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山梨県教育委員会心の健康づくり指針 平成19年7月 (改正 平成24年3月) (改正 平成28年6月) 山梨県教育委員会

山梨県教育委員会心の健康づくり指針 · 2020. 5. 12. · の健康、学校全体の心の健康が重要と考える。 このような中で国は、職場における労働者の安全と健康の確保をより一推進するため、

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山梨県教育委員会心の健康づくり指針

平成19年7月

(改正 平成24年3月)

(改正 平成28年6月)

山梨県教育委員会

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山梨県教育委員会心の健康づくり指針 目次

1 心の健康づくり対策の考え方

(1)心の健康づくり対策が求められる背景 ……………………………………………1

(2)山梨県教育委員会における職員の心の健康状況と対応 …………………………1

(3)メンタルヘルスケアの基本的考え方 ………………………………………………3

(4)メンタルヘルスケア推進上の留意事項 ……………………………………………3

(5)中央安全衛生委員会における調査審議 ……………………………………………4

(6)指針改正の経緯と今回の改正経緯 …………………………………………………4

2 4つのメンタルヘルスケアの推進

(1)セルフケア(職員自ら行うストレスへの気づきと対処) ………………………4

(2)ラインによるケア(所属長等が行う職場環境等の改善と相談への対応) ……5

(3)健康管理担当スタッフ等によるケア(衛生管理医・保健師等によるケア)……5

(4)外部資源によるケア(外部の専門機関・専門家によるケア)……………………5

(5)4つのケアにおけるそれぞれの役割 ………………………………………………6

3 メンタルヘルスケアの具体的進め方

(1)メンタルヘルスケアを推進するための研修・情報提供 …………………………8

(2)職場環境等の把握と改善 ……………………………………………………………9

(3)メンタルヘルスの不調への気づきと対応 ………………………………………10

(4)職場復帰における支援 ……………………………………………………………12

4 メンタルヘルスケアに関する個人情報の保護への配慮

(1)情報の収集と職員の同意 …………………………………………………………12

(2)健康管理担当スタッフ等による健康情報の扱い ………………………………12

(3)健康情報の取扱いに関する守秘義務の周知 ……………………………………13

(4)個人情報の保護に関する法令・指針等の遵守 …………………………………13

5 心の健康に関する情報を理由とした不利益な取扱の防止………………………………13

6 メンタルヘルス活動の実際

(1)心の健康の保持増進と適応力づくり(一次予防) ……………………………14

(2)メンタルヘルスの不調の早期発見・早期対応(二次予防) …………………15

(3)メンタルヘルスの不調からの回復と職場復帰・再発予防(三次予防) ……17

(4)職場復帰 ……………………………………………………………………………18

(5)メンタルヘルス対策事業一覧 ……………………………………………………26

参考資料 ………………………………………………………………………………………27

関連通知等 ……………………………………………………………………………………34

用語の定義 ……………………………………………………………………………………36

貸出用図書・DVD …………………………………………………………………………36

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1 心の健康づくり対策の考え方

(1)心の健康づくり対策が求められる背景

現代はストレス社会と言われ、様々な健康障害やストレス関連疾患の増加が問題とされ、職

場不適応に陥る人や心の病にかかる人が増えている。

文部科学省の調査によると、平成26年度に病気休職した全国の公立小中学校、高等学校、

特別支援学校の教育職員は8,277人で、うち精神疾患による休職者は5,045人であり、

病気休職者の61.0%を占めている。

また、精神障害等に係る労災補償状況についても、請求件数、認定件数ともに増加傾向にあ

る。

このように、心の健康問題が職員、その家族、また職場や社会に与える影響は、ますます大

きくなっており、職場においてより積極的に心の健康の保持増進を図ることは非常に重要な課

題となっている。

一方、不登校やいじめ、いじめを苦にした自殺など、児童・生徒の心の問題についてもさま

ざまな対応が求められている。これらの問題に対して的確に対応するには、職員一人一人の心

の健康、学校全体の心の健康が重要と考える。

このような中で国は、職場における労働者の安全と健康の確保をより一層推進するため、平

成18年4月1日に改正された労働安全衛生法では、過重労働対策として医師による面接指導

制度の導入をはじめとして、職場の安全衛生管理体制の見直し・強化等が盛り込まれた。

一方、同法第70条の2第1項に基づく指針として、「労働者の心の健康の保持増進のための

指針」が策定され、これにより事業者には、労働者の心の健康づくりのための取り組みへの努力

義務が生じることとなった。

さらに、平成26年6月25日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成2

6年度法律第82号)を受け、職員が自身のストレスに気づきを促すとともに、職場改善につな

げ、働きやすい職場づくりを進めるための「ストレスチェック制度」を導入することにより、一

次予防をさらに強化し、効果的なメンタルヘルス対策の推進を図ることが必要となった。

(2)山梨県教育委員会における職員の心の健康状況と対応

養護措置(山梨県教育委員会安全衛生管理規程に基づき、職員の心身の健康状態に応じて、

勤務及び医療面の措置を行うことをいう。以下「養護措置」という。)の年度別状況は、(表

1)のとおりである。

年度別の推移を見ると、年度による格差は多少見られるものの、精神疾患の占める割合は、

平成15年度は21.9%、平成18年度には36.4%となり以降約3割強で推移し、平成

26年度には42.9%と4割を占め、増加傾向にある。平成7年度から平成16年度(12

8人)と平成17年度から平成26年度(220人)の10年間を比較してみると約1.7倍

となっている。また、平成27年度においては、養護措置制度を利用して病気療養を行った職

員は59人で、このうち、精神疾患により休業した職員は20人(33.9%)であった。

死亡の状況(表2)については、新生物、心疾患が上位を占めており、自殺については、全

国的には就業者の自殺者数に減少が見られているが、本県教育委員会においても、昭和57年

度以降4名と低い水準で推移している。

心の健康づくり対策として、平成6年度から精神科医師による「メンタルヘルス相談」や各

種研修会等を実施しているが、今後も事態の深刻化する以前の早期発見・早期対応への積極的

な取り組みやメンタルヘルスの不調な状態に陥った職員の円滑な職場復帰や再発防止に努めて

いくことが極めて重要な課題である。

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このため、職員の心の健康の保持増進のための措置(メンタルヘルスケア)をより一層推進

するため、その基本方針となる『心の健康づくり指針』を策定し、指針に沿った取り組みを積

極的に展開していくこととする。

(表1) 年度別養護措置の状況 ( 実人数:単位人)

H 7 H 8 H 9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 小計

精神疾患 14 14 10 11 11 15 9 17 14 13 128

その他疾患 34 23 42 40 30 52 33 35 50 41 380

合計 48 37 52 51 41 67 42 52 64 54 508

H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 小計 合計

精神疾患 15 24 29 24 27 23 19 21 17 21 220 348

その他疾患 40 42 42 52 52 46 35 46 31 28 414 794

合計 55 66 71 76 79 69 54 67 48 49 634 1,142

(表2) 死亡の状況 (実人数:単位人)

