27
No.1) HB100 型型型型型型型型 型型型型 型型型型型型型型型型型型型 〒589-8502 〒 〒 〒 〒 〒 2180 TEL.(072)365-7771(〒 FAX.(072)367-2053

表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

(No.1)    

      HB100型 

軽レールクレーン 

技術資料 

 

 

 

 

 

 

 

象印チェンブロック株式会社〒589-8502 大阪狭山市岩室2丁目180番地

TEL.(072)365-7771(代) FAX.(072)367-2053

 

 

Page 2: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

HB100型 軽レールクレーン

技 術 資 料

目   次

1. HB 100 システムの構成 1.1 ESB と EHB  1.1.1 ESB  1.1.2 EHB

2. レールおよびトロリ 2.1 レール 2.2 レールの接合 2.3 レール端のストッパ・ケーブルアンカー  2.3.1 トロリのストッパ  2.3.2 ケーブルアンカーセット 2.4 トロリ

3. 天井からのつり下げ 3.1 必要な精度など 3.2 レール側  3.2.1 レール接合部以外でのつり下げ  3.2.2 レール接合部でのつり下げ 3.3 つりチェーン・チェーンロック 3.4 天井取り付け部  3.4.1 フランジクランプを用いた場合  3.4.2 クランピングブラケットを用いた場合

4. 横行レールつり下げ部分

5. ブレース

6. ネームプレート

7. 使用されるお客様に守って頂くこと 7.1 一般的注意事項 7.2 メンテナンス

Page 3: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

1. HB100 システムの構成1.1 ESB と EHB

HB100 システムは、基本的に下図で一覧できる少ない種類の部品で構成されます。

走行レールを1条だけ、つり下げ、それを走るトロリに巻上機を取り付けると ESB (テルハ)走行レール2条を平行に、つり下げ、それを走る2つのトロリで横行レールを、つり下げ、横行レールを走るトロリに巻上機を取り付けると EHB(天井クレーン)が出来上がります。

・図 11-1

Page 4: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

1.1.1 ESB (テルハ)

シングルトロリが 125kg の荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kg の荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表 111-1 ESB 概略計算表を合わせて参照してください。

・図 111-1

 

Page 5: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

ESB 概略計算表

・表 111-1定格荷重→

63kg 80kg 100kg 125kg 160kg 200kg 250kg

支持間隔LB(mm)

シングルトロリ ダブルトロリUB 最

大mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

UB 最大

mm

FA 最大kN

1000 200 1.22 150 1.43 150 1.65 150 1.93 250 2.32 250 2.77 250 3.331250 225 1.26 175 1.46 175 1.68 175 1.96 275 2.35 275 2.80 275 3.361500 250 1.29 200 1.49 200 1.71 200 1.99 300 2.39 250 2.84 250 3.401750 275 1.33 225 1.53 225 1.75 225 2.03 325 2.42 275 2.88 275 3.442000 350 1.36 300 1.56 250 1.78 250 2.06 300 2.46 300 2.91 300 3.472250 375 1.39 325 1.60 275 1.82 275 2.10 325 2.49 325 2.95 325 3.512500 400 1.43 350 1.63 350 1.85 300 2.13 350 2.53 350 2.98 300 3.542750 475 1.46 425 1.66 375 1.88 325 2.17 375 2.56 375 3.01 325 3.583000 550 1.49 450 1.70 400 1.92 350 2.20 450 2.60 400 3.05    3250 625 1.52 525 1.73 475 1.95 425 2.23 475 2.63        3500 700 1.55 600 1.76 500 1.98 450 2.27            3750 725 1.59 675 1.79 575 2.02 525 2.30            4000 700 1.63 650 1.83 600 2.05                4250 725 1.66 675 1.86                    4500 750 1.69                                    

