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冷媒配管用 継手
技 術 資 料
KES001A
掲載内容
[1] 概要・・・・・・・・・・・
[2] 特長・・・・・・・・・・・
[3] 商品仕様・・・・・・・
[4] 性能評価・・・・・・・
[5] 据付・施工・・・・・・
3
3
4
5
23
<変更来歴>
No. 累進記号 作成日時 改正者 改正内容
KES001
A 2017/6/28 吉井 ねじり試験追加 施工要領書改正
目 次
楽継
- 1-
[1] 概要
1-1 楽継概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[2] 特長
2-1 楽継特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[3] 商品仕様
3-1 外形図と仕様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[4] 性能評価
4-0 性能試験項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-1 気密試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-2 耐圧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-3 真空試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-4 凍結試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-5 圧力疲労試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-6 圧力・温度変化試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-7 圧力変動試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-8 振動試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-9 塩水噴霧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-10 応力腐食割れ試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-11 外部応力付加試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-12 外部応力繰返し試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-13 軟化銅管使用可否試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4-14 変形銅管使用可否試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4-15 締結後の銅管ねじり試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3
4
5,6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21,22
1.4 2.5 2.5
目 次
楽継
- 2 -
[5] 据付・施工
5-1 据付説明書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5-2 施工後のご注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5-3 既設配管利用時の注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23,24
25
26
[1] 概要
1-1 楽継概要
オーケースカイ 冷媒配管用 継手「楽継」は、冷媒用銅管を差し込んでナットを
締め付けるだけで、接合出来る継手です。
ロウ付け不要のため、リニューアル工事の様な狭所作業場所でも火災や火傷などの
事故の心配が全くなく、かんたんに施工できます。
なお、性能と施工品質確保を目的とした、施工講習を受講して頂き、標準施工について
認知していただく必要があります。
弊社では、施工講習会の受講申し込みを受付けしておりますが、詳しくは、最寄りの弊社
営業所へお尋ねください。
[2] 特長
2-1 楽継特長
1. 気密性能の高い構造
金属による締め込みで、傷に強く、気密性が向上。 さらに油・ガス・熱の影響を受けにくくなりました。
2. 漏れない、抜けないダブルフェルール構造
フロントフェルールとバックフェルールの前後二点で銅管を支えるため、
振動などによる外部応力の影響を最小限にします。
3. 第3者認定による「ISO14903」性能証明の取得
4. 仮止め機構搭載による施工時の配管ズレ防止
仮止めバネのツメが銅管を押さえることで銅管を差し込みやすく、 施工途中での脱落や配管ズレを防止します。
