20
70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 技術による先進で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド 現在のアウディのブランドロゴマークには、 「技術による先進」を意味するドイツ語 “Vorsprung durch Technik”が添えられている。 アウディはまさに今、このスローガンを明確に表現している。 卓越したアルミ技術やクワトロシステム、洗練されたデザインなど まさに技術によってブランドの価値を高めてきた。 その結果は、2011年で前年比19.2%増となる130万以上を記録した、 販売台数という分かりやすい形で表れている。 今号は、いま一番勢いのあるドイツのプレミアムブランド、 アウディにスポットをあてる。 Audi 2 2 Au 012 012 Au 201 201 Au 5 5/ /20 20 Au 05 05 Au R 0 R 0 Au AR AR Au CA CA Au TOC TOC Au UTO UTO Au AUT AUT Au AU AU Au 0 0 A A Au 70 70 Au 70 70 Audi 012 0 12 A AU UT TO OCA CAR AR R 05 7 05 / 2 70 / 20 ウディの2011年は、まさに歴史的な成功 の年になったと総括してもよいだろう。も ちろんルパート・シュタートラー取締役会長を始 め、アウディの経営陣にとって、その歴史的な成 功を象徴する販売、売上高、そしてさまざまな 収益の数字は、すでに過去のものであり、それ は2012年にさらなる成長を目指すためには、も はや忘れ去ってしまわなければならないものな のかもしれない。 しかし彼らの商品を市場で受け止める我々に とって、2011年の歴史的な成功は、アウディとい うブランドに対しての理解を深めるうえでは、非 常に重要な意味を持つ。本特集を始めるにあた り、まずは簡単に、2012年3月1日にインゴルシュ タットのアウディ本社で発表された2011年通期 決算から主要な数字を報告しておこう。 アウディが売れている理由 text: Motohiro Yamazaki (山崎元裕) AUDI AG アウディAG 設立年月日:1909年7月16日 本社所在地:ドイツ・インゴルシュタット 売上高: 441億ユーロ(約4.8兆円/2011年実績) 従業員数: 6万3839人(2011年12月31日現在)

技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

70 AUTOCAR 05/2012

アウディ大研究“技術による先進”で飛躍を続けるドイツの高級ブランド

現在のアウディのブランドロゴマークには、「技術による先進」を意味するドイツ語“Vorsprung durch Technik”が添えられている。アウディはまさに今、このスローガンを明確に表現している。卓越したアルミ技術やクワトロシステム、洗練されたデザインなどまさに技術によってブランドの価値を高めてきた。その結果は、2011年で前年比19.2%増となる130万以上を記録した、販売台数という分かりやすい形で表れている。今号は、いま一番勢いのあるドイツのプレミアムブランド、アウディにスポットをあてる。

Audi2012Audi2012Audi2012Audi2012Audi2012Audi2012AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05/Audi/2012Audi2012AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05Audi70Audi70 AUTOCAR 05AudiAUTOCAR 05Audi70Audi70Audi70Audi70Audi201270 2012AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 05AUTOCAR 0570 AUTOCAR 05/201270 /2012

アウディの2011年は、まさに歴史的な成功の年になったと総括してもよいだろう。も

ちろんルパート・シュタートラー取締役会長を始め、アウディの経営陣にとって、その歴史的な成功を象徴する販売、売上高、そしてさまざまな収益の数字は、すでに過去のものであり、それは2012年にさらなる成長を目指すためには、もはや忘れ去ってしまわなければならないものな

のかもしれない。 しかし彼らの商品を市場で受け止める我 に々とって、2011年の歴史的な成功は、アウディというブランドに対しての理解を深めるうえでは、非常に重要な意味を持つ。本特集を始めるにあたり、まずは簡単に、2012年3月1日にインゴルシュタットのアウディ本社で発表された2011年通期決算から主要な数字を報告しておこう。

アウディが売れている理由text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

AUDI AGアウディAG設立年月日:1909年7月16日本社所在地:ドイツ・インゴルシュタット売上高: 441億ユーロ(約4.8兆円/2011年実績)従業員数: 6万3839人(2011年12月31日現在)Audi

ACJ108_P070-089 audi.indd 70 12/03/16 21:59

Page 2: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

71www.autocar.jp

 アウディが2011年に世界中の市場をトータルして記録した車両販売台数は、前年比19.2%増となる130万2659台だった。売上高が、その成長率を上回る22.4%増の441億ユーロとなったこと、あるいは営業利益が約60%増となる53億ユーロ以上という数字になったことも特筆すべき点で、結果その収益率は、自動車業界において最高水準に位置すると、アウディ自身は胸を張る。 このアウディの歴史的成功、その理由の核にあるのは、もちろん商品の魅力にほかならない。「技術による先進」というキーワードのもと、メルセデス・ベンツやBMWといったライバルとの差別化を、先進的なエンジニアリングやデザインによって実現してきたこと。そして同時に市場が求めるものは何かを把握し、それを正確なタイミングで、的確な市場へと導入することにおいて

も、アウディの積極的な戦略は、非常に高い評価を得ている。 典型的な例は、2011年に前年比37%増の、約31万5000台を販売した中国市場に見られる。メルセデス・ベンツの20万台、BMWの23万台を超え、アウディは昨年、ドイツ高級車ブランドの中では最大の数字を記録するに至っているが、その成功へのプロセスは2005年、中国の高級車ユーザーが求めるものは何かを検証し、当時の「A6」をベースとしたロングホイールベースモデル、「A6L」の現地生産を開始したことで加速度が増した。アウディは2012年には広東省で第2工場を稼働する計画で、それによって中国での現地生産はこれまでの2.3倍に相当する70万台規模に、そして新たに4000人の雇用が生み出されるという。

 アウディは昨年、2020年に全世界の総販売台数を200万台に、そしてそのチェックポイントとして2015年には150万台を目指すという、中期計画を発表した。そのためにまず必要とされるのはモデル拡充であり、同時に生産拠点の増強。さらなる収益性の向上を狙った開発と生産の低コスト化も不可欠だろう。ここにはVWグループの持つ組織力もまた大きな意味を持ってくる。 日本市場におけるアウディもまた、2011年には大きな成功を収めた。詳しくはこの特集の別項に譲るが、昨年の新車登録台数は2万1166台と、前年比でプラス26%。プレミアム輸入車市場におけるシェアも17.6%にまで向上している。アウディの総生産台数が200万台に達した時、日本市場はどのような姿へと変貌を遂げているのだろうか。

ACJ108_P070-089 audi.indd 71 12/03/16 21:59

Page 3: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

72 AUTOCAR 05/2012

アウディからは、2012年もさまざまなトピックスが我 に々提供されていくことになる。こ

こではその最新情報のいくつかを、先日開催されたジュネーブ・ショーでの発表を含め、解説していこう。 2012年ジュネーブ・ショーのアウディ・ブース。その主役となったのは、3rdジェネレーションへと進化した、新型「A3」だった。ボディデザインは、これまでのコンセプトがそのまま継承され、サイズ的にも変化の幅は小さい。すなわちA3の

造形、そして大きさには、すでにプレミアムコンパクトにおける理想像、あるいは不変性が備わっていると解釈することも可能だろう。

新型A3は「MQB」初採用車 新型A3で見逃してはならないのは、それが従来型プラットフォームに代わる、VWグループの「MQB」を採用した初の生産車であること。MQBとはすなわち、M=モジュール、Q=横置きエンジン用、B=ユニットシステム、を意味するも

の。横置されるエンジンのドライブシャフト中心と、ペダル間のサイズを同一(uniform)に、それ以外のユニットシステムのサイズを可変可能(variable)とし、それらを組み合わせることで、生産効率の向上を図るシステムだ。ちなみにVWグループでは、すでに縦置きエンジン用の同システム、「MLB」の採用にも積極的だが、現在ではベントレーのコンチネンタル・シリーズにも使用されるそれは、アウディによって2007年に生み出されたものだ。 新型A3は同時に、現在のアウディが新型車開発のコア・コンセプトに掲げる、ウルトラ(ultra)を忠実に反映したモデルでもある。ボディパネルやインテリア、あるいはエグゾーストシステムなどに徹底した軽量化策が施された結果、新旧の「1.4TFSI」での比較では、新型は80kgも軽量な車重を実現するに至っている。それが環境性能の大幅な向上につながるのは、ここで改

ワールドプレミアから日本導入予定モデルまで

近未来のプロダクションモデル先に開催されたジュネーブ・ショー出展車の話題を中心に、まずは最新のトピックを。魅力的なモデルの日本上陸も控えている。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo: Yasuhiko Sato(佐藤靖彦)

新型A3MQBプラットフォームを採用した初の生産車として登場した3世代目。車重を80kgシェイプアップするなど、ルックスやボディサイズはキープコンセプトだが、中身はまったくの新設計となる。一方で、最新世代のMMIの搭載も話題だ。

