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DIAGEO - 女性のためのコーチング · 2020-02-13 · その後は世界最大の酒類会社 diageo のロンドン本社に入社。社内コンサルティングや商品開発

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目次

はじめに

第 1 章 どうしてタイムラインを理解することが大切なのか

第 2 章 第 1 のターニングポイント: 出産と子育て

第 3 章 第 2 のターニングポイント:職場、社会への復帰

第 4 章 第 3 のターニングポイント: 第 2 の人生? 本当の生きがいを見つける

第 5 章 自分で全て解決しようと思わないで!

はじめに

今までキャリアを積んで来て、これからも続けたいけれども、結婚、出産を控えていて、不安な

方。お子さんが小さく、仕事に復帰したいが、心配な方。

留学、海外移住に興味のある方。グローバル企業でキャリアを積みたい貴女。国際結婚を考えて

いる、もしくはマルチリンガル子育てをしたい方。

何かやりたいと思っていても、数年仕事から離れていて、どうしたら良いかわからないあなた。

子育てに一段落して、時間に余裕ができ、家庭の外でも自分の価値を認めてもらい、充実した人

生を送りたい貴女。起業したいけれど、アイデアがまとまらず、ビジネスコーチングに興味のあ

る貴女。ご自分でビジネスをスタートして、売上も伸び、部下もいらっしゃるものの、ビジネス

や人事の勉強をしたことがなく、相談相手、目標達成のコンサルが必要な方。

まだまだ女性のキャリア進出が盛んでない日本では、近くにロールモデル、相談相手がいないか

もしれません。私は、20年以上、海外10都市で仕事をして来ました。キャリアを続けていく

ことで、自分らしさもキープし、家庭とのバランスもとって来たと思います。海外では多くの女

性が自分ならのやり方で家庭と仕事の両立をし、子供がいながらも、企業でのシニアなポジショ

ン、また様々な形で活躍しています。

女性、特に日本の女性は旦那様、お子様を優先にして、自分の人生について考える機会が少ない

ように思えます。しかし、視点、考え方を変えるだけで、同じように家庭を大切にして、家族に

多くの時間を使っていても、それと同時にご自分の人生でも夢実現をすることができるのをご存

知ですか?

