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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 建設現場における生産性向上の取組 i-Construction平成29年3月16日 国土交通省 大臣官房技術調査課 1 資料2

建設現場における生産性向上の取組 i-Construction - MLIT · 2017-03-24 · i-Construction~建設業の生産性向上~ 建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う、我が国の国土保全上必要不可

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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

建設現場における生産性向上の取組~i-Construction~

平成29年3月16日

国土交通省 大臣官房技術調査課

1

資料2

Page 2: 建設現場における生産性向上の取組 i-Construction - MLIT · 2017-03-24 · i-Construction~建設業の生産性向上~ 建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う、我が国の国土保全上必要不可

i-Construction ~建設業の生産性向上~

○建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う、我が国の国土保全上必要不可欠な「地域の守り手」。

○人口減少や高齢化が進む中にあっても、これらの役割を果たすため、建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに、生産性向上が必要不可欠。○国土交通省では、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、建設現場の生産性を、2025年度までに2割向上を目指す。

従来施工 ICT建機による施工

測量

従来測量 UAV(ドローン等)による3次元測量

3次元測量(UAVを用いた測量マニュアルの導入)

ICT建機による施工(ICT土工用積算基準の導入)施工

検査 検査日数・書類の削減

3次元データをパソコンで確認

計測結果を書類で確認

人力で200m毎に計測

【生産性向上イメージ】

人・日当たりの仕事量

(work)

人(men)

工事日数(term)

-coni

省人化

工事日数削減(休日拡大)

建設現場の生産性2割向上

i-Constructionにより、これまでより少ない人数、少ない工事日数で同じ工事量の実施を実現

ICTの導入等により、中長期的に予測される技能労働者の減少分を補完

現場作業の高度化・効率化により、工事日数を短縮し、休日を拡大 1

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【機密性2】ICT土工について

測量

発注者

OK

設計・施工計画

施工 検査i-Construction

設計図に合わせ丁張り設置

検測と施工を繰り返して整形

丁張りに合わせて施工

③ICT建設機械による施工

④検査の省力化①ドローン等による3次元測量 ②3次元測量データによる設計・施工計画

ドローン等による写真測量等により、短時間で面的(高密度)な3次元測量を実施。

3次元測量データ(現況地形)と設計図面との差分から、施工量(切り土、盛り土量)を自動算出。

3次元設計データ等により、ICT建設機械を自動制御し、建設現場のIoT(※)を実施。

ドローン等による3次元測量を活用した検査等により、出来形の書類が不要となり、検査項目が半減。

測量設計・施工計画

検査従来方法

測量の実施

平面図 縦断図

横断図

設計図から施工土量を算出

施工

① ②

※IoT(Internet of Things)とは、様々なモノにセンサーなどが付され、ネットワークにつながる状態のこと。

3次元設計データ等を通信

これまでの情報化施工の部分的試行

・重機の日当たり施工量約1.5倍・作業員 約1/3

3次元データ作成

2次元データ作成

書類による検査 2

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ICT土工の現状

○3次元データを活用するための15の新基準や積算基準を整備○国の大規模土工は、発注者の指定でICTを活用。中小規模土工についても、受注者の希望でICT土工を実施可能。(必要な費用の計上、工事成績評点で加点評価)○年間で約1570件以上をICT土工の発注方式で公告予定

ICT人材育成の強化(受・発注者向け講習・実習を集中実施)

○施工業者向け講習・実習・目的:ICTに対応できる技術者・技能労働者育成

○発注者(自治体等)向け講習・実習・目的①i-Constructionの普及

②監督・検査職員の育成

【研修内容】・3次元データの作成実習又は実演・UAV等を用いた測量の実演・ICT建機による施工実演 など

ICT土工の実施

●工期:「UAV使用により起工測量の日数が大幅に短縮」●安全:「手元作業員の配置が不要となり、重機との接触の危険性が大幅に軽減」

など

【導入効果(現場の声)】

○3次元データを活用するための基準類を整備し、「ICT土工」を実施できる体制を整備。○今年度より、1570件以上の工事について、ICTを実装した建設機械等を活用する「ICT土工」の対象とし、現在

506件の工事で実施。○全国約450箇所で地域建設業や地方公共団体への普及拡大に向けた講習会を開催予定であり、既に約32,000人が参加。

これまでに全国で約32,000人が参加!さらに民間企業においてもi-Constructionトレーニングセンタなどを設置し、講習・実習を実施中

現在506件の工事でICT土工を実施(地域の建設業者が8割以上)(2月20日時点)

3次元測量 3次元設計図面 ICT建機での施工

講習・実習開催予定箇所数(※平成28年12月末時点)

施工業者向け 発注者向け 合計※

全国275箇所(248箇所開催済)

全国345箇所(323箇所開催済)

全国453箇所(419箇所開催済)

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●工期:「通常10日間かかる起工測量がレーザースキャナー測量2.5日、及びUAV測量3時間と大幅に短縮。」