RS4アバント450psの4.2ℓV8エンジンを搭載するホッテストモデル。0→100km/h加速タイムは4.7秒をマークする。

TT RSプラス搭載される2.5ℓ直5ターボは360ps/47.4kgmを発揮。最高速は280km/hを誇る史上最強のTTだ。

A6オールロード・クワトロ現行型A6アバントをベースとした3世代目。3.0TFSIは310ps/ 44.9kgmを計上する。

ACJ108_P070-089 audi.indd 72 12/03/16 21:59

Page 4: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

73www.autocar.jp

めて詳しく解説するまでもないところだろう。 搭載されるエンジンは、1395cc直列4気筒TFSI(122ps)に始まり、1798cc直列4気筒TFSI(180ps)の両ガソリン。そしてディーゼルは1968cc直列4気筒TDI(150ps)が用意されている。2012年中には1598cc直列4気筒TDIが追加される予定だが、それは99g/kmのCO2排出量を実現したエコ・コンシャスなモデルとなる。 MQBは、横置き用エンジンであれば、搭載エンジンの仕様にかなり大きな自由度を持つ。すなわちガソリン&ディーゼルのほかに、CNGやLNG、フレックス・フューエル、さらにはHV、PHV、EVへの進化にも対応するのだ。周知のとおり、自動車の世界における環境性能対応のためのソリューションは、市場によってさまざまなテクニカル・トレンドを持つ。MQBの採用によって得られる自由度は、アウディの場合はさらにMLBにおいても同様に、新型車開発において非常に大きなメリットを生み出してくれるはずだ。 さらに新型A3では、最新世代のインフォテイメント・システム、MMIの搭載も実現している。ジュネーブ・ショーに続いて、ドイツのハノーバーで開幕したIT見本市、セビット(CeBIT)においてもアウディは、開発期間の短縮と、最新のハード&ソフトウエアの搭載を可能とする、モジュラー・インフォテイメント・プラットフォーム、「MIB」による新型MMIを積極的にプレゼンテーション。同社のインフォテイメントとIT戦略を、「アウディ・コネクト」のコンセプト・ワードとともに、世界に強く主張することとなった。 2012年ジュネーブ・ショーでは、ほかに「A6オールロード・クワトロ」や、「RS4アバント」のワールドプレミアも行われている。前者は先日、日本市場への導入も開始された新型A6からの派生モデルで、ネーミングが物語るとおり、それはロードクリアランスを拡大することなどで、A6アバントの機能性をさらに拡張したもの。RS4アバントは、4163cc仕様のV型8気筒エンジン(450ps)を搭載する、アウディ・グループのクワトロGmbHのプロデュースによるホットなモデルだ。 さて、ジュネーブからのトピックスを紹介したところで、もう少し広い視野からアウディの将来を考えてみよう。ここ数年のアウディが、積極的にその可能性を模索しているのは、エレクトロモビ

リティ、すなわち自動車の電動化である。すでに「e-tron」のネーミングのもとに、アウディからはさまざまなコンセプトが提案されているが、それがアウディの将来に、いかに重要な意義を持つプロジェクトであるのかは、2010年9月にインゴルシュタットに開設された、エレクトロモビリティの開発拠点、「エレクトロニクスセンター」への投資にも証明されている。建設費のみで1億2500万ユーロ(約136億円)を投じたこの施設では、コンセプトの提案から、一連の開発作業。そして生産化へと移行した際の認可作業などのすべてが行われている。これもまたアウディの新時代を象徴する姿だ。

ハイブリッド日本上陸も濃厚 2012年のアウディは、すでに日本市場においても積極的な動きを見せている。2011年は「A1」や「A7」といった新たなカテゴリーの新型車、そして伝統的な「A6」、「A8」が新世代へと進化して日本デビューするという年だったが、2012年もすでに、マイナーチェンジを受けると同時に「S5スポーツバック」などの新規導入モデルも加わった「A5」や、こちらも新型へと発展した「A6アバント」が早 に々上陸を果たしている。今後はさらに、コンパクトSUVの「Q3」、2011年のIAA=フランクフルト・ショーで発表された、「S6」、「S6アバント」、「S7スポーツバック」、「S8」といった一連の最新Sモデル。そして「A1スポーツバック」、さらにはこちらもマイナーチェンジというよりは、実質的にはフルモデルチェンジに近い設計変更を受けた「A4」も日本デビューを果たすことになるだろう。 「Q5ハイブリッド」など、エコ志向のモデルが投入される可能性も濃厚だ。エコカー減税や補助金制度を活用できるモデルが、日本のアウディ車ラインナップで続 と々その数を増やしていることが、新たにアウディというブランドにカスタマーを導くためのひとつの原動力となっていることを考えれば、アウディの日本仕様では初となるHVモデルへの注目度は、もちろん相当に高いものとなるはずだ。「技術による先進」という言葉に象徴される、インテリジェンスなブランドイメージが確立され、世界中の市場で急速な成長を続けるアウディ。その成長戦略は、これからもアグレッシブなものであり続けるに違いない。

成長戦略はこれからもアグレッシブ。アウディの勢いは当分止まりそうにない。

今年、日本上陸が見込まれるニューモデル【   】

A1スポーツバック3ドアのA1からボディサイズをほとんど変更せず、ボディ後端のフォルムを変更した5ドア版。上陸は夏頃の予定。

S8520ps/66.3kgmを発揮する4ℓV8ツインターボを搭載。0→100km/h加速は4.2秒! 上陸予定はS6やS7と同時期。

Q3Qシリーズの末っ子。ボディサイズは全長4385×全幅1831×全高1590mm。上陸は秋頃を予定。

S64ℓV8ツインターボ(420ps/56.1kgm)を搭載するホットバージョン。上陸予定は夏頃。

S7スポーツバックS6と共通のパワートレーンを搭載。0→100km/h加速を4.9秒でこなす。こちらも夏頃上陸する予定。

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 73 12/03/16 21:59

Page 5: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

74 AUTOCAR 05/2012

4つのリングに込められたアウディ111年のヒストリー誕生の瞬間から持ち合わせた、一貫した性能と品質へのこだわり

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

1955

1960

1965

1970

1975

1980

1900

1905

1910

1915

1920

1910■・ アウディに社名を変更した最初のモデル、アウディ・タイプA10/22hpフェートンが誕生

■1913・ アウディ・タイプC14/ 35hpフェートン発売。レースの勝利から別名「アルペン・ビクトル」と呼ばれる・ ヴァンダラーが初の生産車5/15h pタイプW3を発売開始

1921■・ アウディ初の左ハンドルモデル、タイプK 14/50hp登場・ DKW設立。1917年に蒸気自動車を開発し

1919年に2ストロークエンジン開発に移行

・ ヴァンダラー社が同社初の自動車を試作

1906■・ タイプ22hpがヘルコマー・ラン・レースに出場し最小排気量で優勝

1912■・ ホルヒ自らステアリングを握り、オーストリア・アルペンラリーに参戦し、3年連続優勝を果たす

■1899・ アウグスト・ホルヒがメルセデスから独立しホルヒを設立

1909■・ 経営方針の対立からホルヒが自ら興したホルヒ社を退社し、新しいホルヒを設立。後に社名をアウディに変更(写真はホルヒの社長室)

■1914・ 第一次世界大戦勃発

1919■・ 第一次世界大戦終結

■1901・ ホルヒ初の2気筒エンジン車タイプ4-5hpを開発

1958■・ ダイムラー・ベンツがアウトウニオンを傘下に収める

1964■・ VWがアウトウニオンの株式50.3%を取得し買収

1965■・ DKW F102 をベースに新開発4ストロークエンジンを搭載した4気筒モデル、初代アウディ80を発売

1966■・ トップモデルとしてアウディ90を発表。DKWブランドの車両生産終了

1969■・ NSUがVW傘下に。アウトウニオンとNSUが合併しアウディNSUアウトユニオンに社名変更・ アウディ100クーペS発表

1971■・ フラッグシップモデル、アウディ100LSを発表

1974■・ エントリーモデルとなるFF、2BOXのアウディ50を発表

1977■・ 2代目アウディ100を発表。NSUブランドの車両を生産終了

1978■・ 2代目アウディ80を発表。新しいロゴマークを使用

1979■・ フラッグシップとなるアウディ200を発表

1980■・ アウディ・クワトロをジュネーブ・ショーで発表

1981■・ アウディ・クワトロでWRC初勝利

1982■・ Cd値0.30を誇る3代目となる革新的なデザインを採用したアウディ100を発表。アウディ・クワトロがWRCでチャンピオンに。以降計23回優勝

ACJ108_P070-089 audi.indd 74 12/03/16 22:00

Page 6: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

75www.autocar.jp

■1937・ アウトウニオン・タイプCが最高速度記録406.3km/hを達成

1993■コンセプトカー、アウディASF発表

■1926・ ホルヒ初の8気筒モデル、ホルヒ8(タイプ303 3.2ℓV8)を発売

1949■・ インゴルシュタットに新生アウトウニオンGmbHを設立

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

1985

1990

1995

2000

2005

2010

1925

1930

1935

1940

1945

1950

■1984・ アウディ・クワトロスポーツ発表

■1986・ 3代目アウディ80発表

1991■・ 4代目アウディ80発表

1994■・ 初代アウディA4、市販車初のオールアルミボディの新型A8発表、アウディ100をA6にモデル名称を変更

1995■・ アウディTTのコンセプトカーを発表。新しいロゴマークを使用

■1996・ アウディA3発表

■1997・ アウディA2、2代目A6発表

1998■・ アウディTTクーペ発売。コスワースとランボルギーニを傘下に収める

1999■・ ル・マン初参戦。

2000■・ 2代目アウディA4発表。1-2-3フィニッシュでル・マン初優勝。以降2011年まで通算9回の優勝を達成

2003■・ コンセプトカー、ル・マン・クワトロをIAAで発表

2004■・ 3代目アウディA4発表

2005■・ 3代目アウディA6、Q7発表

■2006・ 2代目アウディTT、Q5、R8発表。ル・マン24時間でアウディR10がディーゼルエンジン搭載車として初優勝

2010■・ クワトロ誕生30周年。新型アウディA1、A7発表

2011■・ 4代目アウディA6発表

2009■・ アウディ・ブランド100周年。新型アウディA8発表

■2007・ 5代目アウディA4、A5発表

■2008・ 総生産台数100万台/年突破

1989■・ 新型アウディ100を発 表 。直 噴ターボディーゼルを市販開始

■1985・ アウディNSUアウトユニオンからアウディに社名を変更。

1950■・ 終戦後初のアウトウニオンの車両としてDKW F89L(商用車)を発売

■1941・ 第二次世界大戦勃発

1945■・ 第二次世界大戦終結。敗戦によってアウトウニオンが解体

■1931・ アウディの技術で開発されたDKW F1発売

■1932・ DKW、アウディ、ホルヒ、ヴァンダラーが合同でアウトウニオンを設立。フォーリングスのエンブレムを使用。DKWが2輪車と小型車を、アウディがFFの中型車、ヴァンダラーがスポーティな中型車、ホルヒが高級車をそれぞれ主に担当した