海外で培ったそんな私の経験を皆様にシェアさせて頂き、様々なライフステージにある貴女の自

己実現をお助けしたい、そんな思いからペンをとりました。

プロフィール

私は東京に生まれ、家では誰も英語の出来ない普通の家庭で育ちました。子供の頃から海外の文

学を愛読し、特にシャーロックホームズやアルセーヌルパンの推理小説を通じて、ヨーロッパに

興味を持ちました。大学まで一貫の私立中高の後、春休みのニューヨーク語学留学をキッカケに

アメリカの大学入学を決め、最終的にコロンビア大学の女子大、バーナードカレッジを卒業しま

した。アメリカの大学に入った時には授業もろくにわからず苦労しましたが、数年すれば慣れる

もの。マンハッタンでよく遊び、よく勉強した数年間でした。

当時、何をしたかったか分からなかった私はその後にオプションが広がるような、そしてチャレ

ンジングな仕事、ということで経営コンサルティングに決めました。世界有数の経営戦略コンサ

ルティング会社のモニターカンパニーとベイン アンド カンパニーで、本当に学びの多い数年を

過ごした後、ロレアルでマーケティングを経験、その後以前から決めていた国際的なビジネスス

クール、フランスの INSEAD で MBA を卒業しました。

その後は世界最大の酒類会社 DIAGEO のロンドン本社に入社。社内コンサルティングや商品開発

をアメリカ、アジア、ヨーロッパで経験しました。INSEAD で出会った主人を結婚し、ローマ

に。長女の出産後、家族で上海に引っ越しました。

上海では経済成長真っ只中の中国で、主人も私も他の国では考えられないようなチャンスに恵ま

れ、キャリアの面ではこれ以上望めないような 9 年を経験した後、イタリアに戻ることを決心。

ファッションリテール業界で仕事をしつつ、起業。現在主人と 3 人の子供とミラノに暮らしてい

ます。

第1の試練 ローマでの出産と初めての子育て

さて、キャリアとプライベートを両立してきたつもりの私ですが、当然のことながら、今まで苦

労がなかったわけではありません。

最初の辛く苦しい経験は結婚直後。

大好きな人と結婚し、ローマに引越し。ついでに元気な長女まで出産という夢のような中、私は

毎日泣きたい気分でした。知らない街で、自分の家族も仕事も友人もいず、産まれたばかりの子

供の相手以外にはすることのない毎日。この時、自分は忙しくしていて、さらに刺激のある人た

ちと会っていないとダメなのだということを本当に実感しました。小さな子との毎日で友人はで

きない。お稽古をしようと思っても「ケイコとマナブ」がないだけあって、楽しいコースもな

く、仕事を探しにヘッドハンターに行っても、戦略、マーケティングの仕事はローマにないと言

われ、人生真っ暗。私、ここで何をしたら良いの?そんな中 18 ヶ月で 3 回も泥棒にあり、災難

続き。

そこで私は「ローマ脱出作戦」を考え、最終的に上海という地に行くことになりました。今思え

ば、この人生どん底の経験がなかったら、家族みんなにとって良い結果となった中国引越しはあ

り得なかったわけですから、不思議なものです。

さて、国際結婚を考えていらっしゃる貴女に一言。

私たちは日本でもイタリアでもない第3カ国で出会いました。結局その後も中国、ミラノという

自分達の故郷でない場所で暮らしているのですが、私たちの場合は、その方が関係が対等にな

り、バランスが取れていた気がします。ローマの時は、彼の家族、友人という既に出来上がった

世界に私がポツンといたのが、上海に行ってからは一緒に何かを作り出す、一緒に新しい人に出

会う、というムードに変わりました。子供も、ローマにいる時には、「私だけ日本語で話してい

たら周りに失礼かしら」なんて思ったものの、上海では様々な国の人がいて、そんなことは御構

い無し。娘は4ヶ国語を操るようになりました。

国際結婚をされるカップルにとって住む場所は重大な要因。彼のお仕事だけでなく、ご自身が仕

事が出来るか、お子様の学校や言語、そしてもちろん国に残っている親御さんの事も考えて決め

てください。

見知らぬ土地での子育て、仕事。国が変われば当然関わってくる人もその度に変わるので、また

ゼロから人に会って、信頼を築いて、という作業を仕事でもプライベートでもしていく必要があ

ります。新しい会社と業務。外国人の上司と同僚だけでなく、新しい会社のカルチャー。そし

て、母ともなると、子供それぞれが新しい学校でお友達を作り、先生にアピールし、ママ友とも

仲良くなる必要があるので、莫大なエネルギーと時間を費やします。ただ、その中で素晴らしい

出会いや貴重な経験ができることは間違いなし。海外での生活は留学を含め、皆様にお勧めしま

す。

第 2 の試練

