15
1 2014 年 1 月号 目次 P1 目次、ご案内 P2-P6 コラム-1 林雅之 P7-P9 コラム-2 新野淳一 P10-P12 コラム-3 洋一 P13 イベント・カレンダー P14 事務局後記 P15 CUPA Café 開催案内 CUPA レポート 2014 年 1 月号 VOL,18 謹賀新年 本年も宜しくお願い申し上げます。 今月より CUPA 総合アドバイザーでブログ「雲になったコンピュータ」の 著者である森洋一氏のコラムが始まりました。

CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

1

2014年 1月号

目次

P1 目次、ご案内

P2-P6 コラム-1 林雅之

P7-P9 コラム-2 新野淳一

P10-P12 コラム-3 森 洋一

P13 イベント・カレンダー

P14 事務局後記

P15 CUPA Café 開催案内

CUPAレポート

2014 年 1 月号 VOL,18

謹賀新年 本年も宜しくお願い申し上げます。

今月より CUPA 総合アドバイザーでブログ「雲になったコンピュータ」の

著者である森洋一氏のコラムが始まりました。

Page 2: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

2

「2013年クラウドビジネスのまとめ」

CUPA総合アドバイザー 林 雅之

2013 年は、本格的に企業のクラウドの導入が進んだ年でした。MM総研は 2013 年 8 月 28 日、

「国内クラウドサービスの市場規模・予測と需要動向に関する調査」を発表しました。国内クラウ

ド市場は急成長しつつあり、12 年度のクラウドサービス市場全体の 5,102 億円から 2017 年度に

は市場規模が 2 兆円に達すると予測しています。

新規システム導入時にクラウドの活用を優先的に検討する法人ユーザーは、7 割に達するという調

査結果となり、日本においても「クラウドファースト」の浸透が顕著となっています。

クラウドビジネスをリードする AWS

パブリッククラウドにおける IaaS 市場は、AWS(Amazon Web Services)のクラウドサービスが

マーケットリーダーとして市場を牽引しています。

調査会社の米ガートナーが 2013 年 8 月 21 日に発表したパブリッククラウド事業者を対象とする

リポート:「The 2013 Cloud IaaS Magic Quadrant」によると、AWSは「リーダー」のポジシ

ョンに位置付けられており、年々他のプレイヤーとの差を広げ、パブリッククラウドサービス市場

を牽引しています。

AWS はこれまで、多くの機能向上とサービスを提供し、多くの新サービスとアップデートを発表、

過去 7 年間で頻繁な値下げを実施するなど、顧客からのフィードバックや規模の拡大により持続的

なイノベーションを生み出しています。

AWS が、重点を置いているのが、クラウドエコシステムです。AWSのクラウドビジネスの展開に

おいては、自社のサービスの拡充を図ると共に、独自 API を提供 し、コミュニティなどを通じて

多種多様のサードパーティを取り込み、独自のクラウドエコシステムを強力に展開しています。

日本において は、40 以上の全国各地に拡大する AWS のユーザーコミュニティ「AWS User

Group Japan(略称 JAWS-UG)」などによるコミュニティ戦略でユーザーのすそ野を広げるとと

もに、ビジネスパートナー企業となる AWS ソリューショ ンプロバイダーに力をいれ、エンタープ

ライズ向けへの販路の拡大を図っています。

2013 年 11 月には、エンタープライズのお客様に限定したクローズドなコミュニティ

「Enterprise JAWS-UG (E-JAWS)」も発足しています。

AWS は、AWS ソリューションプロバイダーを重要なエコシステムを支えるプロバイダーと位置づ

け、国内では、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)やシステム インテグレーター(SI)および

