141
政府に対する 新潟県の要望書 令和元年5月 資料2

新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

  • Upload
    others

  • View
    27

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

政府に対する

新潟県の要望書

令和元年5月

新 潟 県

資料2

Page 2: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

政府に対する新潟県の要望書

1Ⅰ 地方再生と人口減少問題への対応

1 人口減・少子化対策 2

5Ⅱ 地方財源の充実・確保

2 地方交付税の確実な配分 6

3 地方一般財源総額の増額確保 8

4 電気・ガス供給業に係る収入金額課税の堅持 10

13Ⅲ 一段加速した防災・減災対策の推進など県民の安全・安心の確保

5 防災・減災対策等の継続的な推進 14

6 県民の命と暮らしを守る治水対策の推進 16

7 湯沢町三俣地区に対する地域振興策の実施 18

8 地域を支える建設産業の振興 19

9 拉致問題の早期解決 20

10 原子力発電所の安全対策 22

11 地域の特性を踏まえた原子力防災対策に要する経費の財政措置 24

12 原子力発電所事故による被害に対する適切な対応 25

13 糸魚川市大規模火災を踏まえた対策 27

14 朝鮮半島情勢を踏まえた国民保護対応等の充実・強化 28

15 米軍のオスプレイの飛行に関する情報提供等 29

16 消防防災ヘリコプターの安全運航体制に向けた国の支援 30

17 大規模・広域・複合災害に対する即応体制の整備等 31

18 大規模・広域・複合災害における災害救助法の弾力的な運用等 33

19 広域避難者の生活再建に向けた支援の推進 34

20 地方消費者行政に係る支援制度の充実強化 35

21 トキの野生復帰に向けた生息環境整備の推進 36

22 海岸漂着物の処理に係る財政上の措置及び国外からの漂着物への対策 37

23 地球温暖化対策に対する地方における財源の確保 38

24 警察官の増員 39

25 警察装備の充実強化 40

26 交通信号機更新事業の拡充 42

Page 3: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

43Ⅳ 「健康立県」の実現と子育て環境・福祉サービスの充実

27 健康寿命の延伸に係る取組の推進 44

28 医師少数県の医師不足解消に向けた抜本的な制度改革 46

29 すべての水俣病被害者の救済 49

30 国民健康保険を始めとした持続可能な医療保険制度の構築と住民の健康増進等の

ための国保レセプト情報の活用 51

31 総合的な肝炎対策の充実 52

32 骨髄バンク事業の推進 54

33 介護人材の確保に向けた処遇改善や給与水準の向上の取組 55

34 介護保険制度における国費負担割合の引上げをはじめとした制度の抜本的見直し 57

35 子育てに係る取組への支援の充実 58

36 児童相談所等の体制強化 60

37 障害福祉関連事業における財源確保 62

38 障害者の雇用対策の拡充 63

65Ⅴ 交流人口の拡大と拠点性向上に向けた交通ネットワークの整備

39 国際観光の推進に資する施策の充実 66

40 佐渡金銀山の世界遺産登録の早期実現 68

41 高速道路等の整備促進 69

42 新潟空港の機能強化及び利用促進への支援 71

43 日本海縦貫高速鉄道交通体系(北陸新幹線・羽越新幹線)の構築 74

44 港湾施設等の整備と適切な維持管理の推進 76

45 新潟西港の航路浚渫事業の推進 78

46 新潟港、新潟空港及び直江津港のC・I・Q体制の強化 79

81Ⅵ 地域経済の活性化・地域エネルギーの活用

47 地域経済の持続的発展に向けた経済環境の整備 82

48 中小企業の事業承継支援の拡充 84

49 人手不足への対応 86

50 再生可能エネルギーの導入に資する施策の充実 88

51 燃料電池自動車普及促進に係る地方の取組支援等 90

52 エネルギー源の多角化と地元に経済的メリットが還元される仕組みづくりの検討 92

53 日本海側におけるエネルギー基地の整備 94

Page 4: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

54 電源三法交付金制度の見直しと予算確保 96

99Ⅶ 持続可能な農林水産業の実現

55 農業の持続的な発展に向けた制度の構築等 100

56 農地中間管理事業の5年後見直しへの対応 101

57 中山間地域農業の維持・発展に向けた支援の強化 102

58 日本発祥の観賞魚「錦鯉」の国魚視点と情報発信 104

59 新たな資源管理制度の導入における資源評価体制の構築 105

60 新潟県農林公社分収林事業に対する支援措置 106

61 農山漁村地域の活性化、防災・減災対策の強化等に要する財源の確保 107

109Ⅷ 住み続けることができる活力ある地域づくり

62 今後の過疎対策 110

63 粟島の特定有人国境離島地域への指定 111

64 豪雪地帯における雪対策に対する総合的な支援 112

65 交通政策基本法の理念に基づいた地域の公共交通ネットワークの構築 114

66 並行在来線等の県内鉄道に係る諸課題への対応 116

67 離島航路の活力維持 118

68 佐渡-新潟航空路の確保・維持 120

121Ⅸ 将来の夢や希望を育みかなえる教育の推進・文化の振興

69 教職員定数の拡充 122

70 教職員の多忙化解消に向けた取組 123

71 通常の学級に在籍する特別な教育的支援が必要な児童生徒への対応の充実 124

72 東日本大震災に係る教育復興支援のための加配教員の継続配置 125

73 統合校への支援の充実 126

74 学校施設の老朽化対策等に係る事業採択と耐震対策等に係る財政支援の拡充 127

75 私立学校施設の耐震化に係る助成制度の充実 128

76 通学路における安全確保のための財政支援 129

77 高等学校等就学支援金制度の充実 130

78 私立高等学校等の修学支援制度等の拡充 131

79 県が設置する幼稚園への財政措置 133

135Ⅹ その他

80 TPP、日欧EPA等経済連携協定への対応 136

Page 5: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕地方再生と人口減少問題への対応は、本県を含め、多くの地方に共通の課

題です。特に、本県の総人口は、全国よりも早く、平成9年の249万人をピークに

減少してきており、昨年10月1日現在の本県人口は、224万5千人余りと前年と比べ2万1千人を超える減少となり、平成9年の人口から、およそ10%の減少となっています。人口減少問題を解決する特効薬がない中で、人口減少幅を縮小し歯止めを

かけるためには、中長期的な観点から、県民の所得水準や暮らしやすさの向上に取り組み、若者が魅力を感じる多様な教育や就労の場、そして、安心して子どもを生み育てられる環境をつくり出すことが重要です。地方における進学や就職を契機とした若者の流出の深刻化とそれに伴う少

子化の進展は、東京圏への人口の一極集中という構造的問題が影響していると考えられ、地方自治体の取組だけでは限界があります。人口減少問題の克服のためには、国において地域経済の持続的発展に向け

た経済環境の整備や人手不足の対応に取り組むとともに、国でなくては手を打てない税や年金、教育等を含む大胆な制度改革や予算規模の拡充が不可欠であり、実効性のある施策をスピード感を持って実施するよう要望します。また、国においては、まち・ひと・しごと創生「長期ビジョン 「総合戦」

略」に基づき、地方創生の取組を推進しているところですが、地方自治体の意見を十分に反映しながら「わくわく地方生活実現政策パッケージ」に掲げられた施策等に積極的に取り組むよう要望します。加えて、地方の再生と人口減・少子化対策に関する経費ついては、地域の

実情に応じた事業が実施できるよう、より自由度を高めた上で、地方創生に向けた長期間にわたる取組のための恒久財源とするなど、継続的な財政支援を行うとともに、地方財政計画を拡充した上で一般財源総額を確保することを要望します。

(単位:千人)●新潟県の総人口の推移H9 H25 H26 H27 H28 H29 H30

2,492 2,331 2,314 2,305 2,286 2,266 2,245新潟県(単位:人)●新潟県の社会動態の推移

H7 H25 H26 H27 H28 H29 H30

1,845 ▲4,666 ▲5,606 ▲6,141 ▲5,906 ▲5,651 ▲5,696新潟県●合計特殊出生率の推移

H6 H17 H25 H26 H27 H28 H29

1.69 1.34 1.44 1.43 1.44 1.43 1.41新潟県1.50 1.26 1.43 1.42 1.45 1.44 1.43全 国

Ⅰ 地方再生と人口減少問題への対応

1

Page 6: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

人口減・少子化対策について

人口減・少子化対策について、国は予算規模を拡充した上

で、実効性のある施策をスピード感を持って実施すること。

また、地方の実情に応じた事業が実施できるよう、より自由

度の高い交付金による継続的な財政支援を行うとともに、地方

財政計画を拡充した上で一般財源総額を確保すること。

日本の総人口は、2008年をピークに減少しており、国立社会保

障・人口問題研究所によれば、2045年の将来推計人口は、2015年

より16.3%減少する見通しである。また、本県の総人口は、国より

も早く、1997年をピークに減少してきており、2045年の将来推計

人口は、2015年より26.3%減少する見通しである。

このまま人口の減少が続くと、労働力人口の減少などによる経

済活動の縮小や社会の活力の低下をもたらすだけでなく、地域社

会の維持が困難になるなど、県民生活に大きな影響を及ぼすこと

が懸念される。

こうした中、本県では、少子化対策に関するモデル的取組の実

施と有識者による効果検証を通じて、今後取り組むべき一定の課

題を明らかにした。

地方においては、進学や就職を契機とした若者の流出の深刻化

とそれに伴う少子化の進展は、東京圏への人口の一極集中という

構造的問題が影響していると考えられ、地方自治体の取組だけで

は限界がある。そのため、国においても地域経済の持続的発展に

向けた経済環境の整備や人手不足の対応に取り組むとともに、国

でなくては手を打てない税や年金、教育等を含む大胆な制度改革

や予算規模の拡充が不可欠であり、以下の施策を実施するよう要

望する。

1 地方への人の流れを促進するよう、地方拠点強化税制の更なる拡充や地域人材の育成に貢献する地方大学への運営費交付金等の充実など、国が権限を持つ人の移動に影響を及ぼす制度等において、実効性ある施策にスピード感を持って取り組むこと。

2

Page 7: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 国においては、まち・ひと・しごと創生「長期ビジョン 、」「総合戦略」に基づき、同関連事業等により、地方創生の取組を推進しているところであるが、東京一極集中に歯止めがかかっていないことから、地方自治体の意見を十分に反映しながら、「わくわく地方生活実現政策パッケージ」に掲げられた施策等に積極的に取り組むこと。

3 本県のモデル的取組の効果検証では 「経済環境や社会環境の、変化に伴い、子どもを生み育てる人が抱える不安が大きくなっている一方で、その変化に社会が対応できていない」ことが示された。そのため、国は社会全体で子育てを支える機運醸成や体制づくりに向け、地方に新たな財源負担を求めることなく、各種手当の給付水準の引き上げや企業等に対する支援の充実・強化を図るなど、予算規模を拡充し少子化対策に取り組むこと。また、地方では自治体間の相互連携により少子化対策の効果

的施策の横展開が進められているが、こうした取組を通じて得られたノウハウ等も活用しながら、地方が地域の実情に応じた施策に中長期的に取り組めるよう、より自由度の高い交付金による継続的な財政支援を行うこと。

4 地方創生関連交付金については、より自由度を高めた上で、地方創生に向けた長期間にわたる取組のための恒久財源として、継続的な財政支援を行うとともに、地方の再生に向けて地方の実情に応じた事業が実施できるよう、地方財政計画を拡充した上で一般財源総額を確保すること。

(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部)(内閣府子ども・子育て本部)

(総務省自治財政局)

3

Page 8: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

4

Page 9: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

人口減少が急速に進んでいく地方においては、公共交通や地域医療の確保

等、住民生活に必要な地域社会の機能を維持するために、公的負担が一層増

加する面があり、税収をはじめとした歳入が構造的に減少する中で、地方に

おける持続可能な行財政運営は困難になっていくものと考えられます。

新潟県においては、近年、人口減少や高齢化に伴い、歳出面では社会保障

関係費等が増加する一方、歳入面では県税収入が全国の伸びを下回り、全国

を上回る人口減少等により地方交付税が減少するなど一般財源総額が減少し

続けているため、財源対策的な基金残高は減少し、数年後には枯渇が見込ま

れています。

特に、本県特有の課題として、政策医療を担う公的医療機関のうち、県立

病院が占める割合が高い状況になっています。

本県は、一人当たり医療費が全国で最も低く、国民負担の抑制に寄与して

いるものの、地域から求められる不採算地区病院の運営や高度・特殊医療の

提供等に多大な財政負担が生じており、交付税措置を除いた実負担が大きく

なっています。

全国を上回る人口減少が進展し、広い県土等の地理的特性等を有する本県

において、その実情に応じた行政サービスを着実に提供できるよう、必要な

財政需要を的確に算定し、安定的な財政運営に必要な地方交付税を確実に配

分することを要望します。

また、新たな偏在是正措置により生じる財源の活用や幼児教育の無償化に

係る財源措置に当たっては 「地方一般財源総額の実質同水準ルール」の外、

枠として、必要な歳出を地方財政計画に確実に計上し、地方一般財源総額を

増額確保するよう要望します。

加えて、電気・ガス供給業に係る法人事業税の収入金額課税については、

本県の安定的な財源として定着・機能していることから現行制度を堅持する

よう要望します。

Ⅱ 地方財源の充実・確保

5

Page 10: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地方交付税の確実な配分について

全国を上回る人口減少等が進展し、広い県土等の地理的特性

等を有する本県において、その実情に応じた行政サービスを着

実に提供できるよう、必要な財政需要を的確に算定し、安定的

な財政運営に必要な地方交付税を確実に配分すること。

、 、 、 、本県は 近年 人口減少や高齢化の進展等に伴い 歳出面では

社会保障関係費等が増加する一方、歳入面では、県税収入が全国

の伸びを下回り、全国を上回る人口減少等により地方交付税等が

減少するなど、一般財源総額が減少し続けているため、財源対策

的な基金残高は減少し、数年後には枯渇が見込まれている。

特に、普通交付税については、近年の全国的な傾向として、い

わゆる「地方一般財源総額の実質同一水準ルール」の下、社会保

障関係の需要額は大都市圏等が他の地域に比べ増加率が高くなっ

ている一方、包括算定経費等の需要額は全国一様に減少している

こともあり、本県では、普通交付税の減少が大きくなっており、

厳しい財政状況に拍車をかけている。

本県特有の課題として、政策医療を担う公的医療機関のうち、

県立病院が占める割合が高い状況になっている。本県は、一人当

たり医療費が全国で最も低く、国民負担の抑制に寄与しているも

のの、地域から求められる不採算地区病院の運営や高度・特殊医

療の提供等に多大な財政負担が生じており、交付税措置額を除い

た実負担額が大きくなっている。

更に、広い県土や長い河川延長等の地理的な特性を有し、激甚

化・頻発化する自然災害から住民生活を守るための社会資本の防

災・減災対策等は継続的な課題となっている。一方、これまでの

交付税算定上の事業費補正の低減により、今後、交付税措置額を

6

Page 11: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

除いた公債費の実負担額が、一層増加する見通しとなっている。

また、人口減少が急速に進む本県では、住民生活に必要な地域

社会の機能を維持するために、人口減に応じて行政サービスを縮

小することが困難な面や、公共交通の確保等で公的負担が一層増

加する面がある。本県は、これまで多くの人材や農産物、電力等

を供給するなど首都圏の経済活動に寄与しているところである

が、一般財源総額が減少する中で、今後、持続可能な行財政運営

が困難になっていくものと考えられる。

こうした課題に対応するため、次の事項について要望する。

1 必要な一般財源の確保

大都市圏等における社会保障関係経費の増加が、人口減少の

進む地域の財政に影響を与えることのないよう、必要な一般財

源を確保すること。

2 地域医療の確保に対する地方交付税措置の充実

県立病院の果たす役割が大きい地域の実情を踏まえ、地域医

療の確保に対する地方交付税措置を充実すること。

3 社会資本の防災・減災対策等

未整備の道路延長等を用いて道路改築等の必要性を反映する

投資補正について、県土の広さや道路改築の進度に応じた財政

需要が的確に捕捉されるよう見直すとともに、投資補正で捕捉

できない財政需要は事業費補正の拡充により措置すること。

また、緊急自然災害防止対策事業債等を継続すること。

4 人口減少対策

人口減少が進展する中にあっても、必要な行政サービスを継

、 、続的に提供できるよう 人口に係る段階補正を見直すとともに

人口減少対策等特別対策事業費について、取組の必要度に係る

措置を増額すること。

(総務省自治財政局)

(財務省主計局)

7

Page 12: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地方一般財源総額の増額確保について

地方一般財源総額を増額確保するとともに、とりわけ、新た

な偏在是正措置により生じる財源の活用や幼児教育の無償化に

係る財源措置に当たっては 「地方一般財源総額の実質同水準、

ルール」の外枠として、必要な歳出を地方財政計画に確実に計

上すること。

人口減少が急速に進んでいく地方においては、公共交通や地域

医療の確保等、住民生活に必要な地域社会の機能を維持するため

に、公的負担が一層増加する面があり、税収をはじめとした歳入

が構造的に減少する中で、地方における持続可能な行財政運営は

困難になっていくことが懸念される。

本県でも、近年、人口減少や高齢化の進展等に伴い、歳出面で

は、社会保障関係費等が増加する一方、歳入面では、県税収入が

全国の伸びを下回り、全国を上回る人口減少等により地方交付税

等が減少するなど、一般財源総額が減少し続けているため、財源

対策的な基金残高は減少し、数年後には枯渇が見込まれている。

これらの課題に対応し、地方の実情に応じた必要な行政サービ

スを着実に提供していくため、税源の偏在性が小さく税収が安定

的な地方税体系を早期に構築するとともに、地方交付税をはじめ

とした安定的な財政運営に必要な一般財源総額の増額確保を要望

する。

とりわけ、新たな偏在是正措置により生じる財源については、

地方がその効果を実感できるよう、必要な歳出を地方財政計画に

8

Page 13: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

計上するなど、その全額を地方のために活用することととされ、

また、幼児教育の無償化に係る財源についても、地方財政計画の

歳出に全額計上し、一般財源総額を増額確保することとされたこ

とから、これらの措置に当たっては 「地方一般財源総額の実質、

同一水準ルール」の外枠として、必要な歳出を地方財政計画に確

実に計上するよう要望する。

(財務省主計局)

(総務省自治財政局)

9

Page 14: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

電気・ガス供給業に係る収入金額課税の堅

持について

電気・ガス供給業に係る法人事業税の収入金額課税について

は、本県の安定的な財源として定着・機能していることから現

行制度を堅持すること。

電気・ガス供給業に係る課税方式の見直しについては、平成31

年度税制改正大綱において「現在、電気供給業、ガス供給業及び

保険業については、収入金額による外形標準課税が行われている。

今後、法人事業税における収入金額課税全体としてのあり方を踏

まえながら、小売全面自由化され2020年に法的分離する電気供給

業及びガス供給業における新規参入の状況とその見通し、行政サ

ービスの受益に応じた負担の観点、地方財政や個々の地方公共団

体の税収に与える影響等を考慮しつつ、これらの法人に対する課

税の枠組みに、付加価値額及び資本金等の額による外形標準課税

を組み入れていくことについて、引き続き検討する 」とされ、今。

後の検討事項に位置付けられている。

現行の課税方式である収入金額課税は、受益に応じた負担を求

める課税方式として確立し、本県の安定的な財源として定着・機

能してきた。

電力及びガスの小売自由化が始まったが、現状は完全な自由市

場の状況であるとは言えず、大手電力会社等による事実上の独占

状態は継続している。

また、行政サービスの質や量が変化しないにもかかわらず、他

の一般の業種と同じ課税方式となり法人事業税額が大きく変動す

ることは、本県の財政運営への影響が大きく、地域の行政サービ

10

Page 15: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

スに支障をきたすことになる。

以上のことから、電気・ガス供給業に係る収入金額課税を堅持

するよう強く要請する。

(総務省自治税務局)

