44
-43 . 遺伝毒性 (1)細菌を用いた復帰突然変異試験 ニ-10Salmonella typhimurium TA98TA100TA1535TA1537 および Escherichia coli WP2uvrA 5 株を した。 PB-94 させる ラット S9 により せる し、いずれ プレインキュベーション った。 dimethyl sulfoxide DMSOした。 12す。 Salmonella typhimurium TA100 および Escherichia coli WP2uvrA い、 3136251,2502,500 および 5,000 µg/plate して った。 にかかわらず、 において、いずれ められ かった。 って、 において ガイドライン(R-3)に められている 5,000 µg/plate し、以 2 5 した。 13および 14す。そ にかかわらず、PB-94 3136251,2502,500 および 5,000 µg/plate において、 した 変異コロニー かった。これ する された 1516)、PB-94 いた 変異 において陰 ある した。 12 いた 変異 変異コロニー plateTA100 WP2uvrA µg/plateS9Mix (-) S9Mix (+) S9Mix (-) S9Mix (+) 1) 0 56 59 22 25 PB-94 313 53 51 21 26 625 46 49 19 22 1250 41 64 20 32 2500 47 58 26 27 5000 49 59 22 21 ENNG 2) 2 2532 3 877 2AA 3 ) 1 338 10 148 -: せず 1Dimethyl sulfoxide 2N-ethyl-N-nitro-N-nitrosoguanidine 32-aminoanthracene

遺伝毒性 - 医薬品医療機器総合機構試験はPB-94を直接暴露させる直接法とラット肝臓由来S9 画分存在下で暴露させる 代謝活性化法を行った。

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ニ-43

3. 遺伝毒性 (1)細菌を用いた復帰突然変異試験

(添付資料ニ-10)

試験には Salmonella typhimurium TA98、TA100、TA1535、TA1537および Escherichia coli WP2uvrAの

5菌株を使用した。PB-94を直接作用させる系とラット肝臓由来 S9画分により試験管内で代謝活性化さ

せる系を併用し、いずれもプレインキュベーション法で行った。溶媒には dimethyl sulfoxide (DMSO)

を使用した。予備試験の成績を表二-12に示す。予備試験は Salmonella typhimurium TA100 および

Escherichia coli WP2uvrAを用い、試験濃度を 313、625、1,250、2,500および 5,000 µg/plateとして行った。

その結果、試験管内代謝活性化の有無にかかわらず、全ての試験濃度において、いずれの菌株でも抗菌

性は認められなかった。従って、本試験においてはガイドライン(R-3)に定められている 5,000 µg/plate

を最高濃度とし、以下公比 2で 5段階の濃度を設定した。本試験の成績を表二-13および表二-14に示

す。その結果、試験管内代謝活性化の有無にかかわらず、PB-94の 313、625、1,250、2,500および 5,000

µg/plate の全ての試験濃度において、使用した試験菌株の復帰変異コロニー数は増加しなかった。これ

らの試験成績に関する再現性も確認されたので(表二-15、表二-16)、PB-94は細菌を用いた復帰突

然変異試験において陰性であると判断した。

表二-12 細菌を用いた復帰突然変異試験成績(予備試験)

復帰変異コロニー数/plate(平均値)

TA100 WP2uvrA

試験物質

試 験 濃 度

(µg/plate) S9Mix

(-)

S9Mix

(+)

S9Mix

(-)

S9Mix

(+)

溶媒対照 1) 0 56 59 22 25

PB-94 313 53 51 21 26

625 46 49 19 22

1250 41 64 20 32

2500 47 58 26 27

5000 49 59 22 21

陽性対照

ENNG2) 2 - - 2532 -

3 877 - - -

2AA3 ) 1 - 338 - -

10 - - - 148 -:実施せず 1)Dimethyl sulfoxide 2)N-ethyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine 3)2-aminoanthracene

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ニ-44

表二-13 細菌を用いた復帰突然変異試験成績(本試験、直接法)

試験物質 試験濃度 復帰変異コロニー数/plate(平均値)

(µg/plate) TA100 TA98 TA1535 TA1537 WP2uvrA

溶媒対照 1) 0 45 13 10 12 34

313 53 14 9 9 29

625 45 11 11 12 33

PB-94 1250 47 13 11 11 31

2500 47 14 9 7 29

5000 51 6 13 7 26

陽性対照

ENNG2) 2 - - - - 1678

3 565 - - - -

2NF3) 1 - 425 - - -

SA4) 0.5 - - 169 - -

ICR-191 1 - - - 2443 - -:実施せず 1)Dimethyl sulfoxide 2)N-ethyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine 3)2-nitrofluorene 4)sodium azide

表二-14 細菌を用いた復帰突然変異試験成績(本試験、代謝活性化法)

試験物質 試験濃度 復帰変異コロニー数/plate(平均値)

(µg/plate) TA100 TA98 TA1535 TA1537 WP2uvrA

溶媒対照 1) 0 53 21 9 20 34

313 44 14 10 20 33

625 55 19 9 15 30

PB-94 1250 49 18 14 17 29

2500 57 18 12 11 35

5000 51 24 10 15 29

陽性対照

2AA2) 0.5 - 87 - - -

1 351 - - - -

2 - - 123 83 -

10 - - - - 462 -:実施せず 1)Dimethyl sulfoxide 2)2-aminoanthracene

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ニ-45

表二-15 細菌を用いた復帰突然変異試験成績(再現性試験、直接法)

試験物質 試験濃度 復帰変異コロニー数/plate(平均値)

(µg/plate) TA100 TA98 TA1535 TA1537 WP2uvrA

溶媒対照 1) 0 57 17 20 11 30

313 47 15 24 9 19

625 44 15 25 6 22

PB-94 1250 51 12 26 10 26

2500 39 18 22 8 21

5000 45 16 20 6 29

陽性対照

ENNG2) 2 - - - - 2278

3 1097 - - - -

2NF3) 1 - 1362 - - -

SA4) 0.5 - - 165 - -

ICR-191 1 - - - 2975 - -:実施せず 1)Dimethyl sulfoxide 2)N-ethyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine 3)2-nitrofluorene 4)sodium azide

表二-16 細菌を用いた復帰突然変異試験成績(再現性試験、代謝活性化法)

試験物質 試験濃度 復帰変異コロニー数/plate(平均値)

(µg/plate) TA100 TA98 TA1535 TA1537 WP2uvrA

溶媒対照 1) 0 64 27 22 22 38

313 53 33 18 16 34

625 66 33 23 16 34

PB-94 1250 57 29 25 12 39

2500 56 24 18 15 33

5000 63 20 19 15 31

陽性対照

2AA2) 0.5 - 96 - - -

1 384 - - - -

2 - - 177 99 -

10 - - - - 464 -:実施せず 1)Dimethyl sulfoxide 2)2-aminoanthracene

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ニ-46

(2)培養細胞を用いた染色体異常試験 (添付資料ニ-11)

試験にはチャイニーズハムスター卵巣由来株化培養細胞 CHO-K1を使用した。PB-94の溶媒には滅菌

蒸留水を用いた。試験は PB-94を直接暴露させる直接法とラット肝臓由来 S9画分存在下で暴露させる

代謝活性化法を行った。

用量設定を目的とした予備試験を兼ねた最初の試験では、0.5、1.5、5.0、15、50、150、500、1,500

および 5,000 µg/mLの試験濃度で、20時間暴露させる直接法と 4時間暴露(20時間培養)する代謝活性

化法を行った。表二-17に試験成績を示す。溶媒対照に対する細胞増殖抑制率が 50~80%となった濃度

を最高濃度として、3つ以上の試験濃度について染色体の構造異常と数的異常の発現頻度を検索した。

その結果、直接法および代謝活性化法いずれにおいても、構造異常および数的異常の有意な増加は認め

られず、陰性と判断された。さらに、それらの成績に基づいて再現性試験の試験濃度は 79、157、313、

625、1,250、2,500および 5,000 µg/mLとし、(a)4時間暴露(20時間培養)の直接法、(b)20時間暴

露の直接法、(c)44 時間暴露の直接法、(d)4 時間暴露(20 時間培養)の代謝活性化法、(e)4 時

間暴露(44 時間培養)の代謝活性化法の各試験条件で行った。試験成績を表二-18に示す。溶媒対照

に対する細胞増殖抑制率が 50~80%となった濃度を最高濃度として、3つ以上の試験濃度について染色

体の構造異常と数的異常の発現頻度を検索した。その結果、直接法では(a)~(c)のいずれの試験系

においても、構造異常および数的異常のいずれも有意な増加は認められず、陰性と判断された。代謝活

性化法では(d)の試験系では直接法と同様に陰性の成績であったが、(e)の試験系で 1,250、2,500お

よび 5,000 µg/mLの試験濃度において、染色体あるいは染色分体の切断を主とした構造異常がそれぞれ

6.0%、4.5%、6.5%観察され、弱陽性と判定された。しかし、これらの数値を日本の一般的な判定基準

(5%未満:陰性、10%未満:疑陽性、10%以上:陽性)(R-4)を参考にすれば、陽性に当たらない数

値であった。

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ニ-47

表二-17 培養細胞を用いた染色体異常試験成績

構造異常数 染色分体型 3) 染色体型 4)

総異常細胞数 (%)

試験物質

試験濃度 (µg/mL)

S9 Mix

暴露時間/

培養時間 1)

(hr)

観察 細胞数

細胞 増殖

抑制率 2)

(%) Gaps Breaks Exch Breaks Dic Ring 数的異常 構造異常 5)

無処置 0 2 0 0 1 0 0 2.0 0.5

溶媒対照 6) 0 0 0 1 0 1 0 1 2.5 1.0

PB-94 50 -21 2 0 0 2 0 0 3.0 1.0

150 5 1 4 0 2 0 0 1.5 1.0

500 4 0 1 0 1 0 0 2.5 1.0

1500 52 4 4 0 0 0 0 1.5 2.0

MNNG7) 2

-

20/20

200

14 8 15 8 7 0 0 4.0 12.5*

無処置 0 2 1 0 0 0 0 2.5 0.5

溶媒対照 0 0 1 1 0 0 0 0 4.5 0.5

PB-94 150 -2 0 1 0 0 0 1 4.0 1.0

500 7 2 4 0 0 0 2 3.0 3.0

1500 14 0 2 0 1 0 0 2.5 1.0

5000 23 0 2 0 0 0 0 0.0 1.0

B[α]P8) 30

+ 4/20 200

30 7 65 142 6 0 1 3.0 54.5*

1)培養時間:暴露開始から標本作製までの時間 2)トリパンブルー染色および Coulter Counterで細胞生存率および 細胞数をそれぞれ測定し、溶媒対照に対する細胞増殖抑制率を求めた。

3)Gaps:染色分体ギャップ、Breaks:染色分体切断、Exch:染色分体交換 4)Breaks:染色体切断、Dic:二動原体染色体、Ring:環状染色体 5)ギャップを持つ細胞を除く 6)滅菌蒸留水 7)陽性対照:N-methyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine 8)陽性対照:Benzo[α]pyrene *p≤0.01、 Fisherの直接確率法(溶媒対照との比較)

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ニ-48

表二-18 培養細胞を用いた染色体異常試験成績(再現性試験)

構造異常数 染色分体型 3) 染色体型 4)

総異常細胞数 (%)

試験物質

試験濃度 (µg/mL)

S9 Mix

暴露時間/

培養時間 1)

(hr)

観察 細胞数

細胞 増殖

抑制率 2)

(%) Gaps Breaks Exch Breaks Dic Ring 数的異常 構造異常 5)

無処置 0 0 2 0 0 0 0 2.5 1.0溶媒対照 6) 0 0 1 2 0 5 0 0 4.5 3.5PB-94 625 28 2 0 0 4 0 0 5.0 2.0

1250 40 0 4 0 0 0 1 3.0 2.0 2500 54 4 13 0 2 0 0 4.0 5.5

MNNG7) 2

- 4/20 200

28 1 24 16 7 0 1 5.0 15.5*

無処置 0 2 0 0 0 0 1 4.5 0.5 溶媒対照 0 0 0 0 0 0 0 0 3.0 0.0 PB-94 625 30 1 0 1 0 0 0 2.5 0.5

1250 42 2 1 0 0 1 0 2.0 1.0 2500 55 1 4 0 0 0 0 1.0 1.5

MNNG 2

- 20/20 200

27 2 33 45 1 2 1 2.5 27.5*

無処置 0 0 2 0 2 1 0 1.0 2.5 溶媒対照 0 0 0 2 0 1 1 0 2.0 2.0 PB-94 313 9 4 6 0 1 0 0 1.5 3.0

