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中学校 国語学習指導要領の改訂及び
新教育課程編成・実施のポイント
令和元年6月
大分県教育委員会
Ⅰ 「解説国語編」の読み方・・・・・・・・・・・・・・
Ⅱ 改訂の概要
1 改訂の経緯及び方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 改訂の趣旨及び要点
(1)目標及び内容の構成
①目標の構成の改善・・・・・・・・・・・・・・
②内容の構成の改善・・・・・・・・・・・・・・
(2)学習内容の改善・充実
①言葉の働きに関する事項の新設/語彙指導の改善・充実・
②情報の扱い方に関する指導の改善・充実・・・・
③学習過程の明確化,「考えの形成」の重視・・・・
④我が国の言語文化に関する指導の改善・充実・・・
(3)学習の系統性の重視・・・・・・・・・・・・・
(4)授業改善のための言語活動の創意工夫・・・・・
(5)読書指導の改善・充実・・・・・・・・・・・・
3 配慮事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅲ その他(学習評価の変更 移行措置)・・・・・・・・・
中学校学習指導要領の改訂及び新教育課程編成・実施のポイント(第2章 第1節 国語)
・改訂の主なポイント・・・「語彙指導の改善・充実」「情報の扱い方に関する事項の新設」「学習過程の明確化, 『考えの形成』の重視」
・本資料の説明の柱→以下のコンテンツで「解説国語編」を整理し,説明する
ポイント1
ポイント2
ポイント12
ポイント13
ポイント3
ポイント4
「第1章
総説/2
国語科の改訂の趣旨及び要点」の内容等を
踏まえ,コンテンツを作成
ポイント5
ポイント6
ポイント7
ポイント9
ポイント8
ポイント10
ポイント11
ポイント1
Ⅰ 「解説国語編」の読み方・目次などを見て,「解説国語編」の構成の大枠をつかむ 解説 目次
目次
第1章 総説1 改訂の経緯及び基本方針……………………………………………… 12 国語科の改訂の趣旨及び要点………………………………………… 6
第2章 国語科の目標及び内容………………………………………………… 11第1節 国語科の目標………………………………………………………… 11
1 教科の目標……………………………………………………………… 112 学年の目標……………………………………………………………… 15
第2節 国語科の内容………………………………………………………… 171 内容の構成……………………………………………………………… 172 〔知識及び技能〕の内容……………………………………………… 183 〔思考力,判断力,表現力等〕の内容……………………………… 27
第3章 各学年の内容…………………………………………………………… 40第1節 第1学年の内容……………………………………………………… 40
1 〔知識及び技能〕……………………………………………………… 402 〔思考力,判断力,表現力等〕……………………………………… 54
第2節 第2学年の内容……………………………………………………… 741 〔知識及び技能〕……………………………………………………… 742 〔思考力,判断力,表現力等〕……………………………………… 86
第3節 第3学年の内容………………………………………………………1031 〔知識及び技能〕………………………………………………………1032 〔思考力,判断力,表現力等〕………………………………………114
第4章 指導計画の作成と内容の取扱い………………………………………1311 指導計画作成上の配慮事項……………………………………………1312 内容の取扱いについての配慮事項……………………………………1383 教材についての配慮事項………………………………………………141
◎解説国語編の構成第1~4章で構成⇒現行の解説と変わらず○第1章 ・改訂の理由,要点などが書かれ
ているところ○第2章
○第3章 指導事項を各学年ごとに見たもの
○第4章 ・「主体的・対話的で深い学び」等についても説明
第1学年→2年→3年の順で,以下の説明
1〔知識及び技能〕(1)言葉の特徴や使い方に関する事項→
(2)情報の扱い方に関する事項 →(3)我が国の言語文化に関する事項
2〔思考力,判断力,表現力等〕A 話すこと・聞くこと →
B 書くこと →C 読むこと
第1節 国語科の目標「1 教科の目標」で
目標中の文言について解説「2 学年の目標」でそれぞれの学年の目標について解説
第2節 国語科の内容国語科の内容の概説に当たる箇所
〔知識及び技能〕と〔思考力,判断力,表現力〕中の各指導事項を解説
ポイント2
Ⅱ 改訂の概要1 改訂の経緯及び方針・・・これまでの経緯等が書かれている。
解説P.1~5
小学校関連 中学校関連
平成26年度(2014年度)
平成27年度(2015年度)
平成28年度(2016年度)
平成29年度(2017年度)
平成30年度(2018年度)
平成31年度(2019年度)
平成32年度(2020年度)
平成33年度(2021年度)
「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」(11月20日 文部科学大臣)
「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」(8月26日)
「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)」(8月26日)
「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(12月21日)
「学習指導要領」告示 「学校教育法施行規則の一部を改正」(3月31日 文部科学大臣)
移行期間
周知・徹底
全面実施
移行期間
周知・徹底
全面実施
教科書検定
教科書採択
使用開始
教科書検定
教科書採択
使用開始
中教審による検討
学習指導要領改訂の経緯
ポイント2-②
学習指導要領改訂の方向性
