28
手術手技 Continuum ® Acetabular System Surgical Technique

Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

手術手技

Continuum® Acetabular System

Surgical Technique

Page 2: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

手術手技クイックリファレンス ................................................................................. 1

製品概要 ................................................................................................................... 2

術前テンプレーティング ............................................................................................ 3

患者の体位 ............................................................................................................... 4

寛骨臼の展開 ........................................................................................................... 4

寛骨臼のリーミング .................................................................................................. 5

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント ........................................... 5 側臥位 ................................................................................................................ 8 仰臥位 ................................................................................................................ 9

ライナートライアルの挿入/シェルトライアルとの併用 ......................................... 10

仮整復及び可動域の確認 ...................................................................................... 11

寛骨臼シェルの固定 ............................................................................................... 11 ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセット インサーターを使用する場合 ......................................................................... 11 Trilogyカップポジショナーを使用する場合 ..................................................... 12

スクリューの設置 .................................................................................................... 13 (オプション)スクリューホールプラグ............................................................... 14

(オプション)ライナートライアルの挿入/シェルインプラントとの併用 .................. 15 (オプション)ドームホールプラグ ..................................................................... 15

ライナーの挿入 ....................................................................................................... 16 セラミックライナー .......................................................................................... 16 Vivacit-E及びLongevityポリエチレンライナー ................................................. 17 ニュートラルライナー ...................................................................................... 18 エレベートライナー ......................................................................................... 18

最終整復 ................................................................................................................. 19

ライナーの抜去 ....................................................................................................... 19 セラミックライナーの抜去 ............................................................................... 20 ポリエチレンライナーの抜去(ボーンスクリュー法) ...................................... 21

手術中のシェル抜去 ............................................................................................... 21

付録 ......................................................................................................................... 22 Continuum Acetabular System製品シリーズ .................................................... 22 シェルインサーター 組立ガイド ...................................................................... 23

目次

Page 3: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

1 | Continuum Acetabular System手術手技

ステップ7:ライナーの挿入

ステップ3:(オプション)シェルトライアルの固定及び

アライメント

ステップ8:最終整復

ステップ4:ライナートライアルの挿入/シェルトライアル

との併用

ステップ5:シェルの固定

ステップ6:スクリューの設置

ステップ2:リーミング

ステップ1:術前テンプレーティング

手術手技クイックリファレンス

Page 4: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

2 | Continuum Acetabular System手術手技

製品概要Continuumシェルは、Tivanium ®合金の基板表面にTrabecular Metal™材を接着した半球形状のデザインです。関節面サーフェイスには、Vivacit-E®ビタミンE含有ハイリークロスリンクポリエチン、Longevity®ハイリークロスリンクポリエチレン、及びBIOLOX® deltaセラミックライナーなどの様々なオプションがあります。

Continuum Acetabular Systemには、ユニホール、クラスターホール、及びマルチホールシェルがあり、40~70mm(ユニホール及びマルチホール)、及び44~70mm(クラスターホール)の間で、2mm刻みで径を選択することが可能です。

Page 5: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

3 | Continuum Acetabular System手術手技

術前テンプレーティング正確な術前計画及び精度の高い寛骨臼のテンプレーティングは、寛骨臼シェルのサイズ、最適な設置位置とポジションを決定するために外科手術で欠かすことのできないプロセスです。テンプレーティングでは、まずX線AP像を使用します(図1)。

X線AP像で確認する際は、シェルをX線画像上の涙痕に合わせて設置します。シェルは涙痕より内側設置にならないようにします。通常、45°の外方開角及び20°の前方開角で設置することが推奨されています。 様々な体位におけるアライメントガイドの使用方法については、後述の手技に関するセクションで示されています

(P8-P9参照)。シェルの急峻設置を避けるため、シェルテンプレート開口部に沿って引いた線が閉鎖孔と交わるようにします。X線側面像では半球状の軟骨下骨が確認できるため、寛骨臼コンポーネントのサイズの再確認に有用です。

