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1 福島事故検証課題別ディスカッション 地震動による重要機器の影響(第5回) 1 出席者 <委 員・コアメンバー> 田中 三彦 科学ジャーナリスト 藤澤 延行 新潟大学工学部(教育組織)教授、 新潟大学可視化情報研究センター(研究組織)センター長 教授 <委 員> 鈴木 元衛 元・日本原子力研究開発機構安全研究センター 研究主幹 <東京電力> 宮田 浩一 柏崎刈羽原子力発電所 原子力安全センター所長 増井 秀企 原子力設備管理部 安全調査GM <オブザーバー> 緒方 雄二 国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門 副研究部門長 2 日時 平成 27 年4月 28 日(火) 13:30~16:30(マスコミ公開で実施) 3 場所 県庁西回廊大会議室 4 ディスカッション テーマ ・福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階現地調査に関する質問回答 5 配布資料 資料No.1 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階爆発に関する疑問 資料No.1 写真資料 資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理(案) 資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理(案)の説明 東京電力 資料No.1 新潟県技術委員会福島第一原子力発電所1号機現地調査状況 東京電力 資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッション「地震動による重要機器の影響」

福島事故検証課題別ディスカッション 地震動による重要機器 …1 福島事故検証課題別ディスカッション 地震動による重要機器の影響(第5回)

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福島事故検証課題別ディスカッション

地震動による重要機器の影響(第5回)

1 出席者

<委 員・コアメンバー>

田中 三彦 科学ジャーナリスト

藤澤 延行 新潟大学工学部(教育組織)教授、

新潟大学可視化情報研究センター(研究組織)センター長 教授

<委 員>

鈴木 元衛 元・日本原子力研究開発機構安全研究センター 研究主幹

<東京電力>

宮田 浩一 柏崎刈羽原子力発電所 原子力安全センター所長

増井 秀企 原子力設備管理部 安全調査GM

<オブザーバー>

緒方 雄二 国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門 副研究部門長

2 日時

平成 27 年4月 28 日(火) 13:30~16:30(マスコミ公開で実施)

3 場所

県庁西回廊大会議室

4 ディスカッション テーマ

・福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階現地調査に関する質問回答

5 配布資料

資料No.1 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階爆発に関する疑問

資料No.1 写真資料

資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理(案)

資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理(案)の説明

東京電力 資料No.1 新潟県技術委員会福島第一原子力発電所1号機現地調査状況

東京電力 資料No.2 福島事故検証課題別ディスカッション「地震動による重要機器の影響」

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6 ディスカッションの状況

(事務局:須貝原子力安全対策課長) 本日はお忙しい中お集まりいただきまして大変ありがとうございます。このディスカッションのお集

まりですけど、前回が昨年の8月20日ということで大分時間も経ってしまったわけなのですが、この

間2月の福島の1号機の調査ですとか、その後技術委員会を開催して爆発のご専門の方をお呼びしてま

た検討を重ねたいというようなお話がありまして、今日は国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科

学研究部門の副研究部門長を務められております緒方先生にもおいでいただいております。今日は活発

な議論がされることを願っております。よろしくお願いいたします。 (事務局) それでは議論に先立ちまして本日の進め方について事務局から説明させていただきます。 (事務局:市川原子力安全広報監) 原子力安全広報監の市川でございます。よろしくお願いいたします。本日の出席者でございますけど、

お手元の次第に記載してございますが1点お詫び申し上げます。新潟工科大学副学長の原委員様、ちょ

っと今席を外されておりますけども、原委員の記載が漏れておりました。ご記入のほうをお願いしたい

と思います。なお今ほど課長からもありましたとおり、3月の24日に開催いたしました技術委員会で

福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋の調査の状況についてこの情報の共有を図ったところであり

ます。その際に委員から爆発の専門家にも意見を聞く必要があるのではないかというご発言もございま

したことから、本日は産業技術総合研究所の緒方副研究部門長にオブザーバーとしてご出席いただいて

おります。委員の皆様の疑問点について専門の立場からご意見をいただきたいと思いますのでよろしく

お願いいたします。本日の進め方でありますけども、2月の21日に実施いたしました福島第一原子力

発電所1号機原子炉建屋の現地調査に基づきまして議論を進めてまいりたいと思います。まずは今一度

当日の映像をご覧いただいた上で議論をお願いしたいと思います。それに続きまして課題1の整理表の

整理、それから次回議論する課題についてご確認をいただきたいと思います。ディスカッションの議論

の内容につきましては整理表にとりまとめまして、その状況を県民の皆様にわかりやすくお伝えしてま

いりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。それでは議論に移りたいと思います。先ほどご説

明差し上げたとおり、まずは最初に現地調査の映像をご覧いただいた上で議論をお願いいたしたいと思

います。なお技術委員会の際で出された疑問点につきましてはお手元にございます資料№1資料1にと

りまとめてございます。すいません。事務局の手際のミスでございまして、資料1というものが、県が

作ったものと東京電力が作ったもの2つございます。同じく資料2についても県版と東京電力版ござい

ますので、新潟県作成の資料1のほうをご覧いただきたいと思います。それでは議論に移りたいと思い

ます。よろしくお願いします。映像を写しますのでちょっと照明を落として下さい。

【 動画再生中 】

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(事務局:市川原子力安全広報監) 今、映像のほうで原子炉建屋の3階のところの部分が映っておりましたけど、資料1のほうをご覧く

ださい。技術委員会の時に出された疑問といたしまして1番目、4階もしくは5階の爆発による爆風が

開口部から3階以下には達しないのか、という疑問がございました。この点について委員の皆様方、ま

ずは補足のご説明、質問等ございましたらお願いできますでしょうか。 (田中委員) 4階が特定的に5階から直角に曲がって、爆風がそういう格好になって、話では。爆風がもし蓋を開

ければそのまま1階までストレートに落っこちているものがメインの爆風の経路ではないかと思うけ

ど、3階をさっきのビデオで見ると配管のケーシングが無傷ですよね。それがどうしてなのかというの

がちょっと気になります。爆風の勢いとして4階に入って直角方向に横に入っていく爆風と、分流はあ

ると思うのですけど、あくまでも主流の爆風というのは吹き抜けを上から下へもし蓋が何らかの形で開

いて、それで落ちていくならば、1階までストーンと行くはずですね。それを4階の保温材が剥げたこ

とを強調されているけど、東京電力さんのほうは、3階のケーシングは剥げないのかとか、そういう問

題について積極的な説明がないということが1つのポイントかなと。ディスカッションしていかなけれ

ばいけないポイントかとは思っています。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今ほどのところについては補足いたしますが、東京電力さんの資料№1、A3の横の紙がございます。

この右上のところの原子炉建屋3階の平面図がございます。青い(6)という印で、ここの部分につい

ては配管が非常にきれいである、それから吹き抜け部についても比較的きれいな状態で残っているとい

う状況でございます。吹き抜け部というのは今ほどご覧いただいてる平面図の中で(6)の左隣に書い

てあるのが吹き抜け部、四角い中に点線で罰点してあるところです。ここが吹き抜け部でございます。

これに対しまして、この紙の真ん中、これが4階の平面図になりますけど、青い字で(3)と書いてあ

るのが同じ吹き抜け部でございます。この3階の吹き抜け部と4階の吹き抜け部は同じ縦位置関係にな

ります。4階の部分のほうが非常に設備の破損とかが大きいと。同じ縦に繋がってる吹き抜けがある中

で4階だけ破損が、5階も破損をしているわけですけど、その爆風が3階に行かないというようなこと

が状況的にあるのだろうかという疑問点だと思いますけど、田中先生それでよろしいでしょうか。 (田中委員) そうですね。 (事務局:市川原子力安全広報監) この点について東電さん、見解はいかがでしょうか。 (東京電力:増井) はい、東京電力の増井でございます。よろしくお願いいたします。先生がご指摘のとおり4階のほう

がやはり著しくダメージを受けているなというのが私どもも同じ観測でございます。すでに現場に入っ

ていただいた時には1階ないし2階の瓦礫は片付けていたのですけど、事故当初片付ける前というのは

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1階のちょうど大物搬入口の下のところに大量に瓦礫があって、やはりそこから上の影響を受けている

というような形で示唆されたものがございます。3階の周りに目立つ損傷がないというのはそのとおり

かもしれませんが、ちょっとこれに関してはやはり距離が5階と4階の距離に比べて5階と3階に離れ

ているということと、実際の破損は、ここからは推定ですけど、必ずしも爆風だけではなくて、爆風に

随伴する瓦礫によって影響を与えている可能性もあると思っています。さらに1つ指摘をさせていただ

きたいのは、田中先生のご意見というのは元々4階で最初に爆発が起こって、それが蓋を押し上げて5

階の大きな爆発に繋がったということですので、5階で爆発が起こって以降の流れというのは、私ども

と田中先生の間でそんなに大きな差はないのかなと思っていまして、ご疑問はそのとおりなのですけど、

お互いの論点をさらに明確化するぐらいの、それぐらいの情報にはまだないのではないかなという気が

いたしております。以上です。 (田中委員) 確かにそうかもしれなのですけど、爆風が…、それから私は仮定として4階で起きたという事を言っ

てそれで話を付けているのではなくて、蓋が閉まっていたでしょ、ということになると、それから水滴

痕みたいなのあるでしょとか、そういうような話を考えた時に爆発を4階で考えた方がいいのではない

ですかという、そういう話をしているのであって、最初にそうあったというふうに言っているわけでは

ない。だからこの問題を気が付いたのは国会事故調が終ってからなのでね、4階で爆発している可能性

について考えたことは実はなかったのです。国会事故調の時には。あとから、これは蓋が閉まっている

じゃないかと。ところが東京電力さんの最終報告書には4階へ大物搬入口から爆風が吹き込んで4階が

やられているという話をしている。それではあまりにも話がうますぎるというか、無理じゃないかとい

う、そういうふうに言っているわけで、じゃあ、最終的な惨状というのは5階で起きても4階で起きて

も似たようなものではないかという話に関して言えば、大体同じなのですけど、そうとも限らない部分

というのは、例えば3階2階1階の爆風というのはおそらく場合にもよるのでしょうけど、蓋を開けて

しまえば上に上がるじゃないかという、4階の蓋を開けてしまえば。それでその時5階は瞬間的に水素

爆発が大量に溜まっていることは間違いないわけで、誘発されて爆発を起こすわけでしょうけども、蓋

を開けた時に反力的なものは下に行ったとは思いますけど、上からワーッと吹き込んで東京電力モデル

で考えるよりは爆風3階2階に行くのが少ないのではないか、というような感じを、これは感じですけ

ど若干その違いはあるかなという気はしていますね。 (東京電力:増井) 私、今、5階で爆発した後の事象の進展は田中委員と我々のほうでそんなに大きな差異がないと申し

上げましたけど、少し違うなとあらためて思い直しましたのは、5階に蓋が掛かっている、すなわちハ

ッチが掛かっているかどうかという状態の認定が若干違うというふうに思っています。田中委員はやは

り4階で爆発が起こって、それで蓋がやられて、そのあと5階が爆発したという事なので、5階で爆発

した視点においては5階4階には蓋がなかったというスタンスに取っておられるかというふうに理解

をしています。一方我々は、そこは明確ではないのですけど、爆発によって蓋自体がやはり下の階に落

とされた可能性もありまして、 (鈴木委員)

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5階の爆発によって?。 (東京電力:増井) そうですね。5階で爆発が起こって、5階の蓋自体が圧力を受けて下階に落とされたという可能性も

あると思っていまして、その際全く何もない状態と、蓋が5階にかかっている状態だとその爆風もひょ

っとしたら動き方が違うのではないかというような可能性もあると考えているところでございます。以

上です。 (田中委員) まあ、この話はあとで蓋のモデル、ただこのモデル読ましていただいたけども、結局5階の壁がすっ

飛んでという話は、私は5階で爆発が起きているということは否定しないわけだから、そのモデルは読

ましていただいたけど、これは納得いく部分もあるし、だからどうなのですかという結論にしかならな

い部分があってむずかしい。ただもう1つ瓦礫の中に埋まっていたという話が、これに全て持って行か

れると困ってしまうなという気がするのと、東京電力の報告書には3階はきれいであるとわざわざ明記

してありますね。4階は非常にひどい目にあっているけれど、こういう言葉ではないけれど、3階はき

れいだと。ほとんど爆風による損害を受けてないということをわざわざ明記されている。僕は、東京電

力さんは大物搬入口の5階の蓋が閉まっていたという事実をご存じなかった、あるいは、蓋があること

は多分ご存じだと思うけど、それが爆発直前まで蓋が閉まっていたということを無視されて、開いてい

たという前提で話を全部付けたのではないかと思う。だからそのあと今こうやっていろいろお話になっ

ている部分に関しては、その弁解にみたいに私は聞こえてならないです。むしろそれが閉まっていたと

いう事で私はそのことを気が付いて、ちょっと話がアレしますけど、事故調の時にあそこの4階の5階

の蓋は閉まっていたのですかという事を聞いたのです。作業員の方に。そうしたら、自分が閉めたとお

っしゃる。その方がそうおっしゃっているので、間違いなく閉まっていたということ。その時に爆発が

4階のこの惨状と照らして実態が合っているのかどうかすぐに思いをはせればよかったのだけれど、私

の頭の中は出水の問題と蓋の関係を知りたかったのです。そこから水が漏れたのでは。上からプールの

水が蓋の開口部から落っこちてきたのを出水と間違えたのではないかと、そういうふうに思ったので関

心がそっちに向いていたのです。それが事故調が終って半年ぐらいしてから、あれ蓋が閉まってたのだ

からこんなに壊れるはずがないだろうと、そういう論法です。僕が伺いたいのは、今問題になっている

まさに蓋があったとか、なかったとか、瓦礫の中で捨ててしまったかもしれないという話は、伺ってい

ると蓋が閉まっていたということは東京電力さんは知っていたのですか。その事故調報告書を書く時に。 (東京電力:増井) はい、お答えいたします。事故調の報告書を作成していた時点では蓋が閉まっていたという事を認識

しておりませんでした。 (田中委員) ということは、今お話になっていることはそれに対する蓋が閉まっていたという事を知っていたかの

ようで実は知らなかったのだと。蓋が閉まっていたという時に、我々と対立的な話し合いになっている

けれど、その4階でやられている可能性ということについては全く否定をされる立場から話が進んでい

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るのか、それともそういう事もあったかもしれないという、そのぐらいの含みで今ディスカッションを

進めているのかどうか、その点について教えてください。 (東京電力:増井) 元々事故調は報告書を作成していた時には蓋の有る無というよりかは現場の状況を見て、またはプラ

ントパラメータとかの評価を見て、それらを総合的に組み合わせて仮説を組み立てるという方針で事故

調の報告書は作成しております。現場を見ていただいてお分かりになったかと思いますけど、爆風の直

接的な影響を受けているのが南西のエリア、したがって大物搬入口の通っているエリア、あの近傍であ

るということから、やはり爆発が起こったのは5階でその影響が4階に行ったのではないかという可能

性が一番高いというふうに考えました。もし4階で一様に水素が充満していたら、どこかで点火が起こ

った際に爆発の規模は1か所、局部的なものではなくて、もう少し全般に、広範に広がる。例えて言う

なら、4号機の原子炉建屋の4階のように全面的に爆破、破損が起こって大きな影響が広がっていると

考えるのが自然だろうと思いました。この時点では蓋の存在については閉まっていたかどうかというの

は把握していなかったのは事実ですけど、あまり現場の状況を確認すれば、蓋の存在以前に十分メカニ

ズムの推定は可能ではないかというふうにその時点では考えていたという事でございます。一方、現在

では4階で爆発が起こったことを否定されるのかどうかという事に関しましては、私どもなかなか現場

を見ても十分線量の制限もあり、実際に調べることは叶いません。ですけど総合的に見て可能性が高い

のはやはり5階で爆発が起きてその影響を受けているというものでございますし、これらは調査開始か

ら今日に至るまで変化はございません。しかし完全に4階で爆発があったことを否定できるのかという

ことに、そういう形で聞かれますと、それを否するだけの材料も十分持ち合わせていないので、今後ど

ちらかというと、どちらの意見が正しくても柏崎の安全性に繋げていくためにはこの話を、この観測を

どう生かしていくべきかという建設的な議論を進めるということが肝要なのではないかと考えてござ

います。以上です。 (田中委員) ここで止まっているわけにもいかないので、それから全部下の絵が関係するから と思うけど、最

後の柏崎との関連で言うと、水素爆発ということが水素の経路そのものと関係してくるわけですよね。

それは電気ペネの問題とか、東京電力が最初報告書では1号と3号の水素爆発は細かいところでは違う

かもしれないけれど、原理的にはこうだったという事で、電気ペネトレーションとか階段とかから漏れ

てきたものが5階に向かったという、そういうものを書かれていますよね。それだけで済んでいるのか

どうかという事が実は問われるのだろうと思うのです。特に電気ペネトレーションというのは1階にあ

るわけで、東京電力さんの今回の説明を見ていると、それが4階に上がったのではないかという事をお

っしゃっているけれど、もし僕の認識が間違えてないのだとすれば、電気ペネトレーションはちょうど

上から見た時に一番遠い側、大物搬入口からは一番遠い側が一番集中しているのだと思います。そうす

るとそこらへんに雨垂れ痕などはいっぱいくっ付いているのかとか、いろんな問題があると。そうでな

いとすると、また全然別のルートというか、原子炉建屋に直接行くラインというものが、ICのほうに、

学習するべきことだと思うけども、それはRCICとかそういうものであっても同じようにあるのだろ

うと思いますけど、そういう学習のためには、やはりいろいろこの問題を妥協しないで調べる必要があ

るなと思っています。もう1つ言いますと、1階の一番下、大物搬入口の一番下の部分の放射線の量が

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一番少ないのです。原子炉建屋で。東京電力さんのデータによれば。大物搬入口が吹き抜けています、

