50
1 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラン 平成 29 年度~平成 32 年度 平成 29 年 3 月

近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

1

近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラン

平成 29 年度~平成 32 年度

平成 29 年 3 月

Page 2: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

2

目 次

1. はじめに(計画策定の背景と基本的な考え方) ........................................................... 4

2. 新改革プランの計画期間 .............................................................................................. 5

3. 当院の現状 ................................................................................................................... 5

(1) 施設概要 ................................................................................................................. 5

(2) 政策動向 ................................................................................................................. 6

① 平成 28 年度診療報酬改定の概要 ............................................................................ 6

② 滋賀県地域医療構想における東近江医療圏域の目指す姿 ....................................... 6

③ DPC 参加病院の状況 ................................................................................................ 9

(3) 地域需要の動向と医療提供体制 ............................................................................ 15

① 人口・患者動態 .................................................................................................... 15

② 疾病需要 .............................................................................................................. 18

③ MDC(主要診断群分類)別二次医療圏流出入分析 .............................................. 21

(4) 来院患者や収益における当院の現状 ..................................................................... 22

① 外来患者数推移 .................................................................................................... 22

② 外来収益 .............................................................................................................. 24

③ 入院患者数推移 .................................................................................................... 25

④ 入院収益 .............................................................................................................. 26

(5) 経営状況の推移 ..................................................................................................... 27

① 経営指標に係る数値の推移 .................................................................................. 27

4.分析結果のまとめ ..................................................................................................... 31

(1) 外部環境・内部環境の特性整理 ............................................................................ 31

(2) SWOT 分析 ............................................................................................................ 33

(3) 地域・当センターにおける重要課題 ..................................................................... 34

(4) 方向性検討にあたっての論点整理 ......................................................................... 34

5. 地域医療構想を踏まえた役割の明確化など ................................................................ 35

(1) 地域医療構想を踏まえた当センターの果たすべき役割 .......................................... 35

(2) 地域包括ケアシステムの構築に向けて果たすべき役割 .......................................... 36

(3) 一般会計負担の考え方 .......................................................................................... 36

(4) 住民の理解 ............................................................................................................ 37

Page 3: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

3

6. 中期経営計画のアクションプランの評価と新改革プランへの継承 ............................. 37

(1) 病院ビジョン(基本目標)の設定 ......................................................................... 37

(2) 中期経営計画での主な取り組みの成果について .................................................... 37

(3) 新改革プランでの重点目標の設定 ......................................................................... 40

7. 経営形態の見直し ...................................................................................................... 41

8. 新改革プランの点検・評価・公表 .............................................................................. 41

(1) 新改革プランの点検・評価 ................................................................................... 41

9. 経営の効率化 ............................................................................................................. 41

10. 収支計画 .................................................................................................................. 48

Page 4: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

4

1. はじめに(計画策定の背景と基本的な考え方)

当センターは、東近江医療圏(近江八幡市、東近江市、日野町、竜王町)に位置し、

同医療圏内最大の 407 床の病床規模、一定量の医療資源を有し、急性期医療を提供す

る中核病院として活動をしています。地域医療の充実のため、紹介患者を中心とした入

院診療の提供や、救命救急センターとして急性期疾患への対応など、高度・急性期医療

を中心とした病院運営を行っています。

当センターは、平成 25 年 3 月に策定された「近江八幡市立総合医療センター中期経営

計画(平成 25 年度から平成 29 年度)」の計画期間中でありますが、このたびこの中期経

営計画をベースとし、国が示した新公立病院改革ガイドライン(平成 27 年 3 月総務省自

治財政局長通知)に基づき、平成 29 年度から平成 32 年度までを期間とした近江八幡市立

総合医療センター新公立病院改革プラン(以下、新改革プラン)を策定しました。

中期経営計画の病院ビジョン(基本目標)及び、計画の重点目標は、そのまま新改革プ

ランに引き継ぐものとし、現状分析や行動計画(アクションプラン)の見直しを行ったも

のです。

Page 5: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

5

2. 新改革プランの計画期間

先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成 29 年度

から平成 32 年度までを計画期間とします。

日経ヘルスケア 2013 年 4 月号を参考に作成

3. 当院の現状

(1) 施設概要

病院の区分 一般病院 病院の特色 東近江医療圏の基幹病院(急性期)救急告示病院(3次救急) 地域医療支援病院臨床研修型病院(基幹型) 災害拠点病院

病床数 一般病床 403床 救命救急センター感染症病床 4床 地域周産期母子医療センター計 407床 滋賀県肝疾患専門医療機関集中治療室(ICU)/6床(※CCU込) 滋賀県地域がん診療連携支援病院ハイケアユニット(HCU)/12床 滋賀県神経難病医療拠点病院人工透析 60床 臨床研修病院

第2種感染症指定医療機関診療科目 内科(総合内科、代謝・内分泌内科、腎臓内科、血液内科、呼吸器内科、 総合医療情報システム(電子カルテ、オーダーリング)等

リウマチ・膠原病内科)・消化器内科・循環器内科・神経内科・小児科・ DPC(包括医療)導入小児外科・外科(消化器外科、乳腺・甲状腺外科、一般外科) 院内保育所の設置(24時間)心臓血管外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・産婦人科・皮膚科・ 禁煙外来の設置泌尿器科・眼科・耳鼻いんこう科・放射線科・麻酔科・病理診断科・ 女性専門外来の設置リハビリテーション科腎臓センター・健診センター・救命救急センター 専門外来 腹膜透析外来、在宅血液透析外来、不整脈外来、ピロリ菌除菌外来

ピロリ菌除菌外来、女性総合外来、更年期外来、禁煙外来

施設概要

Page 6: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

6

(2) 政策動向

① 平成 28 年度診療報酬改定の概要

平成 28 年度診療報酬改定では、7対1一般病棟入院基本料の「重症度、看護必要度」の

基準が、15%以上から 25%以上に厳格化されました。今改定では、医療機能に応じた入院

機能の評価がポイントとなり、一般病棟用の「重症度、看護必要度」の評価票の見直し(認

知症疾患や手術等医学的状況への病院の対応について新たに評価基準に盛り込まれた)が

あり、急性期医療を掲げている病院の治療内容の実態をさらに評価していく内容となりま

した。また、入院医療における在宅復帰を支援するために、自宅等に退院する患者の割合

を 75%以上から 80%以上に厳格化し、地域包括ケアシステムの推進を目指し、各医療機関

の機能分化と連携を強化していく内容となりました。

② 滋賀県地域医療構想における東近江医療圏域の目指す姿

地域医療構想の基となった、社会保障・税一体改革における資料(社会保障・税一体改

革「医療・介護に係る長期推計」)では、急性期医療の改革として、高度急性期の平均在院

日数を 15 日から 16 日程度、一般急性期については、平均在院日数を 9 日程度とされ、早

期の退院・在宅復帰に伴い患者の QOL(Quality Of Life:生活の質)の向上効果が明記さ

れています。

地域医療構想では、平成 37 年(2025 年)の医療機能別必要病床数について、全国で高

度急性期 13 万床・急性期 40 万床程度に収斂される見込みとなっています。

今後、急性期病床数の削減に向けた国の政策誘導では、看護必要度の割合をさらに高め

ること(平成 28 年度の診療報酬改定では、15%から 25%に変更)の他、在院日数の短縮

や、外来化促進策が打ち出される可能性が高いと考えられます。

出典:第5回医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会資料

Page 7: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

7

出典:第 64 回社会保障審議会医療保険部会資料

滋賀県地域医療構想では、居住人口の減少の予測がされる中で、現在の医療提供体制が

変わらないと仮定した場合の、東近江医療圏の平成 37 年(2025 年)の病床数は、高度急

性期で1床減、急性期で 511 床減、回復期で 336 床増、慢性期で 198 床減と推測していま

す。今後、国の医療政策において、入院医療から外来化や平均在院日数の短縮等により、

急性期マーケットの縮小(社会保障・税一体改革「医療・介護における長期推計」に記載)

が予測されるため、今後の国の医療政策と地域住民からの急性期医療へのニーズを意識し

ながら、当院の収益を最大限に高めるため、7 対 1 入院基本料等の算定維持(看護配置基

準及び、看護必要度の要件クリア等)や新たな施設基準を取得していきます。

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

Page 8: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

8

次に、滋賀県内の急性期病院と当センターの立ち位置を、DPC の複雑性係数と手術症例

シェアを基に分析を行った結果、専門性に特化した診療提供よりも、地域の中核医療とし

て、多様な疾患をケアする診療提供体制を構築しているため、今後もその医療機能を維持

することを明確化し、マーケットニーズに応えていく必要があります。

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

また、当センターは、在院日数が他病院に比べ短い傾向にあり、入院診療報酬の一日単

価は滋賀県内の急性期病院と比較すると最も高くなっています。

出典:平成 27 年度地方公営企業統計年報・滋賀県病院事業会計決算を基に作成

Page 9: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

9

③ DPC 参加病院の状況

DPC 病院は急性期医療を担う病院によって構成されており、全国で約 1500 病院が承認

されています。厚生労働省として急性期病院は一通り出そろったということで DPC 導入

への政策誘導を緩め、これからは急性期病院としての基準を満たす病院が診療報酬によっ

て、さらに高い評価を得ていくことになります。

下表は、滋賀県内の DPC 参加病院の設置状況です。東近江医療圏域では、当センター

と昴会湖東記念病院の2病院が DPC 参加病院になり、東近江総合医療センター及び、昴

会日野記念病院の2病院が DPC 準備病院(DPC 参加病院を目指している)となっていま

す。近隣の近江兄弟社ヴォーリズ記念病院及び東近江市立能登川病院は、出来高病院(DPC

非参加病院)に該当します。

出典:石川ベンジャミン光一氏(国立がん研究センター)

https://public.tableau.com/profile/kbishikawa#!/

Page 10: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

10

赤マーカー:厚労省 DPC 調査参加病院施設(H26/2014)を指します。

出典:滋賀県『パンフレット「滋賀県の病院」』

Page 11: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

11

赤マーカー:厚労省 DPC 調査参加病院施設(H26/2014)を指します。

出典:滋賀県『パンフレット「滋賀県の病院」』

④ 医療機関別 DPC 係数の状況

現在、急性期病院のほとんどが医療費の適性化や医療の質向上などを目的としたDPC

(包括診療)制度に移行しています。病院施設や医療の質などの評価により、高い係数を

乗じた収益を得ることが出来ます。

東近江総合医療センター

Page 12: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

12

(※)

