20
5 Ⅱ 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担軽減について 調査結果 75 歳以上人口の増加や死亡者数の増加が見込まれており、今後、在宅医療の需要は継続的に増加 していくと考えられる。[図表 1] 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい う施設が一定割合ある。[図表 2] 診療所において、在宅医療に今後対応する意向がない理由として、対応する医師等がいない、体 力・気力・年齢面の不安などが上位となっている。[図表 3] 在宅医療の提供量を増やすために必要なこととして、病院・診療所では、自院の在宅医療に対応 する医師の増員に加え、自院の医師以外のスタッフの増員も必要とする回答が多い。[図表 4] 課題 今後の在宅医療の需要に対応するためには、在宅医療の供給量をより一層増やしていくこと が必要である。特に 75 歳以上人口がピークとなる 2030 年の需要を見据え、 在宅医療を担う 新たな医師の育成・確保を進めていくことが重要となる。 また、在宅医療を持続可能なものとするためには、医師の24 時間対応や診療報酬算定事務等 にかかる負担の軽減が重要となるが、調査において、病院・診療所が在宅医療の提供量を増 やすためには“自院の医師や医師以外のスタッフの増員が必要”と回答している点を見ると、 多職種連携(後方支援病床の確保や、訪問看護師による患者からのファーストコールへの対 応などの他施設との連携)を進めることによって、ある程度医師の負担軽減が可能であるこ とがあまり浸透していない可能性がある。 取組の方向性 在宅医療を担う医師を養成する取組を積極的に推進する。 若手医師の養成段階において、在宅医療に関する教育や啓発を充実する。 医師の負担軽減や多職種連携を促進するための取組をより積極的に展開する。 考えられる具体的取組(案) 在宅医療を新たに実施しようとする医師や経験の少ない医師を対象とした、在宅医療の基本 的知識や技術を身に付けるための研修会(埼玉県医師会で計画されている「在宅医療塾」等)、 及び訪問診療の実際の現場を経験する研修会(「訪問診療同行研修会」等)の実施 大学での医学教育や臨床研修医制度のプログラム等を通じた、学生・研修医の段階から在宅 医療の重要性・有効性に関する啓発、理解促進を図る取組の推進 在宅療養患者からのファーストコールを訪問看護師(訪問看護ステーション)が受ける体制 の周知及び推進 在宅医療を24 時間提供する診療所医師の、特に時間外・休日の看取りに対する対応を支援す るための地域内連携体制の構築 郡市医師会による在宅医療推進のための多職種連携会議の開催・充実、地域の多職種(病院 も含む)を対象とした連携の重要性・有効性をより深く理解するための研修会等の実施 口腔健康管理や栄養管理等、在宅医療を行う医師以外の職種の専門分野をテーマとした研修 会を開催するなど、医師と多職種がより密接に連携するきっかけとなる機会の創出、実施

調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

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Ⅱ 調査結果に基づく考察

1.在宅医療に従事する医師の確保と負担軽減について

調査結果

・ 75歳以上人口の増加や死亡者数の増加が見込まれており、今後、在宅医療の需要は継続的に増加

していくと考えられる。[図表 1]

・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

う施設が一定割合ある。[図表 2]

・ 診療所において、在宅医療に今後対応する意向がない理由として、対応する医師等がいない、体

力・気力・年齢面の不安などが上位となっている。[図表 3]

・ 在宅医療の提供量を増やすために必要なこととして、病院・診療所では、自院の在宅医療に対応

する医師の増員に加え、自院の医師以外のスタッフの増員も必要とする回答が多い。[図表 4]