●精度:「広範囲のデータが取得でき、敷均し締固め管理が効率化、数量精度が向上した。」

●施工:「汚染土封じ込め箇所で、複数台ICT建機の施工データーを共通化。高精度で安全な施工が可能となった。」●品質:「丁張が不要となるとともに、均一な施工が可能」●安全:「ICT建機位置情報の活用により、上下作業チェック、土砂運搬路計画など安全管理に寄与」

現場の声(カナツ技建工業)

現場の施工状況を現場事務所でリアルタイム共有機械位置情報を施工管理・安全管理に活用。

地場の測量機器メーカー等の連携により後付け機器でICT施工を実施

いず も た ぎ あさやま お だ

○施工者(元請け)が、 ICT施工に対応できる技術者の育成に社をあげて取り組む方針のもと、全ての作業に主体的に関わり、ICT土工の効果を実感するとともにノウハウを習得。・自ら測量精度を比較検証し効果を把握。

・地場の測量業者と測量機器メーカー、システム会社との4者で連携し、3Dデータ作成、ICT施工

の一連の作業を実施。

レーザースキャナー、UAVそれぞれの機器で精度確認を実施両機器とも測定精度は同等。現場での実効性を確認

ICT土工事例①(島根県出雲市 多伎朝山道路小田地区改良第12工事)

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ICT土工事例②(新潟県上越市板倉区国川地区 地すべり対策工事)

○ ICTバックホウによる法面整形

現場の声(田中産業㈱)

○新潟県が発注したICT土工の第1号試行工事。○当該工事の施工者(田中産業㈱)は、自社で保有するICT建設機械を活用し、ICT土工を実施できる技術者・運転手を育成するとともにICT活用工事に積極的に取り組んでいる。○ICT技術の活用拡大に向け、建設業者や発注者を対象に現場研修を実施。

ICTバックホウと同じ設計データを入力した自動追尾型TSを使用して日々の出来形確認を行っている

●工期:「ICT建機を使用することで、丁張り設置の待ち時間、手戻り等が無くなるため作業効率が向上し、工期短縮が期待できる。」

●施工:「ICT建機を使用することにより、余掘り量の低減・過掘りの心配が無くなり安定した施工ができる。」

●品質:「重機内モニターで完成形状の確認しながらの作業を行うので、高い品質/高い精度で施工ができる。」

●安全:「従来は、法面整形作業に補助作業員必要であったが、ICT施工においては必要ないので接触事故を防止することができる。」○ ICT技術活用工事現場研修

こくがわ

○ UAV(ドローン)による施工前の測量(9月12日撮影)

発注者:新潟県

○ 出来形確認の状況

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ICT土工事例③(秋田県 ICT活用土工実証検討会)

●高校生:「ICT導入のメリットが分かった。現場の作業は大変だと思っていたが、工事技術の進化を感じた。」●技術者:「ドローンによる3次元測量から3次元設計まで、今回の実証検討により、自分たちにも実施可能であることを確認出来た。」

●主催者:「ICT導入で、作業の効率と安全性が高まる。若者の人材確保にもつなげたい。」

UAV(ドローン)による測量の実演 ICTバックホウ操作の実演

現場での声

○ICT活用土工実証検討会 (秋田県建設業協会、東北測量設計協会、秋田河川国道事務

所)を組織し、県内で先行実施しているICT土工工事を学習・広報の場として活用。・建設業者、測量業者、地公体の実地研修の場として、ICT推進を支援

・地元高校の学習の場として提供し、新たな建設業の取り組みをPRするとともに担い手確保も期待

○得られた成果とノウハウを共有し、県内i-Constructionのプラットホームとして機能。

3次元設計データ作成の説明

◎ICT工事現場の公開状況○第1弾は、平成28年10月6日、関地区道路改良工事(にかほ市)で実施。(高校生、建設業、測量設計業、官公庁の土木技術者ら約150名参加)

○第2弾は、築堤工事(雄物川)の現場を11月中旬公開予定。

公開現場を上空からUAV(ドローン)で撮影

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ICT土工の時間短縮効果(速報値)

0 10 20 30 40 50 60 70

従来施工

ICT

起工測量~完成検査までの合計時間(平均)

起工測量 測量計算 施工 出来形計測 完成検査

• ICT施工平均日数 44.6日 (調査表より実績)

• 従来手法平均日数 60.4日 (調査表より自社標準値)

• 合計時間 26.1 % 削減※平均土量 17791㎥

起工測量から完成検査まで土工にかかる一連の作業時間について、ICT土工を実施した企業に調査したところ、平均26.1%の削減効果を確認。

平成29年2月20日までの完成工事(14件)の結果

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更なる生産性向上に向けた「カイゼン」

ラップ率の緩和

現場からでてきた課題・意見を迅速に検証し、必要な制度・運用を「改善」UAV測量では、写真が90%以上重なっていることを求めていたが、80%以上に変更(進行方向の場合)基準の見直しにより、UAVの飛行速度が2倍になり、測量時間の短縮につながる

