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CSR Report 2015 本レポートは「CSRレポート2015/ 特集版」です。より詳しい情報を網羅 した「CSRレポート2015/詳細版」 は、当社ホームページにてご覧いた だけます。 http://www.tohoku-epco.co.jp/csrreport/ CSR Report 2015 表紙/東北・新潟の風物 ❶山形県 山形花笠まつり ❷岩手県 チャグチャグ馬コ ❸秋田県 秋田竿燈まつり ❹宮城県 仙台七夕まつり ❺青森県 青森ねぶた祭 ❻福島県 相馬野馬追 ❼新潟県 長岡まつり大花火大会 発行/2015 年11 月

岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

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Page 1: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

100101 CSR Report 2015

発行/2014 年00月

本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。より詳しい情報を網羅した「CSRレポート2015/詳細版」は、当社ホームページにてご覧いただけます。

http://www.tohoku-epco.co.jp/csrreport/

C S R R e p o r t 2 0 15

表紙/東北・新潟の風物

❶山形県 山形花笠まつり❷岩手県 チャグチャグ馬コ❸秋田県 秋田竿燈まつり❹宮城県 仙台七夕まつり❺青森県 青森ねぶた祭❻福島県 相馬野馬追❼新潟県 長岡まつり大花火大会

発行/2015 年11 月

❺❹

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12 CSR Report 2015

C S R R e p o r t 2 0 15

本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。

いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組みについて「特集版」として本レポートを制作いたしました。より詳しいCSR活動を網羅した「CSRレポート2015/詳細版」は、当社ホームページにてご覧いただけます。

http://www.tohoku-epco.co.jp/csrreport/

C O N T E N T S02 目次03 ごあいさつ05 東北電力の新たなブランド展開

選ばれ続けるために そして お客さまにより沿う存在へ

07 エネルギーソリューション09 最適電源構成の実現に向けて11 火力電源の競争力強化13 水力発電・再生可能エネルギー15 原子力発電21 コスト競争力強化

地域に寄り添う これまでも、これからも

23 安定供給の使命25 地域に貢献する電気事業27 復興支援活動29 地域協調活動

経営とCSR

31 東北電力グループ中期経営方針  (2014〜2018年度)33 東北電力企業行動指針34 コーポレートガバナンス 35 東北電力CSR活動方針36 公正な調達37 企業倫理・法令遵守の徹底38 情報セキュリティの取り組み39 東北電力グループの環境経営の推進40 S+3 Eを踏まえたエネルギー効率向上  による地球温暖化対策の推進、持続可  能な循環型社会形成・環境法規制の遵  守と地域環境の保全

41 説明責任の遂行/的確な情報の開示42 地域協調活動の推進43 多様性を尊重した職場づくりと成長  の原動力となる人材の育成44 会社概要45 パフォーマンスデータ一覧 C S R R e p o r t 2 0 1 5

「より、そう、ちから。」 この新コーポレートスローガンのもと、全ての従業員がそれぞれのフィールドで、お客さまのご期待に「より沿う」存在となれるよう、また、これまで以上に地域に「寄り添う」ことができるよう、力を尽くしてまいります。

〔写真は当社会津若松支社の従業員。同支社は、つくる(発電)、おくる(送電・変電・配電)、ともす(販売)までの役割を一貫して担う、いわば当社の縮図とも言える事業所です〕⇒「より、そう、ちから。」については、P5-6をご覧ください。

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34 CSR Report 2015

地域の皆さま、お客さまに対して

「真心」を込めた仕事を通して、

これからも信頼され、選択いただける東北電力を

目指してまいります。

う価値観を、先輩方から代々受け継いできてお

ります。

 

今後の事業展開を考える上で、大前提とな

るのは、東北6県と新潟県で事業を営ませて

いただいている電力会社として、復興道半ば

にある被災地にしっかりと寄り添い、地域の

成長・発展への貢献に、十分に意を用いていく

ことであると考えています。そのような意味

で、これからの数年間は、「地域とともに復興

を果たし、成長に向かう時代」と位置づけたい

と考えております。

経営の方向性

 「今後の経営の方向性」については、2014

年1月に公表した「東北電力グループ中期経

営方針(2014~2018年度)」でお示し

している「競争に打ち勝ち、お客さまから選ば

れる」「企業変革に挑戦する」「地域の復興・発

展に貢献する」という3つの基本姿勢のもと、

進めてまいりたいと考えております。

 

本方針では、2014年度から2018年

度までの5年間を「経営基盤回復期」と位置づ

け、グループを挙げた聖域なきコスト構造改

革と、新たな価値提供による収益拡大を通じ

た財務体質の回復を最優先に取り組むことと

し、自己資本比率15%以上の達成(2018年

度末)を財務目標に設定しております。

 

本方針のもと、2014年度は一定の手応

えを感じることができましたが、小売全面自

由化を来年度に控え、今後はさらにスピード

感を持って各施策を展開し、より確かな成果

をあげてまいりたいと考えております。

変えていくべきもの

 

各施策に取り組むにあたり、今後は大胆な

発想で仕事の進め方を変える、または強化し

ていくことが必要と考えております。特に来

年4月の小売全面自由化による競争の一層の

進展を踏まえ、当社を引き続きお選びいただ

けるよう、マーケティング力を強化し、料金水

準やメニュー・サービスなどについて、真にお

客さまがお求めになるものに沿えるよう、新

たな発想で検討を進めてまいります。

 

また、原子力については、今後も再稼働を

目指し、より高いレベルの安全確保に向けて

取り組んでいく姿勢に変わりはありません。

それに加えて、事業者として独りよがりに陥

ることのないように、地域の皆さまの多様な

経営の抱負

 

東日本大震災後、大きく傷ついた当社の経

営基盤は、経営効率化に向けた最大限の努力

などにより、回復への道を歩みつつあります。

こうした歩みをより力強いものとし、今後の

競争に打ち勝ちながら、事業を持続的に維持・

発展させていくための体制を築いていくこと

が、私の責務と考えております。

 

また、当社は創立以来、「東北の繁栄なくし

て当社の発展なし」という基本的な考え方の

もと、地域に密着した経営を進めてまいりま

した。東北6県と新潟県のお客さまに、低廉で

安定した電気を、24時間365日、いつ、いかな

るときでもお届けするという使命感を持って

業務を遂行する中で、「地域社会との共栄」とい

東北電力株式会社取締役社長

声にしっかりと耳を傾けながら、双方向のコ

ミュニケーションをより一層心がけ、いただ

いたご意見などを、当社の原子力発電所にお

ける安全性向上への取り組みに活かしてまい

ります。

変わらずに守るべきもの

 

一方で、当社のさまざまな経営課題は、お客

さまや地域の皆さまのご理解なくしては解

決することができません。「安定供給に対する

使命感」や「お客さま・地域からのご信頼」、さ

らには経営理念である「地域社会との共栄」と

いった考え方は、当社事業推進の根幹であり、

「変わらずに守るべきもの」として、経営から

第一線の社員まで、あらためて再認識してま

いります。

ステークホルダーの皆さまへ

 

当社は、CSRはすべての事業活動の根幹

をなすという認識のもと、とりわけ「地域協

調・地域活性化支援」、「企業倫理・法令遵守」、

「環境への配慮」の3点に注力し、全社横断的

な取り組みを進めております。

 

私自身、今後の経営展開の基本軸として、自

由化の時代だからこそ、目の前にいらっしゃ

る地域の皆さま、一人ひとりのお客さまに対

して、誠心誠意の仕事を全うすること、すなわ

ち「真心を込めた仕事」をしていくことが大切

ではないかと考えております。

 

全社員が「真心」という言葉をしっかりと胸

に刻み込み、ステークホルダーの皆さまとの

コミュニケーションをより一層充実させ、い

ただいた声に真摯にお応えする努力を積み重

ねていくことで、これからも皆さまから信頼

され、選択いただける東北電力を目指してま

いります。

      

 

このCSRレポートは、地域の皆さまに私

たちの取り組みをもっと知っていただきた

いとの想いを込めて作成いたしました。アン

ケートなどを通じていただいた「声」は、今後

の事業運営に活かしてまいります。

 

ぜひ、ご一読いただきますとともに、どうぞ

皆さまからの忌憚のないご意見をお寄せいた

だきますよう、よろしくお願い申し上げます。

ごあいさつ

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56 CSR Report 2015

東北電力の新たなブランド展開

お客さま、地域の方々

お一人 おひとりにお約束いたします。

 

当社は、2011年3月に発生した東日本

大震災、同年7月に発生した新潟・福島豪雨で

被災した発電所など、電力設備の復旧に全力

で取り組み、運転再開を果たしてまいりまし

た。また、全社を挙げて徹底した効率化に取り

組んだことにより、経営基盤も回復への道を

歩みつつあります。

 

一方、2016年4月に実施される小売全

面自由化によって、電力市場における競争が

一層進展していくことが予想されます。

 

当社がこの競争に打ち勝ち、事業をより発

展させていくため、お客さまから当社をお選

びいただけるよう、サービス向上に一層努め

るとともに、事業を営ませていただいている

東北6県および新潟県の成長・発展に、これま

で以上に力を尽くしてまいる所存です。

 

このような経営環境を踏まえ、当社は、こ

れまでも頂戴しているお客さま、地域から

の「ご信頼」に、これからも引き続きお応え

していけるよう、以下の2点を『お約束』い

たします。

 

当社は、この2つの『お約束』を確実に実現

していくため、「より、そう、ちから。」を新た

にコーポレートスローガンとして設定しまし

た。

 

このスローガンのもと、社員一人ひとり

が、地域やお客さまのために何が最善かを常

に考え、真心を込めて仕事を全うし、2つの

『お約束』を果たしてまいります。

~「 」 3つのアクション~

1.お客さまのご要望に「より沿う」サービスを提供します。 電力小売市場の全面自由化によって競争が進展する中、お客さまに引き続き選択していただくた

めに、料金水準、料金プラン、サービスなどについて、真にお客さまがお求めになるものに沿えるよ

う、さらに磨きをかけてまいります。

 社員が承ったお客さま一人ひとりのご要望を、これまで以上に大切にし、サービス向上に努めてま

いります。

2.東北と新潟の成長・発展にしっかりと「寄り添う」取り組みを展開します。 東北6県と新潟県で事業を営ませていただいている電力会社として、地域の復興・発展にしっかり

と寄り添い、地域とともに成長することを目指してまいります。

 これからの自由化の時代においてこそ、「地域への貢献」がこれまで以上に大切な取り組みとなり

ます。当社は、真に地域のためになるような貢献策を、地域の方々とともに創り上げる取り組みを進

めてまいります。

1.もっとぴったり! 新たな料金プラン [2016年4月から]

2. もっと便利! 新たなWebサービスサイト「        」

(1) 電力の安定供給と地域経済活性化への貢献、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大、スマートコミュニティ事業への支援や参画などを通じて、 エネルギーサービス面から地域の復興・発展に貢献します。

(2) 地域活性化への取り組みなどを通じて、魅力ある地域づくりを支援します。

(1) お客さまや地域の方々、お一人おひとりを大切にし、「真心」を込めた仕事を徹底するための人づくりを進めます。(2) お客さまや地域への提案力、当社の競争力を高める組織づくりを進めます。

3. もっとお得! 「         」サービス

●�お客さまの利便性が向上するWebサービスサイト「よりそうeねっと」を2016年4月に開設します。(2016年1月から会員登録開始予定)●�ご登録いただくことで、お客さま専用のマイページにおいて、電気のご使用量や料金の確認、各種契約手続き、料金シミュレーションなどがご利用いただけるようになります。

 ●「よりそうeねっと」とともに、「よりそうeポイント」サービスを2016年4月から開始します。 ●�たまったポイントは、各種共通ポイントのほか、東北6県と新潟県の復興支援や地域活性化につながる寄付・地場産品への交換も予定しています。

◎�新料金プラン・新サービスの詳細は、当社ホームページでご覧ください。⇒http://www.tohoku-epco.co.jp/brand/service/

ヒートポンプ機器を使用するオール電化住宅のお客さまに「ぴったり!」

「朝にゆっくり家事をしたい」「夜に趣味の時間を持ちたい」お客さまに「ぴったり!」

週末にまとめて家事や趣味の時間を持ちたいお客さまに「ぴったり!」

Action1. お客さまのご要望に“より沿う”サービスを提供します。

Action2. 東北と新潟の成長・発展にしっかりと“寄り添う”取り組みを展開します。

Action3. 積極的に提案する“力”を高めるための人づくり・組織づくりを行います。

Action1・Action2を実現するための土台

東北電力のブランドステートメント東北電力だからお役に立てる、より沿う力。

それは、お客さまひとりひとりを見つめ

ライフスタイルに合った

快適な暮らしを提案していくこと。

そして、これからも地域に、寄り添う力。

それは、創立以来の変わらない想いを胸に

地域とともに発展しつづけること。

心からの感謝の気持ちと

大きなこころざしを持って

ひとりひとりへ、そして地域へ。

私たちは、皆さまのお力となれるよう、

取り組んでまいります。ブランドステートメント:新コーポレートスローガン「より、そう、ちから。」に込めた思いや価値観を明文化し、わかりやすくお伝えしていくためのメッセージとして制定したもの。

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78 CSR Report 2015

法人のお客さま向けの

取り組み

 

法人分野では、専任対応スタッフ

である「エネルギー・ソリューショ

ン・パートナー」を中心に、省エネ性

能が高いヒートポンプなどの高効率

電化システムや、エネルギーマネジ

メントシステムを活用していただく

ことで、お客さまの省エネルギー・

省コストの実現に貢献するご提案を

行っています。

 

ヒートポンプ機器は、環境性・省エ

ネ性に優れているだけではなく、燃焼

部がなく、安全性にも優れています。

こうした特長を活かし、病院・福祉施

設、保育園・幼稚園、飲食店に加え、農

業施設など幅広い分野のお客さまに

 当社は、お客さまの電化製品・

システム機器の省エネにつながる使い

方のご紹介や、環境性・省エネ性に優れ

た機器のご提案などを通じて、地域の

お客さまのエネルギーについての課題

解決に向け取り組んでいます。

ご家庭のお客さま向けの

取り組み

 

家庭用分野では、東北地域の家庭で

消費されるエネルギーの約3割が給

湯、約4割が暖房であることから、こ

れらのエネルギーを効率よく利用す

るために、ヒートポンプ技術を活用し

た高効率な給湯・暖房システムはもと

より、高断熱・高気密住宅のご提案や

省エネ手法のご紹介などを通じて「建

物・住宅設備・住まい方」のあらゆる面

から、環境性・省エネ性に優れた安心・

快適な暮らしの実現をお手伝いして

業務用電化システムを提案し、ご採用

いただいています。また、産業用のお

客さまへの生産プロセスの電化提案

を通し、エネルギーの有効利用のお手

伝いも行っています。こうした法人分

野への電化システムのご提案により、

環境に優しいだけではなく、安全・安

心なまちづくりを支援しています。

 

具体的には、当社の技術スタッフが

実施する「省エネルギー診

断」など、お客さまのニーズ

を踏まえ、お客さま設備の

使用実態を把握し、補助金

やリースなどのファイナン

ス面まで踏み込んだトータ

ルでのご提案を実施してい

ます。

います。

 

当社のWEBサイトでは、省エネに

関するさまざまな情報発信を行うと

ともに、最大で過去3年分の各月の電

気料金や電気ご使用量などのデータ

をご覧いただける「電気ご使用実績照

会サービス」、ご使用状況に合った最

適な料金メニューの検討にご活用い

ただける「ご契約メニュー変更シミュ

レーション」、同時にお使いになる家

電製品を選択することで適切な契約

アンペア数を確認することができる

「ご家庭のアンペアチェック」など、お

客さまのお役に立つ、幅広いサービス

を提供しています。

 

また、お客さまのライフスタイルに

あわせて選択できる新料金プランの

設定など、ご要望に〝より沿う〟サービ

スを順次提供していきます。

地域を知り、そしてお客さまのニーズにより沿って。

だからこそできる提案があります。

地域と、お客さまにいっそう〝よりそった〟電力会社を目指して、東北電力はさまざまな取り組

みを始めています。電気をお届けすることに留まらず、電気を何にどのように使うのか、どう

するのが最適なのか、お客さまといっしょになって考えていきます。

 

当社は、お客さまの幅広いご要望に

お応えできるようご提案アイテムの拡

大に努めています。この度、当社グルー

プ企業である東日本興業株式会社およ

び東京海上日動火災保険株式会社と連

携し、当社が電化システム導入提案を

行う法人のお客さまに対して、企業総

合保険をご案内する仕組みを構築し、

「法人向け電化保険」の紹介を開始しま

した。

 

電化システムを導入いただくことに

よる火災などのリスク低減効果を評価

して、保険料割引適用を検討する仕組

みとなっており、補償内容や割引率は

お客さまに応じて、個別に決定されま

す。法人向けの損害保険とタイアップ

して付加価値を提供する初めての試み

となります。

 

今後もお客さまの課題解決に向け、

グループ企業とも連携を取りながら、

お客さまに選択され、エネルギーに関

する最も身近な存在でいられるよう、

新たなサービスの開発・提供に努めて

いきます。

 和合荘は、山形県内にこれまでなかった要介

護認定を受けた視覚障害者の方も入っていた

だける介護施設で、2014年に開設されました。

計画段階から、入居者の方には「やさしく穏や

かな気持ちで、安心して暮らしていただけるよ

うに」との思いが私たちの中にありました。こ

れは、館内の温度差が少ない優しい居住環境

と燃焼部がないことによる安心・安全を入居者

の方にお届けしたいという思いであり、災害時

などにも比較的復旧が早い電気に辿り着き、

「オール電化の導入」が固まりました。

 機器の不具合など不測の事態に施設全体の

機能が麻痺しないよう、リスクを軽減するため

給湯と空調は館内を2系統とし、さらに厨房を

単独系統にしたり、気象条件や景観等を考慮し

て、ビルマルチ型の空調システムを屋上に設置

したりと、東北電力の担当者からの提案を参考

にして、入居者の安全と環境に配慮した設備配

置としました。

 当施設は、福祉避難所として指定されている

こともあり、これからも私たちは、この和合荘

が地域の皆さまに親しまれ、安全面でも、より

地域社会に貢献できる施設となれるよう取り

組んでいきたいと思っています。

省エネに関するさまざまな情報発信を行う当社HP「省エネでエコな暮らし」http://www.tohoku-epco.co.jp/ecolife/index.html

山形県朝日町の盲特別養護老人ホーム「和合荘」では、「穏やかに、安心して暮らす」というコンセプトに沿って、

オール電化の導入を決めていただいた。

「法人向け電化保険のご案内」リーフレット

ヒートポンプ給湯システム

電化厨房システム お客さま設備調査の様子

当社HP「ご契約メニュー変更シミュレーション」http://www.tohoku-epco.co.jp/denki/change_plan/index.html

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

エネルギーソリューション

保険料メリットのある

法人向け電化保険の

紹介を開始

Topics

やさしく、おだやかな暮らしを大切に守る電化システム

社会福祉法人 朝日敬慎会盲特別養護老人ホーム

和合荘 施設長 阿部 則雄 様

Page 6: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

910 CSR Report 2015

カザフスタン

中国日本

サウジアラビア

カタール アラブ首長国連邦

インドネシア

石炭

マレーシア

オーストラリア

カナダ

石油

LNG(天然ガス)ウラン

■エネルギーを選ぶ

 「S+3E」の視点

 