課題

・ 今後の在宅医療の需要に対応するためには、在宅医療の供給量をより一層増やしていくこと

が必要である。特に 75 歳以上人口がピークとなる 2030 年の需要を見据え、在宅医療を担う

新たな医師の育成・確保を進めていくことが重要となる。

・ また、在宅医療を持続可能なものとするためには、医師の 24 時間対応や診療報酬算定事務等

にかかる負担の軽減が重要となるが、調査において、病院・診療所が在宅医療の提供量を増

やすためには“自院の医師や医師以外のスタッフの増員が必要”と回答している点を見ると、

多職種連携(後方支援病床の確保や、訪問看護師による患者からのファーストコールへの対

応などの他施設との連携)を進めることによって、ある程度医師の負担軽減が可能であるこ

とがあまり浸透していない可能性がある。

取組の方向性

・ 在宅医療を担う医師を養成する取組を積極的に推進する。

・ 若手医師の養成段階において、在宅医療に関する教育や啓発を充実する。

・ 医師の負担軽減や多職種連携を促進するための取組をより積極的に展開する。

考えられる具体的取組(案)

・ 在宅医療を新たに実施しようとする医師や経験の少ない医師を対象とした、在宅医療の基本

的知識や技術を身に付けるための研修会(埼玉県医師会で計画されている「在宅医療塾」等)、

及び訪問診療の実際の現場を経験する研修会(「訪問診療同行研修会」等)の実施

・ 大学での医学教育や臨床研修医制度のプログラム等を通じた、学生・研修医の段階から在宅

医療の重要性・有効性に関する啓発、理解促進を図る取組の推進

・ 在宅療養患者からのファーストコールを訪問看護師(訪問看護ステーション)が受ける体制

の周知及び推進

・ 在宅医療を 24 時間提供する診療所医師の、特に時間外・休日の看取りに対する対応を支援す

るための地域内連携体制の構築

・ 郡市医師会による在宅医療推進のための多職種連携会議の開催・充実、地域の多職種(病院

も含む)を対象とした連携の重要性・有効性をより深く理解するための研修会等の実施

・ 口腔健康管理や栄養管理等、在宅医療を行う医師以外の職種の専門分野をテーマとした研修

会を開催するなど、医師と多職種がより密接に連携するきっかけとなる機会の創出、実施

Page 2: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

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図表 1 埼玉県における 75歳以上人口及び死亡者数の将来推計

図表 2 今後(5年後)の在宅医療の実施意向

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

【埼玉県の死亡者数の将来推計】【埼玉県の75歳以上人口の将来推計】

出典2015年:総務省「国勢調査」(平成27年)2020年以降:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」

出典2015年:厚生労働省「人口動態調査」(平成27年)2020年以降:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」にもとづき算出

【病院】 【診療所】

n=26

n=21

n=3

n=230

n=40

n=134

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図表 3 診療所において今後(5年後)在宅医療の対応意向がない理由

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 4 病院・診療所において在宅医療の提供量を増やすために必要だと思うこと

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

在宅医療を行う医師等がいない

体力・気力に不安がある

年齢的に自信がない

【病院】

【診療所】

n=122

n=1106

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2.医療と介護、病院と地域の一層の相互理解・連携について

(1)地域における実効性のある多職種連携の推進について

調査結果

・ 在宅医療の提供量を増やすために必要なこととして、病院・診療所では、自院の在宅医療に

対応する医師の増員に加え、自院の医師以外のスタッフの増員も必要とする回答が多い。[図

表 5] (再掲)

・ 他方、薬局・訪問看護ステーションにおいては、診療所や病院との連携が必要とする回答が

多い。[図表 6]

課題

・ 患者の在宅での療養生活を支える医療・ケアは医師のみによるものではなく、様々な専門職

が1つのチームとなって提供している。そのため、在宅医療の提供体制の充実・強化に向け

ては、現場での多職種連携をより強力に推進していくことが非常に重要となる。

・ 医師以外の専門職からは、診療所や病院とのより一層の連携が求められており、これに応え

る必要があると考えられる。

・ しかしながら、多職種連携を推進するための取組として、多職種連携会議や様々な研修会等

が各地域で実施されているものの、現場からはその参加メンバーが固定化しており、多職種

間の関係づくりが広がっていないとの指摘がある。

図表 5 病院・診療所において在宅医療の提供量を増やすために必要だと思うこと(再掲)