11

Page 16: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

12

Page 17: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

気候変動の影響により、平成30年7月豪雨に代表されるような自然災害が

全国各地で激甚化・頻発化している中、新潟県においても、近年、梅雨前線

豪雨や台風による大きな被害が県内各地で発生しております。災害や犯罪な

どから県民の命と暮らしを守り、安全・安心な生活を確保することは、県の

最重要課題です。

そのため、大河津分水路改修等の治水対策をはじめとする人命被害や社会

経済活動への深刻な被害を防止・軽減するためのハード対策とともに、県土

の骨格となる交通ネットワークの着実な形成など、災害からの速やかな復旧

・復興を図るための社会資本整備を両輪で取り組み、県民の命と暮らしを守

る防災・減災対策等の地方が必要とする事業を安定的かつ継続的に実施でき

るよう 「防災・減災・国土強靭化のための3か年緊急対策」の終了後も所、

要の予算を確保するとともに、必要な地方財政措置を要望します。

県民の命を守るため、拉致問題は早急に解決しなければなりません。北朝

鮮が日本人拉致を認めて拉致被害者5名が帰国してから15年以上もの歳月が

経過しました。その間、新たな拉致被害者の帰国は実現していません。

拉致された日本人を救うことのできる組織は、日本国政府だけです。国際

社会と連携を図りながら 「対話と圧力 「行動対行動」の原則の下、日本人、 」

拉致被害者救出の一日も早い実現に向けて全力で取り組み、目に見える形で

具体的な成果を出すよう要望します。

福島第一原子力発電所事故の発生から既に8年以上が経過しました。県と

しては、県民の安全を最優先に、福島第一原子力発電所事故の原因等の徹底

的な検証を行っておりますが、国においても、引き続き安全対策に取り組む

よう要望します。

また、原子力発電所事故による被害による食品の輸出については、中国に

おいて平成30年11月に新潟県産米の輸入停止解除がなされましたが、コメ以

外のすべての食品等の輸入が禁止されています。

国においては、中国をはじめとして、放射性物質の検査結果を踏まえた合

理的な規制となっていない国・地域があることから、正確な情報を発信し、

、 。実態に即した規制となるよう 諸外国に引き続き働きかけるよう要望します

Ⅲ 一段加速した防災・減災対策の推進など県民の

安全・安心の確保

13

Page 18: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

防災・減災対策等の継続的な推進について

○ 防災・減災対策等の地方が必要とする事業を安定的かつ継

続的に実施できるよう 「防災・減災、国土強靱化のための、

」 、3か年緊急対策 の終了後も所要の予算を確保するとともに

必要な地方財政措置を講じること。

○ 豪雪地帯の負担を軽減するための地方財政措置の更なる拡

充を図ること。

本県が目指す「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を実現する

ためには、県民生活の安全と安心を確保することが何よりも大切

である。

本県は、広い県土と長大な河川等を有し、低平地に人口や資産

が集中しているほか、県土の約8割が脆弱な地質からなる中山間

地であることから、洪水や土砂災害等の自然災害リスクが非常に

高い地域を抱えている。

近年、自然災害が激甚化・頻発化する状況を踏まえ、治水対策

等の人命被害や社会経済活動への深刻な被害を防止・軽減するた

めのハード対策とともに、県土の骨格となる交通ネットワークの

着実な形成など、災害からの速やかな復旧・復興を図るための社

会資本整備を両輪で取り組み、県民の命と暮らしを守る防災・減

災対策を推進することとしている。

そのため、個別補助事業による氾濫する危険性が著しく高い地

域の治水対策や 「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急、

対策」を活用した重要インフラの機能を維持するための対策を集

中的に実施しているところであるが、全国2位の管理河川延長や

全国3位の地すべり危険箇所等を抱える本県においては、3か年

緊急対策後も対策が必要な箇所が多く残っており、防災・減災対

14

Page 19: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

策を継続的に推進していく必要がある。

また、全県下が豪雪地帯に指定されている本県において、日常

生活・経済活動を維持するための持続可能な除雪体制の確保や、

冬期における安全・安心な道路交通を確保するための雪崩防止施

設等の整備や維持管理を継続的に推進していく必要がある。

これらの状況を踏まえ、以下のとおり要望する。

1 防災・減災対策等の地方が必要とする事業を安定的かつ継続

的に実施できるよう 「防災・減災、国土強靱化のための3か、

年緊急対策」の終了後も所要の予算を確保するとともに、必要

な地方財政措置を講じること。

2 積雪寒冷地の実情を踏まえ、道路除雪や雪崩防止施設等に係

る予算の配分を確実に行うとともに、本県のような豪雪地帯の

負担を軽減するために、地方債の対象事業や交付税を含めた地

方財政措置の更なる拡充を図ること。

(国土交通省)

(総務省自治財政局)

(財務省主計局)

15

Page 20: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

県民の命と暮らしを守る治水対策の推進に

ついて

気候変動に伴い激甚化・頻発化する自然災害から、県民の生

命・財産を守り、安全で安心な生活を確保するため、直轄事業

をはじめとした治水対策を推進すること。

近年、気候変動の影響により平成30年7月豪雨に代表されるよ

うな自然災害が全国各地で激甚化・頻発化している。

本県は氾濫浸水域となる低平地に人口や資産が集中し、県土の

約8割は脆弱な地質からなる中山間地であり、近年においても梅

雨前線豪雨や台風によって破堤や越水、がけ崩れ等の大きな被害

が県内各地で発生している。

このため、以下のとおり要望する。

○ 大河津分水路改修事業の推進

平成23年7月新潟・福島豪雨では、大河津分水路で戦後最大

流量を観測し、氾濫危険水位を上回ったことから、流下能力の

向上など計画的な整備が必要である。

山地部掘削や新第二床固改築などの工事が本格化したところ

であるが、信濃川水系全体の治水安全度向上のため、早期完成

に向けた一層の事業推進を図ること。

○ 直轄事業をはじめとした治水対策の計画的な推進

一瞬にして生命・財産を奪い去る水害や土砂災害等に対し、

ハード・ソフト一体となった事前防災対策を「防災・減災、国

土強靭化のための3か年緊急対策」等により、重点的かつ継続

的に取り組むことが重要である。

16

Page 21: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

県民が安全に安心して暮らせる社会を実現するため、根幹と

なる県内各地の直轄事業や地方が行う中小河川をはじめとした

事前防災対策に対する必要な予算を確保するとともに、更なる

地方財政措置を講じること。

(国土交通省水管理・国土保全局)

(総務省自治財政局)

(財務省主計局)

17

Page 22: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

湯沢町三俣地区に対する地域振興策の実施

について

湯沢町三俣地区の地域振興対策に特段の措置を講じ、必要な

施策を推進すること。

清津川ダムの実施計画調査が中止された湯沢町三俣地区につい

ては、ダム計画上水没予定地であったため、社会基盤の整備や地

域づくりが他地区に比べ遅れている。

同地区については地域振興対策が必要であることから、これま

で「道の駅」に係る国道付帯施設の整備や水無川における砂防ダ

ムの整備などの措置が講じられており、また平成29年度より国道

17号の防災対策が新規事業化されたところであるが、引き続き施

策の実施に向けて特段の措置を講じる必要がある。

湯沢町三俣地区の地域振興対策

○ 国道17号の改良及び防災対策の着実な推進

○ 清津川三俣地区砂防対策の着実な推進

(国土交通省水管理・国土保全局)

(国土交通省道路局)

18

Page 23: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地域を支える建設産業の振興について

除雪や災害時の安全・安心の確保に重要な役割を果たし、地

域の経済と雇用を支えている建設産業の安定した経営の維持と

人材確保・育成を図るための施策を推進すること。

地域の建設産業は、除雪や災害対応など地域の安全・安心の確

保に重要な役割を果たすとともに、社会資本の整備等を通じて地

域の経済と雇用を支えている。

建設投資の減少に伴う競争の激化などにより、建設企業は極め

て厳しい経営環境におかれてきた中、本県では、公共工事等にお

ける県内企業への優先発注・県内調達や低価格入札対策の推進な

ど、収益力に優れた企業の育成に取り組んでいるところである。

地域を支える建設産業が、中長期的に安定した経営を維持し、

必要な人材を確保・育成できるよう、以下の施策を講じること。

○ 建設労働者の賃金水準を改善し、技能労働者等の入職促進と

離職防止のため、公共工事設計労務単価決定方法について、施

工体制や技能水準の適正な評価を加味する等の見直しを図るこ

と。

○ 建設企業の適正な利益を確保するため、引き続き低価格入札

対策を推進すること。

(国土交通省大臣官房)

(国土交通省土地・建設産業局)

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省農村振興局)

19

Page 24: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

拉致問題の早期解決について

北朝鮮による拉致問題の全面解決のため、関係諸国や国際機

関等と連携・協調し、拉致問題の全容解明と、安否不明者の生

存確認及び早期帰国の実現を図り、併せて、拉致の疑いのある

方々の事実確認に努めること。

○ 国際社会と緊密な連携の下、北朝鮮への圧力を維持し、

拉致問題が解決しない限り国交正常化や経済支援を行わな

いとの方針を堅持すること。

○ 北朝鮮の「拉致問題は解決済み」との立場を崩すため粘

り強い交渉を行い、日朝首脳会談の実現を見据え、目に見

える形で具体的な成果を早期に出すこと。

○ 米国をはじめとする関係諸国に対し、北朝鮮と個別協議

を行う際には、日本人拉致問題の早期解決について北朝鮮

側に働きかけるよう要請すること。

○ 曽我ミヨシさんの安否確認と横田めぐみさんの詳細な情

報提供を求めること。

○ いわゆる特定失踪者など北朝鮮による拉致の疑いのある

方々についての調査・事実確認を引き続き徹底して行い、

拉致の事実が確認され次第、被害者として認定すること。

北朝鮮は、一昨年まで核実験や相次ぐ弾道ミサイルの発射など

国際社会に対する威嚇を続けてきたが、国連安保理など国際社会

からの厳しい圧力を受け、昨年2月に韓国で開催された平昌オリ

ンピックを契機に対話路線に転換し、体制の保証と制裁緩和を求

め、中国、韓国、米国及びロシアと相次いで首脳会談を開催して

きている。

その一方で、拉致問題については、北朝鮮は「既に解決済み」

との主張を繰り返し、ストックホルム合意以降進展が見られてい

20

Page 25: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

ない。

安倍総理大臣は、拉致問題の解決に向けてあらゆるチャンスを

逃さないため、条件を付けずに日朝首脳会談を実施したい意向を

表明された。

拉致被害者等やそのご家族はご高齢となっており、もはや一刻

の猶予も許されない。

日本国民を救出することができるのは日本国政府だけであり、

政府においては、米国、韓国、中国及びロシアをはじめ国際社会

と連携を図り、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則の下、拉

致問題の全容解明はもとより、安否不明者の生存確認と早期帰国

実現、拉致の疑いのある方々の調査・事実確認の徹底など、拉致

問題の解決に向けて具体的に進展するよう毅然とした姿勢で外交

交渉を行うことを要望する。

(内閣官房拉致問題対策本部事務局)

(外務省アジア大洋州局)

(警察庁警備局)

21

Page 26: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

原子力発電所の安全対策について

福島第一原発事故について、検証・総括を行った上で、規制

基準を見直すとともに、重大事故は起こり得るものということ

を前提に、事故時に放射性物質の大量放出を防ぐため、意思決

定などマネジメント面への対応を含め法制度や体制の整備等、

安全対策に取り組むこと。

また、平成28年3月の原子力関係閣僚会議決定を受け、国と

自治体が一体となって避難計画の具体化・充実化に向けて取組

を進めていくこととなったが、引き続き、政府一丸となって原

子力災害対策に対応すること。

○ 福島第一原発事故について、検証・総括を行った上で、規制基

準を見直すこと。

○ 福島第一原発事故を踏まえ、重大事故は起こり得るものという

ことを前提に、事故時に放射性物質の大量放出を防ぐため、意思

決定などマネジメント面への対応を含め法制度や体制の整備等、

安全対策に取り組むこと。

○ 柏崎刈羽原子力発電所の審査においては、東京電力が福島第一

原発事故の当事者であることや、これまでの審査の経緯を踏まえ、

より厳しい姿勢で審査にあたること。

○ 福島第一原発事故において、世界的な最新の知見が十分に反映

されていなかったことから、常に最新知見を基に、安全対策に取

り組むこと。

22

Page 27: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

○ 重大事故発生時の発電所内の対応は、一義的に事業者が行うも

のではあるが、国が事故対応を支援する体制を整備すること。

○ 平成28年3月の原子力関係閣僚会議決定の実施に当たっては地

方自治体の意見を十分に反映させ、必要な法改正等について検討

を行うこと。

(原子力規制委員会)

(内閣府(原子力防災担当 ))

(厚生労働省労働基準局)

(経済産業省資源エネルギー庁)

23

Page 28: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地域の特性を踏まえた原子力防災対策に要

する経費の財政措置について

実効性のある原子力防災体制を構築するため、自治体が地域

特性等を踏まえて実施する防災対策の経費について、災害対策

重点区域外での対策経費も含め、国において確実に財政措置を

すること。

福島第一原発事故等を踏まえ、実効性のある原子力防災体制を

構築するためには、

・ 放射線モニタリングに必要な資機材の整備及び維持管理

・ 原子力災害拠点病院等の体制整備

・ スクリーニング(避難退域時検査)等の体制整備

・ 情報伝達システムの整備

・ 住民避難や初動対応を円滑に実施するための道路の整備

・ 病院、福祉施設を含む屋内退避施設や防災拠点施設の放射線

防護対策の拡充及び設備の維持管理

・ 自治体庁舎の緊急時の移転に係る計画の策定

などの対策が必要となるため、自治体が地域の特性等を踏まえて

実施する防災対策に要する経費について、重点区域外での対策に

要する経費も含め、国において確実に財政措置を行うこと。

また、避難等に際して必要となる住民向けの資機材(安定ヨウ

素剤、防護マスク等)の配備に必要となる経費についても、国に

おいて確実に財政措置を行うこと。

(原子力規制委員会)

(内閣府(原子力防災担当 ))

(財務省主計局)

24

Page 29: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

原子力発電所事故による被害に対する適切

な対応について

1 原子力発電所事故による被害に対し、下記について迅速か

つ適切に対応すること。

○ 食品の輸出について、放射性物質の検査結果を踏まえ、

実態に即した規制となるよう、中国をはじめとする諸外国

に引き続き働きかけること。

また、輸入規制の解除に向けた取組経過の情報につい

て、継続して提供すること。

○ 放射性物質検査に係る検査料の補助など、国が責任を持

って支援を行うこと。

○ 原子力発電所事故に起因する損害について、その範囲を

幅広く捉え、被害の実態に見合った賠償が確実・迅速に行

われるよう国が責任を持つこと。

2 国策として原子力事業を推進してきた経緯や、原子力災害

の実態を踏まえ、原子力損害の賠償に関する法律を改正し、

賠償についての国の責任をより明確にすること。

○ 食品の輸出については、コメ以外のすべての食品、飼料の輸入

を禁止している中国をはじめとして、放射性物質の検査結果を踏

まえた合理的な規制となっていない国・地域があることから、正

確な情報を発信し、実態に即した規制となるよう、諸外国に引き

続き働きかける必要がある。

また、諸外国の輸入規制の解除に向けた取組状況及び関係国の

反応について、関係県に対し継続して状況説明を行う必要がある。

○ 依然として、放射性物質の検査証明などを求める国があること

から、国が責任を持って検査料補助などの支援を行う必要がある。

25

Page 30: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

○ 原子力発電所事故に起因する損害について、その範囲を幅広く

捉え、被害の実態に見合った賠償が確実・迅速に行われるよう国

が責任を持つことが極めて重要である。

○ 現行の損害賠償の責任主体である東京電力は、損害賠償費用の

増大が将来にわたって経営を圧迫するために、賠償範囲の拡大等

に柔軟に対応することが困難な状況にある。このような状況を打

開し、被害者への円滑な賠償を進めるために、これまで原子力政

策を推進してきた国が責任を持って損害賠償に取り組むよう、原

子力損害の賠償に関する法律を改正し、賠償についての国の責任

をより明確にする必要がある。

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省食料産業局)

(農林水産省生産局)

(外務省経済局)

(経済産業省貿易経済協力局)

(文部科学省研究開発局)

26

Page 31: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

糸魚川市大規模火災を踏まえた対策につい

1 糸魚川市大規模火災からの復興に向け、引き続き予算の確

保を図るとともに、必要な支援を行うこと。

2 糸魚川市大規模火災のような自然災害と同程度に被害が広

範囲に及ぶ火災に備え、木造建築物が密集した地域における

火災予防対策や消防力の確保などに取り組むこと。

○ 糸魚川市の復興まちづくりについては、基盤整備が進み、にぎ

わいの創出と糸魚川らしい街なみの形成に向けた事業がこれから

本格化するため、都市再生整備計画事業、街なみ環境整備事業な

ど復興事業に対する必要な予算を確保すること。

また、国、県、市が一体となり、着実に復興まちづくりの実現

を図っていくため、今後も技術的な助言体制を継続するなど必要

な支援を行うこと。

○ 木造建築物が密集した地域において、一般住宅等に対する出火

防止、火災の早期発見、初期消火の実効性を向上させる対策を推

進するため、国の屋外警報装置等に係る技術基準の検討結果を踏

まえた補助制度を創設するなど、必要な財政措置を講じること。

○ 消防力の整備指針や消防水利の基準について、木造建築物が密

集した地域における対応を強化するため、地形や街なみ等の地域

特性に更に配慮した見直しを進めるとともに、必要な財政措置を

講じること。

(総務省消防庁)

(国土交通省都市局)

(国土交通省住宅局)

27

Page 32: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

朝鮮半島情勢を踏まえた国民保護対応等の

充実・強化について

北朝鮮の具体的な弾道ミサイル等の廃棄の道筋が明確になっ

ておらず、また、木造船の漂着が頻繁に発生する状況があり、

多くの重要生活関連等施設が所在する本県においては、県民の

不安が払拭されていないことから、国民保護対応等の充実・強

化を図ること。

○ 武力攻撃事態等において武力攻撃から県民の生命、身体、財産

を保護し、生活経済に及ぼす影響を最小とするため、国は、重要

生活関連等施設への武力攻撃事態等や複数の都道府県に影響が及

ぶような大規模な武力攻撃事態等を想定した対処マニュアル等を

策定すること。

○ 国民保護において必要となる物資及び資機材の備蓄整備並びに

国民保護に関する訓練などの充実を図るとともに、国民保護につ

いて国民の理解を深めるため、一層の啓発に努めること。

○ 我が国に多数の難民等が流入すると想定される場合の対応につ

いて、国において対応方針を明らかにすること。また、地方公共

団体が対応すべき事項がある場合は、都道府県の役割を明確にし、

事案発生時に取るべき方策を定めること。

(総務省消防庁)

(内閣官房)

28

Page 33: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

米軍のオスプレイの飛行に関する情報提供

等について

飛行訓練の実施に当たっては、日米合同委員会合意事項の遵

守を在日米軍に要請するとともに、運用に関する情報について

は、国が責任を持って、関係自治体等に説明すること。

○ オスプレイの飛行訓練の実施に当たっては、飛行高度や区域等

に関する日米合同委員会合意事項が遵守されるよう在日米軍に強

く要請すること。

○ 安全性を含む運用に関する情報については、国が責任を持って、

可及的速やかに関係自治体等に開示し、十分説明を尽くすこと。

(防衛省地方協力局)

29

Page 34: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

消防防災ヘリコプターの安全運航体制に向

けた国の支援について

消防防災ヘリコプターの2人操縦体制の実現に向け、国にお

いて操縦士を確保するための対策を講じること。また、消防防

災ヘリコプターの操縦士養成及び2人操縦体制の維持には多額

の費用が必要となることから、2人操縦体制の構築及び維持に

必要な財政支援を行うこと。

近年、全国の自治体が運航する消防防災ヘリコプターの事故が相

次ぎ、国において2人操縦体制の構築に向けた動きが進められてい

る。

しかしながら、全国的な操縦士の不足に加えて、消防防災ヘリコ

プターの操縦士には高度な飛行技術が求められるため、養成には多

大な時間と費用が必要であり、各自治体で操縦士を確保することは

困難であることが見込まれる。

現在、全国の消防防災ヘリコプターの多くが1人操縦体制で運航

している状況にあることから、以下のとおり要望する。

○ 消防防災ヘリコプターの2人操縦体制の実現に向け、国におい

て操縦士を確保するための対策を講じること。

○ 2人操縦体制の構築には、ライセンス取得等の費用が必要なこ

とに加え、体制の維持にも人件費等の多額の費用が必要となるこ

とから、2人操縦体制の構築及び維持に係る支援を行うこと。

(総務省消防庁)

30

Page 35: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

大規模・広域・複合災害に対する即応体制の整備等について

1 大規模・広域・複合災害(原子力複合災害等を含む)の発

生を想定した国と地方の役割のあり方について検討し、緊急

時対応から復旧復興に至る事務や権限、財政負担等の役割分

担も含めた災害対策法制等の見直しを行うこと。

2 原子力災害を含む複合災害対策については、例えば、自然

災害と原子力災害の法体系を一体化するなど、統一的・効果

的な対応を可能とする体制を整備すること。

3 日本海沿岸地域を含め、巨大地震・津波対策の抜本的な見

直しを行い、災害予防・応急対策を確実に推進すること。

○ 現在の災害関連法は、被災された住民を、被災した自治体が支

、 、援し 当該自治体に対して国が財政支援するという法体系であり

・ 広域避難者の発生や事態の長期化の想定が不十分

・ 複合災害時を想定していない法体系

・ 国の財政支援は手続きや資金使途など様々な制約があり、自

治体の主体的な判断による災害対応や支援ができない

などの問題点があるため、これらの問題点を解消し、国、都道府

県、市町村、民間企業、医療・福祉関係機関、NPOなど、すべ

ての主体が総力を挙げて対応できる法体系を整備すること。

○ 既存の法律や政省令等による規制や制約により、各主体の緊急

時対応が阻害されることのないよう、包括的な適用除外措置を創

設すること。

○ 過去の災害の教訓を踏まえた政策立案や総合調整機能の強化を

図るための専属組織として、全国知事会が要望している防災省

(庁)の創設など、国として一元的に災害対策が実施できる体制

を構築すること。

○ 地方自治体の行政機能喪失を想定した水平補完を基本とする支

31

Page 36: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

援、支援物資の調達・輸送・配分、広域避難者の受入及び情報収集

・共有などの広域応援・受援体制については、地方の意見を十分に

聴き、府省庁間の縦割りの是正や国と地方の役割分担の整理、被

災自治体の災害対応を支援する医療・福祉・公衆衛生・行政等の専門

的な応援体制の確保や法制化等も含めて制度構築すること。

〇 近年多発する大規模災害に備え、地域的な偏在が生じている特

別高度救助隊等の全国的な配備基準を見直すこと。また、消防車

両、資機材等、消防力の確保に向けて、財政支援措置の拡充や消

防職・団員への教育訓練の拡充・支援を行うこと。

○ 原子力災害を含む複合災害対策については、東日本大震災及び

中越沖地震の教訓を踏まえ、例えば、自然災害と原子力災害の法

体系を一体化するなど、統一的・効果的な複合災害対応を可能と

する体制を整備すること。

○ 地震・津波対策を検討するための前提となる日本海側のプレー

ト境界や未確認の断層を含めた科学的調査の実施と地震・津波観

測体制の整備充実を推進すること。

○ 太平洋沿岸地域を主とする一軸型のインフラだけでは圏域を越

えた大規模災害対応に対して十分とは言えないことから、国土全

体の強靱化のためにも、国としての公共インフラの代替・補完の

確保が極めて重要であるとの観点に立ち、日本海国土軸の強化に

資する日本海沿岸地域などの公共インフラの整備を早急に進め、

大規模災害発生時の代替・補完体制を構築すること。

「 」○ 平成31年3月に改定された 避難勧告等に関するガイドライン

で示されている5段階に区分した警戒レベルや警戒レベル相当情

報について、適切な住民の避難行動につながるよう、国が主体と

なり住民の目線に立って周知・理解を図ること。

(内閣府(防災担当 ))