1934■・ アウトウニオンとしてタイプAレースカーでレースに初参戦1928■

・ DKW(イェルゲン・スカフテ・ラスムッセン代表)がアウディを傘下に収める。DKW P15ロードスター発売

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 75 12/03/16 22:00

Page 7: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

76 AUTOCAR 05/2012

欧州を中心に拡大を続ける

アウディの生産工場ガイド

■1

■6

■5

■3

■2

■4

3 エンジンやTT、A3を生産するハンガリーのジュール工場。

4 A1を生産するベルギーのブリュッセル工場。

5 スロベニアのVWブラチスラバ工場ではQ7を生産。

6 セアトのマルトレル工場でQ3の生産を開始。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

アウディ車の生産拠点で最も大規模なものは、1949年に設立された、ドイツのバイエ

ルン州にあるインゴルシュタット工場だ。2011年の生産実績は58万3824台。車種としては、“A3”、“A4”、“A5”、“Q5”の各シリーズと、比較的コンパクトな車格を担当しているのが特徴だ。また“TT”のボディ&ペイント施設も、このインゴルシュタット工場内にある。 ドイツでのもうひとつの生産拠点、バーデン=ヴェルテンベルク州のネッカーズルム工場は、

1880年の設立。総面積はインゴルシュタットの約274万㎡に対して、約100万㎡というサイズ。2011年の生産実績もそれに比例するかのように、26万5622台という数字である。ちなみにこのネッカーズウルムの担当は、“A4セダン”、“A5カブリオレ”、“S5カブリオレ”、“A6”、“A7”、“A8”と、こちらはミドルクラス以上が中心。子会社のクワトロGmbHもその本社をここに置き、一連の“RS”モデルや“R8”シリーズの生産を自身の専用工場において行っている。 欧州にはほかに、ハンガリー(1993年設立)、そしてブリュッセル(1949年設立)工場がある。前者では“TT”と“A3”の両シリーズ、また後者は“A1”の生産を担当しており、2011年実績では各 、々3万9518台、11万7566台を出荷した。ハンガリー工場は同時に、アウディにとって

 そしてもうひとつの重要な拠点が、2011年には25万8557台を生産した中国の長春工場だ。ここでは中国メーカーとの合弁による、“A6L”、“A4L”、“Q5”の生産が行われているが、さらに新工場設立の計画を打ち出しているのは、この特集の冒頭でも、それを解説しているとおりである。 最新の話題は、アウディがついに北米生産に進出するのではないかという情報。それはVWがテネシー州に新設する工場で共同操業を

重要なエンジン工場としての役割をも果たす。昨年は188万3757基のエンジン生産が行われた。さらにアウディは、スロバキアのVW工場、スペインのセアト工場、インドのシュコダ工場などでも、一部モデルの生産を行っている。2005年にアウディ車の生産がスタートしたスロバキア工場は、2011年には5万3707台の“Q7”を出荷。また昨年からスペイン工場で生産されることになった“Q3”は、1万9654台という生産実績を残している。

1 インゴルシュタットの生産ライン。アウディの生産・開発拠点で最大の規模を誇る(左)。インゴルシュタットのアウディ・エレクトニクスセンター。電子制御や電装系パーツの開発を行う拠点(右上)。インゴルシュタットは、全体で総敷地面積270万㎡以上の規模を持つ(右下)。

ACJ108_P070-089 audi.indd 76 12/03/16 22:00

Page 8: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

77www.autocar.jp

国名 番号 工場名 生産製品 2011年生産実績(台) 開設(年) 従業員数(人) 面積(㎡)ドイツ 1 インゴルシュタット A3、A4セダン/アバント、A5、Q5など 583,824 1949 33,729 2,737,500ドイツ 2 ネッカーズウルム A4セダン、A5カブリオレ、S5カブリオレ、A6、A7、A8、R8など 265,622 1880 14,247 1,000,000ハンガリー 3 ジュール TT、A3、エンジンなど 39,518 1993 7,322 3,912,232ベルギー 4 ブリュッセル A1 117,566 1949 2,372 540,000スロバキア 5 ブラチスラバ(VW) Q7 53,707 2005 2,200 1,780,058スペイン 6 マルトレル(セアト) Q3 19,654 2011 1,500 2,800,000中国 7 長春(一汽大衆汽車) A6L、A4L、Q5など 258,557 1988 9700 1,160,000インド 8 アウランガーバード(シュコダ) Q5、A4セダン、A6セダン 4,674 2007 140 300,000

欧州、アジアに続き、VWとの共同操業で米国にも進出か。

生産拠点を充実させ、年間130万台のキャパシティを引き上げる

■アウディ生産工場

■8

■7

8 Q5などを生産するシュコダのインド・アウランガーバード工場。

7 中国・長春では一汽大衆汽車との合弁でA6LやA4Lなど中国専用モデルを生産。増産に対応するために現在工場を拡張中。

行うとの見方が強い。2020年には年間20万台規模の北米販売を狙うというアウディにとっては、それは必要不可欠な戦略なのかもしれない。さらにアジアの生産拠点として、地元自動車メーカー、インドモービル/ガルーダマタラムモーターとの共同で、インドネシアにも生産工場を建設中だ。こちらは2015年からの操業を目指している。 ちなみに、日本で販売されるアウディは、左右のハンドル位置に関わらず、すべて欧州生産車となっている。

2 アウディで最も古い生産拠点となるネッカーズルム(左)。ネッカーズルムではA4セダン以上の大型モデルを主に生産する(右上)。駐車場の屋上に太陽光パネルを設置し、自社発電も実施(右下)。

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 77 12/03/16 22:00

Page 9: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

78 AUTOCAR 05/2012

数字で知る、アウディ2011年は主要各国で軒並み前年越え2011年に躍進を遂げたアウディ。世界における販売台数が大きく伸びたことは先に触れたとおりだが、ここでは国や地域ごとに販売データを見てみる。各国でのアウディの存在感が高まっていることがかわるだろう。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

シア危機に端を発する欧州経済情勢の不透明感による影響は、第4四半期に成長率の鈍化となって表れている。アウディにとってもその事情は変わらないが、いわゆる加速度の衰えが小さかったという点で、プレミアムブランドがそもそも持つ強さ、そしてアウディ車の商品力の高さは再確認される結果となった。 2011年の世界販売でのもうひとつの大きな話題は、中国が単一市場として、アウディにとって世界最大の市場となったことだろう。すでに2010年には、ドイツの22万9157台に対して、香港を含めた中国のセールスは22万7938台と肉薄していたが、2010年比で37.3%増という中国市場の勢いは圧倒的だった。2011年に31万3036台を販売したこの市場を、今後さらにどのように拡大させていくのか。すでに発表された新工場の設立を含め、彼らが描く成長戦略は大いに興味深い。 11万7561台を2011年にセールスしたアメリカは、こちらもさらなる成長が見込まれる市場と分析してよい。前年比の伸び率は15.7%で、アウディは将来的には北米生産を計画している。その最も自然なシナリオは、VWがパサート生産のために、テネシー州チャタヌーガに設立した新工場が持つ、余剰生産能力を利用してというもの。現在のユーロ安傾向の為替状況を考えると、現地生産と欧州からの輸出の、どちらに魅力があるのかは微妙なところだが、為替変動によるリスク回避という意味では、北米生産は確実性の高い策だろう。 車種別に2011年のリザルトを見ると、やはりアウディ躍進の大きな原動力となったのは、「A1」や「Q3」という、新規導入モデルであることが

明白だ。ちなみに「A1」の生産はブリュッセル工場で行われているが、その生産開始直後に、アウディは2億7000万ユーロもの投資をして、生産能力の拡大を図った。2011年実績の11万6749台は、この時に計画されていた「A1」の生産目標さえをも超えたと想像させる大きな数字であった。

World Wide & EuropeA1やQ3が躍進の大きな原動力

■アウディ世界・主要国販売台数

■欧州市場ブランド別ランキング (単位:台)

2011年 2010年 前年対比全世界 1302650 1092411 119.2%ヨーロッパ 726300 647631 112.1%ドイツ 254011 229157 110.8%英国 115345 99705 115.7%イタリア 60353 60337 100.0%フランス 62009 52520 118.1%スペイン 40905 39557 103.4%ロシア 23250 18510 125.6%米国 117561 101629 115.7%ブラジル 5503 3276 168.0%アジア太平洋 373700 276241 135.3%中国 313036 227938 137.7%インド 5511 3003 183.5%日本 21166 16854 125.6%注)アウディ ジャパン発表。中国のデータは香港を含む。

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォルクスワーゲン 1684150 1544529 109.0%フォード 1077759 1109377 97.1%ルノー 1044920 1147697 91.0%オペル/ヴォグゾール 989261 1007427 98.2%プジョー 911703 1006120 90.6%シトロエン 770726 838038 92.0%フィアット 682140 824237 82.8%アウディ 680262 623506 109.1%BMW 641737 610570 105.1%メルセデス・ベンツ 591750 586146 101.0%注)マークラインズ調べ

モデル 2011年 2010年 前年対比A1 116749 51937 224.8%A1スポーツバック 817 ‐ ‐A3 27461 35126 78.2%A3スポーツバック 147619 151471 97.5%A3カブリオレ 11752 12309 95.5%RS3スポーツバック 2236 15 14906.7%Q3 19654 108 18198.1%TTクーペ 18196 19399 93.8%TTロードスター 5488 5604 97.9%TT RSクーペ 1508 1014 148.7%TT RSロードスター 316 200 158.0%A4セダン 216251 190884 113.3%A4アバント 103421 109474 94.5%A4オールロードクワトロ 10537 10788 97.7%RS4アバント 13 ‐ ‐A5スポーツバック 53204 49803 106.8%A5クーペ 35407 37890 93.4%A5カブリオレ 20459 20924 97.8%RS5クーペ 2688 2323 115.7%Q5 191987 155052 123.8%A6セダン 196260 166234 118.1%A6アバント 45628 39715 114.9%A6オールロードクワトロ 3036 5551 54.7%RS6セダン ‐ 221 ‐RS6アバント ‐ 564 ‐A7スポーツバック 37301 8496 43.9%Q7 53707 47769 112.4%A8 38542 22435 171.8%R8クーペ 2039 1610 126.6%R8スパイダー 1512 1875 80.6%Total 1363788 1148791 118.7%注)アウディAG発表

