41
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 平成30年度工業標準化推進事業委託費 戦略的国際標準加速事業: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた実現可能性調査 調査報告書 科学・安全事業本部 経済産業省 産業技術環境局 基準認証政策課 御中 平成31年3月22日

防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.

平成30年度工業標準化推進事業委託費戦略的国際標準加速事業:

防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた実現可能性調査

調査報告書

科学・安全事業本部

経済産業省 産業技術環境局 基準認証政策課 御中

平成31年3月22日

Page 2: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 2

目次

エグゼクティブサマリー 4

1. 調査概要 15

1.1 調査目的 16

1.2 調査項目と調査方法 17

1.3 調査工程 18

2. 日本企業の防災・減災技術・製品に関する調査 19

2.1 調査目的・調査方法 20

2.2 まとめ 21

3. 調査対象国の法制度及び国際標準・ガイドラインに関する調査 22

3.1 調査目的・調査方法 23

3.2 調査結果 24

3.3 調査結果の分析・整理 31

3.4 まとめ 32

Page 3: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 3

目次

4. 事前防災フレームの事業拡大への有効性に関する調査 33

4.1 調査目的・調査方法 34

4.2 調査結果の分析・整理ヒアリング結果の反映とフレーム案の提示、具体的ISO構成案の提示 35

5. 考察 37

5.1 事前防災フレーム活用のメリット 38

参考:出所記載 40

Page 4: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 4

エグゼクティブサマリー

• 背景・課題

• 仮説(解決の方策としての事前防災フレームの可能性)

• 調査結果 日本の防災・減災の製品・技術の優位性、海外展開時に直面する課題

• 調査結果 都市開発・インフラ整備における防災上の課題構造

• 調査結果 調査対象国の法制度状況、及び国際標準・ガイドラインの状況

• 調査結果 事前防災フレームの必要性

• 事前防災フレームの効能

• 事前防災フレームの構造(案)

• 活用のメリット -期待される効果-

• 国際標準化に向けた今後の展開

Page 5: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 5

<日本及び新興国等における防災・減災の取組>

◼ 我が国は、これまで様々な自然災害の被災経験からくる教訓に基づき、知見を法規制や計画、技術や製品に継続的に反映させてきた。法律や技術基準に則って、都市開発やインフラ整備が行われることで自ずと防災性能が確保されてきた。日本国内では、防災・減災を社会全体で都市そのもののあり方から推進していく土壌ができていると言え、各プレーヤーがそれぞれの認識のもと、日本社会全体の強靭化に資する役割を果たしている。

◼ 一方で新興国等(本調査は東南アジア諸国を対象とする)では昨今都市開発やインフラ整備が急速に進んでいるが、都市やインフラが必要十分な防災性能を有しているとは言い難い。兵庫行動枠組や仙台防災枠組が新興国政府に認識され、日本JICAはじめ各国ODAによる防災投資が行われているが、上述の状況が大きく改善しているようには見えない。

背景・課題

都市開発における事前防災概念

防災力向上・防災投資効率化防災投資拡大(市場拡大)

日本の防災・減災技術・製品

標準化 による本エリアへの概念・必要性の浸透

日本リードでの自然災害へのグローバルな対応力強化

各国での「防災の主流化」達成

東南アジア諸国

日本

日本技術の国際競争力向上

<防災・減災市場、日本企業の海外展開>

◼ 日本における防災・減災市場は、東日本大震災以降のプレーヤーの数の増加と質の向上に反比例し減少している。本分野に強みをもつ企業は、各社の成長戦略のもとで海外展開による活路を模索しているところであるが、現状では価格面や他国基準採用の面で非常に不利な競争環境に置かれており、海外進出の成功例はODAやJICA案件が主を占める等非常に限定的である。

◼ 防災・減災分野における日本の優れた概念・技術・製品を、同様の災害がある国でより必要としている市場に展開し、日本の知見を効果的・効率的に防災の主流化の文脈において貢献させていくためには、ODA以外の根本的なスキームの改善が必要である。

Page 6: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 6

A) 防災・減災を都市開発の段階で取組むことの概念とメリットへの認識が薄い、優先度が低い。

B) 防災・減災分野における現状のISO等国際規格や仙台防災枠組等の防災の概念の整備・浸透・活用状況が低い。

C) 日本が国として公的に認定する基準がなく、日本の基準が海外都市開発事業発注時に採用されない。

D) 日本の基準が性能規定となっていないため、海外において日本基準をそのまま適用することができない。

E) 防災視点のない海外基準の仕込みや発注者の理解不足により防災機能の優先度が低い調達要件である。

(海外諸国の規制当局・発注側)開発要件への「事前防災」の導入・採用基準や要件定義の性能規定化による入札条件の透明化・明確化・統一化、適切な投資内容と効果的投資の実施、現地企業の成長も含めた当該国都市のサステナビリティの獲得。

(海外諸国の企業)活用効果の高い技術・製品の導入・保守・運用にかかる適正技術保有企業との協業・技術取得・人材育成機会創出、企業のサステナビリティの増加。

(日本企業)防災機能が考慮された調達要件の設定、防災関連市場の海外への拡大促進。

(日本全体)仙台防災枠組ホスト国としての責務遂行、国内の様々な基準の概念統一化。性能規定化による、目的・手法・対策の適切性向上。

◼ 前頁の現状を引き起こす課題を、以下A)~E)と仮定する。

◼ これらの課題を解決するため、日本のインフラが防災性能を確保してきたプロセス(「事前防災フレーム」)を明確化し、新興国等に提供することが必要かつ効果的ではないかと考えられる。

◼ 「事前防災フレーム」の国際標準化と利用促進により、国際的に事前防災概念が統一化、及び都市開発時の採用の促進が図られ、海外諸国の規制当局・発注側、海外現地企業、日本企業、日本全体に以下のメリットが想定される。

「事前防災フレーム」

国際標準化・利用促進

事前防災概念の統一化都市開発時に採用

仮説(解決の方策としての事前防災フレームの可能性)

課題 メリット

事前防災フレームが目指す効果

防災投資効率化

日本知見の防災主流化への貢献

現地防災力向上

防災投資拡大

新興国等での都市開発・インフラ整備

Page 7: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 7

調査項目と調査方法

調査項目 調査方法

①東南アジア諸国の都市開発市場において防災・減災技術・製品を有する日本企業が事業拡大という観点で直面している問題点及び他国企業と比較して日本企業が優位性を発揮できる防災・減災技術・製品を把握する。

1次ヒアリング調査、

アンケート調査

②東南アジア諸国における都市開発や施設建設・運用などに関する法制度及び既存の防災・減災分野の国際標準・ガイドライン等を整理した上で、これらに事前防災の検討フレームの標準化と親和性、整合性及び補完性があるかどうかを調査する。

文献調査

東南アジア諸国の都市開発市場に参入している防災・減災技術・製品(主として上記①の調査で特定したもの)を有する日本企業や有識者に対して、事前防災の検討フレームの標準化が東南アジアにおける事業拡大に寄与し得るかどうか、またもし貢献し得るのであれば、具体的にはどのような要素を標準に含めるべきかについてヒアリングを実施する。

2次ヒアリング調査

◼各調査項目と調査方法を以下に整理する。◼調査項目①~③の実態把握とフレーム検討を効果的に進めるため、事業開始直後に全体の項目を通した簡易ヒアリングを1

次ヒアリングとして実施し、企業アンケートの調査とWeb調査の足がかりとした。

調査項目・調査方法

Page 8: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 8

調査結果 日本の防災・減災の製品・技術の優位性、海外展開時に直面する課題

日本の製品・技術のうち、他国に比較して特に優位性のあるものは土地開発分野(特に砂防分野)の技術・製品にある。都市計画や構造物の分野においても、各国の経済の発展や、新たな社会課題への解決の必要性が顕在化した際に、日

本技術・製品の優位性は現在以上に向上することが期待される。設備・機器や情報システム等においては、運用と維持を主目的とすること、各国の防災概念や法制度等の環境整備が行

われること等により、優位性を向上させることは十分可能である。

日本企業が直面する課題

A.製品・技術①製品・技術力

②価格力

B.環境

①防災の認識・概念

②法・管理体制

③諸手続き

④現地調達・運用、資格要件

⑤競合状況

⑥カントリーリスク

日本の防災・減災の製品・技術の優位性

◼日本企業への調査、文献調査等により以下の状況が確認できた。

海外展開時に直面する課題

日本の製品・技術が海外展開上直面する課題には、大きく製品・技術の課題と環境の課題が存在する。

環境面の課題のうち、主に 防災の認識・概念 、 法・管理体制 の課題については、各国の制度上の改善を要求しなければ解決が難しい。

一方で、各国の 防災の認識・概念 、 法・管理体制 の課題が解決されれば、全般的に指摘される日本の技術・製品の他国との価格差(価格力)や 資格要件 、 競合状況 についても、十分改善される可能性がたかい。