AWS Direct Connect サービス(専用線接続サービス)をサポートする AWS Direct Connect ソ

リューションプロバイダー、AWS グローバルストラテジックパートナーなど数百社社規模の事業

者が参加しています。

野村総研や日立製作所、CTC などの大手 SI ベンダが AWS を組み合わせてソリューションを提案

するいわゆる CI(クラウド・インテグレーター)が定着しつつあるのも一つの大きな流れの一つ

といえます。

「コラム」-1

Page 3: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

3

AWS では国内の利用ユーザーが2万を超えたことを明らかにしており、2014 年も AWS がクラウ

ドビジネス市場を引き続きリードすることになるでしょう。

マイクロソフトは Azureの IaaSレイヤの展開と国内リージョンも提供予定

マイクロソフトが提供する Windows Azure は、これまではアプリケーションを実行するプラット

フォームを提供する PaaS(Platform as a Service)を中心にサービスを提供していましたが、

Linux を含むオープンソースをサポートする IaaS サービスを Windows Azure のランナップに加

えることでサービスの拡充を図っています。

マイクロソフトでは、クラウド OS ビジョンを掲げ、オンプレミス用クラウド基盤となる Hyper-

V/Windows Server/System Center を中心としたソフトウェアや、Windows Azure、パートナ

ーが提供する Windows Server を基盤としたパブリッククラウドを3つの重要な要素として位置

づけています。

日本マイクロソフトは、2014 年前半にも東日本と西日本の2つの国内リージョンから Azure を提

供することを予定しており、国内リージョン提供を契機に、2014 年は国内でのシェアを拡大させ

ていくことが予想されます。

IBMのオープンクラウド戦略と SoftLayerの買収と日本への展開

IBM は 2013 年 3 月、IBM のクラウドソリューション「IBM SmarterCloud」をクラウドの仕様

や規格にオープンスタンダードを採用した「オープンクラウドアーキテクチャ」ベースで構築する

「オープンクラウド戦略」を発表しました。 また、6 月 4 日には、パブリッククラウドサービス

を提供する事業者の大手である SoftLayer Technologies の買収を発表し、買収を完了させていま

す。

すでに日本国内においてもマーケティングなどに力を入れ始めており、ベアメタルサーバーなど

SoftLayer の強みを活かしたサービスが国内にも浸透するようになれば、2014 年は国内において

も台風の目になっていく可能性はあるでしょう。

OpenStackを採用するクラウド事業者の台頭

AWS やマイクロソフトなどが独自のクラウドエコシステムを展開する中で、オープンソースを採

用しオープンなクラウド環境を構築し、エコシステムを形成する動きも活発化しています。

その代表的なオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアの OpenStack です。

OpenStack プロジェクトは、Rackspace 、Red Hat、HP、インテル、AMD、NTT、NTT データ

などが参加し、2013 年 12 月現在で 132 カ国から 1 万 3000 人以上が参加しています。

Red Hat は「Red Hat OpenStack」を採用した「Red Hat Enterprise Linux OpenStack

Platform」と OpenStack ベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション

「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。 2013 年 12 月 20 日には、商用サービス

