト ワークの情報にアクセスするには、 コンピューテ ィ ング プラ ッ ト フォームで SS7 接続に対応したハード ウェアと ソフ ト ウェアを用意する必要があ り ます。図 4 は、一

般的なアプリ ケーシ ョ ン プラ ッ ト フォームを示しています。

図 4 従来のプロ ト コル スタ ッ ク

アプリ ケーシ ョ ン プラ ッ ト フォームは、STP などの SS7 デバイスへの TDM リ ンクを可能にする T1/E1/V.35インターフェイス カードを備えている必要があ り ます。 また、 MTP プロ ト コル スタ ッ クをサポートするた

めのソフ ト ウェアも必要です。 呼制御機能を提供するアプ リ ケーシ ョ ンには、 ISUP スタ ッ クが必要です。

Mobile Application Part (MAP) または IS-41 の情報を必要とするアプ リ ケーシ ョ ンには、 SCCP スタ ッ クおよ

び TCAP スタ ッ クが必要です。

一般的に、 これまでの通信インフラス ト ラ クチャ ベンダーは、 独自のプラ ッ ト フォームと標準の SS7 プロ

ト コル スタ ッ クを利用してアプリ ケーシ ョ ンをサポート してきました。

新しい革新的なアプリ ケーシ ョ ンをモバイル事業者に提供しよ う と考えるアプリ ケーシ ョ ン ベンダーは、通

常、 Solaris や NT などの標準プラ ッ ト フォームを選択し、 T1/E1 インターフェイス カードを搭載し、 さ らに

ソフ ト ウェア ベンダーから SS7 スタ ッ クのライセンスを受けます。SS7 接続ソ リ ューシ ョ ンを提供している

ベンダーは数多く存在します。

しかし、 こ う したソ リ ューシ ョ ンは高価で複雑なものであ り、独自のハードウェア インターフェイスや多額

のソフ ト ウェア投資を必要と します。 また、 これらのシステムの拡張性は、 MTP2 処理における CPU 要件、

SS7 リ ンクの帯域幅、および物理ポート容量によって制約を受けます。 ト ランザクシ ョ ン スループッ ト を向

上させるには、ハード ウェアを追加して SS7 リ ンクを増やさなければなり ません。完全な IP プラ ッ ト フォー

ムに移行すれば、 コス ト を削減し、 システムを簡素化するこ とができます。

IP ベースのアーキテクチャ

現在の標準的なプラ ッ ト フォームには、 イーサネッ ト接続および IP サポートが装備されています。 これに

よ り、 帯域幅の増加を可能にする と と もに、 プラ ッ ト フォームのコス ト削減と簡素化が実現されます。

ISUP のサポートが必要なアプリケーシ ョ ンの場合、 M3UA プロ ト コルを使用する必要があり ます。 図 5 は、 こ

のよ うなタイプのプラッ ト フォームでのプロ ト コル アーキテクチャを示しています。 MAP、 IS-41、およびその

他の TCAP ユーザへのアクセスが必要なアプリケーショ ンのサポートが可能となっています。 ただし、 M3UAとのインターフェイスを確保するために標準の SCCP スタッ クを実装する必要があるこ とに注意してください。

MAP IS-41

TCAP

SCCP

MTP3

MTP2

Application

MTP1

Ethernet Interface

ISUP

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図 5 SIGTRAN M3UA および SUA プロ ト コル スタ ッ ク

Cisco IP Transfer Point の機能

標準の Cisco IOS ソフ トウェア

Cisco ITPの機能は標準のCisco IOS® ソフ ト ウェアの一部と して実装されており、幅広く使用されている Cisco2600、 7200VXR、 および 7500 シ リーズ ルータ プラ ッ ト フォーム上でサポート されています。 これは CiscoITP の大きな利点です。

• Cisco ITP は、 お客様が必要とする Cisco IOS の多くの標準機能をサポート します。

– IP メディア : ATM、 ギガビッ ト イーサネッ ト、 Packet over SONET

– IP Version 6 (IPv6)、 IPv4 から IPv6 への変換およびト ンネ リ ング、 IPv6 の Quality of Service (QoS;サービス品質)

– Network Address Translation (NAT; ネッ ト ワーク アドレス変換)