シェルサイズの最終的な決定は、手術時に寛骨臼を十分に視認する必要があることを念頭に置き、寛骨臼スペースを適切に満たし、生体寛骨臼の前後径に適合するシェルサイズを選択してください。

Note:テンプレーティングの精度を高めるために、デジタル画像またはX線画像に拡大率マーカーを組み合わせて使用する必要があります。インプラントのサイズを決定する際には、X線画像の拡大率とテンプレートを比較します。

図1

Page 6: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

4 | Continuum Acetabular System手術手技

患者の体位患者の体位は、術者が選択したアプローチに基づいて決定します(図2)。

図2

寛骨臼の展開関節唇を切除し、周辺の大きな骨棘を除去します。円靭帯を切除して、確実に寛骨臼底部を露出させます。寛骨臼の辺縁骨が完全に視認できるようにして、シェル設置の際の妨げとなる軟部組織の巻き込みを最小限にします。

Page 7: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

5 | Continuum Acetabular System手術手技

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント適切に骨質を評価し、適合するインプラントのサイズと種 類 を決 定します。シェルインプラント及 びトライアルのサイズ表示は、シェル外径および対応す るアルファベットコ ードで構 成されています(例: 56 KK)。どのライナーインプラントとトライアルが適合するかは、対応するアルファベットコードとヘッド径で特定することができます(例:28 KK、32 KK、36 KK)。

シェルトライアルの挿入では、ストレートシェルインサーター(図5a)、ハイブリッドオフセットシェルインサ ーター( 図 5 b)、もしくは 、対 応するア ダプターキャップ を取り付 けた Tr i l o g yカップ ポジショナ ー

(図5c)を使用します。

寛骨臼のリーミングテンプレーティング及び術前計画に基づいて、目標とするシェルの設置位置を決定します。

寛骨臼シェルの表示外径は、インプラントの半球の直径を表しています(図3)。プレスフィットを行う場合は、アンダーサイズでリーミングを行う必要があります。何mmのプレスフィットにするかの判断は、手術時の骨質に基づいて行います。

リーミングは小さめのリーマーから始め、1~2mm刻みで徐々に大きなリーマーに切り替えます。リーマーをしっかりと把持して、リーミングしすぎないようにします

(図4)。リーミングの深さは骨質によって決まりますが、通常は出血性の海綿骨が露出するまで進めます。

図5b

図5a

図5c

シェルトライアル

(54mmのトライアル= 外径54mm)寛骨臼リーマー

(54mmのリーマー= 外径54mm)寛骨臼シェル

(54mmのContinuumシェル= 外径54mm)

図3

図4

Page 8: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

6 | Continuum Acetabular System手術手技

図7

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント(続き)ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットシェルインサーターでシェルトライアルを設置する場合、インサーターアダプターをインサーターの先端に取り付けます。インサーターアダプターには、回旋タイプと固定タイプの2種類があります(図6)。ボールヘック ススクリュードライバーを開口部を通して、インサーターの先端にあるロッキングスクリューに差し込みます

(図7)。適切にシェルトライアルを配置し、ロッキングスクリューをシェルトライアルの臼底に固定します。

図6

Trilogyカップポジショナーで設置する場合、シェルサイズに応じてアダプターキャップを選択します(図8)。

• 40~46mmのシェルの場合はマイクロキャップを使用します。

• 48~70mmのシェルの場合はTrilogyキャップを使用します。

シェルトライアルをポジショナーに固定します。

図8

マイクロキャップ Trilogyキャップ

Page 9: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

7 | Continuum Acetabular System手術手技

アライメントフレームまたはガンサイトのシャフト上の小型スラップハンマーを用いて、アライメントガイドをアライメントコネクターのキーホールに打ち込み、Trilogy

カップポジショナーに装着します。アライメントコネクターを回転させることで、希望するスクリューホール方向に対する適切な位置にアライメントガイドを調整することが可能です。ロッキングナットを締めて、アライメントコネクターを固定します(図10)。側臥位または仰臥位でガンサイトを使用する場合は、アライメントロッドを左右いずれかの適切なホールに挿入します。