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

【病院】

【診療所】

n=122

n=1106

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図表 6 薬局・訪問看護ステーションにおいて在宅医療の提供量を増やすために必要だと思うこと

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

【薬局】

【訪問看護ステーション】

n=1623

n=237

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(2)在宅医療において病院が果たすべき役割について

調査結果

・ 診療所は以前に比べて在宅医療への意識が変化しているという意見がある一方で、病院に対

する在宅医療の意識向上の重要性も意見としてあがっている。[図表 7]

課題

・ 在宅で療養する患者の多くは病院での入院を経て在宅に移行するが、必要な在宅医療の内容

や、在宅でどのような生活を送りたいかといった意向等は、患者・家族によって様々である。

・ 患者の希望に沿った在宅療養の実現に向けては、病院と地域の多職種が患者の入院早期から

適切に連携することが重要であり、その前提として、病院における在宅医療に関する認識の

より一層の普及・浸透等が必要であると考えられる。

図表 7 在宅医療の推進に関する課題(自由意見)

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

業種 自由意見

病院 病院のスタッフがもっと気軽に地域に出られると良い。

診療所 在宅医が入院が必要と判断した場合に、病院が断らず入院させてくれるとよい。 病院によって在宅復帰に対する意識や理念の違いが大きく、患者を地域に戻すことに積極的でない場合がある。 医療従事者(特に病院)の在宅医療に対する理解が十分でなく、患者が希望しても在宅に戻れず、入院が継

続してしまう事が多数みられる。 病院か在宅か‥の二者択一ではなく、在宅で療養しながら、病状が落ちつかない(急変ではなく)とか、不安が

大きい時などは数日入院して経過を見たり、内服薬の調整をしたり‥と、病院と在宅の切れ目のないスムーズな連携ができれば、患者さんは長く在宅生活が続けられると思います。

病院スタッフにおける、どこまで在宅で対応が可能なのかという知識の向上

訪問看護ステーション

在宅医療が地域や病院で働く医師に浸透していない。もっと病院の医師や看護師も在宅医療を理解してもらいたい。

連携先病院が在宅医療に関心があるかないかの格差が大きすぎてなかなか水準が上がりません。 患者が病院の主治医に拘り、在宅医療を続けている場合、指示を受けるのが困難な場合が多い。併診(病院と

診療所)での在宅療養が出来ることを、患者及び病院関係者も理解していく啓発活動が必要。 病院医師、看護師が在宅のことを知らず、退院カンファレンスをしても連携できているとは言い難い現状がある。

地域包括支援センター

病院と医院との連携等がスムーズに行えていない。地域の医院(医師)は、在宅医療等に対する姿勢・支援等は、以前に比べ格段に変化して、前向きにサポートを行ってくれるようになった。一方で病院(入院先)の医師・スタッフ等が在宅医療に対する認識が弱く、入院治療後の在宅生活に対する支援等をあまり重要視していない部分が多く見受けられる。また、連携・情報提供が行えていない部分が多く感じられる。

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(3)独居高齢者等の増加を見据えた在宅医療の提供体制について

調査結果

・ 今後、埼玉県では独居世帯の高齢者が増加していくと推計されている。[図表 8]

・ 退院患者の在宅医療への円滑な移行を阻む理由として、どの施設も「在宅で介護できる家族・

親戚がいない」が最も多い回答となっている。[図表 9]

・ 在宅での看取りにあたり、在宅医療を実施している 4~6 割の施設で、独居であることによ

り、患者が在宅で生活を継続することそのものが困難となったケースを経験している。[図表

10]

課題

・ 在宅で介護できる家族・親戚がいない患者の数は今後さらに増加すると予想されることから、

在宅医療や在宅での看取りの推進にあたって、独居高齢者の増加が今後のボトルネックにな

る可能性があると考えられる。

図表 8 埼玉県の 75歳以上独居世帯数の将来推計

【埼玉県の75歳以上独居世帯の将来推計】

出典2015年:総務省「国勢調査」(平成27年)2020年以降:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」にもとづき算出