625 30 0 8 0 3 0 0 2.5 3.5 1250 57 1 3 0 1 0 0 2.5 1.5

MNNG 2

- 44/44 200

30 0 32 4 49 1 0 2.5 20.5*

無処置 0 0 0 0 0 0 0 6.5 0.0 溶媒対照 0 0 3 1 0 0 0 0 1.5 0.5 PB-94 1250 12 0 1 0 0 0 0 2.5 0.5

2500 19 2 1 0 1 0 0 4.0 1.0 5000 27 0 1 0 0 0 0 3.0 0.5

B[α]P8) 30

+ 4/20 200

34 3 44 88 15 0 5 3.5 35.0*

無処置 0 0 0 1 0 2 1 3.5 1.5 溶媒対照 0 0 0 0 1 0 0 0 1.5 0.5 PB-94 1250 39 4 6 3 4 0 1 2.5 6.0*

2500 32 1 6 0 4 3 0 2.0 4.5*

5000 46 2 10 2 1 4 0 1.0 6.5*

B[α]P 30

+ 4/44 200

50 5 45 8 29 13 7 4.5 32.0*

1)培養時間:暴露開始から標本作製までの時間 6)滅菌蒸留水 2)トリパンブルー染色および Coulter Counterで細胞生存率および細胞数 7)陽性対照:N-methyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine をそれぞれ測定し、溶媒対照に対する細胞増殖抑制率を求めた。 8)陽性対照:Benzo[α]pyrene

3)Gaps:染色分体ギャップ、Breaks:染色分体切断、Exch:染色分体交換 *p≤0.01、 Fisherの直接確率法(溶媒対照との比 4)Breaks:染色体切断、Dic:二動原体染色体、Ring:環状染色体 較) 5)ギャップを持つ細胞を除く

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ニ-49

(3)マウスにおける小核試験 (添付資料ニ-12)

試験には雌雄マウス(ICR、6~8週齢)を使用した。PB-94の溶媒にはコーンオイルを用いた。PB-94

による毒性を調べるための予備試験を行った。PB-94を 0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、4.5および 5.0 g/kg/日

の用量で雌雄マウス各 5例に腹腔内に 2回(1日 1回、約 24時間間隔)投与した。予備試験成績を表二

-19に示す。予備試験の成績から 3日間での LD50値の約 80%と推計される 2.286 g/kg/日を本試験にお

ける最高用量に設定した。本試験においては、PB-94を 0.572、1.144 および 2.286 g/kg/日の用量で腹腔

内に 2回(1日 1回、約 24時間間隔)投与し、その最終投与から 24時間および 48時間後に大腿骨から

骨髄細胞を採取した。May-Gruenwald-Giemsa染色した骨髄塗抹標本で、総赤血球に対する多染性赤血球

の割合および小核を保有した多染性赤血球の出現頻度を検索した。表二-20に示すように本試験におい

て、多染性赤血球の割合が最高 20%減少した。しかし、小核を保有した多染性赤血球の出現頻度は、

いずれの用量あるいは骨髄採取時期においても増加しなかった。したがって、PB-94はマウスにおける

小核試験において陰性であると判断した。

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ニ-50

表二-19 マウスにおける小核試験成績(予備試験)

試験物質 用量 1)

(g/kg/日)

性 死亡数 2)

雄 0/5 0.5

雌 0/5

雄 0/5 1.0

雌 0/5

雄 1/5 2.0

雌 1/5

雄 4/5 3.0

雌 3/5

雄 4/5 4.0

雌 4/5

雄 5/5 4.5

雌 4/5

雄 3/5

PB-94

5.0

雌 4/5 1)約 24時間間隔、2回腹腔内投与 2)投与 3日後までの死亡動物数/試験動物数

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ニ-51

表二-20 マウスにおける小核試験成績

試験物質 用量 1)

(g/kg/日)

骨髄採取

時期

(hr)2)

性 3) PCE/1000Es 4)

(平均値)

骨髄抑制

率(%)

MNPCE/1000PCEs 5)

(平均値)

雄 0.61 1.4 陰性対照

Corn oil

20 6)

雌 0.66 1.6

雄 0.56 8 0.4 0.572

雌 0.58 12 0.8

雄 0.51 16 0.4 1.144

雌 0.57 14 1.6

雄 0.53 13 1.2

PB-94

2.286

雌 0.57 14 1.4

雄 0.35 43 41.8* 陽性対照

cyclophosphamide

0.06

24

雌 0.31 53 46.6*

雄 0.56 1.2 陰性対照

Corn oil

20 6)

雌 0.54 0.8

雄 0.57 -2 1.4 0.572

雌 0.56 -4 0.6

雄 0.55 2 1.0 1.144

雌 0.53 2 0.8

雄 0.50 11 1.8

PB-94

2.286

48

雌 0.43 20 0.8 *p≤0.05 (Kastenbaum-Bowman Tables) 1)約 24時間間隔、2回腹腔内投与 2)最終投与後からの骨髄採取時期 3)各群雌雄各 5例 4)PCE:多染性赤血球数、Es:赤血球数 5)MNPCE:小核保有多染性赤血球数 6)mL/kg

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ニ-52

(4)遺伝毒性に関する考察 PB-94は in vitroにおいてラット肝臓由来 S9画分を用いて代謝活性化する系においてのみ、培養細胞

の染色体構造異常をわずかに誘発し、染色体構造異常の誘発頻度は最大で 6.5%だった(添付資料ニ-

11)。一方、in vivoでは染色体異常を全く誘発せず(添付資料ニ-12)、細菌に対しても遺伝子突然変

異を誘発しなかった(添付資料ニ-10)。さらに、PB-94はヒトの消化管から吸収されないため(添付

資料へ-29)、肝の代謝酵素に曝されることは考えにくい。したがって、ヒト生体内において遺伝毒性

を示す可能性は極めて低いものと考えられる。

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ニ-53

4. がん原性 (1)マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験

(添付資料ニ-13)

マウス(Crl:CD-1(ICR) BR、 投与開始時 7週齢)を使用し、PB-94を 0、5,000、20,000、50,000 ppm

の用量で、被験物質混合飼料の自由摂取により 24ヵ月間経口投与した。なお、投与 26週のビタミン測

定結果から対照群を含む全群に、基礎飼料 1 kg中、ビタミン A:1,250 IU、ビタミン D:750 IU、ビタ

ミン E:640 IU、ビタミン K:20 ppmを添加した飼料を投与 27週より給与した。24ヵ月間投与した後、

生存例全例を剖検した。途中死亡あるいは切迫殺例は随時剖検した。本試験群には 1群雌雄各 50例、

計 5群(対照群は 2群を設定)、サテライト群には、血液凝固能検査、血中 25-OHビタミン Dおよび

ビタミン E測定用にそれぞれ雌雄各 5例、計 1群雌雄各 15例を充てた。ビタミン Eおよび D測定はサ

テライト群で 13、26、32、52、78および 104週に、血液凝固能検査はサテライト群で 13、26、52およ

び 78週にそれぞれ実施した。その成績の概略を表二-21に示す。

死亡率、生存期間、一般状態は全ての群で同様であった。

50,000 ppm群では対照群に比較して体重が減少した。

摂餌量は、雌雄で投与期間を通じて対照群に比較して軽度に増加したが、雄で投与開始初期に軽度な

減少がみられた。

50,000 ppm群で投与期間中ビタミン Dおよび Eが対照群に比較して低値を示した。また同群の雄で

13 週に活性化部分トロンボプラスチン時間の延長が認められた他は凝固系パラメータへの影響はみら

れなかった。20,000 ppm群で 13週と 26週にビタミン Dが対照群に比較して著明に低値を示した。なお、

飼料中へのビタミン添加後、32週に雌のビタミン Dの値は対照群と同様の値となったが、雄のビタミ

ン Dの値は 78週まで対照群と同様の値に回復しなかった。5,000 ppm群で雌のビタミン Dが対照群に

比較して低値を示したが、飼料中へのビタミン添加後は対照群と同様の値に回復した。血液学的検査、

血漿中カルシウム量、剖検、器官重量の測定では、被験物質投与に関連した変化は認められなかった。

雌の 50,000 ppm群において、リンパ腫の発現頻度(26%)が第 1群の対照群(8%)に比較して有意

に増加したが、第 2群の対照群(14%)に対して有意差はみられなかった。雄では PB-94投与群におけ

るリンパ腫の発現頻度の増加はみられなかった。また、雌の両対照群ならびに投与群のリンパ腫はほぼ

同時期に発生が認められた(リンパ腫を持つ雌マウスの平均剖検時期は第 1群の対照群で 74.8週、第 2

群の対照群で 84.3週、5,000 ppm群で 88.2週、20,000 ppm群で 69.7週、50,000 ppm群で 73.2週)。PB-94

投与群のリンパ節や脾臓では過形成などの発生率の増加はみられなかった。試験実施施設の過去 5年間

にわたる雌 CD-1マウスにおけるリンパ腫の発生率の範囲は 13-22%であるが、1.4-47.9%の範囲で発生

するという報告もある(R-5)。以上より、雌の高用量群におけるリンパ腫の発生率の増加は被験物質

投与に関連しない変化と考えられた。なお、PB-94投与に関連した非腫瘍性変化は観察されなかった。

結論として、本試験条件下では、全ての投与群で PB-94投与に間連した非腫瘍性変化および腫瘍性変

化は認められなかった。

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ニ-54

表二-21 マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 1) 動物種・系統・週齢 マウス(Crl:CD-1(ICR)BR)、投与開始時 7週齢

性・体重 体重範囲 雄:27~42 g 雌:20~33 g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混合飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。

投与量設定理由 投与可能最大量(混餌 5%)を考慮して、50,000ppm を最高用量とし、中用量および低用量として以下 20,000ppmと 5,000ppmを設定した。

雄 群名 1群 2群 3群 4群 5群

投与量(混餌; ppm) 0.0 0.0 5000 20000 50000

PB-94投与量(g/kg/日)1) 0.564-1.134 2.367-4.754 6.703-12.239

動物数 50 50 50 50 50

死亡数 26 23 23 30 22

体重(g) 投与 84週 50±8 49±6 50±7 49±8 45±7**

投与104週 46±6 47±5 48±7 46±7 44±5

摂餌量(g/動物/日) 投与 1週 8.0±0.7 8.0±0.7 7.6±0.8** 7.7±0.5* 7.7±0.6*

投与 104週 5.7±0.7 5.6±0.5 6.0±0.7 5.9±0.8 6.3±0.6***

血液学的検査 2) - - - - -

剖検 - - - - -

器官重量 3) - - - - -

病理組織学的検査 4)

リンパ・造血器官 例数 50 50 50 50 50 リンパ腫(%) 12 6 12 6 2

リンパ節 例数 50 50 50 50 50 リンパ球の過形成 5 8 5 3 1

リンパ濾胞の過形成 0 0 1 0 0

反応性過形成 7 5 7 4 8

脾臓 例数 50 50 50 50 50 リンパ球の過形成 0 1 0 0 0

雄 (サテライト群) 群名 6群 7群 8群 9群

投与量(混餌; ppm) 0.0 5000 20000 50000

PB-94投与量(g/kg/日)1) 0.550-1.159 2.257-4.638 6.224-12.836 血液凝固能検査 5)

プロトロンビン時間(秒)

投与 13週 例数 4 5 5 5

11±1 12±1 11±0 13±1

投与 26週 例数 5 4 5 5

14±10 9±0 9±0 10±1

投与 52週 例数 5 4 5 4

27±23 18±3 17±1 21±7

投与 78週 例数 3 3 4 3

10±1 10±1 12±4 10±1

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ニ-55

表二-21 マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 2)

雄 (サテライト群) 群名 6群 7群 8群 9群

投与量(混餌; ppm) 0.0 5000 20000 50000

血液凝固能検査 5) 活性化部分トロンボプラスチン時間(秒)

投与 13週 例数 4 5 5 4

36±8 38±6 34±3 45±4*

投与 26週 例数 4 4 4 5

30±3 33±7 29±3 31±3

投与 52週 例数 3 4 5 3

55±9 70±24 55±7 61±8

投与 78週 例数 2 3 3 3

30±4 27±2 28±3 28±2

血液化学的検査 6)

25-OHビタミン D(ng/mL)

