43
1 1 短期エネルギー需給見通し 2005年度までの予測と 原油価格、経済成長及び気温による影響分析 390定例研究会 (財)日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット 計量分析・需給予測グループ 研究員 末広 20041216日(東京)-1217日(大阪) IEEJ:2004年12月掲載

短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

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11

短期エネルギー需給見通し2005年度までの予測と

原油価格、経済成長及び気温による影響分析

第390回 定例研究会

(財)日本エネルギー経済研究所

計量分析ユニット 計量分析・需給予測グループ

研究員 末広 茂

 2004年12月16日(東京)-12月17日(大阪)

IEEJ:2004年12月掲載

Page 2: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

22

報告の内容報告の内容

◆ 研究概要 研究目的・分析手順・モデルフロー

◆ エネルギー需要の現状

◆ マクロ経済の現状と見通し

◆ エネルギー需給の見通し

◆ 影響分析 原油価格の影響・経済の影響など

◆ まとめ

IEEJ:2004年12月掲載

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33

研究概要研究概要

◆ 研究目的  経済、原油価格の先行きが不透明な状況をふまえ、2005

  年度に至るエネルギー需給の予測を行う。基準ケースの

  予測に加え、不確定な要因についての影響評価も行う。

◆ 予測手法  計量モデル(マクロ経済、エネルギー需給) →次頁参照

◆ ケース設定:基準ケース

影響分析(2005年度)◇原油価格:高価格/低価格

◇経済成長:高成長/低成長

◇気温の影響(夏季/冬季)

IEEJ:2004年12月掲載

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モデル分析フローモデル分析フロー

マクロ経済モデル

エネルギー需給モデル

二次エネルギー価格

産業・サービス活動

最終エネルギー消費

原油価格

エネルギー転換需要

一次エネルギー供給

世界経済、為替レート

(主な前提)

気温

原子力・水力発電量

GDPコンポーネント

物価・労働・金融等

CO2排出量将来の需給を規定する要素と各種因果関係を計量的・整合的に捉える。

IEEJ:2004年12月掲載

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エネルギー需要の現状エネルギー需要の現状

     ◆ 販売電力量

     ◆ 都市ガス販売量

     ◆ 燃料油販売量

IEEJ:2004年12月掲載

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66

エネルギーの販売動向エネルギーの販売動向

出所)経済産業省「電力調査統計月報」 「ガス事業統計月報」 「資源・エネルギー統計月報」より作成。

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

2001 2002 2003 20040

5

10

15

20

25

30

2001 2002 2003 20040

500

1000

1500

2000

2500

2001 2002 2003 2004

販売電力量季節調整済み

気温の影響を受けているが、景気回復に伴い増加

傾向にある

(億kWh)

都市ガス販売量季節調整済み

暖冬により一時減速したが、工業用を中心に総じて堅調な伸びを維持

(億m3)

燃料油販売量季節調整済み

一時電力用C重油が伸びたが、現状はほぼ横ば

いで推移

(万KL)

2002年度

2.2%

2003年度

-0.5%

2004上期

5.7%

2002年度

8.0%

2003年度

4.3%

2004上期

5.7%

2002年度

2.6%

2003年度

-0.7%

2004上期

-0.5%

◆電力 ◆都市ガス ◆石油

IEEJ:2004年12月掲載

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77

【産業用】 【産業用】 大口電力・都市ガス・大口電力・都市ガス・CC重油重油

各エネルギー需要の推移 直近1年間の動き

出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

80

90

100

110

-80

-60

-40

-20

0

+20

10月 '04.1月 4月 7月

-8

-4

0

+4

+8

+12

+16

+20

+24

+28

+32

生産指数

80

100

120

140

160

80

90

100

110

2001 2002 2003 2004

C重油(除電力用)

都市ガス(工業用)

大口電力

減少傾向

急成長

増加傾向

季節調整済み、2000年=100 前年同期比

C重油(除電力用)