S53~

S56

S57~

S61

S62~

H 3

H 4~

H 8

H 9~

H13

H14~

H18

H19~

H23

H24~

H26* 合計

新生物 0 8 9 6 6 7 10 5 51

心疾患 1 4 0 3 2 4 1 1 16

脳血管疾患 3 2 1 0 0 3 0 0 9

不慮の事故 0 0 2 1 1 0 0 1 5

肝硬変 1 1 1 0 0 0 1 0 4

自殺 0 1 0 0 0 2 0 1 4

腎炎・ネフローゼ 0 0 1 0 0 0 0 0 1

その他 1 2 0 2 5 2 0 0 12

合計 6 18 14 12 14 18 12 8 102

*3 年間の累積

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(3) メンタルヘルスケアの基本的考え方

ストレスの原因となる要因(以下「ストレス要因」という。)は仕事、職業生活、家庭、

地域等に存在しており、心の健康づくりは職員自身がストレスに気付き、これに対処するこ

と(セルフケア)の必要性を認識することが重要である。

しかし、職場に存在するストレス要因は、職員自身の力だけでは取り除くことができない

ものであることから、職員の心の健康づくりを推進していくためには、職場環境の改善も含

め、総括安全衛生管理者を中心とした組織的・計画的なメンタルヘルスケアを積極的に推進

していくことが重要である。

このため、総括安全衛生管理者は、ストレスチェック制度を含めた職場におけるメンタル

ヘルスケアを積極的に推進するとともに、中央安全衛生委員会において十分調査審議を行い、

メンタルヘルスケアに関する職場の現状とその問題点を明確にし、その問題点を解決する具

体的な取組を実施していく。

これらの具体的な取組の実施には、ストレスチェック制度の十分な活用や職場環境等の改

善を通じて、メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」、メンタルヘルス不調を早

期に発見し、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった職員の職場復帰

支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。

これらの取組においては、教育研修、情報提供及び「セルフケア」「ラインによるケア」

「健康管理担当スタッフ等によるケア」「外部資源によるケア」の4つのメンタルヘルスケア

が計画的かつ継続的に行われるようにすることが重要である。

(4)メンタルヘルスケア推進上の留意事項

メンタルヘルスケアを推進するに当たって、次の事項に留意する。

ア 心の健康問題の特性の理解

心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、その評価には、職員本

人から心身の状況に関する情報を取得する必要があり、さらに、心の健康問題の発生過程

には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいため、職員自らの気付きと併せて周囲

のフォローも重要である。

職員誰もが心の健康問題を抱える可能性がある中で、心の健康問題として理解されない

ため、やる気などの勤務態度や能力の低さと誤解して対応している場合もある。また、心

の健康問題には、偏見がつきまといやすいため、怠けていると捉えたり、自分には関係な

い心の弱い者がなると誤解するような場合もある。そのため、職員の全てが心の健康問題

に関する正しい知識の理解が必要である。

イ 職員の個人情報保護への配慮

メンタルヘルスケアを進めるに当たっては、健康情報を含む職員の個人情報の保護及び

職員の意志の尊重に留意することが重要である。心の健康に関する情報の収集及び利用に

当たっての、職員の個人情報への配慮は、職員が安心してメンタルヘルスケアに参加でき

ること、ひいてはメンタルヘルスケアがより効果的に推進されるための条件である。

ウ 人事管理との関係

心の健康は、体の健康に比較し職場配置、人事異動、職場の組織等の人事管理と密接に

関係する要因によって大きな影響を受けることも考えられることから、人事管理と適切な

連携を図っていく必要がある。

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エ 家庭・個人生活等の職場以外の問題

心の健康問題は職場のストレス要因だけでなく、家庭・個人生活等の職場以外のストレ

ス要因の影響を受ける場合も多く、また、それぞれの個性による要因等も心の健康問題に影

響を与えることがある。さらにはこれらの要因が複雑に関係し、相互に影響し合っているこ

とがある。

(5)中央安全衛生委員会における調査審議

メンタルヘルスケアの推進に当たっては、総括安全衛生管理者は職員等の意見を聴きつつ職

場の実態に即した取り組みを行う必要がある。

また、心の健康問題に適切に対処するためには、衛生管理医の助言を求めることも効果的な

ことから、中央安全衛生委員会を活用し、具体的な実施方策や個人情報の保護について等、十

分調査審議を行うことが必要である。

また、ストレスチェック制度に関しては、心理的な負担の程度を把握するための検査及び面

接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(平成27年4月15日心理的な負担

の程度を把握するための検査等指針公示第1号。以下「ストレスチェック指針」という。)に

より、中央安全衛生委員会等においてストレスチェックの実施方法等について調査審議を行う

など、ストレスチェック制度に関する調査審議とメンタルヘルスに関する調査審議を関連付け

て行うこととする。

(6)指針改正の経緯と今回の改正趣旨

平成19年7月に本指針を策定した後、国においては、平成23年1月1日から国家公務員

の病気休暇制度を改正し、これを受け病気休暇制度が短縮された。本県においても、平成24

年度から「傷病休暇が連続90日(特定疾病は180日)を越える日から休職」となった。

これらの経緯により、養護措置が年々増加している中、傷病休暇期間が少なくなるため、職

場復帰支援の充実が求められ、その支援方法について具体的に定める必要性が生じたため、厚

生労働省の手引きを受けて、本県教育委員会においても職場復帰支援の充実を図り、円滑な職

場復帰支援を実施するため、平成23年度中に「山梨県教育委員会心の健康づくり指針」を改

正し、心の健康問題の予防から職場復帰までの適切な対策を推進することとした。

なお、平成26年6月25日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26

年度法律第82号)を受け、職員が自身のストレスに気づきを促すとともに、職場改善につなげ、

働きやすい職場づくりを進めるための「ストレスチェック制度」を導入することにより、一次予

防をさらに強化し、効果的なメンタルヘルス対策の推進を図るため、平成28年度に改正するこ

ととした。

2 4つのメンタルヘルスケアの推進

メンタルヘルスケアには、職員自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを

予防、軽減あるいはこれに対処する「セルフケア」、職員と日常的に接する所属長等が心の健康

に関して職場環境等の改善や相談対応を行う「ラインによるケア」、福利給与課健康管理担当者

等が職員及び所属長等を支援する「健康管理担当スタッフ等によるケア」、外部機関及び専門家

を活用し、その支援を受ける「外部資源によるケア」の4つのケアがあり、これらを計画的・継

続的に行うことが重要である。

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(1)セルフケア(職員自ら行うストレスへの気付きと対処)

心の健康づくりを推進するためには、所属長も含め、職員自身がストレスに気づき、これ

に対処するための知識、方法を身につけ、それを実施することが重要である。ストレスに

気づくためには、ストレス要因に対する反応や心の健康について理解するとともに、自ら

のストレスや心の健康状態について正しく認識できるようにする必要がある。

このため、総括安全衛生管理者は職員に対してセルフケアに関する研修や情報提供を行

い、心の健康について理解を深めてもらうものとする。また、職員自身が気軽に所属長や

健康管理スタッフ等に自発的に相談しやすい環境に努めていくものとする。

また、ストレスへの気付きを促すためには、ストレスチェックの実施が重要であり、職

員は特別な理由がない限り、これを受けることが望ましい。

(2)ラインによるケア(所属長等が行う職場環境等の改善と相談への対応)

所属長等は、職員の日常の業務執行の中で、職場における具体的なストレス要因を把握し、

その要因の除去・軽減に努めるとともに、相談に応じていく。

このため、総括安全衛生管理者は所属長等に対して、ラインによるケアに関する研修、情報

提供の他、所属ごとに集団集計・分析したストレスチェック結果を所属長へ通知する。

所属長等は、集団集計・分析の結果をもとに、職場環境の改善の取組を図るとともに、県立

学校においては、学校安全衛生委員会等における職場環境の改善方法の検討等に活用する。

(3)健康管理担当スタッフ等によるケア(衛生管理医・保健師等によるケア)

健康管理担当スタッフ等はセルフケア及びラインによるケアが効果的に実施されるよう、職

員及び所属長等に対する支援を行う。また、具体的なメンタルヘルスケアに関する企画立案、

健康情報の取扱、外部資源とのネットワークの形成やその窓口となること等、実施に当たり、

中心的な役割を果たすものである。

このため、総括安全衛生管理者は健康管理担当スタッフ等によるケアが、適切・効果的に実

施できるよう、職務に応じた専門的な知識修得等の機会を提供するとともに、メンタルヘルス

ケアに関する方針を明示し実施すべき事項を指示、また、職員からの自発的相談やストレスチ

ェックの結果の通知を受けた職員からの相談等を受けることができる制度及び体制を整えるも

のとする。

なお、総括安全衛生管理者は、メンタルヘルスの不調な状態にある職員に対する就業上の配

慮について、健康管理担当スタッフ等に意見を求め、これを尊重する。

(4)外部資源によるケア(外部の専門機関・専門家によるケア)

メンタルヘルスケアを行う上では、職場が抱える問題や求めるサービスに応じて、メンタル

ヘルスケアに関し専門的な知識を有する各種の外部資源の支援を活用することが有効である。

また、職員が職場内での相談等を望まない場合には、外部資源を活用することが効果的であ

る。

このため、メンタルヘルスケアに関する専門的な知識・情報が必要な場合は、健康管理担

当スタッフ等が窓口となって、外部資源から必要な情報提供や助言を受けるなど円滑な連携を

図るよう努めるものとする。また、必要に応じて速やかに外部の医療機関や地域保健機関に紹

介するためのネットワークを日頃から形成しておくものとする。

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(5)4つのケアにおけるそれぞれの役割

メンタルヘルスケア 担い手 役 割

セルフケア 職員

○ ストレスへの気付き、対処

(年1回ストレスチェックを受検、その結果をも

とにセルフケアの実践)

○ メンタル相談等の活用

○ 研修への参加

○ 早期受診

○ ストレスチェックの結果「高ストレス者」と判

定され、医師による面接指導を勧められた場合、

面接指導を受ける。

ラインによるケア

所属長等

○ セルフケアへの支援

○ 職員からの相談対応

○ 職場環境等の改善(ストレスチェックの集団集

計・分析結果を参考とする)

○ ストレスチェックの面接指導実施者のうち就業

上の措置が必要な者への対応

健康管理担当スタッフ

等によるケア

健康管理担当

(福利給与課)

○ セルフケア、ラインによるケアが効果的に実

施されるよう職員・所属長等の支援

○ 個別の相談対応・情報提供

○ 教育研修の企画、実施

○ 外部資源等の紹介

○ ネットワークづくり

○ 職場復帰等への支援

○ ストレスチェック制度の実施者としての役割・

対応

人事担当

(総務課・

高校教育課)

