Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
第1部 生命現象と物質38
1 酸素を用いて有機物からエネルギーを取り出す過程。
2 呼吸において,グルコース 1分子が分解され,ピルビン酸 2分子が生じる反応。3 ミトコンドリアのマトリックスで起こる,ピルビン酸2分子が,二酸化炭素6分子と水素に分解される回路反応。4 ミトコンドリアの内膜で起こる,解糖系やクエン酸回路で生じたNADHや FADH2 から H+と電子が生じ,水が合成される反応。5 ミトコンドリアの電子伝達系でのエネルギーを用い,ATPを合成する反応。6 デンプンやグリコーゲンなど,呼吸によって分解される物質。7 生物が放出した二酸化炭素と酸素の体積比。
8 呼吸商が 1.0 の有機物。
9 呼吸商が約 0.7 の有機物。
10 呼吸商が約 0.8 の有機物。
11 微生物によって,炭水化物が嫌気的(無酸素的)に分解されること。12 酵母菌がグルコースをエタノールと二酸化炭素に分解し,ATPを生成する発酵。13 乳酸菌がグルコースを乳酸に変え,ATPを生成する発酵。14 筋肉などの動物組織で,グルコースやグリコーゲンが嫌気的に分解される現象。
1respiration
2glycolytic pathway
3citric acid cycle
4electron transport chain
5oxidative phosphorylation
6respiratory substrate
7respiratory quotient
8carbohydrate
9fat
10
11fermentation
12alcohol fermentation
13lactic acid fermentation
14glycolysis
下記の文章が説明している語句を答えよ。また,語句の意味を完璧にマスターしたいときには,右の説明文を隠し,左の語句の意味を説明せよ。
答 1 呼吸 2 解糖系 3 クエン酸回路 4 電子伝達系 5 酸化的リン酸化6 呼吸基質 7 呼吸商(RQ) 8 炭水化物 9 脂肪 10 タンパク質[protein] 11 発酵12 アルコール発酵 13 乳酸発酵 14 解糖
第1部 生命現象と物質38
1 酸素を用いて有機物からエネルギーを取り出す過程。
2 呼吸において,グルコース 1分子が分解され,ピルビン酸 2分子が生じる反応。3 ミトコンドリアのマトリックスで起こる,ピルビン酸2分子が,二酸化炭素6分子と水素に分解される回路反応。4 ミトコンドリアの内膜で起こる,解糖系やクエン酸回路で生じたNADHや FADH2 から H+と電子が生じ,水が合成される反応。5 ミトコンドリアの電子伝達系でのエネルギーを用い,ATPを合成する反応。6 デンプンやグリコーゲンなど,呼吸によって分解される物質。7 生物が放出した二酸化炭素と酸素の体積比。
8 呼吸商が 1.0 の有機物。
9 呼吸商が約 0.7 の有機物。
10 呼吸商が約 0.8 の有機物。
11 微生物によって,炭水化物が嫌気的(無酸素的)に分解されること。12 酵母菌がグルコースをエタノールと二酸化炭素に分解し,ATPを生成する発酵。13 乳酸菌がグルコースを乳酸に変え,ATPを生成する発酵。14 筋肉などの動物組織で,グルコースやグリコーゲンが嫌気的に分解される現象。
1respiration
2glycolytic pathway
3citric acid cycle
4electron transport chain
5oxidative phosphorylation
6respiratory substrate
7respiratory quotient
8carbohydrate
9fat
10
11fermentation
12alcohol fermentation
13lactic acid fermentation
14glycolysis
下記の文章が説明している語句を答えよ。また,語句の意味を完璧にマスターしたいときには,右の説明文を隠し,左の語句の意味を説明せよ。
答 1 呼吸 2 解糖系 3 クエン酸回路 4 電子伝達系 5 酸化的リン酸化6 呼吸基質 7 呼吸商(RQ) 8 炭水化物 9 脂肪 10 タンパク質[protein] 11 発酵12 アルコール発酵 13 乳酸発酵 14 解糖
第5部 生態と環境260