に対応した「OpenStack」の商用サポート版「OpenStack Platform 4.0」をリリースしています。

HP は、2011 年にオンプレミスとクラウド環境を共通化されたオープンプラットフォームで統合

化する「HP Converged Cloud」構想を発表し、OpenStack をベースとする HP Cloud OS を展開

Page 4: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

4

しています。 HP は、2012 年 5 月、OpenStack を採用したパブリッククラウド「HP Cloud

Services」の Public Beta 開始し、プライベートクラウド「HP CloudSystem」の基盤にも

OpenStack を採用し、12 月はじめには提供を開始しています。

Rackspace は 2012 年 8 月 1 日、OpenStack を採用したパブリッククラウドサービス

「Rackspace Open Cloud」を正式開始の発表をしました。 OpenStack を採用した初の大規模な

パブリッククラウドサービスとなります。

451 Research による最新のレポートによると、OpenStack 関連市場は 2013 年に 6 億ドルのビ

ジネスに成長し、2015 年には、OpenStack 市場の規模は、10 億ドルを超えと予測しています。

2014 年は、国内でも OpenStack を採用したクラウドサービスがいくつか登場することが予想さ

れ、OpenStack というクラウド OS を採用したクラウドサービスや関連するクラウドビジネスも

拡大していくことでしょう。

国内では CloudStackを採用する事業者が拡大

CloudStack はすでに全世界で 130 社を超える規模で IaaS の構築が行われており、中でもその半

数がパブリッククラウドサービスとして提供されています。

日本国内のパブリッククラウドサービスの導入事例では、NTT コミュニケーションズの「Biz ホス

ティング Cloudn(クラウド・エヌ)」、IDC フロンティアの「IDCF クラウドサービス」、KDDI

の「KDDI クラウドプラットフォームサービス」、SCSK の「netXCloud」などがあります。

また、CloudStack を利用したソリュー ションでは、SCSK のプライベートクラウドアプライアン

ス「Cloud System ENABLER」のほか、ユニアデックスの「U-Cloud クラウド環境構築サービス」

や日商エレクトロニクスの「Nissho-Blocks」、日立製作所の「日立クラウド基盤導入ソリューシ

ョン Powered by Apache CloudStack」、クリエーションラインなどが多くの SI ベンダなどが採

用しています。

大学では 2000 台のインスタンスが同時に稼動可能で国内の大学では最大級のプライベートクラウ

ド環境を構築している北海道大学、そして、九州大学や北陸先端科学技術大学 院大学など、アカ

デミッククラウドの基盤として CloudStack を採用する動きが広がりを見せています。

国内事業者も独自色でクラウドビジネスを展開

国内のクラウド事業者の動きも見てみましょう。さくらのクラウドが仮想サーバの組み合わせの自

由度とコストパフォーマンスなどを強みにユーザーを拡大させています。

ニフティクラウドは RDB や DNS などの IaaS レイヤの機能やコントロールパネルの充実をさせる

とともに、BaaS のサービスの展開し上位レイヤサービスによる差別化を図っています。ニフティ

は EC サイトなどの基盤での実績が豊富です。ニフティは、ハコクラという中小企業など向けのパ

ッケージ商品を展開しています。

IDC フロンティアは、CloudStack を採用したパブリッククラウドとプライベートクラウドを展開

するとともに、モバイルオンラインゲームなどゲーム分野への事業展開の強化を図っています。

Page 5: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

5

「BIGLOBE クラウドホスティング」を提供するビッグローブは親会社の NEC が売却を予定してお

り、買収先の戦略によってクラウドビジネスの方向性も大きく変わってくるでしょう。

IIJ は、ソーシャルゲームへの展開のほか、中国やヨーロッパなどグローバルビジネスへの展開を

強化しています。

NTT コミュニケーションズは、エンタープライズ向けの「Biz ホスティング Enterprise Cloud」