係数としては、「基礎係数」「暫定調整係数」「機能評価係数Ⅰ」「機能評価係数Ⅱ」の4

種類あります。

まず、基礎係数について、当センターはⅢ群の病院ですが、収益増に繋がるⅡ群相当の

評価を得られる病院になりつつあります。しかし、安定した評価を得るにはまだまだハー

ドルが高いことや、地域と密着した病院として医療提供を進めていくためには、当面Ⅲ群

の病院で継続し、地域包括ケアシステムの構築に寄与していきます。

【基礎係数】

Ⅰ群 大学病院本院 基礎係数 1.1354

Ⅱ群 高機能な病院 基礎係数 1.0646

Ⅲ群 Ⅰ群、Ⅱ群以外の病院 基礎係数 1.0296

暫定調整係数はDPC制度へ多くの病院が移行するようにインセンティブとして制度開

始時より設けられたものですが、平成 29 年度で廃止されることになっています。

機能評価係数Ⅰは、医療機関の人員配置や機能・構造を評価した係数です。機能評価係

数Ⅱは、医療機関が担うべき役割や機能に対する係数であり、平均在院日数、重症度の高

い疾患への対応、救急医療への対応状況などが係数のかかる評価項目であります。県内に

おいては当院が最も高く、全国的にみても高い係数を算定しており(全国DPC病院約

1400 病院中、平成 27 年度は 55 位、平成 28 年度は 21 位)、地域医療に大きく貢献をして

いることが評価されています。

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

(平成 27 年度データ)

※済生会滋賀県病院を指します。

Page 13: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

13

(※)

× × ×

【現行の DPC 算定の仕組みと医療機関別係数】

※医療機関別係数=基礎係数+暫定調整係数+機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱで構成

機能評価係数Ⅱの内、効率性指数は、数値が高いほど同じ傷病の場合の平均在院日数が

短いことへの評価をします。滋賀県の平均値が 0.0067 に対して、当院は、0.0098 と上位

に位置しており、クリニカルパス等の運用を通した平均在院日数の短縮の努力が反映され

たものです。

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

機能評価係数Ⅱの内、複雑性指数は、数値が高いほど在院日数が長い複雑な傷病の患者

割合が大きいことを評価するものですが、滋賀県の平均値と同値となっています。

診療群分類ごとの1日当たり包括点数 入院日数 医療機関別係数(※)

(平成 27 年度データ)

※済生会滋賀県病院を指します。

Page 14: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

14

(※)

(※)

機能評価係数Ⅱの内、カバー率指数は、滋賀県の平均値が 0.0071 に対して、当院は、

0.00771 と上位に位置しており、軽度から重度まで幅広く患者を集患していることを示し

ています。

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

(平成 27 年度データ)

(平成 27 年度データ)

※済生会滋賀県病院を指します。

※済生会滋賀県病院を指します。

Page 15: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

15

(※)

機能評価係数Ⅱの内、地域医療指数は、滋賀県の平均値が 0.0103 に対して、当センタ

ーは、0.0168 と最も高い位置にあります。これは、地域医療への貢献(脳卒中地域連携、

がん地域連携、がん地域登録、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、24 時間 tPA

等一定の基準に基づき評価)が高いことを評価されたものです。

(3) 地域需要の動向と医療提供体制

① 人口・患者動態

東近江医療圏における人口は、「日本の地域別将来推計人口(2013 年 3 月推計)」によ

ると、当該計画最終年の平成 32 年(2020 年)の人口は、96.9%に減少(225 千人に減少)

し、高齢化率は、27.7%に達すると予測されます。

一方で、平成 26 年度の患者調査の入院受療率及び国立社会保障・人口問題研究所の人

口推計に基づく入院患者推計の予測では、年齢区分別に見ると、平成 47 年(2035 年)ま

では、65 歳以上の高齢者人口は上昇しています。一方、平成 26 年度の患者調査の内、入

院受療率からの推計値では、患者総計及び、65 歳以上の患者数は増加が見込まれています。

また、平成 26 年度の患者調査の結果による外来受療率からの推計値では、患者総計は

平成 37 年(2025 年)にピークを迎えますが、65 歳以上の患者数は増加が見込まれており、

高齢化による疾病構造の変化に対し、診療体制を充実させると共に、近隣医療機関、介護

出典:(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

(平成 27 年度データ)

※済生会滋賀県病院を指します。

Page 16: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

16

保険施設などとの連携強化が、安定的に患者数の増加を確保するために有効であると考え

ます。

〈東近江医療圏の人口と入院・外来患者数の将来推計〉

出典:石川ベンジャミン光一氏(国立がん研究センター)

https://public.tableau.com/profile/kbishikawa#!/

Page 17: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

17

図1 人口増減割合

出所:国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口(2013 年 3 月推計)

図2 65歳以上の高齢化割合

出所:国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口(2013 年 3 月推計)

Page 18: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

18

② 疾病需要

平成 26 年度の DPC データに基づく東近江医療圏における当センターの疾病占有率につ

いて、「狭心症、慢性虚血性心疾患」の症例数が最も多く月 70 症例を超え、60%を占めて

います。次に「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全」と「肺炎、急性気管支炎、

急性細気管支炎」の症例数が多く、ともに月 40 症例程度ありますが、前者は 90%近く、

後者は 50%近くを占めている状況です。入院患者の受療状況の将来予測では、65 歳以上

の入院患者が増える見込みであることから、高齢者に多くみられる疾患群をより多く集患

していけるよう、近隣の診療所との役割分担や連携(紹介・逆紹介のやりとり)の維持・

充実のため、東近江医療圏以外の地域に属する医療機関との連携強化が求められています。

〈近江八幡市立総合医療センターの症例数と東近江医療圏内の占有率〉

出典:石川ベンジャミン光一氏(国立がん研究センター)

https://public.tableau.com/profile/kbishikawa#!/

Page 19: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

19

下図は、7疾病(※)ごとの1日入院患者数の将来予測です。平成 42 年(2030 年)

までは、妊娠、分娩を除く、総入院患者数及び、65 歳以上がすべて増加予測となってい

ます。その中で、循環器系疾患の患者数が他疾患に比べて多いことが特徴となっていま

す。

次図は、7疾病ごとの月当たりの外来患者数の将来予測です。循環器系及び筋骨格系

の疾患について、患者総数が増加予測となっています。一方、呼吸器系及び消化器系疾

患は、患者総数が減少予測ですが、妊娠、分娩を除く、いずれの疾患も年齢別に置き換

えると、65 歳以上がすべて増加予測となっています。

出典:石川ベンジャミン光一氏(国立がん研究センター)

https://public.tableau.com/profile/kbishikawa#!/

Page 20: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

20

(※)7疾病の説明

① x02 新生物

② x09 循環器系の疾患

③ x10 呼吸器系の疾患

④ x11 消化器系の疾患

⑤ x13 筋骨格系及び結合組織の疾患

⑥ x15 妊娠、分娩及び産じょく

⑦ x19 損傷、中毒及びその他の外因の影響

出典:石川ベンジャミン光一氏(国立がん研究センター)

https://public.tableau.com/profile/kbishikawa#!/

Page 21: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

21

③ MDC(主要診断群分類)別二次医療圏流出入分析

東近江医療圏域では、先述のとおり、当センターと医療法人社団昴会湖東記念病院の2

病院が DPC 参加病院、独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センター及び、医療法

人社団昴会日野記念病院の2病院が DPC 準備病院となっている状況です。近隣の公益財

団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院は、出来高病院に該当します。(東近江市立能登川病

院については急性期病院ですが、DPC 調査参加施設ではないため、国のデータから読み取

ることが出来ません。)この二次医療圏の流出入分析は、平成 28 年度第4回 診療報酬調

査専門組織・DPC 評価分科会「医療圏別 MDC 患者数」「MDC 別医療機関別件数(割合)」

を元に作成し、 それぞれ、二次医療圏ごとの診療患者数と発生患者数の差を調べ、圏域ご

との患者の流出入状況の確認を行いました。ただし、DPC 調査非参加施設(当該医療圏で

は能登川病院)はこの調査票に反映されませんが、対象病院の規模等を加味しても、多く

の主要診断分類の疾患群が他圏域に流出をしている状況であると考えます。

※MDC とは、主要診断分類(Major Diagnostic Category)の略で、現行の DPC では次の 18

群に分類されています。

MDC01 神経系疾患

MDC02 眼科系疾患

MDC03 耳鼻咽喉科系疾患

MDC04 呼吸器系疾患

MDC05 循環器疾患

MDC06 消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患

MDC07 筋骨格計疾患

MDC08 皮膚・皮下組織の疾患

MDC09 乳房の疾患

MDC10 内分泌・栄養・代謝に関する疾患

MDC11 腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患

MDC12 女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩

MDC13 血液・造血器・免疫臓器の疾患

MDC14 新生児疾患、先天性奇形

MDC15 小児疾患

MDC16 外傷・熱傷・中毒

MDC17 精神疾患

MDC18 その他

Page 22: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

22

MDC01 MDC02 MDC03 MDC04 MDC05 MDC06 MDC07 MDC08 MDC09 MDC10 MDC11 MDC12 MDC13 MDC14 MDC15 MDC16 MDC17 MDC18

MDC別患者件数 329 196 224 891 558 1,135 292 107 29 169 418 219 170 92 138 492 11 84流入・流出患者件数 -130 -113 -133 -367 -208 -556 -188 -80 -29 -64 -263 -105 -111 -92 -24 -84 0 -34

