54
© - Copyright Bureau Veritas Japan 2018年02月21日 ビューローベリタスジャパン株式会社 インサービス検査事業本部 牧野 哲也 維持保全 ~定期調査と劣化調査の活用~

維持保全 ~定期調査と劣化調査の活用~© - Copyright Bureau Veritas Japan Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 10 (1)建築基準法

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

© - Copyright Bureau Veritas Japan

2018年02月21日 ビューローベリタスジャパン株式会社

インサービス検査事業本部

牧野 哲也

維持保全 ~定期調査と劣化調査の活用~

© - Copyright Bureau Veritas Japan

目次 (1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)非破壊検査・サンプリング検査 (5)劣化調査の実施

© - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)非破壊検査・サンプリング検査 (5)劣化調査の実施

4 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組

出典:国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画) 平成26年10月時点資料

5 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組

出典: 社会資本の老朽化対策情報ポータルサイトインフラメンテナンス情報 Infrastructure Maintenance Information

■ 国土交通省 インフラ長寿命化計画(行動計画)

平成25年11月にインフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議においてとりまとめら

れた「インフラ長寿命化基本計画」に基づき、国土交通省が管理・所管するあらゆるインフ

ラの維持管理・更新等を着実に推進するための中長期的な取組の方向性を明らかにする計画

として、平成26年5月、国土交通大臣を議長とする「社会資本の老朽化対策会議」において、

「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」をとりまとめました。

これに基づき、新設から撤去までの、いわゆるライフサイクルの延長のための対策という

狭義の長寿命化の取組に留まらず、更新を含め、将来にわたって必要なインフラの機能を発

揮し続けるための取組を実行することにより、これまで進めてきた

メンテナンスサイクルの構築と継続的な発展につなげてまいります。

6 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組

出典:国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画) 平成26年10月時点資料

© - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)破壊・非破壊検査 (5)劣化調査の実施

8 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化

建築基準法

(維持保全)

第8条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。

2 第12条第1項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。

○ 昭和58年(1983年)に建築基準法を改正し、特殊建築物における維持保全計画の作成が義務化

○ 昭和60年(1985年)に建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針を策定

9 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

昭和60年3月19日建設省告示第606号(抜粋) 第1 総則 1 建築基準法第 12 条第 1 項に規定する建築物(以下単に建築物という。)の維持保全に関する

準則(以下「準則」という。)又は建築物の維持保全に関する計画(以下「計画」という。)は、建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、次の指針に従って作成するものとする。

第3 計画に定める事 計画には、おおむね次の各号に掲げる項目につき、それぞれ当該各号に掲げる事項を定めるものとする。

1 建築物の利用計画 建築物又はその部分の用途等、将来の増改築の予定等に関する事項

2 維持保全の実施体制 維持保全を行うための組織、維持保全業務の委任、建築士その他専門技術者の関与等に関する事項

3 維持保全の責任範囲 計画作成者の維持保全の責任範囲に関する事項

4 占有者に対する指導等 建築物の破損時等における通報、使用制限の順守等に関する事項

5 点検 点検箇所、点検時期、点検者、点検に当たっての判断基準、結果の報告等に関する事項

6 修繕 修繕計画の作成、修繕工事の実施等に関する事項

7 図書の作成、保管等 維持管理計画書、確認通知書、竣工図、設備仕様書等の作成、保管、廃棄等に関する事項

8 資金計画 点検、修繕等の資金の確保、保険等に関する事項

9 計画の変更 計画の変更の手続等に関する事項

10 その他 前各号に掲げるもののほか、維持保全を行うため必要な事項

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化

10 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化(外部)

