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COSMOS 2014年 (平成26年) 1月 編集・発行:サンコロナ小田株式会社 大阪市中央区本町2-1-6堺筋本町センタービル4F Tel. 06-6266-0063(代) SUNCORONA ODA Communication Paper No.39 2014 年 コスモス新春号 サンコロナ小田グループ代表 小田 外喜夫 有森 裕子さん 今回、五輪女子マラソンのメダリスト・有森裕子さんと の新春対談が実現したきっかけは、震災の翌年、日経 新聞に掲載された1枚のインタビュー記事でした。そ こで語られていた"自分と向き合い夢を持つことが、日 本を元気にし、みんなが前を向く力になる"といった 内容は、小田社長が独自の経営哲学として創業当初 から掲げている『イキイキハート・システム』の本質とま さに同じで、機会があれば1度お話をしてみたいと 思っていた社長の夢が叶うカタチとなりました。今、こ の瞬間を全力で生ききるお二人の熱い思いをそのま まに、まるでパワースポットを訪れた後のような元気を 皆様にお届けします。 (以下、敬称略) COSMOS編集室 ネガティブを武器にする 小田 私自身、スポーツとの関わりは過去2 回ホノルルマラソンに出たことがあり、今でも ランニングは欠かせない日課です。有森さん は幼少の頃から走るのが好きだったのです か? 有森 私は両足股関節脱臼で生まれ治療 した経緯があり、子供の頃は走るとよく転 び、好きというよりはむしろ自信のない苦手 分野でした。そんな時、たまたま出会った先 生が「自分のネガティブに思っていることが、 ある意味、自分の武器なんじゃないか」とい ってくださり、先生に近づきたい一心で当時 顧問をされていた陸上クラブに入りました。 そこで「自分の持っているものを使って何で もいいから1つ、やり終えてみろ」といわれ、 ただ続けてきただけなんですよ。 小田 普通ならコンプレックスになってもお かしくない自分の弱い部分をあえて武器に して、プラスに転じる力。不可抗力な困難に 屈することなく真正面から向き合い、がんば り続けた結果、手にしたものを自信に変えて こられた有森さんはすごいと思います。人 生は解釈の仕方ひとつで全く違うものにな ることを身をもって証明されています。マラソ ンも、たまたま入った陸上部の延長線上に あったということですか? 有森 マラソンは少し違って、以前から興 味を持っていました。きっかけは、ソウルオリ ンピックで金メダルをとったロザ・モタ選手が ゴールする瞬間にみせた満面の笑顔です。 私はそれまで辛そうな顔で走るマラソン選 手ばかりをみていて、その印象が完全に覆 され、マラソンって本当はどんな競技なんだ ろう?と興味が湧きました。同時に自分が感動 したオリンピックに出て、あの場所に立ってみ たいという思いが、ランナーとしてまだ全然、 秀でていなかった大学時代に芽生えました。 小田 有森さんがメディアを通して語られ る人生観は、表現こそ違えど私と共通する 部分が多いのですが、考え方のベースとし ては、ご両親の影響が大きいですか? 有森 父もですが、母は特にしつけに厳し い人で、好きなことややりたいことは誰でもで きるが、今やらなきゃいけないことをまず、や るようにいわれましたね。幼少の頃から手伝 いはもちろん、家の社会は非常に厳しく、結 局それが外の社会での順応性となり、後の 人生にすごく役に立って、今ではとても感謝 しているのですが、当時は怖い母がとにかく 苦手でしたね。 今この瞬間を全力で生ききる 小田 有森さんはご自身の著書のなかで 走り続けてきた理由について、『「今日はダメ だったな」と思っても、それがわたしの"今日 の"記録だと思えた。そういった積み重ねの 毎日だったから、やめる理由、やめるきっか けが何もなかったのです』と語られ、過去や 未来ではなく、今この瞬間を生ききっていら っしゃる印象を持ったのですが。 有森 そうですね。例えば、次の東京オリン ピックだと7年後、人生で言えば、長生きとい う目標がひとつありますが、私は"長く生きる よりは一生懸命、生きたい"と思っています。 人生は長さではなく中身である生き方が大 事で、先にあるよくわからないことにとらわれ るより、いま目の前にあるひとつひとつを確実 にやっていく方がいいと思います。 小田 私の時間軸の捉え方は昔、大学の 先生に教えていただいた「過去は自分の "いま"の記憶の中にある。未来は自分の"いま" の希望の中にある」という言葉に集約されて いて、結局、存在するのは"いま"しかなくて、 人の人生は"いま"の連続、積み重ねで成り 立っている。だから、 "いま"を全力で生ききる ことが、何より大切だと思っているのですが、 有森さんはまさに、そういう生き方ですね。 有森 マラソンの世界では、今日の練習メ ニューをやり終えないと、明日の練習はでき ません。これは私の持論ですが、本当の意 味で思いをカタチにするために全力で取組 む集中力は、 4ヶ月が限界だと思います。オリ ンピックなど大きな試合に出場する場合でも 同じで、本番をベストな状態で迎えるために 綿密に練られた練習メニューは、すべてに 関連性や流れがあり、ひとつとして欠けては ならないものなのです。夢は放っておいても 必ず近づいてくるので、いつその瞬間が来 てもいいように、今日を明日につなげることだ けに集中することが重要なのです。 Special Interview Yuko Arimori 日本の未来を元気にする、 自分と向き合い、 夢へと突き進む力!

