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漁業共済制度の概要 第5回漁業共済制度に関する意見交換会 平成19年12月 参考資料

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漁業共済制度の概要

第5回漁業共済制度に関する意見交換会

平成19年12月

参考資料

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漁船漁業、定置漁業及び一部の採貝採藻業を対象とし、不漁等を原因と漁 獲 共 済

する漁獲金額の減少(PQの減)による損失(経費相当分)を補償

【収穫高保険方式、いわゆるPQ保険方式】

一部の魚類・貝類養殖業を対象とし、養殖水産動植物の死亡、流失等養 殖 共 済

(Qの減)による損害(経費相当分)を補償

【物損保険方式】

のりやほたて等の政令で定める、特定の藻類・貝類養殖業を対象とし、特 定 養 殖 共 済

品質低下等を原因とする生産金額の減少(PQの減)による損失(経費

相当分)を補償

※ 人為的要因による減収を排除するため、生産数量が一定量に達しない場合

に限る。

【収穫高保険方式、いわゆるPQ保険方式】

養殖施設又は定置網等の漁具を対象とし、その供用中の損壊等による損漁 業 施 設 共 済

害を補償

【物損保険方式】

このほか、各漁業共済組合が独自に行うことができる地域共済がある(政府保険の対象外)※

被共済者の共済責任期間中の生産金額(PQ)が、過去の生産実績等をも※ …「収穫高保険方式」

とに定められる補償水準に達しない場合に、減収分のうち経費相当分を補

償する保険方式(価格下落による損失も補償対象)

被共済者が損害を被った数量(Q)に、単位当たり共済価額を乗じて得た※ ……「物損保険方式」

金額を補償する保険方式

漁業災害補償制度は、漁獲金額が不漁等により減少した場合の損失など、中小漁業者が

異常の事象又は不慮の事故によって受けることのある損失を補てんすることにより、漁業

再生産の確保と漁業経営の安定に資することを目的としている。

○漁業災害補償法(昭和39年法律第158号)(定義)

第三条 この法律において「中小漁業者」とは、次に掲げる者をいう。

一 漁業を営む個人

二 漁業を営む漁業協同組合

三 漁業生産組合

四 漁業を営む法人(前二号に掲げる者を除く。)であつて、その常時使用する従業者の数が

三百人以下であり、かつ、その使用する漁船(漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第

二条第一項に規定する漁船をいう。以下同じ。)の合計総トン数が三千トン以下であるもの

漁業災害補償制度の目的

漁業共済の内容

○ 漁業災害補償制度の仕組み

全 国 漁 業 共 済 組 合 連 合 会 ( 全 国 1 団 体)

漁 業 共 済 組 合 ( 3 3 組 合 )

漁 業 者

掛金助成

共済関係

再共済関係

保険関係保険料

再共済掛金

共済掛金

保険金

共済金

再共済金

○ 漁業災害補償制度の位置付け(1)共済事業

漁業者の被る損害を、国が直接に救済するのではなく、中小漁業者の相互救済に基づき、保険の仕組みを活用して、漁業者の負担によって補てんを行う「共済事業」

(2)政策保険漁業の振興という国の政策を推進するための手段として、

① 制度の安定化という観点から、制度の最終的な担保としての国による保険事業② 小規模漁業者の負担の軽減と加入促進の観点から、共済掛金への国庫補助などが行われており、国が強く関与する「政策保険」

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第 1 号 漁 業採貝・採藻業(あわび、わかめ、

こんぶ、てんぐさ)漁 獲 共 済

不漁等により漁獲金額が減少した場 第 2 号 漁 業漁船漁業(捕鯨業を除く)及び定置漁業合の損失を補償

(収穫高保険方式)

か き 養 殖 業1 ・ 2 年 貝 真 珠 養 殖 業1 ~ 3 年 魚 は ま ち 養 殖 業1 ~ 3 年 魚 た い 養 殖 業ぎ ん ざ け 養 殖 業ふ ぐ 養 殖 業養 殖 共 済1~3年魚かんぱち養殖業

養殖水産動植物の死亡、流失等によ ひ ら め 養 殖 業る損害を補償 1 ・ 2 年 魚 す ず き 養 殖 業

2・3年魚ひらまさ養殖業(物損保険方式)ま あ じ 養 殖 業1・2年魚しまあじ養殖業

のり等(のり・もずく)養殖業わ か め 養 殖 業こ ん ぶ 養 殖 業特 定 養 殖 共 済真 珠 母 貝 養 殖 業

品質低下等により生産金額が減少した ほ た て 貝 養 殖 業場合の損失を補償 特 定 か き 養 殖 業

(収穫高保険方式)