5m×5mの5階から2階まで吹き抜けて、1階のコンクリートのたたきの部分、そこの部分の空間線

量は非常に小さいです。そうすると上から爆風が来たとか、もし雨垂れが1階から行ったとすると大物

搬入口の蓋で凝縮するはずです。そこから雨のようにしたたり落ちたことが考えられるわけです。そう

すると相当放射性物質に汚染された雨垂れだったはずで、1階のたたきがこんなに少ないはずがないだ

ろうという気がしています。そんなことでこの辺はまたあとでちょっと議論させていただきたい。あと

提案ですが、言葉の問題なのですが、東京電力さんの今度のレポートを見ていると、「機器ハッチ」と

いう言い方を「蓋」に変えていますね。これはまずいと思います。一応、ランダムハウスとか他の辞書

もやってきましたけど、「ハッチ」という言葉はそもそも食堂などにある窓口だとか、船から上がると

ころのアレだとか、開口部を言っていますね。ランダムハウスには2番の意味としてハッチの蓋も表す

と書いてある。それで後ろに括弧してハッチカバーというエムが付いています。機器ハッチというのは

我々のターミノロジーとしては、ここではとりあえず開口部を意味するという事で統一していただきた

い。機器ハッチイコール蓋となっていますので、機器ハッチのカバーとか、そういうふうに機器ハッチ

は開口部、蓋は蓋として後ろに付けるようにしていただかないと、機器ハッチがこの文章の中で両方の

意味を持って書かれているというので混乱しますので、これはそういうふうにお願いしたいということ

が1つ提案です。すいません。 (東京電力:増井) 下層にある1階にある電気ペネから漏れているのかいないのかという事に関しまして、我々十分にこ

こから漏れたというほどの確証をつかんでいるという状態ではございません。ですけれども、主要な水

素の漏えい瑕疵経路、すなわち格納容器から原子炉建屋に出ていった漏えいパスに関しましては、これ

はやはり格納容器のトップヘッドのフランジのところだと考えています。大きくこのように考えている

理由は2つございまして、まず何をおいても非常に表面積、面積が大きいという事でございます。2つ

目は比較的格納容器の上部にありますので、やはり温度が高くなって少し漏洩ポテンシャルの観点で可

能性が高いと考えているところであります。2つ目の1階の機器ハッチの付近で線量が低いのではない

かというご指摘でございますけど、確かに手元の資料によりますと数m㏜オーダーでございます。一方、

3階の線量も同程度ですし、1階の大物搬入口、失礼しました、機器ハッチの近く、少し離れたところ

だと40m㏜ないしは100数10m㏜というような高いところもございますので、一概にここが低い

とも言えないかと思います。また一方、このデータはいつ測定されたのかにもよるかと思っておりまし

て、ここにある瓦礫はあるタイミングで片づけ、清掃を行っておりますので、その影響で線量が下がっ

ているという可能性もあるかというふうに考えてございます。3点目の「ハッチ」と「蓋」という言葉

の使い分けでございますけど、田中委員のご提案に賛同いたしますので、これからの資料は「ハッチ」

「蓋」ということで明確の使い分けをしていきたいというふうに考えております。以上です。 (鈴木委員) 一言だけちょっと付け加えさせてください。ちょうど今この写真があるように上の2つの写真で開口

部の周囲の手すりですか、それがぐちゃぐちゃと折れ曲がっているような写真が見えております。3階

の部分も相当こういうふうな感じになっておりました。これがどう見ても爆風で直接こういうふうな変

形が起きたというふうには考えないで、何か爆風によって固体の物質がそこにぶち当たって曲げられた

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のだというふうに見るのが自然だと思いますので、じゃあ、どうやってその固体の物質がどっちの方向

からぶつかっていったのかという事を考えてみるということも大事ではないかと思っています。以上で

す。 (事務局:市川原子力安全広報監) はい、ありがとうございます。爆風の挙動みたいなところで緒方さん何か一般的なお話でございまし

たら。 (オブザーバー:緒方) 産総研の緒方です。よろしくお願いします。今の爆発という話ですが、実はここは多分中に水素がい

っぱいあるというか、量的には大きいのですが、どこかの1点で着火して燃焼が発生し、爆発というか

燃焼が進んでいったと見ていいと思うのですけど、結局35%というのが爆発の現象としては大きいの

ですけど、その濃度になるというのはかなり難しい条件だと思っていまして、たぶんここも通路も含め

て4階も5階も水素があって、どこかで着火して、それが燃焼が伝わっていって爆発現象になったとい

うことですので、爆風が起きて爆風の影響だけということではなくて、たぶん一緒に水素も爆発したの

ではないかと。その限界がどこにあるのかによって壊れ方も変わってくるのかなという気がしています

ので、私は現場をよく見ていないので、わからないのですけど、ただ爆風としては多分そんなに大きな

爆風ではなくて、どちらかというと爆発という燃焼がそのまま伝わったのではないかという気がしてい

ます。以上です。 (鈴木委員) 今の緒方先生のご説明にちょっと質問ですけど、そうすると建屋の4階にしろ5階にしろ、ひょっと

して3階かもしれませんけど、その建屋の空間に水素の濃度の、まだら模様の濃度があったと。濃度分

布がありました。濃度のバラつきがありましたと。あるところで可燃限界に達したところで燃焼が生じ

て、その燃焼が他の部分に伝わっていって、あるところでは急激な燃焼、つまり爆発を起こしたけど別

なところでは単なる爆燃といいますか、あまり圧力の急激な上昇を伴わないような燃焼で終わったと。

そういういわばまだら模様の燃焼の具合を考えた方がいいと、こういう意味でしょうか。 (オブザーバー:緒方) そうですね、たぶん最初から大きな爆発が起きたわけではなくて、ある燃焼とか小さな爆発が来て、

その影響でたぶん気流が乱れて酸素と空気がよく混ざった状態で爆発が伝播していったと考えた方が

自然だとは思うのですけど、たぶんそこはさっき言ったように濃度が多分もう均一であるという事はま

ずありえませんので、そういう意味では下のほうは非常に薄くて燃焼がなかったのかなというのも考え

られないことはないと思います。現場をよく見てないので何とも言えないのですけど。 (田中委員) 5階はおそらく大量に水素が堆積していたと思うのです。着火源という問題も実は絡んでいると思う。

5階の場合は鉄の板が張り付けてる割合もろい壁ができていまして、当時の気温などを考えるとどのく

らいの温度だったかわからないけど、5階というのはそんなにあったかい状態ではなかったという事が

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まず考えておかなければいけない。それに対して4階での爆発というのはもっと起こりやすかったので

はないかなと思うのは、水蒸気が入ったとして、水蒸気と酸素と水素の分布の問題が爆発にどう影響し

たかということ。水蒸気が凝結して湿度が下がっていって、それで爆燃としての気体になる可能性があ

るということで、その研究論文というのはノルウェーだったかな、なんかにあったので、三角形の限界

曲線みたいなものがあって、それを使っていくと数%で大体炉から来る水素の温度というのは多分わか

りませんけれど900℃とか800℃とか非常に高い温度の水素が供給される可能性があるので、小さ

い配管の傷などから漏れているとそこから水蒸気と水素ガスが供給されて温度的に考えると、論文の限

界曲線などを見ると可能性としてはあるかなと思ったのです。爆燃としてどっちが理想的だったかと考

えると、4階で少し水素がある程度のほうがよかったのではないかというふうに思うのです。5階でど

ういうきっかけで水素爆発が5階で起きるのかという事に関しては、SBOでいう全然電気がないとい

う状態ですから、電気系統の問題ではまずなさそうだと。それから地震で大分工具が落っこちてセメン

トで火花が出るとかということもあったかもしれない。その問題も実は伺いたいと思う。着火源という

問題もちょっと5階は難しいのではないかなという事を思っていますけど。 (オブザーバー:緒方) 確かに着火源という話でいくと、結局金属が落ちて着火する、いわゆる火花着火というのも考えられ

ないことはないのですけど、火花着火というのは基本的には非常に温度が低くてなかなか点きにくいと

いうが現状でして、点く場合たぶんかなりやわらかいマグネシウムとかそういう金属を含むやつですと

火花が着火源になりやすいのですけど、通常ですとたぶん、どういう金属を使われてたかわからないで

すけど、点きにくいだろうと。ただやはりどうしても火花以外にも摩擦とか地震が起きていますので、

原因を特定するのは非常に難しいかなと思っていますけど、そこはどうお考えかというのは東京電力さ

んのお考えもあると思いますので難しいのですけど、確かに電気の火花、いわゆるスパークで点くとい

うのが一般的には一番考えやすいかなとは思います。 (事務局:市川原子力安全広報監) それでは次に移ってまいりたいと思いますが、新潟県の資料№1の2番ダクトの関係です。内側の爆

発により膨れているところと、外部からの圧で凹んでいるところがあるが、その関連を検討するべきで

は、という質問がございますけど、ちょっとその前に東京電力さんの今日出されている資料、こちらの

資料2です。冊子になっていますけど、つづられているところの10ページ、11ページのところにダ

クトの平面概略図というのがあります。これからご覧いただく映像のダクトがどこを走っているかとい

うのが平面、それから一部断面で示されてるものでございますけど、これを多分先に説明いただいたほ

うが映像を見ていく上で参考になると思いますので、東電さん、差し支えなければこちらの説明をお願

いできますでしょうか。 (東京電力:増井) はい、ご説明いたします。11ページ目と12ページ目がセットになっておりますので、見開きの形

で見ていただければと思います。まず11ページ目ですけど、1号機原子炉建屋4階でございます。1

2ページ目がその1つ上の階、5階でございます。まず4階のほうから申しますけども、この中に2種

類の線が引かれておりまして、ピンク色のものと黄色のものがございます。黄色のものが排気のダクト

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でございますので、これはこの当該階からダクトのほうに空気を吸い込む側、ピンクのほうは給気ダク

トでございますので、このダクトから当該階に空気を噴き出す側だというふうにご覧ください。それで

4階のほう、まず左側のほうにピンクのダクトがございますけど、このダクトは給気のダクトでござい

まして、3階からの空気をこの4階に噴き出しているダクトでございます。これは5階への接続はあり

ませんので、5階に行っているルートはございません。 (鈴木委員) ちょっと今の説明がわからなかったのだけど、これは3階からこっちへ空気を持ってきて、4階へ噴

き出しているのですか。 (東京電力:増井) そうです。 (鈴木委員) そういう意味ですね。この小さい粒々はここから噴き出ますよということですね。 (東京電力:増井) 粒々というか突起みたいなのがあると思うのです。これですね。これは突起が噴き出し口になってい

まして、という状況でございます。先に給気のほうだけご説明しますけど、今度は北東の側にも給気の

ダクトがございます。 (田中委員) すいません。今の粒々は噴き出し口なのですか。この横の説明を見ると接続口と書いてありますよ。 (東京電力:増井) 四角く青く囲まれているここは接続口なのですけど、今私が申しました突起物というのはこの上に出

っ張りがありますよね。この下のほうにも出っ張りがこの辺にも、この辺にもあるので、これは噴き出

し口です。 (田中委員) あれか。そこが噴き出し口ね。 (東京電力:増井) 4階の北東側の給気ダクトでございますけども、これは3階から4階に上がってきて、4階からこの

方向に流れて5階に上がっていくというダクトでございます。したがいまして、この給気のダクトは5

階に繋がっています。このダクトを追っかけていきますと下の12ページの北東のところに青い点線で

囲っているこの接続口がありまして、これが建屋を北方向、西方向にぐるりと取り囲むような形で空気

を供給しているというのが給気ダクトの大体の概要でございます。

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(鈴木委員) ちょっとごめんなさい。11ページがよくわからなかった。ここは5階に繋がっていくわけですよね。 (東京電力:増井) さようです。 (鈴木委員) これは給気ですよね。 (東京電力:増井) 給気です。 (鈴木委員) こういうところから空気が出ていくわけですね。 (東京電力:増井) はい。 (鈴木委員) 3階から空気を引っ張ってきて、4階と5階へ給気をしていると。そういう意味ですか。 (東京電力:増井) はい、そうです。 (鈴木委員) わかりました。すいません。ありがとうございます。 (東京電力:増井) 次に排気のほうのダクト、黄色いものでございますけれども、まず11ページの左側にあるものでご

ざいますけれども、これはルートでいきますと、まず5階から排気をしています。5階から排気があっ

て、この流れでずっとたどっていきまして、中途で原子炉のウェルのところに2番3番4番というふう

に打っておりますけど、これは原子炉のウェルに換気口というかダクトが繋がっていて、ここから吸い

込んだものを排気するというようなものでございます。それを断面で表しているのがこの右側の2枚の

断面でございます。これは吸い込んだものに対しましてはフィルタを通りまして、そのあと3階に下り

ていくという構造になっています。 (鈴木委員) 今の説明よくわからない。ここで吸い込むわけではないのでしょ。

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(東京電力:増井) ここの②番がこちらで言うところの②番に相当していて、原子炉のウェルのスペースのところに吸い

込み口があって、ここから吸い込むものです。 (田中委員) この下の絵がよくわからないのだけれど。②と③はなぜ離れているのですか。 (東京電力:増井) これは、 (田中委員) こっちの絵で見るとくっ付いていますよね。 (東京電力:増井) この断面は北南で切った断面なので、ここはDSピットいって定検中に大型機器を置いているところ

なのです。ここをスーッと北から南に切った断面がこのような姿になります。②番がより北側に付いて

いて、③番が少し南側に付いているという、そういう形になります。 (田中委員) 炉の断面で切った絵ですね。あれ。炉の中心だもの。

(東京電力:増井) はい、さようでございます。 (田中委員) ここにAA断面とかBB断面とか破線を入れていただけるといいのですけどね。 (東京電力:増井) はい、わかりました。 (田中委員) ウェルの中にとおっしゃったけど、あれはウェルの外じゃないですか。④番などは。 (東京電力:増井) これは中、内側から吸い込むものですね。ウェルというのはこの空間のことを今指しています。私。 (田中委員) ああ、そのウェル。ドライウェルじゃなくてね。

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(東京電力:増井) あっ、すいません。ドライウェルじゃなくて原子炉ウェルです。定検のときに水を張る箇所でござい

ます。東側のダクトが2本走っていると思うのですけど、これらは双方5階から来ております。ちょっ

とここは非常に輻輳しているのですけど、2つに分かれています。より東側のこの線を見ていただきた

いのですけど、この線は先ほどの②番③番④番のちょうど反対側にある②´③´④´という、これは同

じように原子炉のウェルの中から空気を吸い出すところなのですけど、これと繋がるような形で、これ

はフィルタを最終的に通って、排風機を通って3階のほうに下りていく形になります。5階から分岐し

ているもう1つのラインはSLC室に入った時に一番最初にご覧いただいたダクトで、少し膨れ上がっ

ているネットに観測いただいたと思うのですけど、ここのダクトはずっと繋がっていまして、これはそ

のまま3階のほうに出ていくという形になります。これはちょっと申し忘れましたけど、②番③番④番

への①番というのがございまして、これがドライヤセパレータピットと申しまして点検時に大型機器を

置いておいて水張をするところなのですけど、ここにも換気口があってここを吸い出しているというよ

うな状態になっています。12ページ目に行っていただきますと、先ほどは給気側を説明しましたので

排気のダクトなのですけど、排気に関しましては2か所4階に下りているところがありまして、ここと

南から北に立ち上がっている、南から東の壁を通って北に立ち上がっているというところになっている

というのが大体の概要でございます。以上です。 (田中委員) 燃料プールの問題になっている、燃料プールの上のほうに開口部があって、20幾つありますよね。

あれとは昔は繋がっていたのですか、これ。 (東京電力:増井) はい。以前は繋がっておりました。以前は繋がっておりまして、11ページ目で言いますと、この辺

溢水防止チャンバがあったと思うのですけど、ここで繋がってそれが抜けるような形になっていたので

すけど、中越沖地震ないしは宮城県の地震の時に水漏れが少しあったということで、このプールとダク

トとこの本ダクトを縁切りすべきだということでそこを切断するような工事を行いました。 (鈴木委員) ちょっと質問ですけど、このラインは、このSLCで見た時の大きな床にはっていたこのラインなの

ですが、これはずっとただここをはって3階のほうに、これは排風機ですよね。 (東京電力:増井) この絵は見にくいのですけど、こっちのラインは排風機は通らずにそのまま3階に下りているとこで

す。 (鈴木委員) じゃあ、ここのラインは何ですか。 (東京電力:増井)

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このラインはこっちの東側のものをずっとたどっていくと、まずフィルタを通ってから排風機に行く

ような、そういう設計になっています。 (鈴木委員) そうですか。わかりました。そうするとちょうどこのSLCラインのところにあったやつは4階から

は何も排気をせずにそのまま3階へ下りていくと。3階へ伝わってくというだけのラインなのですね。 (東京電力:増井) そうですね。4階からはおそらく排気はしていないと思います。このラインは。 (鈴木委員) はい、わかりました。そうすると4階から排気する場合はどこから排気しているわけですか。 (東京電力:増井) 4階のこのあたりは、より東側にあるところに出っ張りがあったと。ちょっと見にくいかもしれませ