出典:平成20年3月10日国土交通省告示第282号 よりビューローベリタスにて抜粋加工

No(い)調査項目 (ろ)調査方法 (は)判定基準

1 敷地及び地盤

(7)組積造の塀又は補強コンクリートブロック造の塀等の劣化及び損傷の

状況

目視

下げ振り

著しいひび割れ、破損、傾斜

(8) 擁壁の劣化及び損傷の状況 目視 著しい傾斜、ひび割れ

目地部より土砂流出

2 建築物の外部

(2)基礎 基礎の劣化及び損傷の状況 目視 礎石のずれ

鉄筋露出、著しいひび割れ、欠損

(4) 土台の劣化及び損傷の状況 目視

打診

腐朽、損傷、虫害

緊結金物に著しい錆、腐食

(6) 木造の外壁躯体の劣化及び損傷の状況 目視 著しい腐朽、損傷、虫害

緊結金物に著しい錆、腐食

(7) 組積造の外壁躯体の劣化及び損傷の状況 目視 割れ、ずれ

(8) 補強コンクリートブロック造の外壁躯体の劣化及び損傷の状況 目視 目地モルタルの著しい欠落

ブロック積みの変位

(9) 鉄骨造の外壁躯体の劣化及び損傷の状況 目視 錆、腐食

(10)鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の外壁躯体の劣化及

び損傷の状況

目視 鉄筋露出、白華、ひび割れ、欠損

(11)タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷の状況

目視

打診

剥落、著しい白華、ひび割れ、浮き

(12) 乾式工法によるタイル、石貼り等の劣化及び損傷の状況 目視 ひび割れ、欠損

(13) 金属系パネル(帳壁を含む。)の劣化及び損傷の状況 目視 著しい錆等による変形

(14) コンクリート系パネル(帳壁を含む。)の劣化及び損傷の状況 目視 錆汁を伴ったひび割れ、欠損

(15)窓サッシ等 サッシ等の劣化及び損傷の状況 目視

動作

腐食、ネジ等の緩み

(17)機器本体の劣化及び損傷の状況 目視 著しい錆、腐食

(18) 支持部分等の劣化及び損傷の状況 目視

動作

緊結不良、著しい錆、腐食

擁壁

土台(木造に限る。)

外壁 躯体等

外装仕上げ材等

外壁に緊結された広告板、空調室外機等

11 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化(屋上)

出典:平成20年3月10日国土交通省告示第282号 よりビューローベリタスにて抜粋加工

No(い)調査項目 (ろ)調査方法 (は)判定基準

3 屋上及び屋根

(1) 屋上面の劣化及び損傷の状況 目視 ひび割れ、反り

目地からの植物繁茂

(2) パラペットの立上り面の劣化及び損傷の状況 目視

打診

著しい白華、ひび割れ

パネルの破損

(3) 笠木モルタル等の劣化及び損傷の状況 目視

打診

著しいひび割れ、欠損

(4) 金属笠木の劣化及び損傷の状況 目視

打診

著しい錆、腐食

笠木接合部の緩み、部分的変形

(5) 排水溝(ドレーンを含む。)の劣化及び損傷の状況 目視

打診

著しいひび割れ、浮き

(7) 屋根の劣化及び損傷の状況 目視

打診

割れ

緊結金物の著しい腐食

(8) 機器、工作物本体及び接合部の劣化及び損傷の状況 目視

打診

本体又接合部の著しい錆、腐食

(9) 支持部分等の劣化及び損傷の状況 目視

打診

緊結不良、著しい腐食

基礎等の著しいひび割れ、欠損

屋上面

屋上周り(屋上面を除く。)

屋根

機器及び工作物

(冷却等設備、広告塔等)

12 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化(内部)

出典:平成20年3月10日国土交通省告示第282号 よりビューローベリタスにて抜粋加工

No(い)調査項目 (ろ)調査方法 (は)判定基準

4 建築物の内部

(5)防火区画 防火区画の外周部 令第112条第10項に規定する外壁等及び同条第11項に規定する防

火設備の劣化及び損傷の状況

目視 外壁等、防火設備の損傷

(6) 木造の壁の室内に面する部分の躯体の劣化及び損傷の状況 目視 著しい腐朽、損傷、虫害

緊結金物の著しい錆、腐食

(7) 組積造の壁の室内に面する部分の躯体の劣化及び損傷の状況 目視 割れ、ずれ

(8)補強コンクリートブロック造の壁の室内に面する部分の躯体の劣化及び

損傷の状況

目視 著しい欠落

ブロック積みの変位

(9) 鉄骨造の壁の室内に面する部分の躯体の劣化及び損傷の状況 目視 鋼材に著しい錆、腐食

(10)鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の壁の室内に面する部分

の躯体の劣化及び損傷の状況

目視 鉄筋露出、著しい白華、ひび割れ、欠損

(12) 部材の劣化及び損傷の状況 目視 穴、破損

(13) 鉄骨の耐火被覆の劣化及び損傷の状況 目視

修繕履歴

剥がれ等による鉄骨の露出

(17) 木造の床躯体の劣化及び損傷の状況 目視 著しい腐朽、損傷、虫害

緊結金物の著しい錆、腐食

(18) 鉄骨造の床躯体の劣化及び損傷の状況 目視 著しい錆、腐食

(19)鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の床躯体の劣化及び

損傷の状況

目視 鉄筋露出、著しい白華、ひび割れ、欠損

(21)準耐火構造(1H)の壁、耐火構造の壁又は準

耐火構造の壁部材の劣化及び損傷の状況 目視 穴、破損

(24)令第129条各項に規定する建築物の天井の室

内に面する部分室内に面する部分の仕上げの劣化及び損傷の状況 目視

打診

仕上げの浮き、たわみ、損傷、剥落

(25)特定天井 特定天井の天井材の劣化及び損傷の状況 目視 天井材の腐食、緩み、外れ、欠損、たわみ

(30) 常閉防火設備の本体と枠の劣化及び損傷の状況 目視 変形、損傷による性能支障

(44)吹付け石綿等の劣化の状況 劣化調査確認 表面の毛羽立ち、繊維のくずれ、たれ下がり

下地からの浮き、剥離

3年以内の劣化状況調査未実施

(46) 吹付け石綿等の劣化の状況 目視 増築もしくは改築時の措置

(除去、封じ込め、囲い込み措置)