○ 人事労務管理上の問題点の把握

○ 労働条件の改善、配置転換・異動等の配慮

○ 労働時間管理の適正化

○ ストレスチェック制度に基づく就業上の措置

外部資源によるケア

外部の専門

機関・専門家

○ 専門的な知識や情報等の提供、広報

○ 教育研修の開催

○ 個別の相談・診療

○ 研修会における講師派遣

○ ネットワークへの参加

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総括安全

衛生管理者

・職員の危険または健康障害を防止するための措置に関すること

・職員の安全または衛生のための教育の実施に関すること

・健康診断の実施、その他健康の保持増進のための措置に関すること

(労働安全衛生法第10条 一部抜粋)

※総括安全衛生管理者:一定規模以上の事業場について、事業者に選任を義務づけ、安全管理者、

衛生管理者等、技術的事項を管理する者を指揮し、安全衛生に関する業務

の統括管理を行う者をいう。

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3 メンタルヘルスケアの具体的進め方

メンタルヘルスケアは、2に掲げた4つのケアを計画的かつ継続的に実施することが基本であ

るが、具体的な推進に当たっては、関係者が相互に連携し、以下の取組を積極的に推進すること

が効果的である。

(1)メンタルヘルスケアを推進するための研修・情報提供

ア 職員への研修・情報提供

総括安全衛生管理者は、セルフケアを推進するため、所属長等を含む全ての職員に対し

て、次に掲げる項目を内容とする研修や情報提供を行う。

(ア) メンタルヘルスケアに関する県教育委員会の方針

(イ) ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識

(ウ) セルフケアの重要性及び心の健康問題に対する正しい態度

(エ) ストレスへの気付き方

(オ) ストレスの予防、軽減及びストレスへの対処の方法

(カ) 自発的な相談の有用性

(キ) 相談先及び外部資源に関する情報

(ク) 健康情報を含む職員の個人情報の保護等

イ 所属長等への研修・情報提供

所属長等は、それぞれの職責に応じたメンタルヘルス関連の知識を得るとともに、問題発

生時あるいは発生が予測される場合の適時適切な対応が求められる。また、自らの重責に対

応するためのセルフケアの知識を得ておく必要がある。

このため、総括安全衛生管理者は、所属長等に対して、次に掲げる項目等を内容とする研

修や情報提供を行う。

(ア) メンタルヘルスケアに関する県教育委員会の方針

(イ) 職場でメンタルヘルスケアを行う意義

(ウ) ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識

(エ) 所属長等の役割及び心の健康問題に対する正しい態度

(オ) 職場環境等の評価及び改善の方法

(カ) 職員からの相談への対応方法(話の聴き方、情報提供及び助言の方法等)

(キ) 心の健康問題により休業した職員の職場復帰への支援の方法

(ク) 健康管理担当スタッフ等との連携及びこれを通じた外部資源との連携方法

(ケ) セルフケアの方法

(コ) 相談先及び外部資源に関する情報

(サ) 健康情報を含む職員の個人情報の保護等

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ウ 健康管理担当スタッフ等への研修

健康管理スタッフ等は、メンタルヘルスに関する専門的知識を得るとともに、心身両面に

わたる健康管理に関する今日的課題を捉え、それに対応するための技量の向上を図る必要が

ある。

このため、外部での研修会等へ積極的に参加するよう努めるとともに、問題発生時の即時

の対応と専門家との役割分担や連携体制の構築などに、専門職として臨むことができるよう

にする必要がある。

(2)職場環境等の把握と改善

職員の心の健康には、勤務環境、勤務時間、仕事の量と質、パワーハラスメントやセクシュ

アルハラスメント等職場内のハラスメントを含む職場の人間関係、職場の組織及び人事管理体

制等が影響を与えるものであり、職場レイアウト、コミュニケーション、職場組織の改善など

を通じた職場環境等の改善は、心の健康の保持増進に効果的である。

このため、総括安全衛生管理者は、メンタルヘルス不調の未然防止を図る観点から必要に応

じて職場環境等の改善への取り組みを行う。

ア 職場環境等の評価と問題点の把握

職場環境等を改善するためには、まず職場環境等を評価し、具体的問題点を把握すること

が必要である。このため、総括安全衛生管理者は、所属長等による日常の職場管理や職員か

らの意見聴取の結果を通じ、またストレスチェック結果の集団ごとの分析結果や面接指導等

の結果を活用して、職場環境等の具体的問題点を把握するものとする。

職場でのストレスのおもな要因

職場の人間関係 □ 同僚・上司との対立、無支援

□ 競争

作業条件

□ 仕事量(多すぎる、あるいは少なすぎる)

□ 仕事内容

□ 長時間労働、休憩時間の不足

□ OA機器の操作、単純作業

環境条件 □ 人事異動、出向、単身赴任

□ 気温、換気、照明、騒音、レイアウト等 (財)地方公務員安全衛生推進協会「メンタルヘルス不全を正しく知るためのQ&A」から抜粋

イ 職場環境等の改善

所属長等は、職場環境を評価し、問題を把握した上で、職場環境のみならず、勤務形態や

職場組織の見直し等の様々な観点から職場環境の改善を行う。職員の状況を日常的に把握

し、過度な長時間勤務や疲労、ストレス、責任等が生じないよう、職員の能力、適性及び

職務内容に合わせた配慮を行うことが重要である。

総括安全衛生管理者は、その改善の効果を定期的に評価し、効果が不十分な場合には取り

組み方法などを見直す等、対策がより効果的なものになるよう継続的な取り組みに努める。

これらの改善を行う際には必要に応じて、外部資源の助言及び協力を求めることが望まし

い。

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なお、職場環境の改善に当たっては、職員の意見を踏まえる必要があり、職員が参加して

行う職場環境の改善手法等を活用することも有効である。

(3)メンタルヘルスの不調への気付きと対応

ストレス要因の除去または軽減やストレスへの対処などの予防策が重要であるが、これらの

措置を実施したにもかかわらず、メンタルヘルス不調に陥る職員が発生した場合は、その早期

発見と適切な対応を行うことが必要である。

このため、総括安全衛生管理者は、個人情報の保護に十分留意しつつ、職員、所属長等や家

族からの相談に対して適切に対応できる体制を整備する。さらに、相談等により把握した情報

を基に必要な配慮を行うとともに、必要に応じて衛生管理医や外部の医療機関につないでいく

ことができるネットワークの整備に努める。

ア 職員による自発的な相談とセルフチェック

総括安全衛生管理者はセルフケアを推進するため、職員が上司や専門家に対して相談で

きる体制を整備し、職員が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行う。

また、ストレスへの気付きのために、職員ポータルを活用したセルフチェックを行う機

会を提供する。

自分で気付く変化

□ 仕事への意欲や集中力が減る

□ 考えがまとまらず、堂々巡りし、決断できない

□ 今まで興味があったことにも関心がなくなる

□ 気分が落ち込み楽しくない

□ 自責感がある

□ 自らの無価値感がある

□ 将来に対して悲観的になる

□ 様々な身体症状が出現

無気力、倦怠感が強い(特に朝方が強い)、頭重感、頭痛、めまい、食欲低下、

吐き気、微熱、睡眠障害(入眠障害、浅眠、早朝覚醒)、動悸、息切れ

人事院職員福祉局「心の健康のための早期対応と円滑な職場復帰」から抜粋

イ 所属長、健康管理担当スタッフ等による相談対応等

所属長等は、日常的に職員からの自発的な相談に対応するよう努める。

特に、長時間勤務等により過労状態にある職員、ストレスチェックにより高ストレス者に

選定された職員、強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した職員、その他、特に個別な配慮

が必要と思われる職員から話を聞き、適切な情報を提供し、必要に応じ健康管理担当スタッ

フ等や外部資源への相談や受診を促すよう努める。

健康管理担当スタッフ等は、所属長等と協力し、職員の気づきを促して保健指導、健康相

談等を行うとともに、相談等により把握した情報を基に、必要に応じて外部の医療機関への

相談や受診を勧奨する。

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周囲が気付く変化(以前の状態との比較)

□ 表情が暗くなり元気がなくなる

□ 仕事の能率が低下する

□ 積極性や決断力が低下する

□ 凡ミスや事故が増加する

□ 遅刻、欠勤、早退が増加する

□ 周囲の人との会話や交流が減少する

口 飲酒による問題を起こすようになる

□ 様々な身体症状(頭重感、めまい、倦怠感、筋肉痛、関節症等)を訴える

中央労働災害防止協会「こころのリスクマネジメント」から抜粋

周囲の対応(した方がよいこと)