浮 流 し 式 養 殖 施 設は え 縄 式 養 殖 施 設い か だ漁 業 施 設 共 済網 い け す

養殖施設又は漁具の供用中の損壊等 定 置 網による損害を補償 ま き 網

(物損保険方式)

(参考)漁業共済の種類

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(単位:百万円、億円)共済組合(元受) 漁済連 (再共済) 政府特別会計(保険) 政府特別会計単 年 度 累 計 単 年 度 累 計 単 年 度 累 計 (保険)保険金

39 -2 -2 -55 -55 - - 財源不足繰入40 -37 -39 -289 -343 - - 財 源41 -16 -55 -170 -513 - - 不足額 繰入額42 -17 -72 -139 -652 0 0 043 -54 -126 -266 -918 -30 -30 044 26 -100 -146 -1,065 -376 -405 -445 63 -37 14 -1,051 -6 -412 0 446 -4 -41 98 -952 112 -300 147 -27 -67 -619 -1,571 -6 -306 0 -148 28 -40 -226 -1,797 381 74 449 -16 -56 -595 -2,392 -12 63 1 -350 16 -39 -202 -2,594 444 506 551 3 -36 -1,141 -3,735 868 1,375 1452 -186 -222 -2,058 -5,793 -746 629 653 -678 -900 -3,939 -9,731 -7,249 -6,620 -6654 -546 -1,446 -1,601 -11,332 -3,266 -9,887 0 9955 -411 -1,858 -1,564 -12,897 -2,051 -11,938 -2156 -324 -2,182 -3,497 -16,393 228 -11,710 -1957 -279 -2,461 -2,480 -18,873 1,259 -10,451 -658 -325 -2,786 -1,172 -20,045 413 -10,037 -259 -461 -3,247 -837 -20,882 -1,660 -11,698 -1860 -334 -3,581 113 -20,769 -2,417 -14,115 -4261 -268 -3,849 632 -20,137 -1,010 -15,126 -5262 119 -3,730 1,702 -18,435 -807 -15,932 0 6163 539 -3,191 2,770 -15,665 1,776 -14,156 18元 411 -2,781 1,728 -13,937 1,277 -12,879 13 -182 332 -2,449 673 -13,264 -143 -13,022 -1 -133 -15 -2,464 182 -13,083 -1,898 -14,920 -204 -139 -2,604 -389 -13,472 -1,130 -16,050 -325 -78 -2,682 1,809 -11,663 -3,558 -19,608 -676 -418 -3,100 -885 -12,547 -2,460 -22,067 0 927 -140 -3,241 643 -11,904 -2,867 -24,934 -298 77 -3,164 -428 -12,333 1,185 -23,749 -179 510 -2,653 2,896 -9,437 675 -23,075 -1010 -183 -2,837 -1,643 -11,080 -1,209 -24,283 -2211 -205 -3,041 -34 -11,114 -1,700 -25,983 -3912 82 -2,959 735 -10,379 -1,922 -27,905 -5813 144 -2,815 1,186 -9,194 -380 -28,285 -6214 65 -2,750 -498 -9,692 -607 -28,892 -6815 31 -2,719 -176 -9,867 -1,617 -30,509 -8416 8 -2,712 -43 -9,910 -2,174 -32,683 -10617 552 -2,160 1,872 -8,038 306 -32,376 -10318 673 -1,486 2,393 -5,645 1,502 -30,875 -88

(注)管理部門の収支は除く。

○漁業共済の段階別収支状況

○ 漁業共済事業の収支状況

① 単年度収支(フロー)の動き・ 漁業共済は、保険技術を活用している以上、一定期間の中で、収支の均衡が確保され

ることが前提となっている。

・ 現実の漁業共済の収支の状況をみると、単年度収支の赤字基調が続いてきた。

・ 収支の健全化に向けた、14年度の制度改正や18年度の料率改定での取組に加え、自然災害が比較的少なかったことなどもあり、全段階において、17年度、18年度と2年連続で、単年度黒字を計上する見込みである。

