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その眼鏡、はずしてみませんか? 「自分らしく」活躍できる社会の実現を目指して チーム名 : 長崎 仲良し LOVERS (真未来塾) 窄 健裕 (中1) :P4-7、アンケート作成、アンケート集計 長谷川 禮(中1) :P8-10、ポスター作成、全体デザイン 齋藤 優輝(小4) :表紙、P2-P3、シールアンケート、ポスター作成 after

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その眼鏡、はずしてみませんか?

「自分らしく」活躍できる社会の実現を目指して

チーム名 : 長崎 仲良し LOVERS (真未来塾)

窄 健裕 (中1) :P4-7、アンケート作成、アンケート集計

長谷川 禮(中1) :P8-10、ポスター作成、全体デザイン

齋藤 優輝(小4) :表紙、P2-P3、シールアンケート、ポスター作成

after

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はじめに

ぼくたちは、「平和な世界の実現に向けて、自分たちができることを提案しよう」というテーマについて、3人で考えまし

た。先生が「世界はとても広いから、みんなの学校やクラスで起きていることを考えたらいいよ」と言いました。だから、ぼ

くたちの周りで起きている問題や、おかしいなあとふしぎに思うことを考えました。

ぼくたちは、たくさん話をしました。れいちゃんが話すと、「わかる、ぼくたちも同じことがあった」と言いました。ぼくが話

すと、たけひろくんもれいちゃんも「あるある。小学生のときは、クラスでそのことの話し合いをしたよ」と言いました。たけ

ひろくんが話すと、れいちゃんが「わたしは、女の子でしょってよく言われるよ」と言いました。だれかの意見は、みんなの

意見でした。こんなふうに思っているのは、ぼくたちだけなのかなって知りたくなりました。

体育大会の前の準備のときに、

学校の先生から「男子は全員でテ

ントなどを運びなさい。女子はぬい

ものをしなさい。」と言われた。男

子に「女子はいつも楽でいいよな」

と言われて、言い合いになった。

わたしはぬいものが得意だけど、

ぬいものが苦手な女子は「したくな

い。運ぶほうが楽」と言っていっ

た。男子も女子も身長も同じくらい

だし、男子が力持ちってわけでも

ないと思うんだけど。

ぼくは、小さいときから、お母さん

から「男の子なんだから泣いては

いけない」「お兄ちゃんなんだから

我慢しなさい」と言われてきた。ぼく

も、男子は強くなくちゃいけないと

思う。だけど、納得がいかない。男

子だって、弱いときもあるし、泣くと

きもあると思う。どういう気持ちで言

ってるのかなって思う。

学校の体育の授業の前と後で、男

子と女子がいつもけんかになる。

ぼくたちは、これを「お着がえ戦争」

ってよんでいる。女子は教室で着

がえて、男子はろうかで着がえるん

だけど、女子は着がえが長いか

ら、ぼくたちはいつも教室に入れな

くて、準備がおそくなって先生から

おこられる。「男子は女子にやさし

く」って言うけど、女子だって男子に

やさしくしてほしいよ。

れいちゃんの意見 たけひろくんの意見 ぼくの意見

ぼくたちの疑問

「男の子だから」「女の子だから」って

みんなも言われたことがあるの?

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アンケート調査

ぼくたちは、「男の子/女の子だから」「男の子/女の子でしょ」「男の子/女の子なのに」とみんなも言われたことが

あるのか知りたいと思いました。だから、いろいろな人にアンケートをすることにしました。

Q:「男の子/女の子だから」「男の子/女の子でしょ」「男の子/女の子なのに」と言われたことがありますか?

