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(189)1 十五世紀に於ける英語の発音 The English Pronunciation Of the Fifteer).th Cer)tury 本稿は聾者未刊の原稿「英語音韻の変遷の研究」第三茸の内「十五 世紀英語の-・般発音」の部を抜出したものである。 文語の確立 London Dialectほ最初ほ明瞭に.Southern ty が、段々に.東Midlandの要素又幾分かは衆知Kentishの特徴も現れて-来 た。この内東Midland要素は益優勢となり、一時に.ほSouthern要素と併 行し、時ノには独占的に.用いられる様に.なった。十四世紀末頃にはLondon 琴は特に東Midlandの性質を帯び、純粋忙中央南部地方の要素ほ現代程 でほないが、非常紅減少して来た。これと同時にKentisbの特徴が初めよ りは頻繁に現れ出し、時によるとChauceI等ほ之を非常に沢山使用した。 かくの如くしてLondon語ほ急速に我現代英語に接近.して来るが、各要 素の比較的の割合や、特殊な語彙の内の各地方型の特別な配合等に.至って は、現代英語と.は矢波距離のある寮は知らねほならぬ(Wyld、,M.C.E. p.56■)。 Londonに.於て文学語が出来かけた時、中部地方の0Ⅹfordに於ても一 定の文学語を組立てようという傾向が起った。その代表者ほYoIkshiIe人 なるWycliffeで、彼の有名なるBible嗣訳はこの種の英語の椀行に非常 に役立った。かくてlondon語ほ法律の力を通し、0Ⅹ如d語は嘩侶の力 によって流布したが、十五世紀中頃に.至って、両方の特徴を結合した←一つ の文学語が】■・般的に認識される道が開かれた。この文学語が即ちCaxton の印刷物中に㌧見出される英語であって、現代英語はこのCaxtonの印刷物 に,使用された方言の末 である。Chaucerの英語は勿論London語を使っ たものにほ相違ないが、特許状等に現れた典型的なLondon語とは多くの 点に.おいて違って居り、近代文学語はChaucer英語よりほ寧ろ此典型的 なLondon語の方に一山層近いものと云わねばならぬ。Chaucerの用∨、た椿 殊な英語は上流社会の所謂宮廷英語であって、文学的伝統を示すよりも寧 ろ実際的現実的な当時独得の言語を表したものである。宮廷英語ほ教育あ る中流社会の英語に比して一層流行の影響を受け易く一層推移的な言語で あって、Chaucerの英語の影響が如何に.大きかった せよ、それほ文学語 の永久的な典型としてほ不十分なものであった。それ 対してCaxtonが OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

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(189)1

十五世紀に於ける英語の発音

The English Pronunciation Of the Fifteer).th Cer)tury

上 阪 泰 次

本稿は聾者未刊の原稿「英語音韻の変遷の研究」第三茸の内「十五

世紀英語の-・般発音」の部を抜出したものである。

文語の確立 London Dialectほ最初ほ明瞭に.Southern typeであった

が、段々に.東Midlandの要素又幾分かは衆知Kentishの特徴も現れて-来

た。この内東Midland要素は益優勢となり、一時に.ほSouthern要素と併

行し、時ノには独占的に.用いられる様に.なった。十四世紀末頃にはLondon

琴は特に東Midlandの性質を帯び、純粋忙中央南部地方の要素ほ現代程

でほないが、非常紅減少して来た。これと同時にKentisbの特徴が初めよ

りは頻繁に現れ出し、時によるとChauceI等ほ之を非常に沢山使用した。

かくの如くしてLondon語ほ急速に我現代英語に接近.して来るが、各要

素の比較的の割合や、特殊な語彙の内の各地方型の特別な配合等に.至って

は、現代英語と.は矢波距離のある寮は知らねほならぬ(Wyld、,M.C.E.

p.56■)。

Londonに.於て文学語が出来かけた時、中部地方の0Ⅹfordに於ても一

定の文学語を組立てようという傾向が起った。その代表者ほYoIkshiIe人

なるWycliffeで、彼の有名なるBible嗣訳はこの種の英語の椀行に非常

に役立った。かくてlondon語ほ法律の力を通し、0Ⅹ如d語は嘩侶の力

によって流布したが、十五世紀中頃に.至って、両方の特徴を結合した←一つ

の文学語が】■・般的に認識される道が開かれた。この文学語が即ちCaxton

の印刷物中に㌧見出される英語であって、現代英語はこのCaxtonの印刷物

に,使用された方言の末裔である。Chaucerの英語は勿論London語を使っ

たものにほ相違ないが、特許状等に現れた典型的なLondon語とは多くの

点に.おいて違って居り、近代文学語はChaucer英語よりほ寧ろ此典型的

なLondon語の方に一山層近いものと云わねばならぬ。Chaucerの用∨、た椿

殊な英語は上流社会の所謂宮廷英語であって、文学的伝統を示すよりも寧

ろ実際的現実的な当時独得の言語を表したものである。宮廷英語ほ教育あ

る中流社会の英語に比して一層流行の影響を受け易く一層推移的な言語で

あって、Chaucerの英語の影響が如何に.大きかった軋せよ、それほ文学語

の永久的な典型としてほ不十分なものであった。それ軋対してCaxtonが

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彼の作品陀・採用した東部Midlandの性質の勝った形式ほ真に有力な∴活

気に満ちたものであって、文語としてほ多くの公私の文書及び文学作品と

なって他の方言を駆逐し、口語とし七は極めて徐々でほあるが、学問あり

教養ある社会、流行社会の標準語となって行った。MoI鑓achの説によれ

ほ、「この混合方言ほ社会的政治的条件によって、首都に.自ら発達したも

めで・文学的手段として遠近に・その勢力を徐々に拡張し、遂に各担方の

著作家にとって「唯一・の承認せられた英語となるに至った。殊に多くの重要

なる作品をこのLondonI)ialectに.翻訳したCaxtonはこの方言の伝挿に非

常なる責献をなしたと云わねほならぬ。」(MorSback:豆berdenUrsprung

der Neuenglischen Schriftsprache,Heilbroun1888)。

しかしここに注意せねほならぬ事ほかくして出来上った所謂London英

語ほCaxtonの仕事によって大いに伝播して行ったが、筒それ以前に.おい

で己に他地方に普及しつつあったという事である。十五世紀の終りExeteI

の市長JohnShilIingfordの書簡及びDevon人であるSirJohnFortescue

の書いた‘Th<、GovernanceofEng1and’は当時のLondon語の立派な代

表物である。前者ほ幾分西方南部地方方言を混じてほ屠るが、後者ほ全然

地方言の跡を見せぬ完全なる工JOndon英語である。十四世紀のGowerほ

Kentish人であるが、殆んど著しい地方靴を用いて屠らぬ。この故に印刷

術が全然発明されなかったとして-も、London英語ほ社会的政治的の理由

からして-、叉ChauceIの用いた英語型の威勢によっても、結局主要語又

は釆学語となったであろう。この点でLondon英語の優勢さを只Caxton

のみ紅帰することほ決して当を・得た見方と.云う事は出来ない。Caxtonの功

績はLondon英語普及に資する所大であったが、決してその起原を表わす

ものでほない事に注意せねばならぬ。

今先に偲べた近代標準英語のexactancestorともいうべき典型的London

英語の例をPetitionのdL例庭取りChqucerの有名なるCanterbury物語

巻頭の数行と比較して見たいと思う。

(1)FromChaucer,s‘ThePrologtotheCawnterberyTales,(c.1387-):

“Whan that Aprillewith his schoures sote

The droght of Marche hath perced to the rote,

And bathed every veynein swichlicour,

Ofwhich veItu engendredisthe flour”

(2)Frdm祐‘APetitionfromtheFolkofMercerye,(1386):

ヰWyld,H”MC.E.p‖4フ.

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(191)3

the same NichoIsaid bifor Mair Aldermen and owre craft bifor

hem gadredin place of recorde that xx or xxx of vs w6re

WOrthy tobe drawen and hanged,the whichthynglすketo yowre

WOrthylordship by and否uenJuge tO bepr6ued or dispr6ued the

whether that trowthe may sh巨We for trowthe amongeSVSOffewe

OrIelles no man many day dorst be shewed.