大口電力

都市ガス

生産活動は好調に推移

IEEJ:2004年12月掲載

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88

80

100

120

-80

-60

-40

-20

0

+20

10月 '04.1月 4月 7月

-2

0

+2

+4

+6

+8

80

100

120

80

100

120

2001 2002 2003 2004

電灯

都市ガス(家庭用)

灯油

季節調整済み、2000年=100 前年同期比/差

微 減

横ばい

増加傾向

気温(同期差

(℃)

暖冬 猛暑

灯油

電灯

都市ガス

【家庭用】 【家庭用】 電灯・都市ガス・灯油電灯・都市ガス・灯油

各エネルギー需要の推移 直近1年間の動き

出所)エネルギー需要は前掲。気温は気象庁より作成。

冷夏

猛暑

IEEJ:2004年12月掲載

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99

90

100

110

120

130

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

+10

+20

+30

10月 '04.1月 4月 7月

-2

0

+2

+4

+6

+8

90

100

110

120

130

90

100

110

120

130

2001 2002 2003 2004

電力 (業務用+その他)

都市ガス (商業用+その他)

A重油(業務用)

季節調整済み、2000年=100 前年同期比/差

微減

急成長

増加傾向

(℃)

暖冬 猛暑

電力

A重油

都市ガス

気温(同期差

【業務用】 【業務用】 電力・都市ガス電力・都市ガス・・AA重油重油

各エネルギー需要の推移 直近1年間の動き

出所)エネルギー需要は前掲及びEDMC推計。気温は気象庁より作成。  注)電力は、自由化対象分を含む。

冷夏

猛暑

IEEJ:2004年12月掲載

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1010

【運輸用】 【運輸用】 ガソリン・軽油ガソリン・軽油

自動車用燃料であるガソリン/軽油は、各自動車保有台数と同じ動きで推移。但し、台当たり消費量でみると、ガソリンは減少、軽油は増加している。

出所)経済産業省「資源・エネルギー統計月報」、自動車検査登録協会「自動車保有車両数」より作成

350

400

450

500

550

2001 2002 2003 200480

100

120

140

160

200

250

300

350

400

2001 2002 2003 200460

80

100

120

140

160

180

200

220季節調整済み

ガソリン

ガソリン車保有台数

台当たり消費量

(万KL)

(2000年=100)

(万KL)

軽油

軽油車保有台数

台当たり消費量

(2000年=100)

季節調整済み

冷夏の影響

IEEJ:2004年12月掲載

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マクロ経済の現状マクロ経済の現状

     ◆GDP、物価などの一般マクロ指標

     ◆素材系生産、その他生産活動など

IEEJ:2004年12月掲載

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1212

-5

0

5

10

15

20

25

2002/Q1 2003/Q1 2004/Q175

80

85

90

95

100

105

(%)

消費者物価(2000年=100)

生産指数(2000年=100)

実質GDP(前期比年率換算)

旧系列

主要経済指標の推移主要経済指標の推移

回復途上にあった日本経済に減速感が漂う。

生産低迷

出所)内閣府「国民所得統計速報」、経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」、総務省「消費者物価指数」より作成

減速

懸念

IEEJ:2004年12月掲載

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1313

地域別輸出額(地域別輸出額(FOBFOBベース)ベース)

中国などアジア向けの輸出が増加しており、地域別シェアの半数を占める。

出所)財務省「貿易統計」より作成

13%5%

36%33%

22%

30%

15%

18%

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

2000/Q1 2001/Q1 2002/Q1 2003/Q1 2004/Q1

その他アジア

米国

EU

中国

(兆円)

構成比

中国向け輸出 2003/Q1            2004/Q3 前年同期比   43 → 31 → 34 → 28 → 23 → 25 → 18%

中国向け輸出の伸びが鈍化

IEEJ:2004年12月掲載

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1414

9.1

9.69.89.9

9.1

6.7

9.9

6

7

8

9

10

1120

03/Q

1

Q2

Q3

Q4

2004

/Q1

Q2

Q3

(前年同期比%)