87%が「言われた経験あり」

アンケートをしたら、140人中122人の人たちが「言われたことがある」と答えました。言われたことがないと答えた

人はたったの18人でした。でも、言われたことがないと答えた人の中に、「言われたことはないよ。だって、お母さんは、

そんなこと当たり前だから言うまでもないって感じだからね」と言う人もいました。みんな言われたことがあるんだなあって、

ぼくは、ちょっぴりうれしかったです。

おもしろいと思ったことは、「もう中学生なんだから、それくらいわかるでしょ」とか、「しっかりしなさい、お姉ちゃんなん

だから」とか、「後輩なのに、なぜ先輩に席をゆずらないの」とか、いろいろとあったことです。

それから、気になったことがありました。小学6年生の男の子が「お兄ちゃんだからって言われてから、弟がめんどうく

さくなった」と言っていました。あと、中学生の女の人が「もう中学生なんだから〇〇しなさいとか言われたら、ぜったいそ

れをしたくないって思っちゃう」と言っていました。ぼくは、そんなふうには思わないけど、れいちゃんとたけひろくんは「わ

かるなあ」と言っていました。

【小中高校生140人に調査】

ある・・・122人

ない・・・ 18人

わたしたちの疑問

「男の子だから」「女の子だから」って

言われたら、どんな気持ちになるの?

どんな行動をとるの?

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追加調査

僕たちは、前回の調査で「男の子/女の子だから」という以外にも、「お兄ちゃん/お姉ちゃんでしょ」とか、「中学生な

んだから」「後輩なんだから」などと言われていることが分かった。そして、調査の中で、何かをするのに「やる気をなくした」

り、「めんどうになった」りしていていることに注目した。みんなは「男の子だから」「女の子だから」と言われたとき、どのよ

うな気持ちになって、どのような行動をとってしまうのか。100人の小中高校生に追加調査を行った。

アンケートでは、「男の子/女の子だから」「お兄ちゃん/お姉ちゃんでしょ」「中学生なんだから」などと言われたとき、

どのような気持ちになったかを、まずは聞いてみた。すると、ほとんどの人が「いやな気持ちになった」「腹が立った」「くや

しかった」など、言われたことについて納得がいかなかったようだ。僕が驚いたのは、「相手のことがきらいになった」のと

は反対に、「自分のことがきらいになった」という人がいたことだ。それはとても悲しいことだと思った。

次に、「男の子/女の子だから」「お兄ちゃん/お姉ちゃんでしょ」「中学生なんだから」などと言われて、自分がしようと

思った行動を止められたり、変えさせられたりしたことがあるかという質問をしてみた。すると、誰かに自分の行動を制限

されるよりも、自分で行動を制限するようになった人が多かった。言われたときだけでなく、その後もずっと、その人の考

え方や動き方に影響を与えてしまうみたいだ。具体的には、「男だから、怪我をしても人の前では痛いと言わないようにし

ている」「最高学年だから、下の学年のお手本になるような行動をしている」「女の子らしい色の服を選ぶようにしたが、好

きな色ではないので着ないまま置いている」などの意見があった。

0 5 10 15 20 25 30

いやな気持ちになった

腹が立った

くやしかった

悲しかった

どうしてそう言うのかわからなかった

何も思わなかった

つらかった

相手のことがきらいになった

「男/女ってそういうものなんだ」と考えが変わった

自分のことがきらいになった

その他

どんな気持ちになったか

誰かに行動を制限されたことがあるか 自分で行動を制限することがあるか

はい

57%

いいえ

43%

はい

40%

いいえ

60%

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課題

これまでの2回の調査で「男の子/女の子だから」「お兄ちゃん/お姉ちゃんでしょ」「中学生なんだから」「後輩なんだ

から」と言われたりして、自分の行動を制限したり、自らが行動を制限していることが分かった。そして、分かったことにつ

いてメンバー3人でいろいろと話し合った。すると、僕たちは、すべての答えに共通している部分があることに気づいた。

それは、「性別」、「年齢」、「学年」や「小中学生・高校生」、「○○部」、そして「家族」という分類の中で、自分がどこのど

の部分にいるのかで、役割を決められたり、制限されたりしていることだ。

しかし、僕たちは、生まれるときに「性別」や「年齢」を選べるわけではない。僕がなぜ「男」に生まれたのかは、僕には

分からないし、きっと僕の両親にもわからないだろう。僕は今年中学1年生になったが、それは僕だけではなくて、同級生

はみんな中学1年生になったから、僕だけが特別というわけではない。それなのに、そういうことで役割を決められたり、

行動を制限されたりするのには納得がいかない。それは正しいことなのか。そういうことが影響して、いろいろな不公平

や不平等や差別を引き起こしていないだろうか。

また、もし、僕たちが大人になって社会に出たときも、同じようなことで、いやな思いをしたり、不便を感じたり、自分の自

由な選択をすることができなくなったりしないのだろうか。

ぼくたち、わたしたちの主張

でも、「性別」や「年齢」、「何年生」かなんて

自分たちで選んだわけじゃないし

だいたい自分たちで選べないものでしょ!