各エネルギー資源による発電に

は、それぞれ長所と短所があり、全

てを満たす完全なエネルギーはあ

りません。このため、当社は安全性

(Safety

)を大前提として、安定供給

確保(Energy�Security

)・

経済性(E

conomy

)・環

境保全(Environm

ental�

conservation

)を高水準

で達成する(S+3E)と

ともに、需給の変動など

にも適切に対応し、かつ

競争力のある電源構成の実現に向け

取り組んでいきます。

■バランスのとれた発電方式

 の組み合わせ

 

資源に乏しい日本は、石油・石炭・天

然ガスなどのエネルギー資源の大部

分を海外からの輸入に依存していま

す。その結果、自国で確保できるエネ

ルギーの割合であるエネルギー自給

率は約6%と、主要国の中でもきわめ

て低いレベルとなっています。

 

かつて日本の発電は水力発電が主

流でしたが、時代の経過とともに石油

による火力発電に移行しました。しか

し、1970年代の2度にわたるオイ

ルショックにより、特定のエネルギー

に依存することの危険性を思い知ら

されることとなりました。こうした経

験から、当社では火力、水力、地熱、太

陽光、原子力などの発電方法をバラン

スよく組み合わせることで、安定的か

つ低廉な電力の供給に努めています。

環境に配慮し、低廉な電気を安定供給するために、

最適な電源構成の実現に努めています。

東北と新潟の成長・発展を支える低廉な電気を安定してお届けするために、エネルギー資源に乏しい我

が国の実状を踏まえたうえで、安全性、安定供給確保、経済性、環境保全を考慮し、火力、水力・再生可能

エネルギー、原子力など多様なエネルギーをバランスよく組み合わせて活用していきます。

❶東新潟火力発電所 ❷揚川発電所❸仙台太陽光発電所 ❹東通原子力発電所

0

10

20

30

5

15

25

35

原子力 石炭火力 LNG火力 石油火力 一般水力 地熱 太陽光(メガ)

風力(陸上)

発電コスト(円/kWh)

10.1~

30.6~43.4

12.311.0

16.9

24.221.6

13.7

[経済性]主な電源の1kWhあたりの発電コスト

(2014年モデルプラント)

各発電方法の長所と短所

石油火力

石炭火力

LNG火力(天然ガス)

水力・地熱

太陽光・風力

原子力(ウラン)

長所

●紛争の多い中東地域に集中●価格が高く不安定●発電時にCO2を多く出す(石炭よりは少ない)

●発電時にCO2を多く出す(石油、石炭よりは少ない)●長期備蓄が困難

●発電時にCO2を多く出す(石油、天然ガスよりも多い)●灰捨て場が必要

●国内に新たに開発できる場所が少ない(水力)●地下調査など開発に長期間が必要(地熱)●開発地点に制約がある(地熱)

●気候や自然に左右され発電量が不安定●現時点では開発コストが高い●大量導入するには送電網の整備などにもコストがかかる

●原子力事故が起きたときの被害が大きい●放射性物質や放射線の適切な管理が必要

短所

●運搬・貯蔵が容易●大量の電気を発電できる●発電量の調整が容易

●広く世界に分布し安定して輸入可能(石油よりは地 政学リスクが小さい)●大量の電気を発電できる●コンバインドサイクル方式にすると発電効率が高い●発電量の調整が容易

●広く世界に分布し安定して輸入可能●石油や天然ガスより安価●大量の電気を発電できる

●輸入に頼らず発電できる●発電時に CO2を出さない

●輸入に頼らず発電できる●燃料を必要としない●発電時に CO2を出さない

●少ない燃料で大量の電気を発電できる●広く世界に分布し安定して輸入可能●発電時に CO2を出さない●使用後の燃料は化学処理をすると再利用できる

[安定供給確保]主なエネルギー資源の輸入先化石燃料の調達には、価格や地政学リスク、紛争などで輸入が途絶えるなどのリスクがあります。エネルギー調達先の多様化や多角的なエネルギー源の活用など、燃料調達の安定性確保に努めています。

[環境保全]各電源別のCO2排出量

❶❸

❹ ❷

安定供給確保Energy Security

必要なエネルギー資源について、安定的な供給確保策を講じること

経済性Economy

発電コストを抑制し、低廉な電気をお届けすること

安全性Safety

電気をつくる大前提として安全性を確保していること

環境保全Environmental conservation

温室効果ガスであるCO2の排出が少なく、地球温暖化を進行させないこと

10

20

1951 1965 1975 1985 1995 2010 2014(年度)

30

40

50

60

70

80

90

新エネ等

原子力

石油他

ガス

石炭

水力

100(%)

※1 2011年3月の東日本大震災以降、当社の東通、女川の両原子力発電所は停止しています。※2 新エネ等は、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、廃棄物発電の他、地熱発電を含みます。※3 自他社合計に融通電力量を考慮した発電電力量構成。

1500

1000

500

01951 1965 1975 1985 1995 2010 2014

(年度)

新エネ等

原子力

火力

水力

2000(万kW)

※ 地熱発電は、2008 年度までは火力に、2009 年度以降は新エネ等に整理されています。

新エネ等

原子力

石油他

ガス

石炭

水力

0

500

1000

1500

2000

当社の年度別発電設備容量当社の年度別・設備別発電電力量構成

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

最適電源構成の実現に向けて

発電種類

943

864

79

738

695

43

599

476

123

474発電燃料燃焼

設備・運用

※発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から発電設備等の建設・燃 料輸送・精製・運用・保守等のために消費される全てのエネル ギーを対象としてCO2排出量を算出※原子力については、現在計画中の使用済燃料国内再処理・プル サーマル利用(1回リサイクルを前提)・高レベル放射性廃棄物 処分・発電所廃炉等を含めて算出したBWR(19g-CO2/kWh)と PWR(21g-CO2/kWh)の結果を設備容量に基づき平均

376

98 38 25 20 13 11

1,000

900

800

700

600

500

400

300

200

100

0

[g・CO2/kWh(送電端)]

BWR:19PWR:21(   )

石炭火力 石油火力 太陽光 風力 原子力 地熱 中小水力LNG火力 LNG火力(コンバインド)

kWh

出典:(一財)電力中央研究所「日本の発電技術のライフサイクル CO2 排出量評価(2010.7)」   原子力エネルギー図面集 2014出典:長期エネルギー需給見通し小委員会発電コスト検証ワーキンググループ(2015.5)

設備利用率稼働年数

70%  70%  70% 30・10% 45%  83%  14%  20% 40年 40年 40年 40年 40年 40年 20年 20年

火力発電の取り組みは→P11–12

原子力発電の取り組みは→P15–20

水力・再生可能エネルギー

の取り組みは→P13–14→P25–26

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12 CSR Report 2015 11

八戸火力発電所5号機

 

東日本大震災により不足した供給力

を早期に確保するために建設された

緊急設置電源である八戸火力発電所5

号機は、環境負荷を軽減し、競争力のあ

る電源として恒久的に使用するため、

2014年8月にコンバインドサイク

ル方式へ移行して運転していました

が、2015年7月に燃料を軽油から

LNGに転換しました。この燃料転換

により、出力は39・4万kWから41・6万

kWに、発電効率を示す熱効率は49%か

ら57%に上昇し、発電電力量あたりの

二酸化炭素排出量も削減されること

になりました。今後、コスト競争力に

優れ、需給の変動にも柔軟に対応でき

る高効率プラントとして、当社供給力

の一翼を担っていきます。

競争力強化を目指した

火力電源の開発計画

 

当社が現在開発計画を進めている

火力電源について、石炭火力の能代火

力発電所3号機と、LNGを燃料とす

る高効率コンバインドサイクル発電

の上越火力発電所1号機については、

2014年度に火力電源入札を行い、

どちらも自社落札いたしました。能代

火力発電所3号機は、2020年6

月、上越火力発電所1号機は2023

年6月の運転開始を目指します。

LNGへの燃料転換や

コンバインドサイクル化などに

よりコスト競争力強化

 

八戸火力発電所5号機の軽油からL

NGへの燃料転換工事や、高効率コン

バインドサイクル発電の新仙台火力発

新仙台火力発電所3号系列

 

3号系列の工事は、発電コスト低減

と二酸化炭素排出量削減を実現する

ため、経年化が進んだ1号機、2号機

を廃止し、新たにLNGを燃料とする

高効率コンバインドサイクル発電設

備を建設するものです。

 

3号系列では、自社研究成果(高性

能冷却技術、高遮熱材料等)を反映し

た高効率ガスタービンを世界で初め

て導入します。これにより、熱効率は

世界最高レベルとなる60%超を達成

できる見通しで、従来型ガス火力と比

較して、年間の燃料費・二酸化炭素排

出量ともに3割程度を削減できます。

 

また、当社として初めて、LNG燃

料設備(16万キロリットル×2基)を構

内に建設します。これにより新潟県内

電所3号系列の建設など、いっそうの

コスト競争力強化と環境負荷の低減を

目指した取り組みを進めています。

燃料の転換、高効率発電設備の導入などにより、

コスト競争力の強化、環境負荷低減を目指します。

競争環境が激化する中で、当社の火力発電においては、経済性に優れた石炭火力発電所の開発

や、高効率コンバインドサイクル火力発電設備の開発によって、経年火力発電所の計画的な代

替を推し進め、競争力強化を図っています。

 学生時代に土木工学を専攻しており、自分

の専門分野を活かしつつ、広く社会に貢献で

きるような仕事は何かと考え、人々 の生活基

盤である 電 力を 支える 東 北 電 力に 就 職しま

した。

 新仙台火力発電所建設所では土木工事の

施 工 管 理や 工 程 管 理などの 業 務を 担 当して

おり、現在は構内緑化工事に主担当として携

わっています。地域の土地本来の樹種を中心

とした 植 樹を 行うことで、地 域の 環 境 保 全・

環境負荷低減に努めています。また、海側の

盛 土に 植 樹した 苗 木が 大きく 育ち 森になる

ことで、万一津波が到来した際に津波エネル

ギーを低減する効果も期待できます。

 構内緑化工事にあわせて、近隣の小学生を

招待して植樹祭を開催し、地域の方々 との交

流も深めています。

 新仙台火力発電所3号系列は運転開始目

前ですが、運 転 開 始 後も「緑 多く、災 害に 強

く、環境にやさしい発電所」として、地域の皆

さまに 信 頼され、愛される 発 電 所となるよう

に、日々の業務に取り組んでいます。

LNGを燃料とする高効率コンバインドサイクル発電設備を建設中の新仙台火力発電所

発電所の建設に携わるとともに、構内の植栽を進めています。

新仙台火力発電所建設所

佐藤 実果子

●八戸

◎新地

◎勿来●当社火力 ◎共同火力

◎酒田

能代●

秋田●

東新潟●新潟●

上越●

仙台●●新仙台

●原町

[能代3号機]■状況:未着工 ■出力:60万kW■燃料:石炭 ■運転開始:2020年6月

[八戸5号機]■状況:燃料転換工事終了■出力:41.6万kW■燃料:LNG ■運転開始:2015年7月

[上越1号機]■状況:未着工■出力:57.2万kW■燃料:LNG■運転開始:2023年6月 [新仙台3号系列]

■状況:建設中■出力:98万kW ■燃料:LNG■運転開始:2015年12月(半量)      2016年7月(半量)

主な火力発電所と火力電源の開発計画

コンバインドサイクル発電のしくみ

 

2015年4月に、新仙台火力発電所3号系列の建

設中のLNGタンクを使ったイベント、「夢を描こう

in

LNGタンク」を開催しました。

 

イベントでは、近隣の小中学生約50名を招き、建設工

事現場を見学後、タンク内部の底板に将来の夢や目標を

書き記してもらいました。昨年の1号LNGタンクで

のイベント実施に続き、今年は2号LNGタンクにて実

施しました。

 

参加した小中学生か

らは「タンクが大きく

てびっくりした」「広い

キャンバスに夢を描き、

とても楽しかった。描い

た夢に向かって頑張りた

い」といった感想が聞か

れ、今回のイベントを大

いに楽しんでいる様子で

した。 新

仙台火力発電所3号系列建

設工事現場において「夢を描こ

in LNGタンク」を開催

Topics

新仙台火力発電所にて開催された植樹祭の様子近隣の小学生78名、グループ企業を含む社員30名が、発電所構内に設けた高さ5mの盛土に、タブノキやトベラなどの広葉樹700本を植樹しました。

コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式。燃焼ガスでガスタービンを回し、排ガスの熱で蒸気をつくり蒸気タービンを回すため、同じ量の燃料でより多くの電気をつくることができる。

燃料

空気

蒸気排煙脱硝装置

煙突

排熱回収ボイラー

蒸気タービン

コンバインドサイクル発電設備概略図発電機

発電機 排ガス

ガスタービン

復水器

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

火力電源の競争力強化

にある当社グループ企業のLNG基

地に加えて、太平洋側にもLNG基地

が整備されることとなり、燃料供給源

分散化が図られ、より安定した燃料供

給が可能となります。

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1314 CSR Report 2015

水力発電・再生可能エネルギー

 

当社企業グループの松川地熱発電

所は日本最初の地熱発電所であり、

2016年には運転開始から50周年

を迎えます。また、当社4地点の地熱

発電所については葛根田地熱発電所

1号機が運転開始から35年以上、上の

岱・澄川・柳津西山地熱発電所は20年

以上の長期間にわたりベース電源と

して電力を供給しており、今後も安定

稼動の継続に取り組んでいきます。

■風力発電

国内トップの約73・1万

kWを連系

■水力発電

国内最多の水力発電所を保有

 

水力発電は、河川の水を利用して発

電するため、発電時にCO2を出さな

い純国産の再生可能エネルギーです。

当社は、2015年9月末現在、国内

最多の211カ所(総出力約244万

kW)の水力発電所を保有しています。

 

2011年7月の新潟・福島豪雨被

害からの復旧工事を行っていた本名

発電所と上田発電所(両発電所とも福

島県金山町)は、2015年6月に運

転再開しました。これをもって、新潟・

福島豪雨に伴う当社水力発電所の復

旧はすべて終了しました。

 

また、当社は水力発電所の新設にも

取り組んでおり、第二薮やぶ

神かみ

発電所(新

潟県魚沼市)と津軽発電所(青森県西

目屋村)が新設工事中であるほか、当

社企業グループの東北自然エネル

ギー株式会社にて玉川第二発電所(山

 

風力発電は、発電時にCO2を出さ

ない環境にやさしい発電方法です。東

北地域は風況に恵まれており、当社の

風力発電連系量は2014年度実績

で、国内トップの約73・1万kW(全国の

約25%)となっています。

 

さらに、当社グループ企業である東

北自然エネルギー株式会社において、

600kWの風車24台(合計1万4400

kW)で発電を行っています。

■太陽光発電

 

太陽光発電は、発電時にCO2を出

さない発電方法です。当社太陽光発電

形県小国町)の新規開発を計画してい

ます。

■地熱発電

国内シェア4割超

 

地熱発電は、マグマの熱を利用して

発電する純国産のエネルギーで、天

候などの自然条件では出力が変動し

ない安定した発電方法です。当社は、

1978年の葛根田地熱発電所1号

機の運転開始以降、地熱発電の導入に

取り組んでおり、当社企業グループは

5カ所6基、合計出力24万7300kW

と国内の約半分の地熱発電設備を有

しています。

所は、八戸・仙台に引き続き、2015

年1月に当社3番目の太陽光発電設

備として原町太陽光発電所(福島県

南相馬市)が運転を開始しました。

2016年3月には石巻蛇田太陽光

発電所(宮城県石巻市)が運転開始予

定です。

■バイオマス発電

 

当社は、木質バイオマス燃料(木材

チップ)を石炭火力発電所で使用する

ことによるCO2排

出抑制に向けた取り

組みを行っています。

当社管内の伐採木や

未利用材を当社の発

電所で使用する「地

産地消」の取り組みを

推進することにより、

地域の森林資源の有

効活用、森林環境の保

全、地域林業の活性化

にも貢献できるもの

です。

 

能代火力発電所、

当社企業グループの

酒田共同火力発電所

に続き、2015年

4月より原町火力発

電所においても木質バイオマス燃料

導入の試運用を開始しました。原町火

力では年間約6万トンのバイオマス

燃料を使用する計画で、約2万トンの

石炭消費の抑制、約5万トンのCO2

排出削減を見込んでいます。

東北、新潟の自然の恵みを生かし、

再生可能エネルギーの導入拡大を進めています。

再生可能エネルギーは、枯渇の心配がなく、環境にやさしい純国産のエネルギーです。当社は、

地域の自然エネルギーを最大限に活用し、国内最多の水力発電所を運用するほか、地熱・風力・

太陽光・バイオマス発電などの導入を推進しています。

 

当社は再生可能エネルギー発電事業

のいっそうの推進に向けて、2015

年7月、東北自然エネルギー株式会社

を設立しました。新会社は、水力・地熱・

風力・太陽光の各発電所合計26カ所、出

力合計約15万kWを保有し、調査から開

発、建設、運転・保守を一貫して行う再

生可能エネルギーの専門会社です。

 

今後、新会社は当社グループ内にお

ける再生可能エネルギー発電事業の中

核会社としての強みを生かし、東北地

方に豊富に賦存する再生可能エネル

ギーのさらなる有効活用を図るため、

すでに決定している水力の玉川第二発

電所の建設や、新たな地点の調査・開発

に積極的に取り組んでいきます。

2016年5月運転開始を目指す津軽発電所

当社企業グループの

専門会社による再生可能

エネルギー発電事業

Topics

   地点     出力    発電電力量(想定値)     運転開始

   地点     出力    発電電力量(想定値)     運転開始

玉川第二発電所

津軽発電所

第二薮神発電所

14,200kW

8,500kW

4,500kW

約6,900万kWh/年(一般家庭約20,000世帯の

年間使用電力量に相当)

約4,117万kWh/年(一般家庭約12,000世帯の

年間使用電力量に相当)

約1,825万kWh/年(一般家庭約5,300世帯の

年間使用電力量に相当)

2019年9月予定

2016年5月予定

2016年3月予定

新設する水力発電所の概要(当社)

新設する水力発電所の概要(東北自然エネルギー株式会社)

当社太陽光発電所の概要

全国合計約52万kW

約48%約25万kW

当社企業グループ

全国の地熱発電出力(2014年度実績)

全国合計約294万kW

約25%約73.1万kW

当社

全国の風力発電連系量(2014年度実績)

●八戸太陽光発電所運転開始:2011年12月/出力:1,500kW発電電力量:約160万kWh/年(一般家庭 約500世帯分の年間使用電力量に相当)

●仙台太陽光発電所運転開始:2012年5月/出力:2,000kW発電電力量:約210万kWh/年(一般家庭 約600世帯分の年間使用電力量に相当)

●原町太陽光発電所運転開始:2015年1月/出力:1,000kW発電電力量:約105万kWh/年(一般家庭 約300世帯分の年間使用電力量に相当)

●石巻蛇田太陽光発電所運転開始:2016年3月予定/出力:300kW発電電力量:約31万kWh/年(一般家庭 約90世帯分の年間使用電力量に相当)

東北自然エネルギー株式会社

東北水力地熱株式会社水力発電所3カ所地熱発電所1カ所

地熱蒸気基地2カ所を保有

統合

東星興業株式会社水力発電所14 カ所を保有

東北自然エネルギー開発株式会社

風力発電所1カ所を保有

東北ソーラーパワー株式会社

太陽光発電所7カ所を保有

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

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1516 CSR Report 2015

原子力発電

厳重な管理が必要といった課題に対

しては、十分な安全対策をとっていき

ます。具体的には、万一の事故の際に、

その進展段階に応じてそれぞれ対策

を講じる「深層防護」と、各段階の対策

に二重・三重の厚みを加えること(多

■当社の原子力発電に

 

