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畜産分野における竹粉の敷料及び堆肥化資材としての評価
石川県農林総合研究センター 畜産試験場
2015年2月17日
1
背 景・目 的
近年、里山林の放置により竹林が繁茂・拡大し、森林の荒廃が問題となっている。また、竹を利用した家具、造園や農業資材などの需要が減少し、新規利用開拓が求められている。 一方、石川県では家畜における良質な敷料が慢性的に不足しており、おが粉などに替わる敷料資材の安定確保が急務になっている。 放置竹林由来の竹を粉砕した竹粉の家畜の敷料等への利用について検討した。
2
材 料 1.竹粉 ・放置竹林のモウソウチク
2.おが粉 ・原料は米松、杉 ・製材所で木材加工時にできたもの
おが粉(のこぎりくず状)
竹粉(5mm)
おが粉(かんなくず状) 3
竹粉(20mm)
竹粉とおが粉の特性
竹粉 おが粉
含水率(%) 17.0 19.7
比重 0.24 0.14
容積重(kg/20L) 4.73 2.76
(表)竹粉およびおが粉の含水率、比重および容積重
4
おが粉に混合することにより、竹粉がどのくらい 利用できるか?
Ⅰ.肥育牛と肥育豚で竹粉を用いた敷料試験
5
敷料の容積重の推移(肥育牛 夏期)
0
5
10
15
試験開始時 8日目 15日目
(kg/20L)
おが粉100%
竹粉25%+おが粉75%
竹粉50%+おが粉50%
6
敷料内部温度の推移(肥育豚 冬期)
竹粉を敷料に混合すると敷料内部温度が高く推移
0
10
20
30
40
50
60
試験開始時 8日目 15日目 22日目 29日目
(℃) おが粉100%
竹粉25%+おが粉75%
畜舎内温度
7
8
おが粉100% 竹粉25%+おが粉75% 竹粉50%+おが粉50%
敷料および牛体の様子(肥育牛 夏期)
敷料および豚体の様子(肥育豚 冬期)
(竹粉25%+おが粉75%) ・敷料はほとんど締まって いない(さらさら) ↓ 豚の体はきれい
(竹粉50%+おが粉50%) ・敷料が塊になる ・敷料表面が硬く締まる ↓ 糞が敷料表面にこびり 付いていた ↓ 豚の体が汚れていた
9
肥育牛と肥育豚における竹粉を用いた敷料
10
おが粉に混合すれば、
竹粉は25%程度利用できる
Ⅱ.堆肥化における水分調整資材としての利用
一般的におが粉を利用
+
竹粉がどれくらい使える?
11
牛ふんと豚ふんで堆肥化試験を実施
1)堆肥化による易分解性成分の変化
表 易分解性成分の分解割合(%)
おが粉100
竹粉50+おが粉50
5mm 20mm
牛ふん堆肥化 32.5 27.5 38.4
豚ふん堆肥化 47.7 52.3 54.1
Point①!
易分解性成分は、分解しているほうが良い。
12
2)堆肥化時の発酵温度の推移
Point②!
発酵温度は、高く推移すればするほど良い。
竹粉混合堆肥は温度が高く推移
13
腐熟度【BOD:生物学的酸素要求量】
※値が小さいほど、堆肥の腐熟が進んでいる
7973
4527
0
2000
4000
6000
8000
10000
おが粉100% 竹粉25%+おが粉75%
BO
D(
mg
/L)
14
堆肥化における水分調整資材としての利用
竹粉とおが粉を利用
+
15
おが粉と混合することにより、竹粉は粒径20mmのもので
50%利用できる
Ⅲ.竹粉の蓄熱性の活用(子牛用ベッド)
・子牛は皮下脂肪が少なく
寒さに弱い
(下痢、肺炎を引き起こす)
・竹粉による敷料の温度
上昇を利用
↓
子牛用ベッドの敷料として
活用できないか?
16
ベッド温度の推移(子牛 冬期)
3
6
9
12
15
18
試験開始時 8日目 22日目 29日目
(℃)
おが粉(表面)
おが粉(内部)
竹粉(表面)
竹粉(内部)
牛舎内温度
17
子牛用ベッド 行動調査
79%
14%
7%
朝(起床時)
竹粉(ベッド) おが粉(ベッド)
その他(通路等)
72%
14%
14%
夕方(就寝時)
竹粉(ベッド) おが粉(ベッド)
その他(通路等)
18
竹粉の蓄熱性の活用(子牛用ベッド)
竹粉は子牛用ベッドの敷料資材として有効に活用できる
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課題
竹粉に発生したカビ(平成24年夏期)
生の竹粉は含水率が高く(40%前後)、腐敗しやすい ↓ 水分を飛ばし(20%)、菌の増殖を抑えるためにこまめな切り返し(コスト)が必要 搬入される時点で 含水率20%程度の乾いた 竹粉を手に入れる必要
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