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16 福島の進路 2010.10 調 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景況感 ― 今後の見通しについては慎重な見方 ― ~平成22年度上期現況と平成22年度下期見通し調査~ 内閣府が9月10日に発表した平成22年4~6月期の四半期別 GDP 成長率(2次速報値)によると、日本 の実質 GDP 成長率は前期比+0.4%(年率+1.5%)と3四半期連続のプラス成長を記録した。しかし、 プラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること を示す内容となった。 足元の県内経済は依然厳しい状況にありながらも、生産活動で回復に向けた動きが続いており、個人 消費も低調な中、一部に明るさもみられ、雇用情勢にも改善の兆しが窺われるなど、持ち直しの動きが みられている。しかし、今後については、円高の進行による輸出への影響やエコカー補助金等の制度終了 による個人消費の反動減への懸念など、不安な要素も多く抱えている。 こうした中、当研究所は、県内の820社を対象に「平成22年度下期の県内景気見通し調査」を実施し、437 社から回答を得た。本調査は、7月時点の景気判断について「BSI(業況判断指数)」を中心にまとめた。 調査要領 1.調査方法 多項目アンケート調査郵送法 2.調査対象 県内企業820社 3.回答企業 437社(回収率53.3%) 4.調査時期 平成22年7月 (前回調査:平成22年1月) 5.調査対象期間 21年度下期:平成21年10月~22年3月期 この期間は「実績」と記載。 22年度上期:平成22年4月~22年9月期 この期間は「現況」と記載。 22年度下期:平成22年10月~23年3月期 この期間は「見通し」と記載。 注:BSI (ビジネスÉサーベイÉインデックス) の計算方法 「上昇」と回答した企業数-「下降」とした企業数 総回答企業数 × 100 例:総回答企業数200社 「上昇」50社 「不変」80社 「下降」70社 50-70 200 × 100 = △10 (小数点第1位四捨五入) 回答企業数 構成比 198社 45.3% 33 7.6 繊維É繊維製品 17 3.9 木材É木製品 9 2.1 É紙加工品 13 3.0 12 2.7 窯業É土石製品 15 3.4 鉄鋼É非鉄金属製品 22 5.0 13 3.0 9 2.1 情報通信機械 10 2.3 電子部品Éデバイス 9 2.1 輸送用機械 11 2.5 11 2.5 その他製造業 14 3.2 239 54.7 38 8.7 19 4.3 7 1.6 É 小売業 113 25.9 サービス業 52 11.9 その他非製造業 10 2.3 437 100.0

厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

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�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景況感

―今後の見通しについては慎重な見方―

~平成22年度上期現況と平成22年度下期見通し調査~

内閣府が9月10日に発表した平成22年4~6月期の四半期別 ���成長率(2次速報値)によると、日本

の実質 ���成長率は前期比+0.4%(年率+1.5%)と3四半期連続のプラス成長を記録した。しかし、

プラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

を示す内容となった。

足元の県内経済は依然厳しい状況にありながらも、生産活動で回復に向けた動きが続いており、個人

消費も低調な中、一部に明るさもみられ、雇用情勢にも改善の兆しが窺われるなど、持ち直しの動きが

みられている。しかし、今後については、円高の進行による輸出への影響やエコカー補助金等の制度終了

による個人消費の反動減への懸念など、不安な要素も多く抱えている。

こうした中、当研究所は、県内の820社を対象に「平成22年度下期の県内景気見通し調査」を実施し、437

社から回答を得た。本調査は、7月時点の景気判断について「���(業況判断指数)」を中心にまとめた。

●調査要領

1.調査方法 多項目アンケート調査郵送法

2.調査対象 県内企業820社

3.回答企業 437社(回収率53.3%)

4.調査時期 平成22年7月

(前回調査:平成22年1月)

5.調査対象期間

21年度下期:平成21年10月~22年3月期

この期間は「実績」と記載。

22年度上期:平成22年4月~22年9月期

この期間は「現況」と記載。

22年度下期:平成22年10月~23年3月期

この期間は「見通し」と記載。

注:���(ビジネス�サーベイ�インデックス)

の計算方法

「上昇」と回答した企業数-「下降」とした企業数総回答企業数

× 100

例:総回答企業数200社

「上昇」50社 「不変」80社 「下降」70社

50-70200

× 100 =△10

(小数点第1位四捨五入)

業 種 回答企業数 構 成 比製 造 業 198社 45.3%

飲 食 料 品 33 7.6繊維�繊維製品 17 3.9木材�木製品 9 2.1紙�紙加工品 13 3.0化 学 12 2.7窯業�土石製品 15 3.4鉄鋼�非鉄金属製品 22 5.0一 般 機 械 13 3.0電 気 機 械 9 2.1情報通信機械 10 2.3電子部品�デバイス 9 2.1輸送用機械 11 2.5精 密 機 械 11 2.5その他製造業 14 3.2

非 製 造 業 239 54.7建 設 業 38 8.7運 輸 業 19 4.3通 信 業 7 1.6卸�小売業 113 25.9サービス業 52 11.9その他非製造業 10 2.3

全 産 業 計 437 100.0

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�� ��

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

〇 国内、所属業界の景気判断(内容はP18に掲載)

国内の景気判断の現況(平成22年度上期)は全産業で△6(平成21年度下期実績比+42ポイント)と大幅な改善が見られた。一方、国内の景気判断の見通し(平成22年度下期)は全産業で△11(平成22年度上期現況比△5ポイ

ント)となり、今後の景気動向については慎重な見方をしている。所属業界については、現況は製造業で△6(平

成21年度下期実績比+32ポイント)、非製造業で△40(同+22ポイント)となり、ともに大きな改善が見られた。また、見通しについては、非製造業で△32(平成22年度上期現況比+8ポイ

ント)と緩やかな改善を見込んでいるのに対し、製造業では△16(同△10ポイント)と慎重な見方をしている。

〇 自企業の景気判断(内容はP18~20に掲載)現況(平成22年度上期)は、全産業で△12(平

成21年度下期実績比+12ポイント)となり、改善が見られた。このうち、製造業では+3(同+15ポイント)となり、平成17年度下期以来9期ぶりにプラスへ転じた。これは、「電子部品�デバイス」+67(同+56ポイント)、「木材�木製品」+22(同+44ポイント)などが大きく寄与したほか、14業種中11業種で変化幅が上昇したことによる。一方、非製造業でも△25(同+10ポイント)となり、緩やかながら改善が見られた                      。見通し(平成22年度下期)については、全産業

で△15(平成22年度上期現況比△3ポイント)となった。

これは、非製造業で△20(同+5ポイント)となり、

引き続き緩やかながら改善の見通しとなったものの、製造業で△9(同△12ポイント)と再びマイナスとなり、慎重な見方をしているためである。本社所在地別に見ると、県内本社企業の現況は

改善が見られ、見通しについては横ばいとなった。県外本社企業は現況及び見通しともに変化幅がマイナスとなり、特に製造業の悪化が目立った。

〇 県内企業の経営動向(内容はP20~24に掲載)

製造業の ���を見ると、現況(平成22年度上期)は、受注高、生産高、売上高 ���で14業種中10業種が上昇、収益 ���でも9業種が上昇し、景況感の改善が見られた。見通し(平成22年度下期)については、上昇したのは受注高、生産高���で4業種、売上高、収益 ���で6業種にとどまり、慎重な見方をしている。非製造業の ���を見ると、現況は売上高 ���

で6業種中3業種が上昇、収益 ���では6業種中2業種が上昇し、小幅ながらも改善が見られた。見通しについては、売上高 ���で4業種、収益���で3業種が上昇し、引き続き緩やかな改善を見込んでいる。

〇 設備投資(内容はP24~28に掲載)平成22年度上期に設備投資を実施した企業割合

は41.6%(平成21年度下期比+10.5ポイント)、設備投資金額は189億45百万円(同+7.6ポイント)であった。設備投資金額は、製造業で66百万円、非製造業で12億70百万円それぞれ増加した。平成22年度下期に設備投資実施予定の企業割合は、32.0%(平成22年度上期比△9.6ポイント)と減少した。一方、設備投資金額については、197億77百万円(同+4.4%)となる見込みである。投資金額が増加するのは、製造業で「化学」、「鉄鋼�

非鉄金属製品」などであり、非製造業で「サービス業」などである。但し、製造業で14業種のうち6業種、非製造業で6業種のうち3業種が投資金額の減少を見込んでおり、依然として抑制傾向が見られた。

〇 雇用動向(内容はP29~31に掲載)雇用過不足 ���は、全産業で+6(平成22年

1月調査比△12ポイント)となり、過剰感が依然として残るものの緩和しつつあり、「精密機械」と「化学」は不足に転じた。平成23年4月見込みの雇用人員 ���は、全産業で+3(前回比+9ポイ

ント)となり、製造業で+6(同+25ポイント)、非製造業で±0(同△4ポイ

ント)となった。製造業は大きく落ち込んだ前年との比較では増加する見通しとなった。非製造業では、目立った増減の動きは見られなかった。平成23年春の新規採用予定は、全産業で採用企業数と採用人員ともに前年比減少の見通しとなった。製造業は生産活動が持ち直しており、採用企業数と採用人員ともに大きく落ち込んだ前年との比較では増加する見通しであるが、依然として採用抑制の動きは続いている。非製造業は消費活動が一部を除き低調に推移している影響から、前年より減少する見通しとなった。

〇 その他(内容はP31~33に掲載)平成22年春の賃金については、「引き上げた」

が43.7%、「引き下げた」が5.0%、「変更しなかった」が49.0%などとなった。賞与については、平成22年夏季賞与の支給月数について、平成21年夏季との比較で「増やした」が27.0%、「減らした」が23.6%、「変らない」が49.4%となった。アジアとの取引拡大に関する対応策については、

「特に考えていない」が78%で最も多かった。具体的な対応策については、製造業�非製造業ともに「国内商社等を通じて取引をした(する)」が最も多かった。中国人観光客増加への対応策については、「特

に考えていない」が97%で最も多かった。具体的な対応策については、「観光客の誘致」が最も多かった。中国人向け個人観光ビザ(査証)の発給要件の大幅緩和に伴い、中国からの観光客が増加しており、今後、各分野で対応策の検討が広まっていくものと思われる。

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表1 国内と所属業界の景気判断(上昇�下降)���

20年度上期実績※1

20年度下期実績※1

21年度上期実績※1

21年度下期実績※1

22年度上期現況※2

変化幅

22年度下期見通し

変化幅

国内景気 全 産 業 △76 △91 △50 △48 △ 6(△29) 42 △11 △ 5製 造 業 △61 △86 △49 △38 △ 6(△23) 32 △16 △10所属業界

の 景 気 非製造業 △74 △84 △68 △62 △40(△49) 22 △32 8

※1:調査時点の現況を使用※2:22年度上期現況の( )内は前回調査の見通し

図1 県内企業の景気判断 ���推移(全産業)

※国内景気、所属業界:22年度上期以前は調査時点の現況、22年度下期は見通し※自企業:12年度下期から21年度下期は再調査した実績、22年度上期は現況、22年度下期は見通し

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

Ⅰ.国内、所属業界の景気判断

1.国内の景気

平成22年度上期現況の景気判断 ���は全産業

で△6(平成21年度下期実績比+42ポイント)と大幅な

改善が見られた。県内企業の国内景気に対する

景況感は、平成20年度下期を底として3期連続で

改善が見られた。また、平成22年度下期見通しは、

全産業で△11(平成22年度上期現況比△5ポイント)と

なり、慎重な見方をしている(表1、図1)。

2.所属業界の景気

平成22年度上期現況の景気判断 ���は、製造

業で△6(平成21年度下期実績比+32ポイント)、非製造

業で△40(同+22ポイント)となった。製造業は、生産

活動の回復に向けた動きが続いていることを受け、

大幅な改善となった。一方、非製造業でもマイナス

幅は縮小したが、個人消費が一部を除き低調に

推移している影響などから、製造業と比較すると

回復のスピードは遅い。また、平成22年度下期見

通しの景気判断 ���は、製造業で△16(平成22年

度上期現況比△10ポイント)、非製造業で△32(同+8ポイント)となり、非製造業で回復への期待が見られるが                      、

製造業では慎重な見方をしている(表1、図1)。

Ⅱ.自企業の判断

1.景気判断

�1 全 体

① 平成22年度上期現況

平成22年度上期現況 ���は全産業で△12(平

成21年度下期実績比+12ポイント)と改善が見られた。

製造業で+3(同+15ポイント)となり、平成17年度下期

以来9期ぶりにプラスへ転じた。一方、非製造業

でも△25(同+10ポイント)となり、緩やかながら改善

が見られた(表2、図2)。

製造業では変化幅が大きく上昇した業種が目立

ち、「電子部品�デバイス」+67(同+56ポイント)、

「木材�木製品」+22(同+44ポイント)、「鉄鋼�非鉄

金属製品」+32(同+41ポイント)、「輸送用機械」+55

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表2 自企業の景気判断(上昇�下降)���

20年度上期実績※1

20年度下期実績※1

21年度上期実績※1

21年度下期実績※1

22年度上期現況※2

変化幅

22年度下期見通し

変化幅

全 産 業 △37 △61 △52 △24(△39) △12(△31) 12 △15 △ 3製 造 業 △35 △66 △53 △12(△33) 3(△23) 15 △ 9 △12飲 食 料 品 △53 △62 △47 △61(△70) △61(△63) 0 △52 9繊 維 � 繊 維 製 品 △50 △76 △60 △53(△60) △47(△65) 6 △29 18木 材 � 木 製 品 △18 △64 △55 △22(△64) 22( 9) 44 11 △11紙 � 紙 加 工 品 △15 △77 △18 23(△27) 31( 27) 8 0 △31化 学 0 △83 △23 75( 46) 50( 23) △25 △17 △67窯 業 � 土 石 製 品 △86 △17 △38 0(△23) △40(△77) △40 △20 20鉄鋼�非鉄金属製品 △20 △71 △77 △ 9(△18) 32( 14) 41 0 △32一 般 機 械 △ 6 △60 △73 0(△53) 15(△33) 15 23 8電 気 機 械 △57 △43 △100 △33(△63) 0(△13) 33 11 11情 報 通 信 機 械 0 △55 △53 △20(△13) 0(△20) 20 0 0電子部品�デバイス △40 △92 △40 11(△40) 67(△10) 56 11 △56輸 送 用 機 械 △13 △82 △29 18( 0) 55(△29) 37 0 △55精 密 機 械 △30 △73 △27 55( 18) 82(△ 9) 27 18 △64そ の 他 製 造 業 △43 △79 △80 △43(△33) △14(△ 7) 29 7 21

非 製 造 業 △38 △56 △51 △35(△45) △25(△37) 10 △20 5建 設 業 △46 △49 △45 △42(△47) △37(△58) 5 △32 5運 輸 業 △33 △92 △47 △16(△41) 0(△35) 16 0 0通 信 業 △50 △57 △33 △29(△33) △29(△17) 0 △14 15卸 � 小 売 業 △30 △62 △46 △38(△47) △21(△34) 17 △23 △ 2サ ー ビ ス 業 △58 △50 △73 △40(△42) △35(△38) 5 △19 16そ の 他 非 製 造 業 △18 0 △38 10(△38) △20(△15) △30 10 30

※1:再調査した実績、( )内は前回調査の現況※2:( )内は前回調査の見通し

図2 自企業の景況判断 ���推移(全産業)

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

(同+37ポイント)などとなった(表2)。一方、非製造業

で上昇したのは、「卸�小売業」△21(同+17ポイント)、

「運輸業」±0(同+16ポイント)などとなった。

② 平成22年度下期見通し

平成22年度下期見通し ��� は全産業で△15

(平成22年度上期現況比△3ポイント)となった。製造業

は△9(同△12ポイント)と再びマイナスとなり、慎重

な見方をしている。一方、非製造業は△20(平成

22年度現況比+5ポイント)となり、引き続き緩やか

ながら改善の見通しとなった(表2、図2)。

製造業で変化幅が大きく下降したのは、「化学」

△17(同△67ポイント)、「精密機械」+18(同△64ポイント)