ついての考え方と安全対策

 

原子力発電は、発電時にCO2を出

さず、少ない燃料で多くの電気を生み

出し、24時間一定の出力で発電するこ

とができるため、ベースとなる電源と

して活用できます。また、燃料である

ウランの調達が安定していることか

ら、当社は「S+3E」(P10参照)の観

点から、安全性の確保を大前提とした

上で、今後も一定の割合で活用してい

く必要があると考えています。

 

原子力事故が起きたときの被害が

大きいことや、放射性物質や放射線の

様化・多重化)を基本的な考え方とし、

重要な安全機能を設備面(ハード)・運

用面(ソフト)の両面から強化してい

きます。

 

当社では、2013年7月に福島第

一原子力発電所の事故を踏まえて施

行された新規制基準の枠組みにとど

まることなく、最新の知見を反映した

自主的な取り組みを継続することに

よって、さらなる安全レベルを追求し

ていきます。

■安全対策工事工程と新規

 

制基準適合性審査について

新規制基準への

適合性審査申請を行い

現在審査が進められています

 

女川原子力発電所については、

2017年4月以降の再稼働を目指し

て、各種安全対策工事などを進めていま

す。2号機については、すでに新規制基

準への適合性審査申請を行い(2013

年12月)、現在原子力規制委員会による

審査が進められています。1号機・3号

機についても、準備が整ったプラントか

ら、申請を行う予定です。

 

東通原子力発電所1号機についても

2017年4月以降の再稼働を目指し

て、各種安全対策工事などを進めていま

す。また、新規制基準への適合性審査申

請を行い(2014年6月)、現在審査が

進められています。

■安全対策設備面(ハード)

 

の取り組み

原子力発電所における

主な安全対策について

 

当社の原子力発電所では、安全対策の

ハード面での取り組みとして、前述の

「深層防護」と事象の進展段階における

対策の「多様化・多重化」という基本的な

考え方のもと、進展段階ごとに①既存設

備の信頼性の向上といった設備の強化、

②原理の異なる対策を複数用意(多様

化)、③バックアップのために同じ設備

を複数設置(多重化)といった対策を最

適に組み合わせることで、安全に厚みを

加えています。

 

さらに、万一、炉心損傷などの重大な

事故(シビアアクシデント)が発生した

場合でも、発電所外への放射性物質の放

出量を可能な限り抑制するための「フィ

ルタベント(※)」の設置工事を進めるな

ど、新規制基準も踏まえたさらなる安全

性向上のための取り組みを進めていま

す。

(※)原子炉格納容器圧力逃がし装置

新規制基準への適合にとどまらず、

さらに高い安全性確保に向けて取り組んでいます。

当社では、女川原子力発電所2号機、東通原子力発電所1号機の新規制基準への適合性審査に

的確に対応していくとともに、新規制基準への適合にとどまらず、より高いレベルの安全性確

保に向けて自主的かつ継続的な取り組みを行っています。

女川原子力発電所防潮堤かさ上げ工事/現在の防潮堤を海抜約29mにかさ上げし、津波(想定津波高23.1m)から発電所を守る工事を進めている。

2011.3.11 東日本大震災

❶緊急安全 対策等

❷規制要求事項への対応

現状❸「自主的安全性向上」 に向けた対策

震源に最も近い女川は

安全機能が働き冷温停止

発電所の特性と最新知見を

反映したさらなる安全レベル

福島第一と同様な事故を

起こさない安全レベル

福島第一事故の教訓や女川の震災経験の反映

新規制基準への対応

女川原子力発電所防潮堤の実施例

・想定津波高 23.1m と評価・これを踏まえた防潮堤かさ 上げが必要と判断

・海抜約 29m の防潮堤かさ上げを 実施中

・これにより、約6mの裕度を確保

「質の高いリスクマネジメント」 に基づく取り組み

自主的安全性向上に向けた対策

原子力発電所の安全対策イメージ図(女川原子力発電所の例)

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

電源の確保

冷却機能の確保地震対策

津波対策

火災・溢水対策

閉込機能の確保

⑥電源車

大容量電源装置

⑤ガスタービン発電機(2台)

⑦高圧代替 注水設備

⑨淡水貯水槽①耐震工事

③火災対策④溢水対策

⑧大容量送水ポンプ車(4台)

⑪水素再結合装置⑩フィルタベント(※)

・中央制御室・注水設備等へ

使用済燃料プール

燃料プール冷却浄化系ポンプ

残留熱除去系ポンプ

扉水密化

原子炉補機冷却海水系ポンプ

海へ

海水ポンプ室 原子炉建屋 原子炉建屋内に設置

取水路

防潮壁②防潮堤

原子炉補機冷却水系ポンプ

電源盤

原子炉隔離時冷却系ポンプ

大気放出

フィルター装置

格納容器から

免震重要棟の設置(図はイメージ)

台数2台 出力 1台 :4,500kVA(写真はイメージ) 電源車が常駐する高台電源センター 設置工事中の淡水貯水槽台数1台(図はイメージ) 写真は配備済の送水車

台数19台

可搬型代替モニタリング設備の追加配備

貫通部シール施工例かさ上げ工事中の防潮堤耐震工事の例 貫通部水密化施工例部材追加

格納容器から

フィルター装置(図はイメージ)

大気放出】護防層深【意用を策対たじ応に展進の故事の一万 る

守を設施

るす止防を損破料燃

を質物性射放

るめ込じ閉

策対波津・震地

策対水溢・災火

備整盤基の応対故事

保確の源電

保確の能機却冷

保確の能機込閉

①耐震工事基準地震動(1,000ガル)の揺れに対しても重要施設の損傷を防止します。(従来:580ガル)

⑤ガスタービン発電機の配備配備済の大容量電源装置と仕組みが異なるガスタービン発電機を配備し、電源供給の信頼性をさらに高めます。

⑦高圧代替注水設備の設置原子炉の蒸気で駆動する注水ポンプを追加配備し、原子炉への注水の信頼性をさらに高めます。

⑩フィルタベント(※)の設置格納容器内の蒸気などを大気に放出する際に、フィルター装置(水と金属フィルター)を介することで、粒子状の放射性物質の放出量を1/1000以下に抑制します。

②防潮堤のかさ上げ現在の防潮堤を海抜約29mにかさ上げし、より高い津波から発電所を守ります(想定津波を13.6mから23.1mへ変更)。

⑥電源車の配備高台電源センターを整備するとともに、電源車が建屋に寄り付いて直接送電できるようにするなど、電源供給の複数ルート化を実現します。

⑧大容量送水ポンプ車の配備配備済の代替注水車(3台)や送水車(2台)に加え、新たに大容量送水ポンプ車を4台配備し、冷却機能をより強化します。

⑨淡水貯水槽の設置既存の水源に加え、約1万m3の水量を貯蔵する貯水槽を設置し、事故時に必要な冷却水を確保します。さらに水量を必要とする場合は、大容量送水ポンプ車により海水を補給します。

⑪水素再結合装置損傷した燃料などから発生する水素を、動力を用いることなく触媒により再結合させて取り除き、原子炉建屋内での水素爆発を防止します。

③火災対策 ④溢水対策

事故対応を着実に行うため、活動拠点や監視設備などの強化を進めています。

【その他の対策】●国・自治体との防災ネットワーク整備●重大事故用計器の設置 他

各進行段階とも、二重・三重の対策を用意【対策の厚み】

【その他の対策】●格納容器代替スプレイの設置●放水砲の配備 他

【その他の対策】●可搬型熱交換器の配備  ●燃料プールスプレイ設備の設置 他

【その他の対策】●蓄電池容量増強  ●可搬型代替直流電源の配備 他

[女川原子力発電所2号機の例]

発生防止・早期検知対策に加え、延焼防止のため、貫通部のシール施工などを実施します。

配管の破断などで建屋内に水があふれ、重要施設の機能が失われないよう建物内の水密化などを行います。

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1718 CSR Report 2015

置しました(2014年7月設置)。

 

本委員会では、原子力リスクの分

析・評価やリスク低減に向けた必要な

対応策および地域の方々とのコミュ

ニケーションのあり方を審議するな

ど、当社における原子力リスクマネジ

メント全般について指揮・管理してい

きます。

❷「特定課題検討チーム」の発足

 

原子力リスクマネジメントの実践

にあたり、プラント監視能力の向上

や、効果的な活動の推進機能を強化す

るため、社内横断的な部門の人員で構

成する「特定課題検討チーム」を発足

させました(2014年7月発足)。

 

本チームでは、原子力リスク検討委

員会の方針を踏まえ、社内関係個所お

よび外部関係機関と連携しながら、原

子力リスクの分析・評価やリスク低減

原子力発電

■安全対策運用面(ソフト)

 

の取り組み

安全対策を確実に機能させる

ため、さまざまな訓練をくり

返し実施

 

安全対策のソフト面の取り組みと

して、「安全を確保するのは、人」とい

う考え方で、さまざまな訓練を行って

います。万一、重大な事故が発生した

場合でも安全対策を確実に機能させ

るため、夜間や、休日などさまざまな

状況を想定した訓練をくり返し行う

とともに、訓練の進行シナリオを事前

に参加者に知らせない、より実践的な

訓練を実施しています。

 

また、訓練においては、社内の目線

だけではなく、人間行動学などの視点

から外部専門家の客観的な評価や指

導をいただくなど、対応力の向上につ

ながるさまざまな取り組みを行って

います。

■リスクマネジメント

 

の取り組み

原子力の安全性向上のために

求められる質の高いリスクマ

ネジメント

 

さらなる安全レベルの向上や安全

文化の浸透、地域の方々からの信頼獲

得に向け、経営トップのコミットメン

ト(強い意思・関与)のもと、以下に示

すような対策を講じることにより、組

織的・体系的な質の高いリスクマネジ

メントの確立・強化に努めています。

❶「原子力リスク検討委員会」

 の設置

 

原子力リスクマネジメントの重要

性を踏まえ、経営トップのコミットメ

ントを強化するため、社長を委員長と

する「原子力リスク検討委員会」を設

 

2015年8月、当社本店に東北大学名誉教授の北村正晴氏を

迎え、当社経営層を対象とした「原子力リスクマネジメント」を

テーマとする講演会を開催しました。

 

今回の講演会は、原子力工学やリスクコミュニケーションの研

究者である北村氏から、当社の取り組み

に対する助言・示唆をいただくことを目

的としたものです。

 

北村氏は原子力リスクマネジメントの

あり方に関し、「マネジメントの各段階

で社外各層とのコミュニケーションが必

要」と説明、地域との対話姿勢について

「震災時の好事例を事実として語り、信頼

を築くことが重要」と強調されました。

緊急被ばく医療訓練(青森市)

代替注水訓練(発電所内)

「原子力リスクマネジメント」をテーマ

とした講演を当社経営層が聴講

青森県原子力防災訓練に

参加

Topics 2

Topics 1

●代替注水車のホース接続訓練非常時に貯水タンクなどから原子炉や使用済燃料プールに直接注水できる代替注水車を使用した訓練

●重機によるがれき撤去訓練津波によってがれきが流れ込むことを想定し、ホイールローダなどを使ってがれきを撤去する訓練

●水源確保訓練原子炉や使用済燃料プールへの注水に必要な水源を長期的に確保するため、河川から取水する訓練(東通原子力発電所)

●原子力防災訓練 (総合訓練)原子力災害発生時に、原子炉施設の保全要員があらかじめ定められた安全機能を有効に発揮できるように実施する、各種対策を含む総合的な訓練

●シミュレーターによる 運転操作訓練さまざまな事故を想定し、原子炉の状況確認や運転操作を行う訓練 原子力防災訓練の本店対策本部の様子

電源確保訓練(発電所内)

 

2014年11月、東通原子力発電所

における重大事故を想定した「青森県

原子力防災訓練」に参加しました。訓

練には、発電所から半径30km圏内の市

町村をはじめ、原子力規制庁、自衛隊な

どの関係機関や原子力事業者、地元住

民など、約1400名が参加し、関係機

関との連携および事故収束に向けた対

応能力の向上を図りました。

■非常災害時の

 

ガバナンス体制

●複合災害時の分任体制化

 

原子力災害と大規模停電などの複

合災害時において、本店における対応

体制が確実に構築されるように非常

災害対策本部の分任化という体制を

とりました。

 

福島第一原子力発電所で起こった

シビアアクシデントを教訓として、社

長は原子力災害を優先的に対応し、一

般災害については社長が指名する役

員が指揮をするという分任化を図り、

同時進行する災害に対し、的確に対応

する体制としました。

●対策本部内組織の

 分離配置

 

原子力災害が発生した場合には、原

子力災害緊急時対策本部においてき

わめて多くの情報の処理が必要とな

ることから、正しい情報が速やかに、

確実に伝達されるように初動対応の

強化を図りました。

 

一つは、意思決定を行う対策本部、

発電所からの情報を収集・整理する原

子力班、国や自治体と連絡をとるコン

タクトポイントについて、同一フロア

の別室などに分散配置し、必要に応じ

て連携することにより、正しい情報を

確実に伝達できるようにしました。

 

もう一つは、原子力災害緊急時対策

本部のTV会議への参加判断の権限

を現場の発電所に持たせることとし

ました。これは現場を混乱させないた

めで、現場は災害対応に専念し、必要

な支援のみ本部に要請するという体

制としました。

非常災害対策本部(本部長:社長)

総合対策本部

分任化原子力設備被害

原子力災害緊急時

対策本部(社長が指揮)

非常災害対策本部

社長が指名する(役員が指揮  )大規模

停電

複合災害時の分任体制化

震災前 震災後

に向けた必要な対応策に関する具体的

な検討などといった、原子力リスクマ

ネジメントを実践・牽引していきます。

❸リスクコミュニケーション

 の強化

 

当社は、これまで継続的に展開して

きた訪問対話活動や広報紙発行など

による地域の方々とのコミュニケー

ション活動について、原子力のリスク

情報やその低減に向けた取り組みな

ども盛り込みながら、双方向のコミュ

ニケーションに努めていきます。ま

た、外部の有識者などの声を当社原

子力リスクマネジメントに取り込ん

でいくための仕組みづくりの検討を

加速させ、さらにリスクコミュニケー

ションの強化を図っていきます。

外部関係機関(原子力安全推進協会・世界原子力発電事業者協会・原子力リスク研究センター)

❶原子力リスク検討委員会(委員長:社長)

当社

原子力安全推進会議(議長:社長)

❷特定課題検討チーム

各事業所(本店各室部・原子力発電所・

支店・営業所)

ステークホルダー(地域の方々など)

情報入手

報告 指示・指導

状況報告 対策提言

報告

監査実施状況報告

声の取込含む

内部監査部門

❸リスクコミュニケーション

(構成部門)原子力、企画、総務、広報・地域交流、電源立地、土木建築

原子力リスクマネジメント取り組み体制

講演を行う北村正晴東北大学名誉教授

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

対策本部内組織の分離配置

本店

発電所国、自治体、オフサイト

センター

原子力災害緊急時対策本部

原子力班 コンタクトポイント

分離配置・情報整理

同一フロア

現場優先

分離配置

Page 11: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

1920 CSR Report 2015

原因

直接原因

根本原因

当社・協力会社の多くの人が関わっていながら、点検作業を進める中で、問題に自ら気付き、改善することができなかった

記録様式直接原因①

直接原因②ルール

ミスが発生しやすい記録様式

不適合管理の扱いや記録訂正方法などのルールが不明確

(業務実施箇所)

(内部監査箇所)

当社

Bグループ

Aグループ

担当箇所

協力企業

・・・・ ・・・・

b社

a社

連携不足

品質保証部門担当箇所の品質保証活動の

改善に向け助言

監査部門業務実施箇所の品質保証活動の状況を監査

対策

緊急対策

根本対策

当社・協力会社の役割・責任を明確化し、相互連携の強化により、問題の発生を未然に防ぐ。問題が起きても自ら気付き、改善することができるよう、品質保証活動を強化する

記録様式緊急対策①

緊急対策②ルール

記録様式の改訂

ルールの明確化と再周知

(業務実施箇所)

(内部監査箇所)

当社

Bグループ

Aグループ

担当箇所

協力企業

総括責任者

・・・・ ・・・・

b社

a社

連携強化(役割・責任明確化)

品質保証部門担当箇所の品質保証活動

への参画

監査部門監査機能の強化、業務実施箇所の根本対策実施状況の

計画的な監査

仕組み根本原因❶

新たな業務でミスを防止するための組織的な備えが不足

教育根本原因❷

定常業務での管理手法を新たな業務へ応用する力が不足

監査

仕組み❶根本対策❶

相互連携を強化し、ミスを「未然に防ぐ」、ミスに「気づき」「改善する」

仕組み❷根本対策❸

専門的な目を強化し、業務を「チェックする」

教育根本対策❷

教育に厚みを加え、新たな業務の「実践力を鍛える」

監査

原子力発電

原子力品質保証活動の強化

 

今回の記録不備を受け、当社は緊急

対策として「記録様式の改訂」や「ルー

ルの明確化と再周知」を速やかに実施

しました。

 

また、根本的な対策の

一例として、2015年

3月に品質保証部門の体

制強化を図り、発電所の

担当個所と一体となって

品質保証活動を改善する

取り組みを強化していま

す。加えて、品質保証活動

に対する内部監査機能を

■女川原子力発電所における

 

地震後の設備健全性確認点

 

検の記録に関する再確認結

 

果について

 

女川原子力発電所2号機の地震後

の設備健全性確認点検の記録につい

て、国が実施する2014年度第2回

保安検査の中で、抜けや誤りがあるも

のや、訂正が社内マニュアルに従って

行われていないものなどの不備が確

認され、2014年10月、原子力規制

委員会より保安規定違反(監視)との

判定を受けました。

 

これを受け当社では、経営層を含め

た全社的な体制を構築し、地震後の設

備健全性確認点検記録の再確認を行

うとともに、原因分析と再発防止対策

の検討を進めました。女川2号機の点

検記録全数について再確認した結果、

計4188件の不備を確認いたしま

した。また、女川1号機および3号機

の点検記録全数について再確認した

結果、1・3号機合計で474件の不

備を確認いたしました。

 

当社は、原子力品質保証活動のもと

継続的な改善による業務品質の向上

に取り組む中で、点検記録の不備を多

数発生させたことを重く受け止め、深

く反省しています。

 

当社は、女川原子力発電所から半径30

km圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)

にあたる登米市、東松島市、涌谷町、美里町、南三陸町(UPZ自治体)と、情報連絡な

どの連携強化などにより地域住民の皆さまの安全確保を図るための協議を実施し、

2015年4月、「女川原子力発電所に係る登米市、東松島市、涌谷町、美里町及び南

三陸町の住民の安全確保に関する協定書」を締結しました。

 

当社は、締結した協定書に基づき、異常時の情報連絡や報告などを確実に行うと

ともに、日頃から積極的な情報公開に努め、原子力発電所の状況について丁寧に分

かりやすく説明することとしています。

 

2015年1月、宮城県、女川町および石巻市が

設置している「女川原子力発電所2号機の安全性に

関する検討会」の委員の方々が女川原子力発電所の

視察に訪れました。

 