新しい時代に必要となる資質・能力の育成と,学習評価の充実
未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成
生きて働く知識・技能の習得
学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養
何ができるようになるか
よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を共有し,社会と連携・協働しながら,未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む
「社会に開かれた教育課程」の実現
各学校における「カリキュラム・マネジメント」の実現
新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目等の新設や目標・内容の見直し
小学校の外国語教育の教科化,高校の新科目「公共」の新設など各教科等で育む資質・能力を明確化し,目標や内容を構造的に示す学習内容の削減は行わない
主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点からの学習過程の改善
生きて働く知識・技能の習得など,新しい時代に求められる資質・能力を育成知識の量を削減せず,質の高い理解を図るための学習過程の質的改善
何を学ぶか
主体的な学び
対話的な学び
深い学び
どのように学ぶか
中教審答申(平成28年12月21日)-補足資料-より
カリキュラム・マネジメントの観点から○国語科が中心的役割を担いながら,他教
科等と連携して言語能力の向上を図る。○国語科が育成する資質・能力が各教科等に
おいて育成する資質・能力の育成に資する。
ポイント3
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(1)目標及び内容の構成 ①目標の構成の改善・国語科の成果と課題,そこから求められる改善の方向性を示している
解説P.6~7,11~16
国語科において見られた課題―平成26・27・28年度全国学力・学習状況調査の結果から―
中教審答申-補足資料-より抜粋
〈26年度〉○立場や根拠を明確にして話し合うこと
について,発言をする際に一定の立場に立ってはいるが,根拠を明確にした上で発言をする点に,依然として課題がある。
〈27年度〉○新聞のコラムを読んで,筆者の意図や
思考を想定しながら文章全体の構成や表現の工夫を捉えることに課題がある。また,引用することに,依然として課題がある。
○学校新聞を書く場面において,目的や意図に応じ,取材した内容を整理しながら記事を書くことに課題がある。
〈28年度〉○目的や意図に応じて,グラフや表の結
果を基に,自分の考えを書いたり,文章構成の効果を捉えたりすることに課題がある。
〈26年度〉○自分の考えを表す際に,根拠を示すことは意識されている
が,根拠として取り上げる内容を正しく理解した上で活用する点に課題がある。
○文章や資料から必要な情報を取り出し,伝えたい事柄や根拠を明確にして自分の考えを書くことについて,説明する際に,文章や資料から必要な情報を取り出してはいるが,それらを用いて伝えたい内容を適切に説明する点に,依然として課題がある。
〈27年度〉○伝えたい事実や事柄について自分の考えや気持ちを示しては
いるが,根拠を明確にして書く点に,依然として課題がある。○目的に応じて文章や資料から必要な情報を取り出してはいる
が,それらを基にして自分の考えを具体的にまとめる点に,依然として課題がある。
〈28年度〉○自分の考えを書く際に,根拠を示すことは意識されているが,
根拠として取り上げる内容が適切かどうかを吟味したり,どの部分が根拠であるかが明確になるような表現上の工夫をしたりすることに,依然として課題がある。
小学校国語 中学校国語
ポイント3-②
◆伝えたい内容や自分の考えについて根拠を明確にして書いたり話したりすること
◆複数の資料から適切な情報を得てそれらを比較したり関連付けたりすること
◆文章を読んで根拠の明確さや論理の展開,表現の仕方等について評価すること
の課題中学校国語
新学習指導要領の
指導事項に反映
◇各教科等の指導のねらいを明確にした上で言語活動を適切に位置付けた学校の割合は,小学校,中学校ともに90%程度
◆依然として教材への依存度が高い
引き続き,
言語活動の
充実を図る
必要性
解説P.6参照
情報化の進展に伴い,特に子どもにとって言葉を取り巻く環境が変化する中で,読解力に関して改善すべき課題が明らかとなった
全国学力・学習状況調査
PISA
ポイント3-③
・育成を目指す資質・能力を「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」と規定・「表現→理解」 から 「理解→表現」・「言葉による見方・考え方」を働かせながら,資質・能力の育成を目指す・三つの柱で整理
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。
平成20年 目標
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
⑵社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
⑶言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
平成29年 目標
知識及び技能
思考力,判断力,表現力等
学びに向かう力,人間性等
柱書き
中学校国語 の課題 → 目標
解説P.11参照
ポイント3-④
言葉による見方・考え方 を働かせるとは
生徒が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることである
③言葉の意味,働き,使い方等に着目して
①「対象」…様々な事物,状態や考え,気持ち①対象と言葉②言葉と言葉
②「言葉と言葉」…例えば,類義語や対義語など,意味の上で明確な関係をもっているものなど
④捉えたり問い直したりして