ローマでの「どん底」から無事に這い上がり、上海 DIAGEO で時短の契約も決まり、上海生活を

楽しんでいる頃、第2の試練が私に与えられました。

2 人目の子が障害を持って産まれてきたのです。定期的にチェックにはいっていたものの、最後

まで発見されず、来週から産休で産まれるまでのんびりしよう、と思っていたその時、ショック

なニュースが。

いつもの検診に行ったところ、「お腹の中の子が育っていないようだから、明日にでも緊急帝王

切開しなくてはなりません」。

産まれてきた子は先天性の障害があり、その病院でも原因や症状は確定できないとのこと。産後

に不安材料が重なり、本当にストレスが多い時期でした。数ヶ月 ICU に入っていた彼女に毎日会

いに病院へ。口蓋裂があったためにミルクを飲ませるのも大変。たまたま帰国中に日本の病院の

図書室にあった本を読み、障害児のためのドーマン法に出会い、それを取り入れることにして、

朝から晩まで決められたプログラムの実践。ドーマン法は食事、運動、知能のプログラムを一人

一人に合わせて作り、それを毎日実践するのですが、これが本当に大変。ただ、娘がハイハイし

て、歩けるように、そして少しでも知能の発達を、と思い毎日頑張りました。

そんな中、長男の出産もあり、3年あまり職場から離れた日々が続きました。私にはおそらく、

この3年が人生の中で一番辛く、大変だったと思います。数年家にいて、子供の食事、オムツ、

そして娘のドーマンプログラムの心配しかしない日々が続くと、「私、また社会に戻れるのかし

ら」という不安が出てきます。これが男性ならある時思いきってヘッドハンターに職探しに行

く、というオプションもあるのでしょうが、小さな子がいて、短時間しか仕事は出来ない、しか

しレベルは落とさずに仕事をしたい女性、となると復帰は不可能に思えてきます。産まれたばか

りの子供がいる時には、当然全てのフォーカスは子供に注がれていますので、世の中の動きに敏

感なわけでもない。段々と自分の自信を失い、「ビジネススクールまで行ったのはなんだったの

だろう。私は一生家にいて、旦那と子供のお世話しかしないのか」と人生が真っ暗に感じまし

た。

そんな時、私に女性の相談相手がいたなら! 出産、子育て、復帰をした女性が全くいなかった

わけではありませんが、ただでさえ忙しいワーキングマザーの彼女たちに久しぶりに連絡し、相

談にのってもらうのも気が引けました。

それから 20 年余り。今は私に色々な経験があります。そして私が持っていたような不安、悩み

を抱えている女性も以前に増して、多くいらっしゃるかと思います。

そんな貴方を勇気づけ、ご自分たちにチャレンジをして頂き、新たな自分を発見していただくた

めに、私はこれを書いています。今の世の中、企業に勤めるだけが仕事ではありません。時代に

あった新しいやり方で自己実現を可能にすることもできます。

毎日がワクワクする楽しい人生を一緒に築いて行きましょう。そんな貴女からご家族の皆様も今

までにない素晴らしい刺激を受けることになると思います。

第 1 章 どうしてタイムラインを理解することが大切なのか

キャリア女性の人生はシンプルな延長線上にはありません

男性、特に一昔前までの日本の男性の人生は一本のレールの上にある、というのが美しいとされ

ていました。有名高から大学、企業に入り、終身雇用で定年まで。男性でもこんな人生は変わり

つつありますが、女性はそういかないのが普通かと思います。結婚して、自分のことだけでな

く、家や旦那さんの事に時間を使い、自分のやりたいことを「一時保留」にする方も多いでしょ

う。

出産後は子育てを中心に、そして同時に新しくパパとなりどうしたら良いかわからない旦那様の

メンタルをケアしつつ、義理の親との関係も保つ必要があります。これだけでも十分大変なの

に、キャリア女性は、自分の仕事についても考えていかなくてはなりません。

ここでは、女性ならではの人生のタイムラインと、それを考えつつ、どう転機にするか、につい

てお知らせいたします。恥ずかしながら、私がシングルの時にはこんなタイムラインがある事は

全く考えていませんでした。覚えているのは、MBA 終了間際にきた BCG の女性コンサルタン

ト。将来結婚、出産があると、キャリアカーブがゆるくなることもあるのよ。などと話をしてい

ましたが、「これからもバリバリ仕事を続ける」と決めていた私は聞く耳も傾けませんでした。

何も考えず、人生に任せて結婚、出産をした私は全く心の準備ができていないままキャリアとプ

ライベート両立のためのチャレンジを強いられ、相談相手もいなかった当時、自力で毎回這い上

がってきた、というわけです。

ビジネス社会は男性社会

さらにややこしい事に、家庭から出て働きにいくと、男性社会であるビジネス社会では、上のよ