5. スパナを使った簡単締め付け施工
一般的な工具のみで簡単に施工できます。
6. テーピングがかんたんな円筒型保温材
接続端面を円形化、やわらかい素材を採用し、テーピングを行いやすくしました。
7. 豊富なラインアップで施工を支援
異径継手は20品番ラインアップ。豊富な継手種類で多様な現場に対応します。
楽継
- 3 -
[3] 商品仕様
3-1 外形図と仕様
1. 外形図
2. 適合銅管 3. 材質
4. 適合範囲
5.仕様
工 速 ド レ ン ホ ー ス
- 4 -
保温材(注)
(注)耐熱120℃、厚み20mm、
難燃仕様(日本銅管センター規格JCDA0009)
⑤ナット
①本体
③フロントフェルール
④バックフェルール
ポリエチレン保温材(難燃性)
材質
鍛造用黄銅(C3771BD-F)
部品
②仮止めバネ
快削黄銅(C3604BD-F)
ステンレス(SUS304)
冷媒 R32,R410A,R407C,R22,他
設計圧力
冷媒温度
気温
湿度
4.3MPa
-40~130℃
-40~60℃
80%以下
O材
φ 6.35 0.80
φ 9.52 0.80
φ 12.7 0.80
φ 15.88 1.00
φ 19.05 1.20 1.00 1.05
φ 22.22 - 1.00 1.20
φ 25.40 - 1.00 1.35
φ 28.58 - 1.00 1.55
φ 31.75 - 1.10 1.70
φ 38.10 - 1.35 2.00
1/2H材
-
管径(㎜)肉厚(㎜)と調質
(注)JIS B8607 C1220Tおよび、 国交省仕様で規定される冷媒配管
0.80
0.80
1.00
① ② ③ ④ ⑤
B A
全長 全長 本体 ナット
(締付前) (締付後) 対辺寸法 対辺寸法
(㎜)(A) (㎜)(A) (㎜) (㎜)(B)
K-HMJ06 φ 6.35 45 41 13 16 50
K-HMJ09 φ 9.52 45 41 17 22 90
K-HMJ12 φ 12.70 53 49 21 24 110
K-HMJ15 φ 15.88 62 57 24 27 160
K-HMJ19 φ 19.05 65 60 27 32 220
K-HMJ22 φ 22.22 75 70 30 34 270
K-HMJ25 φ 25.40 86 81 36 40 450
K-HMJ28 φ 28.58 89 84 41 44 550
K-HMJ31 φ 31.75 94 89 46 48 670
K-HMJ38 φ 38.10 108 103 50 55 950
製品重量(g)
品番適合銅管径
(㎜)
楽継
[4] 性能評価
4-0 性能試験項目
楽継
- 5 -
1 基本性能 気密試験ISO基準
2 基本性能 耐圧試験ISO基準
3 基本性能 真空試験ISO基準
4 耐久性 凍結試験ISO基準
5 耐久性 圧力疲労試験ISO基準
6 耐久性 圧力・温度変化試験ISO基準
7 耐久性 圧力変動試験ISO基準
8 耐久性 振動試験ISO基準
9 耐久性 塩水噴霧試験
継手の両端に銅管を接合した後、「試料温度140℃,窒素ガス4.3MPaを2分間加圧する。その後、試料温度-40℃,大気圧2分間を50回繰り返した後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後「試料温度140℃維持,大気圧と窒素ガス4.3MPa加圧」を200回繰り返した後、気密試験を実施し、漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に長さ200㎜の銅管を接合した後、周波数200Hz以下,200万回の振動試験を実施する。その後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、中性NaCl(濃度5%)を480時間塩水噴霧する。その後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、真空槽に設置する。試料と真空槽を減圧した後ヘリウムガス4.3MPaを加圧充填し、漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、設計圧力6倍まで加圧し1分間保持する。その後、気密試験を実施し、漏れ,銅管抜け及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、6.5kPa未満まで減圧し1時間保持する。その後、圧力上昇が0.02kPa未満であることの確認と気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に気密密閉した銅管を接合した後、真空槽内でシール部外側の隙間を水で満たす。「試料温度が-15℃になるまで冷却→30分間維持→水中で解凍→5分間維持。冷却→解凍」を30回繰り返した後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、大気圧と水圧4.3MPaの圧力サイクル25万回実施する。その後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
10 耐久性 応力腐食割れ試験
11 外部応力 外部応力付加試験