③例えば事物の内容を表したり,相手とのつながりをつくったりする働きや相手や状況に応じた言葉の遣い方
④同じ意味をもつ言葉でも,相手や状況に応じて使い分けたり,文章を一読した時に捉えた言葉の意味を再度文脈に即して捉えなおしたりして
⑤無意識で使っている言葉を意識的に見ていくようにすること
⑤言葉への自覚を高めること
解説P.12参照
ポイント3-⑤
言葉による見方・考え方 を働かせるとは
生徒が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることである
様々な事象の内容を自然科学や社会科学等の視点から理解することを直接の学習目的としない国語科においては,言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている。
このため,「言葉による見方・考え方」を働かせることが,国語科において育成を目指す資質・能力をよりよく身に付けることにつながることとなる。
○国語科が育成を目指す資質・能力(指導事項)を生徒が身に付けることが第一。○「言葉による見方・考え方」を働かせることは,そのためのいわば手段である。手段が目的化す
ることのないよう留意。○「言葉による見方・考え方」は,「深い学び」の視点からの授業改善の鍵となるものであり,こ
れ自体が,育成を目指す資質・能力ではない。○「言葉による見方・考え方」は,生徒がこれまでも学習の中で働かせてきたもの,教師も意
識してきたものであり,新しい何かではない。
資質・能力(指導事項)を身に付ける際,「言葉による見方・考え方」が働くよう,今後も生徒が言葉に着目し,言葉に対して自覚的になるよう授業改善を図る。
言葉に着目した授業を行うこと
解説P.12参照
ポイント3-⑥
第1学年 第2学年 第3学年⑴知識
及び
技能
(1) 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。
⑵思考力,判断力,
表現力等
(2) 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを確かなものにすることができるようにする。
(2) 論理的に考える力や共感したり想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
(2) 論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
⑶学びに向か
う力,人間性
等(3) 言葉がもつ価値に気付くとともに,進んで読書をし,我が国の言語文化を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,読書を生活に役立て,我が国の言語文化を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,読書を通して自己を向上させ,我が国の言語文化に関わり,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
学年の目標
(1)は,全学年同じであり,中学校を通して,社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けること,
我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにすることを示している。(2) は,考える力や感じたり想像したりする力を養うこと,社会生活における人との関わりの中で伝え
合う力を高め,自分の思いや考えを広げたり深めたりすることなどができるようにすることを系統的に示している。
(3) は,言葉がもつ価値に気付くこと,読書をすること,我が国の言語文化を大切にして思いや考えを伝え合おうとする態度を養うことを系統的に示している。
解説P.15~16参照
ポイント4
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(1)目標及び内容の構成 ②内容の構成の改善・現行学習指導要領の内容を継承・現行の三領域一事項を,〔知識及び技能〕と〔思考力,判断力,表現力等〕に構成・各指導事項について育成を目指す資質・能力が明確になるよう内容を改善・「学びに向かう力,人間性等」については,目標においてまとめて示し,指導事項の
まとまりごとに示さず解説P.7~8,P.17~39
(1)言葉の特徴や使い方に関する事項
(2)情報の扱い方に関する事項(3)我が国の言語文化に関する事項
現行学習指導要領 新学習指導要領
⑵言語活動例⑴指導事項
A 話すこと・聞くこと
B 書くこと
C 読むこと
伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項
3領域1事項
⑵言語活動例⑴指導事項
A 話すこと・聞くこと
B 書くこと
C 読むこと
〔知識及び技能〕
〔思考力,判断力,表現力等〕
資質・能力の3つの柱
ポイント4-②
・「第1章 学習内容の改善・充実」での改善のポイントを反映したものが示されている
新学習指導要領の〔知識及び技能〕の内容(1)言葉の特徴や使い方に関する事項
○言葉の働き・・・【新設】○話し言葉と書き言葉○漢字○語彙○文や文章○言葉遣い○表現の技法
(2)情報の扱い方に関する事項・・・【新設】○情報と情報の関係○情報の整理
(3)我が国の言語文化に関する事項○伝統的な言語文化○言葉の由来や変化○書写○読書
第1章(解説P. 8~9)
学習内容の改善・充実
①語彙指導の改善・充実
②情報の扱い方に関する
事項の新設
③学習過程の明確化,
「考えの形成」の重視
④我が国の言語文化に関
する指導の改善・充実
③は,主に〔思考力,判断力,表現力等〕に反映
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(2)学習内容の改善 ①語彙指導の改善・充実
○
解説P.17~21,40~45,74~79,103~106
第2章 第2節 国語科の内容(1)言葉の特徴や使い方に
関する事項○言葉の働き○話し言葉と書き言葉○漢字○語彙○文や文章○言葉使い○表現の技法