② 累積赤字(ストック)の動き・ これまで単年度収支の赤字基調が続いてきたため、17年度、18年度の単年度黒字

で改善したものの、平成18年度段階で、制度全体で約380億円、うち漁業共済団体が約71億円、特別会計が約309億円の累積赤字を計上する見込みである。

・ とくに、特別会計の累積赤字については、約220億円は数次の一般会計からの繰入れによって財源的には手当されているが(累積黒字になった段階で償還することとされている。)、昨今の厳しい財政状況の中、残りの約88億円は漁業共済団体へ未払いの状態にある。

・ この未払いに伴い、全国漁業共済組合連合会は、当面事業運営のために必要とする額(平成18年度末で約74億円)を、漁業災害補償法に基づき、独立行政法人農林漁業信用基金から借り入れることによって当面の手当をしている。

なお、農林漁業信用基金からの借入れから生じる利子については、国の未払いに起因するものであるため、漁業共済再共済金支払資金借入金利子交付金として、16年度から毎年度、一般会計から全国漁業共済組合連合会へ交付している(平成19年概算決定額 146百万円)。

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○漁業共済の加入率(平成17年度)

○漁業共済の加入率推移

○ 漁業共済の加入状況

・ 特定養殖共済の加入率が比較的高いものの、養殖共済や漁獲共済はまだ低い状況にある。

・ 経年的な動きをみると、漁業経営の環境が悪化し、経営体の減少や高齢化など漁業の生産構造の変化が進む中でも、漁業共済の加入率は徐々にではあるが上がってきており、直近のデータで、漁獲共済、特定養殖共済、養殖共済の主要3共済の加入率が約50%になったところである。

分母 契約実績 加入率

百万円 百万円 %

 採貝・採藻業 24,517 16,306 66.5  分母:全共済限度額

 2号漁業 796,972 375,179 47.1  契約実績:加入実績共済限度額

 まき網・敷網漁業 149,052 78,486 52.7

 ひき網漁業 233,632 114,492 49.0

 その他漁船漁業 316,494 109,384 34.6

 定置漁業 97,794 72,817 74.5

821,489 391,485 47.7

 かき 11,469 10,614 92.5  分母:全共済価額

 真珠 35,518 4,803 13.5  契約実績:加入実績共済価額

 はまち 94,832 56,956 60.1

 たい 78,825 26,537 33.7

 ぎんざけ 5,882 5,882 100.0

 ふぐ 16,361 3,158 19.3

 かんぱち 55,502 33,335 60.1

 ひらめ 4,137 133 3.2

 ひらまさ 4,107 956 23.3

 すずき 1,748 132 7.6

 まあじ 1,189 205 17.3

 しまあじ 8,030 1,674 20.8

317,600 144,386 45.5

 のり等 82,067 80,764 98.4  分母:全共済限度額

 わかめ 8,071 4,037 50.0  契約実績:加入実績共済限度額

 こんぶ 6,617 6,617 100.0

 真珠母貝 1,042 38 3.7

 ほたて貝 32,248 11,210 34.8

 特定かき 10,530 5,782 54.9

140,577 108,448 77.1

統 件 %

 浮き流し式養殖 97,769 6,343 6.5  分母:経営体数

 はえ縄式養殖 146,090 18,921 13.0  契約実績:加入実績件数

 いかだ 26,327 9,134 34.7

 網いけす 16,625 437 2.6

 定置網 9,693 284 2.9

 まき網 275 23 8.4

296,779 35,142 11.8

1,279,666 644,319 50.4

注)

3共済の合計

・ 契約実績は,平成19年3月末現在のものである。・ 養殖共済の分母のうち、平成14年度の制度改正によって新たに追加された魚種である、  1,2年魚すずき、2,3年魚ひらまさ、まあじ、1,2年魚しまあじは、全国漁業共済組合連合会  の調べである。・ 漁業施設共済の分母は、全国漁業共済組合連合会の調べである。・ 3共済の合計は、漁獲共済、養殖共済、特定養殖共済の合計である。