■アウディ・モデル別世界販売台数 (単位:台)

■2011年、世界で最も売れたアウディ

A4下表のように、2011年にもっとも売れたアウディはA4セダンで、216251台を販売。この数字は全体の15.9%のシェアとなり、アウディの最重要モデルであることがわかる。

ア ウディの2011年は、将来その歴史を振り返る中で、必ずや飛躍的な成功を収め

た年として、クローズアップされることになるだろう。ここではまず、世界販売、欧州販売という、やや広い視野から、その2011年のリザルトを分析してみたい。 VWグループで約816万台のセールスが達成され、結果GMに続く世界の第2勢力の座を獲得するに至った2011年。その中で130万2659台のセールスを記録したアウディの功績は、その商品が高い利益率を持つものであることを考えると、台数比率以上に大きなものであることは確かだ。VW自身も、2011年は最終的に非常に魅力的な結果を、販売台数においても、あるいは財務的な数字においても残しているが、ギリ

ACJ108_P070-089 audi.indd 78 12/03/16 22:00

Page 10: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

79www.autocar.jp

2 011年、英国市場の成長率はドイツの10.8 %、そして欧州平均の12.1%を上回る、

15.7%増だった。最終的なセールスは11万5345台に達し、また2011年終盤にかけての成長率の鈍化とも無縁だった。参考までに2011年12月期のデータは、前年同月比22.2%増。欧州平均は7.3%増、ドイツ市場は9.9%減という数字である。 ドイツと同様、カンパニーカーの需要が大きなイギリスだが、ここでアウディという選択に人気が集まっていることも、見逃してはならないとこ

欧 州エリアで、2011年に最大成長を記録したのはロシアだった。2万3250台の販売

実績と、25.6%増という成長率は、日本市場のそれとほぼ同等の規模であるが、将来的な成長には、さらに計り知れない可能性が秘められている。ちなみにロシア市場に投入されているモデルは、すでにアウディ車の全ラインナップを網羅しており、これも世界的な傾向と同様に、ハイエンドカテゴリー車購入の比率も高い。2011年にアウディは、より高級感を高めた特別仕様車として、「Q7」のV型12気筒TDIベースのモデルを555台の限定で発売するなど、ロシア市場の特性を考慮した独自の販売戦略を展開。ロシアの

変えるのならば、ほかのプレミアムブランドとは異なる、アウディ独自の魅力が全ラインナップを通じて確実に主張されていることを意味する。2012年のドイツ・プレミアムブランドの熾烈な競争を象徴するのは、「アウディA3」、「メルセデス・ベンツAクラス」、「BMW1シリーズ」と、最新世代が出揃ったハッチバック市場だろうか。2011年実績では、全セールスの約14%を占めた「A3」。VWグループの最新アーキテクチャー、MQBを採用した初のモデルには、大きな期待が集まる。

ろ。メルセデス・ベンツやBMWとは異なる、インテリジェンスなブランドイメージ、あるいはそれをベースに生み出されるデザイン性が、カンパニーカーにおいても高い評価を受けているのだ。アウディはすでに、かつてのようなセカンド・チョイスのブランドではなくなった。その傾向はもちろん世界に共通するもの。2011年にアウディの世界販売が、わずか約4万台差ながら、ついにメルセデス・ベンツを抜くという歴史的な偉業を達成したことにも、それは見事に証明されている。

高級車ユーザーに、さらにアウディという選択肢を印象づける作戦だった。気になるのは、欧州経済危機によって、ロシア市場には全体的に非常に大きな打撃を受けているということ。その回復の起爆剤として、輸入車ブランドは大きく期待されているわけだが、アウディももちろん、その一翼を担う存在となることを期待したい。

Germany全セールスの14%を担うA3。新型にも期待

UKカンパニーカーとしても高く評価

Russia経済危機回復の起爆剤として一翼を担う

■ドイツ市場ブランド別ランキング (単位:台)

■イギリス市場ブランド別ランキング (単位:台)

■ロシア市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォルクスワーゲン 686772 613038 111.9%BMW、MINI 297439 265288 111.5%メルセデス・ベンツ 285651 280129 101.6%オペル 254605 233298 109.0%アウディ 250708 226153 110.5%フォード 230939 198156 116.5%ルノー、ダチア 160366 153555 104.4%シュコダ 142611 132057 107.9%トヨタ 80508 78708 105.0%ヒュンダイ 86866 74287 116.9%注)マークラインズ調べ

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォード 265894 280364 94.8%オペル 234706 247272 94.9%フォルクスワーゲン 179289 174655 102.7%BMW 116642 109418 106.6%アウディ 115345 99705 115.7%日産 96269 89907 107.1%プジョー 94989 109324 86.9%メルセデス・ベンツ 81873 74914 109.3%トヨタ 73579 87659 83.9%シトロエン 68465 73314 93.4%注)マークラインズ調べ

ブランド 2011年 2010年 前年対比ラーダ 578387 517147 111.8%シボレー 173484 116233 149.3%ヒュンダイ 163447 87081 187.7%ルノー 154734 96466 160.4%キア 152873 104235 146.7%日産 138827 79614 174.4%フォルクスワーゲン 130348 66216 196.9%トヨタ 119505 79315 150.7%フォード 118031 90166 130.9%デーウ 92778 74419 124.7%GAZ 89773 76646 117.1%三菱 74166 45538 162.9%シュコダ 74074 45631 162.3%オペル 67555 40875 165.3%UAZ 57148 49043 116.5%プジョー 44311 35734 124.0%マツダ 39718 24926 159.3%スズキ 35469 28690 123.6%メルセデス・ベンツ 31761 21848 145.4%フィアット 28254 21943 128.8%BMW 28165 20584 136.8%シトロエン 27633 17419 158.6%アウディ 23250 18510 125.6%注)マークラインズ調べ

■ドイツで人気のアウディ

■イギリスで人気のアウディ

■ロシアで人気のアウディ

A4地元ドイツでも人気はA4。2011年は5万9056台を販売。2位はA3で5万3801台、3位はA6で3万5709台という順だ。

A3イギリスではA3が最も人気があり、20 1 1年は2万7122台の販売を記録した。

A1ロシアも一番人気はA4で、2011年は2万1042台を販売。2番目には1万8506台で、A1がつけた。

ホ ームであるドイツでも、2011年のアウディは当然のことながら大きな成功を収めて

いる。25万4011台という数字は、前年比で10.8%増。リーマン・ショックに始まった経済危機や、政府によるスクラップ・インセンティブ(新車買い替えのための補助金制度)終了の反動という、困難に立ち向かったことなど、もはや完全に過去のものというのが率直な感想である。 ドイツ市場での成功の要因は、言うまでもなくアウディ車の商品力アップにある。それは言葉を

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 79 12/03/16 22:00

Page 11: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

80 AUTOCAR 05/2012

2011年に単一市場として、ついに世界最大の市場となった中国。全販売台数の31万

3036台は、前年比で37.3%のプラス。アウディは、中国で早くから現地企業との合弁による現地生産を進めており、同時に中国市場での志向性を反映したモデルを積極的に開発、投入してきた。「A6」や「A4」のロングホイールベースモデルなどは、その典型的な例。2011年後半には、長春工場の増設が完了し、その生産能力が大幅に拡大したことも、この急成長の大きな要因となったのは確かだ。 アウディは、さらに広東省仏山に新たな工場を設立する。「one name, one standard, everywhere」をモットーに掲げ、世界中の工場

日本の輸入車市場におけるブランド別の販売台数ランキングで、アウディはVW、

BMW、メルセデス・ベンツに続くリザルトを、2011年に残すことができた。トータルの販売台数は2万1166台。プレミアム市場におけるシェアは、17.6%まで高まった。2万台超えは、アウディ ジャパンにとっても長年の夢であり、それを実現した2011年は、あらゆる意味でひとつの転機ともなるだろう。 日本ではすでに、アウディブランドに対しての理解は、完全なものになったという印象が強い。インテリジェンスという言葉に象徴される、洗練されたデザインとパフォーマンスは、日本市場のカスタマーが、あるいはそれを最も強く求めてい

で品質の均一化に取り組むアウディ。その製品クオリティは、中国市場のユーザー、いや将来的には世界中ユーザーからも高く評価されることになるはずだ。ちなみにこの新工場では、2013年からまず「Q3」の生産が行われる見込みとなっている。中国市場の成長は、はたしてどこまで続くのか。成長の加速度は鈍化したとはいえ、まだまだ期待は大きい。

China単一市場として世界最大の規模に

India新興市場でも突出した成長率を記録

Japanプレミアム市場のシェアが17.6%まで高まった

■中国市場ブランド別ランキング (単位:台)

■インド市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォルクスワーゲン 1723006 1474734 116.8%五菱 (Wuling) 1125770 1057804 106.4%日産 832193 681360 122.1%トヨタ 806345 780467 103.3%ヒュンダイ 757776 784447 96.6%長安 (Changan/Chana) 714239 917472 77.8%ビュイック 639728 543512 117.7%ホンダ 617315 671640 91.9%シボレー 609106 541141 112.6%奇瑞 (Chery) 591213 599898 98.6%比亜迪汽車 (BYD) 448484 519806 86.3%キア 432518 333028 129.9%長城汽車 (Great Wall) 365075 294181 124.1%フォード 320657 304104 105.4%吉利 (Geely) 318617 344822 92.4%アウディ 257700 206302 124.9%夏利 (Xiali) 250153 245253 102.0%東風汽車 (Dongfeng) 243053 226198 107.5%スズキ 238977 203997 117.1%シトロエン 230002 224001 102.7%注)マークラインズ調べ

ブランド 2011年 2010年 前年対比スズキ 997281 1065732 93.6%ヒュンダイ 373709 356717 104.8%タタ 350184 343695 101.9%マヒンドラ&マヒンドラ 223008 164496 135.6%トヨタ 136148 74762 182.1%シボレー 111056 110361 100.6%フォード 96271 83887 114.8%フォルクスワーゲン 78410 32256 243.1%ホンダ 47548 62872 75.6%シュコダ 30741 20133 152.7%日産 22893 7164 319.6%フィアット 16733 21950 76.2%BMW 8042 6246 128.8%メルセデス・ベンツ 5634 5819 96.8%アウディ 5511 3003 183.5%注)マークラインズ調べ