(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。
イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。
オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。
カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。
例:第2学年例えば,第2学年の指導では
○言葉の働きを客観的に捉えることは, 資質・ 能力の重要な要素
○言葉がもつ働きに気付くことで,生徒は言葉を自覚的に用いるようになる
話し言葉と書き言葉
漢字
語彙
文や文章
表現の技法
ポイント5
言葉の働き
○語彙は,資質・能力の育成や学習の基盤となる言語能力の重要な要素
○これ以外の語句の指導を妨げるものではない
ポイント6
第2章 第2節 国語科の内容(2)情報の扱い方に関する
事項○情報と情報の関係○情報の整理
(2)話や文章に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 原因と結果,意見と根拠など情報と情報との関係について理解すること。
イ 比較や分類,関係付けなどの情報の整理の仕方,引用の仕方や出典の示し方について理解を深め,それらを使うこと。
第1~3学年
○文章中の論理,関係性の解釈を苦手としている生徒が多い。ここでは,非連続型テキストを含んで指導する。
○基本的な引用のルールが分かっていない中学生が多い。中3は「情報の信頼性の確かめ方」が指導事項に。
○新設の項ではあるが,今までやっていないというわけではない。
ア 意見と根拠,具体と抽象など情報と情報との関係について理解すること。
イ 情報と情報との関係の様々な表し方を理解し使うこと。
ア 具体と抽象など情報と情報との関係について理解を深めること。
イ 情報の信頼性の確かめ方を理解し使うこと。
情報と情報の関係
情報の整理
情報と情報の関係
情報の整理
情報と情報の関係
情報の整理
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(2)学習内容の改善 ②情報の扱い方に関する指導の改善・充実
解説P.22~23,46~48,80~81,107~108
ポイント7
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(2)学習内容の改善 ③学習過程の明確化,「考えの形成」の重視
解説P.9,27~39
○活動を通じてどのような資質・能力を育成するのかを示すため,現行の学習指導要領に示されている学習過程を改めて整理し,「話すこと・聞くこと」,「書くこと」,「読むこと」の学習活動の中で,三つの柱で整理した資質・能力がどのように働いているかを含めて図示。
○「認識から思考へ」という過程の中で働く理解するための力や,「思考から表現へ」という過程の中で働く表現するための力が,各領域の中で,主にどこで重点的に働いているのかを踏まえて示している。
中教審答申 別添資料より
〔思考力, 判断力, 表現力等〕の各領域(「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」)において○学習過程を一層明確にし, 各指導事項を位置付けた。○全ての領域において, 自分の考えを形成する学習過程を重視し, 「考えの形成」 に関する
指導事項を位置付けた。
ポイント7-②
(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。ア 目的や場面に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を整理
し,伝え合う内容を検討すること。イ 自分の考えや根拠が明確になるように,話の中心的な部分と付加的な部
分,事実と意見との関係などに注意して,話の構成を考えること。ウ 相手の反応を踏まえながら,自分の考えが分かりやすく伝わるように表現
を工夫すること。エ 必要に応じて記録したり質問したりしながら話の内容を捉え,共通点や相
違点などを踏まえて,自分の考えをまとめること。オ 話題や展開を捉えながら話し合い,互いの発言を結び付けて考えをまとめ
ること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。ア 紹介や報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問したり意見な
どを述べたりする活動。イ 互いの考えを伝えるなどして,少人数で話し合う活動。
〔思考力,判断力,表現力等〕 A 話すこと・聞くこと
話題の設定情報の収集内容の検討
構成の検討考えの形成
話合いの進め方の検討
考えの形成
共有
構造と内容の把握
精査・解釈
考えの形成
共有
表現
共有
例:第1学年 解説P.54
話すこと
聞くこと
話し合うこと
話すこと
聞くこと
話し合うこと
○「話すこと」, 「聞くこと」, 「話し合うこと」の各指導事項は相互に密接な関連があることに留意
○示す学習過程は指導の順序性を示すものではない
○(1)の資質・能力を,(2)の言語活動例等を通して指導する。→現行学習指導要領の考え方を継承
○従前,示していた言語活動例を言語活動の種類ごとにまとめた形で示している(他領域も同じ)→解説P.31,58,90,118等を参照
解説P.27~31参照
いる 。
ポイント7-③
(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から題材を決め,集めた材料を整理
し,伝えたいことを明確にすること。イ 書く内容の中心が明確になるように,段落の役割などを意識して文章の構
成や展開を考えること。ウ 根拠を明確にしながら,自分の考えが伝わる文章になるように工夫するこ
と。エ 読み手の立場に立って,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,
文章を整えること。オ 根拠の明確さなどについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章
