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(H24.6) 省令準耐火構造(木造軸組工法) Q&A このQ&Aは、木造軸組工法による省令準耐火構造の仕様に関して、 問い合わせの多い事項をまとめたものです。 具体的な仕様基準については、『平成22年改訂 木造住宅工事仕様書 (監修:住宅金融支援機構、発行:住宅金融普及協会) 』又は、『機構の定める 省令準耐火構造の仕様(木造軸組工法)(平成24年4月1日)』 http://www.flat35.com/files/100039864.pdf)をご確認ください。

省令準耐火構造(木造軸組工法) Q&A · (h24.6) 省令準耐火構造(木造軸組工法) Q&A 目次 (全般) Q1 フラット35(フラット35Sを含む)を利用する場合には、必ず、省令準耐

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  • (H24.6)

    省令準耐火構造(木造軸組工法)

    Q&A

    このQ&Aは、木造軸組工法による省令準耐火構造の仕様に関して、

    問い合わせの多い事項をまとめたものです。

    具体的な仕様基準については、『平成 22 年改訂 木造住宅工事仕様書

    (監修:住宅金融支援機構、発行:住宅金融普及協会)』又は、『機構の定める

    省令準耐火構造の仕様(木造軸組工法)(平成 24 年4月1日)』

    (http://www.flat35.com/files/100039864.pdf)をご確認ください。

  • (H24.6)

    省令準耐火構造(木造軸組工法) Q&A 目次

    (全般)

    Q1 フラット35(フラット35Sを含む)を利用する場合には、必ず、省令準耐

    火構造としなければならないのでしょうか?

    Q2 1階をRC造、2階を木造とする場合、省令準耐火構造とすることは可能です

    か?

    (屋根・外壁・軒裏)

    Q3 軒裏の換気部材や外壁に設ける換気フードに制限はありますか?

    Q4 軒裏に有孔ボードを設置することは可能ですか?

    Q5 オーバーハングした居室の下部の仕様はどのようにするのですか?

    Q6 ルーフバルコニーの仕様はどのようにするのですか?

    Q7 省令準耐火構造で外壁内に通気層を設ける構造とすることは可能ですか?

    Q8 屋外側と屋内側の仕様を併せて、防火構造の外壁として認定されているものと

    する場合、室内側の防火被覆はどのようにするのですか?

    Q9 玄関ポーチを支える柱の防火被覆はどのようにするのですか?

    (室内に面する部分の防火被覆材・留付等)

    Q10 壁や天井の防火被覆材として、せっこうボードではなく、強化せっこうボード

    を使用することは可能ですか?

    Q11 押入れの壁・天井にも防火被覆が必要ですか?

    Q12 「上階に床がない部分の天井」と「上階に床がある部分の天井」を区別する理

    由はなんですか。

    Q13 最上階の天井裏に小屋裏収納をつくります。その場合の小屋裏収納直下の天井

    は「上階に床が『ある/ない』部分の天井」のどちらを適用するのですか?

    Q14 各室毎に防火被覆で区画するとのことですが、各室の面積制限はありますか?

    Q15 室内に杉羽目板を使いたいのですが、規定のせっこうボードの上(室内側)に

    当該素材を用いても良いですか?

  • (H24.6)

    Q16 木製野縁の断面寸法は 30mm×38mm 以上とあるが、自分の会社では通常 W40mm

    ×H19mm を使っています。この野縁を使用することはできますか?

    Q17 可動間仕切壁で室を仕切る場合、当該間仕切壁の上部の天井内にファイヤース

    トップ材は必要ですか?

    Q18 回り縁を設置することにより、天井の防火被覆材の裏面の当て木を省略するこ

    とは可能ですか?

    Q19 省令準耐火構造の住宅で柱や梁を現しにすることはできますか?

    Q20 ビルトインガレージを設ける場合のガレージと居室の間の壁などの防火被覆

    はどうなりますか?

    Q21 窓等の開口部には防火設備を設置しなければならないでしょうか?

    Q22 階段下に収納を設ける場合、当該収納の天井の仕様は防火被覆が必要でしょう

    か?

    Q23 階段の幅を広くとるため、壁のせっこうボードの一部を切り欠き、その部分に

    補強材を入れてささら桁を施工することはできますか?