当日は、かさ上げ工事が進む防潮堤のほか、実際

の操作盤と同じシミュレーターを使った運転員に

よる操作訓練の様子や、原子炉建屋内の耐震工事

の状況などを確認いただきました。委員の方々から

は、「現場を見るということは非常に重要なこと。今

回の現場視察を踏まえ、今後いろいろ議論していけ

るのではないか」との所感をいただきました。

防潮堤かさ上げ工事現場視察の様子

女川原子力発電所「こんにちは訪問」活動

東通原子力発電所「全戸訪問対話活動」

女川原子力発電所UPZ自治体と協定書を締結

「女川2号機の安全性に関する検討会」が現地視察を実施

Topics 1Topics 2

 

2015年2月、大学教授、企業代

表者など社外の有識者の方々から広

くご意見をいただく第5回「原子力

のあり方に関する有識者会議」を開

催しました。当日は「女川原子力発電

所における地震後の設備健全性確認

点検の記録に関する再確認結果」に

ついて議論いただきました。

 「東北電力は、気づく、話す、直す、

との方針のもとで企業倫理・法令遵

守、安全文化に関する取り組みを

行っているが、今回の件では『話す』

ことが不足していたのではないか」

「再発防止対策を策定する過程の中

で、このような場を設け意見を取り

入れようとする東北電力の企業姿

勢は大事である」「原子力において

は、高い安全性を確保することはも

とより、品質保証にしっかりと対応

し、社会に対する説明責任を果たす

ということも仕事の本質の一つであ

る。こうし

た意識を

しっかり

と持って

仕事にあ

たってほ

しい」など

のご意見

をいただ

きました。

第5回

「原子力のあり方に関する

有識者会議」について

Topics 3

第5回「原子力のあり方に関する有識者会議」

原因と対策の全体概要

点検記録再確認の結果 点検記録再確認の結果 女川1号機 女川2号機 女川3号機点検結果の記載に不備がある事案 2 207 20点検結果の不適合管理に不備がある事案 3 137 33記録の品質の観点から改善が必要な事案 97 3,844 319合計 102 4,188 372

( )内は点検記録の全数 (約600機器、 約7,900ページ)

(約33,000機器、 約82,000ページ)

(約15,000機器、 約27,000ページ)

強化し、再発防止対策の実施状況を計

画的にチェックしていきます。

 

当社は、今回策定した対策の着実な

実行と継続的な改善を積み重ねてい

くことにより、原子力品質保証活動の

いっそうの強化に努めていきます。

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

■ リスクコミュニケーション

の取り組み

地域や有識者の声をマネジメ

ントに反映

 

当社は、原子力リスクの存在を前提

に、リスク情報を地域の方々と共有

し、話し合い、地域の方々のご懸念や

ご意見を原子力リスクマネジメント

に取り込んでいく「リスクコミュニ

ケーション」の取り組みの強化に努め

ています。

 

従来より、原子力事業者として業務

を運営していく上で、双方向のコミュ

ニケーションを通して地域の方々の

声をお聞きすることが不可欠である

と考えており、女川原子力発電所・東

通原子力発電所では年2回、発電所

員が地域の皆さまのご家庭を一軒一

軒伺う活動を長年にわたり継続して

行っています。

 

これは、発電所に関する情報をお知

らせするとともに、地域の皆さまの貴

重なご意見を直接伺い、今後の発電所

の運営に反映していくことを目指し

た顔の見える対話活動です。2014

年12月に実施した際には、女川原子

力発電所で約4100戸(女川町、石

巻市の一部)、東通原子力発電所で約

2700戸(東通村)を訪問しました。

 

また、さまざまな分野の社外有識者

の方々で構成される「原子力のあり方

に関する有識者会議」を設置してお

り、これまでに5回の会合を開催し、

幅広い観点からご意見やご助言をい

ただいています。

 

これらの活動を通じて、地域の皆

さまや社会全般の声に耳を傾けなが

ら、日々PDCAサイクル(※)を実践

することにより、事業者として独り

よがりに陥ることのないよう取り組

んでいきます。

(※) PDCAとは:Plan(計画)→Do(実施)→Ch

eck(点検・評価)→Action(改善)という、こ

れらの項目をサイクルとして回し、業務の継続的改

善を図ること。

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2122 CSR Report 2015

「買い方」を変える

「買う量」を変える

「買うモノ」を変える

●競争発注の拡大●発注の集約・均平化●外部との共同調達●海外サプライヤーの拡大 等

※資材・役務調達…物品購入、工事請負、委託

●設備維持メンテナンス基準 の見直し●業務水準の見直し 等

●設計・仕様の見直し 等 (独自仕様や高スペック、  工事仕様や工程見直し 等)

目標

◎調達価格の10%低減

◎競争発注比率を 2015年度末までに 3割程度まで拡大

ヨーロッパ(NIS 諸国を含む)

東アフリカ

中東

アジア

大洋州

米国

中南米

豪州

東アフリカモザンビークLNGプロジェクト●調達ソースの多様化●調達の柔軟性の追求●価格体系の多様化

豪州ウィートストーンLNGプロジェクト●共同調達による交渉力の発揮、 調達の柔軟性の向上

米国キャメロンLNGプロジェクト●調達ソースの多様化●調達の柔軟性の追求●価格体系の多様化

燃料調達における効率化を目指して、世界各地に LNG調達ルートを拡大し、LNG価格体系の多様化に向けて取り組みを進めている。

資材・役務調達価格の

低減への取り組み

 

当社は、2013年に経営層を

トップとする「調達改革委員会」を設

置し、外部有識者の助言をいただき

ながら「調達価格の10%低減」および

「2015年度末までに競争発注比率

を3割程度まで拡大」という目標を掲

げました。

 

資材・役務調達の2014年度実績

は、調達価格低減率が8%(調達価格

391億円の低減)、競争発注比率が21・

2%となり、引き続き目標達成に向け

た取り組みを進めることとしています。

コスト低減の取り組みを

継続的に実行

 

当社は、東日本大震災などによる設

備被害や原子力発電所の長期停止に

伴う火力燃料費の増加などの影響に

より、財務状況が著しく悪化し、電力

の安定供給に支障をきたしかねない

状況となったことから、2013年9

月にお客さまへ電気料金の値上げを

お願いさせていただきました。

 

当社は電気料金値上げ申請にあた

り、値上げ幅を抑制すべく、原価算定

期間(2013~2015年度)平均

で806億円の経営効率化を先取り

して料金原価に織り込んでいます。ま

た、料金値上げの認可にあたっては、年

平均333億円の厳しい査定を受け

ています。

 

当社は、経営全般にわたって構造的

なコスト低減の取り組みを加速させ

調達改革の具体例

■資機材購入の競争化

 

従来、地域別割り当てによる特命発

注としていたマイクロ波無線機関連の

物品を100%競争発注とし、約3割

のコスト低減を図りました。

■外部との共同調達

 

火力発電所の石炭

運搬用ベルトコンベ

ヤのベルトについて

関係会社との共同調

達を実施し、調達価格

の低減を図りました。

た結果、2014年度は値上げ申請

時に織り込んだ効率化計画に加え、

査定分も含めた効率化額を上回る

1240億円程度のコスト低減を実

施しました。

 

2015年度においても、安全確保

と安定供給を前提に、構造的なコスト

低減に引き続き取り組み、「持続的な

効率化」を実現していきます。

調達のしくみの改革、燃料費の削減。

あらゆる分野で効率化を進めています。

経営全般にわたって構造的なコスト低減の取り組みを進めている当社は、2014年度にお

いて、計画の効率化額を上回るコスト低減を実施しました。これからも、安全確保と安定供給

を前提に、持続的な効率化を実現していきます。

新仙台火力発電所に接岸したLNG船

コスト競争力強化

燃料費の削減に向けた

燃料調達の取り組み

 

当社は、中長期的な燃料費の低減に向

け、燃料調達における効率化を進めてい

ます。2017年度以降、オーストラリ

アのウィートストーンLNGプロジェ

クトから調達するLNGについては、東

京電力株式会社との共同調達により受

け入れるものであり、これにより、調達

の柔軟性と経済性の向上が図られます。

 

LNG価格体系の多様化を目指した

取り組みとして、当社初の米国天然ガス

市場価格を価格指標とする米国産LN

Gの調達計画が実現の運びとなりまし

た。米国キャメロンLNGプロジェクト

より、2社の売主を通じて合計で約57万

トンのLNG(シェールガス含む)を調

達することとしており、2018年以降

の受け入れ開始を予定しています。この

他、東アフリカのモザンビークLNGプ

ロジェクトなど、新規プロジェクトにつ

いても積極的に検討を進めています。

 

また、石

炭について

は、調達比

率の高い豪

州炭への依

存度を低減

するため、

経済性を有

するインド

ネシア・ロシア・中国などの近距離ソー

スからの調達を継続するとともに、豪州

やインドネシア国内での積出港の分散

化を行うなど、出荷港の混雑や自然災害

による供給リスク低減を図り、調達の安

定性を確保しています。加えて、北米炭

をはじめ経済性に優れた新規石炭の購

入検討や、灰処理コスト低減を見据えた

亜瀝青炭の調達を継続しています。

 

石炭の海上輸送では、専用船・専航船

などを活用することで、石炭輸送の経済

性・安定性の確保に努めています。

05101520253035

2010 2013 2014 (年度)

(%) (%)調達価格低減率(右軸)競争発注比率(左軸)

0

5

10

5.5%

8%

21.2%18.3%17%

石炭専用船「原町丸」(写真提供:日本郵船株式会社)

項目

人件費

燃料費・購入電力料

設備投資関連費用

修繕費

その他経費

合計

2014年度効率化

実績

276

653

21

144

146

1,240

2014年度

321

195

23

118

154

811

原価算定期間2013~

2015年度平均

321

192

24

118

151

806

経営効率化の具体的内容

社員の給料手当の削減、採用抑制による人員効率化、福利厚生制度の見直し 等

市況動向を捉えたLNGスポット調達、亜瀝青炭の受入拡大、高効率火力発電設備の稼働増 等

新技術採用や工事範囲の精査による工事仕様・工法の合理化 等

工事・点検周期の見直しや工事仕様の合理化 等

普及開発関係費や研究費などの大幅削減 等

料金原価に織り込んだ効率化額を上回るコスト低減を実施

【参考】料金値上げ申請時に織り込んだ効率化額

(単位:億円)

[参考]料金値上げ認可における   査定額333億円(原価算定期間平均)との合計額 1,139

2014年度の効率化の状況

調達改革の概要と目標

調達価格低減率と競争発注比率の実績

世界で展開するLNG新規調達プロジェクト

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

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2324 CSR Report 2015

よる巡視では、設備の異変がないか、

幅広く細かく確認します。万一、見落

としがあって電気が止まれば広範囲

のお客さまの生活に影響を与え、場

合によっては

他県にまで波

及してしまう

ことがあるた

め、集中力を高

めてパトロー

ルの任務にあ

たっています。

■安定供給の取り組み《配電》

 

発電所から送電線を通り変電所に

送られた電気は、配電線と言われる電

線を通り、お客さまのご家庭に届けら

れます。お客さまに一番近い設備であ

るため、きめ細かな保守管理が必要で

す。カラスが電柱や電線に巣を作ると

地域の隅々まで

途切れなく電気を届ける

 

当社が電気をお届けしている東北

6県と新潟県は、日本の国土の5分の

1を占める広大な地域です。そこで暮

らすお客さまへ電気をお届けするた

めに張りめぐらせた送電線や配電線

の総こう長(※)は約16万km(地球約4

周分)に及びます。

 

電気がつくられてからお客さまの

もとに届くまで、何らかのトラブルで

電気が止まることのないように、当社

ではさまざ

まな取り組

みを行い、安

定供給の使

命を果たし

ています。

■安定供給の取り組み《発電》

 

電気の使用量は平日の昼と夜、休日

では大きく違います。また春・秋に比

べて夏・冬は増加します。そうした変

化に臨機応変に対応して、いつでも

安定して電気をお届けするために、

各地域の発電所では24時間体制で

運転状況を監視するとともに、パト

ロールにより設備異常の早期発見や

適切な処置に努めています。数多く

ある保守作業に対しても、常に安定

供給への使命感を持って一つひとつ

丁寧に取り組んでいます。

■安定供給の取り組み《送電》

 

送電ネットワークの巡視は、徒歩

や車両で行う地上巡視と、上空から

点検するヘリコプター巡視を組み合

わせて行っています。ヘリコプターに

いつも。どんなときも。

必ずお客さまに電気をお届けするために。

当社では、お客さまが常に安心して電気をお使いいただけるように、発電設備や送配電ネット

ワーク設備の日常的な巡視・点検など保守業務に万全を期すとともに、災害対応力の強化にも

取り組むことで、よりいっそうの電力の安定供給に努めています。

地域と連携し、災害対応力の強化に努めています。(陸上自衛隊東北方面隊主催「みちのくALERT 2014」に参加)

※こう長:鉄塔や電柱など支持物間の水平距離の 合計(数値は2015年3月末現在)

ヘリコプター巡視の様子

山形県での配電設備のカラス営巣除去

安定供給の使命

◎送電線 こう長:15,181km 鉄塔:58,304基

◎配電線 こう長:145,943km 電柱(配電鉄塔含む):3,074,234基

生し、道路が寸断された場合に、復旧

作業が長期化することがあります。こ

のような場合、孤立した地域における

早期の応急送電が課題となるため、当

社は空輸対応型低圧応急用電源車(愛

称:灯「ToMoS」)を開発・導入しま

した。陸上自衛隊の輸送ヘリに積載・

空輸が可能な電源車の開発は国内電

力会社として初めてであり、2015

年度中には各県に1台ずつ配備する

予定です。

 

2014年11月には、宮城県沖での

大規模な地震と津波の発生を想定し

た陸上自衛

隊東北方面

隊が主催

する訓練

「みちのく

ALERT

2014」

に、当社は

ToMoSとともに参加しました。訓

練では、自衛隊や自治体・関係機関と

の連携を図りながら、自衛隊の大型輸

送ヘリにより、実際にToMoSを気

仙沼市大島へ輸送しました。大島到

着後、避難所までの自走と応急送電

訓練も実施し、車両機能の検証を行

いました。

 

山形県内への電力供給は、米沢市や鶴岡市など

の一部の地域を除き、宮城県方面からのルートを

通じて行っています。しかし東日本大震災では、

宮城県側の宮城変電所が停止したことから、山形

県内でも大規模な停電が発生しました。

 

南山形幹線の新設は、こうした経験を踏まえ、

西山形変電所と既設の朝日幹線を結び、新潟県方

面からの新たな供給ルートとして構築するもの

です。供給ルートを多重化することにより、どち

らか一方の地域で災害などの緊急事態が発生した

場合でも、もう一方から受電できるよう安定供給

体制を強化します。2018年6月の使用開始

を目指します。

 発 電 所でつくられた 電 気をお 客

さまにお 届けする 送 電ネッ トワー

クを、 空から 守る 仕 事がヘリコプ

ター 巡 視です。当 社 管 内に 張りめ

ぐらされた 送 電 線を 上 空からパト

ロールし、異常を発見することによ

り不測の停電を未然に防止します。

電気を確実に、安定してお客さまに

届けることができるように、使 命 感

を持って、業務にあたっています。

 フライト前は、パイロットと入念

に打ち合わせを行い、当日の経路と

パトロー ルの 主 眼 点などを 確 認し

ます。上空からは、設備の状態はも

ちろん、樹 木の 伐 採の 必 要 性など、

安 定 供 給のために 必 要な 細かい 確

認を行います。双眼鏡での確認、写

真 撮 影も 行います。揺れる 機 内で

集中して送電線を見続ける作業は、

神経も体力も消耗します。巡視後、

設備異常などの結果が出た場合に

は速やかに改修計画を立案し、設備

の保守に万全を期しています。

山形県内の送電ルート概略図

50万ボルト送電線

27万5000ボルト送電線

新設送電線(27万5000ボルト)

主な変電所

新庄

宮城

西仙台西山形

朝日幹線

山形幹線

陸羽幹線

米沢

新潟ルート

宮城ルート

南山形幹線

新たな送電線ルート(南山形幹線)

により安定供給体制を強化

Topics

ヘリコプター巡視で守る送電ネットワーク

仙台技術センター夏井 慶太

秋田火力発電所における発電機点検の様子

避難所でのToMoSによる応急送電訓練

停電になりかねないため、こまめに

パトロールを行い、除去しています。

また、雷や大雪などによる配電設備

の被害や、台風・地震などの大規模自

然災害に備えた訓練を実施してい

ます。一方で

停電発生時

には夜間・休

日を問わず復

旧にあたり、

一刻も早くご

家庭へ電気を

お届けできる

よう取り組ん

でいます。

陸上自衛隊の

訓練に参加し、

災害対応力の強化を図る

 

大規模な地震や局地的豪雨等が発

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

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2526 CSR Report 2015

量2万kWhの蓄電池システムを設置

し、再生可能エネルギーの導入拡大

により生じる周波数変動に対する

調整力の拡大効果を検証していま

す。2015年2月に運転を開始し、

2017年度までの3年間で実証試

験を行います。

 

一方、南相馬変電所では、出力4万

kW、容量4万kWhの蓄電池システムを設

置し、再生可能エネルギーの導入拡大

に伴い、電力供給が需要を上回る場

合の需要と供給のアンバランスに対

再生可能エネルギー

導入拡大に向けての課題

 

電気はその性質上、余った電気を大

量に貯めておくことができません。そ

のため、お客さまに安定した品質の良

い電気をお届けするためには、供給エ

リア全体の電気の使用量(需要)と発

電量(供給)を瞬間ごとに一致させ、周

波数を一定の範囲内にコントロール

していくことが必要です。

 

再生可能エネルギーはCO2を排出

しない環境にやさしいエネルギーで

すが、一方で、日照・風況などの自然条

件により発電量が大きくかつ不規則

に変動することから、周波数が不安定

となったり、また需要に対して電気が

余ったりするなど、電力の安定供給に

影響を及ぼす可能性があります。

 

再生可能エネルギーには、このよう

な課題があるものの、当社は低炭素社

する改善効果を検証することとして

います。現在設置工事を進めており、

2016年2月の運転開始予定です。

再生可能エネルギーの

出力制御技術の研究開発

 

2015年1月に施行された経済

産業省の改正省令に基づき、電力供給

が需要を上回るおそれが生じる場合、

再生可能エネルギー発電事業者の皆

さまには、時間単位でのきめ細かい出

力制御にご協力いただくこととなっ

ています。

 

そこで当社は、事業者の皆さまにご

協力いただく出力制御の量を極力少

なくすることを目的に、再生可能エ

ネルギーの出力制御・予測技術の向

上を図る技術研究開発事業に取り組

会の実現のため、そして地域復興の柱

としても位置づけられている再生可

能エネルギーの導入拡大のために、電

気の品質を維持する取り組みを進め

ています。

大型蓄電池システム

実証事業について

 

当社は、再生可能エネルギーの導入

拡大への取り組みの一環として、国が

一般社団法人新エネルギー導入促進

協議会を通じて公募した補助事業を

活用し、西仙台変電所ならびに南相馬

変電所に蓄電池システムを設置し、再

生可能エネルギー導入拡大効果の検

証に取り組んでいます。

 

西仙台変電所では、出力2万kW、容

みます。

 

これは、NEDO(※)の

公募案件として、伊藤忠

テクノソリューションズ

(株)、東北大学、通研電気

工業(株)、当社の4者共

同により2018年度ま

で実施するものです。こ

の技術研究開発により、

電力の安定供給と再生可

能エネルギー導入拡大の

両立を図っていくことと

しています。

(※)国立研究開発法人新エネルギー・

産業技術総合開発機構

地域と連携し、エネルギーサービス面から

地域の復興・発展に貢献します。

当社は、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組むとともに、スマートコミュニティ事業への

支援や参画など、地域と連携しながら、エネルギーサービス面から地域の復興・発展を支援して

いきます。

50周波数

使用量(需要)=発電量(供給)

