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Ⅰ 外国語教育研究チームの研究経過と研究課題 1.これまでの研究経過 人間科学総合研究所の外国語教育研究チームは、 年7月、三浦安子氏(経済学部教授)を代表 として「東洋大学における外国語教育の現状と未来像」をテーマにスタートした。この研究チームが 誕生した 年は、 年3月に東洋大学において教養課程が廃止されてから約2年が過ぎ、東洋大 学の外国語教育を担当する教員有志があらたなネットワークづくりにむけて模索を開始した時期でも 東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号( )  ―――――――――――――――――― *1 人間科学総合研究所研究員・東洋大学経済学部 *2 人間科学総合研究所研究員・東洋大学文学部 *3 人間科学総合研究所研究員・東洋大学国際地域学部 *4 人間科学総合研究所研究員・東洋大学文学部 ■研究チーム報告② 「大学における外国語教育の現状と未来像」 大学における外国語教育の 教材・教授法・カリキュラムを考える 年度外国語教育研究チームの研究成果と課題― 加藤 治 、グレン・ゲイナー 、佐藤 郁 、斎藤里美 本稿は、2004年9月21日に東洋大学で行われた人間科学総合研究所主催シンポジウム 「外国語教育の教材・教授法・カリキュラム」における口頭発表に加筆修正を施したも のである。このシンポジウムは、東洋大学の外国語教育に携わる教員たちの研究チーム (以下「外国語教育研究チーム」と略す)の研究成果の発表と交流の場として2002年度か ら続いており、今回が第3回目にあたる。 今回のシンポジウムでは、第一に、外国語教育の教材例として国際地域学部佐藤郁講 師によるオンライン英語学習の実践を、第二に教授法開発の例として文学部グレン・ゲ イナー講師によるイベント式授業の実践を、第三にカリキュラム開発の例として経済学 部加藤治教授による経済学部の英語カリキュラムとその実践を取り上げ、議論した。シ ンポジウムでとりあげたこれらの成果と課題が、東洋大学だけでなく広く高等教育にお ける外国語教育のファカルティ・ディヴェロプメントの一助となることを期待したい。 キーワード:外国語教育、教材開発、教授法開発、カリキュラム開発、ファカルティ・ ディヴェロプメント、学習者中心

大学における外国語教育の 教材・教授法・カリキュラムを考 …あった。 この背景には、教養課程の廃止に伴って外国語教育担当教員が各学部に分属したことにより、それ

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  • Ⅰ 外国語教育研究チームの研究経過と研究課題

    1.これまでの研究経過

     人間科学総合研究所の外国語教育研究チームは、����年7月、三浦安子氏(経済学部教授)を代表

    として「東洋大学における外国語教育の現状と未来像」をテーマにスタートした。この研究チームが

    誕生した����年は、����年3月に東洋大学において教養課程が廃止されてから約2年が過ぎ、東洋大

    学の外国語教育を担当する教員有志があらたなネットワークづくりにむけて模索を開始した時期でも

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号(����) ��-��

    ――――――――――――――――――*1 人間科学総合研究所研究員・東洋大学経済学部*2 人間科学総合研究所研究員・東洋大学文学部*3 人間科学総合研究所研究員・東洋大学国際地域学部*4 人間科学総合研究所研究員・東洋大学文学部

    ■研究チーム報告② 「大学における外国語教育の現状と未来像」 

    大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える―����年度外国語教育研究チームの研究成果と課題―

     

    加藤 治*�、グレン・ゲイナー*�、佐藤 郁*�、斎藤里美*�

     本稿は、2004年9月21日に東洋大学で行われた人間科学総合研究所主催シンポジウム「外国語教育の教材・教授法・カリキュラム」における口頭発表に加筆修正を施したものである。このシンポジウムは、東洋大学の外国語教育に携わる教員たちの研究チーム(以下「外国語教育研究チーム」と略す)の研究成果の発表と交流の場として2002年度から続いており、今回が第3回目にあたる。 今回のシンポジウムでは、第一に、外国語教育の教材例として国際地域学部佐藤郁講師によるオンライン英語学習の実践を、第二に教授法開発の例として文学部グレン・ゲイナー講師によるイベント式授業の実践を、第三にカリキュラム開発の例として経済学部加藤治教授による経済学部の英語カリキュラムとその実践を取り上げ、議論した。シンポジウムでとりあげたこれらの成果と課題が、東洋大学だけでなく広く高等教育における外国語教育のファカルティ・ディヴェロプメントの一助となることを期待したい。

