41
建設工事における事故と安全対策について 国土交通省大臣官房技術調査課 課長補佐 川尻 竜也 Ⅰ.建設工事における事故の状況 Ⅱ.熱中症について Ⅲ.i-Constructionと建設現場の安全性向上 Ⅳ.事故事例について

建設工事における事故と安全対策について · 建設工事における死傷者数の推移 1.昭和50年以降平成23年まで休業4日以上の死傷災害件数については、労災給付データに

  • Upload
    others

  • View
    10

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

建設工事における事故と安全対策について

国土交通省大臣官房技術調査課

課長補佐 川尻 竜也

目 次

Ⅰ.建設工事における事故の状況

Ⅱ.熱中症について

Ⅲ.i-Constructionと建設現場の安全性向上

Ⅳ.事故事例について

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

建設工事における事故と安全対策

国土交通省 大臣官房 技術調査課課長補佐 川 尻 竜 也

第644回建設技術講習会

目 次

Ⅰ.建設工事における事故の状況

Ⅱ.熱中症について

Ⅲ. i-Constructionと建設現場の安全性向上

Ⅳ.事故事例について

1

Ⅰ .建設工事における事故の状況

2

建設工事における死傷者数の推移

1.昭和50年以降平成23年まで休業4日以上の死傷災害件数については、労災給付データによる。2.平成24年以降の休業4日以上の死傷災害件数については、労働者死傷病報告による。3.平成23年は、東日本大震災を直接の原因とする死傷者を除く。

建設業労働災害防止協会(建災防)HP 労働災害統計および厚生労働省資料より作成

我が国の労働災害による死傷者数は、昭和53年頃をピークに減少傾向にあり、平成29年の建設業における死傷者数は約15千人で、全産業に占める割合は約13%である。

3

建設工事における死者数の推移

1.昭和50年以降平成23年まで休業4日以上の死傷災害件数については、労災給付データによる。2.平成24年以降の休業4日以上の死傷災害件数については、労働者死傷病報告による。3.死亡災害件数については、「死亡災害報告」による。4.平成23年は、東日本大震災を直接の原因とする死傷者を除く。

我が国の労働災害による死亡者数は、減少傾向にある。平成29年における全産業での死傷者数は978人、建設業は323人となっており、全産業に占めるその割合は約33%である。

建設業労働災害防止協会(建災防)HP 労働災害統計および厚生労働省資料より作成

4

建設投資額あたりの死亡者数の推移

我が国の労働災害による死亡者数は、近年減少しているが、建設投資額あたりの死亡者数の推移は緩やかな減少傾向といえる。

年度

死亡

者数

投資

額あ

たり

の死

亡者

数(人

/兆

円)

建設業労働災害防止協会(建災防)HP 労働災害統計および厚生労働省資料より作成

※建設投資額は国土交通省資料より作成 5

42%

24%

8%

26%

三大災害の死亡災害発生状況

墜落・転落災害

倒壊・崩壊災害

その他

三大災害

建設業労働災害防止協会資料より作成

建設業の死亡災害323人のうち、墜落・転落災害135人(42%)、建設機械・クレーン等災害77人(24%)、倒壊・崩壊災害28人(8%)と以前として高い比率を占めいている。

6

建設業における年齢別・工事の種類別死亡災害発生状況

建設業労働災害防止協会資料より作成

37 37

75

59

109

年齢別では、40歳以上の死亡者が243人と全体の75.2%を占めており、その中でも60歳以上が109人(44.9%)と最も多い。

7

29.7

M/標準

M/標準

16.1

11.4

11.0 9.0

11.0

13.0

15.0

17.0

19.0

21.0

23.0

25.0

27.0

29.0

31.0

33.0

35.0

37.0

H2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

0

100

200

300

400

500

600

700

800

H2年H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29

395399 408 420 433 438 442 455 434 432 432415 414 401 385 381 375 370M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準

29 33 3642

42 43 43 4143 42 42

39 3736

34 32 31 31M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準

118 127127128

127128131133

131128126124116

114113107107103

M/標準M/標準

M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準

2222 27

26 27 29 29 3131 32 34

33 3234

35 34 32 31M/標準

M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準

588

24

604

25

619

25

640

26

655

25

663

24

670

24

685

24

662

24

657

23

653

20632

22

618

19604

19584

17

568

14

559

14552

17

537

15

517

14498

13

502

7

503

8

499

98 10 9 9

(万人)その他

販売従事者等

管理的職業、事務従事者

技術者

技能者

建設業就業者の現状

建設業:約3割が55歳以上

全産業(55歳以上)

全産業(29歳以下)