この表は、巻上機の定格荷重別に、支持間隔をいくらにすると、UB(図 UBL / UBR)が最大いくら可能か、つりチェーンに掛かる力(FA)がいくらになるかを計算したものです。ホイストは、一般的な自重・一般的な巻上速度のものを想定しています。計画段階での目安としてください。巻上機の自重、定格速度が分かれば、正確な計算ができます。支持間隔は、等間隔にできない場合も多く、また、1つの走行レールに複数の巻上機付きトロリが装着されるなど、概略計算表では判断出来ないようなケースでは、象印チェンブロック(株)にご相談ください。

 

Page 6: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

1.1.2 EHB (天井クレーン)

・図 112-1  横行レール図

・図 112-2  走行レール図

Page 7: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1
Page 8: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

EHB 概略計算表ホイストは、一般的な自重・一般的な巻上速度のものを想定しています。計画段階での目安としてください。巻上機の自重、定格速度が分かれば、正確な計算ができます。

横行レールの計算表は、UL=UR として定格荷重・横行レール全長別に LS の最大、最小を求めたものです。UL と UR を同一にしない場合、象印チェンブロック(株)にご相談ください。

走行レールの計算表は、巻上機の定格荷重・横行レール全長別に、支持間隔をいくらにすると、UB(図 112-2 の UBL/UBR)が最大いくら可能か、つりチェーンに掛かる力(FA)がいくらになるかを計算したものです。

支持間隔は等間隔にできない場合も多く、また、1対の走行レールに複数のクレーンが装着されるなど、概略計算表では判断出来ないようなケースでは、象印チェンブロック(株)にご相談ください。

・表 112-1    ●横行レール概略計算表

定格荷重→ 63kg 80kg 100kg 125kg 160kg 200kg 250kg横行レール

全長 LT(mm) (迄) ↓

シングルトロリ ダブルトロリ LS 最

大mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm

LS 最大

mm

LS 最小

mm 1000 870 650 870 655 870 660 870 665 870 475 870 480 870 4801500 1370 1080 1370 1100 1370 1110 1370 1125 1370 945 1370 955 1370 9602000 1870 1490 1870 1520 1670 1540 1870 1565 1870 1400 1670 1415 1870 14252500 2370 1875 2370 1920 2370 1955 2370 1985 2370 1835 2370 1860 2370 18853000 2870 2235 2870 2295 2870 2350 2870 2395 2870 2265 2870 2300 2870 23303500 3370 2580 3370 2660 3370 2725 3370 2790 3370 2675 3200 2725 2940 27703700 3570 2710 3570 2800 3570 2870 3570 2945 3480 2840 3200 2895 2940 29404000 3870 2905 3870 3005 3870 3090 3780 3170 3480 3075 3200 3140    4500 4370 3210 4300 3335 4050 3435 3780 3535 3480 3465        4800 4570 3390 4300 3525 4050 3635 3780 3750            5000 4570 3510 4300 3645 4050 3770                5300 4570 3810 4300 3935 4050 4045                5500 4570 4010 4300 4135                    5600 4570 4105 4300 4235                    6000 4570 4500                                    6100 4570 4570                        

Page 9: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・表 112-2    ●走行レール概略計算表

定格荷重↓

横行レール長さ

LT(mm)(迄)LB 最大

mmLB 最小

mmLB 最小での最大

UB mm

FA 最大kN

シングルトロリ

63kg

1000 4370 3270 615 1.792000 4270 3260 570 1.873000 4170 3240 530 1.954000 4070 3210 495 2.035000 3970 3180 465 2.106000 3970 3180 460 2.126100 3970 3180 460 2.13

80kg

1000 4170 3250 525 1.962000 4070 3220 490 2.043000 3970 3180 460 2.124000 3870 3140 430 2.205000 3820 3160 420 2.285600 3770 3090 405 2.29

100kg1000 3960 3190 455 2.152000 3870 3150 425 2.233000 3770 3090 400 2.31

ダブルトロリ

100kg4000 3960 3190 455 2.155000 3870 3150 425 2.235300 3770 3090 400 2.31

125kg

1000 3710 2940 480 2.402000 3630 2890 460 2.483000 3560 2900 450 2.564000 3500 2840 433 2.654800 3450 2770 420 2.71