MDC別患者件数 784 844 383 1,583 1,664 2,745 598 151 113 598 1,066 755 230 316 219 716 21 215流入・流出患者件数 -315 -199 -157 -430 -590 -540 -366 -65 -46 -102 -283 -687 -76 -268 -77 -129 -21 -93

MDC別患者件数 1,461 1,731 1,155 2,584 2,634 5,183 1,263 422 191 865 1,885 1,485 848 649 408 1,580 40 376流入・流出患者件数 293 -252 87 94 185 540 142 94 55 -36 104 188 140 -251 14 197 -13 -31

MDC別患者件数 870 452 559 2,250 1,790 3,825 644 224 146 500 1,340 699 315 369 403 744 16 379流入・流出患者件数 -58 -19 -18 79 14 -22 -41 15 5 0 66 199 -43 124 15 -3 -16 -1

MDC別患者件数 705 743 449 1,372 1,132 2,784 520 172 109 450 923 617 291 210 173 663 23 205流入・流出患者件数 -343 -384 -220 -392 -473 -729 -309 -95 -42 -107 -315 -320 -143 -151 -44 -256 -23 -100

MDC別患者件数 1,727 1,595 1,535 3,936 3,244 7,348 1,315 482 269 1,105 2,457 1,742 719 516 393 1,782 46 588流入・流出患者件数 54 1,127 273 621 513 899 157 15 15 144 731 235 184 182 -50 -91 -5 57

MDC別患者件数 1,147 1,128 691 2,597 2,918 4,442 1,039 320 159 710 1,728 1,309 396 486 425 1,554 26 441流入・流出患者件数 56 -495 -185 -313 73 -628 -40 -92 -83 -125 -205 -542 -137 -196 6 -145 -16 -36

平成28年度第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会「医療圏別MDC患者数」「MDC別医療機関別件数(割合)」を元に作成

MDC01 MDC02 MDC03 MDC04 MDC05 MDC06 MDC07 MDC08 MDC09 MDC10 MDC11 MDC12 MDC13 MDC14 MDC15 MDC16 MDC17 MDC18

(A) 東近江医療圏における患者件数 1,147 1,128 691 2,597 2,918 4,442 1,039 320 159 710 1,728 1,309 396 486 425 1,554 26 44143 0 0 91 24 108 10 0 0 23 10 0 0 0 0 27 0 0

421 226 287 916 1,535 1,975 276 104 42 303 1,043 436 192 269 230 649 0 271

(B) 551 0 52 157 1,178 314 62 30 0 75 35 0 0 0 26 201 0 26

24 188 66 181 50 392 536 16 34 62 195 0 12 0 39 193 0 36

164 219 101 939 204 1,025 115 78 0 122 240 331 55 21 136 339 10 72

流入・流出患者数(B-A) 56 -495 -185 -313 73 -628 -40 -92 -83 -125 -205 -542 -137 -196 6 -145 -16 -36

平成28年度第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会「医療圏別MDC患者数」「MDC別医療機関別件数(割合)」を元に作成

医療法人社団昴会 湖東記念病院

医療法人社団昴会日野記念病院

国立病院機構東近江総合医療センター

東近江

件数

近江兄弟社ヴォーリズ記念病院

近江八幡市立総合医療センター

平成27年度二次医療圏別MDC別患者件数

平成27年度東近江医療圏におけるMDC別患者件数と医療機関別MDC別患者件数

湖西

湖東

湖南

湖北

甲賀

件数

大津

※東近江医療圏における患者件数(A)は、DPC データより当該医療圏に住所を置く患者数の推計値(東

近江市立能登川病院は、DPC 調査参加施設ではないため、国のデータから読み取ることが出来ません。)

です。医療機関別患者数は、各病院の診療患者数となりますので、(B)-(A)がプラスなら他医療圏域か

ら患者を受入れており、マイナスなら、他医療圏域に患者が流れていることが推測されます。

(4) 来院患者や収益における当院の現状

① 外来患者数推移

外来患者については、腎臓センターが過去3ヶ年の実績数では第1位を占めています。

以下、平成 27 年度実績より順に、小児科、外科、整形外科、消化器内科と続いています。

腎臓センターでは、維持透析患者さんへの診療を行っていますが、急性期医療を脱した

患者さんについては、他病院やクリニック等への紹介(病診連携)により、患者数は過去

3ヶ年で減少している状況です。65 歳以上の高齢者患者の占める割合は、過去3ヶ年で

53.5%から 60.2%に上昇しています。

小児科については、平成 25 年度から平成 26 年度にかけ、延患者数が 653 名減少しまし

たが、平成 26 年度から平成 27 年度で 615 名増加をしました。

外科、整形外科については、過去3ヶ年増加をしています。患者年齢層の内訳を見ると、

平成 25 年度と平成 27 年度を比較し、65 歳以上の高齢者患者数は、外科、整形外科とも

に 1.1 倍近く増加をしています。

Page 23: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

23

H25 H26 H27外来患者数推移総計 216,822 218,906 220,982

消化器内科については、過去3ヶ年患者数が増加をしています。患者年齢層の内訳を見

ると、65 歳以上の高齢者患者数は、平成 25 年度と平成 27 年度を比較し、1.2 倍近く増加

をしていますが、65 歳未満の患者層も同年度比較で、同倍近く増加しており、幅広い年齢

層の患者を集患している状況となっています。

(人)

(人) (人)

(人) (人)

Page 24: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

24

H25 H26 H27外来収益推移総計 2,990,447,343 2,961,818,163 2,944,122,981

② 外来収益

外来収益については、腎臓センターが過去3ヶ年の実績数では第1位を占めています。

以下、平成 27 年度実績より順に、消化器内科、血液内科、外科、小児科と続いています。

腎臓センターでは、勤務医師数の減少等により、過去3ヶ年で外来収益が減少している

状況です。

消化器内科、血液内科、外科については、過去3ヶ年増加をしており、外来患者数の増

加による影響と考えられます。

小児科については、外来収益が過去3年間減少となっています。

(円)

Page 25: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

25

H25 H26 H27入院患者数推移総計 125,829 131,220 131,648

③ 入院患者数推移

入院患者については、整形外科が過去2ヶ年(平成 26 年度と平成 27 年度)の実績数で

は第1位を占めています。以下、平成 27 年度実績より順に、循環器内科、消化器内科、

腎臓内科と続いています。

整形外科では、平成 26 年度と比べ、平成 27 年度の延べ患者数がやや減少しています。

15 歳から 64 歳までの患者数の減少が影響をしています。一方、患者年齢層の内訳を見る

と、65 歳以上の高齢者数は、平成 25 年度と平成 27 年度と比較すると、実患者数ベース

でも 1.6 倍と大きく増加しています。

循環器内科は、平成 26 年度と平成 27 年度を比較すると、増加をしています。一人当た

りの入院診療単価が他診療科に比べて高いため、入院診療収益の増収につながっています。

消化器内科は、胆石症、とくに総胆管結石およびそれに伴う胆管炎の増加がみられ、超

高齢化社会や食生活の変化・運動不足・肥満等が関連していると考えられます。

腎臓内科では、慢性腎不全患者に対する検査教育入院を全国に先駆けて開始し、マスメ

ディアでも取り上げられ、診療ニーズは高いですが、勤務医師数の減少等により、平成 26

年度と平成 27 年度を比較すると、減少しています。

(人)

Page 26: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

26

H25 H26 H27入院収益推移総計 7,765,618,395 8,253,947,354 8,411,671,471

④ 入院収益

入院収益については、循環器内科が過去3ヶ年の実績数では第1位を占めています。以

下、平成 27 年度実績より収益の高かった順に、整形外科、消化器内科、小児科、外科と

続いています。

循環器内科では、過去3ヶ年で入院収益が増加している状況です。全診療科の収益の 2

割を占めているため、今後も安定的な診療収益の確保のためには、急性期医療に必要な患

者数(平成 27 年度 DPC データでは、虚血性心疾患(狭心症)に対する心臓カテーテル検査

入院・治療入院が第 1 位、第 2 位を占めています。)やそれに対応できる十分な医師数の

確保が必要です。

消化器内科、血液内科、外科については、過去3ヶ年増加をしており、入院患者数の増

加による影響と考えられます。

小児科については、外来収益が過去3年間減少となっていますが、少子化等、外来患者

数の減少による影響が考えられることを前述しましたが、小児科の入院患者数及び、入院

収益については、増加をしています。このことは、外来患者の減少は少子化の影響をうけ

ますが、ハイリスク妊娠(多胎妊娠、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、筋腫合

併妊娠、既住帝切後妊娠など)による入院医療(高度な急性期医療)の必要数は一定存在し

ているため、入院収益も増加の一途となっています。東近江医療圏の地域医療を支えるた

めに、滋賀県地域周産期母子医療センターの指定を受けている当院の役割と、それを果た

すための機能維持は必要と考えます。

(円)

Page 27: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

27

(5) 経営状況の推移

① 経営指標に係る数値の推移

A 経常収支比率(%)

