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日米ITビジネスとの違いから考える、 今後のIT人材育成の課題と期待
自己紹介
富士通、Sun Microsystems、!Googleを経て本年4月より!KDDIにてクラウドサービス!企画開発部長に着任。!- Mashup Award 1-4 主宰!- 情報処理推進機構 (IPA) ! 未踏PM 2009-14!!趣味: 尺八!!FB: Akihito Fujii!Gmail: [email protected]
藤井 彰人 (Akihito Fujii)
mailto:[email protected]
Quality of Engineering Life
シ
ス
テ
ム
開
発
現
場
Quality of Engineering Life
SEのキャリアパス
IT企業とは
Quality of Engineering Life
米国
72%
28%
ITサービス企業IT技術者数 ユーザー企業IT技術者数
日本
25%
75%
中国
28%
72%
独立行政法人 情報処理推進機構「グローバル化を支えるIT人材確保・育成 施策に関する調査」 概要報告書 2011年 3月2012年10月「ITpro EXPO」メインシアター中田敦氏講演
米国
ツールの生産性向上 → 企業のITコスト削減に直結
ベンダーイベントにユーザが参加し、新機能に喝采
自社サービスの改善にリスクをとって最新ツールを活用
日本
ツールの生産性向上 → 人月の減少、売上減
ベンダーイベントにIT企業のエンジニアが参加し、新機能に舌打ち
自社サービスを改善しようにも社内にエンジニアが不在
ユーザ企業 vs ITベンダー企業
2008 New York Times
なぜ、このような差が生まれるのか
• 雇用形態と環境の変化
• ユーザバリューとイノベーション
• コンシューマライゼーション
雇用形態の差異
メンバーシップ型 ジョブ型
採用 就社スタイル 就職スタイル
業務 雇用保証、転勤・転属 ジョブ・ディスクリプション
能力 潜在能力とやる気をアピール スキルと結果をアピール
実行 合議・稟議・教育 リーダーシップ・裁量・学習
三者間での役割分担
IT, SI, User での役割分担
リソース弾力性の確保
負のループ
• 業務の自動化と丸投げ
• 人月での受託開発
• 下請け・孫請け
• ビジネス環境の変化
• SE単価の低迷
技術力の向上に向けての取組み
• 教育/トレーニング
• スキルマップ
• 研究開発の促進
• 内製開発
雇用形態の差異 ジョブ型
Netflix の人材管理
!
プロ・スポーツチームと同じ
課題の露呈
• スピード
• ユーザ価値
• イノベーション
• キャリアパス
課題の整理
• 社内プロセス
• 人事評価制度
• ダイバーシティ
• グローバル化
IT技術者とは何か
~価値を生み出すプロの力~「作る」から「創る」へ、「使う」から「活かす」へ
35IT 人材白書 2014
第 1部 IT 人材の重要性と IT 人材白書について第 2部 IT 人材の現状と動向
IT人材を取り巻く環境変化とIT人材動向
第1章
6 グローバルIT人材に求められる能力(1) 「グローバルIT人材」に求められる基本能力と業務別適応能力グローバル IT人材にはどのような能力や知識が求められるのか。海外で事業活動を行ってい
るユーザー企業と、IT製品・サービスを海外に提供した実績のある IT企業に尋ねた(図 2- 1- 19)。「コミュニケーション力」「語学力」がともに高い割合であり、グローバル IT人材に普遍的に求められる能力は、「コミュニケーション力」「語学力」であると言える。特徴的な相違点は、ユーザー企業で上位に位置する「海外現地拠点の業務に関する知識」が
IT企業では第 9位に位置付けられる点である。また、「リーダーシップ」もユーザー企業は IT企業よりも上位に位置している。ユーザー企業の IT部門では ITを活用した業務の効率化や改革を行うことが重要なミッションであり、海外拠点の業務知識を持たなければ IT活用の効果を上げることが難しいため、「海外現地拠点の業務に関する知識」が求められているのだろう。これに対して、IT企業では「技術力」が第 4位と、ユーザー企業の第 7位に比較して上位に
位置付けられている。IT企業のグローバル IT人材が、海外拠点で ITサービス提供などの業務に従事する際は「技術力」を武器とする必要がある。IT人材にとって「技術力」は、常に求められる能力であるとともに、グローバル化の流れの中でも、IT人材にとって重要な能力であるとの認識のもと、グローバル IT人材育成を進めることが求められる。
67.0%