    キーワード:外国語教育、教材開発、教授法開発、カリキュラム開発、ファカルティ・ディヴェロプメント、学習者中心

  • あった。

     この背景には、教養課程の廃止に伴って外国語教育担当教員が各学部に分属したことにより、それ

    まで協同で培ってきた外国語教育のカリキュラム・教授法・教材等の開発のためのネットワークと組

    織基盤を失ったという事情がある。����年4月からの2年間は、明確な組織的基盤をもたない『東洋

    大学紀要 言語と文化』を研究成果発表の場として共有することでわずかにつながりを保っていたが、

    組織的基盤をもたない研究紀要を教員有志の努力に頼って継続することは困難であった。

     ����年7月、研究所の再編に伴って人間科学総合研究所が発足すると、ここに外国語教育研究を共

    通の研究課題とする教員が集い、研究チームが誕生することになった。このとき、外国語教育を担当

    する教員たちの第一の課題は、こうしたネットワークとそのための基盤をどうやって確保するかで

    あった。����年3月に行われた第1回シンポジウム「東洋大学における外国語教育の現状と未来展

    望」における議論は、そうした教員たちの課題意識を如実に反映したものとなっている�。

     また����年��月には、三浦安子代表のもと、第2回目のシンポジウム「大学における外国語教育改

    革 -学習者に視点をおいた言語教育-」(コーディネータ:三浦安子氏)が開催された�。これは、

    実践のフィールドからあらためて外国語教育の目的を再検討し、同時にそうした研究討議を通じて

    ネットワーク形成を図るという点で、1年目の研究活動をさらに具体化する試みであった。

     さらに����年度からは、「外国語教育の教材・教授法・カリキュラム」を研究テーマにあらたな研究

    メンバーを募り、研究チーム(代表:斎藤里美)の活動を開始した。そして����年9月には、外国語

    教育実践を対象とした研究討議の場として第3回シンポジウム「外国語教育の教材・教授法・カリ

    キュラム」を開催したのである。

    2.シンポジウムのねらいと概要

     今回のシンポジウムのねらいとその概要は次のとおりである。

    ∏ シンポジウムのねらい

     この4年間にわたる学部独立型の外国語教育は、これまで一定の成果をあげてきた。しかし一方で、

    外国語科目担当教員に占める非常勤講師比率が高まり、また専任教員の専門科目担当コマ数が増加す

    ることによって、外国語科目担当教員の研究交流と教授能力開発の機会が著しく減少したこともまた

    否定できない。さらにこのことが、外国語教育の学部間格差を増大させる結果にもつながっている。

     そこでこのシンポジウムは、所属を超えて外国語教育実践の成果と課題を研究討議し、外国語教育

    充実のためのファカルティ・ディヴェロプメントの場を提供することを目的とした。研修の機会をほ

    とんどもたない非常勤講師の方々にも参加を呼びかけたのは、そうしたねらいによる。

    π プログラムの概要

     シンポジウムは、����年9月��日の午後2時から、東洋大学白山校舎の第1会議室において、約��

    名の参加者をえて行われた。報告者は佐藤郁(国際地域学部講師)、加藤治(経済学部教授)、グレン・

    ゲイナー(文学部講師)の三氏、司会は斎藤佑史(経済学部教授)、コーディネータは斎藤里美(文

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • 学部教授)である。なお、各報告者の報告内容を次節以下に掲載する。

    斎藤里美(文学部教育学科)

    Ⅱ オンライン英語学習への取り組み

     ―板倉キャンパスにおける「ALC NetAcademy」導入―

    1.ALC NetAcademy 導入の経緯

     板倉キャンパスでは、平成��年頃、��教室機器のリース契約の期限満期を控え、����教室への改

    装が提案された。複数の業者によるデモンストレーションや他大学の視察等を経て、����教室への

    改装が決定された。それにあわせて、����の特徴を生かせる教材(ソフト)の導入が検討され、授

    業でも自習でも使うことができ、また、板倉で促進をはかっている�����の学習に役立つ教材とし

    て株式会社アルク教育社開発の������������が選定され、平成��年��月、����教室の開設とと

    もに導入された。

    2.「ALC NetAcademy スタンダードコース」の特徴

    � 内容は、「レベル診断テスト」「リスニング力強化コース」「リーディング力強化コース」

    「�����テスト演習コース」で構成されている。

    � 板倉キャンパスのサーバ内にある教材にオンラインでログインするシステムになっており、授

    業以外の時間でも、キャンパス内であればいつでも自由にアクセスすることができる。(自宅から

    はアクセスできない)