実質GDP

中国経済の動向中国経済の動向

出所)日本貿易振興機構(JETRO)「中国経済」より作成

過熱気味だった固定資産投資を抑制。ソフトランディングに向けて調整中。

(SARS影響)

過熱抑制

前 年同期比

工業生産付加

価値額

小売販売総額

固定資産投資

完成額

輸出総額

輸入総額

消費者物価

2003/Q1 17.2 9.2 31.6 33.5 52.4 0.5

Q2 15.4 6.8 33.3 34.4 38.2 0.7

Q3 17.0 9.8 29.6 29.6 34.4 0.8

Q4 18.2 10.4 23.8 40.3 38.4 2.7

2004/Q1 17.7 10.7 43.0 38.2 42.3 2.8

Q2 17.7 15.1 22.3 40.4 43.6 4.4

Q3 15.8 13.4 26.5 29.1 30.3 5.3

IEEJ:2004年12月掲載

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1515

80

90

100

110

120

2003

/1 4 7 10

2004

/1 4 7 10

鉄鋼

紙パルプ

化学

窯業土石

(2000年=100)

80

90

100

110

12020

03/1 4 7 10

2004

/1 4 7 10

電子部品

輸送機械

電気機械

一般機械

(2000年=100)

業種別鉱工業生産指数業種別鉱工業生産指数

出所)経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成

鉄鋼や機械工業など輸出向け生産が好調に推移していたが、足元の動きに陰りが見られる。

3ヶ月移動平均

素材系

機械系

IEEJ:2004年12月掲載

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1616

7000

8000

9000

10000

11000

12000

2000 2001 2002 2003 2004

内需・輸出とも好調フル稼働続く

4000

5000

6000

7000

8000

9000

2000 2001 2002 2003 2004

公共事業減少の影響大民需が下支え

550

600

650

700

750

800

2000 2001 2002 2003 2004

内需・輸出とも好調フル稼働続く

2400

2600

2800

3000

3200

3400

2000 2001 2002 2003 2004

紙、板紙ともに、やや持ち直しの兆し

素材系生産量素材系生産量①粗鋼生産

③セメント生産

②紙・板紙生産

④エチレン生産

出所)経済産業省「鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計」「窯業・建材統計」「化学工業統計」「紙・印刷・プラスチック・ゴム製品統計」より作成

12ヶ月移動合計

(万トン)

IEEJ:2004年12月掲載

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1717

【鉄鋼】生産と需要【鉄鋼】生産と需要粗鋼生産稼働率 普通鋼鋼材受注の需要別増分

出所)経済産業省「鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計」より作成

生産はフル稼働が続いている。特に伸びている需要は、造船用、中国向け輸出。

0

20

40

60

80

100

120

2003

/1月 4月 7月 10月

2004

/1月 4月 7月

(%)

電炉

転炉

粗鋼生産+1.1% (2003年度)

+1.7% (2004上期)

-4-202468

-202468

建 

産業

・  

電気機械

船 

自動車

の他

輸 

販売業者

(万トン/月;前年同期差) 2003年度

2004上期

IEEJ:2004年12月掲載

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1818

【鉄鋼】需要家の動向【鉄鋼】需要家の動向

出所)自動車工業会、国土交通省、経済産業省、内閣府、IMFの各資料より作成

鉄鋼需要家である船舶、自動車、機械は、輸出の伸びに依存している。

自動車生産台数+0.3%+3.1%

一般・電気機械生産指数+8.8%+18.2%

造船竣工総トン数

+8.0%+8.3%

-12.1%+114.2%

国内船輸出船+8.8%+5.2%

+0.4%-1.5%

国内出荷 輸出+0.1%+6.6%

数値は前年比増減率上段:2003年度下段:2004上期

+3.7%+5.0%

外需+25.3%+5.9%

内需

代理店

機械受注総額(除船舶)

