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愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション...愛媛県美術館紀要 第11号(2012) 〔2〕 ⑥装幀本(Bd) 37件 非水が手掛けた書籍等の装幀。⑦雑誌(Zh)

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〔1〕

愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

はじめに

 愛媛県美術館が所蔵する杉浦非水コレクション(作

品及び関連資料)は、平成12(2000)年に開催した

「愛媛の美術Ⅰ 杉浦非水展」に際して、ご遺族より

一括寄託を受けたのち、平成16(2004)年度に購入・寄

贈の手続きを経て、全てが所蔵品となり、現在に至る

(ただし、雑誌『たかね』表紙原画など数点は、これ

以前に、別に古書店より購入しているものもある)⑴。

 収蔵された資料は、ポスターや雑誌装丁、図案集な

ど非水が手がけたデザインの仕事にとどまらない。非

水の若いときから晩年にいたるまでのスケッチ類、写

真、日本画、そして、書簡や新聞雑誌の切り抜き、非

水が集めていた工芸品や画材を含む身の回りにおいて

いたと思われる日用品など、関連資料がその大部分を

占める。中には非水の仕事を知る上で貴重な手がかり

となるものもある。こうした関連資料は当館の非水コ

レクションの最大の特色といえるが、従来の美術館の

収蔵品目の体系からは逸脱するものが多く含まれ、当

館に収蔵されて以降、長らく適切な整理・保管の措置

が取られないままのものもあり、大きな課題となって

いた。

 昨年度、ようやく本格的な整理・分類作業に着手す

ることができたので、途中経過ではあるが作業の状況

を報告するとともに、作業の過程で明らかになった写

真資料についてその一部を紹介することとしたい。

Ⅰ 整理・分類に関する報告

1 .新たな分類項目

 平成16年度の受け入れ時点では、「作品」としては

ポスター、日本画等72件を登録し、その他を「関連資

料」として、作品・関連資料を合わせて総数765件と

カウントした。この時点で、全体を計17ジャンルに分

類し、手持ちのリストを作成して管理を続けてきた。

ただし、この時の分類項目に当てはまらず「その他資

料一式」としたものは、正確な数をカウントせず一括

としたため、詳細なリストは作成していなかった。何

より、当館の非水コレクションの最大の特徴は、これ

ら「関連資料」が圧倒的多数を占めていることにある

ので、コレクションの全貌を公表にするに当たっては、

当初のリストではやはり齟齬があることは否めない。

 今回、分類法を見直し、当初は正確なデータを採取

しなかった「その他資料一式」も可能な限り整理・分

類した結果、計26ジャンル、総数5,670件と修正され

た(平成24年6月末日時点)。ただし、写真、日用品、

文字資料など、ジャンルによってはあまりにも数が膨

大なために、暫定的なデータとなっているものもある。

これらについては、今後引き続いて研究紀要等で定期

的に報告していきたい。新たな区分は、以下のとおり

である(括弧内のアルファベットは分類番号で、P-1、

P-2…というように各項目(ジャンル)で通し番号を

振った)。

①ポスター(P) 50件

 非水デザインによるポスター。原画2点含む。

②広報物(Pa) 65件

 非水デザインによる企業等の各種広告・広報物、

パンフレット・販促品等。

③非水図案絵葉書(Dp) 141件

 非水デザインによる絵葉書。

④パッケージデザイン(Pd) 48件

 非水デザインによる商品パッケージ。

⑤口絵・カット(C) 91件

 非水が手掛けた雑誌等紙面の口絵、カット(挿

絵)。

愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション―整理・分類に関する報告と資料紹介―

鴫 原   悠 ・ 長 井   健

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愛媛県美術館紀要 第11号(2012)

〔2〕

⑥装幀本(Bd) 37件

  非水が手掛けた書籍等の装幀。

⑦雑誌(Zh) 346件

 非水デザインによる雑誌表紙。『アフィッシュ』

『短歌至上』等、表紙とともに内容にも非水執筆が

ある場合も、ここに含めた。

⑧賞状(Sj) 10件

  非水デザインによる賞状。

⑨図案集・図案(D) 25件

 非水がデザイン・発刊した図案集のうち当館所蔵

分5件、および単独の図案作品。

⑩非水百花譜(H) 48件

 『非水百花譜』(昭和4~9年の再版本)。当館所

蔵は全100種のうち、45種分。

⑪その他(O) 23件(暫定)

 デザイン関係で、上記の分類に入らなかったもの。

内容不明のもの。

⑫肉筆(Ni) 128件

 非水筆の日本画、水彩画、書、デザイン下絵。

⑬スケッチ・素描(S) 391件(暫定)

 画帖、スケッチブック、1枚もののスケッチ・素

描。

⑭非水・翠子合作(Hs) 20件

 非水と翠子夫人の合作。翠子筆の短歌に非水の絵

が添えられた色紙が中心。

⑮翠子作品(Su) 16件

 翠子夫人の作品(短歌)。

⑯著作物(B) 60件

 非水の著作物(書籍・記事)。

⑰文字資料(Tx) 410件(暫定)