などであり、平成22年度上期現況で大きく上昇し

た「電子部品�デバイス」+11(同△56ポイント)も一転

下降となった。また、「輸送用機械」±0(同△55ポイント)は、エコカー補助金制度終了や円高の進行に

よる輸出への影響などを織込み下降したものと

見られる。非製造業で変化幅が上昇したのは、

「その他非製造業」+10(同+30ポイント)、「サービス

業」△19(同+16ポイント)、通信業△14(同+15ポイント)

などとなった(表2)。

�2 本社所在地別

本社所在地別に平成22年度上期現況の自企業の

景気判断 ���をみると、全産業では、県内本社

企業で△15(平成21年下期実績比+14ポイント)、県外

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表3 自企業の景気判断(上昇�下降)���

県 内 本 社 企 業 県 外 本 社 企 業

平成21年度下期実績

平成22年度上期現況

変化幅

平成22年度下期見通し

変化幅

平成21年度下期実績

平成22年度上期現況

変化幅

平成22年度下期見通し

変化幅

全 産 業 △29 △15 14 △15 0 28 22 △ 6 △14 △36製 造 業 △20 △ 2 18 △ 8 △ 6 31 28 △ 3 △16 △44非製造業 △36 △25 11 △20 5 0 △25 △25 0 25

表4 資本金別自企業の景気判断 ���

企 業 数 21年度下期実績

22年度上期現況 変化幅 22年度下期

見通し 変化幅

全 体 437 △24 △12 12 △15 △ 310億円以上 21 24 19 △ 5 △10 △291億円以上10億円未満 63 △ 8 2 10 △ 8 △105,000万円以上1億円未満 70 △33 △19 14 △10 91,000万円以上5,000万円未満 257 △29 △15 14 △17 △ 21,000万円未満 26 △38 △27 11 △35 △ 8

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

本社企業で+22(同△6ポイント)となり、県内本社企業

と県外本社企業との景況感には依然として開きが

あるものの、県内本社企業での改善が見られた

(表3)。

また、平成22年下期見通しの自企業の景気判断

���について、全産業では、県内本社企業で△15

(同±0ポイント)、県外本社企業で△14(同△36ポイント)と

なり、県外本社企業の悪化が目立つ結果となった

(表3)。

�3 規 模 別

平成22年度上期現況の自企業の景気判断は、

資本金10億円以上規模を除き変化幅がプラスと

なり、全体として改善が見られた(表4)。

平成22年度下期見通しの自企業の景気判断 ���

は、資本金5,000万円以上1億円未満の規模を除き                      、

変化幅がマイナスとなった。見通し ���値では全

階層がマイナスとなり、特に資本金10億円以上の

規模の企業で△10(平成22年度上期現況比△29ポイント)

と大企業の景況感の悪化が目立った(表4)。

2.製造業の経営

�1 平成22年度上期現況

① 受注高、生産高、売上高、在庫

受注高 ���は、+8(平成21年下期実績比+15ポイント)となった。���値が上昇したのは、「電気機械」

+22(同+66ポイント)、「一般機械」+38(同+46ポイント)

など10業種であり、一方、���値が下降したのは、

「窯業�土石製品」△33(同△46ポイント)、「化学」+36

(同△37ポイント)など3業種であった(表5)。

生産高 ���は、+8(同+15ポイント)となった。���

値が上昇したのは、「電気機械」+22(同+66ポイント)、

「電子部品�デバイス」+56(同+56ポイント)など10

業種であり、一方、���値が下降したのは、「窯

業�土石製品」△33(同△33ポイント)、「化学」+42

(同△33ポイント)など3業種であった(表5)。

売上高 ���は、+8(同+14ポイント)となった。���

値が上昇したのは、「電気機械」+22(同+66ポイント)、

「電子部品�デバイス」+56(同+45ポイント)など10

業種であり、一方、���値が下降したのは、「窯

業�土石製品」△27(同△40ポイント)、「化学」+42

(同△25ポイント)など3業種であった(表5)。

在庫 ���(過剰-不足)は、+12(同+1ポイント)と

なった。���値が上昇したのは、「鉄鋼�非鉄金属

製品」±0(同+15ポイント)、「木材�木製品」+56(同

+12ポイント)など7業種であり、一方、���値が下降し

たのは、「輸送用機械」△27(同△27ポイント)、「精密

機械」+9(同△18ポイント)など4業種であった(表5)                      。

② 収益、製品価格、原材料価格

収益 ���は、△4(平成21年度下期実績比+5ポイント)となった。��� 値が上昇したのは、「電気

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表5 製造業の実績�現況�見通し ���〔受注高(増�減)、生産高(増�減)、売上高(増�減)、在庫(過剰�不足は逆サイクル)〕

受 注 高 生 産 高 売 上 高 在 庫

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

製 造 業 △ 7 8 15 △ 8 △16 △ 7 8 15 △ 7 △15 △ 6 8 14 △ 6 △14 11 12 1 9 △ 3飲 食 料 品 △67 △50 17 △40 10 △61 △52 9 △42 10 △64 △52 12 △42 10 19 19 0 9 △10繊 維 � 繊 維 製 品 △47 △35 12 △29 6 △47 △35 12 △29 6 △47 △35 12 △29 6 △ 6 △ 6 0 0 6木 材 � 木 製 品 △11 33 44 33 0 0 44 44 33 △11 △11 22 33 33 11 44 56 12 33 △23紙 � 紙 加 工 品 54 46 △ 8 0 △46 46 46 0 0 △46 38 46 8 0 △46 8 15 7 15 0化 学 73 36 △37 △18 △54 75 42 △33 △17 △59 67 42 △25 △17 △59 △17 △ 8 9 8 16窯 業 � 土 石 製 品 13 △33 △46 △13 20 0 △33 △33 △13 20 13 △27 △40 △13 14 21 21 0 14 △ 7鉄鋼�非鉄金属製品 △14 27 41 5 △22 △14 23 37 5 △18 △ 9 27 36 5 △22 △15 0 15 △10 △10一 般 機 械 △ 8 38 46 31 △ 7 0 31 31 31 0 0 31 31 31 0 31 23 △ 8 23 0電 気 機 械 △44 22 66 0 △22 △44 22 66 11 △11 △44 22 66 11 △11 33 44 11 33 △11情 報 通 信 機 械 △20 0 20 10 10 0 △10 △10 10 20 0 0 0 20 20 20 10 △10 20 10電子部品�デバイス 11 33 22 △11 △44 0 56 56 0 △56 11 56 45 0 △56 0 11 11 11 0輸 送 用 機 械 18 55 37 0 △55 27 55 28 0 △55 27 55 28 0 △55 0 △27 △27 △ 9 18精 密 機 械 55 73 18 9 △64 55 73 18 9 △64 55 73 18 9 △64 27 9 △18 0 △ 9そ の 他 製 造 業 △ 7 △ 7 0 △21 △14 △21 △14 7 △21 △ 7 △ 7 △14 △ 7 △ 7 7 14 21 7 7 △14