投与 13週 例数 4 3 4 5

39.4±9.8 31.0±3.5 17.5±3.1*** 5.6±1.2***

投与 26週 例数 5 5 5 3

48.1±6.8 39.7±7.5 19.6±6.3*** 5.6±1.0***

投与 32週 例数 4 5 5 5

44.0±11.6 39.4±4.2 29.4±11.7* 6.8±3.8***

投与 52週 例数 3 5 5 4

44.7±7.4 38.7±5.1 18.7±7.3* 5.1±0.1***

投与 78週 例数 4 4 4 5

29.0±9.2 32.9±7.1 21.7±10.6 9.3±4.2**

投与 104週 例数 7 7 6 6

22.0±8.2 15.8±7.1 21.1±18.3 5.8±1.1**

ビタミン E(ng/mL)

投与 13週 例数 5 5 5 4

5488±1384 6554±1850 4346±1010 2093±798**

投与 26週 例数 5 5 4 3

4653±1343 5279±1193 3357±520 1727±589**

投与 32週 例数 5 5 5 5

9820±3935 10879±4061 6009±2877 2558±1690**

投与 52週 例数 4 4 5 4

8949±2375 8272±3321 6385±1123 3053±1523**

投与 78週 例数 5 4 3 3

8670±3383 8809±3937 5948±1447 3295±143**

投与 104週 例数 7 7 6 6

9117±2640 14626±8986 10404±5971 4211±1821**

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ニ-56

表二-21 マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 3) 雌

群名 1群 2群 3群 4群 5群

投与量(混餌; ppm) 0.0 0.0 5000 20000 50000

PB-94投与量(g/kg/日)1) 0.651-1.426 2.667-5.231 7.470-13.396

動物数 50 50 50 50 50

死亡数 32 40 31 32 35

体重(g) 投与 84週 42±4 42±5 42±6 42±5 39±5

投与 104週 42±5 41±3 42±6 40±5 41±6

摂餌量(g/動物/日) 投与 1週 6.5±0.7 6.5±0.7 6.6±1.0 6.8±0.8* 6.9±0.8**

投与 104週 5.6±0.7 5.8±0.7 5.9±0.7 6.0±1.2 6.2±0.9

血液学的検査 2) - - - - -

剖検 - - - - -

器官重量 3) - - - - -

病理組織学的検査 4)

リンパ・造血器官 例数 50 50 50 50 50

リンパ腫(%) 8 14 16 18 26*7)

リンパ節 例数 50 50 50 50 50

リンパ球の過形成 5 2 5 1 3

リンパ濾胞の過形成 0 0 0 0 0

反応性過形成 3 5 1 3 0

脾臓 例数 50 50 50 50 49

リンパ球の過形成 1 3 4 1 2

雌 (サテライト群) 群名 6群 7群 8群 9群

投与量(混餌; ppm) 0 5000 20000 50000

PB-94投与量(g/kg/日)1) 0.583-1.400 2.683-5.077 7.531-13.654 血液凝固能検査 5)

プロトロンビン時間(秒)

投与 13週 例数 5 5 5 4

11±1 11±1 11±1 11±1

投与 26週 例数 4 5 5 4

10±1 9±0 9±0 9±0

投与 52週 例数 3 5 4 3

19±6 19±8 16±6 17±8

投与 78週 例数 3 4 4 0

10±1 10±0 9±1

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ニ-57

表二-21 マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 4)

雌 (サテライト群) 群名 6群 7群 8群 9群

投与量(混餌; ppm) 0 5000 20000 50000

血液凝固能検査 5) 活性化部分トロンボプラスチン時間(秒)

投与 13週 例数 5 5 5 4

35±7 32±4 34±5 33±3

投与 26週 例数 3 5 5 4

30±3 29±2 28±3 29±2

投与 52週 例数 1 3 4 2

39 53±27 53±26 45±19

投与 78週 例数 2 3 4 0

27±6 28±3 28±3

血液化学的検査 6)

25-OHビタミン D(ng/mL)

投与 13週 例数 4 5 4 4

49.9±3.9 36.5±10.4** 28.7±3.0*** 8.5±2.7***

投与 26週 例数 3 3 3 4

57.1±7.2 43.2±6.1* 29.4±3.3*** 7.1±0.6***

投与 32週 例数 4 3 4 4

41.9±8.2 59.1±17.4 46.0±13.1 14.9±2.5**

投与 52週 例数 4 3 4 5

44.1±8.6 46.9±15.8 43.6±12.1 9.0±3.9***

投与 78週 例数 2 2 5 4

54.9±17.9 39.4±0.3 39.7±16.4 15.4±4.1

投与 104週 例数 4 4 4 3

30.3±4.0 27.9±3.5 29.8±11.4 11.6±5.0**

ビタミン E(ng/mL)

投与 13週 例数 5 5 4 5

6867±1162 6482±1858 6701±1627 3800±1543**

投与 26週 例数 4 4 4 5

5639±1932 6168±2137 5161±1115 2588±1149*

投与 32週 例数 4 5 6 4

8283±4467 11052±4816 7245±2079 5116±2565

投与 52週 例数 3 4 3 4

9810±5125 12437±13102 7135±1761 4934±1587

投与 78週 例数 3 2 2 4

10230±852 7989±3813 5733±2751 4229±1729**

投与 104週 例数 4 3 6 4

5518±2679 10090±3918* 7951±1850 4203±1171

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 統計学的解析法: 体重、摂餌量、血液学的検査、ビタミン分析(25-OHビタミン Dの投与 78週は除く)、器官重量;Student’s

t-test using Fisher’s F-protected LSDないしは non-parametric kruskal-wallis ANOVA(対照群は 1群) 死亡数;Wilcoxon rank sum test(対照群は 1群) 病理組織学的検査;Fisherの直接確率法(対照群は 1群ないし 2群) 雌リンパ腫;Peto’s time-adjusted methods(対照群は 1群ないし 2群)

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ニ-58

表二-21 マウスにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 5) 1)一週間毎の平均値の範囲 2)血液学的検査(投与 104週)

検査項目:赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、白血球数、血小板数、平均赤血球容積、平均赤血球血色素量、 平均赤血球血色素濃度、白血球分類

3) 器官重量(投与 104週) 検査項目:副腎、脳(大脳、小脳、脳幹)、心臓、腎臓、肝臓(胆嚢を含む)、肺、卵巣(雌)、下垂体、前立腺(雄)、

脾臓、顎下腺、精巣(雄)、胸腺、甲状腺・副甲状腺、子宮(雌) 4) 病理組織学的検査(投与 104週)

観察組織: 器官重量測定項目に加え、大動脈、精巣上体(雄)、眼球、大腿骨(骨髄塗沫)、胃、十二指腸、空腸、回腸、 盲腸、結腸、直腸、外涙腺、腸間膜リンパ節、食道、視神経、膵臓、坐骨神経、精嚢(雄)、皮膚・乳腺、脊髄、 胸骨(骨髄含む)、下顎リンパ節、大腿部筋肉、舌、気管、膀胱、膣(雌)

5) 血液凝固能検査(投与 13、26、52および 78週、ただし、52および 78週についてはテクニカルエラーにつき参考データ) 検査項目:プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間

6) 血液化学的検査 検査項目:カルシウム、25-OHビタミン D、ビタミン E

7)1群との比較

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ニ-59

(2)ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験 (添付資料ニ-14)

ラット(Crl:CDR(SD)IGS、投与開始時 6週齢)を使用し、PB-94を 0、0.3、1.0、3.0 g/kg/日の用量

で、被験物質混合飼料の自由摂取により 24ヵ月間経口投与した。なお、投与 13週のビタミン測定結果

より対照群を含む全群に、基礎飼料 1 kg中、ビタミン A:1,250 IU、ビタミン D:750 IU、ビタミン E:

640 IU、ビタミン K:20 ppmを添加した飼料を投与 26週より給餌した。24ヵ月間投与した後、生存例

全例を剖検した。途中死亡あるいは切迫殺例は随時剖検した。本試験群には 1群雌雄各 50例、計 5群

(対照群は 2群を設定)、サテライト群には、血液凝固能検査、血中 25-OHビタミン Dおよびビタミ

ン E測定用にそれぞれ雌雄各 10例、計雌雄各 40例を充てた。尿中カルシウム濃度測定、血液学的検査

および血中カルシウム濃度測定は本試験群で 104週に、ビタミン Eおよび D濃度測定はサテライト群

で 13、26、31、52、78および 104週に、血液凝固能検査はサテライト群で 13、26、52、78および 104

週にそれぞれ実施した。その成績を表二-22に示す。

死亡率、生存期間、一般状態は全ての群で同様であった。

3.0 g/kg/日群では体重の増加抑制が認められた。雄においてはこの変化は顕著で投与開始後直ちに、

雌においては 13週以降に、それぞれ認められた。摂餌量の軽度な増加が 1.0および 3.0 g/kg/日群の雌雄

で認められた。

3.0 g/kg/日群では、ビタミン Eが低値を示し、同群の雄ではビタミン Dも低値を示した。その他の投

与群にはビタミン Dおよび Eに一定の変化は認められなかった。

血液凝固能には、いずれの群においても投与の影響は認められなかった。

104週に、血中カルシウムは 1.0および 3.0 g/kg/日群の雄で増加したが、雌では対照群とほぼ同様の値

であった。尿中カルシウムは雄の投与全群と雌の 1.0および 3.0 g/kg/日群で増加した。雄の 3.0 g/kg/日

群では血色素量、ヘマトクリット値、赤血球数が増加し、平均赤血球血色素濃度が低下した。

3.0 g/kg/日群の雄では、腎臓と膀胱における移行上皮過形成の頻度と程度が増加し、膀胱の移行上皮

乳頭腫と移行上皮癌が認められた。

腎臓と膀胱における非増殖性の病変は雌雄ともに認められた。3.0 g/kg/日群の雄の腎臓においては腎

盂の出血と炎症性細胞の浸潤、移行上皮における石灰化の頻度増加および複屈折性結晶が、膀胱におい

ては膀胱炎が、投与に関連した変化として認められた。3.0 g/kg/日群の雌においては腎盂の出血の頻度

が増加し、雌の全ての投与群で腎臓髄質の石灰化の頻度が減少した。1.0および 3.0 g/kg/日群の雌では

移行上皮の石灰化が減少した。

結論として本試験条件下では PB-94投与により 3.0 g/kg/日群の雄に膀胱の移行上皮乳頭腫および移行

上皮癌の発現が認められた。

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ニ-60

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 1) 動物種・系統・週齢 ラット(Crl:CDR(SD)IGS)、投与開始時 6週齢

性・体重 体重範囲 雄:130~237 g 雌:123~181 g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混合飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。

投与量設定理由 ラットにおける 6ヵ月間投与毒性試験の結果より、最大耐量および予想される臨床最大用量を考慮して 3.0、1.0および 0.3 g/kg/日を設定した。

雄 群名 1群 2群 3群 4群 5群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.0 0.3 1.0 3.0

PB-94投与量(g/kg/日、投与期間平均) 0.299 1.003 2.969 動物数 50 50 50 50 50

死亡数(104週) 29 30 32 35 24

体重(g) 投与 13週 508±59 503±55 497±44 511±52 444±44***

投与 52週 686±90 696±88 679±64 693±95 557±77***

投与 104週 782±109 801±109 769±106 752±109 582±87***

摂餌量(g/動物/日) 投与 13週 28±2 28±2 28±1 31±2** 31±2**

投与 52週 27±2 27±2 27±1 29±2** 29±1*

投与 104週 30±8 29±3 27±3 30±4 28±3

器官重量 2) - - - - -

病理組織学的検査 3)

腎臓 例数 50 50 50 50 50

移行上皮過形成 15 18 15 15 36##

移行上皮石灰化 2 1 2 2 12$$

髄質石灰化 1 2 0 0 0

複屈折性結晶 0 0 0 2 15$$$

腎盂炎 5 5 5 5 6

出血、腎盂 0 1 2 1 17$$$

炎症性細胞浸潤、腎盂 0 0 0 0 7$

膀胱 例数 49 50 50 47 49

移行上皮癌 0 0 0 0 1###1)

移行上皮乳頭腫 0 0 0 0 4###1)

