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建 設 業 相 談 事 例 集
Q&A
平成14年11月
国土交通省関東地方整備局
建政部建設産業課
本事例集は、関東地方整備局のホームページに掲載されている建設業法相談
窓口や建設産業課に直接寄せられた相談・質問等を基に「Q&A」として取り
。 、 、まとめたものです 回答は いずれも現在の制度・運用を踏まえ作成しており
今後それらの改正があれば適宜加筆・訂正を行ってまいります。
本事例集を取りまとめるに当たり、それぞれの相談内容については充分理解
をするように努め回答を作成しておりますが、相談に至った経緯や背景などが
充分に把握できず、当方で一般的な回答としているものがあります。
今後、建設業に従事される方々や社内におけるコンプライアンスの参考にし
て頂ければ幸いです。
目 次
1.建設業許可・・・・・・・・・・・・ 1
2.経営事項審査・・・・・・・・・・・ 7
3.請負契約・・・・・・・・・・・・・ 11
4.技術者・・・・・・・・・・・・・・ 19
5.現場代理人・・・・・・・・・・・・ 25
6.施工体制台帳、施工体系図・・・・・ 29
7.共同企業体・・・・・・・・・・・・ 33
8.一括下請負・・・・・・・・・・・・ 37
9.監督処分、罰則・・・・・・・・・・ 51
- 1 -
1.建設業許可
- 2 -
- 3 -
問1-1
軽微な工事(500万円未満)は建設業許可がなくても請け負うことは可
能ですが(建設業法第3条第1項 、下記の場合、軽微な工事の範囲となり)
ますか。
、 、① 独立した工種毎に契約があり 個別には請負金額が500万円未満だが
合計すると500万円以上になる場合
② 元請工期が長期間の場合で、500万円未満の工事を請け負った後に長
期間の間を置いて再度500万円未満の工事を請け負ったが、合計すると
500万円以上になる場合
③ はつり、雑工事等で断続的な小口の契約であるが、合計すると500万
円以上になる場合
④ 上記のような場合には、1年毎の単位、あるいは工種毎での判断ができ
ませんか。
⑤ 建設業法施行令第1条の2第2項に「ただし、正当な理由に基いて契約
を分割したときは、この限りでない」とありますが、具体的にはどのよ
うなケースなのか例示して下さい。
答
① 工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金
の合計額とする事になっていることから、軽微な工事の範囲とはならないと
考えられます (建設業法施行令第1条の2第2項)。
② ①と同様の考え方から軽微な工事とはならないと考えられます。
③ 例えば、単価契約で工事を行った場合に総価(単価×数量)が、500万
円以上になる場合は、軽微な工事の範囲にならないと考えられます。
④ 1年毎の単位、あるいは、工種毎には判断できません。
⑤ 建設業法施行令第1条の2第2項の「正当な理由」があると認めるには、
建設業法の適用を逃れるために契約の分割を行うものではないことを十分に
証明できることが必要で、個別のケースに応じて許可部局(業法所管部局)
が判断する必要があります。
- 4 -
問1-2
一式工事を受注し、その中で併せて専門工事も施工する建設業者は、
① 専門工事についての主任技術者の資格を持っている者を専門技術者とし
て配置する (一式工事の主任技術者、監理技術者にその資格があれば兼。
ねることができる)
② その専門工事について建設業の許可を受けている専門工事業者に下請負
させる。
のいずれかを選択しなければならないとされていますが、元請が受注した土
木一式工事(例えば、とび・土工工事、石工事、舗装工事、鉄筋工事を含む
場合)において、とび・土工工事と鉄筋工事について下請負させる場合、当
該下請負人に必要とされる建設業許可業種は何ですか。
答
一般的には、とび・土工工事業と鉄筋工事業の双方の許可を有していなけれ
ばならないと考えます。
なお、土木一式工事については、必ずしも2つ以上の専門工事の組み合わせ
という意味ではなく、工事の規模・複雑性等からみて総合的な企画、指導、調
整が必要で個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれます。
問1-3
「・・・定期点検 「・・・保守」等の件名の工事がありますが、これら」
に従事した経験は建設業法第7条第2号イ又はロ及び法第15条2号ロの実
務経験として認められますか。また、これらの工事を実施する際、主任技術
者や監理技術者の配置が義務づけられますか。
答
単なる「・・・定期点検 「・・・保守」等は建設工事には該当しないと思」
われます。ただし、建設業法第24条に規定されているとおり、如何なる名義
に関わらず、建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契
約となります。
件名で建設工事に該当するかしないかは判断されるものではなく、発注者と
どういった内容の契約をしたかで判断されますが、建設工事であれば実務経験
として認められます。また、規模に応じて主任技術者又は監理技術者の配置も
- 5 -
義務付けられます。
問1-4
「建設業法第15条第2号イの国土交通大臣が定める試験及び免許を定め
る件 (昭和63年6月6日建設省告示第1317号)によれば、鉄筋工事」
業の許可に要する営業所の専任技術者については、一級の建築施工管理の技
術検定に合格した者となっているが、一級の土木施工管理の技術検定に合格
した者はなぜ専任技術者になれないのでしょうか (技術管理上問題がある。
とは考えにくい)
答
鉄筋工事業の許可に要する専任技術者については、建設業法による技術検定
種目のうち一級の建築施工管理及び二級の建築施工管理(躯体に限る)並びに
技能検定合格者(各種条件設定があります )となっています。。
鉄筋構造物の鉄筋組立技術は、建築構造物の一つと考えられており、建築関
係の資格が必要とされています。
また、建築施工管理技術検定試験の受験資格に必要な実務経験として鉄筋工
事は含まれますが、土木施工管理技術検定試験の受験資格に必要な実務経験で
は、鉄筋工事は含まれません。
- 6 -
- 7 -
2.経営事項審査
- 8 -
- 9 -
問2-1
JVにおける各構成員ごとの完成工事高の計上方法を教えて下さい。
答
共同施工方式(甲型)のJVで施工した工事の完成工事高の計上方法は、工
事請負代金に各構成員の出資比率を乗じて得た額となります。
分担施工方式(乙型)のJVで施工した工事の完成工事高の計上方法は、運
営委員会で定めた各構成員の分担工事の額となります。
(参考)
「共同企業体の事務取扱いについて (昭和53年3月20日建設省計振発第」
11号)
問2-2
経営事項審査申請書に職員数を記載する欄があり 「兼業事業に従事する、
