Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
日(20日発行) HTり⊂ゲソが4D
週調蔵9138[コ
人の「逝き方」を考える③
「き
っかけは五木寛之さ
んの
『日本幻論』なんで
す
。私は島根
出身
な
の
に、この本を読むまで隠
岐の自治政府のことを全
然知らなか
った。いつか
書きたいとず
っと思い続
けていました」
「日本幻論」を読んだ1
993年から20年ヽ松本
さんは初の歴史小説を書
き上げた。
「隠岐騒動」
と呼ばれる隠岐の自治政
略熾騨治政府を
鋤器
侑子氏睾い ̈̈「一一]̈̈』一「
・まつもと
一ゆうこ ■963年ヽ島
根県生まれ,筑波大学卒業.87年
「巨
食症の明けない夜明け」ですばる文.
学賞受賞。「赤毛のアン」全文訳
一
鋼轟鴎鎗鶉灯
書
「赤毛のアンに隠されたシエイク
.スピア」「私の青春文学紀‐行」ほか一
江戸時代、日本海側は交
剣に考える人たちがいま 「誰を主人公にするか、 るし、お会いした、やし
易船で栄えた物流の大動
した」
隠岐に何回も通
って悩み
ゃごのお2人がすてきな
脈で、隠岐はその通り道
主人公
の丼上
贅
介は
ました。贅介は日記や家
方で、贅介も写真を見る
でした。幕末には、ペリ
庄屋の息子で、京都で儒
系図など資料も残
ってい
と、いい男なんですよ」
負けた人を痛め
つけない精神
川親藩。隣の
たことも、家系図からわ
ものが多く来る土地なら
鳥取藩は水戸
かる。
では
の知恵
なの
でし
ょ
藩の流れをく 「贅介は未熟だけど激し
う」
む勤王派とい
い男で、すごい行動力で
隠岐相撲は、本気で勝
う三つ巴の戦
す。でも、自治政府の男
負したあと、2戦目は勝
いが背景にあ
た
ち
は非暴力
を貫
き
ま
者がわざと負けて相手に
る。 す。松江藩の権力者を追
花をもたせるという。
「竹島も、184ある隠
岐諸島のひとつです。T
PP、日米軍事同盟、中
央と地方自治など、この
本のテーマは現代につな
が
っています。私は贅介
と違
ってインターナショ
ナル派ですが、国をよく
したい、自分の住む地域
を大事にしたいという情
熱に共感します」
(光文社 1800円)
70人が決起、農民300
0人も共
に立ち
上が
っ
た。しかし、なぜ隠岐な
のか?
「隠岐島
って辺境と思わ
れているし、私もそう思
っていましたが
(笑い)、
人間の
一生
「吾
一人のため」という
もそうだ
。政 のが近代的自我の目ざめ
治や経済のシ だろう。
―の三浦半島より先に、 教を学んだ尊王攘夷派。
イギリス船やロシア船が
そもそも隠岐は、鎌倉時
一一一一
獄
”“詢卸は舞
文化は、国家をまもる思
想だ
った。朝延を守り、
体制を護持する。豊作を
願うのも、国家を支える
収税のためであり、共同
体のために祈る宗教が仏
教だ
った
。
「われ
一人のため」の信
ときに、ご家族が訪ねて
こられました
、と知らさ
れて、ここで自分の話を
聞いている人びとこそが
自分の家族兄弟だ
、と言
ったという。
「世の中安穏なれ」とい
う言葉にだけ寄りかかる
のは、親鸞像をデ
フォル
メする危うさがありはし
来ていたんです。行き詰
代に後鳥羽上皇と後醍醐
会話や心理描写など7
い出すときも、処刑どこ
ま
った幕府の支配、年貢
天皇が流された土地だけ
割
は松
本さん
の想
像だ
ろかお米とお酒を持たせ
にあえぐ農民の暮らしを
に、倒幕と勤王の気風が
が、登場人物や事件は史
る
ん
ですよ
。隠岐相撲
どうにかしたい、黒船か
あ
った。 一方ヽ島を治め
実に基づいている。 の、負けた人を痛めつけ
くろうや」と、庄屋たち
ら日本をどう守るか、真
る松江藩
(島根県)は徳
贅介が最初の妻と別れ
ないという精神は、よそ