160kg

1000 3420 2850 425 2.762000 3360 2780 410 2.843000 3300 2790 405 2.934000 3250 2720 390 3.014500 3220 2720 390 3.05

200kg1000 3160 2740 385 3.202000 3110 2740 380 3.263000 3060 2670 370 3.344000 3020 2670 365 3.43

250kg1000 2900 2690 355 3.692000 2860 2610 345 3.783000 2830 2610 345 3.873700 2800 2620 345 3.93

Page 10: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

2. レールおよびトロリ2.1 レール

HB100 レールは、1m から 6m までの 1m おき、および 1.1m から 1.9m まで 0.1m おきに標準長さが設定されています。レール継ぎ目での強度低下が全くありませんので、0.1m 単位で自由にレール全長を設定できます。

・表 21-1    標準レールオーダー番号表 種 類 重量 オーダー番号

1000mm 直線レール 10.1kg 335011100mm 直線レール   335511200mm 直線レール   335071300mm 直線レール   335521400mm 直線レール   335081500mm 直線レール   335531600mm 直線レール   335091700mm 直線レール   335541800mm 直線レール   335101900mm 直線レール   335552000mm 直線レール 20.3kg 335023000mm 直線レール 30.3kg 335034000mm 直線レール 40.5kg 335045000mm 直線レール 50.6kg 335056000mm 直線レール 60.7kg 33506

2.2 レールの接合  HB100 レールは、ジョイントスリーブを使い接合します。 接合部の真上には、つりチェーンを位置させることができますが、その左右 130mm の間は、つりチェーンを配 置できなくなりますから、つり位置・レール接合部の配置を検討する段階で、注意が必要です。

Page 11: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・図 22-1

レール接合部で、つりチェーンを配置する場合は、つり手を前もってジョイントスリーブに取り付けておきます。(3.2.2 項参照)ジョイントスリーブにレールを入れた後では、つり手の取り付けが出来ません。

 ・図 22-2

ジョイントスリーブに、接合するレールを両方から差し込み、穴位置を合わせます。

レールの脱落防止のため、マウンティングボルト2本を接合面から遠い方の穴に貫通させ、抜け止めをしてください。

まず4つのインパクトアンカーをハンマーで打ち込みます。インパクトアンカーの打ち込み・締め付け要領・詳細は、図 22-4 を参照してください。

4本のインパクトアンカーを、かるく仮締めします。

マウンティングボルト2本を撤去し、残り4つのインパクトアンカーも同様に仮締めまで行います。

1箇所を締めると、その相対する側も締めるという要領で8箇所共締め込んでいきます。最終的締め付けトルクは 35Nm としてください。

・図 22-3

Page 12: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1
Page 13: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・図 22-4

・写 22-1  インパクトアン

カー

六角ボルトが円錐ナットに対して手で締められる程度締め込まれ、丸ワッシャ・拡張スリーブが、がたがたしない状態にしたインパクトアンカーを真っ直ぐ打ち込んでいきます。拡張スリーブ外径がジョイントスリーブ穴径より 0.6mm 大きいのでハンマーでたたき込んでください。

拡張スリーブ先の引っかかりがジョイントスリーブを通り抜けた後、さらにレール壁を通り抜ける必要があります。

確実に引っかかりをレール内に届かせるために、当初手で締め込まれた状態のインパクトアンカーがこれ以上たたき込めなくなった状態で、六角ボルトを反時計方向に1回転させ、ボルトと丸ワッシャの間に 1.5mm の隙間を作ります。

この状態(図 22-4 の C)でボルト頭を、たたき込めなくなるまでたたいてください。図 22-4 の D状態にすることができます。

六角ボルトを時計方向に回すことで、ジョイントスリーブとレールの壁がお互いに強く圧接されます。(図 22-4 の E)