 ③⑱以外の葉書・書簡類、雑誌・新聞等の切り抜

き、自筆原稿、メモ、ノートなど。

⑱絵葉書(Pc) 93件(暫定)

 絵葉書、絵葉書を集めたスクラップブック。

⑲年賀状(Ne) 1,851件

 非水宛の年賀状。明治43年~昭和42年分(没後の

ものを含む。欠年あり)。

⑳アルバム(A) 8件

 写真アルバム。

㉑写真(Ph) 1,087件(暫定)

 上記のアルバムに貼付されていない写真類。

㉒フィルム(F) 51件(暫定)

 ネガ・ポジフィルムなど。

㉓日用品・遺品(N) 326件(暫定)

 各種日用品・遺品。画材も含む。

㉔旧蔵書(Cb) 79件

 非水の旧蔵書。

㉕収集物(Co) 229件(暫定)

 非水が収集した美術工芸品、土産物、デザイン資

料等。

㉖他作家(Oa) 37件

 非水以外(翠子夫人をのぞく)の作家の作品。

2 .整理と保存の措置

 分類を行いながら、並行して整理・保存の措置も適

宜行った。すでに受入れ時あるいはそれ以後に中性紙

で包装されアーカイバルボックスに保存してあるもの

や、額装されて保存されているものなどもあるが、そ

れは全体の一部で、多くが受入れ時の段ボール箱に入

ったままの状態であった。作業手順としては、内容を

確認し分類番号を付け、採寸・撮影を行って調書を作

り、ダンボール箱に入っていたものはアーカイバルボ

ックスなどに移し、可能な限りよい保存状態を維持で

きる環境に置いた。

 あわせて、資料の画像について、原則的に1点ない

し必要であれば2点以上写真を撮影し、それがどのよ

うなものか画像を見て把握できるようにした。ただし、

スケッチブックなど1点の資料の中に膨大な情報が含

まれていると考えられるようなものについては、非水

資料の全容を把握するという作業の目的の都合上、ま

た時間的な制約もあって、今回詳細な調査はおこなわ

ず、表紙部分と1~2点の撮影にとどめた。これら資料

の全貌については追って調査を進めたい。

 その結果、現時点で整理が完了し内容が把握された

資料は、先述の分類項目のとおりであるが、特に印象

的だったものを以下に挙げてみたい。

 ヨーロッパ滞在時の土産だろうか、工芸品や小さな

人形のようなもの、あるいは非水が翠子夫人にあてた

書簡など、資料は全体的には状態よく保存されており、

非水とご遺族によってこれらの資料が大切に受け継が

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〔3〕

愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

れてきた様子がうかがえる。また、新聞記事の切抜き

なども非水自身の筆跡で日付などがこまめにメモされ

ていて、細やかなところにまで目を注ぐ非水の性格が

あらわれているようだった。

 また、資料の中には何点かまとまってしまわれてい

たり、箱に入っていたりするようなものもあった。こ

れらには非水自身が何らかの意図をもって整理、分類

していたものもあり、資料の性格を明らかにする上で

看過できない。ただ、保存の観点からはそのままの状

態では好ましくないものもあり、こうしたものは資料

同士の関連がわかるようにデータをとった上で、それ

ぞれ別個に適切な形で保存処理を行った。今後も資料

整理を継続し、当館の非水コレクションを網羅したデ

ータベースを作ることを当面の目標としたい。

 最後に、昨年度当館で開催した「おくらだし―館蔵

品をめぐる物語」展(2011年7月30日~8月31日)の中

で、資料整理の成果を展示の一部に活用したのでここ

に報告しておく。

 「おくらだし」展は当館の収蔵品からいくつかのテ

ーマを設定して展覧会を構成したもので、そのひとつ

が「非水のヨーロッパ遊学」であった。ここでは、ヨ

ーロッパ滞在中のスケッチや写真、収集品などと、カ

ルピスやそれが縁で親交を結んだ藤田嗣治との交流を

示す資料を展示した。特に、非水が実際にヨーロッパ

に渡ったときに用いた旅行鞄と土産品の数々は、当時

の様子をしのばせるもので好評を得た。また、当館の

所蔵品の中でも良く知られていて展示の機会も多いミ

ュシャのポスターについても、非水旧蔵という、普段

当館ではあまり表に出ていない面から作品に光をあて

る好機となったのではないかと思う。

3 .今後の課題

 分類については、限られた時間の中で整理作業と平

行して行ったため、十分に吟味し得なかったところも

あり、今後、ジャンルのさらなる細分化、あるいは統

合も想定しうる。また例えば、「日用品・遺品」と

「収集品」の区別は、非水の当初の用途が現在では判

別できないものもあり、その場合は、主観によらざる

を得なかった。あるいは「文字資料」や「写真」につ

いても、詳細なデータ(日時、掲載媒体、撮影場所な

ど)が現時点では判明しなかったものも多く、各デー

タについては今後も継続して調査研究していかなくて

はならない。

 なお、このたび整理・分類を進めるにあたり、多種

多様な資料の効率的な目録化を図るため、国内の美術

館・博物館等にもうかがい、各館での事例を調査させ

ていただいた⑵。調査対象として考慮したのは、

(1)大きさ、材質などさまざまな種類の資料を収蔵

する。(2)個人の作家の作品資料を一括して収蔵す

る。という2項目である。

 中でも、自然史系の総合博物館の収蔵方法をご教示

いただいたことは、非水旧蔵のある種雑多なものを収

蔵する当館にとっては大きな意義を持った。多様な分

野、さまざまな大きさや性質をもつ資料を収蔵する自

然史系博物館では、1件につき数万点単位の資料の受

入れも珍しくなく、その整理が業務の重点として行わ

れているという様子を拝見し、具体的な整理作業のノ

ウハウから博物館における資料整理のあり方について

まで、さまざまなお話をうかがうことができた。そこ

には、いずれも「資料は全て等価である」という姿勢

が一貫してあり、それが何より大きな収穫であり、励

みとなった。これを踏まえ、当館の膨大な非水コレク

ションを整理・分類するにあたり、「作品」と「資

料」の線引きは一旦置いておき、全てを等価に扱うよ

う心がけたことで、限られた時間の中での整理作業や

データの採集をある程度画一化できたことは大きな成

果であった。

 美術館の場合、「作品」の位置づけ・評価を重視す

るあまり、それ以外の「資料」は副次的なものとされ、

収蔵庫の奥深くにしまいこまれたまま、長らく日の目

を見ないことも多い。非水のようなグラフィックデザ

イナーの場合、「作品」とは、印刷物として作成され

た複製品を意味することになるが、作者の手元には、

下図、原画、校正刷り、見本などさまざまなレベルの

ものが残され、本来はそれらの集合体こそがグラ

フィックデザイナーの仕事の全体像ということになる。

これらを「オリジナル作品」の収蔵を前提とする美術

館の収蔵体系にあてはめようとすれば、自ずと逸脱す

る物件が発生してしまう。

 しかし、ただモノを所蔵しているだけでは本当の意

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愛媛県美術館紀要 第11号(2012)

〔4〕

味で「収蔵している」とは言いがたい。それに多様な

方面からの意味を見出すことができるための素地が必

要だろう。その意味で、保存も含めて資料をしかるべ

き形で整理するということは博物館の根幹的な機能で

あるという基本的なことを、調査を通じて認識させら

れた。

 制作のプロセスや作家像を知る上で、極めて重要な

価値を持つ当館の非水コレクションのさらなる活用へ

向けて、作業を継続するとともに、美術館におけるグ

ラフィックデザインの分類体系及び整理方法のあるべ

き形を、今後も引き続き探っていきたい。     

(長井)

⑴ 収蔵の経緯については、以下を参照。中山公子「杉浦非水旧蔵 ペヒシュタイン作木版画の保存について」『愛媛県美術館研究紀要』第10号、2011年

⑵ 文末に示すように、本稿は、平成23年度ポーラ美術振興財団調査研究助成による「杉浦非水の作品および関連資料の分類体系とその整理方法に関する調査研究」の成果に基づいたものである。各館での事例についての調査報告は、別途報告書を参照されたい。

 

Ⅱ 【資料紹介】

  杉浦非水旧蔵写真関連資料について(1)