12 外部応力 外部応力繰り返し試験
13 実用性 軟化銅管使用可否試験
14 実用性 変形銅管使用可否試験
15 実用性 銅管ねじり試験
注)No.1~8はISO14903 試験項目
漏れ判定はISO 14903漏れ基準(7.5×10-7Pa・㎥/s)以下を適用する
No.6~8は同一試料にて試験を実施した後、No.1の気密試験を実施
継手の両端に銅管を接合した後、アンモニア雰囲気(濃度11.8%)中に常温で72時間曝露した後、ナット,本体の割れ及びその他異常無いことを確認する。
試験1:銅管外径の10倍の位置で銅管をねじった時に、90°までに 接続部が緩まない事を確認する。試験2:両端に各200mmの銅管を接続し、その一方をねじった時に 180°までに接続部が緩まない事を確認する。試験3:REFNETジョイントやプレ加工ジョイントの主管側に継手を取付 た状態で、ジョイントを回転させた時に、ジョイントの許容回転 角度を上回るまで、接続部がゆるまない事を確認。
継手の両端に銅管を接合した後、窒素ガス4.3MPaで加圧状態を保つ。銅管を15°曲げるまたは座屈するまで引っ張る間に、漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に銅管を接合した後、窒素ガス4.3MPaで加圧状態を保つ。±10㎜の変位を10回加えて漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端に扁平銅管を接合した後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
継手の両端にロウ付けした銅管を接合した後、気密試験を実施し漏れ及びその他異常無いことを確認する。
楽継
- 6 -
4-1 気密試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 試料①(継手の両端に長さ200㎜の銅管を接合し、その両端をシールした状態)を真空槽に 設置する。 ・ 真空ポンプにて、真空槽内を減圧し真空状態とする。 ・ 試料①にヘリウムガスを設計圧力(4.3MPa)まで加圧充填し、120秒後漏れの有無を ヘリウムガス検知器にて確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 7 -
図1-気密試験
真空槽
ヘリウムガス検知器
真空ポンプ
圧力ゲージ
試料①
ヘリウムガスボンベ
図2-試料①
継手 銅管
200㎜ 200㎜
写真1.気密試験全体図 写真2.真空槽内試料設置状態
写真3.真空引き時
写真4.ヘリウムガス 充填圧力4.3MPa
4-2 耐圧試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。 ・ 試料①を加圧ポンプにて、水圧で設計圧力の6倍まで加圧し1分間保持し耐えることを確認する。 ・ 耐圧試験後に4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(2) 結果
漏れ、銅管抜け及びその他異常(割れ、変形等)が認められない
楽継
- 8 -
写真5.耐圧試験全体図 写真6.加圧時水圧25.8MPa
4-3 真空試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。 ・ 試料①を真空ポンプにて、6.5kPa未満になるまで減圧し、1時間保持後、圧力上昇が 0.02kPa未満となることを確認する。 ・ 真空試験後に4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 9 -
: 真空検知器
図3-真空試験
試料① 真空計
: バルブ
真空ポンプ
写真7.真空試験全体図 写真9.真空計センサー部
写真8.真空計表示部
4-4 凍結試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が 認められないことを確認する。 ・ 試料①の両端をロウ付けにて気密密閉し、管中に水が浸入しないようにする。
(A) 試料を真空槽内に設置し、継手シール部の隙間に水を満たす。 (B) 恒温槽内に継手に含まれた水が抜けないよう縦方向に設置する。 試料温度が-15℃に達するまで温度を下げ、30分間維持する。 (C) 試料を周囲温度の水中に浸漬し、5分間維持して隙間の氷を溶かす。 (D) (B)及び(C)を30回繰り返す。
・ 凍結試験後に4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 10 -
22-24℃
A B C B
30分 5℃
-15℃
10分
30回
5分
大気圧
-500mbar
図4—凍結試験
真空計
試料①
真空ポンプ
試料① 試料①
データロガー
熱電対
真空槽 解凍槽 A B C
(C) 解凍 (A) 注水 (B) 凍結
恒温槽
写真10.(A) 注水 写真11.(B) 凍結 写真12.(C) 解凍