(総務省消防庁)

(国土交通省)

(文部科学省)

32

Page 37: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

大規模・広域・複合災害における災害救助

法の弾力的な運用等について

災害救助法について、自治体が地域の実情に応じた被災者支

援を主体的に行えるよう、資金使途や期間等の制限のある現在

の法制度・仕組みを見直すこと。

○ 災害救助法の運用については、被災地からの要請のない救援自

治体における救援物資の輸送・保管・職員派遣及び避難者受入に

要する経費についても災害救助法の対象とするとともに、救援自

治体が救助経費を支弁した場合、当該経費については、被災県を

経由せずに救援自治体から国へ直接請求できるよう制度変更し、

自治体が地域実情に応じた救助を実施できるようにすること。

○ 併せて、資金使途制限や事務費上限額の撤廃、救助の期間制限

の緩和など、災害救助の範囲そのものを含め、災害救助法の更な

る運用の弾力化を図ること。

○ 加えて、これらの救助に係る経費も含め、被災地からの要請の

有無に関わらず、行われた救助に係る経費については、全額を国

が負担すること。

(内閣府(防災担当 ))

33

Page 38: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

広域避難者の生活再建に向けた支援の推進

について

東日本大震災から8年が経過した今もなお、多くの被災者が

ふるさとを離れ、広域避難を余儀なくされており、避難の長期

化に伴い精神的にも経済的にも厳しい状況に置かれていること

から、広域避難者の生活再建に向けた、継続的かつ総合的な支

援を推進すること。

また、避難者支援を行う自治体等に対し、必要な財政措置を

講じること。

東日本大震災では、今も約3万2千人の方々が、県域を越えた

広域避難を余儀なくされており、本県でも約2千5百人の方々が

避難生活を送っている。

本震災は原子力災害を伴い、そのため帰還が困難な区域の方々

や母子で避難して来られた方々が、二重生活などにより精神的に

も経済的にも厳しい状況に置かれている。

避難が長期化している現状及び自主避難者に対する支援が縮小

している実態を踏まえ、こうした避難者が安心して避難生活を送

れるよう、希望の持てる施策と今後の見通しを明確にした上で、

生活支援やこころのケア、子育て支援のための取組の充実を図る

必要がある。

また、いまだに、帰還か定住か判断がつきかねている避難者も

相当数いることから、すべての避難者が生活再建できるよう、様

々な選択肢の提示も含め、継続的かつ総合的な支援を推進するよ

う要望する。

加えて、避難者支援を行う自治体等の財政負担を前提とせず、

必要な財政措置を継続することを要望する。

(復興庁(被災者支援担当 ))

34

Page 39: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地方消費者行政に係る支援制度の充実強化

について

地方消費者行政を更に推進するため、引き続き財政措置を含

めた支援制度の充実強化を図ること。

本県では、国の地方消費者行政強化交付金を活用し、消費生活

相談体制の整備等を進めているところである。

当該交付金は、国による毎年度の予算措置が前提となるが、平

成31年度の交付額は本県所要額を大幅に下回り、このままでは同

交付金の活用によりこれまで整備・拡充を行った消費生活相談体

制に支障が生じることも危惧される。

引き続き、相談体制の充実強化を図り、地方消費者行政を更に

推進するため、継続した財政支援及び同交付金における使途の拡

充や活用期間の延長等、時宜を得た適切な施策が実施できるよう

制度改正を図ること。

(消費者庁)

35

Page 40: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

トキの野生復帰に向けた環境整備の推進に

ついて

トキの佐渡における野生定着に向けて、これまでの放鳥の結

果を十分検討・評価した上で、トキとの共生を可能とする環境

の整備を一層推進すること。

平成20年9月から19回の放鳥が行われ 327羽のトキが自然界に、

放たれ、平成31年1月15日現在268羽が定着している。

今後の野生復帰の目標とその達成に向けた取組方針が「トキ野

生復帰ロードマップ2020(平成28年3月 」で示され 「平成32年) 、

に佐渡島内に220羽のトキを定着 という目標を 昨年 2年前倒」 、 、

しで達成し、また、レッドリスト2019において野生絶滅から絶滅

危惧に見直されたところであるが、更に野生復帰を進めるために

は、今後一層の餌場等の生息環境整備やトキ保護の普及啓発等の

社会環境整備が必要である。

これらの環境整備の効果的な実施には、モニタリングによる野

生下でのトキの行動把握と餌となる生物量など自然環境条件の評

価が不可欠であることから、国によるモニタリング体制を一層強

化するとともに、その結果を踏まえた湿地等の再生、整備の推進

及び地域活動、野生下のトキの観察機会を増やす取組等との連携

強化を要望する。

また、分散飼育地における一般公開にあわせて、長年にわたる

佐渡のトキ保護の取組を広く情報発信するよう要望する。

(環境省自然環境局)

36

Page 41: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

海岸漂着物の処理に係る財政上の措置及び

国外からの漂着物への対策について

円滑な海岸漂着物の回収・処理を推進するため、必要な財源

について国による財政上の措置をするとともに弾力的な制度に

改善すること。

また、国外からの漂着物について、原因究明と発生抑制対策

を取るよう、関係国に対して要請すること。

海岸漂着物対策については、海岸漂着物処理推進法が制定され、

都道府県、海岸管理者等の責務が明確化されるとともに、国によ

る財政上の措置について規定された。

平成26年度までは、国において時限的な財源措置がなされ、海

岸管理者等による、漂着物の回収・処理、発生源対策等が行われ

てきたところである。

平成27年度以降の回収・処理については、予算の恒常化に向け、

国の補助制度が創設されたが、一部地方負担が生じていることか

ら、十分かつ恒久的な財源措置がなされるよう要望する。

加えて、木造船の漂着については、あらかじめ処理件数を想定

することが困難なため、交付決定前の事業着手が認められない現

在の補助制度では迅速な対応ができないことから、弾力的な制度

に改善するよう要望する。

また、国外からの漂着物については、早急な原因究明と実効性

のある発生抑制対策を取るよう、関係国に対し外交ルートを通じ

て強く要請することを要望する。

(環境省大臣官房)

37

Page 42: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地球温暖化対策に対する地方における財源

の確保について

1 地球温暖化対策を効果的に推進するために、国は、国内排

出量取引の制度設計など、温暖化対策を経済システムに組み

、 。込んだ仕組みの構築・普及に総合的 積極的に取り組むこと

2 地方自治体が担う地球温暖化施策の重要性を踏まえ、再生

可能エネルギーの利活用やCO の吸収源である森林整備の2

推進、気候変動による影響を防止・軽減する適応策の推進な

ど地方自治体が主体的取組を確実に進めるための十分な財源

措置を早急に講じること。

地球温暖化対策は、世界共通の重要な課題であり、環境と経済

の両立を図りつつ、切れ目なく推進するため、国のみならず地方

の責任と役割に基づいた着実な温室効果ガスの削減並びに気候変

動による影響を防止・軽減する適応策を進める必要がある。

地球温暖化対策を効果的に推進するため、経済メカニズムを活

用し、社会全体として温室効果ガスの削減が可能となる国内排出

量取引の制度設計などカーボンプライシングの導入について検討

することが必要である。

また、地方自治体が地域の社会的・自然的な資源を活用し、総

合的、計画的に温室効果ガスの削減対策及び適応策を実施できる

よう、地球温暖化対策のための財源を安定的に確保する仕組みを

早急に構築し、地方自治体への十分な財源措置を講じる必要があ

る。

森林環境譲与税については、その創設により森林整備等に必要

なこれまでの国の予算が減額とならないよう引き続き措置するこ

とを要望する。

(環境省総合環境政策統括官グループ)

(環境省地球環境局)

(農林水産省林野庁)

38

Page 43: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

警察官の増員について

県民の治安に対する不安を解消し、また、本県警察官一人当

たりの負担人口を軽減するため、警察官の増員措置を講じるこ

と。

昨年5月、県内において、下校途中の女子児童が殺害される事

件が発生したほか、同年7月に県警察が実施した「県民の安全意

識調査」においては、自分自身や家族が犯罪被害に遭うかもしれ

ないと不安になることが多くなったと感じている県民が約57パー

セントに上っており、県民の治安に対する不安感は一層高まって

いる。

このような情勢の中、県民の安全・安心を確保し、安定した地

域社会を構築するためには、警察官による一層の活動強化が不可

欠であるが、本県警察官はこれまでの増員後も一人当たりの負担

人口が全国平均と比較して大きな開きがあることから、負担人口

軽減のため警察官の増員措置を講じ、県民の治安に対する不安を

解消していく必要がある。

(警察庁長官官房)

39

Page 44: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

警察装備の充実強化について

1 管轄面積が広く、豪雪地に指定された地域での冬期間にお

ける警察活動を確保等するため、小型警ら車及び4WD型の

交通事故処理車を増強配備すること。

2 大規模自然災害発生時などにおける一層の情報収集能力の

強化のため、ヘリコプターテレビシステムの受信局の増設及

び高度化をすること。

3 広域・スピード化する自動車利用犯罪に的確に対応するた

め、自動車ナンバー自動読取装置の設置を一層拡充すること。

本県は、全国5位の広大な県土総面積を有することに加え、国

道及び高速自動車道の実延長距離が全国2位という特性を有して

いる。こうした中で、

○ 各警察署の管轄面積が広い上、山間部では豪雪地に指定され

た地域も多いため、気候環境の悪い冬期間における警察活動を

確保し、事件・事故への迅速な対応及び災害時における県民の

避難誘導等を徹底するためには、車両による機動力の活用が強

く求められる。そのため国費により交番・駐在所に小型警ら車、

警察署に4WD型交通事故処理車を増強配備する必要がある。

○ 広域にわたる捜査や不審船等沿岸警備のみならず、大規模自

然災害発生時における迅速・的確な情報収集、救助活動にはヘ

リコプターテレビシステムの運用が不可欠であり、一層の情報

収集能力の強化のため、県内不感地帯解消に向けた受信局の増

設及び撮影場所を容易に把握するための地上用撮影位置特定装

置の導入を国費により整備する必要がある。

40

Page 45: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

○ 広域・スピード化する自動車利用犯罪に的確に対応するため

の自動車ナンバー自動読取装置について、平成23年度以降本県

における国費による拡充が行われておらず、県費負担が発生し

ていることから、国費による拡充の再開が必要である。

(警察庁生活安全局)

(警察庁交通局)

(警察庁情報通信局)

(警察庁刑事局)

41

Page 46: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

交通信号機更新事業の拡充について

老朽化した交通信号機の急速な増加に対応するため、更新事

業予算を確保すること。

本県では、高度経済成長期以降の急速な自動車交通の普及に対

応し事故防止と交通の円滑化の有力な手段として、国の支援を受

けながら交通信号機の整備を推進し成果を挙げてきた。

その成果を今後も持続することが県民の安全・安心を確保する

ために不可欠であるが、一方で、更新時期を迎えた施設が加速度

的に増加し、多くの老朽化施設を抱えている。

このため、国による以下の財政支援及び制度の見直しを要望す

る。

○ 財政支援の充実について

老朽化の著しい交通信号機の加速度的な増加に対応し更新を

進めるため、十分な財政措置を講じる必要がある。

○ 補助制度の見直しについて

限定された現行の補助対象の拡大を図るとともに、補助率の

引上げを行い、老朽化した交通信号機を早急に更新する必要が

ある。

(警察庁長官官房)

(警察庁交通局)

42

Page 47: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

すべての世代が健康で幸せに暮らせる「健康立県」を実現するためには、

県民が将来にわたって、安心して子どもを生み育て、医療・介護・福祉サー

ビスを受けられる環境をつくることが重要です。

しかしながら、本県では特に医師の不足が大きな課題となっています。新

たに示された医師偏在指標によると、本県の全国順位は46位であり、医師少

数県とされており、将来時点(2036年)の不足医師数は1,500人以上、年間

不足養成数は100人以上と、将来にわたって深刻な医師不足が続く見通しと

なっています。

地域や診療科による偏在も深刻で、地域の診療所や産科などの専門診療科

では、医師の確保がままならないために、閉鎖や休止となる事例も少なから

ず生じています。

医師少数県における医師不足、医師の偏在を解消していくためには、医学

部臨時定員増の延長や、医師少数県のみの対策として位置づけた地域枠等の

適正・厳格な運用、医師少数県に配慮した臨床研修・専門研修制度の運用な

ど、国において実効性のある対策を講じる必要があります。

また、地域医療介護総合確保基金の十分な確保と医師少数県への十分な配

分など、医師少数県における医師確保対策等への強力な財政支援を併せて要

望します。

新潟水俣病は、発生から半世紀が過ぎ、被害者も高齢化しており、この問

題の解決は喫緊の課題です。県としても、公健法に基づく患者の認定審査の

迅速化に努めているところですが、国においても、水俣病の被害を受けたす

べての方々の早期救済に向けて積極的に取り組むよう要望します。

また、水俣病の終局的な問題解決に向けて、水俣病の被害を受けたすべて

の方々が等しく患者と認められるとともに、いつでも名乗り出ることができ

るよう、国において患者救済の枠組み全体を一体的かつ恒久的な制度に見直

すよう要望します。

Ⅳ 「健康立県」の実現と子育て環境・福祉サービ

スの充実

43

Page 48: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

健康寿命の延伸に係る取組の推進について

すべての世代が健康で幸せに暮らせる社会を実現するため、

国民の理解促進に取り組むとともに、がん検診受診率の向上、

健康・医療・介護データの一体的な活用など健康寿命の延伸に

係る取組を一層推進すること。

社会保障制度の持続可能性の議論を背景に、全国的にも関心が

高まっている健康寿命の延伸は、国民個人としてのみならず、地

域社会全体の活力を維持するためにも重要な課題である。

そのためには、日頃から主体的に自らの健康に向き合い、健康

であることの必要性について、国民及び事業者が理解を深めると

ともに、健康・医療・介護データの一体的な活用によるサービス

の質の向上など健康寿命の延伸に向けた取組を一層推進していく

必要があるため、国において以下に取り組むことを要望する。

1 国民や事業者への理解促進に向けた周知・啓発活動の強化

本県では、これまで生活習慣病を予防し、健康寿命を延伸す

るため、減塩対策等に取り組んできたが、県単独の取組では県

民一人一人に健康づくりの取組が十分に浸透していない状況に

ある。

このため、国において、幼少期から高齢期までの各ライフス

テージに応じて生活習慣病予防の取組を実践することの必要性

や、健康経営の実践等について、国民や事業者の理解を促進す

る周知・啓発活動を一層強化すること。

2 がん検診受診率の向上及びがん患者の就労に関する対策の充実

健康寿命延伸のためには、がん検診による早期発見、早期治

44

Page 49: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

療、働きながら治療、療養ができる就労環境の整備を推進する

必要がある。

〇 がん検診を効果的・効率的に実施するため、職域における

がん検診の実施主体や費用負担を明確化すること。

また、地方自治体が職域におけるがん検診の実施状況を把

握できる仕組みを構築すること。

〇 がん患者が抱えている不安の軽減を図り、がんになっても

安心して暮らせる社会を構築するため、がん患者の就労状況

の実態把握を行うとともに、企業の柔軟な勤務制度や休暇制

度の導入を促進し、がん患者が働きながら治療や療養できる

環境の整備を図ること。

3 健康・医療・介護データの一体的な活用の支援

本県では、健康・医療・介護分野のデータをつなぎ、一体的

な活用を行うための方向性を定めた 「にいがた新世代ヘルス、

ケア情報基盤」構想を策定し、情報基盤の整備に取り組んでい

るところであるが、国のデータヘルス改革の取組と整合性を図

、 。るとともに 個人情報保護にも配慮しながら進める必要がある

〇 国のデータヘルス改革の取組へ自治体の意見を反映すると

ともに、迅速な情報提供を行うこと。

〇 データの連結・分析を進めるにあたり、個人情報の保護に

十分な配慮が必要であることから、個人情報の取扱いについ

て、国において整理すること。

〇 自治体がデータの集約や分析を行うにあたり、医療保険者

や大学等の研究機関などとの協力・協働が不可欠であること

から、自治体の取組の必要性、重要性について、一層の周知

を図ること。

(厚生労働省医政局)

(厚生労働省健康局)

(厚生労働省労働基準局)

45

Page 50: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

医師少数県の医師不足解消に向けた抜本的な制度改革について

医師少数県における医師不足を解消するため、医師の地域偏

在解消に向けた実効性のある対策など抜本的な制度改革を進めるとともに、医師少数県における医師確保対策等への財政支援

の拡充を図ること。

国が新たに示した医師偏在指標によると、本県の全国順位は46

位であり、医師少数県とされており、医師不足は極めて深刻な状

況にある。

県としては、医師不足や医師の偏在を解消するため、地方政府

として、できうる限りの努力を行っているが、全国との格差は年

々広がっている。

こうした地方の医師不足の背景には、現在の国の医療制度と経

済社会の東京一極集中という構造的な問題があるため、現行の制

度・枠組みの下では、地域医療の確保には限界がある。

医師少数県における医師不足、医師の偏在を抜本的に解消して

いくためには、国が主体的に全国の医師偏在を解消するための実

効性のある対策を行う必要がある。また、併せて、医師少数県に

おける医師確保対策を強力に支援するための財政支援や制度改革

等を早急に講じる必要がある。

1 国による医師偏在解消に向けた実効性のある対策

○ 医学部臨時定員増措置の延長

2022年度以降の医学部定員等の医師養成に関する方針につ

いては、医療従事者の需給に関する検討会(医師需給分科会)において検討される予定であるが、臨時的な医学部定員増の

措置を医師不足が解消されるまで当面延長した上で、医師少

数県の医師不足を解消するための対策として位置づけること。

〇 既存医学部の定員増に向けた支援医師少数県の医師養成数増のためには、既設医学部の定員

46

Page 51: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

増が有効であるが、教員の配置や教室等の場所の確保などの

課題があり実現していないことから、人員配置及び財政支援

の拡充を図るなど具体的な対策を講じること。〇 地域枠・地元出身者枠の適正・厳格な運用

地域枠・地元出身者枠は、全国の偏在解消に向け、医師少

数県における将来時点における必要医師数を達成するための

手段としてのみ活用されるべきであり、適正・厳格に運用すること。

○ 医師少数県に配慮した臨床・専門研修制度の運用

臨床研修医の確保は、医師少数県にとって喫緊の課題であ

ることから、大都市圏における募集定員の大幅な減を行うなど、都市部への集中を是正する抜本的な対策を速やかに講じ

ること。

また、専攻医の都市部への集中是正のため、大都市圏への

シーリングが厳密に運用されるよう、国が主体的に関わり日本専門医機構を適切に指導すること。

〇 医師少数区域等への医師の勤務促進

医師少数区域等での勤務のインセンティブとなる認定制度

の対象病院の範囲を拡大するほか、例えば都道府県ごとに保険診療が可能な保険医の定数を定めたり、診療報酬上配慮す

るなど、医師少数区域等での勤務促進策を講じること。

〇 医師の働き方改革と医師確保・偏在対策の一体的な推進

時間外労働の規制の取組だけでは、医師不足地域における医療提供体制に多大な影響を与えることが想定されるほか、

やむなく長時間労働が必要である医療機関が特定されること

によりかえって医師確保が困難になることもおそれがあるこ

とから、働き方改革の推進に当たっては、地域における医師確保・偏在対策と一体的に進めること。

2 医師少数県における医師確保対策等への強力な財政支援

〇 医師少数県に配慮した財政支援地域医療介護総合確保基金を十分に確保するとともに、医

師少数県における医師確保の取組を推進するために十分な配

分を行うなど強力な財政支援を講じること。

また、医師少数県における地域枠等の学生に貸与する修学資金に関しては、地元出身者以外へ貸与した場合についても

基金を活用できるようにすること。

〇 医師の派遣に関する財政支援県における実効性のある医師の派遣調整を行うためには、

医師の派遣元となる医療機関への支援が欠かせないため、国

47

Page 52: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

において早急に財政支援等の方策を講じること。

(厚生労働省医政局)