使用人」とありますが、この兼業とは何を指すのでしょうか。
答
兼業事業に従事する使用人とは、雇用期間を特に限定することなく雇用され
た者で建設業以外の事業に従事する者の数です。主として建設業に従事する職
員以外は、兼業事業に従事する使用人と考えられます。個々の勤務状況によっ
ても異なり、個別に判断することになります。
問2-3
経営事項審査申請の自己資本の額の算出式として、法人の場合
資本金+新株式払込金+法定準備金+任意積立金+利益処分における準
備金・積立金(取崩の場合は控除 ・資本金・次期繰越利益)
となっていましたが、平成13年度の商法改正により新たに自己株式を取得
又は保有している場合、貸借対照表上赤字計上すると思いますが、自己資本
の額に新たに計上する必要はありますか。
- 10 -
答
平成14年10月1日以降経営事項審査の評価として自己株式も自己資本に
含まれることとなりました。なお、経営事項審査申請の自己資本の額の算出式
は以下のとおりです。
資本金+新株式払込金+資本剰余金+利益準備金+任意積立金+土地再評価差
額金+株式等評価差額金+自己株式(△)+利益処分における準備金・積立金
(取崩の場合は控除 ・資本金・次期繰越利益)
問2-4
「・・・定期点検 「・・・保守」等の件名の工事がありますが、これら」
は、工事経歴あるいは経営事項審査の完成工事高に計上することが出来ます
か。
答
単なる「・・・定期点検 「・・・保守」等は建設工事には該当しないと思」
われます。ただし、建設業法第24条に規定されているとおり、如何なる名義
に関わらず、建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契
約となります。
件名で建設工事に該当するかしないかは判断されるものではなく、発注者と
どういった内容の契約をしたかで判断されますが、建設工事であれば完成工事
高あるいは経営事項審査の完成工事高に計上出来ます。
- 11 -
3.請負契約
- 12 -
- 13 -
問3-1
警備会社と契約し、ガードマンを派遣してもらいました。これは、下請負
契約になりますか。
答
ガードマンの派遣については、派遣契約に当たるものと考えられ、建設工事
の下請負契約には当たらないものと考えられます。
建設業法第24条で「請負契約とみなす場合」として 「委託その他何らの、
名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する
契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する 」とさ。
れており、契約の実態に則して判断する必要があることに注意を要します。
問3-2
( 、土工機械をオペレーター付で専門業者と常用 施工範囲等の指定は行わず
元請けの技術者の指示により作業)で契約した場合、下請負契約になります
か。
答
土工機械をオペレーター付で契約する場合、オペレーターが行う行為は建設
工事の完成を目的とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請負契約に
当たるものと考えられます。
問3-3
、 「 」現在 舗装工事などで広く用いられている オペレーター付きリース契約
は、建設業法第24条に規定される請負契約に当たりますか。
答
オペレーター付で契約する場合、オペレーターが行う行為は建設工事の完成
を目的とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請負契約に当たるもの
と考えられます。
- 14 -
問3-4
次のような作業を元請が協力会社と請負契約をする場合、協力会社におい
て建設業許可は必要ですか。
①発注者から貸与された機械設備の運転管理
②ボーリング調査を伴う土壌分析
③トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース
④河川工事における警戒船業務
⑤測量・調査工(土壌試験、分析、家屋調査等)
答
建設工事の完成を目的とした契約を締結し、一定金額以上の工事を請け負う
場合は、建設業の許可が必要となります。
①、②、④、⑤については、建設工事には該当しないと考えられますが、契
( ) 。約の内容及び作業 工事 の内容を契約ごとに個別に判断する必要があります
③については、建設機械のリースをオペレーター付で契約するものと考えら
れますが、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考え
られ、建設工事の請負契約に当たるものと考えられます。
問3-5
。 。建設会社に労務提供を依頼しました この契約は下請負契約になりますか
答
単なる労務提供であれば、 建設業法第24条は適用されず、建設工事の下
請負契約には当たらないものと考えられます。
しかし、建設工事の完成を請負わせる場合には、下請負契約に当たります。
問3-6
労働者派遣法による労働者派遣契約とすることは問題ないでしょうか。
- 15 -
答
労働者派遣については、労働者派遣法第2条第1号において「自己の雇用す
る労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人
のために労働に従事させること」と規定されています。
しかしながら、同法第4条第1項において労働者派遣事業の適用除外となる
、 「 ( 、 、業務を定めており 同項第2号に 建設業務 土木 建築その他工作物の建設
改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の
作業に係る業務をいう 」が規定されています。。)
そのため、請負契約で行わない場合は、労働者派遣法違反のおそれがありま
す。
問3-7
作業員を常傭作業員として他の建設会社から調達する場合、建設工事の請
負契約となるのでしょうか。
答
建設工事の請負契約に該当すると考えられます。
なお、請負契約で行わない場合は、労働者派遣法違反に該当する可能性があ
ります。
建設業法第24条では 「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報、
酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約と
みなして、この法律の規定を適用する 」と規定されており、建設工事の請負。
契約となります。
問3-8
、 。 、請負契約の場合と 単価契約の場合の違いがあれば教えてください また
単価契約をした場合、施工体制台帳及び施工体系図に記載する必要がありま
すか。
答
単価契約の場合についても、実態として建設工事の完成を目的として締結さ
れているのであれば、建設業法の適用を受けます。従って、施工体制台帳及び
施工体系図への記載が必要です。
- 16 -