Caxton(Chaucerより遥かに.Midland風)。Caxton綴字法ほ全く伝統

に.従ったもので、他の作家のものと比較するトニ見中世の黄直中に.逆戻し

たような感があるが、事実はその内に母音発音の近代的方式の曙光が明瞭

に.見られるのである。しかし巨細に検べて見ると、半彼の印刷業に.従事し

た最初の老の多くほ.和閑人で、英語本来の綴字法を和蘭国流にまげたり、

又彼等の内に.ほ無教育者が多かったため本来(え)綴字を色々に歪めたりした

ため、中世紅入ってNor■man Frenchのために混雑させられた英語の額は

益複願を極めるようになった訳である。

今Caxton英藷の内注意すべき各dia了cctの影響を示すと、

a・Kentis‡1(普通London語軋ある程贋、あまり頻繁なちず)

し/ 0.E.y・--→さ(Kentish and South-Eastern)

早9Che‘such’(Chaucer,Swich;0E・SWylc),

krt竺tte‘knit’(Chaucer,k坤te;0…E・Cnyttan),

Shette‘shut’(Chaucer,S桓9tte;0…E・SCyttan),etC

b. South-Western

(1)・0”E”・-On-q--→1-On-・(Easternでは」-an1-)

lond’1and’(Cha11Cer,lond;Midl..,land),

(2)0.E.・-e-・,増ひ-・,サニ→-ト

S主!壬e‘self’(Chaucer撃If,Selve;0・ElSeOlf,Self,etC・)

c.EいMidland

(1)0いE.-ト ーー・→-e-

to wete‘to know’(.Chaucer,Witen;0.Ewitan),

euyll‘evil’(Chaucer,yVel;0‖E.yfel)

(2)0.E.eor,M.Eいer→ar,er(一L般)

smaIting‘smar・ting,(Chaucer,Sme王ting;t).E.smeortan),

朝01Eg豆Stは16c,に至りghostと綴る(MEgOSt,g3St,gOOSt)。Caxtanが和

蘭に滞在していた暗にghのCOmbinationは熟知して居た。ghoos,ghes・(Jesi)erSen

M…EGl・p23)

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Warre‘war’(Ghaucer,Werre;L・0・寧・Werr?),etC・

‡n goode troublmadame ansuerde thenneIasonifthe工∴beonyseruice

Or Plaisire that‡may do vnto youIcommande yeitandIshalac・

complisshe王1it frelyand with goodeherte.’How、fdir sire’sayed she

thenneo’Wilye accomplisshe myCOmmandement:’Certes madame・’

sayed he’Ishalnot f?ilein no pointif hit be to me possible.And

therfore declare ye to me your gOOd playsyr and desire.And after

that ye shalparceyuehoweIshalemploye my selfthertoh・h・(from

Caxton′s HistoI・y ofJason,C。1477).

十五世紀英語の一\般発音

十五世紀一・般のⅠ.ondon語の性質から云えほ、London語ほ文語を盛る公

認の用器となり、南方東部方言、殊に東方中部地方言の要素が段々紅優勢

になって来た、尤も多くの典型的な南部方言の特徴文は純南部型英語から

由来した型ほまだ残留してほ居たけれども。しかしそのLondon英語を構

成する地方言の配合割合紀要っては千慮世紀問或ほ次世紀初期以後も尚暫

らくほ決して確定したものでほなかった。

さて十五世紀の綴字法における最も主要なる点は

(1)十四世紀Chauα工・においても非常把.不規則になっていた語尾変化の

-eが消失した.事と

(2)renの部分的の消失と -・eSがs〔或ほZ〕へ単音化した事と

¢)父音の前に来る母音が短音なる場合紅おける父音の重複等である。

(1)wente,kynge,alle,COme,paye,Whete,etC・;Shold(notsholde),

g・01d,(dat”,nOtgOlde),Said(not saide),etC・;ranne(for ran),foule

(for foul),Sette(for set)(これは不正当な場合である),;等-fL使用ほ

相当混乱している。この混乱或ほ不正当なる-・e使用は前世紀北部地方文

献に己に見出される。・-・eが前の母音を長音化する印になっている事は前

に.説いた通りである。

drede‘dread’,blame‘blame’(仏語の仏風綴),etC

(2)Grekes,WOrdes,etC・

@)watter・‘to water’,breckefaste‘breakfast’,gretter’gleater,’etc・

〔二註〕EllisによれはFinaleは十六世紀迄にも牧は存在したが、音ほなくなっ

ていた¢

この音ほ十五世紀中頃は非常に不規則になっていた.事は明瞭であり、消

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(193)5

失は十五世紀末から十六世紀▼ということ妃なってや、る。故に・この時代以後

のものは

ある一母音との間紅二重父音がある時の外ほ前の母音を長音化する-・種の符

号と思われる様になった(Ellis,Pt.I,p。405)。然らばhave,give等の

場合長音符号たるべき語尾eが使用されているのほどうした事か。それ虹

は理由がある。uを父音′に使用する場合にはeuelの如く二母音の間に使

用す∴る様に注意せられていた。しかも普通の第二母音ほeであって-Ⅴの単

音で終る語ほ皆-ueで終る様紅綬られていた。Ⅴが父音価値を有った普通

の綴の場合でも随ってveになり、Ⅴ符号ほ単独でほ終らなくなって了・つて

hav*1,givと書くべき場合に.も遂にhave,giveと書く様に.なったのだと

Skeatは云う(Etymology,p.317)。かくて1iveとaliveと.のiの音偶の

区別がつかなくなって了った訳である。筒中世綴法の法則によってeuueI

となるぺき所、uの二重使用ほ不作法なりとてevef■を使用し、長音を示

す1evef等と綴上の区別が無くなって了ろたのである。

④Ioye,ioye,‘.joy’(AF巾.ラoie)の父音‡の綴字にほ十五担紀になっ

てj符号が現われ、如■eの綴がある。これほ.沙翁1623年版においても用

いられず、1630年になって用いられる様に・なり、1660年には普通になった

とSkeatは云う(Etymology,P.316)。

(5)Ⅴ符号ほ十五世紀CaxtonになるとChaucerにおける如く語頭にお

いてのみ.ならず、今日の如く語中においても用いられ始めた(mynerve

‘Minerva,,prOVerbe,eVylls,etC)。しかし今日の如く父昔のみに限ってⅤ

を用いるごとほ.、Vp(=up),VyCe(=Vice)の如く vのこ藍イ尺低位用のた

めに遅らされた.。

(6)語頭、語中にlongS即ちi字が用いられている。

の 中世紅塵使用された5符号ほ十五堪藩己に二おいてほzと区別が立たぬ

という点で使用されなくなった。CapercailzeはCaper-Cailyeと讃かれ現

代に.おいてはCapercailzie,′-yeと綴られる。(Percy壌2等でほ中世の3は

常にzと綴られている。)かくて十五世紀3は語頭にほy,語中にほghを

以て:1r㌔用されて居る(ye,1ight(for3e,ii5t),etC・)。しかし他に1i3t,1yht,

婦117c母音31参照’

根Percy,sRiliquesofAncientEngiishPoetzy(1765).The丘iteenthcentry was

the great time ofballad・makinginE王唱1andandmanyOfthebal1adsonolde上

subjects were wIitten at that time(C三aWShaw:The Making of English

Literature,p.80).

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licht,1ic七,1iht等多様な扱があり、Caxton等には・」Ct,、1-gh七

imperfectをVnpe王fight等と綴る妙な例さえ.もある。

㈲ sh-綴は南方に属し、SCh-・ほ.scotlandに残る。

(9)♪附号ほ十五世紀初期にtbになつた。

E王1is紅よれほ十四世紀末と十五世紀の初め三分のT・叉ほ半ばほ大体同発

音であると.いう。しかし彼が相逮点としで挙げている点ほ以下各音の説明

中(〕印を閲することにする。

♪・母

1.M.E〃 左■鵬→〔a〕,〔記〕(一波字e一一戎地方において)(〔記〕が1一一・般教

育ある社会に入りしほ十六世紀の末頃。S,f,thの前に〔記:一〕になりしほ

十七世紀で、十九世紀にほ〔.a:〕になる。

that,and,thancke,etCり,

thetcher〔ae〕‘thatcher’,Settyrday‘Saturday’,WeX,WaX‘wax’,etC・

〔註〕急がe〔於〕になった処から、e綴りの〔於〕音を示すためにaを代用す

る例がある。Wanysday‘Wednesday,,maSSyngeI・messenge工,,6astyIday‘yes七e王day’

etc

〔註〕〔把ト】‾づト〔.i)(僅かな語)

byng‘bang’(1485)

此変化ほ十七世紀な経て:今はObsoまeteである。但し俗語、地方言とレては残ってい

る(Cockney参閏)。

2巾 M”E.a+1(次に父音の来ぬ場合.)(NoI也甲n参照)

→や1〔aul〕(aul,aWl),〔〇:1〕aui‘all’,fawlyn‘fallen’,

saume‘psaim’,hawle‘hall’,etC・

(註〕〔au〕から〔〇:〕に移る径路ほ〔au〕〔ou〕〔0:り〔.〇イ〕〔〇:〕で其〔ou〕階

段ほ〔u‥〕が〔ou)或はしa-ユ〕になつた頃即ち十六世紀初期よりも早くなけれほなら

ぬ。さもなくば〔u:〕からの変化と.一儲になって同じ道命になって了ったであろう。

そこで〔au〕が〔ou〕になったのは十志せ紀で、その単音化〔〇‥〕も其後間もない寧

であったろう。

3.M…E,a(+王十父音)

-→〔a〕,〔-記〕(+Ⅰ・)---→庸二〔’記:〕(」-i・‥)(後期)(綴字 aI,aa)

charge・まoad,(AFcharge),1arge‘liberal,(AF・1arge),marChaunte

‘merchant’(1485),etC.

