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従来の薬剤探索法では 見出すことができなかった 新規抗HCV剤グアンファシンの同定 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 難治ウイルス病態制御研究センター センター長 池田 正徳

従来の薬剤探索法では 見出すことができなかった 新規抗HCV剤 ... · 2019. 3. 29. · OSM (ng/ml) 1.13 2.25 0.80 0.18 0.38 2.00 CsA (μg/ml) 0.37 0.31 0.35 0.19

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従来の薬剤探索法では見出すことができなかった

新規抗HCV剤グアンファシンの同定

鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科

難治ウイルス病態制御研究センター

センター長 池田 正徳

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従来技術とその問題点

C型肝炎ウイルス(HCV)に感受性のある唯一動物モデルはチンパンジーのみであるが、霊長類であるチンパンジーを使った研究は現在、倫理的経済的問題からなされていない。

現在、すべての抗HCV剤は、唯一HCVを高率良く増殖させることが可能なヒト肝癌細胞由来のHuH-7細胞株のみを使って開発されている。

HuH-7細胞株という特殊な細胞内環境でのみの、抗ウイルス活性の

評価を行っていると、人体では無効な薬剤が過大評価されたり、人体で有効な薬剤が過小評価されてしまう可能性がある。

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新技術の特徴・従来技術との比較

HuH-7細胞株とは異なる、ヒト肝癌細胞株であるLi23細胞株を第2のHCV感受性細胞株として樹立し、HuH-7細胞株では見いだすことができなかった、抗HCV活性を有するGuanfacineを見出した。

現在開発されている、Direct Acting Antivirals (DAAs)は驚異的な治療成績を示す一方で、1) ウイルス排除後の肝発癌、2) DAA治療のHBV再活性化など、新たな課題が出現した。

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従来技術(DAAs)の問題点

1. HuH-7細胞株のみによる評価

2. 薬価が高額で医療経済を圧迫(12週間の治療で約700万円)

3. 薬剤耐性変異を有するHCVの出現

4. ウイルス排除後の肝発癌

5. ウイルス排除後にHBVが再活性化

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想定される用途

HuH-7では見出すことのできなかった抗HCV剤の評価が可能

従来のDAAsに対して耐性を示すHCVに対する薬剤候補

Drug repositioningにより見いだされた薬剤なので安全性が保証されている

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実用化に向けた課題

1. 前臨床試験におけるPOCの取得

1. 化合物の最適化

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企業への期待

1.Guanfacineをリード化合物とする類似化合物の合成

2. 薬剤ライブラリーの提供と、Li23細胞株を用いた抗HCV剤のスクリーニング

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :抗HCV活性を有する薬剤

• 出願番号 :特願2016-048508• 出願人 :国立大学法人鹿児島大学、

国立大学法人岡山大学

• 発明者 :池田正徳、武田緑、加藤宣之

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A型肝炎ウイルス (HAV: Hepatitis A Virus)

B型肝炎ウイルス (HBV: Hepatitis B Virus)

C型肝炎ウイルス (HCV: Hepatitis C Virus)

D型肝炎ウイルス (HDV: Hepatitis D Virus)

E型肝炎ウイルス (HEV: Hepatitis E Virus)

肝炎ウイルスの種類

肝炎ウイルスには5種類ある

これ以外にTTV、HGV(=GBV-C)などが報告されたが現在では肝炎ウイルスからは除外されている

HDVは単独では増殖できずHBVの存在により増殖が可能

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CB DA E

5種類の肝炎ウイルス

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HBV(HDV)、HCV

慢性肝炎:6ヶ月以上肝臓に肝炎が持続している状態

HBVとHCVの感染者は世界人口の約8%と推定されており、死に至る最大のウイルス感染症といえる。

慢性肝炎に進展する肝炎ウイルス

CB D

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急性肝炎 慢性肝炎 肝硬変

肝がん

70%

7%/年

HCV感染は慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行する

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HCV感染による肝疾患の疫学

慢性肝炎 肝硬変 肝癌3.5万人/年

HCVキャリア200万人

アルコール、NASHなど

肝不全消化管出血1.7万人/年

肝臓に関連した病気で年間5万人以上の方が死亡している

HBVキャリア110万人

予防

抗ウイルス療法

ウイルスの排除

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抗ウイルス剤の標的部位

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PEG: PEG-IFNRBV: Ribavirin

TPV: TelaprevirSPV: Simeprevir

C型肝炎ウイルス治療成績

0102030405060708090

100

6%

34%

55%

75%89%

1991 2000 2004 2011 2013

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C型肝炎に対するDAA製剤の開発状況

2014

daclatasvir (NS5A)+asunaprevir (NS3)

ledipasvir (NS5A)+sofosbuvir (NS5B)

ombitasvir (NS5A)+paritaprevir (NS3)