問3-9
クレーン作業やコンクリートポンプ打設等は、日々の単価契約で行ってい
る場合が多いのですが、建設工事の請負契約となるでしょうか。
なお、建設工事の請負契約とされた場合、施工体制台帳への記載及び主任
技術者の設置が必要となるのでしょうか。
答
日々の単価契約で行っている場合でも建設工事の請負契約に該当すると考え
られます。従いまして、施工体制台帳への記載及び主任技術者の設置が必要と
なります。
建設業法第24条では 「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報、
酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約と
みなして、この法律の規定を適用する 」と規定されています。。
問3-10
建設業者から労務提供のみを受ける場合、単価契約による請負契約を行う
ことを考えていますが、単価の設定を一人工当たりの単価設定としてよいで
しょうか。
また、一人工当たりの単価設定としない場合、契約終了時に作業量(例え
ば、作業面積とか作業土工量等)を併記すればよいでしょうか。
答
単価契約による建設工事の請負契約を締結する場合の見積単価の設定は、平
米単価、人工単価等がありますが、いずれにしても建設業法第18条及び第1
9条の規定を踏まえ適切な契約を締結し、当事者間の権利義務関係を明確にし
ておき、事後に紛争が生じないよう努めることが必要です。
なお、見積等は、契約の前に適切に行い契約締結前に金額を決めて下さい。
契約後に作業量等が変更した場合は、その時点で変更契約を締結して下さい。
見積、当初の契約及び変更契約等を適切に行わないと工事代金の支払い等様
々なトラブルの原因になります。
- 17 -
問3-11
建設業法における「元請負人」とは元請業者を指し 「下請負人」とは1、
次下請業者のことを指すのでしょうか。
答
元請負人と下請負人については、建設業法第2条第5項において次のように
定義されています。
「発注者」=建設工事(他の者から請け負ったものを除く )の注文者。
「元請負人」=下請契約における注文者で建設業者であるもの
「下請負人」=下請契約における請負人
建設業法上の元下関係を図解すると
通 称 発注者 ⇒ 元請業者 ⇒ 一次下請 ⇒ 二次下請 ⇒ 三次下請
建設業法上 発注者 ⇒ 元請業者 ⇒ 下請業者
元請業者 ⇒ 下請業者
元請業者 ⇒ 下請業者
問3-12
相指名業者が下請業者となることや、相指名業者から、合材を購入するこ
とは問題がありますか。
答
建設業法上は、問題ありません。
ただし、発注者の判断として、個別相指名業者の下請参入等について何らか
の取扱いを行っている場合がありますので個々の発注者と相談して下さい。
問3-13
発注者からは、据付工事込みの***設備設計・製作という件名で売買契
約扱いで注文が出る予定です。これは、建設業法でいう’請負契約’に該当
しますか。
- 18 -
答
据付工事込みの売買契約は、請負契約に該当すると考えられます。
建設業法第24条では 「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報、
酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約と
みなして、この法律の規定を適用する 」と規定されています。。
ご質問のような場合、発注者は、当該物品を工作物等に取り付けることを前
提として契約をしており、また、当該物品は工作物等に取り付けして初めてそ
の機能を発揮することから当該物品は、建設工事の材料に該当すると考えられ
ます。
- 19 -
4.技術者
- 20 -
- 21 -
問4-1
密接な関係のある2つ以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接
した場所において施工する場合に、同一の主任技術者又は監理技術者が専任
でこれに当たることができますか。
答
主任技術者又は監理技術者の専任については 「監理技術者資格者証運用マ、
ニュアルについて(平成6年12月28日付建設省経建発第395号 」の通)
達の 「二.技術者の工事現場における専任 (3)工事現場における技術者、 、
の専任の基本的な考え方」のとおりです (以下抜粋)。
密接な関係のある二以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した
場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの工
事を管理することができる(令第27条第2項)が、専任の監理技術者につい
ては、この規定は適用されない。
ただし、発注者が同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負
契約に係る工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体
性が認められるもの(当初の請負契約以外の請負契約が随意契約により締結さ
れる場合に限る )については、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の。
主任技術者又は同一の監理技術者が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的
であると考えられることから、これを一の工事とみなして、当該技術者が当該
工事全体を管理するものとすることができる。
この場合、法第3条第1項(一般建設業と特定建設業の区分 、法第26条)
第1項及び第2項(主任技術者と監理技術者の区分)等の適用については、一
の工事としてこれらの規定を適用する。
問4-2
、 「 」 、「 、監理技術者 主任技術者に適用される 専任性の特例 として ただし
発注者が同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約に係
る工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認
められるものについては…」とありますが 「一体性」はどのように証明す、
ればよいのでしょうか。
- 22 -
答
「資格者証(監理技術者資格者証)運用マニュアル」において 「発注者が、
同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であ
って、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められるもの
(当初の請負契約以外の請負契約が随意契約により締結される場合に限る )。
については、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の主任技術者又は同一