(文部科学省高等教育局)

48

Page 53: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

すべての水俣病被害者の救済について

水俣病被害者の早期救済や患者救済の枠組みの見直しに取り

組むこと。また、被害の声をあげることができる環境の整備を

一層推進すること。

○ 水俣病被害者の早期救済

平成25年4月の最高裁判決以降、「公害健康被害の補償等に関

する法律(以下、公健法という 」に基づく患者認定申請が増加。)

するとともに、認定や損害賠償を求める新たな提訴も相次いでい

る。

新潟県においては、公健法に基づく患者の認定審査の迅速化に

努めているが、発生から半世紀が過ぎ、被害者も高齢化しており、

この問題の解決は喫緊の課題である。

このような状況を踏まえ、国においては、メチル水銀が人の健

康に与える影響を把握するための調査手法を早期に開発するとと

もに、被害の実態把握に努めるほか、水俣病特措法の判定結果に

対する異議申立てを本県が受理し認容した方々も救済対象とする

など、水俣病の被害を受けたすべての方々の早期救済に向けて積

極的に取り組む必要がある。

○ 患者救済の枠組みの見直し

水俣病の終局的な問題解決のためには、抜本的に救済制度の見

直しを行うべきである。

このため、国は、水俣病の被害を受けたすべての方々が等しく

患者と認められるとともに、いつでも名乗り出ることができるよ

う、患者救済の枠組み全体を一体的かつ恒久的な制度に見直す必

要がある。

49

Page 54: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

○ 被害の声をあげることができる環境の整備

公式確認から50年を経過したにもかかわらず、今なお、いわれ

のない偏見や差別をおそれ、被害の声をあげることのできない方

々がいると考えられる。

このため、水俣病の被害を受けたすべての方々が被害の声をあ

げることができる環境の整備のため、差別や偏見の解消のための

啓発や、いわゆるもやい直しの取組を、国も参画して一層推進す

る必要がある。

(環境省大臣官房環境保健部)

50

Page 55: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

国民健康保険を始めとした持続可能な医療

保険制度の構築と住民の健康増進等のため

の国保レセプト情報の活用について

国民皆保険制度を堅持するため、国民健康保険制度を始め、

今後の医療費の増嵩に耐えうる財政基盤の確立と将来にわたり

持続可能な制度の構築を図ること。

また、国保レセプト情報は、都道府県保険者が所有者として

住民の健康増進や医療費適正化のために活用できるよう、法的

に位置付けること。

国民健康保険は加入者要件から低所得者や高齢者の割合が高い

という、構造的に財政措置が必要な制度であることから、国にお

いて、今後の医療費の増嵩に耐えうる十分な財源を確保するとと

もに、国保を含め、持続可能な医療保険制度を構築すること。

また、国保レセプト情報の利用については、市町村が行う健康

の保持増進のための事業支援を目的とした都道府県の利用も可能

となるよう、法令等の整備が進められているところであるが、都

道府県がより主体的に住民の健康増進や医療費適正化のために広

くレセプト情報を活用できるよう、法的に位置付けること。

(厚生労働省保険局)

51

Page 56: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

総合的な肝炎対策の充実について

1 肝炎治療特別促進事業及び肝がん・重度肝硬変治療研究促進

事業の対象医療の拡大をはじめ、国の責任において、ウイルス

性肝炎の専門的な治療がどこでも受けられる治療体制の整備な

ど患者の視点に立った総合的な肝炎対策を充実すること。

2 カルテが保存されていない者も含めて、薬害C型肝炎救済特

措法の適用により、被害者全員の救済を図ること。

あわせて、B型肝炎救済特措法の対象者や両法の対象となら

ない輸血等によるウイルス性肝炎患者についても同様に救済を

図ること。

3 薬害が二度と起こらないような抜本対策を構築すること。

○ 総合的な肝炎対策の充実

肝炎患者の治療は長期にわたり、治療以外の通院費等の負担を

含め、患者の経済的負担は多大なものとなっているが、肝炎治

療特別促進事業及び肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業にお

いては、医療費助成の対象が限られており、多額の治療費が対

象外である。

早期に適切な医療を受ける必要性においては、現行の治療適応

患者とそれ以外の患者の間に区別はないことから、すべての患

者を対象とした疾病対策を講じる必要がある。

また、ウイルス性肝炎の専門的な治療がどこでも受けられる治

療体制の整備及び治療薬・治療法の開発促進を図るとともに、

ウイルス性肝炎の早期発見・早期治療を促進する取組、正しい

知識の普及啓発、相談支援などを引き続き実施する必要がある。

52

Page 57: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

○ 薬害C型肝炎患者及び輸血、予防接種等により感染したウイル

ス性肝炎患者の救済

県内の薬害C型肝炎患者の多くは、カルテなどが医療機関に保

存されておらず、医師、看護師等の証言についても得られるケ

ースがほとんどないことから、母子健康手帳、患者本人・家族

などの証言、現在の医師の診断などにより、幅広く認定を受け

られるようにするとともに、証拠・証言等の収集を支援するシ

ステムを構築して、薬害C型肝炎被害者が救済される必要があ

る。

あわせて、B型肝炎救済特措法においても証明が困難なケース

も想定されるが、すべての被害者が救済される必要があるとと

もに、さらに、これらの救済法の対象とならない、輸血等によ

り感染したウイルス性肝炎患者についても、同様に救済される

必要がある。

○ 薬害を二度と引き起こさない再発防止策の構築

、 、 、これまでの幾多の薬害事件に続き 再度 薬害が引き起こされ

多くの薬害C型肝炎患者を生じたことは、非常に遺憾である。

薬害C型肝炎患者らの不安と苦しみを改めて認識し、薬害を二

度と生じないよう、実効性ある再発防止策を講じる必要がある。

(厚生労働省健康局)

(厚生労働省医薬・生活衛生局)

53

Page 58: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

骨髄バンク事業の推進について

骨髄バンク事業における移植率向上のため、ドナーが骨髄等

の提供に至らない理由や必要な支援を把握した上で、総合的な

移植率向上施策を推進すること。

また、「骨髄ドナー休暇制度」の普及を図ること。

○ 総合的な移植率向上施策の推進

白血病など血液がんの有効な治療法である骨髄移植を促進する

骨髄バンク事業は、ドナーの善意で骨髄等を提供いただくことで

成り立っている。

現在、移植を希望する人の9割にドナーが見つかるが、実際の

移植に至るのは6割に留まっている。

ドナーが骨髄等の提供に至らない理由や必要な支援を明らかに

するために、平成30年度まで行われていた厚生労働科学研究の調

査結果を早期にまとめ、総合的な移植率向上施策を推進する必要

がある。

○ 「骨髄ドナー休暇制度」の普及

骨髄等の提供を行うには、肉体的な負担のみならず、入院や通

院等、精神的な負担も大きく、就労者においては就業への影響が

不可避である。

このため、官公庁や大手企業等で既に導入されている骨髄バン

クドナーに対する特別休暇制度を普及させることで、ドナー登録

時や骨髄等提供時の精神的な負担軽減を図るべきである。

(厚生労働省健康局)

(厚生労働省雇用環境・均等局)

54

Page 59: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

介護人材の確保に向けた処遇改善や給与水準の

向上の取組について

介護人材確保のため、介護従事者等の処遇改善や給与水準の向

上を図ること。

少子高齢化の進展などにより、介護サービスへのニーズが増大

している中で、介護従事者等が置かれている労働環境は、給与水

準などの処遇面で厳しい状況にあり、介護サービス事業所等にお

ける従事者は依然として不足している。

介護福祉士修学資金等貸付事業や地域医療介護総合確保基金事

業による取組への支援が実施され、本年10月には「新しい経済政

策パッケージ」による処遇改善策が実施されるが、介護人材確保

のため、処遇改善等の更なる対策を実施していくことが必要であ

る。

1 介護人材の安定的な確保に向けた取組

介護人材の安定的な確保のため、参入促進や離職防止につな

がるイメージアップを図るとともに、キャリアアップの仕組み

の着実な推進など、介護従事者等の処遇の更なる改善を継続的

に進めること。

また、その際、利用者や地方公共団体の負担が過大とならな

いよう配慮すること。

2 介護従事者等の給与水準の向上

介護施設は、介護職員だけでなく、生活相談員、看護職員、

機能訓練指導員など多職種により運営されており、これら全て

の介護従事者等の人材確保のためには、介護職員以外の給与水

55

Page 60: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

準についても引き上げる必要がある。

新しい経済政策パッケージに基づく新たな処遇改善加算は、

介護職員やそれ以外の介護従事者等の賃金への配分が可能とな

り、既存の介護職員処遇改善加算と併せ運用されることとなる

るが、介護職員の給与水準は、全産業平均と比較し低く、依然

としてその格差を補うには十分と言えないことから、その効果

や課題を速やかに検証のうえ、介護従事者等の給与水準の更な

る引き上げにつながる施策を講じること。

(厚生労働省老健局)

(厚生労働省社会・援護局)

56

Page 61: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

介護保険制度における国費負担割合の引上

げをはじめとした制度の抜本的見直しにつ

いて

介護保険制度については、国民が安心して利用できる制度を

維持するため、介護保険財政の安定化に向けて国費負担割合の

引上げをはじめとした制度の抜本的見直しを行うこと。

介護保険制度は、その創設から19年が経ち、高齢者の保険料負

担は約2倍となっている。

今後更なる高齢化の進展に伴い要介護等認定者が増加し、国民

の保険料負担は益々増大することが見込まれ、高齢者の負担能力

の限界を超えることが懸念される。

国民が住み慣れた地域で安心して暮らし、制度が持続的に運営

されるためには、介護保険財政の安定化が重要であり、介護需要

の増大に対応した国費負担割合の引上げをはじめとした制度の抜

本的見直しを行うべきである。

(厚生労働省老健局)

57

Page 62: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

子育てに係る取組への支援の充実について

総合的な少子化対策推進の一環となる幼児教育・保育の無償

化等により、保育ニーズのさらなる増加が見込まれる中、幼児

期の教育及び保育の重要性を踏まえ、国において示された保育

の質の確保に向け、保育士等の更なる処遇改善や人材確保等に

おける実効性のある施策に取り組むこと。

また、地域の実情に応じた取組ができるよう、より一層の財

政措置を講じること。

希望する子どもの数を生み育てるには、保育の充実などをはじ

め、安心して子育てができる環境の整備が重要である。

幼児教育・保育の無償化に伴い、さらなる保育ニーズの増加が

見込まれ、また、女性の社会進出や企業の労働力不足解消の観点

等からも、保育環境の充実は、社会構造を支える重要な役割を担

うものであり、保育士確保対策は、一層の強化が必要である。

加えて、3歳未満児の入所児童の増加、配慮を要する児童の増

加や保護者への支援など、保育士が担うべき役割が高まっている

にもかかわらず、賃金が他業種に比べて低いことなどを要因とし

て、必要な保育士の確保が困難な状況が続いている。

これまでも、国においては、保育士の処遇改善等による離職防

止や新規就労の促進を進めており、本県においては、潜在保育士

の活用等も進めているが、保育士不足の解消に至っていない。

抜本的な課題解決に向け、更なる処遇改善や負担軽減を図ると

ともに、幼児期の教育及び保育の重要性を踏まえ、未来を担う子

どもたちの育みを支える保育士として社会的に一層高く評価され

るよう、より実効性のある保育人材確保策が必要である。

58

Page 63: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

また、待機児童の人数だけにとらわれることなく、未満児保育

の充実や配慮を要する児童への支援など、地方が地域の実情に応

じて、質の高い保育の実施に中長期的に取り組むことができるよ

う、国において一層の財政措置を講じることを要望する。

(厚生労働省子ども家庭局)

(内閣府子ども・子育て本部)

59

Page 64: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

児童相談所の体制強化について

児童虐待防止対策に係る児童相談所の人員体制強化について

は 「児童虐待防止対策体制総合強化プラン (新プラン)で大、 」

幅な増員目標が定められたが、急激な増員となることに鑑み、

新プランの実現に向けて、国の責任において人材確保や育成の

対策を講じること。

また、近年の相談件数の増加や急激な職員の増員に対応する

ための、児童相談所の設備整備に対する財政的支援を講じるこ

と。

1 児童相談所の人員体制強化に向けた支援の充実

児童相談所の人員体制強化については、平成30年12月の「児

童虐待防止対策体制総合強化プラン (新プラン)において、」

大幅な人員増の目標が示されるとともに、その実現に向けた児

童福祉法等の改正が予定され、2019年度においては地方交付税

措置の拡充など、一定の財政的支援も予定されている。

一方、これまでにない急激な人員増となることから、県にお

ける確実な人材確保や専門性の維持・向上に関しては、困難が

予測される。

ついては、国の責任において児童福祉司や児童心理司の任用

資格を有する者の十分な確保を図るとともに、児童相談所職員

が、業務に必要な知識・技術を学ぶための研修機会を十分確保

できるよう、国実施の研修の拡充や都道府県実施の研修への財

政的・技術的支援を強化するなど、質の維持・向上に向けた対

策を一層強化することを要望する。

60

Page 65: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 児童相談所の設備整備に係る支援の実施

一時保護所の整備については、国庫補助による財政支援が行

われるが、児童相談所の本体施設は、その整備に地方の財源を

充てることとされている。

一方、近年の相談件数の増加は著しく、また、平成28年の児

童福祉法等の改正により職員数も急激に増加している。相談件

数は引き続き増加傾向にあり、また、現在議論されている法改

正により職員配置はさらに強化される見込みであるため、児童

相談所の拡張等の整備が急務である。

ついては、児童相談所の体制強化を確実に進めるため、児童

相談所本体施設の整備に必要な財政的支援策を講じるよう要望

する。

(厚生労働省子ども家庭局)

(総務省自治財政局)

61

Page 66: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

障害福祉関連事業における財源確保につい

交付率の低下等により事業の実施に支障が生じている障害福

祉関連の国庫補助事業について、必要な財源を確実に確保する

こと。

障害者の地域生活への移行を推進していくためには、障害があ

っても地域で安心して暮らせる環境の整備が極めて重要である。

しかしながら、障害福祉関連の国庫補助事業においては、国の

予算が十分に確保されず、県や市町村、民間事業者において超過

負担が生じたり、事業が実施できないといった問題が生じている。

ついては、交付率の低下等により事業の実施に支障が生じてい

る障害福祉関連の国庫補助事業について、必要な財源を確実に確

保すべきである。

1 障害福祉関係施設の整備促進に不可欠な社会福祉施設等施設

整備費国庫補助金は、要望額に比して予算額が不足しており、

地域生活の支援に必要なサービスの基盤整備及び既存施設の安

全性の確保に支障を来たしていることから、障害福祉計画に基

づくサービスの基盤整備を着実に行えるよう、安定的で十分な

財源を確保すること。

2 地域生活支援事業は、地域で生活する障害者及び障害児が自

立した日常生活又は社会生活を営むことができるようにするた

めの事業として必要不可欠であるが、国の予算が十分確保され

ていないため自治体において超過負担が生じていることから、

地域の実情や利用者のニーズに応じた事業が円滑に実施できる

よう、十分な財源を確保すること。

(厚生労働省社会・援護局)

62

Page 67: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

障害者の雇用対策の拡充について

障害者の雇用促進と職場定着を図るため、障害者の雇用対策

を拡充すること。

障害者の安定した職業生活を実現するためには、障害特性に応

じた障害者と企業のマッチングとともに、就業後の継続的な支援

が重要である。

また、本県の障害者雇用は着実に進展しているが、平成30年度

から障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わり、法定雇用率が

引き上げられたことを踏まえ、その達成に向けて取組を強化する

必要がある。

国においては、平成30年度から精神障害者等の雇用機会拡大の

ための事業主への支援策が拡充されたところであり、その効果を

検証しながら、引き続き、障害者の雇用促進と職場定着を図るた

め、障害者を雇用する事業主への支援や障害者の就業支援を行う

障害者就業・生活支援センターの体制強化など更なる障害者雇用

対策の拡充を要望する。

(厚生労働省職業安定局)

63

Page 68: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

64

Page 69: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

本県は、外国人観光客をはじめとする交流人口の拡大を図るとともに、日

本海側の表玄関として更なる拠点性の向上により 「多様な人や文化が交わ、

る賑わいのある新潟」の実現に向けて取り組んでいます。

国においては、国際観光旅客税を創設し、観光先進国の実現に向けて、観

光基盤の充実・強化を図っているところですが、税収の一定割合について、

地方における観光地づくりが促進されるよう、自由度が高く創意工夫を活か

せる交付金等により地方に配分することを要望します。

また 「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」は、400年以上にわたる多様な、

金生産に関わる技術と人の歴史を物語る鉱山遺跡や町並みなどが、限られた

エリアの中で目の当たりにできる世界的にも稀有な鉱山です。

新潟県民並びに佐渡市民の悲願である令和4年度の世界遺産登録の実現に

向け、国において早期にユネスコへの推薦・登録がなされるよう取組を進め

ることを要望します。

本県は、上越・北陸の2つの新幹線、国内外との表玄関である新潟空港、

日本海側拠点港である新潟港や直江津港などの国際港湾、県内外をつなぐ高

、 。速道路等 日本海側の拠点として充実した交通ネットワークを有しています

今後も、これらの交通ネットワークの一層の充実につなげ、あわせて、大

規模災害時のリダンダンシー(代替機能)確保の観点からも、日本海側にお

ける本県の更なる拠点化の推進を図る必要があります。

そのため、高速道路のミッシングリンクの解消につながる日本海沿岸東北

自動車道の朝日まほろばIC~あつみ温泉IC区間の一日も早い開通や日本

海側と太平洋側を結ぶ災害に強い高速道路ネットワークの構築、日本海縦貫

高速鉄道交通体系の構築等を要望します。

また、日本海側に位置する本県港湾は、対岸諸国との物流・交流拠点とし

ての機能の強化及び太平洋側港湾のリダンダンシー機能の確保が急務となっ

ていることから、港湾施設等の整備と適切な維持管理の推進及び機能強化に

対する支援を要望します。

加えて、経済のグローバル化や訪日観光客が増加する中で、本県の空港・

港湾の役割はますます重要になっていることから、国内外を結ぶ旅客・物資

輸送ネットワークの拡充を含め、一層の機能強化や利用促進に向けた支援を

要望します。

Ⅴ 交流人口の拡大と拠点性向上に向けた交通ネットワー

クの整備

65

Page 70: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

国際観光の推進に資する施策の充実につい

増加する地方への訪日観光需要に対応するため、国際観光旅

客税の税収の一定割合について、地方における観光地づくりが

促進されるよう、地方団体にとって自由度が高く創意工夫を活

かせる交付金等により地方に配分すること。

また、ビジット・ジャパン事業の重点市場でもある中国、東

南アジア諸国及びロシアからの訪日手続の緩和を進めること。

国は 2020年までに訪日外国人旅行者数を4,000万人にするなど、

の目標を掲げ、国際観光施策を推進しており、観光先進国の実現

に向けて、国際観光旅客税を財源として観光基盤の拡充・強化を

図っているところである。

現在、訪日外国人旅行者の訪問先は、大都市圏から地方にもシ

フトしつつあり、その内容も消費型から体験型へとニーズが多様

化していることから、地方の特色を活かした体験型の観光地づく

りを促進し、訪日リピーターを拡大していくことが重要である。

今後、訪日外国人旅行者の地方への訪問と全体需要を拡大する

ためには、観光動向の変化に対応した地方の観光地づくりを促進

、 、するとともに ビジット・ジャパン事業の重点市場でもある中国

東南アジア諸国及びロシアからの誘客を一層促進する必要があ

る。

以上を踏まえ、次のとおり要望する。

1 増加する地方への訪日観光需要に対応するため、国際観光旅

客税の税収の一定割合について、地方における観光地づくりが

66

Page 71: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

促進されるよう、地方団体にとって自由度が高く創意工夫を活

かせる交付金等により地方に配分すること。

2 中国、東南アジア諸国及びロシアにおける個人観光査証の発

行条件を更に緩和する等、旅行者の訪日手続を一層緩和するこ

と。

(国土交通省観光庁)

(外務省領事局)

(法務省出入国在留管理庁)

(警察庁刑事局組織犯罪対策部)

67

Page 72: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

佐渡金銀山の世界遺産登録の早期実現につ

いて

佐渡金銀山が早期に世界遺産に推薦・登録されるよう国での

取組を進めること。

令和2年度の推薦実現を目指し、県の学術委員会や鉱山遺跡に

詳しい海外専門家、文化庁からの指導・助言を得て、佐渡独自の

価値がより明確に伝わる推薦書案になるように検討を進めてい

る。

また、資産の保存活用についても、重要文化財の修理に着手し

ているほか、4月に完成したガイダンス施設「きらりうむ佐渡」

を活用し、佐渡金銀山の価値と魅力を国内外へ発信するなど、取

組を進めている。

ついては、本県の目標である令和4年度の世界遺産登録実現に

向け、国において早期に推薦候補として選定し、ユネスコ世界遺

産委員会で登録されるよう取組を進めることを要望する。

(文化庁地域文化創生本部)