特定養殖共済

小計

漁業施設共済

小計

漁獲共済

小計

養殖共済

小計

保険区分平成17年度

備考

年度

共済種類

漁獲共済 5.6 16.4 24.4 27.0 30.1 47.1 47.7 48.7 46.6 49.7 47.7

養殖共済 11.7 33.2 28.0 26.9 30.9 33.1 32.1 29.7 37.3 39.2 45.5

特定養殖共済 ― ― ― 83.4 57.2 63.1 74.2 72.7 70.5 76.7 77.1

上記3共済の平均 6.5 18.3 25.2 30.3 32.6 45.4 46.3 46.5 47.0 49.9 50.4

漁具共済 8.8 13.1 6.5 3.1 4.6 4.6 4.6 ― ― ― ―

漁業施設共済 ― ― ― ― ― ― ― 5.7 10.0 8.5 11.8

H16 H17H12 H13 H14 H15

(単位:%)

S40 S50 S60 H2 H7

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○ 漁業共済団体(1)漁業共済組合

① 中小漁業者の協同組織(漁協及び連合会)を基盤とする系統団体として位置付け。漁協及び連合会を組合員として構成。

② 都道府県単位を基本に設立。沿海39都道府県をカバー。※ 秋田県、山形県、京都府、鳥取県、島根県、山口県、大分県の7県については、平成18

年10月に合併(全国合同漁業共済組合)。

(2)漁業共済組合連合会漁業共済組合を組合員として、全国を区域として設立(全国漁業共済組合連合会)。

○ 独立行政法人農林漁業信用基金漁業共済団体が共済金又は再共済金の支払のために必要な資金を円滑に調達できるよ

う、独立行政法人農林漁業信用基金が漁業共済団体に対して支払資金の貸付等を行っている。

(機 構 図)

保険事務費政 府 政 府

( 特 別 会 計 ) ( 一 般 会 計 )共済掛金の一部補助見合繰入 事

保 保 出 務険 険 各種事業費補助 費金 料 資 補

助・

出 資 独立行政法人 各共 全国漁業共済組合連合会 農林漁業信用基金(東京) 種済 (東 京) 漁業災害補償関係業務に係 事掛 貸 付 る出資金総額58.2億円 業金 平成18年3月末 費の 再 再 出 補一 共 共 出 助部 済 済 資 出 資補 金 掛 資助 金

貸 付漁 業 共 済 組 合

(沿海39都道府県) 都 道 府 県指導・助成

共 共済 済金 掛 出 資 漁業協同組合連合会

金 漁 業 協 同 組 合

漁 業 者赤潮特約共済掛金の一部補助

漁業災害補償制度の関係組織

○ 漁業災害補償制度の仕組み

全 国 漁 業 共 済 組 合 連 合 会 ( 全 国 1 団 体)

漁 業 共 済 組 合 ( 3 3 組 合 )

漁 業 者

掛金助成

共済関係

再共済関係

保険関係保険料

再共済掛金

共済掛金

保険金

共済金

再共済金

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○ 漁業共済団体の合併の推進

① 合併推進の趣旨漁業共済事業の前提となる我が国漁業の生産構造が漁業就業者数の減少や高齢化など

急速に脆弱化していることへ対応するとともに、1県1漁協といった漁協の合併促進の中で、漁協及びその連合会を構成員とする漁業共済組合の適切な運営を確保していくために、漁業共済組合同士での広域合併が必要となっている。

(1)我が国漁業の生産構造の変化への対応○ 経営基盤の強化

漁業共済組合の区域を広域化することにより、一層の危険分散を図り、事業収支の安定を図る。

○ 運営コストの削減とサービス向上管理業務の一括処理により、組織の運営コストの削減に努めるとともに、本来の業

務に経営資源を集中し、漁業者へのサービスの向上を図る。

(2)漁協合併への対応漁業共済組合の構成員たる漁協及びその連合会の数を確保し、漁業共済組合の事業

及び組織の運営における適切性の確保を図る。

② 具体的な取組(1)これまでの取組

秋田県、山形県、京都府、鳥取県、島根県、山口県、大分県の7県の漁業共済組合が解散し、平成18年10月に新設合併を行った(全国合同漁業共済組合)。

○組合員数 29組合員(県漁協6、その他漁協20、漁連1、信連2)○共済金額 297億円(全国2位)