□ 声をかけて、10ページの「自分で気付く変化」、症状、原因について聞く

□ 症状が軽く、日常業務ができている場合、原因(例えば仕事の負担、人間関係など)に

対して、必要があれば職場環境の調整(仕事量の調整、サポートの強化等)を行う

□ 職場環境調整後の表情・行動の改善、評価などを聴いて、対策の有効性を検討する

□ 休養が必要と考えられた場合、ゆっくり療養できる環境をつくる

□ 療養中は、運動や気分転換も無理には勧めない

□ 治療が必要な場合は主治医の指示(服薬、治療期間)を尊重する

□ 重要な決断(退職等)は病気が回復してからするように促す

□ 健康管理担当スタッフ等との連携

・本人の話を聴いた上で、健康管理担当スタッフと相談することを勧める

・所属長としても、できるだけ本人が困っている問題解決の援助をすることを伝える

・上司としてどのような対応をとったらよいのか健康管理担当スタッフと相談する

周囲の対応(言わない、しないがよいこと)

□ 叱ったり非難したりしない

「そんなことでどうする」「自分の立場がわかっているのか」

□ 無理に励まさない

「頑張れ」「気合いを入れて乗り切れ」「重要なポストにおり期待されている」

□ 気分の問題にしない

「気の持ち方の問題だ」「気にしないことが大事」「気分転換したら」

□ 努力の問題にしない

「もっとしっかりしなさいと」「努力が足りない」

□ 行動を促すことをしない

「運動してみたら」「旅行してみたら」「思いきって・・・したら」

中央労働災害防止協会「こころのリスクマネジメント」から抜粋

ウ 職員の家族による気付きや支援の促進

職員に日常接している家族は、職員がメンタルヘルス不調に陥った際、最初に気付くこと

が多く、また、治療勧奨、休業中、職場復帰時及び復帰後の各サポートなど、メンタルヘル

スケアに大きな役割を果たす。

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このため、健康管理担当スタッフ等は、職員の家族に対して、ストレスやメンタルヘルス

ケアに関する相談窓口等の情報を広報誌等を通じて提供していく。また、家族からの相談に

ついても、健康管理担当スタッフ等や所属長等が支援していく。

(4) 職場復帰における支援

メンタルヘルス不調により休業した職員が円滑に職場復帰し、就業を継続できるようにす

るため、総括安全衛生管理者はその職員に対する支援として、次に掲げる事項を適切に行う。

ア 円滑な職場復帰に向けて復帰に至るまでの一連の標準的な流れを明らかにし、それに対応

する職場復帰の支援を行う。注)「職場復帰支援の流れ」は19ページ参照

イ 職場復帰の支援に当たっては、職員の個人情報の保護に十分留意しながら、健康管理担当

スタッフ等を中心に職員、所属長等がお互いに十分な理解と協力を行うとともに、主治医と

の連携を図りながら取り組む。

ウ 専門的な助言や指導を必要とする場合には、それぞれの役割に応じた外部資源を活用する。

4 メンタルヘルスケアに関する個人情報の保護への配慮

メンタルヘルスケアを進めるに当たっては、健康情報を含む職員の個人情報の保護に配慮する

ことが極めて重要であり、その取得、保管、利用等においては特に適切な取扱いを行う。

特に、メンタルヘルス不調の職員への対応に当たっては、上司等の理解と協力を得るため、当

該職員の個人情報を適切に活用することが必要となる場合もあるが、その取扱には十分注意す

る。

さらに、ストレスチェック制度における健康情報の取扱いについては、「ストレスチェック制

度実施要領」等を遵守し、職員の健康情報の適正な取扱を図る。

(1)情報の収集と職員の同意

メンタルヘルスケアを推進するにあたって、個人情報を主治医等や家族から取得する際に

は、あらかじめこれらの情報を取得する目的を明らかにして同意を得ることとし、職員の健康

情報等の内容は必要最小限とし、支援及び安全配慮義務の履行を目的とした内容に限定する。

また、健康管理担当スタッフ等が、健康情報を含む職員の個人情報を医療機関等の第三者へ

提供する場合も、原則として職員の同意を求めることが必要である。

ただし、生命や健康の保護のため緊急かつ重要であると判断される場合は、職員の同意を得

ることに努めたうえで、必要な範囲で提供する場合もあることに留意する。その際には、その

判断について衛生管理医に相談することが適当である。

なお、これらの個人情報の取得又は提供の際には、なるべく本人を介して行うことが望まし

く、その際には個別に同意を得る必要がある。

また、ストレスチェック制度によるストレスチェック実施者(衛生管理医・健康管理担当保

健師)は、職員の同意がない限り、その結果を所属長に提供してはならない。

(2)健康管理担当スタッフ等による健康情報の扱い

健康管理担当スタッフ等は、職員や所属長等からの相談等に際して、メンタルヘルスに関す

る個人情報が集まるため、その取扱いについては一層の注意を行う必要がある。職員の健康情

報等についてはそれを取り扱う者とその権限を明確にし、支援に関わる者がそれぞれの責務を

遂行する上で必要な範囲の情報に限定して取り扱うことを原則とする。

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また、健康相談や面接指導等により知り得た個人情報の中で、総括安全衛生管理者や主治医

等に提供する場合には、当該職員の健康を確保するための就業上の措置を実施するために必要

な情報が的確に伝達されるよう、集約・整理等を行った上で提供するものとし、診断名、検査

値、具体的な愁訴の内容等の加工前の情報又は詳細な医学的情報は提供してはならない。

(3)健康情報の取扱いに関する守秘義務の周知

健康情報の保護に関して、医師や保健師については、法令で守秘義務が課されており、また、

労働安全衛生法では、健康診断又は面接指導の実施に関する事務を取扱う者に対する守秘義務

を課している。

しかし、メンタルヘルスケアの実施においては、法令で守秘義務が課された者以外の者が健

康情報を含む個人情報を取扱うこともある。このため、総括安全衛生管理者は、これら職員に

対しても健康情報の守秘義務について周知徹底を図る等、職員の健康情報等の漏洩防止措置を

厳重に講ずる必要がある。健康情報等については、職員の安全や健康への配慮等の目的がある

場合に活用されるべきであり、個々のケースに照らし、その利用の必要性と情報漏洩等の防止

の重要性を比較して、適切な判断がなされる必要がある。ただし、情報提供が行われないため

に、衛生管理医が必要な職務が行われなくなることがないよう留意する必要がある。

(4)個人情報の保護に関する法令・指針等の遵守

個人情報の保護、個人情報の適正な取扱い、健康情報を取り扱うに当たっての留意事項等に

関しては、「個人情報の保護に関する法律」「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確

保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」「雇用管理に関する個人情報のうち健康情

報を取り扱うに当たっての留意事項について」等の趣旨及び内容を十分に理解し、これらを遵

守し、職員の健康情報の適正な取扱いを図る必要がある。

5 心の健康に関する情報を理由とした不利益な取扱の防止

メンタルヘルスケア等を通じて把握した職員の心の健康に関する情報は、当該職員の健康保持

に必要な範囲で利用されるべきものであり、その範囲を超えて、当該職員に対して不利益な取扱

いを行わないこととする。

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6 メンタルヘルス活動の実際

(1)心の健康の保持増進と適応力づくり(一次予防)

【一次予防とは】

全職員を対象として、心身の健康を保持・増進し、メンタルヘルス不調の状態を生

じさせないようにする。また、そのおそれが生じたときにメンタルヘルス不調の状態

に陥ることを回避させる。

一次予防の実際

ストレスへの気付きと対処

ア 心の健康について理解を深めるための知識の修得

イ 自らがストレスの状態に気付き、心身のリフレッシュに努める

ウ 定期健康健診を受診

エ ストレスチェックを受検し、自らのストレスに気づき、セルフケアに努

める

10~11

ページ参照

職場環境等の把握と改善

日頃からの職員との信頼関係づくり

職員の健康状態のチェック

職員からの相談への対応と必要に応じて健康管理担当スタッフや外部資源

への相談・受診を勧奨

ストレスチェックに基づく就業上の措置

9ページ参照

11ページ参照

職員の健康状態の把握と健康管理

ア 健康管理事業の充実

(ア) 各種健康診断の内容の充実を図るとともに、受診率の向上に努める

(イ) 職員の心身の健康状態を把握し、有所見者には衛生管理医の面接や

健康管理担当保健師による健康相談を実施する

(定期健康診断問診票にメンタルチェックの項目あり)

(ウ) 健康診断結果を分析し、フォローアップに努める

イ 自らのストレスや心の健康状態把握方法の提示

ストレスチェックシートを広報誌に掲載する等、チェック方法の情報を

提供する

ウ ストレスチェックの実施

(ア) ストレスチェック制度の体制整備・職員への周知・受検率の向上に

努める

(イ) ストレスチェック制度の実施(受検勧奨)・結果通知・セルフケアの

情報提供

10~13ペーシ

゙参照

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(ウ) 高ストレスの選定・高ストレス者への結果通知・面接指導の勧奨

