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1 公共選択学会 16 回学生の集い 5 東海大学 政治経済学部経済学科 平賀ゼミナール A パート 堀 貴達 柳生 侑希典 10 15

公共選択学会 - 中央大学c-faculty.chuo-u.ac.jp/~iijima/PC2013/papers/322.pdf30 る学説で、米国の経済学者、ミルトン・フリードマンらが提唱した。この説に従えば、デ

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公共選択学会 第 16回学生の集い

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東海大学 政治経済学部経済学科

平賀ゼミナール Aパート

堀 貴達 柳生 侑希典

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「日本経済再生のために、いかなる経済政策を実行すべきか?

日本経済再生のために、いかにマクロ経済政策を運営すべきか?」

政策提言

実証分析

テーマ解釈

どのようなマクロ経済政策が日本経済再生につながるのか?

⇒中長期という長い期間で見たときに、経済成長に寄与するような財政

政策が望ましい

日本経済を再生するため長期的に経済成長を促すような

財政政策を行う時、特定の地域の現状に見合った公共投

資を行うことが望ましい。

生産と社会資本間の関係をコブ=ダグラス型生産関数を回帰分

析し社会資本の生産性を求める。

現状分析

日本の公的資本形成は OECD諸国と比べると比較的高い水準にある。

⇒国債返還、社会保障等多くの財源を必要とする現代の日本において効

率的な財政政策を行う必要がある。

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目次 第一章 現状分析

1節 初めに P.4

2節 アベノミクスと我々の考え P.4 5

3節 3本の矢の概要 P.5

第二章 テーマ解釈

1節 今必要な公共投資とは P.8

2節 「機動的な財政政策」に焦点を当てた理由 P.8 10

3節 テーマ解釈 P.11

4節 公共投資をすることでどのように効果があるか P.11

5節 公共投資をどうするべきか P.11

6節 モデル説明 P.11

15

第三章 実証分析 P.12

第 1部 公共投資の効率性 P.12

第 2部 各県の公共投資の有効性測定 p.13

第 3部 政策提言 P.17

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終章 総括と今後の課題 P.20

参考文献 p.21

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第一章 5

≪1節 初めに≫

今の生産基盤となる社会インフラの整備を取り巻く日本の現状として、人口構造の変化

や技術の変化、既存施設の老朽化への対応と日本が直面している厳しい財政状況等や巨大

災害に備えることが日本のインフラの課題となっている。人口減少による、社会インフラ

の利用頻度の低下など、低迷の続く日本経済を復活させるとして第二次安倍内閣が宣言し、10

その時発表した成長戦略として表明した”3本の矢”を柱とする経済政策の中の第 2 の矢の

「機動的な財政政策」について分析していきたい。

≪2節 アベノミクスと我々の考え≫

まず、機動的な財政政策の話をする前に、アベノミクスの説明をしていきたい。アベノ15

ミクスとは、2012年 12月 26日より始まった第 2次安倍内閣において、安倍首相が表明し

た”3本の矢”を柱とする経済政策のこと。政策の最大目標を経済回復と位置づけ、デフレ脱

却を達成するために日銀法の改正まで視野に入れたことで国内だけでなく世界からも注目

を集めている。デフレになる理由と悪影響を説明していこう。まず、デフレとは物価が下

がり続けることである。ここで、何が問題か?一般に物価が下がれば物が買いやすくなり、20

定額収入のある年金生活者にとってはプラスの見方もある。しかし、経済全体を見ると物

価が下がるだけでなく、賃金、企業の売り上げや国の税収も減り、経済全体が縮んでしま

う。そして、将来を不安に感じた企業などが、設備投資を抑え、個人は消費を減らして貯

蓄を増やす。これにより、企業の売り上げはますます減り賃金も下がる悪循環に陥る。こ

れを、「デフレスパイラル」と呼ぶ。 25

デフレの処方箋ついては諸説がある。これは、起こるメカニズムに対する認識の違いか

ら生じている。一つ目の見方は経済がデフレになるか、または、物価が上がるインフレに

なるかは、通貨とモノの需要関係によって決まるという説。これは、通貨の供給量の伸び

が、国全体の生産量の伸びを下回るとデフレになる。経済学では、「貨幣数量説」と呼ばれ

る学説で、米国の経済学者、ミルトン・フリードマンらが提唱した。この説に従えば、デ30

フレが経済の低迷の「原因」であり、通貨の供給量を増やせば解消する。アベノミクスの

「大胆な金融政策」の理論上の原点だと言える。ただ、供給量と物価上昇率の間には直接

的な因果関係がないとする実証研究は数多く報告されており、貨幣数量説だけをよりどこ

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ろにする経済学者はあまりいない。しかし、デフレは経済低迷の「原因」であり、通貨の