2013

PR: PEG-IFN/RBV

PR+simeprevir (NS3) ヤンセンファーマ社

PR+vaniprevir (NS3) MSD社

ブリストル・マイヤーズ社

アッヴィ社

ギリアド・サイエンシズ社2015

2011 PR+telaprevir (NS3) 田辺三菱社

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Sofosbuvir Ledipasvir

1. ハーボニー (2015年9月)

NS5B阻害剤 NS5A阻害剤

Ombitasvir

NS5A阻害剤NS3/4A阻害剤

Paritaprevir

+ Ritonavir

2. ヴィキラックス (2015年11月)

C型慢性肝炎に対する新しい経口配合剤

+

+

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Development of hepatocellular carcinoma in patients with hepatitis C virus infection who achieved sustained virological response following interferon therapy: A large-scale, long-term cohort study (Nagaoki Y, Chayama K et al., J Gastroenterol Hepatol, 2015)

・36(3%) of 1094 patients developed HCC after SVR・The cumurative rates of HCC at 5, 10, and 14 years were 4%, 6% and 12%,

respectively

最近の抗HCV剤は驚異的な治療成績を達成しているが、ウイルス排除後の肝発癌が新たな課題となっている

肝発癌予防に対する新たな戦略:抗腫瘍剤のなかで抗ウイルス活性を有する化合物を探索する

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DAAによるHBV再活性化に関する注意勧告

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DAA時代のHCV研究の課題

1.SVR後HCC

2.DAA治療におけるHBVの再活性化

肝発癌予防、HBV再活性化予防

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HCVとレプリコン

5’UTR 3’UTRCore E1 E2 NS2 NS3 4B NS5A NS5BIRES

構造領域 非構造(NS)領域

HCV ゲノム RNA(9.6kb)

Hepatitis C Virus: HCVフラビウイルス科ヘパシウイルス属

1本鎖、プラス鎖RNA

血液を介した感染

HCV感染者日本:200万人以上世界:2億人以上

5’UTR

ΔC EMCV

IRES3’UTR

NS3 4B NS5A NS5BNeoRHCVレプリコン

(Lohmann et al. Science 1999)

Con-1株遺伝子型1b

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細胞

5’ 3’

翻訳

5’ 3’ 5’ 3’

3’ 5’

3’ 5’5’ 3’

5’ 3’5’ 3’5’ 3’

複製

HCVの生活環

粒子形成

放出

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RLアッセイシステム

0 1 10 1000

20

40

60

80

100

120

140

HC

V R

NA

(%)

IFN- (IU/mL) 添加24時間後

(LightCycler PCR)

レニラルシフェラーゼ(RL)を発現する全長HCV RNA複製細胞に

薬剤を添加し、24〜72時間後にルシフェラーゼ活性を測定する

0 1 10 100IFN- (IU/mL)添加24時間後

0

20

40

60

80

100

120

ルシフェラーゼ活性を測定よく一致する

全長12 kb RNA

HCVHCV 外来性

RLアッセイシステムRT-PCRによる従来法

5’ 3’C E1 E2 NS2 NS3 NS4B NS5A NS5B

∆C

EMCVIRES

NeoR

NS4AP7

RL

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スタチン剤 高脂血症治療剤 臨床試験(全国)フルバスタチン (EC50; 0.9 mM) 治癒率70%?