    � 利用者は最初に「レベル診断テスト」を受けなければこのソフトを学習することができない仕

    組みになっており、必ず、自分のレベルを客観的に知ることになる。

    � 「リスニング」「リーディング」のコースは、5段階のレベル別に教材が用意されており、自分

    のレベルにあった教材を選ぶことができる。また、それぞれのレベルで複数の教材が用意されて

    いるので、内容も好きなものを選ぶことができる。

    � 「リスニング」は、音声を5段階のスピードで聴くことができる。

    � 個々の学生の学習履歴を、教員が閲覧することができる。

    3.授業への導入

     平成��年4月より、国際地域学部国際地域学科の「英語���(春学期)」「英語���(秋学期)」にお

    いて、授業の一部に���を導入している。この科目は、日本人学生1年次の必修科目で、同年度は約

    ���名が履修、4クラス開講した。4クラスを3人の教員で担当し、学期中のメニューを決め、全クラ

    スで実施した。春学期は、レベル診断テスト・リスニング4ユニット・リーディング4ユニット・

    �����演習1ユニットの計��回学習。秋学期はリスニング4ニット・リーディング4ユニット・

    �����演習1ユニットの計9回学習とした。

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  •  毎回��分の授業のうち、約��分を���の学習に割り当てることとした。残りの��分は、担当教員各

    自が自由選定した教材を用いて授業を行っている。���の学習中は自習の形態となるので、教員は教

    室を回って��の操作や学習についての質問などに対応している。全員に毎回必ず「学習レポート」

    を提出させ、教員はそれに対しコメントをつけて返却している。

    4.ALC学習の効果

    � 居眠り学生の減少

     「英語���」「英語���」は本来、読解の授業であり、日本人教員の場合は「読んで訳す」を中心とし

    た授業になりがちで、居眠りする学生も見受けられた。しかし、���導入後は、そのような学生は減

    少した。その原因は以下のように推測される

    a.それぞれ、自分の道具(��)を与えられ、それを使っているため。つまり、聞くという「受動

    的」な時間が減り、自ら手を動かす「能動的」な時間が増えたため。

    b.学習レポートの記入という作業があるため、いやでも学習しなければならない。

    c.自分のレベルや興味にあった教材を選ぶことができるため。全体授業では、どうしても、それ

    を物足りなく感じる学生と、理解が困難な学生とが生まれてしまう。���の学習では、そのよう

    な問題が生じにくい。

    d.「学習レポート」によって教員と学生ひとりひとりとの間にコミュニケーションが生まれ、学習

    への意欲が持続されているため。

    � 欠席者への対応がしやすくなった

     ���の学習はノルマが決められていて、学生もそれを理解しているので、欠席した分を自分で補う

    ことが容易である。情報準備室でヘッドフォンの貸し出しを行っているので、����教室以外でも、学

    習ができる。

    � 学生のペースにあった学習が可能になった

     学習ペースの遅い学生は、授業時間内にメニューをこなしきれなかったり、未消化だったりする。

    そのような学生には、授業終了後に自分で補習させたり、あるいは、次週の授業時に同じユニットを

    学習するよう促している。従来のように、読解テキストを用いた全体授業では、理解不足であっても

    なかなか教員のところへ質問しに来ない。恥ずかしさと、学習への意欲不足のためであろう。教員も

    いつでも在校しているわけではない。その点アルクは、恥ずかしさがなく、いつでもアクセスできる

    ため、学生にとっては使いやすさを感じる教材となっているようである。

    � 授業以外の活用

     毎学期、希望者を対象に�������������のデモンストレーションを実施し、授業で���を使用

    していない学生にも���学習を促している。特に、�����受験をめざす学生は、�����演習コース

    の学習が有効であることを伝えている。実際の�����は2時間を要する試験であるが、���の

    �����演習コースはいわば「ミニ�����」の形態をとり、約��分(本試験の5分の1)で学習する

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • ことができ、本試験のスコアの目安を得ることができるようになっている。自分の力を知るだけでな

    く、�����試験への受験準備としても有効な教材である。

    5.学生の反応(学習レポートより)