4-5 圧力疲労試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。 ・ 試料①に水圧で大気圧と設計圧力(4.3MPa)交互に圧力サイクルをかける。 ・ 設計圧力及び大気圧は0.1秒間維持し、圧力サイクルは20~60サイクル/分とする。 圧力サイクル数は、250,000回実施する。 ・ 圧力疲労試験後に4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 11 -
水圧ポンプ
圧力ゲージ
図5 — 圧力疲労試験
圧力ゲージ
写真15.試料設置状況 写真13.圧力疲労試験装置全体図
圧力計
試料①
圧力サイクル装置
写真14.サイクル時間制御盤
4-6 圧力・温度変化試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを 確認する。 ・ 試料①を冷熱衝撃試験装置内に設置する。
(A) 試料温度を140℃に維持した状態で、窒素ガスにて設計圧力(4.3MPa)を2分加圧する。 (B) 試料温度-40℃に維持した状態で、大気圧で2分維持する。 (C) (A)及び(B)を50回繰り返す。
・ 4-7,4-8,4-9全ての試験完了後、4-2 気密試験を行い、漏れ及び その他異常が認められないことを確認する。
楽継
- 12 -
大気圧
4.3MPa
-40℃
140℃
2分
50回
2分
:圧力 :温度
図6 — 圧力・温度変化試験
冷熱衝撃装置
試料① 圧力供給装置
デ-タロガ-
熱電対
大気へ : 電磁弁
圧力ゲージ
窒素ボンベ
写真16.圧力・温度変化試験装置全体図 写真17.試料設置状況
4-7 圧力変動試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 試料①を冷熱衝撃試験装置内に設置する。 ・ 試料温度を140℃に維持した状態で、設計圧力(4.3MPa)と大気圧のサイクルを 200回繰り返す。 ・ 4-7,4-8,4-9全ての試験完了後、4-2 気密試験を行い、漏れ及び その他異常が認められないことを確認する。
楽継
- 13 -
:圧力 :温度
図7 — 圧力変動試験
冷熱衝撃装置
試料① 圧力供給装置
デ-タロガ-
熱電対
大気へ : 電磁弁
圧力ゲージ
窒素ボンベ
大気圧
4.3MPa 140℃
200回
※試験写真は4-7と同じため省略
4-8 振動試験 (ISO14903試験項目)
(1) 試験方法
・ 試料を振動試験装置に設置し、表1に示す条件にて振動試験を実施する。 ・ 4-7,4-8,4-9全ての試験完了後、4-2 気密試験を行い、漏れ及び
その他異常が認められないことを確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 14 -
値
振動回数 200万回
管長さ (mm) 200
管外径 (mm)
4-9 塩水噴霧試験
(1) 試験方法
・ 事前に試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを 確認する。 ・ 試料①を塩水噴霧装置内に設置し、表2に示す条件にて塩水噴霧試験を実施する。 ・ 塩水噴霧試験後に4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が認められないことを 確認する。
(2) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 15 -
適用規格 JIS Z 2371
噴霧時間 480時間
塩溶液濃度 中性 NaCl 5%
塩溶液pH 6.5~7.2
雰囲気 35℃
表2-塩水噴霧試験条件
写真21.試験後の試料
写真20.塩水噴霧試験装置
4-10 応力腐食割れ試験
(1) 目的
周囲環境や素材の残留応力による応力腐食割れへの耐力があるかどうか確認する。
(2) 試験方法
継手両端に銅管を接合した試料をアンモニア水(濃度11.8%)が入ったデシケーターに入れ、 このアンモニア雰囲気中に常温で72時間曝露し、ナット,継手本体に割れ及びその他異常が 認められないことを確認する。
(3) 結果
ナット,継手本体に割れ及びその他異常(抜け、変形等)が認められない
楽継
- 16-
試料
デシケータ
アンモニア水(濃度11.8%)
図9 — 応力腐食割れ試験
表3-応力腐食割れ試験条件
参考規格 JIS H 3250
曝露時間 72時間
溶液 11.8% NH3
雰囲気 25℃
写真22.試験後試験片
4-11 外部応力付加試験
(1) 目的
施工後の外部応力への耐力があるかどうか確認する。
(2) 試験方法
試料②(継手の両端に長さ500㎜の銅管を接合し、その両端をシールした状態)に 設計圧力(4.3MPa)を加え、銅管が15°曲がるまたは座屈するまで引っ張り、 漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(3) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 17 -
引張方向
圧力ゲージ
図10 — 外部応力付加試験
試料②
500㎜
窒素ボンベ
500㎜
写真23.外部応力付加試験装置全体図 写真24.外部応力付加試験状況
継手 銅管 銅管
4-12 外部応力繰返し試験
(1) 目的
施工後の外部応力への耐力があるかどうか確認する。
(2) 試験方法