(外務省大臣官房)

68

Page 73: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

高速道路等の整備促進について

○ 「日本海沿岸東北自動車道」の朝日まほろばIC~あつみ温

泉IC間について、日本海国土軸の形成を図るため、一日も早

い全線開通を図ること。

○ 「磐越自動車道」の会津若松IC~新潟中央JCT間について、

安全で災害に強い道路を確保し、産業や観光等の交流を促進

するため、早期に全線4車線化を図ること。

○ 「胎内スマートIC(仮称)」など、地域の活性化等に必要な

スマートインターチェンジの整備を促進すること。

○ 豪雪地域における道路交通を確保し、県民の安全・安心の

確保及び力強く持続的な経済成長の実現に向け、幹線道路の

整備推進を図ること。

1 日本海沿岸東北自動車道の早期全線開通

日沿道の早期全線開通に向け、以下の観点から、確実に予算を

確保すること。

・ 「日本海国土軸」を国づくりの一つの柱として位置づけ、日

本海側の物流ルートとなる日沿道の早期全線開通が重要である。

・ 救命救急センターへの搬送時間を短縮して、救急医療体制の

充実を図り、高齢化が進む中で生命と健康を守る環境を整備す

る必要がある。

・ 災害に強い国土軸を形成するため、広域的な高速道路ネット

ワークを整備し、代替性を確保する必要がある。

2 磐越自動車道の暫定2車線区間の全線4車線化

磐越道の暫定2車線区間について、以下の観点から、早期に全

線4車線化を図ること。

69

Page 74: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

・ 暫定2車線区間は、対面通行であるため、正面衝突による痛

ましい死亡事故が発生しており、安全性を確保する必要がある。

・ 東日本大震災時には、物資の緊急輸送路としての代替機能を

担ったところであり、日本海側と太平洋側を結ぶ災害に強い高

速道路ネットワークの機能を強化する必要がある。

・ 産業や観光等の交流を促進し、生産性の向上による経済の活

性化等に資するため、沿線市町村や地元経済界からの4車線化

の期待も高まっている。

3 スマートインターチェンジの整備促進

既存の高速道路ネットワークの有効活用・機能強化により、物

流の効率化、地域活性化、利便性の向上等を図るため、胎内スマ

ートIC(仮称)などのスマートインターチェンジの整備を促進す

るとともに、整備に取り組む地方自治体に対し支援すること。

4 幹線道路の整備

豪雪地域における道路交通を確保し、県民の安全・安心の確保

及び力強く持続的な経済成長の実現に向け、直轄権限代行により

事業化された上越魚沼地域振興快速道路「十日町道路」の整備促

進を図るとともに、松本糸魚川連絡道路「松糸・今井道路」など

幹線道路の予算配分について、配慮すること。

あわせて、県内幹線国道の機能強化を図るため、国道8号親不

知地区及び国道17号湯沢地区における抜本対策や国道116号吉田

バイパスの事業化に向けた調査について推進すること。

(国土交通省道路局)

70

Page 75: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

新潟空港の機能強化及び利用促進への支援について

新潟空港の拠点性向上を図るため、新潟空港の機能強化を促進するとともに利用促進への支援を行うこと。○ 訪日誘客支援空港の認定に伴う支援の拡充・継続○ 空港アクセスに対する支援制度の構築○ ビジネスジェット等の受入れ推進○ 新潟空港の除雪体制・凍結防止策等の強化○ 新潟空港におけるRESA整備の着実な実施○ 新潟空港滑走路の沖合展開○ 新潟空港駐車場の拡張・利便性の向上

新潟空港は、国際4路線、国内8路線が就航する本州日本海側で随一の路線数を誇る拠点空港であり、県民等の経済、文化、生活など様々な分野にとって不可欠な基幹交通拠点である。また、新潟空港は、北東アジア地域において、地理的・時間的

優位性があることに加え、多くの国内主要都市と結ばれており、首都圏空港の補完的な役割を果たすことができると考える。新潟空港では2017年度の訪日誘客支援空港(拡大支援型)の認

定以降、国際線の増便が多数実現したほか、同年度には新潟空港初となるLCC定期路線が就航し、昨年度は2007年度以来となる空港利用者110万人超えを達成したところである。一方、2017年度の欠航便数は、冬季の荒天等により過去5年間

で最多となる369便に上ったほか、昨年度の新潟空港駐車場は2014年度の拡張工事以降、最多となる46日間の満車日が発生しており、新潟空港における安定運航に対する信頼性の低下や利用者の利便性低下等が強く懸念されている。このような中、本県においては、2020年度の年間利用者135万人

を目標に、今後も更なる利用拡大や路線ネットワークの充実等の実現に向け、関係者一丸となった取組を展開することとしており、日本海側の航空路の表玄関として新潟空港の機能強化や利用促進に向けた支援が必要である。

1 訪日誘客支援空港の認定に伴う支援の拡充・継続国においては、「明日の日本を支える観光ビジョン」のもと、

71

Page 76: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

訪日外国人旅行者数を2030年に6,000万人とする政府目標を掲げており、その実現に向けては、地方空港におけるゲートウエイ機能強化等の取組を進め、訪日外国人旅行者の受入体制の強化を図る必要がある。そのため、現在は2020年度までとなっている訪日誘客支援空

港に対する支援を2021年度以降も継続するとともに、今後の新規就航や増便を見据えた予算措置の拡充や国際線着陸料軽減額の上限を緩和すること。

2 空港アクセスに対する支援制度の構築新潟空港が、日本海側の表玄関としての機能や、首都直下地

震などの際のリダンダンシー機能等を発揮していくためには、空港アクセスの改善が必要である。LCC定期路線の就航に伴う新たな需要へも対応するため、

地方が行う県内外高速バス等の2次交通整備を含む様々な空港アクセスの改善に対する財政的支援制度を構築すること。

3 ビジネスジェット等の受入れ推進2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時に、諸

外国から多数の飛来が想定されるビジネスジェット・プライベートジェットについて、首都圏から距離的優位性のある新潟空港における受入れに向けて、地方空港の着陸料減免等の支援を行うこと。また、政府専用機を含めた発着調整を国が一元的に実施し、新潟空港を積極的に活用すること。

4 新潟空港の除雪体制・凍結防止策等の強化国は、2017年度の冬期就航率の低下を受け、昨年度、就航率

低下の要因分析や改善策の検討を目的とした「新潟空港の冬期就航率改善に向けた検討会」を設置し、2020年に除雪目標時間を現行の110分から60分に短縮するための改善策を取りまとめた。往復除雪を可能とする除雪車両の確実な増車等により、除雪

時間の短縮を速やかに実現すること。

5 新潟空港におけるRESA整備の着実な実施新潟空港の滑走路端安全区域(RESA)整備が、国の方針

どおり2022年度末までに完了するよう、計画的かつ着実に整備を進めること。また、整備実施期間中の悪天候等による就航率低下を最低限

に抑えること。

6 新潟空港滑走路の沖合展開空港周辺の航空機騒音等の環境問題を抜本的に解決し、運用

72

Page 77: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

時間の延長にも寄与する、空港の沖合展開に向けて、具体的な検討を行うこと。

7 新潟空港駐車場の拡張・利便性の向上新潟空港駐車場は、一般財団法人空港振興・環境整備支援機

構が有料駐車場として管理運営しているが、空港周辺に民間駐車場がない状況に加え、昨年度は2014年度の拡張工事以降、最多となる46日間の満車日が発生しており、利用者からは満車日があることに対する不安の解消を求められている。空港アクセス改善、新潟空港の利用促進の観点からも、駐車

場の拡張に係る運用を見直し、駐車容量の拡大を図るなど、一層の利便性向上に努めること。

(国土交通省総合政策局)(国土交通省航空局)(国土交通省鉄道局)

(国土交通省自動車局)

73

Page 78: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

日本海縦貫高速鉄道交通体系(北陸新幹線・

羽越新幹線)の構築について

日本海国土軸の形成や災害に強い国土づくり等のため、北陸

新幹線の早期全通及び沿線地域の利便性向上を図るとともに、

羽越新幹線の整備に必要な調査を早期に実施すること。

北陸新幹線については、長野・金沢間が開業し、現在、金沢・

敦賀間の整備が進められているところであるが、敦賀・大阪間に

ついては着工時期が未定となっている。また、本県においては、

地方負担に応じた便益が提供されていない状況となっている。

また、羽越新幹線については、昭和48年に基本計画が決定され

たものの、整備計画の策定に至っていない。

今後、日本海国土軸の形成、災害に強い国土づくり、地方創生

の重要性等に鑑み、日本海縦貫高速鉄道交通体系の構築を図るた

め、以下の取組が必要である。

1 北陸新幹線の早期全通

現在建設中の金沢・敦賀間の整備促進に加え、フル規格によ

る大阪までの早期全通を図ること。

2 北陸新幹線の停車のあり方についての助言の徹底

全国新幹線鉄道整備法において、新幹線建設費用の地方負担

を定めるとともに、新幹線の整備が地域の振興に資するもので

あることも併せて明らかにしていることから、地方負担に応じ

た便益が提供されるべきである。

北陸新幹線の停車のあり方については、平成24年2月17日の

74

Page 79: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

国土交通大臣と知事との合意に基づいて平成26年3月28日に国

から関係JRに対して行われた奨励及び助言のとおり、本県を

含む沿線地域の意向も聞きつつ かがやき の停車など 沿線、「 」 、

地域の利便性の維持向上に資するようなダイヤ設定が行われる

よう、国の立場において徹底を図ること。

3 羽越新幹線の整備に必要な調査の早期実施

羽越新幹線のフル規格による着工に向け、基本計画路線から

整備計画路線への格上げの前提となる調査を早期に実施するこ

と。

(国土交通省鉄道局)

75

Page 80: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

港湾施設等の整備と適切な維持管理の推進

及び機能強化に対する更なる支援について

港湾施設、海岸保全施設に係る事業の計画的な実施と事業効

果の早期発現に必要となる十分な予算確保を行うこと。

また、港湾施設等の適切な維持管理の推進に必要となる十分

な予算確保と財政支援を行うこと。

加えて、日本海側拠点港である新潟港・直江津港の更なる機

能強化を図るため、必要な支援策を講じること。

○ 計画的な事業実施のための十分な予算確保

○ 港湾施設等の適切な維持管理のための十分な予算確保と

財政措置の創設、拡充

○ 新潟港の更なる機能強化に向けた支援

日本海側に位置する本県港湾は、対岸諸国との物流・交流拠点

としての機能の強化及び太平洋側港湾のリダンダンシー機能の確

保が急務であるとともに、地域の生活基盤及び産業基盤の形成、

離島の振興等に大きく貢献している。

そのため、港湾施設・海岸保全施設に係る事業について、計画

的な実施による事業効果の早期発現を図るための十分な予算確保

が必要である。

また、急速に進む港湾施設等の老朽化に対し、維持管理計画に

基づく効率的・効果的な更新・修繕による維持管理の推進が不可

欠となっている。

加えて、維持管理計画に基づく点検及びソーラス対応保安施設

の更新に係る費用に対する財政措置が必要である。

1 計画的な事業実施のための十分な予算確保

港湾施設等の整備を計画的かつ着実に進めていくため、新潟

港・直江津港の機能強化をはじめ、姫川港岸壁の早期現地着手

や、新潟港海岸の整備推進等に係る十分な予算の確保を行うこ

と。

76

Page 81: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 港湾施設等の適切な維持管理のための十分な予算確保と財政

措置の創設、拡充

安全・安心の確保と増大が見込まれる維持管理費用の縮減及

び平準化を図るため、みなとトンネルをはじめとする国有港湾

施設の大規模な更新や修繕を計画的に国で実施するとともに、

臨港道路の空洞対策等、県有施設の戦略的な維持管理に必要と

なる十分な予算の確保を行うこと。

また、維持管理計画に基づいた定期点検を確実に実施するた

め、必要な費用についての財政支援制度を早急に創設すること。

さらに、改正ソーラス条約に対応した保安施設を整備し、適

切な保安体制を確保するため、すべての監視カメラを社会資本

整備総合交付金の交付対象とするなどソーラス施設の更新に係

る財政措置の拡充を行うこと。

3 新潟港の更なる機能強化に向けた支援

港湾運営会社の経営を支援するため、荷役機械や施設改修等、

運営会社の新たな施設投資への助成制度を創設すること。

また、トラックドライバー不足対策にも効果的で、CO 排2

出量が少ない鉄道輸送へのモーダルシフト推進のため、鉄道が

新潟港コンテナターミナルに乗り入れる「オン・ドック・レー

ル」の実現に向けた関係者との協議の継続、鉄道輸送と海上輸

送が円滑となる環境づくりに対する支援を行うこと。

(国土交通省港湾局)

(国土交通省鉄道局)

77

Page 82: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

新潟西港の航路浚渫事業の推進について

新潟西港の港湾機能の維持と海洋環境保全のため、航路浚渫に必要となる土砂処分場を整備し、航路浚渫事業を推進すること。

新潟西港は、佐渡島や北海道を結ぶフェリーの発着基地として、また、国内外との物流や交流の拠点として重要な役割を担っている。一方で、信濃川の河口部に位置することから、上流部からの流

下土砂の堆積が顕著であり、港湾機能を維持するためには、航路浚渫事業は非常に重要である。航路の埋没浚渫により発生する浚渫土砂は毎年約80万㎥にのぼり、その大部分の約60万㎥は新潟西港の沖合に海洋投入し、その他の約20万㎥については入舟地区の廃棄物処分場に投入している。既存処分場が令和2年度末に満杯となる見込みであること、及び海洋環境保全の観点から、早期の土砂処分場整備が必要である。また、土砂処分後の将来の土地利用計画として、新潟空港周辺

環境問題の抜本的解決につながる空港の沖合展開に活用すること。も考えられるところである

1 航路埋没浚渫の着実な実施新潟西港の港湾機能を維持するためには、航路浚渫事業の継

。続は必要不可欠であり、着実に実施して行く必要がある

2 土砂処分場の整備推進の必要性新潟港の港湾機能の維持に不可欠な入舟地区の廃棄物処分場

は、令和2年度末に満杯となる見込みである。また、埋没浚渫に伴い発生する土砂については、その大部分

を海洋汚染防止法の許可を得た上で海洋投入しているが、海洋環境保全の観点から可能な限り抑制していくことが求められている。港湾機能の維持と海洋環境保全のため、早急に土砂処分場整

備を進めることが必要である。

(国土交通省港湾局)

78

Page 83: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

新潟空港、新潟港及び直江津港のC・I・Q体制の強化について

新潟空港、新潟港及び直江津港におけるC・I・Q体制を強化すること。○ 訪日観光客の増加に対応する人員体制等の強化○ 国際貨物の増加に対応する人員体制等の強化

経済のグローバル化や国際交流が進展する中で、東アジア等への玄関口として新潟空港、新潟港及び直江津港の果たす役割は今後ますます重要となる。また 国においても 明日の日本を支える観光ビジョン のも、 、「 」

と、インバウンド施策を展開しており、円滑な人とモノの往来を実現するため、C・I・Q体制の強化を図る必要がある。

1 訪日観光客の増加に対応する人員体制等の強化近年、中国を始めとする東アジア等からの旅客が増大してお

り、新潟空港利用客の増加や大型外国クルーズ船の寄港増加など、今後もその傾向は続くものと考えている。さらに、新潟にある各国の総領事館とも連携しながら、東ア

ジア等との交流の一層の拡大に取り組んでいることから、訪日観光客の円滑な受入れを図るため、C・I・Qの人員体制及び多言語での受入体制の強化などを行うこと。

2 国際貨物の増加に対応する人員体制等の強化中国を始めとした東アジア等との経済活動の活発化に伴う国

際貨物の増加に対応するため、C・I・Qの人員体制の強化や検査機器の充実などの対応を行うこと。

(財務省関税局)(東京税関)

(法務省出入国在留管理庁)(東京出入国在留管理局)

(農林水産省消費・安全局)(厚生労働省医薬・生活衛生局)

79

Page 84: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

80

Page 85: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

現在の我が国の経済は、これまでの大都市に立地する輸出型大企業を中心

とした業績の改善に伴い、景気は緩やかに回復しているものの、景気回復の

効果が地方の中小企業に広く及ぶまでには至っていません。

また、地方における人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が

人口減少を加速させる「負のスパイラル」に陥るリスクも懸念されます。

さらに、求人者・求職者のニーズの不一致による雇用のミスマッチや、よ

り労働条件が良い仕事が首都圏に多いことなどから、職業を理由とした転出

超過が継続しており、幅広い分野で人手不足感が高まっています。

国においては、適正な経済財政政策を講じることにより、地方における経

済の好循環を確立できる経済環境を早期に整備するとともに、人手不足を解

消するため、賃金などの労働条件の改善と働き方改革の推進による魅力ある

職場環境づくり等を要望します。

、 。東日本大震災後 我が国のエネルギー政策は大きな転換点を迎えています

再生可能エネルギーの導入拡大の重要性が高まっていることから、日本海側

の送電設備の充実や大規模洋上風力発電の導入に向けた促進区域への本県が

想定する有望な区域の選定等について、要望します。

また、福島第一原子力発電所事故以降、防災対策が必要となる地域が拡大

するとともに、当該地域においては、原子力発電施設に対する住民理解の促

進や地域の自立的な発展を目指した地域振興策の推進が一層求められている

ことから、原子力発電所の安全確保のための運転停止期間は、立地自治体に

よる安全確認のための期間も含め、電源立地地域対策交付金における「みな

し規定」の適用を継続し、これまでの立地地域の貢献や地域事情に十分配慮

し、交付水準の見直し等を図ることを要望します。

Ⅵ 地域経済の活性化・地域エネルギーの活用

81

Page 86: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

地域経済の持続的発展に向けた経済環境の

整備について

地域経済の持続的発展のため、地方における経済の好循環を

確立できる経済環境を早期に整備すること。

我が国経済は、これまでの大都市に立地する輸出型大企業を中

心とした業績の改善に伴い、景気は緩やかに回復しているものの、

景気回復の効果が地方の中小企業に広く行き渡るまでには至って

いない。

加えて、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速懸念などか

ら、企業の景況感は先行きについて下振れが見込まれているなど、

経済を取り巻く状況には様々な懸念材料がある。

また、我が国の人口は、平成20年をピークに減少局面に入って

いるが、地方における経済の好循環が実現しなければ、地方にお

ける人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減

少を加速させる「負のスパイラル」に陥るリスクも懸念される。

地域経済の持続的発展のためには、地方の経済を支える中小企

業の収益拡大から、適切な労働分配を通じた賃金水準の向上、消

費拡大へとつながる経済の好循環を確立することが不可欠である。

以上を踏まえ、政府においては、人口減少と地域経済縮小を克

服するため、以下の取組を含めた適正な経済財政政策を講じるこ

とにより、地方における経済の好循環を確立できる経済環境を早

期に整備するよう要望する。

82

Page 87: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

1 中小企業の生産性向上の促進や起業・創業の推進など、高い

付加価値を生み出す企業を創出し、多様な雇用の場を確保する

施策を推進すること。

2 賃上げに積極的な企業の税負担の軽減など、適切な労働分配

を通じた賃金水準の向上につながる施策を令和3年度以降も継

続して実施すること。

3 本年10月に予定されている消費税率10%への引き上げによる

地域経済への影響に十分配慮した上で、国の責任において適切

な施策を講じること。

(内閣府政策統括官(経済財政運営担当 ))

(財務省主税局)

83

Page 88: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

中小企業の事業承継支援の拡充について

地域の経済や雇用、住民生活を支える中小企業の円滑な事業

承継に向けた支援を拡充すること。

本県においては中小企業・小規模事業者(以下 「中小企業」と、

いう )が企業の大多数を占める中で、民間調査機関の調査による。

と、昨年の休廃業・解散件数が企業数に占める割合は、全国で2

番目に高くなっており、経営者の高齢化とともに今後、更に中小

企業の休廃業・解散件数は増加していくことが予想される。また、

本県が実施した事業承継診断によると、県内の経営者年齢が50歳

代から60歳代の中小企業のうち約半数に後継者候補がいない状態

であることが明らかとなっている。

このまま事業承継が円滑に進まなければ、地域の経済を支える

中小企業や、地域の伝統工芸、地場産業、国内外のサプライチェ

ーンの一端を担う企業の雇用や技術の喪失により、地域の経済や

産業が衰退していくことが懸念される。

このような背景から、本県においても、中小企業の事業承継に

向けた早期着手を促すとともに、地域をあげて事業承継を支援す

る体制として、昨年6月に「新潟県事業承継ネットワーク」を立

ち上げ、円滑な事業承継の推進に取り組んでいるところである。

国の試算では、今後10年間で70歳を超える中小企業の経営者は

約245万人、うち半数の127万人が後継者未定となっており、現状

を放置すると、廃業の急増によって10年間の累計で約650万人の

雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるとしている。特

に、人口減少と高齢化が進む地方において事業承継問題は深刻で

ある。

84

Page 89: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

事業承継には、後継者の確保、資産や経営ノウハウの継承など、

解決すべき課題が多く、その準備には5年から10年かかるとも言

われており、早期の事業承継に向けた対策の強化は喫緊の課題と

なっている。そのため、価値ある企業の廃業による雇用や技術の

喪失を食い止めるとともに、事業承継を契機とした経営革新や事

業転換を図る中小企業を支援し、企業価値を高めていく必要があ

る。

以上を踏まえ、次のとおり要望する。

1 事業承継への支援は、その成果に至るまでに長期間を要する

ため、今後10年の集中期間中は、事業承継・世代交代集中支援

事業による地域への支援を安定的かつ継続的に実施すること。

2 事業承継を契機とした経営革新や事業転換など、中小企業の

新たなチャレンジの促進のため、事業承継補助金について、事

業者の事業実施期間を十分確保するなど柔軟な運用とすること。

また、事業引継ぎ支援センターが行う弁護士などの士業等専

門家相談において、相談者への支援を拡充すること。

3 中小企業の経営形態は多様であり、持ち株会社等を含めた経

営体制など、様々なケースが見受けられることから、実態に即

した事業承継税制の適用が図られるよう、制度の拡充や要件の

緩和等を図ること。

(経済産業省中小企業庁)