のよい点や改善点を見いだすこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。ア 本や資料から文章や図表などを引用して説明したり記録したりするなど,
事実やそれを基に考えたことを書く活動。イ 行事の案内や報告の文章を書くなど,伝えるべきことを整理して書く活動。ウ詩を創作したり随筆を書いたりするなど,感じたことや考えたことを書く活動。
〔思考力,判断力,表現力等〕 B 書くこと
題材の設定情報の収集内容の検討
構成の検討
例:第1学年 解説P.60
○「共有」は, 読み手からの助言などを踏まえて, 自分が書いた文章のよい点や改善点を書き手自身が見いだすことを示している 。
○よい点や改善点を見いだす視点として,第1学年では,根拠の明確さなどを,第2学年では,表現の工夫とその効果などを,第3学年では,論理の展開などを示している。
考えの形成記述
推敲
共有
※「交流」→「共有」となったことについて「交流」は活動,「共有」は資質・能力であり,学習過程の明確化により分け方が異なる。
解説P.32~35参照
○文章の内容に関する内容
○文章の形式に関する内容
ポイント7-④
(1) 読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。ア 文章の中心的な部分と付加的な部分,事実と意見との関係などについて
叙述を基に捉え,要旨を把握すること。イ 場面の展開や登場人物の相互関係,心情の変化などについて,描写を基
に捉えること。ウ 目的に応じて必要な情報に着目して要約したり,場面と場面,場面と描
写などを結び付けたりして,内容を解釈すること。エ 文章の構成や展開,表現の効果について,根拠を明確にして考えること。オ 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えを確かなものにする
こと。(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導する
ものとする。ア 説明や記録などの文章を読み,理解したことや考えたことを報告したり
文章にまとめたりする活動。イ 小説や随筆などを読み,考えたことなどを記録したり伝え合ったりする
活動。ウ 学校図書館などを利用し,多様な情報を得て,考えたことなどを報告し
たり資料にまとめたりする活動。
〔思考力,判断力,表現力等〕 C 読むこと
構造と内容の把握
精査・解釈
例:第1学年 解説P.67
○「精査・ 解釈」については, 文章の内容に関する内容と, 文章の形式に関する内容とに分けて示している 。
○これまでの「文章の解釈」の項目を, 「構造と内容の把握」と「精査・ 解釈」の項目に分けて位置付けている 。
考えの形成共有
従来の「文章の解釈」
解説P.36~39参照
ポイント8
(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。
イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。
(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。
オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。
例:第1学年例えば,第1学年の指導では
○各学年において,国語科の学習が読書活動に結び付くように「読書」に関する事項を位置付ける
○小5,6学年との接続を意図して,「共通語と方言の果たす役割について理解すること」を第1学年に移行
伝統的な言語文化
書写
言葉の由来や変化
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点(2)学習内容の改善 ④我が国の言語文化に関する指導の改善・充実
解説P.24~26,49~53,82~85,109~113
第2章 第2節 国語科の内容(3)我が国の言語文化に関する
事項○伝統的な言語文化○言葉の由来や変化○書写○読書
読書
我が国の言語文化に関する事項
○伝統的な言語文化 ○言葉の由来や変化○書写 ○読書
伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項
○伝統的な言語文化に関する事項○言葉の特徴やきまりに関する事項○文字に関する事項
ポイント9
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点 (3)学習の系統性の重視
国語科の指導内容は,系続的・段階的に上の学年につながっていくとともに,螺旋的・反復的に繰り返しながら学習し,資質・能力の定着を図ることを基本としている。
このため,小・中学校を通じて,〔知識及び技能〕の指導事項及び〔思考力,判断力, 表現力等〕の指導事項と言語活動例のそれぞれにおいて,重点を置くべき指導内容を明確にし,その系統化を図った。
それぞれの指導事項ごとに
指導事項
前後の学年とのつながり
文言の解説指導の具体的なイメージ
解説 P.46参照
解説P.9
ポイント10
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点 (4)授業改善のための言語活動の創意工夫
解説P.10,54~73,86~102,114~130
言語活動を適切に位置付けた学校の割合は,小学校,中学校ともに90%程度となっており,言語活動の充実を踏まえた授業改善が図られている。
しかし,依然として教材への依存度が高いとの指摘もあり,更なる授業改善が求められる。解説P.6
ア 本や資料から文章や図表などを引用して説明したり記録したりするなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。
イ 行事の案内や報告の文章を書くなど,伝えるべきことを整理して書く活動。
ウ 詩を創作したり随筆を書いたりするなど,感じたことや考えたことを書く活動。
○言語活動例を言語活動の種類ごとにまとめた形で示している。