– ファ イアウォール

– モバイル IP

– Remote Access Dial-In User Service (RADIUS) Authentication, Authorization, Accounting (AAA; 認証、許

可、 アカウンティング) などのセキュ リティ機能

– Voice over IP (VoIP)

• モバイル事業者は、 TDM リ ンクを使用せずにエンドツーエンドにまで IP ネッ ト ワークを拡張するこ と

を目指しています。 ネッ ト ワークがこ こまで進化すれば、 タイ トル ルーティングおよびアプリ ケーシ ョ

ン ロードバランシングを行うための Global Title Translation (GTT; グローバル タイ トル変換) 機能を備

えた IP ルータがあれば十分です。 Cisco ITP は Cisco IOS ソフ ト ウェアの一部と して実装されるため、 あ

らゆる IPルーティング プラ ッ ト フォームに導入されているハイエンドのキャ リ アク ラス プラ ッ ト フォー

ム上で常にサポート されます。 ネッ ト ワークがさ らに進化しても、 お客様の投資は保護されます。

MAP IS-41

TCAP

SCCP

M3UA

SCTP

Application

IP

Ethernet Interface

ISUPMAP IS-41

TCAP

SUA

SCTP

Application

IP

Ethernet Interface

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M3UA/SUA シグナリング ゲートウェイ

Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイは、 SIGTRAN 標準の M3UA および SUA を実装していま

す。 これらは、 SS7 シグナリ ング情報を IP ベース アプリ ケーシ ョ ンに伝送する際に使用されます。 現時点

では、 M3UA および SUA は IETF でのド ラフ ト ステータスにあ り ます。 Cisco ITP は、 最新のド ラフ トに準

拠しています。

Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイは、 次の機能をサポート しています。

• 完全なルーティング キー構成

• 完全な ト ラフ ィ ッ ク モード オペレーシ ョ ン (オーバーライ ド、ロードシェア、およびブロードキャス ト )

• 完全なシグナリ ング ネッ ト ワーク管理オペレーシ ョ ン :

– Destination Unavailable (DUNA) ― 利用できない宛先

– Destination Available (DAVA) ― 利用可能な宛先

– Destination State Audit (DAUD) ― 宛先の状態監査

– Signaling Congestion (SCON) ― シグナリ ング輻輳

– Destination User Part Unavailable (DUPU) ― 利用できない宛先ユーザ部

– Destination Restricted (DRST) ― 制限された宛先

• 完全な ASP ステートおよびト ラフ ィ ッ ク メ ンテナンス オペレーシ ョ ン :

– ASP Up (ASPUP) ― ASP アップ

– ASP Up Acknowledgement (UPACK) ― ASP アップ確認応答

– ASP Down (ASPDN) ― ASP ダウン

– ASP Down Acknowledgement (DOWN ACK) ― ASP ダウン確認応答

– ASP Active (および Acknowledgement) ― ASP アクティブ (確認応答)

– ASP Inactive (および Acknowledgement) ― ASP 非アクティブ (確認応答)

• SUA SCCP コネクシ ョ ンレス ト ラフ ィ ッ ク (ク ラス 0 および 1) :

– Connectionless Data Transfer (CLDT) ― コネクシ ョ ンレス データ転送

– Connectionless Data Response (CLDR) ― コネクシ ョ ンレス データ応答

• ハート ビート (BEAT) の確認応答

• M3UA、 SUA、 および M2PA の同時サポート

• グローバル タイ トル アドレスのプレフ ィ クス変換 (E.212 から E.214 など)

Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイの最初のリ リースでは、次の機能はサポート していません。