表6 製造業の実績�現況�見通し ���〔収益(増�減)、製品価格(上昇�下降)、原材料価格(上昇�下降)〕

収 益 製 品 価 格 原 材 料 価 格

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

製 造 業 △ 9 △ 4 5 △13 △ 9 △21 △16 5 △17 △ 1 13 24 11 19 △ 5飲 食 料 品 △55 △45 10 △36 9 △27 △30 △ 3 △18 12 6 15 9 24 9繊 維 � 繊 維 製 品 △53 △41 12 △35 6 △35 △29 6 0 29 0 6 6 6 0木 材 � 木 製 品 △22 0 22 22 22 △44 11 55 11 0 △11 67 78 33 △34紙 � 紙 加 工 品 31 8 △23 △15 △23 △15 15 30 0 △15 8 23 15 0 △23化 学 58 33 △25 △17 △50 0 8 8 0 △ 8 33 17 △16 25 8窯 業 � 土 石 製 品 7 △40 △47 △13 27 0 △ 7 △ 7 △ 7 0 33 53 20 47 △ 6鉄鋼�非鉄金属製品 △ 5 32 37 0 △32 △14 0 14 △ 9 △ 9 41 32 △ 9 23 △ 9一 般 機 械 △ 8 23 31 23 0 △15 △23 △ 8 △31 △ 8 △ 8 54 62 54 0電 気 機 械 △33 22 55 △11 △33 △11 △11 0 △11 0 44 22 △22 11 △11情 報 通 信 機 械 △10 △30 △20 △20 10 △30 △50 △20 △40 10 △10 △10 0 △10 0電子部品�デバイス 11 44 33 0 △44 △67 △44 23 △56 △12 33 33 0 22 △11輸 送 用 機 械 18 36 18 △ 9 △45 △27 △ 9 18 △18 △ 9 △18 36 54 9 △27精 密 機 械 55 18 △37 △ 9 △27 △ 9 △27 △18 △45 △18 △ 9 △ 9 0 0 9そ の 他 製 造 業 △29 △21 8 △ 7 14 △ 7 △14 △ 7 △29 △15 29 14 △15 7 △ 7

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

機械」+22(同+55ポイント)、「鉄鋼�非鉄金属製品」

+32(同+37ポイント)など9業種であり、一方、���

値が下降したのは、「窯業�土石製品」△40(同

△47ポイント)、「精密機械」+18(同△37ポイント)など5業

種であった(表6)。

製品価格 ���は、△16(同+5ポイント)となった。

��� 値が上昇したのは、「木材�木製品」+11

(同+55ポイント)、「紙�紙加工品」+15(同+30ポイント)

など7業種であり、一方、���値が下降したのは、

「情報通信機械」△50(同△20ポイント)、「精密機械」

△27(同△18ポイント)など6業種であった(表6)。

原材料価格 ���は、+24(同+11ポイント)となった                      。

��� 値が上昇したのは、「木材�木製品」+67

(同+78ポイント)、「一般機械」+54(同+62ポイント)など

7業種であり、一方、��� 値が下降したのは、

「電気機械」+22(同△22ポイント)、「化学」+17(同

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図3 製造業の売上高 ���推移 図4 製造業の収益 ���推移

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

△16ポイント)など4業種であった(表6)。

�2 平成22年度下期見通し

① 受注高、生産高、売上高、在庫

受注高 ��� は、△8(平成22年度上期現況比

△16ポイント)となった。���値が上昇したのは、「窯

業�土石製品」△13(同+20ポイント)、「飲食料品」△40

(同+10ポイント)など4業種であり、一方、���値が

下降したのは、「精密機械」+9(同△64ポイント)、

「輸送用機械」±0(同△55ポイント)など9業種であっ

た(表5)。

生産高 ��� は、△7(同△15ポイント)となった。

���値が上昇したのは、「窯業�土石製品」△13

(同+20ポイント)、「情報通信機械」+10(同+20ポイント)

など4業種であり、一方、���値が下降したのは、

「精密機械」+9(同△64ポイント)、「化学」△17(同

△59ポイント)など9業種であった(表5)。

売上高 ��� は、△6(同△14ポイント)となった。

��� 値が上昇したのは、「情報通信機械」+20

(同+20ポイント)、「窯業�土石製品」△13(同+14ポイント)

など6業種であり、一方、���値が下降したのは、

「精密機械」+9(同△64ポイント)、「化学」△17(同

△59ポイント)など7業種であった(表5、図3)。

在庫 ���(過剰-不足)は、+9(同△3ポイント)

となった。���値が上昇したのは、「輸送用機械」

△9(同+18ポイント)、「化学」+8(同+16ポイント)など

4業種であり、一方、��� 値が下降したのは、

「木材�木製品」+33(同△23ポイント)、「電気機械」

+33(同△11ポイント)など7業種であった(表5)。

② 収益、製品価格、原材料価格

収益 ���は、△13(平成22年度上期現況比△9ポイント)となった。���値が上昇幅したのは、「窯業�

土石製品」△13(同+27ポイント)、「木材�木製品」+22

(同+22ポイント)など6業種であり、一方、���値が

下降したのは、「化学」△17(同△50ポイント)、「輸送

用機械」△9(同△45ポイント)など7業種であった

(表6、図4)。

製品価格 ���は、△17(同△1ポイント)となった。

���値が上昇したのは、「繊維�繊維製品」±0

(同+29ポイント)、「飲食料品」△18(同+12ポイント)など

3業種であり、一方、��� 値が下降したのは、

「精密機械」△45(同△18ポイント)、「紙�紙加工品」

±0(同△15ポイント)など8業種であった(表6)。

原材料価格 ���は、+19(同△5ポイント)となっ

た。��� 値が上昇したのは、「飲食料品」+24

(同+9ポイント)、「精密機械」±0(同+9ポイ

ント)など

3業種であり、一方、��� 値が下降したのは、

「木材�木製品」+33(同△34ポイント)、「輸送用機械」

+9(同△27ポイント)など8業種であった(表6)。

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表8 非製造業の実績�現況�見通し ���〔収益(増�減)、商品価格(上昇�下降)、仕入価格(上昇�下降)〕

収 益 商品(サービス)価格 仕 入 価 格

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

非 製 造 業 △28 △24 4 △20 4 △21 △16 5 △13 3 - - - - -建 設 業 △18 △39 △21 △21 18 △11 11 22 3 △ 8 18 32 14 18 △14運 輸 業 △21 △ 5 16 0 5 0 5 5 5 0 - - - - -通 信 業 △14 △14 0 △14 0 0 0 0 0 0 - - - - -卸 � 小 売 業 △33 △19 14 △27 △ 8 △24 △22 2 △15 7 4 △ 2 △ 6 0 2サ ー ビ ス 業 △33 △35 △ 2 △10 25 △27 △25 2 △23 2 - - - - -そ の 他 非 製 造 業 △10 △10 0 △30 △20 △56 △44 12 △33 11 - - - - -

表7 非製造業の実績�現況�見通し ���〔受注高(増�減)、生産高(増�減)、売上高(増�減)、在庫(過剰�不足は逆サイクル)〕

受 注 高 売上(完成工事)高 在 庫

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

平成21年度

下期実績

平成22年度

上期現況

平成22年度

下期見通し

非 製 造 業 - - - - - △26 △21 5 △14 7 - - - - -建 設 業 △26 △26 0 △29 △ 3 △18 △39 △21 △16 23 - - - - -運 輸 業 - - - - - △21 11 32 0 △11 - - - - -通 信 業 - - - - - △14 △14 0 △14 0 - - - - -卸 � 小 売 業 - - - - - △31 △18 13 △17 1 15 17 2 11 △ 6サ ー ビ ス 業 - - - - - △33 △27 6 △12 15 - - - - -そ の 他 非 製 造 業 - - - - - 10 △30 △40 △10 20 - - - - -

図5 非製造業の売上高 ���推移 図6 非製造業の収益 ���推移

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

3.非製造業の経営

�1 平成22年度上期現況

売上高(完成工事高)���は、△21(平成21年

度下期実績比+5ポイント)となった。���値が上昇した

のは、「運輸業」+11(同+32ポイント)、「卸�小売業」

△18(同+13ポイント)など3業種であり、一方、���

値が下降したのは、「その他非製造業」△30(同

△40ポイント)、「建設業」△39(同△21ポイント)の2業種で

あった(表7、図5)。

収益 ���は、△24(同+4ポイント)となった。���

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図7 設備投資実施割合

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

値が上昇したのは、「運輸業」△5(同+16ポイント)、

「卸�小売業」△19(同+14ポイント)の2業種であり、

一方、��� 値が下降したのは、「建設業」△39

(同△21ポイント)、「サービス業」△35(同△2ポイント)の

2業種であった(表8、図6)。

商品(サービス)価格 ���は、△16(同+5ポイント)となった。���値が上昇したのは、「建設業」

+11(同+22ポイント)、「その他非製造業」△44(同+12ポイント)など5業種であり、一方、���値が下降した

業種はなかった(表8)。

�2 平成22年度下期見通し

売上高(完成工事高)���は、△14(平成22年度

現況比+7ポイント)となった。���値が上昇したのは、

「建設業」△16(同+23ポイント)、「その他非製造業」

△10(同+20ポイント)など4業種であり、一方、���

値が下降したのは、「運輸業」±0(同△11ポイント)