とパブリッククラウドサービスの「Biz ホスティング Cloudn」を提供しています。「Biz ホスティ

ング Enterprise Cloud」は、世界8カ国に拠点を展開しており、製造業を始めとしたグローバル

ユーザへの展開を加速させています。「Biz ホスティング Cloudn」は、低価格な料金体系に加え

て、RDB や Object Storage、PaaS、DNS など、豊富な機能を提供しています。

PaaS事業者も勢揃い

2013 年は PaaS レイヤのビジネスも立ち上がった時期になりました。セールスフォース・ドット

コムが提供する Force.com や Heroku、Engine Yard などの海外勢のほか、ニフティクラウドが

提供するニフティクラウド C4SA、NTT コミュニケーションズが提供するオープンソースの Cloud

Foundry を採用した「Cloudn PaaS」などが PaaS レイヤのクラウドサービスを提供しています。

IIJ はβ版で提供していた「IIJGIO MOGOK」を 2013 年 12 月 10 日に正式提供開始をしており、

国内の PaaS 事業者も一段落しています。

PaaS の導入実績では、「Cloudn PaaS」が 2013 年3月に NTT データイントラマートのエンタ

ープライズ向けのクラウドサービス「Accel-Mart」の基盤に採用されるなど、エンタープライズで

の採用も広がりを見せています。

複数の事業者を扱うクラウドブローカーの展開

複数のクラウド事業者を組み合わせてクラウドビジネスを展開する事業者も出てきています。

米デルは 2013 年 12 月 12 日、米レッドハットの OpenStack ディストリビューションの OEM 提

供や、米マイクロソフトの Windows Azure、米グーグルの Google Cloud Platform の提供につい

て発表しました。 米デルは、プライベートクラウドについては将来に向けて OpenStack を採用し

ますが、パブリッククラウドでは主要なクラウドサービス事業者と幅広く連携し、デルが提供する

クラウド管理ツール「Dell Cloud Manager」で複数の統合管理できる環境を提供していきます。

NTT データは、複数クラウド基盤の統合管理・運用をサポートする「クラウドブローカーサービ

ス」の提供を開始しています。「クラウドブローカーサービス」の 「マルチクラウドインフラ提

供サービス」では、NTT コミュニケーションズが提供するパブリッククラウド「Biz ホスティング

Cloudn」に対応した「BizXaaS プラットフォームサービス Flex」と AWS に対応した「BizXaaS

プラットフォームサービス Flex-A」を提供しています。

エンタープライズやビッグデータ、オープンデータの領域へ拡大

2012 年まではクラウドの活用基盤は EC サイトや Web サイト、ソーシャルゲームなどの開発運用

基盤が中心でしたが、2013 年に入ってからエンタープライズへの採用が加速しています。

ケンコーコムの SAP on AWS に代表されるように ERP パッケージの SAP をクラウド基盤で採用

する事例も出てきました。

Page 6: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

6

また、ヤマハ発動機は 700 台規模の物理サーバーにある基幹システムを NTT コミュニケーション

ズの「Biz ホスティング Enterprise Cloud」にグローバル規模で移行する計画を発表しているよう

に、基幹系のシステムをグローバルにクラウドに移行するケースも出てきています。

ビッグデータ基盤や、統計データの分析やサービス開発基盤としてクラウドを採用するケースも増

えています。たとえば、ビッグデータ関連では、スシローの店舗オペレーションの改善やデータ分

析基盤に AWSを採用しています。 オープンデータでは、クラウドテストベッドコンソーシアムに

て、統計センターが提供する統計データの「e-Stat」の開発基盤として NTT コミュニケーション

ズのパブリッククラウド「Cloudn」が約 80 社に採用されています。

2014 年は、エンタープライズの領域、特に金融分野などへの導入が進んでいくことが予想されま

す。また、政府や自治体、医療や教育など公共分野やスマートシティ、IOT や M2M などの社会基

盤としてのクラウドの採用も加速していくことになるでしょう。

2014年はクラウド事業者の淘汰が進む!?