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図表 9 退院患者の在宅医療への円滑な移行を阻む理由

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 10 在宅での看取りにおける患者・家族側の課題

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

n=122

家族からの反対がある

患者本人には在宅療養の希望があるが、家族への気兼ね(迷惑を

かけたくない等)がある患者の急変時の対応が難しい

在宅で介護できる家族・親戚がいない

n=1494

患者の急変時の対応が難しい

在宅で介護できる家族・親戚がいない

患者本人には在宅療養の希望があるが、家族への気兼ね(迷惑をかけたくない等)がある

病院スタッフの在宅医療に対する知識・理解が不足している

n=177

かかりつけ医等、地域の医療・介護スタッフとカンファレンスを十分実施できていない

在宅で介護できる家族・親戚がいない

【病院】

【薬局】

【診療所】

【訪問看護ステーション】

【地域包括支援センター】

n=317

n=235

家族からの反対がある

患者本人には在宅療養の希望があるが、家族への気兼ね

(迷惑をかけたくない等)がある

在宅で介護できる家族・親戚がいない

在宅で介護できる家族・親戚がいない

在宅で介護できる家族・親戚がいない

在宅で介護できる家族・親戚がいない

在宅で介護できる家族・親戚がいない

かかりつけ医等、地域の医療・介護スタッフとカンファレンスを十分実施できていない

患者本人には在宅療養の希望があるが、家族への気兼ね(迷惑をかけたくない等)がある

患者の急変時の対応が難しい

n=48 n=284 n=223

【病院】 【診療所】 【訪問看護ステーション】

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(1)~(3)の調査結果及び課題を踏まえた取組の方向性

・ 在宅医療の需要の増加を見据え、在宅医療提供体制の充実・強化及び裾野の拡大を図ってい

くため、医療と介護のより一層の相互理解と、関係する各職種がそれぞれの専門性を発揮し、

協力と役割分担のもと在宅療養患者を支える体制づくりを推進する。

・ 患者の円滑な入退院と、在宅における患者の希望に沿った療養生活を実現するため、入院早

期から病院と地域の多職種が退院に向けた話し合いを始め、患者のより良い在宅療養を関係

者が一致協力して支援する体制づくりを推進する。

・ 独居高齢者の将来的な増加を念頭に、回復期病棟や介護施設等の整備方針を考慮した在宅医

療提供体制を検討する。

考えられる具体的取組(案)