COSMOS - サンコロナ小田株式会社|小田ゴウセ … 2014年(平成26年)1月 編集・発行:サンコロナ小田株式会社 大阪市中央区本町2-1-6堺筋本町センタービル4F

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COSMOS 2014年(平成26年)1月編集・発行:サンコロナ小田株式会社大阪市中央区本町2-1-6堺筋本町センタービル4F

Tel. 06-6266-0063(代)

SUNCORONA ODA Communication Paper No.392014 年 コスモス新春号

サンコロナ小田グループ代表

小田 外喜夫  

有森 裕子さん

今回、五輪女子マラソンのメダリスト・有森裕子さんとの新春対談が実現したきっかけは、震災の翌年、日経新聞に掲載された1枚のインタビュー記事でした。そこで語られていた"自分と向き合い夢を持つことが、日本を元気にし、みんなが前を向く力になる"といった内容は、小田社長が独自の経営哲学として創業当初から掲げている『イキイキハート・システム』の本質とまさに同じで、機会があれば1度お話をしてみたいと思っていた社長の夢が叶うカタチとなりました。今、この瞬間を全力で生ききるお二人の熱い思いをそのままに、まるでパワースポットを訪れた後のような元気を皆様にお届けします。 (以下、敬称略) COSMOS編集室

ネガティブを武器にする

小田 私自身、スポーツとの関わりは過去2

回ホノルルマラソンに出たことがあり、今でも

ランニングは欠かせない日課です。有森さん

は幼少の頃から走るのが好きだったのです

か?

有森 私は両足股関節脱臼で生まれ治療

した経緯があり、子供の頃は走るとよく転

び、好きというよりはむしろ自信のない苦手

分野でした。そんな時、たまたま出会った先

生が「自分のネガティブに思っていることが、

ある意味、自分の武器なんじゃないか」とい

ってくださり、先生に近づきたい一心で当時

顧問をされていた陸上クラブに入りました。

そこで「自分の持っているものを使って何で

もいいから1つ、やり終えてみろ」といわれ、

ただ続けてきただけなんですよ。

小田 普通ならコンプレックスになってもお

かしくない自分の弱い部分をあえて武器に

して、プラスに転じる力。不可抗力な困難に

屈することなく真正面から向き合い、がんば

り続けた結果、手にしたものを自信に変えて

こられた有森さんはすごいと思います。人

生は解釈の仕方ひとつで全く違うものにな

ることを身をもって証明されています。マラソ

ンも、たまたま入った陸上部の延長線上に

あったということですか?

有森 マラソンは少し違って、以前から興

味を持っていました。きっかけは、ソウルオリ

ンピックで金メダルをとったロザ・モタ選手が

ゴールする瞬間にみせた満面の笑顔です。

私はそれまで辛そうな顔で走るマラソン選

手ばかりをみていて、その印象が完全に覆

され、マラソンって本当はどんな競技なんだ

ろう? と興味が湧きました。同時に自分が感動

したオリンピックに出て、あの場所に立ってみ

たいという思いが、ランナーとしてまだ全然、

秀でていなかった大学時代に芽生えました。

小田 有森さんがメディアを通して語られ

る人生観は、表現こそ違えど私と共通する

部分が多いのですが、考え方のベースとし

ては、ご両親の影響が大きいですか?