の監理技術者が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的であると考えられる
ことから、これを一の工事とみなして、当該技術者が当該工事全体を管理する
ものとすることができる 」とされています。。
一体性が認められる工作物等であるかは、個々の建設工事の状況を踏まえ
て判断しなければなりませんが、少なくとも 「発注者が同一の建設業者と締、
結するものであること 「契約工期が重複する請負契約であること 「当初」、 」、
の請負契約以外が随意契約により締結されるものであること」等が必要です。
一体性が認められる工作物等であるかは、建設工事の内容を把握している発
、 ( )注者と十分な協議・確認を行い 疑念が残る場合には許可部局 業法所管部局
に個別にお尋ね下さい。
問4-3
施工体制台帳に記載が必要な下請業者は、すべてに主任技術者を設置しな
ければならないのでしょうか。
例えば、①レッカー作業、コンクリートポンプ車、ガス圧接、かじ工、土
工などの工事業者の場合。②仮設の電気や水道、事務所建方、及び測量や各
種試験など、直接の工事目的物ではない仮設や準備工に携わる業者の場合
答
下請業者との契約が建設工事である場合は、主任技術者を設置しなければな
りません。
ご質問の例示の中には建設工事に該当しないもの(測量や各種試験等)があ
りますが、建設工事に該当しないものは主任技術者を設置する必要はありませ
ん。
また、仮設・準備工事であっても建設工事であれば主任技術者を設置しなけ
ればなりません。
- 23 -
問4-4
、 、ある工事の一次下請であるA社と 同じく一次下請であるB社の双方から
共にC社が二次下請として契約し、かつA、B両社からのC社の請負金額が
それぞれが2,500万円未満ならば、C社の主任技術者は両方を兼務して
よろしいでしょうか。
答
それぞれの請負金額が2,500万円未満ならば、どちらも専任となりませ
ん。
ただし、適正な施工を確保するためには、可能な限り工事現場ごとに専任と
することが望ましいことは言うまでもないので、建設業者がこの点十分な配慮
をすることが期待されております。
問4-5
( ) 、建設工事によっては配置技術者は専任 常駐 を義務付けられていますが
受注後、同等以上の資格を有する技術者に変更することは可能でしょうか。
答
主任技術者及び監理技術者の配置等については、建設業法第26条等に規定
され、建設工事の適正な施工の確保のため、工事現場毎に一定の資格者を置い
て施工上の管理を行わせることとしています。
監理技術者の設置の考え方として「資格者証(監理技術者資格者証)運用マ
ニュアル」において 「工事途中で施工管理をつかさどっている責任ある技術、
者を変更することは、適正な建設工事の施工の確保の観点からは好ましいもの
ではない 」とされています。。
他方、個別の建設工事においては、施工に当たって建設業者等のやむを得な
い事由等に限り、配置技術者の交換等が必要となることも考えられるため、発
注者とも十分協議の上、建設工事の適正な施工に支障とならない範囲において
対処することが必要です。
- 24 -
問4-6
一級建築士事務所と一件の工事に限り施工管理に係る契約を結び、当社で
施工してもよろしいのでしょうか。
答
建設業法第26条の規定に基づき、現場における建設工事の施工の技術上の
管理をつかさどるものとして主任技術者又は監理技術者を設置しなければなら
ないこととなっています。その者は、直接的かつ恒常的な雇用関係にある者で
ある必要があります。したがって施工管理に係る契約を他社と結び施工管理を
つかさどる主任技術者又は監理技術者が他社の者であれば、同法26条違反に
なります。
- 25 -
5.現場代理人
- 26 -
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問5-1
一つの工事の現場代理人をしていて、その工事が一時中断された場合、工
事休止期間中に他の工事の現場代理人として携わることができますか。
答
建設業法では、現場代理人の専任は義務付けはしていません。ただし、現場
代理人を置く場合には、例えば公共工事標準請負契約約款上では当該工事現場
に常駐することとされています。
ご質問の場合は、それぞれの工事の請負契約条項に違反しないか等を各発注
者と十分協議して下さい。
なお、公共工事標準請負契約約款においては、現場代理人の専任を規定して
います (第10条)。
また、国土交通省発注工事については、請負契約に基づき、工事休止期間中
でも現場代理人は工事現場に常駐していることとしています。
問5-2
営業所ごとに置かなければならない専任技術者を、現場代理人として工事
現場に従事させることは建設業法違反になりますか。
また、営業所と工事場所が至近距離であり、朝夕ともに営業所からの出社
退社が可能な場合、専任技術者を、現場代理人として工事現場に従事させる
ことは建設業法違反になりますか。
答
営業所の専任技術者は、その営業所に常勤して専らその職務に従事すること
が必要であり、現場代理人が現場に常駐となる場合には、専任技術者としての
職務が果たせなくなるので、建設業法上は、専任技術者の設置違反(建設業法
第7条第2号、第15条第2号)となります。
営業所と工事現場が至近距離であっても営業所の専任技術者が工事現場に常
駐となる場合は、建設業法違反になります。
- 28 -
- 29 -
6.施工体制台帳、施工体系図
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- 31 -
問6-1
以下の業者と契約をした場合、施工体制台帳及び施工体系図に記載する必
要がありますか。
① 建設資材(生コン、ブロック等)の納入業者
② 仮設材のリース業者
③ 警備業者
④ 資機材の運搬(運送)業者
⑤ レッカー車の運転業者
答
上記の①から⑤の業者については、いずれも建設工事の請負契約に該当しな
、 。いため 建設業法上は施工体制台帳及び施工体系図への記載義務はありません
ただし、国土交通省発注工事については 「一次下請負人となる警備会社」、
の記載が求められているものもありますので、各発注者との関係においては確
認をする等、適切に対処して下さい。
問6-2
建設工事の契約を日々の単価契約で行っている場合、施工体制台帳への記
載及び主任技術者が必要となるのでしょうか。
答
建設業法第24条では 「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報、
酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約と
みなして、この法律の規定を適用する 」と規定されており、本件も建設工事。
の請負契約となります。
したがって、施工体制台帳への記載及び主任技術者が必要となります。