・ 各地域において開催される多職種連携会議や研修会等において好事例の発表や良い取組の報

告を行うなど、関係する各職種の役割や連携方法等について改めて理解を深める機会の確保

・ 会場選定や開催時間を工夫するなど、多職種連携会議や研修会等の場に医師や関係する多職

種が参加しやすい環境づくりの推進

・ 多職種連携会議や研修会等に参加した職員が、その内容等について自施設の全職員に情報提

供・共有する取組の推進

・ 病院内において、入院患者が在宅医療に移行した具体的事例の報告会や、実践的な在宅医療

についてグループワークを通して学ぶ研修会を定期的に開催するなど、院内の医師や看護師

等の在宅医療への理解を促進する取組の推進

・ 急性期病院も含めた治療を担当する医師を対象とした、在宅医療の現状に関する啓発

・ 診療所医師や訪問看護師が講師となり、病棟看護師を対象とした在宅医療への理解を促進す

るための研修会やケースカンファレンスを継続的に実施

・ メンバーを固定しない多職種連携会議(職種ごとに複数人がメンバーとなり、各回交代で出

席する方法など)や、各職種が交代で講師となる方式の研修会の実施、多職種交流会の実施

など、顔の見える関係づくりが無理なく広がる仕組みや仕掛けを積極的に実施

・ 病院及び地域の多職種参加によるケースカンファレンスの実施など、病院と地域の相互理解

を促進する取組の積極的な実施

・ 各地域における入退院支援ルールの策定・運用により、病院と地域の診療所の医師、及び介

護職を含めた多職種が早期からスムーズに連携できる仕組みの導入

・ 後方支援病床に関すること等、地域の在宅療養患者を支えるための仕組みや連携方法につい

て、病院と地域の関係者が定期的に継続して話し合う場の確保

・ 各専門職の職能団体における会議や研修会等において、医療・介護連携の重要性や有効性を

再認識してもらうための機会を設定、継続的に実施

・ 各地域において、当該地域の回復期病棟や介護施設等に期待する役割などについて、医療・

介護関係者による意見交換をより積極的に実施

・ 医師をはじめとした、在宅医療を担う各職種の人材確保・育成にかかる各種取組をより一層

推進

・ ICT を活用するなど効果的・効率的な情報連携の更なる推進

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3.専門職に対するACPの普及について

調査結果

・ 在宅での看取りにおいて、医療・介護提供側で問題・課題になっていることとして、スキル・

ノウハウに関する不安よりも、人手不足と、患者・家族に理解を深めてもらうことが難しい

とする回答が多い。[図表 11]

・ 在宅医療を実施していない診療所は、ACP(Advance Care Planning)を知らない割合が過半数

を超え、在宅医療を実施している病院・診療所においても、ACP を知らないという回答が一

定割合ある。[図表 12]

・ 薬局は訪問指導の実施の有無に関わらず ACP を知らない割合が過半数を超えており、老人ホ

ームは 25%が ACP を知らないと回答している。[図表 12]

課題

・ 患者自らが望む人生の最終段階における医療・ケアを提供するためには、患者自身が受けた

い医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い、共有

しておくこと(ACP)が非常に重要である。

・ ACP の推進のためには、患者・家族や地域住民に ACP の重要性を理解してもらうことはもち

ろん、医療・ケアに携わる専門職が ACP の内容や具体的な実施法等を理解し、患者・家族を

適切に支援できるようにすることが必要と考えられるが、現状において ACP の認知度は高く

ない。

取組の方向性

・ 医療・ケア従事者に対して、患者の意思決定支援の取組の重要性等に関する啓発を推進する

とともに、住民への普及啓発を推進する。

考えられる具体的取組(案)

・ 医師会による医療・ケア従事者を対象とした ACP への理解を深めるための研修会の実施、及

び ACP を実践できる人材の育成を推進(ACP 啓発用 DVD「さあ始めよう、人生会議」や事前

意思表明書「私の意思表示ノート」(ともに埼玉県医師会作成)の一層の活用など)

・ 市町村における住民を対象とした ACP 普及啓発事業の事例の把握・整理、市町村間での情報

共有の仕組みづくりを推進

・ 認知症サポーター養成講座等を活用し、ACP の普及、理解促進のための取組を展開

・ 自治会や高齢者サロン等の集まりを利用し、地域住民に ACP を身近に感じてもらうための説

明会を実施

・ 地域の医療・ケア従事者が講師となり、住民向けにエンディングノートやリビングウィルの

意義や記載方法等について説明するセミナー等を実施

・ ACP や人生の最終段階における医療等をテーマとした住民向けアンケートを実施するなど、

住民に関心を持ってもらうための取組の実施

・ かかりつけ医を持つことの重要性に関する住民への普及啓発をより積極的に展開

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図表 11 在宅での看取りにおける医療・介護側の課題

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 12 ACPの認知度

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

【病院】 【診療所】 【訪問看護ステーション】

n=49 n=319 n=229

【病院】 【診療所】 【薬局】

【訪問看護ステーション】 【地域包括支援センター】 【老人ホーム】

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4.在宅緩和ケアの推進について

(1)在宅緩和ケアを担う医師の育成について

調査結果

・ 在宅医療に対応している診療所の中でも、在宅緩和ケアに対応している割合は約 4 割にとど

まる。[図表 13]

・ 在宅緩和ケアの実施において、オピオイドなど医療用麻薬の取扱いに難しさを感じている診

療所が多い。[図表 14]

・ 診療所において、緩和ケアに関する知識が「やや不足している」「不足している」とした回答

が 7 割となっている。[図表 15]