建設業:29歳以下は約1割

505500 492 498

8

技能者等の推移 建設業就業者の高齢化の進行

出典:総務省「労働力調査」を基に国土交通省で算出出典:総務省「労働力調査」(暦年平均)を基に国土交通省で算出

(※平成23年データは、東日本大震災の影響により推計値。)

○建設業就業者: 685万人(H9) → 498万人(H22) → 498万人(H29)

○技術者 : 41万人(H9) → 31万人(H22) → 31万人(H29)

○技能者 : 455万人(H9) → 331万人(H22) → 331万人(H29)

○ 建設業就業者は、55歳以上が約34%、29歳以下が約11%と高

齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題。※実数ベースでは、建設業就業者数のうち平成28年と比較して55歳以上が約3万人増加、29歳以下は約1万人減少。

Ⅱ .熱中症について

9

暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)

10

暑さ指数(WBGT)の提供 【環境省】

全国約840地点の暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値を提供

一部コンテンツは英語にも対応

個人向けメール配信サービス

暑さ対策のイベント等の告知

実況値・予測値をCSV形式のデータファイルで提供

環境省では、熱中症を未然に防止するため「環境省熱中症予防情報サイト」を運用し、全国約840地点における暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値等、熱中症予防情報の提供を行っています。

・実況値:現在の暑さ指数(WBGT)・予測値:今日、明日、明後日(深夜

0時まで)の3時間毎(3時、6時、9時・・・)の暑さ指数(WBGT)

○環境省熱中症予防情報サイト(http://www.wbgt.env.go.jp/)

環境省 熱中症

スマートフォン用QRコードhttp://www.wbgt.env.go.jp/sp/

携帯電話用QRコードhttp://www.wbgt.env.go.jp/kt/

11

熱中症の症状

熱中症の症状を下表に示す。また、熱中症の重症度を「具体的な治療の必要性」の観点から、

Ⅰ度(現場での応急処置で対応できる軽症)、Ⅱ度(病院への搬送を必要とする中等症)、Ⅲ度(入院して集中治療の必要性のある重症)

に分類されている。(出典:熱中症環境保健マニュアル2014)

表 熱中症の症状と重症度分類(出典 熱中症環境保健マニュアル2014)

12

作業環境管理 ~対策事例~

労働者の健康状態の確認

尿チエック(トイレに張り紙)

問題なし普段通りに水分を取りましょう

問題なしコップ1杯分の水分をとりましょう

1時間以内に250mlの水分を取りましょう屋外あるいは発汗していれば、500mlの水分をとりましょう

今すぐ250mlの水分を取りましょう屋外あるいは発汗していれば、500mlの水分をとりましょう

今すぐ1000mlの水分を取りましょうこの色より濃い、あるいは赤/茶色が混じっていたらすぐ病院へ行きましょう

13

熱中症の発生状況

熱中症は5月から9月にかけて多く発生し、死亡災害では7月と8月に多く発生。発生時刻は、午後2時台から午後4時台までに多発しており、全体の半数以上を占めている。また、休業4日以上の災害(死亡事故除く)(平成19年)では、朝9時台の作業開始後から発生しており、必ずしも日中に限らず朝・夕刻でも災害は発生している。

図 職場における熱中症による休業4日以上の災害(死亡災害を除く)の業種別発生件数(平成19年)

図 職場における熱中症による災害の月別発生件数

図 職場における熱中症による災害の時間帯別発生件数

図の出典:職場における熱中症予防対策マニュアル 14

熱中症の発生状況について (平成24年度~平成28年度)

過去5年間(平成24~28年)の業種別の熱中症による死傷者をみると、建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しており、全体の約5割がこれらの業種で発生している。

熱中症は6月から9月にかけて多く発生し、死亡災害では7月と8月に多く発生している。発生時刻は、午後2時台から午後4時台までに多発しているが、朝9時台の作業開始後からも発生しており、必ずしも日中に限らず、朝・夕刻でも発生しているので注意が必要である。

図1、2、3:平成28年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(厚生労働省資料)より

図1 熱中症による死傷者数(業種別)

図2 熱中症による死傷者数(月別)

図3 熱中症による死傷者数(時間帯別)

15

620

433

292

158 179126

48 38

321

44

16

4

114

6

4 4

11

0

200

400

600

800

建設業 製造業 運送業 警備業 商業 清掃・

と畜業

農業 林業 その他

休業4日以上の業務上疾病者数 死亡者数

52 93

8921067

96 16

0 5

43

50

50

0

200

400

600

800

1000

1200

5月以前 6月 7月 8月 9月 10月以降

休業4日以上の業務上疾病者数 死亡者数

197 165 261

152 160 266

344 266

175 229

1 6

13

6 7

17

11

20

12 11

0

100

200

300

400

9時以前

10時台

11時台

12時台

13時台

14時台

15時台

16時台

17時台

18時以降

休業4日以上の業務上疾病者数 死亡者数

熱中症に関する情報提供サイト

熱中症に関する情報提供サイト一覧

1 厚生労働省ホームページ(職場における労働対策)PCサイトhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/

koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei02.html

2 環境省熱中症予防情報サイトPCサイト:http://www.wbgt.env.go.jpスマートフォンサイト:http://www.wbgt.env.go.jp/sp/携帯サイト:http://www.wbgt.env.go.jp/kt