常に一致

49 51

50周波数

使用量(需要)

発電量(供給)

49 51

使用量(需要)

発電量(供給)

太陽光

ベース供給力

風力需要

(消費量)

再生可能エネルギーの供給が多く、「供給が需要を上回る」と想定される時間に、揚水動力に加えて蓄電池による充電を実施。

大型蓄電池

指 令

中央給電指令所 再生可能エネルギーの

出力変動の影響を監視

周波数が安定化周波数が安定化

大型蓄電池システムの導入によって、系統全体

の周波数調整力の拡大効果が期待される

風力発電風力発電

メガソーラー

蓄電池システムと火力発電機を組み合わせた出力調整指令を送信

変電所

住宅用太陽光

火力発電機

周波数

太陽光出力変動

風力出力変動

西仙台変電所では、出力2万kW、容量2万kWhの大型蓄電池システムを設置し、実証試験を進めている。

地域に貢献する電気事業使用量と発電量のバランス

南相馬変電所蓄電池システム事業イメージ

西仙台変電所蓄電池システム事業イメージ

供給過剰による周波数上昇

蓄電システム実証事業の取り組み

事業名称

事業内容

設置場所

実証設備

運転開始

西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業

周波数変動対策

西仙台変電所 [宮城県仙台市]

リチウムイオン電池出力:2万kW(短時間出力4万kW)容量:2万kWh

2015年2月20日

南相馬変電所需給バランス改善蓄電池システム実証事業

需給バランス改善対策

南相馬変電所 [福島県南相馬市]

リチウムイオン電池出力:4万kW容量:4万kWh

2016年2月末予定

 

震災で被災した石巻市の震災復興に向けた重点計画の一つ

「石巻スマートコミュニティ導入促進事業」は、再生可能エネル

ギーを活用して低炭素なエコタウンをつくり、災害時に灯りと

情報が途切れない安全・安心なまちの実現を目指すもので、当

社もプロジェクトに参画しています。

 

そのモデル地区となる新蛇田地区に、当社は石巻蛇田太陽光

発電所(出力300kW)と蓄電池を新設する計画で、2016年

3月の運転開始を目指します。また同地区では今後、災害公営

住宅や一般住宅における太陽光発電の大量導入が予想される

ため、系統安定化システムなどによる需給バランス調整や太陽

光発電の出力変動の抑制により、地区内のエネルギー管理を行

うこととしています。

石巻蛇田太陽光発電所新設工事の着工

Topics

周辺住民周辺住民

復興住宅

災害公営住宅

需給バランス調整・再生可能エネルギーの出力変動抑制

エネルギー自立化(共用部の照明点灯)

非常時対応(照明等へ供給)

災害公営住宅のエネルギー自立状況把握

DRによる省エネ協力(市民参加)

生活に役立つ地域情報提供

タイムリーにエリアの防災情報を配信

電力使用量の最適化(省エネ化)

防災拠点のエネルギー一元管理

エネルギーの自立状況の把握

太陽光発電設備

蓄電池設備

地区エネルギー設備

周辺住民

EV充電設備

公共施設

商業施設

ビル

地域エネルギー管理システム(CEMS)系統安定化システム 需要家統合システム

防災拠点施設(避難所)

防災拠点施設(避難所)

復興住宅地区 中心市街地

エネルギー管理平常時

エネルギー管理災害時

生活情報平常時

生活情報災害時 石巻スマートコミュニティ導入促進事業/

地域エネルギー管理システム

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Page 15: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

2728 CSR Report 2015

東北6県と新潟県の24地域で実施し

てきました。

 

東日本大震災以降は、これまでのノ

ウハウを活

用し復興支

援としても

取り組み、

2014年

度は、岩手

県釜石市、

宮城県登米

市、福島県

社員がボランティアで

海岸防災林の

植樹を実施

 

東北の太平洋側沿岸では、地域の

人々の暮らしを守ってきた「海岸防災

林」が、東日本大震災の津波により壊

滅的な被害を受けました。

 

そのような状況のなか、東北に暮ら

す一市民として「少しでも復興の役に

立ちたい」との思いから、社員有志に

よるボランティア活動として、樹木を

種から育てて被災地に植樹する「海岸

防災林復活活動」に2013年12月か

ら取り組んできました。

 

2015年の活動としては、福島県

の「南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」や

宮城県岩沼市が主催する「第3回千

年希望の丘植樹祭2015」に参加。

当社企業グループの社員とその家族

が、全国から集まったボランティアと

 

東日本大震災では、太平洋側沿岸を中心

に数多くの道路が被害に遇いました。復興

工事は今なお続けられていますが、国土交通

省の主導により、いくつかの道路が「復興道

路」「復興支援道路」として事業化されていま

す。「復興支援道路」の一つ、岩手県の「宮古盛

岡横断道路」(国道106号)の要となるトン

ネル新設工事に関連して、当社は掘削機械な

どの動力源となるトンネル工事用の電源供給

ルートを整備することとなり、「プロジェクト

106」の名で工事を開始しました。

 

配電線の新設工事区間約12�km、建柱数が

261基に及ぶ大規模な計画で、通常1年

程度かかる工事を約3カ月で仕上げなけれ

ばいけないという、当社岩手支店としても、

過去に例のない困難な供給工事でした。復

興支援道路は、震災の教訓から災害時の交

通網寸断を防ぐ目的で整備される重要イン

フラであるため、復興支援、地域支援の観点

から、当社、工事会社では一丸となって作業

を完遂させ、2015年7月、計画どおり電

源供給を開始しました。

只見町で、復興に向けたまちづくりに

取り組む団体を支援しました。

東北の復興と活性化に向け

各地の観光情報を発信

 

仙台市の繁華街にある当社PR施

設「東北電力グリーンプラザ」に、「東

北の魅力発信コーナー」を常設し、東

北6県と新潟県の観光スポットや物

産情報を紹介しています。

 

また、各県で開催される観光キャン

ともに、苗木を植樹しました。

 

これからも当社では、地元の電力会

社として地域に寄り添いながら、東北

の「みどりの復興」に向けて、社員によ

るボランティア活動に取り組んでい

きます。

復興に取り組む団体を支援

まちづくり元気塾Ⓡ

 「まちづくり元気塾Ⓡ」は、地域が直

面している課題の解決に取り組むN

POやまちづくりグループの活動に

対し、それぞれの課題に応じた専門家

を派遣して地域の主体的なまちづく

り活動を側面からサポートする制度

です。2006年度の制度開始以来、

地域とともに、変わらず守っていくもの。

これからも復興への歩みを続けます。

当社は、創立以来、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」という基本的な考え方のもと、地域

に密着した経営を進めてきました。当社はこの想いを変わらずに守り、地域の皆さまととも

に復興への歩みを続けます。

 プロジェ クト106の 工 事は、規 模

が大きく工期が短いため、岩手支店

管内の全営業所から応援メンバー

が集まり、「オー ル 岩手」体制で誠心

誠意取り組みました。

  当 初、私は 遠 野 営 業 所からの 応

援メンバー として設計図作成に参

加しましたが、その 後、工 事 区 間を

管 轄する 宮 古 営 業 所に 配 属され、

しかも工事の主担当という重大な

ミッションを任されました。プレッ

シャー は大きかっ たのですが、被災

地 復 興の 支えになるという 使 命 感

を、携わっ たメンバー、そして 工 事

会社の方々と共有し、チームワーク

を発揮することで、無事に工事を完

了させることができました。

南相馬市鎮魂復興市民植樹祭(2015年3月)

第3回千年希望の丘植樹祭2015(2015年5月)

ワークショップの様子(福島県只見町)

山形の観光キャンペーンPRイベントの様子

プロジェクト106の架線工事

震災で被害を受けた太平洋側沿岸の海岸防災林を復活させようとの目標で進められてきた社員ボランティア「海岸防災林復活活動」。

復興支援活動

使命感を共有し、チームワークで工事を完了

宮古営業所配電課プロジェクト106担当

藤川 幸宏

 

一般社団法人東北経済連合会(会長:高

橋宏明当社相談役)は、岩手県、宮城県、

石巻市と合同で、イタリア・ミラノにて

開催された「2015年ミラノ国際博覧

会」に、東北チームとして出展しました。

(2015年7月24日から27日の4日間)

 

ミラノ国際博覧会は「食」をテーマとし

た催しで、今回、東北チームでは東北の食

と食文化について世界に発信しました。

また、東日本大震災の際に、海外から数多

く寄せられた心温まる支援に対する感謝

の気持ちを込めて、復興に向けて力強く

歩んでいる東北の今の姿をお伝えしまし

た。

 

東北経済連合会では、今後も、こうし

た機会を捉え、積極的に東北の魅力をア

ピールし、東北および新潟県の活性化に

資する活動を展開していくこととしてい

ます。

ミラノより、東北の食文化を

世界に発信

Topics

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

「復興支援道路」を後押しする配電線新設プロジェクト

ペーンなどに地元支店・営業所が協力。

各種のイベントを開催するとともに、

仙台圏での情報発信も行っています。

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2930 CSR Report 2015

地域への思いを大切に

地域協調活動

 

当社では、社員一人ひとりが地域社

会の一員としての責任と役割を果た

し、地域の皆さまと相互理解を深め、

地域社会との信頼関係をより強固な

ものにしていこうと考えています。

 

各県の支店や営業所に「地域協調推

進委員会」を設け、地域への思いを大

切にしながら、清掃活動や植栽活動、

地域の祭りへの参加など、さまざまな

取り組みを積極的に展開しています。

子どもたちに届けます

「エネルギー出前講座」

 

当社では、地域の子どもたちに環境

やエネルギー問題の現状、発電の仕組

みなどについて関心を高めていただ

くため、社員が小中学校や地域学習施

設などに出向き、講師を務める「エネ

ルギー出前講座」を実施しています。

 

暮らしの中での電気の役割をはじ

め、家庭に電気が届くまでの道のりや

発電の仕組み、エネルギーと地球環境

との関わり、再生可能エネルギーなど

について、スライドや発電所の模型、

工夫を凝らして作成した実験道具な

どを用いて、子どもたちにわかりやす

く説明しています。

人と暮らしに寄り添う気持ち。

大切にしてきた思いを、これからも。

この地で生きる人々とその暮らしに、丁寧に寄り添っていきたい。それが当社のいつも大切

にしてきた「地域」についての考え方です。そして、一つひとつ大切に積み重ねてきたことを、

これからも変わらずに守っていきたいと思います。

 最優秀賞をいただき、とてもうれしい

です。震災はほんとうに辛いものでし

たが、震災を経たからこそ、心から感謝

することや、人のあたたかさを知ること

ができました。これからの中学校生活で

も、自分を支えてくれる周りの人たちへ

の感謝の気持ちを忘れずに、今度は僕が

たくさんの人を支えられるよう、少しず

つ成長していきたいと思います。

(後藤 凛さん)

 この作文コンクールは、きちんと文章

を読んで審査していただいているとい

う実感があります。生徒たちがさまざま

な角度から自分の思いを表現できる、良

いコンクールです。趣旨が明確でみんな

に共感されているからこそ、40年続いて

きたのだと思います。これからも期待し

ています。(山田明美先生)横手営業所と上の岱地熱発電所では、昭和62年から地域の活性化などを目的に、地域の方々や近隣の小学校の児童と協力して、県道沿いにコスモスの苗を植えている。

地域イベントでのふれあい活動栗原登米営業所の活動事例/地元で開催された「栗原市民祭り」の「働く車大集合」コーナーに、消防車、パトカーなどが展示される中、同営業所からは高所作業車を出展。黄色い車両は注目を集め、大勢の子どもたちが訪れた。

大切なものに気づくことができたこれからも成長していきたい

第40回中学生作文コンクール最優秀賞宮城県古川黎明中学校1年(受賞当時)

後藤 凛さん宮城県古川黎明中学校(受賞当時)

山田 明美先生

子どもたちの成長を応援

「放課後ひろば」

 

当社では、地域の未来を担う子ども

たちの成長をさまざまな角度から応援

する次世代支援プロジェクト「放課後

ひろば」の取り組みを展開しています。

■中学生作文コンクール

 

東北電力「中学生作文コンクール」

は、文部科学省、各県教育委員会およ

び地元報道機関の後援をいただきな

がら、1975年から毎年開催してき

ました。

 

この40年間で寄せられた作品は、約

55万編にも及びます。それぞれの時代

の中学生が、自らをあるいは家族や地

域社会を見つめ直し、さまざまな思い

を込めて応募してきました。どの時代

の作品も、学校生活や家族・友人、地域

社会との関わりなど、身の回りの大切

な存在を題材に、将来の目標や夢に向

かって前向きに取り組む姿が描かれ

ています。

 

本コンクールに対しては、審査員の

方々、学校関係者、作品集などを読ま

れた地域の方々など、各方面の皆さま

から長年実施してきたことに対するお

褒めの言葉や励ましの言葉をいただく

とともに、「今後も継続してほしい」と

の要望を多数いただいています。

 

当社は、こうした声も踏まえなが

ら、次世代支援プロジェクト「放課後

ひろば」の一環として、今後も、本コン

クールを継続していきます。

 

40回記念となる2014年度のコ

ンクールで、最優秀賞に選ばれた「海

を渡ったサッカーボール」は、震災の

津波で三陸の海に流された自分の名

を刻んだサッカーボールが、3年の時

を経て、遠いアラスカの地から戻って

きた感動的な体験がもとになってい

ます。

■東北電力旗

 東北ミニバスケットボール大会

 

東北6県および新潟県の小学生を

対象とした唯一の選手権大会として

1988年度より開催されています。

 

当社では、子どもたちの心身の健全

な育成や地域のスポーツ文化の向上

に役立ちたいと考え、1990年度よ

り同大会

に協賛し

「東北電力

旗�東北ミ

ニバスケッ

トボール大

会」として

開催してい

ます。

■スクールコンサート

 

地域の子どもたちに本物のクラ

シック音楽に触れていただきたいと

の思いから、地域のプロ演奏家を小中

学校に派遣し、子どもたちの目の前で

演奏する「スクールコンサート」を毎

年開催しています。クラシック音楽に

とどまらず子どもたちの年代に合わ

せた曲目や、

校歌演奏、演

奏体験など、

独自のプログ

ラムを提供

し、音楽の楽

しさに触れて

いただいてい

ます。

新潟営業所での「エネルギー出前講座」

第1回中学生作文コンクール作品集(右)と第40回中学生作文コンクール募集要項

東北ミニバスケットボール大会

当社ホームページ放課後ひろばサイトhttp://www.tohoku-epco.co.jp/kids/after_school/

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

地域協調活動

東北電力スクールコンサート

2014年度作文コンクールの入賞作品は当社ホームページに掲載されています。http://www.tohoku-epco.co.jp/saku/

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3132 CSR Report 2015

東北電力グループ

中期経営方針

(2014〜2018年度)

 東北電力グループは、東日本大震災の影

響で甚大な設備被害を受けました。以来、

2013年度までを「復旧期」と位置づけ、

電力供給設備の復旧に全力で取り組み、ほぼ

復旧を果たしたものの、収支・財務状況は著

しく悪化し、電気料金を値上げせざるを得

ない状況に至りました。今後は、電力システ

ム改革に伴う小売全面自由化により、競争が

いっそう進展する新たな局面を迎えます。

 

こうした事業環境の変化を踏まえ、

2014年に向こう5年間の経営の方向

性を示す「東北電力グループ中期経営方針

(2014~2018年度)」を策定しました。

 本方針では、2018年度までの5年間を

「経営基盤回復期」と位置づけ、グループを

挙げた聖域なきコスト構造改革と新たな価値

の提供による収益拡大を通じた財務体質の回

復を最優先に事業を展開していきます。来る

べき本格的な競争時代においても、電力の安

定供給を通じた地域の復興・発展に貢献しな

がら、お客さまから選択され、地域とともに

成長する企業グループを目指していきます。

東北電力グループ経営ビジョン2020【経営理念】

『地域社会との共栄』『創造的経営の推進』

【企業グループ像】地域とともに歩む複合エネルギーサービス企業~エネルギーのことなら東北電力グループに~

【財務目標】財務体質の回復に最優先で取り組み、

以下の目標の達成を目指します。

自己資本比率 15%以上[2018 年度末]

【主な事業環境の変化】○電力システム改革における広域的運営推進機関設立、小売全面自由化な

どの詳細設計が本格化○原子力政策を含む国の「エネルギー基本計画」の見直し○お客さまの節電・省エネ意識の高まりや、再生可能エネルギーやスマー

トコミュニティなど、エネルギー利用・供給形態の変化○東北地域の人口減少・震災影響などによる電力需要の伸びの低下傾向や、

新電力による新規参入が進むなどの電気事業における競争の進展○東日本大震災により被災した電力供給設備はほぼ復旧。一方、震災等に

よる設備被害や原子力発電の停止に伴う火力燃料費の増加などにより、財務体質が著しく悪化。電気料金の値上げを実施

【事業展開の基本姿勢】~この街のあしたを灯す“エネルギー”でありたい~

私たちは、地域の復興と発展に向けた強い意志のもとに、これからも電力の安定供給を担う企業グループとしての使命感と誇りを堅持し、以下の基本姿勢で事業を展開していきます。

    ■「競争に打ち勝ち、お客さまから選ばれる」エネルギーのトップブランドを目指します。    ■「企業変革に挑戦」し、さらなる成長を実現します。    ■ 「地域の復興・発展に貢献」し、これからも地域とともに歩み続けます。

企業変革に挑戦する

競争に打ち勝ち、お客さまから選ばれる

主要施策

地域の復興・発展に貢献する◆多様な人材の確保・育成と活力ある 職場風土の実現─企業変革の担い手として、一人ひとりの意識・行動を、

成長に向けた「挑戦志向」へと転換し、新たな課題解決に取り組んでいきます。

─全体最適の視点と柔軟な発想で変革に挑戦できる人材、高い使命感のもと安定供給を支える確かな技術・技能を有する人材などを計画的に確保・育成していきます。

─ 一人ひとりの人材を大切にし、創意工夫により活力ある生産性の高い職場風土づくりを目指します。

◆環境変化に的確に対応した組織の構築─電力システム改革に的確に対応しつつ、電力の安定供

給と競争力強化を両立する組織・業務運営体制の構築を目指します。

◆小売全面自由化に対応した新たな価値の提供─本格的な競争時代を迎えるにあたり、これからも東北電力の電気を選んでいただけるよう、省エネ性能が高いヒートポンプ機器

などを活用したソリューション提案や、お客さまニーズに対応した電気料金メニューの多様化などにより、お客さまのエネルギー利用効率や満足の向上と収益の拡大を目指します。

─エネルギー利用・供給形態の変化に対応し、スマートメーターや次世代エネルギーシステムなどを活用した新たなサービスの充実に取り組んでいきます。

◆原子力発電所の再稼働と最適電源構成の実現─安全性のさらなる向上と地域のご理解を前提とした原子力発電所の再稼働に向け着実に取り組みます。─経済性に優れた石炭火力発電所の将来的な開発に向けた検討や高効率ガス火力発電所の開発、燃料調達におけるさらなる経済

性の追求により、競争力があり需給の変動などにも適切に対応できる電源構成の実現を目指します。

◆聖域なきコスト構造改革による強靭な企業体質の実現─長期的視点に立った適切な設備形成や工事仕様・工法の合理化などにより設備投資関連費用を抑制します。─新たに設置した 「調達改革委員会」による資材・役務調達価格の低減など、企業グループ一体となった聖域なきコスト構造改革