試料②(継手の両端に長さ500㎜の銅管を接合し、その両端をシールした状態)に 設計圧力(4.3MPa)を加え、±10mmの変位を10回加え、漏れ及びその他異常が 認められないことを確認する。
(3) 結果
漏れ及びその他の異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 18 -
引張方向(-10㎜)
圧力ゲージ
図11 — 外部応力繰返し試験
試料②
500㎜
窒素ボンベ
500㎜
引張方向(+10㎜)
写真25.外部応力繰り返し試験状況
継手 銅管 銅管
4-13 軟化銅管使用可否試験
(1) 目的
施工現場にて、銅管ロウ付けにより、軟化した銅管が施工された場合の気密性能を確認する。
(2) 試験方法
ロウ付けした銅管を接合した試料①の4-2 気密試験を行い、漏れ及びその他異常が 認められないことを確認する。
(3) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 19 -
写真26.軟化銅管試験状況
ロウ付け部
図12 — 軟化銅管使用可否試験
130㎜ 130㎜
ロウ付け部 ロウ付け部
継手 銅管 銅管
4-14 変形銅管使用可否試験
(1) 目的
差し込み可能な扁平銅管を施工した場合の気密性能を確認する。
(2) 試験方法
継手に差し込み可能な扁平銅管を接合した試料①の4-2 気密試験を行い、 漏れ及びその他異常が認められないことを確認する。
(3) 結果
漏れ及びその他異常(抜け、割れ、変形等)が認められない
楽継
- 20 -
写真27.変形銅管試験状況
扁平銅管(長径)
値
試料銅管扁平率 1.2%
適合規格 JIS H3300
表4-変形銅管可否試験条件
楽継 楽継
- 21 -
試験結果 評価
φ 6.4 O材 231° ○
φ 9.5 O材 171° ○
φ 12.7 O材 160° ○
φ 15.9 O材 182° ○※1.銅管をねじった時、楽継が緩み、気密漏れが発生する角度
限界角度(※1)サイズ
【試験2】
試験結果 対策品
φ 6.4 O材 360°以上 ○
φ 9.5 O材 360°以上 ○
φ 12.7 O材 249° ○
φ 15.9 O材 360°以上 ○※2.銅管をねじった時、楽継が緩み、気密漏れが発生する角度
限界角度(※2)サイズ
楽継の片側に銅管(単管)を締付後、楽継本体を固定した状態で、
銅管をねじった(ナットの緩み方向)時に、90°を越えるまで接続部が緩まないことを確認する。
■結果
楽継の片側に銅管(単管)を締付、もう一方に銅管(L管)を締付後、単管側の銅管を
固定した状態で、銅管をねじった(ナットの緩み方向)時に、180°を越えるまで接続部が
緩まない事を確認する。
■結果
【試験1】
銅管外径×10倍
固定
銅管 楽継
ねじる
(反時計)
楽継
200㎜ 200㎜
固定
銅管(L管) 銅管(単管) ねじる
(反時計)
<備考>
ねじり角度を90°を越えて 過度にねじると銅管が 先に変形することがある。
<備考>
ねじり角度を180°を越えて 過度にねじると銅管が 先に変形することがある。
(1) 目的
施工後の外部ねじり応力への耐力があるかどうか確認する。
(2) 試験方法
【試験1,2,,3】の3種類の方法で、外部ねじりを加えた時のねじり耐力を確認する。
4-15 締結後の銅管ねじり試験
写真28.銅管ねじり後試験片
写真29.銅管ねじり後試験片
図13 — 銅管ねじり試験1
図14 — 銅管ねじり試験2
楽継 楽継
- 22 -
ジョイント許容
回転角度(※3) 現行品 評価
φ 9.5 1/2H材 50° 90°以上 ○
φ 12.7 1/2H材 45° 90°以上 ○
φ 19.1 1/2H材 35° 80° ○
φ 22.2 1/2H材 30° 70° ○
φ 25.4 1/2H材 25° 38° ○
φ 28.6 1/2H材 20° 30° ○
φ 31.8 1/2H材 18° 25° ○
※3.ジョイントの主管側が固定された状態で回転させた時、変形が開始する角度
※4.銅管をねじった時、楽継が緩み、気密漏れが発生する角度
楽継限界角度(※4)ジョイント主管
■結果
REFNETジョイントやプレ加工ジョイントの主管側に楽継を締付け、楽継本体を固定した状態で
ジョイントを楽継の緩み方向に回転させた時に、対策品の限界角度(※4)が、ジョイントの
許容回転角度(※3)を上回る事を確認しました。
(ジョイントが変形する角度では楽継は緩まない事を確認。)
【試験3】
固定
楽継
回転 (反時計)
<備考>
許容回転角度を越えて 過度にねじるとジョイントが 先に変形する。
図15 — 銅管ねじり試験3
写真30.ジョイント回転状況
写真31.ジョイントねじり後試験片
楽継
- 23 -
[5] 据付・施工
5-1 据付説明書
継手挿入部に傷がつかないように注意し、保温材を円筒方向に切除してください。
❷ 保温材切断(銅管)
背割れ切除は行わないでください。 禁止
銅管先端の露出長さを、右記の表に従って切断いただくことで、保温材との接続の際にきれいに仕上げることができます。
【保温材の切断長さ】
❶ 銅管の確認~切断~バリ取り
(1)継手挿入部に傷・曲がり扁平・熱劣化がある場合は ローラーカッターを使用して直角に切除して下さい。