2013 年は多くの SI 事業者が AWS などのクラウド事業者を組みあせて提案・構築する機会が増え

てきました。一方で、SI 事業者など一部の事業者が提供するパブ リッククラウドの利用ユーザー

数は頭打ちとなっており、事業継続にあたっての収支を考えていく時期にきている事業者も出てき

ているのではと想定されます。 2014 年は、AWS をはじめとしたクラウド事業者がユーザー数を

拡大する中で、撤退を余儀なくされるサービスや事業者も出てくると予想されます。

また、一社の企業ユーザーに複数の CI 事業者が AWS の組み合わせを提案するといったように、

CI(クラウド・インテグレーター)同士での競合も加熱していく ことが予想されます。クラウド

サービスに加えて、複数の事業者を組み合わせてハイブリッドを提供するなど、より差別化したサ

ービスやソリューションを提供 していく必要性も出てくるでしょう。

Page 7: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

7

「 Google Compute Engineが正式サービスへ、 Treasure Dataも新サービス発表」

CUPA総合アドバイザー 新野 淳一

2013 年最後の 1 カ月も、日米から新しいサービスが相次いで発表される慌ただしいものになりま

した。Publickey の記事からポイントを紹介しましょう。

Google Compute Engineが正式サービスへ。Docker、FreeBSD、CoreOSもサポート

2013 年 12 月 4 日。Google は、これまでテクニカルプレビューとしていたクラウドサービス

「Google Compute Engine」を正式サービスにすると発表しました。

Google Compute Engine は、Amazon Web Services のように仮想サーバやストレージなどを提

供する、いわゆる IaaS 型のクラウドサービスです。

正式サービス開始に当たり、対応 OS を拡大。Debian と CentOS だけではなく、SUSE Linux、

FreeBSD、Red Hat Enterprise Linux(現在は限定プレビュー)、さらに SELinux、CoreOS、そ

して Docker、FOG、xfs と aufs もサポートすることが明らかにされました。

Google は仮想マシンを稼働しつつメンテナンスを行う「トランスペアレントメンテナンス」を導

入したことを合わせて発表しています。これはソライブマイグレーションによって予防的メンテナ

ンスを仮想マシンを稼働し続けながら行うものです。

Amazonクラウドへ、VMware ESX、Xen、Hyper-Vの仮想マシンがインポート可能に

12 月 18 日には Amazon クラウドの VM Import 機能が新しくなり、VMware ESX や Xen、

Hyper-V といった仮想マシンのイメージを Amazon クラウドへ移行することが可能になったと発

表されています。

インポート可能になったのは、以下の仮想化ハイパーバイザのイメージファイル。

- VMware - ESX and VMware Workstation VMDK

- Citrix Xen - VHD

- Microsoft Hyper-V VHD

Amazon クラウドへインポートした仮想マシンで利用可能な OS として、以下の OS がサポートさ

れています。

- Red Hat Enterprise Linux 5.1 - 6.5

- Centos 5.1 - 6.5

- Ubuntu 12.04, 12.10, 13.04, 13.10

- Debian 6.0.0 - 6.0.8, 7.0.0 - 7.2.0

「コラム」-2

Page 8: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

8

VMware ESX、Hyper-V、Xen をサポートすることで、オンプレミスで使われている仮想化ハイ

パーバイザのほとんどがカバーできることになります(残るは KVM くらいでしょうか)。オンプ

レミスからクラウドへの移行が容易になるだけでなく、普段オンプレミスで運用しているシステム

を、なにか問題が発生したときにディザスタリカバリとして Amazon クラウドへ移行するような

システムも、これまでより柔軟に実現することができそうです。

主な新機能はオーケストレーションと課金

日本国内でも新サービスの発表が続きました。クラウド上で大規模データの保存し、分析、レポー

ティングのサービスを提供している Treasure Data は 12 月 9 日、大規模データに対してアドホッ

ククエリを発行する機能と、同社として初めてとなるデータ可視化ツールなどの新サービスを発表

しました(写真:Treasure Data の CTO 太田一樹氏)。

1 つ目の新サービスは、アドホックなデータ解析向けのクエリエンジン「Treasure Query

Accelerator」。既存のバッチ型クエリエンジンと比較して、10 倍から 50 倍も高速。

大規模データに対してドリルダウンで、レイテンシの少ない形でクエリを実行したいとい

う要望に応えたとのことです。

Page 9: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

9

既存のバッチ型クエリは、立ち上がりに 30 秒から 40 秒ほどかかるものの数千億件のデー

タを高い信頼性で捌くのに向いており、使い分けができると太田氏。

2 つ目の新サービスは、同社にとって初めてのデータ可視化ツールとなる「Treasure

Viewer」。Treasure Viewer はコンソールから利用でき、データ項目をドラッグ&ドロッ

プすることでグラフなどにして可視化するツール。「テーブルの設計さえしっかりしてい

れば、好きな方法でデータが可視化できる。グラフは画像として保存してプレゼンに貼る

といったこともできる」(太田氏)