85

Page 90: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

人手不足への対応について

県内の人手不足を解消するため、地域間格差の拡大につなが

っている最低賃金制度を見直すこと。また、働き方改革を推進

し、誰もが働きやすい環境づくりを進めるとともに、女性や高

齢者、若者等の就労促進や外国人材の受入れ環境の整備を進め

ること。

本県では、中小企業・小規模事業者(以下「中小企業」とい

う )が企業の大多数を占めており、下請け企業も多い状況にある。。

そのような中、求人者・求職者のニーズの不一致による雇用のミ

スマッチや、より労働条件が良い仕事が首都圏に多いことなどか

ら、職業を理由とした転出超過が継続しており、幅広い分野で人

手不足感が高まっている。

これらの課題に対応し、人手不足を解消するには、賃金などの

労働条件の改善と働き方改革の推進による魅力ある職場環境づく

りを進めるとともに、就労意欲がありながらも職に就いていない

多くの女性や高齢者などがそれぞれのライフスタイルに応じて就

業しやすく、また、外国人材を必要とする企業が適正かつ円滑に

受け入れることのできる環境づくりを進めることが重要である。

あわせて、県内中小企業の情報が若者等に十分届いていないこ

とも、転出超過の要因の一つであることから、若者等に的確な情

報を届け、県外流出を防ぐとともに、U・Iターン就職を促進す

ることが必要である。

以上を踏まえ、次のとおり要望する。

1 最低賃金について、地域間格差の拡大につながっているラン

ク制度の見直しを図るとともに、格差是正に向けて段階的に引

上げを行うこと。

また、引上げによって影響を受ける中小企業への支援策を充

実すること。

86

Page 91: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 中小企業で働く労働者のワーク・ライフ・バランスを実現し、

誰もが働きやすい環境づくりを進めるため、働き方改革関連法

の適正な運用を図るとともに、商慣習の見直しや取引条件の適

正化などにより、長時間労働の是正や年次有給休暇の取得促進

に向けた取組を一層進めること。

3 就労意欲のある女性や高齢者などの新規就業の促進に向け、

中途採用を拡大する企業や、初めて中高年齢者を採用する企業

に対する支援を強化するとともに、マッチング支援に取り組む

地方公共団体に対する支援について、計画期間における確実な

予算措置を講じること。

また、企業が中途採用可能な年齢を引き上げる方向に誘導す

るための実効性のある施策を講じること。

4 「特定技能」の在留資格を得て働く外国人が、大都市その他

の特定の地域に集中することなく、地域の人手不足に的確に対

応できるよう、対象分野別に設置する協議会において地域の自

治体や業種別団体等の意見が反映される枠組みとするなど、実

効性のある施策を講じること。

また、外国人労働者の失踪は、本県の働く場所としての魅力

を減退させることにつながることから、実効性のある防止策を講じるとともに、地域の実情に応じた対策がとれるよう、県別

の失踪件数や失踪事例等必要な情報を地域で共有できるよう取

り組むこと。

5 雇用のミスマッチを解消し、U・Iターン就職や若者等の県

内就職を促進するため、中小企業の魅力等企業情報の的確な発

信に取り組む地方公共団体に対する支援について、計画期間に

おける確実な予算措置を講じること。また、いわゆる就職氷河期世代の安定的な雇用の促進に向け

た対策を講じること。

(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局)

(経済産業省中小企業庁)

(法務省出入国在留管理庁)

(厚生労働省労働基準局)

(厚生労働省職業安定局)

87

Page 92: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

再生可能エネルギーの導入に資する施策の

充実について

再生可能エネルギーの導入拡大に向け、電力系統の強化、大

規模洋上風力発電の導入に向けた取組の推進等を図ること。

再生可能エネルギーの導入拡大に当たっては、本県においては

特別高圧の系統の空き容量が少ない地域が多くを占めるなど電力

系統が脆弱であり、導入が期待される洋上風力発電などの大規模

な再生可能エネルギー電気の受入れに制約があるほか、接続に際

しても高額な費用負担が必要である。このことは、投資判断に負

の影響を与え、今後、接続可能地域との地域間格差が更に拡大す

ることが懸念される。

また、大規模洋上風力発電の導入に当たっては 「海洋再生可、

能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法

律」に規定する促進区域の指定等が必要となる。本県では、地元

の合意形成に向けて漁業や環境への影響等の課題を関係者と検討

する研究会を設置し、洋上風力発電と環境保全等が両立可能な候

補地を絞り込む取組を行っている。

以上を踏まえ、以下の施策を要望する。

1 多くの再生可能エネルギー電気を受け入れられるよう、国と

して系統強化を促進する措置を講じるとともに、特に災害時の

安定供給確保の観点から、日本海側の送電設備も充実させるこ

と。

また、系統増強が措置されるまでの間においても、既存系統

を最大限活用できるよう、日本版コネクト&マネージの仕組み

に係る課題解決を図り、早期にその完全運用を図ること。

2 太陽光発電設備の導入が遅れている地域における系統連系量

を確保するための地域別の系統連系量の割当制度の創設や、導

88

Page 93: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

入状況を踏まえた地域別の賦課金単価の設定など、地域間格差

の拡大を是正する措置を講じること。

3 洋上風力発電に係る本県の取組を踏まえ 「海洋再生可能エネ、

ルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」

に規定する、促進区域の指定において、本県が想定する有望な

区域を選定の上、協議会の設置及び調整など一連の手続を円滑

に進めること。

4 波力、海流等の海洋エネルギーについても、固定価格買取制

度の対象とすること。

また、開発促進に取り組む本県について、国が選定した実証

フィールドを活用する研究機関及び企業が行う海洋エネルギー

の技術開発や、関連設備の整備に対して支援を行うこと。

5 自家消費を目的とした、太陽光等の再生可能エネルギーによ

る発電及び地中熱や雪氷熱等の熱利用に対しても、導入拡大に

向けた支援措置を拡充すること。

(経済産業省資源エネルギー庁)

(国土交通省港湾局)

(内閣府総合海洋政策推進事務局)

(環境省総合環境政策統括官)

89

Page 94: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

燃料電池自動車普及促進に係る地方の取組

支援等について

燃料電池自動車の普及と水素エネルギーの利活用を推進する

ため、商用水素ステーションの整備・運営に係る低コスト化を

早期に実現すること。

また、燃料電池自動車の普及促進に向けた、車種多様化を図

る地方の取組に支援を行うこと。

国は、平成29年12月の「水素基本戦略」の策定や、それを実現

する手段とした「水素・燃料電池戦略ロードマップ」において、

2025年までに商用水素ステーションを320箇所程度整備すること

としている。

一方で、商用水素ステーションの整備については、現状5億円

以上要していることから、整備を促進するためには低コスト化の

早期実現が必要である。

また、燃料電池自動車の普及促進のためには、多くのユーザー

に対応できるよう車種の多様化について、メーカーだけではなく

地方の取組に対しても支援を行っていく必要がある。

以上を踏まえ、以下の取組を要望する。

1 商用水素ステーションの整備・運営に係る低コスト化の早期

実現

商用水素ステーションの整備を促進するため、現在、国が進

めている低コスト化に向けた取組を加速するとともに、早期の

成果普及を図ること。

2 燃料電池自動車普及促進に係る地方の取組支援

燃料電池自動車の普及促進に向けて、燃料電池自動車や燃料

90

Page 95: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

電池バス、燃料電池フォークリフトなどの車種の多様化を図る

地方における研究開発及び製造の取組に支援を行うこと。

(経済産業省資源エネルギー庁)

91

Page 96: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

エネルギー源の多角化と地元に経済的メリ

ットが還元される仕組みづくりの検討につ

いて

日本海沖における表層型メタンハイドレートの開発を促進す

るとともに、地元に経済的メリットが還元される仕組みづくり

を検討すること。また、ロシア極東地域からの天然ガスの安定

的かつ安価な調達方策を検討すること。

東日本大震災後、我が国のエネルギー政策が大きな転換点を迎えて

いる中、我が国の周辺海域におけるエネルギー資源の開発がより注目

されている。一次エネルギーのほとんどを海外に依存している我が国

において、安全保障の観点からも国産資源は重要であり、その開発を

一層加速させることが求められる。また、資源の調達元を多角化し、

安定的かつ安価に調達することが重要であり、特に豊富な資源を持つ

ロシアからの調達拡大が求められる。

以上を踏まえ、以下の取組を提案する。

1 日本海沖の表層型メタンハイドレートの開発促進

資源の商業化には、賦存量の把握とともに、日本海沖の表層

型メタンハイドレートに固有の採掘技術の開発を促進すること

が必要であるため、日本海沖における開発に向けた来年度予算

を拡充すること。

また 「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」において、表、

層型メタンハイドレートの開発に向けた工程表が示されたが、

計画どおり民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが

開始されるよう、着実に取組を進めること。

92

Page 97: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 地元に経済的メリットが還元される仕組みづくりの検討

資源開発が行われる地元の協力が大きければ、より効率的な開発

が期待されるところ、資源の採掘から得られる直接的な利益は、開

発事業者に帰属するため、現状では地元への恩恵は限定的である。

このため、資源開発が行われる地元に経済的メリットが還元され

る仕組みづくりを検討すること。

3 採掘技術開発の体制整備と地元技術等の活用

採掘技術の開発に当たって、工学研究を促進するとともに、

地方における調査研究体制を整備すること。

また、それらに加え、資源回収技術調査・研究の実施に当た

っては、地元の技術・人材の活用や育成について検討すること。

4 ロシア極東地域からの天然ガスの調達方策の検討

天然ガスの安定供給を実現し、資源の調達元を多角化するた

め、ロシア極東地域に多く賦存する天然ガスを安定的かつ安価に

調達する方策を検討すること。

(経済産業省資源エネルギー庁)

(内閣府総合海洋政策推進事務局)

93

Page 98: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

日本海側におけるエネルギー基地の整備に

ついて

災害時におけるエネルギーの安定供給を図るため、エネルギ

ーの備蓄制度の整備及び日本海側へのエネルギー基地の設置等

を検討すること。

東日本大震災では、被災地の救援、医療、ライフラインや通信

インフラの稼働等のために一刻も早い石油製品の安定供給が必要

とされた。また、天然ガスは、発電や燃料用のエネルギー資源と

しての重要性がますます高まっている。

しかしながら、それらの受入・生産・供給施設の大半は太平洋

側に立地しており、今後、首都圏直下型、あるいは東海、東南海

地震などにより被災し、供給がストップした場合、国民生活に計

り知れない影響を及ぼすことが懸念される。

このため、こうしたエネルギーの備蓄制度を整備するとともに、

大消費地の首都圏などに近く、既存の輸送インフラを活用して、

効率的にバックアップ機能を果たせる日本海側へのエネルギー基

地の設置等を検討すべきであり、具体的には次に掲げる取組を提

案する。

1 エネルギー備蓄制度の整備

重要性が高まっている天然ガスについても、石油・LPガス

とともに国家備蓄の対象とすること。

2 枯渇ガス田の活用

天然ガスについて、LNGの形態での保管に比べ安価に行え

94

Page 99: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

るとされている枯渇ガス田を利用した保管を実現するために、

法制度の整備等を行うこと。

また、天然ガスの国家備蓄に当たっては、枯渇ガス田を積極

的に活用すること。

3 関東地域への広域ガスパイプラインの整備

本県には、大消費地の首都圏につながるガスパイプラインが

整備されているが、バックアップ機能を果たすには十分ではな

いため、ガスパイプラインの新増設を国の主導で行うこと。

4 国家石油製品備蓄の拡充

我が国全体の石油製品供給の災害対応力をより強化するため、

備蓄に必要な受入・管理・出荷等のインフラが充実した本県の

拠点を活用した国家備蓄の増強を検討すること。

5 その他エネルギー供給設備等の設置支援

前記1~4に付随するエネルギー供給設備や、これらを活用

するLNG火力発電所などの整備を、国として支援すること。

(内閣府政策統括官(防災担当 ))

(経済産業省資源エネルギー庁)

95

Page 100: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

電源三法交付金制度の見直しと予算確保に

ついて

電源三法交付金について、地域の裁量で弾力的かつ迅速に事

業が実施できるよう制度を見直すとともにその実施に必要な予

。算額を確保すること

福島第一原子力発電所事故以降、防災対策が必要となる地域が

拡大するとともに、当該地域においては、原子力発電施設に対す

る住民理解の促進や地域の自立的な発展を目指した地域振興策の

推進が一層求められている。

こうした状況を踏まえ、電源立地地域の振興等を目的とする電

源三法交付金については、必要な予算額を確保することはもとよ

り、社会情勢の変化に対応できるよう地域の裁量で弾力的かつ迅

速に事業を実施することが重要である。

以上のことから、以下の取組について要望する。

1 交付対象地域の拡大などの交付要件の緩和や事務手続きの簡

素化など制度を見直すとともに、その実施に必要な予算額を確

保すること。

2 原子力発電所の安全確保のための運転停止期間は、立地自治

体による安全確認のための期間も含め、電源立地地域対策交付

金における「みなし規定」の適用を継続し、これまでの立地地

域の貢献や地域事情に十分配慮し、交付水準の見直しを図るこ

と。

96

Page 101: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

3 原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業費補助金につい

ては、平成27年度に引き下げられた算定単価を復元するととも

に、現行では雇用創出効果の高い製造業を想定した制度となっ

ていることから、AI・IoT関連分野など成長産業の立地促

進につながるよう対象業種の拡大や電力上限の引上げなど、現

行制度の見直しを図り、必要な予算額を確保すること。

(経済産業省資源エネルギー庁)

97

Page 102: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

98

Page 103: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

本県の農業は、一部では大規模化も進んでいますが、所得確保が難しい小

規模農家が多数を占めている現状にあります。

今後、農業者の所得向上を図るためには、規模拡大や生産コストの低減を

進めるとともに、稲作だけに頼らない農業経営への転換に向けた多角化・複

合化、県産農産物の付加価値向上を推進する必要があります。

本県においても、農業者自身が需要に応じた生産に取り組んでいるところ

ですが、農業の持続的な発展に向けて、農業者が将来展望を持って農業経営

に取り組める制度の構築が必要です。

そのため、非主食用米へのインセンティブを高めることで米の需給バラン

スを均衡させる経営所得安定対策制度の恒久化と安定した財源の確保を要望

します。また、収入保険制度について、万全なセーフティネットの構築に向

けて必要な見直し等を行うよう要望します。

あわせて、中山間地域では過疎化・高齢化が進み、集落の維持等にも影響

を与えかねない状況となっていることから、生業としての農業が継続できる

よう公的支援を拡充することを要望します。

また、地域における農地の基盤整備や、防災・減災対策にも資する農業水

利施設、治山施設、漁港・海岸保全施設の維持補修等が必要であり、その財

源の確保を要望します。

加えて、新潟県中越地区で約200年前に生まれ、現在100以上の品種がそろ

う錦鯉は、泳ぐ宝石とも称され、世界40か国以上に輸出されていますが、世

界的なブームによる生産国の増加に伴い、錦鯉が日本発祥であるとの認識が

損なわれることが危惧されています。

錦鯉を国魚に指定し、魅力を国内外に発信するとともに、防疫対策を拡充

し、健康で品質の高い日本産錦鯉の輸出振興に向けた施策を推進するよう要

望します。

Ⅶ 持続可能な農林水産業の実現

99

Page 104: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

農業の持続的な発展に向けた制度の構築等

について

農業の維持と食料の安定供給は、我が国の食料安全保障の観

点からも極めて重要であり、農業の持続的な発展に向けて、農

業者が将来展望を持って農業経営に取り組める制度の構築が必

要である。

○ 米の需給バランスを均衡させる現在の仕組みを維持する

とともに、万全なセーフティネットの構築に向けて収入保

険制度の必要な見直し等を的確に行うこと。

主食用米の需要減少の状況を踏まえれば、非主食用米のインセ

ンティブを高めることで米の需給バランスを均衡させる現在の仕

組みを維持するとともに、米価変動時等の万全のセーフティネッ

トの構築が必要である。

1 現行の経営所得安定対策制度を恒久化するとともに、安定し

た財源を確保すること。

2 収入保険制度については、補償限度額が基準収入の全額とな

るよう、収入減少時の補てん方法を改善するとともに、大規模

災害等による減収は基準収入の算定から除外するなど、被災前

の補てん水準が確保される基準収入の算定方法に改善すること。

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省政策統括官)

(農林水産省経営局)

100

Page 105: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

農地中間管理事業の5年後見直しへの対応

について

農地中間管理事業については、農地利用集積円滑化事業との

統合一体化により取扱面積の大幅な増加が見込まれ、これに応

じた体制整備等が今後必要となる。

○ 業務量の増加に対応し、農地中間管理事業の推進に必要

な予算を確実に措置すること。

○ 地域での話合いの促進に向け、機構集積協力金に係る予

算を確実に措置すること。

農地中間管理事業については、今年度、法施行から5年が経過

し、農地利用集積円滑化事業との統合一体化などの見直しが行わ

れることから、取扱面積の大幅な増加が見込まれる。

機構集積協力金については、平成31年度から国における統一単

価等での運用が行われることとなったものの、配分基準は都道府

県が定めることとされ、国からの配分を上回る要望があった場合

には交付単価の減額等が生じる仕組みとなっている。

1 農地中間管理機構の推進事業費については、取扱面積の大幅

増に伴う業務量の増加に必要な人員配置等の予算を確実に措置

すること。

2 機構集積協力金については、地域での集積・集約化に向けた

話合いに支障が生じることのないよう、国における統一単価等

での運用が可能となる予算を確実に措置すること。

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省経営局)

101

Page 106: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

中山間地域農業の維持・発展に向けた支援

の強化について

中山間地域の農業は、農地の保全を通じて、国土保全や水源

かん養などの多面的機能の維持・増進のほか、地域社会の維持

にも大きな役割を果たしている。

一方で、中山間地域では、過疎化・高齢化が進み、集落の機

能が低下しており、耕作放棄地の増加や鳥獣による農作物被害

の発生だけではなく、集落の維持などにも影響を与えかねない

状況となっている。

○ 中山間地域等直接支払制度は、交付単価の根拠となる平

場との生産費格差が拡大していることから、単価を引き上

げるとともに、生業としての農業が継続できるよう公的支

援の拡充を図ること。また、複雑化している制度を簡素化

すること。

○ 耕作放棄地対策については、小規模でも再生作業に迅速

に取り組めるよう、現行制度の要件を見直すこと。

○ 農作物鳥獣被害防止対策については、地域の取組が円滑

に進められるよう、必要な予算を確保するとともに、国の

主導により有害鳥獣捕獲に係る人材の確保・育成に取り組

むこと。

1 中山間地域の農業は、自然・社会的条件が厳しく、スケールメ

リットが生かせず、中山間地域等直接支払制度の交付単価の根拠

となる平場との生産費の格差は拡大してきている。

また、中山間地域等直接支払制度は、耕作放棄地の発生抑制や

法人育成などの役割を果たしているものの、スキームが複雑化し

ており、加算措置などが十分に活用されていない。

102

Page 107: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

・ 拡大している平場との格差を踏まえ、交付単価を適正な水準

に引き上げるとともに、生業としての農業が継続できるよう必

要な予算を確保すること。

・ 本制度が集落の営農継続に効果的に活用されるよう、複雑化

したスキームを簡素化するなど、使いやすい制度に再構築する

こと。

・ 集落の営農体制構築への支援や集落間連携の推進など、県・

、市町村による制度の継続実施に向けた活動が重要なことから

要望を満たしていない推進費を十分確保すること。

2 耕作放棄地対策については、耕作放棄地再生利用緊急対策交付

金と荒廃農地等利活用促進交付金の両事業が平成30年度限りで廃

止され、対応事業とされている農地耕作条件改善事業や農業競争

力強化農地整備事業では小規模な取組や迅速な対応が困難となっ

ているため、受け手となる担い手の多様なニーズに応えきれない。

・ 担い手が、地域の実情に応じて小規模な取組や迅速な対応が

必要な場合にも活用できるよう、事業要件を見直すこと。

3 イノシシなどの農作物鳥獣被害は、これまで被害のなかった地

域だけでなく、既に対策を講じている地域においても被害が増加

するなど有害鳥獣の生息密度が高まっており、鳥獣被害防止総合

対策交付金については、これまでの予算措置では十分な対策を実

施できない状況となっている。

また、有害鳥獣捕獲の担い手の高齢化が進む一方で、近年増加

、しているイノシシなどに対する効果的な防除技術のノウハウは

地域ではまだ不足している状況にある。

・ 有害鳥獣の生息密度の高まりに対する被害防止活動など、地

域の取組が円滑に進められるよう、必要な予算を確保すること。

・ 全国的な知見やノウハウを活用し、効果的な捕獲技術を有す

、る有害鳥獣捕獲のスペシャリストを国の主導で育成するなど

地域の防除活動における指導的な人材の確保・育成に取り組む

こと。

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省農村振興局)