■中国で人気のアウディ

■インドで人気のアウディ

■日本で人気のアウディ

A6A4L、A6L、Q5を発売する中国ではA6Lが一番人気。2011年は11万1806台を販売した。

A42011年の販売台数から、インドでも人気のアウディはA4。1310台を販売した。

A4販売台数が直接、人気を示すとは限らないが、2011年のトップ3はA1(4206台)、A3スポーツバック(2635台)、A4アバント(2635台)だった。

その成長率だけを見れば、インド市場は2010年比で83.5%のプラスであるから、

新興市場の中でも特筆すべき成功を、2011年にアウディは収めたと評価してよいだろう。ちなみに実際のセールス台数は5511台。現在インドで販売されているアウディ車は、「A4」、「A6」、「A7スポーツバック」、「A8L W12」、「Q5」、「R8」、「TT」といったモデルのみで、フルモデルラインナップが導入されているわけではないことを考えると、さらなる成長の可能性は十分に考えられる。 アウディはシュコダの工場を使用して、現在インドでの生産も行っているが、そのモデルラインナップや、4674台という昨年の生産実績から考えると、「A4」や「A6」などの主力車種の現地生産は、かなり効率的に行われていることが想像できる。さらにコンパクトな「A3」や「A1」といったモデルの導入など、アウディにはまだまだ次の戦略が残されている。中国、あるいはそれ以上の成長性を秘めるとされるインドで、アウディはどれほどの成功を収めることができるだろうか。

ACJ108_P070-089 audi.indd 80 12/03/16 22:00

Page 12: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

81www.autocar.jp

アメリカ市場での、昨2011年の販売実績は、前年比115.7%増の11万7561台。しか

しながらその市場の巨大さを考えると、そしてメルセデスベンツやBMWといったドイツ・プレミアムブランドのライバルが、いずれも20万台中盤の販売実績を、やはりアウディと同等の成長率で2011年に記録したこと考え合わせれば、さらにこの市場の開拓に比重を置こうと考えるのは自然である。 もちろん、アウディ車に対してのアメリカでの評価はポジティブだ。アメリカの調査会社、J.D.パワー・アンド・アソシエーツが発表した、最新の自動車顧客満足度調査によれば、アウディは1000ポイント中、828ポイントを獲得。これは

アウディの、2011年のブラジル市場での総販売台数は5503台。前年比の成長率は

168%だった。新興市場のひとつとして、それは非常に魅力的なリザルトと、まずは評価することができるだろう。ブラジルの新車販売は、そのシェアの約70%を、VWやフィアット、GM、フォードのコンパクトカーが占める。それはすなわち、アウディのようなプレミアムブランドにとっては、市場そのものの上級移行が、さらなる成長のためには必要不可欠であるということを意味している。メルセデス・ベンツやBMWは、2011年にようやく1万台超えを果たしているが、その主役はコンパクトクラスのモデルであることは容易に想像できる。 しかしながらアウディは、すでに幅広いラインナップを、ブラジル市場においても確立している。2012年は、アウディも当然1万台というラインを狙うのは確実なところ。そのための戦略として、どのような策が展開されるのか。そして結果として2012年に達成されるリザルトは……? 新興市場の将来を占ううえでも、ブラジルは重要な市場だ。

前回調査と比較して34ポイントの改善と、ライバルブランドを凌ぐ結果となっている。アウディは近く、アメリカでの現地生産を開始し(一説にはメキシコに工場を新設するという噂もあるが)、その供給能力を大幅に高める計画を打ち出している。VWとともに、アメリカ市場への本格進出の傾向は、さらに鮮明なものとなっていくのは間違いない。

たものであるのかもしれない。ハイエンドモデルが高い人気を博しているのは世界的な傾向だが、2011年はさらに「A1」など、これまでのアウディ車には存在しなかった新カテゴリーへの進出で、さらにセールスは活性化した。大幅刷新された「A4」や、先日ジュネーブで正式発表された「A3」、そして「Q3」への期待も市場では非常に大きい。

USA最新の顧客満足度調査で高い支持

Brazil年間1万台突破に向けて弾みをつけた

Japanプレミアム市場のシェアが17.6%まで高まった

■ブラジル市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2011年 2010年 前年対比フィアット 705346 610660 115.5%フォルクスワーゲン 673544 615572 109.4%シボレー 589649 557855 105.7%フォード 309869 259548 119.4%ルノー 174324 45925 379.6%ヒュンダイ 104596 50287 208.0%トヨタ 99207 55030 180.3%ホンダ 92895 111369 83.4%シトロエン 87505 84475 103.6%プジョー 80919 81956 98.7%キア 66920 - -日産 62486 28354 220.4%三菱 55528 72 77122.2%オペル 42561 9555 445.4%安徽江淮汽車 (JAC) 23752 - -奇瑞 (Chery) 21685 - -BMW 12076 - -メルセデス・ベンツ 10270 7190 142.8%ダチア 9388 103358 9.1%ランドローバー 8185 - -スズキ 7382 - -アウディ 5503 3276 168.0%注)マークラインズ調べ

■アメリカ市場ブランド別ランキング (単位:台)

■日本輸入車市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォード 2057211 1726359 119.2%シボレー 1775812 1563963 113.5%トヨタ 1396838 1488588 93.8%ホンダ 1023986 1096874 93.4%日産 944073 805159 117.3%ダッジ 708650 591150 119.9%ヒュンダイ 645691 538228 120.0%キア 485492 356268 136.3%フォルクスワーゲン 324402 256830 126.3%スバル 266989 263820 101.2%メルセデス・ベンツ 261769 224937 116.4%マツダ 250426 229566 109.1%BMW 247907 220113 112.6%クライスラー 221346 197446 112.1%ビュイック 177633 155389 114.3%キャデラック 152389 146925 103.7%アキュラ 123299 133606 92.3%アウディ 117561 101629 115.7%レクサス 101181 229329 44.1%インフィニティ 98461 103411 95.2%注)マークラインズ調べ

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォルクスワーゲン 50635 46707 108.4%BMW 34195 32426 105.5%メルセデス・ベンツ 33212 30936 107.4%アウディ 21166 16854 125.6%MINI 14350 11338 126.6%ボルボ 11997 7894 152.0%プジョー 6137 6021 101.9%フィアット 5960 5562 107.2%ポルシェ 3658 3335 109.7%フォード 3469 3047 113.8%ジープ 3154 1877 168.0%シトロエン 3094 2402 128.8%ルノー 3068 2537 120.9%アルファ・ロメオ 1863 1816 102.6%キャデラック 1392 1057 131.7%シボレー 1268 905 140.1%スマート 1214 1101 110.3%ダッジ 1106 868 127.4%ジャガー 1020 1138 89.6%ランドローバー 942 770 122.3%注)JAIA調べ、貨物車を含む

■アメリカで人気のアウディ

■ブラジルで人気のアウディ

A52011年にアメリカで最も販売台数の多かったモデルはA4で、3万5234台をマーク。次いでA5が1万5385台を記録。

A1ブラジルで2011年に最も売れたのはA4で、1715台を記録。次ぐ2番目は写真のA1で、1441台を販売した。

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 81 12/03/16 22:00

Page 13: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

82 AUTOCAR 05/2012

Motorsportこれからも変わらない、

レースに対する積極的な姿勢旧くからモータースポーツ活動に積極的な姿勢を見せているアウディ。今年も魅力的なマシンでレースシーンを盛り上げてくれそうである。

text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

R18ウルトラ R18 e-tronクワトロ

R8 LMS A5DTM

モ ータースポーツへの参戦が、アウディにとっていかに重要な意味を持つ活動で

あるのかは、その歴史を振り返ってみれば、誰もが瞬時にそれを理解できるのではないだろうか。昨年は、LMP1の「R18」による、ル・マン24時間レースを連覇。あるいはGT3の「R8LMS」で通算100勝を記録するなど、世界から多くの話題を提供してくれたアウディ。2012年も、もちろんその積極的なモータースポーツ活動は変わることはない。

ル・マンに新型車を投入 現在アウディが計画する、2012年のモータースポーツ活動で最も注目されるのは、1992年以

来のワールド・チャンピオンシップ復活となる、世界耐久選手権(WEC)への参戦だろう。その主役は言うまでもなくLMP(ル・マン・プロトタイプ)カー。アウディは2012年にこのシリーズに、少なくとも3タイプの「R18」を投入する計画だ。すでに2月終盤には、新型車となる「R18 e-tronクワトロ」と、「R18ウルトラ」の両車を披露。前者は、ウイリアムズF1チームのグループ企業である、ウイリアムズ・ハイブリッド・パワー(WHP)社から供給を受けるハイブリッドシステム=KERSを搭載したモデルで、走行中に回生した運動エネルギーを、WHPとアウディが共同開発した「ウルトラ・ライトウエイト・フライホイール」に蓄え、必要時に150kWのパワーをフロントアク

スルに伝達する仕組みだ。ちなみにこのフライホイールの最高回転数は4万5000rpm。WHP社のシステムは、すでにポルシェ911GT3Rハイブリッドにも搭載され、その実力は証明済み。2012年のル・マン24時間にはレースで、2台がエントリー予定のR18 e-tronがどのような活躍を見せるのか。アウディはさらに2台の「R18ウルトラ」とともに、4台のLMP1マシンを、この伝統の耐久レースにワークス参戦させる計画だ。

