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発行日 2019/2/19 原油 週刊経済指標 経済の動きをグラフで見てみましょう。 毎週火曜日夕方発行 NYはPresident Dayで休場。 東京金は続伸。終値は、中心限月12月先ぎりが前日比6円高の4699円、ほかは47 円高。日中立ち会いは、 ニューヨーク金先物相場が前日の東京市場大引け時を上回ったこ とから、買いが先行して始まった。その後はNY 金の上昇一服を受けて上げ幅を縮小し、 午後はもみ合いが続いた。ゴールドスポットの終値は6円高の4703円。 銀は10銭安50銭高。当ぎりと10月きりは出合いがなかった。 白金は続伸。高寄りした後、NYの堅調を眺め、水準を切り上げた。先ぎりが14円高 の2874円、ほかは13 16円高で取引を終えた。プラチナスポットの終値は17円 高の2874円。パラジウムは、約定した2番ぎり 以降が2555円高。 15時半時点のNY金時間外取引NY金4月限は1322.1ドル [シンガポール/シドニー 19日 ロイター] - 19日のアジア時間の取引で、北海ブレント先物LCOc1が前日 付けた年初来高値から下落している。石油輸出国機構(OPEC)主導の減産が支援材料となっているが、世界経済の 減速で今年の石油需要が減るのではないかとの見方が出ている。0220GMT(日本時間午前11時20分)現在、 北海ブレント先物は1バレル=66.08ドル。前日終値から0.6%(0.42ドル)下落している。前日は年初来高値と なる66.83ドルまで上昇していた。 米原油先物は一時3カ月ぶり高値を付けた。OPEC主導の減産が支援材料。 米WTI原油先物CLc1は前営業日終値比0.12ドル高の55.71ドル。一時、1バレル=56.33ドルと、昨年11月 20日以来の高値を付けた。18日は米国が祝日で休場。前営業日となる先週15日は2.2%上昇していた。 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチはリポートで、米中貿易戦争が世界経済に悪影響を及ぼしていると指摘。 「世界的な貿易摩擦に対処することが経済見通しを好転させる鍵となる」との見方を示した。 - 1 -

週刊経済指標 - フジフューチャーズ · 1月の全体の鉱工業生産 指数は0.6%低下。12月は0.1%上昇で、速報値の0.3%上昇から 下方修正となった。

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Page 1: 週刊経済指標 - フジフューチャーズ · 1月の全体の鉱工業生産 指数は0.6%低下。12月は0.1%上昇で、速報値の0.3%上昇から 下方修正となった。

発行日 : 2019/2/19金 原油

週刊経済指標経済の動きをグラフで見てみましょう。

毎週火曜日夕方発行

NYはPresident Dayで休場。

東京金は続伸。終値は、中心限月12月先ぎりが前日比6円高の4699円、ほかは4〜7 円高。日中立ち会いは、

ニューヨーク金先物相場が前日の東京市場大引け時を上回ったこ とから、買いが先行して始まった。その後はNY

金の上昇一服を受けて上げ幅を縮小し、 午後はもみ合いが続いた。ゴールドスポットの終値は6円高の4703円。

銀は10銭安〜50銭高。当ぎりと10月きりは出合いがなかった。

白金は続伸。高寄りした後、NYの堅調を眺め、水準を切り上げた。先ぎりが14円高 の2874円、ほかは13

〜16円高で取引を終えた。プラチナスポットの終値は17円 高の2874円。パラジウムは、約定した2番ぎり

以降が25〜55円高。

15時半時点のNY金時間外取引NY金4月限は1322.1ドル

[シンガポール/シドニー 19日 ロイター] - 19日のアジア時間の取引で、北海ブレント先物LCOc1が前日

付けた年初来高値から下落している。石油輸出国機構(OPEC)主導の減産が支援材料となっているが、世界経済の

減速で今年の石油需要が減るのではないかとの見方が出ている。0220GMT(日本時間午前11時20分)現在、

北海ブレント先物は1バレル=66.08ドル。前日終値から0.6%(0.42ドル)下落している。前日は年初来高値と

なる66.83ドルまで上昇していた。

米原油先物は一時3カ月ぶり高値を付けた。OPEC主導の減産が支援材料。

米WTI原油先物CLc1は前営業日終値比0.12ドル高の55.71ドル。一時、1バレル=56.33ドルと、昨年11月

20日以来の高値を付けた。18日は米国が祝日で休場。前営業日となる先週15日は2.2%上昇していた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチはリポートで、米中貿易戦争が世界経済に悪影響を及ぼしていると指摘。