課題

・ 在宅医療を実施する医療機関の中でも、在宅緩和ケアを実施している医療機関は限られる。

・ 在宅緩和ケアを推進するためには、短期的、中長期的それぞれの視点から、在宅緩和ケアを

担う医師を増やしていくことが必要と考えられる。

・ また、近年、緩和ケアに関する治療法の進歩があることから、緩和ケアを担っている医師に

対する継続的な情報提供等の支援も重要と考えられる。

取組の方向性

・ 短期的な視点からは、在宅緩和ケアを担う診療所医師の知識・技術に対する支援や情報提供

を強化する。

・ 中長期的な視点からは、若手医師の養成段階における緩和ケアに関する教育や啓発を充実す

る。

考えられる具体的取組(案)

・ がん診療連携拠点病院等における緩和ケアに関する研修会やケースカンファレンスの開催に

よる病院医師と診療所医師の顔の見える関係づくり、及び情報提供・情報交換の更なる推進

・ 地域の診療所医師ががん診療連携拠点病院等で専門的緩和ケアに携わる病院医師に気軽に相

談できる仕組み(「緩和ケア相談ホットライン」の開設等、医師同士の連携ネットワーク)の

構築及び普及

・ 地域の診療所医師同士が有機的な連携を行って、地域連携チームとして在宅緩和ケアを提供

できる体制構築の支援

・ がん診療連携拠点病院等の緩和ケア部門と郡市医師会との連携体制の更なる強化

・ 在宅緩和ケアに関する基本的な処置や処方(医療用麻薬)等をまとめたマニュアルの作成及

び周知(既存マニュアルの周知及び活用も含む)

・ 中心静脈栄養ポンプ、PCA(Patient Controlled Analgesia:自己調節鎮痛法)機器の操作や医療

用麻薬の管理・保管体制、具体的な処方など在宅緩和ケアに必要な具体的な手技を習得する

研修機会の提供

・ 診療所医師が病院の緩和ケア外来や緩和ケアチームの活動に参加(研修として)できる仕組

みの導入

・ 大学での医学教育や臨床研修医制度のプログラム等を通じた、学生・研修医の段階から緩和

ケアの重要性・有効性に関する啓発、理解促進を図る取組の推進

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17

図表 13 病院・診療所における緩和ケアの対応状況

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 14 診療所における在宅緩和ケアで難しいと思うこと(麻薬取扱関連)

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 15 緩和ケアに関する知識の充足状況

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

在宅医療を実施している診療所における在宅緩和ケアの対応状況

n=355

在宅緩和ケアに対応していない

21159%

在宅緩和ケアに対応している

14441%

n=79

n=94

n=347

n=1609

n=225

n=173

n=287

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18

(2)在宅緩和ケアを担う医師の不安・負担の軽減について

調査結果

・ 在宅緩和ケアを実施している診療所においても、半数以上で在宅緩和ケアを提供することの

難しさを感じている。[図表 16・図表 17]

・ 診療所において、在宅緩和ケアに今後対応する意向がない理由として、対応する医師等がい

ない、体力・気力・年齢面の不安、知識・技術に関する不安などが上位となっている。[図表

18]

課題

・ 在宅緩和ケアを担う医師の確保に向けては、医師の育成とともに、その不安や負担を軽減し、

在宅緩和ケアが安定的に継続して提供される体制づくりを推進することが必要と考えられ

る。

取組の方向性

・ 多職種がそれぞれの専門性を発揮し、協力と役割分担のもと、在宅緩和ケアを推進する連携

体制を構築、強化する。

考えられる具体的取組(案)