OR6アッセイシステムを用いて見出した抗HCV剤候補

生理活性物質オンコスタチンM IL6ファミリー(肝分化誘導、抗腫瘍効果)

5-HETE アラキドン酸代謝産物

医薬品やサプリメント論文発表 本来の薬効や機能 治療剤としての現状

Hepatology (‘06)

テプレノン 抗潰瘍剤 臨床試験(岡山)

ミゾリビン リウマチ治療剤

ビタミンD2 栄養補助剤

Liver Int (‘11)

BBRC (‘05)

AAC (‘07)

国内特許出願

FEBS Lett (‘09)

ハイドロキシウレア 臨床試験(横浜)Arch Virol (‘10)Antiviral Ther (‘10)国内外特許出願

(EC50; 0.7 ng/ml)

(EC50; 5 mg/ml)

(EC50; 60 mM)

(EC50; 100 mM)

(EC50; 4 mM)

(EC50; 2 mM)

慢性骨髄性白血病治療剤

ラロキシフェン (EC50; 1 mM) JGV(‘12) 骨粗鬆症治療剤

N-251 (EC50; 3 mM) PLoS ONE (‘13) 抗マラリア剤 臨床試験予定

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HuH-7細胞

・ 肝細胞がん・ 日本人・ 男性・ 57歳・ 岡山大学(1982年)・ IL28B SNP:rs8099917 T/G

(インターフェロン治療抵抗性)・全長HCV RNA複製細胞システム

OR6細胞 (Ikeda et al. BBRC 2005)

Li23細胞

・ 肝細胞がん・ 日本人・ 男性・ 56歳・ 国立がんセンター(1987年)・ IL28B SNP:rs8099917 T/T

(インターフェロン治療感受性)・ 全長HCV RNA複製細胞システム

ORL8細胞 (Kato et al. Virus Res 2009)

2種類の肝細胞株における相違点

HuH-7細胞とLi23細胞は、リバビリンやメトトレキサートなどの抗HCV剤に対して異なる薬剤感受性を示す

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年齢

57

56

性別

細胞株

HuH-7

Li23

人種

肝細胞癌 T/G

T/T

細胞の由来rs8099917

日本人

日本人 肝細胞癌

遺伝子型

1b

1b

臨床

1b

ヘルシーキャリアー

ヘルシーキャリアー

急性肝炎

HCV株

O

1B-4

KAH5

Core a.a.(70/91)

ISDR

R/L

Q/L

Q/L

1

0

0

HCV RNA 複製細胞

HuH-7 Li23

OR6 ORL8

1B-4R 1B-4RL

KAH5R KAH5RL

IL28B SNPrs12979860

C/T

C/C

肝細胞およびウイルス株の背景

IL28B SNPでrs809917がT/TだとIFN感受性rs12979860がC/CだとIFN感受性

ISDRの変異が2個以上だとIFN感受性

Core aa70が野生型(R)だとIFN感受性Core aa91が野性型(L)だとIFN感受性

図3

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HuH-7 Li23

OR6 1B-4R KAH5R ORL8 1B-4RL KAH5RL

IFN-α (IU/ml) 0.94 0.58 0.44 0.18 0.24 0.16

IFN-γ (IU/ml) 0.25 1.00 0.44 0.06 0.06 0.05

IFN-λ1 (ng/ml) >40.00 10.00 1.45 0.02 0.08 0.06

OSM (ng/ml) 1.13 2.25 0.80 0.18 0.38 2.00

CsA (μg/ml) 0.37 0.31 0.35 0.19 0.24 0.25

PTV (µM) 0.58 0.86 0.08 0.20 0.080.39

EC50IFN: InterferonOSM: Oncostatin MCsA: Cyclosporine APTV: Pitavastatin

5’ 3’C E1 E2 NS2 NS3 NS4B NS5A NS5B

∆C

EMCVIRES

NeoR

NS4AP7

RL

全長HCV増殖レポーターアッセイ系による薬剤感受性の評価

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2種類の肝細胞株を用いたメトトレキサートに対する薬剤感受性の違い

Ueda et al. BBRC 2011

HuH-7細胞とLi23細胞は、メトトレキサートに対して異なる薬剤感受性を示す

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0

20

40

60

80

100

120

ORL8

OR6

RLU

(%)

IFN-λ1 (ng/mL)

OR6

ORL8

IFN-λ1 (ng/mL)

0 0.2 2 20

細胞株によるIFN-λ1に対する感受性

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RLU

(%)

Cel

l nu

mbe

r (%

)

b-actin

NS5B

Core

OR6 EC50 : >100 mM

100 020406080

100120

50 1002512.5リバビリン (mM)

100502512.50

ORL6とORL8のリバビリンに対する感受性

ORL8は患者血中濃度(10-14mM)で抗HCV活性を示す

21

42

66

kDa

ORL8 EC50 : 8.7 mM

リバビリン (mM)100502512.50

020406080

100120140

50 1002512.5

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1

10

100

1000

RLU

(%)