現状、インフラ開発・導入に重きがおかれているが、今後、運用・メンテナンス・更新のフェーズに移行すれば、人材・資材の 現地調達 についても必須となることが考えられる。 (→9頁)

Page 9: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 9

調査結果 都市開発・インフラ整備における防災上の課題構造

区分 現状の課題と動向

法・管理体制の整備不足

管理体制

防災統括部署が不明/あるが権限が小さい

観測・施設・応急対応の部署間連携がない

中央政府と地方政府との連携がない(例:河川は州管理)

法制度・規則等

災害発生後、被災地アクションプランは作成されるが、継続せず全国展開もなし

被災地にODA毎に地震観測網設置、相互接続なく、市民速報に利用されず

フィリピンでは地震速報設置が集客施設等に義務化、全国展開

人材日本で教育を受けた人材が現地で活躍し、日本式防災の浸透を期待

現地パートナー企業の技術力が低い

防災認識概念不足

リスク情報

地質データ等を軍が管理、公開制限

ODA毎にハザードマップが作成されるが様式非統一で普及せず

地質調査の重要性が認識されず予算が乏しい

性能目標都市開発やインフラ整備において経済性が優先される

現地の耐震基準は緩い、日本並みだとコスト高で受入れらない

技術基準 技術基準はあっても宗主国のものを鵜呑み、現地の災害リスクを反映せず

その他

運用 気象レーダがODA導入されても保守がされず使われない

見直し 日本では災害毎に教訓踏まえ法律や技術基準が改正される

●組織の責任と連携を明確化

●法律化することで継続性を確保

●性能目標に防災性能を組込み

●災害リスク評価の実施

●評価に基づく一連の開発・整備

●評価を可能とするデータ観測と公開

●継続的な改善

解決の方向性

◼日本企業への調査結果より、東南アジア諸国において、都市開発やインフラ整備における防災上の主な課題と今後の方向性については、以下のように整理される。

◼ これらの課題を解決するための方向性として挙げられる要素が、事前防災フレームに組み込まれていることが望ましい。

Page 10: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 10

調査結果 調査対象国の法制度状況、及び国際標準・ガイドラインの状況

東南アジア諸国の法制度は、「兵庫行動枠組」、 「仙台防災枠組」をきっかけとして各国で整備が進み、災害管理庁設立や災害リスク関連情報の整備、統合が行われているところである。一方、実務担当省庁の具体的な施策内容や各国の施策進捗状況に関しては、国情によりばらつきがみられる。

国際標準・ガイドライン等は、本フレームと整合性・親和性・補完性を有する、気候変動やスマートシティ等の防災・都市計画全般に近しい国際標準、緊急事態管理等の補完性を有する防災減災の機能・要件の国際標準、大きな方向性を定める仙台防災枠組等のガイドライン等が存在するが、都市開発における防災観点のプロセスを統合的に規定するものは存在しない。(→11頁)

調査対象国の法制度状況、及び国際標準・ガイドラインの状況

◼日本企業への調査、文献調査等により以下の状況が確認できた。

Page 11: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 11

調査結果 事前防災フレームの必要性

SDGs

仙台防災枠組

2015-30

JICA: GUIDEBOOKFOR URBAN RESEARCH

事前防災フレームを想定する空白域

応急対応

復旧・復興

性能評価標準 各国手段

ISO22325危機管理能力

アセスメント

世界共通の方向性プロセス規定

フェーズ 対象

活動

国土産業

兵庫行動枠組

2005-15

ISO37153都市インフラ成熟度モデル都市

インフラ

環境社会統治

防災

ADB:Climate Change

Operational Framework

予防(抑止・軽減)

気候変動

ISO22320緊急事態管理

法律計画基準

組織

現地政府による具現化(組織化、法制化等)

気候変動対策との両立

都市機能の持続性との両立

プロセスにより防災性能を実現

予防(抑止・軽減)

準備

都市インフラ

プロセスに落とし込み

◼日本では様々な都市開発と防災に関する法令・規定が存在するが、東南アジア諸国においては日本のような法制度は整備中の段階。兵庫・仙台防災枠組みやSDGsの考え方に対して、その具現化を行うプロセス規定が存在しない。

◼各地域ごとにドナーによる評価基準が策定されている場合があるものの、地域・ドナー毎にも異なる。統一的に防災と都市開発を包含する、その他同種の国際標準とも両立できる基準が必要である。

新興国では防災分野の組織・法制度等が整備中であり体系化がなされていない※日本は整備されている

Page 12: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 12

事前防災フレームの効能

◼当事国の地域特性に応じたリスク評価をもとに、災害に配慮したインフラ整備など、戦略的かつ持続的なDRR (Disaster Risk Reduction)の実現を目指す。

◼都市開発の際に、適切な製品・技術でDRRを実現するため、各国のリスクと状況、ニーズに沿った具体的観点・手順・手段を要求し、評価を行う。組織の責任と連携を明確化した上で、行政・事業者・ドナー・技術者等が備えるべき事項、考え方、役割を規定する環境整備を要求し、組織、法律・基準、資金、ツール、人材の投資を適正化する。

◼事前防災フレームの構築に際しては、各国の法制度等に及ぼす効果、また防災の国際的枠組や国際標準・ガイドラインとの関係性を明確にし、それらと相補的なものとして設定することが肝要である。

準備

運用

計画見直し

施工

事前防災フレーム

技術者

法律

ドナー

事業者

行政

戦略的DRRの促進

国際的枠組みとの整合 当事国の状況・ニーズとの整合

組織、法律・基準、資金、ツール、人材の適正化

構想

設計

Page 13: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 13

事前防災フレームの構造(案)

都市開発・インフラ整備

準 備

計 画

設 計

運 用

施 工

構 想

見直し

開発・整備プロセス 防災の要素 マネジメント

組織の責任と連携の明確化

法律・ルールの制定、技術基準の整備

関係者間で技術情報の共有

費用対効果評価、資金の確保

トップによるコミットメント

人的能力の評価と開発

政府(開発・防災)・ODAドナー・ディベロッパー対 象

PDCA Cycle

◼事前防災フレームは、関係する主体全てに対し、都市開発の手順に運用まで想定した防災の視点を組み込むことを標準化し、そのためのあるべきマネジメントについても規定するものとする。

◼ プロセスは都市開発・インフラ整備のプロセス及び災害ごとのマネジメントまで含めた全体のPDCAサイクルを意識し、見直しが次の構想や計画に活かされるようにすることが望ましい。

●災害観測、災害関連データ蓄積●災害関連データ公開、ハザードマップ作製

●災害リスク評価、立地選定●都市・インフラの目標性能設定(防災性含む)

● 災害リスクと目標性能に応じた施設配置● (同)防災施設配置、災害情報システム導入

● (同)施設強度・容量等確保● (同)防災設備導入、他システム接続

●設計性能を満たす施工

●都市やインフラの状態監視(人流・物流)●警戒/発災時の緊急時対応●設計性能を満たす運用と保守/点検

●定期的・災害時レビュー、改善

Page 14: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 14

活用のメリット -期待される効果-

事前防災フレームがない場合

◼ 水害リスクが非常に高い場所に都市を建設し、被災した◼ 津波早期警戒システムが予算不足で機能せず被害が発生した◼ 国内にDRR目的の様々な製品が乱立し、運用や管理・メンテ

ナンス方法が異なるため非常に複雑で展開国で対応できない

◼ どのような製品や技術を選定すべきかの基準がわからず、高機能すぎる製品を予算で僅少数のみ導入した/機能が不足した廉価品を沢山導入した

◼ 緊急地震速報システムを目指して地震計を各国の支援で導入したが、製品ごとに仕様が異なるためネットワーク化できず機能しない

事前防災フレームがある場合

◼ リスクの高い地域・低い地域でそれぞれの地域が行うべき災害対策を管理組織が判断でき、対策に必要な資金も用意できる

◼ リスク管理に必要なデータが各管理組織で整備され、それをDRR目的での活用が所定の手続きで可能である

◼ 土砂災害のリスクがある地域にインフラを導入する際は、土地開発にて適切な処置を行った上で導入し、定期的に検査する体制が確保できる

◼ 地域の管理組織や導入されている製品が異なっていても、災害時に問題なく運用できる

◼ 製品が故障した場合、現地でメンテナンス・維持できる

◼事前防災フレームにより、現状様々な開発援助や発注で東南アジア諸国が導入している防災・減災の製品・技術で発生している課題や災害発生時の運用課題が、組織、法律・基準、資金、ツール、人材の点で解決することが想定される。