んけどこの辺りは確かあったと思いますので、2本走っているのだけれど、片方から排気をして、それ

をフィルタで濾し取っているという形になっています。 (鈴木委員) じゃあ、こっちの空間は排気は何もしないで給気だけと。 (東京電力:増井) そちらですか。こちらの排気もここに吸い出し口がありますので、FCSの南のあたりですね。 (鈴木委員) じゃあ、ここだけから排気していると。 (東京電力:増井) はい。 (鈴木委員) そうですか。これだけの空間があってもここだけなのですね。 (東京電力:増井) はい、図面上そのようになっています。 (田中委員) ちょっと1ついいですか。爆発との関係で5階がガスの流入口になる可能性が高いわけですよね。そ

れでいいですよね。それで結局、これからビデオで見ると思いますけど、4階は黄色い、この絵で言う

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と左側の黄色いラインがめちゃくちゃになっているわけだけども、それは東京電力さんとしてはジブク

レーンの近く、ハッチの近く、そこから入ったものがお祭りである風船、フッとやるとビャーって行く

のがあるじゃないですか、あれと同じようにしてこれが暴れたという、そういう認識でいいですか。 (東京電力:増井) これは5階に繋がっていますので、やはり5階の爆風の影響を受けて、内圧が上がって大きくダクト

が破損した可能性が高いのではないかと思っています。 (田中委員) そうすると、この絵で言うと下から、南側から北側へ向けて風が抜けたという認識ですか。 (東京電力:増井) はい。ただこれは両方見ていただきたいのですが、このフロア自体ここも、5階そのものではないの

ですけど、ピットのところですとか、必ずしもこれ直接5階に繋がっていて、ここからはある程度入っ

てきたと思うのですけど、ここも上の空間に繋がっているわけですので、5階の空間に繋がっているの

で、こう入ってきた可能性もあるかなと思います。前回の技術委員会の中でちょっと写真でご説明した

のですけど、このダクト自体がどうも北から南に少し移動しているように吊り部の写真が見えるのがご

ざいまして、そういった少しこっちからも入ってくるし、こっちからも入ってくるような状態であって、

どちらが先でどちらがあとで、または両方から入ってきたのか、片側から入ってきたのかというのもよ

くわからない。 (田中委員) 認識としてはここら辺が切れてしまっている。落っこちてしまっている。 (東京電力:増井) 落っこちているのが写真で確認できるのがここのあたりだったと記憶しています。ここに田中委員ご

指摘の上下方向に潰れたダクトがありまして、その相方が外れて落ちているというのが写真で確認いた

だけると。 (田中委員) これ全体に爆風がもし、こことか、こことか、衝突するような形で入ってくるにしても、実際こっち

は膨らんでいましたね。爆風が通ったようにして。 (東京電力:増井) こっちは少なくともここの、最初にSLC室に入る際の左手に確認できたダクトについては膨れが確

認できたと思っています。 (田中委員) こっちは潰れていますよね。膨らみがほとんどない。全部こういうふうに潰れた格好の形、一番極端

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なのがここら辺にベタンと切れて、下から潰れたような格好になっています。上辺と下辺がペチャンコ

に潰れている格好ですね。 (東京電力:増井) 全部が全部外から…、確かにこの辺りにひしゃげているダクトがあったというのは我々も写真に確認

しておりますけど、全部が全部ひしゃげていたかどうかというところまでは確認取れておりませんが。 (田中委員) この辺ですね。これトイレですか。確かトイレだと思いますね。 (東京電力:増井) はい、そのあたりは管理区域用のトイレがございました。 (田中委員) この辺り、こういうふうに膨らまないで潰れているのがあとで見れる、確認できると思うけれど。こ

っちは頑丈なダクトを使っていますよね。見たところ。それは目だけの話ですか。立派な板を、鉄を使

って、こっちは何か安っぽいブリキ板みたいな感じがするのですけど。 (東京電力:増井) ちょっとダクトの材質については今回調べていないのですけど、そんなに…。 (田中委員) それで、同じのが、これが、このライン、写真を見るとこのラインが、13ページ④ですね。④が2

つあるな。右上ですね。 (東京電力:増井) 今ご指摘になったセパレータピットから離れているところは、 (田中委員) これですか。これはこっちと同じような材料に見える。 (東京電力:増井) ④番のほうを見ていただくのがいいかな。ここが繋がり口になっていて、ここはダクトが脱落してい

て、下に落ちていくということです。 (田中委員) これもダクトでしょ。 (東京電力:増井)

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そのダクトはこのダクトだと思いますけど。 (田中委員) これですか。 (東京電力:増井) ええ。この位置から撮っている。この位置というか、タンクの東側から撮っている写真だと思います。 (田中委員) これが何で無事でいるのかということはどういう見解ですか。 (東京電力:増井) 個々のダクトのちょっと正直爆発が起こって、このエリアは比較的内圧の影響が強かったかと思いま

すけど、他のエリアだと内圧もあるし外圧もある。また爆発がトータルに正圧もあるし負圧もあり得る

ということで、なかなか個別のここのダクトがなぜ健全で、ここはどうなのだというところまで十分な

説明はちょっと私ども現時点で持ち合わせていないという状況でございます。 (田中委員) それはそれでいいのですけど、ここのダクトは全体的に外圧を受けた潰れ方をしているということは

否定のしようがないと思うのです。あとでビデオ見れば、写真を見ればわかるのですけど。しかもここ

は脱落というか落っこちてますね。こんなことが、それでですね…。 (東京電力:増井) ちょっとよろしければ14ページ、これでいのか。すいません、失礼しました。この写真で例えば2

ページ目なんかを見ていただきますと、2枚目の写真ですね。②と書いてあるところ、これはダクトが

大きく破損していて、ここに該当するわけなのですけど、これは見ていただきますと、私の目にはどち

らかというと内圧を受けて爆発を受けている、爆発というか破損をしているように見受けられます。 (田中委員) これはもう、ちょっとわからないですけどの。ここに東京電力さんの説明で言うと、ここから入って

きたものでやられているのだという話をされていますよね。盛んに。それは、ここは別なのですか。 (東京電力:増井) 機器ハッチの近くのエリアが、全般的に損傷状況が大きい。この理由については5階の爆発ないし爆

風の影響を受けたものだろうと思っていますけれども、個別のダクトについてというわけではなくて、

全般的な例えば保温材の剥がれですとか、その他のいろんなものの散乱状況、こういったものが爆風の

影響だというふうに考えています。 (田中委員)

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ここに鉄筋が丸見えになっている、要するにコンクリートが脱落して鉄筋が見えているのです。それ

はここですね。天井です。5階の天井。それからここもそうですけど、これは梁ですが、梁のこっちを

見るとここら辺が、鉄骨が丸見えになっている。これは脱落している。このダクトの潰れ方というのは

どうしても上下方向のインパクトを受けているようにしか僕には見えない。ここですよね。全体的な損

傷を見ると、これが保温材がやられた、やられたとおっしゃっているけれど、こっちのほうが激しいの

です。この鏡、この鏡のめくれ方というのはこっちが激しくて、これはまあ僕が勝手にそう見るからか

もしれないけれど、こっちからこっちへ向かってスーッと、こっちのほうが少ないですよね、剥げが。

剥げ方が。脱落が。この辺に何かあったような気がしてしょうがないのです。これですね。まさにここ、

ここも剥げているし。 (東京電力:増井) まず1点目のコンクリートの一部鉄骨が見えているという件ですけど、これはちょっとにわかにはわ

かりませんけど、例えば5階の屋根が爆発で落ちきていて、衝撃で剥がれたことも考えられるかなと思

います。または…、最後まで説明させていただいてよろしいですか。その他爆発があった時に随伴する

瓦礫等がぶつかったという可能性もあるかと思っています。ここがペッタンコになっているというのは、

ぜひ後程緒方先生、ご意見があればお伺いしたいところなのですけど、いろんな可能性があるかなと思

いまして、1つは片側にもう1つダクトがありまして、ここは切断されていますので、ダクトはブチッ

と切れた時に、爆風で切れた時に、その影響を受けてペッチャンコになった可能性があるのではないか

というふうに考えています。 (田中委員) その爆風はどこから来たものですか。 (東京電力:増井) そのダクトの中の可能性もありますよね。もう一方、ここで爆発が起こったというふうにもし仮定を

いたしますと、ここら辺のもう少し何というか、爆発の影響というのが広範囲に確認されるはずなので

はないかなというふうにも思っているところです。いずれにしてもここは少し私ども解釈に悩んでいる

ところで、1つダクトの中の負圧になって潰れた可能性もあるのでないかというふうにも思っていると

ころですけど、もしよろしければご意見をいただければと思います。 (田中委員) ちょっと、いただく前に1つ、局所的に僕はここで爆破が起きていると断言しているわけでもなんで

もなくて、ここの惨状が4階から5階からの爆風でやられた、ここですね。何でもかんでも、要するに、

今の東京電力さんの最終事故報告書というのは、この辺は5階からの爆風でやられたというふうにおっ

しゃっている。その話でいうと、こういう話はうまく説明できないでしょ、という事を言っているわけ

です。爆心地という言い方が正しいかわからないけど、爆発の状況というか、こういうようなものがど

うして東京電力さんの論理でこういうことが起こるのかという事を今問題にしているわけです。僕はこ

こら辺に何か起きたのであろうかと思うけども、ここだけで爆発がドンッと起きたという事を言おうと

している、局所的に何か起こるはずがないという言い方が東京電力さんの資料に書いてあるので、私は

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別にここだけで爆発が起きたとか、必ずしも主張しているわけではない。ちなみにこの場所が水または

蒸気が地震直後に目撃された場所、まさにここですよね。この真下あたり。ここから1mも離れないあ

たりから水漏れというのが起きているということです。その問題は片付いたという考え方もあるかもし

れないけれど、こういう惨状で非常に接近したところで起きている。それからここにIC配管の、あと

でご説明があると思うけれど、ICの蒸気が絶えず流れている細い配管がある。そこのところの保温材

が内側から取れ、吹き飛んでいるように見える。だから何かここ辺りに注目しなければならないことが

あるのではないかという事を言っているのです。それだけです。 (東京電力:増井) ダクトのへこみという事について少し調べてみたのですけど、我々ではなくて規制庁の御一行様が4

号機の給排気ダクトを非常に詳しく調べている資料がございます。規制庁さんのWEBページに載って

ございますけど、それを見ると4号機の原子炉建屋の1階、爆発は4階で起こったとされていますけど、

そこから3階2階をはらんだ1階でございます。1階のダクトにもやはり、あそこまでではないですけ

ど、相当給気ダクトが凹んだような写真がホームページに掲載されてございまして、爆発が起こった時

にダクトが負圧になるか、もしくは外圧なのかわかりませんけど、ダクトが凹むというのが少しよくあ

ることなのかどうなのかというのをぜひ専門的な知見でお伺いしたいと考えているしだいです。 (オブザーバー:緒方) 先ほどあったように、爆発が1箇所で起きたというわけではなくて、やはりどうしても爆発が伝播し

ていっていろんなところで起きているのだと考えた方が一般的だと思います。たぶん、よく私は現物を

見ていないので何とも言えなのですが、凹んでいるということは圧力の差が内と外で起きたというのは

事実でして、1つの現象は先ほど言われたように、中でもし爆発が起きたとしたら、それが急激に冷え

ると負圧になります。当然建物の1階で爆発が起きてその影響で周りのガラスが割れることもあるので

すけど、一般に考えると横の部屋は内側に飛ぶような気がするのですけど、実際見てみると外側に飛ん

でいることがあります。これは当然負圧になってガラスが飛んでいくという現象もありますので、これ

もちょっと状況をよく見ないとわからないのですが、少なくとも内側のほうの圧力が外側よりも小さか

ったというのは間違いない現象でして、ただこれを見ると上下方向でペシャンコになっていますので、

他のほうも見ないとよくわからないのですけど、考え方としては、そこのほうでたぶん何かでもし爆発

が起きたとしたら、負圧になって潰れたのかなという気がしますけど、他の部分があまり潰れていなの

でよくわからないのですが、現象としては多分圧力の差が。ただ圧力の差も思ったほどなくても凹むと

いう事は起きます。それはなぜかというと、面積で受けますとどうしてもすごい荷重になっていきます

ので、わずかな圧力の差でもこういう現象が起きるという事だけお伝えしておきます。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今ほど県の資料の1番でいきますと、先ほど田中先生からモルタルの話まで行きますと、3番のとこ

ろぐらいまで議論が先に進んでいますので、まずここの部分まで映像をご覧いただきたいと思います。

映像が流れている中で先生コメントがありましたらその段階で割り込んでいただければ映像を止めま

すので、そういった…。

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(田中委員) 1つだけ映像を見る前に、要するに映像に剥げて鉄筋がビームですね、RCですけど、鉄筋が丸見え

になっているとか、こういうところが剥げている。鉄筋が見えている。そういう事で東京電力さんのほ

うに4階の天井が5階の床ですので、そこのスラブがどういう厚みを持っているのかということが東京

電力さんの資料の9ページにありますので、それをちょっと確認だけしておきたいと思いますが、北側

でドーンと落っこちたという激しい、ここですね、ここら辺がもう歩けないぐらいの瓦礫で床が確かに

落っこちてきている。階段もむき出しに引っ張り込まれているというような、そんな感じがある。だけ

どそれが上からの圧力でやられたのか、下からの爆発でやられたのかわかりませんけど、とにかく落っ

こちてる。そこのスラブは700㎜ということで一番厚いのです。これはよろしいですね。一番厚いと

ころが落下したということですね。800㎜ですね、もう1つある。ここら辺ですね。問題になってい

る箇所がここです。450㎜とか、こっちは400㎜と薄いけど、天井を見たところ、ここのSLCの

上の天井はほとんど何もなかったと思うけど、そういうふうに一応こういうスラブが、厚みがこういう

格好で報告されているということを前提にちょっと写真を。 (東京電力:増井) すいません1つ確認ですけど、ここは確かに700㎜になっていますけど、むしろ4階に大きな影響

を与えたのはここというよりは、ここの400㎜のこのあたりだと考えています。じゃあ、なぜここが

崩れたのかという事に関しましては、全体の面で見ますと、ここに階段がありまして尚且つここにエレ

ベーターがありますので、ここが開口部に近い形になっています。したがいましてこのあたりが若干剛

性的に弱かったのではないかということで、700㎜のところが何か特異的に落ちているという、そう

いう状況ではなくて、むしろ400㎜のほうだと我々は認識してございます。以上です。 (鈴木委員) ここは何ですか。これ。 (東京電力:増井) そこはですね、下にタンクがあって、これはコンクリート製のハッチ…と言ってはいけない、蓋とい

うかコンクリート製の蓋です。 (鈴木委員) じゃあ、ここは床から立っている建物であって、これは天井を支えているわけではないのですね。 (東京電力:増井) はい。支えているわけではありません。 (田中委員) あれは建設時の蓋ですか。そうすると。建設時はオープンだったということ。開口…。 (東京電力:増井)

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いや、建設時からあったというふうに認識しています。ここの今 。 (田中委員) これと同じでしょ。これなんかそうですよね。あとから閉めていますよね。溶接で周りをこうやって

いるのだと思う。 (東京電力:増井) ここは少しタンクの確か点検用だったと思いますので、ちょっと別なのですけども。 (田中委員) これは、じゃあ、蓋みたいなものですか。 (東京電力:増井) 蓋みたいなものです。 (田中委員) これ、溶接かどうかわからないけど、これ…。 (東京電力:増井) 溶接というか、吊り上げられるものだと思います。 (田中委員) 吊り上げられるの。くっ付いているのですか。 (東京電力:増井) はい。

(田中委員) くっ付いている。今はこれありますか。 (東京電力:増井) これは5階にあるものなので確認が難しい状態です。 (田中委員) いや、光が差しているかどうかという。 (東京電力:増井) ちょっとそれもよくわからない状態です。

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(田中委員) この辺明るいですよね。中ね。 (東京電力:増井) そうですね。ここは…5階ですよね。 (田中委員) 5階だから、4階の天井でしょ。 (東京電力:増井) これ5階なので、今先生がおっしゃっているのは、この下に該当する4階が他の場所に比べて少し明

るいのではないかという事だと思うのですけど。 (田中委員) これ5階の床でしょ。 (東京電力:増井) 5階の床です。 (田中委員) だから4階の天井でしょ。

(東京電力:増井) 4階の天井です。 (田中委員) だからこれが抜けてれば明るいでしょと。違うのですか。

(東京電力:大泉) 後ろから失礼いたします。映像を見る限りですと、天井が開いていまして、光が入ってくるといった

エリアはここら辺になっておりまして、ちょっとこのあたりですと光が入ってきているような様子は見

えておりません。先ほどのここらへんに関しましても天井は健全であると思っておりまして、14ペー

ジの④番の写真なのですが、これのエリアがちょうどこの700㎜のあたりになっておりまして、こち

らが排風機のフィルタユニットになりますけど、形が残っておりますので、こちらの天井については落

ちていない状況であるといった状況でした。 (鈴木委員) 緒方先生にお聞きしますが、今、東電さんのご説明ですと、この辺の天井が壊れていると。一番激し

く壊れているというご説明でしたけど、我々の目から見るとこの辺が一番壊れているというふうに見え

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てしまうのですが、いずれにしろ、この辺の天井が壊れていることは間違いないわけで、そうすると5