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント(続き)側臥位用及び仰臥位用アライメントガイドは、寛骨臼シェルを適切に挿入するためのデザインとなっています。

「アライメントフレーム」アライメントガイド及び「ガンサイト」アライメントガイドは、ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットシェルインサーターに使用することが可能です。

アライメントフレームまたはガンサイトをストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットシェルインサータに装着し、サムスクリューを締めて固定します。

Note:シェルインサーターのアライメントサポートフレームは、床に対して垂直にせず、ポジショニングガイドとして使用しないでください(図9)。アライメントガイドのアームを用いて、シェルトライアルまたはインプラントの位置を正確に定めます。

図9図10

アライメントコネクターロッキングナット

Page 10: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

8 | Continuum Acetabular System手術手技

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント(続き)側臥位での「アライメントフレーム」の使用方法

シェルトライアルを準備して寛骨臼に挿入します。アライメントフレームのアームを水平に保ちながら、アライメントフレームの前方ロッドを体軸と平行にして、 45°の外方開角と20°の前方開角を得るようにします

(図11)。

図11

側臥位での「ガンサイト」の使用方法シェルトライアルを準備して寛骨臼に挿入します。ガンサイトの延長部を体軸と平行にして、45°の外方開角と20°の前方開角を得るようにします(図12)。

図12

Page 11: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

9 | Continuum Acetabular System手術手技

(オプション)シェルトライアルの固定及びアライメント(続き)仰臥位での「アライメントフレーム」の使用方法

シェルトライアルを準備して寛骨臼に挿入します。アライメントフレームを水平に保ちながら、側方のアームを体軸と平行にして、45°の外方開角と20°の前方開角を得るようにします(図13)。

仰臥位での「ガンサイト」の使用方法シェルトライアルを準備して寛骨臼に挿入します。ガンサイトの延長部を体軸と平行にして、45°の外方開角と20°の前方開角を得るようにします(図14)。

図13

Note:患者の体位は、ストレートインサーター、ハイブリッドオフセットインサーター、及びTrilogy カップポジショナーのいずれの場合も同じです。

シェルトライアルのアライメントを確認してから、インサーターのハンドルをハンマーで打ち込みます。打ち込みを繰り返し行うとスクリューが緩むことがあるので、ネジ切りの損傷を避けるため、ロッキングスクリューがシェルトライアルに完全に固定されていることを確認してください。

シェルトライアルには複数の窓があり、シェルが寛骨臼内で適切に設置されているかを確認することができます。Trilogyカップポジショナーを使用している場合、シェルトライアル設置後、トライアルからポジショナーを取り外します。ストレートインサーターまたはハイブリッドオフセットインサーターを使用している場合、ボールヘックススクリュードライバーをロッキングスクリューに再挿入して反時計回りに回します。インサーターを取り外します。

図14

Page 12: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

10 | Continuum Acetabular System手術手技

ライナートライアルをシェルトライアルに徒手的に挿入します。ライナートライアルの回転防止タブがシェルのスカラップと噛み合っていることを確認します。ドライ バーでロッキングスクリューをしっかりと締めます。

警告:損傷する恐れがあるため、ライナートライアルをハンマーで打ち込まないでください。

ライナートライアルの挿入/シェルトライアルとの併用ライナートライアルには、ロッキングスクリューがライ ナートライアルに据え付けられています(図15)。

Note:据え付けられているロッキングスクリューを取り外さないでください。

選択したシェルトライアルに対応するサイズのライナートライアルを、サイズの数値とアルファベットコードで特定して選択します(例:50 HH)。各シェルサイズには、 ヘッド径に合わせたサイズのライナーが各種あります。ライナートライアルは、シェルの外径を示すアルファベットコードと希望するヘッド径を示す数値によって特定されます。