◼各国が自らの判断で自らのリスク管理に必要な製品・技術が適切かつ効果的に導入できるようになり、都市のレジリエンス確保と経済発展・社会課題解決の両輪運用が可能となる。

海外展開国において、事前防災フレームを活用した場合に各主体が得るメリット

【新規開発・導入】

◼ 費用対効果を自国基準で適切に判断し、レジリエ

ントな都市開発を中長期的に実現

◼ 災害対応・復旧コストの低減

【既存再構築】

◼ 乱立する製品・技術の整理と、目的に見合った整

備・運用の実現による実質的DRR

現地発注者(政府)

◼ 事業機会、技術移転や教育機会獲得と、企業の

持続性の向上

◼ 日本企業との長期的連携による収益性の向上

◼ 投資・導入した製品・技術の実用性の向上、DRR

効果向上による支援目的の効果的達成

現地企業(デベロッパー)・ドナー

◼ 展開国での所掌特定・予算確保、現地企業との

連携による営業効率化・ランニングコスト削減

◼ 日本に近しい技術仕様での広域展開(リスク観

点のない基準準拠の手間・期間・コストの縮小)

◼ 防災機能の無い他国廉価製品との差別化、防災

機能の無い他国廉価製品に対する優位性の確保

展開する日本企業

現地企業(デベロッパー)

ドナー

技術基準レベルでは以下のような課題も解決可能

技術基準レベルで解決できるもの

Page 15: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 15

1.調査概要

1.1 調査目的

1.2 調査項目と調査方法

1.3 調査工程

Page 16: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 16

背景

我が国は、これまで様々な自然災害の被災経験からくる教訓に基づき、知見を法規制や計画、技術や製品に継続的に反映させてきた。日本国内では、防災・減災を社会全体で都市そのもののあり方から推進していく土壌ができていると言え、各プレーヤーがそれぞれの認識のもと、日本社会全体の強靭化に資する役割を果たしている。

しかしながら、日本における防災・減災市場は、東日本大震災以降のプレーヤーの数の増加と質の向上に反比例し減少している。本分野に強みをもつ企業は、各社の成長戦略のもとで海外展開による活路を模索しているところであるが、現状では価格面や他国基準採用の面で非常に不利な競争環境に置かれており、海外進出の成功例はODAやJICA案件が主を占める等非常に限定的である。

防災・減災分野における日本の優れた概念・技術・製品を、同様の災害がある国でより必要としている市場に展開し、日本の知見を効果的・効率的に防災の主流化の文脈において貢献させていくためには、ODA以外の 根本的なスキームの改善が必要である。

1.1 調査目的

調査目的

日本が自らの知見を東南アジア諸国へ共有する上で考え得る様々な手段のうち、「(国際)標準化」、特に「都市開発等の際に防災・減災対策を検討するためのリスク評価の手法などの標準化及びその普及」に着目し、東南アジア諸国における都市開発市場の現状把握等を通じて、東南アジア諸国における自然災害の被害軽減や日本企業の事業機会の拡大に、事前防災の検討フレームの標準化が寄与し得るかどうかを検証する。

Page 17: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 17

1.2 調査項目と調査方法

調査項目 調査方法

①東南アジア諸国の都市開発市場において防災・減災技術・製品を有する日本企業が事業拡大という観点で直面している問題点及び他国企業と比較して日本企業が優位性を発揮できる防災・減災技術・製品を把握する。

1次ヒアリング調査、

アンケート調査

②東南アジア諸国における都市開発や施設建設・運用などに関する法制度及び既存の防災・減災分野の国際標準・ガイドライン等を整理した上で、これらに事前防災の検討フレームの標準化と親和性、整合性及び補完性があるかどうかを調査する。

文献調査

東南アジア諸国の都市開発市場に参入している防災・減災技術・製品(主として上記①の調査で特定したもの)を有する日本企業や有識者に対して、事前防災の検討フレームの標準化が東南アジアにおける事業拡大に寄与し得るかどうか、またもし貢献し得るのであれば、具体的にはどのような要素を標準に含めるべきかについてヒアリングを実施する。

2次ヒアリング調査

◼各調査項目と調査方法を以下に整理する。◼調査項目①~③の実態把握とフレーム検討を効果的に進めるため、事業開始直後に全体の項目を通した簡易ヒアリングを1

次ヒアリングとして実施し、企業アンケートの調査とWeb調査の足がかりとした。

調査項目・調査方法

Page 18: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 18

1.3 調査工程

◼各調査は、その実施内容と結果が有機的に結びつくよう、各調査の実施スケジュールにも配慮した。

Page 19: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 19

2. 日本企業の防災・減災技術・製品に関する調査

2.1 調査目的・調査方法

2.2 まとめ

Page 20: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 20

① ヒアリング調査

2.1 調査目的・調査方法◼ 「事前防災フレーム」の国際標準化と利用促進が、現在顕在化している日本企業の海外展開上の課題の解決となるかを調

査するため、他国企業と比較して日本企業が優位性を発揮できる防災・減災技術・製品と、東南アジア諸国の都市開発市場においてこれらの製品・技術を有する日本企業が事業拡大という観点で直面している問題点を把握した。

調査は、日本の防災・減災技術・製品の海外展開を見据えるJBP(日本防災プラットフォーム)会員企業を中心に、ヒアリング調査及びアンケート調査を実施することで行った。

目的日本が優位であると考えられる防災・減災の都市開発・インフラ整備製品・技術を有し、すでに海外展開実績のある企業・部門に対し、海外進出状況、展開上の課題、防災・減災概念のフレームを標準化することでその課題を解決できる可能性についてそのポテンシャルを把握し、合わせて②のJBP全会員向けアンケート調査票作成の視点とする。

ヒアリング対象フレームで検討することを仮定する対象6分野の製品・技術を既に海外展開している7企業/部門

ヒアリング項目(1)貴社の防災・減災技術・製品の東南アジアはじめ海外への進出状況

• 進出国、展開している製品・技術、およびその進出状況展開国における貴社製品・技術分野の強み・弱み

• 貴社製品・技術が海外現地で関わる法制度等(2)東南アジアはじめ海外での展開における課題

• 製品・技術の課題(競合企業、価格、コスト等)• 環境面の課題(進出国の防災概念浸透度、担当者の理

解、法制度等)(3)事前防災の検討フレームの必要性とその含めたい要素

• このような事前防災フレームの作成に関するご意見• 構成として是非含まれたい項目・要素等• 活用する際の課題や懸念事項等

目的①のヒアリング調査結果を踏まえ、JBP全会員企業を対象に現状展開している/未展開(検討中を含む)の企業の調査を行う事により、①よりも広い分野において日本企業が抱える課題と強み、及び展開国の防災・減災における環境を正確に抽出し、 事前防災フレームの有効性を検証するための基礎資料とする。

② アンケート調査

アンケート対象全てのJBP会員 82企業・団体

各機関への依頼内容各機関の海外展開状況、防災・減災分野の技術・製品、展開国、展開形式、強みと課題、事前防災フレーム活用の可能性/懸念事項

アンケート実施期間2019年1月11日~2019年1月25日 回収率:32%(26社)