GT3、DTMマシンも進化 GT3マシンとして2009年以降、40台以上がデリバリーされてきた「R8LMS」も、前で触れたとおりコンペティションマシンとして大成功を収めた一台だろう。その2012年モデルは、新たに「R8LMSウルトラ」へと進化し、開発と生産を主導するクワトロGmbHは、すでにデリバリーを開始。そのうちの2台は、日本のスーパーGTに、GT300クラスでエントリーする予定だ。R8LMSウルトラの第一の特徴は、CFRP製のドアパネルを採用するなど、さらに徹底された軽量化にある。同時にエグゾーストシステムやエアロダイナミクスへの改良も施されている。周知のとおりGT3マシンは、ロードカーとレースカーとの間にある関連性を、最も強く意識させてくれるものであり、それはロードカーのセールス、さらにはメーカーのブランドイメージ向上にも、非常に強い影響力を持つもの。これまでのR8LMSでの成功を、ウルトラのサブネームを得たエボリューションモデルによって、継承してほしいと願うのは、アウディのファンならば誰もが同じだろう。 アウディが2012年に臨むモータースポーツとして、もうひとつ忘れてはならない存在なのは、自国ドイツで圧倒的な人気を誇るDTMシリーズだ。2012年はその車両規定が変更され、ライバルのメルセデス・ベンツ、そして新参入のBMWも、すべて新型車でのエントリーとなるだけに、アウディにとっては技術力の優位性を主張するには、DTMの舞台は大きな意義を持つ。ちなみにアウディの2012年マシンは、「A5DTM」。DTMの車両規定は、最終的に3月初旬に決定したばかりで、アウディからは、現在の段階ではまだ最終仕様とされるマシンの画像が公開されたのみ。詳細はこれから明らかになってくるはずだ。アウディは2012年に、世界のモータースポーツシーンで、いかに魅力的なリザルトを残してくれるのだろうか。ファンからの期待は当然のことながら大きい。

ACJ108_P070-089 audi.indd 82 12/03/16 22:00

Page 14: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

83www.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jp

Sport, Culture and Artwww.autocar.jpwww.autocar.jp 83www.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jp 83www.autocar.jpwww.autocar.jp

社会に対する役割を様々な分野で模索アウディは単なる自動車メーカーという枠にとらわれず、スポーツや文化、芸術など多彩な分野を通して社会との関わり方、役割を積極的に模索している。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

左/昨年の東京モーターショーで登場したA1 SAMURAI BLUEはサッカーとの密接な関係を象徴。このワンオフモデルは511万円で販売され、売り上げの一部がチャリティとして寄付される。右/2000年の初開催から11周年を数えた「Audi MUSIC Meats ART」。昨年は10月8~9日に行われ、歌手でソング・ライターの「bird」がスペシャルゲストとして会場に華を添えた。

2011年9月に開催された「アウディ アーバン フューチャー サミット」は世界中から450人の学識専門家が集結。都市の未来についての意見交換が行われた。写真は左からアウディAGのルパート・シュタートラー取締役会長と建築家のユルゲン・マイヤー氏。

ここでは、アウディのリーダーシップ、そしてスポンサーシップによる、さまざまな活

動を紹介することにしよう。そこにはアウディが、ただ単に自動車メーカーとして存在するだけではなく、社会に対してどのような役割を果たしていくべきなのかを常に模索する姿勢が色濃く表れている。 昨年9月、IAA=フランクフルト・ショーの開幕に合わせて開催された「アウディ・アーバン・フューチャー・サミット」は、2011年の活動の中では、最も印象に残ったもののひとつだった。未来のモビリティをテーマに、自動車の枠を超えて、450人以上もの、さまざまな分野の学識専門家が意見を交わしたこのイベントは、生活のための都市部スペースにおけるモビリティに関して、先入観を抜きにして意見交換を始めるきっかけとなったことでも大きな意義があった。そしてアウディは、自動車メーカーの立場から、同様のディスカッションにさまざまなノウハウを、これからも提供することを約束した。都市と自動車は、これからどのように共生していくべきなのか。この議論の成果は、必ずや未来の姿へと反映されることだろう。

サッカーとの関係は密接 スポーツの分野とも、アウディは積極的にパートナーシップを結んでいる。ここ最近の活動で目立つのは、サッカーへのスポンサーシップで、アウディ本社は、レアル・マドリード、FCバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、ACミラン、バイエルン・ミュンヘン、ハンブルガーSVといった、世界屈指のクラブチームへのスポンサーシップを行っているほか、FCインゴルシュタット04とともに、「アウディ・シャンツァー・フットボール・アカデミー」を創設。6歳から14歳までの子供を対象としたキャンプを開催するなど、選手の育成にも協力を惜しまない。ヨーロッパのサッカー・シーズンが開幕する直前に行われる、「アウディ・カップ」も、サッカー・ファンには毎年見逃すことのできないイベントとなっている。 アウディとサッカーとの友好的な関係は、日本においてもまた同様だ。アウディジャパンは現在、サポーティング・カンパニーとして、サッカー日本代表を支援しており、「A8」や「Q7」の貸与などを行っているほか、女子ワールドカップを

制覇した、なでしこジャパンのメンバーには「A1」を提供した。昨年の東京モーターショーに出品された、A1をベースにワンオフで製作された、サムライジャパン・カラーの特別仕様車は、先日開始された全国キャラバンを経て希望者に売却。その収益金の一部はチャリティとして寄付される。

日本では音楽の祭典もオーガナイズ アウディは、文化芸術の分野にも、広く自身の興味の目を向けている。そもそもプレミアムブランドであるアウディには、この分野に深い造詣を持つカスタマーは多数存在し、それはカスタマーとアウディが、同じ価値観を共有することで、より強く友好的な関係を築くというプラスの効果を確実に生み出してくれるからだ。アウディ ジャパンがオーガナイズする、最も代表的な文

化芸術分野でのイベントは、2000年から開催されている、「Audi MUSIC meets ART」。毎年、箱根彫刻の森美術館を会場に、一流のアーチストを迎えて行われるこのイベントは、自然と芸術、そして音楽を一体で味わうことのできる、そして非日常的な贅沢な時間を提供するものとして、すでに多くのファンの心を魅了する存在となっている。 インテリジェンスで文化的であるという、アウディのブランド・イメージは、自動車という商品そのものはもちろんのこと、このようなさまざまなパートナーシップによって作り上げられてきたものであることは確かだ。そしてアウディは、これからもこれまでどおりのコンセプトで、さまざまな分野との友好的な関係を構築していくのだろう。もちろんそれは世界中が望むところでもある。

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi

ACJ108_P070-089 audi.indd 83 12/03/16 22:00

Page 15: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

84 AUTOCAR 05/2012

ド イツのプレミアムブランドとして、そしてVWグループの中でも、その収益性の高

さから、成長のための重要な役割を担うアウディ。アウディの2011年は、同社のルパート・シュタートラー取締役会会長をして、「アウディ史上、最も成功した年」と総括するほどに、好調な販売を記録した年だった。もちろんその兆候は、すでに以前からあった。リーマンショックに端を発する経済危機から脱却し、再び成長路線を歩むためにどのような策を講じるべきなのか。アウディはそれを熟考し、結果として自身の判断が正解であったことを証明した。 日本市場の場合は、その成長のシナリオは2006年に始まっていた。2006年の1万5018台という年間販売台数を底に、翌2007年からその数字は右肩上がりの傾向に終始。例のリーマンショックによる影響を受けることもなく、2011年にはついに2万1166台を記録したのである。

商品力の向上が新記録の原動力 2010年9月に、アウディ ジャパン社長として、新たに日本市場におけるアウディ車販売の陣頭指揮を執ることになった大喜多寛氏は、1983年に当時の東洋工業(現在のマツダ)に入社。2002年にはBMWジャパンへと転身し、MINIのブランドダイレクターとして手腕を発揮。そして2006年にアウディ ジャパンの取締役営業担当に就任して以降は、執行役員営業担当、そして代表取締役社長として、アウディの成長を見届けてきた。「2011年実績の2万1166台という数字は、もちろん日本においての新記録でした。2011年は全社を通じて、アウディは同様に記録ラッシュの年

で、世界50ヵ国以上がセールスの記録を塗り替えています。その直接的な要因は、やはり商品力の向上にあると考えています。その中でも技術的な進化というものは、ここ数年で著しいですね。VWグループで推進している、ターボとの組み合わせによるエンジンの小排気量化、そしてSトロニックと呼ばれる最新世代ミッションとのマッチングが非常に優れていることなどは、まず成功の理由としてあげなければならないことでしょうね。 その前提があって、次は日本サイドでの話になるのですが、アウディ ジャパンは4年ほど前から、CS=顧客満足度を高めるための取り組みを、さらに積極化してきました。その結果CSは、自社の調査では40%近く改善していますし、JD

日本におけるアウディの今、そしてこれからグローバルでも、そして日本においても、

アウディにとっての2011年は大きな飛躍を遂げた。2010年9月よりアウディ ジャパンの代表取締役社長の任に就く大喜多寛氏は果たして、現状をどのように受け止めているのか。 

そして、今後をどう見据えているのだろうか。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo: Masakatsu Sato(佐藤正勝)

cooperation: Audi Japan(アウディ ジャパン)

(    )(    )アウディ ジャパン代表取締役社長(    )(    )大喜多寛(    )(    )氏(    )(    )に訊く(    )

ACJ108_P070-089 audi.indd 84 12/03/16 22:00

Page 16: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

85www.autocar.jp

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiパワー・アンド・アソシエーツの調査では、レクサスに続く高いスコアを、アウディは獲得しました。我 は々購入体験とか、あるいはエクスペリエンスという言葉で表現しますが、実際にお客様がアウディに触れられた時の満足度。それはこれからも重視し続けなければならないものだと思いますし、それがさらなる成長に加速度を生み出すはずです」