○⑵に示している言語活動例を参考に, 生徒の発達や学習の状況に応じて設定した言語活動を通して, 指導事項を指導すること
○育成を目指す資質・ 能力を明確にし, 生徒や学校の実態に応じて言語活動を設定することが大切
ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。
イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。
ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。
ア 関心のある事柄について批評するなど,自分の考えを書く活動。
イ 情報を編集して文章にまとめるなど,伝えたいことを整理して書く活動。
例えば, 「B書くこと」の言語活動例は, 各学年ともアは説明的な文章を書く活動, イは実用的な文章を書く活動, ウは文学的な文章を書く活動を例示している。
ポイント11
Ⅱ 改訂の概要2 改訂の趣旨及び要点 (5)読書指導の改善・充実
解説P.10,134~135
(6) 第2の第1学年及び第3学年の内容の〔知識及び技能〕の(3)のオ,第2学年の内容の〔知識及び技能〕の(3)のエ,各学年の
内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」に関する指導については,様々な文章を読んで,自分の表現に役立てられるようにするとともに,他教科等における読書の指導や学校図書館における指導との関連を考えて行うこと。
新学習指導要領P.38
国語科の学習が読書活動に結び付くよう〔知識及び技能〕に「読書」に関する指導事項を位置付ける
「読むこと」の領域では, 学校図書館などを
利用して様々な本などから情報を得て活用する言語活動例を示す
これらの学習が生徒の読書意欲を高め, 生徒が様々な文章を読んで, 自分の表現に役立てられるようになるよう配慮
⑶我が国の言語文化に関する事項第1・3学年 オ/第2学年 エ
解説P.25,26参照
「読むこと」の言語活動例第1~3学年 ウ
解説P.71,72参照
国語科における読書の指導は,国語科以外の,学校の教育活動全体における読書の指導との密接な連携を図っていく必要がある
ポイント12
Ⅱ 改訂の概要3 配慮事項・告示文「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」(「解説国語編」第4章)の内容に
関すること・これまでの指導と大きく異なるところではない
学習指導要領P.38~40,解説P.131~143
1 指導計画作成上の配慮事項○主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項・・・①○弾力的な指導に関する配慮事項○〔知識及び技能〕に関する配慮事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・②○「A話すこと・聞くこと」に関する配慮事項○「書くこと」に関する配慮事項○「読書」及び「読むこと」に関する配慮事項○他教科等との関連についての配慮事項○障害のある生徒への配慮についての事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・③○道徳科などとの関連についての配慮事項
2 内容の取扱いについての配慮事項○〔知識及び技能〕に示す事項の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・②○情報機器の活用に関する事項○学校図書館などの活用に関する事項
3 教材についての配慮事項
ポイント12-②
①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項中教審答申-補足資料-より
「主体的な学び」の実現に向けて,子供自身が目的や必要性を意識して取り組める学習となるよう,学習の見通しを立てたり振り返ったりする学習場面を計画的に設けること,子供たちの学ぶ意欲が高まるよう,実社会や実生活との関わりを重視した学習課題として,子供たちに身近な話題や現代の社会問題を取り上げたり自己の在り方生き方に関わる話題を設定したりすることなどが考えられる。特に,学習を振り返る際,子供自身が自分の学びや変容を見取り,自分の学びを自覚することができ,説明したり評価したりすることができるようになることが重要である。
ポイント12-③
①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項
主体的な学びの視点
対話的な学びの視点
「対話的な学び」の実現に向けて,例えば,子供同士,子供と教職員,子供と地域の人が,互いの知見や考えを伝え合ったり議論したり協働したりすることや,本を通して作者の考えに触れ自分の考えに生かすことなどを通して,互いの知見や考えを広げたり,深めたり,高めたりする言語活動を行う学習場面を計画的に設けることなどが考えられる。
深い学びの視点
「深い学び」の実現に向けて,「言葉による見方・考え方」を働かせ,言葉で理解したり表現したりしながら自分の思いや考えを広げ深める学習活動を設けることなどが考えられる。その際,子供自身が自分の思考の過程をたどり,自分が理解したり表現したりした言葉を,創造的・論理的思考の側面,感性・情緒の側面,他者とのコミュニケーションの側面からどのように捉えたのか問い直して,理解し直したり表現し直したりしながら思いや考えを深めることが重要であり,特に,思考を深めたり活性化させたりしていくための語彙を豊かにすることなどが重要である。
中教審答申-補足資料-より
ポイント12-④
単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。
その際,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること。
学習指導要領P.37,38
単元など内容や時間のまとまりを見通しながら,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことが重要