供給量を増やせば解消できるとする説に反対する意見もあることを紹介しておこう。これ

は、経済のグローバル化による企業間競争の激化、少子高齢化などの環境変化に伴う経済

低迷の「結果」だと見るものである。金融緩和を続けるだけでは脱却できず、企業の活力

を引き出す、構造改革などの方が重要だと考える。 5

≪3節 3 本の矢の概要≫

3 本の矢とは、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」の

ことである。まず 3本の矢の説明をしていこうと思う。

一点目は、「大胆な金融政策」として融緩和を意味している。金融緩和とは世の中に流10

通する貨幣量を増やす政策である。ここで、「大胆な金融政策(金融緩和)」とは、どんな

政策なのか説明していく。

金融緩和とは、前文で述べたように、金融緩和とは世の中に流通する貨幣の量を増やす

政策である。

これにより、企業の設備投資などが促され、経済活動が活発になることが期待できる。借15

りやすくする方法の一つが、中央銀行による政策金利の引き下げである。これは、英国の

経済学者、ケインズの「ケインズ経済学」でも唱えられた伝統的な政策だ。ところが、日

本では、1999 年に政府金利をほぼゼロにするという「ゼロ金利政策」が始まり、2 度の解

除後、現在も続いている。金利の下げる余裕がない中でさらに緩和を進める手段として考

えられたのが、「量的緩和」というものである。 20

「量的緩和」とは、金融機関が日銀から自由に貨幣を引き出せる当座預金の残高を一定

額以上増やし、融資などを促す政策である。2001 年から 5 年間、量的緩和を行い 10 年に

は国債や社債など幅広く買う基金を設けるといった方法で金融緩和を加速させる「包括緩

和」に踏み切った。

二点目の、機動的な財政政策」とは、災害に強いインフラ整備など「国土強靭化」を旗25

印に公共事業を増やす政策である。「機動的な財政政策」を細かく説明していきたい。

まず、政府の公共図行予算は当初ベースで、1990 年代後半に約 10 兆円だったが、民主党

政権は 4兆円台まで減らした。安倍政権は 2012年度の補正予算と 13年度予算案で合計 10

兆円規模とする予定だ。

日銀が、金融機関を通じて大量のお金を供給しても、企業や個人がそのお金を使わなけ30

れば、効果がない。そこで、まず政府が公共事業という「実需」を自ら生み出し、景気回

復の呼び水にしようとの狙いがある。失業や不況は需要の不足が原因だとして、政府の財

政支出で需要を作り出すべきだと主張する「ケインズ経済学」に基づく政策だと言える。

公共事業を実施すれば、建設工事を請け負う業者などにお金が出ていくので国内総生産

(GDP)を押し上げることができる。減税や民主党政権が手掛けた「子ども手当」なども35

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消費を増やす効果がありますが、一部は貯蓄に回る可能性がある。それに比べ、確実に効