3 気象庁ホームページ

(1)高温注意報翌日または当日の最高気温が概ね35℃以上になることが予想される場合に、以下のサイトで発表PCサイト:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/netsu.html

(2)高温に関する気象情報向こう1週間で最高気温が概ね35℃以上になることが予想される場合に、以下のサイトで発表PCサイト:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

(3)高温に関する異常天候早期警戒情報5日後から14日後にかけての7日間平均気温がかなり高くなることが予想される場合に、毎週月・木曜日に以下のサイトで発表PCサイト:http://www.jma.go.jp/jp/soukei/

(4)1か月予報及び3か月予報毎週木曜日に1か月予報を、毎月25日頃に翌月以降の3か月予報を以下のサイトで発表PCサイト:http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/

(5)気候系監視年報過去の気候系の特徴をまとめ、以下のサイトで発表PCサイト:http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/nenpo/index.html

建設現場における熱中症対策事例集

建設現場における熱中症対策事例集

平成29年3月国土交通省 大臣官房 技術調査課

建設現場における熱中症対策事例集(国土交通省HP)http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou/pdf/290331jireisyuu.pdf

16

Ⅲ .i-Constructionと建設現場の安全性向上

17

i-Construction ~建設現場の生産性向上~

○平成28年9月12日の未来投資会議において、安倍総理から第4次産業革命による『建設現場の生産性革命』に向け、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指す方針が示された。

○この目標に向け、3年以内に、橋やトンネル、ダムなどの公共工事の現場で、測量にドローン等を投入し、施工、検査に至る建設プロセス全体を3次元データでつなぐなど、新たな建設手法を導入。

○これらの取組によって従来の3Kのイメージを払拭して、多様な人材を呼び込むことで人手不足も解消し、全国の建設現場を新3K(給与が良い、休暇がとれる、希望がもてる)の魅力ある現場に劇的に改善。

【生産性向上イメージ】

平成28年9月12日未来投資会議の様子

ICTの土工への活用イメージ(ICT土工) 18

【建設現場におけるICT活用事例】《3次元測量》

《3次元データ設計図》

《ICT建機による施工》

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

4月

6月

8月

10

12

2月

4月

6月

8月

10

12

2月

4月

6月

8月

10

12

2月

4月

6月

8月

10

12

2月

民 間 公 共

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度

i-Construction トップランナー施策 (H28~)

ICTの全面的な活用(ICT土工) 施工時期の平準化

○ 公共工事は第1四半期(4~6月)に工事量が少なく、偏りが激しい。

○ 適正な工期を確保するための2か年国債を設定。H29当初予算においてゼロ国債を初めて設定。

(工事件数) (i-Construction)

平準化された工事件数

<技能者>・収入安定・週休二日

<発注者>

・計画的な業務遂行

<受注者>

・人材・機材の効率的配置

平準化

(工事件数) 閑散期 繁忙期 (現状)現状の工事件数

<技能者>

・閑散期は仕事がない

・収入不安定

・繁忙期は休暇取得困難

<発注者>

・監督・検査が年度末に集中

<受注者>

・繁忙期は監理技術者が不足

・閑散期は人材・機材が遊休

○設計、発注、材料の調達、加工、組立等の一連の生産工程や、維持管理を含めたプロセス全体の最適化が図られるよう、全体最適の考え方を導入し、サプライチェーンの効率化、生産性向上を目指す。

○H28は機械式鉄筋定着および流動性を高めたコンクリートの活用についてガイドラインを策定。

○部材の規格(サイズ等)の標準化により、プレキャスト製品やプレハブ鉄筋などの工場製作化を進め、コスト削減、生産性の向上を目指す。

プレキャストの進化

©大林組

©三井住友建設

(例)定型部材を組み合わせた施工

(例)鉄筋のプレハブ化、埋設型枠の活用現場打ちの効率化

全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)