    Q24 せっこうボードの目地処理やファイアーストップのために、ロックウールやグ

    ラスウール以外の断熱材(例えばセルロースファイバーなど)を使うことはでき

    ますか?

    Q25 規定されていない部材の取扱い

    「木造軸組工法による省令準耐火構造の仕様」に規定されていない仕様(部材、

    留付方法など)を利用することはできますか?

  • (H24.6)

    Q1 フラット35(フラット35Sを含む)を利用する場合には、

    必ず、省令準耐火構造としなければならないのでしょうか?

    フラット35を利用する場合であっても、必ずしも省令準耐火構造の住宅にする

    必要はありません。

    【参考】

    フラット35を利用するには、断熱や耐久性等に関する技術基準を定めています。

    この技術基準の中で、住宅の構造は、耐火構造、準耐火構造(省令準耐火構造も含み

    ます)又は耐久性に関する基準のいずれかに適合する必要があります。

    【住宅の構造】─────┬──耐火構造

    ├──準耐火構造(省令準耐火構造を含む)

    └──耐久性に関する基準

  • (H24.6)

    Q2 1階をRC造、2階を木造とする場合、省令準耐火構造とするこ

    とは可能ですか?

    可能です。

    ただし、以下の2点について適合することが必要です。

    ①2階の木造部分は、省令準耐火構造の基準を満たすことが必要です。

    ②1階の天井部分に鉄筋コンクリート造のスラブを設けない場合は、1階の天井に

    は上階への延焼を抑制する性能が必要となるため、上階に床がある部分の天井又

    は界床の仕様が適用されます。

  • (H24.6)

    Q3 軒裏の換気部材や外壁に設ける換気フードに制限はありますか?

    制限はありません。

    ただし、法令上の制約があれば、それに従ってください。

  • (H24.6)

    Q4 軒裏に有孔ボードを設置することは可能ですか?

    防火構造の国土交通大臣認定を取得した不燃系ボードに、小屋裏換気用の小さな穴

    をあけた有孔ボードを設置することは可能です。

  • (H24.6)

    Q5 オーバーハングした居室の下部の仕様はどのようにするのです

    か?

    軒裏の仕様(=建築基準法に定める防火構造)としてください。

  • (H24.6)

    Q6 ルーフバルコニーの仕様はどのようにするのですか?

    ルーフバルコニーは屋根として取り扱います。

    省令準耐火構造の仕様では、屋根は次のいずれかの仕様とします。

    ①不燃材料で造る又は葺く

    ②準耐火構造の屋根(屋外面を準不燃材料で造ったもの)

    ③耐火構造の屋根(屋外面を準不燃材料で造ったもので、屋根勾配が 30°以内のも

    の)の屋外面に一定の断熱材(厚さの合計≦50mm)及び防水材を張ったもの

    なお、FRP露出防水の仕様としたルーフバルコニーは、不燃材料として告示に定

    められていないため、国土交通大臣の認定を取得したもの(いわゆる「飛び火認定」

    を取得したもの)又は、露出ではなく保護モルタル等の不燃材料で覆う必要がありま

    す。

  • (H24.6)

    Q7 省令準耐火構造で外壁内に通気層を設ける構造とすることは可能

    ですか?

    可能です。

    省令準耐火構造の住宅の基準において、外壁は防火構造とすると定めていますが、

    外壁の屋外側に通気層を設けることについては制限を設けていません。

    他の法令等に違反しない限り、外壁内に通気層を設けることは可能です。

  • (H24.6)

    Q8 屋外側と屋内側の仕様を併せて、防火構造の外壁として認定され

    ているものとする場合、室内側の防火被覆はどのようにするので

    すか?

    屋内側の防火被覆は、省令準耐火構造における「外壁の室内側の防火被覆の仕様」

    とする必要があります。

    【参考】

    外壁を防火構造とする場合は、屋外側に加え、屋内側も一定の仕様とすることが

    必要となっています(例:屋内側に厚さ 9.5 ㎜以上のせっこうボード張り等)。

    省令準耐火構造の住宅とする場合、壁の室内に面する部分については 15 分以上

    の耐火性能が必要となるため、外壁を防火構造としただけでは、省令準耐火構造に

    おける必要な「外壁の室内側の防火被覆の仕様(例:厚さ 12 ㎜以上のせっこうボ

    ード張り等)」を満たさない場合があるので注意が必要です。

  • (H24.6)

    Q9 玄関ポーチを支える柱の防火被覆はどのようにするのですか?