- 32 -
問6-3
次のような作業を元請が協力会社と請負契約をする場合、施工体制台帳に
記載すべきでしょうか。
①発注者から貸与された機械設備の運転管理
②ボーリング調査を伴う土壌分析
③トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース
④河川工事における警戒船業務
⑤測量・調査工(土壌試験、分析、家屋調査等)
答
建設工事の完成を目的とした請負契約を締結し、下請契約の総額が一定金額
以上となる場合は、施工体制台帳に記載することとされております。
また、下請契約の総額が一定金額を下回る場合など施工体制台帳の作成等を
行わなければならない場合以外の場合であっても、建設工事の適正な施工を確
保する観点から、施工体制台帳の作成等を行うことが望ましいとされておりま
す。
①、②、④、⑤については、建設工事には該当しないと考えられますが、契
( ) 。約の内容及び作業 工事 の内容を契約ごとに個別に判断する必要があります
③については、建設機械のリースをオペレーター付で契約するものと考えら
れますが、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考え
られますので、建設工事の請負契約に当たるものと考えられます。
問6-4
施工体制台帳には、単発業者、小規模(小額)な作業や雑工及び応援の労
務提供業者など、すべてを記載しなければならないのでしょうか。
答
施工体制台帳には、工事の期間、規模の大小等に係わらず、その建設工事に
携わったすべての業者を記載しなければなりません。
- 33 -
7.共同企業体
- 34 -
- 35 -
問7-1
水処理場の工事をJV(A・B2社)で受注したところ、工事内容のうち
設備工事はA社に、土木建築工事はB社にそれぞれJVから下請発注するこ
とを考えています。このような場合建設業法上問題はあるのでしょうか。
答
共同企業体については、それ自体法人格を有しないことから、構成員との間
では、自己契約(民法第108条)に該当します。
建設業法に規定する「下請契約」としては認めがたいものですが、工事が適
切に施工されているのであれば単に構成員が共同企業体と契約を締結したこと
のみをもって、直ちに建設業法違反となるものではありません。
しかし、このような契約は、JV制度の趣旨に反し、又は一括下請負に該当
するなど建設業法違反となるおそれが高く、適当ではないと思われます。
問7-2
建設工事の下請け契約をする際に、JVによる下請けを希望された場合、
何らかの制約がありますか。
施工体制:
発注者→元請負人(当社)→下請負人(2社JV)→二次下請負・・・
のような体系です。
答
国土交通省で活用を促進している共同企業体制度は、発注者から直接工事を
請け負う元請としての共同企業体を前提としています。
下請が共同企業体であることについて法的な規制はありませんが、施工技術
上の必然性もないなど合理的な説明が困難であることから、それぞれの建設業
者と下請契約を締結することが適切であると考えます。
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8.一括下請負
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問8-1
元請から建材商社が下請負をして、当社が再下請負をしましたが、建材商
社の主任技術者は3日に1回程度しか現場に来ません。このような施工体系
の場合、一括下請負に該当しますか。
答
建材商社の工事への実質的関与が認められなければ一括下請負に該当しま
す。
ご質問の工事で、建材商社の主任技術者が3日に1回程度しか現場に入場せ
ず、下請である貴社が元請の管理・指導を直接受けて下請負工事を主体的に行
った場合は、一括下請負に該当する可能性が高くなります。
問8-2
2,500万円未満の工事で、一次下請(建材商社)の主任技術者が毎日
1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二次下請(当社)に伝え
る方法を取った場合でも一括下請負に該当しますか。
答
2,500万円(建築一式工事にあっては5,000万円)未満の工事につ
いて専任を要しないのは、兼任が許されるという意味であって、専任を要する
工事の場合と主任技術者や監理技術者の職務が異なるわけではありません。し
たがって、建設業法第26条の3に定めた技術者の職務を誠実に履行する必要
があります。
元請負人との打ち合わせと下請負人への指示だけを行っているのであれば、
工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理等、本来下請の技術者が行
うべき管理等に実質的に関与しているとは考えにくく、一括下請負に該当する
可能性が高いものと考えられます。
問8-3
受注した建築工事で建築工事業の技術者が諸事情により不在になってしま
、 、 。い その工事を他社に一括下請負を行った場合 建設業法違反になりますか
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答
主任技術者又は監理技術者が不在になってしまった等いかなる事情又は施工
途中等いかなる時点であっても他社に一括下請負を行った場合は建設業法違反
となります。
万一、当該理由に至った場合は、発注者又は元請の不利益にならないよう速
やかに発注者又は元請に相談の上適切に対処して下さい。
問8-4
在籍出向者を監理技術者にする事は一括下請負に該当するとされています
が、有期移籍を含めた長期出向者を監理技術者にした場合には、一括下請負
と判断されますか。
答
建設工事の管理をつかさどる主任技術者又は監理技術者は、直接的かつ恒常
的な雇用関係にある者である必要があります。したがっていかなる場合であっ
ても在籍出向者は主任技術者又は監理技術者にはなれません。
問8-5
一括下請負は、公共工事のみに該当するのでしょうか。
答
すべての建設工事においては、一括下請負は原則禁止(建設業法第22条)
されています。
特に、公共工事においては 「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関、
する法律」の施行に伴い、一括下請負は全面的に禁止されました。
民間工事については、元請が発注者に書面で承諾を得た場合はこの限りでは
ありませんが、平成3年2月5日付け建設省経構発第2号「建設産業における
生産システム合理化指針について」にも示されているとおり、一括下請負は種
々の弊害を有するので、発注者の承諾が得られる場合でも極力避けるべきであ
るといえます。
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問8-6