IIJが Ruby on Railsの PaaS「Mogok」を正式サービスに

クラウドサービスの「IIJ GIO」を提供するインターネットイニシアティブ(以下 IIJ)は

10 日、これまでベータ版として提供していた Ruby on Rails による開発と運用を可能に

する PaaS 型クラウドサービス「IIJ GIO MOGOK サービス」を正式版にすると発表しま

した。

Ruby on Rails 対応の PaaS 型クラウドサービスは、Heroku や Engine Yard など多数あ

りますが、MOGOK は IIJ のクラウド基板上に構築され、サポートもマニュアルもすべて

日本語で提供される点が特徴と説明されています。

個人向けにはオンラインサインアップで即時利用が可能。Web アプリケーション 1 インス

タンスと DB インスタンス 1 つまで無料。データベースとして MySQL が提供されます。

Page 10: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

10

「 SDNはブレークするか」

CUPA総合アドバイザー 森 洋一

SDN(Software-Defined Network)市場が活況だ。

きっかけは OpenFlow、策定したのは ONF(OpenFlow Foundation)である。今やサーバーの仮

想化はすっかり定着し、クラウドを支える重要な要素技術となった。残りはネットワークとストレ

ージだ。この2つが真に仮想化されれば、その利便性は図りしれない。まさに VMware が提唱す

る Software-Defined Datacenter も夢ではない。サーバーは標準化によるコモディティ化が進ん

で価格は大きく下がり、その上、仮想化やクラウドでユーザーは大きなベネフィットを受け取った。

しかし、一方でネットワークとストレージ機器の価格は、依然、高止まりが続いている。まずはネ

ットワーク市場の開放だ。

<OpenFlowの柔軟性と課題>

現代のネットワーク機器は、自律的に情報を収集してダイナミック

にパケット転送を実行する。このため、各機器には制御と転送の

2つの機能が組み込まれている。OpenFlow 仕様ではこれらを分離

し、制御部を OpenFlow コントローラ、データ転送部を OpenFlow スイッチとしている。

OpenFlow コントローラーはパケットの流れやフレームを管理するフローテーブルを生成し、

OpenFlow スイッチはこれらの情報から実際のデータ転送を実行する。この仕様のもうひとつのポ

イントは、スイッチの動作とその制御のためのフロー定義のみで、コントローラー全体をどう設計

し、どのようにネットワークを制御するかはベンダーに任されている。それ故、OpenFlow コント

ローラーには色々な実装が考えられる。ソフトウェアを主体として開発するか、専用ハードウェア

と組み合わせるか、どのようにネットワーク全体を制御するか等々。勿論、これらの方式決定には、

ターゲットとなる顧客層や期待するパフォーマンスなどが重要となる。つまり、OpenFlow は自由

度があるが故に、課題も抱えている。

=VMware NSX、統合への道=

VMware が Nicira を買収したのは 2012 年 7 月。

以来、SDN 製品の実用化が俄然、現実味を帯びて来た。そして、

昨年 8 月末、VMware NSX が発表された。周知のように ESX が

VMware のサーバー仮想化の基本製品であるからして、この NSX と

冠した製品に賭ける同社の意気込みが伺える。しかし NSX には2つの流れがある。 ひとつは

Nicira の NVP(Network Virtualization Platform)だ。これは Open vSwitch を OpenFlow スイ

ッチとし、独自の STT(Stateless Transport Tunneling)トンネルをサポートする。もうひとつ

は同社が開発してきた仮想ネットワークサービス vCloud Networking & Security (vCNS)と

vSphere Distributed Switch である。この仮想スイッチのトンネルは VXLAN。NSX は

OpenStack 連携や Multi-Hypervisor 対応を睨んで、NVP が基本プラットフォームとなる。そして

昨年10月中、第 1 弾がリリースされた。この版ではいわば2つが NSX ブランドのもとに並存し、

トンネリングは用途によって使い分けられる。次期版ではさらなる統合が期待されるところだ。

「コラム」-3

http://3.bp.blogspot.

com/-

d224gc5pFK8/UjOqZ

OAd_bI/AAAAAAAA

DWw/r242r-k--

OY/s1600/OpenFlow-

2.jpg

http://2.bp.blogspot.