1 .はじめに

 愛媛県美術館が所蔵する杉浦非水旧蔵資料(以下、

非水旧蔵資料)の中には、非水が写真を非常に愛好し

ていたことを物語る多くの写真関連資料が含まれる。

当館に所蔵されている非水旧蔵資料の内、写真関連資

料は2012年6月末日判明時点で合計1,000点以上に及ぶ。

その量の膨大さだけでなく、内容や非水の回想録など

をみても非水が生涯写真を愛好していたことがわかり、

作家の全体像を理解するにあたって“写真”は重要な鍵

となると思われる。

 非水が熱心な写真愛好家であったことはこれまでに

も知られており、折に触れて言及されているものの⑴、

その全容はあまり明らかにされてこなかった。筆者は

平成23年度より非水旧蔵資料調査に着手したことを機

に、資料のかなりの部分を占める写真関連資料につい

て、図案家としての仕事とは違う観点から非水の芸術

性のありようを語ってくれるような内容に驚くととも

に、更なる調査の重要性を感じさせられた。本稿では、

これらの写真関連資料について調査が完了したものに

ついて報告するとともに、アマチュア写真家としての

非水の活動について現時点で明らかになっている範囲

での概要を述べる。非水の写真関連資料については未

整理のものも残されており、その全貌の調査とあわせ

て、アマチュア写真家としての非水の活動については

今後も継続して調査をしていきたいと考えている。

2 .アマチュア写真家としての活動

 非水が写真を撮るようになったのは、本人の回想に

よれば1910年代前半と推定することができる⑵。その

頃に撮影されたと断定できる写真は当館の所蔵資料に

は見られない。しかし、1910年代後半、すなわち非水

が写真を愛好して間もない段階で撮影された写真は、

後年に出版された『非水百花譜』の中に見ることがで

きる。『非水百花譜』は1920(大正9)年から1922

(大正11)年にかけて春陽堂から出版された、全20輯、

100図の版画集である。各図版は、木版多色摺版画、

投影写生(シルエット)、そして各植物についての詳

細な解説という3枚一組で構成されていた。そして解

説の中には、植物学者による各植物の解説に加え、非

水による写生の場所などのデータ、植物の写真図版が

付されていた。非水はこの写真図版の一部について自

身で撮影した写真を使用しており、撮影年が明記され

たデータによると、それらは1910年代後半に撮影され

たものだとわかる。(図1)