    住宅を支える主要な構造部分ではない玄関ポーチ柱の場合は、防耐火性能が必要と

    されている部分にはあたらないため、防火被覆については規定していません。

    なお、玄関ポーチ柱であっても、住宅を支える主要な構造部分である場合には、外

    壁の被覆として規定どおりの防火被覆を行う必要があります。

  • (H24.6)

    Q10 壁や天井の防火被覆材として、せっこうボードではなく、

    強化せっこうボードを使用することは可能ですか?

    可能です。

    強化せっこうボードは、せっこうボードより高い耐火性能を有しているので、同じ

    大きさ・厚さの強化せっこうボードを使用することが可能です。

  • (H24.6)

    Q11 押入れの壁・天井にも防火被覆が必要ですか?

    必要です。

    居室の壁や天井をせっこうボードで覆っていても、押入れの壁や天井部分が防火被

    覆されていないと、直ちにこの部分から上階へ延焼が拡大してしまいます。

    従って、押入れの壁や天井にも規定どおりの防火被覆は必要です。

  • (H24.6)

    Q12 「上階に床がない部分の天井」と「上階に床がある部分の天井」

    を区別する理由は何ですか?

    「上階に床がある部分の天井」は、「上階に床がない部分の天井」よりも火災の拡

    大を遅延させる必要があります。そのため、天井の区別を設け、「上階に床がある

    部分の天井」を強化しています。

  • (H24.6)

    Q13 最上階の天井裏に小屋裏収納をつくります。その場合の小屋裏収

    納直下の天井は「上階に床が『ある/ない』部分の天井」のどちら

    を適用するのですか?

    建築基準法上、階とみなされる小屋裏収納の場合は、「上階に床がある部分の天井」

    とし、階とみなされない小屋裏収納の場合は、「上階に床がない部分の天井」としま

    す。

    なお、小屋裏収納部分の壁や天井にも、規定どおりの防火被覆は必要です。

  • (H24.6)

    Q14 各室毎に防火被覆で区画するとのことですが、各室の面積制限は

    ありますか?

    ありません。

    ここでいう「室」とは、壁と天井・床によって囲まれる屋内空間のことです。

    ただし、押入れ等の収納空間は、隣接する居室を含め1室とみなすことができ、簡

    易間仕切、可動間仕切及び収納家具等によって仕切られている空間は、それらをまと

    めて1室と見なすことができます。

    また、連続した2以上の室の面積の合計が 10 ㎡以下の場合は、火気使用室が含ま

    れる場合を除き、それらをまとめて1室と見なすことができます。例えば、浴室と洗

    面脱衣室が隣り合わせになっており、2室の合計が 10 ㎡以下の場合、2室の間にあ

    る壁にせっこうボードを張る必要はありません。ただし、この場合の壁は、天井勝ち

    にする必要があります。

    なお、階段室が廊下、ホール又は吹き抜け等に連続する場合は、それらを合わせて

    1室として区画します。

  • (H24.6)

    Q15 室内に杉羽目板を使いたいのですが、規定のせっこうボードの上

    (室内側)に当該素材を用いても良いですか?

    室内に面する壁や天井の規定の防火被覆の上に、他の材料を張ることは可能です。

    ただし、法令上の内装制限が適用される場合は規制がありますので、それに従っ

    てください。

  • (H24.6)

    Q16 木製野縁の断面寸法は 30mm×38mm 以上とあるが、自分の会社では

    通常 W40mm×H19mm を使っています。この野縁を使用することはで

    きますか?

    使用できません。

    省令準耐火構造の仕様では、せっこうボードを留め付けるねじ等の納まり、重量等

    を勘案して必要な寸法を規定しています。従って、W40mm×H19mm の野縁は使用できま

    せん。

  • (H24.6)

    Q17 可動間仕切壁で室を仕切る場合、当該間仕切壁の上部の天井内に

    ファイヤーストップ材は必要ですか?