ラップ率90%以上 ラップ率80%以上

飛行速度約1m/s 飛行速度約2m/s8

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i-Constructionの拡大に向けて

○今後は、3年以内に、橋梁・トンネル・ダムや維持管理の工事にICTの活用を拡大。○産学官連携の体制により、公共工事の3Dデータを活用するためのプラットフォームを整備し、人工知能、ロボット技術への活用等を促進。

推進体制の構築・3Dデータ利活用促進ICTの活用拡大

○土工以外の分野にもICTを導入するために、調査・設計段階から施工、維持管理の各プロセスで3次元モデルを導入・活用するための基準類を整備。⇒ 対象工種:河川(樋門、樋管)、橋梁、トンネル、ダム、浚渫など

3次元モデルを用いた監督検査の効率化

トンネル覆工の出来形をレーザースキャナを用いて計測を行い、監督・検査を効率化

施設管理の効率化・高度化

点検結果を3次元モデルに反映し、施設管理を効率化・高度化

○産学官が連携して推進するため、産学官連携によるi-Construction推進コンソーシアムを設置。

コンソーシアム 体制(案)

○3次元ビッグデータを収集し、広く官民で活用するため、オープンデータ化に向けた利活用ルールやデータシステム構築に向けた検討等を実施

○建設分野以外の最新技術を建設現場で活用する技術開発、現場導入の促進を図る。

工事日数

人、日 あたりの仕事量

i-Construction推進コンソーシアム

3次元データ活用検討(オープンデータ化)

最新技術の建設分野への導入促進データシステム イメージ

建設現場の生産性向上

省人化

工事日数削減(休日拡大)ダムの管理用管路の点検

建設分野以外の最新技術

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ICT舗装工(H29.4~)

測量設計・施工計画

施工i-Construction

丁張り設置検測と施工を繰り返して整形

丁張りに合わせ施工

③ICTグレーダ等による施工

④検査の省力化②ICT土工の3次元測量データによる設計・施工計画

レーザースキャナ等により、短時間で面的(高密度)な3次元測量を実施

3次元設計データと事前測量結果の差分から、施工量を自動算出。

3次元設計データ等により、ICT建設機械を自動制御

レーザースキャナ等のデータによる検査等で書類が半減

測量設計・施工計画

検査従来方法 施工

① ②

③ ④これまでの情報化施工の部分的試行

・作業効率向上

・丁張削減により作業員数減少

3次元データ作成

2次元データ作成

人手による測量 コア抜きによる検査

①レーザースキャナ等で事前測量

検査

平面図、縦断図等

紙図面から施工量算出

発注者

OK

自動算出

○更なる生産性向上を目指して、舗装工にICTを全面的に導入する「ICT舗装」を平成29年度より取組開始○必要となる技術基準や積算基準を平成28年度内に整備

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国土交通省 : 事務局、助成、基準・制度づくり、企業間連携の場の提供など

支援

3月1日時点で618者参加

i-Construction推進コンソーシアム

i-Construction推進コンソーシアム設立総会開催 (平成29年1月30日)

石井大臣挨拶 設立総会の様子

○「i-Construction」を推進するため、様々な分野の産学官が連携して、IoT・人工知能(AI)などの革新的な技術の現場導入や3次元データの活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目的に、平成29年1月にコンソーシアムを設立

i-Construction推進コンソーシアム

技術開発・導入WG

最新技術の現場導入のための新技術発掘や企業間連携の促進方策を検討

3次元データ流通・利活用WG 海外標準WG

3次元データを収集し、広く官民で活用するため、オープンデータ化に向けた利活用ルールやデータシステム構築に向けた検討等を実施

i-Constructionの海外展開に向けた国際標準化等に関する検討を実施

コンソーシアムの会員は民間企業、有識者、行政機関などを広く一般から公募産学官協働で各ワーキングを運営(※国土交通省(事務局)が運営を支援)

業団体 設計学会大学

行政 施工 IoT 金融AIロボット調査測量

維持更新

国・自治体・有識者 建設関連企業 建設分野以外の関連企業

一般公募(会員)※

企画委員会(全体マネジメントを実施)

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i-Construction推進コンソーシアム 今後のスケジュール

i-Construction推進コンソーシアム(工程案)

2月1月 3月 4月 5月 6月 7月~コンソーシアム

技術開発・導入WG

3次元データ流通・

利活用WG

海外標準WG

設立総会 企画委員会

ニーズ説明会

「技術開発・導入WG」、「3次元データ流通・利活用WG」の検討を踏まえて実施

会員公募(随時募集)

データ利活用方針策定

意見交換会

ニーズ・シーズ抽出ニーズ・シーズ抽出ピッチイベント(複数回)ピッチイベント(複数回)

現場への試行導入現場への試行導入

建設技術研究開発助成制度(公募・選定)建設技術研究開発助成制度(公募・選定)

集積可能なデータ・利活用ニーズに関する調査集積可能なデータ・利活用ニーズに関する調査

データ利活用方針(案)の意見聴取

データ利活用方針(案)の意見聴取

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