     春学期終了時に実施したアンケート調査の際に学生からあがった主な意見およびそれについてのコ

    メントは、次のとおりである(矢印以降は筆者のコメント)。

    � 「リーディング力強化コース」について

    ・文章を読むスピードが速くなった

    ・自分のレベルにあったものを選択できるので無理なくできた

    ・単語や文意がわからないときすぐに確認できるのがよかった

    ・単語力のなさを痛感した

    ・継続してやることの大切さを感じた

    → リーディングコースでは、意味のまとまりで切って英文を読むようにフレーズが示されてい

    る。それを活用し、クラス全体の学習時にフレーズ・リーディング(音読・黙読)の指導を

    したので、その成果は���の自習にもある程度反映されたと思われる。���の学習だけで

    読解力が向上したとは言えないが、学生に継続の大切さを痛感してもらえたと思われる。

    � 「リスニング力強化コース」について

    ・時間をかければきちんと聴き取れることがわかった

    ・耳が慣れてきて高校のときよりいくらかリスニング能力が上がったと思う

    ・いろいろなスピードで聴けてよかった。

    ・こんなにリスニングの勉強をしたことがなかったので、聴くことの大切さを知った

    → 高校までは、リスニングの学習をあまりしていない学生が多く、とにかく聴き慣れていない。

    学生は自分のペースで速くしたり遅くしたりしながら何度も音声を聴き、理解に努めていた。

    耳ならしとして、非常に成果があったように思われる。

    6.今後の課題

    � 各ユニットともすべて同じ構成なので、いくつかのユニットをこなしてくると、学生の中には退

    屈する者も出てくる。そのような学生は、決められた作業をひととおりこなすだけで、実際には意

    欲的に取り組んでいない。長期的に使うとなると、しだいにそのような学生が増えてくるので、教

    員側の対策や刺激が必要である。

    � 教材数は決して十分とは言えない。スタンダードコース「リーディング強化コース」の場合、��

    の教材のうち、レベル1は3教材、レベル2は5教材、レベル3は��教材、レベル4は��教材、レ

    ベル5は5教材という構成になっており、学生のレベルによっては教材が不足する。リスニング・

    リーディング各��ユニットから構成されている「追加版コース」が販売されているので、今後購入

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  • を検討していきたい。

    � 学外からアクセスできないため、長期休暇中は、学習が途切れてしまう。しかし、アルク教育社

    によると、学外からのアクセスは技術上不可能ではなく、主にセキュリティ管理の問題であり、わ

    ずか数校であるが、現在実験校として学外からのアクセスを実施している大学があるとのことであ

    る。したがって、この問題は今後解決される見通しが高い。

    � リーディングコースには、音声がついていないため、学生は、読み方がわからない単語があって

    も、そのままにしている。この点については、クラス全体で音読および速読の練習をたびたび行う

    ことで補った。また、文法の説明も十分ではない。読解力を養うのに、ペースメーカーとしては適

    しているが、深く学習するには不十分な点がある。

    まとめに代えて

     まず、������������スタンダードコースを使用していく中で現れてきた教材の弱点は、開発者

    であるアルク教育社へ伝え、改善を要求している。その中で、リーディングコースの音声については、

    録音を行い配布することを検討しているとの回答を得ている。学外からのアクセスの問題もいずれ解

    決されるであろう。

     次に、板倉キャンパスでこのソフトを有効活用していく上で重要なことは、まず施設の充実である。

    現在キャンパスで����教室は1室(��席)のみであるため、������������を使用する授業を同

    時限に2つ以上開講することができない。����教室の増設が望まれる。自習は��教室でも行える

    が��教室は慢性的に混雑しており、落ち着いて学習できる環境とは言いがたい。また、主に人員不

    足の理由から����教室の自由開放時間も十分でない。

     さらに、���の学習を意欲的に継続させるためには、教員からの働きかけが重要である。「いい教材

    だから勉強しなさい」と一方的に与えるだけでは、学習は長続きしない。学生の様子を見ながら、学

    習方法についての助言、内容理解の確認など、適宜行うことが欠かせない。すぐれたオンライン教材

    を導入すると、まるで教員は不要であるかのような錯覚を覚えるが、それは大きな誤解である。オン

    ライン教材の利便性を生かしながら、人間である教員にしかできないこと、すなわち、学習への動機

    づけや意欲の維持・向上の働きかけを行うことが不可欠である。

    佐藤 郁(国際地域学部国際地域学科)