単純移行上皮過形成 0 0 0 2 5

結節性移行上皮過形成 0 0 0 0 1

乳頭状移行上皮過形成 0 0 0 2 9$$

複屈折性結晶 0 0 0 1 2

膀胱炎 0 0 1 2 6$

尿検査 4) 例数 23 20 19 15 25

カルシウム(mmol/ L) 2.58±1.54 3.15±2.55 7.53±4.71*** 17.89±6.67*** 20.86±10.72***

血液学的検査 5) 例数 21 20 18 15 26

赤血球数(×1012/L) 8.40±0.90 8.64±0.61 8.51±0.41 8.81±0.79 8.99±1.01**

血色素量(g/dL) 14.8±1.5 14.6±1.0 15.0±0.6 15.2±1.4 15.5±1.9**

ヘマトクリット(L/L) 0.435±0.040 0.435±0.030 0.442±0.017 0.450±0.042 0.467±0.050***

平均赤血球血色素濃度(g/dL) 34.0±0.8 33.6±0.9 34.0±0.6 33.8±0.4 33.0±1.0***

血液化学的検査 6) 例数 20 20 18 15 25

カルシウム(mmol/L) 2.93±0.16 2.94±0.14 2.87±0.33 3.06±0.16* 3.29±0.23***

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ニ-61

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 2) 雄 (サテライト群)

群名 6群 7群 8群 9群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.3 1.0 3.0

PB-94投与量(g/kg/日、投与期間平均) 0.299 1.026 3.278 動物数 10 10 10 10

血液凝固能検査 7)

プロトロンビン時間(秒)

投与 13週 例数 10 9 10 9

19±3 21±4 24±7 31±16

投与 26週 例数 9 9 5 7

17±1 16±3 18±1 16±2

投与 52週 例数 10 7 5 6

21±9 21±3 21±5 24±6

投与 78週 例数 6 7 5 7

21±2 19±5 21±4 21±4

投与 104週 例数 4 4 1 4

15±0 13±3 14 15±1

活性化部分トロンボプラスチン時間(秒)

投与 13週 例数 10 8 10 10

23±3 25±4 27±6 32±12

投与 26週 例数 9 8 5 7

23±2 26±2 24±2 24±2

投与 52週 例数 8 7 5 6

40±7 42±8 48±8 46±12

投与 78週 例数 6 7 5 7

23±2 23±2 25±3 25±1

投与 104週 例数 4 4 1 4

20±2 20±1 19 21±1

血液化学的検査 8)

25-OHビタミン D(ng/mL)

投与 13週 例数 9 10 10 8

15.9±3.2 19.6±2.1 14.0±5.2 5.1±0.2**

投与 26週 例数 8 8 5 9

21.8±3.0 21.5±6.6 24.8±7.9 5.7±0.7**

投与 31週 例数 9 10 5 8

24.4±3.6 22.0±6.4 27.4±6.7 8.7±1.9***

投与 52週 例数 8 8 3 8

22.8±7.7 22.4±7.7 22.6±4.5 11.6±2.9**

投与 78週 例数 6 6 5 6

14.3±1.9 12.5±3.2 17.7±6.3 8.2±2.5**

投与 104週 例数 4 4 1 4

12.1±5.7 10.8±3.1 21.8 10.0±3.6

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ニ-62

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 3) 雄 (サテライト群)

群名 6群 7群 8群 9群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.3 1.0 3.0

血液化学的検査 8) ビタミン E(ng/mL)

投与 13週 例数 9 10 10 6

7129±1260 7219±1417 6570±1447 2550±322***

投与 26週 例数 9 9 5 9

20645±4081 18508±3349 15094±3052** 7755±1299***

投与 31週 例数 9 10 5 9

16481±2652 15434±3582 17050±2199 8214±1609***

投与 52週 例数 8 10 4 7

15602±2654 14111±4318 13719±2761 10100±6596

投与 78週 例数 6 8 5 8

24185±4053 23759±4810 19344±5254 12704±4661***

投与 104週 例数 4 4 1 4

19341±7384 20161±4310 21392 11509±1811

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ニ-63

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 4) 雌

群名 1群 2群 3群 4群 5群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.0 0.3 1.0 3.0

PB-94投与量(g/kg/日、投与期間平均) 0.302 1.010 3.001 動物数 50 50 50 50 50

死亡数(104週) 34 35 33 41 36

体重(g) 投与 13週 298±22 313±28** 305±23 306±28 291±26

投与 52週 419±70 427±68 404±44 416±78 378±59***

投与 104週 527±79 526±73 498±95 497±59 459±82

摂餌量(g/動物/日) 投与 13週 20±2 21±1 22±2* 22±1* 23±2***

投与 52週 21±1 22±1 22±2 22±2 25±2***

投与 104週 26±3 24±4 23±3 23±5 26±2

器官重量 2) - - - - -

病理組織学的検査 3)

腎臓 例数 50 50 50 49 50

移行上皮過形成 22 32 28 14 17

移行上皮石灰化 24 26 24 5$$$ 5$$$

髄質石灰化 23 29 4$$$ 6$$$ 0$$$

複屈折性結晶 0 0 0 1 2

腎盂炎 6 5 1 3 1

出血、腎盂 0 3 0 3 8$$

炎症性細胞浸潤、腎盂 0 0 1 0 0

膀胱 例数 50 49 49 48 50

移行上皮癌 0 0 0 0 0

移行上皮乳頭腫 0 0 0 0 0

単純移行上皮過形成 2 0 1 1 4

結節性移行上皮過形成 0 0 0 0 0

乳頭状移行上皮過形成 0 0 0 0 0

複屈折性結晶 0 0 0 0 0

膀胱炎 0 0 2 0 3

尿検査 4) 例数 17 15 17 9 14

カルシウム(mmol/L) 9.04±8.32 5.92±4.57 7.85±3.30 16.71±10.29* 42.80±21.76***

血液学的検査 5) 例数 14 15 16 9 14

赤血球数(×1012/L) 7.50±1.19 7.31±1.32 7.40±0.78 7.68±0.61 7.49±0.83

血色素量(g/dL) 14.2±2.0 13.6±2.2 14.0±1.1 14.5±0.9 14.6±1.2

ヘマトクリット(L/L) 0.418±0.056 0.403±0.065 0.415±0.037 0.429±0.021 0.440±0.035

平均赤血球血色素濃度(g/dL) 33.9±0.6 33.9±1.1 33.9±0.8 33.8±1.0 33.1±0.5

血液化学的検査 6) 例数 14 14 16 9 14

カルシウム(mmol/L) 3.18±0.16 3.07±0.18 3.08±0.21 3.06±0.17 3.20±0.16

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ニ-64

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 5) 雌 (サテライト群)

群名 6群 7群 8群 9群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.3 1.0 3.0

PB-94投与量(g/kg/日、投与期間平均) 0.291 0.998 2.996 動物数 10 10 10 10

血液凝固能検査 7)

プロトロンビン時間(秒)

投与 13週 例数 10 10 10 10

18±1 23±13 19±2 18±2

投与 26週 例数 9 9 8 9

15±1 16±1 17±1* 17±1***

投与 52週 例数 7 8 10 7

17±1 18±1 21±6 19±4

投与 78週 例数 6 7 10 8

19±1 19±1 19±1 21±1

投与 104週 例数 2 3 5 4

13±0 12±2 13±1 14±1

活性化部分トロンボプラスチン時間(秒)

投与 13週 例数 10 10 10 10

21±2 24±11 21±2 21±2

投与 26週 例数 9 9 8 9

23±3 22±1 23±2 24±9

投与 52週 例数 7 7 8 7

35±6 41±5 40±3 41±13

投与 78週 例数 6 7 10 8

23±2 21±2 22±2 21±2

投与 104週 例数 2 3 5 3

20±1 30±16 19±1 19±1

血液化学的検査 8)

25-OHビタミン D(ng/mL)

投与 13週 例数 8 10 8 9

12.1±4.4 14.7±5.4 16.9±3.3* 10.7±2.9

投与 26週 例数 9 8 9 9

20.5±6.5 16.6±3.3 21.9±7.3 17.0±5.2

投与 31週 例数 10 10 10 10

24.2±3.3 23.8±6.5 22.1±6.4 22.9±9.7

投与 52週 例数 5 10 9 8

17.7±4.9 17.2±4.7 20.9±2.9 17.3±6.0

投与 78週 例数 5 7 10 8

11.2±6.0 17.0±7.4 21.9±7.6* 24.4±9.7**

投与 104週 例数 2 2 5 4

11.2±2.1 13.1±4.5 13.7±4.6 12.1±3.8

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ニ-65

表二-22 ラットにおける 24ヵ月間経口投与がん原性試験(その 6) 雌 (サテライト群)

群名 6群 7群 8群 9群

投与量(g/kg/日) 0.0 0.3 1.0 3.0

血液化学的検査 8) ビタミン E(ng/mL)

投与 13週 例数 10 10 10 9

11442±2643 10758±1697 11088±948 6054±1278***

投与 26週 例数 9 10 8 9

32602±6106 34404±7094 33587±9520 20934±4658**

投与 31週 例数 10 10 10 10

33487±8608 29236±6134 23613±3886*** 17301±4436***

投与 52週 例数 7 9 10 7

42222±11246 36787±11469 30880±8938* 22246±9325**

投与 78週 例数 7 7 10 8

32816±11436 36495±8164 34283±5755 22041±5300*

投与 104週 例数 2 2 5 4

36209±1595 36242±12525 24795±8951 17051±4272*

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01、***p<0.001(Student’s t-test using Fisher’s F-protected LSDないしは non-parametric kruskal-wallis ANOVA、対照群は 1または 6群) $p<0.05、$$p<0.01、$$$p<0.001(Fisherの直接確率法ないしは累積カイ二乗検定、対照群は 1群) #p<0.05、##p<0.01、###p<0.001(Peto’s time-adjusted analysis、対照群は 1群と 2群の合計) 1)移行上皮癌および移行上皮乳頭腫の発現頻度を合計して解析 2) 器官重量(投与 104週)

検査項目:副腎、脳、精巣上体(雄)、心臓、腎臓、肝臓、肺、卵巣(雌)、下垂体、前立腺(雄)、精嚢(雄)、脾臓、 下顎腺、精巣(雄)、胸腺、甲状腺、子宮(雌)

3)病理組織学的検査(投与 104週) 観察組織: 重量測定器官に加え、大動脈、眼球、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、外涙腺、腸間膜リンパ節、

食道、視神経、膵臓、坐骨神経、皮膚・乳腺、脊髄、胸骨(骨髄を含む)、下顎リンパ節、大腿部筋肉、舌、気管、 膀胱、膣(雌)

腎盂炎-腎臓の腎盂を被覆する移行上皮内に炎症性細胞浸潤が観察された場合 炎症性細胞浸潤(腎盂)-腎盂周囲および腎乳頭の両端における腎臓間質領域に炎症性細胞浸潤が観察された場合

4) 尿検査(投与 104週) 検査項目:尿量、カルシウム 5) 血液学的検査(投与 104週) 検査項目:赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、白血球数、血小板数、平均赤血球容積、平均赤血球血色素量、

平均赤血球血色素濃度、白血球分類 6) 血液化学的検査(投与 104週) 検査項目: カルシウム 7) 血液凝固能検査(投与 13、26、52、78および 104週) 検査項目:プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間 8) 血液化学的検査(投与 13、26、31、52、78および 104週) 検査項目:25-OHビタミン D、ビタミン E