を追求します。

◆成長機会を追求した積極的な事業展開─環境変化を成長への好機ととらえ、新たなサービス・付加価値の提供による事業機会の獲得に積極的に挑戦します。─競争力の一層の強化に向けたコスト低減や事業の再構築を進めるとともに、一般市場での販売拡大により、企業グループ全体の

成長を実現します。

◆安全確保の徹底と電力の安定供給─安全確保を徹底した発電設備および送配電設備の保全・

運用、災害対応力の強化などにより、電力の安定供給に万全を尽くします。

◆地域貢献の視点に立った事業運営─さまざまな事業活動を通じて地域の皆さまとのコミュニ

ケーションを充実していきます。─風力、太陽光などの再生可能エネルギーの導入拡大、

スマートコミュニティ事業への支援や参画など、地域と連携しながら、エネルギーサービス面から地域の復興・発展を支援していきます。

─自治体や地域の諸団体との連携を強化し、地域活性化に貢献します。

◆環境経営の推進と企業倫理・法令遵守の徹底─持続可能な社会づくりに向けた環境経営の推進や、事

業運営の基礎となる企業倫理・法令遵守の徹底などに着実に取り組みます。

3つの「基本姿勢」のもと、以下の主要施策を中心に事業を展開していきます。

経営方針Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Page 18: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

3334 CSR Report 2015

報告監督

■東北電力 コーポレートガバナンス 模式図

取締役会(16名)うち社外取締役(1名)

リスク管理委員会

危機管理委員会

リスク管理体制

リスク管理委員会

大規模災害対策防災会議

リスク管理委員会

市場リスク管理委員会

原子力リスク検討委員会

東京支社(東京支社長)

発電所(発電所長)

監査役室

社長(代表取締役)

社内会議体(CSR推進会議ほか)

報告指揮命令監査

監査

監査

選任・解任、報酬を決定 選任・解任、報酬を決定

報告請求

報告

相談・告発 等

相談・告発 等

企業倫理活動の支援

報告

報告指揮命令

報告

指示

報告

指示

審議・調整

指示

報告

報告指揮命令※常務会と有機的な 相互関連のもと運営

報告

チェック

連携

監査役会(5名)うち社外監査役(3名)

グループ会社

各支店(支店長)

各営業所・技術センター(所長)

本店(本部長・室部長)

企業倫理・法令遵守体制

リスク管理委員会企業倫理・法令遵守

委員会リスク管理委員会企業倫理相談窓口(社内・社外)

株主総会

常務会

間接部門お客さま本部

電力ネットワーク本部

火力原子力本部

内部監査部門考査室

原子力考査室

業務考査、保安考査、特別考査( (原子力品質監査、原子力一般考査( (

会計監査人

コーポレートガバナンス

 

当社では取締役会を原則毎月1回開催し、

経営に関する重要な計画をはじめ、業務執

行の重要事項を決定するとともに、取締役

からの業務執行状況の報告および取締役の職

務の執行について相互に監督しています。

 

また、常務会を原則毎週開催し、取締役

会決議に基づき、全般的な業務運営の方針、

計画ならびに重要な業務の執行について協議

しています。

 

業務執行にあたっては、「火力原子力本部」、

「電力ネットワーク本部」、「お客さま本部」

の3本部制により、自律的な業務の展開を

図るなど、適正かつ効率的な業務プロセスの

構築を推進しています。

 

さらに、当社は監査役制度を採用してお

り、監査役5名のうち、3名が社外監査

役となっています。社外監査役は、一般株主

と利益相反が生じるおそれのない独立性を

有しており、経済界などでの豊富な経験や

卓越した見識を有しています。監査役は、

取締役会や常務会など重要な会議に出席す

るとともに、重要な書類の閲覧や事業所の

業務および財産の状況の調査などを実施し、

取締役の職務の執行および内部統制システム

の整備・運用状況などに関する監査の充実

に努めています。また、内部監査部門であ

る考査室および会計監査人と定期的に情報

交換などを行うとともに、関係会社監査役

との連携を強化するなど、監査効果をいっそ

う高めるよう努めています。

 

なお、監査役の職務を補助するための専

任組織として、監査役室を設置しています。

 

当社の内部監査については、考査室が業務

全般にわたり、組織制度や管理体制の有効

性・妥当性、業務運営の経済性・効率性、

設備保安活動に係る考査などを実施し、原

子力考査室が原子力品質マネジメントシステ

ムの内部監査および原子力安全文化の醸成・

法令遵守などに係る原子力一般考査などを

実施しています。

 

内部監査結果は、常務会および社長に報

告するとともに、改善を要する問題点など

について、関係部門に改善措置を促していま

す。また、内部監査計画および内部監査結

果について監査役に対し説明を行うととも

に、定期的に情報交換を行い、連携の強化

に努めています。

 

なお、考査室および原子力考査室は、各

執行機関より独立し、社長に直属した組織

形態となっています。

 

取締役候補者については、取締役会の協議

により、各人のこれまでの実績・経験などか

ら当社経営者としてふさわしい人物を決定

し、株主総会の議案として提出しています。

 

取締役の報酬などについては、株主総会で

承認された報酬限度額の範囲内で、取締役

会の決議により各人の支給額を決定してい

ます。

 

なお、各人の支給額については、当社の業

績、経営環境などを総合的に勘案のうえ算

定しています。

東北電力企業行動指針

 厳しい競争環境において、従業員一人ひとりが企業倫理・法令を遵守しなが

ら誠実かつ公正で透明性のある事業活動を行い、社会からの信頼を揺るぎない

ものとするため、そのより所となる「東北電力企業行動指針」を制定しています。

 当社は、「安全確保の徹底と業務品質の向上を図る企業文化の定着」を目指

し、安全・

保安推進会議や原子力安全推進会議を中心に、全社的な保安レベ

ルの向上や、原子力の品質マネジメントシステムの継続的な改善を図っていま

す。また、こうした活動を定期的に評価するなどPDCA(※)サイクルを回し、

企業文化として定着させるよう取り組んでいきます。

※PDCAとは:Plan(計画)→Do(実施)→Check(点検・評価)→Action(改善)という、

 これらの項目をサイクルとして回し、業務の継続的改善を図ること。

安全の確保(原子力をはじめとする当社設備における安全確保対策の確実な実施など)、良質で低廉な電気を中核としたエネルギーの安定供給(公益事業を担う企業としての使命の自覚など)

法令の遵守(公正な取引の確保、インサイダー取引の禁止、個人情報を含む情報管理の徹底など)、企業倫理の徹底(反社会的勢力に対する毅然とした対応、業務外活動における誠実な行動など)

地球温暖化問題への取り組み(事業活動から排出される温室効果ガスの抑制など)、循環型社会形成への取り組み(廃棄物の適正管理および処理、循環型社会の形成への貢献など)、環境に関わるコミュニケーション(環境保全活動の情報公開など)

コミュニケーションの確保(お客さま、地域の方々、株主の皆さまなどとの幅広く円滑なコミュニケーションの実施など)、誠実な広報・広聴活動(事実に基づいた誠実な対応など)、情報の公開(自らの積極的な情報公開など)

個人の尊重(従業員に関する個人情報保護など)、性別等による差別の禁止(セクシュアルハラスメント防止など)、風通しの良い活力ある企業風土づくりと改善していく組織文化の醸成

地域との協調(地域社会との信頼関係構築など)、地域社会への貢献(地域社会の発展・地域文化向上に向けた活動など)

本指針の精神の徹底、経営トップの責務(自ら問題解決に当たる姿勢・自らを含む厳正な処分など)

1. 安全確保を最優先にエネルギーの安定供給

2. 企業倫理・法令遵守の徹底

4. 環境への配慮

5. 透明な事業活動の推進

6. 個人の尊重と風通しの良い活力ある企業風土づくり

3. 地域との協調と地域社会への貢献

7. 経営トップ、管理職の対応

  東北電力企業行動指針http://www.tohoku-epco.co.jp/csr/rinri/index.html

 当社は、全ての従業員が安全への認識や思考を共有し、行動するための指針として「安全・保安方針」を制定しています。今後も、この方針に基づいた諸活動を展開し、労働安全・設備保安に対する取り組みをさらに充実していきます。

安全・保安方針

安全・保安方針 私たちは、「気づく・話す・直す」の 3 つの視点で、法令・ルールを遵守し、たゆまぬ PDCA 活動を行うことにより、継続的に安全と保安を確保することを決意し、安全・保安方針を定める。 1. 常に安全確保を最優先に行動する。 2. 立ち止まり、常に問い直す習慣を持つ。 3. コミュニケーションを常に心がけ、情報を共有する。

 当社は、「原子力安全に関する品質方針」を定め、原子力安全を最優先に位置付け、原子力品質マネジメントシステムの着実な実施と、継続的な改善を行うこととしています。今後も、さらなる安全性の向上に向けた取り組みを着実に実施していきます。

原子力安全に関する品質方針

原子力安全に関する品質方針 われわれ一人ひとりが、『原子力発電所の品質保証に係る意識改革元年』の精神に常に立ち返り、品質保証活動の意義を真摯に受け止めるとともに、原子力安全を最優先に位置付け、原子力品質マネジメントシステムおよび安全文化醸成活動の着実な実施と、継続的な改善を行う。加えて、東日本大震災および福島第一原子力発電所事故から得られる教訓と新知見を安全性向上対策に主体的に取り入れることにより、社会からの理解と安心・信頼を得ることを決意し、以下の品質方針を定める。

原子力発電所の運営にあたっては、 1. 安全最優先の徹底 2. 常に問い直す習慣 3. コミュニケーションの充実による情報の共有を基本に、法令・ルールを遵守し、調達管理の重要性を再認識しつつ、たゆまぬPDCA活動により、更なる安全の確保と信頼性の向上を目指す。

コーポレートガバナンス体制の概要

  コーポレートガバナンスhttp://www.tohoku-epco.co.jp/ir/policy/governance/index.

CSRの方針と仕組みTohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Page 19: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

3536 CSR Report 2015

東北電力CSR活動方針

 

当社は、CSR活動がすべての事業活動に

関わるとの認識のもと、これまで取り組んで

きた諸活動について引き続き継続していくと

ともに、事業展開の基盤である東北地域の

ニーズにマッチした取り組みを全社横断的・

戦略的に展開しています。そしてこうした

活動により、いっそうの信頼獲得・ブランド

向上を目指しています。

 

CSR活動を展開するにあたり、当社経

営理念の一つである「地域社会との共栄」

を踏まえ、引き続き①地域協調・地域活性

化支援、②企業倫理・法令の遵守、③環境

への配慮に注力していきます。

 

また、本レポートによる当社のCSR活動

状況の公表、CSRの取り組みに関するアン

ケート調査の実施などを通じて、説明責任

および情報公開を徹底しながら、皆さまと

のコミュニケーションを強化・

充実させ、具体

的な活動に活かしていきます。

※�

より詳しい当社のCSR活動状況や、CS

Rの取り組みに関するアンケート調査の内

容については、当社ホームページに掲載して

いる「CSRレポート2015詳細版」を

ご覧ください。

地域の方々から信頼され続けるために

お客さまから信頼され続けるために

●地域協調活動の推進●次世代層・子育て層への支援●地域活性化に向けた支援●国際協力・交流活動の推進

重点活動事項

株主・投資家の皆さまから信頼され続けるために

●安全確保を大前提とした原子力発電の活用●経営効率化への取り組み●エネルギーセキュリティへの対応と供給信頼度の維持●お客さまの利便性の向上●お客さまに喜ばれるエネルギーシステムのご提案

社会の一員として信頼され続けるために●企業倫理・法令遵守の徹底●自主保安活動のいっそうの定着に向けた 取り組み●情報セキュリティの取り組み●東北電力グループの環境経営の推進●S+3Eを踏まえたエネルギー効率向上 による地球温暖化対策の推進●持続可能な循環型社会形成●環境法規制の遵守と地域環境の保全●環境コミュニケーションの推進による 地域社会・お客さまとの信頼関係強化

従業員との関わり●多様性を尊重した職場づくりと 成長の原動力となる人材の育成

電気を中心にした最適なエネルギーサービス

の提供を通じて企業価値を高め社会に貢献します

電気を中心にした最適なエネルギーサービス

の提供を通じて企業価値を高め社会に貢献します

●説明責任の遂行/的確な情報の開示

地み

域な

社さ

会ま

より大きな信頼を

東北電力

CSRの方針と仕組み

 

当社の調達活動は、公正・公平な評価に

基づき明確に行われており、具体的な調達

手続きなどを当社ホームページ上で紹介して

います。また、当社との取引を希望する皆

さまより、随時、製品のご提案なども受け

付けています。

 

地球温暖化問題や廃棄物問題がクローズ

アップされる昨今においては、環境にやさしい

資材を調達することも重要です。当社では、

「東北電力グリーン調達ガイドライン」を定

め、「グリーン提案制度」を設けるなど、資

源循環型社会の形成へ調達活動からもアプ

ローチしています。

 

また、調達業務に従事する社員に対して

は、企業倫理・法令遵守の徹底を図るため、

調達に関わる法令についての社員教育の実

施、社内情報システムを活用した関係法令の

データベース化を行うなど、健全な企業風土

の構築に取り組んでいます。今後も、企業

信頼度向上に資する教育施策を継続的に行

いながら、社員の業務遂行能力を養成して

いきます。

 一方で当社は、取引先の皆さまをパート

ナーと位置付けており、企業に求められる

社会的責任を取引先の皆さまとともに果た

していくこととしています。そのため当社で

は、取引先の皆さまにご協力いただきたい事

項として、国内外におけるすべての関係法

令の遵守、人権の尊重など、7つの実践項

目(「資材取引先の皆さまへのお願い」)を

設定しており、主な取引先の皆さま

(2014年度は約140社)に対

しては、その取り組み状況の調査

を実施しています。

 

なお、当社では、パートナーであ

る取引先の皆さまとの信頼関係を

より深めるため、資材調達に関す

る窓口を設置しています。詳しく

は当社ホームページをご参照くださ

い。

 

当社では、エネルギーセキュリティの確保を

図るため、CO2排出量削減などの地球環境

問題を考慮しつつ、発電所の安定運転の継続、

原子力発電所における安全・安心確保の徹

底に取り組んでいます。

 

また、電力の安定供給のベースとなる発

電用燃料の大部分は海外に依存しています

が、最近では、米国のシェールオイル増産や

OPEC加盟国の堅調な原油生産などを背

景に、エネルギー需要は緩和傾向にある一方

で、中国経済の不透明感、OPECが原油

減産へ方針転換する可能性や中東情勢をは

じめとする地政学的リスクなど、燃料価格の

上昇要因も存在しており、市況動向は先行

き不透明な状況が続いています。国内では、

原子力発電所停止に伴う燃料油やLNG

の需要増加、シェールガスの導入に向けた動

きがあるなど、燃料調達を取り巻く環境は

大きく変化しています。

 

このような状況の中、需要や市況動向な

ど内外の諸情勢への感度を高め、安定調達

を基本とした経済的・弾力的な燃料調達を

図るため、供給ソースや価格体系の多様化を

図るとともに、大型船や特定の船舶を中長

期間の輸送に用いる専用船・専航船による燃

料受入の実施など、さまざまな燃料施策に

取り組んでいます。

  調達関連情報http://www.tohoku-epco.co.jp/partne/sizai/index.html

公正な調達

 当社では、資材・役務調達に際して、安定調達・品質確保を前提とした調達価

格の低減を図っています。皆さまからさらなる信頼をいただくためには、調達活

動においても、企業に求められる社会的責任を果たしていくことが重要であると

考えています。

■ 1. オープン当社は、優れた実績のある取引先の皆さまとの関係を維持するだけでなく、常に新しい取引先の皆さまから購入することにも心がけています。このため、国内外の企業に広く門戸を開き、当社とのビジネスチャンスを提供します。■ 2. 公正当社は、調達にあたって、品質、価格、納期、安定供給、アフターサービス、既設設備との技術的な整合性、取引の実績ならびに企業姿勢などを総合的に勘案し、公正・公平な評価にもとづいて選定します。■ 3. 法令・社会規範の遵守当社は、調達にあたって、国内外を問わず事業活動を展開する地域において、人権の尊重はもとより、全ての関連法規を遵守するとともに、その精神をも尊重して業務を遂行します。また、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力は断固として排除し、取引先の皆さまにも同様の排除を求めます。■ 4. 安全の確保当社は、安全に関する関連法令等を遵守するとともに、安全の確保、災害の防止に取り組みます。■ 5. 環境への配慮当社は、環境の保全や資源の有効活用に配慮するとともに、グリーン調達を推進し、資源循環型社会の構築に努めます。■ 6. 情報の適正な管理当社は、調達を通じて知り得た機密情報、個人情報等を適切に管理、保護します。■ 7. 相互信頼当社は、公正な調達を通じて、取引先の皆さまと良好な相互信頼関係を築くことをめざします。■ 8. 社会への貢献当社は、調達を通じて、取引先の皆さまとともに社会に貢献します。

調達基本方針

「調達基本方針」のもと

公正な調達活動を展開しています

発電所の安定運転継続に

不可欠な安定した燃料調達に

取り組んでいます

お客さまから信頼され続けるためにTohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Page 20: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

3738 CSR Report 2015

情報セキュリティの取り組み

 当社が保有する情報が情報事故(流出・紛失・破壊・改ざん)に遭った場合、その情

報の内容・規模によっては、皆さまにご迷惑をお掛けすることになりかねません。

 このようなことから当社では、情報に対するセキュリティの確保を目的に、企業グルー

プ全体において適切な情報管理を行うとともに、情報の適切な利用に努めています。

 

当社およびグループ企業が保有するお客さ

ま情報ならびに電力保安に関わる設備情報

などを適切に管理するため、企業グループ全

体で遵守すべき基本事項を取りまとめた「東

北電力企業グループ情報セキュリティ基本方

針」を定めています。

 

当社では、2005年4月の「個人情報

保護法」の全面施行に合わせ、当社が取得、

利用、管理する個人情報の適切な取り扱い

を定めた基準を制定するとともに、「東北

電力株式会社個人情報保護方針」を策定

し、当社で取得するお客さま、株主の皆さま、

取引先の個人情報の利用目的を

ホームページで公表しています。

 