図15

Page 13: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

11 | Continuum Acetabular System手術手技

寛骨臼シェルの設置シェルトライアルを設置する場合と同様に、ストレートシェルインサーター、ハイブリッドオフセットシェルインサーター、もしくは、Trilogyカップポジショナーを使用してシェルインプラントを設置します。

ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットインサーターで設置する場合

インサーターのハンドルには、固定タイプと回旋タイプの2種類のアダプターが使用できます。

固定タイプのアダプターには、インサーター先端のスロットと噛み合わせるためのピンが2つ付いています。固定タイプのアダプターでクラスターホールシェルを設置する場合は、アダプターの黒色エッチングをインサーター上のアライメントフレームに合わせて、スクリューホールが適切な位置になるようにします(図16)。

Note:回旋タイプのアダプターでは、インプラントがインサーター上で自由に回転します。回旋タイプのアダプターは、スクリューホールを寛骨臼内の特定部位に配置しなければならない場合に使用します。

インプラントの挿入は、ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットシェルインサーターを使用したシェルトライアルの設置手順と同様に行ってください

(図17)。

仮整復及び可動域の確認ヘッド/ネックトライアルを、設置済みのステムまたはラスプに挿入し、仮整復を実施します。安定性と可動域を確認し、必要な調整を行って関節機能を修復します。可動域及び安定性が最大になるように、インピンジする骨や骨棘が寛骨臼の周辺から除去されていることを確認します。トライアルをすべて取り外す前に、使用したコンポーネントトライアルをすべて控えておいてください。

Note:ジンマーバイオメット各製品の互換性につい ては、弊社営業担当者にお問い合わせください。

図16

図17

アライメントフレーム エッチングマーク

Page 14: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

12 | Continuum Acetabular System手術手技

Note:シェル内部のネジ切りが損傷する場合があるので、シェルやシェルインサーターを抑えつけた状態でインプラントの設置位置の修正を行わないようにしてください。インプラントの設置位置の修正は、シェルを抜去して再設置することで希望する向きに調整してください。

Note:寛骨臼を四等分した際の後上方及び後下方に、寛骨臼を貫通してスクリューを設置することで、神経及び血管の損傷リスクを低減することができます。寛骨臼を四等分した際の後上方及び後下方にスクリューを設置できるようにシェルの位置を合わせる必要があります(図18)。

寛骨臼シェルの設置(続き)Trilogyカップポジショナーで設置する場合

TrilogyカップポジショナーをContinuumシェルに使用する場合、Trilogyカップポジショナーには回旋コントロールは付いていません。インプラントの向きの調整は術者の判断で行い、Trilogyカップポジショナーのシャフトに対してアライメントコネクターの位置を回転させることで調節が可能です。

インプラントの挿入は、Trilogyカップポジショナーを使用したシェルトライアルの設置手順と同様に行ってください。インプラント設置の際は、骨質に応じて打ち込む力を調節してください。

インプラント設置後、シェルからポジショナーを取り外し、インサーターを抜去します。

図18

後上方

前下方

後下方前上方

Page 15: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

13 | Continuum Acetabular System手術手技

Note:セットスクリューを緩める場合は、フレキシブルシャフトからスレッドが完全に外れるまで、スクリューを反時計回りに回します。セットスクリューは、スレッドとスクリューストップの間で、フレキシブルドリルシャフトに把持されます(図21)。または、セットスクリューを完全に外れるまで時計回りに回して抜去し、器械トレーのセットスクリューホルダーに収納することも可能です。セットスクリューを緩めて抜去した後、ドリルビットを取り外します。

パイロットホールを開けた後、またはタップを用いてスクリューホール部のネジ切りを行った後、デプスゲージを用いてスクリューホールの深さを測ります(図22)。 適切な長さのTrilogyスクリューを選択します。スクリュードライバーを使用し、Trilogyスクリューを選択したスク リューホールに挿入します(図23)。スクリューをシェルのドーム部の臼底に設置することはできません。必要に応じ、スクリューを追加して設置します。骨質を慎重に評価し、スクリューを締めすぎないようにします。