果を見込める政策と言える。昔は、公共事業で地方に道路ができれば製造業の工場進出が

活発になり、雇用や生産が増えるといった波及効果が見られた。しかし、最近こういった

効果は小さくなっている。

景気対策の一環として実施する事業には無駄が多いと指摘されている。これは、緊急対5

策として予算を組むため通常なら認められない事業を各省庁がもっともらしい理由をつけ、

すべりこませやすいからである。政府支出の効果は一時的なものであるのに加え、財政難

のもとでは続けられない政策であり 14年度以降の景気の落ち込みを懸念する声もある。

公共事業の質も問われる。国土強靭化の基本方針に東日本大震災からの復興の推進、大

規模な災害への対応が含まれているが、使い道の少ない公共インフラを生まないか考察す10

ることが必要である。

次に財政確保という課題がある。これは、景気のテコ入れに公共事業を活用すると、財

源が必要となる。国の予算の大部分が税収で賄うのが原則であるが、景気対策は税収が伸

びない不況時に実施するので国債発行による借金で資金を調達する。

アベノミクスによる緊急経済対策は 2012 年度の補正予算の内約 10 兆円で、その財源は15

5割強が公共事業に用いられる建設国債(国が公共事業費や出資金・貸付金の財源に充てる

ために発行する国債)の追加発行である。

借金は将来、利息を付けて返さなければならない。国の場合は、返済原資は税金である。

そこで、景気が良くなってから新たな税金を導入し、あらかじめ企業や個人の所得が増え

れば税率も上がる仕組みを取り入れることで税収を増やすという方法も考えられる。 20

国の不況時に借金をして公共事業を実施し、景気が良くなってから税収を増やし借金を返

すことで景気の変動幅を小さくできる。この機能を経済学では「ビルトインスタビライザ

ー(自動安定化装置)」と呼んでいる。

不況時に景気対策を繰り返してきた日本は、こういった機能がうまく働いていなかった。

対策を打ち出してもそれほど景気は良くならず、国民は増税に対して反発が起こる。政治25

家も国民の反感を買い選挙で落選することはなくしたいので増税に消極的になってしまう。

結果、国の借金が膨らみ、国内総生産(GDP)の 2 倍にも膨らんでしまった。国が財政支

出を増やしても、景気が良くなれば借金返済のため増税することを国民が知っていると、

たとえ景気対策で所得が伸びても将来の負担増に備え貯蓄に回すという仮説もある。でき

る限り、財政の効果的な使い道を考えるとともに、財政を健全化するプロセスを示すこと30

が大切である。

三点目、「成長戦略」について説明していこう。まず、日本はこの 20 年間他の先進国と

比べ経済があまり発展していない。そして、雇用の悪化など様々な問題が引き起こった。

この成長戦略のポイントは 3つある。

まず初めに、経済成長とは、国内で生み出される付加価値の総量である国内総生産(GDP)35

が伸びることを指す。

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一点目は、工場や機械などの「資本」が増えること。

二点目は、それらを使う「労働力」が増えることで、働く人が多くなることや、1人の働く

時間が長くなればさらに多くのモノやサービスを生み出すことができる。

三点目は、1人の労働者が一定の時間に生み出せるモノやサービスが増えることだ。これを

「生産性が伸びる」という。労働者の能力が磨かれる場合も生産性は向上するが、革新的5

な技術や生産方法が発明され、生産効率が上がった時大きく伸びると考えられる。

上記の要因を考慮すると、企業が生産拡大や新規事業への進出に前ほど積極的でなくな

り、「資本」にあまり貨幣を投じなかったことも原因の 1つであると考える。それに、少子

高齢化で働く人が増えにくくなり、労働時間も短くなり、さらに生産性の伸びが鈍化した

ことも明らかになっている。 10

結果、成長戦略とはこれらの傾向を変えるための政策と言える。

成長戦略の具体的な案は、6 月安倍総理が発表された。「三本目の矢は、民間のあらゆる

創造的な活動を鼓舞し、国籍を超えたあらゆるイノベーションを日本で起こすことである。

これは、高品質なものつくり、きめ細かなサービス、統合されたシステム、繊細なオペレ15

ーションなど日本企業の持つ様々な可能性を解き放ち、世界展開することにより、世界発

展に貢献する。これは、経済への即効性が期待できる財政、金融政策と比べると効果が出

るのに時間がかかります。」という内容であった。この、内容からもわかるとおり、長期的

な目で成長戦略をやっていくことが大切であると思われる。

これまで、アベノミクスについて話してきたが、最後に、大胆な金融政策、機動的な財20

政政策、成長戦略というアベノミクスの「3本の矢」の相乗効果や整合性について考えてい

く。

まず、金融政策が狙い通りの成果が上がれば、インフレ予想が広がることで物価が上が

り、企業の売り上げが増える。円安にもなり輸出企業も国際競争力が戻るであろうと考え

る。それに、景気が落ち込んでも公共事業でテコ入れすることで、確実に貨幣が世の中に25

出回る。今後、成長分野を支援する体制ができれば企業の投資も活発になるかも知れない。

ただ、「景気にプラスになる金融政策をすればよりプラスになる」と言う単純な関係には

ならない。金融緩和で日銀が国債の購入を増やしたことを、国が日銀に借金を肩代わりさ

せていると受け取られれば財政悪化の不安から金利が急上昇する可能性もある。そして、

国は借金ができなくなり、機動的な財政支出も困難になるかも知れないと考える。大胆な30

金融政策と機動的な財政政策には相容れない面もあることを理解していただきたい。

(出展:日本経済新聞)