壁の

室内に面する部分

躯体等

準耐火構造(1H)の壁、耐火構造の壁又は準

耐火構造の壁

床 躯体等

防火設備

天井

石綿等を添加した建築材料

13 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)建築基準法 第12条第1項における劣化(その他)

出典:平成20年3月10日国土交通省告示第282号 よりビューローベリタスにて抜粋加工

No(い)調査項目 (ろ)調査方法 (は)判定基準

5 避難施設等

(8) 手すり等の劣化及び損傷の状況 目視

打診

著しい錆、腐食

(15)階段 階段 階段各部の劣化及び損傷の状況 目視 ひび割れ、錆、腐食

(25)排煙設備等 防煙壁 防煙壁の劣化及び損傷の状況 目視 き裂、破損、変形

6 その他

(1)膜構造建築物の膜体、取付部材等 膜体及び取付部材の劣化及び損傷の状況 目視

記録確認

破れ、雨水貯留、接合部の剥がれ

(3)免震構造建築物の免震層及び免震装置 免震装置の劣化及び損傷の状況

(免震装置が可視状態にある場合に限る。)

目視

記録確認

著しい錆、腐食

(5)避雷針、避雷導線等の劣化及び損傷の状況 目視 避雷針又は避雷導線が腐食、破損、破断

(6) 煙突本体及び建築物との接合部の劣化及び損傷の状況 目視 接合部ノ著しいひび割れ、肌分かれ

(7)付帯金物の劣化及び損傷の状況 目視 著しい錆、腐食

(8)煙突本体の劣化及び損傷の状況 目視 鉄筋露出、腐食、著しい錆、錆汁、ひび割れ、

欠損

(9)付帯金物の劣化及び損傷の状況 目視 アンカーボルト等に著しい錆、腐食、緊結不良

避雷設備

煙突 建築物に設ける煙突

令第138条第1項第1号に掲げる煙突

避難上有効なバルコニー

特殊な構造等

© - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)非破壊検査・サンプリング検査 (5)劣化調査の実施

15 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 建築物の保全とは

(1)点検・診断 建物の劣化や損傷の状態、設備機器類等の劣化や作動の確認

(2)保守 定期的に寿命となる部位の交換や注油

(3)保安 設備機器の正常作動確認

事故を防止する対策をするなどの日常点検・保守 (4)修繕

建物や設備機械類の劣化・損傷部の修理、取替 (5)運転

操作・作動状況の監視 機器類の正常に作動確認 (6)清掃

施設内外の環境を清潔に保ち快適な環境の持続 建物の汚れなどによる劣化の防止

建築物の保全とは、発生した故障箇所を修繕、機能の維持・快適性の向上のための改修や未然に故障が起きないように点検を実施するなど、建物の機能や性能、快適性を良好に保つ行為の総称。 建築物の保全に関する業務は様々であるが、大きくは「点検・診断」「保守」「保安」「修繕」「運転」「清掃」に分類される。

16 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 点検とは

施設管理者の施設管理責任として、建築基準法第8条に「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない」と定められている。

点検には、法令によって義務付けられている「法定点検」と施設管理者等が行う「自主点検」に大きく分けられる。

法定点検には、消防設備点検、昇降機点検、特定建築物定期点検などの点検があり、専門知識を有する者や有資格者が行う必要がある場合が多い。

自主点検とは、施設管理者が定期的(自主定期点検/年1回定期的に行う点検)又は日常的(日常点検/日々の業務の中で行う点検)に行う点検であり、施設の機能を維持し不具合の早期発見のために日々行う巡回や点検を行うこと。

これらの点検を行うことにより劣化状況が把握でき、事故を事前に防止することに有効なだけでなく、適切な処置を早期に行うことで、資産価値を維持することができるため、自主定期点検は勿論の事、日々の業務の中でも不具合の状況を常に把握(日常点検)し、不具合箇所が見つかれば点検結果として、記録・保管するよう心掛ける必要がある。

17 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 簡易劣化調査における点検手順(準備)

(1)事前準備 ① 資料の保管 図書等(設計図書、仕様書、竣工図書、改修図面など) 工事工程写真 保全履歴(修繕履歴、点検記録) 法定・任意点検結果報告書 (2)点検準備 ① 記録用紙 点検チェックシート(用途、点検内容に応じ作成) ② 点検用具 筆記用具、デジタルカメラ、スケール、双眼鏡、テストハンマー、打診棒、点検用手鏡、脚立など