うな状況を理解してくれる人が非常に少ないということです。子供がいても専業主婦の奥様がい

る男性の上司や同僚にはキャリア女性の両立の悩みはなかなかわからないもの。たとえ頭で分か

っていても、ハートで理解していることはごくわずかです。

仕事をしていると男性社会の無言のルールには慣れている私たちも、この時ばかりはフラストレ

ーションが。やる気満々で、仕事は人一倍したいのに、子供を送った後でないと出社できず、そ

のために重要なミーテイングに参加出来なかったり、そこで話された結果、やりたかったプロジ

ェクトの役が回ってこなかったりと悔しい経験も数多くあります。それを気づいてフォローして

くださる男性上司も「ごくごく稀に」いますが、共稼ぎの多い海外でもほとんどいないのが現状

です。

旦那様への相談は適度に

この時期のキャリア女性は、仕事、家庭、子育てとやることが山ほどあり、旦那様に理解してほ

しい、協力してほしいと思うのですが、旦那様も彼なりに色々あって、人の相談にのる余裕がな

いことも知っておいてください。彼からみれば、仕事が順調になり、責任も増えた頃。プラス子

供が産まれ、パパという新しい責任に時間も使わなくてはならない。病院に行ったり、幼稚園の

下見に行ったり、今までは自分以外に時間を使ったことのない彼らにとって、これだけでもかな

りの負担となっている可能性があります。ましてや結婚してまだ数年の場合は、彼にも結婚生活

と自分の親のマネージメントという新しいタスクもあり、奥様のキャリアの相談にのっている場

合ではないのが現状のようです。

もちろん、非常に成熟した方で、丁寧に奥様の相談にのってくれ、メンタルのケアをしてくれる

方もいるでしょう。ただ、私の経験、周りをみていると、これは世界各国共通、そんな旦那さん

は本当に稀だと思います。

これは、彼らが意地悪だとか、思いやりがない、と言っているのではありません。私の考えで

は、単に余裕がないのです!

第2章 第 1 のターニングポイント: 出産と子育て

出産

出産というのは、この世界に新たに一人の人間を送り出しているという素晴らしく意義のある、

そして大変なタスクです。当然、女性にとって、人生で、肉体的にも精神的にも一番大きな変化

であると考えて良いかと思います。

出産後の子育てというのは今だにミステリーに包まれている気が。SNS がこれほど盛んでなかっ

た私の時はもちろん、今でも本当に知りたい(知っておくべき)情報がクリアにシェアされてい

ません。例えば、出産直後の旦那の態度! どうやらこのプロセスは彼にもストレスがあったら

しく、隣でぐうぐう寝ていました。こっちはお腹もペコペコで(イタリアの田舎で出産だったた

めに、コンビニもなく、どんなに東京の便利さを感じたことか!)、大変だったのに! それか

ら母乳の大変さ。これは出産よりも長時間苦労するため、大変でしたが、誰も教えてくれず、心

の準備が全く出来ていませんでした。

産み方一つにとっても色々。無痛分娩から帝王切開、私が長女の出産で体験した水中出産など。

それぞれに本などに書いてあり、解説もあるものも、本当にどれが自分に合っているかを選ぶの

は難しく、特に海外で、自分にあった、信頼のおける先生を探すのは簡単ではありません。

また、長女が産まれた時に、赤ちゃんをろくに抱いたこともなかった私は、本当に戸惑いまし

た。出産前に「赤ちゃんのだき方」講座でも誰かがやってくれればよかったのに、と思ったのは

私だけでしょうか?

コントロールが効かない!

そして、何よりも知らずに困ったのは、子供というのは自分のコントロールがきかない、という

事。当然ですが、いつ泣くか、いつ病気になるか分からないので、こちらが予定していた様にな

りません。シングルのキャリア女性は、仕事もプライベートも自分で計画し、時間を操りながら

ある程度のマルチタスクをこなしてきていると思いますが、それが出来なくなり、自分が全く役

立たずに感じました。最初の数ヶ月は、この「未知な小さな人」に時間のコントロールされ、自

分のペースを完全にかき乱されている。私の場合は、家族も友人からも離れた、初めての土地で

最初の出産を経験したために、余計にそう思ったのかもしれませんが。

子供の性格は、自分と違って当然?!

自分では、親の性格が私と似ているとは思っていなかったものの、子供が自分と全く違ったとき

には、本当にびっくりしました。

子供を3人持って思ったこと。

生まれつきの性格って、あるのですね。

同じ親から生まれ、同じ環境で育ってもこんなに違う人間になるなんて!

どこの出産の本にも、育児書にも、「どこから出てきたのかと思うくらい、自分と異なる性格の

子供が生まれても、普通です。びっくりしないでください。」なんて書いてないじゃないです

か!