クレーンで設置 中詰めコン打設

クレーンで設置

○調査・測量、設計、施工、検査等のあらゆる建設生産プロセスにおいてICTを全面的に活用。

○3次元データを活用するための15の新基準や積算基準を整備。

○国の大規模土工は、発注者の指定でICTを活用。中小規模土工についても、受注者の希望でICT土工を実施可能。

○全てのICT土工で、必要な費用の計上、工事成績評点で加点評価。

ドローン等を活用し、調査日数を削減

3次元設計データ等により、ICT建設機械を自動制御し、建設現場のICT化を実現

3次元測量点群データと設計図面との差分から、施工量を自動算出

規格の標準化 全体最適設計 工程改善

コンクリート工の生産性向上のための3要素

出典:建設総合統計より算出

19

0

5

10

15

20

25

30

ICT土工による安全性の向上

○IC建機の活用により、丁張り等、重機周りの作業が減少するため補助作業との接触事故を防止することが期待。

○H29年次におけるICT土工を活用した工事では、重機と人が接触した事故は0件。

国土交通省直轄工事における建設機械との接触事故の状況(H29年次における全工事とICT土工との比較)件数

全工事 ICT土工 20

24件(事故発生率 0.1%=24件/19,081工事)

0件(事故発生率 0%=0件/554工事)

部材の規格(サイズ等)の標準化により、プレキャスト製品やプレハブ鉄筋などの工場製作化を進め、コスト削減、生産性の向上を目指す。

部材の工場制作化の進展とともに、鉄筋組立てや型枠設置等の高所作業が減少し、墜落事故などの労働災害の減少が期待。

コンクリート工の規格の標準化等による安全性の向上

従来方法

プレキャストの進化

(例)鉄筋をプレハブ化、型枠をプレキャスト化することにより、鉄筋組立てや型枠設置作業等の高所作業が減少

クレーンで設置 中詰めコン打設(脱型不要)

©三井住友建設

現場打ちの効率化

(例)各部材の規格(サイズ)を標準化し、定型部材を組み合わせて施工

ラーメン構造の高架橋の例©大林組

組立・脱型等の高所作業が減少

鉄筋組立

生コン打設型枠設置

脱型

支保工組立

21

0

50

100

150

200

250

第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期

件数

月日

H26~29年度工事事故発生件数

施工時期の平準化による安全性の向上

○国土交通省では、H27年度から適正な工期を確保するための2か年国債(国庫債務負担行為)の規模を倍増やH29年度からは当初予算における『ゼロ国債』を初めて設定し、公共工事の施工時期を平準化を図っている。

○H26.10~12月に対しH29.10~12月の比は0.57と減少。

209件

181件

第3四半期:119件(H26比0.57)

167件

平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

第2四半期:146件(H26比0.70)

22

Ⅳ .事故事例について

23

全産業と比べて、2倍の死傷事故率(年間労働者の約0.5%(全産業約0.25%))

事故要因としては、建設機械との接触による事故は、墜落に次いで多い

※千人率=[(年死傷者数/年平均労働者数)×1,000]

建設業における労働災害発生要因

墜落

24.7%

建設機械等の

転倒、下敷、

接触、衝突等

15.1%工具等取り扱い 14.5%

飛来、落下 9.1%

倒壊 5.9%

自動車の転倒、下敷き、

接触、衝突等

3.2%

取扱運搬等 2.7%

落盤等 1.6%

土砂崩壊 1.6%

クレーン等の転倒、

下敷、接触、衝突等

0.5%

爆発、火災等 0.5%

電気 0.5%

その他 19.9%

死傷事故率の比較

千人率※

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

H26

建設業

全産業

死傷事故率2倍

依然として多い建設現場の労働災害

24

工事事故発生件数(労働災害及び公衆災害)平成16年度~平成29年度

死傷者数(労働災害及び公衆災害)平成16年度~平成29年度

○ 平成29年度の労働災害及び公衆災害による事故発生件数は482件であり、減少傾向となっている。

○ 平成29年度の労働災害の事故発生件数は232件であり、減少傾向となっている。

○ 平成29年度の公衆災害(物損)の事故発生件数は237件であり、減少傾向となっている。

○ 平成29年度の労働災害及び公衆災害による死亡者数は11人、負傷者数(休業1~3日)は39人で増加、負傷者数(休業4日以上)は103人であり減少している。

*平成28年度値との比較

626

836 910

853 829 928

828 849 874

778

642 571

522 482

253

348 323 327 360 367

322 348 361 341

258 229 238 232

314

429

509 436 419

517 451 435

486

410 354

320 264 237

59 59 78 90 50 44 55 66

27 27 30 22 20 13

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

直轄工事事故発生件数(労働災害及び公衆災害(第三者と物損)

全体件数 労働災害 公衆災害(物損) 公衆災害(第三者)