• ルーティング キーのダイナミ ッ ク登録要求

• マルチプル ネッ ト ワーク アピアランス

• SUA コネクシ ョ ン型ト ラフ ィ ッ ク

• ハート ビート (BEAT) の開始

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ロードシェアリング アルゴリズム

アプリ ケーシ ョ ン サーバのト ラフ ィ ッ ク モードをロードシェアに設定した場合、 Cisco ITP はラウンド ロビ

ン アルゴ リズムを使用して適切な ASP を選択し、 メ ッセージを送信します。 Cisco ITP は、 アプリ ケーシ ョ

ン サーバ内にアクティブな ASP のリ ス ト を保有しています。最初の MSU が受信される と、 リ ス ト内の最初

のアクティブ ASP に送信され、 処理されます。 次の MSU が受信される と、 次のアクティブ ASP に送信さ

れ、 処理されます。 これ以降の MSU も同様に処理されます。

単一の ト ランザクシ ョ ンまたはプロシージャ (TCAP ト ランザクシ ョ ン、 ISUP コール セッ ト アップなど) が

複数の MSU で構成されている場合は、 同じ ASP で処理される必要があ り ます。適切な順序で処理が実行さ

れるよ うに、 バインディングという概念を使用して ASP を選択します。 バインディングは、 ロードシェア

の 「シード」 に基づいています。 シード とは、 MSU に含まれるパラ メータで、 ト ラフ ィ ッ ク タイプによっ

て異なり ます。 Cisco ITP のロードシェア リ ング アルゴ リズムの場合、 シードは次のいずれかとなり ます。

• ISUP ト ラフ ィ ッ クの場合、 MSU の DPC/OPC/CIC

• SCCP ク ラス 1 の場合、Signaling Link Selection(SLS)値(ク ラス 0 ト ラフ ィ ッ クにはバイディングは不要)

ロードシェア リ ングがロードシェア シードに基づいて実施される場合、Cisco ITP は、 まず始めに MSU 内の

ロードシェア シードが特定の ASP とバインディングされているかど うかを確認します。 特定の ASP とバイ

ンディングされている場合、 MSU をその ASP に送信します。特定の ASP とバインディングされていない場

合、 Cisco ITP は次のアクティブ ASP を選択して、 ロードシェア シードをその ASP にバインディングし、

MSU をその ASP に送信します。

Cisco ITP が最初に受信したロードシェア シードは、アプリケーショ ン サーバ リ ス ト内の最初のアクティブ ASPに割り当てられます。 これとは異なるシードが次に受信されると、 アプリケーシ ョ ン サーバ リ ス ト内の次のア

クティブ ASP に割り当てられます。 これ以降のシード も同様に処理されます。 ASP が非アクティブになると、

その ASP のすべてのシード バインディングはク リアされます。 さらに、 その ASP にバインディングされてい

たロードシェア シードを持つ後続のト ラフィ ッ クは、 リ ス ト内の他のアクティブ ASP に配信されます。

ポイン ト コードの利用

Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイでは、次のよ うなポイン ト コードの割り当ておよび利用が

可能です。

• Cisco ITP にはポイン ト コードが割り当てられます。 Cisco ITP 上にプロビジ ョニングされたアプリ ケー

シ ョ ン サーバはいずれも、 そのポイン ト コードを共有できます。

• Cisco ITP に機能ポイン ト コード (またはエイ リ アス ポイン ト コード) を割り当てるこ とができます。

Cisco ITP 上にプロビジ ョニングされたアプリ ケーシ ョ ン サーバはいずれも、そのポイン ト コードを使用

できます。 アプリ ケーシ ョ ン サーバは、 Cisco ITP のメーテッ ド ペアとポイン ト コードを共有します。

• アプリ ケーシ ョ ン サーバには固有のポイン ト コードを割り当てるこ とができます。

• 固有のポイン ト コードが割り当てられたアプリ ケーシ ョ ン サーバ内に ASP を 1 つだけ設定するこ とに

よ り、 ASP に固有のポイン ト コードを割り当てるこ とができます。

• 複数のアプリケーシ ョ ン サーバで共通のポイン ト コードを共有できます。これは、Signaling Point ManagementCluster (SPMC) と呼ばれます。

Cisco ITP は、 アプリ ケーシ ョ ン サーバの状態に基づいて SS7 管理メ ッセージを通知します。 同一のポイン

ト コードに複数のアプリ ケーシ ョ ン サーバを割り当てる場合には、特別な配慮が必要です。たとえば、 2 つ

のアプリ ケーシ ョ ン サーバで 1 つのポイン ト コードを共有し、 いずれかのアプリ ケーシ ョ ン サーバのすべ

てのアクティブ ASP が非アクティブになった場合、Cisco ITP は SS7 ネッ ト ワークに Transfer Prohibited(TFP;転送禁止) を通知するこ とはできません。 これは、ポイン ト コードを共有するも う一方のアプリ ケーシ ョ ン