世界貿易の増加+5.5%

+9.1%*

欧州向けが好調+17.3%+14.0%

中国向けが急増+39.1%+30.1%

*2004年見通し

IEEJ:2004年12月掲載

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マクロ経済の見通しマクロ経済の見通し

     ◆ GDP及び需要項目、物価指数

     ◆ 素材系生産量

     ◆ 生産指数、サービス活動指数、運輸指標

IEEJ:2004年12月掲載

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2020

マクロマクロ経済経済指標の見通し指標の見通し 【基準ケース】

出所)実績は内閣府「国民所得統計速報」等各種資料より作成。予測は日本エネルギー経済研究所。

注)括弧内は寄与度。開差項があるため合計は合わない。

(2005年度)輸出の鈍化により、生産、投資活動も減速。

実 績

2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

名目GDP(兆円) 501.3 506.1 509.3 0.8 1.0 0.6

実質GDP(兆円) 523.1 534.8 542.0 1.9 2.2 1.3 民間需要 392.7 402.9 408.0 ( 1.6) ( 2.0) ( 1.0) 公的需要 118.5 117.4 118.2 (-0.4) (-0.2) ( 0.2) 海外需要 12.0 14.9 16.0 ( 0.8) ( 0.5) ( 0.2)

生産指数 (2000年=100) 96.6 101.9 104.7 3.5 5.5 2.7

消費者物価 (2000年=100) 98.1 98.0 97.8 -0.2 -0.1 -0.1

原油価格 (ドル/バレル) 29.5 38.5 34.0 8.0 30.4 -11.7

為替レート (円/ドル) 113.0 107.7 105.0 -7.3 -4.7 -2.5

予 測 前年度比増減率(%)

IEEJ:2004年12月掲載

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2121

1020

6 1097

911

100

1134

111

372

90009500

1000010500110001150012000

2001 2002 2003 2004 2005

フル生産続く

7572

7082

6825

6750

6340

4000

5000

6000

7000

8000

2001 2002 2003 2004 2005

減少続く

721

728

742

763

765

550

600

650

700

750

800

2001 2002 2003 2004 2005

フル生産続く

3036

3078

3060

3087

3065

2400

2600

2800

3000

3200

3400

2001 2002 2003 2004 2005

ほぼ横ばい

素材生産の見通し素材生産の見通し 【基準ケース】

①粗鋼生産(万トン)

③セメント生産(万トン)

②紙・板紙生産(万トン)

④エチレン生産(万トン)

出所)実績は前掲。予測は日本エネルギー経済研究所

注)年度値

IEEJ:2004年12月掲載

Page 22: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2222

生産・サービス・運輸活動の見通し生産・サービス・運輸活動の見通し【基準ケース】

出所)経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」等各種資料より作成。 予測は日本エネルギー経済研究所

(2005年度) 経済回復の牽引役であった一般機械、電気機械が減速する。

生産増に伴い増加していた貨物輸送は減少に転じる。

実 績

(2000年=100)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

食料品 97.4 96.8 97.0 -0.4 -0.6 0.2

非鉄金属 97.4 98.1 98.2 -1.1 0.7 0.2

金属機械 95.2 104.0 108.8 8.0 9.2 4.7

鉱工業生産指数 96.6 101.9 104.7 3.5 5.5 2.7

第3次産業活動指数 102.5 104.0 105.4 1.3 1.5 1.4

乗用車人キロ 101.9 102.2 102.7 -0.2 0.3 0.4

貨物車トンキロ 102.8 106.0 105.7 3.2 3.1 -0.3

予 測 前年度比増減率(%)