のみであった(表7、図5)。

収益 ���は、△20(同+4ポイント)となった。���

値が上昇したのは、「サービス業」△10(同+25ポイント)、「建設業」△21(同+18ポイント)など3業種であり                      、

一方、���値が下降したのは、「その他非製造業」

△30(同△20ポイント)、「卸�小売業」△27(同△8ポイント)

の2業種であった(表8、図6)。

商品(サービス)価格 ���は、△13(同+3ポイント)となった。���値が上昇したのは、「その他

非製造業」△33(同+11ポイント)、「卸�小売業」△15

(同+7ポイント)など3業種であり、一方、���値が

下降したのは、「建設業」+3(同△8ポイント)のみ

であった(表8)。

Ⅲ.設備投資動向

1.平成22年度上期現況

�1 設備投資実施企業

平成22年度上期に設備投資を実施した企業割合

は、平成21年度下期比10.5ポイント上昇し、41.6%

(182社)となった(図7、表9)。

資本金規模別の実施割合は、「資本金10億円以

上」(71.4%)、「同1億円以上10億円未満」(60.3

%)、「同5,000万円以上1億円未満」(40.0%)、

「同1,000万円以上5,000万円未満」(38.5%)、

「1,000万円未満」(7.7%)となった(表10)。

実施割合が高い業種は、製造業で「電子部品

デバイス」66.7%、「輸送用機械」63.6%、「紙�

紙加工品」61.5%、非製造業で「運輸業」57.9%

などであった(表9)。

�2 設備投資金額

設備投資金額は、平成21年度下期実績比13億35

百万円増加し、189億45百万円(平成21年度下期

実績比+7.6%)となった。製造業は同66百万円

増加し82億58百万円(同+0.8%)、非製造業は同

12億70百万円増加し106億88百万円(同+13.5%)

となった(図8、表11)。

業種別に見ると、製造業で増加したのは、「輸

送用機械」が同2億89百万円増加し4億42百万円

(同+188.9%)、「精密機械」が同2億3百万円増加

し5億66百万円(同+55.9%)、「一般機械」が同

1億46百万円増加し2億38百万円(同+158.7%)

などであった。一方、減少したのは、「鉄鋼�非鉄

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表9 業種別設備投資実施割合 (単位:社、%)

21年度下期実績 22年度上期実績 22年度下期予定

実 施企 業 数 実施割合 実 施

企 業 数前 期 比増 減 数 実施割合 実 施

企 業 数前 期 比増 減 数 実施割合

全 産 業 136 31.1 182 46 41.6 140 △42 32.0製 造 業 72 36.4 88 16 44.4 70 △18 35.4飲 食 料 品 13 39.4 15 2 45.5 8 △ 7 24.2繊 維 � 繊 維 製 品 1 5.9 2 1 11.8 0 △ 2 0.0木 材 � 木 製 品 4 44.4 3 △ 1 33.3 3 0 33.3紙 � 紙 加 工 品 6 46.2 8 2 61.5 6 △ 2 46.2化 学 8 66.7 7 △ 1 58.3 7 0 58.3窯 業 � 土 石 製 品 5 33.3 4 △ 1 26.7 4 0 26.7鉄鋼�非鉄金属製品 8 36.4 7 △ 1 31.8 8 1 36.4一 般 機 械 3 23.1 7 4 53.8 7 0 53.8電 気 機 械 3 33.3 5 2 55.6 5 0 55.6情 報 通 信 機 械 4 40.0 5 1 50.0 5 0 50.0電子部品�デバイス 3 33.3 6 3 66.7 4 △ 2 44.4輸 送 用 機 械 6 54.5 7 1 63.6 5 △ 2 45.5精 密 機 械 6 54.5 6 0 54.5 5 △ 1 45.5そ の 他 製 造 業 2 14.3 6 4 42.9 3 △ 3 21.4

非 製 造 業 64 26.8 94 30 39.3 70 △24 29.3建 設 業 9 23.7 16 7 42.1 8 △ 8 21.1運 輸 業 7 36.8 11 4 57.9 9 △ 2 47.4通 信 業 4 57.1 3 △ 1 42.9 4 1 57.1卸 � 小 売 業 23 20.4 38 15 33.6 27 △11 23.9サ ー ビ ス 業 17 32.7 23 6 44.2 19 △ 4 36.5そ の 他 非 製 造 業 4 40.0 3 △ 1 30.0 3 0 30.0

表10 資本金別設備投資 (単位:社、%)

平成21年度下期 平成22年度上期 平成22年度下期企業数

実施企業数 実 施 割 合 実施�実施予定企業数 実 施 割 合 実 施 予 定

企 業 数 実 施 割 合

全 体 437 136 31.1 182 41.6 140 32.010億円以上 21 16 76.2 15 71.4 13 61.91億円以上10億円未満 63 30 47.6 38 60.3 35 55.65,000万円以上1億円未満 70 19 27.1 28 40.0 25 35.71,000万円以上5,000万円未満 257 67 26.1 99 38.5 63 24.51,000万円未満 26 4 15.4 2 7.7 4 15.4

図8 設備投資金額

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

金属製品」が同3億51百万円減少し2億58百万円

(同△57.6%)、「化学」が同2億77百万円減少し

38億79百万円(同△6.7%)などであり、製造業

全体としての増加額は66百万円となった(表11)。

非製造業で増加したのは、「サービス業」が同

14億45百万円増加し20億86百万円(同+225.4%)、

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表11 業種別設備投資金額 (単位:百万円、%)

21年度下期実績 22年度上期実績 22年度下期予定投 資 額 投 資 額 前期比増加額 前期比増減率 投 資 額 前期比増加額 前期比増減率

全 産 業 17,610 18,945 1,335 7.6 19,777 832 4.4製 造 業 8,192 8,258 66 0.8 8,978 720 8.7飲 食 料 品 247 328 81 32.8 175 △153 △46.6繊 維 � 繊 維 製 品 2 11 9 450.0 0 △11 △100.0木 材 � 木 製 品 191 67 △124 △64.9 122 55 82.1紙 � 紙 加 工 品 1,079 895 △184 △17.1 717 △178 △19.9化 学 4,156 3,879 △277 △6.7 4,493 614 15.8窯 業 � 土 石 製 品 160 283 123 76.9 729 446 157.6鉄鋼�非鉄金属製品 609 258 △351 △57.6 731 473 183.3一 般 機 械 92 238 146 158.7 389 151 63.4電 気 機 械 454 454 0 0.0 176 △278 △61.2情 報 通 信 機 械 206 348 142 68.9 351 3 0.9電子部品�デバイス 411 413 2 0.5 206 △207 △50.1輸 送 用 機 械 153 442 289 188.9 458 16 3.6精 密 機 械 363 566 203 55.9 349 △217 △38.3そ の 他 製 造 業 70 76 6 8.6 82 6 7.9非 製 造 業 9,418 10,688 1,270 13.5 10,799 111 1.0建 設 業 321 623 302 94.1 177 △446 △71.6運 輸 業 308 557 249 80.8 432 △125 △22.4通 信 業 94 22 △72 △76.6 72 50 227.3卸 � 小 売 業 7,681 7,251 △430 △5.6 6,951 △300 △4.1サ ー ビ ス 業 641 2,086 1,445 225.4 2,666 580 27.8そ の 他 非 製 造 業 373 148 △225 △60.3 501 353 238.5

