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Design & Construction of Endcap RPC for the BELLE at KEK T.Takayama, H.Hanada, T.Nakajima, et al. EKLM Collaboration Reseach Center for Neutrino Science Graduate School of Science Tohoku University BELLE ンター について 1、 じめに 大学 ニュート リノ センター エネルギー められている 、Bファクトリ ー (BELLE) K 、 ミューオン (KL/ μ) エンドキャップを して、 ンターを から にBELLE 体にイン ストールを した。そ による している。 ームラインにロールイ ンして される。 1にBELLE す。 エネルギー さを 変えた ーム 、B を大 につ くるこ からこ がつけれ た。こ るクォーク bクォー して、CP対 れを する テーマ す。 2、 ンター(RPC)について KL μ ンタ ー(Resistive Plate Counter RPC)を した。RPC (ガラ ス、ベークライト 、プラスチック Ω/cm )を2 い、これを わせにして しガス ギャップ せる。 にカーボンシ ー トを り+- 圧を引 する。 これにアルゴン、ブタン、フレオ ン ガスを す。RPCを する ガス イオン し、 がて るが、 ため い。またこ 体に がらず、 きて他 圧を維 している するたびに きる。 した パッ ストリップ パルス して す。 2にそ す。 RPC して mV 大きくアンプが 、位 いこ 、大 きるこ あるこ げられます。 1 BELLE 2 RPCを いた

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Design & Construction of Endcap RPC for the BELLE at KEK

T.Takayama, H.Hanada, T.Nakajima, et al. EKLM Collaboration

Reseach Center for Neutrino Science

Graduate School of Science Tohoku University

BELLE用用用用高高高高抵抵抵抵抗抗抗抗電電電電極極極極板板板板カカカカウウウウンンンンタタタターーーーのののの設設設設計計計計、、、、製製製製作作作作ににににつつつついいいいてててて

1、はじめに 東北大学理学研究科附属ニュートリノ科学研究センターでは、現在高エネルギー加速器研究機構で建設が進められている、Bファクトリー実験の粒子検出器(BELLE)で K 中間子、ミューオン粒子検出部(KL/μ)のエンドキャップを分担して、高抵抗電極板カウンターを開発、設計、製作、性能検査を開発から4年を経て完成、1998年5月にBELLEの構造体にインストールを完了した。その後宇宙線による測定を継続している。1999年4月にはビームラインにロールインして実験が開始される。 図1にBELLE検出器の外観を示す。 この実験は、電子、陽電子のエネルギーの強さを変えた非対称ビーム衝突実験で、B 粒子を大量につくることからこの名称がつけれた。この実験の目的は、物質の基本粒子となるクォークのなかで bクォーの崩壊を通して、CP対称性の破れを解明する素粒子物理学の重要なテーマの実験です。

2、高抵抗電極板カウンター(RPC)についてKL/μ検出部には、高抵抗電極板カウンター(Resistive Plate Counter , RPC)を採用した。RPCは板状の高抵抗材料(ガラス、ベークライト、プラスチック等で電気抵抗1012Ω/cm程度)を2枚用い、これを向い合わせにして電極板としガスの出入口を除き平行のギャップで密封張合せる。電極板の外側にカーボンシートを張り+-の高電圧を引加する。これにアルゴン、ブタン、フレオンの混合ガスを流す。RPCを荷電粒子が通過するとガスはイオン化し、やがて強い放電になるが、高抵抗のため持続できない。またこの放電は板全体には広がらず、局所的に起きて他の場所は高電圧を維持しているので、荷電粒子が通過するたびに同時に板全体での検出ができる。信号の取り出しは、電極板に絶縁密着した銅箔のパットやストリップでパルス信号として取り出す。 図2にその概略を示す。 RPC の特徴としては、取り出す信号が数百mVと大きくアンプが不要、時間分解能、位置分解能が良いこと、大型のものや形状が自由にできること、安価であること、等が上げられます。