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ニ-66

(3)ラットのがん原性試験でみられた尿路病変に関する考察 がん原性試験において、膀胱移行上皮乳頭腫および移行上皮癌の発現は雄ラットの高用量の 3.0 g/kg/

日群のみに認められ、雌ラットおよびマウスには認められなかった。PB-94は、非遺伝毒性物質であり

(添付資料、ニ-10~12)、生体には吸収されない物質である(添付資料へ-8、9、11~16)ことから、

膀胱へ PB-94が直接的に曝露されることにより本病変を引き起こした可能性は無いものと考えられた。

ラットがん原性試験において膀胱で移行上皮系の腫瘍が発現した 3.0 g/kg/日群では、膀胱および腎盂

粘膜に移行上皮過形成や炎症性の変化が認められており、同群雄では腎盂腔において複屈折性の結晶

(蓚酸カルシウム結晶の形態学的特徴)と出血の頻度が有意に増加して認められた。さらに、尿中のカ

ルシウム濃度の増加が雄において 0.3 g/kg/日以上の群、雌では 1.0 g/kg/日以上の群で認められた。

一方、ラットの 1および 6ヵ月間反復経口投与毒性試験(添付資料二-3、5)における尿検査では、

ラットがん原性試験の高用量と同じ 3.0 g/kg/日群で PB-94投与による尿性状の変化として尿中カルシウ

ム排泄量増加と無機リン排泄量減少および尿 pHの酸性化がそれぞれ認められている。

これら PB-94投与に伴う尿性状の変化(カルシウム、無機リンおよび尿 pH)は蓚酸カルシウム結晶

形成の要因となることが知られている(R-6、R-7)。また、尿中には蓚酸カルシウムの結晶化阻害物質

が存在し、ラットの尿にはこの阻害物質がヒトよりも少ないため、ラットはより低い尿中蓚酸カルシウ

ム量で結晶化が起こるとされている(R-8)。従って、ラットのがん原性試験において認められた膀胱

腫瘍は尿性状の変化、特に結晶形成による物理的刺激に起因して本動物種に特異的に発現した二次的な

反応性の病変である可能性が示唆された。

げっ歯類の膀胱腫瘍は種々の化合物投与で認められるが、しばしば化合物の尿中析出結晶や膀胱結石

形成などによる物理的刺激に起因する可能性が示唆され、実験的にガラス玉のような発がん性のない異

物をげっ歯類の膀胱内腔に挿入することによる腫瘍発生が報告されている(R-9、R-10)。ヒトでは、

結石の存在と膀胱腫瘍の発生の相関は疫学的に示されていないことからげっ歯類特有の現象と考えら

れており(R-11)、ヒトへの外挿が困難な事例の一つとされている(R-12)。

以上、ラットがん原性試験において認められた尿路病変は本動物種に特異的であること、さらに 3.0

g/kg/日という非常に高い用量を生涯投与した場合に認められたことを考慮すると、ヒトにおいて同様の

病変が発現する可能性は低いものと考えられた。

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ニ-67

5. 生殖発生毒性 (1)ラットにおける受胎能及び着床までの初期胚発生に関する経口投与試験

(添付資料ニ-15)

ラット(Crl:CDR(SD)BR)を用い、PB-94の 0.0、0.5、1.5、4.5 g/kg/日および比較物質としてセル

ロースの 4.5 g/kg/日を雄では交配前 28日から交配期間を経て剖検日まで、雌では交配前 14日から交配

期間を経て妊娠 7日まで被験物質混合飼料の自由摂取により反復経口投与し、雌は妊娠 13日、雄は交

配期間終了後 2~3週間後に剖検して生殖器および精巣上体精子などを検査した。その成績の概略を表

二-23に示す。

4.5 g/kg/日群の雄 1例が投与期間中(投与 46日)に死亡した。その他の動物の一般状態に投与による

影響は認められなかった。4.5 g/kg/日群の雄に体重の増加抑制が認められ、雌では投与開始直後に増加

抑制が認められたが、その後回復した。1.5、4.5 g/kg/日群およびセルロースの 4.5 g/kg/日群の雌雄に摂

餌量の増加が認められた。生存例の剖検において投与による変化は認められなかった。

性周期、交尾能、受胎能および着床胚の生存に投与による影響は認められなかった。精巣および精巣

上体の重量および病理組織学的検査、精子数、運動精子率および精子形態において投与による影響は認

められなかった。

以上の結果から、本試験における雌雄親動物の一般毒性学的無毒性量は 1.5 g/kg/日、雌雄親動物の生

殖機能および初期胚発生に関する無毒性量は 4.5 g/kg/日と結論した。

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ニ-68

表二-23 ラットにおける受胎能及び着床までの初期胚発生に関する経口投与試験成績 動物種・系統・週齢 ラット(Crl:CDR(SD)BR)、投与開始時 雄:12週齢、雌:10週齢

性・体重 体重範囲 雄:350~432g、雌:197~253g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混餌飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。 投与期間 雄:交配前 28日~交配~剖検日、雌:交配前 14日~交配~妊娠 7日

投与量設定理由 GelTex社で実施された 1ヵ月間毒性試験において、4.5 g/kg/日で血清中ビタミン Dおよび Eの減少が認められたため、最高投与量を 4.5 g/kg/日とし以下 1.5および 0.5 g/kg/日を設定した。また、4.5 g/kg/日群においては飼料中 PB-94濃度が高いため、高濃度の混餌投与に由来した所見を把握する目的でセルロースを 4.5 g/kg/日投与する群を設けた。

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.5 1.5 4.5 セルロース 4.5

薬物投与量(g/kg/日)1) 雄 0.441-0.518 1.375-1.637 3.961-5.437 4.233-4.992

雌(交配前) 0.462-0.500 1.436-1.648 4.014-4.877 4.358-4.887

雌(妊娠中)

0.571 1.813 5.680 5.283

動物数 雄 20 20 20 20 20

雌(妊娠) 20(18) 20(17) 20(14) 20(18) 20(16)

死亡数(死亡時期) 0 0 0 雄 12) 0

一般状態 – - - -2) -

体重(g) 投与 28日 506.0±31.3 491.2±32.4 499.3±30.3 473.8±33.4** 497.9±27.9

摂餌量(g/動物)

投与 24~28日 119.1±14.6 116.3±7.8 130.6±10.9* 137.0±18.1** 127.8±11.3

交尾率(%) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0)

授胎率(%) 18/20(90.0) 17/20(85.0) 14/20(70.0) 18/20(90.0) 16/20(80.0)

精巣(右)重量(mg) 1783±125.8 1892±115.6 1840±122.8 1839±150.1 1850±120.6

精巣上体(右)重量(mg) 637±60.0 680±57.3 641±39.3 670±67.0 658±44.7

病理組織学的検査

精巣・精巣上体 – 検査せず 検査せず - -

運動精子率(%)3) 77.2±8.33 80.4±6.10 76.4±13.69 78.3±9.84 82.4±6.01

精子数(106/g精巣上体) 895.5±130.06 911.8±141.17 841.3±183.32 938.1±126.22 900.9±126.00

雄 動

精子形態 – - - - -

体重(g) 投与 3日 231.9±14.3 225.2±14.0 231.0±13.3 225.4±14.9 229.0±12.8

投与 14日 252.5±17.6 246.4±16.1 250.7±14.3 242.1±18.4 251.4±13.3

摂餌量(g/動物)

投与 10~14日 73.2±7.5 72.5±6.8 77.0±6.6 80.5±5.7* 79.4±12.4

性周期 – - - - -

交尾率(%) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0) 20/20(100.0)

受胎率(%) 18/20(90.0) 17/20(85.0) 14/20(70.0) 18/20(90.0) 16/20(80.0)

黄体数(1腹平均) 16.1±2.00 14.9±2.01 15.1±1.27 15.3±1.97 16.2±1.76

着床数(1腹平均) 15.5±1.62 14.1±2.61 14.4±1.39 14.8±2.13 15.1±1.54

着床前胚損失率(%) 3.4±6.12 6.2±11.06 4.7±5.50 3.7±4.53 6.3±6.80

雌 動

着床後胚損失率(%) 7.8±8.53 4.5±4.78 8.8±13.28 3.8±5.32 4.7±5.73

剖検 – - - - -

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01(Dunnettの多重比較検定、Mann-Whitney”U”testまたは Fisherの直接確率法) 1)投与期間中の平均値の範囲(雄および交配前雌)ないし平均値(妊娠中雌) 2)投与 46日死亡例 一般症状:鼻の赤色の汚れ

剖検:気管中に暗色液、胃の膨張、胃粘膜に多数の暗色部、リンパ節の変色および腫大 3)(運動性が認められた精子数/観察精子数)×100

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ニ-69

(2)ラットにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験 (添付資料ニ-16)

ラット(Crl:CDR(SD)BR)を用い、PB-94の 0.0、0.5、1.5、4.5 g/kg/日および比較物質としてセル

ロースの 4.5 g/kg/日を妊娠 6~17日に被験物質混合飼料の自由摂取により反復経口投与し、妊娠 20日

に帝王切開して胎児観察を行った。その成績の概略を表二-24に示す。

母動物において一般状態、体重推移に投与による異常は認められなかった。摂餌量は PB-94の 4.5 g/kg/

日群において投与開始直後は減少したが、妊娠 8~18日までは増加した。0.5および 1.5 g/kg/日群にお

いては投与期間中増加が認められた。剖検では異常は認められなかった。

帝王切開検査では黄体数、着床部位数、生存胎児数、着床前及び着床後胚損失率、胎児体重に投与に

よる影響は認められなかった。胎児観察では外形異常および内臓異常の発生頻度に投与による影響は認

められなかった。骨格検査では 1.5 g/kg/日以上の投与群において軽度な骨格異常の頻度が増加した。

以上の結果から、本試験における母動物の一般毒性学的無毒性量および生殖機能に関する無毒性量は

4.5 g/kg/日、胚・胎児発生に関する無毒性量は 0.5 g/kg/日と結論した。なお、PB-94に胚致死作用あるい

は催奇形性は認められなかった。

表二-24 ラットにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験成績 動物種・系統・週齢 ラット(Crl:CDR(SD)BR)、交配時 雌 11~12週齢

性・体重 体重範囲 雌:244~355g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混餌飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。 投与期間:妊娠 6~17日

投与量設定理由 GelTex社で実施された 1ヵ月間毒性試験において、4.5 g/kg/日で血清中ビタミン Dおよび Eの減少が認められたため、最高投与量を 4.5 g/kg/日とし以下 1.5および 0.5 g/kg/日を設定した。また、4.5 g/kg/日群においては飼料中 PB-94濃度が高いため、高濃度の混餌投与に由来した所見を把握する目的でセルロースを 4.5 g/kg/日投与する群を設けた。

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.5 1.5 4.5 セルロース 4.5

薬物投与量(g/kg/日)1) 0.484 1.486 4.482 4.454

妊娠動物数 21 23 24 23 22

死亡数 0 0 0 0 0

一般状態 - - - - -

体重(g) 妊娠 17日 352.7±32.5 372.9±32.9 361.8±26.4 347.1±23.2 355.0±28.4

摂餌量(g/動物/日) 妊娠 6~7日

22.4±3.1

24.5±2.5

22.2±3.2

19.2±1.2**

22.6±4.7

妊娠15~16日 24.9±3.5 26.0±2.4 27.6±2.6** 27.8±2.4** 26.0±2.3

黄体数(1腹平均) 17.0±2.03 17.6±1.80 17.5±1.84 16.8±2.17 17.2±1.63

着床部位数(1腹平均) 15.2±2.98 15.9±2.73 15.5±3.06 15.8±1.81 15.5±2.24

着床前胚損失率(%) 9.1±18.76 9.7±12.44 11.9±15.38 5.7±6.08 10.0±11.45

着床後胚損失率(%) 4.5±5.85 5.5±8.57 3.6±4.55 7.1±7.62 4.4±5.28

剖検 肉眼的所見 - - - - -

生存胎児数(1腹平均) 14.6±3.03 15.0±3.04 14.9±2.98 14.7±2.54 14.8±2.33

生存胎児性比(雄/総数,%) 49.0±16.04 46.9±14.42 48.1±13.28 53.4±12.97 52.1±12.95

胎児体重(g) 雄 4.10±0.511 4.15±0.584 4.00±0.398 3.92±0.290 3.98±0.264

(1腹平均) 雌 3.92±0.492 3.93±0.555 3.82±0.374 3.75±0.306 3.76±0.258

胎 児

軽度な骨格異常例数/観察例 60/306 82/345 114/356*** 133/339*** 69/325

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01、 ***p<0.001(Dunnettの多重比較、Mann-Whitney”U”testあるいは Fisherの直接確率法) 1) 投与期間平均

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ニ-70

(3)ウサギにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験 (添付資料ニ-17)

ウサギ(ニュージーランド白色種)を用い、 PB-94の 0.0(溶媒)、0.1、0.5および 1.0 g/kg/日を妊娠

6~18 日に強制経口投与し、妊娠 29 日に帝王切開して胎児観察を行った。その成績の概略を表二-25

に示す。

母動物において一般状態、体重および摂餌量、剖検結果に投与による異常は認められなかった。

帝王切開検査では黄体数、着床部位数、生存胎児数、着床前胚損失率、胎児体重に投与による異常は

認められなかったが、1.0 g/kg/日群で着床後胚損失率の増加傾向が認められた。胎児観察では奇形なら

びに内臓異常、骨格異常の発生頻度に投与による影響は認められなかった。

以上の結果から、本試験における母動物の一般毒性学的無毒性量は 1.0 g/kg/日、母動物の生殖機能お

よび胚・胎児発生に関する無毒性量は 0.5 g/kg/日と結論した。

表二-25 ウサギにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験成績(その 1) 使用動物・系統・月齢 ウサギ(ニュージーランド白色種)、妊娠時 5ヵ月齢 性・体重 体重範囲、雌:2.8~4.0 kg(投与開始時) 投与経路・投与方法 PB-94懸濁液を強制経口投与:容量が 20 mL/kgになるよう PB-94濃度を調整