り1ユほ1の影響によるglide。

貴会Wyld,S。H.Eりp.164、marSter〔=ae:〕,etC.

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れる。しかも・-S,-S王l,一Ch〔s,†■,tJ〕の前 たのが一・番早かったのであろう。

そして先のCely Papersの例文はBokenamやゴ(1439)がadustとWurSt(25il)を

合頂さしている例等から推せば、これ等r前の母二旨が昆嵩化する前部短音の億でⅠが

消失したと考えられるのであって、これほ現代俗語の、・CuSS‘cur・Se,等に残っていると

考えねばならぬ(Cockney参照)。

4巾 M.E.w首・-,quざ・-,

-・-→〔wa〕,〔kwa〕;〔wo〕,〔kwo〕(教育ある社会に入りし

ほ十七担糸己)

What‘what’(0”E・hwaet),Whos,Whas‘whose’(0.E.hwaes);quarel,

quorill‘quarrel’(A.F.quarei),etC.

〔註〕 これほ己にChaucerにあり、SWallow(Ⅴ.)と王101lowと!押韻さして:いる。

a・→0の変化ほWの影響である。

5. M.E.云

⊥〔記:〕-■→〔e:〕→〔e:)

fader〔.fa,:der);maid〔me:d〕‘made’(142i,M.E.mad,maad,A。S.

macian);meke‘make’(MトElmaken);Credyll‘cradle,(M。E…Cr豆del),

etc.

〔註〕〔eご〕となると同時にMEai,守の変化と合併する。し於:〕ほCbance:頃

から十五世紀の初期迄で、十五世紀の初めに〔ai〕〔ei〕の変化と畢にい:〕に変り、

十五世紀終り頃〔e:l〕に変ったと思われる(Wyld,HM・C.Ep195)。

6.M.E.豆(+Ⅰ)

・・・・・・一一→〔e:〕(+Ⅰ)(tb貰Ougb〔記りり

C融e(w致eと合韻、1420),b融e(ME.b融・e,bere),etC

〔註〕M”E”h亘re‘hare’,Caユe,dare等ほ〔h5り〔h芯rj一→〔hさり→〔he叫→

〔、b由〕の如き径路にて.変化して行く。云Ⅰは〔台:り時代にME e2ヱ〔e:Ⅰ〕と合併す

る訳になる。

7. M..E.逢 お

→〔e〕,0董t餌〔りト1,・-S,-・n,」一父音の如き父音の前)

Wel’well’(AuS・Wel),help‘help’(A.S…helpan),end‘end,(A.S.ende);

机Cely PapeIS(1473-88),ed,Maldon CamdenSociety,1900

㌔cf・Bokenha汀トーLantunte工SuChungenzuOsbernBokenam,sLegenden(1885).

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heuen‘扇a☆en,(0.Eいh60fon)≡主Seuene>’seven! .E.seofon);Ing(e)-

lond(e),‘Eng王and’,Wilfar‘welfare’,?tC・

〔註〕Ing(e)lond(e),yngland,’England’(01EEngl旦1and,M・E・Engleland)

のiほ前時代のeの変化である。同様に鼻音-n+d,t,Sの前のeがiに変化する例

は十六世紀にgintleman‘gentleman’等あれども、これも十五世紀末にまだgentty

WOman,gentyll・Whoman(1486)‘gentlewoman’がある。

臥 M.E.竜王 --> eI・〔‘記工つ,a‡〔a‡つ

hard‘heard’(M.E.herde),1a‡ne‘1eaIn’(M・E小1ernen),Clarke‘clerk’

(M.E.clerk),Sa‡ten,Sartayne‘certain’(1492,M.E.certes,0・F・

certes),erthe‘earth’(M.Eりerthe,A。S.eor5e),fermere‘farmer’(M・E・

fermour,A.F.ferme=M.Eferme‘rent’),yerd,M.E.3erdgarden’,A・S・

g-eaId),eぬ

〔註〕-aI-ほKent‘から始まり、初め上流社会に・ほ少かったが、十五世紀の問

に下層社会の言語を通じて次第に.上流紅も行われるようになった。叉十五世紀に

chuIChyorde(M.Eh5eId)(1499)なる綴がある以上現代俗語のpaWk‘baEk’の先

駆をなすものと見てよい。

09.M.E.巨1 ----・・→i,y〔e:〕〔i三〕

besychen’beseech’(M.E‖bi-SeChen),myte‘meet’(M.E.meten),Symed

‘seemed,(M.E,Semen=tOappeaI・Suitable,1ater,tOSeem,A.S.S畠man),

etc”

〔註〕 dialectに.よってほ中世において(十三世紀)spiche‘speech’,Siche‘to

Seek’,WyPing‘weeping’,hyde‘heed’等の形あり。十五世紀の綴字は只非常にtense

な高い〔e:〕音を・示したものと思ってよい。叉ppop王e(十四世紀)ほ時にpoeple

(0.Fr.式)と.も扱ってある。Caxtonに.ほ.pepleとも綴ってある。他にpepull,peilple

がある。近世fieldはCaxton,Cha11Cer共に董eldである。

010.M,E巾 巨1Ⅰ

--・・→ 亡抽〕

hyre,hire,hiryng‘hear,hearing’,etC

〔註’〕ie綴ほ稀であるが、Chaucer等においてでも見出される。0、F.fers,

fiers(ChansondeRoland)ほ中世でほ童ers,fiers,fierseとなり、今自において

fieICe となっている。

11. MりE.毎2 ℡

-→〔e:〕〔e:〕(a,ey,y)(M.E.豆,ai,eiと・一激する)

★14c・rす,D.Kentish6参照

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hall払e‘hぬ1恥▲(M∴息helthe),eyS?‘ease’(M・E・LLeSe),deyd‘dee4’

(M・E

〔■註■〕否1が〔.i:]にな、;た時十五世紀の初期e2がその代り紅〔e:r〕(tense)に

なったのであろう(tⅣyld,pl・171)。地方によっては己に〔iりiこなっていただろう。

〔註〕〔?:)にほee,ea(仏経)の緩もあり、十六七世紀に至る。geet‘get’,Sleept

‘slept,,etC

Caxtonに.ほpeaS‘peace’がある。又breath,dread,head,heaven等現今短音で

読むものほ王ongに読んでいた。上の例中hylyn‘coveェ’は〔e:卜→〔iりへの変

化の兆であるっ

12.:M.E.草し卜Ⅰ「e甘〕

-一・・・-→(1)〔e:り

hee草‘hai‡’,beer:bqar’’,etC

一-→・(句〔e:r二〕,〔ilr〕(dialectの影響)

tere,teer,tear‘tear’(活),Spere‘spear’,etC・

〔註、】後者の発音を〔i:りとするか〔e:りとするかにつ†、ては十六七世紀に至

っても詩人問に相違がある。事実は-eaト,一eeトで綴った語は両方で発音していた

様である(Wyld,p・174)。しかし現代において〔ia)と読む語ほ近代初期においても

〔i;りで読まれていたようである。

13. MいE.i →(1)〔i〕(i,y.)(high,flat,Slack)(現代に至る)

hit’it,,Signet‘signet’,into‘into’,inne‘in’,Sylke(M..E.selke,Silke),

syiver,Seluer’A・Sl・Silfor’・

〔註〕 十五世紀になってiをyで変わす事が(殊にCaxtonにおいて)普通にな

って来た。しかし多くの場合近代庭な′つて,i使用に帰った。1【y喝,Sayd,CeItayn,

Wytbout,etC

(註〕 現今iで綴って-ない語で、iヌ.ほyで綴ってある語がある 。SWyChe,Suicb,

sych‘such,,(A,畠swilc);、1yft,1まft‘1e王t,(-hand)(A.S.1yft‘weak,),SChytte,

shitte‘shut,(M.寧SChetten,AS scyttan),etC.