子育ての方法もまた、特に長女の時には色々読み、また実践もしましたが、今テイーンエイジャ

ーの娘をみると、その時にしたことがどこまで役に立ったのか、大きな疑問が。というか自分の

描いていた当時の「娘のあるべき姿」のビジョンと今彼女の性格は、全く違ったといっても過言

ではありません。育児本に従って、色々なメソッドを試しましたが、それぞれのメソッドの効果

は子供の性格にも大きく影響される気が。

だからと言って、もちろん、その時にある情報、そして子供のためにベストを尽くすのが親です

が!そして、そのギャップから学ぶのが親でもあります

子供が「こうであるべき」から解放されよう

うちの子に「平均」より早く笑ってほしい。早くオムツとって。早く。。。

今まで全てにおいて平均より早く、上手にこなしていたワーキングママにとって、今までのビジ

ネス環境の慣れで子育てをアプローチするとストレスになることが。

お友達の子供はもう首が座ったのに。もう寝返りをうったのに。もう話し始めたのに。

何事も「完璧に」やろうとしていましたが、今考えれば、あの頃、もっとリラックスして、毎日

を楽しんだらよかったな、と思います。そんなに自分を犠牲にすることはありませんよ!

仕事は自分で思い通りになりますが、ベビーちゃんはそうはいきません。

「どうしてあっちの子はもう(何か)しているのに、うちの子は?」

わたしは3人目の子になる頃は、泣いていても放っておいたし、いつオムツが取れたかもあまり

覚えておりません。これを「無責任」と思う気持ちも分かります。ただ、2、3人目になると気

にならなくなるものです。

そこで私の提案は「(何か)するべき」から自分を解放させるという事。

子供に決まった時間に寝かせて、食事させて、ルーチンになれさせるべき。

生まれたばかりの子供がいるから、全てを犠牲にしてその子の為に生きるべき

長女はぴったりとルーチンを作って、その為に外にもいかないで、うちで同じ時間に食べさせ、

寝させて、としましたが、14才の今となっては、早寝早起きで習慣化の生活とは程遠い、自由

気ままな生活が好きなよう。彼女の性格ですね。逆に預けてばっかりで、ろくに面倒を見なかっ

た息子は私に似て、どちらかというと「規則正しい」タイプ。長女の小さいときに、私ももっと

リラックスして「遊んで」おけば、と思ってしまいます。

もちろんママと子供の時間は大切ですが、たまに子供を預けて外にいっても大丈夫。毎日子育て

の本ばかり読んでいたけど、仕事から離れるせっかくのチャンスに、自分の好きなことを読ん

で、触れて、自分の成長につなげるのも良いのではないでしょうか。

第 3 章 第 2 のターニングポイント:職場、社会への復帰

出産後の仕事への復帰というのは、キャリア女性にとって、大きなステップであると同時に転機

にもなると思います。同じ会社で、作業内容も、同僚を知っていて復帰するのはおそらく普通で

あると思いますが、そうでない場合もあるかもしれません。

貴女の成功は自分自身の努力もありますが、周りのチーム、そして上司の理解度も大きいと思い

ます。

ワーキングマザーのスペシャルスキル

会社に復帰する貴女にお伝えしたいことは、自信を持って欲しいということ。

自分で子育てをして、そして世界のワーキングマザーを見て思ったことは、子育てを経験した女

性は強くなり、リーダーシップを始めとした仕事に役立つスキルがたくさんある、という事。

子供のいる女性は、長いこと仕事場にいれないし、使えない。こんなことを言うのは誰でしょ

う?