    Ⅲ Creating a Special Classroom Atmosphere: 教室からイベントホールへ

     この報告のテーマは、教室に普段とは異なる雰囲気を取り込むことである。周知の通り、毎回同じ

    ような内容では、教師・学生共に授業を単調なものと感じることがある。時々、わずかでも普段とは

    異なる内容の授業を行うことにより、クラス全体の雰囲気も明るくなり、学生は活発に授業に参加す

    るようになる。

     英語コミュニケーション学科では、毎年オーラルコミュニケーション���において、「�����������

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • �����」というイベントを行っている。このイベントでは、各学生が自分で作成したレシピとポス

    ターを利用して発表を行う。しかし、個人が一人ずつ教室の前で発表するという形式ではなく、クラ

    スを2つに分け、グループごとに発表する形式にする。そうすることにより、教室の雰囲気がイベン

    トホールのようになり、毎年、学生の評判も良く、後述のような良い結果を生み出している。

    1.レシピをテーマに取り上げるにあたって

     レシピをテーマに取り上げる理由は下記の通りである。

    ○ 文法が容易である。命令形なので文章が作成し易い。

    ○ 料理のレシピは短く、およそ8から��までのステップで構成されている。

    ○ どの学生も大体幾つかのレシピを知っている。

    ○ だれでも料理と食べ物に興味がある。

    ○ 初めて一人で生活をする学生もいる。このようなレシピが役に立つかもしれない。

     しかし、このようなイベント式の授業を行うと、少なくとも数週間の準備が必要となる。

    ○ ������:まず、授業でレシピを紹介する。宿題としてレシピとポスターを学生に一部ずつ作成

    させる。

    ○ ������:学生が作成したレシピとポスターを訂正する。

    ○ ������:学生に宿題を返却する。クラスを二つのグループに分けて、練習をさせる。宿題とし

    て学生にレシピとポスターを訂正してもらう。

    ○ ������:レシピフォーラムの本番。

     イベントを実施するにあたって、事前に必要な準備も非常に重要であり、特に下記の項目に留意す

    る必要がある。

    ○ 他クラスの学生を招待する場合は案内状を送る。(勿論、学生に作成させる事も出来る。)

    ○ 可能であれば、電子レンジを用意した方が良い。

    ○ 可能であれば、����の音楽を準備する。

    ○ ビデオ撮影を行えば、次回の授業で使用出来る。

    ○ 終了後、片付けに相応の時間が掛かる。

    2.イベント式授業の効用

     このようなイベント式の授業を行うと次のようなメリットがあると考えられる。

    ○ グループの中で発表することにより、各学生が英語を話したり聞いたりする時間が増える。

    ○ 幾度も発表をする為、英語での発表に慣れることにより自信がついてくる。

    ○ 英語の勉強が楽しくなり、クラス全体の雰囲気も明るくなる。

     このようなイベント式の授業を行うとどのような会話を期待出来るだろうか。授業中に撮ったビデ

    オから学生が交わした会話2例を参考までに記載した。

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

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    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

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    3.イベント式授業で展開可能なトピック

     レシピ以外に、下記に示すトピックも同じようにイベント式で取り上げる事が可能である。

    ○ 学生の趣味

    ○ 学生の夏休み

    ○ 学生の好きな町(国内、外国問わず)

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  • ○ 学生の好きな映画と映画俳優

    ○ 学生の将来と夢

    *このイベント式授業の企画・実行に関するご質問、ご意見等は下記������までお願いしたい。なお、詳細は英語コミュニケショーン学科のホームページ������������������������������������������にも写真があるので、それらを参照。*この報告中にある見解の大部分は、������������������(����年9月号)で発表した論文「レシピ・フォーラム」中で提示したものである。論文の完全原稿は、インターネット上の����ホームページ〈�������������〉を通じて入手することも出来る。����会員でなくとも、仮��番号とパスワードを入手後に、論文閲覧が可能である。

    グレン・ゲイナー(英語コミュニケーション学科)