階のこの空間で爆発したときに、ごく素朴に考えて、この辺で一番爆発が高かったというふうに考える

と、その程度の、ここら辺が一番爆発が高くて、この辺は弱かったと、その程度の爆発の分布というの

は生じるものなのでしょうか。 (オブザーバー:緒方) あまりよくわからないのですけど、基本的にはガスの爆発でこれくらい厚いコンクリートだと、たぶ

んそれで壊れるということは非常に考えにくいのではないかとは思います。多分やはりどうしても表面

が剥げているということですので、上からそういう衝撃が掛かってスポールが起きたのかなというのが

一番考え方が近いとは思いますけど、ちょっと現場をよく見てないので何とも言えなのですけど、たぶ

んそこが壊れるような圧力ですとたぶん横のほうまでかなり壊れている…。 (鈴木委員) 横は壊れています。スポンと。壁はやられていますけど。 (オブザーバー:緒方) 他のものも多分壊れるぐらいの力になるのではないかと思うのですけど。だからどうしても4階でも

し爆発が起きたら、圧力が上がる、いわゆる圧縮の波になるはずなのですね。コンクリートはどうして

も引っ張りとかに弱いので、そういう意味では多分持つだろうと思うのです。ガスの爆発に対して。 (鈴木委員) それはもちろんそうなのですけど、私は質問しているのは、5階の空間で爆発が起きた場合に、この

辺がやられるという程度の爆発の分布というのはあるのでしょうか。 (オブザーバー:緒方) どういう爆発の分布があったかというのはよくわからないのですけど、ただ全体的にこの空間で爆発

しているとすると、そこだけが壊れるというのは非常に考えにくいのではないかとは思います。 (鈴木委員) このA3判のやつ見せてもらえますか。 (田中委員) ちょっと前提が狂ってきた議論になっているのが困るので、1つ確認しておかなければいけないのは、

4階で爆発したか5階で爆発したかという二者択一の議論をしようとしているのではなくて、5階で起

きたことは間違いないわけです。だからその影響は必ず出ているのです。それが出たからといって4階

が起きなかったかという話にはならないので、だから4階で起きていないという、私はその一番カギを

握るのはやはり大物搬入口の蓋の問題と雨垂れの問題があって、そう考えるほうが4階が起点になって

ないですか、という問題です。だからこれは5階で爆発した跡だとか、これは4階で爆発の跡だという

のを仕分けしたいとは、最初に増井さんがおっしゃったように、どっちもどっちで、同じ結果になりう

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るのではないかという話なので、その辺はちょっと議論の中でお互いに注意していきたいなと思います。 (鈴木委員) もちろんわかります。私はちょっと脇道それているのだけれど、それはわかっているのですけど、こ

の写真ちょっと大きくできませんか。いいです。次行ってください。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今の部分、たぶん後程ビデオの映像でも同じ場所を映したところが出てくると思いますので、ちょっ

と話が先のほうに進んでしまいましたけど、ダクトのところに戻りまして映像の確認をしたいと思いま

す。じゃあ、映像のほうを流しますけれど、先生のほうコメントあったら止めてください。お願いしま

す。

【 動画再生中 】 (田中委員) ちょっと止めてください。ここの真下に水垂れがありましたよね。水の溜まりが。それは前回の技術

委員会でも、水溜りがありましたよね。SLC入って。 (東京電力:増井) ここというよりは、この部屋に入ってくるまでの通路に水溜りがありました。 (田中委員) SLCのところ、階段上がって、細い空間に入る。あれは何だったのですか。 (東京電力:増井) 雨水だというふうに思っています。 (田中委員) どこから。 (東京電力:増井) 雨水ですから、建屋、普通に雨が降ってきて侵入してきたものだと思っています。 (田中委員) だって4階のこの上、天井やられてないでしょ。 (東京電力:増井) なんですけど、実際、この間現場に入っていただいた3日前だったと記憶してございますけれど、事

前にこの部屋の放射線量を計測するためのサーベイを行っています。その際サーベイに立ち入った者に

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聞いたところ、当日雨が降ってございまして、このあたりは水滴がポチャポチャ落ちてくるような状態

だったという事なので、侵入経路を特定するのは難しいのですけど、雨が降った時に雨がこの辺に垂れ

てくるような、そのようなことはできていると認識してございます。 (田中委員) ということは、この上あたりの天井がやられているということですか。5階の床がやられているとい

うことですか。 (東京電力:増井) ちょっとそこまで短絡的に、ここで雨漏りがあるからこの上がすぐやられているということよりは、

いろいろ回り込みとかも多分あると思いますので、ちょっとここで雨漏りがあったからこの上という形

ではないかなと認識しております。 (田中委員) 回り込んだって全然離れたところから回り込んでくることもないので、基本的には上に近いところで

しょ。平らな構造物ですから。爆発がなければ。それはわからないという事ですね。 (東京電力:増井) 侵入経路というか、このあたりで雨垂れが起こっている経路についてはちょっと十分に明確な説明と

いうのは付きがたい状態になっています。 (田中委員) ちょっとまた後でいいですけど、これが何か実物を見てもすごく強度が高そうな作りになってるので

すよ。材料も違うのかなとか、あっちの空中の上にぶら下がっていたのは距離が遠いから小さく見えた

のかなとも思うのだけれど、構造とか作りなどはちょっと違うのかどうか、それはあとで教えて下さい。 (東京電力:増井) はい、確認いたします。 (事務局:市川原子力安全広報監) それでは映像を進めます。

【 動画再生中 】 (田中委員) ごめんなさい、もう1つ気になるのですが、ここと今SLCからグレーチングがありましたね。映っ

てなかったのですけど、それはカットされているのだけれど、この間もちょっと技術委員会で質問した

のですが、あそこにある弁のハンドルみたいなのがグレーチングの上にあったのです。割合大きいもの

がちょうど中間点に転がっていました。あれは何だったのですか。

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(東京電力:増井) その後調べましたけれどもどこから来たものかという事の同定には至っておりません。 (田中委員) あれは弁のハンドルですか。 (東京電力:増井) そこも含め道程が少し困難な状態です。 (鈴木委員) ちょっとそれって、あれだけのハンドルがあるのだったらでるでしょう。違いますか。弁以外にない

じゃないですか。 (田中委員) これぐらいですよね。見たところ。重そうですよね。あれが風で飛んでくるとかというふうにも思え

ないけど。あのビデオはないのですか、今。ちょうどこことここの、いきなり南西部に入ってしまった

ので。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今戻します。 (田中委員) このグレーチングの幅というのは確か図面上3mだったかな。そんなになかったでしょうか。1m8

0か忘れちゃったけど、調べたんです。あれでいくと4、50㎝のものですよね。重たそうですよね、

見たところ。あんなものがどこから飛んでくるのか。この真上はコンクリートなのですよね。無い。4

階の部品で、南西側の部品ではないですよね。 (東京電力:増井) わからないです。 (田中委員) わからない…。でもわかるでしょ。その気になれば。ここがもぎ取れている。明らかに。あれっ、こ

れ違った。誰かここに運んできたということはあるのですか。 (鈴木委員) これ、ステムが1本ちょん切れているのでは。 (藤澤委員)

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ダクトには弁は付いてないのですよね。 (東京電力:増井) ダクトには付いてなくもないのですけど、普通は付いてないというか、大体はダンパを使いますので。 (田中委員) わからない。お調べになったのですか。 (東京電力:増井) はい、可能な範囲調べました。 (田中委員) まあ、はい、結構です。 (事務局:市川原子力安全広報監) それでは先ほどのところに戻して進めたいと思います。

【 動画再生中 】 (田中委員) ここの、ここがこういうふうになって空気が…、さっき緒方先生がおっしゃったのは、この中を空気

が通って負圧になって潰れるという意味でらっしゃる。 (オブザーバー:緒方) いや、中で爆発が起きて、冷えて…。 (田中委員) 中というのはどこですか。 (オブザーバー:緒方) ダクトの中です。 (田中委員) ダクトの中で爆発。 (オブザーバー:緒方) が、起きた可能性もあると。こちらの方は逆に…。

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(田中委員) ダクトの中で何が起きた。なぜ。 (オブザーバー:緒方) 水素と酸素が入って着火して、着火が伝わってきたと。 (田中委員) それでここが負圧になって潰れるということですか。それであとちょっと気になるのは、ここにその

問題になるかならないかともかく、ICの非常用復水器系の配管が、細いのが1つあるのです。ここの

断熱材と金属カバーが全部なくなって露出してしまっているのです。ある長さの。それが外側からの爆

風でやられたのかどうかわからないけど、とりあえずないと。剥離してしまっていると。剥離した原因

は外側からの風か何かを受けて、爆風か何かを受けて、それで抜けてしまったという事もあるかもしれ

ない。内側の何か細い、よく配管などが損傷すると断熱材やそこらへんがすっ飛びますので、その形態

かもしれない。その参考になるものとして、ここに電気系の、これは電気線が入っているのですね。い

いですよね。この配管が無傷なのです。これの強度を知りたいので、これはどれくらいの寸法でどうい

う材料なのですか。こっちは何もやられてない。 (東京電力:増井) 今無傷とおっしゃっているのは保温材の剥がれがないということでしょうか。 (田中委員) これ、保温材なんか持っていますか。 (東京電力:増井) 持っていません。 (田中委員) 持っていないでしょ。 (東京電力:増井) だから無傷とおっしゃったことの言葉を明確にしたかったのですけど。 (田中委員) 要するに曲がったり折れたり、そういう現象がなくて、整然としていますよね。これが風で吹っ飛ば

されるのだとすると、この辺がやられないで済んでいるということは、ちょっと2つが違う強度を持っ

ているからなのか。 (東京電力:増井) ちょっと仕様を調べたわけではないのですけど、一般的には電線管というのは鉄に亜鉛のメッキをし

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たようなものが使われていることが多いというふうに聞いています。ですから外側が金属です。一方ベ

ント管のほうです。上のほうは炭素鋼に対しておそらく炭酸カルシウム系の保温材が巻いてあって、外

に金属製のカバーがしてる状態ですので、何かの爆風ないしやそれ以外に外圧が掛かった時に、一般的

に申し上げて保温材のほうがやはり取れやすいのではないかということで、私どもとしてはこの現状の

状態に対してあまり違和感がないというか、そんなに不思議ではないかなと思います。 (田中委員) あれはちなみにどのくらいの大きさなのかちょっと、肉厚とか、教えてくれませんか。 (東京電力:増井) ちょっと調べられるかどうかも含めまして、持ち帰って検討します。 (田中委員) 秘密のものではないでしょうか。 (東京電力:増井) 秘密というわけではないですけど、ちょっとこういうものがどこまで情報が残っているかとか、探索

できるかというのもございますので、少し確認させていただきたいと思います。

【 動画再生中 】 (田中委員) これで、こっちのこれ、非常用復水器BタンクAタンクと南北に通路を通って並んでますけど、直径

が4m近いのですけど、そこの保温材がこっち側はほとんど全部剥げてしまっている。あとで出てくる

と思うのですけど、それに対してこっち側のある保温材は上の3分の1ぐらい、全体的に俯瞰してみる

と、何かまたそう言うとそれは考えにくいとおっしゃるかもしれないけど、全体として風というか勢い

がこういう方向に行って、それでバーッと向いているように僕は見えてならない。ちょうどその上に今

の潰れたところがあるので、何かそこら辺の因果関係というのはあるのかないのか、ちょっとご意見を

いただけたらと思いますけど。あとでいいです。ちょっと見て。

【 動画再生中 】 (田中委員) これですね。 (藤澤委員) 今のは出口に相当していますか。 (田中委員)

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そうですね。出口。大物搬入口の近くです。 (藤澤委員) あれが先ほどの…。これですね。 (田中委員) そうです。ここのところが今見えています。 (藤澤委員) 排気ダクト。 (田中委員) 排気ダクトが潰れていたところです。 (藤澤委員) ちょっと見えていたところがここで、出口というのが…。

【 動画再生中 】 (田中委員) これがちょうど 鏡の真上あたりですね。ここから先は切れてるでいいですね。 (東京電力:増井) 今ちょっと片側が映りましたけど、この外れた側がちょっと脱落しているという。 (田中委員) この写真で言うと、これが南側の壁のところだと思います。ここら辺を拡大するとこの辺が見えてい

ます。これはさっき言ったペチャンコに潰れた。この辺です。これが5階のスラブが上で圧力を受けて

テンション側にあって、コンクリートが剥離して落っこちて鉄筋が見えていると考えるのが正しいのか、

それならそれでけっこうなのですけど、そういうことが起きたのかどうか。もう1つ写真を送ってくだ

さい。これが潰れたところですが、ここに、これはちょっと鮮明ではないですが、ここのところに梁…

ですね。 (鈴木委員) その次の写真が鮮明。 (田中委員) これですね。これ梁なのです。これは上からの圧力でこっち側がこういうふうにベンディングがかか

るとここら辺がこういうふうに剥げるのかどうかわかりませんけど、あそこにも鉄骨が見えると。そこ

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が何かすごく特異的な変形をしているように私には見えてしょうがない。ご意見をいただければ。 (藤澤委員) ちょっとよろしいですか。今のこの写真ですけど、この写真と11ページのほうのこの排気ダクトが

ございまして、これは二次元的に書いてありますけど、もしかすると三次元的に高さ方向に、平面では

ないような気がするのですが、どうでしょうか。要するに、こうなっていて、こうなっていて、こうな

るとか。 (東京電力:増井) このダクトはあくまで平面で書いているので、中には当然、特に3階へと書いてあるところは当然3

階から上に上がっています。立体的な構造にはなっています。 (藤澤委員) だから高さ方向の情報はここから抜けているので、ちょっと推定しがたいのですけど、ここの今ぶつ

ぶつの写真を見ると、相当、こういうふうに来たものがこういうふうに曲がったりして行っているので

すよね。そうするとこれは最初どこかで内部で爆発という事もありますけど、結構速い速度で爆風が流

れて行って、それで耐え切れないところまで行ったところで破裂すると。破裂した後は速度が増速しま

すから負圧が出ますよね。それでグッとこういうふうに圧縮された状態になるのではないでしょうか。 (東京電力:増井) 今先生がおっしゃっているのは、これ結局ここでペッチャンコになっている側のこっち側5階に繋が

っているので、ここが特にここで抜けちゃうとここが負圧になってペッチャンコになっている可能性が

あるのではないか。 (藤澤委員) そう。ずっともう1つのほうは耐えたままだったので膨らんだままなのですよ。そのあと今度は抜け

てしまったから相当の負荷が取れますから、その段階で急激に速度が増えて、速度が増えると圧力が下

がって、それで今みたいな状態になる。もしそういう事だとすると、結構速い速度でここ流れて行って、

しかもここのところ三次元的にグニャグニャグニャですから、相当ロスは大きいですよね。だからこっ

ち側のほうから風が出てくるようなことにはならないのでしょうかね。そうするとこのABとか、ここ

に書いてあるタンクなども相当表面を飛ばされているのとも合いますよね。という気がちょっとしまし

た。推測ですから何とも言えませんけど。 (東京電力:増井) 1つだけ確認のためですけど、確かに平面図なので平面で書いてございますけど、今ご指摘いただい

ているあたりについてあまり高さは変わってなくて、割と天井に、5階から降りてくるとずっと直線で

きて、排風機のところで初めて少し高さが下がるというような形になっています。 (田中委員)

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ちょっと今の議論で関係するのだけれど、ダクトの中で燃焼が進んできたという、それで負圧になる

という話ですけど、その前提になることでちょっと東電さんに伺いたいのだけれど、5階にどのくらい

の水素が堆積していたとお考えなのですか。それと関係することなのだけれど、政府事故調は非常に単

純な計算をしていて、それでは爆発しないのではないかと思うのだけれど、標準状態に直してすぐ単純

に計算できますけど、800とか900㎏の水素が発生したとすると3階まで水素でいっぱいになると

言うのです。それで4階のSLCに電気が入ったので爆発したと、そういうふうにおっしゃる。ある意

味で言うと4階爆発説なのだけれど。東京電力さんとしては5階にどのくらいの水素が水素爆発直前に

堆積していたと踏んでいるのですか。そのことと関連するのだけれど、5階のシールの問題、5階に水

素が行った場合に鉄板であそこはただ覆っているだけなのだけれど、水素というのは拡散していってし

まう可能性があるわけで、大気へ出てしまうのですか。それともそれはそのまま残る構造になっている

のですか。もし5階にいっぱい水素が溜まっていたのだとすると、それはなかなか爆発しきれないです

よね。どのくらいの水素があったのか。僕がなぜそれを聞いているかというと、2日も3日も経つとお

そらく水素は天井のほうに張り付く、もし漏出しないのだとすると5階の屋根の天井側のほうにずっと

上がっていっているというふうに考えられる。このダクトに水素が入ってきて燃焼するというのはどう

いうプロセスを踏んで4階のここに水素燃焼が発生するのか。その辺ちょっと緒方先生にも教えていた

だきたい。 (オブザーバー:緒方) 水素の量がどれくらいかというのはちょっと推定でいろいろご意見もあると思うのですけど、基本的

には水素は多分そこにずっととどまっているということは少ないのではないかと思ってまして、結構な

量は多分漏れてた、外に漏れてたのではないかと思っています。ただ当然ですけど、5階にはかなり溜

まっていたと想定すると、それがどこかで爆発が起きて、たぶん撹拌されて一緒に運ばれてきて燃焼し

ていったのか、あるいは4階にも結構水素があって、それが同じように爆発を起こしたのかどちらかだ

と思うのですけど、これを見るとやはりどうしても4階でも爆発現象は起きているかなというのが推定

できると思います。だから5階だけで起きたという事ではなくて、少なくとも4階でも大規模か小規模

かは別として、爆発は起きているのではないかと推定できるかと思います。 (田中委員) どっちが先かという事まではわからないと。 (オブザーバー:緒方) それは、可能性としてですけど、たぶん着火源という問題があるので、可能性としてはやはりどうし