(2)今後の取組予定平成19年4月、「全国合同漁業共済組合」に「組織再編推進委員会」を設け、全

国合同漁業共済組合を柱とした次なる合併に向けて、関係15共済組合とともに事務レベルでの協議を開始している。

※ 第1次合併検討組合(平成20年10月合併目標): 福島、茨城

第2次合併検討組合(平成21年10月合併目標): 新潟、石川、富山、福井、東京、神奈

川、静岡、愛知、大阪、和歌山、岡山、

高知、沖縄

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第3

水産に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策

国際競争力のある経営体の育成・確保と活力ある漁業就業構造の確立

(4)漁業保険制度の適切な運用漁業災害による損失の合理的な補てんが行われるよう、漁業共済制度、漁船保険制度

等の適切な運用を行う。特に、収穫高保険方式による支払等を通じ漁業経営の安定に貢献

している漁業共済制度については、漁業者のニーズにより的確に対応する共済商品の開発

等による加入促進や事業の効率性の向上を通じて事業収支の更なる改善を図り、事業経営

の健全性を確保する。その際、加入促進を図る観点から、各施策の目的との整合性に十分

留意した上で、融資を含む各施策の実施に当たり、漁業共済制度への加入を位置付けるこ

とを検討する。

新たな水産基本計画と水産基本計画工程表

水産基本計画(平成19年3月20日閣議決定)

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項目 平成19年度(2007年度)

平成20年度(2008年度)

平成21年度(2009年度)

平成22年度(2010年度)

平成23年度~(2011年度)

漁協系統等による行動

計画の策定・公表を促

進(資材費低減に向け

た取組を促進)

進捗状況、取組効果等の自己点検・分析

を実施(必要に応じ、

取組事項の見直し・

行動計画の改定)

行動計画に基づく取組の実施、

取組状況の公表を促進

(24年度)行動計画の評価・今後

の取組方向の検討

燃油価格高騰対策を推進・流通の効率化による燃油供給コストの縮減・燃料効率が高い設備の導入による省エネ型漁業への転換

(反映)

(4) 漁業保険制度の適切な運用

水産関係者等との意見交換の場の積極的な設定等を通じ、現場のニーズに即して運営・漁業共済制度について、加入率の向上等を通じた事業収支の更なる改善、漁業共済組合の合併の促進などにより、事業経営の健全性を確保

・漁船保険制度について、事故率・損害率の更なる低減、漁船保険組合の合併の促進などにより、事業経営の健全性を確保

融資等の実施に当たり

漁業共済加入を位置付

けることについて検討

可能なものから順次実施

標準船型の導入等による漁業収益に応じた船価の実現を図るための建造手法の確立

確立された建造手法に基づく漁船の導入を促進

水産基本計画工程表(平成19年3月20日新水産政策推進本部決定)

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漁業保険事業に関する検討会決定

第1

漁業共済団体の知見や組織を活用した新しい漁業経営安定対策の導入に向けて

5 その他

本検討会での中心的な議論は新しい漁業経営安定対策についてであったが、新対策

の実施動向などを踏まえながら、現行の漁業共済制度についても漁業者にとってさらに魅力的なものとしていくという視点からの検討が引き続き重要。

漁業保険事業の検討に関するとりまとめ(平成19年3月19日漁業保険事業に関する検討会決定)

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-5-

財務省の平成18年度予算執行調査の反映状況(漁業共済掛金の国庫補助)

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それぞれの補てん対象部分

水産物の安定供給の担い手を目指して積極的かつ計画的に経営改善に取り組む漁業者を対象に、収入

の変動による影響を緩和し、経営改善の取組を支える経営安定対策を平成20年度を目途に導入。

漁業共済団体の知見や組織を活用した実効性の高い仕組みの構築に向けて検討。

新対策発動ライン

漁業共済発動ライン

減収

基準収入

収入ゼロ

現行の漁業共済制度で補てん可能な部分

新対策による補てん部分

積立方式漁業者自身の積立て(個人別管理)を原資(漁業者の拠出が掛捨てとならない)

保険方式漁業者が拠出した保険料(全体でプール管理)を原資

(積立方式)

(保険方式)

経営安定対策と現行の漁業共済制度の関係

漁業経営は、不安定性が大きく、このことが経営改善

を行う際の阻害要因

現行の漁業共済制度の経営安定機能に加えて、新し

い経営安定対策により、安定供給の担い手を目指す

漁業者が経営改善に積極的に取り組める環境を整備

経営改善に必要な資金を金融機関から受けやすく

なるとともに、後継者等の確保にも効果があるもの

と期待

自己リスク部分の設定新対策に依存するモラルハザードを抑制

漁業者の収入変動イメージ

新しい漁業経営安定対策の導入の検討