14

28

11 19 16 20 19

29

21 17 11 20 8 11

14 24

11 17 15 19 19 25

19 15 10 19

7 10

176

213 224 205 204

165

130

159

140 146

104 102 128

103

81

122 122

94 110

95

70

146

196

160

51 38

28 39

0

50

100

150

200

250

H16度 H17度 H18度 H19度 H20度 H21度 H22度 H23度 H24度 H25度 H26度 H27度 H28度 H29度

労働災害及び公衆災害全体死傷者数

死亡者数 死亡者数(労働災害のみ)

負傷者数(休業4日以上) 負傷者数(休業1~3日)

直轄工事における事故発生状況① (平成16年度~平成29年度)

25

事故発生件数 平成21年度~平成29年度

死傷者数(休業4日以上) 平成21年度~平成29年度

【発生件数】○平成29年度の重機事故(クレーン

以外)による事故発生件数は19件、墜落事故(足場から)は10件であり、減少傾向となっている。

○平成29年度の重機事故(クレーン関係)による事故発生件数は6件、墜落事故(法面から)は10件であり、増加となっている。

【死傷者数】○平成29年度の重機事故(クレーン

以外)による死傷者数は8件、墜落事故(足場から)は10件であり、減少傾向となっている。

○平成29年度の飛来落下よる死傷者数は20件、墜落事故(法面から)は6件であり、増加傾向となっている。

[労働災害及び公衆災害の内訳]

34

27

22 20

15 12

18

14 11

56

42

26 31

41

30 28

25

19

10

7 2

6

18

3

10

4

6

27

20

11

17 17

9

12 14

10

7

7

10

3 5

5

5

5 10

58

42

38 40

50

34

28 31 31

0

10

20

30

40

50

60

70

H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

(件) 労働災害及び公衆災害事故の種類別事故件数

交通事故

重機事故(クレーン以外)

重機事故(クレーン関係)

墜落事故(足場から)

墜落事故(法面から)

飛来落下

12

8

13

11

7

3 3

8 7

33

19 21

14

20

15

19

15

8 6

4

1

4

8

2

8

2 4

22

16

8 9

11

4

10 11 10

5

7 6

3 4 3

4 5 6

32

16 17

14

21

25

14

18 20

0

5

10

15

20

25

30

35

H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

(人) 労働災害及び公衆災害事故の種類別死傷者数(休業4日以上)

交通事故

重機事故(クレーン以外)

重機事故(クレーン関係)

墜落事故(足場から)

墜落事故(法面から)

飛来落下

直轄工事における事故発生状況② (平成21年度~平成29年度)

26

搭乗式草刈機のステップと履帯の隙間に挟まれ被災 (負傷事故:休業4日以上)

【事故発生状況】修理に出した搭乗式草刈機の試運転で後進を行っ

たところ、急発進してしまった。その際の反動と、両足の配置場所が悪かったこと及び、靴底が濡れていたことから、足がステップと履帯(キャタピラー)との隙間に滑り落ち、左足(脛部)を挟み被災した。

【事故発生原因】作業者が作業への慣れにより保護具(脛当)を着

用していなかったことステップの立ち位置が悪かったこと機械のステップと履帯との間に隙間があったこと

機械の格納だけの作業であったため、一人で作業させてしまったこと

現地KY及び作業計画書を作成せずに作業を行ったこと

① 日 時 : 平成29年8月7日(月)

② 作業内容 : 搭乗式草刈機の試運転 【河川維持工事】

③ 事故内容 : 搭乗式草刈機の後退時にステップと履帯の隙間に左足を挟まれ被災

④ 被害状況 : 機械運転者1名負傷(休業4日以上)

事例1 工具等取り扱い事故・労働災害

27

バックホウの排土板に挟まれ右足親指の被災 (負傷事故:休業4日以上)

【事故発生状況】第9号ブロック積工№82施工中、中段のコンクリート

打設終了後、生コン会社運転手(被災者)が重機作業員の所へ納品書の受け取りサインをもらう為、0.3BHへ近づいた。

作業員は重機停止して対応する為、0.3BHの排土板を下げバケットを地面へ降ろそうとした。

収納作業と重機に接近した被災者の右足が排土板の下へ入ったことが重なり、右足親指を負傷した。

① 日 時 : 平成29年11月1日(水)

② 作業内容 : 裏込コンクリート打設 【道路改良工事】

③ 事故内容 : 収納作業と重機に接近した被災者の右足が排土板の下へ入ったことが重なり、右足親指を負傷した

④ 被害状況 : 作業員1名負傷(休業4日以上)

事例2 建設機械等の接触事故・労働災害

【事故発生原因】BHの作業範囲内立入禁止が徹底されず、エンジ

ン停止まで周囲の安全確認がなされなかった。被災者が不用意に作業中のBHへ近づいた上、安

全保護具の着用がなされていなかった。

28

剥離したコンクリート塊が作業員を直撃し被災 (負傷事故:休業4日以上)