IEEJ:2004年12月掲載

Page 23: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

エネルギー需給の見通しエネルギー需給の見通し

     ◆ 一次供給、最終消費、CO2

     ◆ 電力、都市ガス、燃料油の各販売量

IEEJ:2004年12月掲載

Page 24: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2424

0

100

200

300

400

500

95 2000 04

度日

600

700

800

900

1000

1100

95 2000 04

度日

冷房度日とは、想定気温を上回る気温の累積値。暑い日が多いと、度日も増える。

暖房度日とは、想定気温を下回る気温の累積値。寒い日が多いと、度日も増える。

度日の過去10年平均

平均

度日の過去10年平均

気象庁の季節予報を織り込む。 平均

気温(冷房・暖房度日)の想定気温(冷房・暖房度日)の想定上期(4-9月)の冷房度日と気温 下期(10-3月)の暖房度日と気温

出所) 気象庁、EDMC推計より作成。2004年11月まで実績値。

注)冷房度日:24度を超える日の平均気温と22度との差を合計したもの。

  暖房度日:14度を下回る日の平均気温と14度との差を合計したもの。

猛暑

冷夏暖冬

IEEJ:2004年12月掲載

Page 25: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2525

原子力発電量の想定原子力発電量の想定原子力発電量の推移と想定

2002年度以降停止していた原子力は、徐々に運転を開始している。

【予定されている新規稼動】

2005年1月:浜岡5号(138万kW)

2005年7月:東通1号(110万kW)

2006年3月:志賀2号(136万kW)

【原子力発電量の伸び率】

2003年度:▲18.7%

2004年度:+16.6%

2005年度:+14.5%

24002798

320432133175

2941

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2000

FY

2001

FY

2002

FY

2003

FY

2004

FY

2005

FY

 

(億kWh)

IEEJ:2004年12月掲載

Page 26: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2626

最終消費・一次供給の見通し最終消費・一次供給の見通し

出所) 内閣府、EDMC推計より作成。予測は日本エネルギー経済研究所。

300

350

400

450

500

550

60019

90

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

実質GDP(兆円)

一次供給(石油換算百万トン)

最終消費(石油換算百万トン)

(年度) 2002 2003 2004 2005

兆円 513 523 535 542

(前年比) (0.8) (1.9) (2.2) (1.3)

石油換算百万トン 527 527 534 537

(前年比) (0.5) (-0.1) (1.4) (0.7)

石油換算百万トン 374 372 376 378

(前年比) (1.7) (-0.7) (1.2) (0.4)最終消費

実質GDP

実  績 予  測

一次供給

(2005年度)生産活動、経済活動の減速により、エネルギー需要の伸びも減速する。

【基準ケース】

IEEJ:2004年12月掲載

Page 27: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2727

一次エネルギー国内供給一次エネルギー国内供給 【基準ケース】

(2005年度) 原子力の新規稼動などにより石油、天然ガスは減少する。

エネルギー供給量は増加するが、CO2は減少する。

出所) 実績、予測とも日本エネルギー経済研究所。

実 績

(石油換算百万トン)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

石炭等 106.9 109.3 109.7 3.7 2.2 0.4

石 油 261.1 258.6 255.1 0.1 -0.9 -1.3

天然ガス 78.9 77.4 76.4 6.2 -1.9 -1.2

水 力 20.9 21.0 20.0 15.1 0.6 -5.0

原子力 51.6 60.2 68.9 -18.7 16.6 14.5

新エネ等 7.2 7.2 7.2 0.6 0.9 -0.3

合 計 526.5 533.7 537.3 -0.1 1.4 0.7

CO2 (炭素換算百万トン) 325 324 321 2.1 -0.3 -0.9

前年度比増減率(%)予 測

IEEJ:2004年12月掲載

Page 28: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2828

部門別最終エネ消費部門別最終エネ消費 【基準ケース】

出所) 実績、予測とも日本エネルギー経済研究所。

実 績

(石油換算百万トン)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

産 業 175.2 176.8 177.3 0.3 0.9 0.3

家 庭 52.7 52.9 53.8 -2.8 0.4 1.8

業 務 47.3 48.7 49.5 -1.4 3.1 1.5

運 輸 90.8 91.6 90.8 -0.3 0.9 -0.9

合 計 372.0 376.3 377.8 -0.7 1.2 0.4

前年度比増減率(%)予 測

(2005年度) 産業部門:生産活動の減速。

民生部門:冷房需要(猛暑)の反動減と暖房需要(暖冬)の反動増。

運輸部門:貨物輸送の減少。

IEEJ:2004年12月掲載

Page 29: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

2929

エネルギー販売の見通しエネルギー販売の見通し

出所)経済産業省「電力調査統計月報」 「ガス事業統計月報」 「資源・エネルギー統計月報」より作成。

    予測は日本エネルギー経済研究所。

◆電力 ◆都市ガス ◆石油

0

200

400

600

800

1000

2000 2002 2004

(10億kWh)