一括下請負は、どの様な基準で判断されますか。
答
一括下請負か否かの判断は、単に下請負業者数や下請負金額の多寡によって
判断されるものではありません。その請け負った建設工事の完成について的確
な技術者が適切に配置され、元請・下請ともその責任を応分に果たすなど誠実
に履行できているかどうか、個別の建設工事毎に判断されます。
問8-7
発注者の書面による承諾があれば一括下請負が認められるという規定があ
りますが、この書面には定められた様式(フォーム)がありますか。また、
様式が無い場合、発注者からの見積依頼書や契約書に添付される契約仕様書
等の契約書類に受注者と一括請負する業者名が連名で記載されていれば承諾
を得たことになりますか。
答
建設業法第22条第3項は、一括下請負の禁止の例外を定めたものです。一
括下請負は、種々の弊害を有するので出来るだけ行わないようにして下さい。
当該規定により、元請負人が発注者からあらかじめ書面による承諾を得る場
合の書面については特に定められた様式(フォーム)はありません。
発注者の承諾を得る場合は、発注者の意思表示が明確に確認できる書面とす
ることが望ましいことから予め請負契約約款等に盛り込んでおくだけではトラ
ブルが発生する場合があります。
なお、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の施行により、
公共工事においては建設業法第22条第3項は適用されません。
問8-8
当社の業務としては、いわゆる新設の建設工事の他に、修繕工事(整備・
補修工事)や、運転管理などの委託業務などもありますが、一括下請負の禁
止はすべての業務に及びますか。
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答
建設業法で一括下請負を禁止しているのは 「請け負った建設工事」ですの、
で、建設工事の請負に該当するか否かが問題となります。
、「 、建設業法第24条において 委託その他何らの名義をもつてするを問わず
報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約
とみなして、この法律の規定を適用する 」とされています。。
、 、新設工事や修繕工事は当然建設工事に該当しますが 運転管理のみであれば
社会通念上、建設工事に該当しないと考えられますが、その業務内容に修繕工
事が含まれる場合など、建設工事に該当するような業務内容であれば、一括下
請負は禁止されます。
問8-9
以下のような施工体系の場合「一括下請負」が禁止される範囲はどこまで
ですか。
《施工体系》
【発注者】→【元請】→【一次下請】→【二次下請】→【三次下請】
答
一括下請負が禁止されている範囲には制限がありません。二次下請と三次下
請の間でも一括下請負と認定される場合があります。
問8-10
事業主 建設会社A社
空調衛生工事B社 C社
工事は、民間の病院建築工事です。元請の建設会社A社は所長以下スタッ
フを配して総合的に施工管理に当たります。
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一次下請のB社は、空調衛生工事のすべてをC社に発注します。C社は主
任技術者を配置して施工管理を行うと共に、複数の三次下請会社を使用して
施工に当たります。
C社は 「B社とC社の間の取引が建設業法に抵触する恐れがある」とし、
て、元請会社に事業主の承諾を得てくださいと依頼をしました。
元請会社の回答は 「元請会社が総合的な施工管理に当たるので建設業法、
に抵触することはない 」とのことですが如何でしょうか。。
元請会社が総合的な施工管理に当たると言えども、B社が請け負った空調衛
生工事の施工管理について実質的に関与していなければB社からC社への一括
下請負の疑いが生じます。
請負金額の額が適正に定められたB社とC社の間における不当な中間搾取が
なく、請負契約の内容も適正であり、工事の適正な施工が保証されている場合
は、特にこれを禁止する理由及び実益がないことから発注者の書面による承諾
を得ることで建設業法第22条第3項が適用されます(本項の規定は民間工事
にのみ適用され公共工事には適用されません 。なお、承諾を得てもB社は技)
術者の配置が必要になります。
問8-11
元請の請負金額が少額な場合、その工事を下請に発注した時の一括下請負
の判断は変わりますか。
答
請負金額が少額であっても一括下請負の判断は変わりません。
問8-12
道路舗装工事を受注後、この工事との関連で、水道占用企業者である市、
、 、町から随意契約で受注した水道工事一式を 専門工事会社に下請させた場合
一括下請負に該当しますか。
答
一括下請負の判断は、関連工事であっても個々の契約単位で判断します。
元請負人として自ら総合的に企画、調整及び指導を行い、下請負させた部分
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の施工につき実質的に関与していれば、一括下請負には該当しません。
専門工事業であっても元請負人の技術者が実質的に関与することが必要で
す。
問8-13
一次下請(建材商社)は、山留工事の鋼矢板リース及び鋼矢板の打抜工事
を元請から材料と工事込みで受注しています。二次下請(当社)は工事の施
工だけを受注しています。材料及びリース品は一次下請(建材商社)から直
接支給されていることから、二次下請(当社)は部分的な下請負になり、一
括下請負には該当しないと考えてよろしいでしょうか。
答
適正な品質の資材を調達することは、施工管理の一環である品質管理の一つ
ではありますが、これだけを行っても、一次下請がその施工に関して実質的に
関与していなければ、一括下請負に該当します。
問8-14
元請負人が現場管理と資機材の手配供給のみを行い実質施工をすべて下請
した場合は、一括下請負と判断されますか。
答
元請負人の現場管理の内容が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の
総合的な企画、工事の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工
事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、
下請負人に対する技術指導等)であれば、一括下請負とはなりません。
問8-15
施工管理の一部を下請に依存する場合、特に同じ品質確認を2度以上行う
必要のある構造物等の場合の第一次確認を下請けに依存して元請が最終確認
のみを行おうとする場合等は一括下請負と判断されますか。
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答
建設工事の完成を請け負ったのですから、建設目的物の完成を誠実に履行す