【事故発生状況】被災者は、鏡吹付けコンクリート作業の完了後、計

測管理業務のために切羽に近づいたところ、天端中央からL800㎜×W400mm×t180㎜程度の範囲で一次吹付けコンクリートの剥落が発生し、被災者の背中に当たり被災した。

【事故発生原因】計測管理業務を支保工建込中にトンネル掘削作

業主任者・切羽監視責任者に連絡せずに切羽付近に立ち入り計測準備を行った。

掘削サイクルの遅延により当日の作業終了に対する焦りが生じ単独で計測管理業務の準備作業を行った。

計測管理業務要領に計測実施時期や安全対策が明確に記載されていなかった。

① 日 時 : 平成29年6月14日(水)

② 作業内容 : 切羽前方での計測管理業務(出来形計測) 【トンネル工事】

③ 事故内容 : 計測管理業務のために切羽に近づいたところ、一次吹付けコンクリートの剥落が発生し、背中に当たり被災した

④ 被害状況 : 作業員1名負傷(休業4日以上)

事例3 飛来落下事故・労働災害

29

型枠設置吊上げ移動作業中に型枠の下敷きになり被災 (負傷事故:休業4日以上)

【事故発生状況】護岸ブロック工事の小口止工型枠組立作業におい

て、型枠設置吊上げ移動作業中、オペレーターの腰袋が重機のアーム昇降操作レバーに誤ってあたり、アームが2mくらい急に上がり、型枠を支えていた作業員の上に型枠を落としてしまう。両足の下腿が型枠の下敷きになり被災した。

【事故発生原因】発生時刻が、夕方で気持ちの焦りがあり、重機運

転手は腰道具をつけたまま操縦し腰道具をアーム昇降レバーに接触させてしまった。

被災した作業員は玉掛け作業を不十分な状態(吊り具ワイヤーに外れ止め防止措置が無い状態)で吊り荷作業を行ってしまった。

① 日 時 : 平成29年5月9日(火)

② 作業内容 : 移動式クレーンによる小口止工型枠組立作業 【河川工事】

③ 事故内容 : 型枠設置吊上げ中に、吊り具ワイヤーが外れ、型枠の下敷きになり負傷した

④ 被害状況 : 作業員1名負傷(休業4日以上)

事例4 取扱運搬等事故・労働災害

30

揚重作業中に足場から墜落し被災 (死亡事故)

【事故発生状況】単独にて庁舎東側外部足場の最上段(H12.7m)に

て電動ホイストを使用し、地上から補修材(モルタル材)をバケツ(10㎏弱)にて受取る揚重作業に従事していたが、足場の落下防護シート及び手摺部材、一方向の筋交いを外して作業を行い、また安全帯の装着も行っていなかった為、取り込む際にバランスを崩し墜落した。

① 日 時 : 平成29年8月22日(火)

② 作業内容 : 屋上防水排水溝の補修作業 【建築一式工事】

③ 事故内容 : 地上から補修材を受け取る揚重作業中に、バランスを崩し足場から約13m墜落して被災

④ 被害状況 : 作業員1名死亡

事例5 墜落事故(足場から)・労働災害

【事故発生原因】許可なく手摺、メッシュシートを取り外し作業を

行った。安全帯の着装を行っていなかった。単独作業であった。

31

重機事故のデータ分析(平成24~28年度SASデータより)

[重機事故の内訳]

[重機事故の対策]

重機の種類別事故発生状況(平成28年度)

被災者と重機の位置関係(平成24~28年度)

重機名称事故件数

(件)割合(%)

土工用重機 13 56.5%

揚重機 2 8.7%コンクリート施工用重機 0 0.0%舗装用重機 3 13.0%杭基礎施工重機 0 0.0%維持管理用重機 0 0.0%ダンプトラック 2 8.7%その他・未記載 3 13.0%

計 23 100.0%

○ 土木用重機(バックホウ等)と作業員の接触が56.5%と最も多い(H28年度)

○ 発生形態は、重機の「前方」で「重機の方向に向けて作業」している場合が最も多く、次に「後方」で「重機に背を向けて作業」している場合であり、合図・確認の不徹底、誤操作が原因と思われる

○ 過去5年間の傾向を見ると、重機事故件数は減少傾向となっている。H24年度発生件数対比では、「土工重機」は43%と減少している。

○ 合図・誘導員が「未配置」である事故がほとんどを占める

○ 重機事故に対しては、「バックホウ」作業の対策を重点的に行う必要がある

○ 「安全の見える・聞こえる化推進(作業員への注意喚起:近接警報装置の普及推進等)」「重機オペレーターに重機操作前の確認を促す対策(旋回・後進時の警告音、ステッカー運動の改善等)」が重要