 非水が写真に特に力を入れて取り組んでいたのは、

1920年代から1930年代にかけてであると思われる。

1922(大正11)年、非水はアマチュアカメラマン向け

の写真雑誌『アマチュア』(金星堂)の創刊に携わっ

た。『アマチュア』は非水のほかに岡道孝⑶、桑田志

一、福岡益雄⑷、小杉花影が同人として名を連ね⑸、他

に松山思水や川端龍子らも誌面に関わっていた。

 大正時代に入ると、写真を愛好するアマチュア層は、

従来の上流階級から第一次世界大戦後の好景気によっ

て経済的に伸張した都市部のサラリーマンを中心とす

る新中間層へと広がった。1912(大正元)年に発売さ

れた「ヴェスト・ポケット・コダック」といった小型

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〔5〕

愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

カメラの普及はこうした写真愛好者拡張の原動力とな

った。とりわけ、第一次世界大戦後の「ヴェスト・ポ

ケット・コダック単玉レンズ付き」(ヴェス単)の流

行はアマチュアがカメラを携え屋外に出て、気軽にシ

ャッターを押すことを後押しした。

 このようにしてより幅広い層に裾野が広がっていた

写真愛好者の需要にこたえる形で、写真の技術や知識

を伝える出版物が続々と刊行されている。

 1921(大正10)年、アルスから刊行された『カメ

ラ』は写真ジャーナリスト、高桑勝雄を主筆に迎え、

画家三宅克己が顧問を務めた。自らを「好事写真家」

として位置づける高桑が発刊する同誌は、「趣味写

真」を志向する、写真を趣味として愛好する読者の心

を捉えた。一方、資生堂経営者であった福原信三は、

ピグメント印画を用いたピクトリアリズム写真に批判

的な立場で、「画面のよく調和された調子―光線の強

弱に由って生ずる濃淡の調子―は写真の表現では第一

義のものである」と「光と其諧調」による自然美の再

現を主張した。福原は弟である福原路草らとともに

『写真芸術』(1921年6月創刊、東新商店出版部)を

発刊、「日本写真会」を創設した。

 『カメラ』や『写真芸術』のほかにも、淵上白陽主

宰による『白陽』(1922年6月創刊、白陽画集社)、

『芸術写真研究』(1922年5月創刊、アルス)、『写

真文化』(1922年6月創刊、写真文化協会)など写真

愛好者を対象とする雑誌が続々と発刊された。こうし

た雑誌には、写真技術の解説や芸術論、そして多くの

場合作品投稿や読者投稿欄が設けられ、アマチュアカ

メラマンにとっては、知識や情報を得るとともに愛好

者同士の交流の場としても機能する重要なメディアと

なっていた。

 『アマチュア』が読者の対象としていたのも、この

ようなアマチュアカメラマンたちであった。創刊号で

は、「純真な写真の趣味を普及するために本誌は生れ

ました。囚はれる処のない自由な撮影で、一躍して芸

術の殿堂に上らうぢやありませんか。」⑹と謳い、読

者からの積極的な写真や投書の投稿を募った。実際、

誌面は同人によるカメラの技術解説や芸術論、紀行文

などの文章にあわせて、読者からの投稿による写真の

批評も毎号掲載されていた。松山思水も述べているよ

うに⑺『アマチュア』に寄せられる投稿写真にはヴェ

ストを使用した作品が少なくなく、あるいは、「一ベ

スト狂」であることを自称する読者からの投稿も見ら

れることから⑻、このような小型カメラを愛用してい

たアマチュア層を主たる読者とする雑誌であったこと

がうかがえる。さらに、誌上でしばしばみられる平易

で具体的な技法解説からも、雑誌の読者層が趣味とし

て写真を愛好する層であったことがわかる。『アマチ

ュア』の発行者(同人)の中にもプロのカメラマンは

おらず、いわば作り手もアマチュアであったともいえ

るが、非水や川端龍子といった同時代に活躍する芸術

家による投稿写真の批評、技法の解説など内容は充実

したものであった。

 非水は『アマチュア』において、表紙や口絵のカッ

トを担当していた。(図2)誌面の中身については、

写真作品の掲載、さらには連載紀行文「カメラ紀行古

寺礼讃」や巻頭言、談話といった欄へ小文を寄稿して

いるほか、川端龍子、松山思水とともに懸賞写真の選

者も務めた。

 写真作品は、『アマチュア』第一巻第一号から第六

号までを合本にして刊行された『芸術写真選集』(上

方屋出版部、1923年)によれば12点掲載されているこ

とが確認できる⑼。(図3)特に、創刊号に掲載された

《絵本》については松山思水に、「初号の口絵では杉

浦氏の絵本が一番私の気に入つた。画面が充実してゐ

て何処にもゆるぎがない。あれだけ複雑な椅子を構成