これまで取り組まれてきた実践を否定し,全く異なる指導方法を導入しなければならないと捉えるのではなく,生徒や学校の実態,指導の内容に応じ,「主体的な学び」,「対話的な学び」,「深い学び」の視点から授業改善を図ることが重要
主体的・対話的で深い学びは,必ずしも1単位時間の授業の中で全てが実現されるものではない。例えば,
◎自身の学びや変容を自覚できる場面◎自分の考えなどを広げたり深めたりする場面◎生徒が考える場面と教師が教える場面
をどう設定するかいった視点での授業改善が求められる
学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」を,習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて,より質の高い深い学びにつなげることが重要
解説P.131,132参照
①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項
ポイント12-⑤
①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項
県教育委員会HPより
ポイント12-⑥
①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項
県教育委員会HPより
ポイント12-⑦
②〔知識及び技能〕に関する配慮事項/〔知識及び技能〕に示す事項の取扱い
○〔知識及び技能〕は〔思考力,判断力,表現力等〕の指導を通して行うことを基本
○指導の効果を高めるため,特定の事項を取り上げて繰り返し指導したり,まとめて単元化して扱ったりすることも可
○言葉の特徴やきまりなどについて,ある程度まとまった「知識及び技能」を習得させるような指導も可
○〔知識及び技能〕に関する配慮事項
(3) 第2の各学年の内容の〔知識及び技能〕に
示す事項については,〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導することを基本とし,必要に応じて,特定の事項だけを取り上げて指導したり,それらをまとめて指導したりするなど,指導の効果を高めるよう工夫すること。
○〔知識及び技能〕に示す事項の取扱い
第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。⑴〔知識及び技能〕に示す事項については,次
のとおり取り扱うこと。ア 日常の言語活動を振り返ることなどを通し
て,生徒が,実際に話したり聞いたり書いたり読んだりする場面を意識できるよう指導を工夫すること。
○〔知識及び技能〕は個別の事実的な知識や,一定の手順や段階を追って身に付く技能のみを指すものではない
○実際に話したり聞いたり書いたり読んだりする場面において,習得することが求められる。
○指導に当たっては,生徒が,日常の言語活動の中にある言葉の特徴やきまりなどに気付くことや,学習したことを日常の話したり聞いたり書いたり読んだりする場面に生かすことを意識しながら学習できるようにすることが重要である。
解説P.133,138参照
ポイント12-⑧
③障がいのある生徒等への配慮についての事項
○障害のある生徒への配慮についての事項
(8) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
障害のある生徒などの指導に当たっては,個々の生徒によって,見えにくさ 聞こえにくさ 道具の操作の困難さ移動上の制約 健康面や安全面での制約発音のしにくさ 心理的な不安定人間関係形成の困難さ読み書きや計算等の困難さ
注意の集中を持続することが苦手であることなど学習活動を行う場合に生じる困難さが異なることに留意し,個々の生徒の困難さに応じた指導内容や指導方法を工夫することを,各教科等において示している。
・他者の感情を理解するのが困難な場合→例えば
○同年代の主人公の物語などを取り上げる○心情の変化を視覚的に分かるように示して
から言葉で表現させる・一定量の文字を書くことが困難な場合→例えば
○手書きだけではなくICT機器を使って文章を書くことができるようにする
・声を出して発表することに困難がある場合→例えば
○紙やホワイトボード,ICT機器を活用して発表するなど,多様な表現方法が選択できるようにする
※学校においては,こうした点を踏まえ,個別の指導計画を作成し,必要な配慮を記載し,他教科等の担任と共有したり,翌年度の担任等に引き継いだりすることが必要
国語科の場合
解説P.135~137を参照
中学校
বୁ
困 難●比較的長い文章を書くなど,一定量の文字を書くことが困難
意 図○文字を書く負担を軽減する。
配慮例・手書きだけではなくICT機器を使って文章を書くことができるようにする。
困 難●自分の立場以外の視点で考えたり他者の感情を理解したりするのが困難
意 図○生徒が身近に感じられる文章(例えば,同年代の主人公の物語など)を取り上げる。○文章に表れている心情やその変化等が分かるようにする。
配慮例・行動の描写や会話文に含まれている気持ちがよく伝わってくる語句等に気付かせる。・心情の移り変わりが分かる文章の中のキーワードを示す。・心情の変化を図や矢印などで視覚的に分かるように示してから言葉で表現させたりする。
困 難●声を出して発表することに困難がある場合や人前で話すことへの不安を抱いている場合
意 図○多様な表現方法が選択できるように工夫し,自分の考えを表すことに対する自信がもてるような配慮をする。
配慮例・紙やホワイトボードに書いたものを提示する。・ICT機器を活用したりして発表する。
新学習指導要領解説(国語科における障がいのある生徒への配慮)
ポイント12-⑨
③障がいのある生徒等への配慮についての事項
各教科における評価の基本構造
・観点別学習状況の評価や評定には示しきれない児童生徒一人一人のよい点や可能性,進歩の状況について評価するもの。
個人内評価
・観点ごとに評価し、生徒の学習状況を分析的に捉えるもの・観点ごとにABCの3段階で評価
評 定
・観点別学習状況の評価の結果を総括するもの。・5段階で評価(小学校は3段階。小学校低学年は行わない)