・ 在宅療養患者からのファーストコールを訪問看護師(訪問看護ステーション)が受ける体制

の周知及び推進

・ 在宅緩和ケアを 24 時間提供する診療所医師の、特に時間外・休日の看取りに対する対応を支

援するための地域内連携体制の構築

・ 医療用麻薬や機器の取扱い等に関して地域の薬剤師が医師を積極的にフォロー(緩和ケアに

関する各種情報提供を含む)する体制の推進

・ 県外病院から在宅療養に移行した患者を受け持つ診療所医師に対する地域の病院による支援

体制(痛みの増強や急変時の対応に関する支援等)の確立

・ 郡市医師会による在宅緩和ケア推進を目的とした多職種連携会議の設置、及び地域の多職種

を対象とした在宅緩和ケアへの理解促進と実践できる人材の育成に向けた研修会の実施

・ ICT を活用するなど効果的・効率的な情報連携の更なる推進

・ 関係機関(者)の相互協力のもと、緩和ケアや ACP に関する住民(患者・家族)への普及と

理解促進の取組を積極的に展開

Page 15: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

19

図表 16 診療所において在宅緩和ケアの提供に難しさを感じるか

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 17 診療所における在宅緩和ケアで難しいと感じること(麻薬取扱関連以外)

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

n=140

53.2%

24.1%

24.1%

19.0%

11.4%

11.4%

10.1%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

患者及び家族の現在の状態・病状に対する理解が不十分

採算性が悪い

患者及び家族に対し、現在の状態、病状を説明することが困難

患者にかかわる医療・ケアスタッフの緩和ケアに関する最新の知識が不十分

処方箋発行医療機関の医師・病院、又はかかりつけ医師・病院との情報共有が困難

薬剤師の人手不足のため対応が困難

その他

Page 16: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

20

図表 18 診療所における今後の在宅緩和ケアの対応意向がない理由

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

知識・技術に不安がある

在宅緩和ケアを行う医師等がいない

体力・気力に不安がある

年齢的に自信がない

n=209

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(3)円滑な在宅療養への移行と穏やかな療養生活への支援について

調査結果

・ 円滑な在宅療養の移行のためには、早期からの多職種連携や緩和ケアの導入が重要と言われ

ている。

・ 退院後の患者への支援においては、多職種による退院時カンファレンスの実施が重要である

が、実際には様々な理由により多職種の参加が進んでいない状況がある。[図表 19]

・ 医療・ケア従事者に ACP の周知、理解が十分進んでいない状況がある。[図表 20](再掲)

課題

・ 在宅で療養する患者の多くは病院での入院を経て在宅に移行するが、必要な緩和ケアの内容

や、在宅でどのような生活を送りたいかといった意向等は、患者・家族によって様々である。

・ 適切な緩和ケアの提供による患者の希望に沿った在宅療養の実現に向けては、病院と地域の

多職種が入院早期から連携し、患者の意思決定と退院後の療養生活を支援する体制を充実さ

せていく必要があると考えられる。

取組の方向性

・ 病院と地域の多職種の「顔の見える関係づくり」を推進するとともに、入退院に際してスム

ーズに連携できる仕組みの導入を推進する。

・ 医療・ケア従事者に対して、患者の意思決定支援の取組の重要性等に関する啓発を推進する

とともに、住民への普及啓発を推進する。

考えられる具体的取組(案)

・ 病院及び地域の多職種参加によるケースカンファレンスの実施など、病院と地域の相互理解

を促進する取組の積極的な実施

・ 各地域における入退院支援ルールの策定・運用により、病院と地域の診療所の医師、及び多

職種が早期からスムーズに連携できる仕組みの導入

・ 緩和ケアを提供する病院の医師と地域の診療所医師が、患者の在宅復帰と安心で穏やかな在

宅療養の実現に向けて早期から連携(二人主治医制など)する取組の推進

・ 急性期病院も含めた治療を担当する医師を対象とした、在宅緩和ケアと ACP の具体的実践に

関する啓発

・ 病院医師による入院早期から患者の心理的な不安を予防し、和らげるための緩和ケアの導入、

及び意思決定への早期からの介入の推進

・ 医療用麻薬を取り扱っているなど、在宅緩和ケアに対応可能な薬局のリストの作成、及び退

院時等における利活用促進

・ 住民に対するかかりつけ医や ACP の重要性に関する普及啓発

・ 医療・ケア従事者を対象とした ACP への理解を深めるための研修会の実施、及び ACP を実践

できる人材の育成

Page 18: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

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図表 19 病院での退院時カンファレンスの参加状況

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 20 ACPの認知度(再掲)

