2
Freescale Semiconducter(以下Freescale)社のプログ ラ ム 統 合 開 発 環 境 CodeWarrior Development Studio for ColdFire Architecture v7.0( 以 下 CodeWarrior)に は , Processor Expert という便利な RAD(Rapid Application Development)ツールが統合されています.Processor Ex- pert を使えば,周辺装置の細かい使い方を理解しなくても プログラミング可能です.ここでは,この機能を使用した プログラミング方法を説明します. 1.ターゲット・ハードウェアの準備 今回の製作を行うには,付属 ColdFire マイコン基板にコ ネクタや LED などのハードウェアを接続する必要がありま す.写真 1 に例を示します.演習で使用するプッシュ・ス イッチと外付け LED の結線を図1 に示します. JP2 にはスイッチを接続し,ショート/オープンが切り替 わるようにしてください.また,PWM 用の LED は付属 ColdFire マイコン基板の 7 番ピンに接続してください. BDM コネクタは,第 3 章に示す情報に従って結線してくだ さい.26 ピン BDM コネクタは左側に 1 番ピンが来るよう に配置した場合,デバッガの邪魔にならないよう,手前側 には突起物がないようにしてください(写真 2). コネクタのピッチは,一般的な 2.54mm です.この例で は 36 × 27 穴のユニバーサル基板を使っています.Cold 100 Sept. 2008 KEYWORD ―― CodeWarrior,Processor Expert,LED 点滅 ここでは統合開発環境CodeWarriorを使った付属基板向けプログラムの開発について解説する.今回本誌付属CD-ROM に収録したCodeWarriorには,Processor Expertという開発ツールが付属しており,これを使うと,CPUの周辺機能を複 雑なプログラムなしで動作させることができる. (編集部) CodeWarriorを� 使った制御プログラムの作成� CodeWarriorを� 使った制御プログラムの作成� 統合開発環境と周辺機能設定ツールを使ったプログラミン 統合開 辺機能設定ツールを使ったプログラミン統合開発環境と周辺機能設定ツールを使ったプログラミング 高田 浩 高田 浩 4 ▲写真 1 ColdFire 基板にハード ウェアを追加した例 JP2 26ピンBDMコネクタ� PWM用LED こちらを1番にする� t 写真 2 デバッガの接続 図1 追加回路図 DTIN0� 3V +� 8 JP 2 GND プッシュ・スイッチ追加� LEDと抵抗を� 追加� MCF52233� QFP80 R 4 R 15 DTIN1� 7 ColdFire� マイコン基板� DIP64 b)PWM確認用LED a)動作切り替えスイッチ�

CodeWarriorを 使った制御プログラムの作成100 KEYWORD――CodeWarrior,ProcessorExpert,LED点滅 Sept. 2008 ここでは統合開発環境CodeWarriorを使った付属基板向けプログラムの開発について解説する.今回本誌付属CD-ROM

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: CodeWarriorを 使った制御プログラムの作成100 KEYWORD――CodeWarrior,ProcessorExpert,LED点滅 Sept. 2008 ここでは統合開発環境CodeWarriorを使った付属基板向けプログラムの開発について解説する.今回本誌付属CD-ROM

Freescale Semiconducter(以下 Freescale)社のプログ

ラム統合開発環境 CodeWarrior Development Studio for

ColdFire Architecture v7.0(以下 CodeWarrior)には,

Processor Expertという便利な RAD(Rapid Application

Development)ツールが統合されています.Processor Ex-

pertを使えば,周辺装置の細かい使い方を理解しなくても

プログラミング可能です.ここでは,この機能を使用した

プログラミング方法を説明します.

1.ターゲット・ハードウェアの準備

今回の製作を行うには,付属ColdFireマイコン基板にコ

ネクタやLEDなどのハードウェアを接続する必要がありま

す.写真1に例を示します.演習で使用するプッシュ・ス

イッチと外付けLEDの結線を図1に示します.

JP2にはスイッチを接続し,ショート/オープンが切り替

わるようにしてください.また,PWM用のLEDは付属

ColdFire マイコン基板の 7番ピンに接続してください.

BDMコネクタは,第3章に示す情報に従って結線してくだ

さい.26ピンBDMコネクタは左側に1番ピンが来るよう

に配置した場合,デバッガの邪魔にならないよう,手前側

には突起物がないようにしてください(写真2).