・表 22-1    レール接合部材オーダー番号表    構成 オーダー番号

ジョイントセット

ジョイントスリーブ 1個+インパクトアンカー 8個 33500

Page 14: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

2.3 レール端のストッパ・ケーブルアンカー2.3.1 トロリのストッパ

 通常HB100 レールにケーブルスライダーを通し給電しますので、給電側はトロリのストッパをケーブルスライダー個数に応じた適切な位置に設ける必要があります。

給電線のない側

 給電線がない側は、あらかじめレール端部に開けられた穴にストッパピンを通し、セイフティクリップで抜けないようにするだけです。

・図 231-1

給電側

 直径 13mm の穴をレールに開け、ストッパピンが通せるようにしてください。KB寸法は、ケーブルスライダーの数×60+60(mm)とします。

・ 図 231-2

・表 231-1 レールの長さ 1.6m 3.2m 4.8m 6.4m 8.0m 9.6m 11.2

m12.8m

14.4m

16.0m

ケーブルスライダー必要数

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

このケーブルスライダーの必要数は、端末のケーブルアンカー部分の1個を含まない個数です。

・表 231-2    ストッパオーダー番号表   構成 オーダー番号

ストッパセッ ストッパピン 1個+セイフティクリップ 1個 33521

Page 15: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

2.3.2 ケーブルアンカーセット   給電側端末には、ケーブルアンカーセットを取り付けます。

・図 232-1

ケーブルアンカーセットは、アンカーピン2本とそのセイフティクリップおよびビス付きケーブルスライダー(ケーブルタイ付き)1個のセットです。

・表 232-1   ケーブルアンカーセット・ケーブルスライダーオーダー番号表 種 類 オーダー番号

ケーブルアンカーセット 33540ケーブルスライダー 33538

2.4 トロリ

シングルトロリもダブルトロリも、完全に組立済みでお届けします。レールに通していただくだけです。

ホイストやクレーンガーダサスペンションの、つり下げも、セイフティクリップで抜け止めされるピンで行いますので、作業が容易で確実です。

Page 16: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・図 24-1

Page 17: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・表 24-1    トロリオーダー番号表

種 類 オーダー番号シングルトロリ 33537ダブルトロリ 33550

シングルトロリ 1 つからダブルトロリを作る追加部品セット

33549

3. 天井からのつり下げ3.1 必要な精度など   各レールの天井からの、つり下げに当たり、重要項目をここにまとめました。

・図 31-1レールを つっている、つり点高さのばらつき  つり点間距離 LB の 1/2000 以内としてください。

   ・図 31-2 並行レールのスパン寸法のばらつき

(同じ物を支持している一対のレール)  理想スパンに対しプラス 12mmからマイナス 12mm に収めてください。

   ・図 31-3 並行レールのレベルの狂い

(同じ物を支持している一対のレール)  スパン LS の 1/2000 以内としてください。

上記許容範囲に収めるとともに、施工後次の確認をしてください。    1. たるみが感じられる、つりチェーンがないこと。     長さ調整不適切(長すぎる)のため、効いていない   2. ブレースチェーンの傾斜は、許容範囲内であること。

セイフティクリップ、ロックナット(回り止め)、クランピングナットなどの部品は、所定のものを必ず使い、付け忘れや純正品以外のものでの代用を絶対にしないでください。

この資料で締め付けトルクが指示してある部分については、指示通りのトルクで締め付けること。

Page 18: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

3.2 レール側 3.2.1 レール接合部以外でのつり下げ

 レールつり手と呼ぶ部品を下図のようにレール上部に取り付け、つりチェーンでレールを、つれるようにします。

・図 321-1

ロックナット・クランピングナットを一端アジャスターの最上部までゆるめて移動させ、ヘッドナットが回れるようにします。ヘッドナットがアジャスターに対し、下限までスムーズに回転するか確認し(メッキの加減で回転が固いことがあります。固い場合には何度か回転させてスムーズに回転するようにしてください。)ヘッドナットが下限より 5mm程上に位置するようにしてください。(写 321-1 写 321-2 参照)

レール上部空間にヘッドナットを図示のように差し込みます。

ヘッドナット突起の収まりを確認しながら、クランピングブラケットを上からかぶせ、クランピングナットで固定します。

ヘッドナットがクランピングブラケットとレールによって回転出来なくなりますからアジャスターを回すことで高さ調整が可能です。(レールを高くしたい場合には、先にクランピングナットを少しゆるめてから回します)