    Ⅳ 大学における英語教育の実践と課題

     ―東洋大学経済学部のカリキュラムを中心として―

    序 大学生の現状と英語学習のモチベーション

     「英語学習へのどのようなモチベーションをどのような方法で学生に与えたらよいのか」という

    テーマは、英語教育のカリキュラム・教授法・教材などを考える際の前提として最大の課題と考えら

    れる。

     中学生・高校生は高校受験・大学受験など最低でも「進学」というモチベーションがあるのに対し、

    大学生はせいぜい進級・卒業のために単位を取るぐらいのモチベーションしか持てない者も多い。将

    来、英語が必要との漠然とした認識はあるものの、差し迫ったニーズがないので、学習に身が入らな

    い。加えて、近年の学力低下、それに伴う学習意欲の低下が著しい。また、さまざまな入試形態によ

    る入学のために、学生間の学力差も大きくなっている。

     このような現状のもと、学生が英語の学習に興味を持ち、その必要性を認識し、自主的に学習に取

    り組めるようなシステムを作り上げる必要があるとの認識で、経済学部がこの5年間に取り組んでき

    た各種の試み・制度の導入などを検証するのが本稿の目的である。

    1.授業科目での取り組み

    ∏ 習熟度別クラス編成の導入

     平成��年度から実施の新カリキュラム、��年度から実施。

    ○習熟度別クラス編成による授業の必要性

     推薦入試を含め、種々の入試形態による入学によって、学生の英語の学力差が著しくなっている。

    教員側も授業に支障をきたすし、学生側も能力に見合う授業が受けられない不満があり、これを解

    消するためには習熟度によるクラス編成が不可欠となっている。

    ○実施内容

    対象:1年生

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • コース:基礎コース・標準コース・上級コース

    コース分けの方法と時期:�����・��テストを用いて、4月の授業開始前に実施する。

    ○�����・��テストを用いる理由

    ・信頼性のあるグローバルスタンダードのテストであるため、プレースメントテストとして、学生

    に最も説得力のあるテスト。

    ・学生が自己の英語能力を知るために受験を最も希望するテスト。

    ・入学時に自己の英語能力を知って、大学在学中の英語学習に役立てることが可能。

    ・毎年、同一問題を用いれば、入学時の年度別学力の動向をチェックできる。

    ○授業ではできるだけ何らかの形で�����を導入するよう授業担当者に奨励する。さらに、��月に

    2回目の��テストを全員が受験し、英語力の推移をチェックする。

    ○期待される成果

    ・学力に見合った授業内容・レベルにより、教員・学生双方の満足度が高まる。

    ・その結果、より多くの授業効果が期待され、英語力が向上する。

    ・英語学習のモチベーション・アップにもつながる。

    ○課題

    ・習熟度別クラス編成での成績評価の基準をどう設定するか。

    ・��テスト実施からコース・クラス分けまで、授業開始に間に合わせるスケジュールが過密となり、

    これをどのように解決するか。

    ・��テスト実施・クラス分けなど担当教職員の過重な負担をどうするか。

    ・各レベルに合う授業を行うための教材・教授法などの更なる検討・充実が求められる。

    ・基礎コースの学生のケアをどうするか。

    π 希望する授業内容の選択によるクラス編成の導入

     平成��年度から実施の新カリキュラム、��年度から実施。

    ○授業内容を選択できるシステムの必要性

     学びたい授業内容が選べない従来型の押し付け授業では、英語学習に興味が持てないだけでなく、

    モチベーション・アップも期待できない。いわば、食べたいメニューを自由に選択できて初めて、

    食欲も湧くし、楽しく、おいしく、消化よく食べられる。

    ○実施内容

    対象:2年生

    選択希望分野:英語演習Ⅱ�(主として表現力の養成)

           「英会話」「発音・リスニング」「ライティング」「�����リスニング」

           英語演習Ⅱ�(主として読解力の養成)