る必要があります。同じく下請負人も建設工事の完成を請け負っているのです
から主任技術者を配置して下請負人として適正な施工管理を行う必要がありま
す。下請負人が適正な施工管理をしていたとしても元請負人として施工管理を
怠ることは出来ません。
問8-16
A町より下水道本管工事(推進工事)を受注しB社と任意仮設(役務費、
安全費等)及び施工管理を除いたすべてを外注契約しようと考えています。
B社は主に推進工事を主力とする特定建設業者で、B社はさらに土工事をC
者、仮設工事をD社、地盤改良工事をE社とそれぞれ二次下請負契約をする
予定です(下図 。)
発注者 元請負 一次下請負 二次下請負
C社 (土工事)
A町 当社 B社 D社 (仮設工事)
(推進工事) E社 (地盤改良工事)
工事現場の管理体制は当社の技術者2名が常駐して施工計画、工程管理、
安全管理、品質管理を行います.
この場合、当社は本工事に関し「実質的関与」したことになり、一括下請
負とならないのでしょうか。
答
ご質問のケースでは、元請負は、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理
の他に住民への説明、近隣工事との調整、出来形管理、完成検査及び下請業者
の施工調整・指導監督においても主体的な役割を果たしていることが必要で
す。
また、ご質問のとおり元請負と一次下請負が主たる工事(推進工事)の施工
管理のみ行い自らの施工を行わない場合は、施工計画、工程管理、出来型・品
質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等に関し、元請
負人と一次下請負人との役割分担に合理的な説明が困難なケースが多いと考え
られ、一括下請負に該当する場合があります。
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問8-17
元請で工事を請け負い、工事を下請に出すとき、実質的に関与することに
よって、一括下請負(丸投げ)にならないとありますが、施工計画、工程管
理 安全管理 下請負業者指導 監督などすべてを行わないと一括下請負 丸、 、 、 (
投げ)に該当するとのことですが 『すべて』というのは例えば、安全管理、
1つが抜けた場合でも一括下請負(丸投げ)に該当するのでしょうか。
答
、 、実質的関与とは 直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し
発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施
工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工
調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが
必要です。
工事を施工管理する中で、一部分だけを行わないとは考え難く、例えば、安
全管理を行わなかった場合は、それに関連して、施工計画、工程管理、下請へ
の指導監督等についても一部関与していない場合も多いと考えられます。
実質的関与の度合いについては、その工事毎に規模や内容等が異なるため、
個別の判断が必要です。
問8-18
出来型管理、品質管理について、下請負人の技術者が監視・測定を行い、
その結果を元請負の監理技術者が評価し改善の指示を行うという契約は、元
請負人が実質的に関与していないと見なされますか(地盤改良工事において
は、改良材の投入量の管理はコンピューター制御になっており、現場監理の
一部を下請に依存しなくてはならない場合があります 。)
答
元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導を行うことが必要です。本件で
も元請負人が果たしてこれらを行ったといえるかどうか、個別に判断する必要
があります。
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問8-19
一次下請の者が毎日1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二
次下請に伝える方法は、口頭あるいは書面のいずれでも良いのでしょうか。
また、必要とされる項目は規定等されているのでしょうか。
答
下請負人への指示は必ずしも書面を要するものではありませんが、施工不良
や瑕疵が発生した場合など責任の所在が不明確になりかねないので、極力、作
業指示書等の書面にて下請負人への指示を出すことが望ましいといえます。
また、必要とされる項目についての規定等はありません。
なお、建設工事における施工体制において、一次下請が元請との打合わせ結
果を二次下請に伝えるだけの行為を行っているだけでは一次下請は当該工事に
実質的に関与しているとは言い難く、一括下請負に該当する可能性が高いと考
えられます。
問8-20
一次以下の下請負人の『工事への実質的な関与』の内容は具体的にどのよ
うなことですか。
答
工事への実質的な関与については、元請・下請で異なることはありません。
一次以下の下請負人についても主任技術者は下請負人と、直接的かつ恒常的
な雇用関係にある技術者を適切に配置し、これら技術者が、建設業法第26条
の3に規定されている施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の
管理及び工事の施工に従事する者への技術上の指導監督の職務のすべての面に
おいて、主体的な役割を果たしていることが必要です。
問8-21
土木一式工事の中に一部専門工事業種がありその部分を下請負契約しまし
たが、元請負人の技術者は専門工事業種に係る部分でも実質的な関与をしな
ければならないのでしょうか。
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答
元請負人の主任技術者又は監理技術者は施工計画、工程管理、出来型・品質
管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面に
おいて主体的な役割を果たしていることが必要であり、専門工事の部分につい
ても実質的関与をするか、自らが直接施工する場合は、一括下請負に該当しま
せんが、専門工事の部分に何ら関与しない場合は、合理的な説明が困難なケー
スが多いと考えられます。
問8-22
専門工事業種が主たる部分である場合その部分を専門工事業者に下請負さ
せたときは、元請の技術者が実質的に関与しなければ一括下請負(丸投げ)
と判断されますか。
答
専門工事業種であっても、元請の実質的関与は必要です。
元請負人がその下請工事の施工に実質的関与していると認められるときを除
き、一括下請負に該当します。
、 、実質的関与とは 直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し