回収率

調査手順

Page 21: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 21

2.2 まとめ◼ 日本の製品・技術のうち、他国に比較して優位性のあるものは土地開発分野にあり、その他の分野においても環境整備により今以上の

優位性を持ちうることがわかった。◼ 事業拡大の観点で直面している問題点は関係主体の防災認識・概念や法・管理体制等からくる差別化の難しさ、価格差があり、解決

の要素を事前防災フレームに組み込むことで、そのビジネス環境が改善しうることも示唆された。

課題

A. 製品・技術の課題

①製品・技術力・他国に比べ、製品・技術に日本優位性がない・展開の際に現地国へのローカライズが必要

②価格力・他国と比較して高価格、防災性能を有しない他国低価格品に負ける・日本基準でリスク管理を行おうとすると高い

B. 環境面の課題 ①防災の認識・概念・防災意識はあるが、リスク管理まで至っていない・長期的レジリエンス確保の概念薄、予算確保難・災害対応の概念が大きく異なる、リスク管理視点のない国の基準を採用している

②法・管理体制・所掌が決まっていない・法制度・技術基準・連携体制の不足

③諸手続き・必要書類が複雑かつ煩雑、調達プロセスが不透明

④現地調達上・資格要件上の課題等・現地登記が必要、都市により同技術利用の許可がおりる場合とおりない場合あり

⑤競合状況・現地国企業の優先、リスクの異なる海外企業の占有・各国・各ドナーが同市場に多数存在、他国規格が既存インフラに活用されている

⑥カントリーリスク等・政治・物価・治安の問題・資金回収、ビジネス慣習の違いによるリスク

日本の防災・減災技術・製品の優位性

インフラ整備上必要な斜面防災技術の技術基準で防災に関するものは日本にしかない。

土地開発

コンパクトシティ等社会課題解決、都市の防災性水準向上事業では優位性あり。定量的調査やデータに基づく計画は日本のものが丁寧。

都市計画

道路事業では現地がニーズを認識してきたことで「防災対応」ODAが増加。斜面防災意識の高まりから日本への期待が高い。

構造物

災害に関して日本からの情報提供が多く、日本技術の信頼性は高い。日本で学んだ技術者が帰国し、現地で日本に親和性のある制度が整備されつつある。

建築物

公共性の高い建築物に対して、地震計の設置が義務化されつつある。取られたデータの活用やネットワーク化、現地での運用・メンテナンスも含むことが今後の鍵。

設備・

機器

情報のフローや他地域とのネットワーク化、現地運用・メンテナンスも含むことが今後の鍵。既に導入が進んでいる国では、既往製品とのフローも考慮する必要あり。

情報

システム

製品・技術に非常に優位性がある

環境整備により今以上に優位性を持ちうる

日本企業が事業拡大の観点で直面する問題点

Page 22: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 22

3. 調査対象国の法制度及び国際標準・ガイドラインに関する調査

3.1 調査目的・調査方法

3.2 調査結果

3.3 調査結果の分析・整理

3.4 まとめ

Page 23: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 23

3.1 調査目的・調査方法

◼ 「事前防災フレーム」の国際標準化における前提として、法制度等に基づいて各国の都市計画は行われており、国際標準化を視野に入れるにあたってはそれらと相反しないか、また「事前防災フレーム」の考え方がまだ導入されているか否かも把握すべきである。東南アジア諸国においても、国際標準やガイドラインに基づく防災が進みつつあり、既存の国際標準やガイドラインとの関係に加え、「事前防災フレーム」は現状に照らして整備する必要があるか否かも把握すべきである。

◼以上を目的として、東南アジア諸国における都市開発や施設建設・運用などに関する法制度及び既存の防災・減災分野の国際標準・ガイドライン等を整理した上で、これらに事前防災の検討フレームの標準化と親和性、整合性及び補完性があるかどうかを調査した。

① 法制度等調査

調査は、法制度等調査と国際標準・ガイドライン等調査をそれぞれ文献調査で実施した。

目的調査対象国における事前防災に関連する法制度等の整備状況や動向を把握し、「事前防災フレーム」のような考え方の有無、「事前防災フレーム」の国際標準化の当該国の事前防災強化に対する有効性か検討するための基礎資料とする

文献調査対象インドネシア・フィリピン・ミャンマー・日本の4カ国の法制度等詳細な文献一覧は付録を参照

調査結果の整理調査結果は以下の分類で各国比較可能な形で整理を実施⚫ 基本計画⚫ 都市計画・インフラ整備における防災減災の機能・要件➢ 都市計画 / 土地開発 / 構造物

/ 建築物 / 設備・機器 / インフラ

目的国際標準・ガイドラインの整備状況を調査し、それらを親和性、整合性及び補完性で整理し、「事前防災フレーム」に類似する国際標準等の有無を把握し、さらに「事前防災フレーム」の国際標準化に際して踏襲すべき考え方の視点とする。

② 国際標準・ガイドライン等調査

文献調査対象防災や都市計画に係る国際標準・ガイドライン等詳細な調査対象一覧は付録を参照

調査結果の整理調査結果は国際標準とガイドライン等はそれぞれ以下の分類を実施。

国際標準⚫ 「事前防災フレーム」との親和性・整合性・補完性の有無の確認⚫ 「事前防災フレーム」と同等又は類似の既存の国際標準の有無

ガイドライン等⚫ 「事前防災フレーム」と親和性・整合性・補完性の有無の確認⚫ 「事前防災フレーム」に組み入れるべき要素

Page 24: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 24

日本の法制度・計画

◼基本法や基本計画、また各種都市を構成するインフラ等について法律が制定済み。

◼激甚災害をきっかけに制定された法律も多数。例)伊勢湾台風(1959年) :災害対策基本法(1961年制定) 等

阪神淡路大震災(1995年) :被災市街地復興特別措置法(1995年制定) 等東日本大震災 (2011年) :津波防災地域づくり法(2011年制定) 等

◼昨今は将来起こりうる災害に備えて事前に法律を制定する事例もあり、日本は事前防災に対する意識が高まっている。例)東海地震、南海トラフ巨大地震等 :大規模地震防災・減災対策特別措置法(1978年制定)等

3.2 調査結果 日本の法制度

基本法基本計画

都市開発・インフラ整備等における 防災・減災の機能・要件

都市計画 土地開発 構造物 建築物 設備・機器 情報インフラ

法制度

• 災害対策基本法(内閣府)

• 大規模地震対策特別措置法(内閣府)

• 土砂災害防止法(国交省)

• 豪雪地帯対策特別措置法(国交省)

• 津波防災地域づくり法(国交省)

• 被災市街地復興特別措置法

• 国土総合開発法• 密集市街地における

防災街区の整備の促進に関する法律(全て国交省)

• 河川法• 海岸法• 砂防法• 水防法• 被災市街地復興特

別措置法• 特殊土じょう地帯災

害防除及び振興臨時措置法

• 土地区画整理法• 都市再開発法

(全て国交省)

• 地震防災対策特別措置法(内閣府)

• 河川法(国交省)• 海岸法(国交省)• 砂防法(国交省)• 工業用水法(国交

省)• 被災市街地復興特

別措置法(国交省)

• 活動火山対策特別措置法(内閣府)

• 建築基準法(国交省)

• 被災市街地復興特別措置法(国交省)

• 地震防災対策特別措置法(内閣府)

• 活動火山対策特別措置法(内閣府)

• 河川法(国交省)• 海岸法(国交省)• 砂防法(国交省)• 水防法(国交省)• 消防法(総務省)• 工業用水法(環境

省、経産省)

• 活動火山対策特別措置法(内閣府)

• 水防法(国交省)• 消防法(総務省)

計画等

• 防災基本計画(内閣府)

• 大規模地震防災・減災対策大綱(内閣府)

• 都市計画運用指針(国交省)

• 河川砂防技術基準(国交省)

• 津波防災地域づくりの推進に関する基本的な指針等(国交省)

• 危険水位、特別警戒水位、避難判断水位の設定要領(国交省)

• 政府業務継続計画(内閣府)

• 中央省庁業務継続計画(各省庁)

• 政府業務継続計画(内閣府)

• 中央省庁業務継続計画(各省庁)

• 危険水位、特別警戒水位、避難判断水位の設定要領(国交省)

• 全国瞬時警報システム業務規程(総務省)

• 政府業務継続計画(内閣府)

• 中央省庁業務継続計画(各省庁)

• 緊急地震速報利用マニュアル等(各主体)

• 全国瞬時警報システム業務規程(総務省)

Page 25: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 25

3.2 調査結果 インドネシア、フィリピン、ミャンマーの法制度

基本計画都市開発・インフラ整備等における 防災・減災の機能・要件

都市計画 土地開発 構造物 建築物 設備・機器 情報インフラ

インドネシア

✓ 基本法:災害対策に関するインドネシア共和国法律 2007 年第24 号

✓ 行動計画根拠法:災害対策遂行に関する2008 年インドネシア共和国政令第 21 号

✓ 行動計画:国家災害リスク軽減行動計画

✓ 行動計画:地方災害リスク軽減行動計画

✓ 国家開発体系法(法律2004年第32号)

✓ 国家長期開発計画(2005-2025年)

✓ 国家中期開発計画(RPJMN 2015-2019)

✓ ジャボデタベックジュール空間計画(2008)

被災地域の復興計画✓ 国家開発企画省(ア

チェ州及びニアス島の再建復興計画(ブループリント))

✓ 国家空間計画(法律2008年第26号)

✓ 沿岸・島嶼部管理に関する法律(第27号)

✓ ハザードマップ:国家規格(SNI)

✓ 都市体系計画(全国道路網計画、有料道路網計画、鉄道網計画、漁港計画、空港計画を推進。緑地帯の確保や防災面での整備が必要とされている。)

✓ 2002年建築法第28号

✓ 建築許可制度(IMB)✓ 建築に関する地方行

政令(PERDA)✓ 建築設計基準(鉄筋コ

ンクリート建築物設計、建築物耐震設計指針等

✓ 耐震設計基準SNI03-1726-2002

✓ 中期的戦略計画(RENSTRA) に基づき地震観測網の強化(全国500 か所、ODA中心)

✓ 通信産業省大臣令(No. 2-2016)(災害情報伝達に関わる各関係機関の役割や災害情報伝達の流れ)