→(2)〔e〕(e)

shellyngs’shiliings’(Caxton;M”E・SChyllynge?A‖S、SCiliing),mengled

‘ming1ed’,fessher’fisher’,Sengy】1,Senkyli,‘single’,beche‘bitch’,etC

〔註〕 昔のCockneyの著しい特徴である。

belles‘bills‘(1444=),SeSteInS‘cisterns’(1490),etC

・→箪)〔u〕(u)圏(十八世紀に至る。現今は消滅。)

bushop,busshop,‘bishop’(M.E.bischop)(1469),etC.

★1Ⅳyld,H.E・S,p‖1紛

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一斗ー@)〔i〕or〔re〕(u)

busy,bi$y,besy(A・S。bysig),burien,birien,berien,bery(A.S.

byrigan),etC.

14・MlE、・i(十㍗仁父竃)

-・■一一→〔A〕に似た音(u綴)(十Ⅰ)

burth‘biIth’(M・E・birth,王cel.burるr.),Churc壬1e‘church,(A.S,CyICe),

furst‘first’(M・Elfirst,fIeSt,A.S.fyrst,first),etC.

〔註〕iが舌の後部が上って早く央母音化され〔A〕に似た音となったのでuと

綴ってある。Scotc壬lの〔bAId〕〔貴人ISt〕はそれが残っているのである。後Ⅰが弱くな

って-、母音ほ低く長くなると、遂に今日の〔那〕に7£る訳であるb

⊂)i5..M,JE.丁

一一-->〔ei〕(十五世紀初期)

叫-->(Ai〕(oy〔Ai〕,i,y〔二Ai〕。十五世紀中頃以後Chaucer

同時代の人々の死後)

〔ei〕heyff’hithe’,ieyst‘joi$t’(M,E.jyst,ioyst,0.F.giste),bleynd

‘blind’(MuElbl/yn・・hede‘blindness’1),myeld’mi1d’(A・Sい,叫E・milde),

feyr‘fire’(M一En fyr,fyre,fir,fur.,fuyr,fuir,A.S.抒r)(1421),etC.

以上は前世紀凪始ったかも知れぬ。

〔Ai′〕defoyled’defiled’,VOyne‘vine’(M.E.vyne),aSOynyd,aSynyd

‘as$igned’,guyde‘guide’,anyntedぐanointed’,destryde‘destroyed’,etC.

描〕 この変化の中VCLほ0・E・王(write等)及び0FIenChi,及びbryht等の

〔l(〕やの前に(LateIM.Ehのdialects中に)発達して来た‡,ヲを含んでいる。T

が後代〔ai〕紅発展した経路についてほ先づ〔i:〕の後部がほんで〔iゼ〕の如くにな

り、次に前部がしe)に変化して-〔e£〕と・なると第一僧段を経た訳である。次に前部の

〔.e〕が央音化し叉後退して、〔′A〕声こ近き盲になると.、M・EのOiから発展して来

た二聾者と.同種音〔Ai一〕となる訳で、上の如く Oi,Oyの如き敏になるのが可成に多

い。現代俗語地方言において此階段に止るものも多く、例え姥王工is王1の如きは多くの

作家がOiと綴っている。此〔A〕が〔-a〕に進むと、次にNo:man Frenc王1の二重音

〔ai、〕と一致する訳だが、こ.れほずっと前に述べたように現代に.おいて単化する傾向

があり、-rの前でほ殊に〔a:〕に,なり易い。〔fa:・〕‘fhe’,〔ta:Sam〕‘tiIeSOme,,etC巾

〔註〕 上述の習由により古くはOiと王 とほ同音で、恐らく〔Aりで発音されて

いたのであろう。18c、のWr9MitfordのEssayには仏、伊のaiほOiproperと

ilo喝の中間晋で後者より Openで前者よりもC王oseだといつてある所を見ると、或

は此〔d〕音は仏語aiの影響かとも思われる。

沖SoutheIn(14c」・)6註参照

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(J199)11

16. M.JEい 6

---→(1)〔0〕(mid-back-Slack・-II:ound)

God,Of,etC.

-→(2)〔a caIdinal〕(unrounding of o)

(綴字a)starme‘storm’(StlEditha,1420),rlast‘iost’,(PastonLetters),

aftelqtymeS‘0董tr-’(Shillingford),etC・

〔註〕+け恨何時代に現代の(:〇〕になったかは不明であるが、El王isは十七世紀だ

という(Elユis,Pt昔p601)。(21の〔a一〕ほ十五世紀では酉南部地方のものであるカテ、

十六掛紀になるとlondoTl謝こ入る。現代では西部南部地方言、米国の多くの地方言

として行われ{:いるWesternの特徴である。又十八世紀に至る迄ほpOlite speech

に非馴二流行したと云われている。(第一・輩通話変化1〔注意3〕の2参照)

017L.迅瓜E61(tense,fI■Om O什Eい&0-F\6)

→(1)〔u:〕(綴字Otl,0Ⅵ,u)

bloud今,blud’blood,,fforsouth’forsooth’,gud’g00d’,muSt,机 mwst

●must’,etC.

→♯町u〕(ある地方言によっては)(綴字u)

gud,gudde,‘g00d’,mut‘must’(M・E・mOt,mOte,0いE・m引),eれ

-ヤ〔A〕(綴字a)(十五世紀でほ完全ならず、完全に現れ

しほ十七世紀)

sadanly#3’suddenly’(M.E.sodain,SOdeyn,A.F.$Odeyne‘sudden’1),

〔註〕 この三用法ほ地方叉ほ個人により違った様である。

〔’註.〕現代語でこの三段に当てほまるものほ

(1)moon,SpOOn,tOO紬‖ food,gOOSe,boof,etC

(2)good,hood,StOOd,foot,COOk,look,tOOk,etC

13)blood,flood,muStンmOntれ∴Monぬy,mO洩e王,eは

〔註〕 6ほ十四世紀頃より徐々に高く一層円唇に進んで行ったので、中世に己に

ouで綴られてある多くの例数発見する。しかしこれが何時卿屯〔u:〕に発展したか

ほ不明であるが、C‡1auCe王では〔㍍〕に近く十五世紀にほ最初只〔m〕のみが発達し、

語によってほ次に〔叫に短名イヒしノて、〔u:〕〔射二些が同時に存在し、次に此短音

〔u〕は丁資本釆のSbort色が平層律こなる(Camyth‘cometb’,etC)と同時に今の

〔A〕音になったことは明瞭である(Wッ「王d,p178)。かぐて名作者ほ此三極の内どれ

か-・つの方法によって語な綴った訳である。しかしEllisによれば〔0:〕ほCa=tOn

時代迄に用い、それ以後ほ〔0:〕〔u:〕な用いたとするがよいというがこれほ綴字を

考えぬ見カである。

尊1Vyld,革.M.C E,p234 ポコWyld,H.M-CE,p.237光一a doubtful(C董.

Wyld。p,184,nOね.)

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18、M瓜6(1十S,f,∂)

-->〔c>:〕(01ength畠hed andlowe!ed)

crooft’croft’(M.E.CrOft,A.S巾 CrOft)(1422),froath‘froth’(M・E・

fI05e,Icel.血・05a)(16c.)

〔註〕辿主雌ぜ、十五世紀中頃前ほWarwi?kshiredialectで

あった。CrOO董tの授ほCoventryLeetBk”鞍再三現れてシ、る(1421より)(16参照)d

19り M.E‖ 6(-トⅠ)

→〔〇:〕〔u:〕(0,00,u)+Ⅰ

wor11‘world’,mOre‘more’,pOI(e)‘poor’(1503),WOOrthie(16c・),etC・

〔註〕 +・ⅠS-の場合のー消失は3ar註参照。

Grego工y埠のChronicleにほmOSSe11‘morsel,がある。この時代及び16世紀にほ中

世の〔0:■〕の残ることほ認められる。

〔註〕MEにおいて巳にSW軋p6代,m6Ⅰ等ぬ〔〇:〕になっていた。しかし近

代初期に.おいて〔u:〕に.なり、作者紅よ/つては〔mu‥り〔pu:り等と.発音したものも

あった。今日ほpOOr∴moor,boorを除いてM・E‖6r(Close6)を有サーる語は〔〇=)

と発音サるが、dialectでは〔bu:那〕の調子に発音する所もある。WOIdが〔w∂:d〕

に.なるにほA.S.woId,M,E,W6rd,Mod”E‖〔wu:rdH.wurd〕,しWArd〕〔w∂(:)rd.]