有森 父もですが、母は特にしつけに厳し

い人で、好きなことややりたいことは誰でもで

きるが、今やらなきゃいけないことをまず、や

るようにいわれましたね。幼少の頃から手伝

いはもちろん、家の社会は非常に厳しく、結

局それが外の社会での順応性となり、後の

人生にすごく役に立って、今ではとても感謝

しているのですが、当時は怖い母がとにかく

苦手でしたね。

今この瞬間を全力で生ききる

小田 有森さんはご自身の著書のなかで

走り続けてきた理由について、『「今日はダメ

だったな」と思っても、それがわたしの"今日

の"記録だと思えた。そういった積み重ねの

毎日だったから、やめる理由、やめるきっか

けが何もなかったのです』と語られ、過去や

未来ではなく、今この瞬間を生ききっていら

っしゃる印象を持ったのですが。

有森 そうですね。例えば、次の東京オリン

ピックだと7年後、人生で言えば、長生きとい

う目標がひとつありますが、私は"長く生きる

よりは一生懸命、生きたい"と思っています。

人生は長さではなく中身である生き方が大

事で、先にあるよくわからないことにとらわれ

るより、いま目の前にあるひとつひとつを確実

にやっていく方がいいと思います。

小田 私の時間軸の捉え方は昔、大学の

先生に教えていただいた「過去は自分の

"いま"の記憶の中にある。未来は自分の"いま"

の希望の中にある」という言葉に集約されて

いて、結局、存在するのは"いま"しかなくて、

人の人生は"いま"の連続、積み重ねで成り

立っている。だから、"いま"を全力で生ききる

ことが、何より大切だと思っているのですが、

有森さんはまさに、そういう生き方ですね。

有森 マラソンの世界では、今日の練習メ

ニューをやり終えないと、明日の練習はでき

ません。これは私の持論ですが、本当の意

味で思いをカタチにするために全力で取組

む集中力は、4ヶ月が限界だと思います。オリ

ンピックなど大きな試合に出場する場合でも

同じで、本番をベストな状態で迎えるために

綿密に練られた練習メニューは、すべてに

関連性や流れがあり、ひとつとして欠けては

ならないものなのです。夢は放っておいても

必ず近づいてくるので、いつその瞬間が来

てもいいように、今日を明日につなげることだ

けに集中することが重要なのです。

Special Interview Yuko Arimori

日本の未来を元気にする、自分と向き合い、夢へと突き進む力!

昂々

馬がはしるさま いななくさま。

志や行ないがすぐれて高いさま。

馬というと﹁人間万事塞翁が馬﹂

の故事が有名です。

皆さまの一年が志高く、

意気軒昂で、何事も

ウマくいく年で

ありますように。

  平成二十六甲午歳

        宗貴 

にんげんばんじさいおうがうま

New Year's Message

小田 私は1日の終わりに必ず明日やるべ

き項目を書き出し、翌朝、行動を起こす前に

再度チェックするようにしているのですが、

それは自分の足元を固める上でとても意味

のある習慣となっています。夢実現への道

のりは長いので、1年や半年単位の計画も

たてますが、まずは目の前にある今日の合

格ラインを自分で設定し、クリアすることで、

次の日にやるべきことが見えてくる。その積

み重ねなのだと思います。多くの人は思うよ

うに自己実現や夢を叶えることができないで

いますが、思いをカタチにするためのシナリ

オがちゃんと描けていないし、先ばかりを見

て、今に全力投球できていないのが原因の

ように感じます。

有森 その結果、何が起こるかといえば、

すぐにやめたくなったり、あきらめたりする。

今を生きているはずなのに、先の自分はこう

なるはず、ああなるはずと、実体のないもの

ばかりを見て比較し、いま出せばいいはず

の全力を出しきっていないのです。

自分と向き合い自分を変える

小田 若い頃の私は絶大な兄の存在感に

ただ圧倒されるばかりでしたが、たまたま出

会った恩師の「お前とは、何ぞや!」という問

いかけに自己形成の根源的なテーマを授

かりました。いわば人生の転機ともいえる、

その出来事をきっかけに、私は自分ととこと

ん向き合って夢や目標を明確化し、自身の

強みや弱みを認識することで、今日までやっ

てくることができました。有森さんの自分と向

き合う姿勢は誰かの教えによるものですか?