簡易劣化調査 記録表

所属:

平成  年  月  日 ~ 平成  年  月  日

No 番号 項目 階数 室名・部位 不具合の状況

建物名:

点検者:

点検日:

添付図面 その1

18 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 事前調査(机上調査)

(1)目的確認 劣化調査の目的、調査対象、調査方法等を確認(立案)

(2)建築物の概要 所在地、構造、規模、用途、竣工年など基本情報の確認

(3)外部仕上げ、内部仕上げの概要確認 屋上、外部等の仕上げ、内部(共用部、専有部、基準階)仕上げの確認

(4)既往調査の内容確認 前回の劣化調査、外壁打診調査、コンクリート中性化調査など実施済み調査の内容確認

(5)各種法定点検、自主点検の内容、指摘事項の確認 建築基準法第12条定期報告、消防用設備等点検結果、自家用電気工作物点検、 各種機器点検結果等の確認

(6)修繕履歴の確認 修繕履歴より不具合状況、大規模修繕の実施有無、屋上・外壁・空調など主要修繕の確認

(7)事前ヒアリングの実施 目的、用途、ヒアリング対象者に応じヒアリング内容を決定し、事前ヒアリングを実施

(8)特殊条件等の確認 調査の制約事項となる特殊要因等の確認

19 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外構でのポイント

建物敷地周囲に設置される塀、フェンス等は道路や隣地との敷地区分を明確にする役割があり、歩行者や利用者への安全にも関わる工作物のため注意が必要。 敷地内の地盤の不陸(凸凹)や陥没は、施設利用者に対して危険なだけでなく、地中に埋設されている設備配管やマンホールの故障や漏水を伴っている場合がある。

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

地盤、舗装面、敷石面

【目視】

地盤が部分的に沈下している。

地盤沈下による場合と、駐車場での轍によるものがある。

排水桝

【目視】

排水桝が土砂などで詰まっている。

沈下・傾斜・破損している。

集水桝は、土砂が溜まる構造となっており定期的に清掃が必要。

桝の沈下、損傷によりうまく排水できない場合がある。

20 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外構でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

擁壁・塀

(コンクリート、ブロック)

【目視】

塀(コンクリート、ブロック)や擁壁にはらみ、傾き、ひび割れ、破損がある

特にコンクリートブロックで高さが1.2m以上となる場合には、控え壁の設置が必要。

金属製の門やフェンス

【目視】

錆・腐食・破れ・変形・傾きがある

鋼製フェンスは支柱の根本部分が腐食しやすいので注意が必要。

ネットフェンスなどに固定している看板のグラツキに注意。

錆と腐食の違いとは?

錆 : 使用材質が金属の場合、ある程度の時期が過ぎれば錆は発生する。

錆は、雨・風等の自然環境の影響による鉄の酸化である。

腐食: 錆が広がり、強度を失っていくこと。

21 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 屋上・屋根でのポイント

屋根は、室内空間に及ぼす外部からの雨、風、日射等を遮断する基本的な役割を持っている。 特に雨漏りが発生すると、室内の壁等にしみ、カビ等の発生の原因となり、漏電事故発生にも繋がり、 建物の使用・安全に大きな影響を及ぼすこととなる。 陸屋根は、一定の厚みをもった膜(防水層)によって雨水を防いでいるが、その工法(防水工法)は「保護工法」と「露出工法」が代表的に使用され、 材料により、「アスファルト防水」、「塗膜防水」、「シート防水」に分類されている。 傾斜屋根は、屋根葺き材料に応じて「金属屋根」、「瓦屋根」、「スレート屋根」などがある。 調査時には、特に防水性能の低下に直結する劣化はないかを確認する。

22 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 屋上・屋根でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

屋上の排水口

【目視】

ルーフドレン周りに土砂、ごみ、雑草が生えている。ルーフドレンのストレーナーに破損がある

ルーフドレンのストレーナーが外れると、配管内にゴミが入り、詰まり、あふれ、漏水の原因となる。

防水(保護工法)

【目視】

防水層の露出がある 保護工法とは、防水層の上にコンクリート等で保護する工法。

保護材の劣化により防水層が露出するとその箇所から劣化が進む。

防水(露出工法)

【目視】

ふくれ・変形・しわがある アスファルト防水、シート防止の場合、空気の膨張による膨れが発生する場合がある。また防水の上に基礎がある場合や、斜め屋根の場合は、外力や自重によりしわが発生する場合がある。

23 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 屋上・屋根でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

防水立上り(露出工法)

【目視】

ふくれ・変形・しわがある ふくれ、しわの内部に結露水などが発生した場合、漏水に繋がる恐れがある。

パラペット・笠木

(コンクリート製)