している線がちつとも煩はしくて、あるリズムを出し

てゐるのは驚嘆すべきである。無心に絵本に見入った

態度もよい。弁慶格子の服もよい。だらりと下げた靴

の先を切ったのも英断であって、(中略)同様に椅子

の上部を子供の頭きりで切つたのもよい。要するにこ

の写真は切り方一つで成功したものと思ふ。背景が面

白く、下方が黒いのも絵に力をつけてゐる。(後

略)」⑽と評されている。

 非水は1922年11月からヨーロッパ遊学へと出発する

ため、実際に『アマチュア』に携わったのは1922年の

1年間に満たない間であったようである⑾。しかし、上

述したような雑誌本体への非水の関与の仕方や非水の

外遊記念に写真撮影会が催されたという記事からは、

非水が『アマチュア』の同人として重要な位置にあっ

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愛媛県美術館紀要 第11号(2012)

〔6〕

たことがうかがえる⑿。

 アマチュア写真家としての活動が最も顕著にみられ

る1910年代後半から1920年代にかけての非水は、1918

(大正7)年に自身の「芸術生涯の擁護」のために⒀三

越の嘱託を辞し週二回の出勤としたほか、1920(大正

9)年には『非水百花譜』の刊行開始、1921(大正

10)年にラクトー株式会社(現在のカルピス株式会

社)の顧問となるなど、商業デザイナーとして、さら

には芸術家として円熟した活動をしていた時期にあた

る。また、前述したように、1922年から23年にかけて

はかねてより切望していた、図案研究と美術研究を目

的としたヨーロッパ遊学に出かけ、同地で美術の見学

やポスター収集に励んだ。滞欧に際し非水はカメラを

買い替え、パリやベルリンでも新しいカメラを入手し

て熱心に写真撮影を行っている。撮影された写真はか

なりの数に及び、滞欧中の写真が旅程ごとに丁寧に整

理された2冊のアルバム(図4)からも、ヨーロッパの

風物を眼前にして写真撮影に熱中する非水の姿が浮か

ばれる。

 このほか、1920年代から30年代にかけて、非水は雑

誌や展覧会などにも自身の写真を出品していたようで

ある⒁。ここでは、非水の写真活動の一例として、

1934(昭和9)年の「文壇写真展覧会」への参加を紹

介する。

 『サンデー毎日』の主催によって開催された「文壇

写真展覧会」は、『サンデー毎日』昭和9年12月2日号

によれば、「かういふ(筆者注:写真を愛好する)連

中が、ひとつ大同団結して、大展覧会を開き、写真界

をアツといはせようぢやないか」という動機で開かれ

たものだった。非水は少なくとも6点の作品を出品し、

そのうち、《土管の雪》(図5)について努力賞二等

を得た。もっとも、この展覧会は、「作の出来ばえは

ともかく、ゴシップ的興味からかどうも大変な盛況で

した」⒂と報告されているほか、写真材料店や写真雑

誌から提供された賞品が多すぎて結局全出品者が授賞

した⒃という結果であったので、写真の技術を競うコ

ンクールというよりは寧ろ、「文壇」に集う文化人た

ちの趣味的な活動を見せるという、雑誌が主催する催

事としての側面が大きかったのだろう。参加者は非水

のほか、展覧会の中心メンバーとして大宅壮一、大佛

次郎、吉田謙吉などの名前があがっている。

 芸術写真の黄金時代とも言われ、かつてない広がり

でアマチュアカメラマンが活躍した1920年代において、

親交のあった三宅克己や松山思水が写真技法の書籍を

出版し、アマチュアカメラマンの間では啓蒙者や指導

者的な役割を果たしていたことに比べれば、非水の表

立った活動は雑誌『アマチュア』の周辺に限られてお

り、雑誌掲載作品あるいは展覧会出品作品以外の資料

が外に出ることは多くない。いくつかの著述において

写真への関心について述べているほかに非水が表立っ

て写真作品や自らの写真趣味について発表する機会も

少なく、私的な活動にみえる。しかし、旧蔵書の中に

は例えば『写真処方集』(1926年、アルス)のように

「好事家」向けのものではあれ現像などについての化

学的な知識を解説するようなものもある。非水も自ら

写真を現像していた形跡も残っていることから、非水

にとって写真を撮ることは単なる娯楽として以上の活

動であったようである。その趣味は生涯を通じて続い

ていたようで、別荘を構え頻繁に滞在していた軽井沢

や浅間山の風景を捉えた写真は、自然への愛着を感じ

させるものである。

3 .非水旧蔵写真関連資料について

 当館所蔵の非水旧蔵写真関連資料は、①写真プリン

ト1,087件、②アルバム8件、③フィルム・乾板51件、

④書籍・文献23件、④その他(写真用品など)8件に

分類できる。(件数は平成24年6月末日調査完了分)