〔w∂:d〕の径路をへたものと思う。

〔註〕ME・苧2(+Ⅰ)仙-す〔’〇り(+Ⅰ)

roren,rOOrih,‘IOar,(A.S.rarian),

boren(0.E.(ge)boIen),forloIn,董orloren,VOrloren(AS…for・1るosan,M…E′for・

lesen=tOlose wholly),etC

20.M.E.が(slack,rOund,mid・-back)

-・-→弓〔.〇:〕(十五世紀後半琴変化なし)・…〔0:〕(〔〇:〕.以

後。)(綴字00,Oi,Oy)

loofes,loobes,‘loaves’(A、Su hl云f),

00nli,Onli,‘only’(A.Su云n-1ic),

brod,brood‘broad’(A.S小br豆d),

loode,lode‘load’(A.S∴ほd),

00St,Oist,OySt‘host’(A.F.host,OSt),

aloyne‘alone’(A.FL.aloyner),

al-SO,alswo(A.S.eal-SW豆),

nowher(1490),nOW Wher(1450)‘nowheI℃’(A.S.n云),etC.

(註〕 此音は現今の〔〇りに近い膏で、もっと平層の低い音だという占(Davies)○

ヰC地方言と標準語参膿

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(2仇)13

しかトこれはやがて〔0:〕Jに変り遂妃十七世紀に〔0ヰ〕になるのであるから」塗⊥堅

塵史どする方がよVこ。throughts〔erouts〕,‘throats,(1642).。61の缶への上昇から

考へ6lが〔〇:〕より上昇するのほ当然であろう。

21.M.E.苧2(十1)

--→〔ou〕(+

c91d(M‖E・COld,Cald),Oulde‘hold’(M・E・Qolden,healden,heolden,

etc.,A…S.healdan)半ユ,(1503)howllde‘01d’(1480)(MPE.01d,001d,

eald,heoldre,etC・,A・S.eald,ald)

〔菅〕backconsonantlの前にu・glideが発達したのである。

022.M・E・屯,0〔u〕

・・--→〔u〕,〔A〕尊9(極めて稀)

but,bwt‘but’,

gunns,gOOnS,ganneS‘guns’(1469)(M・E・gOnne),

camyth‘cometh’(M.E.comen,Cumen,A.S.cuman),

hundred(Icel。hundra6),etC

〔註〕〔ul)(Wyld,CEp‖295)ほWyldによれほ多くの地方言において已に平

層化した〔A〕。

23.M.E.占(+r or十r+cons・)

ニーーー〔A〕(十王う

fur・thur’fuIther,(0.E.fur苓ur),thurgh,thorw‘through’(A.S”burh,)

etc.

24-M-E〃・正,O11〔u:〕

ー・・-→〔〇u〕,〔Au一〕(地方による)(十五世紀後半)

aboute,abaught’<about’(M.E.abuten,aboute),hou,hu‘how’;

sauth〔sAuO〕‘south’(M.E.sowthe),

trawthe‘一trhth,(M.E.trouthe),

power,pOyer〔p∂uer)’power’(MnE.power,pOuWer,0”F.pogr),

plo,plowe‘plough’(呈460-1466),ure,Oure,Oyer〔〇:r〕‘our’,(M・E.

Ou‡e)etc.

〔註〕 MいE.〔u:〕が十五世紀に〔au〕になったかどうかほ.学者間に議論がある。

Wyldほ〔uりから〔a叫への発展を(u:ト〔u:㍑ト〔0正ト(〔〇u〕)十Auト〔au〕の順序

で進むとなし、其各階段のほまる時代ほ明示出来ぬといっている。そしてa11の綴ほ.極

普通に〔〇:〕を示すのだから、必ずしも〔au〕と読まねほならぬ必要ほないと云って

輿Wyld,H.M。C Eりp。295

曝36(tense)郡参軌Zachrisso†,p125・30・

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Zachrisson(<Pronunciatidnof EnglishVowels>)の説に反対し空いるよDavies・もそ

れに賛成して、寧ろ十五世紀に見出されるOye工■‘ou㍍bdtlgb一‘bdw,,0エe宰Ⅰ’等め綴

によって、Wyldの示した順序中の〔5tl〕(Ⅰの前でほ〔〇:〕)がこの時代書こ当るので

なかろうかと云う。しかし恐らく此時代の確かな綴中にbeⅥr埠〔b∂u〕〔、bAu〕があり、

hough〔h〇u〕がある以上、十五韓紀ほWyldの示した〔〇u卜(Au〕のほまる時代のよ

うに思われる。所によっては〔〇u〕を用い、叉所によって■ほ早く〔Auトを用いていた

と思えほよかろう。

〔詳〕 ME貞一・ケA虹E〔aてl〕のもので代表語をあげる。

abolユten‘about’(A SGnTblユtan),br’Oun’bIO渾n’(ASb王un),Cloude‘clod‥cloud’

(A・Sh C王ud),CO打(A”Sr Cu),C王OWde‘crowd,(0‖ECIudan),doun’down,(AIS

dun),fou王e‘fou王】〉,(0互・ful),foui‘fowl,(AIS‖fugol),gOune‘gown’(A・F・

goune,0-FゝgOn3),h〇uS‘!1〇uSe,,bりu‘how,(.軋Shu),lou.d‘loud,(A、S.bl11d),

mous‘mouse,(AS・muS),mOuth’1nOuth,(A・S・,m鳩)nou‘now,(A・S”n11),

out‘out,(0いE小ut),Ⅰ)工・Oud(.匁、,S、p工血),SOW血e‘soutb,(A“S.slユ勘,♪〇u‘抽ou,

(A、S・Pu〉,tOun’town’(A・S・tun〉,etC;

ploub‘がO11gb,(AいS-pl11b),Sio-ユgb,Slob‘slougb,(AバSsiob),もougil‘bougb,

(0・E,boh);boun‘bound,Prepared to go,(王cel,btユinnニ=prePared,Cp”AlS

ge-bun),i-funde,ifolユnde(pp・.Offinden)‘found’(AIIS・funden),grOund‘ground’

(AトSg三und),etC

〔註〕 仏語にて此変化に屈するもの匿ほE脱C王ユauCerをこおいてalloⅣ,alnOuntetb

(宗amOuntS tO),COunte‘account’,CエOurl‘crown’,doute‘doubt,,p叩d三e‘powder,,

renoun’renown,,三Our:de‘roundly,,aVOW‘vow,;bountee‘bcl11nty,,COWaId‘coward王y’

etc・がある。其他中世にmountaine(F∴mOntagne),fountaine(F”王ontaine)等が

ある。しかしこの変化ほ今日に至る迄完成せられぬ語がある。即ちSOup,ヱ0也e,rOtlte,

gヱOup,etC′IOu苫eほ十八世紀尚〔r3ud5〕しru:d5〕がある。rOuteは屡〔rAut〕とも

云ったと云う。gIOupほ十八世紀〔g工u:p〕である。

F.董onderから出た芸MlElfoundenの名詞foundaticnに.宣fundacyon(1486)の綴

がある。このtlほ〔u〕の如き発竃と見る。‘Hounslow,をHundeslowe(1486)と

械・つたのも同様である。

〔註〕Ⅰ00m,StOOp,dI00p(0忠相m,S七重piaれ 0..王celdほpa;M.E‖ⅠOum,

rum,StOupen,droupen・drupen)ほ次音感音の霹響で毎日迄M”Elロ〔u:〕を保存 しているQ(但しⅠ001nほ.今日〔工um’1)。WCund(名)ほWの夢響である。又「r一十父

音」の前も〔u:〕を保存したが、C∝出ごほ十八世紀になって〔ku:工り〔ko:lt〕とな

っている。

bolユrne,gOurdほ∴M・・E・burne,bourr]e,borne,burn;M・E,gOurde,gOOrde等の蔵

現’Zachrissonほ‘our’を争ur,aW工〔aur〕,‘how,をhew〔h∂u〕と綴った例を15c

に見出している。

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(203)15

あり。これもて血〕を保存し〔h:Ⅰ一)〔〇:り両方の発音があったものと過る。■この変

化は必ずしも6Ⅰ■と合併する必要はない。中世に巳に〔u::〕があったから(敢参照)。

〔註〕 北部地方及びScotlandにおいてbouse〔hu‥S〕,down〔du‥n〕,CrO・Ⅳn

〔kI-u:n〕と発音するのは中世の遺物である。

25・M・El・正〔亨〕(ff・OmO且盲a叫0‖F。呵

一一→〔u〕(→〔A〕)(61参照)

muche-much’,Suffer(0.F.suffrir),Cherche,Cyrice,Churche,‘church’

(0・E・CyrCe,),furst‘first’(0.E…fyrst),Shurttes‘shiItS,(0.,E..scyrte);

WarSe‘wor-se’,Wur・St5worst’(0..E。WyrSt)(adustと押韻1443*);SWuCh

‘such,(0.E小SWyle),Dudcote‘bidcot<,etC;;Charles†churls,(0。E.ceoIs).