算出方法 (医業収益+医業外収益)×100

医業費用+医業外費用

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

※PFI を解約後の平成 21 年度までは経常収支比率が 100%を切っていましたが、平成

22 年度より 100%を超えました。しかし、平成 28 年度決算は当比率が 100%以下にな

る見込みです。

経常収支比率H22 H23 H24 H25 H26 H27

近江八幡市立総合医療センター 102.8 102.5 105.0 103.1 103.5 101.8類似規模病院平均(全体) 100.8 101.2 101.7 100.0 99.2類似規模病院平均(黒字病院) 103.6 103.9 103.5 103.6 103.1

Page 28: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

28

B 職員給与費対医業収益比率(%)

算出方法 職員給与費×100

医業収益

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

※50%以下が黒字の目安になりますが、当センターは委託業務化しているものが多いた

めです。平成 28 年度より給与費が伸びており、今後は 50%を超えていくことが想定さ

れます。

職員給与費対医業収益比率H22 H23 H24 H25 H26 H27

近江八幡市立総合医療センター 47.4 47.4 46.4 47.5 47.1 49.4類似規模病院平均(全体) 51.7 51.9 51.9 52.2 52.6類似規模病院(黒字病院) 51.7 50.5 51.2 48.8 49.7

Page 29: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

29

C 材料費対医業収益比率(%)

算出方法 材料費×100

医業収益

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

※医業収益に連動する変動経費になります。収益が上がれば、材料費も上がることにな

ります。しかし、公立病院の材料費は、民間病院の材料費に比べると一般的に高いと言

われており、今後の改善が求められます。

H22 H23 H24 H25 H26 H27近江八幡市立総合医療センター 25.3 24.9 25.1 25.7 25.2 24.2類似規模病院平均(全体) 24.9 24.6 24.2 24.0 24.0類似規模病院平均(黒字病院) 25.0 24.0 24.0 23.4 23.9

Page 30: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

30

病床利用率(一般病床)H22 H23 H24 H25 H26 H27

近江八幡市立総合医療センター 84.5 87.4 90.5 84.7 88.3 88.4類似規模病院平均(全体) 77.0 76.6 76.1 75.5 75.4類似規模病院平均(黒字病院) 79.1 80.0 78.8 78.0 81.1

D 病床利用率(%)

算出方法 年間在院延患者数

許可病床数(407 床)×年間入院診療実日数

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

※県内の急性期病院の中でも高い利用率を毎年維持しています。80%以上を毎月維持し

ていますが、90%を超える月もあります。季節的な変動もありますが、秋から冬季にか

け利用率が高くなる傾向があります。

Page 31: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

31

E 外来患者入院比率(%)

算出方法 延べ外来患者×100

延べ入院患者

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

※平成 18 年に新病院を開設して以来、入院患者を中心に診療する急性期病院の使命を

果たすため、外来については予約制とし、患者数を抑える方向を取りました。

4.分析結果のまとめ

(1) 外部環境・内部環境の特性整理

「3. 政策動向と当センターの現状」から見える当院を取巻く外部環境、内部環

境の特性は以下のようになります。

① 外部環境の特性

(ア) 厚生労働省の 2025 年(平成 37 年)モデル(病床再編)により、急性期必要病

床の削減による医療機能の分化が必要

(イ) 医療機関別 DPC の各係数は滋賀県内では上位に位置している

(ウ) 東近江医療圏唯一、救命救急センターを有している

H22 H23 H24 H25 H26 H27近江八幡市立総合医療センター 160.6 156.1 154.8 172.3 166.8 167.9類似規模病院平均(全体) 168.4 168.9 172.6 173.5 171.1類似規模病院平均(黒字病院) 168.3 166.8 167.2 172.5 162.1

Page 32: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

32

(エ) 少子高齢化(老年人口が増える)の進展により、平成 42 年(2030 年)までは、

外来・入院患者の需要は全体的に増加予測

小児科は、少子化の影響により、外来患者数は減少予測だが、高齢出産や高度

医療の進展により NICU 必要数は一定数見込まれ、入院患者数の需要は増加予

(オ) 当センターが得意とする診療領域(循環器系疾患)の需要が伸びる可能性が高

② 内部環境の特性

【診療機能】

(ア) 循環器系の疾患、消化器系(悪性腫瘍)の疾患における入院診療収入割合が大

きい

(イ) 入院診療では、循環器科、整形外科、消化器内科、小児科の収入構成比が高い

(ウ) 一般病床の利用は 90%近い

(エ) 外来では腎臓センターの収入構成比が高い

(オ) 地域医療支援病院として、紹介患者を中心とした診療を提供している

【財務面】

(ア) 経常収支比率は、類似規模病院の公立病院(黒字)と比較し遜色ないが、平成

27 年度は、医業収益に占める固定費の増加により、低下している

(イ) 職員給与費対医業収益比率は、類似規模病院の公立病院(黒字)よりも比率が

低いが、平成 27 年度は、医業収益に占める固定費の増加により、高くなった

(ウ) 材料費対医業収益比率は、類似規模病院の公立病院(黒字)よりも比率が高い

が、平成 27 年度は、経営改善により低くなった結果、類似規模病院の公立病院(黒

字)の比率に近づいた

(エ) 病床利用率は、類似規模病院の公立病院(黒字)よりも比率が高く、在院日数

も低いため、高回転で治療をしている

(オ) 外来患者入院比率は、延外来患者数と延入院患者数の比率であり、指数が低い

ほど、入院医療の提供割合が高くなることを示している

当センターは、類似規模病院の公立病院(黒字)の比率よりも高いため、限られ

た人的資源を入院患者に投下する力があると考えられる

Page 33: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

33

(2) SWOT 分析

内部環境・外部環境の特性をもとに、当センターの強み、弱み、そして当院を

取巻く機会と脅威を以下のように整理をしました。

強み(Strength) 弱み(Weakness)

① 救命救急センターとして、地域の救急需要に対応

⇒救急搬送に関しては、地域の発生数の約 5 割に対応

②循環器内科をはじめ、救急対応を行うために必要な

診療科が整っている

③地域医療支援病院として、紹介・逆紹介を中心とし

た診療を提供(急性期病院としての役割を担う)

④充実した教育体制・制度(職員の満足度も高い)

⑤教育入院としての最初の病院となる。

⑥研修医教育病院

⑦市民公開講座の充実

①今後必要とされる認知症関係の専門看護師等

の不足

②事務職員が育成されにくい環境

⇒病院独自での採用化

③開業医や他病院との顔の見える関係づくり

④がん診療に伴う放射線治療ができない

⑤経常収支が厳しくなりつつある

⑥GCU が無いため、NICU が満床状態

⑦医師増加により、外来診療室、医局室等の

不足

⑧来客用駐車場の不足

機会(Opportunity) 脅威(Threat)

①社会保障・税一体改革法案の成立

⇒医療機能分化が進むことで、近隣医療施設との役割

分担も更に加速する

②高齢者の増加

⇒入院需要が高まる

③循環器系疾患の増加予測

①他病院が救急患者を多く受けつつある

⇒重症患者数の減少

②医師の供給、現体制の維持に関しては、不確

実性を多く含んでいること

③次期診療報酬改定では7:1入院基本料の要

件が厳しくなる

④地域医療構想ではベッド数の削減が求められ

ている

Page 34: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

34

(3) 地域・当センターにおける重要課題

当センターは公立病院として、地域医療にかかわる課題を掴み、解決に向けて

活動していくことが必要です。地域医療・当センターにおける課題として以下の

ようなものがあります。

� 需要が増加する循環器疾患への対応を充実させること

� 周産期医療(地域周産期母子医療センター)の充実

GCU整備によるNICU機能の強化

� 悪性腫瘍への対応を継続すること(一定量の対応を行っている消化器領域の

悪性腫瘍への対応)

� 腎臓内科疾患への対応を継続すること(一定量の対応を行っている腎臓内科

疾患への対応)

� 救命救急センターとしての機能の継続…体制確保

� 地域医療施設・介護施設との連携の強化(紹介率・逆紹介率、入退院支援等)

・ 女性医師、女性看護師の活躍支援(院内保育所の拡充)

・ 医師、看護師の業務負担軽減(医師事務作業補助者、医療助手の増員)

・ 医師の執務環境の改善(医局室の拡充、管理棟構想)

(4) 方向性検討にあたっての論点整理

現状分析の結果から、当センターの今後の方向性・活動を検討するにあたり、

明確にすべきいくつかの論点があると考えられます。以下に、論点とそれに対す

る当センターとしての考えを記載します。

① 病床再編

(ア) 検討を必要とする理由

中長期的に急性期患者が減少する時期がきます。(平成 42 年(2030 年)以

降)

(イ) 検討される方向性

短期的には急性期患者が増加しますが、中長期的に患者数が減少することか

ら、病床削減の検討をします。

② 診療体制の検討(医療需要に対応するために必要な体制の検討)

(ア) 検討を必要とする理由

当センターの医療スタッフは現状において、多くの患者対応を行っています。

よって、今後より一層、急性期医療の需要に応えていくとした場合、診療体制

の充実が求められます。

(イ) 検討される方向性

Page 35: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

35

患者需要に応えていくため、また、国の医療政策に対応していくため、診療

スタッフの専門化は継続して検討していきます。

③ 財務面での方向性確認

(ア) 検討を必要とする理由

医療需要に応えるためには医療器械、医療スタッフの充実が不可欠であり、そ

のためには一定の金額投資が求められます。

(イ) 検討される方向性

健全な経常収支、一定額の現預金を確保した上で、必要な投資を行うことを検

討していきます。なお、確実な収入根拠や、定数条例を遵守することはいうまで

もありません。

5. 地域医療構想を踏まえた役割の明確化など

(1) 地域医療構想を踏まえた当センターの果たすべき役割

当センターは、東近江医療圏の基幹病院として、急性期疾患を中心とした入院並

びに救急医療を担う機能をもって病院運営を進めます。

しかし、当医療圏では、急性期病床の削減と回復病床の増床が求められているこ

とや患者ニーズに対応するため、平成 28 年 10 月より、在宅等への復帰支援とし

て、急性期病棟 48 床を地域包括ケア病棟(回復期病床)に機能転換を行いました。

また、病院運営では、①機動的な病床マネジメント ②広域連携 ③地域連携を

三つのストラテジー(戦略)とし、その目的を達するためのタクティクス(手法)