図1 BELLE 検出器の外観図

図2 RPCを用いた検出器の概念図

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3、RPCの製作とEKLMモジュールについて

 3-1 RPCの製作 我々は、高抵抗材料として種々テストした結果から2mm厚のフロートガラスを採用した。RPCの組み立て作業は埃が混入しないようにクラス1000程度のクリーンルームの中で行われた。ガラスの洗浄、カーボンシートの張り付け、高電圧端子の取り付けのあとポリエステルマイラーでラミネートする。2枚をガスコネクター、ギャップを保持するためのスペーサー、周囲を密封するためのエッジスペーサー、等を接着剤を用いて張合せ、重しを載せて固定する。仕上げ、リークチェックをして検査測定にまわす。検査測定は、数日間混合ガス(アルゴン30%、ブタン8%、フレオン62%)を10cc/min程度流した後、1週間程かけて印加する高電圧をパソコンで電流をモニターしながら上げてゆく。初めは電流値が高いが徐々に下がってくる。最終的には±4.5Kv、0.5μA程度になるものが良品で、何らかの原因でリーク等があり電流値が下がらないものは不良品としてはじき出す。このあと10枚を一組として信号読み出しストリップを取り付け宇宙線による高電圧値を変えながら検出効率の測定をパソコンで行う。 EKLM 全体でRPC が1120枚必要で、予備等を含め1600 枚程製作した。1日に製作されるRPCは5~6枚であるので、プロダクションに入って15ケ月を要した。図3に RPC の外観図と断面図を示す。 3-2 EKLMモジュールについて BELLE に組み込むEKLMモジュールは一枚の大きさが内径 2,610mm、外径 6,620mm、厚さ39 mmのドーナッツ型のものを4分割したもので、非磁性体の要求からアルミフレームを使用した。中には、RPCを5枚で一層とし上下二層に敷き詰め10枚を組み込むスーパーレイヤーとした。外側のアルミフレームがGNDとなるので、信号読み出しストリップとの間は、11mm 厚の発砲スチロールを敷き詰めインピーダンス整合をしている。信号読み出しストリップは、θ方向は 36mm 幅、ギャップ 2mm、48ch、φ方向は内径側19mm幅、外径側 47.5mm幅、ギャップ2mm、96chでフラットケーブルで外部に引き出す。その他RPCへの高電圧ケーブル、ガス配管等が収納されていてEKLM1枚約 250kg の重量となります。BELLE全体では、前方、後方共14レイヤーで112モジュールを必要とし予備を含めて120モジュールを製作した。 図4にEKLMモジュールの構造図、図5にスーパーレイヤーの構造を示す。 

図3 RPC 単体(外形寸法標準のもの)と断面図

図4 EKLM モジュールの構造図

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 3-3 EKLMモジュールの特性と性能について

 モジュールの性能試験は、8枚を垂直にして両側と中1枚をトリガーをして宇宙線を用いて計測する。図 6-1~図 6-3 は上部レイヤーと下部レイヤー及びスーパーレイヤーでの検出効率の場所依存性示す。これはθ方向とφ方向の2本の読み出しストリップが交わる領域(ピクセル)ごとの検出効率を表わした図で各ピクセルごとの□の大きさが検出効率を表わしていて最大100%、80%以下は空白となっている。上下レイ

図5 EKLMのスーパーレイヤー構造図

図6-1 上部レイヤーの検出効率

図6-2 下部レイヤーの検出効率

図7 高電圧ー検出効率の分布曲線 図6-3 スーパーレイヤーの検出効率

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ヤーともRPC の側端部分等の不感領域では、データが無い部分があるのに対し上下で大きさの事なるRPCを配置したスーパーレイヤーとすることにより、不感領域が無くなる事を示している。 図7は高電圧値を変化させて検出効率を示したものであるが、上下レイヤーが 4.3kV のとき 91%程度でスーパーレイヤーとすることにより98%以上の検出効率が得られた。

4、まとめ 高エネルギー物理の実験は、実験装置が大型で建設できるところも限られていますが、我々のグループはこれまでにも、外国を含む各所で実験装置を手がけてきましたので、今回の装置は全体では 30 t にも及ぶ検出器を構造体へのインストールまで行い完成させた意義は大きい。実験は4月からいよいよ開始されますが、トラブルもなく順調に稼働することを願っています。 ガラスによる RPC は世界で初めて装置に組み込まれましたが、寿命等が分かっていません。東北大学の実験室では、初期にできたRPCを用いて宇宙線によるロングタームのテストが2年以上経過し今後も継続されます。 KL/μのバレルパートは USA グループのバージニア工科大学、プリンストン大学が主として分担、エンドキャップパートは日本グループの東北大学、東北学院大学、大阪市立大学、青森大学及びKEKの共同実験で進められ、RPCの製作からEKLMモジュールの組み立てまで東北大学でおこなわれてきました。

謝辞 今回の装置に関して高エネルギー加速器研究機構でBELLE構造体の設計を担当した技官 山岡 広氏及び筑波実験室担当の技官 山岡幸雄氏には、設計上の問題や現場での采配で大変お世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。

参考文献 [1]The BELLE Progress Report 96-1 [2]M.Sanpei et al 「Performance of Endcap RPC for the BELLE at KEK」  IEEE Transactions on Nucler Science. Vol. 45. NO3, June 1998 [3]Cosmic-ray Test of the Installed Endcap RPC Modules in BELLE Detector

TOHOKU-HEP-NOTE-99-01 Jan 8, 1999

図8 インストール中のEKLMモジュール