【目視】

変形・ひび割れ・欠け・浮きがある

パラペット・笠木での欠け、浮きは落下の恐れがある。

変形・ひび割れが欠け・浮きの兆候に注意が必要。

パラペット・笠木

(金属製)

【目視】

錆・腐食などがある 腐食する前に補修することで、長期使用できる。

早期に発錆を確認する。

24 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外壁・外部建具等でのポイント

外壁は屋根と同様に建物内部環境と外部環境の遮断という基本機能のほか、建物の意匠として周囲への景観的影響力も大きく、美しいまちなみの創造の視点からも善良な維持管理が求められる。

種類 概略図 留意事項

モルタル塗りの上に仕上げ材を施したもの

コンクリートの表面をモルタルで滑らかにし、さらに塗装仕上げを施したもの。剥落の危険があるので、ひび割れや、浮きに注意する。

タイル張り

コンクリート面にタイルをモルタルによって接着する方法と、コンクリート打ちの際に型枠の内側にタイルを貼り、直接コンクリートを打ち込み、密着させる方法等がある。

いずれもタイルのひび割れや浮きを生じる場合がある。また、モルタルを用いている場合は、モルタル仕上げ同様の注意が必要である。タイルが浮き上がると落下しやすくなるので、目地などのシーリング材の劣化やひび割れに注意する。

コンクリート打ち放しの上に仕上げ材を施したもの

モルタルを塗らずにコンクリート面に直接塗装仕上げを施すもの。仕上げ材はコンクリートの劣化を緩和する役割が大きいため、剥がれなどに注意する。

ひび割れが生じても落下する心配は少ないが、雨漏りやコンクリートの劣化につながりやすいので早めに補修する。

25 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外壁・外部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

壁面

【目視】

塗膜の剥がれ・ひび割れがある

ひび割れの幅は0.3mm以上の場合は、詳細調査が望まれる。

壁面

【目視】・【打診】

モルタルやタイルの浮き・はく落・ひび割れがある

浮きは打診棒での打音の違いを確認する。

壁面

【目視】

露筋・錆汁の発生がある 雨水の浸入等により鉄筋コンクリート造の建物の鉄筋が腐食して膨張し、コンクリートにひびを発生させて、爆裂現象が発生する。

26 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外壁・外部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

壁面

【目視】・【触手】

チョーキング(粉化)・エフロレッセンス(白華)が起きている

エフロレッセンス(白華)の発生は、ひび割れなどから水が浸入している可能性がある。

壁面

【目視】・【触手】

伸縮目地、打継目地等のシーリング材にひび割れや硬化がある

シーリング材は、経年とともに硬化、劣化しひび割れなどを起こし防水機能が損なわれ漏水の原因となる。

外部建具・窓枠

【目視】・【触手】

枠回りのシーリング材に剥離・ひび割れ・破断がある

27 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 外壁・外部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

外部建具・窓枠

【目視】

ガラス面に傷・ひび割れ・欠けがある

網入りガラス(格子)、線入りガラス(縦線)の場合、錆が発生している場合がある。

屋外階段

【目視】・【触手】

踏面に発錆・変形・破損・亀裂がある

腐食する前に錆止め塗装することで、長期使用できる。

また触手にてチョーキングの状況を確認する。

庇(ひさし)

【目視】

下面に塗装のはく離・漏水の後シミがある

漏水を伴う場合が多く。コーナー部分、照明器具の周辺、配管の貫通部にも発生しやすい。

28 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 内装・内部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

床 【目視】

浮き・剝れ・凹凸がある つまずき、転倒に繋がる場合があり、安全面からも確認が必要。

壁 【目視・触手】

ひび割れ・剝れ・めくれ・割れがある

壁の仕上げには、塗装、クロス、パネルなどがある。 クロスは継ぎ目部分で剥がれ、塗装はチョーキングの状況を確認する。

廊下や階段は通常の使用のほかに非常時には、避難通路としての役割も担っている。 劣化調査の対象ではないが、廊下などに書棚や家具を置くと有効な避難路としての機能を損なうことになるため、常に状況を整理整頓・清掃を心掛ける必要がある。

29 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 内装・内部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

天井 【目視】

ひび割れ・剝れ・めくれ・割れがある

地震などの影響の有無をヒアリングなどで確認する。

建具 【作動確認】

スムーズに開閉しない ドアクローザーで、ドアの閉鎖速度を調整しており、作動確認を行う。

階段 【触手】

手摺にグラツキがある 手摺に体重をかけたり、ゆすったりして確認する。

30 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 内装・内部建具等でのポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