0

50

100

150

200

250

300

350

2000 2002 2004

(億m3)

0

50

100

150

200

250

300

2000 2002 2004

(100万KL)

販売電力量

2005年度は猛暑の反動と景気減速により伸び

は鈍化

都市ガス販売量

気温の影響を受けながらも工業用を中心に堅調な伸びは続く

燃料油販売量

軽油、電力用C重油のマイナスにより全体は

減少

予測 予測 予測

2003年度

-0.5%

2004年度

3.6%

2005年度

0.9%

2003年度

4.3%

2004年度

4.2%

2005年度

3.7%

2003年度

-0.8%

2004年度

-0.5%

2005年度

-1.1%

【基準ケース】

IEEJ:2004年12月掲載

Page 30: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3030

用途別電力需要用途別電力需要 【基準ケース】

出所)実績は経済産業省「電力調査統計月報」。予測は日本エネルギー経済研究所。

(2005年度) 電灯:冷房需要(猛暑)の反動減と暖房需要(暖冬)の反動増。

大口電力:鉄鋼、石油化学はフル稼働生産。機械器具は生産が減速。

実 績

(10億kWh)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

電灯 259.7 268.8 271.4 -1.4 3.5 1.0

電灯以外 598.6 620.5 625.9 -0.2 3.7 0.9

合 計 858.2 889.3 897.3 -0.5 3.6 0.9

大口電力 281.7 290.2 293.0 0.2 3.0 1.0

化学 27.6 28.7 29.3 1.3 4.2 1.9

鉄鋼 52.7 54.1 54.2 0.7 2.5 0.3

機械器具 68.5 72.5 73.9 1.7 5.8 1.9

前年度比増減率(%)予 測

IEEJ:2004年12月掲載

Page 31: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3131

電源構成電源構成 (電気事業者;投入ベース)(電気事業者;投入ベース) 【基準ケース】

出所) 実績は資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」及びEDMC推計。予測は日本エネルギー経済研究所。

(2005年度) 原子力の構成比は停止プラントの再開と新規運開により増加。

石油、LNGが減少し、火力シェアは60%を割り込む。

56%59%63%59%55%56% 火力シェア

34.5 35.1 32.0 26.5 30.1 34.0

9.7 9.6 9.210.7 10.5 10.0

18.2 20.1 21.5 23.7 24.2 24.0

25.4 25.9 25.7 27.0 25.0 23.7

12.2 9.3 11.6 12.0 10.2 8.3

0

20

40

60

80

100

2000 2001 2002 2003 2004 2005年度

石炭

LNG

石油等

原子力

水力他

(%)

