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1 © 2018 特定非営利活動法人みんなのコード [email protected] 教育再生実行会議 技術革新WG NPO法人みんなのコード 代表理事 利根川 裕太

教育再生実行会議 技術革新WG · 「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」 活動内容 2020年度から必修化される小学校でのプログラミング教育にて、

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教育再生実行会議技術革新WG

NPO法人みんなのコード代表理事 利根川 裕太

h-tsuda
テキスト ボックス
資料3
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● ミッション

「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」

● 活動内容

2020年度から必修化される小学校でのプログラミング教育にて、

子どもたちがプログラミングを楽しめる授業が日本中に広まるよう

学校の先生等への支援を企業・行政と協力しながら実施。

特定非営利活動法人みんなのコードについて

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みんなのコード先生・校長

教育委員会等子どもたち

企業 行政

支援 授業

協力

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人のアプローチ (先生の研修) と テクノロジーのアプローチ (教材/事例集) の2本立てによる相乗効果

みんなのコードのアプローチ

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人のアプローチ テクノロジーのアプローチ

● プログラミング教育明日会議(シンポジウム )

● 教員研修● プログラミング指導教員養成塾

● プログル (教材)

● プロカリ (指導事例集)

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みんなのコードの活動実績 人のアプローチ

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「プログラミング教育明日会議」として最初の一歩を知って頂く為のシンポジウムを全国で開催し、

2018年度末までに20都市2500名の先生が参加

事例発表する先生たち 参加した先生たち

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みんなのコードの活動実績 人のアプローチ

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● 指導者研修会

各自治体・学校の研修会に講師として出張指導

これまでに1,500名超の先生に体系的な講義を実施。

● プログラミング指導教員養成塾

プログラミング指導のエキスパートを「結果にコミット」型で養成。

2017年度東京、大阪、福岡にて開講し合計80名の受講生。

今年度は500名超に拡大し、2020年度までに累計2000名の養成を目指す。

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● オンライン教材

日本の学校で使えるプログラミング教材「プログル」を提供

1年強で10万UU

みんなのコードの活動実績 テクノロジーのアプローチ

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みんなのコードの活動実績 その他

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● 書籍として体系化

「先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本」を出版。必修化の背景、実践事例、自治体単位の取組紹介を網羅

● 総務省「若年層へのプログラミング教育実証事業」

3期連続採択(石川県、北海道、神奈川県、新潟県)

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議論のアプローチ

2016年に決定し、2020年から全国で始まる

小学校プログラミング必修化のプロセスを省みることで、

技術革新 x 教育の課題が見えてくるのではないか。

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小学校プログラミング必修化のプロセス● 従来からの取り組み

○ 2010年 文部科学省 プログラミン リリース○ 2014年 文部科学省の「プログラミング教育実践ガイド」(旧)

〜〜 新たな流れとして 〜〜

● 2016年4月 産業競争力会議にて発表● 2016年5,6月 3回の有識者会議実施

○ 民間・NPO法人 (弊法人含む)からのヒアリング等● 2016年8月 「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」に編入● 2017年4月 未来の学びコンソーシアム発足 > 同年12月体制転換● 2020年 全国で全面実施へ

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プログラミング必修化の準備の現況● 人

○ 2017年度末段階で過半数(57%)の自治体がまだ研修等何もしていない *1

● 物・金○ 地方財政措置...

● 中身○ 「教科の中でプログラミング的思考を」

→ 「どうやって良いのか分からない」● 時間

○ 「各学校でのカリキュラム・マネジメント でお願いしたい」→ 「現状では時間が一杯いっぱいで。。」

*1 教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況等 文部科学省http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1406307.htm

0. 何もやっていない1. 担当を決め検討中

(何もやっていない)2. 研究会や研修を実施3. 授業を実施

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小学校プログラミング必修化からの私見

我が国の教育行政には

もっと新しいことを

上手く始められるようになってほしい

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何が課題であったか

課題① : 好事例の不足

小学校プログラミングの場合、有識者会議で共有された事例が

● 品川区京陽小学校● 神奈川学園精華小学校● CA TechKids

の3事例のみ

→ 先進的な挑戦を推進する、  多様な教育の場の枠組みが必要

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なぜ新しいことが始まらないか

全国画一十年

時間

場所

「画一的な教育制度」

北海道も東京も沖縄も学びが早い子もゆっくりな子も

1つの指導要領が10年程度

しかも、抽象的な指導要領から指導要領解説 → 教科書作成→ 標準時数と自由度が少ないとの現場からの声

多様なチャレンジをする場があれば、プログラミング教育もスムーズに立ち上がったのでは (私見)