図9 設備投資目的

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

「建設業」が同3億2百万円増加し6億23百万円

(同+94.1%)などであった。一方、減少したの

は、「卸�小売業」が同4億30百万円減少し72億

51百万円(同△5.6%)、「その他非製造業」が同

2億25百万円減少し1億48百万円(同△60.3%)

などであり、非製造業全体としての増加額は12億

70百万円となった(表11)。

2.平成22年度下期見通し

�1 設備投資計画

① 実施予定企業

平成22年度下期に設備投資実施予定の企業割合

は、平成22年度上期比△9.6ポイント減の32.0%(140社)

となった(図7、表9)。

資本金規模別の実施割合予定は、「資本金10億円

Page 12: 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

図10 22年度下期に設備投資を実施予定している企業の資金調達方法

表12 22年度下期に設備投資をしない理由(設備投資を実施しない企業297社) (複数回答、単位:%)

回 答企業数

利益の見通しが立たない

受注の見通しが立たない

設備投資が一巡した

資金調達が困難である

取引先が生産拠点を海外移転した

そ の 他

全 産 業 297 48.8 43.4 39.1 14.1 1.0 9.1製 造 業 128 53.9 53.9 32.8 19.5 1.6 9.4非 製 造 業 169 45.0 35.5 43.8 10.1 0.6 8.9建 設 業 30 50.0 56.7 40.0 3.3 0.0 3.3運 輸 業 10 40.0 40.0 30.0 20.0 0.0 10.0通 信 業 3 66.7 0.0 33.3 33.3 0.0 0.0卸 � 小 売 業 86 43.0 29.1 46.5 7.0 1.2 12.8サ ー ビ ス 業 33 48.5 36.4 42.4 15.2 0.0 6.1その他非製造業 7 28.6 28.6 57.1 28.6 0.0 0.0

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

以上」(61.9%)、「同1億円以上10億円未満」(55.6%)                      、

「同5,000万円以上1億円未満」(35.7%)、「同1,000

万円以上5,000万円未満」(24.5%)、「同1,000万

円未満」(15.4%)となり、「同1,000万円未満」

を除く全ての階層で割合が減少した(表10)。

実施割合の高い業種を見ると、製造業では「化

学」58.3%、「電気機械」55.6%、「一般機械」

53.8%、非製造業では「通信業」57.1%などと

なった(表9)。

② 設備投資金額

設備投資予定金額は、全産業で平成22年度上期

比8億32百万円増加し、197億77百万円(平成22

年度上期比+4.4%)となった。製造業で同7億

20百万円増加し89億78百万円(同+8.7%)、非製

造業で同1億11百万円増加し107億99百万円(同

+1.0%)となった(表11)。

製造業では平成22年度上期に減少した「化学」、

「鉄鋼�非鉄金属製品」などが増加する一方、「電

気機械」、「精密機械」などが減少の見通しである。

非製造業では「サービス業」、「その他非製造業」

などが増加する一方、「建設業」、「卸�小売業」、

「運輸業」が減少の見通しである。

全産業合計で平成22年度上期比増加見込みで

あるが、製造業14業種のうち6業種、非製造業6

業種のうち3業種で投資金額が減少する見込みで

あり、依然として抑制傾向が見られる。

�2 設備投資目的と資金調達方法

設備投資の目的(複数回答)は「設備の更新」

Page 13: 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

表13 資金需要(設備資金を除く) (単位:百万円)

運 転 資 金 新 規 事 業資 金

既 借 入 金返 済 資 金 そ の 他 合 計

全 産 業 21,104 1,011 6,293 832 29,240製 造 業 14,305 91 3,729 2 18,127飲 食 料 品 715 5 101 0 821繊 維 � 繊 維 製 品 80 5 148 0 233木 材 � 木 製 品 110 60 30 0 200紙 � 紙 加 工 品 160 0 179 0 339化 学 1,050 0 219 0 1,269窯 業 � 土 石 製 品 570 21 650 2 1,243鉄鋼�非鉄金属製品 820 0 950 0 1,770一 般 機 械 830 0 330 0 1,160電 気 機 械 650 0 600 0 1,250情 報 通 信 機 械 9,110 0 100 0 9,210電子部品�デバイス 100 0 200 0 300輸 送 用 機 械 50 0 122 0 172精 密 機 械 50 0 0 0 50そ の 他 製 造 業 10 0 100 0 110

非 製 造 業 6,799 920 2,564 830 11,113建 設 業 2,520 210 178 0 2,908運 輸 業 360 0 172 30 562通 信 業 20 0 40 30 90卸 � 小 売 業 2,786 360 1,386 770 5,302サ ー ビ ス 業 845 210 360 0 1,415そ の 他 非 製 造 業 268 140 428 0 836

図11 資金需要(設備資金を除く)のある企業の資金調達方法

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

66.4%が最も多く、次いで「合理化�省力化」

19.3%、「情報化」15.0%などとなった(図9)。

設備資金の資金調達方法(複数回答)は、「内

部資金(減価償却費+留保利益)」70.7%、「金融

機関からの借入」44.3%、「リース」19.3%、「親

会社�関連会社からの借入」12.9%などの順と

なった(図10)。

�3 設備投資を実施しない理由

設備投資を実施しないと回答した企業の理由

(複数回答)は、「利益の見通しがたたない」48.8

%が最も多く、次いで「受注の見通しがたたない」

43.4%などとなった(表12)。特に製造業では

上記2項目の割合が50%を超えており、製造業に

おける設備投資抑制の大きな要因になっている

ものと見られる。

Page 14: 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

表14 雇用過不足 ���(過剰-不足)

全 体22年1月 22年7月 前 回 比

全 産 業 18 6 △12製 造 業 25 6 △19飲 食 料 品 10 21 11繊 維 � 繊 維 製 品 15 0 △15木 材 � 木 製 品 9 0 △ 9紙 � 紙 加 工 品 27 23 △ 4化 学 15 △17 △32窯 業 � 土 石 製 品 15 20 5鉄鋼�非鉄金属製品 50 5 △45一 般 機 械 53 46 △ 7電 気 機 械 38 0 △38情 報 通 信 機 械 47 10 △37電子部品�デバイス 20 0 △20輸 送 用 機 械 △14 △45 △31精 密 機 械 36 △27 △63そ の 他 製 造 業 15 0 △15

非 製 造 業 12 6 △ 6建 設 業 3 11 8運 輸 業 35 5 △30通 信 業 △17 △14 3卸 � 小 売 業 20 8 △12サ ー ビ ス 業 2 4 2そ の 他 非 製 造 業 △15 0 15

表15 平成23年4月見込みの雇用人数 ���〔前年同時期比較(増�減)〕

総 人 員 正 社 員 パ ー ト 等

22年1月調 査 時

22年7月調 査 時 前 回 比 22年1月

調 査 時22年7月調 査 時 前 回 比 22年1月

調 査 時22年7月調 査 時 前 回 比

全 産 業 △ 6 3 9 △ 4 1 5 △10 1 11製 造 業 △19 6 25 △16 2 18 △14 2 16非製造業 4 0 △ 4 5 0 △ 5 △ 8 1 9

※ 22年1月調査時……平成21年4月と比較した平成22年4月の雇用人員(増�減)���

※ 22年7月調査時……平成22年4月と比較した平成23年4月の雇用人員(増�減)���

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

Ⅳ.資金需要

設備資金を除く資金需要は、全産業で「運転資

金」211億4百万円が最も多く、次いで「既借入

金返済資金」62億93百万円となった(表13)。

業種別に見ると、製造業では「情報通信機械」、

非製造業では「卸�小売業」や「建設業」での

運転資金需要が高かった(表13)。

資金調達方法については、「金融機関からの借

入」77.4%が最も高く、次いで「内部資金(減価

償却費+留保利益)」34.8%、「親会社�関連会社

からの借入」12.3%などの順となった(図11)。

Ⅴ.雇用動向

1.雇用の過不足感

雇用過不足 ���(過剰-不足)は、全産業で+6

(平成22年1月調査比△12ポイント)となった。製造業

で+6(同△19ポイント)、非製造業で+6(同△6ポイント)