有森 これは今まで過ごしてきた時間や経

験に基づくものですね。小学生の時は他人

と自分を比べ、随分落ち込んだ時期もありま

したが、それは自分にこれという特技がなか

ったからで、中学校の運動会で誰も出たが

らなかった800m走に出場し、1位になった

時、それは消えました。ひとつ、自分にできる

ことが見つかり、自信がついたからだと思い

ます。自分さえちゃんとしていれば比べる必

要はない。自分が不安だから、つい他人と

比べてしまうんですよね。

小田 こうありたいと強く願う自分の理想像

を目指す過程で現れてくる、困難や嫌なこと

から逃げずに、乗り越えてきたからこその気

づき。周囲や環境のせいにするのではなく、

矢印を常に自分の方に向け、自身の存在価

値を求めて今の力の限界に挑戦してこられ

たから、現在の成功があるのでしょうね。

有森 全ての時間に本気と一生懸命は、

ずっと変わらないスタイルですが、自分ひとり

で今があるわけではありません。途中、何度

も自分だけではどうにもならない状況に陥り、

恩師や周囲の方々に助けていただきまし

た。そのなかで私が若い人たちに伝えたい

ことは、毎日いろいろあるけれど、基本的に

物事の起こりはそのものだけ、外側からだけ

起こっているわけではなく、自分が引き寄せ

ている部分もあり、善くも悪くも物事には必ず

自分が関わっています。だから、もし、今の状

況を変えたいと思うならば、相手を変えるこ

とに時間や労力を費やすよりも、関わってい

る自分を変える方がずっと早くて、効率がい

い。人は皆、違う人間なので、自分の都合で

誰かを変えるなんてことはしてはいけないと

思うんです。ただ、その違う人間同士がうま

くやっていくために何かできるとしたらアグリ

ー、同意を求めて同調するのではなく、そう

ならないことを基本に、理解することはできる

と思うんです。理解し合いたいと思える関係

を築くことはできます。そのために、自分で変

えられる部分は変えていけばいいし、変わら

ないものは変わらなくていいと思います。

小田 人は皆違うことを前提に、次の段階

として組織になると、今度は社会性が必要

になってきます。異質な人たちがチームを組

み、一緒に何かを成し遂げる場面で重要な

のは、相手の存在を認め、会話をし、お互い

に理解し合う心のゆとりだと思います。その

ためには、自分の立場からだけでなく、もっと

多面的な視野でものを見たり考えたりする

能力を養い、自身をブラッシュアップしていか

なければならないと思います。

個々の成長が組織の成長につながる

小田 私は経営者として、会社の利益をし

っかりとあげ、少しでも多くの税金を納める

ことで社会に貢献するのが、いち企業の果

たすべき役割だと考えています。当社にし

かできないオンリーワンの商品を生み出し、

お客さまのお役に立って、喜んでもらい、結

果として利益をあげているのであって、稼

ぐ、儲けるというのは卑しいことではなく、もっ

と神聖なもので、誇りをもっていいものだと思

うのです。そのなかで、さらに、いい商品、新

しい商品を生み出す力となる集中力、社員

ひとりひとりのモチベーションをあげていくに

は、何が必要だと思われますか。

有森 時間には"とき"っていうのがあり、今

がんばらないといけない"とき"があります。誰

でもみんなと仲良くしたいと思っています。し

かし、組織として結果を出さなくてはいけな

い"とき"に、そこばかりを優先していたら夢は

叶いません。バルセロナオリンピックの試合

前に、私の恩師がハガキで「憎むにときがあ

り、戦うにときがあり、和らぐにときがある」と

いう『旧約聖書』の引用文を贈ってくれたの

ですが、ずっといい人間である必要はない

んです。成長の段階でそんなことをしている

場合ではないという"とき"があって、そこをち

ゃんと割り切って、今やるべきことをしっかり

やれたら、後で必ず和らぐときは来ます。こ

の"とき"を誤らなければ、私はいいと思いま

す。マラソンは個人競技なので、会社のよう