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

10%

4%

71%

51%

46%

25%

12%

26%

47%

37%

65%

84%

3%

2%

17%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

診療所

薬局

訪問看護ステーション

地域包括支援センター

老人ホーム

毎回参加する 日時が合う時のみ参加する 参加したことはない

【病院】 【診療所】 【薬局】

【訪問看護ステーション】 【地域包括支援センター】 【老人ホーム】

Page 19: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

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(4)緩和ケアに関する住民への普及啓発について

調査結果

・ 在宅緩和ケアを推進していく上で必要だと思うこととして、「患者・家族に対する情報提供や

意識啓発」とする回答が多い。[図表 21]

・ 診療所医師が在宅緩和ケアの提供において難しさを感じることとして「現在の状態や病状に

対する患者・家族の理解が不十分」とする回答が多い。[図表 22]

課題

・ 現状、患者・家族において、緩和ケアは終末期のみに実施されるものという印象が強く、医療

用麻薬に関しても必ずしも正しい理解が浸透していないと言われている。

・ 医療従事者側においても、患者・家族が抱える不安に対して適切に説明・対応することに難

しさを感じている。

・ 適切な緩和ケアの提供による患者の希望に沿った在宅療養の実現には、患者や家族が、医療

用麻薬の使用等による緩和ケアに関して正しく理解し、より良い療養生活に向けた選択肢の

一つとして認識できるよう、一層の普及啓発が必要であると考えられる。

取組の方向性

・ 関係機関(者)が協力し、緩和ケアに関する普及啓発の積極的な展開を推進する。

・ 医療・ケア従事者に対して、患者の意思決定支援の取組の重要性等に関する啓発を推進する

とともに、住民への普及啓発を推進する。

考えられる具体的取組(案)

・ インターネット等各種媒体の活用による緩和ケアや医療用麻薬の安全性・有効性などの情報

提供等、住民に対する普及啓発の取組の積極的な展開(県内における緩和ケア情報の集約と

発信など)

・ 住民向けセミナー等の開催による緩和ケア及び ACP に関する周知と理解の促進

・ がん診療連携拠点病院等に設置されている相談窓口の周知、及び窓口の機能や役割に関する

積極的な広報の展開(住民だけでなく医療・ケア従事者に対しても)

・ 緩和ケア外来や緩和ケアチームの活動や役割の周知

・ 緩和ケアを実施する病院における「ホスピス緩和ケア週間」の住民に対する積極的な周知と

理解促進の機会としての活用

Page 20: 調査結果に基づく考察 1.在宅医療に従事する医師の確保と負担 … · ・ 現在在宅医療を行っている施設のうち、今後(5年後)は在宅医療を行わない可能性があるとい

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図表 21 緩和ケアを推進していく上で必要だと思うこと

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

図表 22 診療所における在宅緩和ケアで難しいと感じること

出典:埼玉県「在宅医療及び在宅緩和ケアの提供体制に関する実態調査」(2019 年)

e

-

l

e

a

r

n

i

n

g

病院 96 74% 53% 26% 70% 56% 33% 34% 44% 50% 33% 46% 4% 0% 0% 0%

診療所 342 66% 42% 28% 46% 24% 20% 36% 36% 36% 25% 37% 6% 0% 0% 2%

薬局 1611 63% 44% 32% 27% 16% 30% 38% 43% 52% 27% 26% 2% 0% 0% 2%

訪問看護ステーション 234 82% 56% 42% 35% 23% 47% 48% 47% 50% 38% 30% 9% 0% 0% 5%

地域包括支援センター 177 84% 71% 46% 55% 25% 51% 46% 48% 39% 28% 3% 12% 0% 0% 4%

老人ホーム 293 73% 46% 26% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 85% 76% 8%

患者の視点 医療側の視点 その他

全体

n=79

患者及び家族の現在の状態・病状に対する理解が不十分