を下記のように定めました。

a)機動的な病床マネジメント

・機動的な前方連携

・機動的な病棟管理

・機動的な退院支援

b)広域連携

・周辺の医療圏急性期施設との連携強化

・患者への医療の質 PR

c)地域連携

・地域連携部門の強化

・在宅、施設との連携強化

Page 36: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

36

・病診連携

現状分析の結果から、当センターには東近江医療圏の中核病院として担う役割が大き

いため、中期経営計画における病院ビジョン(基本目標)を継承し、行動計画(アクシ

ョンプラン)を定め、取り組みを進めることが、地域医療構想の実現への当センターの

使命であると考えます。

そのためには、上述のタクティクス(手法)に対し、院内横断の多職種連携での取組

と人材育成及び、その土台となる健全な経営が必要不可欠となります。

(2) 地域包括ケアシステムの構築に向けて果たすべき役割

到来する後期高齢者の急増(医療需要の増大や医療費の増加)に対応していくた

めに、当センターは、地域包括ケアシステムにおいて、かかりつけ医等、地域の医

療機関と連携し、これを支援する役割を担います。

在宅医療・介護においては、地域の医療機関や介護関係施設、行政との連携を強

化するとともに、急変時の患者受入れを円滑に行うため、救急医療の充実に努めま

す。また、平成 28 年 10 月に開設した地域包括ケア病棟の運用や、平成 29 年 3 月

に開設しました入退院支援室を通じて、自宅等に復帰する患者の支援を行うと共に、

住民の健康づくりの強化にあたり、予防につながるための啓発活動(市民公開講座

等)の充実を図ります。

(3) 一般会計負担の考え方

地方公営企業法における独立採算制は、企業に要する経費全てについての独立採

算ではなく、一般会計等において負担すべき経費を除いた部分について独立採算が

求められています。

当センターが果たすべき役割を考えた時、その性質上、地方公営企業の経営に伴

う収入をもって充てることが適当でない経費、地方公営企業の性格上、効率的な経

営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難と

認められる経費については、一般会計からの繰出による支援が必要です。

新改革プランでは、この考えにより、以下に示した繰出し基準に関する総務省通

知に基づいて算出した範囲内の額を、市と協議の上、一般会計から繰り入れ、持続

可能な経営を目指します。

〈繰出基準〉

区分 使途

出資金 企業債元利償還に要する経費(元金分)

医業収益 救急医療の確保に要する経費

医業外収益 経営基盤強化対策に要する経費

Page 37: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

37

地方公営企業職員に係る基礎年金拠出金に係る公的負担に要する経費

企業債元利償還に要する経費(利息分)

小児医療に要する経費

周産期医療に要する経費

感染症医療に要する経費

院内保育所の運営に要する経費

地方公営企業職員に係る子ども手当に要する経費

へき地医療の確保に要する経費

リハビリテーション医療に要する経費

(4) 住民の理解

新改革プランの実現には、地域住民の理解や協力が必要となりますので、新改革

プランの実施状況などを、当センターのホームページや広報誌で公表することや、

地域住民への治療や予防に関する啓発活動(市民公開講座等)を実施し、急性期病

院としての当センターの役割を説明し、情報発信に努めます。

6. 中期経営計画のアクションプランの評価と新改革プランへの継承

(1) 病院ビジョン(基本目標)の設定

地域の中核病院としての役割を担うために必要な、新改革プランにおける病院ビジ

ョン(基本目標)を以下のように設定(継承)します。

【病院ビジョン(基本目標)】

(2) 中期経営計画での主な取り組みの成果について

中期経営計画で定めた病院ビジョン(基本目標「地域の基幹病院として急性期

医療の充実を図り、地域医療の確保に貢献する」)を実現した状態とはどのような

状態か、それを示すのが重点目標です。

中期経営計画で定めた重点目標の主な取り組みについては以下のとおりです。

目標が達成できたものは、今後も改善活動に取り組みながら、継続実施をしてい

きます。いっそうの取り組みが必要な項目について、新改革プランのアクション

プランに掲げました。

地域の基幹病院として急性期医療の充実を図り、地域医療の確保に貢献する

Page 38: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

38

《中期経営計画での主な取り組みの成果》

① 信頼される医療の追求

基本的な考え方 地域の視点に立った信頼される医療を目指します

計画の重点分野 救急をはじめとした急性期医療の強化

取り組みの成果 ①NICU・GCU の再編・整備において、NICU9床を稼働

②増えゆく急性期患者の確保に向けて、回復期病床を一般病床へ転換

(現在、在宅復帰支援等で急性期病棟一病棟を地域包括ケア病棟に転換)

③悪性腫瘍疾患に対して外来化学療法室の拡充(7床から 12 床)

④カテーテル治療室の増室(アンギオ装置の増設)

⑤他病院への研修制度の創設について、臨床研修プログラムを策定済

② 医療の質の追求

基本的な考え方 安全性が保障された質の高い医療を追求します

計画の重点分野 急性期医療を提供するために必要な体制整備など

取り組みの成果 ①看護の質の追求において、看護師配置基準を 10対 1 から7対1に変更

②病院経営に貢献するチーム医療の推進において、診療報酬上未算定の臓器移

植後患者指導管理料、造血幹細胞移植後患者指導料、外来緩和ケアの算定がで

きる体制の構築済

③診療スタッフの業務支援に必要なクラーク(医師事務作業補助者)を充実さ

せ、医師事務作業補助体制加算の上位算定が可能(25 対 1 から 15 対 1 に変更)

④医療安全管理室を設置し、医療安全にかかわる知識・対応レベル向上のため、

医療安全研修会を継続的に実施

③ 地域医療連携の追求

基本的な考え方 地域の医療機関や福祉施設との連携を進めます

計画の重点分野 急性期治療後の患者の退院支援の強化

取り組みの成果 ①入院に向けた手続きの一元化及び退院後の支援等、医療相談機能の充実のた

め、入退院支援室を設置

②正しい知識や予防策、発症時の迅速な対応など、地域住民に対する啓発活動

を積極的に行うため、様々な疾患にかかわる市民公開講座を複数回開催

③医療情報発信量の充実をするため、病院広報誌のページ数の増刷や診療情報

誌の継続発刊し、地域の医療機関等に情報提供

Page 39: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

39

④ 誇りある組織風土の追求

基本的な考え方 活力に溢れ、誇りを生み出す組織風土を醸成します

計画の重点分野 職員の業務に対する意欲、質の向上

取り組みの成果 ①各個人のキャリアアップにつなげるため、研修に行きやすい支援体制を構築

②キャリア形成に必要なものを推奨するため、各職場の資格保有者のリスト化

や資格保有者の声を掲載し、有資格者の増加につながる

③経営管理能力の充実を図るため、経営企画課を設置

④QI 活動を毎年継続実施し、積極的に改善活動に取り組む組織風土の醸成を達

⑤ 健全経営の追求

基本的な考え方 公営企業として、経営の健全化に努めます

計画の重点分野 医療資源への投資を可能とする財務状態の実現

取り組みの成果 ①経営企画課が設置され、DPC のベンチマーク分析を行い、収益の最大化の検

討や、国の医療政策を先取りし、次の診療報酬改定で新設される施設基準の取

得に向けた体制の構築を達成

Page 40: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

40

1 増加が予測される急性期疾患に対応するための病床再編

① 腎臓センター運営委員会

2 地域の医療需要に応えるための医師確保

① 事業管理者等 訪問活動の継続

3 悪性腫瘍への対応を継続・充実させること

① がん診療支援センター(仮称)

4 手術件数の増加

①手術室運営委員会経営企画課

手術件数3,700件以上維持H25年度実績 3,599件H26年度実績 3,789件H27年度実績 3,725件

5 一般病床の利用率維持・特殊病床の利用率向上

① 患者相談支援課紹介率 65%以上逆紹介率 70%以上

6 救急疾患件数の増加・不応需率の低下

①救命救急センター委員会医事課

不応需率 3%以下維持H25年度実績  3%H26年度実績  2%H27年度実績  2%

7 DPC基礎係数、機能評価係数の向上

①DPC委員会クリニカルパス委員会

職員研修の継続開催地域包括ケア病棟の病床利用率90%以上維持

8 周産期医療体制の強化

①周産期母子医療センター経営企画課総務課

GCU6床の増床

9 看護部門の充実(質と量)

① 総務課 

採用計画に基づく職員採用施設基準や加算に伴う職員採用については、費用対効果を勘案し、新たな施設基準や加算の取得を検討する

② 総務課近江八幡市立看護学校の廃校に伴い、人員確保のため、新規ルートを確保する

③看護部ワークライフバランス推進委員会

10

① 管理者会

11

① 医療安全管理室

12

①医療安全管理室委員会(新設)

13

①総務課経営企画課

② 委員会(新設)

14

①情報管理課経営企画課

15

①経営企画課総務課

16

① クリニカルパス委員会

17

① 患者相談支援課

地域医療支援病院の基準(以下3基準のいずれかを維持)①紹介率80%以上②紹介率65%以上、逆紹介率40%以上③紹介率50%以上、逆紹介率70%以上

18

① 経営企画課定期的な情報の更新見やすいホームページ画面の構築

患者さんからの意見等を反映するための意見箱(声の駅)を設置し、改善に努める入院及び、外来患者アンケートを実施する駐車場を拡充する(来客用、夜間勤務職員用)