に組織で何かをする場合とやり方が違うと

思いますが、ただ個のゴールをしたことによ

って、他のゴールを応援したり、そこと繋がっ

て何かをすることはできると思います。

小田 組織として仕事をする場合でも、個

人として自分でスケジュールを決めて集中し

てやる時間は必要ですし、個々がまず強く

ないと組織全体も強くなれないと私は思っ

ています。そのためには有森さんがいわれ

るように、ひとりひとりが夢や目標を持ちなが

らも先のことばかり考えるのではなく、まずは

足元をしっかりと固め、いまやるべきことに集

中して全力で取組んでいかなければならな

いと思います。

有森 人には様々なタイプがあり、チームを

まとめて引っ張っていくタイプや、新しいこと

を起こすもととなる象徴的なタイプなど。誰

が1番偉いとかではなく全員必要で、人を育

てる上である程度のピラミッドを形成し、経

験を積んだ人はそれを次に続く人に伝授

し、頂点に立つ人はみんなの憧れになるこ

とで、チームとしてまとまり、成長していける。

個々にはそれぞれに適した役割があると思

います。

ひとつのゴールはよりよい未来への通過点

小田 例えば、有森さんの生き方や考え方

は周りの人に勇気や元気を与えます。最近、

私は行く先々が常にパワースポットになるよ

うな、会う人に元気を与えられる人物になれ

たら素晴らしいなと考えています。まず社長

である私がイキイキと輝くことで社員を元気

にし、それが社員全員、会社全体に広がっ

て、さらにお客さまや仕入れ先さままでもが、

そういった活気あふれるパワースポットのよ

うな存在になれたらいいなと思っています。

有森 なるほど。パワースポット、いいですね。

時々、ブラックホールみたいな人もいますが

(笑)。私は両面あると思います。特に弱って

くると気の迷いが生じ、いつもの自分とは違

う役割や苦手な分野を勉強しようとしたりし

て。でも、友達にいわれました。いまさら苦手

なことを探してやっても伸びる量はたかがし

れているし、それならば自分の得意なものを

伸ばすことに力を注いだ方がずっといいじ

ゃないかと。確かにそうだなと納得しました。

小田 結局、自分の強みで戦わなければ勝

ち目はないということですよね。いままでの経

験や体験を活かし、自分の強みや得意分野

をとことん伸ばしていけばいい。その一方

で、弱みの認識から謙虚さが生まれます。そ

れが活人力となって、人をイキイキさせてくれ

ます。全てに秀でている人はいないので個々

が自分なりの強みを伸ばし、チームとしてパ

ワーアップしていけたらいいですね。日本は

いま失われた20年といわれ、経済の大きな

落ち込みに震災が追い打ちをかけ、最近よ

うやくアベノミクスなどの効果で少し上昇傾

向にあるなか、もっと日本全体が元気を取り

戻すために、何が必要だと思われますか?

有森 2020年、日本でのオリンピック開催が

決まりましたが、東京のためだけ、スポーツ

選手のためだけのものではないと思うんで

す。これだけ大規模な、世界中のものである

オリンピックが行われるわけですから、日本

中の人たちが自分のものとして利用して欲

しいと思います。準備だけを考えると7年は

短いですが、私たち人間にとって7年は長い

ですよ。その両方を考えつつ、本当に重要

なのは2020年以降で、オリンピックはこれか

らの日本や世界をつくるためのターニングポ

イントと捉えた方がいいと思います。

有森裕子プロフィール:1992年バルセロナオリンピック、1996年アトランタオリンピック両大会の女子マラソンメダリスト。元女子マラソン選手で日本におけるプロランナーの草分けでもある。日本体育大学を卒業して、(株)リクルート入社。1998年NPO法人ハート・オブ・ゴールド設立、代表理事就任。2002年アスリートのマネジメント会社(株)RIGHTS.設立、取締役就任。スペシャルオリンピックス日本の理事長、日体大客員教授、就実大学客員教授、厚生労働省いきいき健康大使を務めるなど多岐に渡る分野で活躍中。

New Year's Message

NEWS

❶ 12月3日掲載

❸ 12月6日掲載

❷ 12月4日掲載

❹ 12月7日掲載

❶ 12月3日掲載自社開発の専用装置を用いた拡繊技術と、アラミド繊維で培った加工技術を武器に、薄くて軽くて、強い炭素繊維のランダムシートを開発。糸を熟知した『糸屋』の技術力で、世界を相手に産業革命に挑みます。

❷ 12月4日掲載糸から開発できる一貫体制の強みを活かしたスーパーデザイナーによる、お客さまの"欲しい"をカタチにするデザイン力、企画力で市場を席巻。自社ブランド設立の構想を温め、未来に繋がる、ものづくりの道筋を探ります。

❸ 12月6日掲載「テキスタイルの決め手は糸にある」。糸のプロ集団が他社とは違う素材力でオンリーワンの商品をつくり、未来を開きます。開発センターと協力工場の巧みな連携で、世界一を目指します。

❹ 12月7日掲載命を賭けても惜しくない仕事だと思って、常にその瞬間に全力投球。自らが先頭をきって熱く夢を語り、行く先々がパワースポット! "いま"を生ききる、青春まっただ中! の小田社長。個々がイキイキすることで組織が活性化し、北陸産地、ひいては日本を元気にする企業へと、挑戦は続きます。

※掲載記事をお読みになりたい方は、ホームページ http://www.sunoda.co.jp/をご覧ください。

小田 どうしても、オリンピックの2020年を目

標に設定しがちですが、そこがゴールでは

なく、本来その先が大事だといえる、有森さ

んはすごいなと思います。

有森 自分の経験を通して学んだことなの

で。私がはじめてオリンピックに出場した年

の7年前は、箸にも棒にも引っかからない、た

だの高校生でした。7年経てば、それだけ変

わりますし、オリンピックに出て終わりではな

く、人生はその先も続いていくのです。わか

らないことを今のエネルギーに変えられる人

間力をつけないと、決まっていることに向か

うのは簡単なんですよ。

小田 わからない未来につながる今日、この

瞬間に全力投球する姿勢。それこそが、今

の日本人にとって何よりも大切で、何事もあき

らめずに続けていくことが大きな力になるん

ですね。皆がそういう風に変わることができれ

ば、未来はとても明るいものになるでしょうね。

有森 日本人にはもともと、いいところがたく

さんあり、粘り強く繊細で、技術力にも長けて

います。アイデアも豊富です。ひとりひとりが

自分の得意分野を磨き、夢や目標に向かっ

て、日々 がんばれる能力をつけていければ、

10年後、20年後の日本は、もっともっと、いい

ものになっていくと思います。

心の底から納得できる明確な夢を持つ

小田 スポーツや仕事、生き方なども、重要

なのは自分自身の取組む姿勢、要はスタン

スの問題ですね。

有森 おもしろいもので、銀メダルや銅メダ

ルを獲る人は、金メダルを狙ってダメだった

人か、メダルが獲れるとは思っていなかった

けれど、たまたま獲れた人の2タイプしかい

ないんです。金メダルを獲る人は、完全に金

だけを狙って挑んだ人です。何色でもいい

と思っていたら、金は獲れません。マラソン

のタイムも、3時間を切りたいという人と、2時

間59分を切りたいという人ではラストスパー

トに確実に差が出ます。3時間といった瞬間

に3時間台でOKになり、3時間1秒でも悔し

さはないんですよ。1秒目安を変えるだけで、

最後に出る力は大きく変わってきます。

小田 自分自身の熱く燃える命から沸き上が

ってくる抑えがたい欲求に裏打ちされた目標

が、高ければ高いほど、みえてくる問題のレベ

ルは上がりますし、日々 こなすべきメニューも

当然きつくなりますが、ただ漫然と簡単にでき

ることだけを行う毎日よりもずっと、やりがいや

達成感を得ることができると思います。何色の

メダルがいいとか悪いとかではなく、ひとりひと

りが自分自身、心の底から納得できる目標をみ

つけ、そこに向かい、シビアに1秒単位のしぼ

りこみ、追い込みをかけていけばいいのでは

ないでしょうか。今日は元気をいただける素晴

らしいお話を、本当にありがとうございました。

【 対談を終えて 】

  サンコロナ小田グループ代表 小田 外喜夫

人は誰しも社会に自分の存在価値を求め、心

の内側に抑えきれない欲求を抱えています。

それに気づかないふりをしてやり過ごすのも

人生ですが、せっかく、この世に命を受けたか

らには腹をくくって自分自身と向き合い、内なる

欲求を強い志に変えて使命感まで高め、人生

をより価値あるものにしていく方がいい。例え

ば、サンコロナ小田としては、新価値創造で北

陸産地を守ることと、炭素繊維で新しい時代

をつくることがいま、この"とき"に全力で挑むべ

き使命だと考えています。有森さんが両足股

関節脱臼で生まれるという不利なスタートライ

ンにたちながら、7年で普通の高校生から、五

輪のメダリストへと躍進を遂げられたように、

命ある限り、私たちには無限の可能性がある

のです。いまこそ全員一丸となり、ビジネスオリ

ンピックの舞台で世界最先端のものづくりをし

て金メダルを獲りにいこうではありませんか !

北陸を代表する北國新聞のシリーズ「挑む」に連続掲載 !※北國新聞(ほっこくしんぶん)は、石川県金沢市に本社を置く新聞社。

NEWS

COSMOS REPORT / Overseas topics

MarriageNew Employee Newborn★2013年3月21日 押野谷 昌隆 (おしのや まさたか)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/仮撚開発センター/生産担当/小松

2013年3月21日 島田 忠大 (しまだ ただお)谷口合繊(株)/生産課/生産担当/小松

2013年4月1日 山口 典子 (やまぐち のりこ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年4月1日 西尾 侑希子 (にしお ゆきこ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年4月1日 増田 千尋 (ますだ ちひろ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/東京

2013年4月15日 熊安 祐美 (くまやす ゆみ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年5月1日 村中 友紀 (むらなか ゆき)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/仮撚開発センター/生産担当/小松

2013年6月1日 桜井 恭子 (さくらい きょうこ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年6月10日 野田 麻衣 (のだ まい)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年7月1日 村井 和茂 (むらい かずしげ)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/織物開発センター/生産担当/小松

2013年8月21日 吉田 英明 (よしだ ひであき)サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部/営業担当/大阪

2013年9月1日 西野 裕子 (にしの ひろこ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/企画開発室/デザイナー/大阪

2013年9月17日 川口 朋典 (かわぐち とものり)サンコロナ小田(株)/小田ベトナム/副社長/ベトナム

2013年9月24日 川下 奈津子 (かわしも なつこ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/大阪

2013年11月5日 山下 裕子 (やました ゆうこ)サンコロナ小田(株)/オーダーカーテン部/企画開発室/デザイナー/大阪

2013年11月5日 宇於崎 とよ子 (うおざき とよこ)谷口合繊(株)/生産課担当/小松

2012年4月2日 曽根 圭祐 (そね けいすけ)サンコロナ小田(株)/新規事業開発部担当/小松

2012年7月2日 林 啓行 (はやし ひろゆき)サンコロナ小田(株)/管理本部/システム部/システム担当/大阪

2012年7月21日 杉本 修一 (すぎもと しゅういち)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業担当/大阪

2012年8月27日 梅谷 麻耶 (うめたに まや)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/東京

2012年9月10日 長谷川 有未 (はせがわ ゆみ)サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部/営業事務/東京

2012年9月25日 原  稔光 (はら としみつ)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/山口工場/生産担当/山口

2012年10月1日 桶谷 泰一 (おけたに たいいち)サンコロナ小田(株)/経営企画室(兼)経理・システム統括部

(兼)分繊事業本部/取締役/大阪

2012年10月15日 栁澤 香苗 (やなぎさわ かなえ)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/営業事務/東京

2012年10月29日 齋藤 由衣 (さいとう ゆい)サンコロナ小田(株)/オーダーカーテン部/営業事務/大阪

2012年11月5日 斉藤 雅幸 (さいとう まさゆき)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/山口工場/生産担当/山口

2012年11月12日 木寺 真澄 (きでら ますみ)サンコロナ小田(株)/管理本部/社長秘書/大阪

2012年12月3日 前川 浩造 (まえかわ こうぞうサンコロナ小田(株)/新規事業開発部/部長/小松

2012年12月17日 田屋 和香 (たや のどか)サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部/営業事務/東京

2012年12月17日 上田 梓 (うえだ あずさ)サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部/営業事務/東京

2013年3月5日 金子 愛 (かねこ あい)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/山口工場/生産担当/山口

2012年4月1日 三浦(山口) ひとみ ・ 孝志谷口合繊(株)/業務課

2012年7月8日 福井 英樹 ・ 麻菜サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/仮撚開発センター

2012年9月9日 柏原 恵介 ・ 晶子サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部

2012年11月17日 田中(岡田) 尚子 ・ 一也サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/企画開発室

2012年11月19日 井戸 将臣 ・ 美紗子サンコロナ小田(株)/衣料素材加工部

2013年2月10日 吉村(五葉谷) 恵 ・ 雅至サンコロナ小田(株)/オーダーカーテン部 

2013年6月8日 二宮(宮西) 麻由 ・ 拓郎サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部

2013年10月6日 濱口 能 ・ 裕里サンコロナ小田(株)/技術品質管理部

2013年10月20日 池田(目澤) 菜穂 ・ 大輔サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部  (挙式2014.4)

2013年11月26日 山本(増田) 千尋 ・ 達雄サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部

2012年1月25日 塚岡 正明 たまきサンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部

2012年4月16日 橋本 健 美咲 (みさき)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部

2012年12月3日 浜野 康弘 創多 (そうた)サンコロナ小田(株)/総務・人事部

2013年1月9日 柏原 恵介 日々 翔 (ひびと)サンコロナ小田(株)/衣料テキスタイル部

2013年1月12日 内田 洋・美央 旺介 (おうすけ)サンコロナ小田(株)/オーダーカーテン部 

2013年4月7日 桑原 亮夫 悠真 (はるま)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部

2013年5月9日 田辺 絵美 勇樹 (ゆうき)サンコロナ小田(株)/オーダーカーテン部/企画開発室

2013年5月26日 東 大輔 紅羽 (いろは)谷口合繊(株)/営業部

2013年8月28日 福井 英樹 優里菜 (ゆりな)サンコロナ小田(株)/インテリア原料加工部/仮撚開発センター

2013年9月9日 岡田 尚子 一成 (いっせい)サンコロナ小田(株)/インテリア縫製品部/企画開発室

新入社員 新生児結婚

11月20、21日の両日、東京のファッションの中心地、有楽町・東京国際フォーラムの展示会場

は入口に行列ができるほど活気にあふれていた。PTJの来場者数は開催するごとに大きく

伸びている。いま多くのデザイナー、クリエーターの求めているものは新しい素材だ。しかもア

パレルというジャンルを超えて来場者は多様化傾向にある。多彩な技術で開発された新しい

素材を探し求める。当社が人気を得ているのは「糸づくりから織物まで」を一貫体制でつく

る、オリジナル素材の開発力と企画力。「豊富なサンプルが新鮮で創作意欲をかきたてる魅

力がある」と来場された多くのデザイナーたちが評価してくれる。この展示会はビジネス商談

に特化しているため来場者のほとんどがプロとしての目利きぞろいで商談も迫真的なものと

なる。今回の出展サンプルの特徴はブライダルのベーシック素材を減らし、今のトレンドである

光沢系・プリント系をメインに据えた点。さらに2WAYストレッチと10dのコーナー、空間演出に

使われる薄地の高次加工素材など幅広いものとなり、当社の商品企画の層の厚さをアピー

ルできた。商談は新規顧客50社、商談を含む150件と昨年比130%超となりこれからの商談

成約にむけて大いに希望を持てるものとなった。また今回から当社の全容を説明したサイン

ボードを掲示したことにより新規顧客、既存顧客へサンコロナ小田の総合力PRに繋がった。

ベトナムという今後の成長が期待される場所に働く機会を頂き感謝しております。現在の小田ベトナムは、幹部の士気も高く生産性も向上してきています。新興国ならではの障害はありますが、皆で力を合わせて一つずつ根気よく解決を図っています。今年もサンコロナグループの支援を得ながら、更なる向上を目指します。

副社長

川口 朋典

海外トピックス/ベトナム

2013年10月 小田ベトナムへ着任

素材のイノベーション。当社の展示ブースは大人気 !PTJ・プレミアムテキスタイルジャパン2013 Premium Textile Japan 2013 Autumn/Winter