サーバがアクティブになっているためです。このため、ポイン ト コードは利用可能なままの状態となり ます。

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ルーティング キーの割り当て

Cisco ITP では、 M3UA のルーティング キー割り当てに、 DPC、 OPC、 および SI の 3 種類を利用できます。

ISUP ト ラフ ィ ッ クの場合、 CIC の範囲を指定できます。 SCCP ト ラフ ィ ッ クの場合、 Global Title Address(GTA; グローバル タイ トル アドレス) を指定できます。

Cisco ITP では、 SUA のルーティング キー割り当てに、 DPC、 OPC、 SSN、 および GTA を利用できます。

ルーティング キーのプライオ リティは、 最初に GTA キーとの比較によって判断され、 次にプロ ト コル スタ ッ クの最上位レイヤでルーティング キーの最長一致によって決定されます。

グローバル タイ トル アドレスのプレフ ィ クス変換

この機能を使用する と、 International Telecommunication Union (ITU) ネッ ト ワークで、 E.212 から E.214、 お

よび E.212 から E.164 への変換をサポートできます。

• プレフ ィ クス変換処理は、着信ユーザ アドレスの数字だけに適用され、ルーティング インジケータがグ

ローバル タイ トルと等しい場合にのみ実行されます。

• プレフ ィ クスおよび変換後の数字列 (最長 15 桁) は可変長です。

• プレフ ィ クス変換は GTT の前後で実施できます。

• ITU ネッ ト ワークの場合、 GTA インジケータのナンバリ ング計画の値を変更できます。

• 変換ルールは、定義された入力プレフ ィ クスでの最長一致が使用されます。マッチングに成功する と、入

力プレフ ィ クスは変換後の出力プレフ ィ クスに置き換えられます。

ネッ ト ワークのアベイラビ リテ ィ と冗長性

モバイル事業者にとって、 ネッ ト ワークのアベイラビ リ ティの高さは非常に重要です。 SIGTRAN プロ ト コ

ル (SCTP、 M3UA、 および SUA) は、 事業者の要求するハイ アベイラビ リ ティを実現できるよ うに設計さ

れています。 これらのプロ ト コルの主な機能には、 SCTP マルチホーミ ング、 M3UA/SUA ト ラフ ィ ッ ク モー

ド タイプ管理、 および ASP 管理があ り ます。 適切に設計されたネッ ト ワークでは、 事業者は従来の TDMSS7 ネッ ト ワーク と同等またはそれ以上のアベイラビ リ ティを実現できます。

Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイは、SIGTRAN 管理メ ッセージを完全にサポート しています。

これには、 シグナリ ング ネッ ト ワーク管理メ ッセージ (DUNA、 DAVA、 SCON、 DUPU、 および DRST) と

ASP ステートおよびト ラフ ィ ッ ク メンテナンス メ ッセージ(ASPUP、ASPDN、ASPAC、ASPIA)が含まれます。

SGMP (Signaling Gateway Mate Protocol)2 つの Cisco ITP M3UA/SUA シグナリ ング ゲート ウェイを メーテッ ド ペアと して動作させ、Signaling GatewayMate Protocol (SGMP) を使用して必要なステート情報を交換するこ とができます。 これらのメーテッ ド ペアとなっている Cisco ITP は、 ロードシェア リ ングやフェールオーバーのための相互バッ クアップと して使

われます。Cisco ITP と ASP 間のアソシエーシ ョ ンが失われた場合、メーテッ ド ペアであるも う一方の CiscoITP をバッ クアップ用のポイン ト コード と して使用できます。