✓ 気候学および地球物理学に関する法律第31/2009号

フィリピン

✓ 基本法:災害リスク削減・管理法(2010)

✓ 行動計画:国家災害リスク削減・管理計画(NDRRMP) (2011-2028)

✓ 中期国家開発計画(2017-2022)

✓ 大統領令第1067号(水法)

✓ 国家開発計画に準拠 ✓ 国家建築基準(NBCP)✓ 国家構造基準✓ 防火基準

<地震関連>✓ 大統領令第78 号✓ 大統領令第1149 号<火山関連>✓ 共和国法第766 号✓ 大統領命令第984 号

ミャンマー

✓ 基本法:ミャンマー国家自然災害管理法(2013)

✓ 行動計画:災害リスク軽減のためのミャンマー行動計画2017 (2017~2030年)

✓ 服務規程(2009)

✓ 都市・地域開発計画法(2018)

✓ 行動計画の優先項目 ✓ 行動計画の優先項目 ✓ 行動計画に準拠✓ 消防法(1997)✓ 建築基準(2016)

✓ 早期警報システム(行動計画の優先項目)

インドネシア、フィリピン、ミャンマーにおける事前防災関連法・計画

◼内容にばらつきは見られるものの、3か国とも基本法(管理法)や防災行動計画は策定済み。

◼激甚災害の被災地域では、ODAプロジェクトの一環として、復興計画の中に災害に配慮した地域計画を策定する動きがみられる。

◼将来起こりうる災害に備えて事前に法律を制定する事例は見られないが、事前防災の要素を開発計画に盛り込む国もみられる。

出所)巻末文献リストを参照

Page 26: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 26

3.2 調査結果 まとめ インドネシア、フィリピン、ミャンマーの法制度

◼3か国の法制度、行動計画の整備状況からみた示唆は以下のとおりである。

課 題 概 要 求められる解決策の例

事前防災の有効性に対する認知度の低さ

3か国とも災害管理法や行動計画は策定済み。政情が不安定な国や、経済発展が遅れている国では、事後の対応に偏っており、事前防災に関する内容の充実が遅れている。

✓ 事前防災を実施することにより、災害による経済被害が低減されるという認識を広める

✓ 国家開発計画の中に事前防災の要素を盛り込む

災害管理庁と実務省庁とのパワーバランス

各国で設置された災害管理庁は、関連省庁の調整機能を果たしているが、発災後の災害対応が中心となっている。事前防災の実務はインフラや通信整備の主管庁等が担っているため、具体的な計画策定、予算獲得、実施には直接関与していない。

✓ 災害管理法において、災害管理庁を大統領直下の組織にするなど権限拡大を再規定

✓ 実務省庁の予算配分の条件に事前防災要素を含む

地方政府のキャパシティの弱さ

災害管理法、自治法により、地域における事前防災実務の主担当は地方政府と規定されているが、キャパシティが弱い地方政府がかえって事前防災の取り組みを遅らせる要因となっている。多民族、多言語国家も多く、行政制度が日本より複雑な傾向にある。

✓ 国主導または国際協力を通じたキャパシティビルディングの実施

✓ 地方への事前防災関連予算配分の増額

災害関連情報の分散 災害に関するデータは中央政府と地方政府において収集されているが、必要に応じて共有されるものの、基本的にバラバラに保有されている。その結果、国全体の災害データを正確的かつ連続的に把握することが困難。

✓ 災害データの収集方法を国内で標準化✓ 収集したデータを統合する部署や組織を設立

被災地域や都市部のみへの事前防災対応

各種都市を構成するインフラ等については、甚大被害に遭った地域の復興計画や首都圏には盛り込まれているが、手付かずの地域が残されている。

✓ 収集したデータに基づき、全国で標準化したハザードマップを作成し、将来リスクの高い地域でも事前防災を促進

都市計画の設計基準や個々の技術基準の不統一

都市計画策定の場においては、事前防災の実施者である地方自治体間で統一の方法がとられておらず、バラバラに対応している。一方、構造対策、非構造対策の現場では、世界標準よりも低い技術基準が適用されている状況。

✓ 都市計画の計画、実施、運用のすべての過程で事前防災の要素を検討するフレームの策定

✓ 自国の環境に適した技術基準の研究

将来起こりうる災害への備えができていない

将来起こりうる災害を想定し、それらに備えて事前に法律を制定する動きは見られない。

✓ 将来起こりうる災害の想定が自国だけでは難しい場合、近隣諸国と先進国が連携し、国を超えた広域で対応

出所)巻末文献リストを参照。

Page 27: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 27

3.2 調査結果 防災・都市計画全般に関わる国際標準

◼整合性・親和性・補完性は以下のような考え方で整理を実施した。

◼整合性:「事前防災フレーム」の考え方や事前防災の取組みに必要な要素が一致している、もしくは含んでいる

◼親和性:「事前防災フレーム」の取入れるべき考え方を有する

◼補完性:「事前防災フレーム」をより具体化・強化する

◼国際標準・ガイドライン等は、調査を進めるとその性質に鑑み以下の3区分が存在した。調査結果の整理を行った。

◼防災・都市計画全般に関わる国際標準:「事前防災フレーム」と同様に防災・都市計画について定めており、整合性・親和性・補完性いずれも有すると考えられる。また、「事前防災フレーム」と同様もしくは類似する国際標準の有無について確認する。

◼防災減災の機能・要件に関する国際標準:「事前防災フレーム」の具体的な対象について定めており、特に補完性を有すると考えられる

◼ ガイドライン等:「事前防災フレーム」に関連しうる国際的な考え方等が定められており、特に整合性・親和性を有すると考えられる

Page 28: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 28

3.2 調査結果 防災・都市計画全般に関わる国際標準

◼防災や都市計画全般に関連する国際標準は、主にISO 22300シリーズ(社会セキュリティ)、ISO 31000シリーズ(リスクマネジメント)、 ISO 37100シリーズ(コミュニティの持続可能な発展、スマートコミュニティ)が挙げられる。いずれも考え方は親和性があり、位置づけは類似しているが、「事前防災フレーム」のように都市計画における事前防災を俯瞰するものではなく、同様の国際標準は存在していない。

◼各シリーズの具体的な対象に対する指針等は、「事前防災フレーム」にも取入れるべき考え方を持つものや、「事前防災フレーム」をより対象を明確にかつその考えを補完してくれるものがある。以下に特に関連のある国際標準を示す。

国際標準 名称 整合性 親和性 補完性

ISO 22301:2012 社会セキュリティ – 事業継続マネジメントシステム- 要求事項 ● ●

ISO/TS 22318:2015社会セキュリティ – 事業継続マネジメントシステム – サプライチェーン継続のための指針

● ●

ISO 22320:2011 社会セキュリティ ‐ 緊急事態管理 ‐ 危機対応に関する要求事項 ● ●

ISO 22322:2015 社会セキュリティ ‐ 緊急事態管理 ‐ 警報に関する指針 ●

ISO 22324:2015 社会セキュリティ ‐ 緊急事態管理 ‐ 色コードによる警報に関する指針 ●

ISO 22326:2018セキュリティ及びレジリエンス - 緊急事態管理 - 特定ハザードを伴う施設監視のための指針

● ●

ISO/TR 22351:2015 社会セキュリティ - 緊急事態管理 - 情報交換のメッセージ構造 ● ●

ISO 22397:2014 社会セキュリティ – 連携構築の指針 ● ●

ISO 28001:2007サプライチェーンのためのセキュリティマネジメントシステム - 評価及び計画を実施するための最適実施手順

ISO 31000:2018 リスクマネジメント―指針 ● ●

ISO 37101:2016 コミュニティの持続可能な発展-持続可能な発展のためのマネジメントシステム-要求事項及び利用の手引き

● ●

ISO 37151:2015 スマートコミュニティインフラストラクチャ-性能測定基準の原則及び要求事項 ●

ISO 37152:2016 スマートコミュニティインフラストラクチャ-開発及び運用のための共通枠組み ●

ISO 37153:2015 スマートシティのインフラストラクチャ-評価及び改善のための成熟度モデル ● ●

※各基準・ガイドラインのうち、該当するものに●

Page 29: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 29

3.2 調査結果 防災減災の機能・要件に関する国際標準

◼国際標準には、法制度等の調査と同様に防災減災の機能・要件を個別に満たす国際標準も存在する。これらは、各機能・要件のみを対象として標準化されているものであるため、「事前防災フレーム」を補完するものである。

◼各機能・要件の国際標準によって「事前防災フレーム」を補完するためにも、「事前防災フレーム」の内容をより具体的に検討するにあたっては、「事前防災フレーム」で対象とすべき機能・要件についてこれらで既に定められている内容との対応に留意することが必要である。