投与期間:妊娠 6~18日 溶媒:脱イオン蒸留水

投与量設定理由 先に実施したウサギにおける胚・胎児発生への影響に関する用量設定試験を参考に、最高用量を 1.0 g/kg/日に設定し、以下 0.5、0.1 g/kg/日を設けた。

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.1 0.5 1.0

動物数(妊娠) 22(22) 22(21) 22(17) 29(23) 死亡数(不妊動物の死亡数) 1(0)1) 1(0)2) 0(2)3) 3(4)4) 流産数 1 0 1 1 一般状態 - - - - 体重(kg) 妊娠 19日 3.60±0.28 3.70±0.25 3.61±0.30 3.74±0.32 摂餌量(g/動物/日)

妊娠 18~19日 168.7±22.6 167.5±24.7 166.9±44.7 176.6±7.5 黄体数(1腹平均) 10.4±2.09 10.0±1.73 10.4±2.03 10.4±1.61 着床部位数(1腹平均) 7.6±2.74 8.2±1.99 8.1±1.88 7.4±2.36 着床前胚損失率(%) 27.2±23.33 17.9±12.53 22.1±10.67 28.8±22.53 着床後胚損失率(%) 6.6±10.81 3.1±6.87 6.1±10.02 14.5±24.61

母 動 物

剖検 肉眼的所見 - - - - 生存胎児数(1腹平均) 7.1±2.67 7.9±1.85 7.6±1.97 6.3±2.81 生存胎児性比(雄/総数,%) 50.5±22.14 57.4±18.76 49.1±17.86 48.4±20.16 胎児体重(g) 雄 47.43±5.874 47.42±5.950 48.00±4.680 48.83±7.341 (1腹平均) 雌 43.75±5.581 46.07±6.443 47.20±4.462 50.20±7.431**

奇形発生例数/観察例数 2/142 3/159 2/121 0/119 水頭症 0 1 0 0 心室中隔欠損 0 2 0 0 肺動脈幹狭窄 0 2 0 0 上行大動脈拡張 0 2 0 0 球状心 0 1 0 0 腎臓欠損 1 0 0 0 尿管欠損 1 0 0 0 臍帯ヘルニア 0 0 1 0 椎体癒合および配列異常 1 0 1 0

胎 児

前肢屈曲 0 1 0 0 軽度な骨格異常例数/観察例数 15/142 14/159 13/121 11/119

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ニ-71

表二-25 ウサギにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験成績(その 2) -:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01(Dunnettの多重比較検定、Mann-Whitney “U” test 、累積カイ二乗検定あるいは Fisherの直接確率法) 1)死因不明 -妊娠 26日 剖検:肝臓、子宮および膣の退色、子宮に液状物、膣に暗色物(動物番号 161) 2)投与過誤による死亡 -妊娠 9日 剖検:肺の暗色部および退縮不全、気管に淡色物(動物番号 268) 3)投与過誤による死亡 -妊娠 6日 剖検:肺の退縮不全および暗色部、胃および皮下織の暗色部、胸腺の暗色巣、

気管に淡色物(動物番号 367:不妊動物) -妊娠 7日 剖検:異常なし(動物番号 362:不妊動物)

4)投与過誤による死亡 -妊娠 6日 剖検:口腔に淡色物、肺の退縮不全、気管に淡色物(動物番号 457:不妊動物) -妊娠 6日 剖検:口腔に淡色物、肺の退縮不全、胸腺の暗色部、気管に淡色物

(動物番号 459:不妊動物) -妊娠 6日 剖検:食道の暗色部、肺の退縮不全、皮下織の暗色部、気管に淡色物

(動物番号 469:不妊動物) -妊娠 7日 剖検:肺海綿状、皮下織および胸腺の暗色部、気管に液状物および淡色物

(動物番号 461:不妊動物) -妊娠 11日 剖検:気管支に暗色物、食道に暗色物および暗色部、肺の退縮不全および海綿状、

骨格筋に血塊、唾液腺の退色、皮下織の退色、胸腺の暗色巣、気管に暗色物および暗色部(動物番号 479)

-妊娠 12日 剖検:肺の退縮不全および暗色部、胸腺の暗色巣、気管に淡色物(動物番号 455) -妊娠 17日 剖検:肺の退縮不全、海綿状、陥凹部および副葉萎縮、気管に淡色物(動物番号 463)

2)~4)の投与過誤は、いずれも投与液の肺への吸引、ないしは挿管ミスによるものであった。死因不明の 1例は対照群であり、その他の死亡は全て投与過誤によるものであることから、これらの死亡は薬物に起因するものではないと判断。

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ニ-72

(4)ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する経口投与試験 (添付資料ニ-18)

ラット(Crl:CDR(SD)BR IGS)を用い、PB-94の 0.0(溶媒)、0.1、0.3、1.0 g/kg/日を妊娠 6日か

ら離乳まで、1日 2回、約 6時間間隔で強制経口投与し、母動物(F0)の妊娠維持、分娩、哺育、出生

児(F1)の生存、身体的発育、行動、生殖機能を検査した。その成績の概略を表二-26に示す。

母動物(F0)の一般状態、体重、摂餌量、剖検、妊娠率、着床痕数、出産率、妊娠期間および分娩に

投与の影響は認められなかった。出生児(F1)の出生率、生存率、外形、性比、一般状態、体重、身体

的発育、反射、感覚機能、剖検、離乳、行動、生殖機能、哺育に投与による影響は認められなかった。

出生児(F2)の生後 4日までの生存率、一般状態、外形、剖検に投与の影響はみられなかった。1.0 g/kg/

日群にみられた F2体重の軽度な減少は、生物学的変動範囲内である一腹の出生児数の増加によるもの

と解釈された。

以上の結果から、本試験における母動物の一般毒性学的無毒性量、出生前及び出生後の発生並びに母

動物の機能に関する無毒性量は 1.0 g/kg/日をこえると結論した。

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ニ-73

表二-26 ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する経口投与試験成績

(その 1) 動物種・系統・週齢 ラット(Crl:CDR(SD)BR IGS)、交配開始時 11週齢

性・体重 体重範囲 雌:214~263g(妊娠 0日)

投与経路・投与方法 PB-94懸濁液を強制経口投与:用量 10 mL/kgになるよう PB-94濃度を調整した。 投与回数:1日 2回(約 6時間間隔) 投与期間:妊娠 6日~離乳 溶媒:脱イオン水

投与量設定理由 ヒトでの予想投与量やこれまで得られている毒性データおよび投与限界量を考慮して設定した。

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.1 0.3 1.0

動物数(妊娠) 24(24) 24(24) 24(23) 24(22)

死亡数 0 0 0 11)

一般状態 - - - -

体重(g) 妊娠 20日 364.8±30.7 368.8±29.0 372.8±25.8 362.6±22.7

摂餌量(g/動物)

妊娠 15~18日 70.8±11.7 72.1±13.2 76.0±9.4 75.2±6.0

着床痕数(一腹平均) 15.6±1.89 15.1±1.74 15.9±1.79 15.5±1.97

剖検 - - - -

妊娠率(%) 100.0 100.0 95.8 91.7

妊娠期間(日) 21.5±0.51 21.5±0.51 21.6±0.51 21.2±0.44

分娩時間(時間) 2.97±0.936 3.32±0.958 2.55±0.963 2.80±1.297

出産率(%) 100.0 100.0 100.0 95.5

出生率(%) 95.6±6.09 94.0±5.44 94.6±7.62 92.4±12.76

母 動 物

F1出生児数(一腹平均) 14.9±1.87 14.2±1.79 15.0±1.69 14.2±2.45

F0 F1性比(%) 雄/総数 49.1±13.38 47.4±11.00 48.3±14.25 47.2±12.95

生存率(%) 生後 4日 99.2±2.80 99.1±2.54 99.7±1.40 96.6±12.49

生後 4~21日 100.0±0.00 100.0±0.00 99.5±2.61 99.4±2.73

外形異常例数(一腹平均) 0.00±0.000 0.04±0.204 0.00±0.000 0.00±0.000

一般状態 - - - -

体重(g)生後 0日 雄 5.9±0.57 6.1±0.71 6.3±0.68 6.1±0.56

(1腹平均) 雌 5.6±0.49 5.9±0.64 6.0±0.57 5.7±0.51

生後 21日 雄 48.7±3.67 49.8±5.18 50.7±5.08 48.8±4.32

雌 46.6±3.54 48.4±5.40 48.6±6.23 46.3±3.12

形態分化 2) - - - -

行動・機能検査 3) - - - -

剖検 - - - -

交尾率(%) 95.8 95.8 91.3 95.2

受胎率(%) 91.3 100.0 95.2 100.0

妊娠期間(日) 21.9±0.49 21.8±0.53 21.6±0.61 21.4±0.51

着床痕数(一腹平均) 14.0±4.18 15.7±2.05 15.4±2.48 15.7±2.03

出産率(%) 100.0 100.0 100.0 100.0

出生率(%) 93.2±7.56 92.7±5.51 94.1±5.34 93.7±6.16

出 生 児

F2出生児数(一腹平均) 13.0±3.76 14.6±2.21 14.5±2.46 14.7±2.06

F1 F2性比(%) 雄/総数 47.3±11.70 48.2±9.37 49.9±15.30 50.9±15.99

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ニ-74

表二-26 ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する経口投与試験成績 (その 2)

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.1 0.3 1.0

生存率(%) 生後 4日 100.0±0.00 95.0±20.84 98.3±4.78 98.7±4.58

4日齢生存児数(一腹平均) 13.5±2.65 14.0±3.52 14.3±2.51 14.5±2.26

外形異常例数(一腹平均) 0.00±0.000 0.05±0.218 0.00±0.000 0.00±0.000

一般状態 - - - -

体重(g)生後 4日 雄 10.3±1.22 10.0±0.97 9.7±1.09 9.4±0.78*

出生児

雌 9.9±1.17 9.4±0.96 9.3±1.13 9.1±0.66*

F2 剖検 - - - -

-:特記すべき所見なし 数値:平均値±標準偏差あるいは例数 *p<0.05(Dunnettの多重比較検定、Mann-Whitney “U” test、累積カイ二乗検定あるいは Fisherの直接確率法) 1) 妊娠 16日より一般状態の悪化(鼻および泌尿生殖器の汚れ、不自然かつ異常呼吸、糞の減少)がみられ妊娠 17日に 安楽殺、投与との関連を示唆する剖検所見なし

2)耳介開展(生後 1~4日)、歯芽萌出(生後 7日~)、眼瞼開裂(生後 12日~)、膣開口(生後 26日~)、 包皮分離(生後 35日~)

3)正向反射(生後 2~4日)、背地走性(生後 8日~眼瞼開裂日)、耳介反射(生後 12日~)、瞳孔反射(生後 21日)、 視覚性置き直し反応(生後 21日)、運動活性(生後 35±1、60±2日)、聴覚性驚愕反応(生後 55±2日)、 E水迷路(生後 60~70日)

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6. その他の毒性 (1)依存性

中枢神経系への検討として、一般薬理試験において 2.0 g/kgまでを単回経口投与したが、マウスの

一般状態(添付資料ホ-11)、自発運動量、正常体温(添付資料ホ-12)、麻酔作用、痙攣作用およ

び鎮痛作用(添付資料ホ-13)に影響はみられなかった。

ラットおよびイヌにおける反復投与毒性試験の結果、投与期間および休薬期間を通して、中枢作

用を反映したと思われる一般状態の変化、あるいは依存を形成したと思われる所見も認められなかっ

た(添付資料二-3~6)。

したがって、PB-94は依存形成能のない薬物であると判断し、依存性試験は実施しなかった。

(2)抗原性 PB-94はイヌおよびラットにおいて腸管から吸収されず、速やかに糞中に排泄される(添付資料へ

-8~16)。したがって、全身免疫系を介した免疫原性が発揮される可能性は無いと考えられる。実

際に、ラット及びイヌの反復投与毒性試験において、脾臓、胸腺、骨髄、リンパ節に投薬の影響によ

ると考えられる異常所見は認められなかった(添付資料ニ-3~6)。また、腸管粘膜や腸間膜リンパ

節・パイエル板などの消化管リンパ装置(GALT)にも異常が認められないことから、GALTを介し

た局所的な免疫異常が発現する可能性も極めて低いと考えられた。ヒトにおいても腸管からの吸収は

認められないことから(添付資料へ-29)、PB-94の経口投与により生体内で抗原性が発揮される、

あるいは免疫機能の異常亢進・抑制が発現される可能性はないと判断し、抗原性試験は実施しなかっ

た。

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ニ-76

7. 参考資料 (1)ラットにおける 1ヵ月間反復経口投与毒性試験

(参考資料ニ-1)

