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冠動脈冠動脈CTCTの有意狭窄と負荷心筋血の有意狭窄と負荷心筋血
流シンチグラフィ所見の対比検討流シンチグラフィ所見の対比検討第第7474回日本核医学会関東甲信越地方会回日本核医学会関東甲信越地方会
緒方雄史、中原理紀、村上康二、栗林幸夫
慶應義塾大学医学部放射線診断科
【背景】【背景】
冠動脈CT(CCT)が普及してきている状況で、CCTで指摘された有意狭窄が将来の心イベント発生に対してどの程度のインパクトを及ぼすかの検討は不十分である
【目的】【目的】
CCTとMPIが同時期に施行された症例を抽出し、CCTの有意狭窄1)を認める患者群において
(A) 1年以内の心血管イベント2)発生あるいは血行再
建術3)施行率を調査する
(B) MPI所見と(A)の関連を調査する
1) LMT以外 75%以上、LMT 50%以上2) 心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、うっ血性心不全3) PCI, CABG
冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン(一部抜粋)
【対象、方法】【対象、方法】
対象症例(45例)2009年8-11月にかけてCCTにて有意狭窄を指摘半年以内(中間値27日)にMPI(運動/薬剤負荷)施行
検討項目検査後1年間の臨床経過CCT有意狭窄群におけるMPI所見(虚血なし、あり)MPI所見で振り分けた臨床経過CCT所見と虚血の有無の関連性
【対象、方法】【対象、方法】
使用機器SPECT:東芝 GCA-9300(3検出器)CT:東芝製 320列CTおよびGE製 64列CT
検査プロトコールSPECT :運動負荷( 27例)、ペルサンチン負荷( 18例)
塩化タリウム 111MBq、心電図同期SPECT
CT:造影剤 0.72cc/kg、 HRが高い場合βブロッカー使用
(0.06cc/kg×12秒)
【結果】【結果】対象症例(45例)における検査後1年の臨床経過心血管イベント: 0例血行再建術施行 (37.8%): PCI 16例、CABG 1例
MPI所見虚血(-): 24例 (53.3%)虚血(+): 21例 (46.7%)
MPI所見で振り分けた臨床経過虚血(-) :経過観察 23例、PCI 1例虚血(+) :経過観察 5例
血行再建術施行 16例 (76.1%)(虚血領域 PCI 15例、CABG 1例)
MPIMPI所見で振り分けた臨床経過所見で振り分けた臨床経過
虚血(-), PCI施行した1例MPI(2009.12):虚血(-)CCT(2009.10): #6 75%2010.3頃より胸痛出現しPCI(2010.5): #7 75%⇒0%PCI後症状改善
虚血(+), PCI施行しなかった5例軽度虚血で無症状(n=3)心房細動のアブレーションを先行(n=1)原因不明(造影剤アレルギーの既往あり) (n=1)
CCTCCT狭窄率と虚血有無の関連性狭窄率と虚血有無の関連性
CTO vs 90% (p<0.01)90% vs 75% (p=0.313)CTO vs 75% (p<0.01)
27.9%76%
18.2%11.8%
虚血(+)の割合
*側副血行路の発達 (n=4)
CAGでは90%狭窄 (n=2)
CAGで有意狭窄なし(n=1)
梗塞のため残存心筋わずか (n=1)
7529合計
6*19CTO9290%
60875%虚血(-)虚血(+)
狭窄率MPI
【症例【症例11】】 72歳男性CT: #7にlipid rich plaqueによる75%狭窄SPECT: LADの虚血PCI後経過良好
負荷時 安静時
【症例【症例22】】 70歳男性CT: #1、#5~6、#7に75%狭窄
#10起始部も有意狭窄疑いSPECT: 虚血(-)経過観察にて経過良好
負荷時 安静時
【結果・考察】【結果・考察】
形態的な冠動脈狭窄が、心筋虚血や心血管イベントを予測しえないことはすでに知られている事実である
CCTで有意狭窄と診断された症例が血行再建術を行った割合(約38%)は、MPIで虚血(+)と診断された群での割合(約76%)の半分であった
【結果・考察】【結果・考察】
CCTでの狭窄度が高いほどMPIでの虚血検出率は高かったが、 90%狭窄でも約18%と必ずしも高くなかった
75%と90%狭窄で検出率に統計的有意差は得られなかった
したがって、CCTによる形態的な狭窄度のみでは血行再建術の適応となる機能的虚血を予測することは困難と考えられた
【考察・まとめ】【考察・まとめ】
しかし、CCTでは狭窄率以外にもさまざまな情報が得られるため、それらからMPIでの虚血の有無を予測できる可能性はあるかも知れない
今後はさらに症例数を増やした検討や、狭窄のさらに詳細な性状(径、狭窄長等)を含めた検討を行いたい。