「世界的な貿易摩擦に対処することが経済見通しを好転させる鍵となる」との見方を示した。

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TOPICs 米国の経済指標

★ ISM製造業景況指数:1月は予想外の上昇、2年ぶり低水準から

2019年2月2 1月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数は、前月に記録した2年ぶり低水準から回復

した。前月に急低下した新規受注と生産の指数がいずれも上昇。2019年に入って製造業の見通しが安定を増したこ

とを示唆した。

★ 米供給管理協会(ISM)が5日発表した1月の非製造業総合景況指数は前月から低下し、サービス業の減速が

示された。特に新規受注の指数は大きく落ち込み、1年ぶり低水準。一方で雇用指数は上昇し、需要の底堅さが示唆

された。

キーポイント1月の非製造業総合景況指数は56.7に低下-昨年7月以来の低水準前月は58(速報値の57.6から修

正)ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値(57.1)を下回る18業種のうち拡大を報告したのは11業種-こ

こ2年で最少同指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示すインサイト

ISM非製造業景況指数は小売りや公益、ヘルスケア、建設など経済全体の90%近くを占める幅広い業界を網羅す

る今年は減税効果の衰えや貿易戦争の影響で経済成長の減速が予想されており、1月のサービス業の拡大ペース鈍化

もこの予想と一致する雇用面は明るさが見られた-雇用指数は57.8と、前月の56.6から上昇(上昇は4カ月ぶり)

景況感指数

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米1月新車販売台数、大寒波と政府機関閉鎖のWパンチ

で1,700万台割れ

ワーズオートが発表した米1月新車販売台数は、年率

1,660万台と市場予想の1,720万台を下回った。年初来

で最高だった2018年12月の1,750万台に届かず、5ヵ

月ぶりに大台を割り込んだ。なお、今回からGMに続き

フォードも毎月の新車販売台数の発表を中止した。

2018年10月以降の米株安・原油安が一服した一方で米

金利は低下傾向を維持したものの、

① 政府機関の閉鎖、

② 大寒波と積雪などの季節要因、

③ 過去4ヵ月間の販売台数増加の反動——などで販

売が減速したとみられる。なお、2018年では、前年比

0.4%増の1,730万台だった。2019年の新車販売台数

につき、エドマンズ・ドットコムは1,680万~1,690万

台と予想する。ALGは1,700万台を予想、共に2018年

を下回る見通しだ。

1月は、政府機関の閉鎖や5ヵ月ぶりの低水準。

★ NY連銀景況指数、3カ月ぶり上昇 先行きも大幅改善

米ニューヨーク連邦準備銀行が15日発表した2月の製造業景況指数(季節調整済み)は8.8で前月から4.9ポイン

ト上昇した。上昇は3カ月ぶりで、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(7.0程度)を上回った。今後6カ月の景況見