メーテッ ド ペアと して動作する 2 つの Cisco ITP は、 同一の M3UA/SUA 設定 (アプリ ケーシ ョ ン サーバお

よびルーティング キーの定義を含む) が必要です。ただし、各 Cisco ITP のローカル ポイン ト コードは一意

でなければならず、 相手側のローカル ポイン ト コード、 機能ポイン ト コード、 セカンダ リ ポイン ト コー

ド、 任意のアプリ ケーシ ョ ン サーバ ポイン ト コード (DPC)、 または任意のアプリ ケーシ ョ ン サーバ ルー

ト ポイン ト コード と一致しないよ うにする必要があ り ます。

Cisco ITP のメーテッ ド ペアの関係が有効である場合、Cisco ITP には相手側のアプリ ケーシ ョ ン サーバの状

態変化がリ アルタイムで通知されます。一方のアプリ ケーシ ョ ン サーバが非アクティブになり、相手側のア

プリ ケーシ ョ ン サーバがアクティブである場合、 後続のメ ッセージは相手側のアプリ ケーシ ョ ン サーバに

のみルーティングされます。

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非アクティブであった Cisco ITP 上のアプリ ケーシ ョ ン サーバがアクティブに戻る と、 新しいメ ッセージは

一時的にキューイングされ、 相手側の Cisco ITP から送信の途中にある メ ッセージが ASP に到達するのを待

ちます。 アプリ ケーシ ョ ン サーバ固有のタイマー (2 秒間) が経過する と、 キュー内のメ ッセージが解放さ

れて ASP に送信されます。

QoS

Quality of Service (QoS; サービス品質) とは、 ネッ ト ワーク上でのパケッ ト フローのパフォーマンスを意味

します。 QoS を導入するこ とによって、 ネッ ト ワーク上を、 いつ、 どのよ うな ト ラフ ィ ッ クが流れているか

にかかわらず、 特定の ト ラフ ィ ッ ク ク ラスまたはト ラフ ィ ッ ク タイプについては予測可能なサービス配信

を可能にします。 IP ネッ ト ワーク上の SS7 シグナリ ング ト ラフ ィ ッ クに QoS を適用するこ とはネッ ト ワー

ク アベイラビ リ ティの重要な要件であ り、 サービスレベル アグ リーメン トの確保につながり ます。

SS7 ネッ ト ワークを流れる メ ッセージのタイプはさまざまです。たとえば、呼制御用の ISUP や Short MessageService (SMS) メ ッセージを送信するための Mobile Application Part (MAP) が挙げられます。 QoS を設定す

れば、 ISUP ト ラフ ィ ッ クに最高のプライオ リ ティ を割り当て、 重大なネッ ト ワーク輻輳が生じた場合でも

迅速に伝送するこ とができます。

Cisco ITP は実績ある Cisco IOS テク ノ ロジー上で動作するため、 IP precedence、 Differentiated Services CodePoint (DSCP)、 およびアクセス リ ス ト などの多様な QoS 機能を利用できます。 M3UA/SUA シグナリ ング

ゲート ウェイを使用するこ とによ り、ルーティング キーに基づいて ト ラフ ィ ッ クにプライオ リティを割り当

てるこ とができます。

SCTP アソシエーシ ョ ン

現在の RFC では、 SCTP フロー制御はアソシエーシ ョ ン レベルで扱われます。 このため、 Cisco ITP シグナ

リ ング ゲート ウェイは、送信時に SCTP の多重ス ト リーム機能を使用しません。ただし、 Cisco ITP では、多

重ス ト リームの受信はサポート されています。 管理メ ッセージはすべてス ト リーム 0 で送信され、 データ

メ ッセージはすべてス ト リーム 1 で送信されます。Cisco ITP シグナリ ング ゲート ウェイは、個別の SCTP ア

ソシエーシ ョ ンを使用して QoS を実現します。

QoS クラス

Cisco ITP の QoS サービス モデルを使用する と、 8 つの QoS ク ラス (0 ~ 7) を定義できます。 1 つの SCTPアソシエーシ ョ ンに割り当て可能な QoS ク ラスは 1 つのみです。 QoS ク ラスには、 IP precedence 値または

DSCP を割り当てるこ とができます。 IP ヘッダーの ToS フ ィールドは、 QoS ク ラスに基づいて IP precedenceまたは DSCP が設定されます。