最終レベリングが完了後、クランピングナット・ロックナットをきつく締めてください。

ヘッドナット突起がクランピングブラケットの適正位置に収まっているかは、上方から確認できるようになっています。(図 321-1 の右)突起が適正位置にない場合は、ヘッドナットがレールを支えられる正しい向きになっていません。必ず修正してください。

レールのレベル調整に当たっては、ヘッドナットの回転によるレール落下に十分注意が必要です。クランピングナットをゆるめ過ぎると危険です。

・表 321-1    レールつり手オーダー番号表   オーダー番号

レールつり手 33533

Page 19: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1
Page 20: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・写 321-1   ・写 321-2 

(写 321-1)写真がアジャスターが最も下がった状態、(写 321-2)写真がアジャスターが最も上がった状態です。つりチェーンで、つられたチェーンロックの高さ(レベル)がいっしょだとすると、(写 321-1)写真の方が(写 321-2)写真より HB100 レールは 10mm高くなっています。

アジャスターの上部は、(写 321-1)写真でクランピングブラケットより 20mm、(写 321-2)写真で30mm の突出となっています。(ジョイントスリーブの場合も同様)

アジャスターでこれ以上の調節は無理ですから、当初ヘッドナットを下限より 5mm浮かせた状態(アジャスター上部の飛び出し 25mm の状態)ですべてのレールを つれば、最終高さ調整が最も要領よく行えることになります。

アジャスターが固くて回せない時は、上限または下限いっぱいになっている恐れがあります。アジャスターを無理に回そうとせず、突出長さが 20~30mm の範囲内であるか確認してください。

レールの上架やレベル調整に当たって、クランピングブラケットとヘッドナットの間隔が大きくなれるよう、クランピングナットがゆるみ過ぎている時は、レールがレールつり手から外れて落下しやすくなっています。レールの落下防止のため、クランピングナットを不必要にゆるめ過ぎないことが重要です。

Page 21: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

3.2.2 レール接合部でのつり下げ   レールつり手と呼ぶ部品(クランピングブラケットは使わない)を図 322-1 のように配置します。

・図 322-1

ヘッドナット突起がジョイントスリーブの適正位置に収まっているかは、上方から確認できるようになっています。(左図)突起が適正位置にない場合は、ヘッドナットがレールを支えられる正しい向きになっていません。必ず修正してください。

接合するレールの差し込みに取りかかる前にジョイントスリーブに、つり手部品を取り付けていきます。

ロックナット・クランピングナットを一端アジャスターの最上部までゆるめ外します。ヘッドナットがアジャスターに対し、下限までスムーズに回転するか確認し(メッキの加減で回転が固いことがあります。固い場合には何度か回転させてスムーズに回転するようにしてください。)ヘッドナットが下限より 5mm程上に位置するようにしてください。

ジョイントスリーブの下からヘッドナット付きアジャスターを差し込みます。ヘッドナット突起の収まりを確認しながら、ジョイントスリーブ上よりクランピングナットで固定します。レールの挿入を楽にするため、ややゆるめでガタがある程度、但し、ヘッドナットは突起が効いて回転できない程度とします。

レール1本目の挿入後、2本目の挿入前にチェーンロックを取り付けた、つりチェーンとロックナットも図示のように配置してください。

レール接合後の高さ調整は、クランピングブラケット使用部分と同様です。ヘッドナットがジョイントスリーブとレールによって回転出来なくなりますからアジャスターを回すことで高さ調整が可能です。(レールを高くしたい場合には、先にクランピングナットを少しゆるめてから回します)

最終レベリングが完了後、クランピングナット・ロックナットをきつく締めてください。

Page 22: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

3.3 つりチェーン・チェーンロック   チェーンロックは、左右を O リングで止めるだけで、簡単に、つりチェーンに装着できます。

・図 33-1 ・表 33-1

つりチェーンオーダー番号表 (チェーン 1 本とチェーンロック 2 セットを含む)