240 水界の物質生産 湖の生態系に関する次の文を読み,問に答えよ。 湖の生物群集の中で,生産者である植物プランクトンは一次消費者によって捕食されるが,植物プランクトンの総生産量から呼吸量と捕食されなかった量を引いた量が移動する。したがって,上位の栄養段階ほど総生産量は少なくなる。そのため,植物プランクトンの純生産量は湖の生態系におけるすべての生物群集の維持にとって重要である。右図はある湖における夏と冬の水温の鉛直分布(水深にともなう変化)である。水温の鉛直分布と植物プランクトンの純生産量の季節変化には関連があることが分かっている。問 1 夏の水温の鉛直分布が形成される過程について述べた a~ dで最も正しいと思われる文はどれか。① 水は約 4℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は循環し,ますます表層と深層の水温の差が大きくなる。② 水は約 30℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は停滞し,ますます表層と深層の水温の差が小さくなる。③ 水は約 4℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は停滞し,ますます表層と深層の水温の差が大きくなる。④ 水は約 4℃に近いほど密度が小さいため,夏に向かって水は循環し,ますます表層と深層の水温の差が小さくなる。
問 2 湖の深層には表層から植物プランクトンの死骸などがゆっくりと沈降している。夏には深層に栄養となる無機塩類が多く蓄積するといわれている。その理由を述べよ。問 3 この湖で植物プランクトンの純生産量が最も多くなるのは,夏ではなく秋である。考えられる理由を 150 字以内で述べよ。 (05 大阪教育大・改)
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
この問題の基本となる知識をおさえよう。
生産者である植物プランクトンの総生産量は,光合成によって得た全有機物量である。消費者が捕食できるのは,前の栄養段階の生物の総生産量の一部なので,上位になるほど自身の総生産量は少なくなる。 生産者の総生産量と純生産量は下記の関係にある。 純生産量=総生産量-呼吸量 この純生産量から,生産者の成長量と枯死量を引いた量が,一次消費者に移動する。
一次消費者へ
光合成で生産された有機物量
総生産量
呼吸量純生産量
被食量
成長量
枯死量
第20章 生態系の構造 261
第20章
解説の空欄を埋めながら,解法を考えてみよう。
問 1 グラフを見ると,深いところほど水温が低い(4℃に近い)。→ 4℃に近いほど密度が( )。(⇒②×) また,夏には表層の水温が上がる。→ 表 層 の 水 が 沈 ま ず, 水 が( )する。(⇒①×,④×)
問 2 問1で夏の湖の水温の特徴が求められたので,ここから無機塩類が深層に蓄積する理由を考える。
夏の湖:「表層と深層の水温に差がある。」 →水の密度差が大きい。 「水が停滞している。」 →深層から表層への無機塩類の移動が起こらない。
問 3 純生産量について問われていることから,問1,2での水温と水と無機塩類の動きを踏まえて,『純生産量』に関わる各季節の特徴を整理し,論理的に述べる。
「純生産量=総生産量-呼吸量」より,秋に純生産量が多くなるということは,ほかの季節に比べ( )が多く,( )が少ないということである。 物質生産に必要な光エネルギーの強さが光補償点以上になり総生産量が多くなるのは春,夏,秋である。春:冬から春にかけては,表層の水温が 4℃に近づき循環が起こるので,深層の無機塩類が表層に供給され,植物プランクトンが急速に増加する。よって,総生産量が多くなるが,呼吸量も急速に多くなると考えられる。
夏:問 2で求めたとおり,水が停滞するため,深層から表層への無機塩類の移動が起こらず,また春に増殖した植物プランクトンは動物プランクトンにより捕食されるために減少する。よって,総生産量も少なくなる。
秋:表層の水温が下がり 4℃に近づくと深層から表層に無機塩類が供給されるため,植物プランクトンが再び増殖するが,春ほどは増殖しない。 これらのことから,植物プランクトンの総生産量は,夏よりも春と秋の方が多いが,個体数が多くなると呼吸量も増加するため,総生産量から呼吸量を引いた純生産量は秋が最も多くなる。
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
停滞
循環
◀「循環」と「停滞」をイメージしてみよう。
前問の解答に基づいて考える
考察問題では論理的に考えることが求められる。前の問題の解答に基づいて考えると,論理的に矛盾しない。また,前問の解答が次の問題のヒントにもなる。
特徴を読み取るグラフに表された水深と水温の関係から,夏の特徴をおさえる。
第20章 生態系の構造 261
第20章
解説の空欄を埋めながら,解法を考えてみよう。