com/-

uDIq7BuUYAc/UjOpp

JSzeDI/AAAAAAAAD

Wk/255iVCm7zhk/s16

00/Nicira-small.jpg

Page 11: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

11

=Red Hatの認定ソフトウェアとなったMidoNet=

日本のミドクラも頑張っている。

最新情報によれば、Red Hat のクラウド Enterprise Linux

OpenStack Platform (RHELOP)と MidoNet のインテグレーショ

ンおよび品質検証テストが完了し、正式に Red Hat の Certified ISV(Independent Software

Vendor)となった。この連携は、勿論、OpenStack のネットワークワーキングプロジェクト

Neutron を通したものである。彼らが目指すのは真のオープンだ。これまで VMware はプロプラ

イエタリーな技術体系で市場に浸透してきた。しかし行き渡りもあって、このところは伸び悩みの

感がある。クローズドであるがための壁だ。これを横目に、Midokura は Red Hat と組み、

OpenStack/Neutron のエコーシステム構築を目指す。仲間を募り、相互連携を基本としたオープ

ンな製品群が出回れば市場は変わる。戦う市場は VMware と同じエンタープライズだ。そして、

ユーザー企業に新たなオプションを提供する。技術的にみれば、VMware NSX のコントローラー

は集中型。対する MidoNet は分散配置である。これによって、耐障害性と拡張性を併せ持つシス

テムとなる。同社は今回の Red Hat 認定にとどまらず、既に Canonical や SuSE との連携も進め

ている模様だ。

=迎え撃つ、Cisco ONE=

さて、SDN を迎え撃つ最大手の Cisco はどうするのか。

一昨年 6 月、Cisco は Cisco ONE(Open Network Environment)コンセ

プトを発表した。彼らの主張は既存製品の優位性を強調しながら、オープン

化に対応することである。つまり、現在の SDN 議論や OpenFlow は重要だが、それだけではネッ

トワークの広範な課題解決には十分ではない。あくまでも経験豊かで現在の市場を握る自分たちが

主役となり、状況を見ながら対応していこうという作戦である。具体的には、同社スイッチ

Catalyst に OpenFlow エージェントの搭載や同 Nexus に VXLAN トンネルを適用、さらに

VMware vCloud Director との連携もやって見せた。そして Cisco ONE の目玉となるスイッチ/ル

ータに共通の API と Developer Tool Kit をまとめた onePK(one Platform Kit)が限定リリース

された。これを使えば既存 Cisco 製品も OpenFlow スイッチ対応に変身し、既存スイッチ機能と

のハイブリッド化が可能となる。今後、Cisco がどのように動くのか要注視である。

http://3.bp.blogspot.com/-

3u7HUz3Tcpo/UjuZzvwQ6HI/AAAAAAAADaA/l7lF2lPSN6c/s320/S

creen+Shot+2013-09-19+at+13.47.38.png

http://3.bp.blo

gspot.com/-

kt6ZKz4Ig6w/Uj

ZUQNxf2yI/AA

AAAAAADXg/

9ZqXgQijNiU/s1

600/Cisco.jpg

Page 12: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

12

以上見てきたように、ネットワーク市場の状況は大きく変わりつつある。

専用ハード/ソフトの組み合わせで市場を寡占してきた大手ネットワークベンダー。極論すると、

それに挑むのはソフトウェアだけでどこまで戦えるかを問う勢力だ。迎え撃つ側は、既存権益を守

りながら、新しい流れに対応する。挑戦する側は、仮想化最大手の VMware が Nicira を買って自

社技術との融合を試み、Microsoft も自社 Hyper-V に GRE を拡張した NVGRE(Network

Virtualization using Generic Routing Encapsulation)を搭載した。日本の Midokura は Red

Hat と協業し、OpenStack/Neutron のエコシステム構築に挑戦する。

このようなオーバーレイ方式とは別にホップ・バイ・ホップ方式も

動いている。Big Switch Networks の Big Network Controller や

NEC の UNIVERGE などだ。また、OpenDaylight も動き出した。OpenDaylight では参加各社が

コードを持ち寄り、SDN コントローラーや L4~以上の広範囲な部分の開発が進み始めた。

いよいよ、仮想化の第2幕が本物になりつつある。

資料:雲になったコンピュータ

http://3.bp.blogspot

.com/-

uwSoV4mAJ64/UkP

VuyjHgtI/AAAAAAA

ADes/EAC82yzWPm

E/s1600/OpenDaylig

ht.png

Page 13: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

13

2014年 1月 11日~2014年 3月 31日 ----------------------------------------------------------------------------------------------------