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第二章

≪1節 今必要な公共投資とは≫

これまでの、公共投資が中心となっている経済対策は 90年代に、緊急経済対策、総合経

済対策、総合的な経済対策の推進について、緊急経済対策など多くある。これら対策の中10

心が、公共投資の拡大であった。ここからわかることは、我々の国の公共投資の総需要創

出効果への期待がいかに大きいか、見て取れる。

政府によって行われる道路、河川の堤防、港湾、空港などや学校、病院、住宅、下水道

など社会資本整備に向けて投資する経済活動のことで公共事業といわれる。公共投資を行

うことで、その事業のために雇用が促進され失業削減対策になり、さらに地域経済の活性15

化につながるなど、財政政策の一環といえる。

≪2節 「機動的な財政政策」に焦点を当てた理由≫

アベノミクスの政策の 3本の矢の中の一つの、「機動的な財政政策」に観点を絞る。我々

は、財政政策により、供給量と需要量を同時に底上げできると考えている。よって、我々20

は、供給の立場に立ちどの都道府県に公共投資をするべきかを考えていくことにする。

我々は、この分析により今まで焦点の充てられていなかった都道府県についてもどのよ

うな状態になっているかわかるであろう。加えて、日本の公共投資の現状を見てもわかる。

下の図 1と図 2の公共事業の推移と公共事業/一般政府の総資本形成(対GDP比)の推移を

見ていただこう。 25

図 1。公共事業の推移

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《出展 日本の財政関係資料より》

図 1を見てわかるとおり、公共事業の推移は緩やかに下がってきていることがわかる。

5

図 2 公共事業/一般政府の総資本形成(対 GDP比)の推移

《出展 日本:国民経済計算 諸外国:National Accounts》

日本は低下しているが、まだ諸外国の平均よりも高い水準にある。

この図 1 図 2 を見てわかるとおり公共事業の推移や公共事業/一般政府の総資本形成(対10

GDP比)の推移が下がってきていることは明白である。

次に、下図 3と図 4の公共投資水準の国際比較を見てもらおう。

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図 3 一般政府公的固定資本形成 GDPに占める割合の国際比較

《出展:OECD, 米国商務省》

図 4 一般政府公的固定資本形成の推移(国際比較) 5

《出展:OECD》

図 3 より、日本は平成 8年当時では、6%以上あった一般政府公的固定資本形成 GDP に

占める割合が、平成 21年では半分近くに落ち込んでいる。図 4の一般政府公的固定資本形

成の推移(国際比較)を見てもらうと他の諸外国が伸びている中、日本は唯一年々落ち込10

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んでいる。この図からもわかるように日本は、公共投資に力を入れるべきであると言える

のではないかと考える。よって、我々は、日本が今力を入れるべきことは、公共投資であ

ると考える。

≪3節 テーマ解釈≫ 5

我々は、財政投資を短期的に見るのではなく、長期的に見て公共投資を見ていくことに

した。なぜ、短期ではなく長期なのかは、公共投資に対しての考察が十分されていると考

えた。加えて、短期はどのくらい効果が出るか議論されているからである。それに、第 2

の矢の効果で第 3 の矢の「民間投資を喚起する成長戦略」に寄与するであろうと考えられ

るからである。それに、公共投資をやみくもにやるのではなくどの都道府県に効率よく投10

資をするかを分析していくことにする。これにより、公共投資の効率性の向上が期待でき

ると考える。

15

≪4 節 公共投資をすることでどのように効果があ

るか≫

一つ目は、公共投資をすることで、資金を必要としている都道府県の社会インフラの整

備の維持管理、更新費などの増大を抑えることができる。加えて、災害に備えて必要な施

設に必要な資金と助けとなる。 20

二つ目は、公共投資が増えることで医療や福祉の充実。加えて、失業対策などの援助も

できる。

≪5節 公共投資をどうするべきか≫

本章では、アベノミクスによる公共投資により、どのような効果が得られるか分析して25

いきたい。我々は、どの都道府県に公共投資をすればよいかを判断するためコブ・ダグラ

ス型生産関数を用いて公共投資の効力、効率性を計算することとした。回帰分析で出てく

る係数の値からどの都道府県に公共投資をするのが良いのか選出する。

≪6節 モデル説明≫ 30

ここではコブ=ダグラス型生産関数を用いて公共投資の効率性を計算する。

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コブ・ダグラス型生産関数とは、資本と労働の GDP の関係を表している。GDP の内、

資本と労働がどのように GDPに変わるかを見る。

コブ・ダグラス型生産関数を想定すると、総生産 Y は、生産要素として用いられる民間資

本 K、および労働 Lに分配されると仮定し、以下のような式で表される。

,1 ttt LAKY (1) 5

なお、Aは技術水準(全要素生産性)、αは資本分配率を表し、コブ・ダグラス型生産関数の

特徴より、労働分配率は 1-αと表される。

本研究では、Aschauer (1989)らの先行研究の生産関数の特定化に従い、社会資本 tGK , に

よる生産への生の外部性をもたらすことを想定し、以下のような式に従うものと考える。

tGtt KKAY ,

1L-αt

α (2) 10

なお、ωは社会資本の生産効果を表すパラメーターであり、ωが大きいへお社会資本等の

インフラがもたらす生産への外部経済効果が大きいことを意味する。

さらに(2)式を対数で表すと、

G

ttttt KrLKAY lnln)1(lnlnln αα (3)