           「時事」「文化」「評論・物語」「�����リーディング」

    ○期待される成果

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  • ・授業内容に対する満足度アップ。

    ・自主的にモチベーションをもって英語学習に取り組める。

    ○課題

    ・学生への「希望分野選択アンケート」、授業担当者への「担当希望分野アンケート」の集計結果と、

    各分野の設置コース数・クラス分け作業・担当者の振り分けなどの調整をどのように行うか。

    ・希望が通らなかった学生のケア。

    ∫ 3年生・4年生への配当科目

     3、4年生にも引き続き英語を学ぶ機会を提供する。

     3年生:英語演習Ⅲ 英語演習上級    4年生:英語演習上級

    2.授業科目以外での取り組み・制度の導入

    ∏ The University of Warwick(ウォーリック大学)での海外語学研修

     経済学部学生・大学院経済学研究科院生が、ホームステイをしながら、ウォーリック大学(イギリ

    ス・コヴェントリー)において、夏期休暇中に約3週間受講する英語研修。平成��年度から実施し、今

    年で3回目。

     参加人数:��年度��名、��年度��名、��年度��名

    ○研修の概要

    ・東洋大学での事前学習。

    ・ウォーリック大学専任スタッフによる英語及び英会話等の集中レッスン。

    ・ホームステイ先におけるイギリスの社会・文化などの実体験。

    ・�������������������������������������������などへの週末旅行。

    ・ロンドンで、習得した英語力をグループ研修などを通じて実践。

    ○成果

    ・ウォーリック大学での集中レッスンによる英語力の向上。

    ・ホームステイを通したイギリスの社会・文化などの貴重な異文化体験。

    ・これらによる英語及びイギリス文化などへの興味・学習意欲・モチベーションの増加。

    ○課題

    ・研修内容の企画・立案、学生募集、研修先・旅行業者等との打ち合わせ、引率など、担当教職員

    の過重な負担。

    π 「語学研修(ウォーリック)による単位認定制度」

     上記海外語学研修に参加し、所定の要件を満たし、所定の手続きをとれば、「英語演習」の履修が

    免除され、相応の単位と評価が認定される。平成��年度から導入。

    ○成果

      海外語学研修と授業科目がリンクし、単位・評価が認定されることになり、学生の参加を奨励し、

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • さらに学習意欲・モチベーションを高める効果を発揮している。

    ∫ TOEIC 対策講座

     �����は、近年多くの企業が学生の採用・社内の英語研修・昇進・配属・海外赴任など種々の機

    会を捉えて活用している「英語によるコミュニケーション能力を正確に測定するテスト」である。本

    学経済学部学生の大多数が企業に就職することを考えれば、就職対策にも、有能な国際人・企業人に

    なるためにも、早い時期から�����に関心を持たせ、特訓・育成し、有能な人材として社会へ送り出

    すことは大変有意義である。また、大学での英語教育において、実用的な内容を扱う�����を活用す

    ることは、英語を学ぶモチベーションを学生に与え、英語力を向上させるのに有効な手段となる。本

    講座は、以上の目的を叶えるため、意欲旺盛な学生を対象に開講されている。平成��年度から実施し、

    今年で4回目。

    ○�����対策講座の概要

    ・回数:��分授業2コマ×��回+前後に実施する��テスト2回=��回(��コマ)

    ・開講期間・曜日:4月~��月の隔週土曜日(夏休みを除く)