年々増加するハイリスク分娩等に対応するため、GCU病床を新設することにより、NICU病床の安定的な運営を目指す。このことにより、母胎及び新生児の搬送受け入れお断り症例を減少させ、国の少子化対策に寄与する

医療の質の追究

クリニカルパスの適用症例の拡大を図るまた、作成したクリニカルパスについては、適用率の向上を図る

地域医療連携の追求

地域医療連携の推進

[地域連携パス]近隣医療機関とともに地域連携パスの作成・共有・活用を行う[地域医療支援病院]地域医療支援病院の紹介率・逆紹介率を確保・向上させる地域の症例検討会、医師会主催の会合、個別医療機関への訪問活動など、渉外活動を通じて地域の医療機関との交流を深める[連携の機会の増加]当院、地域の医療機関が開催するカンファレンスに参加し、地域の開業医と交流を深め、「顔の見える連携」が行える状態をつくる

ホームページの充実

利用しようとする患者さん、医療機関が欲する情報をわかりやすく提供するようなホームページとするため、他病院のホームページ等も参考にしつつ、利用者の視点にたって継続的な改善を行う紹介・逆紹介にかかわる情報、患者さんの理解(初診制限など)を求める事項などの内容について、充実を図る

信頼される医療の追求

増えゆく腎臓内科疾患の需要に対応するため、腎臓内科病棟及び透析センターを再編する

特に、内科の充実(腎臓内科、血液内科、神経内科、呼吸器内科)、小児科の充実、産婦人科の充実(分娩件数の増加を見込む)、外科の充実(特に呼吸器外科)に向けて、大学医局への訪問活動などを継続して実施する

一定量の対応を行っている悪性腫瘍の対応を強化する(手術件数の増加)

手術室運営委員会などを活用し、手術室の利用状況の確認、分析を行い、術間時間の短縮を図る各科が手術枠の空き状況をタイムリーに確認し、効率良く枠を使えるような仕組みを構築する

重症度の高い患者の集患方法及び、連携先医療機関からの紹介率の確保・向上と併せて検討する

救命救急センター委員会等で救急の受入状況確認、及び断り症例に対するレビューを行う救急外来におけるクレームにかかわるレビューを行い、受入れの充実を図る

DPC基礎係数、機能評価係数に対する院内スタッフの理解を促進させる入院期間Ⅱを超える症例数を減少させる

クリニカルパス対象の拡大と内容の向上

年齢別の人員構成がバランスの良いものとするため、毎年の看護師の退職予定や離職率から年度ごとに採用が必要な看護師数を計画に落とし込み、採用計画に基づいた採用活動を展開する

人員確保に関し、既存の連携先大学・看護専門学校への訪問活動を行い、連携を強化する。また、人員確保の新規ルートを作るため、大学・看護専門学校の訪問範囲を拡大する

患者さんに対してより良い看護を提供すること、及び効率的な人員配置を念頭に、効率的且つ適切な労働システムの構築(勤務シフトの検討など)を検討する

救急医療体制の検討

安定した体制のもと、救急医療を長期的に安定して提供できるような体制を構築する (過剰負担による医療提供体制の崩壊を防ぐ)

安全管理体制の構築

病院全体として、医療安全にかかわる知識・対応レベルを向上させるため、医療安全管理者養成研修会への職員参加を継続的に行う

医療ADRの確立(体制構築・制度活用)

医療メディエーター導入の有無を含め、医療メディエーターマインドの醸成をするため、養成研修会への職員参加を継続的に行う

専門職の育成(専門薬剤師、認定・専門看護師の育成)

[診療報酬請求にかかわる認定資格保有者の増加促進]病院の経営および診療方針に則った資格の計画的修得を推進していく1名しか取得者がいない資格の場合は該当者の退職の場合を担保するために複数者保有を考慮する

[診療報酬請求に関わらない認定資格の保有]部署の方針や取得者数のバランスなど勘案し計画的に取得推進する

クリニカルインディケーターの活用・開示

クリニカルインディケーターを当院医療の質の向上に活用するとともに、患者さんが当院の治療成績が把握できるよう、ホームページへの掲載を行う

患者満足度の向上

(3) 新改革プランでの重点目標の設定

Page 41: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

41

19

② キャリアアップ委員会

③ キャリアアップ委員会

20

① 経営企画課

21

①経営企画課総務課

院内保育所の拡充クラーク、医療助手の採用管理棟構想

22

① 総務課

23

① 経営企画課施設基準毎の収入額を継続し把握し、増収要因・減収要因の分析を行い、改善策の検討をする

総務課経営企画課情報管理課医事課

24

①経営企画課情報管理課医事課

職員向け経営セミナーの継続開催ベンチマーク分析で出た課題は、改善策を検討し実行

健全経営の追求

投資に耐えうる経営の実現(収支改善)

収入目標を設定(増収要因、減収要因の確認)する  各職種の人員体制等の評価を行い、増収要因、減収要因を確認する  増収要因に関しては、アクティビティを上げるための課題抽出とクリアするための改善策を検討し、実行する  減収要因に関しては、アクティビティを下げないための対応を検討し、実行する

費用削減目標を設定する  各費用科目にかかわる評価を行い、適正化に向けた活動を行う  特に材料費、委託費の適正化を図り、コストダウンにつなげる  専門家の指導により、価格交渉のスキルをアップさせる

診療情報統計の充実、活用、他院との比較検討

DPCデータ等を用いてベンチマーク分析を行い、経営改善や医療の質の向上を進めていく上での問題点を明確にするとともに、問題点を解消するための改善策を検討し、実行するDPC分析システムを導入し、適正なコーディングを行うことにより、DPCの精度を高めるとともに、収益面においても増収を図る

誇りある組織風土の追求

教育研修支援体制の充実

認定資格保有者の増加を促進する個人のキャリア形成に必要なものを推奨し、職員のモチベーションを高める

部署(課、科)毎に、人材育成(キャリアアップ)にかかわる年度別及び中期的計画を立案し、実施する

事務職員の診療スタッフ支援、経営管理能力の向上

経営マネジメントスキルを上げる研修会への参加を促す事務局全体として、各課において、および個人毎に年間計画を立案し、遂行していく

人事評価制度の改定と理解促進

職員のモチベーションを向上させる帰属意識(この病院で働いてよかったという意識)を向上させる成長意欲を向上させる

女性医師、女性看護師の活躍支援をするため、院内保育所の拡充を図るまた、医師、看護師の業務負担軽減を促進するため、医師事務作業補助者、医療助手を増員を図る医師増員により、医局室、外来診療室が不足しつつあるので、改善策を検討し、実行する

7. 経営形態の見直し

当センターの病院事業の経営形態は、平成 16 年度より、地方公営企業法の全部適用

となっています。今後、新改革プランにおいては、現行の経営形態のまま継続していく

のか、地方独立行政法人等への見直しを図るのかは、それぞれの有効性を検証し、市と

も協議をしながら、健全経営を目指していきます。

8. 新改革プランの点検・評価・公表

(1) 新改革プランの点検・評価

新改革プランの実現に向けて、その実施状況を定期的に把握し、評価することが求め

られています。当院では病院の最高決定機関である管理者会議において、定期的に進捗

管理を行い評価していきます。

9. 経営の効率化

経営の効率化は、地域の医療提供体制を確保し、主に急性期医療を継続して提供する

ために必要となります。開院間もない平成 20 年度と平成 27 年度の医業収入及び患者 1

人当たりの診療単価を比較すると、各種の施設基準や加算に向けた取り組みにより、そ

れぞれ増収となっています。

Page 42: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

42

〈平成 20 年度以降に取得した施設基準の一覧〉

平成 20 年度新規施設基準の取得一覧

平成 21 年度新規施設基準の取得一覧

平成 22 年度新規施設基準の取得一覧

平成 23 年度新規施設基準の取得一覧

件              名  算定開始年月日医療安全対策加算 平成20年4月1日

1 外来化学療法加算1 平成20年4月1日2 同種死体腎移植術 平成20年4月1日3 生体腎移植術 平成20年4月1日4 妊産婦緊急搬送入院加算 平成20年4月1日5 ハイリスク妊娠管理加算 平成20年4月1日6 後期高齢者退院調整加算 平成20年4月1日7 医療機器安全管理料1 平成20年4月1日8 検体検査管理加算(Ⅰ) 平成20年4月1日9 検体検査管理加算(Ⅱ) 平成20年4月1日

10 遺伝カウンセリング加算 平成20年4月1日11 神経学的検査 平成20年4月1日12 冠動脈CT撮影加算 平成20年4月1日13 心臓MRI撮影加算 平成20年4月1日14 地域連携診療計画料、地域連携診療計画退院時指導料 平成20年7月1日

件              名  算定開始年月日1 開放型病院共同指導料 平成21年4月1日2 糖尿病合併症管理料 平成21年7月1日3 療養環境加算 平成22年3月1日4 医師事務作業補助体制加算3 平成22年3月1日5 超急性期脳卒中加算 平成22年3月1日6 ハイリスク分娩管理加算 平成22年3月1日

件              名  算定開始年月日

1 救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算 平成22年4月1日2 感染防止対策加算 平成22年4月1日3 急性期病棟等退院調整加算1 平成22年4月1日4 救急搬送患者地域連携紹介加算 平成22年4月1日5 呼吸ケアチーム加算 平成22年4月1日6 救命救急入院料1 平成22年4月1日7 救命救急入院料2 平成22年4月1日8 回復期リハビリテーション病棟入院料1 平成22年4月1日9 がん性疼痛緩和指導管理料 平成22年4月1日