また、経営層を責任者とする

体制を構築し、情報を取り扱う

従業者への啓発や、当社が保有す

る個人情報が委託先で適切に取

り扱われるよう、委託先を直接

訪問し、契約内容の遵守状況を

確認するなど、情報セキュリティ

マネジメントを確実に実施し、個

人情報保護の徹底に向けて取り

組んでいます。

「東北電力企業グループ情報セキュリティ基本方針」に基づく主な取り組み

●経営層を責任者とする管理体制を構築し、各種基準の制定や保有する全ての情報資産(情報および情報機器)を対象とした管理を行っています。

●外部からの不正アクセス防止やウィルスの侵入防止、内部からの業務情報の無断持出しを防止するためのデータの暗号化など、最新の技術的対策を採用しています。

●全従業者※へきめ細かな啓発活動を実施しています。●継続的な取り組みのための点検・改善活動の実施およ

び事業所訪問による実態調査など、情報セキュリティマネジメントを確実に実施しています。

※従業者:雇用関係にある従業員のみならず、派遣社員、役員なども含む

  東北電力企業グループ情報セキュリティ基本方針http://www.tohoku-epco.co.jp/privacy/security.html

  個人情報保護方針&個人情報保護法に基づく公表事項などに関するご案内http://www.tohoku-epco.co.jp/privacy/index.html

情報セキュリティに関する法令を遵守するとともに、本方針およびグループ各社が規定する基準等を遵守します。

業務を外部委託する際は、委託先に対して、本方針を周知するとともに、守秘義務の条項を含めた契約を締結するなど、委託先も含めた情報管理を徹底します。

経営層を責任者とした情報セキュリティ管理のための体制を整備し、業務で取り扱うすべての情報に関して、重要性とリスクに応じた適切な管理を行います。

万一の情報セキュリティ上の事件・事故に備えた体制を整備し、被害を最小限に留めるとともに、事件・事故の再発防止に努めます。

従業者に対して、情報セキュリティに関する教育・訓練を実施し、法令、本方針、基準等の遵守・徹底を図るとともに、違反者に対しては厳正に対処します。

情報への不正なアクセス、情報の紛失、改ざん、漏えいおよび情報の消失を防止するため、技術面および環境面の対策を講じ、情報の保護に努めます。

法令改正や社会情勢の変化などに的確に対応し、継続的な情報セキュリティの確保・向上に努めます。

1. 法令遵守

2. 情報管理

4. 教育啓発

3. 技術対策

5. 委託管理

6. 事故対応

7. 維持向上

東北電力企業グループ情報セキュリティ基本方針東北電力企業グループは情報セキュリティの確保に向けて以下の事項を推進します。

企業グループ全体で

情報セキュリティの確保・維持・

向上に取り組んでいます

皆さまの個人情報を適切に

管理・保護しています

社会の一員として信頼され続けるために

 

近年、ソーシャルメディアが社会に広く普

及していますが、一方で、一部企業の従業員に

よる不適切な情報発信が大きな社会問題と

なっています。

 

当社では、東北電力で働くすべての人に向

けて、ソーシャルメディアの適切な利用を目

的として、「東北電力ソーシャルメディアポリ

シー」を2013年6月に策定いたしました。

 

2003年4月から、企業倫理・法令

遵守に反する、あるいは反する恐れがあ

る、当社の業務運営や従業員の行動、職

場習慣などについて、相談を受け付ける

「企業倫理相談窓口」を社内・社外に設置

し、運用しています。

 

企業倫理相談窓口では、従業員などか

らの相談に基づいて調査を行い、是正措

置および再発防止策を講じています。ま

た、この対応の中では、相談者の個人情

報を厳密に管理するとともに、相談者に

対する不利益な取り扱いを禁止するなど、

相談窓口の適切な運用に努めています。

 

また、日常の業務処理において、各種

法令に照らして違法か適法か判断に迷う

ような事案の電話とメールによる相談窓

口として、「法令サポートライン」を設置

し、運用しています。

相談窓口の適切な運用に

努めています

企業倫理・法令遵守の徹底

 企業倫理・法令遵守は、すべての事業活動の前提になるとの考えのもと、企業

倫理・法令遵守の体制を構築し、啓発活動、モニタリング活動に取り組んでいます。

また、こうした取り組みを東北電力企業グループにも拡大し、グループ全体の連

携、情報共有化に努めています。

 

企業倫理・法令遵守活動を推進し、その

維持向上を図るため、1998年に企業倫

理委員会(2008年6月に「企業倫理・

法令遵守委員会」に名称を変更)を設置し、

2003年5月からは、本店、支店、事業

所に「企業倫理責任者」および「企業倫理

推進担当者」を配置しています。

 

社長を委員長とする企業倫理・法令遵守

委員会は、企業倫理責任者、企業倫理推進

担当者と連携しながら、活動を包括的に推

進する役割を担っています。

 

2008年6月に、企業倫理・法令遵守を

さらに徹底し、法的側面からの全社的支援

機能を強化することなどを目的として、総

務部内に法務室を設置しました。

 

また、2009年4月には、「関係会社企

業倫理・法令遵守推進連絡会(2011年

4月に「東北電力グループ企業倫理・法令

遵守推進連絡会」に名称を変更)」を設置

し、会議などを通じ、東北電力企業グルー

プ全体の企業倫理・法令遵守に関する連携・

情報共有化に努めています。

 

誠実かつ公正で透明性のある事業活動の

実践のためには、従業員一人ひとりが東北電

力の使命と役割を自覚するとともに、当社

の行動規範である「東北電力企業行動指針」

に沿った行動をとっていくことが必要です。

 

当社では、倫理的行動の土台となる知識

や意識を高め、行動促進を図るための「啓

発活動」を定期的に実施することを通じて

企業倫理・法令遵守を定着させています。

また、「モニタリング活動」などを通じて倫

理的行動の定着状況を検証しており、これ

らの活動を通じて、組織の自浄機能の向上

に努めています。

企業倫理・法令遵守の

さらなる徹底に向けて

体制を順次強化してきました

「啓発活動」と

「モニタリング活動」で

自浄機能の向上に努めています

「東北電力ソーシャル

メディアポリシー」の

策定について

社会の一員として信頼され続けるためにTohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

Page 21: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

3940 CSR Report 2015

 

当社は、安全確保(Safety

)を大前提に、エネルギー安定供給(Energy

security

)、環境保全(Environm

ental conservation

)、経済性(Econom

y

の同時達成(S+3E)がエネルギー事業者としての使命と考えています。

 循環型社会の形成に向けた廃棄物の3R(※)の取り組みや、地域環境保全の

取り組みを進めています。

 ※3RとはReduce(リデュース:発生抑制)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再資源化)の総称です。

2014年度CO2排出実績

 

2014年度は、前年度に比べ販売電力

量が減少したことに加え、2011年7月

の新潟・福島豪雨で停止していた水力発電

所の運転再開などにより、火力発電所の発

電量が減少したことから、調整前CO2排出

量※

は前年度比206万トン減(4・5%減)

の4374万t‐CO2、CO2排出係数は同

3・4%減の0・571kg‐CO2/kWhとな

りました。

 

この調整前CO2排出量に、再生可能

エネルギーの固定価格買取制度による調

整などを反映した結果、CO2排出量は

前年度比173万トン減(3・8%減)の

4390万t‐CO2、CO2排出係数は同2・

7%減の0・573kg‐CO2/kWhとなり

ました。

 

当社では、低炭素社会の実

現に向け、安全確保を前提と

した原子力発電所の再稼働に

取り組むとともに、再生可能

エネルギーの活用および火力発

電の更なる高効率化や適切な

熱効率の維持に取り組んでい

きます。併せて、お客さまの

省エネ・省CO2の取り組み支

援を行うなど、電力の需給両

面でのCO2排出削減に最大限

取り組んでいきます。

※「調整前CO2排出量」には、再生可

能エネルギー固定価格買取制度による

調整などを反映していない。

 

当社の主な廃棄物には石炭火力発電所か

ら発生する石炭灰(燃えがら、ばいじん)

があり、継続して有効利用の拡大に努めてい

ます。このほかに全量有効利用している石こ

う、金属くず、がれき類などがあります。

 

これらの廃棄物は廃棄物管理システム、電

子マニフェストの導入により適正に処理すると

ともに「廃棄物3R施策検討会」の設置に

より、いっそうの3Rの推進に努めています。

 

その結果、被災設備の復旧に伴い、廃棄

物の発生量が増加しているものの、有効利用

率は震災前の水準に改善しています。

環境アセスメントの実施

 

発電所の設置にあたっては、環境影響評価

(環境アセスメント)を行い、周辺の大気・水・

自然環境に配慮したさまざまな対策を実施

し、地域の環境保全に努めています。

 

当社は、保有するPCB廃棄物について、

関連法令に基づき適切に管理するとともに、

無害化処理を推進しています。

■CO2排出実績と販売電力量の年度毎の推移

( )内の値は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による調整などを反映していない調整前CO2排出量/排出係数

(年度)

9,000

8,000

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

0

0.9

0.8

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

1,000

800

600

400

0

販売電力量(億kWh)

CO2排出係数(kg-CO2/kWh)CO2排出量

(万t-CO2) CO2排出量 CO2排出係数

0.510

0.4410.473

0.3400.3220.326

(0.468)

(0.429)

(0.469)

2005

4,065

797 790827

753778 775 766

2006

3,570

809

2007

3,979

841

2008

2,760

(3,802)

2,547

(3,696)

2,695

(3,550)4,113(4,120)

(0.547)(0.600)(0.591)

0.546 0.5600.589 (0.571)

0.573

811

2009 2010 20122011

販売電力量

4,3564,390

(4,671)

2013 2014

4,563(4,580)

(4,374)

■廃棄物の発生量と有効利用の実績

20142008

100

80

60

40

20

0

150

120

90

60

30

0(年度)

有効利用率(%)発生量

有効利用量・発生量(万t)有効利用量

2009 2010 2011

有効利用率

96.190.6

112.1108.1

92.5

112.1

85.883.8 82.575.0

87.7

73.9

79.9

58.751.5

2012

63.7

47.1

2013

121.1

90.6

106.574.8

当社の温室効果ガス排出実績

廃棄物を適正処理し、

3Rの推進に努めています

環境アセスメントの

実施などにより地域の

環境保全に努めています

PCB廃棄物の

管理・無害化処理を

推進しています

持続可能な循環型社会形成・環境法規制の遵守と地域環境の保全

S+3Eを踏まえたエネルギー効率向上による地球温暖化対策の推進

社会の一員として信頼され続けるために 社会の一員として信頼され続けるために

東北電力グループの環境経営の推進

 私たち東北電力グループは、「地域社会との共栄」、「創造的経営の推進」という

経営理念のもと、環境保全を経営の重要課題のひとつと位置付け、「東北電力グルー

プ環境方針」に基づき、地域とともに環境への取り組みを着実に進めています。

 

私たち東北電力グループは、地域とともに

歩む企業グループとして、安全確保を大前

提に、環境保全と経済性が両立するエネル

ギーの安定供給に努めてまいりました。

 

この私たちの使命は、これからも決して変

わりません。

 

私たちは、多くの恵みを与えてくれる地

球に感謝し、自然と共生する地域の伝統的

価値観を大切にしながら、地域社会・お客

さまとともに持続可能な成長を目指し、誠

実なコミュニケーションを通じて、環境への取

り組みを考え、行動してまいります。

環境マネジメントの運営体制

 

社長を議長とする「地球環境問題対策推

進会議」において、全社的な環境マネジメン

トを総合的な観点から横断的に審議し、地

域社会とともに持続可能な発展を目指した

環境経営を推進しています。

 

また、「環境マネジメント委員会」において、

全社的な環境マネジメントの方針・計画、個

別施策、実績評価について部門横断的に審

議し、地球環境問題対策推進会議に提案・

報告しています。

環境マネジメントの組織体制

 「環境推進総括責任者」を最高経営層と

し、経営の一環として、会社全体の鳥瞰的な

環境マネジメントを推進しています。また、

室部長、店所長を「環境推進責任者」に据え、

事業活動と一体となった環境活動を推進して

います。

東北電力グループの環境経営

 

東北電力グループでは、企業グループ27社

による「東北電力グループ環境委員会」を

設置しており、グループ一体となった環境活

動の方針、計画の立案、実績評価・見直し

を行い、環境影響の継続的改善に努めてい

ます。

 

また、ISO14001に準じた独自の環

境マネジメントシステムである、「東北電力グ

ループ環境マネジメントシステム(T‐EMS)」

の導入・運用支援を行い、グループ全体で環

境経営を推進しています。

■環境マネジメントの運営体制

報告

提案・報告

連携

連携

提案・報告

東北電力グループ環境委員会

(委員長:環境部長)

各事業所管理職会議等

(責任者:店所長等)

環境マネジメント委員会(委員長:最高経営層)

事務局(環境部・企画部)

社内環境監査地球環境問題対策推進会議

(議長:社長)

CSR推進会議(議長:社長)

  環境行動レポート 2015http://www.tohoku-epco.co.jp/enviro/tea2015/index.html

当社の環境への取り組みに関する詳細情報は「環境行動レポート」で報告しています

「環境行動レポート 2015」当社ホームページで公開しています。

東北電力グループ環境方針

私たちは、環境にやさしいエネル

ギーサービスを通じて、地域社会・

お客さまとともに、未来の子どもた

ちが安心して暮らせる持続可能な

社会を目指します。

1.地球の恵みに感謝し、限りある

資源を大切に使います。

2.自然環境への影響を抑制します。

3.豊かな自然環境を守り、共生し

ます。

4.みなさまとともに、考え、行動し

ます。

基本姿勢

環境行動四原則

「東北電力グループ環境方針」を

全社員で共有し、環境経営を

推進しています

環境マネジメントを推進し

環境への取り組みの

継続的改善を図っています

東北電力グループ全体で

環境マネジメントを推進しています

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

Page 22: 岩手県 チャグチャグ馬コ CSR Report 20 15...2 C 2015 1 CSR Report 20 15 本レポートは「CSRレポート2015/特集版」です。いま最も皆さまにお伝えすべき当社の取り組み

4142 CSR Report 2015

� 

当社では、「資本市場関係者からの適正

評価の獲得」、「ディスクロージャーおよび社

内フィードバックのさらなる改善」の2つを

IR�

活動の基本方針として掲げ、資本市場

に対する説明責任を果たすべく、積極的に

IR�

活動を展開しています。

 

当社は決算状況や原子力の安全対策、そ

して経営効率化や喫緊の課題解決に向けた

取り組みなどについて、経営層が出席する会

社説明会を開催し、さまざまな視点から説

明することで、当社経営に対するいっそうの

理解促進を図っています。

 

東日本大震災以降、復旧費用や燃料コスト

の増加により脆弱となった財務基盤の立て直

しと、収支改善に向けたあらゆる取り組みを

的確に伝達するため、国内投資家への訪問活

動を実施するとともに、海外も含めたアナリ

スト・機関投資家からの取材にも積極的に

応じています。

 

さらに、アナリスト・機関投資家などを対

象とした施設見学会を鋭意開催し、原子力

発電所におけるさらなる安全性向上への取り

組みなどについて、実際に現地で確認いただい

ています。

 このような活動を通じ、資本市場関係者と

のコミュニケーションの強化を図ることで、資本

市場との信頼関係のさらなる深化を目指して

います。

説明責任の遂行/的確な情報の開示

 当社では、IR活動の基本方針として、当社経営環境とその対応策についての的

確な伝達を通じて、資本市場に対する説明責任を果たしています。また、決算状

況や原子力の安全対策、経営効率化に向けた取り組みなどについて、経営層が出席

する会社説明会を開催し、当社経営に対するいっそうの理解促進を図っています。

 

2014年度の連結収支は、販売電力量

は減少したものの、料金改定や燃料費調整

額に加え、再生可能エネルギー発電促進賦課

金の影響などにより、電灯・電力料が増加し

たことなどから、売上高(営業収益)

は前年度に比べ1431億円(7・

0%)増の2兆1820億円、経

常収益は前年度に比べ、1435億

円(7・0%)増の2兆1901億

円となりました。

 一方、費用面では、安定供給維持

のための修繕費や購入電力料は増加

したものの、減価償却費や人件費の

減少のほか、経費全般にわたり効率

化の実施に努めたことなどから、経

常費用は前年度に比べ659億

円(3・3%)の増加にとどまり、

2兆734億円となりました。

 

以上の結果、経常利益は前年度に

比べ775億円(198・7%)増の

1166億円となりました。

 

また、当期純利益は当社の退職給付制度

改定益142億円及び東京電力株式会社

福島第一原子力発電所における事故に起因

する営業損害等に係る受取損害賠償金54億

円を特別利益に計上したことなどから、前

年度に比べ421億円(123・0%)増の

764億円となりました。

■収益と費用および経常損益の推移(連結)

※2014年度の連結範囲は、連結子会社51社、持分法適用会社3社です。

費用(経常費用) 経常損益収益(経常収益)収益・費用(億円)

損益(億円)

20092008 2010 2011 2012(年度)

18,51618,947

16,273

22,000

21,000

20,000

19,000

18,000

17,000

16,000

15,000

14,000

13,000

12,000

11,000

10,000

1,500

1,000

500

0

-500

-1,000

-1,500

-2,000

432

▲431

16,706

18,707

16,94216,366

17,169

2013

18,962

18,029

2014

20,07520,734

21,901

20,466

802

▲1,764

▲932

390

1,166

経費全般にわたる効率化に努め、

震災以降に毀損した

財務体質の回復に努めています

当社経営の基本的方向性を的確に伝達し、

資本市場関係者との

コミュニケーション強化に努めています

■販売電力量 (単位:百万kWh)

2013年度 2014年度(前年度比)電灯 24,815 24,266 (97.8)電力 52,637 52,357 (99.5)合計 77,452 76,623(98.9)

■主なIR活動実績(2014年度)活動内容 実施日 参加者(社)数

決算説明会 5/12・11/7開催 203名機関投資家訪問 随時 141社

施設見学会 10月開催 14名その他取材対応 随時 69社

海外での投資家訪問活動

株主・投資家の皆さまから信頼され続けるために

地域協調活動の推進

 「東北の繁栄なくして当社の発展なし」。1951年の創立当初から現在に至る

まで、変わることのない地域に対する当社の考え方です。当社は地域社会の一員

として、地域の皆さまとさまざまな取り組みを行っています。2014年度は約

1400件の活動を行い、延べ約1万9000人の社員が参加しました。

 

地域協調とは、当社そして社員一人ひと

りが、地域社会の一員としての責任と役割を

果たし、地域の皆さまとの相互理解を深め、

地域社会との信頼関係をより強固なものに

していこうとする創業以来の考え方です。こ

れは、当社の経営理念の一つである「地域社

会との共栄」に込められた基本精神です。

会社業務あるいは日常生活において、社員一

人ひとりが地域協調の精神を深く心に刻み、

次代に引き継いでいきます。

 

当社は、地域協調の取り組みを推進する

ため、「地域協調推進会議」を設置してい

ます。

 

また、各支店・営業所の「地域協調推進

委員会」が、地域への思いを大切にしながら、

それぞれの自主性・地域性を発揮した取り

組みを積極的に展開しています。

 

今後も引き続き、地域の祭りへの参加や、

各種清掃・植栽活動など、地域に寄り添っ

たさまざまな活動を通じ、皆さまにより喜

んでいただけるよう取り組んでいきます。

地域協調の考えに基づく行動のポイント

1. 私たちは、私たちが働き、生活する地域がより良くなるよう、地域社会の一員としての役割と責任を果たしていきます。

2. 私たちは、日常業務をはじめとする様々な機会を捉え、地域の皆さまと密接なコミュニケーションを図っていきます。

3. 私たちは、地域協調の考え方を深く心に刻むとともに、当社社員の DNA として将来にわたって引き継いでいきます。

[青森支店、青森営業所、青森技術センターを中心とした県内各事業所] 当社企業グループなどで組織する「東北電力ねぶた愛好会」は、東北三大祭の青森ねぶた祭りに参加し、地域社会の活性化に貢献しています。2014年で通算47回目の出陣となりました。

青森県青森ねぶた祭りへの参加

[釜石営業所] 地域の環境美化と子どもたちの自然を大切にする心を育むことを目的に、釜石市役所ならびに甲子川鮎釣協力会の協力のもと、甲子小学校児童と一緒に、やまめの稚魚放流と河川敷の清掃活動を行いました。

岩手県甲子川稚魚放流活動

[いわき営業所、いわき技術センター] 当社いわき営業所といわき技術センターに隣接する仮設住宅の方々とともに、集会所出入口などへ花の植え込みを行いました。この活動を通じて仮設住宅の方々と交流を深めることができました。