となり、過剰感が依然として残るものの緩和し

つつある。過剰感が低下した業種は「鉄鋼�非鉄

金属製品」+5(同△45ポイント)などであり、過剰感

が高まった業種は「飲食料品」+21(同+11ポイント)、

「建設業」+11(同+8ポイント)などであった。また、

「精密機械」△27(同△63ポイント)と「化学」△17

(同△32ポイント)については、過剰から不足に転じた

(表14)。

2.雇用人員

平成23年4月見込みの雇用人員 ���は、全産業

で+3(前回比+9ポイント)となった。製造業で+6

(同+25ポイント)、非製造業で±0(同△4ポイント)となり                      、

製造業で増加の傾向が見られた(表15)。内訳を

見ると、製造業で正社員+2(同+18ポイント)、パート

等+2(同+16ポイント)、非製造業で正社員±0(同

△5ポイント)、パート等+1(同+9ポイ

ント)となった

(表15)。製造業では、大きく落ち込んだ前年との

比較では増加する見通しとなった。非製造業では

目立った増減の動きは見られなかった(表15)。

3.採 用

平成23年春の新規採用予定企業は、今回寄せら

れた回答の中で161社(平成22年春180社)となった                      。

Page 15: 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

表16 新規採用計画 (単位:人、%)

22年春採用実施企業数

22年春採用人 員 実 績

23年春採用見込み企業数

23年春採用人員見込み

採用企業数前年比増減率

採 用 人 員前年比増減率

全 産 業 180 1,015 161 982 △10.6 △3.3製 造 業 77 365 80 405 3.9 11.0飲 食 料 品 11 51 7 46 △36.4 △9.8繊 維 � 繊 維 製 品 2 9 2 13 0.0 44.4木 材 � 木 製 品 2 6 3 6 50.0 0.0紙 � 紙 加 工 品 4 9 6 18 50.0 100.0化 学 9 56 7 49 △22.2 △12.5窯 業 � 土 石 製 品 2 8 1 6 △50.0 △25.0鉄鋼�非鉄金属製品 11 46 11 61 0.0 32.6一 般 機 械 5 20 9 34 80.0 70.0電 気 機 械 3 20 4 24 33.3 20.0情 報 通 信 機 械 3 18 5 24 66.7 33.3電子部品�デバイス 3 5 3 7 0.0 40.0輸 送 用 機 械 6 44 6 45 0.0 2.3精 密 機 械 9 52 9 54 0.0 3.8そ の 他 製 造 業 7 21 7 18 0.0 △14.3

非 製 造 業 103 650 81 577 △21.4 △11.2建 設 業 15 34 11 39 △26.7 14.7運 輸 業 5 12 1 4 △80.0 △66.7通 信 業 5 26 5 28 0.0 7.7卸 � 小 売 業 45 348 39 277 △13.3 △20.4サ ー ビ ス 業 29 222 22 223 △24.1 0.5そ の 他 非 製 造 業 4 8 3 6 △25.0 △25.0

図12 企業が抱える経営上の問題

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

内訳として、製造業で80社(同77社)、非製造業

で81社(同103社)となった(表16)。採用人員は、

全産業で982人(平成22年比△3.3%)となった。

うち製造業で405人(同+11.0%)、非製造業で

577人(同△11.2%)であった(表16)。製造業は

生産活動が持ち直しており、大きく落ち込んだ前

年との比較では増加する見通しであるが、依然と

して採用抑制の動きは続いている。非製造業は

消費活動が一部を除き低調に推移している影響

から、前年より減少する見通しとなった。全産業

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表17 企業が抱える経営上の問題点 (複数回答、単位:%)

回答企業数

国内販売の

低迷

国内企業と

の競争激化

原材料価格

の上昇

人材不足

人件費の

負担増加

商品�

サービ

ス価格低下

資金繰り難

在庫の過剰

為替相場の

急激な変動

輸入品との

競合

人員過剰

全 産 業 430 69.1 42.6 31.4 29.5 25.3 17.9 15.3 14.7 7.4 7.4 6.7 6.0製 造 業 196 65.8 34.7 40.3 36.7 28.1 19.9 12.2 13.3 8.7 12.8 12.8 4.1飲 食 料 品 33 72.7 33.3 54.5 30.3 24.2 18.2 9.1 15.2 0.0 3.0 6.1 3.0繊維�繊維製品 17 76.5 23.5 17.6 23.5 11.8 11.8 23.5 23.5 17.6 11.8 41.2 0.0木 材�木 製 品 9 100.0 55.6 33.3 44.4 11.1 11.1 11.1 33.3 55.6 11.1 22.2 11.1紙�紙 加 工 品 12 58.3 25.0 58.3 16.7 16.7 25.0 8.3 0.0 8.3 8.3 16.7 16.7化 学 12 16.7 33.3 33.3 50.0 25.0 16.7 0.0 16.7 0.0 33.3 33.3 0.0窯業�土石製品 15 73.3 26.7 46.7 53.3 26.7 6.7 0.0 26.7 6.7 0.0 6.7 6.7鉄鋼�非鉄金属製品 22 63.6 50.0 31.8 40.9 27.3 18.2 13.6 0.0 4.5 9.1 9.1 0.0一 般 機 械 13 84.6 30.8 61.5 38.5 30.8 38.5 7.7 0.0 7.7 30.8 0.0 7.7電 気 機 械 9 66.7 44.4 22.2 44.4 22.2 11.1 11.1 33.3 22.2 11.1 0.0 0.0情 報通信機械 10 90.0 40.0 60.0 20.0 40.0 50.0 30.0 30.0 20.0 20.0 10.0 10.0電子部品�デバイス 9 55.6 33.3 11.1 44.4 22.2 22.2 44.4 0.0 11.1 11.1 22.2 0.0輸 送 用 機 械 11 45.5 18.2 54.5 45.5 45.5 18.2 9.1 9.1 0.0 0.0 9.1 0.0精 密 機 械 10 30.0 50.0 10.0 30.0 40.0 50.0 10.0 0.0 0.0 50.0 0.0 10.0そ の他製造業 14 71.4 28.6 42.9 42.9 57.1 0.0 7.1 7.1 0.0 7.1 7.1 0.0非 製 造 業 234 71.8 49.1 23.9 23.5 23.1 16.2 17.9 15.8 6.4 3.0 1.7 7.7建 設 業 38 73.7 78.9 23.7 26.3 21.1 18.4 7.9 10.5 0.0 0.0 2.6 0.0運 輸 業 18 72.2 16.7 27.8 61.1 22.2 16.7 11.1 33.3 0.0 0.0 0.0 5.6通 信 業 6 66.7 66.7 16.7 0.0 33.3 16.7 0.0 33.3 0.0 0.0 0.0 0.0卸 � 小 売 業 111 79.3 45.0 22.5 25.2 22.5 14.4 18.9 12.6 11.7 4.5 2.7 9.0サ ー ビ ス 業 51 52.9 45.1 27.5 11.8 23.5 19.6 27.5 19.6 0.0 3.9 0.0 13.7その他非製造業 10 80.0 50.0 20.0 0.0 30.0 10.0 20.0 10.0 20.0 0.0 0.0 0.0

表18 平成22年春の賃金について (単位:%)

引き上げた

変更しな

引き下げた

他全 産 業 43.7 49.0 5.0 2.3製 造 業 45.5 47.5 4.5 2.5飲 食 料 品 42.4 48.5 3.0 6.1繊 維 � 繊 維 製 品 35.3 64.7 0.0 0.0木 材 � 木 製 品 22.2 55.6 22.2 0.0紙 � 紙 加 工 品 53.8 46.2 0.0 0.0化 学 91.7 8.3 0.0 0.0窯 業 � 土 石 製 品 26.7 73.3 0.0 0.0鉄鋼�非鉄金属製品 54.5 40.9 4.5 0.0一 般 機 械 38.5 53.8 0.0 7.7電 気 機 械 22.2 55.6 22.2 0.0情 報 通 信 機 械 20.0 70.0 0.0 10.0電子部品�デバイス 22.2 66.7 11.1 0.0輸 送 用 機 械 72.7 18.2 9.1 0.0精 密 機 械 72.7 18.2 9.1 0.0そ の 他 製 造 業 50.0 42.9 0.0 7.1