10 がん治療連携指導料 平成22年4月1日11 薬剤管理指導料 平成22年4月1日12 HPV核酸同定検査 平成22年4月1日13 胎児心エコー法 平成22年4月1日14 センチネルリンパ節生検2 平成22年4月1日15 CT撮影及びMRI撮影 平成22年4月1日16 外傷全身CT加算 平成22年4月1日17 抗悪性腫瘍剤処方管理加算 平成22年4月1日18 運動器リハビリテーション科(I) 平成22年4月1日19 透析液水質確保加算 平成22年4月1日20 乳がんセンチネルリンパ節加算2 平成22年4月1日21 経皮的大動脈遮断術 平成22年4月1日22 ダメージコントロール手術 平成22年4月1日23 麻酔管理科Ⅱ 平成22年5月1日24 褥瘡ハイリスク患者ケア加算 平成22年6月1日25 脳血管疾患等リハビリテーション科(I) 平成22年6月1日26 栄養サポートチーム加算 平成22年9月1日27 医師事務作業補助体制加算4 平成22年11月1日

件              名  算定開始年月日

1 小児入院医療管理料2 平成23年4月1日2 急性期看護補助体制加算1 平成23年4月1日3 がん治療連携計画策定料 平成23年5月1日4 内視鏡的大腸粘膜下層剥離術(ESD) 平成23年5月1日5 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ) 平成23年8月1日6 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ) 平成23年11月1日

Page 43: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

43

平成 24 年度新規施設基準の取得一覧

平成 25 年度新規施設基準の取得一覧

平成 26 年度新規施設基準の取得一覧

件              名  算定開始年月日

1 在宅血管透析指導管理料 平成24年1月1日2 埋込型心電図検査 平成24年1月1日3 埋込型心電図記録計移植術及び埋込型心電図記録計摘出術 平成24年1月1日4 25対1急性期看護補助体制加算(看護補助者5割以上) 平成24年4月1日5 無菌治療室管理加算1 平成24年4月1日6 感染防止対策加算1 平成24年4月1日7 患者サポート体制充実加算 平成24年4月1日8 救急搬送患者地域連携受入加算 平成24年4月1日9 糖尿病透析予防指導管理料 平成24年4月1日

10 院内トリアージ実施料 平成24年4月1日11 外来リハビリテーション診療料 平成24年4月1日12 時間内歩行試験 平成24年4月1日13 ヘッドアップティルト試験 平成24年4月1日14 ロービジョン検査判断料 平成24年4月1日15 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 平成24年4月1日16 人工尿道括約筋植込・置換術 平成24年4月1日17 人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算 平成24年4月1日18 病理診断管理加算1 平成24年4月1日19 医師事務作業補助体制加算(25対1) 平成24年5月1日20 小児入院医療管理料2 平成24年5月1日21 輸血管理料Ⅰ 平成24年5月1日22 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固によるもの) 平成24年6月1日23 データ提出加算2 平成24年10月1日

件              名  算定開始年月日

1 透析液水質確保加算2 平成25年4月1日2 保険医療機関間の連携による病理診断 平成25年6月1日3 テレパソロジーによる術中迅速病理組織標本作成 平成25年6月1日4 テレパソロジーによる術中迅速細胞診 平成25年6月1日5 病棟薬剤業務実施加算 平成25年6月1日6 造血器腫瘍遺伝子検査 平成25年6月1日7 心臓カテーテル法による諸検査の血管内視鏡検査 平成25年6月1日8 一般病棟入院基本料(10対1入院基本料) 平成25年7月1日9 急性期看護補助体制加算 平成25年7月1日

10 療養環境加算 平成25年7月1日11 重症者等療養環境特別加算 平成25年7月1日12 膀胱水圧拡張術 平成25年7月1日13 経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの) 平成25年10月1日14 経皮的中隔心筋焼灼術 平成25年10月1日15 医師事務作業補助体制加算(20対1) 平成25年11月1日

件              名  算定開始年月日

1 経皮的冠動脈形成術 平成26年4月1日2 経皮的冠動脈ステント留置術 平成26年4月1日3 新生児特定集中治療室管理料2 平成26年5月1日4 腹腔鏡下肝切除術 平成26年6月1日5 一酸化窒素吸入療法 平成26年7月1日6 がん患者指導管理料2 平成26年8月1日7 がん患者指導管理料3 平成26年8月1日8 医師事務作業補助体制加算2(15対1) 平成26年8月1日9 脊髄刺激装置植込術及び脊髄装置交換術 平成26年10月1日

10 胃瘻造設術(内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 平成26年10月1日11 胃瘻造設時嚥下機能評価加算 平成26年10月1日12 両心室ペースメーカー移植術及び両心室ペースメーカー交換 平成26年11月1日13 植込型除細動器移植術及び植込型除細動器交換術及び経静脈電極抜去術(レーザーシースを用いるもの) 平成26年11月1日14 両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術及び両室ペーシング機能付き植込型除細動器交換術 平成26年11月1日

Page 44: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

44

平成 27 年度新規施設基準の取得一覧

平成 28 年度新規施設基準の取得一覧

今後、診療報酬改定等、医療環境を取り巻く状況は、ますます厳しくなることが予想

されますが、経営の効率化に向け、当院と全国の類似規模病院(黒字病院及び全体)等

との比較をしつつ、地域の医療供給体制の当院の役割を果たすこと、また、良質な医療

の提供をするために、以下の方向性をもって、取り組みます。

件              名  算定開始年月日

1 一般病棟入院基本料(7対1入金基本料) 平成27年7月1日2 組織拡張期による再建手術(乳房(再建手術)の場合による。) 平成27年7月1日3 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 平成27年7月1日4 持続血糖測定器加算 平成27年9月1日5 皮下連続グルコース測定 平成27年9月1日

件              名  算定開始年月日1 医師事務作業補助体制加算1(20対1) 平成28年4月1日2 がん患者指導管理料1 平成28年4月1日3 検査・画像情報提供加算及び電子的診療情報評価料 平成28年4月1日4 乳房MRI撮影加算 平成28年4月1日5 下肢末梢動脈疾患指導管理加算 平成28年4月1日6 退院支援加算 平成28年6月1日7 診療録管理体制加算1 平成28年7月1日8 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術 平成28年8月1日9 急性期看護補助体制加算 平成28年10月1日

10 療養環境加算 平成28年10月1日11 重症者等療養環境特別加算 平成28年10月1日12 救命救急入院料2 平成28年10月1日13 地域包括ケア病棟入院料1 平成28年10月1日14 排尿自立指導料 平成28年11月1日

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

入院単価 外来単価

患者1人当たり診療単価比較

H20

H27

(百万円) (円)

+52.6%

+21.0%

+31.3%

+5.1%

Page 45: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

45

① 医師の安定確保

医業収益の基本は医師数と相関関係にあることから、中長期的に安定確保に向け、

関連医科大学への要望活動を継続していきます。

② 急性期病院の役割強化

開業医からの紹介患者や救急患者をより多く受け入れていきます。これが急性期病

院の役割であり、そのことが結果として診療単価を上げることにつながります。

今後は開業医への巡回訪問にも力を入れ、医師同士の顔が見える関係を強固にして

いきます。

・紹介率、逆紹介率を上げる

・救急患者のお断りを無くす

・開業医と当院医師の顔が見える関係づくりを強固にする(前方、後方連携強化)

・在宅診療を見据えた連携強化

③ 新規施設基準の取得

施設基準や加算の研究を行い、診療単価の増収を図ります。

(ex.検体検査管理加算Ⅳ、医師事務作業補助体制加算、急性期補助体制加算 他)

また、平成 28 年 10 月に開設した地域包括ケア病棟と一般病棟とのベッドコント

ロール管理において、入院収入の差益の増額を図ります。

④ 職員給与費

急性期病院としての医療の質を上げるため、7対1看護基準の取得をめざし、看護

師を中心として毎年職員を増やしてきました。その結果、平成 27 年 7 月にこの施設

基準を取得することができました。一定の職員数が確保できたことから、今後は退職

者補充的な採用に切り替えていきます。しかしながら、新たな施設基準や加算に伴っ

て必要とされる職員数については、その収益額と、給与費のバランスを考慮しつつ、

慎重な職員採用をしていきます。

また、事務職員の専門化に対応していくため、現在市役所からの出向人事の職員は

減員の方向とし、プロパー化も含め、採用計画に基づいた採用を行います。

他に正規職員や嘱託・非常勤医師を含めた臨時職員等の適性な人員配置に努めます。

⑤ 材料費

薬価、材料価については、今後下がっていくことが予想されます。納入価の交渉に

おいては民間や近隣の公立病院のレベルを意識しつつ、引き続き経営努力をしていき

ます。また、患者数の増減を加味しながら、適正な材料使用数管理を行います。

Page 46: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

46

各手術で使用する材料の適正管理(リスト化)を行い、無駄を削減し、同時に診療

報酬点数の算定漏れがないかチェックします。

薬価、材料価の価格交渉において、専門家(コンサルタント)を導入し、仕入れ価

格を下げるとともに、職員の交渉技術の向上にも繋げていきます。

⑥ 委託料

病院維持管理、給食、医療事務、滅菌、物流などの高額な委託業務については、3

年契約でおこなっています。次期契約は平成 30 年度からの契約になっており、特に

平成 29 年度は仕様の精査など、様々な入札方法(合算方式等)を検討することによ

り、業務の質向上と委託料の減額に努めます。また、材料費同様、医療機器の保守を

含めたすべての委託費について、専門家(コンサルタント)を導入し、料金の妥当性

を検証し、コストダウンに向けた交渉を行っていきます。

⑦ 企業債

高額医療機器、施設改修等が該当しますが、当面は、収支のバランスを考慮した上

で、経営への影響を考えながら、起債の借入を行っていきます。

⑧ 建設改良費

当面は、高額医療機器購入や、数年に一度(次回は平成 32 年度予定)の情報管理

システムの更新が主なものです。次期更新時については、使用頻度の少ないシステム

の削除など仕様の徹底的な精査を行うとともに、クラウド化の検討等を行い、費用の

減額に努めます。また、平成 29 年度に策定予定の施設長寿命化計画においても

経営に影響を与えないように対応していきます。

⑨ 企業債償還金

年度ごとに償還額の大きな波があるため、元金償還の据置期間の検討を行い、償還

額が均等になるよう検討を行います。そのことによりキャッシュフローが安定するこ

とになります。

また、情報管理システムの更新など巨額の費用が想定されるものについては、一定

の内部留保資金を投じることで、将来の返済金が増大しないように留意します。

Page 47: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

47

件     名1 病棟薬剤業務実施加算22 医師事務作業補助体制加算1 15対13 検体検査管理加算Ⅳ4 総合評価加算5 認知症ケア加算2

病院経営分析比較表、地方公営企業年鑑を基に作成

〈今後取得を目指す施設基準の一覧〉

Page 48: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

48

収益的収支

(単位:千円)