チェーン長さ オーダー番号228mm 33522348mm 33523528mm 33524768mm 33525

1068mm 33526

 余りつりチェーンとして、最低でもチェーンのリンク1個が完全に遊んでいる状態でなければなりません。

・写 33-1    許容できる状態   ・写 33-2      許容不可状態   

Page 23: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

3.4 天井取り付け部3.4.1 フランジクランプを用いた場合

 相手のフランジ幅に応じて、サスペンションバーを A にするか B にするか決めます。    A : フランジ幅 42mm ~ 120mm 用    B : フランジ幅 121mm ~ 300mm 用

 つりチェーンが天井部材のセンターに揃うよう、位置に注意し、クランプ用のナットを 35Nm で締め付け 固定します。

・図 341-1

・表 341-1    サスペンションバーオーダー番号表 種 類 オーダー番号 備 考

サスペンションバーA 25261 全長 233mmサスペンションバーB 25262 全長 413mm

・表 341-2    フランジクランプオーダー番号表   構成 オーダー番号

フランジクランプ

クランププレート 2個+Uボルト 2個+ナット 4個

33547

スタンダードサスペンションオーダー番号表サスペンションバーとレールつり手(オーダー番号 33533)各1個で、スタンダードサスペンションとなります。サスペンションバー、レールつり手は、個別に手配いただいてもかまいませんが、スタンダードサスペンションとしてまとめていただくと、ご発注時の手間が省けます。スタンダードサスペンション1セット、つりチェーン1セット、フランジクランプ1セットで図 341-1 の部品が揃います。

・表 341-3    

Page 24: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

種 類 構成オーダー番

号スタンダードサスペンショ

ンAサスペンションバーA 1個+レールつり手

1個 33541

スタンダードサスペンションB

サスペンションバーB 1個+レールつり手1個 33542

Page 25: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

3.4.2 クランピングブラケットを用いた場合相手の天井部材幅に応じて、サスペンションバーを A にするか B にするか決めます。   A : フランジ幅 170mm 以下用   B : フランジ幅 171mm ~350mm 用

つりチェーンが天井部材のセンターに揃うよう、位置に注意します。天井部材とサスペンションバーの間には必ず保護プレートを配置します。クランプ用のナットを 65Nm で締め付け固定します。

・図 342-1

クランピングブラケットをご手配いただきますと、上図のスタンダードサスペンション・つりチェーン以外の部品をお届けします。即ち、保護プレート4枚、スタッドボルト2本、ナット4個、サスペンションバー1個(1個はスタンダードサスペンションに含まれる)がクランピングブラケットとしてセットになっています。

Page 26: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

4. 横行レールつり下げ部分   横行レールにクレーンガーダサスペンションを取り付けます。   スパン、両側張り出しの寸法が正確に仕上がるように注意してください。

   クレーンガーダサスペンションの取り付けボルト2本の締め付け適正トルクは 20Nm です。

・図 4-1

  横行レールに取り付けたクレーンガーダサスペンションを走行レールを走るトロリに取り付け、つり下げます。   セイフティクリップでピンが抜けないようにします。

・図 4-2

・表 4-1

 

クレーンガーダサスペンションオーダー番号表   オーダー番号

クレーンガーダサスペンション

33536   注)通常、左右の2セットを必要とします。

5. ブレース

走行レールの揺れが大きすぎる場合、揺れを制限する目的で、ブレースチェーンを配置します。

ブレースチェーンは、傾斜を 10°~30°(垂直線に対し)とし、必ず逆方向に働くブレースチェーンとペアで設置します。

ブレースチェーンを取り付ける場合でも、垂直な、荷重を支える為の、つりチェーンは省略することなく配置し、ブレースチェーンは単に揺れを制限する力だけを受けるものとします。

Page 27: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

・図 5-1     ブレースチェーン設置例

レールつり手と、つりチェーンをご手配いただき、サスペンションバーのサイドの穴から つった、つりチェーンの下端をレールつり手でレールに固定してください。

6. ネームプレート 定格荷重を明瞭に表示し、クレーンを使う人がいつでも確認できるようにしておくことは、安全上、非常に重要です。 HB100 システム用に HB100 レールの側面に貼り付けられる適切なサイズのシールを用意しておりますので、ご利用ください。