私の知っている働くママは、責任感があり、なにしろ仕事が早い。そして人を育てるのも得意。

私もそうですが、母となる前とあとでは、女性には目に見えない大きな変化があります。

いつ泣きわめくか分からず、いつ何が起きるか分からない、ついでに頼りになる夫がほとんど不

在、という「サバイバル」を数年経験した女性にはこんなスキルが自然とついているのです

• コントロールの及ばない、子供に時間を支配されても、それを乗り越えて、何かを成し遂

げたという自信

• 何よりも忍耐強くなり、チームメンバーが若干ゆっくりペースでも、自分の思う通りに動

かなくても、「まあこんなものか」と構えられる

• 忙しいので、部下に仕事を任せて責任を与える

• また、子育てから性格を変えることは難しいことを肌で感じているので、相手の長所を活

かすのが上手くなる

• そして同時にいくつものことを並行させ、それでも結果を出すマルチタスキングスキル

どれもビジネス上のリーダーには欠かせないものです。

たまに男性のマネージャーが部下に苦手なことを無理やりさせようとするのを目にしますが、私

のマネージメントスタイルはあくまでも強みを活かす。その上で、苦手なことも、平均くらいま

で持っていけたら、と考えます。そして部下に責任を与え、とりあえず「やらせる」。これを大

船に乗った気分で見守っていると、チームは必ずのびます。

日本の人事の方、そしてマネージャーさん、そろそろワーキングマザーの良さを知って活用する

べきでは?早くしないと競合に良い人材がとられてしまいますよ。

ゆるーい復帰

私は長女が生まれた時にはローマにいました。幸い、その前のアジアで仕事を一緒にした上司が

「家からリモートで出来る」プロジェクトをくれ、アジアのチームと一緒に時短で復帰をしまし

た。当時の私には都合の良い勤務スタイルでしたが、リモートで人に会わないこと、刺激があま

りないことが正直、つまらなかったです。ただ、イタリア語もろくに話せない日本人に、それも

産まれたばかりの子供がいて、ただでさえ職のないローマで仕事が見つかるとは到底思えなかっ

たので、この仕事をくれた当時の上司には今でも感謝しています。彼は「うちの奥さんは専業主

婦になっちゃったけど、才能のある女性が、出産という数ヶ月、数年のブランクのために一生仕

事が出来なくなると言うのは本当にもったいないと思うから君には仕事が続けてもらいたい」

と、このプロジェクトをくれました。彼の女性のキャリアに対する理解度とそれに基づいた行動

には、今でも頭が下がります。

妥協しないで。わがままも。貴女には想像以上の価値が!