63.4%41.1%38.4%
46.4%30.4%
42.0%37.5%
33.0%29.5%
15.2%6.3%
11.6%0.9%
68.7%47.4%50.2%49.3%48.3%
43.1%
27.5%26.1%22.7%
22.3%
18.5%5.7%5.2%
1.9%
100%75%50%25%0%
コミュニケーション力語学力
リーダーシップ交渉力・説得力
管理能力海外現地拠点の業務に関する知識
技術力多様性に対する許容力
現地の商慣習に対する知識ストレス耐性・頑強性
発想力・企画力海外経験
現地の歴史・文化に対する知識その他
IT企業(N=112) ユーザー企業(N=211)
図2-1-19 グローバルIT人材に対して求める知識や能力の比較4海外活動の実績があると回答した企業のみ/無回答除く
4 選択肢は最大 5つまで選択可能
44 IT 人材白書 2014
第 2部 IT 人材の現状と動向
IT人材の現状と動向
第2部
(2) ウェブ技術者に必要な能力今年度の調査では、IT人材にとって必要な能力について、技術力と人間力の観点で調査を実
施した。具体的には、ウェブビジネス企業、IT企業、ユーザー企業の各 IT人材に「今後拡大を予定している IT人材で重視する技術力/人間力」を尋ねた(図 2- 1- 29、図 2- 1- 30)。現状必要な技術力については、当然のことながら、ウェブビジネス企業は「ウェブ技術」を重
視している。また、IT企業およびユーザー企業と比較すると、「データ解析(統計)」を重視している。Eコマースや SNS 等の運営時にはアクセス解析が必須であるだけでなく、ウェブビジネスの企画やビジネスモデルを構築する上でも顧客のデータ分析は欠かせない。いずれの分野においてもウェブビジネスにはデータ分析が必須であるため、「データ解析(統計)」の技術の重要度が高いと考えられる。一方で「PM手法」については、IT企業およびユーザー企業と比較すると重視しない傾向にある。
これは、スマートホンアプリなどについて比較的小規模・少人数の体制で開発が実施されていることの反映だと思われる。
1.2%
2.9%
3.8%
28.1%
13.0%
25.5%
40.0%
29.6%
6.7%
23.8%
11.6%
11.0%
69.9%
1.7%
5.4%
10.9%
21.4%
12.1%
19.7%
15.1%
33.7%
7.4%
46.5%
5.3%
23.8%
75.1%
1.7%
0.8%
5.8%
7.4%
12.4%
12.4%
14.9%
19.0%
22.3%
27.3%
30.6%
46.3%
70.2%
ウェブ企業(N=121) ユーザー企業( N=345)IT企業(N=780)
顧客(業務)分析力、企画力
ウェブ技術
データ解析(統計)
アプリケーション技術
スマートデバイス
PM手法
情報セキュリティ技術
ネットワーク技術
データベース技術
システム基盤技術
オープンソースソフトウェア
ソフトウェア工学
その他
0% 20% 40% 60% 70% 80%50%30%10%
図2-1-29 今後拡大を予定している IT人材で重視する「技術力」【企業別】13無回答除く14
13 選択肢は最大 3つまで選択可能14 ウェブビジネス企業の回答割合が高い要素順に並べたグラフである(図 2- 1- 30、31 も同様である)
IT技術者はどこへ向かうのか
67IT 人材白書 2014
第 1部 IT 人材の重要性と IT 人材白書について第 2部 IT 人材の現状と動向
IT人材を取り巻く環境変化とIT人材動向
第1章
を輝かせることが可能になると言えるであろう。企業にとっても、IT人材にとっても、新たな原動力となる流動性の高まりを期待したい。
IT
3.6
3.4
27.1
図2-1-60 IT人材流動のイメージ図
ジョブ型が良いのか
• 流動的な人材
• 激しい競争
• 持続可能性
• 教育との連携・連動
ユーザバリュー追求とアジャイル
~価値を生み出すプロの力~「作る」から「創る」へ、「使う」から「活かす」へ
106 IT 人材白書 2014
第 2部 IT 人材の現状と動向
IT人材の現状と動向
第2部
2節 開発手法別に重視する意識~アジャイル型開発における人材の特徴~
1 はじめに要件定義、開発、テストを順次実施していくウォーターフォール型の開発手法は長らく主流
であったが、昨今の急激に変化するビジネス環境への対応が困難であることが指摘されている。一方でウェブサービスの開発を中心に広がりつつあるアジャイル型を中心とした非ウォーターフォール型は、競争力のある製品およびサービス開発、顧客ニーズへの迅速な対応、IT技術者のモチベーション向上等に成果を挙げることが期待されている。12