103

Page 108: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

日本発祥の観賞魚「錦鯉」の国魚指定と情報発信について

日本発祥の観賞魚であり、日本の和を象徴する伝統美として欧米やアジアを中心に世界中の人々から愛されている錦鯉について国魚に指定し、魅力を国内外に発信するとともに、防疫対策を拡充し、健康で品質の高い日本産錦鯉の輸出振興に向けた施策を推進すること。

新潟県中越地区で約200年前に生まれ、現在100以上の品種がそろう錦鯉は、泳ぐ宝石とも称され、世界40か国以上に輸出されている。一方、世界的なブームによる生産国の増加に伴い、各生産国が独自に自国産錦鯉をPRしており、錦鯉が日本発祥であるとの認識が損なわれることが危惧されている。また、錦鯉は観賞魚として生きたまま全世界に輸出されており、

相手国からの要請による魚病のまん延防止対策が、生産現場の喫緊の課題となっている。国内の錦鯉生産者が、自国文化の象徴を生産することに誇りを

持ち、かつ病気のない安全安心なブランドを維持することができるよう、以下の施策を講じること。

1 多くの外国人が来日する2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、日本が錦鯉発祥の地であり、多様で高品質な錦鯉の世界的生産地であることを明確にするため、錦鯉を国魚として指定するとともに、クールジャパンの主要コンテンツとして諸外国への情報発信を強化すること。

2 特定疾病(KHV病等)のまん延防止対策のため、研究体制を強化するとともに、錦鯉を殺処分した場合の補償単価を、実勢価格に見直す等、財政支援を拡充すること。

(内閣官房)(内閣府)

(農林水産省水産庁)(農林水産省消費・安全局)

104

Page 109: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

新たな資源管理制度の導入における資源評

価体制の構築について

改正漁業法に伴う新たな資源管理制度の移行には、資源評価

に基づく漁獲可能量の設定が重要であるため、資源評価体制の

充実を図ること。

平成30年12月8日に成立した「漁業法等の一部を改正する等の

法律」では、これまでの資源管理から漁獲可能量(TAC)によ

る管理を基本とする新たな資源管理制度に移行するとされている。

今後、新たにTAC管理を導入する資源については、県が様々

な魚種の漁獲量管理を行うための漁獲情報収集体制の構築が必要

である。

1 新たな資源管理に必要な資源評価及び資源管理体制を構築す

るために十分な研究者の確保と財政措置を図ること。

2 国が都道府県にTACを配分する際には、沿岸漁業では対象

魚種が広域に回遊するものから定着性の高いものまで多様であ

ることから、その資源特性に十分配慮すること。

(農林水産省水産庁)

105

Page 110: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

新潟県農林公社分収林事業に対する支援措置について

国策として推進されてきた公社分収林事業について、必要な支援措置を講じること。

昭和30年代、経済の急速な発展に伴い木材需要が急増したことを背景に、国策として大規模な拡大造林政策が講じられ、その中で国では、自営造林を基本としつつ、所有者による造林が困難な地域の造林手法として分収林特別措置法を制定し、その後林業公社を未開発地域の拡大造林を推進する機関と位置付けてきた。しかし、その後の木材価格の大幅な下落により、制度創設時に

想定した主伐による十分な収入確保が困難となったことから、国では、分収林の適正な管理経営による森林の多面的機能の発揮へと舵を切り、長伐期化への転換を促し、低利資金の借換えや特別交付税措置等、公社の経営安定化に向けた支援を講じた。しかし、その後も木材価格の下落は止まらず、政策転換時に想

定した経営の安定化及び主伐収入による債務の償還の課題は長伐期化の支援を受けてもなお、依然として継続している。こうした中で、公社分収林は標準伐期齢以上の主伐可能な森林

が急速に増えてくることから、今後とも公社が持続的に分収林事業を運営していくため、以下の施策を講じること。

1 主伐によって債務超過が発生した場合、分収林制度を設計した国においても、その解消に必要な経費に対し、支援すること。

2 利息負担軽減のため、政策関係者である公庫からの既往借入金を低金利の資金へ借換えができる制度を、再度創設すること。

3 公社に対し財政支援している地方公共団体への特別交付税の算定に係る措置率の引き上げ等、地方財政措置の拡充を図ること。

(農林水産省林野庁)(総務省自治財政局)

106

Page 111: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

農山漁村地域の活性化、防災・減災対策の

強化等に要する財源の確保について

食料の安定供給を担い、多面的機能を発揮する農山漁村地域

の維持発展に必要な財源を確保するとともに、地方が主体的に

事業実施できる制度設計を早急に行うこと。

本県が引き続き食料供給基地としての役割を果たすとともに、

農山漁村地域が持つ豊かな自然環境や県土の保全といった多面的

機能を発揮し、地域の活性化や人口流出防止等を図るためには、

農山漁村地域の維持発展に資する施策の重点的な実施が重要であ

る。

本県の基幹的な農業水利施設や治山施設、漁港・海岸保全施設

などは、各地域の生産活動等を支えていることに加え、住宅地へ

の浸水被害防止や土砂流出の抑制、波浪・高潮被害防止など防災

減災の役割も果たし、県民の安全・安心な暮らしに寄与している。

しかし、いずれの施設も老朽化が進行しており、計画的に補修、

更新を行う長寿命化対策や、国土強靭化、防災・減災対策の強化

等の取組が必要となっている。

また、地域の担い手が将来展望を持って経営できる農業の展開

を実現するとともに、生産の幅を広げ、食料自給率の向上にも資

するため、生産性の向上や園芸導入を可能とする農地の基盤整備

の実施が急務となっている。

加えて、これらの事業実施においては、豪雪地帯の本県は工事

期間が限られていることから、早期発注することが重要であり、

これを可能とする制度の構築は、より早期の事業完了や施工時期

の平準化につながるものである。

以上を踏まえ、以下のとおり要望する。

107

Page 112: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

1 農山漁村地域における農地の基盤整備や、防災・減災対策に

も資する農業水利施設、治山施設、漁港・海岸保全施設の維持

補修、補強に必要な財源を十分に確保すること。

2 現行の交付金制度は、交付対象のほとんどが従来の補助事業

のメニューに限定されているが、真の地方分権に向けて、交付

金の対象事業拡大や採択要件緩和など、幅広く柔軟に事業実施

できる制度設計を早急に行うこと。

3 豪雪地帯の本県は工事期間が限られているため、交付金制度

においても、ゼロ債務負担行為の活用など早期着手できる制度

の構築を行うこと。

4 現行の補助制度では、小規模な漁港の長寿命化対策が補助さ

れず、海岸保全施設と一体となった防災力の維持・向上が実施

できないため、必要な制度創設を早急に行うこと。

5 基盤整備を契機とした園芸作物の導入により農業経営の幅を

広げ、米や野菜などの多様な農産物の栽培が可能となり食料の

安定供給や食料自給率の向上にも資することから、農地の汎用

化・水田フル活用のための暗渠排水工事を適債工種とすること。

(農林水産省大臣官房)

(農林水産省農村振興局)

(農林水産省林野庁)

(農林水産省水産庁)

(総務省自治財政局)

108

Page 113: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

過疎地域においては、これまで過疎法に基づく振興施策を実施してきたと

ころですが、依然として人口減少、高齢化が進み、産業の振興、集落機能の

維持などについて課題を抱えております。

一方で、過疎地域は、国土強靭化、食料自給率の向上、生活や文化の多様

性の保持などで大きな役割を担っております。

国においては、令和2年度末の現行過疎法失効後も、引き続き総合的な過

疎対策の継続・充実化を図るよう要望します。

また、既に特定有人国境離島地域に指定されている佐渡島に加え、人口減

少が続き、将来無人化のおそれが大きい粟島についても、国家安全保障の観

点からの役割の重要性や本土からの航路所要時間が特定有人国境離島地域と

同程度の厳しい条件にあることを踏まえ、早期に追加指定等を行うよう要望

します。

加えて、少子高齢化の進む中山間地域や離島を抱えるとともに豪雪地帯で

ある本県において、日常生活の移動手段である公共交通の安定的な確保は県

民生活に必要不可欠です。

こうした地域の実情を踏まえ、並行在来線を含む県内鉄道や県内高速バス

を含む生活交通バス路線、離島航路・航空路など、公共交通の維持・確保に

向けた国による適切な支援を要望します。

Ⅷ 住み続けることができる活力ある地域づくり

109

Page 114: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

今後の過疎対策について

過疎地域自立促進特別措置法の令和2年度末の失効後も、現行法の延長や新法の制定等により総合的な過疎対策の継続・充実化を図ること。

過疎地域においては、これまで過疎法に基づく振興施策を実施してきたところであるが、依然として人口減少、高齢化が進み、産業の振興、集落機能の維持などについて課題を抱えている。一方で、過疎地域は、国土強靱化、食糧自給率の向上、生活や

文化の多様性の保持などで大きな役割を担っていることから、令和2年度末の現行過疎法失効後も、引き続き総合的な過疎対策の継続・充実化を図る必要がある。

1 令和2年度末の現行過疎法失効後も、引き続き過疎地域の振興が図られるよう、現行法の延長や新法の制定等により対応すること。

2 過疎地域の維持・活性化を図る上で必要となる財源を安定的に確保するため、へき地等の医療機関に対する財政支援の充実など地方交付税の算定における過疎地域をはじめとした条件不利地域への配慮や、地方債計画における過疎対策事業債の必要額の確保など、財政措置の充実強化を図ること。

3 過疎地域において集落機能を維持し、持続可能な地域社会を構築するためには、住民主体の地域づくりを推進することが不可欠である。外部人材の獲得が困難になっている状況も踏まえ、過疎地域での地域おこし協力隊の活用、関係人口増加への積極的な取組や都道府県が行う市町村の地域づくりを補完する仕組みなどへの財源支援を重点的に行うこと。あわせて、一定の所得や職場が確保できるよう、過疎地域に

おける起業や農林水産業等の産業の振興を重点的に支援すること。

(総務省自治行政局)(総務省自治財政局)

110

Page 115: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

粟島の特定有人国境離島地域への指定について

本県の粟島を「特定有人国境離島地域」に早期に追加指定す

るとともに、指定されるまでの間、航路運賃低廉化に対する財

政支援を行うこと。

本県の粟島は、近隣諸国との緊張関係にある日本海側に位置し、

佐渡島から北上し北海道の奥尻島に至るまでの海域に存在する有人離島2島のうちのひとつである。

北朝鮮の具体的な弾道ミサイル等の廃棄の道筋が明確になって

おらず、また、国籍不明船の漂着等、近隣諸国からの脅威にさら

されながらも、従前より島民自らが警察・海上保安庁への報告など対応を行っており、有人国境離島法において重要とされる活動

拠点としての機能を果たしてきている。

そのような中、粟島においてはピーク時から約6割の人口減と

なっており、また、無医村という不利性を有し、島民の生活は航路に頼らざるを得ないが、島民の経済的負担は大きく、所要時間

は特定有人国境離島地域並みであるなど厳しい環境であり、今後

も人口減少が続くことが推測され将来無人化のおそれが大きいこ

とから、次の事項について要望する。

1 日本海側に位置する粟島の国家安全保障の観点からの役割の

重要性及び人口減少や本土からの所要時間が特定有人国境離島

地域と同程度の厳しい条件におかれていることに鑑み、法に定める特定有人国境離島地域に粟島を指定すること。

2 あわせて、離島住民運賃割引補助事業で一定の配慮をいただ

いたところであるが、当該地域に指定されるまでの間、島民の経済的な負担を軽減するための暫定措置として、島民の航路運

賃を指定された離島並みに低廉化するための更なる財政支援を

行うこと。

(内閣府総合海洋政策推進事務局)

(国土交通省海事局)

111

Page 116: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

豪雪地帯における雪対策に対する総合的な

支援について

過疎化・高齢化が進行している豪雪地帯における住民の安全

・安心確保のため、地方自治体が行う雪対策に対する総合的な

支援を実施すること。

本県は、全域が豪雪地帯に、また県土の約70%が特別豪雪地帯

に指定されており、県、市町村では、ともに冬期間の住民の安全

・安心の確保のため、雪対策に全力で取り組んでいる。

しかしながら、近年は、集落の過疎化・高齢化の進行により、

地域の克雪力の低下が著しく、持続可能な除排雪体制の維持が困

難となっているため、国としても、豪雪地帯における雪対策への

総合的な支援を実施すること。

1 本県など豪雪地帯の地方自治体が、安心して万全の道路除雪

ができるよう、道路除雪費、除雪機械購入費等に係る国庫支出

金総額を確保するとともに、除排雪作業等に伴う道路施設等の

維持修繕に対して、地方負担の更なる軽減を図ること。

2 離島地域など他の条件不利地域対策に比べ、豪雪地帯対策は、

高齢化・人口減少等の構造変化を踏まえた国の施策展開が十分

とは言えない。豪雪地帯対策特別措置法の趣旨に則り、除排雪

作業が困難な高齢者等の安全・安心の確保、地域の担い手となる

若年層の定住促進や雇用機会の拡充を中心に、豪雪地帯特有の

条件不利性に着目した柔軟な交付金制度を創設すること。

また、制度の創設に当たっては、本県を含む豪雪地帯の自治

112

Page 117: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

体等とともに、検討を行うこと。

3 高齢者の代わりに除排雪を行うロボット技術、融雪・消雪の

低コスト化技術など、国のネットワーク力を活かした克雪のた

めの技術開発(イノベーション)に対する支援制度を創設する

こと。

(国土交通省国土政策局)

(国土交通省道路局)

(財務省主計局)

113

Page 118: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

交通政策基本法の理念に基づいた地域の公

共交通ネットワークの構築について

交通政策基本法の理念に基づき、地域の実情に即した公共交

通体系の構築・維持を図るため、必要な財源の確保・拡充を行

うこと。

過疎化、少子・高齢化の進む中山間地域や離島を抱え、豪雪地

帯である本県においては、公共交通は将来的にも県民生活に必要

、 。不可欠なものであり 県民の安全・安心の観点からも重要である

しかしながら、これまでは、公共交通の衰退が自家用車への依存

を高め、更なる路線廃止等に拍車をかける悪循環を生じさせてい

る。

交通政策基本法により国が策定した交通政策基本計画において

は、施策目標の一つに自治体を中心とした地域交通ネットワーク

の再構築が明記されている。

こうした中、地域においては、それぞれの地域の実情に応じた

移動手段の確保や生活交通としても利用されている県内高速バス

路線の維持・充実、それを担う運輸事業者の運転手の人材確保が

課題となっている。

1 地域公共交通の維持・確保のための財源の確保・拡充

地域公共交通を維持・確保するためには、地域が主体となっ

て、それぞれの地域の実情に応じた地域公共交通ネットワーク

を構築することが重要であり、それに向けた十分な公的支援が

講じられるよう、地方交付税や「地域公共交通確保維持改善事

業」の拡充など、必要な財源の確保・拡充を行うこと。

114

Page 119: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

特に、県内高速バス路線は、通勤・通学・通院等、生活交通

として利用されており、本県においては、平成29年度から維持

・確保に向けた支援を始めるとともに、広域交通網の更なる充

実を図るため、新たに都市間高速交通ネットワークの構築に向

けた検討を行っているところである。国においても先進的な取

組に対する試験的事業も含め、地域の実態に応じた支援の仕組

みを構築すること。

2 運輸事業者の人材確保のための支援の充実

運輸事業者の人材確保に向けた取組が進められているところ

であるが、地域公共交通や物流の重要な担い手であるバス、タ

クシー及びトラック事業者の経営安定化を図り、事業者が十分

な運転手を確保するためには、ICT技術等を活用した運行管

理業務の効率化による長時間労働の改善や女性のための専用設

備の設置等、女性や若年者等を含め働きやすい職場環境の整備

に対する助成など、支援策等の更なる充実を図ること。

また、自動運転を含む安全技術の高度化の進展により、大型

車両運転等の要件緩和も可能と考えられることから、若年者雇

用の促進にもつながる新技術の早期開発・導入に向けた支援を

行うこと。

(国土交通省総合政策局)

(国土交通省自動車局)

(国土交通省道路局)

(総務省自治財政局)

(厚生労働省職業安定局)

115

Page 120: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

並行在来線等の県内鉄道に係る諸課題への

対応について

地域の暮らし及び経済活動に不可欠な県内鉄道について、路

、 、 。線の維持確保 利便性向上等のため 必要な対策を講じること

北陸新幹線長野・金沢間の開業により、沿線地域には開業効果

が現れているが、開業と同時に経営分離された並行在来線等に対

する支援が必要となるなどの課題も生じている。

また、並行在来線等を含む県内鉄道全般について、人口減少や

、 。少子高齢化の進展等に伴い 将来的な利用者の減少が見込まれる

今後、地域の暮らし及び経済活動に不可欠な地域公共交通とし

、 、 、ての重要性の観点から 路線の維持確保 利便性向上等に向けて

以下の諸課題について対策を講じる必要がある。

1 第三セクター鉄道会社に対する支援予算の確保

JRから経営分離したえちごトキめき鉄道や、北陸新幹線開

業に伴う特急「はくたか」廃止により運輸収入が大幅に減少し

た北越急行の第三セクター鉄道会社については、地域鉄道とし

、「 」ての役割の維持に向けて 鉄道軌道安全輸送設備等整備事業

「 」 、「 」や インバウンド対応型軌道車両整備事業 により 車両検査

や「車両修繕」も含め、鉄道事業の根幹である安全・安心な輸

送のための事業に対する十分かつ確実な予算の確保を図るとと

もに、固定資産税負担の更なる軽減措置等を講じること。

2 えちごトキめき鉄道における支援の拡充及び創設と新駅整備

支援予算の確保

並行在来線への支援制度である貨物調整金制度については、

線路使用料の算定方法を実態にあわせて見直し、支援を拡充す

ること。また、経営維持のための運営費補助等の支援制度や、

116

Page 121: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

並行在来線とJR路線等を乗り継ぐことによる、利用者負担を

緩和するための、乗継割引に対する財政支援制度を創設し、J

Rに対しても乗継割引制度の導入を指導すること。

新駅設置は、人口減少、少子高齢化などの地方鉄道を取り巻

、 、く課題への対応や糸魚川大火からの復興に向け 地域の賑わい

活力の創出に資するものであるため 糸魚川市等が進める え、 、「

ちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」の新駅整備に対する国

支援予算(幹線鉄道等活性化事業費補助)の確保を図ること。

3 大糸線の存続・機能強化

JR西日本が経営を担う大糸線(糸魚川・南小谷間)につい

ては、北陸新幹線やえちごトキめき鉄道沿線地域と長野県を結

ぶ鉄道ネットワークを担う観点からも、存続・機能強化を図る

よう指導すること。

4 ICカード乗車券に関する設備整備等に対する支援の拡充

ICカードの導入等に必要なシステム開発や設備整備を進め

るため、公共交通の利用環境改善を支援する「交通サービス利

便向上促進事業」の補助率の嵩上げ等、一定の措置を講じるこ

と。

(国土交通省鉄道局)

(国土交通省観光庁)

(総務省自治財政局)

117

Page 122: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

離島航路の活力維持について

利用者の減少傾向が続く中で、船舶の老朽化に伴う故障等に

よる影響が懸念される離島航路の活力維持を図るため、国にお

いて必要な支援策を講じること。

○ 離島航路の確保維持に対する支援の拡充

○ 船舶導入への支援の拡充

○ ジェットフォイルの安全性向上に向けた取組への支援

本県には、佐渡島及び粟島の離島航路があり、いずれの航路も

島民の足として、また、観光振興の面からも重要な役割を担って

いるが、利用者はピーク時の半分以下に落ち込んでおり、島民生

活や島内経済に大きな影響を及ぼしている。

このため、運航事業者は運賃収入等の減収により厳しい経営環

境下におかれており、また、就航船舶の老朽化のため、代替船建

造などが必要であるが、更新のための内部留保が不足している。

さらに、本県では冬期間の運航を想定して一定以上のスペックの

船舶が必要となる事情もあり、負担がかかっている。

離島航路は、社会資本として必要不可欠な国道などと同様に重

要な交通手段であり、安定運航の確保のためには、運航による赤

字や船舶導入に対する支援の拡充が必要である。

1 離島航路の確保維持に対する支援の拡充

佐渡航路及び粟島航路の確保維持を図るため 「地域公共交通、

確保維持改善事業」における支援に当たっては、標準的な収支

を前提とした画一的な算定だけでなく、運航事業者の厳しい経

営状況を踏まえた、航路の実態に即した的確な助成措置を講じ

ること。

118

Page 123: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 船舶導入への支援の拡充

船舶導入を円滑に行うためには、現行の公設民営方式や省エ

ネ船の導入に対する補助率の引上げを行うとともに、地方自治

体が船舶建造等に補助する場合についての財政支援制度の拡充

を行うこと。

また、一昨年度、国内運航事業者による20数年ぶりの新船建

造が決まったジェットフォイルについては、島民の生活交通確

保のみならず、その高速性から災害避難や医療等の緊急時に重

要な役割を果たす船舶であるが、国内のジェットフォイル運航

事業者はいずれも厳しい経営環境下におかれていることから、

ジェットフォイル建造に係る新たな補助制度の創設を行うこと。

3 ジェットフォイルの安全性向上に向けた取組への支援

ジェットフォイルの運航に関しては、シートベルトの設置や

減速区間の設定など、設備及び運航の両面から対策が講じられ

てきたところであるが、80名の負傷者を出した本年3月9日の

新潟両津航路での事故を踏まえ、まずは早急に事故原因や負傷

の原因を明らかにするとともに、海洋生物等との衝突回避のた

めの対策や万一の場合の乗客の被害軽減策等、ジェットフォイ

ルの安全性向上に向けた対策を検討し、実現に向けた支援を行

うこと。

(国土交通省総合政策局)