防災・減災の機能・要件

国際標準 名称 整合性 親和性 補完性

都市計画 ISO 14055-1:2017環境マネジメント-土地の劣化及び砂漠化を食い止めるための優良実践基準の確立の指針-第1部:優良実践基準の枠組み

土地開発 ISO 18674:2017 地質調査及び試験-現場計測による地質監視 ●

構造物

ISO 3010:2017 構造物の設計の基本-構造物に対する地震作用 ●

ISO 17745:2016 鋼線リングネットパネル-定義及び仕様 ●

ISO 17746:2016 スチールワイヤロープパネル及びロール-定義及び仕様 ●

ISO 23469:2005 地盤基礎構造物への地震作用 ●

ISO/TR 12930:2014 ISO 23469に基づく耐震設計の例 ●

ISO 16134:2006 タクタイル鋳鉄パイプラインの耐震-及び耐沈下設計 ●

ISO 13822:2010 構造物の設計の基礎-既存構造物の評価 ●

建築物ISO 15928-1:2017 家屋-性能の記述-第1部:構造的安全性 ●

ISO 28841:2013 コンクリート建築物の簡易耐震評価及び復旧の指針 ● ●

設備・機器 ISO 22327:2018セキュリティ及びレジリエンス-危機管理-地域密着型地滑り早期警報システムの導入の指針

※各基準・ガイドラインのうち、該当するものに●

Page 30: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 30

3.2 調査結果 ガイドライン等

◼兵庫行動枠組や仙台防災枠組は、災害対応について国家レベルで実施すべき事項を整理し参加各国にその実施を求めている。また、兵庫行動枠組と仙台防災枠組は、それぞれステップを踏んだ防災対策の実施を促しており、仙台防災枠組は兵庫行動枠組とその内容は重複していない。よって、事前防災フレームでは、UNISDR (国連国際防災戦略事務局)が国際的な合意で策定した枠組毎の防災対策実施のステップも含めて、事前防災全体を捉える必要がある。

◼ GUIDEBOOK FOR URBAN RESEARCHは、JICAによる開発支援で用いられるために作成されており、広く供用可能な内容でありながら、そうした活用や位置づけがされていない。よって、事前防災フレームでは上記の兵庫行動枠組等で整理された防災において実施すべき事項について踏襲しながら、ガイドラインで記載されている具体的な実施すべき事項やツールについても整理されることが望ましい。

ガイドライン等 整合性 親和性 補完性 概要 組み入れるべき要素・施すべき対応

兵庫行動枠組 ● ●国家レベルの防災組織体系や防災施策実施に関する目標を設定、実施を推進。 UNISDRが国際的な合意で策定した

枠組毎の防災対策実施のステップも含めて、事前防災全体を捉える仙台防災枠組 ● ●

兵庫行動枠組に立脚し、さらなる防災対策の充実(データ利活用等)に関する目標を設定、実施を推進。

GUIDEBOOK FOR URBAN RESEARCH

● ●JICAによる開発支援を念頭に置いて、都市計画・土地開発における防災の考え方や実施すべき事項、について記載。

ガイドラインで記載されている具体的な実施すべき事項やツールについても整理する

※各基準・ガイドラインのうち、該当するものに●

Page 31: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 31

3.3 調査結果の分析・整理

◼ 「兵庫行動枠組」をきっかけとして各国で整備が進み、災害管理庁が設立された。一方、実務担当省庁の具体的な施策内容に関しては、国情によりばらつきがみられる。

◼ 「仙台防災枠組」に関しては、災害リスク関連情報の統合は始まったばかり。

◼ 「事前防災フレーム」では、地域特性に応じたリスク評価をもとに、災害に配慮したインフラ整備など、戦略的な防災対策の促進を目指す。

事前防災の取組みに必要な要素 日本 インドネシア フィリピン ミャンマー

リスクガバナンスの強化

実施体制

災害管理法の制定/災害管理庁の設置 〇 〇 〇 〇

事前防災担当省庁の任命/役割の規定/省庁間の連携 〇 △ △ △

経済・経済開発計画への事前防災要素の取り込み 〇 △ △ △

実施政策の M&E (Monitoring & Evaluation)、継続性の確保 〇 N.A. N.A. N.A.

産官学の連携 △ △ △ △

科学的根拠に基づいたリスク評価の実施

計画策定

リスク関連情報の収集、整理、統合、分析 〇 △ △ △

地域のリスク評価、対策優先項目の設定 〇 △ △ N.A.

ハザードごとの個別法の制定 〇 N.A. N.A. N.A.

組織・人材・技術能力強化

組織・人材能力

災害管理庁の事前防災キャパシティ 〇 △ △ N.A.

自治体の事前防災キャパシティ/横連携 〇 N.A. N.A. N.A.

災害対応に係る技術者の能力強化 △ △ △ N.A.

技術:構造対策 災害に配慮した構造物の設計/維持管理体制 〇 △ △ N.A.

技術:非構造対策 災害に対応した規格/技術基準の整備/普及 〇 △ △ N.A.

仙台フレームワーク

注:〇整備済、△整備中、N.A.該当する法・計画が見当たらず

事前防災フレーム

兵庫フレームワーク

出所)巻末文献リストを参照。

Page 32: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 32

3.4 まとめ◼国際的なガイドラインの整備や国際標準化は、各国の法制度や体制の整備を促進するものであり、「事前防災フレーム」も地

域特性に応じたリスク評価をもとに、災害に配慮したインフラ整備など、戦略的な防災対策の促進を目指す。

◼ 「事前防災フレーム」の構築に際しては、各国の法制度等に及ぼす効果、また国際標準・ガイドラインとの関係性を明確にし、それらと相補的なものとして設定することが肝要である。

SDGs

仙台防災枠組

2015-30

JICA: GUIDEBOOKFOR URBAN RESEARCH

事前防災フレーム

応急対応

復旧・復興

性能評価標準 各国手段

ISO22325危機管理能力

アセスメント

世界共通の方向性プロセス規定

フェーズ 対象

活動

国土産業

兵庫行動枠組

2005-15

ISO37153都市インフラ成熟度モデル都市

インフラ

環境社会統治

防災

ADB:Climate Change

Operational Framework

予防(抑止・軽減)

気候変動

ISO22320緊急事態管理

法律計画基準

組織

現地政府による具現化(組織化、法制化等)

気候変動対策との両立

都市機能の持続性との両立

プロセスにより防災性能を実現

予防(抑止・軽減)

準備

都市インフラ

プロセスに落とし込み

Page 33: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 33

4. 事前防災フレームの事業拡大への有効性に関する調査

4.1 調査目的・調査方法

4.2 調査結果の分析・整理

ヒアリング結果の反映とフレーム案の提示、具体的ISO構成案の提示

Page 34: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 34

事前防災フレーム

◼ 事前防災フレーム素案に各調査結果を反映・整理した本事業の最終案の提示

4.1 調査目的・調査方法◼事前防災の検討フレームの標準化が、東南アジア諸国の都市開発市場に参入している防災・減災技術・製品を有する日本

企業や有識者に対して、事業拡大に寄与しうるかどうか、また貢献しうると仮定した場合に、どのような要素を標準に含めるべきかについてヒアリングを実施した。

フレーム素案に対するヒアリング調査

目的調査初期に検討・設定した事前防災フレームの素案に対し、国際標準作成等に関わる有識者、及び東南アジア諸国の防災関係有識者より、フレームの有用性と実現に向けた示唆・戦略の示唆をいただく。また、本調査ヒアリング・アンケート調査で特に事前防災フレームが有効と考えられる対象数社より、事業者活用観点での意見を抽出する

ヒアリング対象ISOに関わる国内有識者 2名東南アジアの防災と都市開発に詳しい海外有識者 2名事前防災フレームが有用と考えられる国内事業者 5社

ヒアリング項目(1)検討フレーム(素案)の適切性

• 検討の蓋然性と全体案の適切性について• 構成要素・項目の十分性について

(2)フレームの概念の標準化した際の活用可能性• 先進国を対象とした場合

(先進国内での活用、ドナーとしての活用)• 途上国を対象とした場合(途上国政府・企業の活用)

(3)その他標準化を進めるにあたってのご意見等

事前防災フレーム素案

◼ 本調査を進めるにあたって、事前防災フレームの一次案を検討

◼ より具体的なフレームへのご意見を抽出するため、事業初期において仮設的に事前防災フレーム素案を提示し、それをもとに仕様1、仕様2の調査結果を反映させたものをもとにヒアリングを実施し、最終的な事前防災フレームを提示することとした。