となり、その(3)を回帰分析することにより求める。そのため、各数値総生産、民間資本ス15

トック、社会資本ストック、労働投入量を自然対数に変換したのち、それらの数値で重回

帰分析を行うこととする。

第三章 実証分析

前章までの議論を踏まえたうえで、公共投資や現状のインフラについて着目し、その結20

果からアベノミクスの第二の矢、機動的な財政政策の効率的な運用方法について政策提言

する。また日本全国一律ではなく、どの都道府県が公共投資に適しているかシミュレーシ

ョンしていく。

第 1 部 公共投資の効率性 25

公共投資は一種の「バラマキ」政策であると言われており、公共投資の非効率性につい

ての問題が議論されて久しい1。日本初となる高速道路、名神高速道路が 1963 年に開通し

た当時は、公共投資は実質的利益だけでなく需要喚起策として機能し、特に地方部の景気

1 本研究の分析対象とは異なるが、公共投資の短期的景気対策効果の大きさの観点から、公

共投資の効率性について分析した論文として、宮崎(2008)などが挙げられる。

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刺激策と地方選出の国会議員の票獲得のための政策として行われてきた。戦後の日本の著

しい成長に、多額の財政政策が正の影響を与えてきたのは言うまでもない。

しかし、かつて土建国家と呼ばれていた日本の公的資本形成は国際的にみれば依然高い

ものの、圧倒的な数字ではなくなってしまった。高速道路、新幹線、空路等が充実し、以

前ほどの経済的波及効果が期待できなくなってしまったことも大きな原因と考えられる。5

しかし、年末には予算減額を免れるための過剰な道路工事を至る所で行われている。

各県の社会資本ストックがある程度充実しており、かつ国債返還、社会保障等多くの財

源を必要とする現代の日本においては機動的な財政政策を行う。今こそ公共投資の運用を

効率性を重視した新たな方法で試す時である。

10

第 2 部 各県の公共投資の有効性測定

2-1回帰分析に用いるデータの推定方法

前章で述べたモデルに各データを当てはめ、回帰分析を行い各県ごとの公共投資の有効

性を調査する。算出方法や公表されていないデータの加工法は吉野・中東(1998)を参考

に作成した。 15

① Y(総生産)実質値

出典:『県民経済計算』(内閣府ホームページ)

・1975年から 1999年までのデータは 2000年以後のデータと推定方法が異なるため、双方

の経済成長率から推定を行った。 20

② 民間資本ストック

出典:『民間企業資本ストック』(内閣府ホームページ)

③ 社会資本ストック 25

出典:『社会資本ストック推計』(内閣府ホームページ)

・粗ストック推計を一種類、純ストック推計として二種類、合計三種類の社会資本ストッ

ク推計データを用いた。今回は内閣府が試算した社会資本ストックのうち、減価償却を考

慮しない粗資本ストックと、減価償却を考慮した純資本ストックのうち、「試算 1」と「試

算2」の推計値を用いた。社会資本ストックの推計の方法は現在でも議論が行われており、30

絶対的に正確な方法がどのようなものであるかを我々では判別することができないためで

ある。

④ 労働投入量

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各県ごとの労働者と全国の年間労働時間を掛け合わせて推計した。

労働投入量については、各県ごとの労働者と全国の年間労働時間を掛け合わせて推計を

行った。なお、労働就業者数は内閣府の『県民経済計算』から、労働時間に関しては総務

省の『労働力調査』よりデータを収集した。(さらに、脚注にデータの加工の詳細について

は、吉野・中東(1998)を参照) 5

2-2 分析測定結果

上記データにより、どの都道府県が公共投資による生産増大効果が大きいのか測定して

いく。現存するデータの関係から、期間は 1975年度から 2009 年度までとし、excel

における回帰分析を行った。 10

表 3-1から 3-3は三種類の社会資本ストック推計、粗ストック推計、純ストック推計①、純

ストック推計②(①とは推定方法が異なる)のそれぞれの推定結果を、(グロスの場合)・(ネ

ット 1 の場合)・(ネット 2 の場合)とし、それらを有意水準 10%、5%、1%の三つの視点

から信頼性を比較したものである。

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表 3-1.社会資本の生産性ωの推定値の比較(グロスの場合)