    不要です。

    省令準耐火構造における「室」とは、壁と天井・床によって囲まれる屋内空間のこ

    とです。可動間仕切壁や収納家具等によって仕切られる空間は、当該空間を含め1室

    とみなすことができます。

    そのため、可動間仕切壁に防火被覆材は不要で、当該間仕切壁と壁との取合い部や

    上部の天井内については、ファイヤーストップ材は不要となります。

  • (H24.6)

    Q18 回り縁を設置することにより、天井の防火被覆材の裏面の当て木

    を省略することは可能ですか?

    省略はできません。

    天井と壁の防火被覆材は連続させた上で、当該取合い部の裏面に当て木を設置して

    ください。

    上記の仕様とした上で、回り縁を設置することは可能です。

  • (H24.6)

    Q19 省令準耐火構造の住宅で柱や梁を現しにすることはできますか?

    できません。

    省令準耐火構造の住宅の仕様基準では、壁や天井をせっこうボード等で防火被覆す

    ることにより、柱や梁に容易に着火しないことを求めています。

    従って、柱が露出する真壁構造や梁を現しにする仕様は想定していません。

    ただし、規定の防火被覆材の上(室内側)に、付け柱や付け鴨居等を施工すること

    は可能です。(その場合、法令上の内装制限には注意してください。)

  • (H24.6)

    Q20 ビルトインガレージを設ける場合のガレージと居室の間の壁など

    の防火被覆はどうなりますか?

    以下のいずれかに適合することが必要です。

    ①ガレージ内は屋外部分とし、ガレージの壁・天井は防火構造とします。

    ②入り口及びその他の開口部にシャッターが設置されており、ガレージ内を屋内部

    分とみなすことができる場合は、天井及び壁の仕様は室内側の防火被覆の仕様と

    します。

  • (H24.6)

    Q21 窓等の開口部には防火設備を設置しなければならないでしょう

    か?

    開口部に防火設備を設置する必要はありません。

    ただし、法令上の制約(延焼のおそれのある部分に防火設備を設置する等)があれ

    ばそれに従ってください。

  • (H24.6)

    Q22 階段下に収納を設ける場合、当該収納の天井の仕様は防火被覆が

    必要でしょうか?

    階段の下を他の室又は収納空間とする場合は、階段の裏側を防火被覆材で被覆して

    ください。その際、「上階に床がある部分の天井」の仕様としてください。

  • (H24.6)

    Q23 階段の幅を広くとるため、壁のせっこうボードの一部を切り欠き、

    その部分に補強材を入れてささら桁を施工することはできますか?

    できません。

    省令準耐火構造の室内に面する部分の壁は、階段室を含めて、所定の防火被覆材を

    連続して施工することとしています。

    従って、階段のささら桁は所定の防火被覆材を張った上に施工してください。

  • (H24.6)

    Q24 せっこうボードの目地処理やファイアーストップのために、ロッ

    クウールやグラスウール以外の断熱材(例えばセルロースファイバ

    ーなど)を使うことはできますか?

    できません。

    省令準耐火構造の仕様の中で、断熱材を規定している箇所については、防火上の措

    置であるため、所定の断熱材を使用してください。

  • (H24.6)

    Q25 規定されていない部材の取扱い

    「木造軸組工法による省令準耐火構造の仕様」に規定されていない

    仕様(部材、留付方法など)を利用することはできますか?

    できません。

    「木造軸組工法による省令準耐火構造の仕様」に規定されていない仕様とする場合

    は、あらかじめ住宅金融支援機構の承認が必要になりますので、個別に機構までお

    問い合わせください。

    ( CS推進部住宅技術情報室 技術支援グループ:03-5800-8163 )

    【参考】

    過去、鋼製の吊木(一部にゴム状のものを鋼製部材間に挟み込んだものを含

    む。)については、個別の承認手続が必要でしたが、現在は不要です。

    なお、木材や鋼製以外の特殊な吊り木については、個別に機構までお問い合わ

    せください。

  • (H24.6)

    省令準耐火構造(木造軸組工法)Q&A

    禁 無断転載

    平成 24 年6月

    発行・編集:独立行政法人 住宅金融支援機構

    CS推進部住宅技術情報室技術支援グループ

    ℡:03-5800-8163