建具 【作動確認】

取手にグラツキがある 使用頻度が多い場合には緩みによるグラツキが発生する場合がある。

防火戸・防火シャッター 【目視】

腐食・破損がある 腐食や破損がある場合、防火戸・防火シャッターの機能を発揮できない恐れがある。

排煙装置 (自然排煙) 【目視】・【作動確認】

排煙口が開放できない 排煙窓の固着して開放できない場合と、ワイヤー切断により開放できない場合がある。

31 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 電気設備のポイント

建築物の電力は、その使用量によって電力会社から一般家庭のように100V、200V で受電して使用する方式(低圧)と、電気室やキュービクルなどに受変電設備を設けて、6600Vで受電して100V・200V、400V等に変圧して使用する方式(高圧)に大別される。 契約電力が1,000kW以上の電気設備の管理体制は、専任の電気主任技術者(有資格者が常駐)及び電気保安検査員を配置して、保安管理業務を行っている。 契約電力が、1,000kW未満の電気工作物は、電気保安協会、電気保安法人又は電気管理技術者に、保安に関する業務を委託できる。500kW未満の電気設備では有資格者を選任し自主管理することも可能。

低圧受電の例 高圧受電の例

32 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 電気設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

受変電設備 (高圧キュービクル) 【目視】・【触手】

外板(ケーシング)のチョーキングが発生している もしくは錆・腐食が見られる

触手にてチョーキングを確認する。

電灯(分電盤) 【目視】

異音・異臭・破損・腐食がある

締め付けの緩みにより異音(唸り音)が発生する場合がある。 ショートした場合、すすが確認されたり、異臭残っている場合がある。

照明設備 【聴診】

安定器からの異音がある 点灯時には安定器から音が発生する。他の器具の安定器に安定器音を比べる。

33 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 電気設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

非常照明 【目視】・【作動確認】

点灯しない (球が切れている、内臓電池で点灯しない)

バッテリー内蔵の場合、紐を引っ張り点灯を確認する。 点灯しない理由は ①球切れ ②バッテリー不良 ③器具不良 などです。

誘導灯 【目視】・【作動確認※】

常時点灯していない ※紐を引っ張るか、釦を押すとバッテリーでの点灯に切り替わります。

点灯しない理由は ①球切れ ②バッテリー不良 ③器具不良 などです。

テレビ共聴設備 【目視】

テレビの映りが悪い・映らない 強風、台風などの影響でアンテナがずれている場合がある。

34 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 空気調和設備・換気設備のポイント

中央管理方式の空調システム例

換気設備の種類と目的

35 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 空気調和設備・換気設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

熱源機器類 【目視】・【聴診】・【臭気】

本体に損傷・変形・亀裂がある 異音や臭気がある

空調方式により様々な機器がある。 目視、聴診、臭気など異常がないか確認する。

空気調和設備 (AHU・FCU) 【目視】・【聴診】・【臭気】

本体に損傷・変形・亀裂がある。もしくは異音や臭気がある

空気調和設備 【目視】

配管保温材に破損・はく離がある

保温材の破損・はく離は、効率低下だけでなく配管の腐食にも繋がる。

36 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 空気調和設備・換気設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

換気設備 【目視】・【聴診】

給排気ファンに異音・異臭がある

ファンベルトの緩みや軸受けの消耗などで異音が発生する。

換気設備 【目視】

換気用フード内に著しい汚れがある フィルター目詰まりがある

厨房用フード内にはグリスフィルターが設置されている。 目詰まりにより風量低下のほか、火災に繋がる場合がある。

排煙機 【目視】

本体に著しい腐食、損傷がある

消防法、建築基準法での法定点検の結果を参考にする。

37 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 給排水衛生設備のポイント

給水方式の例

給水設備の管理

38 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 給排水衛生設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

受水槽・高架水槽 【目視】

受水槽、高置水槽等の本体、架台に損傷、変形、腐食等の劣化がある

水槽にはFRP製、鋼板製、木製がある。 屋内に比べ、屋外は劣化進行が早く、本体の変色や変形、アンカーボルト等に発錆・腐食がないか確認する。

給水ポンプ 【目視】・【聴診】

ポンプの異常音や異常な振動がある

作動音や振動の状況を確認する。

飲料水 【目視】・【作動確認】

赤水(錆が混ざった水)の発生している

赤水の発生がないか、実際に水を出し確認する。

39 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(3)簡易劣化調査のチェックポイント

┃ 給排水衛生設備のポイント

項目 点検内容・チェックポイント チェックポイント・解説 参考写真

衛生器具 (便器・洗面器・水栓金具等) 【目視】・【触手】

便器、洗面器に著しい亀裂その他の損傷、ぐらつきがある

衛生陶器はヒートショック(急激な温度差)や衝撃などで損傷する場合がある。

ガス給湯器 【目視】

給湯器の周りに障害物や可燃物がある 排気部にススなどが付着している

給湯器の排気口周辺に可燃物があると火災が発生する恐れがある。 障害物などで排気が十分できないと不完全燃焼の恐れがある。

その他 【目視】・【触手】

水槽や配管・衛生器具周辺から水漏している

機械室内、PS内、衛生器具まわりの継ぎ手を触手にて確認する。 天井面、床面に漏水跡がないか確認する。

© - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)非破壊検査・サンプリング検査 (5)劣化調査の実施