非 製 造 業 42.3 50.2 5.4 2.1建 設 業 26.3 60.5 13.2 0.0運 輸 業 21.1 78.9 0.0 0.0通 信 業 57.1 42.9 0.0 0.0卸 � 小 売 業 48.7 43.4 5.3 2.7サ ー ビ ス 業 42.3 50.0 3.8 3.8そ の 他 非 製 造 業 60.0 40.0 0.0 0.0

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

で前年比減少の見通しであり、雇用環境の厳しさ

が窺われる結果となった。

Ⅵ.企業の抱える経営上の問題点

経営上の問題点(複数回答)は、「国内販売

(需要)の低迷」が69.1%と最も多く、次いで

「国内企業との競争激化」が42.6%、「設備の老朽

化」が31.4%などの順となった(図12、表17)。

製造業�非製造業とも「国内販売(需要)の低迷」の

回答割合が群を抜いており、消費活動が一部を除

き低調に推移している影響が表れる結果となった。

Ⅶ.賃金�賞与

1.賃 金

平成22年春の賃金については、全産業で「引き

上げた」が43.7%、「変更しなかった」が49.0%、

Page 17: 厳しい状況の中にも改善の動きが続く県内企業の景 …fkeizai.in.arena.ne.jp/pdf/cyousa/cyousa_2010_10_1.pdfプラス幅は平成22年1~3月期における前期比+1.1%から縮小し、景気回復の勢いが鈍化していること

表19 平成22年春の賃金について(資本金別)(単位:%)

引き上げた

変更しな

引き下げた

全 体 43.7 49.0 5.0 2.310億円以上 66.7 28.6 4.8 0.01億円以上10億円未満 60.3 33.3 6.3 0.05,000万円以上1億円未満 38.6 57.1 2.9 1.41,000万円以上5,000万円未満 42.0 49.0 5.4 3.51,000万円未満 15.4 80.8 3.8 0.0

表20 平成22年度夏季賞与の支給実績(単位:%)

支給した�

支給する予定 支給しない

全 産 業 76.0 24.0製 造 業 77.3 22.7飲 食 料 品 72.7 27.3繊 維 � 繊 維 製 品 58.8 41.2木 材 � 木 製 品 55.6 44.4紙 � 紙 加 工 品 92.3 7.7化 学 100.0 0.0窯 業 � 土 石 製 品 60.0 40.0鉄鋼�非鉄金属製品 81.8 18.2一 般 機 械 76.9 23.1電 気 機 械 77.8 22.2情 報 通 信 機 械 80.0 20.0電子部品�デバイス 77.8 22.2輸 送 用 機 械 100.0 0.0精 密 機 械 100.0 0.0そ の 他 製 造 業 64.3 35.7

非 製 造 業 74.9 25.1建 設 業 57.9 42.1運 輸 業 73.7 26.3通 信 業 85.7 14.3卸 � 小 売 業 80.5 19.5サ ー ビ ス 業 69.2 30.8そ の 他 非 製 造 業 100.0 0.0

表21 平成23年度夏季賞与の支給実績(資本金別)

(単位:%)

支給した�

支給する予定 支給しない

全 体 76.0 24.010億円以上 100.0 0.01億円以上10億円未満 88.9 11.15,000万円以上1億円未満 72.9 27.11,000万円以上5,000万円未満 74.7 25.31,000万円未満 46.2 53.8

表22 平成22年度夏季賞与の支給月数(平成21年夏季との比較) (単位:%)

増やした 減らした 変わらな い

うち、21年夏季は不 支 給

全体 27.0 5.8 23.6 49.410億円以上 40.0 0.0 20.0 40.01億円以上10億円未満 38.2 5.5 27.3 34.55,000万円以上1億円未満 29.4 5.9 23.5 47.11,000万円以上5,000万円未満 21.9 6.3 23.4 54.71,000万円未満 25.0 8.3 16.7 58.3

図13 資本金別賃金�賞与等支給実績

�� ■ 福島の進路 2010.10

調 査

「引き下げた」が5.0%、「その他」が2.3%となっ

た(表18)。

2.賞 与

平成22年度夏季賞与の支給実績は、全産業で

「支給した�支給する予定」が76.0%、「支給しな

い」が24.0%となった(表20)。平成21年度夏季

と比較した賞与支給月数については、全体で「増

やした」が27.0%、「減らした」が23.6%、「変わ

らない」が49.4%となった(表22)。

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表23 アジアとの取引に関する対応策 (複数回答、単位:%)

回 答企業数

特に考えてい な い

国内商社等を通じて取引をした(する)

海外支店�事業所等を開設した(する)

海外企業と事業提携した(する)

新商品の開発 そ の 他

全 産 業 437 78.0 10.3 4.1 4.1 3.4 4.8製 造 業 198 68.2 14.1 7.6 7.1 3.0 7.6飲 食 料 品 33 69.7 24.2 3.0 3.0 6.1 6.1繊 維�繊 維 製 品 17 70.6 17.6 0.0 5.9 5.9 0.0木 材 � 木 製 品 9 88.9 0.0 0.0 0.0 0.0 11.1紙 � 紙 加 工 品 13 92.3 0.0 0.0 7.7 0.0 0.0化 学 12 25.0 33.3 50.0 25.0 0.0 0.0窯 業�土 石 製 品 15 80.0 20.0 0.0 0.0 0.0 0.0鉄鋼�非鉄金属製品 22 68.2 9.1 9.1 13.6 0.0 9.1一 般 機 械 13 53.8 15.4 15.4 0.0 0.0 23.1電 気 機 械 9 55.6 22.2 11.1 22.2 0.0 11.1情 報 通 信 機 械 10 50.0 20.0 0.0 0.0 0.0 30.0電子部品�デバイス 9 77.8 0.0 11.1 0.0 0.0 11.1輸 送 用 機 械 11 100.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0精 密 機 械 11 54.5 0.0 18.2 9.1 9.1 9.1そ の 他 製 造 業 14 64.3 14.3 0.0 14.3 14.3 7.1非 製 造 業 239 86.2 7.1 1.3 1.7 3.8 2.5建 設 業 38 97.4 2.6 0.0 0.0 0.0 0.0運 輸 業 19 94.7 0.0 0.0 5.3 0.0 0.0通 信 業 7 85.7 0.0 14.3 0.0 0.0 0.0卸 � 小 売 業 113 83.2 9.7 0.9 0.0 7.1 1.8サ ー ビ ス 業 52 78.8 9.6 1.9 5.8 1.9 7.7そ の 他 非 製 造 業 10 100.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

図14 中国人観光客増加への具体的対応策

��福島の進路 2010.10 ■

調 査

Ⅷ.アジアとの取引に関する対応策

中国を中心とするアジアとの取引に関する対応

策としては、「特に考えていない」が78.0%で最も

多かった。具体的な対応策(複数回答)の内訳と

しては、製造業では「国内商社等を通じて取引を

した(する)」が14.1%で最も多かった。次いで

「海外支店�事業所等を開設した(する)」が7.6

%、「海外企業と事業提携した(する)」が7.1%

などとなった。非製造業でも「国内商社等を通じ

て取引をした(する)」が7.1%で最も多く、次い

で「新商品の開発」が3.8%、「海外企業と事業提携

した(する)」が1.7%などとなった(表23)。

Ⅸ.中国人観光客増加への対応策

中国人向け個人観光ビザ(査証)の発給要件の

大幅緩和に伴い、中国からの観光客が増加して

いる。その対応策については「特に考えていない」

が97%を占めたが、「対応策を考えている」中で

は、「観光客の誘致」が53.8%、「中国語を話せる

人員の雇用」が30.8%、「銀聯(ぎんれん)カード

取扱い」が15.4%などとなった(図14)。中国人

観光客は、観光や買い物のみならず医療機関の

利用なども見込まれており、今後、更に各分野で

の誘致策の検討が広まっていくものと見られる。

(担当:木村)