QoS クラスの選択

Cisco ITP シグナリ ング ゲート ウェイを使用する と、 アプリ ケーシ ョ ン サーバ (ルーティング キー) に基づ

いて QoS ク ラスを選択できます。SS7 ネッ ト ワークから メ ッセージを受信する と、シグナリ ング ゲート ウェ

イはアプリ ケーシ ョ ン サーバおよび ASP を通常どおりに選択します。アプリ ケーシ ョ ン サーバに QoS を設

定しておく と、 選択された ASP を使用しているアクティブなアプリ ケーシ ョ ン サーバには、 最も高い QoSク ラスが設定されます。

シグナリ ング ゲート ウェイで、 複数のアプリ ケーシ ョ ン サーバをサポート しているホス トへの ト ラフ ィ ッ

クにプライオ リティを付けるには、各アプリ ケーシ ョ ン サーバ用に個別のアソシエーシ ョ ンを確立する必要

があ り ます。 つま り、 ホス トはサポート しているアプリ ケーシ ョ ン サーバごとに 1 つの ASP を持つこ とに

な り ます。たとえば、 ISUP および SCCP ト ラフ ィ ッ クをサポート しているアプリ ケーシ ョ ン ホス トの場合、

シグナリ ング ゲート ウェイに対して固有のアソシエーシ ョ ンを確立します。 その結果、 シグナリ ング ゲー

ト ウェイに対して 2 つの異なる ASP を持つこ とにな り、 それぞれが異なる QoS ク ラス値を持つ固有のアプ

リ ケーシ ョ ン サーバをサポート します。

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管理

ネッ トワーク管理

Cisco ITP シグナリ ング ゲート ウェイは、 次のよ うな各種管理アプリ ケーシ ョ ンを使用して管理できます。

Cisco Signaling Gateway Manager

Cisco Signaling Gateway Manager (SGM) は、 Cisco ITP ベースのルーテッ ド ネッ ト ワークにおける付加価値

機能を管理するために設計されています。 Cisco SGM はクライアン ト / サーバ アプリ ケーシ ョ ンであ り、 主

に次のよ うな機能を提供します。

• Cisco ITP ネッ ト ワーク ト ポロジーの自動検出と表示

• Cisco ITP ルータの定期的ポーリ ングと関連する リ ンクおよびリ ンク セッ トの状態通知

• Cisco ITP 対応ルータおよび従来の SS7 機器 (SSP、 SCP、 および STP) を ト ポロジー マップ上のノード

と して表示

• ト ポロジー形式および表形式でノード、 リ ンク セッ ト、 およびリ ンクを表示

• SNMP (簡易ネッ ト ワーク管理プロ ト コル) ト ラ ップをネイティブに受信、 あるいは HP OpenView 経由

で受信し、 正確な最新の状態を表示

• CiscoWorks デスク ト ップとの統合

• CiscoView Element Manager および CiscoWorks Device Center を トポロジー マップ上のノード アイコンか

ら直接起動するこ とによ り、 迅速な詳細分析が可能

• ダウンロード可能な Solaris および Windows ク ライアン ト をサポートするこ とによ り、ユーザへの配布と

重要情報へのアクセスが容易

• 自動プロセス管理、 デバッギング、 およびカスタマイズのためのツールを使用するこ とによ り、 優れた

サーバ アップタイムをサポート

プロビジ ョニング

Cisco ITP では、 Cisco IOS ベースのすべての製品で使用されている共通のテキス トベースの CLI (コマンド

ラ イン インターフェイス) を使用します。 Cisco SGM は、 Cisco ITP 専用の GUI (グラフ ィカル ユーザ イン

ターフェイス) ツールで、 ルート テーブルおよびグローバル タイ トル テーブルの作成、 編集、 およびバー

ジ ョ ン管理を行う こ とができます。

Cisco IP Transfer Point に関する参考資料

• Cisco ITP 製品ファ ミ リーの情報 (データ シート、 ホワイ ト ペーパー、 コンフ ィギュレーシ ョ ン ガイ ド、

競合製品分析、 導入事例など) については、 次の Cisco ITP の Web ページを参照して ください。

http://www.cisco.com/jp/product/hs/wireless/iptp/

• Cisco ITP の ITU、 ANSI、 および Telcordia/Bellcore 適合規格については、 Cisco ITP のデータ シート を参

照してください。

• プラ ッ ト フォーム、性能、およびキャパシティ プランニングについては、Cisco ITP のデータ シート を参

照してください。

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