    ・担当講師:本学部専任教員・外部講師

    ・受講者数・クラス数:���~���名 6~7クラス

    ・受講料(実費約2万円)の内訳:��テスト受験料(2回分)、教材費(3種類)、受講料他

    ○�����委員会の業務内容

    ・実施内容の検討―担当講師の選定―学生への周知(配布資料の作成・配布)―説明会開催―受講申

    込―開講クラス数の決定―教材の選定・手配―第1回��テストの事前準備―実施―事後処理―

    クラス分け―担当講師との打ち合わせ―授業開始―次年度の計画―第2回��テストの事前準備

    ―実施―事後処理―総括・反省―全体の最終処理

    ○成果

    ・�����対策講座は、実費でいわば「学内でダブルスクール」という感覚でスタートしたが、受講

    者数は予想をはるかに上回り、平成��年度���名、平成��年度���名(内高校生��名)、平成��年度

    ���名(内高校生��名)、平成��年度���名(内高校生��名)が参加した。学年別にみると、1年生

    約��%、2年生約��%、3年生約��%である。入学後できるだけ早い時期から英語学習へのモチ

    ベーションを与えることが必要だが、この講座はその効果を発揮している。また、この講座の成

    果を、初回と最終回に実施する2回の��テストの結果を用いて検証してみると、リスニングの得

    点が増加した者は全体の約7割、リーディングの得点が増加した者は全体の約5割に達し、かな

    りの成果を上げている。

    ・スコアアップによって英語へのさらなる興味・自信を持つようになる。

    ○課題

    ・本講座を円滑に運営するためには、多種多様な業務をこなす必要があり、担当教職員に過重な負

    担を強いている。システムの簡素化、効率の良い運営ができるようさらに改善していく必要があ

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  • る。

    ・受講生のスコアをさらに伸ばし、満足度を高めるなど、より良い成果を上げるためには、講座内

    容・指導方法などについて今後ともいっそう検討を加える必要がある。

    ª 「TOEIC による単位認定制度」

     �����認定基準表に定めるスコアを取得し、所定の手続きをとれば、「英語演習」の履修が免除さ

    れ、相応の単位と評価が認定される。平成��年度から導入。

    ○成果

     この制度により、�����対策講座と授業科目がリンクし、単位・評価が認定されることになり、

    学生の英語学習のモチベーション・アップを図ることができる。適用該当者は、平成��年度��名、

    ��年度��名、��年度��名と着実に人数が増え、スコアも次第にアップし、平成��年度には���点以上

    の取得者も出るようになっている。

    º 「高大連携プログラム」への「TOEIC 対策講座」の参加

     �����対策講座を高校生へ開放し、受け入れる。平成��年度から実施。参加校と人数は、平成��年

    度は3校��名、平成��年度は2校��名、平成��年度は4校��名。

    ○成果

     高校生への諸効果は勿論のこと、彼らの参加は本学部生にとっても大きな刺激となっている。

    結び

     近年、大学生の英語基礎学力の著しい低下が指摘されている。大学で使用されるテキストも、読

    解・文法などジャンルを問わず、ひと昔前と比べると目を疑うほど易しいものが登場している。しか

    し、この現象をただ嘆いているだけでは何の問題解決にもならない。この際、特に深刻なのは、学力

    低下もさることながら、それに伴う学習意欲の減退である。まず、これを食い止め、英語に対する興

    味を喚起し、国際化に対応する英語力習得の必要性を認識させ、英語学習へのモチベーションを高め

    ることが何より不可欠である。

     東洋大学経済学部ではこのような考えのもとに、授業科目のカリキュラムの内容・履修システムや、

    課外での海外語学研修・�����対策講座・それらを奨励する単位認定制度の制定など、実施可能な

    ものから改革に取り組んでいる。

    加藤 治(経済学部国際経済学科)

    Ⅴ 大学における外国語教育研究の成果と課題

     最後に、本研究チームのこの一年の成果を振り返りつつ、大学における外国語教育研究の今後の課

    題を整理しておきたい。

     まず成果としてあげられるのは、本研究チームの研究活動が、全学共通カリキュラムの組織基盤を

    もたない大学における外国語教育研究のひとつのかたちを提示しているという点である。��やアメ

    東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

  • リカ等の大学では、大学に外国語教育専門のセクションがないことはまず考えられないが、日本の大

    学においては全学共通の教育研究組織を確立していないところはまだ多い。過渡的存在であるとはい

    え、研究所がそうした場を提供していることの意義は大きい。

     また、本研究チームの研究交流活動によって、各学部の外国語教育に特色が生まれつつあることが

    明確になったことも成果の一つである。学部独立型の外国語教育であるがゆえに意思決定が早く、実

    験的な試みをスタートさせやすいという利点もある。こうした各学部の試みや特色を相互に交流し、

    大学全体の外国語教育の充実につなげるためのネットワークの重要性がシンポジウムでも共有された。

     一方、大学における外国語教育研究の課題として、英語以外の外国語(ドイツ語、フランス語、中

    国語)の教育目的および教育目標がいまだ共有されていないという問題がある。ヒト・モノ・カネが

    国境を超えて移動する現代社会において外国語が不可欠であることはだれの目にも明らかだが、「教

    養」という概念によって支えられていたこれらの外国語を、「高等普通教育」化した大学でどう位置づ

    けていくのかが改めて問われている。

     そもそも外国語教育は、大学における共通基礎教育である。したがって、その意義や目標について

    は、外国語を担当しない教員も交えた討議と共通理解が求められる。所属や専攻を超えて全学の教員

    がこうした研究討議の場に参加することを期待し、今後の課題としたい。

    斎藤里美

    注� 第1回シンポジウムでの討議内容については、下記の報告に詳しい。 三浦安子・小西康夫・三石庸子(����)「シンポジウム「東洋大学における外国語教育の現状と未来展望」」『東洋大学人間科学総合研究所紀要』第2号.� 第2回シンポジウムの報告内容については、下記を参照。 斎藤里美(����)「学習者の「自律性」と「学習ストラテジー」に着目した日本語教育-東洋大学「言語と言語技術」のコースデザインを中心に-」『東洋大学人間科学総合研究所紀要』第3号(印刷中).

    * なお、本稿はシンポジウムの報告を加筆修正したものであるが、執筆にあたっては、ⅠとⅤを斎藤、Ⅱを佐藤、Ⅲをゲイナー、Ⅳを加藤が担当した。

    ��大学における外国語教育の教材・教授法・カリキュラムを考える

  • 東洋大学人間科学総合研究所紀要 第4号��

     

     

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