〔註1〕地方言型恢はeがあり、早くEastern.andSouth-Easternの文吉に屡存

在するofelthe‘filth’,meヲS‘mouse’,meChe‘much’,Sterid’stirred’,besinesse

‘business’,etClmuCh〔A‖Slm57cel.〕にほ,当時much(e),mOCh,micheの形もある。

e形ほ旧式な俗な地方的色彩なものとする。

〔注乱〕0E予起原の多くの語ほM・E‖Mid剖esexにi型があらわれ、貢の処

にて取扱われる。ここでは〔A〕に変化するもののみを取扱った。SuChに.syche等

の塾のあるに注意せねばならぬ。

26.M.E.ai,ei〔ei)

-→〔町〕oi・〔eI〕(綴字e,ea,a,ei。1駄初矧),〔e:〕(多

分i5c.終り)。

feth,‘faith’(1466),fethful〔fe:Qful〕‘fai七hfu1’,feale‘fail’,Sa‘say’,daly

‘daily’,par.Ceyue‘perceive’(0.F。perCeiv‡e),etC.

〔註〕 ai,eiが果して単音化したかどうかほ議論がある。しかし事実e,a等の扱

がある以上a,eに通ず発音があった事は明瞭である(Cf.Jespersen,i,p‖326;Wyld,

C巾Eh,p”249;Wyld,SlrH‖E,p.196;Zachrisson,ShT,p…38-)。TespeISenの説で

はai・(ei),苧の共通音はModernEnglishの如くに〔ei〕(〔ei〕)であると云うが、

ZachrissonほそれほpOSSibleでほあるが、実際に証明ほ出来ぬと云い、Wyldほ若

しai,eiが十七世紀においても尚二重苦として発音されるとすると、と.ても混雑に陥

るだろうという。これは較の関係上嘩化と見るが至当であり、-・万M.・E.元の変化と

伴い此階紀には於‥,e:,e:と変化するのが当然の考え方と思われる。しかし尚〔含i〕

の残った居た寧も事実であろう。

27巾 M.E.au

・-■→〔Au〕〔〇り(0Ⅰ・〔a:〕)

dIO,droow(140O)‘draw’(M.E.drawen,dron),loful‘1awfu1,(M.E.

簿Wyld,S…E,Rb,p.113

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1awe);beholne(1425)(墓behaulvein M・E・)三be桓1f’;可19unge‘change’,

auffer’offer,etC.

〔註〕〔〇:■〕或は〔a:〕嘩化は十六、七世紀であるが、しかし十五世紀に/缶が

〔〇u二〕に変った頃から此単著化があv,た筈である(Zachris.SbT,p小65,67;Wyld,

S、HE,pl190)。こ.の変化の階段ほ(au)〔Au〕〔〇uH〇(:)u〕〔〇:)である。

28.MりEい Oi,ui

…ケ〔uり(唇父音の後),(■〇i〕(十五世紀中頃以後射),

〔Ai〕辣2(後期)

anyntedanointed;dystryde‘destIOyed’;VOyage‘voyag・e’(F.voyage);

poyssaunt〔pAisM〕,’puissant’;pySOnしpAト」‘poison’,etC。

〔註〕6(t?nSe)が〔u‥〕に、それから〔u〕に変ったが、本来の〔u)が〔A〕

に変ると同時に〔A〕に変、つた事ほ前に述べた。Oiが〔aりへの変化はこの〔u〕・m一斗

〔A〕′の影響で、〔Ai〕〔ai〕と変化するものと思われる。綴字ほ扇,Oy共に〔Ai)と

よんでよい。そこで、iから来た〔’Aりとも一凝粧なる訳で、由って上の例のような

pyson等という綴が出て来るのである。

29.M.E.(1)ou r

一 斗〔ou〕〔〇:〕(0,aW,etC.)(01d auの変化と落合う)。

thawgh’though’(1482;M,E…thohh,thow5,β03,;Scandinaviaからの外

来語);unSOffethe‘unsought(Gregory);bouhte‘bou坤t’(1466--),etC

〔註〕 此変化は〔olり〔〇:鋸)〔〇‥」の階段を経る。

(2)6u〔0:u〕

-→〔0:(u)〕-→〔u:一〕

drogh’drew’

〔0:u〕十五世紀では〔u:〕);ynOW5‘euough’〔rnu:Ⅹ〕(A・・S/gen5h)・

〔註〕enoughほinowge(1475),anOugh(1518)を通じ14c・6uの註にある

如く〔inu:Ⅹ.〕になる。plo11gbは缶部に入れた。

¢)苧u〔∂:u.〕

→〔〇:(u)〕

kIiogh(c.1460)L,knowe(i406),know(1467)‘know’;aWne,auWen

(1462),aWyn(i486)‘own’;bow?、(1400)‘bow’,etC・

30,M.E.eu,iw,古(綴字eu,eW,uの渾用(15cl))

一一一→〔.yり〔iy〕(〔,i可ヰ30Ⅰ・、〔.ju〕に近い)

comyned‘communed’,COnteneW,COntynu(e),COntynW‘continue’;

#1E11is,Ⅰ,p.406 埠ゴMl・E・Tの部参照。

湯8’綴の上では〔ju:〕は十六世紀中頃から存在した(Wyld,S・Hl臥Pl・194)。

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(205)17

deukes‘duke′s’;甲rte・‘sur■ety!,etC・

〔註〕M・El・、否u,iu,は〔y:〕に単音化するが、或ほ尚〔iy〕階段に止まるかであ

る。とにかく仏語原のM・E”しy:l〕と合讃して-いる。dew‘due,(AいSいdqaw),Que(M.E.

heu,OnEl・,h巨OW‘hew’,etC;,dewke‘duke,(AいF.・duc,M.E.duk)。かくの如く綴

字eu,eW,uが蜘されているのである。

〔註〕0・Elrfyr‘fire’ほ王の部に入れる。この頃〔ei〕に,なった筈だから。

OE・lytel-->MEl1ytelほIitell,1ytil,1itil,1itel才あり、Ii-のiは〔iy〕である。

十七世紀にほ〔i■〕に移る。

31.M.E.弱勢母音及び二重母音

弱音節における母音の短音化、膝枕化、戎ほ消失は凡てのGermanic語

の通有性であって、英語の全歴史を通じて行われている現象である。0」乙

紅おける接尾封の母音の混乱、Mりnにおける接尾詞申のa,u,eの膜胱

さ、又は綴字eを表わすべき音への大部分の変化はこの傾向を示すもので

ある。かかる準備のもとに近代初期に入ると、弱音節における凡ゆる母音

は語頭、語中、語尾把・拘らずこ非常に弱められ、随って腰騰となって、十

五六世紀には綴字の曖昧不確実なるものが非常に・多くなって来た訳であ

る。

(1)多少確かな綴法(Wyld,C.E巾,p.68)

a.円唇母音一丁→乎唇母音

弱勢u〔y二〕(French)→i,y,e(〔ilの如き音)

COmmYne‘common’(fr’・Commune),COnd塑e‘GOhduit’(0・F・COnduit),

bys垣tt‘biscuit’,aVen申‘adventure’(M・E… aVendure),reP9!acion ‘reputation’,etC.

弱勢0,u(M.E.)--→a

率edyensses’obedience’,S嬰OSe‘suppose’(M小E”SuppOSen),至pOn‘upon’,

etc.

bい 二重音の単音イヒ

Oi,ei-上磯字e,y(屡)

POrP野‘porpoise’,tOOk竺戸‘turquoise’,S嬰tStevyh(M・E・Seint---),

Ce巧ざn(M・E・Certein),etC

(2)不確実な綴法

a.′ M…E一.・・℃n

taken,1ynyn‘1inen’,hofton‘often’etc b. M.E..・-・el

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fardfl(0・F・fa[del),Sta些1(Dut・Stapel),gad壁l恒・E;sadel),

StaP隻1,Stap竺1(Dut・Stapel),et6・

c. M.E.-eI・

fa申‘father,,bett野・‘better,,m?nn91(MりE・manere),‘甲anner’,ma哩

‘mdnner’,brocur’broker’,etC

〔註〕此曖昧音は今日の〔、a〕の出て来る事を指示せるものである。平唇の央母

音を示せるぜ\のと思えばよい。

箪)弱音節の消失したもの

au 語憩(aph2ereSis)。

0.E..接頭詞ge-・は中世に㌧入りy一に変化し、千六世紀に至るも存続はす

るが」近代英語に.V3:,消失する。yClept等ほarchaismであるq 備中期英

はa-building等のaほ現代には消失する。

0.E.of-ddne一・-→ M.E。adownl-→ Mn.E。down

古仏語の語-.頭esl-,de-,di(sの前)は叉消失する。

0小F.eSpaCe-→M.E,SpaCe=一・▲→ Mn.E.space,

0.F。eSCarS・-→ M.E。SCarS→ Mn.Eu scarce,

0.F”eStendard-→M.E小Standard→Mn..Eu standard,

0.F、despenser一-一山→- M.E.despencer一一-→:Mn.E.Spenser,-Cer,

0・F・desport-→M・El・disport-→Mn・E・SP9rt,etC

b,語中(syncope)

A.S..Englenaland-→M.E.Engle-1andニー→Mn.E.England(16c・・)

A.S,adesa-「→ M.Eりadesa-・・・・・・・→..Mn。E.adze,etC.