都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値

北海道 -0.058 茨城 1.032783*** 鳥取 -0.07254

青森 0.115048 栃木 0.17796 島根 0.406192***

岩手 0.396584*** 群馬 0.061199 岡山 0.880614***

宮城 0.234884** 岐阜 0.186814*** 広島 -0.01998

秋田 0.431894*** 静岡 0.28429 山口 0.036298

山形 0.427877*** 愛知 0.288034* 福岡 -0.06982

福島 0.643793** 三重 -0.22351 佐賀 -0.2489

新潟 -0.02492 滋賀 -0.22351 長崎 -0.14129

富山 -0.17068 京都 0.207252** 熊本 -0.13479

石川 -0.12578 大阪 -0.30765* 大分 0.331727*

福井 -0.1379 兵庫 0.423412 宮崎 0.080035

山梨 -0.29933** 奈良 -0.13047 鹿児島 0.447889**

長野 0.252925** 和歌山 0.231142** 沖縄 0.518477***

千葉 0.396376*** 徳島 0.901989***

埼玉 0.135901** 香川 -0.34336***

東京 2.684272** 愛媛 -0.02941

神奈川 -0.07379 高知 0.207015**

(注)*は 10%有意、**は 5%有意、***は 1%有意を表す。

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Page 16: 公共選択学会 - 中央大学c-faculty.chuo-u.ac.jp/~iijima/PC2013/papers/322.pdf30 る学説で、米国の経済学者、ミルトン・フリードマンらが提唱した。この説に従えば、デ

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表 3-2.社会資本の生産性ωの推定値の比較(ネット1の場合)

都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値

北海道 0.032067 茨城 1.035212*** 鳥取 -0.14847*

青森 -0.21656 栃木 0.08045 島根 0.226615*

岩手 0.321769** 群馬 0.015159 岡山 1.204609***

宮城 -0.12987 岐阜 0.158734*** 広島 -0.10416*

秋田 0.302982** 静岡 0.036127 山口 -0.09958

山形 -0.0824 愛知 0.094797 福岡 -0.21593**

福島 -0.54013 三重 -0.47651** 佐賀 -0.33677***

新潟* 0.296432* 滋賀 0.396765*** 長崎 -0.3041***

富山 0.052119 京都 -0.02226 熊本. 0.116354*

石川 -0.08898 大阪 -0.26395 大分 0.39361***

福井 -0.07716 兵庫 0.573981** 宮崎 0.145659**

山梨 -0.12831 奈良 -0.02905 鹿児島 -0.03897

長野 -0.0908 和歌山 0.132831 沖縄 0.514826***

千葉 0.391309*** 徳島 0.058145

埼玉 0.099839** 香川 -0.20601***

東京 -0.02246 愛媛 -0.03709

神奈川 -0.10077** 高知 -0.04479

(注)*は 10%有意、**は 5%有意、***は 1%有意を表す。

5

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Page 17: 公共選択学会 - 中央大学c-faculty.chuo-u.ac.jp/~iijima/PC2013/papers/322.pdf30 る学説で、米国の経済学者、ミルトン・フリードマンらが提唱した。この説に従えば、デ

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表 3-3 .社会資本の生産性ωの推定値の比較(ネット 2 の場合)

都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値 都道府県 ωの推定値

北海道 0.040194 茨城 1.026881*** 鳥取 -0.14381*

青森 -0.2363** 栃木 0.069937 島根 0.205649*

岩手 0.311717** 群馬 0.009875 岡山 1.17792***

宮城 -0.18881 岐阜 0.145104*** 広島 -0.11092**

秋田 0.281792** 静岡 0.023146 山口 -0.11221

山形 -0.1473 愛知 -0.00428 福岡 -0.2187***

福島 -0.76131** 三重 -0.57564*** 佐賀 -0.30474***

新潟 0.325076* 滋賀 0.368694*** 長崎 -0.28423***

富山 0.073619 京都 -0.0898 熊本 0.09845**

石川 -0.08683 大阪 -0.34854 大分 0.374132***

福井 -0.07995 兵庫 0.551663** 宮崎 0.148663**

山梨 -0.12541 奈良 -0.03051 鹿児島 -0.10488

長野 -0.15419* 和歌山 0.134787 沖縄 0.534845***

千葉 0.381907*** 徳島 -0.0098

埼玉 0.09275** 香川 -0.18609***

東京 -0.23422 愛媛 -0.02463

神奈川 -0.10705*** 高知 -0.06111

(注)*は 10%有意、**は 5%有意、***は 1%有意を表す。

上記の実証分析から、5%有意水準におけるωの推定値において正の数字を取った県は秋5

田県、岩手県、埼玉県の 3県であり、1%有意水準においては茨城県、千葉県、岐阜県、茨

城県、沖縄県の 5県であった。

分析を行う前の段階では、集積の経済の観点から有意となるのは、首都圏や大阪、愛知

だと予想していた。しかし、実際には東北地方が、しかも 2 県のみ有意であり、さらに正

の数字を取るという全く予想しがたい結果となった。 10

そこで、上記 8 県について、第 3 部で特徴や産業上の問題を取り上げ、なぜ有意である

かを考察する。

第 3 部 政策提言 15

第二部までで、各都道府県の公共投資による生産拡大の有意性を見てきた。第三部では

有意だとされた都道府県のどのような部門に、政府が投資を行うべきか調査する。その際、

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各県の共通点から東北地方(秋田県、岩手県)、関東地方(茨城県、千葉県、埼玉県)、岐