今年度は、「ウォーターフォール型」「アジャイル型」に「その他(ウォーターフォール改良型など)」を加えて、開発手法の観点から IT人材の特徴、人材像、人材育成について分析する。
2 開発手法の採用状況VERSIONONEによる 2013 年のアンケート調査 13 によると、欧米では 84%の企業がアジャイ
ル型の開発手法を導入していることがわかる。それらの企業に対して行った「アジャイル開発を行っている期間」の調査では、2年未満の企業が半数を占めていることから、欧米では急速にアジャイル型の開発手法が普及していることが見て取れる(図 2- 3- 12)。
導入していない16%
導入している84%
5年以上14%
2-5年36%
1-2年38%
1年未満12%
欧米企業におけるアジャイル開発の導入状況 (アジャイル開発を導入している企業のうち)アジャイル開発を行っている期間
図2-3-12 欧米企業におけるアジャイル開発の導入状況と期間(出典:VERSIONONE®「7th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2013」)
IPA / SEC セミナーの聴講者アンケート結果によると、アジャイル開発の適用は、年々増加してきており、「すべてのプロジェクトに適用している」「ほとんどのプロジェクトに適用している」の割合は、2013 年 3 月 18 日(東京開催、104 名)では、半数を超える結果となった(図 2- 3- 13)。12 IPA/ SEC「エンタプライズ系事業 /非ウォーターフォール型開発」:http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/std/ent02-c.html13 VERSIONONE®: 7th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2013:http://www.versionone.com/pdf/7th-Annual-State-of-Agile-Development-Survey.pdf
「要求を取りまとめる」「設計する」「作る」「テストする」「リリースする」といった⼀一連のプロセスがあります。しかし近年年は、こうしたプロセスを時間をかけて実⾏行行している間に状況が変化し、リリースしたころにはニーズと懸け離離れたシステムになっている。!「しっかりと要件を定めて、しっかりと作り、しっかりとテストすればいいものができる」という「しっかりドグマ」――と、私は呼んでいるのですが――つまり「システムには“正解”がある」といった考え⽅方⾃自体が、こうした時代においては⼀一種の幻想になっている
平鍋 健二 氏
アジャイル開発の国内第⼀一⼈人者
ChangeVision 社⻑⾧長
開発手法の変化
Agile & DevOps
イノベーションの民主化
1. 強さではなくしなやかさを持つこと。 つまり、失敗に抵抗しようとするのではなく、失敗を認め、受け入れた上で、そこから跳ね上がっていくこと。
2.「押す」のではなく「引く」こと。
資源を中央に集めてコントロールするのではなく、必要に応じてネットワークから引き出すこと。
3. 安全に焦点を当てるのではなく、リスクを取ること。 4. モノではなく、システムに焦点を合わせること。
5. 地図ではなく、よいコンパスを持つこと。 6. 理論ではなく、実践に基づくこと。 なぜそれが機能するのかわからないときもあるが、大事なのは、理論を知っていることではなく、それが機能するということだ。
7. 服従ではなく、反抗すること。 人に言われたことをしても、ノーベル賞は取れない。多くの学校は服従について教えるが、われわれは反抗を賞賛するべきだ。
8. 専門家ではなく、クラウド(人々)に向かうこと。 9. 教育ではなく、学習に焦点を当てること。
伊藤 穰一、日本のベンチャーキャピタリスト、実業家で、MITメディアラボ所長。クリエイティブ・コモンズ会長!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AChttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%ABhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E6%A5%AD%E5%AE%B6http://ja.wikipedia.org/wiki/MIT%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%9C
ワークスタイルの変化