コネクタのピッチは,一般的な2.54mmです.この例で

は 36× 27 穴のユニバーサル基板を使っています.Cold

100 Sept. 2008KEYWORD――CodeWarrior,Processor Expert,LED点滅

ここでは統合開発環境CodeWarriorを使った付属基板向けプログラムの開発について解説する.今回本誌付属CD-ROMに収録したCodeWarriorには,Processor Expertという開発ツールが付属しており,これを使うと,CPUの周辺機能を複雑なプログラムなしで動作させることができる. (編集部)

CodeWarriorを�使った制御プログラムの作成�CodeWarriorを�使った制御プログラムの作成�

統合開発環境と周辺機能設定ツールを使ったプログラミン統合開 環 と 辺機能設定ツールを使ったプログラミング統合開発環境と周辺機能設定ツールを使ったプログラミング

高田 浩高田 浩

第 章第 章44

▲写真1ColdFire基板にハードウェアを追加した例

JP2

26ピンBDMコネクタ�PWM用LED

こちらを1番にする�

t写真2デバッガの接続 図1 追加回路図

DTIN0��

3V+�

8

JP2

GND

プッシュ・スイッチ追加��

LEDと抵抗を�追加�

MCF52233�QFP80

R4

R15 DTIN1��

7

ColdFire�マイコン基板�DIP64

(b)PWM確認用LED(a)動作切り替えスイッチ�

Page 2: CodeWarriorを 使った制御プログラムの作成100 KEYWORD――CodeWarrior,ProcessorExpert,LED点滅 Sept. 2008 ここでは統合開発環境CodeWarriorを使った付属基板向けプログラムの開発について解説する.今回本誌付属CD-ROM

Fireマイコン基板が64ピンDIPの形状なので,横方向が

32穴以上のものを選んでください.BDMコネクタには一

般的なピン・ヘッダ(オス,13× 2)を,LEDには2V程度

のものを使用してください.

2. 開発環境の準備

● 開発環境の説明

付属CD-ROMにCodeWarrior が収録されています(写

真3).これは,ColdFire v2,v3,v4用のプログラム統合

開発環境です.このプログラムをインストールするだけ

で,CodeWarriorの Special Editionとして使用できます.

Special Editionに使用期限はありませんが,コード・サイ

ズ128Kバイトまでの容量制限が付いています.付属基板

に搭載されているMCF52233のフラッシュROMサイズは

256Kバイトなので,全領域は使用できません.ご注意く

ださい.プログラムのデバッグには,P&E Microcomputer

Systems社の USB ColdFire Multilink(写真 4)注 1などの

BDMデバッガが別途必要です.Multilinkはコンパクトな

上,USBバス・パワーで動作するので別電源は不要です.

今回の記事はUSB Multilinkの使用を想定しています.

● CodeWarriorのインストール

インストールに必要なシステムは表1のとおりです.

1)パソコンのドライブにCD-ROMを挿入すると,しばら

くしてメニュー画面(図2)が表示されます.「Launch

the installer」をクリックしてください.

2)インストーラ・ダイアログが起動します.[Next]ボタ

ンをクリックして先に進んでください.License Agree-

ment ダイアログ(図 3)が現れたら表示内容を確認し

て,「I accept the terms in the license agreement」を

選択し,[Next]ボタンをクリックしてください.

3)さらに[Next]ボタンをクリックして先に進みます.イ

ンストール先のフォルダを標準のものから変更したい

場合は,Destination Folderダイアログが表示された場

合にChangeボタンで変更してください.また,既に

別のCodeWarrior がインストールされている場合は,

そのフォルダとは別の場所を指定してください.

4)Ready to Install the Programダイアログ(図4)が表示

されたら,Install ボタンをクリックしてください.イ

ンストールが開始されます.InstallShield Wizard Com-

pletedダイアログ(図5)が表示されたら[Finish]ボタ

101Sept. 2008

第  章 CodeWarriorを使った制御プログラムの作成4

app1

pro

2

1

3

4

app6

app3app4

app2

5

6

app5

写真3 付属CD-ROM

写真 4 P&E MicrocomputerSystems社 の USB ColdFireMultilink

表 1 インストールに必要なシステム

ハードウェア1GHz Pentium互換プロセッサ,512MバイトRAM(1Gバイト推奨),CD/DVD-ROMドライブ,USBポート

OS Microsoft Windows 2000/XP/Vista

ディスク トータル2Gバイト,Windowsシステム空き容量 と同一ドライブに400Mバイト

図2 メニュー画面 図3 ライセンス規約

注1:Freescale Semiconduc-

ter 社代理店,または

アールエスコンポーネ

ンツ(株),マルツパー

ツ館にて購入可能.