IEEJ:2004年12月掲載

Page 32: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3232

用途別都市ガス販売用途別都市ガス販売 【基準ケース】

出所)実績は経済産業省「ガス事業統計月報」。予測は日本エネルギー経済研究所。

実 績

(億m3)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

家庭用 97.1 94.2 97.6 0.3 -3.0 3.6

商業用 44.3 47.1 47.4 1.9 6.3 0.7

工業用 120.3 130.5 137.6 9.1 8.4 5.4

その他用 24.5 26.4 26.6 2.4 7.8 0.9

合 計 286.1 298.1 309.2 4.3 4.2 3.7

前年度比増減率(%)予 測

(2005年度) 家庭用:給湯、暖房需要(暖冬)の反動増。

商業用・その他用:冷房需要(猛暑)の反動減により微増。

工業用:生産、投資活動の減速により、伸びは鈍化。

IEEJ:2004年12月掲載

Page 33: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3333

油種別燃料油販売油種別燃料油販売 【基準ケース】

出所)実績は経済産業省「資源・エネルギー統計月報」。予測は日本エネルギー経済研究所。

(2005年度) ガソリン:冷房需要(猛暑)の反動減で微増。

軽油:貨物輸送の低迷により減少。

BC重油:発電用が原子力の増加で大幅な減少。

実 績

(100万KL)2003年度

2004年度

2005年度

2003年度

2004年度

2005年度

ガソリン 60.6 61.3 61.5 1.2 1.3 0.2 ナフサ 48.7 49.5 49.7 0.1 1.7 0.5 灯油 29.1 28.7 29.0 -5.1 -1.2 1.0 軽油 38.1 37.9 36.6 -3.4 -0.5 -3.6 A重油 29.8 29.9 29.9 -1.3 0.4 0.3 BC重油 30.2 27.6 25.6 2.3 -8.5 -7.4  電力用 12.4 10.2 8.2 14.2 -17.9 -19.1 合 計 240.9 239.8 237.0 -0.8 -0.5 -1.1

前年度比増減率(%)予 測

IEEJ:2004年12月掲載

Page 34: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

エネルギー需給変動要因のエネルギー需給変動要因の影響評価(感度分析)影響評価(感度分析)

     ◆ 原油価格の変化による影響

     ◆ 経済成長の変化による影響

     ◆ 気温の変化による影響

IEEJ:2004年12月掲載

Page 35: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3535

エネルギー需給への影響分析エネルギー需給への影響分析

2005年度:GDP成長率=1.3%、原油CIF価格=約34$/bbl

基 準 ケ ー ス

経済による影響

・原油価格=約43$/bbl(対基準+9$)

・GDP成長対基準+1.0%ポイント

        ▲1.0%ポイント

・原油価格=約28$/bbl(対基準▲6$)

・気温1℃上昇(夏季7-9月)

低下(冬季1-3月)

低価格

原油価格

高価格

気温による影響

原油価格の想定は、小山堅『2005年の国際石油情勢と原油価格展望』(2004.12.16)に基づいて設定。

IEEJ:2004年12月掲載

Page 36: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3636

原油価格上昇による経済への影響原油価格上昇による経済への影響

日本経済への影響は、①産油国への所得移転や物価上昇による直接的な影響、②世界経済低迷による間接的な影響に分けられる。

原油価格上昇

石油輸入額増加(産油国への所得移転)

世界経済低迷

輸出減少

所得の減少

諸物価の上昇(企業物価、消費者物価)

GDP減少

内需減少

石油純輸入国GDP減少

直接的な影響 間接的な影響

輸入物価上昇

IEEJ:2004年12月掲載

Page 37: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3737

石油依存度、原油輸入価格の推移石油依存度、原油輸入価格の推移

2度の石油危機と比べ、省エネ・脱石油が進展している。また、円高の進展により原油価格は当時ほどの高位水準にはない。

出所)財務省「日本貿易月表」、内閣府「国民経済計算」、EDMC「統計要覧」等より作成

0

5

10

15

20

25

30

35

40

70 75 80 85 90 95 030

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000($/bbl) (円/KL)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

70 75 80 85 90 95 03

石油依存度[石油/一次供給]

(%)

石油原単位[石油/実質GDP](1970FY=100)

ドル建て

円建て

石油依存度/石油原単位の推移 原油輸入CIF価格の推移

IEEJ:2004年12月掲載

Page 38: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3838

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%

70 73 79 85 90 95 2000 03

第1次石油危機

湾岸危機

第2次石油危機

石油輸入金額の対名目石油輸入金額の対名目GDPGDP比比

石油輸入金額の名目GDP比は、80年代後半以降は1%程度で推移。

10$/bbl上昇すると、

2.1兆円の支払い増

(名目GDP比0.4%)

出所)財務省「日本貿易月表」、内閣府「国民経済計算」等より作成

IEEJ:2004年12月掲載

Page 39: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

3939

各国経済の石油依存度各国経済の石油依存度

近年、石油輸入量が急増しているアジア地域は、所得移転(原油価格10ドル上昇時の石油輸入金額増分の対GDP比)の影響が大きい。

出所)財務省、International Trade Center、World Bank/WDI、Asian Development Bank、台湾国際貿易局等より作成