• 都市開発・インフラ整備の各以下の段階において、リスク管理の概念を入れて実施するプロセスの標準化を目指すもの

• プロセスのみでなく現地政府や関係者への要請事項も規定

仕様1、仕様2の調査結果を反映し、都度更新

• 安全で持続可能な開発投資のための視点の提供

• 政府・デベロッパー・ODA・技術者それぞれのキャパビルと現地運用まで視野にいれた都市レジリエンスを防災で実現

• ソフトを含めたハード対策• 災害ごとの見直しが必要

Page 35: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 35

4.2 調査結果の分析・整理 ヒアリング結果の反映とフレーム案の提示

都市開発・インフラ整備

マネジメント

組織の責任と連携の明確化

法律・ルールの制定、技術基準の整備

関係者間で技術情報の共有

費用対効果評価、資金の確保

トップによるコミットメント

人的能力の評価と開発

政府(開発・防災)・ODAドナー・ディベロッパー対 象

◼新興国等で建設が進む都市やインフラをレジリエントとする事前防災フレームには、プロセスごとに組み込むべき防災の要素と、それを実現するマネジメントについて規定する必要があると言える。

◼なお、プロセスはPDCAサイクルを意識し、見直しが次の構想や計画に活かされる様にすることが望ましい。

準 備

計 画

設 計

●災害観測、災害関連データ蓄積●災害関連データ公開、ハザードマップ作製

●災害リスク評価、立地選定●都市・インフラの目標性能設定(防災性含む)

● 災害リスクと目標性能に応じた施設配置● (同)防災施設配置、災害情報システム導入

● (同)施設強度・容量等確保● (同)防災設備導入、他システム接続

●設計性能を満たす施工

●都市やインフラの状態監視(人流・物流)●警戒/発災時の緊急時対応●設計性能を満たす運用と保守/点検

●定期的・災害時レビュー、改善

運 用

施 工

構 想

見直し

開発・整備プロセス 防災の要素

Page 36: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 36

4.2 調査結果の分析・整理 ヒアリング結果の反映と具体的ISO構成案の提示

◼既往ISO(マネジメントシステムの要件定義)を参考にした構成案を提示する。◼前頁のマネジメント、プロセスはそれぞれ大項目2と大項目3に、都市開発の分野毎に適用されることを想定する。◼災害発生により生じた課題をもとにした都市全体の見直しも大項目4に構成する。

大項目 中項目 内容例

0 適用範囲 0.1 読み手 現地政府(開発・防災)、ODAドナー、ディベロッパー

0.2 事前防災の範囲 都市開発・インフラ整備での事前対策

1 方針 1.1 防災上の長期目標 災害リスクと将来の経済発展を見据え目標を置く

1.2 多様な性能との両立 防災性と利便性・環境性・経済性とをバランスさせる

2 マネジメント 2.1 リーダーシップ トップによるコミットメント

2.2 組織 プロセスごとに責任組織を明確化、組織間連携を明確化

2.3 法律・基準 責任組織と全国展開を法律で規定、全国展開に必要な基準を制定

2.4 技術力 技術者を育成(資格制度含む)

2.5 情報連携 組織間で共有すべき情報、施設・機器の一体運用に必要な情報

2.6 資金 リスクベネフィットを踏まえ必要十分な資金を確保

3 プロセス 3.1 準備 災害観測、基礎データ蓄積・公開

3.2 構想 災害リスク評価、土地利用計画、都市・インフラの目標性能設定

3.3 計画 災害リスクと目標性能に応じた施設の配置

3.4 設計 (同)施設の設計

3.5 施工 (同)施設の施工・防災機器の導入

3.6 運用 機器の活用、施設・機器の保守

3.7 見直し 各プロセスの評価と見直し

4 レビューと改善 4.1 災害時のレビュー 災害調査を行いマネジメントの妥当性評価、課題抽出

4.2 マネジメントの見直し 課題を踏まえ、法律・基準、技術力、資金を継続的に見直す

Page 37: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 37

5 . 考察・まとめ

5.1 事前防災フレーム活用のメリット

Page 38: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 38

5.1 事前防災フレーム活用のメリット

事前防災フレームがない場合

◼ 水害リスクが非常に高い場所に都市を建設し、被災した◼ 津波早期警戒システムが予算不足で機能せず被害が発生した◼ 国内にDRR目的の様々な製品が乱立し、運用や管理・メンテ

ナンス方法が異なるため非常に複雑で展開国で対応できない

◼ どのような製品や技術を選定すべきかの基準がわからず、高機能すぎる製品を予算で僅少数のみ導入した/機能が不足した廉価品を沢山導入した

◼ 緊急地震速報システムを目指して地震計を各国の支援で導入したが、製品ごとに仕様が異なるためネットワーク化できず機能しない

事前防災フレームがある場合

◼ リスクの高い地域・低い地域でそれぞれの地域が行うべき災害対策を管理組織が判断でき、対策に必要な資金も用意できる

◼ リスク管理に必要なデータが各管理組織で整備され、それをDRR目的での活用が所定の手続きで可能である

◼ 土砂災害のリスクがある地域にインフラを導入する際は、土地開発にて適切な処置を行った上で導入し、定期的に検査する体制が確保できる

◼ 地域の管理組織や導入されている製品が異なっていても、災害時に問題なく運用できる

◼ 製品が故障した場合、現地でメンテナンス・維持できる

◼事前防災フレームにより、現状様々な開発援助や発注で東南アジア諸国が導入している防災・減災の製品・技術で発生している課題や災害発生時の運用課題が、組織、法律・基準、資金、ツール、人材の点で解決することが想定される。

◼各国が自らの判断で自らのリスク管理に必要な製品・技術が適切かつ効果的に導入できるようになり、都市のレジリエンス確保と経済発展・社会課題解決の両輪運用が可能となる。

海外展開国において、事前防災フレームを活用した場合に各主体が得るメリット

【新規開発・導入】

◼ 費用対効果を自国基準で適切に判断し、レジリエ

ントな都市開発を中長期的に実現

◼ 災害対応・復旧コストの低減

【既存再構築】

◼ 乱立する製品・技術の整理と、目的に見合った整

備・運用の実現による実質的DRR

現地発注者(政府)

◼ 事業機会、技術移転や教育機会獲得と、企業の

持続性の向上

◼ 日本企業との長期的連携による収益性の向上

◼ 投資・導入した製品・技術の実用性の向上、DRR

効果向上による支援目的の効果的達成

現地企業(デベロッパー)・ドナー

◼ 展開国での所掌特定・予算確保、現地企業との

連携による営業効率化・ランニングコスト削減

◼ 日本に近しい技術仕様での広域展開(リスク観

点のない基準準拠の手間・期間・コストの縮小)

◼ 防災機能の無い他国廉価製品との差別化、防災

機能の無い他国廉価製品に対する優位性の確保

展開する日本企業

現地企業(デベロッパー)

ドナー

技術基準レベルでは以下のような課題も解決可能

技術基準レベルで解決できるもの

Page 39: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 39

プロセス新都市開発(政府)

工場団地開発(民間ディベロッパー)

道路整備(政府)

河川整備(政府)

