10
点検時応急措置について 阪神高速道路株式会社 大阪管理局 阪神高速技術株式会社 技術部 資料15

資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

点検時応急措置について

阪神高速道路株式会社 大阪管理局

阪神高速技術株式会社 技術部

資料15

Page 2: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

概 要

点検 診断 報告 補修計画 補修

通常の維持管理フロー(点検から補修まで)

・業務発注 ・管理者協議 ・地元調整 ・手配、調達

・補修検討 ・予算確保

・工事発注 ・管理者協議 ・地元調整 ・手配、調達

問題点) ・点検と補修では、協議や道路規制、重機類等が重複している部分が多くあった。 ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

【そこで考えた!】 ・点検時に発見した損傷を点検時に併せて補修できれば、費用も手間も省けるのではないか? 『まずは、やってみよう。』 ・ 第三者損害が懸念される損傷(例:落下しそうなもの、コンクリートの浮き等)は可能な限り、その場で措置。 ・ 点検の作業進捗に大幅な影響を与えない範囲で実施(軽微な損傷であっても措置≒予防保全、進展防止)

点検(損傷発見)から補修までの平均日数 30~50日 ( ※緊急案件除く)

Page 3: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

メニュー紹介 1) コンクリート表面保護 【たたき落とし→防錆→剥落防止】 約5~10分/箇所

剥落防止スプレー

措置前 措置後

措置前 措置後

Page 4: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

メニュー紹介 2) 鋼部材表面保護 【浮き錆除去→ケレン→簡易塗装(防錆)】 約5~10分/箇所

措置前 措置後

措置前 措置後

Page 5: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

メニュー紹介 3) 支承部材保護 【表面保護材塗布、注油】 約5分/箇所

措置前

措置後 措置前

措置後

Page 6: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

応急措置実績数

平成20年度

・・・・・・

平成26年度 平成27年度 平成28年度

①応急措置件数 7,682 19,760 18,365 13,345

内 訳

コンクリート部材 (叩き落とし、表面保護、鉄筋防錆)

1,627 【21%】

12,733 【64%】

13,527 【74%】

9,084 【68%】

鋼部材 (錆片撤去、防錆、簡易塗装)

688 【9%】

1,379 【7%】

935 【5%】

710 【5%】

支承部材 (支承注油、ゴム支承劣化防止)

5,008 【65%】

5,285 【27%】

3,529 【19%】

3,456 【26%】

ボルトナット措置 287 【4%】

62 【1%】

220 【1%】

60 【1%】

その他 (落下防止措置、残置物撤去他)

72 【1%】

301 【1%】

154 【1%】

35 【1%】

②損傷発見数(※措置後の全損傷数) 70,997 70,532 89,131 71,150

比率(①/②) 10.8% 28.0% 20.6% 18.8%

平成20年度頃から取組み始め、近年は当初から2倍以上の措置件数

Page 7: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

点検時応急措置の効果(損傷進展の防止)

《コンクリート表面保護》

【処置前】 【処置後】 【次回点検(5年)後】

《鋼部材表面保護》

【処置前】 【処置後】 【次回点検(5年)後】

Page 8: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

点検時応急措置の契約方法とコスト比較

《契約・精算方法》 ・ 点検業務の契約内で単価を決めて契約、精算は写真や使用量確認による実数精算 ・ 措置内容について、過年度実績や点検歩掛(人工、進捗、仮設備)を加味して、単価設定

作業員:2名、高所作業車:1台、交通誘導員、1名、標識車×1台が 必要で、安く見積もっても、70,000~80,000円/箇所 かかる

【応急措置単価の例】 (直工) ・錆片除去+防錆措置:約3,000円/箇所 (材料費除く) ・表面保護+防錆措置:約6,000円/箇所 (材料費除く)

これらの作業を別班で補修した場合・・・

点検時措置と通常補修では、補修方法や程度、補修目的が若干異なるため、単純比較は適当ではないかもしれないが、点検時措置は別途の規制や高所作業車が不要なため、低コストで対応可能。

Page 9: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

まとめとポイント

《促進するためのポイント》 ・点検員の持ち運びに負担とならない、コンパクトな工具、材料(スプレー)の使用 ・入念な点検計画、準備による、ゆとりのある点検工程の確保 ・2名/組での点検作業の場合は、1人が野帳整理や写真撮影をしている間に実施する (ただし、この場合、お互いが1人作業とならない様に注意が必要) ・点検時応急措置内容に応じた対価の精算

点検時応急措置は、簡素な補修であるが、明らかに『早くて安い』、 それに加え、損傷の進展防止も、ある程度期待できる。

Page 10: 資料15 点検時応急措置について · 点検時応急措置について ... ・点検結果により、早期に補修の必要がある損傷について、補修までに多くの時間を要する事もあった。

課題と現在の取組み

●限られた時間、工具、材料での措置のため、必ずしも品質の良い作業とはいえない 引き続き、より良い工法や材料を、開発・発掘することが必要(特に水の供給がある箇所で効果が持続するもの) ●あくまで応急措置のため、効果を過信せず、適切な診断、補修班への引継ぎが必要 ●進展防止効果は、定性的評価のため、定量的評価するべく検討中

最後にPR・・・ コンクリートの剥落防止スプレーは、粗骨材クラスの剥落防止ではないため、シート系の剥落 防止材を開発 ⇒ 「DKピタットエイド」 (※阪神高速技術㈱、倉敷紡績㈱、大日本印刷㈱との共同開発)

【特 徴】 ①粘接着材付シート ②点検員でも簡単に貼るだけで、強固に接着補修 ③コンクリート等に接着可能 ④太陽光(紫外線)で緩やかに硬化を開始 【現時点の状況】 室内試験の性能評価は完了 実橋での試験施工を随時実施(阪神高速道路、NEXCO西日本、JR西日本) H29年度中に商品化予定