ても4階のほうに近いのかなと思うのですけど、ただ5階で起きたと言えば、起きた原因があればその

とおりだと思いますし、ただ原因が特定できない以上はどこで起きたかというのはちょっとわかりにく

いのではないかなとは思います。 (鈴木委員) 4階でも爆発が起きたと見えるとおっしゃるのは、このダクトを通じて水素が5階から吹き込まれて

きて、それが爆発したという意味でしょうか。それとも4階は4階でどこからか水素が来て、ある程度

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溜まって、それが局所的にしろ爆発したと、そういう意味でしょうか。 (オブザーバー:緒方) 後者の意味でして、水素があったのではないかというのは推定できると思います。 (鈴木委員) ただ、それと仮にこのダクトを伝わって5階から水素が来て、それがこういうところで急激に噴出し

て内部が負圧になったとは別に矛盾しないと。 (オブザーバー:緒方) 矛盾しないと思いますし、たぶん真ん中のところ継ぎ目がありますけど、そこのところでたぶん横か

ら燃焼が伝わってきたら、そこで擾乱が起きますので、威力が大きくなるのです。基本的に、爆発とい

うのは。ですからその影響で外れて、中が燃えた後負圧になってこういう状態になったとも考えられま

すし、反対側抜けなかったので破裂してこういう状態になったのかなという気もしますし、ちょっと原

因はよくわからないのですけど、想像としては中でそういう燃焼とか爆発が起きたのかなとは思われま

す。 (田中委員) 今の問題は割合普遍的な問題があって、3号機が5階で爆発したというふうに東京電力さんはおっし

ゃっている。それは変わってないのですか。今でも。 (東京電力:増井) 3号機ですよね。3号機についても原因は5階で爆発が。 (田中委員) だから基本的には3号機も1号機も同型の爆発をした、同じような原因で爆発したという、そういう

考え方でいいのですよね。東電さんの主張は。 (東京電力:増井) ちょっと同型の定義にもよりますけど、原子炉の中に発生した水素が格納容器から原子炉建屋に漏れ

出して、何らかの原因で爆発に至ったという事でいいますと、同型だと言えます。 (田中委員) それは本当に、もし5階のオペフロで水素爆発が起きるのだったら、1号機だってそういうことが十

分に考えられるのだろうと思うけれど、3号機が5階で爆発をしているという証拠というか、他の階と

の比較でそれは言えるのですか。あれは5階が鉄で、鉄板で覆われているのではなくて、RCでやって

いるから煙突みたいになっていますよね。建物全体が。だから煙の出方が垂直にワーッと上がっていて、

それで爆発という話もあるぐらいいろいろ激しくいってますね。多くの2階、3階あたりに水素が溜ま

ったのは、ワーッと抜けているということは、現場は今3号機に関してどれくらい調査されているのか

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わからないけれど、そういう事も踏まえて5階で起きたというふうにおっしゃっているのですか。 (東京電力:増井) 3号についてはまだちょっと現場の中が十分調査できてない段階でございますけれども、5階でとい

うのは、少なくとも5階では、1号機の話と同じで、5階では少なくとも爆発が起こっていて、先生が

おっしゃったようにRCの屋根が飛んで行ったりとか、高く爆炎が上がったというのは事実ですので、

ただどこからという話についてはまだちょっと十分整理ができてない状態です。 (田中委員) 格納容器のトップヘッドのシール部分から水素が漏出して5階に行くと。それはもう絶対にある話だ

と思うのです。そこは否定しえないと。だけどその水素がそのまま自分から、自ら爆発を起こしたかど

うかというのは、水素をどれくらい蓄えていたかとか、他のほうの2階3階には電気ペネのほうを通し

て水素が3階か4階に溜まって、それが何かの拍子で爆発をするというようなことで一緒になってやっ

ているという、そんなことも考えられるわけで、だからそういう検討というのは事故報告書を書くとき

にどれほどされたのですか。あまりそうしていなくて、絵が国際的に出回っていますけど、国際的にと

いうのはいろんなところが引用していますけど、3号機と1号機はこうやっていったという図ですね。

英文でも出ていますよね。あのモデルというのは撤回するつもりはないのですか。あれはまだ不明だと

いうぐらいに置くべきことだと思うのだけど、詳細は違うけど基本的にはこのパターンだと。なんでこ

の問題にそんなにこだわるかというと、原子炉建屋に水素がリークしてくるラインが別にあると、いく

らフィルターベントなど付けてもその前に原子炉建屋のほうで漏れていた時からそういう問題がいっ

てしまうと、2Pdとか200℃という話を守らない段階で水素が漏出してしまう可能性がある。放射

性物質も出るのでしょうけど、そういうものもあるということで、この問題は結構真剣に議論しなけれ

ばいけないと僕は思いますけど。 (東京電力:増井) 今先生がおっしゃったのはどういう図面でしょうか。国際的に出回っていると今おっしゃったのです

が。 (田中委員) 国際的に出回っているというのは知られているという意味です。ちょっとこの間外へ行っていろいろ

議論したこともあって。東京電力の英文のレポートであれも出ていますよね。だからあれは皆向こうの

人も知っていて、大体同じ感想を持っておられるわけだけど、それだけインパクトのある絵だと思いま

す。 (東京電力:増井) 今おっしゃっている絵というのは、格納容器の断面があって5階から水素が出てきているという、そ

ういうような絵でしょうか。 (田中委員)

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そうです。空色の。イメージとしては空色なのですけど。格納容器があって。 (東京電力:増井) 1階のところにペネトレーションがいくつかあって、ここから漏れた可能性が 、5階の…。 (田中委員) を通って行ったとか、あれ和文にも英文にもありますよね。 (東京電力:増井) はい。あの絵は今のところ使っていますので、水素の漏洩パスとしては、格納容器に溜まったものが

原子炉建屋にできたらトップエイトフランジのところ、ないしは電気のペネのところがポテンシャルと

して高いと思っていますので、あの絵を使っているという状態です。 (田中委員) 話がそれましたけど、一応…。 (鈴木委員) 先ほど東電さんのほうに質問があって、5階に蓄積した水素量はどの程度と見積もっていらっしゃい

ますかということで、まだ東電さんの見解をお伺いしていないのだけど、仮に800、900とかあっ

ても、先ほど緒方先生が相当リークしますよと言われたので、あまり量自体を議論しても意味がないの

かなとも思いますが、それでは逆に別な角度から質問しますけど、この東電さんの資料の12ページの

黄色い排気ダクトのラインを見ますと、12ページの向かって下のほうに排風機が4つ並んでおりまし

て、その先に4階のほうに行くような赤い点線があります。11ページを見ますと5階から来たライン

がずっと回ってきて、先ほどのちょうどこの写真にあるようなところに来ていると。こういう理解でよ

ろしいですよね。 (東京電力:増井) はい。5階の排気がそのままここに繋がっているということです。 (鈴木委員) ここを水素が5階から伝わってこっちへ来たとか、あるいは水素と空気の混合物が来て、内部で爆発

したと、急激燃焼したというふうに考えますと、12ページにあるような黄色いラインのところから水

素が入り込んで下の4階に行くというようなことはありえますか。どういうふうにして水素は5階から

4階のほうに行きますか。 (東京電力:増井) ちょっと、このダクトを通じて水素が下のほうに移動するかどうかということについては我々特に…。 (東京電力:ヤマナカ)

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4号がそうなっていますから、十分ありうると思います。 (東京電力:増井) なのですけれど…。 (鈴木委員) 4号で爆発気体は4階から5階へ行ったのでしょ。5階から4階へは行ってないですよね。4号機は

ね。 (東京電力:増井) 回答の途中だったのですけど、何を申し上げたいかというと、それを明確に評価したという事はない

のですけど、仮の話で、非常に大量の水素が5階にずっと留まって充満しているような状態になると、

5階と4階は完全にシールされているわけではなくて開口部がありますので、一部が回ってくるという

ことは理論上あり得ることだと思います。 (鈴木委員) 12ページの黄色いライン、排風機がいくつか並んでいますが、これは5階の天井に近いほうですか。

この辺は水素がたっぷり溜まっているのでしょうか。 (東京電力:増井) 排風機の位置はたぶん下だよね。 (東京電力:ヤマナカ) 排風機は下だけどダクトは上のほう…。 (東京電力:増井) 排風機と、排風機は間違いなく床面に近いところにありますけど、吹き出しがどの高さなのかという

のは少し確認しないとわかりません。ちょっとここからは感覚的な話になりますが、水素は相当拡散し

て充満した状態だと、あまり高さというのは関係ないのかなという気はいたします。その辺は緒方先生

のご意見を聞いてみたいと。 (鈴木委員) ということはね、5階の空間で空気と水素が混じって、上のほうは当然水素が濃いでしょう、下のほ

うに行くにしたがって水素の濃度は小さくなるでしょうと。いずれにしろ水素と空気の混合気が1気圧

よりわずかに高くなって、全体としてダクトを伝わって4階のほうに押し出されていったと、そういう

イメージですか。 (東京電力:増井) 我々のイメージというよりかは、今ここで出てきた話だと思いますので、それがもし理論的に可能か

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という事であれば、それは可能性はあるのではないかという気はいたします。 (鈴木委員) 緒方先生にお聞きしたいです。 (オブザーバー:緒方) 理論的には可能だと思いますし、水素は拡散が早いというのは皆さんご存じのとおりですので、たぶ

ん上のほうにすごく濃い濃度が溜まるかというと、そうでもないような気がしていまして、当然一部は

4階のほうに行ってもおかしくはないなと。中で対流が起きていますので。 (東京電力:ヤマナカ) 蒸気がまず一緒に出ていますので。対流…。 (田中委員) すいません。ちょっとそのイメージがまだつかめないのだけど、拡散は大きいは大きいと思うのだけ

れど、そうすると今900㎏ぐらいなのですか、1号が。800ですか。 (東京電力:ヤマナカ) 890㎏。 (田中委員) 約900ですよね。900が拡散で大気へ出てしまったのもあるとしても、5階の部屋の中は水素い

っぱいみたいな感じをイメージされていますか。 (オブザーバー:緒方) もちろん上のほうは濃いのですけど、下のほうは層状になって薄くなっていて、当然その影響でさら

に下の方まで水素が漏れるというのは考えられると思います。 (田中委員) その場合はそうすると水素濃度がほとんど5階は爆発しうる濃度なのですか。それがそんなに激しく。 (オブザーバー:緒方) 場所によってはそうなるかもしれないですけど、全体がそうかというとそういうわけではないと思い

ます。 (藤澤委員) やはり4階と5階は両方とも水素があるという状況なのじゃないでしょうか。ちょっといいでしょう

か。私先程言っていたのが、排気ダクトというのは4階と繋がっているのは3階だったのですね。5階

ではないのですよね。

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(東京電力:増井) 先生、何ページのところか教えて下さい。 (藤澤委員) すいません。11ページ。11ページの左側の黄色い線です。 (東京電力:増井) 黄色線は5階に繋がっていますし、4階を経由して3階にも繋がっています。 (藤澤委員) こちらが5階で、こちらが3階。そういう事ですか。そうすると場合によっては3階にも水素がある

ということもある可能性もあるという事にもなってしまいます。 (田中委員) 4階に水素が来たならば、4階の部屋に、ダクトだけではなくて。ダクトだけじゃないですよね。 (オブザーバー:緒方) ダクトだけじゃないと思います。はい。 (田中委員) そうすると3階には大物搬入口とか階段とか伝ってまだ行きますか。だけど本当にそういう分布にな

っていたのかというような。 (オブザーバー:緒方) それはもうわからないので。 (藤澤委員) 推測ですけど、可能性としてはそこまで残ってしまいますよという。 (東京電力:増井) 緒方先生にもしよろしければ教えていただきたいのですが、5階で結構広い空間がある中で、我々推

定であると格納容器のトッププレートから漏れてるといった時に、対流ないしは水蒸気と一緒に巻き上

げになって、上のほうが水素濃度が高くて下のほうが低いというよりかは、どちらかというと撹拌され

てるような状態になったのではないかと思っているのですが。 (オブザーバー:緒方) 多分最初はそうだと思います。そのうち徐々に層状になってくるのだと思うのです。もちろんどの時

点で爆発したかよくわかりませんし、どういう量が出てきたというのはわからない、何とも言えないの

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ですけど、最初は言われるように上に上がってきて、空気と混ざって対流が起きるのだと思いますけど、

それに合わせて多分4階に繋がっていれば4階に行っても別におかしくはないかなと思いますけど、状

況がよくわかってないのであくまでも想像なのですけど、可能性としては4階になかったという事は言

えないと思います。 (東京電力:増井) ありがとうございました。 (事務局:市川原子力安全広報監) すいません、1点質問なのですけど、11ページの平面図でトップヘッドフランジから水素が漏れて

きただろうということで、右のほうの断面図のところ④のところがトップヘッドフランジに一番近い排

風機ダクトが繋がっているのですけど、ここの状態はどうなっていたかわかりますか。 (東京電力:増井) 状態というか、ここは見られていないところなのですけど、これは断面図、上のほうを見ていただき

たいのですけど、②、③に比べて低い位置に付いています。定検中はここのウェルに水を張りますので、

④番の先には弁が付いていて、水が漏れてこないような形になっていて、この弁は通常運転中は閉まっ

ているので、おそらく弁は閉まっていたというふうに思っています。ただ物を見たわけではございませ

ん。失礼しました。この弁は通常は開いていて、AO弁なのですけど、エアーがなくなったら閉まると

いう構造になっています。したがって当日、3月11日の状況ですと、電源がなくなってエアーが供給

されなくなるというような状態だったと認識していますので、そうするとおそらく弁は閉まっていたの

だろうというような状況です。 (事務局:市川原子力安全広報監) はい、ありがとうございます。それではビデオのほうがまだ残っておりますので、続きのほうを見て

いきたいと思います。資料1でいきますと4番のところから、ICタンクの北南の損傷の違いのところ

から見ていきたいと思います。

【 動画再生中 】 (田中委員) 僕は…こういう状況ですよね。ここにドレン管があるかな、それからここのフランジがあります。こ

の辺がこういう状況で瓦礫の中にあって、こういうところが損傷してないとか何とかというふうに早め

に、事故3ヶ月後にはもうIAEAに向かって重要機器の破損は無いと、例えば地震による、そういう

事を断言されるということは早まっただろうと僕は思うのですが、その点はどうなのですか。 (東京電力:増井) その時点での調査計画を基に投稿しているのでございまして、断言までしていたかどうかというのは

記憶があやふやなのですが、断言しておりましたでしょうか。

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(田中委員) 断言というのは、その後変わらないという意味で断言です。実質的に。今後の調査に待たれるという

けど、一向に調査などしてないですから。こういう状況を目視でやって、ICに何か運転の不適切性が

あったのか、あるいは地震による破損、細い管もいっぱいあるし、やられてないかという問題は3ヶ月

から4ヶ月経っていっぱいあの年の夏いろんな人がいろんなことをおっしゃってた。僕も行っていたわ

けだけど。それでそれを鎮めるように10月18日に見て4階に入りましたと。入った結果、重要機器

の破損は無いというふうに、但し今後も調べていかなければならないみたいなことは書いてありますけ

ど。その後そういう目で一生懸命調べるという事をされているようには見えないわけで、今初めてここ

でやっているような感じがあるわけですよ。だからああやってIAEAに報告したり、マスコミにそれ

でも完全にICは健全だったという話で一般世間の人は受け止めてるわけだけど、水素爆発も含めて実

は謎があるのだという事だと思いますけど、その辺について何か感想を僕はちょっと教えていただきた

い。 (東京電力:増井) 先生が今おっしゃっているのはIAEAに報告したのはどの時点でしょうか。 (田中委員) 東京電力と政府が一緒になってIAEAが2011年の6月20日に閣僚会議というのをやるので

す。それに向けて東京電力と政府が一緒になって統一見解を出して、それでレポートを出して送ってい

ますね。そのことです。 (東京電力:増井) それで申しますと、比較的事故発生から初期の段階にもかかわらず地震による重要機器の損傷がなか

ったというようなことを断片的に書いていて、その後十分な調査をしていないのではないか、という理

解でよろしいですか。まずその時点でのIAEAのレポートは、その時点で収集できた情報に基づいて

評価を書いたものだという状況です。評価をするためのツールというのは必ずしも現場だけでなくて、

もちろん現場を確認するというのは1つ重要なツールです。それ以外のパラメータを確認する、解析を

行う、こういったものを組み合わせて総合的にやっていくという事で、その観点でいうといずれの3つ

もIAEAにレポートを出して今日に至るまでに、例えばプラントのデータが新しく見つかって、それ

をもとに解析を組み直してみたり、そういったことをやっていますので、その時点以降特に何もやって

いないというのはちょっと当たらないのではないかと我々は考えております。 (田中委員) 解析は精度を上げてることはわかる。精度を上げているというか実測値に合わせるようにいろいろ工