準備

・中央政府が地震、火山、雨量、河川水位、津波・高潮の全国観測網を整備・運用、データを公開【気象業務法】

・中央政府が地形、地質データを整備、公開【国土管理法】

・中央政府は統一様式のハザードマップを作成・公開【防災業務法】

構想

・経済中枢都市を建設、災害リス

クを踏まえ立地選定【国土管理

法】

・利便性・環境性・経済性の視

点から都市の目標性能を設定

【都市計画法】

・交通利便性、労働力確保ととも

に災害リスクを踏まえ立地選定

【民間ディベロッパー】

・地質調査やライフライン頑強性

調査により災害リスクを詳細評価

【民間ディベロッパー】

・交通量予測、災害リスクを踏ま

え路線選定【道路管理法】

・地質調査により災害リスクを詳

細評価【道路管理法】

・幹線道路は災害時代替道路を

選定【道路管理法】

・流域人口と氾濫確率に応じた

治水方針【河川管理法】

・高リスク氾濫域は土地利用制

限【国土管理法】

計画

・目標性能と災害リスクを踏まえ

業務・居住施設とインフラ施設、

防災施設を配置【都市計画法】

・利便性とともに災害リスクを踏ま

え工場施設とインフラ施設、防災

施設を配置【民間ディベロッパー】

・交通量予測、災害リスクを踏ま

え主要諸元を決定【道路管理

法】

・治水方針に基づく治水整備計

画【河川管理法】

設計

・災害リスクを踏まえ建屋の耐震

設計、浸水しないよう堤防設置

【都市計画法】

・業務・居住施設に消火設備、

貯水設備を整備【消防法】

・災害リスクを踏まえ工場建屋の

耐震設計、浸水しないよう基礎

嵩上げ【民間ディベロッパー】・消

火設備、地震速報、非常用発

電機、貯水設備を整備【民間

ディベロッパー】

・災害リスクを踏まえ法面・切土、

橋梁を設計・施工【道路管理法】

・停電や浸水を想定し信号機等

を設置【道路管理法】

・整備計画に基づき河川堤防と

調整池を整備【河川管理法】

・警報システムを整備【河川管理

法】

施工 ・適切な施工管理 ・適切な施工管理 ・適切な施工管理 ・適切な施工管理

運用

・地方政府が都市の目標性能の

達成状況をレビュー【都市計画

法】

・施設管理者が定期点検【民間

ディベロッパー】

・道路の通行制限基準を設定・

運用【道路管理法】

・災害時緊急輸送道路に指定

【防災業務法】

・河川管理者は水位情報を発信

【河川管理法】

・地方政府は避難警報【防災業

務法】

見直し ・各組織が災害調査し組織間で結果共有、組織ごとに法律・技術基準を改定

5.1 事前防災フレーム活用のメリット -フレームに従った開発・整備プロセス-

Page 40: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 40

参考:出所記載◼法制度(P25~P26、P31)の出所は以下のとおりである。

国 分類 法令 出典 URL

体制災害対策に関するインドネシア共和国法律 2007 年

第 24 号

巨大地震災害の国際比較研究報告書‐2、インドネシアに

おける災害関連主要法令[日本語訳]2017 年 9 月

http://www.geog.lit.nagoya-

u.ac.jp/makoto/source/indonesia_di

saster_law.pdf

体制国家災害対策庁に関するインドネシア共和国大統領

規則 2008 年第 8 号

巨大地震災害の国際比較研究報告書‐2、インドネシアに

おける災害関連主要法令[日本語訳]2017 年 9 月

http://www.geog.lit.nagoya-

u.ac.jp/makoto/source/indonesia_di

saster_law.pdf

行動計画災害対策遂行に関する2008 年インドネシア共和国

政令第 21 号

巨大地震災害の国際比較研究報告書‐2、インドネシアに

おける災害関連主要法令[日本語訳]2017 年 9 月

http://www.geog.lit.nagoya-

u.ac.jp/makoto/source/indonesia_di

saster_law.pdf

体制・行動計

災害対策に関するインドネシア共和国法律2007年

第 24 号

国家災害対策庁に関するインドネシア共和国大統領

規則 2008 年第 8 号

2015年中期国家開発計画

インドネシア国 防災・環境保全及び環境再生技術の普

及・実証事業業務完了報告書 (JICA)、2016年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12249645.pdf

都市計画 国家開発体系法(法律2004年第32号) 国土交通省「各国の国土政策の概要(インドネシア)」http://www.mlit.go.jp/kokudokeikak

u/international/spw/general/indone

sia/index.html

都市計画ジャボデタベックジュール空間計画(大統領令2008

年第54号)国土交通省「各国の国土政策の概要(インドネシア)」

http://www.mlit.go.jp/kokudokeikak

u/international/spw/general/indone

sia/index.html

土地開発 国家空間計画(法律2008年第26号) 国土交通省「各国の国土政策の概要(インドネシア)」http://www.mlit.go.jp/kokudokeikak

u/international/spw/general/indone

sia/index.html

土地開発 ハザードマップインドネシア国国家防災庁及び地方防災局の

災害対応能力強化プロジェクト (JICA)、2015年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12246682_01.pdf

構造物 都市体系計画

国土交通省国土計画局「平成 20 年度 諸外国の首都

問題等国土政策分析調査‐インドネシアの国

土政策事情・報告書‐」

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12249645.pdf

建築物建築法(公共事業省) フィリピンとインドネシアの建築許可制度(JICA)

http://home.g08.itscom.net/ebizuk

a/kokusai/1304narafu.pdf

建築物建築行政令(PERDA)

インドネシア共和国 建築物耐震性向上のための建築行政

執行能力向上プロジェクト終了時評価調査報告書、2010

http://open_jicareport.jica.go.jp/pd

f/12024964.pdf

建築物建築許可制度(IMB) フィリピンとインドネシアの建築許可制度(JICA)

http://home.g08.itscom.net/ebizuk

a/kokusai/1304narafu.pdf

建築物 建築設計基準インドネシア国西スマトラ州パダン沖地震被災地復興支援

(学校再建)プロジェクト(JICA)、2011年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12037248_01.pdf

技術基準 耐震設計基準 SNI03‐1726‐2002 フィリピンとインドネシアの建築許可制度(JICA)http://home.g08.itscom.net/ebizuk

a/kokusai/1304narafu.pdf

設備・機器 中期戦略計画(RENSTRA)2010~2014インドネシア共和国 広域防災システム整備計画準備調査

報告書 (JICA)、2016年

http://open_jicareport.jica.go.jp/pd

f/12154324_01.pdf

情報インフラ

(早期警報)通信産業省大臣令(No.2‐2016)

インドネシア国 防災情報処理伝達システム整備計画準備

調査(追加調査)報告書(JICA)、2017年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12289864.pdf

情報インフラ

(早期警報)

気候学および地球物理学に関する法律第31/2009

インドネシア国 防災情報処理伝達システム整備計画準備

調査(追加調査)報告書(JICA)、2018年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12289865.pdf

インドネシア

国 分類 法令 出典 URL

体制 フィリピン災害リスク軽減・管理法(2010)フィリピン国 河川水位警報ユニットによる防災システム構築

に係る案件化調査業務完了報告書 (JICA)、2018年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12321311.pdf

https://www.ifrc.org/docs/idrl/878E

N.pdf

体制 災害リスク削減管理法(RA10121)フィリピン国 河川水位警報ユニットによる防災システム構築

に係る案件化調査業務完了報告書 (JICA)、2018年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12321311.pdf

https://www.ifrc.org/docs/idrl/878E

N.pdf

行動計画災害リスク軽減に関する国家戦略行動計画(2009

~2019 年)

フィリピン国 河川水位警報ユニットによる防災システム構築

に係る案件化調査業務完了報告書 (JICA)、2018年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12321311.pdf

https://www.adrc.asia/countryrepor

t/PHL/2009/PHL_attachment.pdf

行動計画 中期国家開発計画(2011‐2016)フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

行動計画国家災害リスク削減・管理計画(NDRRMP)2011‐

2028

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

体制1991年 地方自治法/共和国法第7160号

(LGC/RA7160)

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

体制 RA10121フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

土地開発

構造物大統領令第1067号(水法)

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

建築物国家建築基準(National Building

Code/PD1096)

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

建築物国家構造基準(National Structural Code of

the Phillipines)Sysquared & Associates, Inc.

http://solutions.ait.ac.th/wp-

content/uploads/2018/06/08-JOSE-

Structural-Design-Practice-in-

Phillippines.pdf

建築物 防火基準(Fire Code/RA 1185)フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年

http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

情報インフラ

(早期警報)

<地震関連>

大統領令第78 号(PD No.78)

大統領令第1149 号(PD No.1149)

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

情報インフラ

(早期警報)

<火山関連>

共和国法第766 号(RA No.766)

大統領命令第984 号(EO No.984)

フィリピン国 防災セクター戦略策定のための情報収集・確

認調査ファイナルレポート (JICA)、2017年http://libopac.jica.go.jp/images/rep

ort/12284998.pdf

体制 ミャンマー国家自然災害管理法(2013年)The Myanmar Information Management Unit

(MIMU)

http://www.themimu.info/sites/the

mimu.info/files/documents/Ref_Doc

_Natural_Disaster_Management_La

w_31Jul2013.pdf

行動計画 ミャンマー減災行動計画 2017(MAPDRR) UNDPウェブサイト

http://www.mm.undp.org/content/

myanmar/en/home/library/environ

ment_energy/Myanmar_Action_Pla

n_DRR_2017.html

都市計画 都市・地域開発計画 (2018)

Aye Aye Myint, Ministry of Construction,

Myanmar, National Spatial Development

Framework and Urban Planning System of

Myanmar

http://www.ued.or.jp/SPP/conferen

ces/pdf/1-2_Myanmar.pdf

建築基準 建築基準(2016) Federation of Myanmar Engineering Societieshttp://www.mes.org.mm/content/

myanmar-national-building-code

情報インフラ

(早期警報)ミャンマー減災行動計画 2017(MAPDRR)

ミャンマー国自然災害早期警報システム構築

プロジェクト詳細計画策定調査 (JICA)、2013年http://open_jicareport.jica.go.jp/pd

f/12128500.pdf

フィリピン

ミャンマー

Page 41: 防災・減災対策を検討するためのフレームの標準化に向けた ...国 分類 法令 出典 URL

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 41