写真プリントをとってみても、大正期から晩年のもの

にまでおよび、日常の一こまを写したスナップ写真か

ら、写友会の撮影会で撮影したもの、裏面に印刷の際

の指示が書かれ何かの刊行物に掲載されたと思われる

ものなどその性質も様々である。

 一部は裏面などに非水の自筆によるメモ書きでタイ

トルや制作年が記されているが、大部分はそのような

記載はない。また、中には非水の肖像写真など明らか

に非水による撮影でないもの、非水による撮影とは疑

わしいものもある。非水の撮影によるものだと思われ

ても、写真「作品」として意識的に撮影されたものと

は判断しがたいものも多い。現時点で調査の初期段階

にあることから、これらを一括して写真プリント(分

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愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

〔7〕

類番号:Ph)として扱っている。

 しかし、今後の調査を要する、非水のアマチュア写

真家としての活動を知る上で重要な手がかりとなるよ

うな資料も少なくない。例えば、〔川〕(図6)は、

渓流とそれに沿って生える樹木の姿をうつしているが、

左下に非水のサインが自筆で記されていることが注目

される。また、この写真は、紙焼き写真を更に厚紙の

台紙に貼っているようである。このような写真は管見

の限り他に例が無く、雑誌や展覧会等で発表されたも

のなのか、その詳細は不明だが、非水が写真を作品と

して捉えていたことを示唆する重要な作例であると思

われる。

 さらに、もとは一枚の写真だったものを分割して2

枚の写真としているもの(図7など数組存在する。こ

れらはそのモティーフや状態から、1920年代に撮影さ

れたものと思われる。)、長方形の写真の四隅が切り

取られて八角形の画面として展覧会に出品されたもの

(図8)など、非水が写真の構図や構成について試行

錯誤をしていたような様子が見られるものもある。 

 このように非水が写真において芸術的な表現を追求

している節が見られるものがあるほか、非水が風景や

草花をうつした写真から折々見せる自然への態度は、

非水が図案家として持っていた物象へのまなざしにも

通じるものがある。すなわち、「図案は自然の教導か

ら出発して個性の匂ひに立脚しなければならぬ」⒄と

いうように、非水が図案について論じるときに一貫し

て主張していた、図案は自然に立脚せねばならない、

という態度が写真を撮ることにも見出せる。

 『非水百花譜』において非水は、「乍然、其出来上

つた写生図は実際、実物を写生する時の私の眼の記録

であつて、私の実物に対する心の印象そのものではな

い。私の写生図を展げて見る場合に、私にのみ与えら

れる恵は、其実物を深く味つた時の印象を、再び呼び

起してくれる私の記憶であるのであります。」⒅と述

べている。

 ここでは写生図について、「眼の記録」であると述

べているが、このような態度は非水の撮影した写真の

中にも散見される。『非水百花譜』に掲載された非水

撮影による植物写真群は、堅固な構図で植物の姿を正

確にうつし出したものである。

 実際非水もそのような、植物の形や構造、生態を記

録する写真について、「花の写生に伴ふ花の写真、つ

まり植物の生態をカメラに納めて来ることも、私の勤

めの一つになつて居るのであるが(中略)学術的の参

考に撮る写真は、芸術的とか興味中心主義からでは其

用をなさぬ、あくまで堅いピントと成るべく大きな面

積を持つものでなければならぬ。」⒆と、写生図を制

作するときと共通する意識をもって取り組んでいたこ

とを述べている。

 非水が写真に捉えた題材の多くは、風景、周囲の人

物など非水の周りの物象であった。これは、ヴェスト

やライカといった小型カメラを愛用し、旅行先や日常

生活でシャッターを押していた非水の写真活動の結果

であるだろう。当面は、当館所蔵の資料の整理を進め

ながら、非水にとっての写真が持つ意味を考察してい

くことを今後の課題としたい。

(鴫原)

⑴ 例えば「庭園植物記」展(東京都庭園美術館、2005年)、「杉浦非水の眼と手」展(宇都宮美術館、2009年)などで非水撮影の写真が展示されている。また、近代日本写真史に関する文献、例えば、飯沢耕太郎『「芸術写真」とその時代』(筑摩書房、1986年)などでも、後述する雑誌『アマチュア』の同人として非水の名前が取り上げられている。

⑵ 1940年に発表された文章の中で非水は、「写真機械をいぢくり初めてからもう三十年にもなる」(杉浦非水「二十年前の写眞」『アサヒカメラ』第30巻第2号、1940年8月)と述べている。