○ 厳密な立入禁止措置が実質的に困難であることを前提とし、合図誘導者の適正配置を徹底する

○ 作業員と重機オペレーターのコミュニケーション(声掛け)が重要

56.5%

8.7%

13.0%

8.7%

13.0% 土工用重機

揚重機

コンクリート施工用重機

舗装用重機

杭基礎施工重機

維持管理用重機

ダンプトラック

その他・未記載

26.1%

13.0%

4.3% 9.6%

33.0%

13.9%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

重機の後方 重機の前方 重機の側面 重機の後方 重機の前方 重機の側面

重機に背を向けて作業 重機の方向に向いて作業

重機事故種類別発生件数推移(平成24~28年度)

100%

103%

60% 67%

43%

0

10

20

30

40

50

60

70

H24 H25 H26 H27 H28

(件)

土工用重機

揚重機

コンクリート施工用重機

舗装用重機

杭基礎施工重機

維持管理用重機

ダンプトラック

その他・未記載

※グラフ内の数字は平成24年度発生件数対比とする

32

墜落事故のデータ分析(平成24~28年度SASデータより)

[墜落事故の場所別発生割合の内訳]

[墜落事故の対策]

墜落事故の場所別発生割合(平成28年度)

○ 最も多いのは「足場」であり、次いで「ガケ、斜面から」と「型枠、型枠支保工から」であり、これらで48.6%を占めている(H28年度)

○ 過去5年間の傾向を見ると、墜落事故件数は減少傾向となっている。H24年度発生件数対比では、「足場から」は71%、「ガケ、斜面から」は67% 「梯子、脚立、うまから」は50%、と減少している

○ 足場からの墜落事故の保護具使用状況は、「安全帯を装着したが未使用」が62.5%、 「安全帯を装着していない」が18.8%、「安全帯付け替え中」が12.5%と安全帯を正しく使用していれば防げた事故が多い

○ 今後は安全帯を装着するなどの安衛則の遵守が必要○ 安全帯の使用を徹底周知

足場から

23.6%

ガケ、斜面から

16.7%

型枠、型枠支保工から

8.3%梯子、脚立、うまから

6.9%その他の機械設備から

4.2%

架設通路から

2.8%

踊り場から

2.8%

橋梁から

1.4%

屋根、屋上から

1.4%

歩み板から

1.4%

その他

30.6%

100%

150%130%

160%

50%

100%

83%117% 28%

67%

100%

96%67%

58% 71%

0

20

40

60

80

100

120

H24 H25 H26 H27 H28

足場から

ガケ、斜面から

型枠、型枠支保工から

梯子、脚立、うまから

その他の機械設備から

架設通路から

踊り場から

橋梁から

屋根、屋上から

歩み板から

その他

墜落事故種類別発生件数推移(平成24~28年度)

※グラフ内の数字は平成24年度発生件数対比とする

33

[飛来・落下事故の内訳]

[飛来・落下事故の対策]

事故種類別の事故発生割合(平成28年度)

○ クレーンによる吊荷の落下事故が25.8%と多くを占める(H28年度)

○ 過去5年間の傾向を見ると、飛来・落下事故件数は減少傾向となっている。H24年度発生件数対比では、「クレーン等で運搬中(吊り荷等)のもの」は57%と減少している

○ 間接的な原因として、「吊り荷の下に入る」「上下作業を行っている」ものが多くみられる。特に、吊り荷の受取り側の作業員が接近または吊り荷下に入り、被災するケースが多くみられる

○ 飛来事故は、材料取壊しや障害物撤去時において、保護メガネの未使用(装着時の不快感や危険予知能力不足による)が原因で破片が目に入った場合に事故となっている

○ 吊り荷の落下事故に対する重点的な事故防止対策が必要

○ 「吊荷の下に入らない」「上下作業禁止」という基本的な安全対策を強化することが必要

○ 吊荷受取側の作業員の被災も多く、安易な近接を抑制する対策が必要(介錯ロープ等を用いて吊り荷が腰より低くなった後に近接する等 )

クレーン等で運

搬中(吊り荷等)のもの25.8%

用具、荷、取り付

け前の部材等22.6%

丸太、角材、パネル等

の取り付け後のもの

9.7%

その他41.9%

100%

40%

20% 100% 60%

100%

58%

75% 50%58%

100%

57%

100% 121%

57%

0

10

20

30

40

50

H24 H25 H26 H27 H28

(件)

クレーン等で運搬中(吊り荷

等)のもの

用具、荷、取り付け前の部材

丸太、角材、パネル等の取り

付け後のもの

その他

飛来・落下事故種類別発生件数推移(平成24~28年度)