ディーラーネットワークの最適化 アウディのディーラーネットワークは、需要の地域差を強く反映したものになっていると考えてよいだろう。すなわち大きな需要がある大都市圏への積極的な投資が、販売戦略上の大きな特徴となっているようにも感じられる。「現在の段階で、アウディのディーラーがないという県は、実は3県のみに限られています。大都市圏への積極的な出店は、もちろん需要の大きさというものを判断した結果の選択といえるでしょう。私自身の考えでは、人口で100万から150万人規模の県では、ディーラーは1店舗あれば十分にお客様への対応は可能であると思いますし、逆に大都市圏においては、需要に対応しきれていないというのが実情なのです。そして、その需要の大きさに最適なサイズの店舗を出店していくのが、アウディの出店コンセプトになります」 2010年比で26%増、プレミアムセグメントでのシェアは17.6%にまで達した日本のアウディ・セールス。日本市場には、さらにどれほどの成長の可能性が残されているというのだろうか。 「我 は々、プレミアムセグメントのブランドとして、ライバルを含めて8つのブランドについての数字の推移を、常に注視しています。2008年にリーマン・ショックが起きて、2009年にはこのセグメント全体の市場は、約9万6000台にまで落ち込みました。ここから回復傾向に入り、2011年にはついに12万台にまで到達したしたわけですが、実は2007年には、約14万台の市場があっ

た。つまりまだ潜在的に、日本におけるプレミアムセグメントには確実に成長の幅というものが残されている計算になりますね。ただここから先は不透明で、また別に考える必要がありますが」 大喜多社長は、ディーラーを訪れたカスタマーとセールススタッフとの間に、iPadを利用した新たなセールスツール、言葉を変えるのならばコミニュケーションツールも導入した。「iPadを最終的にどのように使うのか。その最終的な到達点を考えると、現在行っていることは、段階としてはまだ20%程度かもしれませんね。知識の保管ツールという意味でも、お客様への車両説明をより分かりやすくする意味でも、その価値は相当に大きいのではないかと思います。例えばSトロニック内のギヤの動きを説明しようと思っても、紙の世界ではそれはおそらく、ほとんどの方には理解不可能な話でしょうから。セールススタッフへの教育ツールとしても、iPadはすでに活用されています。新型車に対しての、オンラインでのチェックテストなどがその例ですね」

2012年は前年比10%増が目標 歴史的成功を収めた2011年実績を受けて、2012年はどのような販売目標を掲げているのだろうか。「私としては前年比10%増を目標としています。すでに報じられているように、アウディは2015年に150万台という数字を達成する計画を打ち出していますが、我 も々そのプロセスにおいて、将来的には3万台、あるいは4万台という数字を目指すことになっていくでしょう。2012年は、コンパクトSUVのQ3、あるいはA1の5ドアモデルであるスポーツバックの導入が計画されていますから、

それによってアウディ・ブランドへと新たなカスタマーを取り込みたい。またハイエンドなクラスでは、S6、S7スポーツバック、S8というニューカマーをお待ちのお客様も多いですから、早くそのパフォーマンスをお楽しみただけるように努力したいと思います」 アウディ ジャパンのビジネスで、最近さらに注目されているのは、アプルーブドカーと呼ばれる、独自の保証付きで販売される認定中古車だ。「アプルーブドカーのセールスは絶好調ですね。2011年は5300台前後のセールスを行ったほか、そのビジネスを続ける中で、アウディ車のリセールバリューも格段に高まってきました。これは新車購入時にも非常に大きな安心感となるでしょう。アウディのカスタマーの中には、本当に頻繁に、例えば毎年のように新車を買い替えられる方もおりますから、高年式で、少ない走行距離のモデルが、アプルーブドカーセンターには多く集まります。特にTTは非常に高い人気を博しているモデルですね。R8もすでに何台か、アプルーブドカーが販売されたのではないでしょうか。デモカーなどで使用されたものは、装備内容などが充実しているなど、新車とはまた別の魅力もありますよ」 日本市場におけるアウディの成長、そしてプレミアムセグメントの中における成功は、2012年もおそらく変わることはないだろう。「技術による先進」をキーワードに、その商品力とブランドバリューを飛躍的に高めてきたアウディ。はたしてさらなる成長のために打つべき、次なる一手とは何なのだろうか。大喜多社長の胸には、すでにそのプランが明確に描かれているに違いない。

白を基調とした明るい雰囲気の社長室。デスクで普段の様子を、とのリクエストにお応えいただいた。過去、営業の現場で培ったものなのか、気さくで親しみやすい雰囲気がさり気ない。

大喜多寛アウディ ジャパン代表取締役社長

1960年生まれ。カーメーカーやインポーターで企画部門や営業部門、ブランドディレクターなどを経験後、2006年にアウディ ジャパンに入社。以来、取締役営業担当として国内におけるアウディ車の販売拡大に大きく貢献。2010年9月より現職。

2012年はQ3やA1スポーツバックの導入を計画。新しいカスタマーを呼び込んでいきたい

ACJ108_P070-089 audi.indd 85 12/03/16 22:00

Page 17: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

86 AUTOCAR 05/2012

豊洲ショールームで訊く

アプルーブド・アウディの魅力前項でも触れているように、2011年はアプルーブドカーのセールスも好調だという。最新CIのショールームで新車とアプルーブドを併売するアウディ豊洲で、アプルーブド・アウディの魅力についてうかがった。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo: Hidenobu Tanaka(田中秀宣) cooperation: Audi Toyosu(アウディ豊洲)

日本の輸入車市場で、アウディというブランドに集まる視線が熱いのは、新車だけで

はなく中古車にも同様にいえることだ。アウディジャパンは、独自の認定中古車制度となる、アウディ・アプルーブド・オートモービル(通称AAA)を、2001年からスタートしており、それは今後もさらに大きな発展性が期待できる事業であるという。 改めて考えてみれば、それはきわめて自然な成り行きでもある。ここでもう一度、日本におけるアウディの新車登録台数推移を確認しておくと、直近で最もその数字が小さかった、すなわち新たな成功へのスタート地点となったのは、2006年の1万5018台。以降、2007年に1万5224台、2008年に1万6040台、2009年は1万6171台と、ここでその勢いも収束したのかと思いきや、2010年には1万6854台、そして2011年には2万1166台という驚異の成長を遂げてみせた。ここであえて強調しておきたいのは、それが将来的に、中古車市場の加速度的拡大をも示唆しているということ。中古車事業には、さらに大きな将来性があるのだ。

納車セレモニーは新車と同じ アウディ ジャパンの認定中古車制度をさらに理解するために、アウディ ジャパン販売が、東京都江東区豊洲に、アウディの最新CIに基づいて2008年にオープンした「アウディ豊洲」を訪ねた。ここにはアウディ認定中古車センターが併設されており、総床面積で2557㎡というショールームの2階フロアを中心に、常時12台を展示できるスペースとオフィスが設けられている。サービスやメンテナンスは、もちろん新車と同様にアウディ豊洲の施設とスタッフによって行われ、これもアウディ独自となる「ハンドオーバーエリア」を使って納車時のセレモニーが行われるのも変わらない。

 この認定中古車センターのマネージャーを務める大屋崇さんに、まずはAAAが商品化されるまでのプロセスから、簡単に説明してもらった。「ベース車となるのは、アウディのネットワークに入庫した下取り車、あるいはデモカーなどで、さらにいくつかの要件があります。例えば初年度登録から8年以上、走行距離が9万km以上、修復歴があるものや改造が施されているものなども、ベース車から除外されます。新車登録時からの正規メンテナンスノート(整備手帳)が備わっていることも必要です。仕入れは各々の認定中古車センターが独自に行います」 日本全国の認定中古車センターにオンラインで提供されるベース車の情報は、もちろん刻々と変化するが、ここから各センターは店舗の特色や、カスタマーからのリクエストに応じた仕入れを行っていくことになる。豊洲店の場合は、開設当初はアウディ車全般を広く扱っていたが、現在はその立地を反映するかのようにハイクラスな、A6以上のモデルを中心にセールスを行っているという。もちろん認定中古車として商品化されるには、先の要件を満たした後、まだまだ作業がある。

トータルで100項目をチェック「専門的な教育を受けた、アウディ ジャパンのメカニックが、トータルで100項目にも及ぶチェック、そして必要ならば部品交換などを行います。かじ取り装置、ブレーキシステム、走行装置、緩衝装置、動力伝達装置、電気装置、エンジン、公害発散防止装置、灯火装備および方向指示器、各種スイッチ類および計器類、その他、そしてロードテスト点検というのが、この100項目内の大まかな内訳です。さらに認定中古車には納車後の保証やサポートとして、1年間の走行距離無制限保証、24時間365日のロード・アシスタンス・サービスも付与されます。この認定中古車保証制度は、さらに有償で1年間の延長も可能です。確かな安心をお届けするという意味では、これもお客様にとって大きなメリットとなるはずです」 認定中古車制度に後押しされることで、アウディの中古車人気が高まれば、それは当然リセールバリューのさらなる向上をも生み出してくれる。アウディというブランドがより身近なものとなり、そして結果的には新車販売がより活性化するために、認定中古車制度はこれからさらに、重要な役割を果たすことになるだろう。

AAAの魅力を解説していただいた、アウディ豊洲の中古車マネージャー、大屋崇さん。アウディ豊洲は一階に新車、2階にアプルーブドカーを展示。1階の「ハンドオーバーエリア」は納車セレモニー専用エリア。アプルーブドカーの納車もこちらで行われる。地下は最新設備を整えたサービス工場。

アウディ豊洲東京都江東区豊洲1-2-38TEL: 03-3534-4412(アプルーブド)/03-3534-4411(新車)営業時間:9:30~19:00定休日:月曜www.audi-sales.co.jp

ACJ108_P070-089 audi.indd 86 12/03/16 22:00

Page 18: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

87www.autocar.jp

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi273万円から2194万円まで

今、日本で買えるアウディ

豊洲ショールームで訊く

アプルーブド・アウディの魅力日本市場における昨年の新車登録台数は前年比25.6%増で、しかも過去最高の2万1166台を記録したアウディ ジャパン。設定された魅力的な車種ラインナップを見ていると、その上昇気流は2012年も確実に続いていきそうだ。コンパクトカーのA1からハイエンドモデルのA8、さらにSUVのQシリーズやスポーツモデルのS/RSなど、4連リングを付けた全プレミアムカー群を紹介していこう。

ここに注目!・アウディのデザイン哲学と革新技術を結集して誕生・ボディタイプはクーペ/カブリオレ/スポーツバックを設定・エンジンは走行性能と環境性能を両立した2ℓTFSI

光に対する陰影までも計算し尽くしたエクステリアに美しさと機能性を融合させたインテリアを内包するプレミアムスペシャルティのA5。ボディタイプはエレガンスを極めたクーペ、アコースティックソフトトップを持つカブリオレ、クーペの美しさとワゴンの実用性を兼ね備えたスポーツバックを用意する。グレードは2.0TFSIクワトロで、Sライン・パッケージも設定。

A5 Coupe/A5 Cabriolet/A5 Sportback◎A5クーペ/A5カブリオレ/A5スポーツバック

価格帯●598万~654万円

ここに注目!・上質で洗練されたフォルムを創出したセダン・アバントは流麗なルーフラインとテールエンドを実現・ロングホイールベースによる優れたスタビリティ性能

新設計のプラットフォームによるロングホイールベースとショートオーバーハングが特徴のA4。ボディタイプはセダンとアバントをラインナップし、グレードは2.0TFSI/2.0 TFSIクワトロのほか、多彩なアクセサリーやオプションから選択できるAudiエクスクルーシブとスポーティな個性を強調するSライン・パッケージを用意する。限定車としてA4オールロード・クワトロもリリース。

A4/A4 Avant◎A4/A4アバント

価格帯●440万~574万円

ここに注目!・スポーティかつ端正な佇まいの5ドアハッチバックボディ・触感や所有する歓びまでもデザインしたインテリア・ユーザーの指向に合わせて選べる3種のエンジンを設定

A3スポーツバックは3ドア仕様のA3の全長を70mm拡大した5ドアハッチバックモデルで、後席の居住性やラゲッジの使い勝手を向上させたことがトピックとなる。日本では1.4 TFSI/1.8TFSI/2.0TFSIクワトロを設定。3種類のTFSIエンジンは優れた環境性能と高出力を両立させた。アウディらしい上品でスポーティな内外装の演出も市場で好評価を獲得している。

A3 Sportback◎A3スポーツバック

価格帯●308万~491万円

www.audi.co.jp

A4オールロード・クワトロ:589万円(限定車)

ここに注目!・アウディ独自のプレミアムテイストをコンパクトなボディに凝縮・キビキビと走れる卓越したドライビングダイナミクス・スタートストップシステムなど先進の環境性能を装備

アウディのプレミアムカー群のエントリーモデルで、かつ新しいプレミアムコンパクトのカタチを提案した意欲作。シルバーで彩られたAピラー~ルーフ~Cピラーへと続く印象的なラインや航空機をモチーフにしたインテリア、1.4ℓTFSIエンジン+7段Sトロニックなどの採用を特徴とする。標準モデルのほかにスポーツ・パッケージやコンペティション・パッケージを用意。

A1◎A1

価格帯●273万~317万円

ここに注目!・先進的な高剛性アルミハイブリッドボディを採用・高度なプレス加工技術によって創出されたエクステリア・新世代のMMIタッチを配したセンターコンソールを装備

ひと目でその先進性が感じ取れる高剛性アルミハイブリッドボディに、精緻かつ上質なパーツ群を配したA6は、端正で上品な佇まいを有するセダン、快適性と機能性をエレガンスに融合させたアバントの2種類をラインナップする。グレードは2 . 8 F S Iクワトロ/3.0TFSIクワトロを用意。アイドリングストップ機構のスタートストップシステムも装備する。

A6/A6 Avant◎A6/A6アバント

価格帯●610万~865万円

text: Naojiro Onuki(大貫直次郎)

ACJ108_P070-089 audi.indd 87 12/03/16 22:00

Page 19: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

88 AUTOCAR 05/2012

ここに注目!・優雅なファストバックスタイルを採用した新4ドアクーペ・厳選された素材と精巧な技術を注ぎ込んだインテリア・動力源には3ℓV6TFSIエンジン+7段Sトロニックを採用

A7スポーツバックは美しいフォルムの中にセダンの快適性とアバントの機能性を融合した新感覚の4ドアクーペだ。流麗なルーフラインとロー&ワイドのプロポーションを持つエクステリアに、天然木ウッドパネルやミラノ本革などの贅沢な素材を使ったインテリアを内包している。エンジンはパフォーマンスと効率性を極めた3ℓV6TFSIユニットを採用する。

A7 Sportback◎A7スポーツバック

価格帯●879万円

ここに注目!・アグレッシブさとスポーティさが共存する独自の高級感・新世代のフラッグシップにふさわしい先進装備を満載・ショートホイールベースとロングホイールベースを設定

A8は“The Art of Progress(革新の美学)” を商品コンセプトに掲げたアウディのフラッグシップモデルだ。エレガントかつスポーティなスタイリングに、最上のクオリティを追求したインテリアを採用。車種展開はショートホイールベース(2990mm)の3.0TFSIクワトロ/4.2FSIクワトロとロングホイールベース(3120mm)のL 4.2FSIクワトロ/L W12クワトロを用意する。

A8◎A8

価格帯●962万~2061万円

ここに注目!・スポーティネスとエレガンスを身にまとったスタイリング・広 と々した視界と上質な室内スペースを乗員に提供・エンジンは2ℓ直4TFSIと3.2ℓV6FSIの選択が可能

アウディらしい洗練されたスタイリングに上質で快適性に富むインテリアを内包したミディアムクラスのSUVがQ5だ。搭載エンジンは2ℓ直4TFSIと3.2ℓV6FSIの2機種を設定。ミッションは7段Sトロニックを組み合わせる。主要装備としてAudiエクスクルーシブとSライン・パッケージ、さらにワイルドな個性を引き立てるオフロードスタイリング・パッケージを用意する。

Q5◎Q5

価格帯●574万~700万円

ここに注目!・上質な内外装で仕立てたフラッグシップSUV・搭載エンジンは高性能・高効率の3ℓV6TFSI・燃料消費を抑制するエネルギーリカバリーシステムを装備

Q7はスポーティかつダイナミックなスタイリングに最上級のインテリアを融合させたアウディのフラッグシップSUVである。エンジンは時代に応える環境性能とハイパフォーマンスを両立した3ℓV6TFSIを搭載。標準サスのほかにエアサス仕様もラインナップする。主要装備としてはAudiエクスクルーシブとSライン・パッケージ、オフロードスタイリング・パッケージを設定。

Q7◎Q7

価格帯●785万~833万円

専用設計されたスポーツカー仕様のASF(アウディスペースフレーム)テクノロジーを採用し、ねじれ剛性の向上やボディの軽量化を成し遂げたTT。ボディタイプはシャープなルーフラインを持つ本格クーペとエレガントなオープンスタイルを有するロードスターの2種類を設定する。グレードはクーペが1.8TFSI/2.0TFSIクワトロ、ロードスターが2.0TFSIクワトロを用意。

アウディ車のスポーティな個性をさらに堪能する選択肢として用意されているのが、“S-line”と称するパッケージオプションだ。主なアイテム内容は、専用のエアロパーツにアルミホイール、スポーツシート、スポーツステアリングホイール、ドアシルプレートなど。さらに、アウディの高性能モデルを手がけるクワトロGmbHがチューニングした専用スポーツサスペンションも装備する。設定車種はA3/A4/A5/Q5/Q7/TT。

専用アイテムで一層スポーティに。設定車種は多彩だ

S-line ◎Sライン

ここに注目!・スポーツカー指向のASFを採用して軽量化およびねじれ剛性アップ・ボディタイプはクーペとロードスターの2種類をラインナップ・搭載エンジンは2ℓTFSIと1.8ℓTFSIを設定

TT/TT Roadster◎TT/TTロードスター

価格帯●414万~573万円

ACJ108_P070-089 audi.indd 88 12/03/16 22:00

Page 20: 技術による先進 で飛躍を続ける ドイツの高級ブラ …70 AUTOCAR 05/2012 アウディ大研究 “技術による先進”で飛躍を続ける ドイツの高級ブランド

89www.autocar.jp

AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudi[アウディ大研究]AudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudiAudi www.audi.co.jp

ここに注目!・モータースポーツを起源とする革新技術を満載・純粋にスポーツ性能を追求したエクステリア・ドライバーの集中力を最大限に高めるコクピット

アウディのハイパフォーマンス仕様である“S”モデルは、クラスを超えた動力性能を発揮する専用チューニングのエンジン&ミッションに、それを支える高性能な足まわり、さらに躍動感あふれる内外装を備えた至極のスポーツモデル群である。現行ではS3スポーツバック/S4/S4アバント/S5/S5カブリオレ/S5スポーツバック/TTSクーペを設定する。

S Model◎Sモデル

価格帯●535万~948万円

ここに注目!・アウディが誇る超ハイパフォーマンスモデル・A5ベースのRS5は4.2ℓV8FSIエンジンを搭載・TT RSクーペは2.5ℓ直5TFSIエンジンで武装

クワトロGmbHがチューニングを担当した超ハイパフォーマンス車が“RS”モデルだ。現行では4.2ℓV8FSIエンジンを積むRS5クーペと2.5ℓ直5TFSIエンジンを採用するTT RSクーペの2車種をラインナップ。いずれのモデルも、高性能エンジンを支える専用セッティングの足まわりやレーシングスピリットが貫かれた内外装などを装備する。

RS Model◎RSモデル

価格帯●864万~1204万円

耐久レースで大活躍したR8レースカーの革新テクノロジーを積極的に盛り込んだ市販ミッドシップスーパースポーツカーがR8だ。車種展開はクーペボディの4.2FSIクワトロ/5.2FSIクワトロ、電動ソフトトップを採用したスパイダー(5.2のみ)の計3タイプを用意する。世界限定333台のスペシャルモデルであるR8 GTは、日本で5台が正規発売された。

ここに注目!・R8レースカーの先進技術を惜しげもなく導入・クラフトマンシップが貫かれた内外装の演出・ボディタイプはクーペとスパイダーの2種類を設定

R8◎R8

価格帯●1749万~2194万円

S3スポーツバック

S5カブリオレS5

S4

S5スポーツバック

S4アバント

TTS

RS5 TT RS

R8 GT:2742万円(限定車)

ACJ108_P070-089 audi.indd 89 12/03/16 22:00