(エ) 集団分析の実施・所属への集団分析結果の提供

職員や職場への個別対応

ア 気軽に相談できるよう、相談窓口の周知に努める

(ア)衛生管理医によるメンタルヘルス相談、健康相談

(イ)健康管理担当保健師による電話、メール等による健康相談

(ウ)外部機関による健康相談

イ 巡回健康相談(衛生管理医、保健師による職場への巡回健康相談)

ウ 長時間勤務による健康障害防止対策として、衛生管理医による健康相談

を実施する

研修会開催

メンタルヘルス研修会等の開催

対象:一般職員・管理職

知識の普及

各種資料・冊子等を配付し、情報提供を行う

ストレス解消・心身のリフレッシュ

各種福利厚生事業や健康管理事業の周知

組織的な取組

中央安全衛生委員会等における計画的・継続的な対策の推進と検証

ストレスチェック制度の実施方法・評価等を行う

30~32

ページ参照

29ページ参照

職場からの相談への対応

所属から人事面での相談を受けた場合は、適切な対応に努める

労働時間管理の適正化

年休の取得の推進、労働時間管理の適正化を図る

職員に対する研修の実施

メンタルヘルスに関する職員研修の充実を図り、正しい知識の普及に努

める

ストレスチェックに基づく就業上の措置

(2)メンタルヘルスの不調の早期発見・早期対応(二次予防)

【二次予防とは】

メンタルヘルスの不調な状態に陥った職員を早期に発見し、早期に治療等適切な

措置が講じられるようにする

重症化を防ぎ、できるだけ短期間の治療で職場復帰できるようにする

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二次予防の実際

早期発見・早期対応

ア 同僚の勤務状態・言動・対人関係等の変化からメンタルヘルス不調の状態

を早期に発見する

イ 同僚の変化に気付いたら、親しい職員を中心に相談にのり、上司や健康管

理担当への相談、メンタルヘルス相談等を勧める

10~11

ページ参照

早期発見

勤務状態・言動・態度・対人関係等の変化からメンタルヘルス不調の状態を

早期に発見し職員と面談する

早期対応

ア 必要に応じ本人の同意を得た上で、家族と連携しながら、健康管理担当ス

タッフ等の相談、メンタルヘルス相談・医療機関等につなぐ

イ 必要に応じ本人の同意を得た上で、主治医と連携を取りながら支援する

ウ メンタルヘルス不調の状態で療養が必要な時、休暇が20日間を超える場

合は、山梨県教育委員会安全衛生管理規程に基づき、「職員健康状況報告

書」により総括安全衛生管理者に届け出る

エ 本人の不安軽減のため、充分な情報を提供する

オ 本人の回復状況、今後の見込み等について情報収集を行う

10~11

ページ参照

「山梨県教育委

員会安全衛生管

理規程」参照

早期発見・早期対応のチェック方法の提示

所属長等や周囲の職員が、メンタルヘルス不調の状態を早期に発見できる

ようなチェックポイントと対応方法を提示する

相談体制の整備

ア 職員や職場等の相談に対して、適切なアドバイスを行う

イ 健康管理担当スタッフ等の資質の向上に努める

ウ 上司、同僚、家族等からの相談も受けられることを周知する

エ メンタルヘルス相談等の周知、利用しやすい提供方法について検討、実施

オ メンタルヘルス研修会の開催

一般職員・所属長等を対象に、対応方法等について研修会を実施する

カ 対応事例等について分析する

傾向や法則性の有無を分析し、各種対策に反映させる

10~11

ページ参照

人事管理

所属からのメンタルヘルス不調となった職員に係る相談や各種報告により

問題を把握した場合は、適切に対処する

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(3)メンタルヘルスの不調からの回復と職場復帰・再発予防(三次予防)

【三次予防とは】

メンタルヘルス不調な状態のために療養していた職員が、職場に復帰する際、その

円滑な復帰を図るとともに、再びメンタルヘルス不調状態に陥ることを防止する

三次予防の実際

本人への支援

ア 職場復帰に向けての面談時、2週間位前からの生活リズム・日程表等を

提出してもらい、現在の状態を客観的に把握する

イ 職場復帰は、原則として元の職場で元の仕事を行う

ウ 仕事の種類と量は、本人の希望・主治医等の意見を参考に、段階的に

実施する

エ 確実に通院できるように配慮する

周囲の職員への配慮

ア 復帰に向けての方針等を職員に説明する

イ 特別視せずに同僚として暖かく迎える職場環境づくりに配慮する

ウ 周囲の職員の負担感が強くならないように配慮する

関係者との連携

ア 復帰後の職員の健康状態について、健康管理担当と協力しながら注意

深い観察を行う

イ 人事管理上の問題については、人事担当と連携し適切な対応を行う

主治医への情報提供

職場で必要とされる業務遂行能力や勤務制度等に関する情報を提供する

18~25

ページ参照

相談体制の整備

本人、所属長等、家族から相談があった場合は、本人の同意を得た上で

必要に応じて主治医等と連携を取りながら、適切な指導を行う

本人の療養中や職場復帰時に、所属長等と対応方法を協議

職場復帰プランの作成

安全で円滑な職場復帰を支援するため、養護措置となった職員の病状が

安定したら健康管理担当・衛生管理医が面接を行い、職場復帰支援プラン

を「職場復帰支援に関する面接記録票」(参考資料2)にまとめ、関係者が

職場復帰支援を進められるよう所属長等と確認する

衛生管理医は、必要時、本人の同意を得た上で主治医へ意見収集する

職場リハビリテーション

職場リハビリテーションを実施する職員に対して、安全で円滑な実施が

できるよう配慮する

外部資源の活用

主治医と相談する中で、必要に応じリワークプログラム・認知行動療法

・カウンセリング相談等外部機関の活用を勧める

22ページ参照

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職場復帰に向けた環境の整備等

ア 職場復帰に当たり所属から相談を受けた場合は、「職場リハビリテーシ

ョン」の活用を勧めるなど円滑な職場復帰を推進する

イ 人事管理上の問題点を把握し、職場復帰支援に必要な労働条件の改善や

配置転換、異動等について配慮を行う

ウ 職場復帰支援においては、所属長・衛生管理医・健康管理担当と連携し

ながら円滑に進むよう調整を行う

18~25

ページ参照

(4)職場復帰

心の健康問題等、メンタルヘルス不調の状態により休業した場合、身体的疾患の職場復帰に

比べ、「完治」や「治癒」での復職は比較的少なく、通常は服薬しながらの「寛解」や「軽快」

による復職となるため、再発例も少なくない。

このため、円滑に職場に復帰し業務が継続できるよう、職員本人、主治医、所属長等及び健

康管理スタッフが互いに連携を図り、取り組む必要がある。

職場復帰の本人側の目安

□ 症状が安定していて、再発のおそれが少ないこと

□ 仕事に対する意欲が見られること

□ 職務を行うための、持続力、集中力、体力があること

□ 必要な程度に対人関係能力が改善されていること

□ 家庭や職場での生活のリズムが確立していること

□ 再発防止のため、通院や服薬などが順守できること

(財)地方公務員安全衛生推進協会「職場のメンタルヘルス」から抜粋

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職場復帰者を支援するための所属長等の心得

□ 特別な理由がない限り、原則として元の職場に復帰させる

□ 他の部下と同様に処遇し、必要以上に特別扱いしない

□ 元の仕事に比較して単純な作業を労働時間に見合った量だけ与える

□ 職場復帰者の心理状態には波があるので、良好な状態、低下した状態、平均的な状態に区分し、そ

れぞれのレベルと持続時間を総合して回復状況を把握する

□ 順調に回復しているように見える場合でも、3~6か月後に再発することがあることも留意する

□ 長時間にわたる定期的な通院が必要な者が多いが「通院することはよいことだ」と支持する

□ 医師から処方されている薬を飲むことに対する否定的な発言をしない

□ 上手くいかないことも多い。自分だけで背負い込まず、健康管理担当スタッフ等と連携を取りなが

ら対応する

(財)地方公務員安全衛生推進協会「地方公務員の健康管理」第4版

ア 職場復帰支援の流れ

<第1ステップ> 養護措置開始及び休業中のケア

(ア) 職員からの診断書(病気休業診断書)の提出

(イ) 所属長、健康管理担当スタッフ等によるケア

(ウ) 職員の安心感の醸成のための対応

(エ) その他

<第2ステップ> 主治医による職場復帰可能の判断

(ア) 職員からの職場復帰の意思表示及び職場復帰可能の診断書の提出

(イ) 衛生管理医による精査

(ウ) 主治医への情報提供

<第3ステップ> 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援

(ア) 情報の収集と評価

a 職員の職場復帰に対する意志の確認

b 健康管理担当等による主治医からの意見収集

c 職員の状態等の評価

d 職場環境の評価

e その他

(イ) 職場復帰の可否についての判断

(ウ) 職場復帰支援プランの作成(職場復帰支援に関する面接記録票使用:参考資料2)