夫している。6月20日の時点はMAAPを使ったものは全く水位計も含めてめちゃくちゃだったとい

う事ですよね。それはそれでいいとして、だけど原子炉圧力というのは2点しかないのですよ。この事

故で爆発を起こすまでに。1つは3月11日の夜の8時7分ですか、吉田所長のファックスで6.6か

ら6.9M㎩だと。絶対値が書いてない。変動してるのかどうかも分からない。6.6から6.9、こ

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れがたった1つですね、まず。たった2つしかないうちの1つです。それから1時半ごろだったですか。

1時40分かその辺だったと思いますけど、それから5時間ぐらい経った夜中の1時半ぐらいですね、

3月12日の。この時は原子炉圧力がなぜか0.8M㎩までに落っこちてしまっている。これは格納容

器の圧力とほぼ一致をしているので、ツウツウになったという理解だと思うけれど、その2点しかない

のです、原子炉圧力に関して。それをもとにMAAPはそこをなぞらせようとして一生懸命頑張るわけ

だけど、いろんな解があるわけで、本当はFTAかなにかやって徹底的にやる必要が僕はあったと思う

けど、それで私がこの問題をどうしてこだわり続けるかという問題2つあるのですけど、1つはSR弁

が鳴らないという問題です。それは調査されていませんよね。SR弁がならないというのは解析上はあ

りえないことだからとおっしゃるけれども、逃がし安全弁ですね、原子炉圧力が上がった時に自動的に

噴くようになっているSR弁ですね。これが作動するとおそらく、理由はわかりませんけれど、大量の

蒸気がサプレッションチェンバに流れて、そのサプレッションチェンバを振動させるのだと思うのです。

私の理解では。Tクエンチャーになっているけど多分そういうことが起きている。実際に2号、3号と

いうのはもう数10回にわたってその振動波形が残っておりますよね。圧力波形が。そのたびにズドー

ンとか、地鳴りのような音がするということは私達の調査で2号、3号の運転員の方がおっしゃってい

る。1号に関しては誰も聞いていない。SR弁の作動音を。この問題はSR弁が作動しない、SR弁が

1個しかないのではなくて、SR弁は4つ付いていますが、その4つがどれも作動してない。少しずつ

圧力を変えてると思いますけど。1個しかないのだったら何か間違いがあったとかという事もあるかも

しれないけど、4つも付いていてその4つどれもが作動した形跡がない。音的にですよ。1号と2号の

運転員というのは同じ中央制御室をシェアしているわけだけれど、2号の方も含めて1号機のSR弁の

作動音を聞いてないのです。今でも多分東京電力さんの運転員の中に、私は聞きましたという方は出て

きてないと思うのです。静かなSBOの世界に入って、真っ暗で、することがなくなった、いやになる

ほど大変だったということは聞いているけど、そういう暗闇の静寂の中で2号のズドーンという音は聞

こえてくるけど1号は聞こえない。SR弁が作動してなかったとすると、4つもあるどれ1つも作動し

た形跡がないとなると、どこか圧力が抜けたというふうに考えざるを得ないのです。この問題について

真剣に捉えられていない。この問題は国会事故調のほうが運転員の方にそのことを伺った時に、1号機

はしませんでしたということは明確におっしゃっている。だけどこれは東京電力のMAAP解析でいう

と、もしSR弁が作動しなかったらばこうこうこういう理由でありえないとおっしゃっているけど、圧

力が2つしかないものをなぞるMAAPはいくらだってありうると僕は思う。穴が小さかったのものが

ろう状みたいな恰好でどんどん拡大してくるという事もあるかもしれないし、1箇所しか行かないとい

う仮定も、2本やられたっていいわけです。1つ仮定ですけど、技術委員会でこの場でお願いしたのだ

けれど、結局拒否というか、受け入れてもらえなかったけど、再循環系配管にIC配管というのは、最

後は戻すわけだけれど、その再循環系配管のポンプが異常に振動していますよね。上下に、格納容器の

中の。例えばそういうところで漏れが発生していく、ある時点で、そういうようなことも起きたかもし

れない。だからいろんなことを考えると、今考えておられる東京電力がおっしゃっている、やってきた、

というのはMAAP中心の解析であって、都合の悪い問題については問わないということがあって、そ

れが僕には事故の解析をするという事に本気になっているようには見えないという事です。できるだけ

地震の問題、地震でやられたと私が言えるわけではなくて、地震というのが重畳した可能性もあるだろ

うと。例えばこれがそうですけどという、そういうことですけど、その問題についてはあまり一生懸命

おやりになってないと思うのです。そういうふうに捉えていただきたいと思います。MAAPがやって

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いることが、あれが針の穴を通すような作業であることはわかるけれど、針の穴の通し方を間違えてい

る可能性もあるわけで、唯一解だとは思えないので、SR弁について、それからもう1つ、ちょうど話

題になっている場所ですね。あの付近から水漏れが地震直後に起きて、それでみんなワーッと逃げたと

いう、そういう事実があるわけです。これをプールからの水だというふうに断定されているわけです。

ほとんど。それで規制委員会もそういうふうに断定されている。5号でも起きてないですね。こういう

ことは。どうして1号だけ起きるのかとか。それから止め板、ダクトの止め板のところの応力解析をす

ると本当のように見えるけど、ああいう絵をかくと。だけども本当にそんなことが、水が漏れてくるの

か。実験なんかできますよね。あんなのあっという間に。どうですか。実験なんかはされる計画はある

のですか。ダクトから水が漏れているという。証人はあれを畳のようにジャーっと来たのでみんなで逃

げろと言ったのだけれど、その畳のようにジャーっと来たというのは国会事故調への証言が自らおっし

ゃったことで、僕らになんかはとても想像のつく表現ではないわけです。それが水蒸気だったのか水だ

ったのかという問題になってくると、もう1人の証人に逃げた方は、あの4階が蛍光灯がバラバラとみ

んな落っこちてしまって、真っ暗になって青い光を頼りに逃げたのだと言っているけれども、もう1人

の方は、停電はなかったとおっしゃっている。その方は畳のようにジャッと来たとはどういう意味なの

ですかと聞いたら、真っ平らな格好でスーッと来たと言っているけれど、それが水蒸気だったのか、蒸

気だったのかについて実はもう1人の方はわからないと言っているわけです。いろんなことがあるのだ

けれど、規制委員会は畳のようにジャッと来たというのは、国会事故調の調査員、具体的に言うと僕で

しょうけど、僕が強要した表現だと勝手に決めたのです。私に何も言わない。あれは国会事故調が強要

している表現だと言う。それでバケツに変えてしまったのですよね。今、規制委員会の最終報告書では。

それから目撃された方が、向きが180度国会事故調に言っている時とひっくり返っているのです。私

たちには北側を向いていたと言っているのです。規制庁には背中は南側のほうを見ていた。南側のほう

を見ていると作業者の数が見えないはずなのだけれど、作業者は何人いたということはおっしゃってい

て、非常に矛盾がある話です。ちょっとそういうようなこともあって、僕は水が出た場所とかの問題と、

SR弁という問題がもっと本当は事故現場で起きた問題として尊重されていくべきだろうと思ってい

ます。そういうこととこの4階の水素爆発というのは関係があるのかないのか、それをぜひ真剣になっ

て議論していただく。私がもし考え違いであって、SR弁が鳴らなかったのは理由があるのだというこ

とならばそれはそれでいいと思います。だけど現場的な事実が重要な事実でSR弁が鳴らないというこ

とは非常に重要な問題だと僕は見ています。その辺の東京電力さんにこのディスカッションの場でいつ

か答えをきちっと説明していただきたいと思っています。 (東京電力:増井) いくつかございましたので簡単に。まず1点目は、2点しかない原子炉圧力のデータを基にMAAP

を解析しているという事です。原子炉圧力のデータが当日のは非常に限定的でありました。これは事実

でございます。しかしながら、解析でございますので得られたデータを最大限活用するということで、

このデータが合っているという前提のもとに解析をやっているところ、大きな齟齬は無いというような

状態でございますし、また現場でも見ていただきましたとおり、ブルドン管の原子炉圧力容器でござい

ますので、見間違え等の可能性はないですし、当日確認できたということから、その周りの温度は特段

高かったとか、厳しかったということもないので、一定の信頼性は置いてもいいデータなのではないか

という事でございます。もちろん全幅の信頼を置くというまでには至りません。しかしながら一定の信

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頼性という事で評価をしているものでございます。2つ目のSR弁の開いた音がしなかったという事で

ございますけれども、こちらは我々社内の事故調査の中でも1号機でSR弁の鳴った音を確認したもの

は証言としては得られておりません。一方、2号もSR弁の音を聞いたのはRCICの停止、おそらく

事後が発生して74時間後だったと思いますけど、それ以降の証言として得られているのですけど、地

震が発生してSBOになるぐらいのこの付近、間違いなく動作はしていることは記録には残っています

けど、明確に記憶があったというような証言は無いので、スクラム直後、地震直後の話で若干明確に音

を認知するというふうには至らなかったのではないかというふうに考えています。3つ目のPLRの3、

4関係の移動振動に関しましては、すでにどこかのタイミングでこのディスカッションでもご説明しま

したけども、異常な振動というよりかは、私どもの評価からしますと、振動自体はそんなに大きいとい

うものではなくて、振動自体も余震と同調するような形で振動が起こっていたということは確認されて

いますので、これは漏洩等の異常徴候というよりかは、地震で揺さぶられたことによるものではないか

と考えてございます。最後水漏れというか、畳状の溢水ということでございますけど、これらに関しま

しては我々現場を確認して、確かに溢水防止チャンバが破損をしてるという事も確認しておりますし、

ルート上もそういったことが起こり得るという事も確認しております。規制委員会のほうではさらにそ

れを一歩進めて、解析的手法によって実際水が漏れたという事をやっていますので、これに対しては十

分な確度を持ってプールの水が溢れて漏れてきたのではないかと、このように考えている次第でござい

ます。以上でございます。 (田中委員) 2つ。1つは今のことから言うと、チャンバが、そこは口は開いているという話は、これは当然5階

で水素爆発が起きると、プールの水面を叩くようにして20数個ある開口部から当然爆風が入ってくる

と思います。それで壊れたのかもしれない。さっきから言っているように、こういうすさまじい状況が

何かによって起きているのだから、そこだってやられた可能性はある。そういう爆発後に起きたものを

一生懸命見て、この部分だけは水が、たかだか数トンの水が左右揺れただけで、ボルトの四角いフラン

ジだったと思うけど、あそこがやられてしまうなんてことは本当にあるのだろうかというふうに直観的

に思うのです。解析はなんとでもなりますよ。そんな大変形の歪が出ているようではないですよね。 あれを見ると。だけどそれはそれで納得してしまうのは、3Dのグラフィックスできれいに書かれると

そんな気になってしまうと。そういう魔術もあるので、その辺は注意しなければいけないところ。他の

第二原発、要は第一原発の5号機、6号機も同じ構造をとっていると思うけど、こういう構造、そこか

ら水が漏れたという事はないのではないかと思います。もう1つ、SR弁に関して2号、3号の運転員

は私たちには断言しているのですよ。ごめんなさい、3号は聞いてないですけど、これはお調べ下さい。

東京電力が事故直後に運転員にヒアリングをされていますよね。その資料の中に東京電力の運転員が3

号機のSR弁が作動するたびにドーンドーンという音がしたということを、これは東京電力の内部資料

にあります。私たち参考にさせていただいた中にあります。そのことは国会事故調の報告書に、これは

3号機の運転員の証言は東電から貸してもらった内部資料によるという明記をしておりますので、お調

べいただいたらいいと思います。ちゃんとそういうふうに証言を言っております。それからもう1つ、

ごめんなさい。衝撃はたいしたことないのではないかとおっしゃるけど、元々マーク1型のサプレッシ

ョンチェンバが、SR弁が開いて入ってきたとき、あるいはベント管から衝撃が入ってきた場合と両方

あるけど、その時にサプレッションチェンバが耐えられない力を受けるということで、マーク1の欠陥

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をGEのブライデンボーあたりが告発したという有名なことがありますね。それでアメリカはマーク1

の欠陥を直すということでサプレッションチェンバにSR弁からの水が、衝撃が非常に大きいので、S

R弁が開くとサプレッションチェンバの壁が壊れてしまう可能性があるということで、SR弁から蒸気

が出てくるラインをTクエンチャーという格好でT字にして衝撃をやわらげようとした、そういう事実

があります。SR弁が開いた場合に1箇所どこかにその力がワーッとかかるわけですから、浮き輪みた

いな直径10mの非常に柔い構造がワーッと揺れて、それでガサガサ音とかそういうことが出てくるだ

ろうというのは間接的に行われるわけだから、それはそれで僕は今でも起こりうるのだろうと思うし、

現実に東京電力の4号機で間違ってSR弁が作動して、その時にものすごい音がしたということを、こ

れは証言されています。運転員の方が。だから本来的にSR弁が開いた時にメカニズムまできちんと理

解はしているわけではありませんけど、そのことによる音の発生という事は多分あるのだろうと僕は思

っています。もしないのだったらないという事をきちんと示していただかなければいけない。 (東京電力:増井) ちょっとすいません。本日のテーマが若干それているような気がするのですけど、いくつか。まず、

確かに溢水防止チャンバが5階の爆発の影響で破損した可能性はあるかもしれません。ただ、そのあと

もし破損したとしても、その可能性も当然ありますし、水がジャブジャブ出てきて、プールの水が溢れ

て破れてきた可能性もあると思います。我々必ずしもそれが破れているからという事実だけを持ってプ

ールの水だと言っているわけではなくて、それ以外の目撃証言、例えば畳状の水、ちょっと違う表現も

あるようですけど、水があそこから出てくるというような可能性があるのは、あのあたりは溢水防止チ

ャンバだけだという事も確認されておりますので、そういったことを、全体を勘案して出水というのは

プールの水であったのではないかというふうに考えてございます。SR弁に関しましては3号機では音

が聞こえたと。これはSBO前後の話だという理解でよろしいでしょうか。 (田中委員) SBO直後ですね。だったと思います。ちょっとそれは確認いたします。 (東京電力:増井) はい、じゃあ結構です。 (鈴木委員) ちょっと今の議論で補足です。補足だけです。先ほどブルドン管の指示を運転員の方が読みに行った

と。建屋に入って。という話が出てきました。MAAP解析を見ますと、そのブルドン管のデータのポ

イントの時刻以降はSRVは作動してないという事になっていますよね。仮にそうだとすればブルドン

管の圧力ポイントの時刻より以前に10分か15分くらいの間に一度はSR弁が作動してもいい、それ

ぐらいの時間帯があるはずですよね。ところがブルドン管の指示を読みに行った方は建屋に入ってそう

いう全然SR弁が動作した音を聞いていないのでしょうか。 (東京電力:増井) 今おっしゃっているのは7M㎩の指示を見に行った事故発生後5.5時間ぐらいのところだったと思

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いますけど、そこのところですか。ちょっとそこの事実関係はよくわかります。証言があるかどうかと

いうのはちょっと私この場で押さえておりませんので。 (鈴木委員) じゃあ、ぜひ聞いてくれませんか。MAAP解析ですとそのブルドン管の圧力データの直前まではS

RVが動作していたという事になっています。 (東京電力:増井) それはちょっと我々の側からするとあたりまえの想定といいますか、これは結局原子炉の圧力が逃げ

るところがなくなってしまっているので。 (鈴木委員) わかりますよ。東電さんの想定はわかりますけど。 (東京電力:増井) SR弁が開閉するというのはそのとおりだと思います。 (鈴木委員) そうすると建屋の中にまで入ってブルドン管を見たのですからね、2階まで行って見たのですから、

それはそれなりの音が聞こえても当然ではないかという気がします。 (東京電力:増井) SR弁は常に開きっぱなしになっているわけでは当然なくて、開いて圧が下がれば閉まる。また圧が

上がれば開くという、SR弁というのはどちらかというとこの場合バネの圧力に対して蒸気の圧力が勝

つという安全弁機能ですけど、そういうのがありますので、常に開いている、閉まっているというわけ

ではありませんので、そのインターバルの中でその現場の時期が合ったのかどうかという事にも関連し

ていくると思います。 (鈴木委員) インターバルのタイミング的にうまくSR弁を聞き逃したタイミングで行ったのかもしれないけど、

SR弁がドーンと行ったというタイミングにもあったかもしれない。だからそれはブルドン管を読んだ

人の証言というのは大事なのですよ。 (田中委員) 大体5分ぐらいですよね。2号3号を見ると。そうなっています、アレを見ると。SR弁が開いた、

閉じたという01の信号を見ていると、SBO前にSR弁の作動、あっちは圧力が高いから、直後なの

で、だけども5分以内ですね。SBOまで数10回ですね。ありますよ、データ。まあ、いいです。私

はそういう問題も前提にしながらこういう問題を見ておく必要があって、私の心の中でもICがやられ

たのかやられないのかわからないのだけれど、再循環配管が非常に揺れているし、SR弁は鳴らないし、

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何かが1号機で起きてないだろうかというふうにずっと思っていたところでたまたま蓋が閉まってい