通しは14.5ポイント上昇の32.3と大きく改善した。

個別項目では「新規受注」が7.5と4.0ポイント上昇、「受注残高」もマイナス0.7と6.9ポイント上昇した。「雇用

者数」は3.3ポイント低下し4.1となった。経済調査会社パンセオン・マクロエコノミックスのエコノミストは「過去

2カ月で大きく下落した後の緩やかな上昇だが、今回で底を打ったかは定かではない」と先行きに慎重な見方を示し

た。

同調査は管轄地区内の約200の製造業者が対象。プラスの数値は前の月より景況感が「改善した」との回答の比率が

「悪化した」との回答の比率を上回ったことを示す。

自動車販売台

鉱工業生産指数と耐久消費財受注

★ 米鉱工業生産指数:1月は製造業が0.9%低下、予想外のマイ

ナス 2019年2月16日 1月の米製造業生産は予想外にマイナス

となり、8カ月ぶりの大幅な低下率となった。自動車セクターの弱

さが響いた。中国との貿易摩擦など逆風が製造業を圧迫する中、

2019年は弱い滑り出しとなった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した1月の鉱工業生産指

数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)のうち、

製造業は前月比0.9%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノ

ミスト予想の中央値は前月比横ばいだった。昨年12月は0.8%上昇

に下方修正された(速報値1.1%上昇)。1月の全体の鉱工業生産

指数は0.6%低下。12月は0.1%上昇で、速報値の0.3%上昇から

下方修正となった。

★ 2月5日に米商務省が発表した11月耐久財受注改定値は前月

比+0.7%と、上方修正予想に反して速報値+0.8%から下方修正

された。10月▲4.3%からはプラスに改善した。国内総生産

(GDP)算出に用いられる航空機を除く非国防資本財(コア資本

財)の出荷改定値は前月比▲0.2%と、速報値▲0.1%から予想外

に下方修正され、9月来のマイナスに再び落ち込んだ。設備投資の

先行指標となる11月コア資本財受注の改定値は前月比▲0.6%と上

方修正が予想されていたが、速報値から修正はなく、10月の+

0.5%から再びマイナスに落ち込んだ。

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★ 11月の米住宅着工件数は前月から増加し、8月以来の高水準となった。着工許可件数は7カ月ぶり高水準と

なった。

米商務省が18日発表した11月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比3.2%増の126

万戸。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は123万戸だった。前月は122万戸(速報値123万