a 職場復帰日

b 所属長等による業務上の配慮

c 人事管理上の対応

d 衛生管理医による医学的見地からみた意見

e フォローアップ

f その他

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<第4ステップ>最終的な職場復帰の決定

(ア) 職員の状態の最終確認

(イ) 衛生管理医による職場復帰に関する診断書の作成

(ウ) 総括安全衛生管理者による最終的な職場復帰の決定

(エ) その他

職 場 復 帰

<第5ステップ>職場復帰後のフォーローアップ

(ア) 症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認

(イ) 勤務状況及び業務遂行能力の評価

(ウ) 職場復帰支援プランの実施状況の確認

(エ) 治療状況の確認

(オ) 職場復帰プランの評価と見直し

(カ) 職場環境等の改善

(キ) 所属長、上司、同僚等への配慮等

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イ 職場復帰支援の各ステップ

<第1ステップ>養護措置開始及び休業中のケア

(ア)職員からの診断書(病気休業診断書)の提出

病気休業の開始においては、主治医によって作成された診断書を職員から所属長に提出す

る。診断書には病気休業を必要とする旨の他、職場復帰の準備を計画的に行えるよう、必要

な療養期間の見込みについて明記してもらうことが望ましい。

(イ)所属長、健康管理担当スタッフ等によるケア

所属長は、病気休業診断書が提出されたことを、人事担当及び健康管理担当に連絡し、病

気休業が20日以上になる場合は、山梨県教育委員会安全衛生管理規程第16条に基づき職

員健康状況報告書を総括安全衛生管理者(福利給与課)に提出する。休業を開始する職員に

対しては、療養に専念できるよう安心させると同時に、休業中の事務手続きや職場復帰支援

の手順についての説明を行い、職員の回復状態、今後の見込み等について情報収集を行う。

所属長及び健康管理担当スタッフ等は、必要な連絡事項及び職場復帰支援のためにあらか

じめ検討が必要な事項について職員に連絡を取る。場合によっては職員の同意を得た上で主

治医と連絡を取ることも必要となる。

情報収集例

① 主治医から:病状と今後の見通し・疾病の発症または悪化の要因・復帰時に必要とな

る職務上の配慮等

② 家族から:療養状況・疾病の発症または悪化の要因・職場への要望等

③ 前所属から:勤務状況・周囲との関係・ストレス状況等

(ウ)職員の安心感の醸成のための対応

所属長等は、養護措置期間中においても、職員が安心して療養できるようにするため、本

人の不安や悩みを把握し、精神的な孤独、復職や今後のキャリア等への不安に関して十分な

情報を提供する。また、休業中の経済的・将来的な不安を軽減するため、必要により制度等

の説明を行う。

また、不安や悩みなどを相談できる場があることを、健康相談窓口一覧(参考資料4)や

外部機関の健康相談窓口一覧(参考資料5)等で情報提供をする。

職員との接触のタイミングは診断書や休業中の事務手続き等の提出のタイミングに行う

と、職員への負担が軽減されることがある。

(エ)その他

養護措置や休職の規則について、あらかじめ周知しておくことが望ましい。

<第2ステップ>主治医による職場復帰可能の判断

(ア)職員から職場復帰の意思表示及び職場復帰可能の診断書の提出

所属長は、職員から職場復帰の意思表示があったら職員の状況を確認した上で、健康管理

担当と連携し、職員の了解を得た上で主治医と医師連絡を行い、職員の回復状況を確認する。

また、より円滑な職場復帰支援を行うためには、職場復帰の時点で求められる業務遂行能

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力を主治医に理解してもらうことが必要となる。そのため、主治医に職場で必要とされる業