・写 6-1

・表 6-1種 類 オーダー方法

製造者名シール HB 100 用製造者名シール

定格荷重シールHB 100 用定格荷重シール・定格荷重○○

○kg

Page 28: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

7 使用されるお客様に守って頂くこと7.1 一般的注意事項

 1. 人を、つり上げる用途に使わないでください。つられた物に乗る行為もクレーンで人を、つ

り上げたことになり許容できません。

 

2.その日最初の使用の前には、次の作業開始前点検を行ってください。a) 各レールに目視でわかる変形がないこと。b) レール端末のストッパが、取り外されたり分解されたりしていないこと。 (目視確認)c) 巻上機のロードチェーンやワイヤロープは、滑車やドラム部分で正しく位置していること。 (目視確認)d) 巻上機のブレーキは、いつもどおり働くか。(無負荷で作動させ確認)e) 操作スイッチその他コントローラーを操作すれば、いつもどおりに作動するか。自動で停止位置に復帰するスイッチやレバーは手を離せば停止位置に復帰すること。 (無負荷で作動させ確認)f) 上限・下限になると、上昇・下降の指令を続けていても自動停止する安全装置(巻過防止装置)が正常に機能していること。(無負荷で作動させ確認)

 3. 上記の作業開始前点検中や操作中に何らかの異常を感じた場合は、直ちに、つり荷を安全な

場所に降下させ、適切な補修を完了するまで使わないこと。また、誰かが誤って使うことのないように適切な表示などの措置をとること。

 4. クレーンのフックに設けられている、ワイヤロープ・金具など荷を、つり上げるためにフッ

クに掛けたものが脱落しないようにする部品(外れ止め)を正しく作動させて使うこと。外れ止めに力が掛かり変形・破損の恐れのあるような、つり方をしないこと。

 5. 定格荷重を超える荷をクレーンに負荷しないこと。

荷重が軽くても、落下する荷をクレーンで受け止めるような使い方は、瞬間的にクレーンに大きな負荷が掛かり、非常に危険ですから絶対にしないこと。

  6. クレーンに荷を、つったままクレーンを操作する者がクレーンを離れないこと。

  7. 年に1度は、定期的にクレーンに定格荷重相当の試験荷重を つり、クレーンの移動範囲全般を動かしてみて異常がないことを確認すること。

  8. 地震の後(特に震度4以上の地震の後は必ず)は、クレーンの荷重を支える各部を入念に点検して異常がないことを確認すること。

  9. 巻上機の真下にない荷を引きずり寄せる用途に用いないこと。巻上げ・巻下げの動作は荷が巻上機の真下に位置する時以外、行わないこと。

Page 29: 表紙 · Web view1.1.1 ESB (テルハ) シングルトロリが125kgの荷重および一般的巻上機自重を保持出来るよう設計されていて、ダブルトロリにすると、250kgの荷重まで扱えるテルハクレーンを組み立てることができます。表111-1

7.2 メンテナンス

メンテナンスは、当社または当社製品取り扱い店にご用命ください。

ご使用条件によって異なりますが、ご使用開始後2ヶ月目とその後通常年1回は、各部の劣化状況・締め付けトルク・脱落部品の有無などを検査し、適切な処置をとる必要があります。

定期的検査項目 インパクトアンカーの締め付けトルク(適正 35Nm)が不足していないか。

 荷重を受けるピン・ボルト類の磨耗が進行していないか。

 トロリのストッパピンの磨耗や変形がないか。

 トロリのローラがスムーズに回転しており、外周の偏磨耗によると思われる移動中の異音・振動などが発生していないか。

 レールの傾きが発生して、トロリの移動がある方向に軽く反対方向に重い症状が発生していないか。

 巻上機については、巻上機メーカーのメンテナンス指示によってください。

 給電線は、全長に渡り外観を目視し、傷み・劣化がないか確認してください。