41 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 非破壊検査の種類(方法)

目視検査 放射線透過検査

VT:Visual Testing RT:Radiographic Testing

渦電流探傷検査 超音波探傷検査

ET:Eddy Current Testing UT:Ultrasonic Testing

磁粉探傷検査 アコースティック・エミッション

MT: Magnetic Particle Testing AE:Acoustic Emission

浸透探傷検査

PT:Liquid Penetrant Testing

ひずみ測定 超音波厚さ測定

SM:Strain Measurement

赤外線サーモグラフィ検査  鉄筋探査

IRT:Infrared Ray Testing

表面きずの検出 内部きずを検出

その他

電磁波レーダー法、電磁誘導法に

より対象物からの反射波により位

置、深さを測定

材料の片面に探触子を接触させ厚

さを測定

構造物の表面のひずみを測定

赤外線を利用して表面温度分布を測

音響を利用して割れ微兆候の検出

健全性診断が可能

表面に渦電流を流し、表面および表面

直下の欠陥を検出

材質判別にも使用される

X線やガンマ線を利用して体積を持

つ内部きずを検出

超音波の反射を利用して割れ等の

内部きずを検出

肉眼での目視検査

双眼鏡や内視鏡も使用

磁性金属の表面および表面直下割

れ、きずを検出

浸透液の毛細管現象を利用し、表面

きずを検出

42 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 付着度試験(タイル引張試験・塗装付着度試験)

アタッチメント取付 引張試験機

アタッチメント

試験状況 試験完了(はく離面)

試験値(引張荷重:N)

43 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ シーリング引張り試験

ダンベル試験: JIS K 6251に規定されているダンベル状に打ち抜いた試験体の 50%引張応力(M50)、最大引張応力(Tmax)、最大伸び率(E)を測定

硬さ試験 : JIS K 6253に規定されているスプリング式硬さ試験機より硬度(Hs)を測定

図2 ダンベル3号形状

20

100

図1 スライス位置

上(層)

中(層)

5

出典:建設省総合技術開発プロジェクト「建築物の耐久性向上技術」からの抜粋

調査項目劣化度

Ⅲ Ⅱ Ⅰ

50%引張応力

(M50)

初期値比 5 倍以上,1/5 以下 3~5 倍,1/3~1/5 3 倍以下,1/3 以上

測定値0.59N/㎜2 以上

0.03N/㎜2 以下

0.39~0.59N/ ㎜2

0.03~0.06N/ ㎜2

0.39N/㎜2 以下

0.06N/㎜2  以下

伸び

(E)

初期値比 1/5 以下 1/3~1/5 1/3 以上

測定値 200% 以下 200~500% 500% 以上

劣化度 Ⅱ 早い時期に補修が必要 (現状放置可能)

劣化度 Ⅰ 現状放置可能

劣 化 度 判 定

劣化度 Ⅲ 補修が必要

44 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ コンクリート中性化深さ測定試験、圧縮強度試験

中性化 : 強アルカリ性であるコンクリートが大気中のCO2によって中性に近づく現象 中性化が鉄筋まで到達すると不動態被膜が破壊され、鉄筋が発錆し、

コンクリート性能の劣化、爆裂、引張強度低下などを引き起こす

鉄筋探査 コア採取 採取後

圧縮強度試験 中性化状況

45 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 白亜化(チョーキング)調査

現象 : 塗膜の表層が劣化し、元の色相よりも白くなり、塗膜が粉状になり消耗する現状 原因 : 表層の樹脂分が紫外線、酸素、水分等により樹脂が分解され顔料が粉化される 調査方法: 触手 もしくは 白亜化測定用テープ(JIS K 5600-8-6「白亜化の等級」)を使用

参考:一般財団法人 日本塗料検査協会 https://www.jpia.or.jp/publication/doc/vague/122/122test2.pdf

※判定は財団法人 日本塗料検査協会の物差し(写真)を使用して比較

※白亜化等級は0~5で数字が大きい程、劣化が著しい

吹付け

タイル3.0

吹付け

タイル2.5

塗装

種類

結果画像 判定

等級貼り付けシール付着 手付着(参考)

46 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 赤外線サーモグラフィ検査

電気設備での使用例 外壁調査での使用例

47 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 配管種別の調査方法

抜管調査

(サンプリング)