ることに気づいて、そうすると何か水素がここで出たのではないかなという、そういうような思いから

議論をしています。それを否定されるのであれば、否定されるというよりも、そういう可能性について

検討した結果、ないとおっしゃるのだったらそれはそれでいいと思います。だけどその検討はされてな

いので、今は表面的にはここにいるけれど、その問題というのはいつも心に留めておいていただきたい

という、お願いというか、そのことは事故解析として本当にやってないという意味です。事故解析とい

うのは解析で示すという事でもなくて、事故解析というのは事故の解析をしなければいけない。それは

現場的な事象に関してどれだけうまく合う解析ができるかという問題になると思います。だけど自分た

ちには都合の悪い問題については無しとして、この解析の結果は合わないからダメ、それはなかったの

だと、聞こえないというのはたまたまの問題だったと、その解決の方法はいけないだろうと思っている

という事です。配管が地震動でやられたのかどうかについての東京電力の解析を見ると、配管というの

は非常にたくさんのパーツで出来ています。全てが健全でどのくらい配管に応力が発生するか、サポー

トとか、アンカーとかそういうところがありますけど、そういうものが全て100%正しいものとして

設計はするわけですよね。そうすると配管能力はどうなって、これで配管は寸法を決めると。事故解析

というのは、事故の地震データを入れたら、実地震動波を入れたらばそれでいいというものではなくて、

経年変化ということがあって、例えばここのハンガーが外れていたらどうなるだろうとか、そういうこ

とですね。ですから100のコンポーネントから配管ができていて、配管が大丈夫かという時に99他

のコンポーネントは全部健全ですということでたって、実地震動を入れたってそんなものは壊れっこな

いですよ。そういうものをいくら示しても配管の事故解析にはならない。アンカーのここのところが外

れてしまったらどうなるかとか、そういう事をいくつか見て、それでも尚且つ大丈夫なのだとか、そう

いう話をしていかなければいけない。だから事故解析と設計解析は全く違うのに、そういう子供だまし

みたいな計算をして配管は地震に持つという事をおっしゃる。これは、僕は納得がいかない。そういう

意味でIC配管も地震解析をされていますけど、その内容については、僕は全く信用というか、それを

そのまま納得することはできないということです。ちょっとそんなことで私個人としてはそういうこと

は背景とかあって、そういうものと整合が取れるのか取れないのかという事に非常に関心があるという

ことを、私個人の意見ですけど、そう思っています。 (東京電力:増井) まず解析を都合の悪い事実に目をつむってというのは、我々は具体的にどのことをおっしゃっている

のかわかりませんけど、解析を使って事故で何が起こったのか、そこから引き出せる教訓はなにかとい

うことは、事故後も継続してずっとやってきているところでして、その時々で新たな知見が得られたら

解析にバックフィットさせてやっているというような状況でございます。都合よく使うようなことは特

にないつもりでおりますし、今後もないように肝に銘じていきたいと思っております。地震オート解析

に関しましては、解析で例えば目安値を下回っているから地震に持つという事を断定したことはおそら

くなくて、これは冒頭でも申し上げましたけど、解析というのはいろんな判断をしていく上での1つの

ツールだと思っておりますので、現場の状況ですとか、解析プラントパラメータ、こういったものを組

み合わせて、総合的にどうであったかというふうに検討してきたつもりですし、今後もそのようにして

いきたいと考えています。以上です。

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(事務局:市川原子力安全広報監) はい、ありがとうございます。映像でございますけど、資料1にとりまとめた中で5番と7番につい

てはすでに他の映像のところで一通り見ておりますので、最後6番の蛍光灯3つあるうち1つ残ってい

るとうところについてご確認いただきたいと思います。

【 動画再生中 】 (田中委員) この辺は東電さんはどういうふうに考えているのですか。グレーチングあたりの塗装の剥離とか、蛍

光灯が真ん中だけ存在しているのです。 (東京電力:増井) 定まった見識というほどのものではないですけど、今おっしゃってた3つある蛍光灯のうち大物搬入

口側に近い側は落ちている、階段に近い側が落ちていて、真ん中だけ生き残っているという、そういう

事だと認識しておりますけど、これはやはり大物搬入口というのは爆発ないし爆風の事象で影響を受け

ているので、近い側は落っこちたのではないか。一方、階段に近い側は階段自体もやはり開口部になっ

ていますので、そこから風が吹いてきて落ちたのではないかと思いますけど、ちょっと断定的なことは

言い難い状況だと思います。 (田中委員) 5階の階段からということですか。 (東京電力:増井) はい。 (田中委員) あれは何で剥げているのですか。塗料みたいな。あれは塗料ですか。剥離しているのは。 (東京電力:増井) そうですね。今絵に映っているような、剥がれているのは、塗装はめくれている。ちょっと原因はわ

かりませんけど、湿気だとかそういうものかなと思いますけど、ちょっとわかりません。 (田中委員) その後剥げたのですか。剥げたというか、落ちたのですか。 (東京電力:増井) その後というのは事故後ということですか。 (田中委員)

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うん。 (東京電力:増井) 当然事故というか、普通にプラントが運転している時というのはあのような状態ではありませんので。 (田中委員) いや、その後というのは、経年的に爆発が起きて、そのあと湿気とかそういうのが来て、後から大分

なったと。事故直後にこうなっていたという事ではないとおっしゃったのですか。今。だからここを基

本的には5階からの爆風が南西側の大物搬入口から入ってきた爆風が、東南側のグレーチングを通って

SLCのほうに行く風の通り道になったとおっしゃっているわけだ。それでやられているという考え方

ですよね。あくまでも爆風で。 (東京電力:増井) 考えているというほど確度を持っているわけではありませんけども、そういうふうに考えると現場の

事象と整合するのではないかというふうに見受けられると。その程度のものだと認識下さい。 (鈴木委員) これは参考になるのは、2号機の5階なのです。2号機の5階は高温のガスが噴き出して、水蒸気が

噴き出して、水素も噴き出しますけど、但し水素爆発はしていないので、5階の内部を見ますとこれと

似たような感じになっているのです。つまりこれは、ということは高温の水蒸気がそこのところを噴き

抜けていったのでこうなったというふうに見ることができるのではないかと思います。ということは4

階には相当高温の水蒸気がそっちのほうに噴き抜けて行ったのだという1つの証拠だと思います。それ

についてご検討下さい。 (東京電力:増井) 今先生がおっしゃったのは塗装が剥げている。剥げているのは水蒸気だ、ということですか。 (鈴木委員) そうです。高温水蒸気。 (東京電力:増井) 水蒸気以外の可能性はないという理解でよろしいですか。 (鈴木委員) 高温ガスですね。水蒸気がメインだと思いますけど、水素でもいいですよ。大気でもいいです。高温

ガスが抜け出たということです。 (東京電力:増井) その事故後時間が経過して例えば湿分でありますとか、しばらくは建屋はカバーもなかった状態で、

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水分が入りやすい状態だったので、それで湿度が上がって塗膜が剥がれたという可能性はないと…。 (鈴木委員) というふうに考えますと、それ全体に、壁全体にこうなっていていいはずなのだけど、上のほうだけ

でしょ。これは。ですから高温のガスなのですよ。高温のガスにやられて即そうなったかどうかわかり

ませんが、高温のガスが通って行って、劣化した後にどれくらいの時間か知らないけれど、短時間でこ

うなったのだというような推理が成り立つと思うのです。特に2号機の5階の様子を見るとこれとよく

似た状況が見えます。 (田中委員) これはちょっと緒方先生に伺いたいのだけれど、政府の事故調査委員会はこの絵で言いますと、4階

のさっきの最初にいったSLCですか、こっちですね、SLCはポンプがあるのですが、そこへ通電し

たのが爆発前、1時間ぐらい前だったと思いますけど、ここはAC電源が通電した、待機状態に入った

という事なのです。それを契機にここからスパークが飛んで、こことは言ってませんけど、水素爆発が

起きたと言っているのです。見たとおり、先ほどビデオとか写真で見る限りでは、そうひどい状況はな

いのです。今の場所はここですね。ちょうどここに蛍光灯があって、剥げて脱落している塗料みたいな

のがあるのはここの部分のことなのですけど、こっちからこう行ってこう行った爆発経路だとすると、

風向きはここからこっち側になるわけだけれども、火元というかスパークをした元がここにあって、そ

の長い距離に至ってはそう何もない。しかしこの辺から突然激しく壊れると。そういうようなことはあ

るのですか。 (オブザーバー:緒方) 想定としては無いことはないというのは、本当に燃焼だけ伝わっていって、それがその部分で撹拌し

て爆発になるということは可能性としてはあると思うのですが、ただ水素の場合はどちらかというとそ

んなに簡単に燃焼だけで終わるというのは考えにくいものだとは思います。ですからどこで着火したか

というのは非常に難しいので何とも言えないのですけど、ただ配電盤がどこまであったとか、そういう

のがわからないと、たぶんどこでスパークが飛んだかというのはわかりにくいのではないかと思います。 (田中委員) 原理的には導火線がここにあって、爆発の惨状がひどいのは4階、5階ということはあるのだ、とい

うことですか。原理的には。 (オブザーバー:緒方) 原理的には最初の爆発というか燃焼が始まったと考えればそこの影響というのは少ないのではない

かと思います。壊れるとかそういう影響は少ないのではないかと。 (田中委員) 今見た限りではどうなのですか。こっち側からこう…、何かの影響を受けているはずなので、こっち

からこう来たものなのか、こっちからこう来たものなのか、その辺はどうなのでしょうか。

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(オブザーバー:緒方) ちょっとそのへんは判断しにくくて、現場を見てないのでよくわからないのですが、ただ左側のほう

で何か大きな燃焼というか、爆発に近いものが起きて、右のほうではどちらかというと燃焼に近いのか

なと。結局、全く全部同じ濃度の水素がそこにあったとは考えられませんので、いろいろな所で薄い所

もありますし、濃いところもあって、特にたまたまだと思うのですけど、左側のほうでよく撹拌して大

きな爆発とか燃焼になったのかなと推定しかできないのではないかと。現状では。申し訳ないですけど。 (田中委員) ここで爆発的なものが起きて、ここで燃焼的なものが起きたと。 (オブザーバー:緒方) ええ。多分最初は燃焼的なものだったのが段々爆発的になってきたのではないかという事は推定でき

ると思うのですけど、ただ少なくとも着火源がどこかにあったというのは事実だと思いますので、それ

が何かというのはちょっとわからないし、現状では何とも言えないのですけど、もちろん水素自体はあ

っても、もちろん高温の水素が出てきたら別ですし、高圧の水素が噴き出す場合は自着火というのもあ

るのですけど、こういう場合はどうなのか…、どういう…、例えば今いわゆる燃料電池材に積むような

水素というのは70M㎩とか35M㎩とか、すごい高圧の水素なのです。いわゆる300気圧、700

気圧とありますと、それが細い穴から出てくると衝撃が出てしまいます。それが事故着火ということは

あり得るのですけど、そういう高圧の、ただちょっと気になるのは、高温の水素ということでどうなの

かというのは、そこまで私は知見はないのですけど、そこはちょっとよくわからないという事になりま

す。 (藤澤委員) IC配管から出てくる可能性というのはあるのですか。 (田中委員) IC配管は原理的に言うと原子炉と直結していますから、燃料損傷がここで起きて水素が発生すれば、

弁が開いてさえすればこっちに入ってくる。という事です。弁が閉まっていたかどうかという問題も3

A弁の問題とか2A弁とかあるので、軽々には言えないけど、ここでジルコニウム反応が起きて水素が

出る温度というのは大体900℃最低必要ですから、900℃以上のものがIC配管を通ってこっちに

入ってくる。その場合格納容器は一切通らない。パイプでこっちへ供給してきてしまいますので、パイ

プが、1つは、僕はクリープラプチャーという事も考えていて、確か原子炉圧力容器のトップヘッドと

いうのは、これは事故調の時に頭に入れた数値なので正確かどうかわかりませんけど、東電のMAAP

解析をやると大体ここは1300℃ぐらいになっていましたね。トップヘッド。そうすると相当高い温

度です。その高い温度の状況というのが、もちろん原子炉の炉心部が燃料損傷を起こしているわけで。

そんなものがIC配管に入ってくると、IC配管というのはクリープラプチャーをクリープで破断を起

こして、そこに穴が開く可能性もあるなということは思っていて、それの計算をやろうと思うと材料定

数がいっぱいいるのでわからないですけど、そういうことは計算されましたか。

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(東京電力:増井) そういう計算はやっておりません。 (田中委員) それはぜひやる必要があると思います。ここへ水素が高い温度で供給されてきて、チョロチョロと…。

損傷と言ったって、ヘアラインクラックと言って、そんなバサッと行くわけではなくて、斜め方向に網

状のクラックが入ればそこからリークするだろうし、それはクリープを続けていくと900℃とか10

00℃で、もしあれがステンレスじゃなくて、炭素鋼だったですかね。 (鈴木委員) 炭素鋼。 (田中委員) 炭素鋼ですよね。炭素鋼だとすると高い圧力で高い温度だからあまり持たない可能性がある。だけど

…、それをぜひやってみる必要があるかもしれません。おすすめですというのも変だけど、やっておく

必要がある。やってないですよね。 (東京電力:増井) 事実関係としてはそのような計算はやっておりませんが、今の話は事故当初地震でICが破損したか

という今後ディスカッションの元々この中心的な検討テーマに関するところだと思いますので、現時点

では我々、くどいようですが、パラメータと解析と現場で完全にこうだと断言できないものの、少なく

とも明確に配管から地震の影響を受けて漏洩したというまでの照査も得られてないわけでして、我々と

しては少なくとも先ほどのパラメータ解析現場確認との、この3つの要素を総合させるとやはり地震発

生からSBOまでは少なくともICはその機能を維持していたというふうに考えております。我々だけ

ではなくて規制庁が独自に評価した報告書の中でもそのように認定されているという認識をしており

ます。 (田中委員) ですからそこにSR弁の話が一切入ってないということを僕はさっきから言っているわけで、SR弁

とか、1号の時にどうしてそれが1号の運転員だけが聞こえなかった、そういうものに関して考察をし

ないということが僕は不思議でしょうがないと言っているのです。もう1つ、国会事故調は何も地震で

壊れたのだという事を強調するわけではなくて、そういうわずか半年の調査の中で、実際には3ヶ月か

4ヶ月しかなかったけど、そういう調査の中で解決し得ない問題があるから地震で起きなかったという

事は断定はできない、可能性が全くゼロというわけにはいかないよ、という事を言っただけのことなわ

けです。その問題に関して国会事故調がいくつかなぜそういったかについて箇条書きにしていますけど、

そのどれもほとんど解析上乗らないからという事で切っていくわけだけれども、今の問題もそうですね。

もしかすると僕はクリープ、ここは水素のもし供給源の部屋になったのだとすると、地震だろうと思い

続ける。今でもその気持ちはなくはないです。強くありますけど。もう1つは、それまで健全と見えて

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たものが高温のクリープで耐えられなくなって、そこから水素漏出が始まったかなという、そういう可

能性もあるかな。だけどそれは計算してみないといけない。実は僕やってみたのです。やってみたとい

うのは、ラルソミュラーというのを使ってちょこちょこってやる。それは材料特性がいい加減だからそ

れはできないのですけど、そういうのを本当は東京電力さんは、そういうクリープで燃料損傷、ここら

辺からクリープが始まって。もしそうだとするとこれは大きい問題で、そっちでも大きい問題で、3号

でもそういうことが起きなかったかとか、柏崎でそういうクリープの損傷が発生した時にクリープ損傷

ということに耐えられるような構造になっているのかどうかとか、そういう問題を見ていかなければな

らないと思います。今日、議題にたぶん載っていたと思いますけど、同じようにクリープの問題でいう

と、原子炉圧力容器のトップヘッド、あれは100本近くのボルトで押え込んでいますけど、1号はも

うちょっと少ないか、5インチ半ぐらいのボルトで押さえていますけど、あれもこんな高い温度に耐え

られるようなものではないわけでしょ。そうするとОリングのスプリングバック以上に伸びてしまうと、

原子炉圧力容器のフランジ部から水素が漏洩した可能性がある。そうすると水素漏洩が非常に5階へ集

中する可能性があるわけだけど、この問題は検討してますか、という事を前に伺ったのですけど、それ

もしてらっしゃらないですよね。これは今日の議題というか、いただいた資料の中にトップフランジ、

あれは…。 (東京電力:増井) 今のRPVの主フランジに関しましては、今日は配布されてないのかな、ディスカッションの課題と

整理の中で何個か質問回答していると思いますけど、そちらをご覧いただければよろしいかと思います

が。 (鈴木委員) 今のクリープの問題について若干言わせていただきますと、東電さんは1号機の水位計の基準水柱の

蒸発に関してSRVのほうに高温ガスが行ったので、主蒸気管の一部がクリープで損傷したと。そこか

ら高温のガスが格納容器の中に漏れ出して、基準水柱を加熱したので、基準水柱の中の水が蒸発したの

だというふうにおっしゃっていますよね。ゴティックというコードで計算をしたらそうなりました、と

いうふうに去年の12月の沖縄の国際学会で発表されています。主蒸気管のどこかちょうど都合のいい

ところがクリープ、たぶんクリープだと思うのですけど、クリープ以外にないですよね、高温ガスがS

RVに行ったその途中にある部分で、ガスが漏れ出したと言っているわけですから、高温クリープであ

る。そういうところで高温クリープという合理化を、ようするに高温クリープによって事象を説明して

おいて、もう一方ではICのほうは全く大丈夫でしたと、IC配管のほうは大丈夫でしたというのは、

これはダブルスタンダードというべきであって、一方でクリープを考えるのだったらもう一方でもクリ

ープを考えたり、一方でしきりに高温ガスが行くのだったらもう1つはやはりSRVのほうに行かない

で、他のところから流れたらどうなるかということも解析すべきであると思います。どうでしょう。 (東京電力:ヤマナカ) 東京電力ヤマナカです。今、ご指摘いただいたのは確かに我々のほうでそういう解析をしております