問 1 グラフを見ると,深いところほど水温が低い(4℃に近い)。→ 4℃に近いほど密度が( )。(⇒②×) また,夏には表層の水温が上がる。→ 表 層 の 水 が 沈 ま ず, 水 が( )する。(⇒①×,④×)
問 2 問1で夏の湖の水温の特徴が求められたので,ここから無機塩類が深層に蓄積する理由を考える。
夏の湖:「表層と深層の水温に差がある。」 →水の密度差が大きい。 「水が停滞している。」 →深層から表層への無機塩類の移動が起こらない。
問 3 純生産量について問われていることから,問1,2での水温と水と無機塩類の動きを踏まえて,『純生産量』に関わる各季節の特徴を整理し,論理的に述べる。
「純生産量=総生産量-呼吸量」より,秋に純生産量が多くなるということは,ほかの季節に比べ( )が多く,( )が少ないということである。 物質生産に必要な光エネルギーの強さが光補償点以上になり総生産量が多くなるのは春,夏,秋である。春:冬から春にかけては,表層の水温が 4℃に近づき循環が起こるので,深層の無機塩類が表層に供給され,植物プランクトンが急速に増加する。よって,総生産量が多くなるが,呼吸量も急速に多くなると考えられる。
夏:問 2で求めたとおり,水が停滞するため,深層から表層への無機塩類の移動が起こらず,また春に増殖した植物プランクトンは動物プランクトンにより捕食されるために減少する。よって,総生産量も少なくなる。
秋:表層の水温が下がり 4℃に近づくと深層から表層に無機塩類が供給されるため,植物プランクトンが再び増殖するが,春ほどは増殖しない。 これらのことから,植物プランクトンの総生産量は,夏よりも春と秋の方が多いが,個体数が多くなると呼吸量も増加するため,総生産量から呼吸量を引いた純生産量は秋が最も多くなる。
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
停滞
循環
◀「循環」と「停滞」をイメージしてみよう。
前問の解答に基づいて考える
考察問題では論理的に考えることが求められる。前の問題の解答に基づいて考えると,論理的に矛盾しない。また,前問の解答が次の問題のヒントにもなる。
特徴を読み取るグラフに表された水深と水温の関係から,夏の特徴をおさえる。
第20章 生態系の構造 261
第20章
解説の空欄を埋めながら,解法を考えてみよう。
問 1 グラフを見ると,深いところほど水温が低い(4℃に近い)。→ 4℃に近いほど密度が( )。(⇒②×) また,夏には表層の水温が上がる。→ 表 層 の 水 が 沈 ま ず, 水 が( )する。(⇒①×,④×)
問 2 問1で夏の湖の水温の特徴が求められたので,ここから無機塩類が深層に蓄積する理由を考える。 夏の湖:「表層と深層の水温に差がある。」
→水の密度差が大きい。 「水が停滞している。」 →深層から表層への無機塩類の移動が起こらない。
問 3 純生産量について問われていることから,問1,2での水温と水と無機塩類の動きを踏まえて,『純生産量』に関わる各季節の特徴を整理し,論理的に述べる。 「純生産量=総生産量-呼吸量」より,秋に純生産量が多くなるということは,ほかの季節に比べ( )が多く,( )が少ないということである。 物質生産に必要な光エネルギーの強さが光補償点以上になり総生産量が多くなるのは春,夏,秋である。春:冬から春にかけては,表層の水温が 4℃に近づき循環が起こるので,深層の無機塩類が表層に供給され,植物プランクトンが急速に増加する。よって,総生産量が多くなるが,呼吸量も急速に多くなると考えられる。夏:問 2で求めたとおり,水が停滞するため,深層から表層への無機塩類の移動が起こらず,また春に増殖した植物プランクトンは動物プランクトンにより捕食されるために減少する。よって,総生産量も少なくなる。秋:表層の水温が下がり 4℃に近づくと深層から表層に無機塩類が供給されるため,植物プランクトンが再び増殖するが,春ほどは増殖しない。 これらのことから,植物プランクトンの総生産量は,夏よりも春と秋の方が多いが,個体数が多くなると呼吸量も増加するため,総生産量から呼吸量を引いた純生産量は秋が最も多くなる。
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
停滞
循環
◀「循環」と「停滞」をイメージしてみよう。
前問の解答に基づいて考える
考察問題では論理的に考えることが求められる。前の問題の解答に基づいて考えると,論理的に矛盾しない。また,前問の解答が次の問題のヒントにもなる。
特徴を読み取るグラフに表された水深と水温の関係から,夏の特徴をおさえる。
第20章 生態系の構造 261
第20章
解説の空欄を埋めながら,解法を考えてみよう。