スクリューの設置神経血管組織を損傷しないように、慎重にスクリューの設置位置を選択します。最初にパイロットホールを開けます。そのために、ヘックスレンチを用いて、モジュラーフレックスシャフトに適切な長さのドリルビットを装着し ます(図19)。アジャスタブルドリルガイドを使用し、フレックスドリルを選択したスクリューホールに挿入します

(図20)。スクリューの振り幅は、全方向に最大片側15°

まで設定できます。利用可能な3種類のドリルビットの有効長は、15mm、30mm、45mmです。

ドリルビットを正しくドリルガイドに装着した場合、ドリリングされるホールの深さはドリルビットの有効長に一致します。骨が硬化している場合は、タップを用いてスクリューホール部にネジ切りを行うことも可能です。スナップロックコレットを手前に引き、モジュラータップシャフトのホールをコレットのマーキングラインに合わせて、モジュラータップシャフトをモジュラーハンドルに取り付けます。タップをモジュラータップシャフトに取り付けます。十分に注意しながらタップハンドルを時計回りに回して、皮質骨底部(両皮質)までねじ切りを行います。

図20 図21図19

図23図22

Page 16: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

14 | Continuum Acetabular System手術手技

(オプション)スクリューホールプラグヘックスドライバーがスクリューホールプラグに対して垂直になるように、ヘックスドライバーにスクリューホールプラグを装 着します。スクリューホールプラ グをスクリューホール位置に合わせて、完全に嵌入させます。

スクリューホールプラグを任意の方向に回して固定します。少し回すことで、スクリューホールプラグは所定の位置で固定されます。スクリューホールプラグを取り外す場合は、逆方向に回して締まっている状態を解除します

(図25)。スクリューホールプラグはやや楕円形になっており、締まることで噛み合います。

Note:40mm及び42mmのシェルでは、スクリューホールにスクリューホールプラグを取り付けるようなデザインとなっていないため、スクリューホールプラグは使用できません。

スクリューの設置(続き)スクリューを取り外す場合は、ヘックスドライバーをスクリューに差し込み、反時計回りに回します。

Note:スクリューはスクリューヘッドとライナーが接触しないようにシェル内の表面よりも奥に設置します。スクリューヘッドが適切な状態で設置されたことを確認します(図24)。スクリューヘッドがシェル内の表面から突出していると、ライナーを適切に設置できない場合があります。4.5mmまたは6.5mm径のスクリューを挿入する場合は、予め3.2mm径のドリルでねじ穴を開けておきます。ホールを開ける際とスク リューを挿入する際に、骨盤の内皮質を貫通しないようにします。

図24

図25

Page 17: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

15 | Continuum Acetabular System手術手技

(オプション)ドームホールプラグドームホールプラグをシェルインプラントの臼底部に挿入し、所定の位置に取り付けます。正しく挿入されたプラグは、シェル内の表面よりも若干沈み込んだ位置に設置されています。しかし、臼底部の正方形のくぼみよりも若干突き出る形になります(図26)。

Note:ドームホールプラグは締めすぎないよう注意してください。

(オプション)ライナートライアルの 挿入/シェルインプラントとの併用シェルの内側が乾燥していて、デブリがなく、軟部組織が除去されていることを確認してください。ライナートライアルの挿入手順については、ライナートライアルの挿入/シェルトライアルとの併用のセクションを参照してください。

図26

Page 18: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

16 | Continuum Acetabular System手術手技

Note:ライナー挿入器に衝撃を加えないでください。 下記のマークで表記されています。

インプラントのヘッド径(28mm、32mm、36mm又は40mm)に合ったサイズのリムインパクターまたはドームインパクターを選択します。ストレートユニバーサルハンドルまたはカーブドユニバーサルハンドルのピンをインパクターの裏側にあるキーホールスロットに合わせます

(図28)。インパクターをハンドルに押し込み、いずれかの方向に捻って固定します。打ち込む前に、リムインパクターを装着したインパクターハンドルをセラミックライナーの中心を合わせます(図29)。これによりライナーの設置不良リスクを低減します。打ち込む前にライナーが正しく設置されていることを触って確認します。