・各教科における評価は、学習指導要領に示す各教科の目標や内容に照らして学習状況を評価するもの(目標準拠評価)・したがって、目標準拠評価は、集団内での相対的な位置付けを評価するいわゆる相対評価とは異なる。
知識及び技能 思考力、判断力、表現力等
学びに向かう力、人間性等
学習指導要領に示す目標や内容
知識・技能 思考・判断・表現
観点別学習状況評価の各観点
主体的に学習に取り組む態度
感性、思いやりなど
ポイント13 「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(H31.1.21)中教審初等中等教育分科会教育課程部会 参照
ポイント13-② 「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(H31.3.29 文部科学省) 参照
「各教科等・各学年等の評価の観点等及びその趣旨」(別紙4)参照
〈中学校 国語〉
観点 知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度
趣旨
社会生活に必要な国語について、その特質を理解し適切に使っている。
「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の各領域において、社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりしている。
言葉を通じて積極的に人と関わったり、思いや考えを深めたりしながら、言葉がもつ価値を認識しようとしているとともに、言語感覚を豊かにし、言葉を適切に使おうとしている。
第1学年
社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けているとともに、我が国の言語文化に親しんだり理解したりしている。
「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の各領域において、筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い、日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを確かなものにしている。
言葉を通じて積極的に人と関わったり、思いや考えを確かなものにしたりしながら、言葉がもつ価値に気付こうとしているとともに、進んで読書をし、言葉を適切に使おうとしている。
第2学年
社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けているとともに、我が国の言語文化に親しんだり理解したりしている。
「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の各領域において、論理的に考える力や共感したり想像したりする力を養い、社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりしている。
言葉を通じて積極的に人と関わったり、思いや考えを広げたり深めたりしながら、言葉がもつ価値を認識しようとしているとともに、読書を生活に役立て、言葉を適切に使おうとしている。
第3学年
社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けているとともに、我が国の言語文化に親しんだり理解したりしている。
「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の各領域において、論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を養い、社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりしている。
言葉を通じて積極的に人と関わったり、思いや考えを広げたり深めたりしながら、言葉がもつ価値を認識しようとしているとともに、読書を通して自己を向上させ、言葉を適切に使おうとしている。
・平成 31 年度の第1学年,平成 32 年度の第1・2学年で学習する漢字に追加【都道府県名に用いる漢字の読みと書き】
茨,媛,岡,潟,岐,熊,香,佐,埼,崎,滋,鹿,縄,井,沖,栃,奈,梨,阪,阜(20字)・平成 32 年度の第1学年に「共通語と方言の果たす役割について理解すること」を加えて
指導する。
新小学校学習指導要領により小学校等で新たに学習することとなる漢字を必ず取り扱うこととしたこと。また,新中学校学習指導要領に定める内容の一部を追加したこと。
(1)現行中学校学習指導要領〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕○平成31・32年度 第1学年「漢字を読む/漢字を書き,文や文章の中で使う」○平成32年度 第2学年「漢字を書き,文や文章の中で使う」
「茨,媛,岡,潟,岐,熊,香,佐,埼,崎,滋,鹿,縄,井,沖,栃,奈,梨,阪,阜」を取り扱う。
(2)現行中学校学習指導要領〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕○平成32年度 第1学年(1)イに規定する事項に,「新中学校学習指導要領」第1学年
〔知識及び技能〕(3)ウに規定する事項(=「共通語と方言の果たす役割について理解すること」)を加える。
中学校国語 の移行措置
ポイント13-③
※移行期間中の指導に当たっては,上記の事項以外にも今回の改訂の趣旨を生かした指導となるよう配慮する必要がある。
中学校国語 の授業を構想するポイント
① 指導事項(資質・能力)を設定
② ①を指導する上で,適切な言語活動を設定
③ ①の内容について,適切に評価する
→当該単元で付けたい力を明確にする
→設定した言語活動は,児童生徒に①を指導する上でどのような効果を果たすのかを考える
プラス1の工夫(創意工夫)
→①の内容が,児童生徒に身に付いたかどうかをどのように判断し,評価するかを具体的に考える
文部科学省杉本直美調査官の説明資料より
おわりに
参考にしたい
資料