(国土交通省海事局)

(総務省自治財政局)

119

Page 124: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

佐渡ー新潟航空路の確保・維持について

佐渡-新潟航空路については、佐渡島民の重要な生活交通を

担うとともに、観光振興にもつながることから、他の離島路線

と同様に、運航費に対する国の支援措置の対象となるよう、採

択要件の緩和を行うこと。

全国最大の離島である佐渡島と本土との航空路は、島民の安定

した生活の確保や地域振興の観点から重要な路線である。

経常損失が見込まれる佐渡-新潟航空路運航の確保・維持のた

めには、他の離島路線と同様に、運航費に対する国の支援措置の

対象となるよう、採択要件の緩和が必要である。

○ 地域公共交通確保維持改善事業の採択要件の緩和

国では、生活交通の存続が危機に瀕している地域等において

地域公共交通を確保・維持・改善するため、経常損失が見込ま

れる離島航空路線に対して補助金を交付している。

この制度の趣旨に鑑みれば、補助金の対象路線の要件となっ

ている「海上輸送等の代替交通機関による所要時間が2時間以

上」という条件を撤廃し、採択要件の緩和を行うこと。

(国土交通省航空局)

120

Page 125: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

新潟県の未来をつくる子ども達一人一人が、将来の夢や希望を叶えること

ができるよう、確かな学力や専門能力を育成する質の高い教育や、魅力ある

教育環境を実現していくことは重要な課題です。

本県では、小中学校の全学年において少人数学級を実施するとともに、い

じめ・不登校等の課題に対応するため、地域や学校の実情に合わせた教員配

置を行っていますが、加配定数が限られていることから、十分な対応が困難

な状況にあります。

さらには、学校の統合や、通常の学級に在籍する特別な教育的支援が必要

な児童生徒への対応、東日本大震災による被災地域の児童生徒に対する心の

ケアや教育相談など、学校現場ではきめ細やかな対応が求められています。

新潟県としても、業務改善を中心とした多忙化解消に向けた取組を進めて

いるものの、限界があることから、指導方法の工夫改善や児童生徒支援への

対応への加配をはじめとした教職員定数の改善や、外部人材の活用に対する

地方財政措置の充実、調査・統計等に係る負担軽減を要望します。

本県では、昨年5月に下校中の小学生が殺害されるという大変痛ましい事

件が発生したことから、県民総ぐるみで子どもたちの命を守る体制強化に努

めるとともに、通学路の緊急合同点検を行い対策を講じてきました。

国においては、児童生徒が安全に通学できるよう、通学路の安全のために

必要な対策を確実に実施するための財政支援の強化を要望します。

Ⅸ 将来の夢や希望を育みかなえる教育の推進

121

Page 126: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

教職員定数の拡充について

加配措置の拡充を含めた新たな教職員定数改善計画を早期に

策定し着実に実施すること。

、 、本県では 児童生徒一人一人に目が行き届くきめ細かな指導や

児童生徒の思考を深める授業づくりが重要と考え、小学校1、2

年生における32人以下学級、小学校3年生から中学校3年生にお

ける35人以下学級を推進している。

また、いじめ・不登校等をはじめとする多様化・複雑化する諸

課題に対応するために、限られた加配定数を有効に活用して、地

域や学校の実情に合わせた教員配置を行っているが、十分に対応

できていない。

これらの課題解決のため、計画的・安定的な教職員配置を図れ

るよう、次の事項について要望する。

○ 指導方法工夫改善加配や児童生徒支援加配をはじめとした各

種加配を改善・充実すること。

○ 新たな教職員定数改善計画を早期に策定し、着実に実施する

こと。

(文部科学省初等中等教育局)

122

Page 127: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

教職員の多忙化解消に向けた取組について

教職員の多忙化解消に向け、教職員定数の改善や外部人材の

活用に対する地方財政措置の拡充を図るとともに、文部科学省

が教育委員会や学校等を対象に実施している調査・統計等に係

る負担の軽減を推進すること。

文部科学省が実施した教員の勤務実態調査の結果によれば、1

週間当たりの学内総勤務時間は10年前と比較し、教諭をはじめ全

、 。ての職種で増加しており 長時間勤務は深刻な状況となっている

、 、本県では 教職員が児童生徒と向き合える時間の確保のために

業務改善を中心とした多忙化解消に向けた取り組みを進めている

が、十分な時間の確保には至っていない。

教職員の多忙化解消に向け、次の事項について要望する。

○ 計画的・安定的な教職員配置が図られるよう、教職員定数に

ついてさらなる改善を進めること。

○ スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをはじ

め、スクール・サポート・スタッフ、部活動指導員、スクール

ロイヤーなど、外部人材活用に対する地方財政措置の拡充を図

ること。

○ 文部科学省が教育委員会や学校等を対象に実施している調査

・統計等については、調査項目の洗い出しを行い、調査時期の

分散、余裕をもった回答期限の設定等を推進すること。また、

調査に当たっては、部局間での共有を図るとともに、前広に教

育委員会等に調査実施時期及び調査項目を提示すること。

(文部科学省初等中等教育局)

123

Page 128: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

通常の学級に在籍する特別な教育的支援が

必要な児童生徒への対応の充実について

通常の学級に在籍する特別な教育的支援が必要な児童生徒へ

の対応が喫緊の教育課題となっている現状から、通級指導の基

礎定数化完了までの加配措置の確実な対応を行うとともに、特

別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置を拡充すること。

平成24年度に文部科学省が公表した「通常の学級に在籍する発

達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に

関する調査結果 では 約6.5%が該当するとされ 平成25年度に」 、 、

実施した新潟県の独自調査でも6.0%とほぼ一致しており 該当す、

る児童生徒への対応が急務である。

通級指導の一層の充実を図るためにも、今後も通級指導の基礎

定数化を予定通り実施するとともに基礎定数化完了まで加配措置

の確実な対応が不可欠である。

また、県内市町村では、特別支援教育支援員の配置を進めてお

り、財政負担が大きくなっている。

これらの課題解決のため、次の事項を要望する。

○ 通級指導に必要な教員を配置できるよう、基礎定数化完了ま

での加配措置の確実な対応を行うこと。

〇 特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置について、市

町村における配置の実態を踏まえた更なる拡充を行うこと。

(文部科学省初等中等教育局)

124

Page 129: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

東日本大震災に係る教育復興支援のための

加配教員の継続配置について

東日本大震災による受入れ児童生徒の心のケア等のための加

配教員を継続配置すること。

東日本大震災による避難児童生徒へのきめ細やかな支援のた

め、加配教員の配置について十分な配慮をいただいていることに

感謝している。

本県では 東日本大震災による被災地域の児童生徒約280人を受、

入れ、十分な対応に努めているが、避難生活が長期化する中で、

心のケアや教育相談が必要な子どもたちが依然として多くいるこ

とから、令和2年度も引き続き、教育復興支援のための加配教員

を配置することを要望する。

(文部科学省初等中等教育局)

125

Page 130: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

統合校への支援の充実について

学校統合に係る支援として、統合前1年から統合後2年の対

象となるすべての学校に、加配教員を配置すること。

学校統合に係る支援として、平成26年度から加配教員を配置し

ていただき、平成31年度については、加配措置の拡充を図ってい

ただいたことに大変感謝している。

平成27年1月に、文部科学省から「公立小学校・中学校の適正

規模・適正配置等に関する手引~少子化に対応した活力ある学校

づくりに向けて~」が策定され、小学校6学級以下、中学校3学

級以下の学校は、学校統廃合等の適否を速やかに検討することと

示されている。当県において、小学校の63%、中学校の33%がそ

の対象になっている。

現在、各市町村において、学校の適正規模に向けた議論が活発

になってきている。このような中、各市町村が安心して統廃合を

判断できるよう統合前1年から統合後2年の対象となるすべての

学校に、加配教員を配置することを要望する。

(文部科学省初等中等教育局)

126

Page 131: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

学校施設の老朽化対策等に係る事業採択と

耐震対策等に係る財政支援の拡充について

学校施設の老朽化対策や教育環境整備、耐震対策に係る事業

について、計画的に実施できるよう十分な予算枠を確保すると

ともに、吊り天井等の落下防止対策等に係る財政支援を拡充す

ること。

学校施設は、児童・生徒が一日の大半を過ごす場所であるとと

もに、災害時には地域住民の緊急避難場所となるなど、重要な役

割を担っており、その安全性の確保や機能向上は極めて重要であ

る。

昭和40年代から50年代にかけての児童生徒急増期に整備された

建物が更新の時期を迎えつつある中、財政状況は厳しさを増して

おり、老朽化した学校施設の安全面や機能面の改善を計画的に進

めることは喫緊の課題である。

また、吊り天井等の落下防止対策については、いまだ完了して

いない市町村も見受けられることから、次の事項について要望す

る。

○ 老朽化対策や教育環境整備、耐震対策について、すべての事

業が計画どおりに採択されるよう、年度当初において十分な予

算枠の確保を図ること。

○ すべての学校施設の吊り天井等の落下防止対策が速やかに完

了するよう、また、築30年以上経過の校舎の割合が8割を超え

る高等学校における機能向上・老朽化対策が図られるよう、地

方財政措置を拡充すること。

(文部科学省大臣官房)

127

Page 132: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

私立学校施設の耐震化に係る助成制度の充□□実について

学校施設の耐震化は、全国的に喫緊の課題となっているが、

私立学校は公立学校に比べて耐震化が遅れている状況となって

いる。

学校の耐震化は、国の責務として行うべきであるが、公立学

校に比べて私立学校に対する国からの支援が十分なものとなっ

ていないことが耐震化の遅れの要因の一つであることから、耐

震改修工事の補助率を引き上げ、耐震化に係る助成制度の充実

を図ること。

○ 学校施設は、公立・私立ともに児童生徒等が1日の大半を過ご

す場であり安全性の確保は極めて重要であること、また、非常災

害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、

その耐震化の推進が喫緊の課題となっている。

○ 本県においては、国の助成制度の活用に加え、県単による耐震

改修工事への6分の1の上乗せ及び改築事業を通じて、県独自に

私立学校の耐震化を推進しているところである。

○ しかし、私立学校の耐震化は公立学校と比較して遅れている状

況にあり、その要因の一つとして、公立学校に比べ国の補助率が

低い等私立学校への助成制度が十分なものとなっていないことが

挙げられる。

○ 学校施設の耐震化は国の責務として行うべきであるため、耐震

改修への助成については補助率を引き上げ、私立学校の耐震化を

推進すること。

(文部科学省高等教育局)

128

Page 133: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

通学路における安全確保のための財政支援

について

児童生徒が安全に通学できるよう、通学路の安全確保に必要

な対策を実施するための財政支援を強化すること。

昨年5月7日、新潟市内で、下校中の小学2年生の女子児童が

、 。殺害されるという大変痛ましい事件が発生し 早一年が経過した

この間、県民総ぐるみで子どもたちの命を守る体制の強化に努

めるとともに 登下校防犯プラン に基づき通学路の緊急合同点、「 」

検を行い対策を講じてきたところであるが、不審者情報は減って

おらず、また、一歩間違えば、重大な事件に繋がりかねない危険

な事案も発生している。

児童生徒が安全に通学できるよう、緊急合同点検の結果等を踏

まえ、通学路の安全のために必要な対策を確実に実施するための

財政支援の強化を要望する。

〇 市町村における防犯カメラ設置の進捗状況を踏まえた、地方

財政措置の継続

〇 地域の見守り体制の強化や、安全な通学のためのスクールバ

スの導入に対する財政支援の拡充・新設

(文部科学省総合教育政策局)

129

Page 134: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

高等学校等就学支援金制度の充実について

公立高等学校等における高等学校等就学支援金制度につい

て、所得制限基準額未満はすべて就学支援金の支給対象とする

とともに、所得の確認や支給認定等に必要となる事務費につい

ては、地方に財政負担を生じさせることがないよう、国が全額

措置すること。

○ 修業年限超過部分や単位超過部分などについては、就学支援金

の支給対象外となっていることから、所得制限基準額未満はすべ

て支給対象となるよう要望する。

○ 家計急変への支援については、国が一部しか措置しないことと

されており、住所地により支援の認定基準が異なる状況となって

いることから、国として、全国統一の制度を設けるとともに、必

要な財源を措置することを要望する。

○ 当該制度は国の施策として行われていることから、所得の確認

や支給認定等に係る事務費については、国において予算措置する

こととされているが、事務費所要額のうち人的措置に係る経費等

がすべては措置されていないため、確実に措置されるよう要望す

る。

(文部科学省初等中等教育局)

130

Page 135: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

私立高等学校等の修学支援制度等の拡充に

ついて

( 「 」 。)1 高等学校等就学支援金制度 以下 就学支援金 という

について、令和2年度から私立高等学校授業料の実質無償化

を確実に実現するなど、就学支援金の更なる充実を図るとと

もに、国の責任において必要な財源を確保すること。

2 東日本大震災の被災者に対する授業料等減免事業のための

交付金について、今後も事業を継続するとともに、所要額を

確実に措置すること。

3 私立狭域通信制高校が、多様化する教育ニーズに対応する

ため特色ある教育を実施していることを踏まえ、経常的経費

に対する国の支援の更なる拡充を行うこと。

1 私立高校の授業料等に対する恒久的な支援の拡充

私立高校の授業料等に対する、就学支援金による国の支援はま

だ不十分であり、本県では就学支援金に上乗せして軽減等を実施

しているが、本来は、国において恒久的な制度により拡充される

べきである。

令和2年度から実施するとされた年収590万円未満世帯を対象と

した私立高等学校授業料の実質無償化について、政府全体として

安定的な財源を確保しつつ確実に実現するなど、就学支援金の更

なる拡充を行うこと。

なお、就学支援金の拡充にあたっては、地方自治体に新たな財

政負担が生じないよう、必要な財源を確保すること。

131

Page 136: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 東日本大震災被災者への授業料等軽減に必要な交付金事業の継

続と所要額の確実な措置

被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金は、平成26年度までは

基金事業として実施し、平成27年度からは単年度の交付金事業と

された。

、 、当初 本県への避難者は徐々に減少していくと想定していたが

原発事故の長期化から、被災地からは今なお多くの児童生徒等が

本県に避難している。

長期避難者は、二重生活者が多いため生活費負担が大きく、授

業料等の納付が困難な者が多く存在することから、引き続き必要

な支援を行うため、今後も事業を継続するとともに、所要額を確

実に措置すること。

3 私立狭域通信制高校の経常的経費への支援の拡充

高等学校通信制課程は、勤労青年への教育機会の提供を目的に

制度化されたが、近年、多様な入学動機や学習歴を持つ者が多く

、 。なっており 制度発足当初とは大きく異なった様相を呈している

本県では、私立狭域通信制高校が、通学指導や不登校生徒の対

応、スポーツ・文化等専門分野の教育等、特色ある教育を行って

いることを考慮して、平成23年度から国の経常的経費助成に加え

て県単上乗せ助成を実施しているところである。

近年の私立狭域通信制高校では、多様化する教育ニーズに対応

するため特色のある教育を実施しており、そうした教育内容の実

態を考慮し、経常的経費に対する国の支援の更なる拡充を行うこ

と。

(文部科学省高等教育局)

(文部科学省初等中等教育局)

132

Page 137: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

県が設置する幼稚園への財政措置について

幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な

ものであり、幼児教育の振興に努めることは、市町村のみなら

ず都道府県も含むすべての地方公共団体の責務とされている。

県内における幼児教育の振興を図るため、県が幼稚園を設置

運営する場合においても、その経費に対する財政措置を講じる

こと。

○ 教育基本法等の改正に伴い、我が国の教育体系上最初の学校と

して幼稚園が明確に位置付けられるとともに、少子化対策として

幼児教育無償化の取組が一気に加速化するなど、近年、幼児教育

の重要性への認識が高まっている。

○ 国及び市町村とともに幼児教育振興の責務を負う都道府県が、

幼稚園を附属させる高等教育機関を設置し、幼稚園における教育

の提供に加え、幼児教育に係る研究の成果を地域に還元すること

も広域的な自治体としての役割の一つである。

○ 第6次地方分権一括法により公立大学法人の附属学校設置が可

能となり、公立幼稚園の設置運営主体の拡大が図られたことから、

これまで設置する幼稚園への財政措置がない都道府県に対しても、

財政措置を講じることが必要である。

(文部科学省高等教育局)

(文部科学省初等中等教育局)

(総務省自治財政局)

133

Page 138: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

134

Page 139: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

〔要望の背景・ポイント〕

昨年12月に環太平洋経済連携協定(TPP11 、本年2月に欧州連合(E)

U)との経済連携協定(EPA)が発行されましたが、協定の効果や影響は

国民生活に直結するため十分な検証と説明を行うとともに、国内対策に万全

を期すことが必要です。

また、本年4月に、米国と物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉が

開始されたところですが、今後も経済連携協定等を拡大していく場合は、国

において、農林漁業者が将来展望を持って安心して経営に取り組めるよう、

経営基盤の強化につながる協力な国内対策を引き続き実施することや、食品

の安全性の確保や安全・安心な医療を平等に受けられる体制を堅持するこ

と、地域の中小企業等が経済連携協定の便益を享受できる対策を実施するこ

とも含め、どのような状況下にあっても、我が国の国益を守る対応をとるよ

う要望します。

Ⅹ その他(TPP・日欧EPA等経済連携協定へ

の対応)

135

Page 140: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

TPP、日欧EPA等経済連携協定への対応について

○ 発効されたTPP、日欧EPAによる効果・影響について

、 。十分な検証と説明を行い 国内対策について万全を期すこと

○ 今後も経済連携協定等を拡大していく場合は、以下の点も

含め、どのような状況下にあっても、国益を守る対応をとる

こと。

・ 国内の農林水産業が将来にわたって持続的に発展してい

けるよう、万全な対応を行うこと。

・ 県民が安心して暮らすため、食品の安全性の確保を図る

とともに、安全・安心な医療を平等に受けられる体制を堅

持すること。

・ 地域の中核企業や中小企業等においても、経済連携協定

の便益を享受できるよう、十分な対策を講じること。

1 今回発効されたTPP、日欧EPAの効果や影響は国民生活に

直結し、充分な対策が措置されなければ、本県農業への影響は大

きい。また、食の安全や医療などにおいては、政府からは、協定

によって現行の国内制度の変更を求められるものではないとの説

明がなされているが、県民が安心して暮らすため、安全・安心な

体制の堅持が求められる。

一方、商工業においては、輸出増加への期待があるため、その

ための対策を充実することにより、プラスの影響の便益を十分に

享受できることが必要である。

このことから、経済連携協定による効果・影響について十分な

検証と説明を行い、国内対策について万全を期すこと。

136

Page 141: 新潟県の要望書...政府に対する新潟県の要望書 頁 Ⅰ地方再生と人口減少問題への対応 1 1人口減・少子化対策 2 Ⅱ地方財源の充実・確保

2 経済連携協定等による国内への影響については、どの国が参加

するのかなどによって異なり、見通すことが困難であるため、今

後も経済連携協定等を拡大していく場合は、以下の点も含め、ど

のような状況下にあっても、国益を守る対応をとること。

〇 我が国農業を支える担い手が、経営を継続できる万全なセー

フティネットを構築するとともに、農林漁業者が将来展望を持

って安心して経営に取り組めるよう、経営基盤の強化につなが

る強力な国内対策を引き続き講じること。

また、TAG交渉に当たっては、日米共同声明における、日

本の農林水産品は過去の経済連携協定で約束した市場アクセス

の譲許内容が最大限であるという前提に基づき、重要品目をは

じめ、農林水産物等に対する必要な国境措置を確保すること。

〇 国民の健康の保護が最も重要であるという基本認識の下、県

、 、民が安心して暮らすため 食品の安全性の確保を図るとともに

安全・安心な医療を平等に受けられる体制を堅持すること。

〇 地域の中核企業や中小企業等においても、経済連携協定の便

益を享受し、積極的に国内外での経済活動を展開できるよう、

丁寧な情報提供や相談体制の整備、生産性向上や技術開発支援

の拡充・強化、輸出・海外展開の支援措置の拡充・強化等の支

援を適切に行うこと。

(内閣官房TPP等対策本部)

(外務省経済局)

(厚生労働省大臣官房)

(厚生労働省医政局)

(厚生労働省医薬・生活衛生局)

(農林水産省大臣官房国際部)

(経済産業省通商政策局)

(経済産業省中小企業庁)

137