ラット(Harlan Sprague Dawley、5週齢)を使用し、PB-94の 1.0、4.5、10.0 g/kg/日および対照群にセ

ルロース 10.0 g/kg/日を 1群雌雄各 10例に、被験物質混合飼料の自由摂取による反復経口投与を行なっ

た。1ヵ月間投与後に全例を剖検した。その成績の概略を表二-27に示す。

10.0 g/kg/日群の雄1例が投与 28日に多発性出血により死亡した。10.0 g/kg/日では、眼および皮膚の

退色、耳からの分泌物、耳の脱毛・痂皮・創傷、糞の減少、削痩、右前肢の腫脹が認められた。同群雄

1例では投与 28日に精巣の腫脹が認められた。体重は、10.0 g/kg/日の雄で投与期間を通じて低値で推

移した。

血液学的検査においては、10.0 g/kg/日群の雄で赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、平均赤血球

容積および平均赤血球血色素濃度が減少した。また、同群雄では分葉核好中球、単球、リンパ球数上昇

を伴う、白血球数の増加が認められた。

血液化学的検査においては、無機リン、アラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸ア

ミノトランスフェラーゼの増加が 4.5 g/kg/日以上の群で、尿素窒素の増加が 10.0 g/kg/日群の雌雄および

4.5 g/kg/日群の雌で、ビタミン Dおよび Eの減少が 10.0 g/kg/日群の雌雄および 4.5 g/kg/日群の雄で、鉄

の減少が 10.0 g/kg/日の雄で、それぞれ認められた。

剖検では、諸臓器の出血が 10.0 g/kg/日群の雄で認められた。腎臓、肝臓、脾臓および下垂体重量が

4.5ないし 10.0 g/kg/日群の雄で低値を示した。病理組織学的検査では、10.0 g/kg/日群の雄で、精巣上体

の出血および慢性的な炎症、精巣の萎縮、変性、水腫および出血、肝臓および脾臓の髄外造血の亢進が

認められ、一部の個体では、膵臓の炎症および胸腺の壊死も認められた。

以上の結果から、本試験における無毒性量は、1.0 g/kg/日と結論した。

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ニ-77

表二-27 ラットにおける 1ヵ月間反復経口投与毒性試験(その 1) 動物種・系統・週齢 ラット(SD)、投与開始時 5週齢

性・体重 体重範囲 雄:139.4~166.5 g、雌:94.9~120.5 g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混餌飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。

雄 投与量(g/kg/日) 対照(セルロース10.0) 1.0 4.5 10.0

薬物投与量(g/kg/日、投与期間平均) 9.76 0.97 4.37 9.67

動物数 10 10 10 10

死亡数 0 0 0 1 1)

一般状態

眼の退色 0 0 0 2 皮膚の退色 0 0 0 1 耳からの分泌物 0 0 0 3 耳 脱毛 0 0 0 2

痂皮 0 0 0 2

創傷 0 0 0 2

首 創傷 1 1 0 0

糞の減少 0 0 0 1

削痩 0 0 0 3

右前肢の腫脹 0 0 0 1 精巣の腫脹 0 0 0 1

体重(g) 投与開始日 153.8±8.63 152.3±5.31 151.0±4.84 153.4±5.72

投与 28日 319.4±20.60 314.7±10.46 297.7±7.97* 250.0±22.15**

摂餌量 投与開始日 89.5±6.73 92.0±3.56 8.75±2.69 88.2±4.53

(g/動物/日) 投与 28日 160.7±10.96 145.2±6.13 152.2±6.06 137.6±26.08**

尿検査2) - - - -

血液学的検査3) 例数 9 9 8 9

赤血球数 (mill/µL)7) 7.24±0.157 6.96±0.355 6.92±0.430 5.28±1.401**

血色素量 (g/dL) 15.8±0.40 15.3±0.62 14.8±1.17 10.4±2.79**

ヘマトクリット値 (%) 42.5±1.00 41.1±1.54 39.7±3.03 27.3±7.61**

平均赤血球容積 (fL) 58.7±0.75 59.1±1.25 57.3±2.10 52.0±5.40**

平均赤血球血色素濃度 (pg) 21.8±0.38 22.0±0.43 21.4±0.67 19.9±2.01**

白血球数 (thsn/µL)8) 13.0±1.71 12.0±1.83 13.1±3.55 23.2±9.86**

分葉核好中球 (thsn/µL)8) 1.25±0.589 1.65±0.821 2.04±0.699 6.55±3.547**

単球 (thsn/µL)8) 0.04±0.063 0.05±0.068 0.03±0.085 0.12±0.269

リンパ球 (thsn/µL)8) 11.45±1.450 10.22±1.583 10.93±3.399 16.43±7.937

血液化学的検査4) 例数 10 10 10 9

無機リン (mg/dL) 10.0±0.52 10.7±0.48 13.9±0.80** 13.6±2.16**

アラニンアミノトランスフェラーゼ (U/L) 38±5.5 42±3.6 61±4.8** 76±16.1**

アスパラギン酸

アミノトランスフェラーゼ (U/L) 94±12.1 95±11.6 108±8.8 111±18.4*

尿素窒素 (mg/dL) 18±1.9 19±2.2 20±3.2 25±6.5**

ビタミン D (ng/mL) 51.89±26.561 56.47±5.328 30.09±4.304 9.39±3.509**

ビタミン E (µg/mL) 6.1±0.61 8.9±0.77** 4.1±0.26** 3.3±0.40**

鉄 (µg/dL) 134±57.9 186±48.0 164±93.4 28±28.4*

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ニ-78

表二-27 ラットにおける 1ヵ月間反復経口投与毒性試験(その 2)

雄 投与量(g/kg/日) 対照(セルロース10.0) 1.0 4.5 10.0

剖検 諸臓器の出血 0 0 0 8

器官重量5) (g)

腎臓 2.51±0.225 2.49±0.104 2.30±0.092* 2.02±0.211**

肝臓 10.44±1.227 10.35±0.994 9.11±0.605* 8.01±1.300**

脾臓 0.78±0.077 0.71±0.055 0.63±0.051** 0.72±0.141

下垂体 0.012±0.0020 0.011±0.0012 0.011±0.0007 0.009±0.0015**

病理組織学的検査6)

精巣上体の出血 0 0 0 6

精巣上体の慢性的炎症 0 0 0 5

精巣 萎縮 0 1 0 1

変性 0 0 0 2

水腫 0 0 0 1

出血 0 0 0 2

髄外造血 肝臓 1 0 0 2

脾臓 0 0 0 5

膵臓 炎症 0 0 0 3

胸腺 壊死 0 0 0 2

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ニ-79

表二-27 ラットにおける 1ヵ月間反復経口投与毒性試験(その 3)

雌 投与量(g/kg/日) 対照(セルロース10.0) 1.0 4.5 10.0

薬物投与量(g/kg/日、投与期間平均) 10.10 1.01 4.43 10.10

動物数 10 10 10 10

死亡数 0 0 0 0

一般状態

眼および皮膚の退色 0 0 0 0 耳からの分泌物 0 0 0 0 耳 脱毛 0 0 0 0

痂皮 0 0 0 0 創傷 0 0 0 0

首 創傷 0 0 0 0

糞の減少 0 0 0 0 削痩 0 0 0 0 右前肢の腫脹 0 0 0 0

体重(g) 投与開始日 108.9±6.79 109.5±7.89 107.7±7.94 107.0±6.17

投与 28日 187.2±23.13 179.9±10.67 168.7±9.37* 166.4±7.22**

摂餌量 投与開始日 69.9±3.86 73.3±5.43 67.6±6.23 69.9±3.97

(g/動物/日) 投与 28日 108.5±14.96 94.3±5.42* 92.3±11.29** 106.9±7.90

尿検査2) - - - -

血液学的検査3) 例数 8 10 10 10

赤血球数 (mill/µL)7) 7.02±0.437 6.86±0.406 7.30±0.275 7.49±0.411*

血色素量 (g/dL) 15.1±0.91 14.9±0.94 15.4±0.68 15.9±0.85

ヘマトクリット値 (%) 42.1±2.28 40.6±2.72 42.4±1.92 43.5±1.78

平均赤血球容積 (fL) 60.0±1.80 59.1±0.89 58.1±1.53* 58.2±1.50*

平均赤血球血色素濃度 (pg) 21.6±0.90 21.7±0.41 21.1±0.60 21.3±0.70

白血球数 (thsn/µL)8) 8.2±2.71 8.8±2.22 8.0±1.57 10.3±2.85

分葉核好中球 (thsn/µL)8) 0.98±0.416 1.21±0.571 0.94±0.436 1.33±0.512

単球 (thsn/µL)8) 0.06±0.072 0.08±0.070 0.06±0.087 0.08±0.144

リンパ球 (thsn/µL)8) 7.06±2.317 7.31±1.934 6.95±1.327 8.73±2.326

血液化学的検査4) 例数 10 10 10 10

無機リン (mg/dL) 9.5±0.96 10.0±1.17 12.1±1.80** 12.6±2.12**

アラニンアミノトランスフェラーゼ (U/L) 31±4.6 36±5.7 53±14.1** 65±8.8**

アスパラギン酸

アミノトランスフェラーゼ (U/L) 95±6.0 101±10.1 114±17.6** 113±13.4**

尿素窒素 (mg/dL) 20±3.3 21±2.9 24±3.0** 26±3.2**

ビタミン D (ng/mL) 55.29±7.348 74.00±4.801** 81.09±5.456** 29.32±4.667**

ビタミン E (µg/mL) 7.7±1.12 13.4±1.69** 8.6±1.06 3.8±0.47**

鉄 (µg/dL) 291±88.3 322±82.2 333±76.9 333±88.2

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ニ-80

表二-27 ラットにおける 1ヵ月間反復経口投与毒性試験(その 4)

雌 投与量(g/kg/日) 対照(セルロース10.0) 1.0 4.5 10.0

剖検 諸臓器の出血 0 0 0 1

器官重量5) (g)

腎臓 1.41±0.201 1.43±0.077 1.32±0.109 1.30±0.083

肝臓 5.60±0.861 5.73±0.447 5.22±0.455 4.92±0.367*

脾臓 0.46±0.087 0.44±0.059 0.38±0.040* 0.38±0.056*

下垂体 0.012±0.0046 0.011±0.0019 0.010±0.0010 0.009±0.0012*

病理組織学的検査6)

髄外造血 肝臓 0 0 0 0

脾臓 0 0 0 0

膵臓 炎症 0 0 0 0

胸腺 壊死 0 0 0 0

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01(Dunnettの多重比較検定) 1)投与 28日に死亡 2)尿検査(投与終了時)

検査項目:尿量、比重、pH、蛋白質、グルコース、ケトン体、ウロビリノーゲン、ビリルビン、潜血、色調、外観、尿沈渣 3) 血液学的検査(投与終了時)

検査項目: 赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、白血球数、血小板数、平均赤血球容積、平均赤血球血色素量、 平均赤血球血色素濃度、白血球分類

4)血液化学的検査(休薬終了時) 検査項目: アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、

クレアチンフォスフォキナーゼ、グルコース、総コレステロール、無機リン、トリグリセライド、遊離脂肪酸、 尿素窒素、クレアチニン、総ビリルビン、蛋白質、アルブミン、グロブリン、カルシウム、鉄、ナトリウム、 カリウム、塩素、銅、亜鉛、ビタミンA、ビタミン E、ビタミンD (ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、鉄、銅、亜鉛、遊離脂肪酸は例数:5 で実施)

5)器官重量(休薬終了時) 測定項目: 肝臓、腎臓、脾臓、心臓、脳、下垂体、副腎、胸腺、甲状腺・上皮小体、精嚢・精巣上体(雄)、卵巣(雌)

6)病理組織学的検査(休薬終了時) 観察組織: 重量測定器官に加えて、大動脈、膵臓、胃、膣(雌)、眼球、外涙腺、舌、気管、食道、十二指腸、回腸、空腸、

盲腸、結腸、直腸、膀胱、乳腺(雌)、視神経、前立腺(雄)、子宮(雌)、骨・骨髄(胸骨)、腸間膜リンパ節、 下顎リンパ節

7)100万個/µL 8)1000個/µL

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ニ-81

(2)ウサギにおける胚・胎児発生に関する用量設定試験 (参考資料ニ-2)