⑶ 神奈川県在住の医師であった岡道孝のアマチュア写真家としての活動は、以下を参照。林華子「アマチュア写真家としての岡道孝―寄贈資料を中心に―」『川崎市市民ミュージアム紀要』第13集、2000年

⑷ 福岡益雄は金星堂の創業者・経営者。金星堂は1918(大正7)年に創業、同時代の文芸書を多く手がけた。

⑸ 『アマチュア』第1巻第1号、1922年。(『芸術写真選集』第一輯、上方屋出版部、1923年所収)以下、『アマチュア』は『芸術写真選集』を底本とした。

⑹ 「巻頭言」『アマチュア』第1巻第1号、1922年⑺ 松山は、投稿写真について、「ヴェストで写したものに傑

作の多いのには驚く。然しそれはヴェストがいゝカメラであるわけでなく、ヴェストの使用者が多いので、その内にはうまい人も自然多いわけであらう。」と述べている。(『アマチュア』第1巻第3号、1922年)

⑻ 「談話室」『アマチュア』第1巻第4号、1922年⑼ 口絵掲載作品は次の通り。

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愛媛県美術館紀要 第10号(2011)

〔8〕

《絵本》《漁村の真昼》《二月堂》《熱砂》《燦雨のあと》《午後四時》《屋根》《関羽さま》《濱名湖小品》《堂上の秋》《梅鉢草》《夕の河岸》

⑽ 「談話室」『アマチュア』第1巻第2号、1922年⑾ 『アマチュア』自体は第三巻第二巻までの発行が確認され

ており、関東大震災の影響で終刊となった可能性も指摘されている。(前掲林論文等)

⑿ 野瀬市郎「乱写乱撮」『アマチュア』第1巻第5号、1922年⒀ 杉浦非水「自伝六十年 (十二)三越時代後期」(『広告

界』第11号、1935年)⒁ 雑誌の掲載などのより詳細な活動については、今後調査を

行いたい。⒂ 掲載紙不明新聞記事(「日録代弁」所収)より。「日録代

弁」は非水が昭和9年から11年ごろまでの自分の仕事に関する記事などをスクラップしていたもの。

⒃ 「本誌主催文壇写真展覧会」(『サンデー毎日』昭和9年12月2日号、1934年)

⒄ 杉浦非水「巻頭の言葉」『非水の図案』1916年、星文館⒅ 杉浦非水「巻頭に」『非水百花譜』1922年、春陽堂⒆ 杉浦非水「素人写真家温泉巡り」『カメラ』第2巻第1号、

1922年

 本稿は、平成23年度ポーラ美術振興財団調査研究助成による「杉浦非水の作品および関連資料の分類体系とその整理方法に関する調査研究」の成果に基づくものであり、その報告書の一部を大幅に加筆修正したものである。 共同研究を行った東京国立近代美術館工芸館の木田拓也、内藤裕子両研究員、宇都宮美術館の伊藤伸子、前村博文両学芸員、および調査にご協力いただいた関係各位に厚くお礼申し上げます。また、整理作業を補助してくれた当館職員の蔭原樹理、日野慶子両氏にも感謝申し上げます。

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愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

〔9〕

資料番号 名称、著者名・書名、記事名 制作年・発行年 発行元 寸法(cm) 備考

【写真アルバム】A-1 アルバム〔日本〕 27.5×24.0×4.0A-2 アルバム〔ヨーロッパ留学時代〕 c.1922-23(大正11-12頃) 25.0×32.0×5.0A-3 アルバム〔旅行写真等〕 1939(昭和14) 37.5×31.0×4.0A-4 アルバム 36.8×29.0A-5 アルバム 29.0×24.0A-6 アルバム〔ヨーロッパ留学時代〕 c.1922-23(大正11-12頃) 25.0×33.0A-7 アルバム 24.0×32.0 表紙欠落A-8 アルバム 21.3×19.7

【フィルム等】F-01 ガラス乾板 9.0×12.2 箱入りF-02 印画紙焼付け(小) 18袋749枚 2.9×4.3F-03 ネガフィルム(展覧会記録写真) 5.7×24.2 6点F-04 ポジフィルム5シート(ケース入り) 34.8×26.2×2.6F-05 ネガアルバム 35.0×30.6F-06 ネガフィルム〔集合写真〕 4.7×3.5F-07 ネガフィルム〔昭和16年 日本郵船ポスター前〕 1940(昭和16) 4.7×3.5F-08 ネガフィルム〔ピアノ公演ポスター〕 7.4×3.5F-09 浅間と花 (全長)3.5 包入りF-10 押出し (径)3.2×4.8 ケース入りF-11 草に居る翠子 (径)3.2×4.6 ケース入りF-12 散歩 (径)3.0×4.5 ケース入りF-13 噴火の浅間 (径)3.2×4.8 ケース入りF-14 星田 (全長)3.5 包入りF-15 林中の翠子 (径)3.2×4.5 ケース入りF-16 試し焼き 12.3×9.2 袋入りF-17 フィルム (全長)3.5 包入りF-18 フィルム (全長)3.5 包入りF-19 フィルム 6.2×4.8F-20 フィルム (径)2.5×4.7F-21 フィルム (径)3.3×5.7 ケース入りF-22 フィルム (全長)3.5 包入り