   年 度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度

区 分 決 算 決 算決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

1. a 11,883,034 11,773,215 11,815,430 11,914,105 11,994,593 11,994,593

(1) 11,355,793 11,204,084 11,295,391 11,414,105 11,494,593 11,494,593

8,411,671 8,280,999 8,334,866 8,403,660 8,450,454 8,450,454

2,944,122 2,923,085 2,960,525 3,010,445 3,044,139 3,044,139

(2) 527,241 569,131 520,039 500,000 500,000 500,000

201,502 252,864 169,567 169,567 169,567 169,567

2. 654,320 627,090 682,993 651,872 641,187 627,755

(1) 151,153 147,019 196,825 190,573 194,440 188,966

(2) 267,353 235,184 263,215 263,215 263,215 263,215

(3) 32,330 33,138 56,846 55,000 55,000 55,000

(4) 69,288 69,390 60,952 43,084 28,532 20,574

(5) 134,196 142,359 105,155 100,000 100,000 100,000

(A) 12,537,354 12,400,305 12,498,423 12,565,977 12,635,780 12,622,348

1. b 11,497,386 11,648,284 11,750,570 11,713,091 11,826,648 11,751,602

(1) H 5,868,310 6,045,513 6,113,640 6,096,337 6,177,120 6,216,858

5,680,477 5,877,102 5,911,061 5,940,616 5,970,319 6,000,171

187,833 168,411 202,579 155,721 206,801 216,687

(2) 2,879,087 2,755,317 2,835,703 2,859,385 2,878,702 2,878,702

1,363,210 1,291,900 1,358,774 1,370,122 1,379,378 1,379,378

(3) 1,893,261 1,940,450 1,862,673 1,816,377 1,816,377 1,816,377

1,410,585 1,435,991 1,358,214 1,311,918 1,311,918 1,311,918

(4) 813,055 850,300 881,554 883,992 897,448 782,665

(5) 43,673 56,704 57,000 57,000 57,000 57,000

2. 820,525 779,938 774,372 765,145 806,109 835,079

(1) 232,367 223,299 214,372 205,145 196,109 187,523

0 0 0 0 0 0

(2) 588,158 556,639 560,000 560,000 610,000 647,556

(B) 12,317,911 12,428,222 12,524,942 12,478,236 12,632,757 12,586,681

経  常  損  益  (A)-(B) (C) 219,443 △ 27,917 △ 26,519 87,740 3,023 35,666

1. (D) 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0

2. (E) 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0

特 別 損 益 (D)-(E) (F) 0 0 0 0 0 0

219,443 △ 27,917 △ 26,519 87,740 3,023 35,666

△ 4,230,663 △ 4,258,580 △ 4,285,099 △ 4,197,359 △ 4,194,336 △ 4,158,670

0 0 0 0 0 0

(G) △ 4,230,663 △ 4,258,580 △ 4,285,099 △ 4,197,359 △ 4,194,336 △ 4,158,670

(ア) 5,823,599 5,979,464 6,217,014 6,366,741 6,726,538 6,149,857

3,730,454 4,016,680 4,247,707 4,436,741 4,796,538 4,219,857

2,069,851 1,929,375 1,939,307 1,900,000 1,900,000 1,900,000

(イ) 2,487,271 2,405,493 2,251,369 2,400,000 2,400,000 2,400,000

  1,085,479 1,084,168 1,120,516 763,950 774,290 817,878

  0 0 0 0 0 0

1,082,422 1,014,847 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000

162,350 286,226 231,027 189,034 359,797 △ 576,681

(G)a

(A)(B)abHa

医 業 収 益

料 金 収 入

入 院 収 益

外 来 収 益

そ の 他

う ち 他 会 計 負 担 金

医 業 外 収 益

他 会 計 負 担 金

他 会 計 補 助 金

国 ( 県 ) 補 助 金

長 期 前 受 金 戻 入

そ の 他

経 常 収 益

医 業 費 用

職 員 給 与 費

退 職 給 付 費 除 く 職 員 給 与 費

退 職 給 付 費

材 料 費

う ち 薬 品 費

経 費

う ち 委 託 料

減 価 償 却 費

そ の 他

医 業 外 費 用

支 払 利 息

う ち 一 時 借 入 金 利 息

そ の 他

経 常 費 用

特別損益

特 別 利 益

う ち 他 会 計 繰 入 金

特 別 損 失

う ち 職 員 給 与 費

純 損 益 (C)+(F)

未 処 分 剰 余 金 又 は 欠 損 金

処 分 剰 余 金 及 び 欠 損 金

処 分 後 剰 余 金 及 び 欠 損 金

流 動 資 産

う ち 現 金 及 び 預 金

う ち 未 収 金

流 動 負 債

う ち 企 業 債

う ち 一 時 借 入 金

う ち 未 払 金 及 び 未 払 費 用

単 年 度 資 金 収 支 額

累 積 欠 損 金 比 率 ×100 35.60 36.17 36.27 35.23 34.97 34.67

経 常 収 支 比 率 ×100 101.78 99.78 99.79 100.70 100.02 100.28

医 業 収 支 比 率 ×100 103.35 101.07 100.55 101.72 101.42 102.07

職 員 給 与 費 対 医 業 収 益 比 率 ×100

88.4 88.9 89.0病 床 利 用 率

49.4 51.3 51.7

89.5 90.0 90.0

51.2 51.5 51.8

10. 収支計画

Page 49: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

49

資本的収支 (単位:千円)

   年 度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度

区 分 決 算 決 算決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

1. 201,000 338,000 340,000 340,000 340,000 840,000

201,000 338,000 340,000 340,000 340,000 840,000

2. 503,898 501,318 525,950 537,818 423,276 429,278

3.

4.

5.

6. 12,002 35,898

7.

8.

9. 23,930 19,195 10,000 10,000 10,000 10,000

(a) 740,830 894,411 875,950 887,818 773,276 1,279,278

(b)

(c)

純計(a)-{(b)+(c)} (A) 740,830 894,411 875,950 887,818 773,276 1,279,278

1. 435,758 405,835 378,190 500,000 500,000 1,850,000

0 0 0 0 0 0

2. 994,736 1,085,479 1,084,168 1,120,516 763,950 774,290

0 0 0 0 0 0

3. 0 0 0 0 0 0

4. 50,536 43,381 37,600 50,000 50,000 50,000

(B) 1,481,030 1,534,695 1,499,958 1,670,516 1,313,950 2,674,290

差 引 不 足 額 (B)-(A) (C) 740,200 640,284 624,008 782,698 540,674 1,395,012

1. 739,215 640,284 624,008 782,698 540,674 1,395,012

2.

3.

4.

5. 985

(D) 740,200 640,284 624,008 782,698 540,674 1,395,012

補てん財源不足額 (C)-(D) (E) 0 0 0 0 0 0

(F)

(E)-(F) 0 0 0 0 0 0

(G) 0 0 0 0 0 0

(H) 13,841,893 13,094,414 12,350,246 11,569,730 11,145,780 11,211,490

借 換 債

企 業 債

建 設 改 良 の た め の 企 業 債

資 本 費 平 準 化 債

そ の 他

他 会 計 出 資 金

そ の 他

支 出 計

収      入

国 ( 県 ) 補 助 金

工 事 負 担 金

固 定 資 産 売 却 代 金

そ の 他

他 会 計 負 担 金

他 会 計 借 入 金

他 会 計 補 助 金

繰 越 工 事 資 金

そ の 他

前年度同意等債で当年度借入分

支  出

建 設 改 良 費

う ち 職 員 給 与 費

企 業 債 償 還 金

う ち 繰 上 償 還 金 分

他 会 計 長 期 借 入 金 返 還 金

収 入 計

うち翌年度へ繰り越される支出の財源充当額

当年度許可債で未借入又は未発行の額

実 質 財 源 不 足 額

他 会 計 借 入 金 残 高

企 業 債 残 高

補てん財源

損 益 勘 定 留 保 資 金

利 益 剰 余 金 処 分 額

積 立 金 取 り 崩 し 額

Page 50: 近江八幡市立総合医療センター 新公立病院改革プラ …...5 2. 新改革プランの計画期間 先述のとおり、新改革プランは、新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成

50

一般会計等からの繰入金の見通し

年     度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度

区 分 決 算 決 算決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

決 算見 込

620,008 635,067 629,607 623,355 627,222 621,748

620,008 635,067 629,607 623,355 627,222 621,748

503,898 501,318 525,950 537,818 423,276 429,278

503,898 501,318 525,950 537,818 423,276 429,278

1,123,906 1,136,385 1,155,557 1,161,173 1,050,498 1,051,026

収 益 的 収 支 分

う ち 基 準 内 繰 入 金

う ち 基 準 外 繰 入 金

資 本 的 収 支 分

う ち 基 準 内 繰 入 金

う ち 基 準 外 繰 入 金

合 計