務遂行能力の内容や勤務制度等に関する情報を提供し、就業が可能な回復レベルに達した段

階で復職に関する診断書の提出を依頼する。

なお、休職になっていない職員については、再度の養護措置の申請がないことで復帰と判

断する。

(イ)衛生管理医による精査

主治医から診断書が提出されたら、衛生管理医との面接を行い、医学的に業務に復帰可能

な程度に回復し、日常生活が安定し職場復帰可能な状態か判断する。

(ウ)主治医への情報提供

より円滑な職場復帰支援を行う上で、職場復帰の時点で求められる業務遂行能力は職員ご

とに多様なものであることから、あらかじめ主治医に対して職場で必要とされる業務遂行能

力の内容や制度等に関する情報を提供した上で、就業が可能な回復レベルで復職に関する診

断書を記入するよう依頼することが望ましい。

<第3ステップ>職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援

安全で円滑な職場復帰を支援するためには、最終的な職場復帰決定の前に、必要な情報の収

集と評価を行った上で職場復帰の可否を適切に判断し、職場復帰支援プランを準備しておくこ

とが必要である。このプロセスは、職場復帰支援の中心的な役割を果たすものであり、職員・

所属長・人事担当・衛生管理医・健康管理担当で十分に話し合い、よく連携しながら進める。

(ア)情報の収集と評価

職場復帰の可否については、職員及び関係者から必要な情報を適切に収集し、様々な視点

から評価を行いながら総合的に判断する。家族を含めた第三者からの個人情報の収集につい

ては、職員のプライバシーに十分配慮することが重要である。

また、衛生管理医は、診断書だけでは判断できない内容については、職員の同意を得た上

で「復帰支援に関する情報提供依頼書」(参考資料1)により主治医に情報提供を求める。

(イ)職場復帰の可否についての判断

(ア)の「情報の収集と評価」の結果をもとに、復帰後に求められる業務が可能かどうかにつ

いて、主治医の判断や衛生管理医等の医学的な考え方も考慮し、職場環境等に関する事項に

ついては、所属長の意見を十分に考慮しながら総合的に判断する。

(ウ)職場復帰支援プランの作成

職場復帰の可否及び職場復帰支援プランに関する話し合いの結果を健康管理担当が中心と

なり「職場復帰支援に関する面接記録票」(参考資料2)にまとめ、関係者がその内容を互

いに確認しながら、その後の職場復帰支援を進めていく。

なお、休職者については、仕事を長期に休み一時的に低下した体力や脳の機能回復を段階

的に進めるために、主治医の意見を確認した上で、模擬出勤、出勤訓練、試し出勤を実施す

る等、職員及び所属も安心して復帰できるよう計画する。なお、計画に際しては、20ペー

ジの職場リハビリテーション等の項を確認し計画することとする。

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<第4ステップ>最終的な職場復帰の決定

職場復帰の可否についての判断及び職場復帰支援プランの作成を経て、最終的な職場復帰の

決定を行う。

(ア)職員の状況の最終確認

主治医の診断書を基に衛生管理医による面接を行い、職員の状況(疾患の再燃・再発の有無、

回復過程における症状の動揺の様子・日常生活状況等)について最終的な確認を行う。

(イ)衛生管理医による診断書の作成

衛生管理医は、本人の状況を確認した上で、所属長、人事担当、健康管理担当から職場復

帰に関しての情報(職員の業務遂行能力の回復状況や職場環境等)を聴取の後、職場復帰が

可能か判断し、診断書を作成する。

(ウ)総括安全衛生管理者による最終的な職場復帰の決定

総括安全衛生管理者は、所属から提出された「主治医の診断書」及び「衛生管理医の診断

書」を基に、最終的な職場復帰の決定を行う。

(エ)その他

職場復帰についての所属の対応や就業上の配慮の内容等については、衛生管理医は、職員

を通じて主治医に「職場復帰及び就業上の配慮に関する情報提供書」(参考資料3)を提出

し、的確に伝わるようにする。

<第5ステップ>職場復帰後のフォローアップ

職場復帰後は、所属長による観察と支援を行う。所属として対応に困難が生じた時等は、人

事担当・健康管理担当と連携し対応を検討する。

また、再発防止のため必要に応じ衛生管理医等による定期的な面接を実施し、円滑な職場復

帰ができるよう支援する。

心の健康問題には様々な要因が複雑に重なり合っていることが多いため、職場復帰の可否の判

断や職場復帰支援プランの作成には多くの不確定要素が含まれる。たとえ周到に職場復帰の準

備を行ったとしても、実際には様々な事情から当初の計画どおりに職場復帰が進まないことも

ある。そのため、必要に応じて関係者が連携し職場復帰支援プランを見直し対応する。

なお、衛生管理医等による面談において、次の(ア)から(キ)までの事項を中心に職員及び所属長

から話を聞き、職場復帰支援プランの評価や見直しを行う。

(ア)疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認

(イ)勤務状況及び業務遂行能力の評価

(ウ)職場復帰支援プランの実施状況の確認

(エ)治療状況の確認

(オ)職場復帰支援プランの評価と見直し

(カ)職場環境等の改善等

(キ)所属長、同僚等への配慮等

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ウ 家族への支援・連携・協力

円滑な職場復帰には、家族による支援が重要となる。しかし、本人の心の健康問題が家族に強

い心理的負担を与えることもあり、職場復帰に強い不安と期待を持っていることも多い。このた

め、心の健康問題や職場復帰に関する情報提供や家族からの相談対応等を行う。

また、所属長等は、必要時には本人の同意を得た上で家族から情報を得て協力を依頼する。

エ 主治医との連携の仕方

主治医との連携に当たっては、事前に職員への説明と同意を得ておく必要がある。職員の病状

等により接触が困難な場合は、家族の了解を得ておくように努める。

また、所属長等は、主治医に対し、所属長・人事担当・衛生管理医・健康管理担当等それぞれ

の立場や役割、所属で必要とされる業務遂行能力、勤務制度、職場復帰支援に関する制度、把握

している職員の不安や悩み等について説明を行う。

その際、職員の職場復帰を支援する立場を基本として必要な情報交換が行われるように努める。

なお、衛生管理医は、必要に応じて「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を用いて主治医

に情報提供を依頼する。就業上の配慮が必要な場合には、所属長及び総括安全衛生管理者に意見

を述べることができる。

オ 職場リハビリテーション等

正式な職場復帰の決定の前に、模擬出勤、通勤訓練、試し出勤を実施することは、より早い段

階で職場復帰の試みを開始することができ、早期復帰に結びつくことが期待できる。また、長期

休業している職員は、職場復帰に向けての生活リズムを整え、就業に関する不安の緩和ができる

とともに、職員自身が実際の職場において自分自身及び職場の状況を確認しながら復帰の準備を

行うことができるため、主治医と連絡をとり適切な時期に実施する。

(ア) 模擬出勤:職場復帰前に、通常の勤務時間と同様な時間帯において、短時間又は通常の勤務

時間で、リワークプログラム・デイケア等で模擬的な軽作業やグループミーティ

ング等を行ったり、図書館などで時間を過ごす。

(イ) 通勤訓練:職場復帰前に自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動を行い、そのまま又

は職場付近で一定時間を過ごした後に帰宅する。

(ウ) 試し出勤:職場復帰前に元の所属等で試験的に一定期間継続して出勤する。

職場復帰を円滑に進めるために、適切な時期に模擬出勤、通勤訓練、試し出勤等、復帰のため

の準備を積極的に実施し、職員・所属ともに安心して復帰できるよう努める。なお、通勤訓練、

試し出勤の実施については、職場リハビリテーションとして段階的に実施することとする。ただ

し、主治医が自動車の運転を危険であると判断した場合は、通勤訓練及び職場復帰後の自動車通

勤は認めないものとする。

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カ 職場復帰後における就業上の配慮

円滑な職場復帰のためには、数か月にわたって休業していた職員に、いきなり発病前と同じ質、

量の仕事を期待することには無理があるため、職場復帰後の労働負荷を軽減し、段階的に元へ戻

す等の配慮は重要な対策となる。

なお、具体的な就業上の配慮例は次のとおりである。ただし、休職者については原則、通常勤

務での復帰とするが、職場リハビリテーション実施後の衛生管理医等との面接で、就業時間短

縮が必要と判定された者については、この限りではない。

また、就業時間短縮を行う場合には、適切な生活リズムが整っていることが望ましいため、始

業時間を遅らせるのではなく終業時間を早めることとする。

さらに、同僚に比べて過度に業務を軽減されることは職員・同僚ともにストレスを高めること

になるため、長期間の業務配慮は避けることとする。

具体的な就業上の配慮の例

(ア) 時間外勤務制限

(イ) 休日勤務等の制限

(ウ) 出張制限

(エ) 交替勤務制限

(オ) 就業時間短縮(午前8時30分~ )

(カ) 軽作業や単純業務への従事

(キ) 業務制限(窓口業務、苦情処理業務等の禁止又は免除)

(ク) 配置転換・異動についての配慮

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(5)メンタルヘルス対策事業一覧

ストレスチェック

知識の普及 (全組合員)

一 心次 の 保予 健 持 自らの気づき防 康 増

の 進 心身のリフレッシュ

健康セミナー

一般職員研修職員研修

管理職研修

職場環境等の把握と改善

相談窓口の整備と周知

長時間勤務職員の衛生管理医との面接

職員研修 一般職員研修(共済)二 早 管理職研修(再掲)次 期 早予 発 期 相談体制 一般相談防 見 対 メンタルヘルス相談(精神科医師)

・ 応 保健師による相談(面接・電話・メール・巡回健康相談)外部機関の電話・メール相談等

職場の同僚・所属長等の気付き 早期発見チェックポイント等

三 職 療養支援 療養相談 休業・休職者への相談次 場 再予 復 発 長期休職者所属への相談等防 帰 予

   防 家族への相談

職場復帰に向けての相談

復職支援 職場復帰支援制度(職場リハビリ)

再発防止のための相談

職場復帰のためのケースカンファレンス

衛生管理者研修会

共済やまなし「シリーズ健康」の掲載

ストレスチェックの実施

医師による面接指導の実施

職場環境の改善

相談窓口の整備と周知

健康知識宅配便等情報配付

ストレスチェックシートの活用等による早期気づき

各種福利厚生事業の活用によるストレス解消

メンタルヘルス研修会

健康増進セミナー等

職員・職場への個別対応

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【参考資料1】

平成 年 月 日

職場復帰支援に関する情報提供依頼書

病院

クリニック 先生 御机下

山梨県教育庁衛生管理医

次の職員の職場復帰支援に際し、情報提供依頼事項について情報提供及びご意見をいただければと

存じます。

なお、いただいた情報は、本人の職場復帰を支援する目的のみに使用され、プライバシーには十分

配慮しながら衛生管理医(産業医)が責任を持って管理いたします。

今後とも山梨県教育委員会職員の健康管理活動へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

1 職員

氏 名 ○ ○ ○ ○ (男・女)

生年月日 年 月 日

2 情報提供依頼事項

(1)発症から初診までの経過

(2)治療経過

(3)現在の状態(業務に影響を与える症状及び薬の副作用の可能性等も含めて)

(4)就業上の配慮に関するご意見(疾患の再燃・再発防止のために必要な注意事項など)

(5)

(6)

(7)

(本人記入)

私は本情報提供依頼書に関する説明を受け、情報提供文書の作成並びに衛生管理医への提

出について同意します。

年 月 日 氏名 印

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【参考資料2】

職場復帰支援に関する記録票

記録作成日 平成 年 月 日(記載者 ○○○○)

所 属 職員番号 氏 名 生年月日 男

昭和 年 月 日

面接日時:平成 年 月 日

出席者:

経過まとめ

養護措置期間・区分:平成 年 月 日~ 年 月 日( )

病名:

状況:

主治医意見

医療機関( ) 主治医名( ) 連絡先( )

治療状況等:

業務配慮についての意見:

現状の評価・

問題点

本人の状態:

職場環境等:

職場復帰予定日 平成 年 月 日復帰予定

職場復帰支援

プラン

* 所属長による業務配慮・人事管理上の対応・衛生管理医意見・フォローアップ・その

他を記入する

職場復帰の可否 可・不可・その他

(理由)

次回面接予定 平成 年 月 日 面接予定者:

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【参考資料3】

平成 年 月 日

職場復帰及び就業上の配慮に関する情報提供書

病院

クリニック 先生 御机下

山梨県教育庁衛生管理医

日頃から山梨県教育委員会職員の健康管理活動に、ご理解ご協力をいただき感謝申し上げます。

次の職員につきまして、今回の職場復帰においては、次の内容の就業上の配慮を図りながら支

援をしていきたいと考えております。

今後ともご指導の程、よろしくお願い申し上げます。

名 (生年月日 年 月 日 年齢 歳)

性別

男・女

復職(予定)日

就業上の配慮の

内容

・ 時間外勤務(禁止・制限 H) ・ 休日勤務(禁止・制限)

・ 出張(禁止・制限) ・ 交替勤務(禁止・制限)

・ 就業時間短縮( ~ ) ・ 配置転換・異動についての配慮

・ その他:

連絡事項

上記の措置期間 年 月 日 ~ 年 月 日

〈注:この情報提供書は職員本人を通じて直接主治医へ提出すること〉

*就業時間短縮は、職場リハビリテーション実施後の職場復帰判定会議において判定された者に限る。

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【参考資料4】

健康相談窓口一覧

平成27年度

名 称 内 容 等 開設日時・場所・連絡先等

一般健康相談

○衛生管理医・保健師による健康

相談

・定期健康診断や人間ドッグ等

の健診後の健康相談

・養護措置者等の健康診断

・その他健康全般に関する相談

○電話・メール・面接等による健康

相談

○衛生管理医

毎月第1・3水曜日

午後1時30分~

希望者は健康管理担当に事前に

予約が必要

○保健師

随時

メンタルヘルス相談 ○精神科医師による個別相談

様々なストレスやメンタルヘル

スについての相談

*対象 職員及び当該職員の家族

所属長等

○毎月第2火曜日 午後2時半~

会場:街の駅やまなし

○毎月第3金曜日

午後12時30分~

会場:かいてらす

○希望者は健康管理担当に事前に

予約が必要

巡回健康相談 ○保健師による定期健診・人間ドッ

ク等の結果説明及び日常生活に

ついての相談、その他健康全般に

関する相談等

○当該年度、健康相談日による。

本庁及び各県立学校等において

実施

健康相談に関する問い合わせ先:福利給与課健康管理担当 ℡ 055-223-1747

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【参考資料5】 外部機関の健康相談窓口一覧

名 称 内 容 等 開設日時・場所・連絡先等

教職員

健康相談24

○24時間電話健康相談:無料

○面談によるメンタルヘルス相談

5回まで無料

○セカンドオピニオン相談:無料

*本人・配偶者・被扶養者等が

利用可能

*プライバシーは厳守

○24時間年中無休

Tel 0120-24時間 やさしく

2 4 - 8 3 4 9

○面談予約受付デスク Tel 0120-783-269

○セカンドオピニオン Tel 0120-214-249

*利用方法

支部名(都道府県名)と名前を告げて

相談(匿名可)

(公立学校共済組合)

こころの電話

相談統一ダイ

ヤル

(内閣府)

○こころの問題について気軽に相

談できる公的窓口

○家庭・職場・学校などでの人間関

係やストレスによる様々な悩み

や不安、また、精神疾患や福祉制

度についての相談

○相談無料(通話料は利用者負担)

○山梨県精神保健福祉センターに

接続されます。

○統一ダイヤル

℡ 0570-064-556

○月曜日 9:00~12:00,13:00~16:00

○火曜日~金曜日

9:00~12:00,13:00~22:00

○土・日曜日・祝祭日・年末年始

16:00~22:00

※祝日、年末年始の月曜日定休

働く人のここ

ろの耳メール

相談

(厚生労働省)

○心身の不調や不安・悩み等メンタ

ルヘルスに関する相談

○産業カウンセラー等メール相談

員が対応

○メール相談1件につき1通のメ

ール返信で対応

○相談無料

○24時間対応

○平日の午前中までに受理したメールは、

36時間以内に返信

○金曜日の午後以降に受理したメールは、

週明け月曜日以降の返信

○年末年始の相談対応はない

○働く人の「こころの耳メール相談」検索

→利用規約に同意→メールフォームへ

こころほっとラ

イン

(厚生労働省)

○メンタルヘルス不調などの相談

に対応

○本人・家族・所属長等が利用可

○相談無料

○月曜日・火曜日

17:00~22:00

○土・日曜日

10:00~16:00

℡ 0120-565-455

メンタルヘル

スセンター

勤労者心の健

康相談

○メンタルヘルスに関する相談

○無料相談(通話料は利用者負担)

○山梨産業保健総合支援センター

の協力病院による相談

○月曜日~金曜日(祝祭日を除く)

14:00~20:00

℡044-434-7556

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名 称 内 容 等 開設日時・場所・連絡先等

働く人の悩み

ホットライン

○職場、くらし、家族、将来設計な

ど働く上での様々な悩み

○相談無料(通話料は利用者負担)

○相談時間は1回30分以内

○月曜日~土曜日

15:00~20:00

℡ 03-5772-2183

一般社団法人日本産業カウンセラー協会

よりそいホッ

トライン

○暮らしの中で困っていること、気

持ちや悩みを聞いてほしい人へ

の相談

○相談無料

○24時間年中無休

℡ 0120-279-338

一般社団法人社会的包摂サポートセンター

いのちの電話 ○心の健康問題等に関する相談

○相談無料(通話料は利用者負担)

○フリーダイヤル

毎月10日 8:00~11日 8:00まで

℡ 0120-738-556

日本いのちの電話連盟

○山梨いのちの電話相談

火曜日~土曜日 16:00~22:00

℡ 055-221-4343

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【参考資料6】

活用できるストレスチェック表の例

職業性ストレス簡易調査票

○ 特徴

・ 平成7~11年度労働省「作業関連疾患の予防に関する研究班」により開発された。

・ 個人のストレス反応とともに使用方法により職場におけるストレス要因も同時に把握

できる。

・ 心理的なストレス反応の中でネガティブだけでなくポジティブな反応も評価できる。

・ 質問項目は57項目あるが、比較的短時間で容易に回答可能である。

・ 身体的なストレス反応並びに職場、家庭の支援及び満足度のなどの要因をも評価できる。

○ 詳細の照会先

・ 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(厚生労働省)

(http://kokoro.mhlw.go.jp/)

・ 東京医科大学衛生学公衆衛生学教室が運営するホームページ

「職業性ストレス簡易調査票」(http:/www.tmu-ph.ac/topics/stress_table.php)

・ 東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野が運営するホームページ

「事業場のメンタルヘルスサポートページ」(http:/www.jstress.net )

労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト

○ 特徴

・ 平成16年6月厚生労働省設置の委員会により作成、公表された。

・ 疲労の蓄積を簡便に診断できる。

・ 家族から見た労働者本人の疲労蓄積度判定用の「家族による労働者の疲労度チェック

リスト」もある

○ 詳細の照会先

厚生労働省ホームページ(http:/www.mhlw.go.jp)の行政分野ごとの情報「労働基準」

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【関連通知等】

1 「労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の結果に基づく

事後指導の実施に関する指針(改正)」

厚生労働省労働基準局(平成27年11月30日)

2 「労働者の心の健康の保持増進のための指針(平成27年度改正)」

厚生労働省労働基準局(平成27年11月30日)

3 「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(平成27年改正)」

厚生労働省労働基準局(平成27年11月30日)

4 「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(平成27年改正)」

厚生労働省労働基準局(平成27年11月30日)

5 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(平成24年改正版)」

厚生労働省労働基準局(平成24年7月6日)

6 「心理的負荷に夜精神障害に認定基準について」

厚生労働省労働基準局(平成23年12月26日)

7 「当面のメンタルヘルス対策の具体的推進について」

厚生労働省労働基準局(平成21年3月26日)

8 「過重労働による健康障害防止のための総合対策について(改正)」

厚生労働省労働基準局(平成20年3月7日)

URL:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/roudou/an-eihou/dl/ka060317008a.pdf

9 「自殺対策基本法」 (平成18年6月16日)

10 「自殺予防に向けての総合的な対策の推進について」

厚生労働省労働基準局(平成18年3月31日)

11 「心の健康づくりの研修のために」職員編・管理監督者編

人事院職員福祉局(平成18年3月)

URL:http//www.jinji.go.jp/kisya/0603/kokoro.htm

12 「心の健康に関する相談体制とストレス対策のあり方」

人事院職員福祉局(平成17年7月)

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13 「心の健康のための早期対応と円滑な職場復帰」

人事院職員福祉局(平成17年7月)

14 「職員の心の健康づくりのための指針」

人事院事務総局勤務条件局(平成16年3月30日)

15 「職場における自殺の予防と対応」

厚生労働省労働基準局(平成14年12月)

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用語の定義

1 メンタルヘルスケア

職場において、職員の心の健康の保持増進のために行う活動内容をいう。

全職員を対象とした対応と心の健康問題を抱える職員への対応がある。

2 ライン (所属長等)

所属長の他、日常的な職員と接する職場の上司等をいう。

3 健康管理担当スタッフ等

衛生管理医、健康管理担当保健師、人事労務管理スタッフ等をいう

4 外部資源

精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター、精神科、心療内科等の医療機関、

山梨産業保健総合支援センター、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター等の機関。

産業カウンセラー、臨床心理士、精神保健福祉士等の専門家をいう。

5 健康情報

健康診断の結果、病歴、その他健康に関するもの。

6 療養

傷病休暇及び休職により勤務を休んでいる状態にあるもの

7 メンタルヘルス不調

精神及び行動の傷害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不

安等、職員の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的行

動上の問題を幅広く含むものをいう。

8 ストレスチェック

労働安全衛生法第66条の10に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査をいう。

9 ストレスチェック制度

ストレスチェック及びその結果に基づく面接指導の実施、集団ごとの集計・分析等、労

働安全衛生法第 66 条の 10 に係る所属における一連の取組全体をいう。

貸出用図書・DVD

媒体種別 テーマ

DVD 「心の通う健やかな職場づくりのために」

~うつ病の理解とその対応~

DVD 「職場で支え合い、いきいき働く」

~メンタルヘルスの一次予防対策~

DVD 「メンタルヘルス三次予防対策 こころのケア」

~職場復帰と再発防止~

DVD 「地方公務員のメンタルヘルス講座」

本 「誰にも書けなかった復職支援のすべて」

問い合わせ先:福利給与課健康管理担当

電話 055-223-1747(直)