ライナーの挿入セラミックライナー

セラミックライナーを挿入する際には、シェルの内側、ライナー、ライナー挿入器に汚れの付着がなく、乾燥していることをあらかじめ確認します。また、シェルを点検し、シェル内のテーパー部、ドームホールプラグまたはスクリューホールプラグに損傷がないことを確認します。

セラミックライナーは徒手またはライナー挿入器を使用して挿入します。ライナー挿入器を使用する場合、サクションカップの先端をライナー挿入器のシャフト上の刻印ラインまで挿入します。シャフトがサクションカップの底部まで完全に挿入されていることを確認します。食塩水または水でサクションカップを潤滑すると組み立てが容易になります。サクションカップをライナー内に押し付け、ライナー挿入器をライナーに吸着させます。ライナーをシェル内に挿入し、ライナー挿入器の内部ロッドを引き上げて真空状態を開放し、ライナーからライナー挿入器を取り外します(図27)。

図27

図28

図29

Page 19: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

17 | Continuum Acetabular System手術手技

Vivacit-E及び LongevityポリエチレンライナーVivacit-E(ビタミンE含有)ライナーとLongevityライナーは、同じ形状となっています。

Vivacit-EライナーまたはLongevityライナーを挿入する際には、シェルの内側に汚れの付着がなく、乾燥していることをあらかじめ確認します。徒手的に、またはライナー挿入器を用いて、設置したシェル内にポリエチレンライナーを装着します。徒手的に挿入する場合、ライナーを回して、スカラップを噛み合わせてください。

Note:インパクション前は、ポリエチレンライナーと シェル辺縁の高さは同じ位置にはありません。

Note:ヘッド径が小さな(例:22mm)Longevityライ ナーの場合、ライナー挿入器からスムーズに取り外せないことがあります。

ライナーの挿入(続き)セラミックライナー(続き)リムインパクターまたはドームインパクターをライナー上に合わせます。ユニバーサルハンドルをハンマーで1回強く叩き、ライナーを完全に挿入します。ライナーが正しく挿入されたことを確認します。完全に挿入すると、ライナーは必ずシェル面と同一平面上にあることになります(図30)。

Note:40mmと42mmのシェルはセラミックライナー を取り付けるようなデザインとなっておらず、インテグレーテッドテーパーロッキング機構は付いていません。

図30

Page 20: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

18 | Continuum Acetabular System手術手技

ニュートラルライナー

ニュートラルポリエチレンライナーは、シェルの辺縁表面を指でなぞってライナーが同一平面上にあることを確かめて、正しく設置されたかを確認します(図31)。

エレベートライナー

エレベートポリエチレンライナーは、シェル辺縁の表面を指でなぞってライナーがシェルと同一平面上にあることを確かめて、正しく設置されたかを確認します

(図32)。さらにライナー設置を確認したい場合は、ライナーの突出部を静かに動かしてみて、きちんと固定されていることを確認します(図33)。

ライナーの挿入(続き)Vivacit-E及びLongevityポリエチレンライナー(続き)適切なサイズのドームインパクターを選択し、ユニバーサルハンドルに取り付けます。ユニバーサルハンドルのピンをインパクターの裏側にあるキーホールスロットに合わせます。インパクターをハンドルに押し込み、いずれかの方向に捻って固定します。インパクション前に、ライナーが希望する位置にあることを確認してください。インパクターをライナーの上に置き、ライナーが完 全に装着されるまでインパクションプレートを打ち込みます。

Note:ライナーをシェル内に装着した後は、ライナーに一旦損傷を与えずに抜去することはできません。この場合、ライナーは抜去し、廃棄します。

図32図31 図33

Page 21: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

19 | Continuum Acetabular System手術手技

ライナーの抜去いずれのライナーの場合も、抜去した際に、テーパー部とポリエチレンロッキング機構に損傷がないかを確認します。ライナー抜去中にシェルに無理な負荷をかけないように特に注意します。セラミックライナーの設置の際に、寛骨臼シェルのテーパーが変形していた場合は、そのシェルには、新たにセラミックライナーを設置することはできません。