【旧蔵書】Cb-02 『Nikkor Annual '58』 1958(昭和33) ニッコールクラブ 31.5×22.0×2.1 会報、名簿付属Cb-03 『Nikkor Annual '59』 1959(昭和34) ニッコールクラブ 31.5×22.0×2.2Cb-04 『Nikkor Annual '60』 1960(昭和35) ニッコールクラブ 31.5×22.0×1.8 「お知らせ」付属Cb-05 『Nikkor Annual '61』 1961(昭和36) ニッコールクラブ 31.5×22.0×2.0 「お詫び」付属Cb-06 『nikkor annual 1964/65』 1965(昭和40) ニッコールクラブ 31.5×22.0×2.0Cb-07 『Nikkor Annual '62/63』 1963(昭和38) ニッコールクラブ 31.5×22.0×2.0Cb-25 『サンケイカメラ』臨時増刊 1958(昭和33) 産経新聞社 26.0×18.5Cb-26 杉山吉良『裸婦の写し方』 1950(昭和25) 大泉書店 18.5×18.0Cb-27 『フォトアート 世界の裸婦』 1958(昭和33) 研光社 25.8×18.0Cb-30 『日本カメラ 新版現代写真の事典』 1956(昭和31) 日本カメラ社 18.2×12.8Cb-31 鈴木八郎『写真処方集』 1926(大正15) アルス 19.0×13.0Cb-32 大場栄一『マミヤ-6の使い方』 1956(昭和31) 光画社 17.3×10.5Cb-33 赤穂栄一『ニコンS2の使い方』 1956(昭和31) 光画社 17.3×10.5Cb-34 『日本カメラ カメラ年鑑』 1957(昭和32) 日本カメラ社 18.0×12.5Cb-35 『ニッコールクラブ会報』 ニッコールクラブ 29.8×21.0 全14点Cb-36 『ニッコール』No.5,6 1956(昭和31) ニッコールクラブ 29.8×21.0Cb-37 『読売グラフ別冊 日本のカメラ』 1955(昭和30) 読売新聞社 25.7×18.2

【文献資料(非水著述切抜き)】B-06 「カメラ紀行 古寺禮讃」(一)~(四)(『アマチュア』第一巻第一号~第四号) 1922(大正11) 金星堂 22.3×15.3B-07 「談話室」(『アマチュア』第一巻第三号) 1922(大正11) 金星堂 22.1×15.2B-08 (巻頭言)(『アマチュア』第一巻第四号) 1922(大正11) 金星堂 22.1×15.2B-09 (巻頭言)(『アマチュア』第一巻第二号) 1922(大正11) 金星堂 22.1×15.2B-10 「談話室」(『アマチュア』第一巻第一号) 1922(大正11) 金星堂 22.1×15.2B-17 「二十年前の写真」(『アサヒカメラ』第三十巻第二号) 1940(昭和15) 朝日新聞社 25.7×37.8

【その他】N-004 Walz Filter 6.0×5.6 全3点(1点は箱のみ)N-005 WEST 閃光電球No.6 7 ヶ入 22.0×12.0×3.3N-026 ウエスト閃光電球No.3 5ケ入紙パッケージ入 17.0×3.5×7.0N-074 三脚 (全長)28.0N-080 写真用クリップ 12.8×7.2 全16個N-134 WEST SUPER SPEED FLASH 5.7×12.5 全4箱N-168 メダル (月刊ライカ賞 杉浦非水殿 アルス) (径)6.4×0.8N-185 ロンド フォトペンシル (全長)15.5

【写真プリント】「杉浦非水の作品および関連資料の分類体系とその整理方法に関する調査研究」(平成23年度ポーラ美術振興財団調査研究助成)報告書を参照

(別表)非水旧蔵写真関連資料目録

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愛媛県美術館紀要 第11号(2012)

〔10〕

(図1)『非水百花譜』「つりがねにんじん」より「写真 大正八年八月東京に於て著者撮影」とある。

(図 3)杉浦非水《絵本》撮影年不詳(『芸術写真選集』第一輯、上方屋出版部、1923 年所収、 以下同)

杉浦非水《二月堂》撮影年不詳

(図 2)『アマチュア』第一巻第四号口絵、1922 年

杉浦非水《漁村の真昼》撮影年不詳

杉浦非水《熱砂》撮影年不詳

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愛媛県美術館所蔵杉浦非水コレクション

〔11〕

(図 4)アルバム〔ヨーロッパ留学時代〕1922-23 年

(図 5)杉浦非水《土管の雪》撮影年不詳

(図 7)杉浦非水〔橋〕撮影年不詳。(2 点)

(図 6)杉浦非水〔川〕撮影年不詳

(部分)                ( 裏面 )

(図8)杉浦非水《或日のトロカデロ(パリー)》1923 年頃文壇フォトグループ第一回展出品