海外では産休後に同じレベルの仕事に復帰するのは当然のこと。当然、年収も下げる必要はあり

ません。今だに日本の男女に賃金格差は 25-30%、韓国と並んで最大です。逆にニュージーラン

ド、デンマーク、スウェーデンは 10%程度です。

働きかたについても海外では毎日の時短、週に数回、また、1 つの職を、2人でカバーするワー

クシェアなどもあるようです。

大企業の場合は、会社の制度で決まるところが大きいかと思いますが、中小企業で決定権がある

上司と仕事をしている場合は、ある程度のわがままを言ってみるのはいかがでしょうか?貴女に

は男性社員にない、スキル、強みがあるのです。ワーキングマザーということをハンデでなく、

強みとして考えてください。

ここ数年契約を結んでいるイタリアの仕事は、「私、7月は日本に子供を連れていって学校に入

れ、8月はおばあちゃん達とシチリアにいくので、夏は出社出来ません。ただ、するべきことは

リモートでします。ついでに12月も2週間出社しません」と言うもの。イタリアの学校は3ヶ

月も夏休みがあるので、その間に働く、ということは避けたかったからです。

私の場合は、この会社に中国の時からおり、シニアマネジメントチームをよく知っていたから、

こんなワガママが言えた、と言うことがあります。会社にとって新しく、どんな結果が出てくる

かわからない人にはこんなワガママは言わせられないかもしれません。同じ会社に長期で仕事を

するのは、ワーキングマザーにとって強みになるかもしれませんね。

結果は出す事。メールのチェックやレスポンスの早さも大切

この間に私が気にかけていたことは、時短のわがまま労働でも結果は出す、ということ。そし

て、「彼女は子供が3人もいてパートタイムだから、レスポンスも遅いし、責任も与えられない

ようね」でなく、「彼女は子育てもして、時短だし、会社にいないことも多いけど、レス早い

し、めちゃくちゃ結果を出すよね」と言わせることです。

人は、質問をすれば答えて欲しい。情報を流せば、反応して欲しい生き物ですので、メールやメ

ッセージに返事をすることは大切。即レスを常にやっていれば、それだけで、常に繋がってお

り、彼女は「いつもいない時短の人」にはならないわけです。当然、これはメール環境や会社の

方針もあると思いますが、グローバル企業で時差のために、夜中にも早朝でも電話会議をしてい

る企業にいた私は、たとえシチリアの海に子供といても、返事はしていました。

おそらくパートタイムでも通常の社員と同じくらい(かそれ以上に)アウトプットは出していた

ので、上司や同僚にはよく「のりこがパートタイムだって忘れていた」と言われました。「それ

ならフルタイムの契約すれば良いのに」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、私は会社に毎

日いかないこと。そして、自分で好きなようにスケジュールを管理すること、そして、夏休みは

子供と一緒に日本やシチリアに行くこと、にこだわっていたので、たとえ契約した時間より最終

的に長時間働き、それよりの結果を出していても、誰にもワガママだと言われない、パートタイ

ムを好んでいた、と言うわけです。

会社にいるだけが結果を出すわけではありません。勿論、会社で人と会って話すことは大切です

が。私も出社の時には、会議で時間を使って、作業や文書作りはほとんど家からしています。何

をどこでするかはご自分次第ですが、結果を出すことによって、「会社に必要な人」になります

ので、これ、心がけましょう。

起業にも良いチャンス!?

子供と一緒に時間を過ごしたいと思うのは当然。そして、それはお子さま達にとって本当に大切

なことです。でもキャリアも持ちたい。それなら家から仕事をすれば?

一昔前とは違って、今は「個」の時代。SNS やテクノロジーを使って、誰でも起業が出来る時代

です。働くママにとって、起業は大きなチャンス。なんたって、プライベートもキャリアも充実

できて、良いところばかりですもの。

自分の持っているスキル、他人から重宝される知恵などを過去に遡って見直して見ましょう。自

分では当然と思っていることが実はビジネスチャンスになったりも?!