0.F.botiller--→M。E.boteler-→Mn.Eりbutler(16c.)

0..F,garnement▲▲■・・▲-→M.E。garnement-・→Mn・E・garment(16c・)

0..F.keverchief∴■一一・・ヰ M.E.coverchief一→.Mn.E.kerchief,

0.F。mareChal→M.E、mareSChal-†→Mn.E.marshal,etぐ.

c.語尾(apocope)

A.,S.、(ge)heflde→M。E,hende・・→Mn・E・hend,near(dbs・)

0.,F..herbe→ M.E.herbe→ MnいEn herb,etC.

〔註) finaleの〔’a〕音は十五世紀末から1千六世紀かけ、.全く消失して了った。

宜し綴の上でほ残っていた(中期A=27参照)。

B.父

1“父音の附加

a.語尾(普通1,Ⅰ・,n,叉sの後)に父音d,t付加。

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Wy牲‘wiIl’・(M・E・Wil),y嘩,‘isle’(M・E・ etc.

〔註〕 無声父音の後は無声父音、有声父音の後には有声父音の附ける事に.注意。

現代のbound埠,hind埠(=a SerVant),aStOund埠等のdほD・E・及びM・E・において

は存在しなかった。

b.ニ父音の蘭に余分の女音付加(glideとして)

comptro1lour‘controller’(M・寧・COntrOler,COmPtrOller),

Su哩yme‘some time’(M・E・Sumtyme);

rembnant‘remnaht’(M.Eルremenant),etC

c.語頭前母音の前に.〔j‘〕(綴字y)(18c.中頃迄虚)。

yerly‘early’(M巾E.erly),yel‘ill’(M・E.il),

yeven‘even’(M・E・eVen),etC・

d・強勢母音(語顧)の前に・bの付加

hale‘ale’(MuE巾ale),hable‘ab19’(M」乱abil),

habidyng abiding(M.E.abiding);Hane‘Ann’,etC.

2.父音の消失

Oan 語意(15c.には少し)又ほ-t商の(g)h。

alff‘half’(M.E.half),inges‘hinges’(1494),?1ywater‘holywater’,(1494),

01d,Ould‘ho鱒’(M・E・holde);Weytte‘weigbt’(M・E・wighte),

myt‘might’,kawt‘caught’(1450),etC

〔註〕(1)前母音の後に来る一せb-(night等)は少くとも十五世紀に.消失した。

(2)後母音の彼の-gh-(broute‘br-Ought’,1200;dowter‘danghteI,,Cl・1400)は-t・-

の前には十三世紀に己疫消失したものと、fに変化したものと.ニ種類がある(unso董t

‘unsou由t,15c-)。しかし同じく消失したと去っても(1)歴史的に.一宮h・・の存在した

ものがdouteてのように消失したものと(2)元来なかった処へ発音しなかった瑠b-サが

ほさまった(Wright for ASWritan;abought for about,ASり On+butan)とのこ

稗がある。

b.語尾、及び直後に父音の来るd,t。

語尾のf。又屡m の後のb。

husbon‘husband’(M”E.housbonde),hunder’hundred’,MyLor’MyLord’;

Wensday,Wanysday‘Wednesday’(Ml・EI・Wednesdai),

hanffull‘handfu1’,mySSOmer’midsummer’;

kerchys,nekkerchys(M.E.kerchicfs);

humely’humbly’(M.Ehumbely),etC.

場MlE.boun(=ready to start),hine,aStOnen,etC:

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C.く 母音聞及び母音父音間のⅤ。

senty‘seventy,,SWene・dream・(M.E.sw云ven),pament’paYement,(147ナ),

marlys‘marvels’,(M.E.ぬerueile,0。F.mervei11e),etC:

d.iip-COnSOnant(f等)又はkの前の1。

behaf’behalf’(M.E.on-behalue),havyndele(M.E。haluen-del),

gentty-WOman’gentlewoman’(M.E.gentilwiman),

Sepukyr(M、E.sepulcre),fawkyner’falconer’(0.E.falc如ier),etC・

〔註〕 此消失ほ1字省略が綴字に現れる以前からあったもので、中世Ayenbite

(a6eenboght;boughtback)(1340)に己に現れている。(そのfdhaf‘behal董,,etC)。

e.父音の前のn。母音十n+父老の場合のn。

Westmyster’Westminster’(1450q-70),Weitmester(1465);

SOnylawe‘son-in-1aw’(Past?n),etC・

〔註) 語頭n(中世)の消失の例としてan eWt→a neWtの反対の現象を呈

したM,E。naddre→eddre,addre‘adder,(5c),がある。冠詞aにnaddIeのn

が附いてan addIe と.なったのである。

f・父音の前の‡・(殊にsの前)。

fust’fir苧t’(M・E…firste),fudermore’furthermore’(M一トE●further),

foster’foIeSter,(F.董orestier,M,,E.forester),etC.,

g■¶ 円膚後母音の前の強音節のW及び弱音節中のW。

SOr‘swore’,SOId‘sword’,hammard’homeward,,etC

〔註〕uppardほ中世1加nityHomiiies(C.1200)に古く現れている。hanmard

ほS・Editha(Lif■e of,1420)に.屡現われている。SWyChe‘such,は中世にSicheあ

り、十五世紀にほSWicbe,SuCh等併存する。

h・連続せる多父音申の父音。

twolthe‘twelfth’(M.E.twelfte),CrichuICh‘Christ church’,etC.

3∴ 父音性質上の変化

a・父音(殊に破裂音)の有声化、無声化(語憩、母音間、母音と

父音間、語尾において)。

空Iwette・‘velvet,(M・E・Veluet),竺ich(M・E・Which,hu*h,etC・);

CI唾ulle‘cripple’(M・E・Cripel),Ju9yter’JltPiter’,f車yd‘fettered’,

ho嘩ynge‘hu嘩ng’,thy唱eth‘seems’(forthynketh), p早世‘part,(M.E.partie);

bley些e‘blind’(M・E■blir!de),Stren寧th(M・E・Streng6e),

Se唾yll‘single’,hu!fe’held’,哩tayne‘obtain’(F・Obtenir);

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(却9)鱒

d唾e‘ditch,(M・Eddich),discha唾yng‘dis6hargihg,(M:E・・dischargen),

etc.

〔註〕voicelesswh-がW(VOicdd)になった例は十五世紀にwich(e),Wen

‘when,(ME..hrhan),WerOf(1494),Wete‘wheat,(M・EりWhete)(1450)等あれ

ども、次世紀を越えぬとまだ充分ではない。十臥五世紀のLonao血documents±も

普通の投ほWhicb,While等である。

b.M.E.語尾-ingを〔.in〕と発音する。

M‘E.語尾-in,一-enを・-ing・と発音する。

wrytyn‘writing,,gidyn‘guiding,,Abendo‡i‘Abingdon’,

remaynyn(1496)‘remaining’,etCP;

kechyng(1471)‘kitchen’(M.E”kycken,kuchene),etC・

C.M.E.・-(g)b・-

一 斗〔f〕

thorf’through,(M。E.thorgh),ybofte(M“Elbought),

unsoffethe‘unsoughtl,frayfte‘freight’,etC

〔茸〕(g)ht-→〔ft〕音ほ十八世紀迄続いたが、今は1aughter等の外ほ廃れ

た。draughtをdraft と書くはphonetic spellingである。

〔.註〕-(g)h一-ナ(f〕の現象ほhが語尾の暗か、-btとなった時に多く現れ

声。此backbを待った多くの語において咋十六世紀に至る迄〔董.〕〔Ⅹ〕(〔1aft叫

〔1axtarj’1anghteI,;(bo町=boxtl’bought,,etCl)の二眉が共存してし、たようであ

る。上に挙げた語及び他の多くの語に此二極の音ほ存在した。しかしWyldの説明に

ょれほSlatIghterの轟音発展ほLPslaxt∂r‥⊥ウslauxね工→Sloux和一-すSIoutar

→Sbutar→Sb:taI〕、1aughterの発展ほ〔1Axut9r・-「>laftさrl・+laeftaェ

→l紀:fねり・一斗1a:ft鋸〕であって、此しf〕種の語にはuglideほ発達せず、随

って卜〇:ト〕発音の例ほなかった筈である(1V幻d,Sい王まlE・,p・192)。しかし万言にお

いてほ二種の混合が行われ、一・方の種の母音と他の種の父音が混合して結び附くよう

な結果濫了ったのであって、Shakespea工eにあるlo重feの例もこれに外ならぬと思うo

d.rs〕(語頭、語中、語尾)