注)西欧:ドイツ、英国、オランダ、フランス、ベルギー、イタリア、スペインの7カ国。

  アジア:中国、韓国、台湾、香港、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンの9カ国。

2.1%

0.8%1.0%

1.2%

0.4% 0.4% 0.3%0.7%

0.0%

0.5%

1.0%

1.5%

2.0%

2.5%

日 本 米 国 西 欧 アジア

(2003年度) (2002年) (2002年) (2003年推計)

石油純輸入額の対名目GDP比

10$/bbl上昇時の所得移転額の対名目GDP比

IEEJ:2004年12月掲載

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4040

原油価格の変化による影響原油価格の変化による影響

景気動向や価格に敏感な産業、運輸(特に貨物)部門の影響が大きい。

原油価格の影響を直接受ける燃料油販売の変動が大きい。

高価格ケース(基準より9ドル上昇) 低価格ケース(基準より6ドル低下)

-0.4

-1.0

-0.2-0.3-0.3

-0.9-0.8-0.7

-1.1

0.1

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

実質

GDP

消費者物価

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

民生部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

0.3

0.10.2

0.70.8

0.3

0.60.5

-0.0

0.9

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

実質

GDP

消費者物価

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

民生部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

基準ケースからの乖離率(%) 基準ケースからの乖離率(%)

IEEJ:2004年12月掲載

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4141

1.00.8

0.30.5

0.1

0.6 0.7 0.4

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

実質

GDP

消費者物価

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

民生部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

-1.0

-0.3-0.5-0.4

-0.7-0.6-0.5

-0.8

-0.1

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

実質

GDP

消費者物価

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

民生部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

経済成長の変化による影響経済成長の変化による影響高成長ケース(基準より1%上昇) 低成長ケース(基準より1%低下)

GDPの増減ほどエネルギー消費は増減しない。

必需財の性格が強い電力の変化が小さく、産業、貨物用で燃料油の変化が大きい。

基準ケースからの乖離率(%) 基準ケースからの乖離率(%)

IEEJ:2004年12月掲載

Page 42: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

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気温の変化による影響気温の変化による影響

夏季:冷房需要で電力が大きく伸びる。家庭部門は冷房需要と給湯需要が相殺。

冬季:暖房、給湯需要で都市ガスが大きく伸びる。

夏季(7-9月)に気温が1℃上昇 冬季(1-3月)に気温が1℃低下

1.7

2.7

1.3

0.2

1.0

2.7

1.51.8

1.0

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

家庭部門

業務部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

1.1 1.20.9

0.0

2.8

0.1

2.52.6

0.9

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

一次エネ供給

最終エネ消費

産業部門

家庭部門

業務部門

運輸部門

電力販売

都市ガス販売

燃料油販売

基準ケースからの乖離率(%) 基準ケースからの乖離率(%)230万t(石油換算)

の増加

160万t(石油換算)

の増加

IEEJ:2004年12月掲載

Page 43: 短期エネルギー需給見通し - eneken-test.mvmt.jpeneken-test.mvmt.jp/data/pdf/965.pdf · 出所)エネルギー需要は前掲及び石油連盟「石油資料月報」。生産指数は経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫指数」より作成。

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まとめまとめ

◆ 世界経済減速などの影響で、2005年度の日本経済は減速する(成長率1.3%増) ものの、エネルギー需要は微増(一次供給0.7%増)で推移する。

◆ エネルギー需要は増えるが、原子力の新規稼動などによりCO2は減少で推移する。

◆ 原油価格や経済見通しには不確実性が伴う。

- 原油価格が高止まり(9ドル上昇)する場合には、経済成長は低下、エネルギー需要も減少するが、総じて影響は小さい。

◆ エネルギー需要の長期的なトレンドは省エネ技術の進展などに大きく依存するが、短期的には経済動向(特に生産活動)や気温の影響が大きい。

IEEJ:2004年12月掲載

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