ただ、家にいる時間が多い分、気がついたら起業しようと思ったけど数年たっちゃった、なんて

ことにならないように、キチンとゴールを決めて、毎日こなしましょう。働くママを応援するビ

ジネス塾や起業塾、コーチングをうまく利用するのも良いかもしれませんね。

第 4 章 第 3 のターニングポイント:第 2 の人生? 本当の生きがいを見つける

今や人生 100 年時代と言われ、仕事をするのは 80 歳までとか。それは女性も男性も変わらない

はずです。

数年前には、定年で会社を定年した男性が毎日どうしたら良いか分からず、サラリーマンが退職

した後の様子が本や映画になりましたが、キャリアを構築しながら家庭も子育てもしてきたキャ

リア女性にとっては、定年の年になっても、エネルギーがまだ溢れているかもしれません。

また最近私の周りの友人でもお子様が大きくなり、「さて、これから何をしよう」と考えていら

っしゃる人が多くいます。今や人生 100 年時代、彼女たちが楽しく夢中になれる事を見つけ、ワ

クワクする人生を送るには、今からスタートしても全く遅くありません。

色々な人生経験をして、自分の得意、不得意、好きなこともわかっている時。旦那様との関係も

落ち着いて、生活も色々な意味で安定し、これほど新しいチャレンジに向かうのに適しているタ

イミングはないかと思います。

20 年以上前、母と一緒に(当時)昔の写真を見ていたことがありました。その時母は 60 歳くら

いかと思いますが、家業を任され、天職を見つけ、生き生きと活躍している時でした。写真に映

っていた母は 40 代。それを見て「私、ここにいるのおばあさんみたい。なんだかぼーっとしち

ゃって。この頃何もしてなくてつまらなかったのよね」。40 代の母は 2 人の中学受験が終わ

り、家にいた頃。なんらかの小さな仕事はしていましたが、生き甲斐があったかというと、疑問

があったと思います。

今は個の時代。昔のように企業やお店など「与えられた職」に就くだけが仕事ではありません。

自分の得意なこと、好きなことを活かして、お小遣、どころか大成功をされている方も沢山いま

す。またいわゆる「仕事」でない形でプロジェクトやグループに関わるのもお勧めです。来年の

オリンピック、様々なオンラインサロン、人と関わって、自分の強みをアピールし、人に感謝さ

れると人生もより楽しくなりますよね。

私はまだここに差し掛かったばかり。自分の人生も模索中ですが、毎日がワクワクにあふれてい

ます。

もちろん、悩みがないわけではありませんが、それを解決するのも人生のゲームの一部、として

捉えています。

子育てが離れた今、自分に「お疲れ様」というと同時に、余裕を持ちつつも、次へのチャレンジ

を描いてそこに向かうのをお勧めします。

ここで人生設計をするかしないかで残りの半生の生き方が変わると言っても過言ではないでしょ

う。

第 5 章 自分で全て解決しようと思わない

家庭の問題も、ママ友に少しは相談しても、比較的自分たちで解決されてきた女性は多いかと思

います。先ほど申し上げたように、旦那様にも適度にしか相談できず、家族にも、という方も多

いかと思います。

思い切って誰かに相談するのも。

私も女性のためのエグゼクティブコーチとしてお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相

談ください。現在、個別相談の受付をしていますので、一度お話ししましょう。

妊娠中、もしくは産休中で仕事の復帰に不安のある方。自分のペースでお仕事を続けることはご

家族にも、お子様にも長期的に良い結果をもたらすことでしょう。

起業された社長業の方々。自分の商品、サービスではエクスパートでも、戦略の立て方や、営

業、マーケティングではエクスパートでないかもしれません。経営コンサルティング、マルチナ

ショナル企業、また小さなファミリービジネスなどでの経験からお手伝いいたします。

また起業に興味があって、いろいろなアイデアがあっても考えがまとまらない方、もしくはビジ

ョンがしっかりしていてもそこまでのプランが固まらない方。

私のビジネス経験、プロジェクトマネジメントの実績から中長期的な目標設定の仕方、決めたタ

イミングで実際にプランをやり遂げる方法を参考に、そこまでの道筋をステップごとに組み立

て、一緒に実現しましょう。

留学や海外生活にご興味がある、もしくは予定されている方。語学はもちろんですが、ほかに準

備できること、またマインドセットなどでもシェアできることがたくさんあります。

国際結婚を考えていらっしゃる方。子育てをマルチリンガルでされたい方。私や周りの友人の経

験からアドバイスが出来ると思います。

そして女性として男性のビジネス社会でのキャリアアップにチャレンジを感じている方。私は女

性 x(白人の多い海外企業で)アジア人 x 母国語でない言葉でビジネスをする、という「マイノ

リティーの掛け算」で長い経験がございます。私たちにどちらかといえば「不利な」土俵でも楽

しむコツを掴みましょう

障害児を含む個性のある子達の子育てをしながらキャリアを積むことは可能で、人生に素晴らし

い楽しみを与えてくれます。

自分で解決しようとせずに、エクスパートに分からないところは聞く。一人で悩まずに一緒に考

えてくれる人を見つける。そんなやり方でワクワクに溢れる人生を歩みましょう。

無料 個別相談 のお申し込み、お待ちしています。

この個別相談申し込みフォームに、ご連絡、ご相談をください。

↓ ↓ ↓

https://norikomakino.com/lp/session/

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様々な経験をし、現役でキャリアを積んでいるコーチだからこそ

お客様に寄り添える。

ヴィランティ牧野祝子が貴女を飛躍させるパートナーになります

===========================================

スーパーキャリアとプライベートを両立し、夢を実現するコミュニティ、ライフデザインラボ、主宰。

ニューヨーク コロンビア大学 バーナードカレッジ、INSEAD ビジネススクール MBA 卒業。

3大陸、10カ国で アメリカ、イギリス、フランス、中国の企業で、

経営コンサルティング、戦略、マーケティング、ホスピタリティーの分野で活躍。

中国でスタートアップに携わったファッション小売プロジェクトでは、

ジェネラルマネージャーとして100人のスタッフを率いる。

プロフェッショナルで結果重視でありつつも、人間味のあるスタイルに定評があり、様々な企業で多くの

女性の部下から “Best Boss, ever” と慕われてきた。

現在住んでいるミラノに拠点を移してから、天職であるエグゼクティブコーチングの分野で起業を決心。

海外生活、国際結婚、転職、子育て(障害児を含む)など、人生は常にスムーズにはいかないもの。どん

底から「独自で這い上がった」経験から、女性のメンター、コーチに会っていたら自分の人生は更にワク

ワクして充実したものになったのでは、と 昔の自分を助けるべく、起業を決断。

2020 年までの女性の管理職のターゲットは 30%。現実はまだ 7.5% 。日本のキャリア女性の進出はまだ

まだ遅い。海外で多くのプロフェッショナル女性と会い、仕事をした経験から日本の女性を応援し、女性

の社会への貢献度アップを目指す。

イタリア人の夫と子供3人と暮らし、ヨーロッパと東京を行き来する

ライフスタイルを楽しんでいる。

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