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実施期間:平成22年度~平成25年度
Cospas-SarsatへのPLBビーコン制御技術の 国際標準化のための国際機関等との連絡調整事務
・Cospas-Sarsat衛星システム: Cospas-Sarsatが運営する捜索救助用の衛星システム ・EPIRB:船舶用捜索救助システム。水圧により船体から自動離脱、海面浮揚し作動。 ・ELT:航空機用捜索救助システム。墜落時の衝撃により作動。 ・PLB:個人携帯用捜索救助システム。ボタン操作により作動。(日本未導入)
Cospas-SarsatへのPLBビーコン制御技術の国際標準化の概要
平成22~25年度にかけ、Cospas-Sarsat合同委員会等に参加するとともに、関係各国の政府及びビーコンメーカーとの戦略的調整を図りつつ、国際標準化活動等を実施
周波数の有効利用を図るため、我が国のビーコン制御技術(不要なビーコン信号を制御し、周波数占有率を低減するもの)をCospas-Sarsatに提案し、国際標準化を目指す
成果目標
実施概要
○Cospas-Sarsat衛星システムを利用したビーコン(EPIRB、ELT、PLB)は年間約10%以上の割合で増加することが見込まれている。また、その運用において誤発射等による不要発射が多く、不要なビーコン信号による周波数占有率が高く、今後、周波数の逼迫が懸念されている。
○Cospas-Sarsatが検討している次世代衛星(中軌道衛星)において、我が国から不要なビーコン信号を制御し周波数占有率を低減する技術をCospas-Sarsatに提案し、国際標準化に反映させ、周波数の有効利用を図る。
誤発射確認! 直ちに電波の停止
①遭難信号? 誤発射が多い!
②電波の停止
遭難確認! 救助隊派遣
PLBから発射されたビーコン信号は、現在、手動のみでしか停止させることができないため、次世代衛星において、捜索・救助機関にて誤発射が疑われた場合、①PLBに対して、問い合わせを行い、②誤発射が確認された場合、必要に応じて電波の停止を行うことができる双方向ビーコン制御技術等を提案し、周波数の有効利用を図る。
提案概要
システムと我が国のビーコン制御技術
高度化ビーコン(PLB) 捜索・救助機関
救助船
救助機
レスキュー
3
平成22年度から平成25年度にかけCospas-Sarsatの理事会(CSC)、合同委員会(JC) 、専門家会合(EWG)及び特別作業部会(TG)に参加するとともに、各国の政府及びビーコンメーカーとの戦略的調整を図りつつ、国際標準化動向調査や国際標準化活動等を実施した。
具体的には、日本の技術が盛り込まれたビーコン制御技術に関する寄与文書を作成し、EWG及びTGに提出した。その後、JC、EWG及びTGにおいて、次期衛星である中軌道衛星(MEOSAR)のリターンリンクフォーマットにおいてビーコン制御技術が取り入れられるよう積極的に対応したほか、他国の賛同を得
られるための調整業務を行なった。その結果、概ね我が国提案に対して好意的な評価を得ることができた。
目標の達成状況等
○ 実施結果の概要
出席した会合ならびに訪問国: 出席会合数 9、 意見交換実施 9か国 ならびに1団体
提出した寄与文書: 我が国作成提出文書5件(内共同提案2件)、米国作成共同提案文書1件(総務省技術試験事務(平成20~21年度)の結果等を含めて提案を行った。)
○ 得られた成果等
予算
Cospas-SarsatへのPLBビーコン制御技術の国際標準化 目標の達成状況等
1.リターンリンクサービス ・我が国の実験報告を受け、ロシアがGlonass衛星によるリターンリンクサービスを提供することを表明した。 ・GNSS受信機からのリターンリンク・メッセージ・データ出力形式標準化の必要性を訴えた結果、標準化案が取りまとめられ、 IEC TC80(電子式航行装置専門委員会)に提出された。
・遭難警報の受信を自動的に通知するTYPE1メッセージについては、IMO/ICAO専門家会合にて遭難救助機関を含めて合意が得られ、Cospas-Sarsat規格(T.001)に反映された。
・救助調整センターにおける遭難警報の処理状況を通知するTYPE2メッセージについては継続審議中であるが、我が国からの実験報告にある簡易メッセージ(Canned Message)に関して米国等から強い支持を得ることができ、有効であるとの認識で一致した。
2.GNSS受信機の義務搭載 ・GNSS受信機搭載時の位置精度要件に関して、我が国での調査結果を反映させた。 ・ビーコンへのGNSS受信機の義務搭載提案に対し、カナダ及びフランスが反対した。我が国、英国及びノルウェー共同でPLBに絞った搭載義務化を修正提案した 結果、反対する国はフランスのみとなった。 3.ビーコン登録の簡素化 ・所有者が不明な無登録のビーコンを減らすため、煩雑な現在のID体系を“機種コード+シリアル番号”に統一するCospas-Sarsat事務局提案を支持。反対国との妥協点を調査した結果、規格T.X01案では、16進(HEX)15桁であったIDの桁数を拡張し、“機種コード+シリアル番号”に船舶用MMSIや航空機識別番号を付加する案でまとまりつつある。
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 総計
実績 8百万円 11百万円 11百万円 9百万円 39百万円
4
Cospas-Sarsat 関連会議等
平成22年度 (2010)
平成23年度 (2011)
平成24年度 (2012)
平成25年度 (2013)
平成26年度 (2014)
理事会(CSC) 年1回(10月)
合同委員会(JC) 年1回(6月)
専門家会合(EWG)/特別作業部会(TG)
年1~2回
各国との調整
ビーコン仕様の決定スケジュール
CSC-45(モントリオール) 10/25-28
JC-24(モントリオール) 6/15-22
EWG-2(メリーランド) 9/20-24
EWG-1(モントリオール) 1/31-2/4
JC-25(香港) 6/13-21
CSC-47(モントリオール) 10/24-27
JC-26(モントリール) 6/12-20
CSC-49(モントリオール) 10/22-25
EWG-1(ケアンズ) 2/25-3/1
CSC-51(モントリオール) 10/28-10/30
カナダ
オーストラリア/ニュージーランド
アメリカ
イギリス/RTCM
ノルウェー/オランダ
CSC-53 10月
JC-27(リマソール) 6/10-6/19
ロシア
JC-28 6月
第2世代ビーコンの開発
暫定型式承認の検討(2014/10決定予定)
型式承認の検討(2015/10決定予定)
EWG-1(モントリオール) 3/26-30
Cospas-SarsatへのPLBビーコン制御技術の国際標準化 スケジュール
※ 第二世代ビーコン開発スケジュールは、当初、2014年に終了予定とされていたが、基本となる無線方式(ナローバンド案かブロードバンド案か)の検討状況 及び衛星打上スケジュールなどを勘案し、2018年終了予定となった。
TG-1(モントリオール) 2/10-2/15