ぼくたち、わたしたちの疑問

① 「性別」「年齢」「所属」で、役割を決められたり

行動を制限されることは正しいことなの?

② 大人になって社会に出ても、今と同じように、

役割を決められたり、行動を制限されたりするの?

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取材調査

僕たちは、この疑問を解決したいと思ったが、どこで、誰に質問したらいいのか分からなかった。メンバー3人で話し合

って、結局、インターネットを使って検索することにした。キーワードを「男女平等」で検索すると、「男女雇用機会均等法」

「男女共同参画基本法」という漢字ばかりの文字や、「ジェンダー」「ダイバーシティ」というカタカナばかりの文字が出てき

て、小中学生の僕たちには読んでもよく分からなかった。リーダーとして、僕は、困ってしまった。

困ってしまった僕は、先生に相談すると、男女共同参画推進センターというところがあることを教えてもらった。

長崎県男女共同参画推進センターは、「だれもが性別にかかわりなく、人権が尊重され、その個性と能力を十分に発

揮できる社会づくりを進める長崎県の活動の拠点」となっているところだ。僕たちは、早速取材に出かけた。

今回お話をしてくださったのは、長崎県男女共同参画推進センターの荒木センター長さんだ。荒木さんは、事前にお知

らせしていた疑問点について、1つ1つ丁寧に教えてくださった。

窄 「男女共同参画の意味を教えてください。」

荒木さん「男女共同参画という言葉は難しいですよね。お仕事をしたり、毎日の生活を送る中で、男性と女性が、お互い

に尊重し合い、助け合っていきましょうということなんですけれど。た

だ助け合う、協力するといっても、いろいろなやり方がありますよ

ね。そこで、【参画】という言葉が重要になります。これは、何かを決

めたり、進めたりするときに、計画を立てる段階から男女がいっしょ

に参加するということです。男女がそれぞれの個性や能力を十分に

発揮して、計画を立て、それを実行していくのが、男女共同参画と

いう意味です。難しいかな?」

長谷川「それでは、ふだん、なかなか男女共同参画ができていない

ということなんですか?」

荒木さん「いい質問ですね。みなさんは、ジェンダーという言葉を知って

いますか。生まれたときの性別とは違って、社会的・文化的につくられる

性別のことをジェンダーと言います。例えば「男は仕事、女は家事」とか

ね。そのジェンダーについて、経済・教育・保健・政治の4分野で男女の

格差を測った「ジェンダー・ギャップ指数」というのがあるんですけど、み

なさんは、世界144か国中、日本は何番目くらいだと思いますか?」

窄「30位くらい」 長谷川「50位くらい?」 齋藤「60位くらいかな」

GGI(ジェンダー・ギャップ指数)