が、それは蒸気が流れている、高温のガスが流れているからそういうことが生じうるだろうということ

で、そういう解析が成り立つものでありまして、そこの場合は蒸気が流れていなければ高温のガスが流

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れるようなルートになっていないというのが今の我々の見解ですので、そういう意味で起きないという

ふうに考えているという事でございます。 (田中委員) それは、根拠は何ですか。弁の開閉の状況からそれは言えないと思います。 (東京電力:ヤマナカ) 弁の開閉の状況からという意味では閉めたという事になっております。 (田中委員) A系に関しては何とも言えないですね。あれは。蒸気が流れたのか流れないのか、水素詰まりが起き

たのかどうか、その点に関しては弁の開閉状況から言えるのは、A系についえてはわからないというこ

とですよね。それは完全に否定はされていません。 (東京電力:ヤマナカ) はい。それはそうだと思います。 (鈴木委員) それと関連して言いますが、東電さんがお作りになったこの資料の17ページにIC蒸気管ベント弁

の動作についてとありまして、電源喪失時は閉になると、閉まると、要するにフェイルクローズだと。

空気を喪失した時も閉になると。フェイルクローズであるというふうに書いてあります。これって本当

にそうなのですか。SBOになったら作動空気の供給が断たれるので、このAO弁というのは開くので

はないですか。これは大丈夫ですか。 (東京電力:増井) はい、設備図書を確認しましたので間違いございません。 (田中委員) 話がここに来たのでちょっと伺いたいけれど、インターロックの原子炉圧力、上から5行目ぐらい、

原子炉圧力高信号で当該弁「閉」、圧力はいくらですか。設定値。 (東京電力:増井) ちょっとお待ちください。原子炉圧力高でスクラムする設定値が7.07M㎩。 (田中委員) ICの作動圧力は。 (東京電力:増井) ICの作動圧力は7.13M㎩。

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(田中委員) ICの戻り配管隔離弁MO-3A/Bを「開」で、当該弁「閉」となっていますけど、これはどっちが

基準になるのですか。 (東京電力:増井) 上のほうも両方基準になっていて、何を言っているかというと、主なインターロックの1行目に書い

てある、ICの配管隔離弁を「開」すると当該弁「閉」、これは手動操作をイメージしていただければ

いいと思います。 (田中委員) それはありえない。手動操作でセッティングされていないですからね、あれ。 (東京電力:増井) 手動操作でもこのようなインターロックがあるということです。 (田中委員) だから自動だったら当然もっとあるわけでしょ。自動の圧力というのは7.2幾つですよ。 (東京電力:増井) 自動の場合は原子炉圧力高信号で当該弁が閉まるというような設計になっています。 (田中委員) じゃあ、あそこに書いてあるのはどっちなのだ。手動なのか。1行目は。「閉」というのは。 (東京電力:増井) 当該弁の「閉」についてはインターロックですので、自動で閉をするというつもりで当該弁「閉」と

書いてございます。 (田中委員) ICの戻り弁は自動で「閉」なんかしないですよ。安全弁機能を使っているわけではないですから。 (東京電力:増井) 今先生がおっしゃっているのは当該弁というところですか。1行目の。 (田中委員) はい。 (東京電力:増井)

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この当該弁というのはIC蒸気管ベント弁についてという事なのですけど。 (田中委員) ええ、わかっています。だからICの隔離弁のあそこの隔離弁を開くのは自動でも手動でもいいです

よね。 (東京電力:増井) はい。自動でも手動でもこのMO-3A/B弁については「開」することはできます。 (田中委員) そうすると、ICの3A弁というのは自動の場合には、確かはっきり覚えてないけど70…、あれ変

えたのですよね、設定を、2009年に。SR弁を低く取った。それが77.3M㎩ぐらいで。だと思

いますけど、わかりませんけど、その辺だと思うけど、原子炉圧力の高信号というのはあっちのほうの

「閉」はそれより低く設定してあるのですか。さっき7.0とか。 (東京電力:増井) 先生がおっしゃっているのは、原子炉圧力高信号が出る圧力はいくつか、ということですか。 (田中委員) そうそう。原子炉圧力が高いよという事を自分であそこの弁が判断するのでしょ。あのラインが。そ

して閉めてしまうのでしょ。それがICの作動弁が開く前にやってしまうという事ですね。 (東京電力:増井) ちょっと今一度確認しますけど、原子炉圧力の高信号なのですが、IC自体は原子炉圧力の高信号が

15秒間継続した時に、3A弁、3B弁が開くことになっていまして、それと時を同じくしてベント弁

が閉まるものだというふうに思われます。ちょっとこれあらためて確認します。 (田中委員) まあ、いいですけど。これは何かダブルスタンダードに見えるという事を言っているけど、どっちを

使うのですか。これが7.0でICのアレよりも低くなっているのでしょ。だからICが動いてないう

ちから止めてしまうということは、もしそのままでいくと、ICの開かないでいい状態でいくと水素溜

まり起こすじゃないですか。これは役目は何ですか。このライン。水素が滞留することを止めるのでし

ょ。放射線分解で。そのために流しているのでしょ、これ。 (東京電力:増井) 水素その他の不活性ガスを蒸気管のほうに逃がすために設けている弁です。 (田中委員) そうですよね。ここで「閉」にしてしまっていいのですかと言っているのです。これが圧力下げない

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うちに。 (東京電力:増井) おっしゃっている意味がよくわからないのでけど、蒸気がICのほうに流れている時はこのベント弁

は閉めます。蒸気のほうがICに流れて行かずに止まってしまう時はこの弁を開けるという、そういう

設計で出来ているものだと思っております。 (田中委員) わかりました。まあ、いいですけど。僕が勘違いしているのかもしれない。要するにあそこの2行目

の閉圧力はいくつですかというと、7.いくつなのですか。 (東京電力:増井) ICの原子炉圧力高は少なくともスクラム信号については7.07M㎩で、ICについては7.13

です。 (田中委員) 7.13。 (東京電力:増井) はい。7.13原子炉圧力。原子炉圧力じゃない、ICの起動ですね。ちなみにSR弁の起動は7.

27ですので、SR弁が一番高いという。これは設定値を変えたでしょとおっしゃいましたけど、その

とおりでございまして、設定基準を一回変えております。 (田中委員) そうすると結局電源喪失の時には閉まっているのですね。 (東京電力:増井) この弁に関しましては電源喪失をすると閉まっているというのがインターロックになっているので、

ものを見たことはないのですけど、閉まっているというふうに想定されます。 (田中委員) 空気の流れは、作動空気というのは電気を使うでしょ。 (東京電力:増井) 作動空気は電気を使いまして、コンプレッサーを使って。 (田中委員) それはなくなってしまうわけですよね。

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(東京電力:増井) なくなってしまう。はい。 (田中委員) そうすると開いてしまうという事はないのですか。 (東京電力:増井) いや、閉まってしまいます。AO弁ですので、弁もバネを使って空気の圧力で開けているような状態

なので、空気の供給がなくなるとこの弁がガーッと閉まるという、そういうものだというふうに考えて

…。 (田中委員) 逆じゃないんだ。逆をイメージしていた。それは本当なのですね。 (東京電力:増井) はい。先程も回答しましたけど、設備図書を見た上での回答ですので間違いございません。 (事務局:市川原子力安全広報監) 議論の途中ではございますけど、予定の時間を今25分ぐらいオーバーしておりますけど、東京電力

さんが今回提出された資料につきまして残念ながら全部説明が終ってない状況でございますので、残り

の部分については次回引き続き説明していただくということで。 (田中委員) 昨日いただいたので、ちょっと私だけの都合で申し訳ないけど、昨日いただいたのでザッと見たけど、

いくつか質問があるので、それを出しておきますか。私のほうから。 (事務局:市川原子力安全広報監) お願いします。それで、新しい質問についてはこちらのほうにいただければまた整理表のほうに追加

して東電のほうに投げかけますので。 (田中委員) こういう格好で、パワポのデータみたいな恰好で作って質問状を投げる感じでいいですか。 (事務局:市川原子力安全広報監) それでも結構です。はい。 (鈴木委員) 次回は、緒方先生はいらっしゃらないのですよね。

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(事務局:市川原子力安全広報監) 先生方で必要だという事であって、また緒方先生のほう日程調整が可能であればお願いすることも。 (鈴木委員) わかりました。じゃあ、ここで1つだけちょっと緒方先生のご意見を伺いさせてください。東電さん

の資料で22ページなのですが、ハッチの所在についてというイラストがありまして、3通りの仮説が

書いてあって、中段、真ん中ですね、水素爆発の影響により、横方向に爆風を受け、機器ハッチが5階、

又は建屋外に移動する可能性と書いてあります。この閉まっている水平にピタッと閉じているハッチに

対して、横から爆風が上がってきたときに、このハッチがめくれ上がってポンと外へ、上のほうに飛ん

でいくということはありえますか。 (オブザーバー:緒方) これ、結構重いやつですよね。 (鈴木委員) 何トンでしたっけ。 (田中委員) 1.5tですね。 (東京電力:増井) 1.5tです。この溝の中にガスッと埋まっているというか、縁にちょっと乗っているような形にな

っていて、その縁ののりしろが、幅がおそらく10㎝ぐらいだと記憶しています。 (田中委員) その話なのですけど、断面図というか、あれは本当に…、これが蓋だとすると、こういう感じですよ

ね、真ん中から分かれて。それでこっちが西側の壁で、ウィンチで引っ張るとこういうふうに行くのだ

と。こういう構造ですね。それでいいですよね。ここにウィンチが付いていて、こうやってこっちを引

っ張るとこれが真ん中から分かれて、これがこういうふうに滑っていって行くということですね。ここ

のところ、この端っこが床に置いてあるのですか。それとも開口部の、開口部に棚ができていますよね。

あそこに入っているのではないですか。 (東京電力:増井) 今おっしゃっているのは、折りたたんだ時の側面が溝の中に入っているのではないかという事ですか。

それともフロアの上に乗っかっているとか、溝が切ってあって、溝の中に入っている状態で、こう曲が

っているのかということですか。ちょっと確認しないとわからないですね。 (田中委員) あのね、普通の常識で言うと、開口部にちゃんと棚ができています。あそこに。東京電力さんは自分

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で書いている絵の中に、内側に棚ができていますよね、ここへ。これ。この中に乗っかっていませんか。

こっちは乗っかっているのです。こっちは出ているのです。この絵は本当?僕が知りたいのはここの断

面を切ってこっちから見た時どうなっているかということなのです。普通物を作るときにせっかく棚を

あそこにああいうふうに作るなら、そこに埋めますよね。そうしないと作業者は靴をぶつけてしょうが

ないもの。だからあそこは、普通は平らを保とうと。ここだけ歩きにくく蓋を置くということは考えに

くいことです。それであそこの棚みたいなところに埋め込むという格好を取ると思うのですけど、実際

こっちは埋め込まれています。これ。こことこの壁はほらこれだけ差が出ている。何でこんなものが出

るのかな。例え外に出ていたとしても内側、これは作りものですよね。1枚の板ではないのです。いろ

いろフレームを作っていますね。だから内側にこういう出っ張りを入れてそこに挟む。乗っけるとかそ

ういうことをやっている可能性があって、ここの断面が知りたい。こっちから見た。要するに棚の上に

どう置かれているか。そうでないと横から風が来たときにこれが飛ぶかという話です。それに関して、

それはただ置いてあれば飛ぶかもしれないけれど。だから答えにくい問題。 (オブザーバー:緒方) 答えにくいと言えばにくいので、重量があるのでなかなか動きにくいのかもしれないのですけど、た

だ薄いやつで全体で受けるとすると、飛ばないことはないと思います。当然。ただ上からだとどうかな

という気がして、下からだともちろん上がっていくとは思うのですけど。 (鈴木委員) 横から来るよりも上から来ますよね。 (オブザーバー:緒方) ええ。上からだと思いますね。圧力は。 (田中委員) 上から来た場合ですが、東京電力さんの論理というのは、ここに鉄板の壁があります。そこにウィン

チをそこで支えているのです。そうすると爆発が起きた時にこの西壁がすっ飛んでしまいます。そうす

るとこの蓋を開くように動作したとおっしゃるのですけど、僕はそれは無理で、ここは圧力がかかるの

でこっちこういうふうに引っ張るので、結局このロープが衝撃力に耐えられなくて切れてしまうだろう

と思うのです。だから蓋が開く暇があったらば、開けられなくてロープが切れるだろうと。 (オブザーバー:緒方) 多分先生のご指摘どおりだと思っていまして、当然圧力は均等にかかっているはずですので、蓋自体

も上から圧力がかかっているという想定のほうが正しいと思います。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今日のお配りした県の資料2でございますけど、この資料2につきましては、これまでの整理表非常

に質問項目、追加質問項目が多くなってわかりにくいという状況になっておりましたので、委員の先生

方のご協力をいただきながら論点整理をしたものがこの資料2の新しい整理表でございます。この整理

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表を今後使ってこれから田中先生からいただく質問等については、この新しい質問整理表のほうに追加

していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (田中委員) その場合、整理表は私がいじったほうがいいのですか。めんどくさくてしょうがなくて。わからなく

て。 (事務局:市川原子力安全広報監) 事務局にパワーポイントでいただければ事務局のほうで整理いたします。それと、古い整理表につき

ましてはそのまま資料という事で今後残していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。そ

れからお手元に縦書きで資料2という同じ資料2なのですけど、横書きの整理表の中身をそのまま縦に

まとめたものでございます。ここのところに実は今後の議論が必要な課題ということで、何点か記載を

してございます。次回の議論の課題についてはこの中から選んでいただくという事も考えておったわけ

ですけど、今回東電さんの資料、説明が中途になりましたので、次回は東電さんの資料の続きの説明か

ら開始いたしたいと思います。またその他の議題について事務局のほうにご指示がございましたら、別

途事務局のほうまでご連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。この資料2について

委員の先生方のこれまですでにご覧いただいているものでございますけれども、何かご意見ございまし

たらお願いいたします。 (田中委員) ご意見というか、こういうまとめ方でいいと思うのですけど、現場の調査というのはああいう大規模

なことはできないにしても、ここを確認したい、ここだけ特別にきちんと見たいとかという事が出てく

るかもしれません。そしたら東電さんにいつか時期を見て確認してくださいということをお願いすると

いうようなことは可能なのかどうか。ちょっとそれを確認しておきたい。 (事務局:市川原子力安全広報監) 今後の議論の中でそれがないとわからないということについては極力東電さんのほうで調べていた

だくようにお願いしたいと思います。 (田中委員) ただ私が心配しているのは、もう撤去するのですよね。そろそろ、5階。 (東京電力:増井) 1号機は今後は原子炉建屋は今カバーで覆われているのですけども、外すのですけど、まだ少し時間

がかかるとは思います。追加で現場で調査という話でございますが、これは個別の追加が一体何かとい

う事を明確に教えていただいてから、また検討させていただきたいと思っております。 (田中委員) 具体的にあるわけではないのですが、あそこに脚立などありましたね。どなたかが置いてあった。だ

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からああいう高所をきちんと見たいという事もあるかもしれない。それからデブリで完全に覆いかぶさ

ってしまっている配管を少しどけて、ここを見たいというようなこともあるかもしれないのだけれど、

そういう事というのは行ったついでに見ていただくとか、そういう事だったら可能なのですか。 (東京電力:増井) 一般的に線量が高いので、通常の現場ではないので、ちょっと別の作業をやっているのに、ついでに

あれ見てきてくれよとか、瓦礫をどかしてくれよと、ちょっとそういう種類の現場ではありません。し

たがいまして、現場を新たに我々のほうで見るという事であれば、まったく新しい視点で何かが出てき

て、それで現場を見なければダメだという事であれば検討はしたいと思いますけど、何分我々だけで現

場に行けるわけではなくて、必ず福島第一で廃炉作業にあたっている者の協力が必須になってまして、

今後安全に計画的に廃炉をやっていく上で職員の被ばくを極力抑えたいと思いますので、その点もご勘

案いただいて個別ご相談という形になるかと思いますので、その節はよろしくお願いいたします。 (事務局:市川原子力安全広報監) それでは本日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。追加のご質問であるとか、次回の

議題につきましては事務局のほうにお知らせください。それでは最後に課長の須貝からご挨拶申し上げ

ます。 (事務局:須貝原子力安全対策課長) 長時間に渡り大変ありがとうございました。福島の1号機の調査を基に非常に熱心に議論をしていた

だいたと感じております。また緒方先生におかれましては貴重なご意見をどうもありがとうございまし

た。今日の議論を基に先生方からお寄せいただける今後のご質問などをまた事務局のほうでまとめまし

て、次のディスカッションに備えたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。今日はどうも

ありがとうございました。