発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施
工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工
調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが
必要です。
問8-23
鉄鋼橋梁など、鋼製構造物を工場で製作してから建設現場に搬入して据付
工事を行う場合、工場での製作部分についても建設業法の適用があるのでし
ょうか。
具体的には、工場製作部分を一括して下請に出した場合、建設業法の一括
下請負禁止に該当しますか。また、工場製作部分の金額が全体工事の5割以
上を占める場合には、一括下請負に該当しますか。
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答
橋梁の製作は建設工事の一部と解されます。したがって、他者に一括して製
作を請け負わせた場合は、一括下請負に該当します。元請は、工場製作を含め
請け負った建設工事全体に実質的に関与して下さい。
なお、単に下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものでは
ありません。
鉄鋼橋梁など、鋼製構造物等の工場製作過程における技術者の専任の基本的
な考え方は 「監理技術者資格者証運用マニュアルについて(平成6年12月、
28日付建設省経建発第395号 」の通達の 「二.技術者の工事現場にお) 、
ける専任 (3)工事現場における技術者の専任の基本的な考え方」のとおり、
です (以下抜粋)。
発注者から直接建設工事を請け負った建設業者にあっては、基本的には契約
工期をもって主任技術者又は監理技術者を専任で設置すべき期間とする。
ただし、次のような場合にそれぞれ掲げる期間については、設置される技術
者は、必ずしも専任を要しないが、いずれの場合も、その期間について手続上
明確になっている必要がある。
② 橋梁工事等に含まれる工場製作過程で、同一工場内で他の同種工事に係る
製作と一元的な管理体制のもとで行われる場合
当該工場製作のみが稼働している期間
問8-24
発注者 元請 一次下請
X町 当社 A社 下請負金額:6億
元請負金額:10億円
B社 下請負金額:1億
C社 下請負金額:1億
一次下請のA社と契約金額の50%を超えて下請契約すると、一括下請負
に該当すると指摘されました。これは一括下請負に該当しますか。
答
下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものではありませ
ん。
下請との契約が発注者との契約金額の50%を超えていても元請が当該工事
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に実質的に関与していれば一括下請負に該当しません。
なお、一括下請負に該当するか否かの判断は、許可部局(業法所管部局)が
行うこととなります。
問8-25
、 、ある工事の一次下請であるA社と 同じく一次下請であるB社の双方から
共にC社が二次下請として契約することは問題になりますか。工種が同じ場
合と、異なる場合で違いがありますか。
答
工種が同じ場合や異なる場合には関係なく、建設業法の適用を逃れるために
行っていないことを十分に証明できるような、下請負契約書により工事内容等
を点検し、実質的な関与について把握する必要があります。
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9.監督処分、罰則
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- 53 -
問9-1
一括下請負等の禁止行為が発覚した際の罰則規定にはどの様なものがあ
るのでしょうか。
答
違反行為の内容によって、指示、営業停止、許可取消しの監督処分と罰金、
懲役の罰則規定の摘要があります。
、 「 」なお 監督処分は 建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準について
(平成14年3月28日付け国総建第67号)等に基づき実施します。
問9-2
一次下請業者については、社内の外注業者評価基準に従い選定し、契約し
ていますが、二次以下の業者については把握が難しいのが現状であり、これ
らの業者が一括下請を行った場合の元請責任はどうなりますか。
答
元請責任の度合いについては、個々の案件毎に判断が必要ですが、発注者か
ら直接工事を請け負った特定建設業者は、建設業法第24条の6第1項又は第
2項の指導を的確に行っていない場合は監督処分の対象となると考えるべきで
す。また、下請負人等の違反事実を発見したにもかかわらず同条第3項の通報
を行わないときには、当然監督処分の対象となります。
問9-3
下請業者が孫請業者に再下請させたにもかかわらず、元請に対して報告せ
ず、再下請通知なしで工事が完成した場合、元請に対する監督処分はあるの
でしょうか。この場合、再下請負が認識されないため、施工体制台帳及び施
工体系図の記載漏れにもつながることとなりますが、このことに対する処分
もあるのでしょうか。また、孫請業者への指導や違反是正も実施されないこ
とになり孫請業者が労働安全衛生法等に違反していた場合、結果的に都道府
県知事等への通報を怠ったことになり、このことに対する処分はあるのでし
ょうか。
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答
建設業法第24条の6では、特定建設業者に、発注者から直接請け負った建
設工事に参加しているすべての下請負人が、その建設工事の施工に関し、本法
や関連する法令に違反しないよう指導に努める義務を課すとともに、下請負人
がこれらの規定に違反している場合における所要の措置について規定されてい
ます。
本規定は、文理上は訓辞規定とも解されますが、本条による指導の内容が建
設工事の適正な施工を確保する上で欠くことのできないものであること等か
ら、本条第1項又は第2項の指導を的確に行っていない場合は第28条の規定
により原則として処分の対象となります。併せて本条第3項の通報を行わない
ときも原則として処分の対象となります。
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内容に関する問い合わせ先
国土交通省関東地方整備局
建 政 部 建 設 産 業 課
電 話:048-600-1906
[email protected]メールアドレス:
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/index/soudan/index.htmホームページ: