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地震対策資料 No.291-2016

静岡県の地震・津波対策 - Shizuoka Prefecture · 富士川河口断層帯は、静岡県東部の富士川河口から富 士山南西山麓にかけて、ほぼ南北に延びる約26kmの断層

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地震対策資料No.291-2016 南

海トラフ巨⼤地震等⼤規模災害に備えて

南海トラフ巨⼤地震等⼤規模災害に備えて

平成⼆⼗⼋年

平成⼆⼗⼋年

静静

岡岡

県県

静岡県の地震・津波対策

静岡県の地震・津波対策

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学校の耐震化

◆ これまでの実績

◆ 全国トップレベルの対策

2兆2,789億円

99.3%

(全国1位)

99.3%

(全国1位)

学校・幼稚園施設の耐震化率

27年4月

35.3%

(全国1位)

35.3%

(全国1位)

総合防災訓練の県民参加率

26年度

18,576戸

(全国1 位)

18,576戸

(全国1 位)

木造住宅耐震補強工事への助成

26年度末

昭和54年度 ~ 平成27年度

概ね9割の整備完了

概ね9割の整備完了

東海地震(マグニチュード8クラス)

に対する、津波対策施設の整備

26年度末

2兆2,338億円

市町助成等

7,292 億円

避難地・避難路1,596 億円

津波対策施設

1,028 億円

消防用施設920 億円

通信施設686 億円

山・崖崩れ防止対策2,913 億円

緊急輸送路4,020 億円

病院・学校・社会福

祉施設の耐震化4,334 億円

94.7%

(全国2位)

94.7%

(全国2位)

防災拠点となる公共施設の耐震化率

26年3月

背景写真提供:静岡県観光協会1

(参考)平成28年度

静岡県一般会計当初予算

1兆2,410億円

防 災 先 進

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L2津波減災効果

L1津波

防災林・道路などの嵩上げ●「静岡モデル」の施設整備 イメージ図

海岸堤防

レベル2津波

レベル1津波

「静岡県を中心とした東海地域で、大規模な地震が明日起こっても不思議ではない。」

静岡県は、1976年8月に発表された東海地震説以降、東海地震に備えるため、 40年にわ

たり、ハード、ソフト両面において様々な防災対策の実施及び観測体制の強化を行ってまいり

ました。その結果は、学校・幼稚園施設の耐震化率が全国1位になるなど、確かな成果として

現れてきています。

昭和東南海地震や昭和南海地震の発生から約70年が経過する中、近年は、東海地震と東南海

地震、南海地震との連動地震(レベル1地震)や東日本大震災を踏まえ、南海トラフ巨大地震

(レベル2地震)等あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震への対策、富士山噴火が地震の

前後に発生する連続災害や原子力災害との複合災害も視野に入れた対策が必要となっています。

静岡県では、現在平成25年度~34年度の10年間で「想定される犠牲者を8割減少させる」

という目標を掲げた「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013」に基づき、広範な

地震・津波対策に市町と一体となって取り組んでいます。

中でも“千年から数千年に一度”の発生が予想される最大クラスの津波に対し、既存の防災

林、道路のかさ上げ等により被害を軽減する「静岡モデル」の対策が、ジャパン・レジリエン

ス・アワード(強靱化大賞)金賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

また、本年4月に発生した平成28年熊本地震では、前震が発生した4月14日の翌日には、

他県に先駆けて連絡員を熊本県庁へ派遣し、本震発生前から熊本県への応援体制を確立するな

ど、他県での地震災害に対しても積極的な支援を行っています。

本県が進んで地震対策等に取り組んできた成果はいざという時に必ず役立つものと信じ、防

災先進県として、静岡県は、今後も更なる防災対策に取組んでまいります。

進 県 静 岡ふ じ の く に

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防災先進県静岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

第1章.地震被害想定1 想定される地震 5

コラム プレート境界型地震が発生するしくみ・・・・・・・・・・・・・・・・ 6コラム 大地に蓄積されていく歪み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

2 静岡県第4次地震被害想定 8

コラム 国の地震被害想定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

コラム 静岡県防災・原子力学術会議 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

第2章.地震・津波対策1 地震・津波対策アクションプログラム2013 13

2 AP2013に基づく津波対策 14

3 AP2013に基づく家庭内の地震対策 16

4 市町防災対策の推進 緊急地震・津波対策等交付金 17

コラム 「内陸のフロンティア」を拓く取組・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

コラム 美しく、強く、しなやかな“ふじのくに”づくり計画・ 18

5 防災体制 19

6 各地域の取組 21

7 消防防災航空隊 23

コラム 防災ヘリコプターの相互応援協定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

コラム 消防団応援条例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

8 防災通信ネットワークシステム 24

9 ふじのくに防災情報共有システム「FUJISAN」 25

10 広域受援計画と国の現地本部 27

11 災害時応援協定 29

12 多彩な防災訓練 30

13 調査観測の取組 31

14 自主防災組織及び災害ボランティア 33

コラム 観光客の安全確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33

15 観光客の安全確保 34

コラム 静岡県内外の災害ボランティアによる図上訓練・・・・・・・ 34

16 啓発活動の拠点 静岡県地震防災センター 35

17 防災人材の育成 36

コラム 災害図上訓練DIG/家庭内DIG ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

コラム 避難所運営ゲームHUG(ハグ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

コラム 自主防災組織災害対応訓練「イメージTEN」・・・・・・・・・・・37

第3章.火山・原子力防災対策1 火山防災対策 39

2 原子力防災対策 40

コラム 家具固定 災害備蓄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

※ 冊子の内容は特記がない限り平成28年4月1日現在

表紙写真:駿河トラフが眠る駿河湾と富士山(静岡市清水区)

3

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静 岡 県 第 4 次 地 震 被 害 想 定 震 度 分 布

︻駿河トラフ・南海トラフ沿い︼

南海トラフ巨⼤地震︵基本ケース︶

︻相模トラフ沿い︼

元禄型関東地震

地震被害想定第1章

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1976年(昭和51年)8月、東京大学理学部の石

橋助手(当時)は、「静岡県を中心とした東海地域

で、大規模な地震が明日起こっても不思議ではな

い」という東海地震説を発表しました。

この地震説の発表は、静岡県を中心とした東海

地域で大きな社会問題となり、県や市町村をはじ

め各家庭でも、東海地震対策が も急がれる重要

な課題となりました。

この説の発表から大地震が起こることなく40年が

経過しました。

想定される地震1(1)東海地震

(2)南海トラフ沿いで発生する地震

大陸プレートのユーラシアプレートの下に、海洋プレー

トのフィリピン海プレートが潜り込む、駿河湾から日向灘

までの場所を南海トラフと呼びます。

南海トラフを震源域とする大地震は繰り返し発生してい

ることが知られており、東海地震の想定震源域も南海トラ

フに含まれています。

これまで、「ほぼ同じ領域で、ほぼ同じ規模・間隔で地

震が発生する」という固有地震モデルに基づいて、東海

地震の評価が行われてきたところですが、近年の研究で

は、南海トラフで発生する地震は、固有地震モデルでは

説明できない、多種多様なパターンの地震が起きている

ことがわかってきました。

このため、次に発生する地震の震源域の広がりを正確

に予測することは、現時点の科学的知見では困難であり、

地震対策を行う上では、 大クラスの地震・津波を想定

することが必要となっております。

日本付近のプレート

(東京大学地震研究所瀬野徹三教授による)

出典:気象庁

また、東海地震の想定震源域外の地震(昭和東南海地震や昭和南海地震)の発生から約70年が経過し

ている今、東海地震と東南海地震、南海地震との連動発生(レベル1)はもとより、南海トラフの巨大地震

(レベル2)も視野に入れた対策が必要となっています。

5

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6

南海トラフで過去に起きた大地震の震源域の時空間分布

第1章 地震被害想定

※図中イタリック体で表した数字は、地震の発生間隔(年)を示す。

※震源域は地形の境界(都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬、大王崎、御前崎、富士川)で東西に区切っている。

※黒の縦棒は、南海と東海の地震が時間差(数年以内)をおいて発生したことを示す。

プレート境界型地震が発生するしくみ

海 底 を 作 っ て いる フ ィリ ピ ン 海 プ レー トが 年数 c m の 割 合 で ユ ー ラ シ ア プ レ ー ト の 方 へ

移動し、その下へ潜り込む。

ユ ー ラ シ ア プ レ ー ト の 先 端 部 が 引 き ず り 込まれ、ひずみが蓄積する。

ひ ず み が そ の 限 界 に 達 し た 時 、 ユ ー ラシアプ レ ー ト が 跳 ね 上 が り 、 地 震 が 発 生 す る 。その際、津波も発生する。

駿河トラフ

コ ラ ム

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コ ラ ム

国土地理院による東海地域の地殻変動観測で

は、水平変動では駿河湾を挟む東西方向が年

間1cm程度縮みつつあり、上下変動では駿河湾

の西側が沈降しています。

掛川市内にある水準点を基準にした、御前崎

市内にある水準点の測量結果は、グラフのとおり、

季節的な上下変動を繰り返しながら沈降してい

ます。沈降が停止し、隆起に転じるとき地震が発

生すると考えられています。

掛川市を基準とした御前崎市の地面の沈下量のグラフ

(第346回地震防災対策強化地域判定会国土地理院資料より抜粋)

大地に蓄積されていく歪み

富士川河口断層帯は、静岡県東部の富士川河口から富

士山南西山麓にかけて、ほぼ南北に延びる約26kmの断層

帯で、駿河湾内のプレート境界断層(東海地震の震源域)

に連続していると考えられています。

政府の地震調査委員会は、 新の調査結果をもとに、平

成22年10月に長期評価の一部改訂を行いました。その評

価結果によると、富士川河口断層帯は駿河トラフで発生す

る海溝型地震と連動して同時に活動すると推定され、この

場合、マグニチュード8程度の地震が発生する可能性があ

ります。

過去の活動履歴についての解釈の違いから、将来の地

震発生確率も2通りの評価がありますが、いずれの場合も

大値をとると、今後30年の間に地震が発生する確率がわが

国の主な活断層の中では高いグループに属することになり

ます(高いグループとは、今後30年間の地震発生確率(

大値)が3%以上であることを意味します)。

(4)富士川河口断層帯による地震

7

富 士 川 河 口 断 層 帯 位 置 図

出典:平成22年10月地震調査研究推進本部

相模トラフ沿いでは、元禄関東地震(1703年)や大正関東地震(1923年)など、約200年から400年間隔でプ

レート境界型の地震が発生しています。 また、このほかにも、神奈川県西部の地域では、寛永地震(1633

年)や天明地震(1782年)など、マグニチュード7クラスの地震が繰り返し発生しています。

(3)相模トラフ沿いで発生する地震

(mm)

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静岡県第4次地震被害想定2

8

2つのレベルの地震を想定

地震被害想定は、地震が発生したときの地震分布

や津波高の状況を推測し、人的・物的被害の状況や、

災害発生から復旧への経過などを想定するもので、

県や市町が行う防災対策のための基礎資料となるも

のです。

県では、国が示す想定震源域・想定津波波源域の

考え方や地震モデル等を基に、県の新たな地震・津

波対策の目標を定めるため、駿河トラフ・南海トラフ

沿いの地震及び相模トラフ沿いの地震を対象とした

「静岡県第4次地震被害想定」を策定し、平成25

年6月(第一次報告)と平成25年11月(第二次報

告)に想定結果を公表しました。

その後、国が公表した新しい地震モデルを基に、

「相模トラフ沿いで発生する地震の地震動・津波浸

水想定」を平成27年1月に、国と相談して策定した

「駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生するレベル1地

震の津波の想定」を平成27年6月に、それぞれ第

4次地震被害想定の追加資料として公表しました。

発生頻度は極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす、あらゆる可能性を考慮した大クラスの地震・津波(千年~数千年に1回程度の発生頻度)

レベル2

の地震・津波

レベル1

の地震・津波

発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす地震・津波

(駿河トラフ・南海トラフ沿いでは約100年~150年に1回程度の発生頻度)

区分 駿河トラフ・南海トラフ沿い 相模トラフ沿い

【津波対策上の位置付け】

東海地震、

東海・東南海・南海地震等

(マグニチュード8.0~8.7)【30年以内発生確率:70%程度】

大正型関東地震

(マグニチュード8.0~8.2程度)

【30年以内発生確率:ほぼ0~5%】

防潮堤など構造物によって津波の内陸への侵入を防ぐ海岸保全施設等の建設を行う上で想定する津波

【津波対策上の位置付け】

南海トラフ巨大地震

(マグニチュード9程度)

【発生頻度はレベル1の地震より1桁以上低い】

元禄型関東地震

相 模 ト ラ フ沿い の 大クラ スの地 震

(マグニチュード8.2~8.7程度)【30年以内発生確率:ほぼ0%】

住民避難を柱とした総合的防災対策を構築する上で設定する津波

レベル1

レベル2

第1章 地震被害想定

(1) 想定地震及び各地震の震源域

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15m14m 15m

12m10m

13m

19m

14m 9m

10m

12m

11m

6m

10m

16m

15m

10m

26m

33m

13m

14m

17m

14m

7m7m 7m

6m5m

7m

11m

11m 6m

6m

8m

8m

4m

8m

7m

9m

12m

15m

11m

6m

6m

9m

7m

湖西市

浜松市西区

浜松市南区

磐田市

袋井市

掛川市

御前崎市

牧之原市

吉田町

焼津市

静岡市駿河区

静岡市清水区

富士市

沼津市

伊豆市

西伊豆町

松崎町

南伊豆町

下田市

河津町

東伊豆町

15m

7m

レベル2 の 大津波高(※)

レベル1 の 大津波高(※)

熱海市(初島除く)

伊東市

18m

8m

熱海市(初島)

(1) 海岸での最大津波高 (単位:T.P.+m)

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、従来の想定をはるかに超えた巨大な

地震と津波が発生しました。

これを踏まえ、国の中央防災会議に設置された「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門

調査会」が、対象地震・津波を想定するためには、あらゆる可能性を考慮した 大クラスの巨大な地震・津波を検討す

べきであるという新たな地震・津波対策の考え方を平成23年9月に公表しました。

国の地震被害想定

9

南海トラフ巨大地震の想定震源断層域(H27.3.30中央防災会議幹事会)

この考え方に基づき、内閣府は古文書や

津波堆積物等による過去地震の調査やプ

レート構造等の科学的知見の検討を行い、

南海トラフ巨大地震については、平成24年8

月に津波高・浸水域及び人的・物的被害想

定等を、平成25年3月にライフラインや交通

施設の被害及び経済的な被害想定等につ

いて公表しました。

また、平成25年12月には、相模トラフ沿い

のマグニチュード8クラスの地震等の震源断

層モデルと震度分布、津波高等について公

表しました。 その後、平成27年12月に、「南

海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震

動の想定を公表しています。

(※) 大津波高は、市区町内の沿岸各地で想定される“駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する津波”と“相模トラフ沿いで発生する津波”の 大値を記載

コ ラ ム

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-約50約51約51半壊

-約33約33約33半壊

-約27約24約23全壊・焼失

-約14約13約13全壊・焼失相模トラフ沿い

約216~274約208~257約213~268約214~270半壊

約223~240約262~304約240~262約238~257全壊・焼失

約237約224約232約233半壊

約197約260約223約217全壊・焼失駿河トラフ・

南海トラフ

沿い

冬・夕夏・昼冬・深夜予知あり

予知なし被害区分区分

※地震動の基本・陸側・東側の3ケースによる推計結果の最小~最大を記載。なお、津波はケース①による。

(3 ) 物的被害 ( 単 位 : 千 棟 )

(2 ) 人的被害 ( 単 位 : 千 人 )

相模トラフ沿い

―約5.7約7.2約8.5軽傷者数

―約4.7約4.9約5.6軽傷者数

レベル2※

―約4.9約3.6約6死者数

―約2.2約2.6約2.2重傷者数

―約1.3約1.6約1.3重傷者数レベル1

―約2.5約1.8約3死者数

レベル2※

約13~16約46~55約58~62約50~62軽傷者数

約5.9~6.4約24~26約33~38約23~25重傷者数

約13~14約78~82約65~67約102~105死者数

約14約47約54約51軽傷者数

約5.5約21約31約20重傷者数

約2.7約14約9約16死者数

駿河トラフ・

南海トラフ沿い

冬・夕夏・昼冬・深夜

予知あり(冬・深夜)

予知なし被害区分区分

(4) ライフライン支障等

10

※ (想定対象人口:約376.5万人(平成22年国勢調査)、津波からの早期避難率:低の場合)

発災直後は県内ほぼ全域で断水、1週間後でも県内の給水人口の5割以上で断水が継続。応急復旧には4~6週間程度が必要

上 水 道

発災1日後、県内の処理人口の5~7割近くが機能支障となり、各地で排水困難な地区が発生。応急復旧には2~5週間程度が必要

下 水 道

震度4相当以上でほぼ全てのエレベーターが停止。電力復旧、点検後に使用が可能エレベーター

都市ガスは、発災直後の県内で7~8割程度が供給停止。応急復旧には4~6週間程度が必要LPガスは、発災直後に3~4割程度の需要家で機能支障が発生するが、点検後、早期の復旧が可能

ガ ス

固定電話は、発災直後は県内回線の9割程度が不通、1日後でも8割程度が不通のまま。応急復旧には、1~2週間程度が必要。携帯電話は、基地局の停波や停電の影響で発災1日後には県内全域で非常につながりにくい状態。応急復旧には1~2週間程度が必要上記以外に、発災直後から通話量の急激な増大により、電話がつながりにくい状態が発生

電 話

発災直後は県内の需要家の9割程度が停電、4日後でも1割弱程度で停電が継続。応急復旧には1週間程度が必要電 力

※静岡県第4次地震被害想定~駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する地震・津波の場合

第1章 地震被害想定

レベル1

レベル1

レベル1

レベル1

レベル2※

レベル2※

レベル2

レベル2

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コ ラ ム

11

( 5 )避難者数の推定 ( 単 位 : 千 人 )

※地震動の基本・陸側・東側の3ケースによる推計結果の 小~ 大を記載。なお、津波はケース①による。

レベル1

レベル1

約58約25約83約74約76約151約43約69約112

約33約14約48約48約48約96約22約35約57相模

トラフ

約672~741

約288~318

約960~1,059

約538~610

約618~703

約1,156~1,312

約376~414

約607~664

約983~1,078

約586約251約837約608約614約1,222約332約502約834南海

トラフ

避難所外避難所

避難所外

避難所避難所外避難所

(左のうち)避難者数

(左のうち)避難者数

(左のうち)避難者数

1ヶ月後1週間後1日後

区分

県は、平成22年3月に「静岡県防災・原子力学術

会議」を設置しました。

この会議の目的は、「静岡県民が直面する、東海

地震をはじめとする自然災害や浜岡原子力発電所

の防災対策に係る科学・技術について、その取組

状況を明らかにし、県民に向け的確な情報を発信

すること」です。自然現象、原子力、防災に止まらず、

エネルギー、環境など、広い分野の有識者で構成さ

れています。

また、会議には、地震・火山対策分科会、津波対

策分科会、原子力分科会、原子力経済性等検証専

門部会の4つの分科会・部会を設けました。

県は防災政策に関し科学的・学術的観点から助

言・指導を受け、南海トラフの巨大地震に関する県

の被害想定の策定や県の実施する津波対策等に

反映を行っています。

顧問 有馬朗人(静岡文化芸術大学理事長)

会長 松井孝典(千葉工業大学常務理事)

委員 山本一良(名古屋学芸大学学長補佐)

藤井敏嗣((特)環境防災総合政策研究機構専務理事

環境防災研究所長)

今村文彦(東北大学災害科学国際研究所所長)

明石真言(国立研究開発法人量子科学技術研究開発

機構執行役)

大竹政和(東北大学名誉教授)

興 直孝(静岡大学名誉教授)

久保哲夫(東京大学名誉教授)

小佐古敏荘(東京大学名誉教授)

田中 淳(東京大学大学院情報学環総合防災情報研

究センター長)

薬師寺泰蔵(慶應大学名誉教授)

静岡県防災・原子力学術会議

レベル1

レベル2

レベル1

レベル2※

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地震・津波対策

浜 松 市 沿 岸 部 の 防 潮 堤 篠 原 5 工 区 施 工 状 況 ( H 2 7 . 1 2 . 8 撮 影 )

第2章

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地震・津波対策1ー 想 定 さ れ る 犠 牲 者 を 1 0 年 間 で 、 8 割 減 少 ー

アクションプログラム2013

13

県では、第4次地震被害想定において推計された

被害をできる限り減らすため、平成25年に「地震・津

波対策アクションプログラム2013」(以下「AP2013」と

いう。)を策定しました。

基本理念は「減災」です。また、「想定される犠牲

者を平成34年度までの10年間で、8割減少させるこ

とを目指す。」ことを減災目標として掲げ、これを

レベル2地震による犠牲者約105,000人

地震による犠牲者

約9,500人

津波による犠牲者

約96,000人

4次想定 平成34年度

達成するために、数値目標と達成時期を定めた計162

の施策を打ち出しています。

中でも、

①新たな津波対策

②超広域災害への対応

③複合災害・連続災害対策

の三つを重点施策に掲げ対策を強化しています。

なお、平成27年に堤防の施設整備に大きな影響を

与えるレベル1津波の新たな津波高を想定したことや、

策定から3年が経過することを踏まえ、今年度

①第4次地震被害想定に新たに追加された地震モデ

ルに対応する見直し

② 新の調査結果を踏まえた目標値の見直し

③事業進捗状況を踏まえた記載内容の見直し

という3つの視点で見直しを行います。

今後も、AP2013に基づき、第4次地震被害想定で

被害が甚大となった津波対策のみならず、住宅の耐

震化、防災訓練や家庭内備蓄の向上など、ハード・ソ

フト両面から着実かつ迅速に対策を進めてまいります。

地震・津波から命を守る

減災ミティゲーション

被災後の県民生活を守る

迅速、かつ着実に復旧、復興を成し遂げる

減災目標

想定される犠牲者を今後10年間で、8割減少

基本理念

< A P 2 0 1 3 の 概 念 >

基本目標

AP2013進捗状況<全体の87%のアクションが順調に進捗>

平成27年3月末時点

100.0162合 計

13.021④目標の達成が遅れているアクション

67.9110③計画どおり進捗しているアクション

2.54②計画を前倒しして進捗しているアクション

16.627①目標を達成したアクション

割合(%)

アクション数

進 捗 区 分

約63,100人

8割減

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AP2013に基づく津波対策2対策の基本は ぐ げる える防防 逃逃 備備

第2章 地震・津波対策

高さ13m

幅50~60m

整備が進む浜松市沿岸部の防潮堤静岡モデル静岡モデル

レベル1を超える津波に対するため、震源域に近く津波

の到達が早い沿岸部に人口・資産が集中し、甚大な被害

が想定される本県の特性を踏まえ、施設の粘り強い構造

への改良に加え、既存の防災林などの嵩上げ・補強等に

よる「静岡モデル」の整備を推進し、安全度の向上を図り

ます。

((11) ) 津波を津波を ぐぐ

河川・海岸の対策河川・海岸の対策

さらなる安全度向上を目指して

施設の嵩上げ及び耐震化、粘り強い構造への改良並びに水門の設置及び改良を実施し、レベル1の津波

に対応した施設整備により、レベル2の津波来襲時も浸水深や浸水域の減少、津波到達時間を引き延ばす

等の減災効果が期待されます。なお、レベル1の津波に対応した施設の整備高は、地域住民等との話し合

いにより決めていきます。

現 況 堤 防現 況 堤 防 防 潮 堤 整 備 後防 潮 堤 整 備 後

○浸水区域 4,190ha ⇒ 1,361ha

⇒うち宅地の浸水区域の減少 1,468ha ⇒ 419ha

⇒うち浸水深2m以上の区域の減少 274ha ⇒ 8ha

浸水深

 10m以上

 5m以上   10m未満

 2m以上    5m未満

 1m以上    2m未満

 0.3m以上   1m未満

 0.01m以上 0.3m未満

合  計

浜松市沿岸部に防潮堤が整備された場合のレベル2津波に対する減災効果

防防

14

●レベル1の津波に対応した施設整備(例)

●浜松市沿岸部の静岡モデル

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((33) ) 津波に津波に 備備 える~える~

津波に強い地域づくりのイメージ

袋井市:津波避難マウント「命山」 (いのちやま) 吉田町:津波避難タワー(歩道橋型)

県では、市町が行う津波避難マウンド(津波避難用人工高台)

や津波避難タワーの整備支援や、公共土木施設への津波避難

用階段等の設置を行っています。

東日本大震災以降、静岡県内では津波避難マウンドや避難タ

ワーの整備、民間のビルなどを活用した津波避難ビルの指定な

どが急ピッチに進み、避難タワー等の数は100基、津波避難ビル

の指定は1,306棟と、それぞれ平成23年度の約14倍、約 2.6

倍になりました。

地域の特性に合わせ様々な形態の津波避難施設が建設され

ているのも特徴で、たとえば袋井市では「平成の命山(いのちや

ま)」と呼ばれる避難マウンドを整備しました。これは、江戸時代

に津波や高潮の避難場所としてこの地に築かれた「命山」を参

考にしたもので、半永久的に利用できるほか、平時には公園と

備備

急傾斜地に登る階段

して活用できるメリットがあります。

また、吉田町では、「歩道橋型」の避難タワーを整備しました。 これは、用地を新たに取得する必要がない

道路上に整備することで、費用を抑え、工期を短縮するメリットがあります。

15

((22) ) 津波から津波から 逃逃 げる~げる~

市町が作成する津波避難計画やハザードマップ、津波避難訓練等により、住民の迅速かつ適切な避難によ

り被害の 小化を目指します。また、県では「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、警戒避難体制を

特に整備すべき区域を「津波災害警戒区域」等として、調整の整った市町から指定を行っています。

逃逃

津 波 避 難 訓 練 の 様 子

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AP2013に基づく

家庭内の地震対策3第2章 地震・津波対策

16

((11))木造住宅の耐震化木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」プロジェクト「TOUKAI-0」

((22))家具等の固定家具等の固定

耐震化と並んで重要であるのが家具等の固定です。県

では、「自分の命は自分で守る」という「自助」の考えから、

「自主防災新聞」や「県民だより」といった広報誌、地震

防災ガイドブック、静岡県地震防災センター(詳細は

P35)の展示等により、家具等の固定の啓発を行っていま

す。このほかにも、家庭内DIG(詳細はP37コラム参照)と

いう、家族みんなで安全対策を話し合うための防災ツー

ルを開発し、普及啓発を行っています。 家具等の固定の展示(静岡県地震防災センター)

東海倒壊

地震に強いわが家にしよう!!

耐震診断は無料設計や耐震補強工事には補助金が出ます 対象は昭和56年5月以前の木造住宅

無料

電話一本で市町が派遣する専門家による耐震診断を無料で受けることができます。

市や町の窓口に電話で申し込みください。

耐震診断から補強工事までの流れ

<補助額>費用の2/3以内(上限96,000/戸)

※高齢者のみ世帯等へ割増補助等を行っている市町があります。

<補助額>・一般世帯

30万円/戸から・高齢者のみ世帯等

50万円/戸から

阪神・淡路大震災で亡くなった方の8割以上が、

建物の倒壊や家具の転倒による圧死や窒息死で

あり、特に、昭和56年5月31日以前に建築された

旧耐震基準の木造住宅に大きな被害がでました。

また、本年4月に発生した平成28年熊本地震で

も、多くの方が建物の倒壊により亡くなりました。地

震で大切な命を失わないためには、我が家の耐

震性を知り、地震で倒壊しない住宅にする事が重

要です。このため県では、住宅の倒壊から県民の

生命を守るため、市町と連携して、プロジェクト

「TOUKAI-0」を推進しています。

プロジェクトの目標は、平成32年度までの住宅

の耐震化率95%です。県では、市町と協力して、

住宅の耐震化の必要性を目で見てわかる簡易模

型「木造倒壊ぶるる」の活用、パンフレットや「木

造住宅耐震リフォーム事例集」の配布により、住

宅の耐震化の重要性を呼び掛けています。また、

阪神・淡路大震災では、住宅等の倒壊と家具等

の転倒による死者約5千4百名の半数を高齢者が

占めたことから、高齢者世帯への戸別訪問や、高

齢者等が集う機会を捉えた出前講座などを重点

的に行っています。

ト ウ カ イト ウ カ イ ゼ ロゼ ロ

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市町防災対策の推進

緊急地震・津波対策等交付金

県では、第4次地震被害想定及び地震・津波対策

アクションプログラムの公表とともに、犠牲者8割減少

に向け緊急に取組む市町に対し、平成25年度から

27年度までの3年間に総額92億円を支援する、緊急

地震・津波対策交付金制度を創設しました。

平成28年度からは、市町が実施する事業を引き続

き支援する「緊急地震・津波対策等交付金」制度

(H28~30年度)を創設し、平成30年までに3年間の

市町が実施する犠牲者8割減少のため特に犠牲者

防止等に効果を発揮する事業に重点的に資金を配

分することとしたほか、新たに火山対策等も対象に加

えています。

制度概念図

【犠牲者防止等に効果を発揮する事業】○津波避難タワー整備費等津波関連事業○屋内避難施設落下物対策等屋内の安全対策

事業○救護所・仮設救護病院等整備事業○自主防災組織・消防団等用防災資機材整備事

業(救命救助用)

市町の負担割合

国庫 1/2 県 1/12 振興協会 1/12 市町 1/3

国庫 2/3 県 1/18 振興協会 1/18

※ 国庫の補助率に加え県及び静岡県市町村振興協会からそれぞれ18分の1を並行補助※ 津波避難施設等に限定されます。

(1)通常の国庫補助対象事業(国庫補助が2分の1の場合)

※ 国庫の補助率に加え県及び静岡県市町村振興協会からそれぞれ12分の1を並行補助

市町 2/9

(2)南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の適用事業

津波避難施設の整備(静岡市)避難看板の整備(浜松市)

平成28年度30億円(平成28~30年度 90億円程度)【予算】

【新規事業】○火山防災マップ作成事業○津波避難施設等対津波安全性

(耐浪性) 確保事業○避難所マンホールトイレ整備事業

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県は、平成27年4月に国土強靱化に関する施策の総合

的かつ計画的な推進を図るため、「美しく、強く、しなやか

な“ふじのくに”づくり計画」を策定しました。

本計画は、強くしなやかな国民生活の実現を図るため

の防災・減災等に資する国土強靱化基本法(平成25年

法律第95号)第13条に基づく国土強靱化地域計画として、

本県における国土強靱化に関する施策を総合的かつ計

画的に推進するための基本的な計画であり、国土強靱化

に係る本県の他の計画等の指針となるものです。

本計画の基本理念は、「美しく、強く、しなやかな“ふじ

のくに”づくり」です。防災・減災と地域成長を両立させた

美しく品格ある地域づくりを進めるとともに、地域の実情を

踏まえ、自然との共生、環境との調和、美しい景観の創

造と保全を図ります。

この計画は、「内陸のフロンティアを拓く取組」や「地震・

美しく、強く、しなやかな“ふじのくに”づくり計画( 静 岡 県 国 土 強 靱 化 地 域 計 画 )

津波対策アクションプログラム2013」など国土強靱化

に資する施策を包括しており、今後、国の支援策の

大限の活用や国による実施の要請により施策を確

実に推進します。

計画の位置付け

第2章 地震・津波対策

南海トラフ巨大地震等に備えつつ、事前復興の視点を取り入れた「内陸のフロンティア」を拓く取組によって、防災・減災と地域成長を両立させた魅力ある地域づくりを実現します。

4つの基本目標

1 防災・減災機能の充実・強化

高規格幹線道路や富士山静岡空港等を活用した防災機能の充実・強化を図るとともに、地震や津波に強い社会基盤の整備を進め、災害に強い地域づくりを推進します。

4 暮らしを支える基盤の整備

代替性・多重性が確保された災害に強い地域づくりを推進するため、交通・情報通信ネットワークの整備や広域物流ネットワークの構築を進めます。

3 新しいライフスタイルの実現の場の創出

生活と自然が調和する快適な暮らし空間の実現を目指すとともに、地域固有の再生可能エネルギーを活用したエネルギーの地産地消を進めます。

2 地域資源を活用した新しい産業の創出・集積

6次産業化や県産品のブランド化を進め、「食の都」づくりを推進するとともに、成長分野や物流関連等の企業誘致を推進します。

3つの基本戦略

「内陸のフロンティア」を拓く取組-ふじのくに防災減災・地域成長モデル-

多層的な地域連携軸の形成内陸・高台部のイノベーション沿岸・都市部のリノベーション

防災機能を高め災害に強い地域づくりの推進

地域資源を活用した災害に強い新しいまちづくりの推進

地域全体の均衡ある発展のための交通ネットワーク等の整備

工業用地の創出と、進出企業と地元との防災協定締結

コ ラ ム

コ ラ ム

津波避難タワーを備えた「食の拠点」の整備

平成29年度開通予定の中部横断自動車道の整備状況

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19

防災体制5

県では、大規模地震等の災害発生時

における情報の収集、市町支援等、災

害応急対策を迅速かつ円滑に実施す

るため、県庁に県本部を設置し、国等

との全国的な連携や全県的な広域調

整を行います。

また、県庁以外にも賀茂、東部、中部、

西部の4つの地域を所管する賀茂振興

局及び危機管理局(以下「危機管理局

等」という。)に県方面本部を設置し、本

部や市町災害対策本部とのホットライ

ンを設置するなど、各地域内の連携及

び調整を行います。

●防災体制の概要

市 ・ 町 ( 被 災 地 )

物資等の受入れ

応 援 部 隊

国の現地本部

政府対策本部県本部

災害応急活動を円滑に実施するための全県的な広域調整

県方面本部

方面本部管内で実施又は調整可能な対策は各方面本部で対処

応急活動の基本方針指示

要請

要請

県民への広報活動

情報共有

FUJISAN指示

各地域で応急活動を展開

要請調整

調整

県では、大規模地震をはじめとする危機事案に

迅速・的確に対処するため、知事・副知事及び危

機管理部幹部は、輪番制による365日の危機管理

体制を確保しており、緊急事態においても迅速な

意思決定ができる体制になっています。

各部局は、 24時間体制で入手した危機情報を、

部局の情報連絡担当職員まで迅速に伝達できる

(2)県本部及び方面本部

(1)24時間365日の防災体制

危機管理部 担当課

危機管理監代理(2人)

必要に応じて報告・協議

【危

部】

所管部局 情報連絡担当

○○事務所 防災専門員(夜間、休日)

事業者等からの報告

危機管理監

知事

県民等からの情報

危機管理監が静岡←市内に不在の場合2人による輪番

←知事が静岡市内に不在の場合2人による輪番

【所

局】

平成28年4月1日時点の体制

副知事

応急活動の実施・情報収集要員の派遣

体制を組み、危機管理監へ報告します。

また、県庁及び危機管理局等に防災専門員を

配置し、夜間、休日においても情報収集・発信を

行っています。

危機管理監は、全庁的に対応が必要な危機事案

を掌握し、必要に応じて知事等へ報告するとともに、

応急対策の初動体制を確保します。

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(3)災害対策本部施設の常設

通信統制室

静岡県危機管理センター(東)対策立案・支援エリア

ヘリコプターテレビ電送システム県庁統制局設備(通信統制室)

静岡県危機管理センター(東) 意思決定エリア

静岡県危機管理センター(西)情報収集・分析エリア

AV操作卓(静岡県危機管理センター(東))

第2章 地震・津波対策

県では、大規模地震等の災害発生時に備え、県

庁別館に災害対策本部施設として、静岡県危機

管理センターを常設しています。

静岡県危機管理センターは、大規模災害発生

時における本部長(知事)を中心とする迅速な意思

決定及び業務執行並びに消防、警察、自衛隊等

の応援部隊の円滑な受入等を図るための指令部

機能を果たします。本センターには、発災初期に

県内全域の被害を迅速に把握するためのモニ

ターを各所に配置しています。発災時に派遣され

る自衛隊などの防災関係機関の連絡員と、被害

情報等を共有することで、迅速な調整や応急対

策が可能になります。

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各地域の取組6

(2)東部危機管理局

県危機管理局等では、災害時に方面本部となるだけでなく、平時から各地域の実情に合わせた防災対策の実

施、市町の防災対策や訓練の支援、起震車や防災ゲーム(詳細はP37コラム参照)を利用した県民への啓発活

動を行っています。以下各管内の特徴的な取組を紹介します。

東部危機管理局は、山梨県との境に富士山、伊東市には伊豆東部火山群があるため、火山防災

対策にも取組んでいます。

また、当局で特徴ある取組と

して、沿岸部5市(富士市・沼

津市・伊豆市・熱海市・伊東

市)と津波避難レベルアップ部

会を開催、避難の具体策を市町

とともに検討しています。

さらに、管内市町・学校・自

主防組織で構成される、防災教

育推進連絡会議に参加し、関係

機関との連携強化を担っていま

す。

•(1)賀茂振興局

•下田市認定こども園

•サンワーク下田•防災棟

•防 災 棟 建 設 予 定 地 ( 建 物 イ メ ー ジ )

•[ 建 設 場 所 ] : 下 田 市 敷 根 、 [ 事 業 期 間 ] : 平 成 2 7 ~ 2 9 年 度

•下田総合庁舎

•防災棟

伊豆縦貫自動車道

•下田駅

• 現在、賀茂振興局が入居する下田総合庁舎は、県の第4次地

震被害想定(レベル2)で約3.8mの津波浸水が想定されています。

このため、危機管理機能を早急に高台へ移転することとしました。

移転先となる下田市敷根は、災害時の拠点となる敷根公園やサ

ンワーク下田に隣接しており、この優位な立地を利用して、県の

防災拠点となる施設(防災棟)を建設することで賀茂地域の防災

機能の強化を図ります。

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22

東部危機管理局管内

賀茂振興局管内

清水町

三島市函南町

熱海市

伊東市

裾野市

浜松市

川根本町

磐田市

掛川市

菊川市

牧之原市

御前崎市

森町 伊豆市

沼津市

伊豆の国市

東伊豆町

西伊豆町

松崎町

南伊豆町

下田市

河津町

島田市

富士市

焼津市

吉田町

御殿場市

小山町

袋井市

藤枝市

富士宮市

湖西市

静岡市

中部危機管理局管内

西部危機管理局管内

長泉町

第2章 地震・津波対策

(4)西部危機管理局

西部危機管理局管内では、静岡モデルの先駆けとなった浜松

沿岸防潮堤をはじめ、各地で津波避難タワーや命山が建設され、

津波避難施設空白域を解消させる対策が進められています。津

波避難施設空白域が広い湖西市では、県と市が協力し様々な

整備が進められています。

住吉地区の命山イメージ図(湖西市提供)

県は、浜名港海岸の命山や上田町の津波避難場所(急傾

斜地の切り下げ)整備を計画しています。湖西市は上田町

の発生土を利用した命山(住吉地区)や、日ヶ崎(橋本)地

区に計画している津波避難タワーの整備のほか、H27年2月

に完成した新居弁天地区の津波避難デッキなどにより、津

波避難施設空白域の解消を目指しています。

津波避難空白域と津波対策箇所

• 津波避難施設空白域•(H28年4月現在)

浜名港海岸命山

住吉命山

新居弁天避難デッキ

日ヶ崎避難タワー

上田町避難場所

•津波浸水想定域

(3)中部危機管理局

中部危機管理局では、平成25年5月から管内の事

業所向けにメールマガジン「中部防災ニュース」を

毎月1回発行しています。これまでは、主に学校や

自主防災組織等への防災啓発に重点を置いてきまし

たが、地域の防災力を高めるためには事業所との連

携が重要であることから、このメールマガジンを事

業所防災の啓発の核として位置付けています。

現在(平

成28年4月

時点)は、

管内を中心

に578社あ

て(従業員

数計

181,671人)にメール配信しており、掲示や供覧、

事業所研修などで、従業員の防災意識の向

上に活用いただいています。

また、この中部防災ニュースの配信がきっか

けとなって、事業所の防災訓練や防災研修等に

おける、防災出前講座や地震体験車の派遣依頼

に繋がっています。

〔事業所向け中部防災ニュースの特色〕

○地震や風水害等の自然災害だけでなく、水難事故

防止やインフルエンザ予防などのタイムリーな

記事を掲載

○危険回避や予防の観点から役立つ防災情報を掲載

○イラストや表を多用して、気軽に興味を持って読

んでもらえる紙面

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平成9年4月1日発 足 の 時 期

365日体制で、緊急時は日の出から日没までの間、

運航(点検整備期間を除く)飛 行 時 間

「静岡ヘリポート」内航 空 隊 基 地

救急、救助、消火活動などに対する災害即応体制を整えるための訓練と緊急出動を中心に次のような任務につく

任 務

●救急活動 ●救助活動 ●平時の災害危険箇所調査●消火活動 ●災害応急対策 ●飛行場外離着陸場等の確保●広域航空消防応援活動 ●緊急消防援助隊としての応援活動

県に派遣された8名の消防職員で編成

危機管理部の一組織とし、隊員は県職員との併任

組 織

防災ヘリコプターの相互応援協定

県と静岡市、浜松市は「静岡県内航空消防相互応援協定」を締結しています。

この協定では、定期点検等によるヘリコプター運航不能時や、一つの災害で複数のヘリコプターを必要とするとき、

また、同時期に複数の災害が発生したときなどに、相互応援により3機体制で県内全域をカバーすることで、本県の

航空消防体制の強化を図ることとしています。

さらに、山梨県、長野県、岐阜県、三重県、愛知県及び名古屋市とも相互応援協定を締結しています。

県では、平成9年度に迅速かつ広域的な航空

消防防災体制を整えるため、防災ヘリコプターを

導入し、高度な訓練を積んだ隊員による消防防

災航空隊を創設しました。

専用機となる防災ヘリコプター(愛称:オレンジ

アロー)により、南海トラフ巨大地震等の大規模災

害が発生した際の災害応急対策及び救助・救急、

林野火災の消火などを行い、静岡県を空から守り

ます。

消防防災航空隊7

コ ラ ム

消防団応援条例県では、消防団でサラリーマン団員が増加している現状から、消防団が活躍しやすい環境を整備し団員

の確保を促進するため、平成24年4月、「消防団の活動に協力する事業所等を応援する県税の特例に関

する条例」を施行し、一定の条件を満たす事業所について、事業税の減税を行っています。

平成28年4月からは、対象事業所の追加や減税限度額の引き上げなど、制度内容の拡充を行いました。

コ ラ ム

23

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防災通信ネットワークシステム~迅速な情報収集・伝達のために~8

32222県出先機関

87571117計

-※305-移動無線機(携帯型)

-152-移動無線機(車載型)

17--可搬型衛星地球局

1-1衛星通信用移動中継車

81012防災関係機関

111111消防指令センター

353535市町

222単独土木事務所

999総合庁舎

-22反射板

-2222無線中継所(前進基地局を含む)

111県庁(災害対策本部)

衛 星 系無 線

地 上 系無 線

無線局数

施設数(配備数)

施設名

無線局の設置箇所 (平成28年4月1日)

※内22台を災害拠点病院に、1台ずつ配備

災害時に、迅速かつ的確な災害対応を行う上で、情報の収集・伝達

のための通信の確保は、極めて重要です。

このため、静岡県では、従来から災害に備えた防災行政無線システ

ムを構築していましたが、 新の情報通信技術を活用した「静岡県デ

ジタル防災通信システム」として再整備を行い、平成27年度から運用し

ています。

この防災通信システムは、従来と同様に衛星無線回線と地上無線回

線の2ルート化により、災害時における通信の信頼性を確保しています。

通信回線のデジタル化や多重化により、従来と比べ伝送容量が大幅に

増加し、多くの関係機関や市町との同時通信や画像データ等の高速

通信が可能となりました。

移動系無線では、新たに260MHz 帯デジタル移動無線システムを構

築し、通信機能を格段に向上させています。

また、市町と同システムを共用することで、災害時における県と市町間

の連絡手段として活用することが可能になりました。

そのほかにも、離島などへの無線中継基地局の増設、ヘリコプターか

らの映像を受信する基地局の増設、ネットワークシステムの冗長化など、

あらゆる面で機能や信頼性の向上を図りました。

24

第2章 地震・津波対策

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25

南海トラフ地震等の広域災害において、災害対

策を進めるうえでは県、市町のみならず自衛隊、

警察、消防等の防災関係機関、さらにはライフライ

ン関係会社等との情報の共有が重要です。

県では、迅速に被害情報を収集し、市町・防災

関係機関、ライフライン関係会社等と情報共有す

るため、「ふじのくに防災情報共有システム」(「FU

JISAN」ふじさん)を構築しております。

県内の多くの範囲で震度5強以上の地震が予想

されるため、クラウドコンピューティングを利用して

情報処理を行うサーバーを県外に設置することで、

災害に強く、広域災害時にも使用できるシステムと

しております。

また、クラウド(インターネット)に接続すればいつ

でも、どこにいても、専用のソフトウェアを用いるこ

となく利用することができるシステムになっていま

す。

「避難所」「救護所」「ヘリポート」「災害拠点病院」「救護病

院」他の基礎データをデータベース化し、可視化。発災時には

開設状況や利用可能情報などを掲載

携帯電話やス

マートフォンで災害

情報を入力可能

写真や緯度経度

情報も電子地図(G

IS)に表示

アイコンを色で種類分けしています。項目も取捨選択でき、とっさの

時でも利用しやすい

災害に関する様々な

データを、電子地図(GIS)

上に表示して「可視化」す

ることにより、土地勘がな

い人や災害対応の経験が

少ない人でも容易に災害

の状況が把握可能

共有された情報は、一覧表のほか、利用方法に応じて表

示が可能

ふじのくに防災情報共有システム

「FUJISAN」9

システムメイン画面

被害情報収集画面

防災情報共有データベース

GISでの可視化

容易な情報収集

Page 27: 静岡県の地震・津波対策 - Shizuoka Prefecture · 富士川河口断層帯は、静岡県東部の富士川河口から富 士山南西山麓にかけて、ほぼ南北に延びる約26kmの断層

収集した情報をもとに、テレビや携帯電話に迅速に『避難勧告・避難指示』を配信することができます。

同報無線が聞こえにくい場合に有効です。

26

-優れた情報発信機能-

県、市町がFUJISANに入力した「避難勧告、避難

指示」、「避難所開設情報」、「被害総括情報」等につ

いては、『Lアラート』を介してテレビ、ラジオなどのマ

スメディアに配信しています。

また、「避難勧告、避難指示」はFUJISANから携

帯電話の『緊急速報メール(エリアメール)』にて配信

するとともに、本年4月15日からは『twitter』や

『Facebook』の公式アカウント「静岡県防災」へ情報

を自動的に投稿することで、県民のみならず旅行者

等を含めた『静岡県にいる人々』に速やかに情報を

配信する仕組みを構築しています。

市町本部

県では市町、防災関係機関、ライフライン関係会社等と情報を

共有することにより、被害状況の早期把握が可能

県本部

Lアラートから取得した情報が、テレビ

(データ放送)で表示。

緊急速報メール

Lアラ

ート

第2章 地震・津波対策

緊急速報メール配信

twitter,Facebook防災ポータルサイト

・『静岡県防災』アカウントによる twitter及びFacebookへの投稿

・投稿静岡県防災ポータルサイトでの情報発信

Page 28: 静岡県の地震・津波対策 - Shizuoka Prefecture · 富士川河口断層帯は、静岡県東部の富士川河口から富 士山南西山麓にかけて、ほぼ南北に延びる約26kmの断層

広域受援計画と国の現地本部10

27

○防災拠点・施設等と高速道路を結ぶ緊急輸送ルートを事前に定める

○発災後、県方面本部が主導し、道路啓開等により緊急輸送ルートを確保

第2章 緊急輸送ルート

○タイムラインその他の分野共通事項(防災拠点・災害対策本部等)

○時間経過に応じた航空機の運用、ヘリポート及びヘリベースの開設

第1章 総則

(第1-1章 航空運用)

○緊急車両に対して、中核サービステーション等を中心として燃料供給

○災害拠点病院等優先供給施設へは、県で調整の上、国に対して供給要請

第6章 燃料供給

○発災から4~7日間について、国のプッシュ型(具体的な要請を待たない)支援物資を中心に物資を調達し、市町までの輸送を県が実施。

第5章 物資調達

○近傍への地域医療搬送と被災地外への広域医療搬送による対応

○被災地外からDMAT等の医療チームの受入れによる治療実施

第4章 医療活動

○あらかじめ定めた救助活動拠点(221箇所)に応援部隊を受入れ

○県・市町は防災関係機関調整会議を開催し、活動の調整や情報共有を実施

第3章 救助・消火

活動

「南海トラフ地震における静岡県広域受援計画」の構成と主な内容

平成27年3月に、国は、科学的

に想定しうる 大規模の地震・津

波(南海トラフ巨大地震)を想定し、

広域応援体制等を定めた「南海ト

ラフ地震における具体的な応急対

策活動に関する計画」 (以下「国

の具体計画」という。)を公表しまし

た。国の具体計画では、救助・救

急、消火活動等、医療活動、物資

の受入れ・集積・分配を総合的か

つ広域的に行う「大規模な広域防

災拠点」として、富士山静岡空港

が名古屋港、名古屋空港、大分ス

ポーツ公園、熊本空港と並び位置

づけられました。国の「南海トラフ地震具体計画」の概要

(1)南海トラフ巨大地震に備えた国の応援計画(具体計画)

(2)南海トラフ巨大地震に備えた県の受援計画

「南海トラフ地震における静岡県広域受援計

画」は、国の応援部隊と連携した人命救助活動、

医療活動、物資調達及び燃料供給等により、被

害の軽減を図り、被災者支援を行うこと及び緊急

輸送ルートの確保、救助活動拠点の開設準備な

ど、応援部隊の受入れや支援活動に必要な体制

を確保することを目的としています。 この目的を

達成するため、国の具体計画を踏まえ、地震から

の時間経過に応じて、誰が何を実施すべきかを

明確にした「タイムライン」を定め、応援部隊が速や

かに被害状況に応じた被災地支援を実施できるよう

にしています。

また、富士山静岡空港・新東名高速道路といった

新たな防災インフラの活用や、物資のプッシュ型支

援・燃料供給・航空機の運用調整組織の設置といっ

た、東日本大震災の教訓を踏まえた新たな事項に

ついても盛り込んでいます。

Page 29: 静岡県の地震・津波対策 - Shizuoka Prefecture · 富士川河口断層帯は、静岡県東部の富士川河口から富 士山南西山麓にかけて、ほぼ南北に延びる約26kmの断層

第2章 地震・津波対策

28

○自衛隊等の広域応援部隊の活動拠点 …①、②

○海外支援部隊・ボランティアの活動拠点…①、②

○航空機等の駐機、給油拠点…③

○原子力災害拠点…④

○静岡県の広域物資輸送拠点の代替拠点…⑤

○広域医療搬送を行う航空搬送拠点…⑥

○DMATの空路参集拠点として、ロジス

ティックチームを配置して、参集した DMA

Tの活動を後方支援するための拠点…⑥

(3)富士山静岡空港の大規模な広域防災拠点化

-南海トラフ地震において想定される富士山静岡空港の役割-

⑤ 広域物資輸送拠点(代替施設)【民間と格納庫の災害時の使用協定】

⑥ SCU拠点(空港消防車庫)

航空燃料備蓄設備

③ ヘリポート:滑走路駐 機 場:誘導路

「大規模な広域防災拠点」としての富士山静岡空港

-南海トラフ地震において想定される富士山静岡空港の役割-

④ 原子力防災センター【環境放射線監視センター】

【オフサイトセンター】

②多目的用地

(4)国の現地本部

現地合同対策本部会議(平成22年8月31日訓練)国の現地本部(平成22年8月31日訓練)

県では、国の具体計画で富士山静岡空港が「大規模な広域防災拠点」として位置づけられたことも踏まえ、

拠点機能の強化に向けた整備を進めています。

南海トラフ巨大地震等の大規模災害が発生した

際や、警戒宣言が発令された際には、国の「緊急災

害対策本部」(警戒宣言時には「地震災害警戒本

部」)の現地本部として、静岡県庁別館内に、「緊急

災害現地対策本部」(警戒宣言時には「地震災害

現地警戒本部」)が設置されます。

この現地本部は、内閣府副大臣又は内閣府大

臣政務官を本部長とし、内閣府、消防庁、厚生

労働省などの関係省庁の職員で構成され、県と

の連絡調整、県内の被害情報及び支援要請の

収集、国の施策に係る情報提供や県に対する支

援等を行います。

①広域応援部隊等活動拠点

TEC-FORCE

ライフライン消防警察

自衛隊

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災害時応援協定11

29

県では、大規模災害時、県内で十分な応急対

策を行うため、相互応援協定を締結しています。

平成27年度は新たに、静岡県と新潟県、山梨県、

長野県との「中央日本四県」で災害時相互応援協

定を締結し、南海トラフ巨大地震で同時被災の可

能性が低い自治体との関係を強化しました。

また、平成28年熊本地震では協定に基づき職員

本県の締結している広域応援協定

(1)自治体との災害時相互応援協定

区分

H19.7.26(当初締結S52.3.31)

中部9県1市(富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、名古屋市)

災害時等の応援に関する協定書(中部圏知事会)

H27.8.28新潟県、山梨県、長野県、静岡県

中央日本四県(新潟、山梨、長野、静岡)の災害時の相互応援等に関する協定

○平成24年九州北部豪雨○平成28年熊本地震

H23.7.25熊本県、静岡県熊本県と静岡県との災害時の相互応援等に関する協定

H23.11.14鹿児島県、静岡県鹿児島県と静岡県との災害時の相互応援等に関する協定

H20.12.8浙江省、静岡県静岡県と浙江省の防災に関する相互応援協定

H26.2.17基隆市、新北市、台北市、桃園市、嘉義県、台南市(協定は個別に締結)

静岡県危機管理部と台湾地方政府消防局との防災に関する相互応援協定書

○平成23年東日本大震災(岩手県)

○平成28年熊本地震 他

H24.5.18(当初締結H8.7.18)

北海道東北地方、関東地方、中部圏、近畿ブロック、中国地方、四国、九州地方の各知事会

全国都道府県における災害時等の広域応援に関する協定(全国知事会)

○平成26年豪雪 (山梨県)○平成27年関東・東北豪雨

(茨城県)

H25.7.31(当初締結S52.6.16)

関東1都9県(東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県)

震災時等の相互応援に関する協定(関東地方知事会)

支援実績(支援先)締結日加盟地方公共団体等名 称

(2)民間事業者等との災害協定

県は自治体に加え、事業者等も含めて、計697件(内民間637件)の災

害協定を結んでいます。

平成25年11月22日には、県とフランチャイズ事業者14社にて、「災害時

等徒歩帰宅者の支援に関する協定」を締結しました。これにより、災害時

フランチャイズチェーンの店舗が帰宅支援ステーションとなり、徒歩帰宅

者に対して「水道水の提供」「トイレの使用」「道路状況等の情報提供」な

どの支援が行われます。協定締結式(H25.11.22)

を派遣するなど支援を実施しています。

このほかにも、外国の自治体との間でも個別に協

定を締結しております。

災害時だけでなく、平時から通信訓練や先進事

例の紹介を行うなど、「顔が見える関係」を構築して

います。

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30

第2章 地震・津波対策

12

ミティゲーション

いざという時に、慌てず迅速かつ的確な対応が取れるよう 、平常時からあらゆる状況を想定した訓練を繰り返し

行い、緊急事態発生時の行動を覚えておくことが必要です。県では、職員を対象とした練度向上のための訓練

や自主防災組織など地域と一体となった訓練など、年間を通じて計画的に実施しています。

多彩な防災訓練

全職員参集訓練 (4月当初)

○ 職員には予告せず、全職員の参集訓練を実施

○ 4月の人事異動直後における災害対策本部の初動体

制の確認が目的

総合防災訓練(防災週間(8月30日~9月5日))

○ 大規模地震災害に対処するため、昭和54年から実施

○ 現在は南海トラフ巨大地震の発生を想定

○ 各家庭(自助) 、自主防災組織(共助)、国、県、防災

関係機関(公助)が連携し、総合的な災害対応能力を

向上させることが目的

地域防災訓練(地域防災の日(12月の第1日曜日))

○ 昭和19年12月7日に発生した東南海地震にちなみ、

昭和58年から12月の第1日曜日を「地域防災の日」に

制定

○ 各市町で自主防災組織を中心とした訓練を実施

○ 住民一人ひとりが、自らの命を守る行動を身に付け、そ

れぞれの地域が、消火や避難、要支援者の支援など

地域のリスクを踏まえた防災力を向上させることが目的

○ 平成7年1月17日に発生した阪神大震災にちなみ、国

や市町、防災関係機関との連携を重視した図上訓練を

実施

○ 職員の練度を高めることにより、県の災害対策本部の運

営能力の向上を図ることが目的

津波避難訓練(津波対策推進旬間(3月上旬))

○ 津波対策推進旬間の中で、津波の要避難地区の自

主防災組織を中心に実施

○ 住民に対する情報伝達、住民による避難場所や避難

経路の確認、水門閉鎖等を実施し、津波に対する避

難行動を身に付けることが目的

地震・津波

原子力

原子力防災訓練 富士山火山防災訓練 国民保護共同訓練

国民保護火山

○平成27年度は、オフサイト

センター運営訓練、住民

避難及び避難退域時検査

訓練等を実施

○福島第一原子力発電所

事故の教訓を踏まえ、原

子力災害が発生した場合

でも、迅速かつ的確な災

害応急対策が実施できる

よう、対応能力を向上させ

ることが目的

○平成27年度は、噴火警戒レベルが引き上げら

れたとの想定のもと、山小屋や関係機関が連携

し、登山者への情報伝達訓練を実施

○富士山火山広域避難計画対策編に定める登山

者への情報伝達体制の確認が主な目的

○平成27年度は、静岡市内

の大規模集客施設が爆破

され、多数の死傷者が発

生したと想定し、国、静岡

市、関係機関等と連携し、

図上訓練を実施

○静岡県国民保護計画に

基づく県・市町等本部の運

営体制の検証が主な目的

地震対策オペレーション(防災ボランティア週間(1月中旬))

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31

調 査 観 測 の 取 組13

東海地域は、大規模地震対策特別措置法により地震観測体制の強化が図られ、平成27年4月現在、県

内には、気象庁や国土地理院などの防災関係機関等により、地震計、GPS、歪計、傾斜計など494の観測

施設が設置されています。 県においても、想定震源域の北西側での検知能力の向上を図るため、平成9

年度及び10年度に、県内陸部(浜松市天竜区春野町及び川根本町)に大深度歪計観測施設を整備し、

気象庁へデータを提供しています。

観測項目 施設数歪 29 29 (24)

地 震 114 113 (98)傾 斜 42 42 (35)検 潮 9 9 (9)地 電 位 4 4 0地 磁 気 24 19 0地 下 水 位 16 16 (12)地 下 水 1 1 0ラ ド ン 2 2 0伸 縮 4 3 (2)重 力 1 1 0G P S 232 123 (5)電 磁 波 1 1 0全 磁 力 2 2 0地 中 温 度 1 1 0水 温 1 1 0溶 存 ガ ス 1 1 0海底地殻変動 3 0 0

遠 望 カ メ ラ 3 3 (3)空 震 計 4 4 (4)

計 494 375 (192)

ている施設数

※気象庁、静岡県以外の観測施設も含む

地震・火山噴火予知観測施設整備状況(平成27年4月1日現在)

テレメータ数

( )は気象庁までテレメータ化され、24時間監視され

気象庁設置 25箇所(県内20箇所)

静岡県設置 2箇所(県内2箇所)

     計27箇所(県内22箇所)

(参考)東海地震予知観測を行うための歪計の配

置図

○大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域の指定(昭和54年8月7日)に併せて設けられた気象庁の諮問機関

○地震予知に関する観測研究機関や大学が集まり、情報交換及び学術的な検討を行う。

平成7年7月に施行された「地震防災対策特別措置法」に基づき、地震に関する調査研究を推進するため、設置された機関地震に関する調査研究の推進について総合的かつ基本的な施策の立案地震に関する総合的な調査観測計画の策定地震に関する調査結果等の収集整理分析と総合評価を行う。

○地震予知計画に加わっている官庁(気象庁、国土地理院など)、大学などの専門家が 新の観測結果を検討する会議

○東海地域における変化が東海地震の前兆であるかどうかの評価を行う。

○3ヶ月毎の定例会のほか、異常現象が観測された時には、中日本、東日本及び西日本部会のほか臨時の本会議などを開催

②地震予知連絡会 (国土地理院)

①地震調査研究推進本部 (文部科学省)

③地震防災対策強化地域判定会 (気象庁)

((11))政府の地震調査研究体制政府の地震調査研究体制

((22))県内の地震予知観測網県内の地震予知観測網

地震が予知できれば、突然発生したときに比べ人的被害は大きく減少し、物的被害も減らすことができます。

そのため、東海地震においては、気象庁を中心に地震予知のための調査・観測及び予知された場合の体制

整備がなされています。

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32

第2章 地震・津波対策

気象庁では、静岡県を中心とする東海地域に設置

した地震計や歪計等の観測機器により、24時間体制

で地殻の状況を精密に監視しています。観測データ

に異常な変化が見られた場合は、東海地震発生の

危険度に応じて、気象庁から次の三つの段階の東海

地震に関連する情報が発表されます。

東海地震予知のための観測体制や解析技術等は年々進歩してきていますが、現状では必ず地震予知ができるとは限りません。地震予知ができる場合と、予知できず突然東海地震が発生する場合のいずれの可能性も考えられます。

地震予知の可能性に頼ることなく、いつ地震が発生してもしっかり対応できるよう、家屋の耐震性の確保や家具の固定、食料・飲料水の備蓄など、日ごろから十分な備えを行っておくことが大切です。

観測された現象が東海地震の前兆現象である可

能性が高まった場合に出される情報

東海地震に関連する現象について調査が行われ

た場合に発表される情報

(定例) 毎月の定例の判定会で評価した調査結果

として出される情報

(臨時) 観測データに通常とは異なる変化が観測さ

れた場合、その変化の原因についての調

査の状況として出される情報

○東海地震に関連する調査情報【カラーレベル 青】

○東海地震予知情報 【カラーレベル 赤】

○東海地震注意情報 【カラーレベル 黄】

東海地震が発生するおそれがあると認められ、

「警戒宣言」が発せられた場合に発表される情報。

この東海地震予知情報は、内閣総理大臣が閣議

で決定し、静岡県全域(全市町)を含む「地震防災

対策強化地域」に対して「警戒宣言」を発した後

に発表されます。

※東海地震注意情報及び東海地震予知情報は

発表後、東海地震発生のおそれがなくなったと判

断された場合は、それぞれ情報が解除されます。

※東海地震に関連する調査情報、東海地震注意

情報、東海地震予知情報の発表や警戒宣言の発

令は、テレビ・ラジオ等により、県民に伝えられます。

また、警戒宣言が発令された場合は、市町村の広

報用スピーカー(同報無線)、サイレン、広報車な

どでも伝えられます。

(東海地震の突然発生の可能性)

東海地震に関連する調査情報(臨時)

東海地震に関連する現象について調査が行われた場合に発表されます。観測データに通常とは異なる変化が観測された場合、その変化の原因についての調査の状況として発表されます。

【カラーレベル 青】【カラーレベル 黄】

【カラーレベル 赤】

東海地震の前兆現

象である可能性が高

まった場合に発表さ

れます。

東海地震注意情報

((33)) 東海地震に関連する情報東海地震に関連する情報

危険度アップ

危険度アップ 東海地震が発生するおそ

れがあると認められ、

「警戒宣言」が発せられ

た場合に発表される情報。

警戒宣言↓

東海地震予知情報

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33

自主防災組織&災害ボランティア14

((22))災害ボランティアの受入と支援災害ボランティアの受入と支援

県が、災害対策本部及び方面本部を設置した

場合、静岡県社会福祉協議会、静岡県ボラン

ティア協会は連携して、県災害ボランティア本部・

情報センター(以下「本部等」という。)を設置し、

市町災害ボランティア本部の立ち上げ・運営支援

のための支援チームを派遣することとしています。

平常時には、本部等の運営をサポートする人材

として、災害ボランティアコーディネーターの養成

を支援している他、本部等設置時の運営経費に

充てるための基金として、全国で初めて「静岡県

災害ボランティア活動ファンド」を設けています

(平成26年度末基金残高約5千2百万円)

災害ボランティアの支援活動の様子

(1)(1)自主防災組織の活性化自主防災組織の活性化

災害発生時はもちろん、日ごろから地域の皆さ

んが一緒になって防災活動に取り組むための組

織、これが「自主防災組織」で、県内全域にほぼ

100%、約5,000の組織が結成されています。

自主防災組織は、大規模な災害が発生した際、

地域住民が的確に行動し被害を 小限にくい止

めるため、日ごろから地域内の安全点検や住民

への防災知識の普及・啓発、防災訓練の実施な

ど南海トラフ巨大地震等に対する備えを行ってい

ます。

また、実際に地震等が発生した際には、初期

消火や被災者の救出・救助、情報の収集や避難所

の運営を行うなど、非常に重要な役割を担っていま

す。

南海トラフ巨大地震のような災害から自分や家族

を守るためには、普段から十分な対策を講じておか

なくてはなりません(自助)。しかし、ひとたび大地震

が発生すると、災害の拡大を防ぐためには、個人や

家族の力だけでは限界があります。このような時、毎

日顔を合わせている隣近所の人たちや、消防団、

災害ボランティア等が互いに協働しながら、防災活

動に組織的に取り組むことが必要です(共助)。

防災の知識と経験を有する人材等を活用した地域防災力の強化

協働

災害時に真に地域を守る防災活動が展開できる自主防災組織づくり

地域内の安全点検地域内の安全点検

防災知識の普及・啓発防災知識の普及・啓発

防 災 訓 練防 災 訓 練

初 期 消 火初 期 消 火

救 出 ・ 救 助救 出 ・ 救 助

情報の収集・伝達情報の収集・伝達

避 難 誘 導避 難 誘 導

避難所の管理・運営避難所の管理・運営

平 常 時平 常 時

災 害 時災 害 時

地域の危険性や家庭内での安全点検及び各種の防災訓練を通して、日頃から大規模な災害に備えるための活動です。

大規模な災害が発生したときに、人命を守り、災害の拡大を防ぐために必要な活動です。

防災の知識と経験を有する人材等を活用した地域防災力の強化

災害時に真に地域を守る防災活動が展開できる自主防災組織づくり

様々な人、機関、団体が共に力を合わせて南海トラフ巨大地震等に立ち向かう地域防災活動の姿

そのほか、災害発生時における静岡県内のボラン

ティアの活動拠点を確保するため、県は、静岡県社

会福祉協議会及び静岡県ボランティア協会とともに、

静岡銀行、静岡県労働金庫及び静岡県信用金庫

協会と平成27年度に覚書を交わしました。

また、平成24年3月4日には「ふじのくに国際災害

ボランティア支援ネットワーク」を立ち上げ、県ボラン

ティア協会と連携し、国内外の支援及び受援システ

ムの構築に取り組んでいます。

今後も、事業所等とも連携して、ボランティアの受

入体制の強化に取り組んでいきます。

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コ ラ ム

34

第2章 地震・津波対策

スムーズにボランティアを受け入れることができるかを検

証するため、県は、平成17年度から「静岡県内外の災害ボ

ランティアによる救援活動のための図上訓練」を行ってい

ます。平成20年度からは、県、静岡県ボランティア協会、

財団法人静岡県労働者福祉基金協会の共催により、実践

的を行いました。

このような大規模なボランティア受入れに関する図上訓

練の実施は、全国でも静岡県のみが行っている取組です。図 上 訓 練 の 様 子

南海トラフ地震等の大規模災害時に観光客の安全を確保するため、県

は、平成25年度に観光地防災対応力緊急点検事業を実施し、市町、観

光協会、観光業界等のマニュアルの整備状況等を把握するとともに、西

伊豆町、伊豆市及び伊東市の観光協会などと地域支援ワークショップを

開催し、海沿いを訪れる観光客の避難誘導等について議論しました。

また、平成26年度に賀茂地域で開催した総合防災訓練においては、電

車の乗客の避難誘導訓練及び海上自衛隊のLCAC(高機能ホバークラ

フト)を活用した観光客の海上への脱出訓練を実施しています。 地域支援ワークショップの様子

静岡県内外の災害ボランティアによる図上訓練

観光客の安全確保15

LCACによる観光客等の脱出訓練の様子 津波避難誘導標識の例

【訓練の目的】 静岡県内外の団体・組織が、災害時

に取り残される地域を作らないための連携の在り方を

共に考え、災害時に備えた具体的なつながりを広げ

る。。

【実績】 平成27年12月12日~13日に第11回図上訓

練を開催、県内外から約300名が参加

第12回は平成29年3月4日~5日に開催予定

平成27年度には、国が「津波避難誘導標識シス

テム」をJIS規格化(JIS Z9097)したことを踏まえ、国

内外から本県に訪れる観光客等の津波避難誘導

が適切に行われるよう、「静岡県津波避難標識指

針」を作成し、観光客等にもわかりやすい津波避

難誘導標識の設置を推進しています。

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啓発活動の拠点

静岡県地震防災センター16静岡県地震防災センターは、自主防災組織の活性化を

支援するとともに、県民が東海地震に立ち向かうための知

識や技術を習得するための教育啓発施設として平成元年4

月に開館しました。館内には、地震のメカニズムや防災対

策を学ぶ「知る」エリア、住宅の耐震化や家具固定などを学

ぶ「備える」エリア、様々な揺れの体験を学ぶ「行動する」エ

リアのほか、ホール、会議室、図書室などがあり、毎年約5

万人が利用しています。

また、県内各大学、報道機関等と連携して「しずおか防災

コンソーシアム」を設立し、防災関係者と研究者の交流など

を進める拠点として利用されているほか、社会環境の変化

に対応し、自助・共助の地域防災力を維持・確保するため

の人材育成に力を入れており、定期的に、県民向けの防災

講座や防災演習を開催しています。

TSUNAMIシアター:230インチ大型液晶マルチディスプレイにより、迫力ある映像で津波の恐ろしさや

津波のしくみを学習できます。

東海地震コーナー :マルチスクリーンにより、地震被害想定などを学習できます。

地震体験コーナー :前後・左右・上下の3方向で、リアルな地震の揺れを体験できます。

耐震コーナー :既存の木造住宅をイメージした家(実物大)に耐震補強工法や家具の転倒防止方法

を展示するとともに、地震に強い新築住宅を実物大で展示しています。

公募防災用品展示コーナー :最新の防災用品を紹介しています。

富士山火山防災対策コーナー:火山災害や避難計画、登山者装備品など富士山火山について学習できます。

展示・体験学習コーナーの紹介

東海地震コーナー

問い合せ 静岡県地震防災センター

〒420-0042 静岡市葵区駒形通5丁目9番1号

TEL.054-251-7100

http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/

休館日 毎週月曜日・年末年始

TSUNAMIシアター

公募防災用品展示コーナー

35

耐震コーナー

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第2章 地震・津波対策

36

5地域防災力を強化するためには、自助・共助・公助

を担う防災人材が必要です。

このため、県では様々な講座や研修を通して、広く県

民の皆様に防災知識や技能を取得していただくととも

に、地域防災の新たな担い手を掘り起こし、地域防災

ふじのくに防災士養成講座 ふじのくにジュニア防災士養成講座

この講座には、自治体や企業または地域において、

防災の指導的役割を担おうとする人たちが参加し、

今までに2,253人に知事認証が付与されています。

この講座は、教育委員会と連携して開催しています。

受講した小・中・高校生が、地域の防災訓練に参加してレポー

【県民向け防災研修・講座一覧】

リーダーの育成に努めています。

こうして育成された防災人材は、「ふじのくに防災に

関する知事認証制度」による認証が付与され、地域に

おいて防災の担い手として活躍しています。

防災人材の育成17

1日程度

大学生大学生防災講座

2日間希望者地域で活躍する女性防災リーダー養成講座

推進校(児童生徒)実践的防災リーダー育成研修会

一般向け講座

防災人材育成講座

区分

県立大学県地震防災センター10日間職域地域防災担当等ふじのくに防災士養成講座

希望団体が指定する場所2~3時間希望団体地域防災活動出前講座

各市町社会福祉協議会等1~3日間ボランティア希望者ふじのくに災害ボランティアコーディネーター養成講座

危機管理局等1日地域防災指導員ふじのくに地域防災指導員能力向上研修

2日防災関係有国家資格者ふじのくに防災マイスター養成講座県地震防災センター

1日静岡県防災士ふじのくに防災士フォローアップ研修

1日程度希望者イメージトレーニング演習

毎回90分小学生と保護者親子防災教室

半日程度小・中学生こども防災教室県地震防災センター

2時間程度県内在住外国人外国人防災講座

県地震防災センター1日程度希望者ふじのくに防災学講座

保健師、栄養士等災害時健康支援研修会

社会福祉施設職員社会福祉施設職員防災研修会

行政職員防災講座STEP2

県地震防災センター

市町防災担当職員行政職員防災講座STEP1

主催する学校単位

1日程度

小・中・高(児童生徒)ふじのくにジュニア防災士養成講座

会 場期間対象者研修・講座名

トを提出し、

今までに

4,272人に知

事認証が付

与されてい

ます。

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2537

県では、平成21年11月に、自宅の耐震化や家具類の固定、さらには

地震発生後の生活などを県民自ら考え、家庭の地震防災対策を進め

てもらうためのツールとして、「家庭内DIG-起きてもわが家で暮らす方

法-」を作成しました。

これは、大地震が発生すると家の中がどのような状態になるのか、電

気・水道・ガスがストップした中で、どうやって自宅で生活していくか、ま

た、そのためにはどのような準備をしておけばいいのかを、家族で絵や

言葉で書き示しながら話し合い、行動に移していただくためのものです。

家庭内DIG ー地震が起きてもわが家で暮らす方法ー

県では、避難所運営を皆で考えるための1つのアプローチとして、平成19

年度に避難所運営ゲーム(Hinanzyo Unei Game)HUG(ハグ)を開発しました。

HUGは、ゲーム参加者が様々な事情を抱える避難者を、体育館や教室に

見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、またトイレや炊き出し場の

決定、ボランティアの受け入れなど避難所で起こる様々な出来事にどう対応

していくかを模擬体験するゲームです。

ゲームを進める中で、参加者それぞれが新たな気付きや視点を獲得し、ま

た、個々の考え方の相違について認識するなど、お互いに理解を深めなが

ら避難所の運営に取り組む訓練として期待されています。

「避難所HUG」は静岡県の登録商標(平成22年3月12日登録)です。

避難所運営ゲームHUG(ハグ)

災害図上訓練DIG平成9年、小村隆史氏と三重県で考案した住民向けの災害図上

訓練で、Disaster Imagination Gameの頭文字を取って命名されまし

た。参加者が地図を囲みながら、防災関係施設や予想危険区域等

を書き込むことで、

① 具体的・視覚的に地域の防災体制が理解できる

② 参加者が自由に議論・意見交換することで、自発的な防災対策

を考え、防災に関する認識を深めることができる

③ 参加者同士の交流と連携が深まり、防災関係者のネットワーク

が広がるなどの効果が期待できます。

「イメージTEN」のマニュアルは、県のホームーページで掲載しています。

URL http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/chosa/image10.html

超広域災害では、共助の要となる自主防災組織の役割が極めて重要となることから、それぞれの地域の被害想定を

具体的に認識した的確な対応と、高齢者や障がいのある人、女性の視点を考慮した実践的な訓練が行われるよう、県

では、自主防災組織の災害対応を具体的にイメージできる自主防災組織災害対応訓練「イメージTEN」を、県内の自

主防災組織へ普及を進めています。

「イメージTEN」では、それぞれの自主防災組織において、発災直後に「家が潰れた所がある」「火事が発生した」「重

傷者が発生した」というような内容をカードで問題提起し、その対応策を参加者で考え、自主防災組織の現状を話し合

うことで、地域の課題解決に向けた質の高い訓練を行うことができます。

自主防災組織災害対応訓練「イメージTEN」

ゲーム手法での演習コ ラ ム

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火山・原子力対策第3章

原⼦⼒災害時に対策拠点となる「原⼦⼒防災センター」(平成28年3⽉竣⼯)

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火山防災対策1

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((11))住民の安全対策住民の安全対策

富士山の静岡県側で突発的な噴火が起こった場合に、

登山者や観光客が、一刻も早く被害が予想される範囲か

ら離れることを目的に、平成28年3月に富士山噴火時避

難ルートマップを作成しました。今年度は、山梨県ルートマップと合わせた統合版及び多言語版を開山期に合わ

せ、作成する予定です。

また、既存のオンライン登山届アプリを改修し、登山者が

アプリで登山届を提出することで、噴火等発生の際は噴

火情報等が直接登山者のスマートフォンに提供されるようになります。(平成28年6月運用開始予定)

((22))登山者の安全対策登山者の安全対策

平成26年9月に発生した御嶽山の噴火では火口周辺の多くの登山者が被災し、わが国の火山防災対策に関

する様々な課題が改めて認識されました。県内の常時観測火山である富士山及び伊豆東部火山群においても、御嶽山噴火の教訓や各火山の災害の特殊性等を踏まえて、火山防災対策に取り組んでいます。

富士山富士山

伊豆東部火山群伊豆東部火山群

います。また、噴火の影響が想定される範囲が、海上から伊東市街地に位置しているのも大きな特徴です。

そのため、伊豆東部火山群防災協議会では、避難対象となる住民が多い地域が火口域となった場合を想

定した住民避難計画を策定しました。この計画では、噴火による影響範囲の外に 短時間で避難する考えを元に、自主防災組織ごとに、集合場所や一次避難場所(影響範囲の外で一時的に身の安全を確保する

場所)を定めています。

富士山が噴火した際に影響が想定される範囲には多くの

方が生活しているため、大規模な噴火が発生した場合の被

害規模や影響は他の火山に比べ甚大なものになることが

想定されます。このため、静岡県、山梨県、神奈川県、周辺

市町村、国、関係機関などで構成する「富士山火山防災対

策協議会」において、住民避難の基本的な考え方や円滑

に避難するための方策を整理した「富士山火山広域避難

計画」を策定いたしました。

噴火前は噴火警戒レベルに応じて山頂に近いエリアで避

難(全方位避難)を、噴火後は溶岩流の流下方向に応じた

ラインで避難(ライン避難)を行うのなど、段階的な避難を行

うのが特徴です。

また、大規模噴火では被災した市や町だけでは避難者を

受入れることができないと想定されるため、計画では、県内

の全ての地域で避難者を受入れることとしています。

伊豆東部火山群は、単成火山群のため噴火場所をあらか

じめ特定しておくのが困難であり、マグマが地表まで上昇してくる時には活発な群発地震活動が発生すると考えられて

影響想定範囲と避難対象エリア富士山火山広域避難計画(平成26年2月)から抜粋

ライン4

ライン3

ライン16

ライン14

ライン15

ライン13ライン12

ライン11

ライン5

ライン6

ライン7

ライン8

ライン9

ライン10

ライン1

ライン17

ライン2

影響想定範囲

第1次避難対象エリア

第2次避難対象エリア

第3次避難対象エリア

第4次A避難対象エリア第4次B避難対象エリア

流域界

溶岩流(24時間から7日間)

到達範囲

[第4次A避難対象エリア]

溶岩流(7日間から40日間)

到達範囲

[第4次B避難対象エリア]

火砕流、噴石、溶岩流

(3時間)到達範囲

[第2次避難対象エリア ]溶岩流(3時間から24時間)

到達範囲

[第3次避難対象エリア ]

ライン

火口領域

[第1次避難対象エリア ]

凡例

影響想定範囲

富 士 山 噴 火 時 避 難 ル ー ト マ ッ プ 及 び登 山 届 ア プ リ の 画 面 ( イ メ ー ジ )

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原子力防災対策2第3章 その他の防災対策

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((11))原子力防災センターの整備原子力防災センターの整備

((22))浜岡地域原子力災害広域避難計画浜岡地域原子力災害広域避難計画

福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、災害時の

拠点となるオフサイトセンターの立地要件が改められ

たことから、新しいオフサイトセンターを、浜岡原子力

発電所から約20kmにある静岡空港の敷地内に、県

環境放射線監視センターと合築し、「原子力防災セ

ンター」として整備しました。

県環境放射線監視センターは、平常時は環境放射

線を測定する業務を行っていますが、災害時には緊

急時モニタリングを実施することとなっており、オフサ

イトセンターと一体となって原子力災害対応を実施し

てくことができるようになります。

浜岡地域原子力災害広域避難計画では、万が一

の原子力災害に備え、浜岡原子力発電所から

31km圏内の住民等の避難、一時移転及び屋内退

避の判断基準、避難先、避難経路、避難手段等に

ついて定めており、次の3つを目的としています。

1 原子力災害発生時に、住民等の避難、一時移

転及び屋内退避を迅速、確実に実施すること。

2 住民等の被ばくを可能な限り低減し、安全を

浜岡原子力発電所の万が一の原子力災害に備えて、災害時の拠点となる「原子力防災センター」を整備すると

ともに、浜岡原子力発電所周辺地域の皆様が安全に避難できるよう計画を策定するなど、ハード・ソフト両面から

原子力防災対策に取り組んでいます。

避難先(単独災害)(県内、隣接県)

避難先(複合災害)(関東甲信地方)

避難先(単独災害)(県内、隣接県・東海地方)

避難先(複合災害)

(北陸地方)

確保すること。

3 平時から原子力防災体制の充実、強化を進める

こと。

避難先については、対象市町ごとに原子力災害

が単独で発生した場合と大規模地震との複合災害

時などの場合の2とおりの避難先(計12都県)を確

保しています。

原⼦⼒防災センター内にある合同対策協議会室

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県民の皆様へ

家 具 固 定 及 び 備 蓄 の お 願 い

家具の転倒防止で安心な生活

家 庭 で 自 活 す る た め に も 、 飲 料 水 ・ 食 料 品 の

を 心 が け ま し ょ う !1 週 間 分 以 上 の 備 蓄

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事業所の皆様へ

災害時における一斉帰宅の抑制のお願い

一事業所内での待機のために以下のことをお願いしますー

○ 従業員等の食料・水、毛布等の備蓄、ラジオなどの準備

○ 従業員の安否確認方法の確認

○ 従業員に対して、家族との連絡方法等の確認の呼びかけ

平日昼間に大規模な災害が発生すると

・徒歩帰宅時の余震などによる二次被害・交通の妨げとなるなど社会的な混乱に拍車などにより、自衛隊・消防等の救出救助活動の妨げとなる

帰宅困難者の発生(東日本大震災では首都圏において約515万人発生)

帰宅困難者が一斉に帰宅すると

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インターネットによる防災情報は、静岡県危機管理部のホームページで提供しています。

静岡県危機管理部 http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/

編集・発行

静 岡 県 危 機 管 理 部

〒 4 2 0 - 8 6 0 1 静岡市葵区追手町9番6号

TEL054-221-3731 FAX054-221-3252

http://www.pref.shizuoka.jp/m/lifepass/j_index.html

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平 成 2 8 年 6 月