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どうしたら新しいことが始まるか現在提供されている教育の機会

あまねく

経済的・地理的な

機会の平等

一部

標準的教育 What / How 多様な教育

市区町村立小中学校

私立小中学校

各種学校インターナショナルスクール・

フリースクール等

特別支援学校

教育課程特例校

全国画一十年

時間

場所

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プログラミングの得意な小学4年生の児童(自閉症スペクトラム障害)

- 学校には週二回の特別支援学級に通い

- 民間の教育サービス (*1) を介して、

プロフェッショナルのエンジニアに指導してもらい学習。(*2)

同教育サービスは、発達に凸凹があり、通常学級にも特別支援にも合わない子が多く訪れるが、彼らは公的な支援から漏れていることを課題と考えて民間教育機関としてサポート。

→しかしながら、経済的な負担もある上に、 この学びを評価する仕組がない他分野としては数学オリンピックの金メダルの受賞者も輩出。*1 Branch http://branchkids.jp/*2 朝日新聞 2018年09月15日 凸凹の輝く教育 より (写真含む)

http://www.asahi.com/area/tokyo/articles/MTW20180918131610001.html

子どもの観点から (事例として)

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小学生の15.0%が授業の内容が難しすぎると感じる

一方13.4%が授業の内容が簡単すぎると回答。(*1)

保護者の46.6%も「個性に応じて学習内容を選択的に」と回答し、共通派(49.4%)と拮抗(前回より10.7%増)(*2)

*1 ベネッセ教育総合研究所 小中学生の学びに関する調査報告書(2015)よりhttps://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey_on_learning_sheet_1.pdf*2 ベネッセ教育総合研究所・朝日新聞社共同調査 「学校教育に対する保護者の意識調査 2018」https://berd.benesse.jp/up_images/research/Hogosya_2018_web_all.pdf

子どもの観点から (定量的に)

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何が課題であったか

課題① : 好事例の不足

小学校プログラミングのような新しい挑戦をする為には、多様な教育の場が必要である (大人の都合)

多様な教育の場の提供は、大人の都合だけでなく、多様化する子どものためになる (保護者も前向きに)

→ 先進的な挑戦を推進する、多様な教育の場の枠組みが必要(*)

例)教育課程特例校・公設民営学校や一層の活用、経済的負担に配慮した各種学校未来の教室(経済産業省事業等)等の活用を

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何が課題であったか課題② : プログラミングの授業時間が確保されない。

→ 授業時間の使い方が大人の実社会の技術革新と差ができている。

実社会のデジタル化と乖離している例 (プログラミングとの対比に限らず)

● 書写 3年生以上 毎年30時間(*1) vs タイピング 5.9文字/分(*2)

● そろばん● 紙の地図● 手書きのグラフ

→ 大人がデジタルで使っている比率を参考にし、  未来を生きる子どもたちに適した教育の内容に改善する(*1) 新学習指導要領 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19981214002/k19981214002.html

(*2) 情報活用能力調査 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1356188.htm

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何が課題であったか

課題③ : バージョンアップが遅すぎる

例えば、小学校プログラミングの場合、2016年の有識者会議で検討された方針が2030年(頃)まで使われる。しかし、2017年 弊法人や外国発の授業に適した教材がリリースされる。

→ 社会の変化の速度が速くなっている中、  特に技術革新の速い領域については、  学校教育も変化の速度を上げる必要がある。

→ サイクルを短く、改訂内容を小刻みにする(※)と共に、  内容の学び先を①多様な教育の機会の場に求める(※10年間分の改訂を数回に分け実施するイメージ/現状の教育現場の多忙感を鑑みると”見直し”が先行か)

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どうしたら新しいことが始まるか

あまねく

経済的・地理的な

機会の平等

一部

標準的教育 What / How 多様な教育

市区町村立小中学校

私立小中学校

各種学校等インターナショナルスクール・

フリースクール・未来の教室等

特別支援学校

教育課程特例校

公設民営学校

②古い内容を減らす。③細かいサイクルで見直す ①多様な教育の機会を提供・承認する

④セクターを跨いだ学び方の広まり

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まとめ:どのような姿が未来の子どもに必要か

時間

場所

画一的な教育 → 多様で柔軟な教育制度

①多様な学びの場を作る

③細かいサイクルで見直す

②古いものは減らす

④セクターを跨いだ学び方の広まり

全国画一十年

時間

場所