OpenStack Days Tokyo 2014

http://openstackdays.com/

開催日:2014 年 2 月 13 日(木)-14 日(金)

開催場所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区神田駿河台 4-6)

特別協力:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

中島 倫明 様 (CUPA 技術アドバイザー、日本 OpenStack ユーザ会)

特別協力:NTTソフト株式会社 岡 あゆみ 様(日本 OpenStack ユーザ会)

----------------------------------------------------------------------------------------------------

中国経済産業局主催セミナー

URL:未

開催日:2014 年 2 月 25 日(火)

開催場所:松山市内

講演:株式会社船井総合研究所 江尻 高宏 様(CUPA ビジネスアドバイザー)

--------------------------------------------------------------------------------------------

イベント情報

Page 14: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

14

元ソニーCIO長谷島眞時氏が心得を軽妙に語る「CIOいろはがるた」

今月は新年でもあり、「かるた」で CIO の心得を取上げた。

IT 導入の主体が情報システム部門だけでなくユーザー部門にも拡散していくなか、CIO(最高情報

責任者)は新たな課題に直面している。CIO はどう振舞うべきなのか。

ガートナージャパンのエグゼクティブプログラム バイスプレジデント兼エグゼクティブパートナ

ーで、2012 年 2 月までソニーの CIO を務めていた長谷島眞時氏は「いろは四十七文字」に載せて

軽妙に語った CIO の心得「CIO いろはがるた」を ITpro で連載中。その過去公開分が以下となる。

い…言い訳飲み込み、相手の話を聞く

ろ…論は戦わせろ、安易な妥協はするな

は…「速さ」を追うなら何かを捨てる覚悟を持とう

に…憎い相手とこそチームになれ

ほ…本腰を入れるならまず予算を取れ

へ…平穏な日常に迫る静かな危機

と…トップに多くを期待してはいけない

ち…地道な人材育成に取り組もう

り…リッチな雑談で IT 部員は育つ

ぬ…抜き身で相手の懐に

る…流転しながら若手は育つ

を…「教えてチャン」でもいいんだよ

わ…わが道を行くプロに学ぶ

か…「カルチャーが違う」で思考停止

よ…良い上司の仕事は部下育成にあらず

た…達成感を共有するために人前で話そう

れ…レーゾンデートル(存在価値)は何か

そ…総合見取り図の必要性

以下

つねならむ うゐのおくやま けふこへて あさきゆめみし ゑひもせす。

※参照:ITpro

@5

事務局後記

Page 15: CUPA レポート 謹賀新年 · Platform」とOpenStackベースのクラウドシステムへの移行をサポートするソリューション 「Red Hat Cloud Infrastructure」を提供しています。

15

《「CUPA・Café」のご案内 》

下記の日時で「第 16回 CUPA・Café」を開催いたします。

日時:2014 年 1 月 15 日(水曜)19:30~21:00

会場:クリエーションライン株式会社 会議室

東京都千代田区神田佐久間町 3-6 M’s WORKS BLDG 3F

1月のテーマ:『SaaS市場の普及と課題について』

対談者:サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部 マネージャー 毛海 直樹 様

株式会社ロックオン 東京支店長 取締役副社長 福田 博一 様

司会: 株式会社スマイルワークス代表取締役(CUPAビジネスアドバイザー)坂本 恒之 様

◆CUPA・Café詳細は CUPA の facebook ページにてご案内いたします。

http://www.facebook.com/cupa.jp

会員企業様や関係者は無料で入場できます(アルコールも少量ですが準備致します)。

ご多忙とは存じますが、ご来場の程宜しくお願い致します。

尚、ご来場の際は、お手数でも事前に下記メルアドまでご連絡をお願い致します。

[email protected]

◆一般の方は USTREAM で視聴できます。

・CUPA・Caféライブ:http://www.ustream.tv/channel/cupa-cafe

・CUPA・Caféアーカイブ:http://cloud.or.jp/cupa_cafe.html

本企画では「ご希望の対談者」や「対談テーマ」などを募集しています。

下記のアドレスまでご要望などをご送信ください。

[email protected]

以上、宜しくお願い申し上げます。