セラミックコンポーネント破損などによる再置換の場合、セラミックヘッドとポリエチレンライナー、もしくはセラミックヘッドとセラミックライナーを使用します。セラミックライナーに交換する場合は、シェルの再置換も必要です。これらの場合、残留セラミックのthird-body

particleが関節サーフェイスの表面を大きく損傷する可能性があるので、金属ヘッドとポリエチレンライナーの組み合わせは推奨されません。

ライナーを抜去した後、新しく設置したライナーの安定性と位置を仮整復により評価します。

最終整復 インプラントを設置後、最終的な整復を行い、可動域、股関節の安定性及び脚長を評価します。

Page 22: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

20 | Continuum Acetabular System手術手技

図34 図35

ベアリングリムーバーの先端はシェルのスカラップの最も厚い部分に合わせます(図34)。シングルポイントハードベアリングリムーバーの先端を金属シェルの縁の上に完全に合わせます(図35)。ユニバーサルハンドルを ハンマーで1回強く叩き、ライナー挿入器を引いてライナーをシェルから取り外します。

Note:打ち込みを行う際にシングルポイントハードベアリングリムーバーをライナーに接触させないないでください。

ライナーの抜去(続き)セラミックライナーの抜去サクションカップをライナー内に押し付け、ライナー挿入器をセラミックライナーに取り付けます。取り付け前に、ライナー及びライナー挿入器に、汚れの付着がなく乾燥していることを確認します。ユニバーサルハンドルのピンをアダプターの裏側にあるキーホールスロットに合わせて、シングルポイントハードベアリングリムー バーをユニバーサルハンドルに取り付けます。設置されたシェル外縁と骨の隙間にアライメントタブを合わせて、シングルポイントハードベアリングリムーバーの先端をシェルの縁に設置します。シングルポイントハード

Page 23: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

21 | Continuum Acetabular System手術手技

ライナーの抜去(続き)ポリエチレンライナーの抜去(ボーンスクリュー法)3.2mmのドリルビットを準備します。シェルの臼底部と テーパー部との間の位置で、ライナーのドーム部にパイロットホールを開けます。ノンセルフタッピングスクリューを使用します(図36)。セルフタッピングスクリューは使用しないでください(図37)。ノンセルフタッピングスク リューをパイロットホールに徒手で差し込み、ライナーをシェルから浮き上がらせます(図38)。ライナーの抜去時には、シェルテーパーまたはロッキング機構に損傷を与えないよう特に注意してください。

図36 図37 図38

手術中のシェル抜去シェルを手術中に抜去する必要がある場合、シェルの抜去前にすべての補助スクリュー及び臼底ドームホールプラグを抜去することが必要となります。抜去するために、適切なヘックスドライバーをスクリューまたはドームプラグに差し込んで反時計回りに回します。

ストレートシェルインサーターまたはハイブリッドオフセットシェルインサーターを使用する場合、インサーターのハンドルの先端にアダプターを取り付けます。取り付けたアダプターを用いて、インサーターをシェルの臼底部に取り付けます。ロッキングスクリューを時計回りに回して、シェルに固定します。インパクションプレートの裏側を打ち込んで、インサーターとシェルを抜去します。

Trilogyカップポジショナーを使用する場合、インサーターの末端にキャップを取り付けます。インサーターをシェルの臼底部に締め込んで固定します。Trilogyカップポジショナーとシェルを抜去します。