OR6

(-) 0.1 1 10IFN-λ1 (ng/mL)

(-) 0.1 1 10IFN-λ1 (ng/mL)

0.1

1

10

100

1000

RLU

(%)

ORL8

RBV (-)RBV 12.5µMRBV 25µMRBV 50µM

OR6およびORL8細胞におけるIFN-λ1とRBV併用効果

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genotype

2a

clinical condition

Fulminant hepatitis

HCVstrain

JFH−1

HCV permissive cells

HuH-7 Li23

RSc D7

HuH-7およびLi23細胞由来のJFH-1 感受性細胞株

5’ 3’C E1 E2 NS2 NS3 NS4B NS5A NS5B

∆C

EMCVIRES

NS4AP7

RL

HCV JFH-1株は現在感染性HCV粒子産生が可能な唯一のHCV株

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細胞株

HuH-7 Li23

HCV株 Sub full Sub full

O sO OR6 ND ORL8

1B-4 s1B-4R 1B-4R ND 1B-4RL

KAH5RsKAH5R KAH5R ND KAH5RL

JFH1 RSc D7

NS3 NS4B NS5A NS5B 3’

NS4A

5’

∆C

EMCVIRES

NeoRRL

5’ 3’C E1 E2 NS2 NS3 NS4B NS5A NS5B

∆C

EMCVIRES

NeoR

NS4AP7

RL

HCV培養細胞系

Page 35: 従来の薬剤探索法では 見出すことができなかった 新規抗HCV剤 ... · 2019. 3. 29. · OSM (ng/ml) 1.13 2.25 0.80 0.18 0.38 2.00 CsA (μg/ml) 0.37 0.31 0.35 0.19

細胞 薬剤

0h-24h

解析

72h

0

20

40

60

80

100

120

(-) 0.08 0.16 0.31 0.63 1.25 2.5 5 10

Rela

tive

RL A

ctiv

ity (%

)

Guanfacine-HCl (µM)

EC50: 0.768 µM

0

20

40

60

80

100

120

(-) 0.240.490.981.953.917.8115.631.362.5 125 250

Cell

Viav

ility

(%)

Guanfacine-HCl (µM)

CC50: 128 µM

Core

β-actin

21 kDa

42 kDa

(-) 0.63 1.25 5 102.5

Guanfacine-HCl (µM)

Li23細胞でGuanfacine・HClは抗HCV活性を示す

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020406080

100120140

(-) 0.08 0.16 0.31 0.63 1.25 2.5 5

Rela

tive

RL A

ctiv

ity (%

)

Guanfacine-HCl (µM)

HCV JFH-1株においてもGuanfacine・HClは抗HCV活性を示す

EC50: 1.23 µM

0

50

100

150

200

(-) 0.98 1.95 3.91 7.81 15.6 31.3 62.5 125 250

Cell

Viav

ility

(%)

Guanfacine-HCl (µM)

CC50: 139µM

細胞 薬剤

0h-24h

解析

72h

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HuH-7系細胞ではGuanfacine・HClは抗HCV活性を示さない

0

20

40

60

80

100

120

(-) 0.16 0.31 0.63 1.25 2.5 5 10

Rela

tive

RL A

ctiv

ity (%

)

Guanfacine-HCl (µM)

OR6

0

20

40

60

80

100

120

(-) 0.08 0.16 0.31 0.63 1.25 2.5 5

Rela

tive

RL A

ctiv

ity (%

)

Guanfacine-HCl (µM)

RSc JRN/35B

細胞 薬剤

0h-24h

解析

72h

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・降圧剤 (α2アドレナリン受容体作動薬)アドレナリン受容体のうち、α2受容体のみが、抑制性のGタンパク(Gi)共役型であり、セカンドメッセンジャーのcAMPを減少させる。2005年効果がないため販売中止となった。製造:日本チバガイギー、発売:ノバルティス、販売:持田製薬

・cAMPを抑制して作業記憶を改善。2013年より小児のADHDに対して治験開始。塩野義/Shire(アイルランド)が日本で申請準備中(2015年8月)

Guanfacine (エスタリック)

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お問い合わせ先

国立大学法人鹿児島大学

産学官連携推進センター知的財産部門

〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-40

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