問 1 グラフを見ると,深いところほど水温が低い(4℃に近い)。→ 4℃に近いほど密度が( )。(⇒②×) また,夏には表層の水温が上がる。→ 表 層 の 水 が 沈 ま ず, 水 が( )する。(⇒①×,④×)
問 2 問1で夏の湖の水温の特徴が求められたので,ここから無機塩類が深層に蓄積する理由を考える。 夏の湖:「表層と深層の水温に差がある。」
→水の密度差が大きい。 「水が停滞している。」 →深層から表層への無機塩類の移動が起こらない。
問 3 純生産量について問われていることから,問1,2での水温と水と無機塩類の動きを踏まえて,『純生産量』に関わる各季節の特徴を整理し,論理的に述べる。 「純生産量=総生産量-呼吸量」より,秋に純生産量が多くなるということは,ほかの季節に比べ( )が多く,( )が少ないということである。 物質生産に必要な光エネルギーの強さが光補償点以上になり総生産量が多くなるのは春,夏,秋である。春:冬から春にかけては,表層の水温が 4℃に近づき循環が起こるので,深層の無機塩類が表層に供給され,植物プランクトンが急速に増加する。よって,総生産量が多くなるが,呼吸量も急速に多くなると考えられる。夏:問 2で求めたとおり,水が停滞するため,深層から表層への無機塩類の移動が起こらず,また春に増殖した植物プランクトンは動物プランクトンにより捕食されるために減少する。よって,総生産量も少なくなる。秋:表層の水温が下がり 4℃に近づくと深層から表層に無機塩類が供給されるため,植物プランクトンが再び増殖するが,春ほどは増殖しない。 これらのことから,植物プランクトンの総生産量は,夏よりも春と秋の方が多いが,個体数が多くなると呼吸量も増加するため,総生産量から呼吸量を引いた純生産量は秋が最も多くなる。
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
停滞
循環
◀「循環」と「停滞」をイメージしてみよう。
前問の解答に基づいて考える
考察問題では論理的に考えることが求められる。前の問題の解答に基づいて考えると,論理的に矛盾しない。また,前問の解答が次の問題のヒントにもなる。
特徴を読み取るグラフに表された水深と水温の関係から,夏の特徴をおさえる。
第5部 生態と環境260
240 水界の物質生産 湖の生態系に関する次の文を読み,問に答えよ。 湖の生物群集の中で,生産者である植物プランクトンは一次消費者によって捕食されるが,植物プランクトンの総生産量から呼吸量と捕食されなかった量を引いた量が移動する。したがって,上位の栄養段階ほど総生産量は少なくなる。そのため,植物プランクトンの純生産量は湖の生態系におけるすべての生物群集の維持にとって重要である。右図はある湖における夏と冬の水温の鉛直分布(水深にともなう変化)である。水温の鉛直分布と植物プランクトンの純生産量の季節変化には関連があることが分かっている。問 1 夏の水温の鉛直分布が形成される過程について述べた a~ dで最も正しいと思われる文はどれか。① 水は約 4℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は循環し,ますます表層と深層の水温の差が大きくなる。② 水は約 30℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は停滞し,ますます表層と深層の水温の差が小さくなる。③ 水は約 4℃に近いほど密度が大きいため,夏に向かって水は停滞し,ますます表層と深層の水温の差が大きくなる。④ 水は約 4℃に近いほど密度が小さいため,夏に向かって水は循環し,ますます表層と深層の水温の差が小さくなる。
問 2 湖の深層には表層から植物プランクトンの死骸などがゆっくりと沈降している。夏には深層に栄養となる無機塩類が多く蓄積するといわれている。その理由を述べよ。問 3 この湖で植物プランクトンの純生産量が最も多くなるのは,夏ではなく秋である。考えられる理由を 150 字以内で述べよ。 (05 大阪教育大・改)
0
10
20
30
10 20 30
水深〔m〕
水温〔℃〕
深層
表層冬
夏
水面
底
この問題の基本となる知識をおさえよう。
生産者である植物プランクトンの総生産量は,光合成によって得た全有機物量である。消費者が捕食できるのは,前の栄養段階の生物の総生産量の一部なので,上位になるほど自身の総生産量は少なくなる。 生産者の総生産量と純生産量は下記の関係にある。 純生産量=総生産量-呼吸量 この純生産量から,生産者の成長量と枯死量を引いた量が,一次消費者に移動する。
一次消費者へ
光合成で生産された有機物量
総生産量
呼吸量純生産量
被食量
成長量
枯死量