(2) 内外面に異物が付着している場合は除去してください。
(3) ローラーカッターを使用して直角に切断してください。
(4) 銅管内側のバリは除去してください。
(5) 外側のバリについては、挿入に支障がある場合、 除去してください。
銅管の差し込み位置を確認する際に必要となりますので、必ず「マーキング」を行って下さい。
(1)梱包箱側面の標線型紙を使用して「マーキング」を行います。
(2)銅管の端と型紙の端を合わせ、使用する 銅管サイズの マークに従い標線を記入してください。
❸ マーキング
銅管サイズ(φ )
A(mm )
6.359.5212.715.8819.0522.2225.428.5831.75 8038.1 89
56
63
71
77
❹ 銅管の差込み
銅管を、『楽継』と接続します。マーキングした銅管の標線の縦線が隠れるまで、 しっかりと差し込んでください。
標線(縦線)が隠れない状態で、 継手を締めこまないでください。
禁止
標線(縦線)が隠れていないと、銅管の 差込不足となりガス漏れの原因になります ので十分注意してください。
【標線(縦線)が隠れる】 【標線(縦線)が隠れない】
楽継
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❺ナットの締め付け 2 丁スパナを使用して継手本体を固定し、(1)~(5)の手順でナットの締め付けを行います。
※締め付け前後のナットと本体の幅寸法は下記を参照ください。
◆楽継締付完了確認用幅寸法 (mm)
(1) マークの確認
約60°締め付けを行い、 ナットマークを本体マークに 合わせてください。
(2) 初期位置あわせ (3)1回転(360°)の 締め付け
更に1 回転(360°) 締め付けを行い、ナット マークを本体マークに 合わせてください。
(4) 締付完了確認
正しく締め付けると、ナット と本体の幅が縮み、締め 付けを行っていない方と 比べると約2 ㎜程度狭く なっています。
(5) もう片側のナット締め付け
もう片側のナットについても 同様に(2)(3)の手順で 締め付けを行い、両側共に ナットと本体の幅が同じに なっていることを確認します。
※
継手サイズ A(締前) A(締後) 差K-HMJ06K-HMJ09K-HMJ12K-HMJ15K-HMJ19K-HMJ22K-HMJ25 8.0 5.5K-HMJ28 9.0 6.5K-HMJ31K-HMJ38
4.5 2.5 2.0
5.5 3.0
2.5
11.0 8.5
禁止
ナットを回し過ぎた場合でも、ナットを 戻さないでください。メタルシール部分が 緩んで ガス漏れの原因になります。
❻ 気密試験
・空調機器メーカーの施工、管理マニュアルに従って気密試験を実施してください。 ・気密試験用の部材も設定しておりますので、ご活用ください。
❼保温 気密試験終了後、付属の保温材を使用して 保温をすれば、施工完了です。
※保温材と銅管保温材を接着後、断熱テープを巻きます。
楽継を接続した後に過度のねじりを加えないでください。
5-2 施工後のご注意
楽継
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ご注意が必要な作業例
2. REFNETジョイントやプレ加工ジョイントを接続する場合
あらかじめジョイントに楽継を接続した上で、 配管との接続を行ってください。
3.曲げ配管を接続する場合
1. 室内機への接続を行う場合
室内機接続時は、スパナとトルクレンチを 2丁掛けで使用してください。
・室内機内部の配管および楽継に過度のねじりを 加えないでください。
・配管と接続後にジョイントの接続を行いますと、 楽継の締め付け時にジョイントが共回りし、水平に した状態での施工が困難になる可能性があります。
・配管と接続後に曲げ配管の接続を行いますと曲げ配管が 共回りし、向きを合わせる施工が困難になる可能性があります。
締め付け後はジョイントを過度に 回転させないでください。
あらかじめ曲げ配管側に楽継を接続した上で、 配管との接続を行ってください。
締め付け後に配管の向きを過度に 変えてねじらないでください。
楽継 楽継
5-3 既設配管利用上の注意事項
(1) 残存冷媒や冷凍機油の除去要否
楽継は配管内の残存冷媒や冷凍機油の影響を受けませんが、除去の要否や
方法については設置される機器メーカーの施工・管理マニュアルに従ってください。
(2) 既設配管の点検と確認
・ 既設配管に傷や変形が無いことを確認してください。
・ 既設の配管の肉厚が新規機器の条件に適合しない時は、既設配管を使用しないでください。
・ 保温材の状態を確認し、異常がある場合は補修などを行ってください。
(3) 酸化物や異物の除去
銅管の接続部表面に異物や酸化物が見られるときは、その部分を除去するか、
400番以上の研磨紙などで、銅管の表面を軽く研磨してください。
このとき、研磨粉などが管内に入り込まないようにし、銅管表面の研磨粉を拭き取ってください。
(4) ロー付け部近傍への接合について
既設配管のろう付け近傍で接合する場合は、150mm以上間隔をあけてください。
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