福島県仮設住宅入居者との花いっぱい運動

[十日町営業所] 十日町市の玄関口である「ほくほく線十日町駅」の駅前ひろばのモニュメントや東西連絡通路など、十日町電気工事組合の皆さまとともに、東北電力グループ一体となって清掃活動を実施しました。

新潟県ほくほく線十日町駅前クリーンアップ活動

かっ し がわ

地域協調の考え方を

社員一人ひとりが

持ち続けていきます

地域協調の取り組みを

推進するため、「地域協調推進会議」

を設置しています

地域の方々から信頼され続けるためにTohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

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4344 CSR Report 2015

●本店 〒980-8550 仙台市青葉区本町一丁目7番1号 TEL 022-225-2111(代)●青森支店 〒030-8560 青森市港町二丁目12番19号 TEL 017-742-2191(代)●岩手支店 〒020-8521 盛岡市紺屋町1番25号 TEL 019-653-2115(代)●秋田支店 〒010-0951 秋田市山王五丁目15番6号 TEL 018-863-3151(代)●宮城支店 〒980-6005 仙台市青葉区中央四丁目6番1号(SS30ビル内) TEL 022-225-2141(代)●山形支店 〒990-0043 山形市本町二丁目1番9号 TEL 023-641-1321(代)●福島支店 〒960-8524 福島市栄町7番21号 TEL 024-522-9151(代)●新潟支店 〒951-8633 新潟市中央区上大川前通五番町84番地 TEL 025-223-3151(代)●東京支社 〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号(丸の内トラストタワー本館8階) TEL 03-3231-3501(代)

■主要事業所

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000(百万kWh)

(年度)

電力

2014 76,62324,26652,357

2005 79,66424,35555,309

2006 80,950

84,072

24,29156,659

2008 81,10124,67956,422

2009

2010

78,99225,03653,956

82,706

75,304

26,32456,382

2011 24,79150,513

77,8332012

2013

2007 25,07358,999

電灯■販売電力量

25,15352,680

77,45224,81552,637

●会社名 東北電力株式会社 Tohoku Electric Power Co., Inc.●本店所在地 〒980-8550 仙台市青葉区本町一丁目7番1号●設立年月日 1951年5月1日●資本金 2,514億円●総資産 41,312億円●売上高 21,820億円●経常損益 1,166億円●代表者 取締役会長 海輪 誠 取締役社長 原田 宏哉 (2015年6月末現在) ●株主数 203,116名●供給区域 青森県・岩手県 秋田県・宮城県 山形県・福島県・新潟県●社員数 12,577名

●ご契約口数 電灯 6,939千口 (特定規模需要を除く) 電力 814千口 合計 7,753千口●ご契約kW数 電灯 24,140千kW (特定規模需要を除く) 電力 4,890千kW 合計 29,030千kW●販売電力量 電灯 24,266百万kWh 電力 52,357百万kWh 合計 76,623百万kWh

■事業の概要

※2015年3月末現在および2014年度実績 資本金、総資産、売上高、経常損益は連結実績 なお、右図は2015年3月末現在

主要水力発電所(6万キロワット以上)

火力、地熱および原子力発電所

他社の主な火力および原子力発電所

主要変電所

他社の主要変電所

他社の交直変換所

主要開閉所

他社の主要開閉所

50万ボルト送電線

27万5,000ボルト送電線

15万4,000ボルト送電線のうち主要なもの

他社の27万5,000ボルト以上の送電線

県境

北本直流幹線

東通原子力

八戸火力青森

北津軽

五戸

能代火力

能代澄川地熱

岩手雫石

秋田秋田火力

宮古

上の岱地熱

羽後

飛島火力新庄

八久和

石巻宮城中央

宮城

西仙台

仙台

新仙台火力仙台火力

本道寺

西山形

置賜

豊実

女川原子力

粟島火力

東新潟火力

北新潟

新潟火力

新潟

越後

米沢

福島新地

原町火力南相馬

柳津西山地熱

柳津

宮下

上田本名

本名

中越刈羽

佐渡

第二沼沢須賀川

いわき泉崎

南魚沼

東上越

石曽根

両津火力

相川火力

下北

東福島

大船渡

葛根田地熱

上北

水沢

東仙台発 電 所

送電設備

変電設備

配電設備

水  力: 211カ所 244万kW火  力: 12カ所 1,186万kW地  熱: 4カ所 22万kW太 陽 光: 3カ所 0.45万kW原 子 力: 2カ所 327万kW合  計: 232カ所 1,781万kWこ う 長: 15,181km回線延長: 24,693km支 持 物: 58,304基

こ う 長: 145,943km電線延長: 580,893km支 持 物: 3,074,234基

624カ所 7,431万kVA

※1 四捨五入により個々の数値の計と合計が合わない場合があります。※2 こう長は、鉄塔や電柱など支持物間の水平距離の合計です。※3 回線延長は、こう長に回線数を乗じたものの合計です。※4 電線延長は、添架されている電線・ケーブルの長さの合計です。

■設備の概要(2015年3月末現在)

2015年11月(前回:2014年10月)

基本的には、2014年度(2014年4月1日~2015年3月31日)の取り組みを報告していますが、活動内容は一部過年度と2015年度も含みます。なお、特集(P1~P30)は原則として、2015年10月31日までの内容を報告しています。

多様性を尊重した職場づくりと

成長の原動力となる人材の育成

 当社では、経営環境の変化に柔軟に対応していくため、多様性を持った従業員一人

ひとりの能力や資質を十分に引き出し、新しい価値の創造につなげていくことが重

要であると考えています。

 また、会社の成長の原動力は従業員であるとの考えのもと、人材基盤強化を図る

ため、さまざまな人材育成施策を展開しています。

 

当社では、『東北電力企業行動指針』に

おいて、「個人の尊重」や「性別などによる

差別の禁止」、「風通しの良い活力ある企業

風土づくりと改善していく組織文化の醸成」

を掲げ、その徹底を図っています。

 

こうした考えのもと、当社では、多様性

を持った従業員が活躍できる職場づくりに向

け、1994年度から本店ならびに各支店に

おいて人権意識の向上を目的とした講演会

や研修会、集合教育などを実施しており、

2014年度は4186名の従業員が受講し

ました。

 

当社では、「東北電力グループ経営ビジョン

2020」において、「将来の成長を支える

人材の育成」を事業運営の方向性として掲

げ、全体最適の視点と柔軟な発想で変革に

挑戦できる人材や、高い使命感のもと安定

供給を支える確かな技術・技能を有する人

材を育成していきます。

 

このような人材を計画的に育成するため、

①OJT(職場内教育)、②Off‐JT(職

場外教育)、③自己啓発を3つの柱として、

相互に有機的な連携を図りながら、一人ひと

りの多様な能力やニーズに対応できるさまざ

まな能力開発支援策を推進しています。

 

具体的には、「多様な人材の活躍による職

場の総合力発揮に向けたマネジメント力の強

化」や「全体最適思考の醸成と変革に挑戦

する意欲の向上」、「安全の徹底と安定供給

を支える技術・技能の着実な継承」などを

重点課題に位置付け、従業員一人ひとりの育

成強化に取り組んでいきます。

 

給電部門、変電部門および送電部門では、

技術・技能の確実な継承や安全意識の高揚

などを目的に、3部門合同による総合技能

大会を開催しています。

 

2014年度は、総合研修センターにて、

訓練用シミュレータを使用した系統事故発生

時の事故復旧対応(給電部門)や、設備事

故・不具合発生時の現地対応(変電部門お

よび送電部門)などをテーマに競技を実施し、

日頃の訓練や直営作業で身に付けた技能レベ

ルの再確認と相互研鑽を図りました。

 一方、配電部門では、自然災害などの対

応能力向上を目指して、毎年、非常災害対

策実働訓練や各種技能訓練を実施していま

す。その一環として「配電部門全店技能競

技大会」を開催しており、これまでの経験

で得た技術・技能の継承と相互研鑽を図って

います。

総合技能大会 変電部門(66kV真空遮断器 臨時点検) 配電部門全店技能競技大会

多様性を持った従業員が

活躍できる職場づくりに向け

人権意識の向上を図っています

全体最適の視点と柔軟な発想で

変革に挑戦できる人材の育成に向け

能力開発を行っています

よりいっそうの技術・技能の

向上を目指して

教育・訓練を実施しています

一人ひとりの成長意欲と自主性

派遣教育

自己啓発助成

社外セミナー

資格取得教育

国内外派遣教育

公的資格助成

通信教育助成

相互啓発グループ助成

その他自己啓発助成

集合教育

必須教育選抜教育公募教育

OJT「成長目標」を定め組織的に育成

ジョブローテーション(計画的な異動・配置)

計画(Plan)

実行(Do)

チェック(Check)

改善(Action)

P

A

C

D

部門教育

共通教育

職場外教育Off-JT(Off the Job Training)

職場内教育OJT(On the Job Training)

自己啓発自己啓発支援施策自自自自自

従業員との関わり会社概要

■当社の能力開発支援体制

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

選ばれ続け

より沿う存在へ

地域に寄り添う

経営とCSR

Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

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4546 CSR Report 2015

大項目 分 類 データ項目 単位 2010 2011 2012 2013 2014お客さま 設備の概要 水力発電所数 カ所 209 210 210 210 211

水力発電出力 万kW 242 243 243 244 244火力発電所数 カ所 13 12 12 12 12火力発電出力 万kW 1,129 1,088 1,183 1,183 1,186地熱発電所数 カ所 4 4 4 4 4地熱発電出力 万kW 22 22 22 22 22原子力発電所数 カ所 2 2 2 2 2原子力発電出力 万kW 327 327 327 327 327太陽光発電所数 カ所 ─   1 2 2 3太陽光発電出力 万kW ─   0.15 0.35 0.35 0.45発電所数合計 カ所 228 229 230 230 232発電出力合計 万kW 1,721 1,681 1,777 1,777 1,781 送電設備こう長 km 14,881 15,127 15,094 15,104 15,181送電設備回線延長 km 23,948 24,577 24,609 24,625 24,693送電設備支持物 基 58,182 58,329 58,182 58,219 58,304変電所数 カ所 615 617 620 623 624変電所出力 万kVA 7,142 7,275 7,352 7,397 7,431配電設備こう長 km 144,612 144,190 144,816 145,369 145,943配電設備電線延長 km 576,464 574,558 576,767 578,793 580,893配電設備支持物 基 3,038,972 3,035,936 3,045,694 3,059,336 3,074,234

停電回数・停電時間 お客さま一戸あたりの平均停電回数 回 0.71 0.78 0.21 0.15 0.12お客さま一戸あたりの平均停電時間 分 2,914 582 48 19 9

販売活動 ヒートポンプ電化導入戸数(累計) 千戸 12 14 18 22 24ヒートポンプ電化採用率(オール電化住宅に占める) % 43.3 55.5 60.6 66.9 76.6業務用電化厨房システム導入kW(累計) 万kW 37.6 41.7 45.9 49.8 55.1業務用蓄熱等空調システム導入kW(累計) 万kW 52.6 61.5 71.6 83.8 97.8

収益と費用および経常損益

経常収益 億円 17,169 16,942 18,029 20,466 21,901経常費用 億円 16,366 18,707 18,962 20,075 20,734経常損益 億円 802 △1,764 △932 390 1,166

配当性向 個別 % (※1) (※2) (※3) 6.9 12.0連結 % (※1) (※2) (※3) 7.3 9.8

所有者別持株比率 政府・地方公共団体 % 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1金融機関 % 32.9 32.8 31.2 32.7 30.0その他の法人 % 8.2 6.6 6.7 6.1 6.2外国人 % 10.3 13.2 15.5 17.9 22.5個人・その他 % 44.5 43.3 42.5 39.2 37.2発行済株式総数 株 502,882,585 502,882,585 502,882,585 502,882,585 502,882,585株主数 人 241,672 233,882 226,071 212,687 203,116

主なIR活動実績 決算説明会参加人数 人 132 157 189 219 203経営計画説明会参加人数 人 50 ─   ─   ─   ─機関投資家訪問社数 社 106 139 123 159 141

従業員 従業員数 男性 人 11,859 11,921 11,905 11,814 11,740 女性 人 865 873 873 857 837

管理職数 男性 人 4,964 4,972 4,899 4,891 4,945 女性 人 68 69 63 62 68

採用人数 男性 人 349 311 282 205 200女性 人 29 28 29 12 15

平均年齢 男性 歳 40.1 41.2 41.5 42.0 42.4 女性 歳 38.2 39.1 39.7 40.0 40.6

平均勤続年数 男性 年 19.9 20.4 20.6 20.8 21.1女性 年 16.8 17.7 17.9 18.3 18.3

高齢者再雇用制度採用者 採用者数 人 77 68 80 77 88各年度の制度対象者に対する採用者の割合 % 65.3 54.4 63.5 59.2 64.2

社員一人あたりの養成費と教育受講延べ人数の推移

社員一人あたりの養成費 千円 171 134 118 80 93教育受講延べ人数 百人 193 137 165 171 175

労働時間 総実労働時間 時間 2,006 1,973 1,944 1,937 1,952時間外労働時間 時間 304 269 237 240 259

ワーク・ライフ・バランス実現のための施策と利用者数

育児休職制度利用者数 人 28 14 25 36 35育児支援勤務時間制度利用者数 人 127 128 122 115 169配偶者出産時の休暇制度利用者数 人 384 326 305 326 307子の看護のための休暇(特別休暇)利用者数 人 281 282 282 278 244介護休職制度利用者数 人 2 4 2 1 2介護支援勤務時間制度利用者数 人 3 2 3 4 1家族の介護のための休暇制度利用者数 人 159 184 201 191 174単身赴任者の時差出勤制度利用者数 人 224 235 257 328 373ボランティア休暇制度利用者数 人 26 71 23 93 258マイセルフ休職制度利用者数 人 3 1 2 4 0

労働安全衛生 度数率推移 0.08 0.08 0.21 0.17 0.17強度率推移 0.3049 0.0002 0.31 0.0039 0.0015

障害者雇用 障害者雇用者数 人 187 198 206 208 209障害者雇用率 % 1.98 1.90 2.02 2.07 2.06

人権教育への参加実績 管理職 人 1,290 1,320 1,574 1,609 2,200 一般職 人 1,663 1,448 1,293 2,078 1,986 合計 人 2,953 2,768 2,867 3,687 4,186

大項目 分 類 データ項目 単位 2010 2011 2012 2013 2014環境 発電量 原子力 億kWh 207 0 0 0 0

火力 億kWh 429 511 528 610 566水力 億kWh 82 64 60 74 82新エネルギー等 億kWh 9 10 9 9 9

購入電力量 他社受電 億kWh 177 244 255 159 181使用電力量・ロス量 発電所内電力 億kWh 31 22 24 29 26

揚水用電力 億kWh 1.0 3.3 0.7 0.5 0.6当社オフィス等 億kWh 1.6 1.3 1.3 1.3 1.3送配変電ロス 億kWh 45 51 49 49 46

販売電力量 百万kWh 82,706 75,304 77,833 77,452 76,623発電用燃料使用量 石炭 万t 730 331 438 890 771

重油 万kl 38 112 144 99 89原油 万kl 18 74 44 33 31天然ガス 億Nm3 2.4 2.6 2.4 2.4 2.4LNG 万t 279 489 466 428 408原子燃料 t 2.5 0 0 0 0

水使用量 工業用水 万t 876 772 1,055 1,160 1,174車両燃料使用量 ガソリン kl 2,520 2,209 2,673 2,669 2,397

軽油 kl 759 838 794 775 672その他使用量 石灰石 万t 10 5 6 12 10

アンモニア 万t 0.7 0.5 0.5 1.0 1.0CO2排出量 CO2(調整前)(※4) 万t-CO2 3,550 4,120 4,671 4,580 4,374

CO2(調整後)(※4) 万t-CO2 2,695 4,113 4,356 4,563 4,390CO2排出係数(調整前)(※4) kg-CO2/kWh 0.429 0.547 0.600 0.591 0.571CO2排出係数(調整後)(※4) kg-CO2/kWh 0.326 0.546 0.560 0.589 0.573

CO2以外の温室効果ガス排出

SF6回収率 % 99.1 99.5 99.6 99.7 99.3HFC保有量 t 34.9 37.8 42.7 41.5 47.7HFC排出量 t-CO2 1,170 2,699 1,019 1,638 563

廃棄物 廃棄物発生量 万t 106.5 58.7 63.7 121.1 112.1廃棄物最終処分量 万t 26.5 7.1 16.6 30.5 15.9産業廃棄物リサイクル量 万t 79.9 51.5 47.1 90.6 96.1廃棄物有効利用率 % 75.0 87.7 73.9 74.8 85.8

その他排出物 SOx排出量 万t 0.8 0.9 1.1 1.3 1.2SOx排出原単位 g/kWh 0.18 0.19 0.22 0.22 0.21NOx排出量 万t 1.2 1.5 1.6 1.6 1.5NOx排出原単位 g/kWh 0.28 0.29 0.31 0.27 0.27排水量 万t 320 215 278 324 326車両からのCO2排出量 万t 0.8 0.7 0.8 0.8 0.7

地球温暖化防止 全火力総合熱効率(低位発熱量基準) % 44.2 45.3 44.8 44.7 45.3太陽光発電からの購入実績 万kW 19.5 25.1 37.5 81.2 152.9送配電損失率の推移 % 5.1 6.2 5.8 5.8 5.5東北電力管内のエコキュート普及推移(累計) 台 174,826 215,294 253,493 295,675 332,474

原子力 原子力発電所設備利用率 % 72.1 0.0 0.0 0.0 0.0放射線従事者の平均線量 女川原子力発電所 ミリシーベルト 0.7 0.4 0.3 0.2 0.1

東通原子力発電所 ミリシーベルト 0.2 0.1 0.0 0.1 0.1固体廃棄物

(女川原子力発電所)発生量 本 7,097 3,128 6,296 3,100 2,232減容量 本 6,637 3,604 6,044 2,412 1,108保管累計量 本 27,068 26,592 26,844 27,532 28,656貯蔵容量 本 30,000 30,000 30,132 30,132 55,448

固体廃棄物(東通原子力発電所)

発生量 本 1,164 1,168 392 984 576減容量 本 0 0 0 0 0保管累計量 本 7,860 9,028 9,420 10,404 10,980貯蔵容量 本 9,000 9,120 18,360 18,360 18,360

地域 地域協調活動 社内対話活動 回 256 131 84 114 140地域行事への参加など 回 1,604 973 1,156 1,168 1,419施設見学会、エネルギー・環境に関する講演会・説明会など 回 3,522 1,902 3,492 3,155 3,346

お客さま 東北の地域特性と需要密度

人口密度 人/km2 148 146 145 144 143単位面積あたりの販売電力量 万kWh/km2 104 95 98 97 96電柱1基あたりのお客さま数 口 2.4 2.5 2.5 2.5 2.5お客さま1軒あたりの送電線の長さ m/口 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0お客さま1軒あたりの配電線の長さ m/口 19.5 18.9 18.9 18.8 18.8

設備工事費 電源 億円 705 1,550 1,558 1,219 1,111流通 億円 1,112 971 847 882 1,030その他 億円 349 172 215 218 218合計 億円 2,165 2,693 2,620 2,318 2,360

※ 1 2010 年度は、純損失計上のため、配当性向を算出できません。 ※ 2 2011 年度は、純損失計上のため、配当性向を算出できません。 ※ 3 2012 年度は、純損失計上のため、配当性向を算出できません。※ 4 再生可能エネルギーの固定価格買取制度およびCO2クレジットによる調整

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パフォーマンスデータ一覧Tohoku Electric Power Co., Inc. CSR Report 2015

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