X線撮影調査

(レントゲン)内視鏡調査

超音波

配管肉厚測定

給水配管 ライニング鋼管 ◎ △ ○ ×

給湯配管 銅管・ステンレス管 ◎ △ △ ○

排水配管 ライニング鋼管 ◎ × ○ ×

冷却水配管 ◎ △ △ ○

冷温水配管 ◎ △ △ ○

ドレン配管 ◎ △ △ ○

消火配管 水系配管 ◎ △ △ ○◎:最適 ○:有効 △:場合により有効もしくは参考程度 ×:無効もしくは要追加調査

※抜管調査には水抜きが必要

種別

48 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(4)非破壊検査・サンプリング検査

┃ 配管抜配試験、内視鏡検査、放射線透過検査(X線)、超音波探傷検査、

内視鏡検査 X線検査(全景)

X線撮影画像 内視鏡撮影画像 超音波探傷検査

抜管試験

© - Copyright Bureau Veritas Japan

(1)国や地方公共団体の取組 (2)建築基準法 第12条第1項における劣化 (3)簡易劣化調査のチェックポイント (4)非破壊検査 (5)劣化調査の実施

50 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(5)劣化調査の実施

┃ 劣化調査の流れ

・目的の明確化 ・目的、対象、仕様、期間、体制等

・共用部/専有部

・外装/内装/建築設備

・仕上げ、設備概要等の確認

・既往調査の確認

・各種法定点検等の結果確認

・修繕履歴の確認

・事前ヒアリングの実施

・目視等/非破壊検査/サンプリング

・非破壊/サンプリングの対象

・対象数量

・実施時期

・調査実施者(資格者)

・参照する基準

・評価方法の確認

・現地調査の結果より評価

・報告書とりまとめ

調査計画

机上調査

現地調査

劣化評価・報告書

結果報告

目的の設定

対象範囲の設定

調査仕様の設定

判断基準の確認

劣化調査依頼

51 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(5)劣化調査の実施

┃ ガイドライン・マニュアル類

国土交通省(MLIT)、一般財団法人建築保全センター(BMMC)、公益財団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)等が、点検マニュアル、劣化診断マニュアル等を刊行している。 これらの書籍類を参考に、劣化調査の指標を設けることで、建物毎の比較などが実施できる。

52 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(5)劣化調査の実施

Plan(計画) Construction(建設)

Client Type

Sustainability Building Services

In-service

Transaction(取引) Operation(運用)

■ 建築確認 ■ 住宅性能評価 ■ 長期優良住宅 ■ 構造計算適合性判定 ■ 省エネ適合性判定

Risk Assessment

■ エンジニアリングレポート

■ 耐震判定 ■ 構造計算書妥当性監査 ■ 土壌汚染調査

■ BELS ■ LEED-NC, C&Sなど ■ CASBEE新築、自治体版など ■ BREEAM ■ コミッショニング

■ 中間検査 ■ 完了検査 ■ 建設住宅性能評価 ■ 住宅瑕疵担保保険 ■ 優良マンション認定

■ 施工時品質監査 (QA-TA) ■ HSE遵法性調査

■ 外壁打診等調査 ■ 劣化調査 ■ 土壌汚染調査 ■ アスベスト・PCB調査 ■ PML調査

■ 遵法性調査 ■ 工場遵法性調査(FCI) ■ 既存被災建築物の 火害診断業務

■ BELS ■ LEED-EBOM, CI ■ CASBEE既存、不動産 ■ トップレベル事業所検証

■ 建築基準法12条定期調査 ■ 消防法 消防設備点検

■ 設計会社 ■ 施工会社 ■ デベロッパー

■ 設計会社 ■ 施工会社 ■ デベロッパー

■ 投資家 ■ アセットマネジャー ■ ビルオーナー ■ ビル管理会社

■ 投資家 ■ アセットマネジャー ■ ビルオーナー ■ プロパティマネジャー ■ ビル管理会社

Compliance with Regulation

New Construction(新築建物) Existing Buildings (既存建物)

■ 東京都排出量取引制度 ■ 埼玉県排出量取引制度 ■ BREEAM ■ レトロコミッショニング

■ 消防法 防火対象物点検 ■ 消防法 防災管理点検 ■ 電気事業法 電気保安

┃ ビューローベリタスのサービス

53 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan

(5)劣化調査の実施

┃ 問合せ先

ビューローベリタスジャパン株式会社

インサービス検査事業本部

〒105-0004

東京都港区新橋5-20-4 新虎サウスビル2階

TEL: 03-5425-4860

FAX: 03-3438-3410

インサービス検査営業部:

担当: 牧野 哲也

共有メール: [email protected]

54 Bureau Veritas Japan Co., Ltd. ~buil-repo Seminar~ 21st Feb, 2018 © - Copyright Bureau Veritas Japan