阜県、岡山県、沖縄県の四つに大別した。

3-1 有意水準 5%以上において公共投資が有意と考えられ

る都道府県 5

(1) 東北地方(秋田県、岩手県)

秋田県と岩手県は首都圏から遠く離れ、県内就業者数も近年減少傾向にあると

いう共通点を持つ。集積の経済を期待できず、地方である秋田県、岩手県におい

て公共投資が正の成長をもたらす原因を探る。

秋田県の産業上の大きな特徴は第二次産業において携帯電話やパソコンなど10

に使用される固定コンデンサと呼ばれる電子機器の出荷額が 1,712 億円(2008

年(平成 20年)度)で全国 1位2である。日本の携帯普及率は 2011年度末で 100%

を超えており、 [3]日本にとって秋田県の存在はかかせないものとなった。また、

第一次産業において木材生産量全国が 4位、米の産出は北海道、新潟県に次いで

全国 3位である。 15

岩手県は、1995年以降細川内閣が打ち出した大規模景気対策により、公共投資

を増やしてきた経緯がある。東北新幹線や花巻空港の整備がされるにつれ、企業

の招致に力を入れてきた。その中でも自動車産業においてはトヨタ自動車が東北

地方を新たに生産拠点と位置付けており[4]、今後さらに招致活動が活発になると

思われる。 20

秋田県、岩手県双方がそれぞれに集中的に担う産業をもっており、公共投資に

よるインフラ整備などにより社会資本ストックが増加した場合、物流における輸

送コスト低減や集積の経済性により、県内総生産の増大を期待することができる

と考えられる。

25

(2) 関東地方(茨城県、千葉県、埼玉県)

茨城県、千葉県、埼玉県の三県はいずれも東京都という大都市の郊外にあたる

地域である。第二部で考察したとおり、郊外のインフラ面の活性化は大都市への

物品移動コスト削減、企業の首都圏アクセスの容易化、1,300 万人以上の人口を

2 朝日小学生新聞より 3 SANKEI BIZ 2012.5.19より 4 ゲンダイネット - 2008年 2月 28日より

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持つ東京都との集積の経済による正の外部性など公共投資の波及効果が十二分に

発揮された結果であるといえる。

(3) 岐阜県 5

かつて繊維産業が盛んであったが、海外からの輸入による需要の減少で事業者

の多くが撤退し、衰退したという歴史がある。現在、当時の大規模な工場の跡地

は商業施設や、学校施設、公共施設などに利用された。現在は自動車産業が盛ん

な地域となっている。

繊維産業が盛んだった当時の向上の跡地が丸々残っており、かつ人口が大正時10

代から徐々に増え続け[5]、現在は 200万人以上の人口を擁する岐阜県への公共投

資は、余剰の土地の有効活用とともに新たな需要を生み出すことができる。

(4) 岡山県

1980 年代以降、岡山県は新たな産業ゾーン開拓のため、高速道路の整備や岡山15

空港を郊外に移転するなどの積極的な開発や IT関連などへ県が誘致を申し出るな

どもともと盛んな工業化を進める政策を断行した。しかし、2013 年現在立地する

企業は 18社にとどまり[ 6]、見込み通りの事業が進まれていない。

岡山県は新産業ゾーンを販売する予定をリース契約に変更しており、[7 ]これに

よるさらなる負債が県の財政を圧迫している状態である。この部分に公共投資を20

行い、本来立地することをためらっていた企業を誘致することができれば財政を

健全化させることができ、県内総生産向上を目指すことができる。

(5) 沖縄県

沖縄県にはその土地に立地した企業が税金納入において優遇される国際物流拠25

点産業集積地域、情報通信産業特別地区、金融業務特別地区という経済特区が存

在する。最大で法人税 40%控除など、破格の条件が設定されえているにもかかわ

らず、費用やシステム、人材の乏しさなどの面から、使いづらく、沖縄の現状に

そぐわないと評価されている。[8]

5 統計局ホームページより 6 岡山県ホームページより 7 四国新聞社2003年2月16日より 8 朝日新聞 GLOBE第二回より

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沖縄のインフラ面に対して公共投資を行えば、輸送コスト削減や経済特区活性