順位 国名 GGI値

1 アイスランド 0.874

2 フィンランド 0.845

3 ノルウェー 0.842

4 スウェーデン 0.815

・・・ ・・・ ・・・

111 日本 0.660

荒木「そうですね、実は日本は・・・111位なんです!ビックリしたでしょ

う。それぞれの分野で見てみると、保健・教育の分野の値は高いんで

すけど、政治・経済の分野の値が低くて。女性の国会議員さんが少な

いとか、管理職や専門職に占める女性の数が少ないとか。そういうこと

が原因としてあげられますね。」

日本の分野ごとの順位

分野 順位 値

経済 118位 0.569

教育 76位 0.990

保健 40位 0.979

政治 103位 0.103

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私たちが取り組む課題

窄「長崎でも同じようなことが起きているんですか?」

荒木さん「そうですね、長崎では、まず、女性の国会議員さ

んはいませんね。その他、県市町議会を見ても、女性議員

が占める割合は少ないですね。」

長谷川「大切な政策とか法律をつくるときに、計画を立てる

段階に女性がいない・・・?」

荒木さん「そういうことになりますね。他にもデータがありますよ。長崎県職員の管理職に占める女性の割合は5%で、全

国平均の8.5%を下回っています(H28年4月)。民間企業でも全体の4分の1程度です。」

長谷川「女性もたくさん勉強してて、仕事も上手にで

きると思います。私は理数系の科目が得意で、将来、

大学へ行って、使いやすいデザインの物をつくる勉強

をしたいんです。でも、なんか、不安・・・。」

荒木さん「男の子なら理数系、女の子なら文系が得

意なはずだというイメージがあったりしますよね。男

の子なら就職のことも考えて理数系に進みなさい、女

の子なら結婚したら家事育児に専念するんだから、

仕事は事務系でしょいいとか。1人ひとりの個性や能

力を見てではなく、イメージや無意識な思い込みによって進路が決まる、進路を決めてしまうというのは残念なことです。」

窄「イメージや無意識な思い込みを変えるのはむずかしいことだと思います。」

荒木さん「平成26年度の県民意識調査では、『夫は外で働き、妻は家庭を守るべき』という考え方に、賛成が45.9%、

反対が40.3%という結果でした。社会全体に広がっているイメージや無意識な思い込みを変えるには、大変な時間が

かかります。しかし、日本の人口が減少している今、女性のチャレンジと活躍は大変期待されているんですよ。」

ぼくたち、わたしたちの課題

無意識な思い込みや偏見が

さまざまなチャレンジを阻み

結果的に

社会全体の成長を遅らせている!

女性議員の状況

区分 定数 女性数 女性の割合

衆議院 475人 44人 9.3%

参議院 242人 50人 20.7%

長崎県選出の女性議員の状況

区分 総議員数 女性数 女性の割合

衆議院 5人 0人 0%

参議院 3人 0人 0%

県議会 45人 4人 8.9%

市議会 298人 16人 5.4%

町議会 105人 10人 9.5%

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課題に取り組む

私たちは、1人ひとりが個性と能力を発揮できるように「無意識の思い込み

や偏見で、他人を判断してはいけないこと」と「お互いを理解し、尊重すること」

の2つを呼びかけ、みんなにそのような行動をとってもらいたいと思いました。

そこで、できるだけたくさんの人に呼びかけられるように、3人で「ポスター」を

つくることに決めました。ポスターは普段よく目にするところに貼れば、いつも

意識することができて、行動につながりやすいと考えたからです。「十人十色」

は、「考え・好み・性格などが、人によってそれぞれ違うこと」という意味です。

私たちは、ポスターをつくる前に、ポスターの下書きをみんなに見てもらうこと

にしました。それと、私たちが伝えたいメッセージが伝わるか、改善したほうが

いいところはどこなのかということを、アンケートにして質問しました。アンケー

トは、長崎市内の小中高校生100人に調査しました。

1人ひとりが個性と能力を発揮できるように

① 自分の中の無意識の思い込みや偏見で、他人を判断しない

②お互いを理解し、尊重する

この2つをみんなに呼びかけ、行動を促したい

0 5 10 15 20 25

自分の個性を大切に、相手の個性を尊重しよう

何を伝えたいのか、よくわからない

お互いに助け合って、仲良くしよう

自分の考えで人を判断してはいけない

社会にはさまざまな人がいる

1人ひとりが平等に自分らしく暮らすべきだ

男の子と女の子の服が逆になっている

どうして笑っているんだろう

世界中の人を表したいのかな

コンプレックスがあってもいい

無回答

ポスターからどんなメッセージが伝わりましたか

アンケート調査からは、私たちが伝えたいと思っていた「お互いを理解し、尊重する」ということは伝えられていること

がわかりました。でも「無意識の思い込みや偏見で、他人を判断してはいけない」ことは、あまり伝わっていませんでし

た。「十人十色の意味がよくわからない」「絵からの情報が少なすぎる」という理由で、「何を伝えたいのかよくわからな

い」と答えた人が多かったので、3人でもっと考えたいと思いました。

ぼくたち、わたしたちができること

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改善して取り組む

私たちは、もう一度考えました。2つのことを伝えるのはむず

かしいねと話をしました。「お互いを理解し、尊重する」ために、

「自分の中の無意識の思い込みや偏見で、他人を判断しては

いけない」ということを先に伝えるようにしようと決めました。

アンケートでは、「男性は体が大きくて力が強いから、力仕事

に向いている」「女性は体が小さくて弱いから、守られるべき

だ」というのは、【無意識の偏見や思い込み(アンコンシャス・バ

イヤス)】と言われていることを知っていますかと質問しました。

「初めて知ったよ」とか「思い込みはこわいね」とか意見が聞け

ました。みんなに知ってもらえて、うれしかったです。(右の円グラフ)