戸)に下方修正された。

★ 全米不動産協会(NAR)が1月22日発表した先月の中古住

宅販売件数は年率換算で499万戸と、前月比6.4%減少した。

この減少幅は3年余ぶりの大きさ。エコノミスト予想の1.3%減

より大幅に落ち込んだ。

住宅市況の回復もないとはいえないが、その勢いに最も弾み

がついていた日々は過ぎ去ったに違いない。先月は買い手に

とって金利が有利になったにも関わらず、販売は冷え込んだ。

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によれば、2018

年12月末時点で30年物・固定金利型住宅ローンの平均金利は

4.55%と、11月上旬の4.94%より低下。

一部には金利低下が住宅販売を後押しするとの見方もあるが、

やぶから棒に低金利になるわけではない点に留意したい。金利

が下がるのは米国経済への警戒感と、それに伴う株安の反映だ。

この種の物事は、大きな買い物に対して消費者に二の足を踏ま

中古住宅販売件数は売買手続きの完了を基に算出されていることも重要だ。つまり12月の住宅販売は、金利が高

かった同月以前に家を探し、契約された分が大多数を占める。

それでも、1月の住宅市場の回復はなさそうだ。米政府機関の一部閉鎖によって約80万人の連邦職員が自宅待機か、

無給勤務を強いられている。多くの職員にとって住宅購入は最優先事項ではなさそうだ。政府の下請け業者も同様だ

ろう。

将来の住宅市場にとってさらに大きいのは、持続的な値上がりによって手が届かなくなる人が増えていることだ。

税制改革により、賃貸に比べた持ち家の有利さも薄れた。ミシガン大学の消費者調査によると、住宅購入に適した時

期だと考える世帯の割合は、08年以来の低水準に沈んだ。

ただ、必ずしも「終わり」が迫っているわけではない。数週間で政府閉鎖が解消され、米国経済が閉鎖の影響をし

のぐことができると想定すると、金利低下がますます意義を持つようになり、それに住宅販売も応じるだろう。そう

なれば一安心だが、恐らく市況回復への新たな序章の先触れとはいかないだろう。

米商務省が14日に発表した2018年12月の小売売上高は前

月比▲1.2%減となった。市場の予想は若干のプラスとなって

いたのに対して大幅なマイナス、しかもこれは2009年9月以

来の9年強ぶりの大幅な減少幅となっていた。

注意すべきはこの統計の数値への信頼性となる。この数字

に関しては政府機関の閉鎖がデータ収集作業に影響した可能

性も指摘されている。今回の12月の小売売上高統計は、1月

25日まで35日間続いた政府機関の一部閉鎖の影響で遅れて

発表されたが、集計作業についてもこれまで通りに行われて

いたのかという疑問も残ろう。

住宅建設と販売・中古住宅販売

小売り売上高

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輸出入と貿易収支

米国の対中貿易赤字、11月は縮小でも拡大トレンドは

変わらず

2019年2月7日 18年11月は前月比52億ドル減、1ー

11月は376億ドル増。対中関税をよそに米消費者や企業

は中国製品の購入継続。トランプ米大統領は5日の一般

教書演説で対中貿易赤字の縮小を目指す考えを強調した

が、堅調な景気が米国内で輸入需要を後押しするため赤

字は今年も膨らみそうだ。

米商務省が6日発表した2018年1-11月の対中貿

易赤字は前年同期比で376億ドル(約4兆1300億円)、

10.9%の増加。これにより、11月末時点の対中貿易赤字

は3823億ドルと、中国の次に対米貿易黒字の大きいメキ

シコの5倍強となった。11月の対中貿易赤字は前月比で

52億ドル縮小したものの、拡大トレンドは続いている。

米中の関税合戦が両国の出荷時期と数量に影響を及ぼしており、今回の報告は貿易統計が月ごとに大きく変動し

得ることを浮き彫りにした。対中貿易収支のデータは11月の貿易統計の一部として公表された。11月の米貿易赤

字は5カ月ぶりの低水準に縮小した。

今回のデータは中国製品に対する米国の関税措置をよそに米国の消費者や企業が中国製品の購入を継続してい

ることを示唆しており、18年1-11月の輸入は前年同期比7%増加した。追加関税の脅威で企業が在庫積み増し

を迫られたことも背景にある。

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財政赤字 米財政赤字6年ぶり高水準、18会計年度-トランプ

氏初の通年

2018年10月16財政赤字は17%増の7790億ドル、

GDP比は3.9%に上昇-財務省

CBO予測では19年度は9730億ドル、20年度は1兆

ドル超の赤字トランプ米政権として初めての通年の会計

年度で財政収支は7790億ドル(約87兆1500億円)

の赤字と、赤字額は2012年以来の高水準となった。減

税や歳出増加が影響した。

米財務省が15日発表した2018会計年度(17年10

月-18年9月)の財政赤字は前年比17%増加。歳出が

3.2%増えた一方、歳入は0.4%増にとどまった。財政

赤字の国内総生産(GDP)比は3.9%と、前年度に比

べ0.4ポイント上昇した。

TOPICs 米国の経済 by Clculated Risk ホテル稼働率

2月3日から9日の週の全米ホテル業界のホテル稼働率

は、以下の通り

① 稼働率 = +0.2%の59.9%

① 平均宿泊料 = +1.5%高の126.68ドル

② 稼働部屋当たり収入 = +1.7%高の75.84ド

ル。

ホテル稼働率

中古住宅販売

左のグラフは1994年から2019年1月までの中古住宅

販売を表したものである。

2月21日に新た強いデータが公表されるが、事前予想

は500万戸で、前月の499万から少し多いと予想され

ている。

住宅ローン返済不履行率(日数別)

右のグラフは住宅ローンの返済不履行率で赤色は返済不

能、黄色は90日以上滞納、青は30~60日滞納である。

いずれも減少傾向にある。

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発行元 :

米国経済はどうもまだら模様であるようだ。一部では景気は回復しているという指標が出ているが、一方で景気は

落ち込み始めたという示唆もある。不景気ではないが、好況とも言えない状況であろう。消費者には警戒感があり手

放しで消費するようなムードではないものと思われる。日本のように長いデフレにならなければ良いと思う。

金や原油価格についてもどっちつかずの状況が続いている。上がるともいえないし、かといって急落するとも思え

ない。今後の状況次第ではどちらもあると言えよう。

今後の予想

設備稼働率

左のグラフは米国全産業を対象とす

る設備稼働率である。縦縞は不況期

を表す。

鉱工業生産指数

左下のグラフは2012年を100とした鉱工業生産指

数である。Empire State Manufacturing Survey

よれば、ニューヨーク州の2月の企業活動はゆっくりと

改善しているという。

ビジネス状況指数は5ポイント上昇して8.8

新規受注と出荷は、ゆっくりとした増加傾向にある。

納期は少し長くなり、在庫率は健全である。労働市場

は雇用と労働時間が少し伸びている。消費者物価指数は

3か月連続で低く、投入価格指数の伸びは減速している

ことが示されている。

一方受け取り価格指数は10ポイント上昇しここ数カ月

で最も高い水準に上っている。これは販売価格が上向き

つつあることを示している。先月のスランプの後で、こ

の6カ月の概況はかなり改善してきたように見受けられ

る。企業は将来に明るい見通しを持っているようである。

雇用者数指数は▲3ポイントと、二カ月連続で低下し

たが、それでもまだ+4.1ポイントとプラス圏を保って

いる。ただ、平均就業週指数は2.5にまで低下した。

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