ウサギにおける胚・胎児発生に関する経口投与試験の用量設定のため、ウサギ(ニュージーランド白

色種)を用い、 PB-94の 0.0(溶媒)、0.15、0.5および 1.5 g/kg/日を胚着床から胎児の硬口蓋閉鎖時期

にあたる妊娠 7~19日に強制経口投与し、妊娠 29日に帝王切開して胎児観察を行った。その成績の概

略を表二-28に示す。

母動物において死亡あるいは切迫殺が 0.5 g/kg/日群で 4例、1.5 g/kg/日群で 1例みられたが、これら

はいずれも被験物質の誤嚥あるいは投与過誤によるものと考えられた。一般状態、体重及び摂餌量の推

移、剖検結果に投与による変化は認められなかった。

帝王切開検査では黄体数、着床部位数、生存胎児数、着床前および着床後胚損失率、胎児体重に投与

による影響は認められなかった。胎児に外形異常は認められなかった。

以上、本試験では 1.5 g/kg/日までの用量において胚致死作用、催奇形性は認められず、母動物への毒

性影響も認められなかった。

表二-28 ウサギにおける胚・胎児発生に関する用量設定試験成績 使用動物・系統・月齢 ウサギ(ニュージーランド白色種)、投与開始時 4~5ヵ月齢

性・体重 体重範囲、雌:3.0~3.5 kg(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94懸濁液を強制経口投与:用量 30 mL/kgになるよう PB-94濃度を調整した。 投与期間:妊娠 7~19日 溶媒:脱イオン蒸留水

投与量設定理由 PB-94の溶解限度が 50 mg/mLであること、およびウサギへの投与容量の限界量が 30 mL/kgであることを考慮し、最高用量を 1.5 g/kg/日と設定した。

投与量(g/kg/日) 0.0(対照) 0.15 0.5 1.5

動物数 5 5 6 5

死亡数 0 0 41) 11)

一般状態 - - - -

帝王切開動物数2) 3 5 1 4

体重(kg) 妊娠 18日 3.57 3.58 3.60 3.55

摂餌量(g/動物/日)

妊娠 18-19日 117.7 154.6 180.0 176.3

黄体数(1腹平均) 10.3±2.52 11.2±2.28 9.0 11.3±2.99

着床部位数(1腹平均) 8.3±2.52 9.0±1.87 9.0 7.0±4.08

着床前胚損失率(%) 20.1±4.80 19.1±11.75 0.0 43.2±28.57

着床後胚損失率(%) 18.1±18.79 7.0±6.77 11.1 13.8±16.01

母 動 物

剖検 肉眼的所見 - - - -

生存胎児数(1腹平均) 7.0±2.65 8.4±1.95 8.0 5.8±3.40

胎児体重(g) 雄 44.54±1.171 45.58±7.109 50.57 50.46±4.627

(1腹平均) 雌 44.57±3.001 43.51±6.254 44.52 50.33±8.900

胎 児

外形異常発生例数/観察例数 0/21 0/42 0/8 0/23

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 *p<0.05、**p<0.01(Dunnettの多重比較検定、Mann-Whitney ”U” test、累積カイ二乗検定あるいは Fisherの直接確率法) 1)被験物質の誤嚥あるいは投与過誤による死亡 2) 胎児が得られた母動物数

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ニ-82

(3)マウスにおける 9週間混餌ビタミン添加予備試験 (参考資料ニ-3)

マウス(Crl:CD-1R(ICR)BR、雄、13週齢)を使用し、PB-94-0.0 g/kg/日、PB-94-0.0 g/kg/日+ビタ

ミンA-2,500 IU/kg diet-ビタミンD-750 IU/kg diet-ビタミンE-320 IU/kg diet-ビタミンK-10 ppm、

PB-94-3.0 g/kg/日、PB-94-3.0 g/kg/日+ビタミン A-2,500 IU/kg diet-ビタミン D-375 IU/kg diet-ビ

タミン E-160 IU/kg diet-ビタミン K-10 ppm、PB-94-3.0 g/kg/日+ビタミン A-2,500 IU/kg diet-ビ

タミン D-750 IU/kg diet-ビタミン E-320 IU/kg diet-ビタミン K-10 ppmの 5用量について、被験物

質および各ビタミン混合飼料の 9週間自由摂取により検討した。試験群には 1群雄各 10 例を供し、4

週間投与後に半数例を、9週間投与後に、残りの全例を剖検した。その成績を表二-29に示す。

投与期間中の死亡は認められず、一般状態、摂餌量、体重は全ての群で同様に推移した。4週間また

は 9週間投与後の各群の血清中ビタミン A、D、E濃度には差は認められなかった。剖検および器官重

量についても薬物あるいはビタミン添加による影響は認められなかった。

以上より、9週間までの PB-94の 3.0 g/kg/日とビタミン A、D、E、Kの添加ではこれらの処置による

影響はみられなかった。

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ニ-83

表二-29 マウスにおける 9週間経口投与ビタミン添加用量設定試験 動物種・系統・週齢 マウス(Crl:CD-1R(ICR)BR)、投与開始時 13週齢

性・体重 体重範囲 雄:30.0~36.6 g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混餌飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。

群名 1群 2群 3群 4群 5群

混餌飼料成分

PB-94 (g/kg/日) 0 0 3.0 3.0 3.0

ビタミン A (IU/kg diet) 0 2500 0 2500 2500

ビタミン D (IU/kg diet) 0 750 0 375 750

ビタミン E (IU/kg diet) 0 320 0 160 320

ビタミン K (ppm) 0 10 0 10 10

動物数 10 10 10 10 10

死亡数 0 0 0 0 0

一般状態 - - - - -

摂餌量 投与4週 4.9±0.6 4.7±0.4 4.9±0.4 5.0±0.3 5.4±0.3

(g/動物/日) 投与9週 4.8±0.9 4.6±0.2 6.1±2.1 5.0±0.5 5.0±0.4

体重 投与4週 34.9±1.3 36.3±1.1 33.6±2.0 34.4±1.2 35.2±0.5

(g) 投与9週 37.1±1.3 38.9±0.8 35.5±3.6 36.3±1.2 37.7±1.8

血液化学的検査 1)

ビタミン A 投与4週 0.318±0.055 0.300±0.098 0.266±0.057 0.310±0.073 0.274±0.131

(µg/mL) 投与9週 0.196±0.031 0.192±0.096 0.158±0.092 0.248±0.032 0.140±0.061

ビタミン E 投与4週 2.064±0.259 2.354±0.344 1.328±0.461 2.050±0.086 2.730±0.841

(µg/mL) 投与9週 1.410±0.407 1.898±0.470 1.490±0.171 1.233±0.265 1.657±0.749

ビタミン D 投与4週 29.576±1.766 32.512±3.772 34.302±6.239 32.928±6.700 34.058±9.330

(ng/mL) 投与9週 26.928±2.607 29.304±3.627 34.155±8.425 34.398±2.498 33.063±3.932

剖検 - - - - -

器官重量 2) - - - - -

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 1) 血液化学的検査 検査項目:ビタミン A、ビタミン E、ビタミン D 2) 器官重量

測定項目: 副腎、脳、精巣上体、心臓、腎臓、肝臓、肺、下垂体、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺

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ニ-84

(4)ラットにおける 9週間混餌ビタミン添加予備試験 (参考資料ニ-4)

ラット(Crl:CDR(SD)、雄、13週齢)を使用し、PB-94-0.0 g/kg/日、PB-94-0.0 g/kg/日+ビタミン A

-2,500 IU/kg diet-ビタミンD-750 IU/kg diet-ビタミンE-320 IU/kg diet-ビタミンK-10 ppm、PB-94

-3.0 g/kg/日、PB-94-3.0 g/kg/日+ビタミン A-2,500 IU/kg diet-ビタミン D-375 IU/kg diet-ビタミン

E-160 IU/kg diet-ビタミン K-10 ppm、PB-94-3.0 g/kg/日+ビタミン A-2,500 IU/kg diet-ビタミン D

-750 IU/kg diet-ビタミン E-320 IU/kg diet-ビタミン K-10 ppmの 5用量について、被験物質および

各ビタミン混合飼料の 9週間自由摂取により検討した。試験群には 1群雄各 8例を供し、9週間投与後

に全例を剖検した。その成績を表二-30に示す。

投与期間中の死亡は認められず、一般状態では PB-94投与群で着色鼻汁ないし血涙が散見された以外

に異常は認められなかった。摂餌量には異常は認められなかったが、体重は PB-94投与全群で約 5%の

増加抑制がみられた。4あるいは 9週間投与後、PB-94-3.0 g/kg/日投与群で血清中ビタミン Dおよび E

が低値を示した。PB-94+ビタミン補充群では 4週間投与後に血清中ビタミン Dが僅かに低値を示した

以外は、PB-94投与でみられた血清中ビタミン Dおよび Eの低値は認められなかった。血液凝固能には

投与による影響は認められなかった。剖検および器官重量についても薬物あるいはビタミン添加による

影響は認められなかった。

以上より、9週間までの PB-94の 3.0 g/kg/日とビタミン A、D、E、Kの添加では、体重推移への影響

は認められず、PB-94投与による血清中ビタミン Dおよび Eの減少が改善された。

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表二-30 ラットにおける 9週間経口投与ビタミン添加用量設定試験 動物種・系統・週齢 ラット(Crl:CDR(SD))、投与開始時 13週齢

性・体重 体重範囲 雄:348.2~378.2 g(投与開始時)

投与経路・投与方法 PB-94混餌飼料を自由摂取:目標投与量となるよう PB-94濃度を調整した。

群名 1群 2群 3群 4群 5群

混餌飼料成分

PB-94 (g/kg/日) 0 0 3.0 3.0 3.0

ビタミン A (IU/kg diet) 0 2500 0 2500 2500

ビタミン D (IU/kg diet) 0 750 0 375 750

ビタミン E (IU/kg diet) 0 320 0 160 320

ビタミン K (ppm) 0 10 0 10 10

動物数 8 8 8 8 8

死亡数 0 0 0 0 0

一般状態

着色鼻汁ないし血涙 0/8 0/8 2/8 1/8 1/8

摂餌量 投与 4週 31.8±2.9 32.1±2.2 31.1±4.9 33.8±2.3 33.0±2.4

(g/動物/日) 投与 9週 28.5±2.4 28.4±2.5 31.6±4.1 30.9±2.0 29.7±3.2

体重 投与 4週 497.1±24.6 500.8±28.8 469.7±29.2 474.7±32.8 480.1±30.8

(g) 投与 9週 604.8±29.0 602.6±46.0 571.5±43.6 571.5±46.7 567.1±46.0

血液化学的検査 1)

ビタミン A 投与 4週 1.116±0.186 1.120±0.157 0.930±1.920 1.028±0.184 0.955±0.269

(µg/mL) 投与 9週 0.975±0.079 0.971±0.191 0.923±0.094 0.970±0.171 1.078±0.338

ビタミン E 投与 4週 3.260±0.574 4.729±0.866 2.259±0.660 4.011±0.778 4.939±1.628

(µg/mL) 投与 9週 3.914±0.744 5.434±0.831 1.704±0.612 2.876±0.590 3.655±0.985

ビタミン D 投与 4週 17.150±2.750 18.873±2.453 10.525±2.893 14.686±2.725 12.471±3.110

(ng/mL) 投与 9週 20.569±2.306 25.279±3.454 14.879±3.200 23.190±5.463 26.696±4.017

血液凝固能検査 2) 投与 9週 例数 8 6 8 8 8

プロトロンビン時間 (sec) 14.9±0.8 14.8±1.0 16.5±4.5 14.9±0.6 15.1±0.7

活性化部分トロンボプラスチン時間 (sec) 13.5±2.5 12.0±1.8 15.0±4.7 10.9±1.8 11.9±2.0

剖検 - - - - -

器官重量 3) - - - - -

-:特記すべき所見なし 数値:平均±標準偏差あるいは例数 1) 血液化学的検査(投与 4および 9週) 検査項目:ビタミン A、ビタミン E、ビタミン D 2) 血液凝固能検査(投与 4および 9週) 検査項目:プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間 3))器官重量

測定項目: 副腎、脳、精巣上体、心臓、腎臓、肝臓、肺、下垂体、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺・上皮小体

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