それから、「自分の中の無意識の思い込みや偏見で、他人を判断してはいけない」ということを伝えるとしたら、前ペー

ジのポスターのどこをどのようにしたら伝わりやすくなると思いますかと質問をしました。結果は、上のグラフのようになり

ました。 私たちは3人で、結果をいくつかにまとめました。そして、次の3つを新しいポスターに取り入れようと決めました。

0 5 10 15 20 25 30

もっとわかりやすいキャッチフレーズにする

他人を見て判断してはいけないというのが伝わらない

それぞれの悩みなどを話して、違いを出すといい

伝えたい言葉をもっと強調すべき

何か物を持たせたりして、特徴を持たせるといい

色を使ったほうがいい

人種への偏見もあるから、肌の色や国の違いを出すべき

男女の違いをはっきりと出すべき

体型の違いや服装の有無に気がとられてしまう

人の表情をはっきりさせたほうがいい

どのようにしたら伝わりやすくなると思いますか

無意識の偏見(アンコンシャス・バイヤス)を

知っていますか

はい:8人

いいえ:92人

① キャッチフレーズをもっとわかりやすいものに変えて、強調する

② 1人 1人の特徴や悩みを言葉や物を使って表現する

③ 伝わりやすいように、必要なところにだけ色を使う

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最後に

ポスターを仕上げました。キャッチフレーズを「そう思うよう

になったの、なぜ?」に決めました。長崎県男女共同参画推

進センターの荒木さんは「自分の中に無意識の思い込みや

偏見があることが絶対に悪いというわけではありません。海

外へ出たときなどは、それがあることで、自分は日本人なの

だと感じることもあるでしょう。大切なことは、自分の中にど

のような無意識の思い込みや偏見があるかを知ることです。

もしかしたら、これは自分の思い込みや偏見なのではないか

と疑ってみることです。そして、そのことによって、誰かを傷つけていないかを考えてみてください」と話してくださいまし

た。それで、みんなにも考えてもらいと思って、「そう思うようになったの、なぜ?」と問いかけることにしました。

そして、私たちがふだん思い込んでいる色などについてと、将来の夢を考えるときにたくさんの職業から選べるように職

業についてのことを、ふきだしに書きました。みんなが目にするところに掲示したいです。あと、学級新聞や学校新聞で紹

介したり、クラスの総合学習のテーマに取り上げたりしたいです。

インタビュー取材の最後、荒木さんが「3人が大きくなって働くころには、無

意識の偏見や思い込みなく、自由に仕事が選べて、おうちに帰っても、協

力して家事や育児ができて・・・そんな社会であることを祈ります。1人1人

が、子どものときから、このような問題があるのだと知り、良い社会にした

いと意識することで、それはきっと実現するでしょう。期待していますよ!」

と、話してくださいました。私たちは、このレポートをきっかけに、勉強をもっ

とがんばって、みんなが「自分らしく」活躍できる社会が実現できるようにした

いです!

男子2人女子1人、学校も学年も違う3人だったけど、話し合ったり、取材に

行ったりして、仲良くなれました。1人1人が得意なことを発揮して、苦手なとこ

ろは手伝いました。私たち3人は、これからも「仲良し」で、いろいろなことに挑戦したいと思います。

【参考資料】・H26年度男女共同参画社会へ向けての県民意識調査報告書(長崎県)

・H29年度長崎県の男女共同参画の現状と施策【長崎県男女共同参画基本計画推進状況】

・ひとりひとりが幸せな社会のために 平成 29年版データ(内閣府・男女共同参画推進連携会議)

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