化を促進することが可能であり、これにより県内総生産は増大すると考えられる。

終章 総括と今後の課題

3-1までの 8県の特徴や主要産業を踏まえるとそれぞれの県の特徴は概ね 3種類の性質に5

分類することができる。

① 首都圏近郊の郊外の地域(埼玉県、茨城県、千葉県)

② 第二次産業が主要産業である地域。県が企業へ誘致をかけてきたなどの歴史を持つ県が

多く見られた。(秋田県、和手県、岐阜県、岡山県)

③ 経済特区などを持つ特殊な地域 10

ここまで我々は財政政策を短期的にとらえるのではなく、長期的な経済成長に寄与する

ととらえ、実証、分析を行ってきた。

外部性の視点から首都圏やその周辺地域に公共投資を集中的に行うべきという意見や短

期的にみれば、2,020年に開催される東京オリンピックに向け、東京への公共投資を増大さ

せ、インフラを整えるべきという意見もあるだろう。しかし、我々がこれまで述べてきた15

ことを踏まえ、中長期的に財政政策をとらえたとき、特定の地域へ的確な公共投資を行う

ことが日本経済再生のため、安倍内閣がアベノミクスの第二の矢である機動的財政政策に

おいて行うべきことである。

最後に、翻弄分の執筆に当たり、東海大学政治経済学部平賀一希講師には大変有益なご

指導をいただいた。本論文が完成した折にて、Aパート一同より厚く重ねて御礼を申し上げ20

る。

(2013年 10月 21日東海大学政治経済学部平賀一希ゼミナール Aパート一同)

25

30

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21

主要参考文献・資料・URL

・文献 5

吉野直行・中島隆信(1999) 『公共投資の経済効果』日本評論社

・論文

Aschanuer, D.A. (1989), “Is Public Expenditure Productive?” Journal of Monetary

Economics 24, pp.171-188.

宮崎智視(2008) 『地方政府の公共投資と景気対策』 フィナンシャルレビュー第 89 号、10

pp. 118-136.

吉野直行・中東雅樹(1998) 『都市部と地方部の社会資本の生産力効果格差に関する実証分

析-産業別・地域別の社会資本の生産力効果-』 1998年日本財政学会第 55回大会報告論文

・URL 15

秋田県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.akita.lg.jp/‎

茨城県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.ibaraki.jp/

岡山県ホームページ(2013/10/20) 20

http://www.pref.okayama.jp/

沖縄経済特区ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.okinawa.lg.jp/tokku/about/special_economic-zone/free-trade/index.html

沖縄県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.okinawa.jp/ 25

岩手県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.iwate.jp/

岐阜県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.gifu.lg.jp/

埼玉県ホームページ(2013/10/20) 30

http://www.pref.saitama.lg.jp/

総務省統計局ホームページ(2013/10/20)

www.stat.go.jp/data/roudou/‎

総務省統計局労働力調査「農林業・非農林業,従業上の地位別週間就業時間(1967年~2010

年)」(2013/10/20) 35

Page 22: 公共選択学会 - 中央大学c-faculty.chuo-u.ac.jp/~iijima/PC2013/papers/322.pdf30 る学説で、米国の経済学者、ミルトン・フリードマンらが提唱した。この説に従えば、デ

22

http://www.e-stat.go.jp/SG1/toukeidb/GH07010101Forward.do

千葉県ホームページ(2013/10/20)

http://www.pref.chiba.lg.jp/‎

内閣府「平成 24年版経済財政白書」(2013/9/4)

内閣府ホームページ(2013/9/4) 5

http://www.cao.go.jp/

内閣府県民経済計算「昭和 50年度- 平成 11年度(68SNA、平成 2年基準)県内総生産」

「昭和 50年度- 平成 11年度(68SNA、平成 2年基準)県内就業者数」(2013/9/4)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/files_kenmin.html

内閣府「県民経済計算(平成 8 年度 - 平成 21 年度)(93SNA、平成 12 年基準計数)県内10

総生産」「(平成 8 年度 - 平成 21 年度)(93SNA、平成 12 年基準計数)県内就業者数」

(2013/1020)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/main_h21.html

内閣府「都道府県別民間企業資本ストック 1970年~2009年」(2013/1020)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/main_h21stock.ht15

ml

内閣府「社会資本ストック推計(1960年~2009年)」(2013/1020)

http://www5.cao.go.jp/keizai2/jmcs/result/jmcs_data.html

産経新聞(2012.5.19)「SANKEI BIZ 携帯電話普及率、初の100%突破 スマホ急拡大、20

新時代突入へ」 (2013/1020)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120519/mca1205190501008-n1.htm