・-→〔J〕(屡tsほ.〔tJ〕)

blesshyng‘blessing’(1460),VeSShell‘vessel’,kysshed’kissed’,

reioshe‘reioice’,Porchemowth’Portsmouth’,etC

〔註〕 時々SSが〔J’うを表わす(Kentisb)。

pleasse‘please,,pOWySSun‘poison,,fassioned’fashioned,,etC・

e.-Sト・,-tト,トsト,ヰト〕

こ・・-・→〔J〕

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coI享SChen早、‘consc享ence’(1

partyschon‘partition’,Oblygag:hons‘obligations’,etC・

〔■註〕M・El、pleasure(1450),plesur(1440),(0・F・plaisir)′甲uは〔iu)を

表わし、「6+母音」のiMglideを含むもので、pleasier(1430),plesier(1450)の

場合と共に5の仏蘭再輸入を示すものである。

f.t,th,及びt,d,thの交錯(殊に.Ⅰに近く)。

comfforth楊‘comfort,,1aboryd’1aboureth,,ther’dare,(M.釘ノ、dar,dear),

do‘to’(M.E.to),Pepartyd’departed’(AりF.departir),

broder(MrrE.bro召er),fa召men‘to embrace’(M.Eり fadmen,A・S・

fa召mian),etC

〔J註、〕 thoや(=tO)等ほ単なる気音bの附加せるものと見る学者もあれどth と省

かれし以上(.け〕音とする。d,t,tb皆上厳に近き部位を有するので決して無理な交錯

でほない。

g∴・〔.β〕〔苓〕→董■,Ⅴ.

erf‘earth’,Lambef董e‘Lambeth’,etC

b..〔β〕〔召〕

→〔t〕〔d〕(〔即=→〔t〕は稀)(f∴参照)。

gadered’gathered,(1455),Odur’0ther;(M.E.other,AりS.6e)er)(1498),

fadym’fathom’(1492)(A.S.fze苓m),etC.;Strenght’strength’

(A、S.streng5u),1enght(A..S.1eng6),etC.

i.w,Ⅴの交錯。

Wellffete‘velvet’(in‘the Stonorletters’;M.E.veluet),

竺OChesaf‘vouもbsafe,(in‘thePastonletters,;M.E.vouchsauf),

Dowyr’Dover’,Medevey’Medway’,Valkyng‘walking’,

avayte‘await’,WaCaCion‘vacation’(1492),etC.

〔註〕 wは時々VVと.書きdvvelling等がある。又uと.綴るtuelfeがある。

j.vb(語頭),Wの交錯。

Whith’with’,Whriten(0.E.writen)。これほ.wが無声化した印である。

Wh(頭語)→h

hole‘whole’,hos‘whose’1(M”寧・Whos,Whas),etC.

K.二重父音字の変化。

(1)cc,kkの綴はほ00年以後はCkに.変った。

OlE・CnOCian・→M”E・knQkken,knocken,

(2)cchは十五世紀にt¢lになった。それほ15c一Mss.に.おいてCと

t とを混同したのによる。

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(亭11)23

0・FいCaChier⊥M・E・甲CChenヰ,ぬtcheが,etC・

㈱ ssbは1500年に.ほshに・つづまゎた。

0.E.fisc・→M。E.fisch,fissh,fish,etC.

Caxtonにはabasshidがある。

〔註〕M.E.catchenがModernEりCatChになったのはenのeが額音になっ

た為めのen消失の為めである。無暗e(語尾)のための変化にはMEl・doggeが

M。d..E.dogになったり、doggさSがdogsになった例にも見られる。因ぬM・Eいbil

がM9d小E..hillになったのほMJLNom・Plur∴hillesの影響であり、MlトE・・g工aS

-ナMdE”graSSはNoml・Plur”graSSeSの綴の影響である0

㈲ M.E.〟rom=在om.単字fはVであり、畳字fiはfに用いる事

ほ.今日Welshに.残っている。このffを頭文字Fで代表することは初期

に用いられた方法であるが、今日Ffinch,Ffrench等の名の残っているの

ほそれを誤解して用いた綴字である。

l.字 位 転 換

drust‘durst,,Strike‘stirk,(1451),Kyrstemes‘Christmas’(1479),

hunderd’hundred,(1465),Childern’children’(1487),etC・

〔詳〕 現代のthIOughにはthoIf(1440-1470)の形があるが、これはAS・

tbuIbから来たもので、転換でほない。

C.地方言と標準語

CaxtonのLondon英語は大体に.j机、てChaucerよりも遥かにMidland

的な近代的な性質を待ったものである事ほ先払示した。被はKent生れで

Kentで英語を習ったというから、初めほ彼の郷里の方言を書いていたか

も知れぬ。London市長であったWilliam Gregoryの英語ほ・当時の倫敦

中流階級の英語を代表したものであると考えねばならぬ。しかし地方言は

凡七の階級の人々、によって-多少まだ話されていた事は争われぬ事実である。

文語においでほ公私文書共London語を広く用いられていたが、十五世紀

後半の少し前迄ほ全体としてLondon語で番いた文書の内にも時々に聾者

の地方言が現出していた事は明瞭である。それに・しても地方の作者の内全

く地方吉を抜きにして書いたものも全くないでほない事ほ前に・のべた。叉

たと.へLondon碍で書いた文書として認められているものでも、東部塾と

南部型の二層類がある訳だが、これは共にLondon語として受けられてい

格cchの父苗主役ほ前の母音短縮の印であるが、重複前音のStOpがCat等に慣れた

舌の位置に変化してりに破裂させたものであるか、古形tがこである所からC

と混同してt云hと.な′つ・たものか、、ここでほ双方の意味を含めたい。

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るのである。倫他に・上帝下流の階級匿よ卑語法の区別と認め′られる申があ

るが、Gregoryの’London俗語が必ずしも上流社会の英串と.全く、かけ離

れた.ものとも思われない。かくの如く軋して、十五世紀の文語及び標準口

語ほ共に非常にネ確定な状態に.あったのであって、随って十五世紀に.おい

てほ確定的な標準英語の存立を断定する事ほ躊躇せねほならない。勿論正

しい英語の或標準は立っていた事は凝ないが、これほ下層社会の英語と全

く区別され鞍上流英語が存在していた事と.ほ違う。これ等の閻題は凡て一次

世紀に・おいて解決されなけれほならない。

しかし、かくして、-L方においてたとへ、標準英語が確立するように.な

るとげ.云え、叉それがために爾後地方靴が最早文書に用いられなくなると

は云え、地方靴が全然死滅して了うという事にほならぬ。それは矢張地方

言特有な単語と古来の音韻性質の純粋な伝統の幾分とを保存して地方民間

に栄えて行った事を忘れてはならない0十五世紀に・おいては、Londo亘よ

り遠隔なる地方の方言にも英語全般に.受けた変化の影響はあったとこして

も、主として全般的にその古い地方靴の特質を保有して居た事ほ事実であ

って、これから数世紀の問、中央に接触する機会のある人間′がLondon語

を習得した事ほ勿串であるが、地方人と・してほ、大体においてその地方準

有の方言を用い続けて行った事は明かな事であろ。ExefeI市長Shillingford

の書簡を見て-も地方靴のある事は前に云ったが、これほ十六、十七世紀の

文書においても詩に.おいても、地方靴の跡を屡見る事が出来る事によって

明に.する挙が出来るのである。

執 筆 者 紹 介

雄 栄 次 春 七

行 重 春 満 福

泉 野 阪 毛 村

大 河 上 稲 植

香川大学経済学部教授

香川大学経済学部講師

香川大学学芸学部教授

香川大学経済学部講師

香川大学経済学部助教授

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