※グラフ内の数字は平成24年度発生件数対比とする

飛来・落下事故のデータ分析(平成24~28年度SASデータより)

34

年齢別の死傷者数の推移(平成24~28年)

○ 一般には年齢が高いと経験が豊富だが体力や俊敏性の衰えが懸念されるため、現場の安全管理体制を充実させ事故を防止する必要がある

[出典:厚生労働省 労働災害統計 「労働者死傷病報告」による死傷災害発生状況(平成24~28年 確定値)]

建設業における年齢階層別死亡者数の推移建設業における年齢階層別死傷者数の推移

514 631 587 536 460

2,532 2,541 2,466 2,209 2,258

3,542 3,319 3,216 2,801 2,642

3,263 3,305 3,432 3,206 3,160

3,416 3,379 3,218 2,927 2,715

3,806 4,014 4,265 3,905 3,823

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

H24 H25 H26 H27 H28

60歳~

50~59歳

40~49歳

30~39歳

20~29歳

~19歳

8 12 10 6 431 30 35 32 34

60 43 53 3345

53 5169

58

58

9173

8173

60

124133 129 125

93

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

H24 H25 H26 H27 H28

60歳~

50~59歳

40~49歳

30~39歳

20~29歳

~19歳

○ 過去5年間の年齢別の死傷者数及び死亡者数の推移は以下の通りである。・死傷者数の最も多いのは60歳以上・10代、30代、40代及び50代の死傷者の割合は、近年減少傾向を示している。逆に20代の死傷者の割合は、増加傾向を示している。

・死亡者数は年により異なるが、最も割合が多いのは60歳以上であり、次いで50歳代、40歳代、30歳代の順である

35

[時間帯別の傾向]

※件数の集計は直轄工事のみ

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0

事故件数

(件)

時間帯(数字はその時刻台を示す)

時間帯別_事故件数

全体

労働災害

公衆災害

(時台)

○ 午前、特に11時台に事故発生のピークが出現し、午後は14時台に多くなる○ 上記の傾向は労働災害、公衆災害に共通している○ 22時以降に公衆災害が増える傾向がある

時間帯別の事故データ分析(平成24~28年度SASデータより)

36

工事・作業進捗度別の事故データ分析(平成24~28年度SASデータより)

[工事・作業進捗度別の傾向]

【作業進捗度別事故件数】○ 作業初期段階(~10%)における事故件数が全

体の28%を占めており、飛びぬけて多い

【工事の進捗度別事故件数】○ 工期の初期(~10%)及び終期(91~100%)に

おける事故件数が全体件数の29%を占めている

作業進捗度別の事故について(平成24~28年度)

工事進捗度別の事故について(平成24~28年度)

124

74 75

44

64 6657 55

49

77

18%

11% 11%

6%9% 10% 8% 8% 7%

11%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200(人)

(工事の進捗度)

死傷者数

割合

193

5669

4559 52

4057 55 59

28%

8% 10%7% 9% 8%

6% 8% 8% 9%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0

50

100

150

200

250(人)

(作業の進捗度)

死傷者数

割合

37

[入場日別の傾向]

0

5

10

15

20

25

30

0 5 10 15 20 25 30

(人)

入場日数(日)

死傷者数

入場日数別の事故について(平成24~28年度)

○ 入場1週間で、全体の1/3の事故が発生○ 特に初日の被災が突出している○ 2/3の事故は1ヶ月以内にほとんどが発生

入場日別の事故データ分析(平成24~28年度SASデータより)

38

AIを活用した建設工事事故の防止

○建設業における労働災害の発生状況は、年々減少傾向にあるものの、死亡者数は全産業に占める割合が約3割と最も高い比率となっているのが現状。

○国土交通省では、主に直轄工事における工事事故データベースを保有しており、事故案件ごとに「工法」、「事故発生時の天候、日時、現場状況」、「事故の概要」等のデータを保有。

○それらのデータをAIを用いて解析し、安全確保に配慮した施工方法等の検討や事故の未然防止を図る。

国土交通省建設工事事故データベースシステム

AI

設計段階 施工段階

・現場の施工条件に応じた、作業員の安全確保に配慮した施工方法等の検討

・作業内容に対して、適切な安全対策の措置

・KY活動での活用・注意喚起のための「事故危険予報」

橋梁の架設工事やトンネル工事等の工法検討 など

気候、地形等の自然条件を考慮した安全施工への配慮の検討 など

対話型AIに作業内容を伝え、適切な安全対策を選択など

気温や時間帯により、事故危険予報を出して、作業員に注意喚起 など

当日の作業内容に対する「良くあるミス」をKY活動で情報共有 など

39