「ライフスタイルも仕事の進め方も15年前とはまったく違うのだから、当然組織のあり方も変わっていなきゃいけないはずなのに、相変わらずヒエラルキー構造の中で仕事をしている。」 「1人のオタクが100人のエリートサラリーマンに勝ってしまう時代になった。」
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授 夏野 剛氏
「未来で成功するには、「専門技能の連続的習得」が求められる。孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ、そのためには、多くの人と結びつくことが必要だ。所得を増やし、モノを消費するために働く──こうした仕事の世界の「古い約束事」がもはや機能しなくなっている。働くことで得られる充実した経験こそが、幸福感の牽引役になる。」
ロンドン・ビジネススクール教授 リンダ・グラットン 経営組織論の世界的権威で、英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとり
Mary Meeker
Kleiner Perkins Caufield Byersのアナリスト
2012 Internet Trends Update
http://www.kpcb.com/insights/2012-internet-trends-update
!
2013 Internet Trends
http://jp.techcrunch.com/2013/05/30/
20130529mary-meeker-2013-internet-trends/
サービスの再定義
Re-Imagination
ニコラス・カー(Nicholas Carr) 米国を代表するテクノロジー思想家の一人。「ハーバードビジネスレビュー」誌の元編集責任者。 2008年に Big Switch
Big Switch
http://www.kpcb.com/insights/2012-internet-trends-updatehttp://jp.techcrunch.com/2013/05/30/20130529mary-meeker-2013-internet-trends/
Web Innovation
インフラの変化
4Gビット/秒のトラフィック、
毎秒1万件のリクエスト、
2000ノード、 3つのデータセンター、
180テラバイトのデータ、
85億件のリクエスト。
!大統領を選出するために、
583日間で設計し、展開し、
解体。
Obama For America on AWS
マイルズ ワード - ソリューションズ アーキテクト @milesward
Re-Imagine
Re-Imagine
Re-Imagine
未踏プロジェクト
吉崎さん V-Sido
衣川さん Trangram
大嶋さんと、大島さん、カメラと曲げ木
1
iPhone 4
iOS4.3 Objective-C++ ,OpenGLES
iOS Mac mini ruby 1.9.3 ruby
on rails 3.2 MySQL Apache
3.3
(a)
(b)
(c)
3 ourcam
Sketch =
Program+1
2
3
4
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codeblock 30160
120codeblock
codeblock
Parameters+ Name
}“foobar”+ id & Parent id’s+ Photo
© 2013 Information Processing Society of Japan 585
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© 2013 Information Processing Society of Japan 585
4
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6
7
Sobel
7
© 2013 Information Processing Society of Japan 587
此村さんと三好さん Phenox
Gunosy, SmartNews
課題と期待
• IT技術者をメインステージに
• 英語重要
• スピード&バリューが重要
• (市場価値を認識する)
• (日本やばいです)
Project Ara
IFTTT
Pivotal Labs
イノベーションを生むために
• 最近の若者はスゴいです。
• 「こだわり」は重要です。
• 型にはめてはいけません。
• 肯定から始めたいものです。
• Passion x Direction x Ability
ご清聴ありがとうございました。
Thank you.