Page 24: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

22 | Continuum Acetabular System手術手技

シェル

Continuumアセタブラーシェル ユニホール、クラスターホール、マルチホール

ニュートラル エレベート

Vivacit-E® ITライナー

ニュートラル エレベート オブリーク 7mmオフセット コンストレイン

Longevity® ITライナー BIOLOX® Ceramic ITライナー

BIOLOX® delta BIOLOX® deltaオプション

フェモラルヘッド

ライナー

Continuum® Acetabular System

コバルトクロムモジュラーヘッド

Page 25: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

23 | Continuum Acetabular System手術手技

ストレートシェルインサーター00-7804-015-20

ハイブリッドオフセットシェルインサーター

00-7804-025-20

Trilogyカップポジショナー00-6260-018-00

Trilogyマイクロキャップ00-8790-003-20

Trilogyキャップ00-6260-015-12

Continuumシェル(48~70mm)

シェルインサーターアダプター/固定タイプ00-8790-003-00

シェルインサーターアダプター/回旋タイプ00-8790-003-10

Continuumシェル(40~46mm)

Continuumシェル全サイズ使用可能

シェルインサーター 組立ガイド

Page 26: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

24 | Continuum Acetabular System手術手技

メモ

Page 27: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

25 | Continuum Acetabular System手術手技

販売名:コンティニュームIT シェル&Longevity IT ライナー医療機器製造販売承認番号:22400BZX00275000販売名:臼蓋用ボーンスクリュー医療機器製造販売承認番号:21600BZY00227000販売名:Vivacit-E ライナー医療機器製造販売承認番号:22500BZX00562000販売名:ジンマー デルタセラミックライナー医療機器製造販売承認番号:22600BZX00056000販売名:コンティニュームLongevity IT ライナー医療機器製造販売承認番号:22500BZX00111000

販売名:ジンマーデルタセラミックヘッド医療機器製造販売承認番号:22500BZX00380000販売名:ジンマーデルタセラミックオプションヘッド医療機器製造販売承認番号:22500BZX00459000販売名:コンティニュームITシェル&Longevity ITライナーⅡ医療機器製造販売承認番号:22400BZX00349000販売名:ZB 12/14CoCrヘッド医療機器製造販売承認番号:23100BZX00103000

Page 28: Continuum Acetabular System - Zimmer Biomet...サーター(図5b )、もしくは、対応するアダプター キャップを取り付けたTrilogy カップポジショナー

ここに記載されているすべての内容は、別途記載がある場合を除き、Zimmer Biometまたはその関連会社が所有する、もしくは使用許可を得た著作権、商標及びその他の知的財産権で保護されているものであり、Zimmer Biometの書面による明示的な同意を得ずに、全体またはその一部を再配布したり、複製を作成したり、開示したりすることはできません。Zimmer Biometは医療行為を行っていません。本手技は医療従事者と共に開発されたものです。 本書は外科医を対象としたもので、非専門家を対象としたものではありません。各外科医は、各患者の診断と治療において独自の独立した判断を下す必要があり、本情報は外科医が受けた総合的な訓練に代わることを意図したものではありません。 すべての手技に関して、各症例で使用される手技は、各患者に対する最良の治療として外科医の医学的判断によって決定されます。結果は、健康状態、体重、活動およびその他の条件によって異なります。すべての患者が本器具または本手技に適応となるわけではありません。注意:米国連邦法により、本器具の販売は医師、または医師の指示による場合に限定されます。要処方箋。

本書は、医療従事者およびZimmer Biomet販売担当者を対象としたものです。それ以外の者に配布することを禁じます。現地の製品認可および各製品の使用説明書を参照してください。BIOLOXはCeramTec GmbHの登録商標です。© 2020 Zimmer Biomet

本社 〒105-0011 東京都港区芝公園二丁目11番1号 住友不動産芝公園タワー15階Tel. 03-6402-6600(代表) Fax. 03-6402-6620

https://www.zimmerbiomet.com/ja

ジンマー バイオメット ●製品のお問合せ 03-6402-6601

0463-30-4801

0463-30-4821

Tel.

Tel.

Fax .

●カスタマーサービス(商品のご注文)

営業拠点:札幌、仙台、高崎、千葉、東京、吉祥寺、横浜、金沢、松本、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡

ZJ-466-3 (E) 11/2020 Continuum Acetabular System手術手技(1702.1-JP-ja)© 2020 Zimmer Biomet G.K.