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56 July 2018  Volume 25  Number 6 NSCA JAPAN Volume 25, Number 6, pages 56-63 女性の体脂肪減少に スプリントトレーニングが及ぼす効果 The Effect of Sprint Training for Reducing Body Fat in Women Laanna Carrasco, MA, MS, CSCS Department of Education and Human Performance, University of Central Florida, Orlando, Florida 要約 近年、肥満人口はますます増加し ており、長期的な健康問題や生活の 質の低下をもたらしている。身体組 成の改善については、有酸素性運動 による脂肪減少の試みよりも、スプ リントインターバルトレーニング のほうが効果的である可能性があ る。しかし、男性と女性とでは、ス プリントトレーニングへの適応が 異なるとみられる。本稿では、女性 を被験者とする様々なインターバ ルトレーニング研究を取り上げ、こ の運動様式が女性の体脂肪に及ぼ す影響を検証する。さらに、女性の 体脂肪減少のためのプログラム開 発に役立つ実践的なガイドライン を提供する。 は比較的高く 78%であった。これは、 同等以上の体力や身体組成の適応を誘 発できるならば、短時間で終わるエク ササイズプロトコルのほうが好ましい ことを示している。 スプリントインターバルトレーニ ングは、定常状態での有酸素性運動よ りもトレーニングに要する合計時間 が少なく、楽しんで実施できるだけで なく、身体組成の改善に優れた効果を もたらす可能性がある(3)。Tremblay ら(33)の調査によると、高強度のイ ンターバルトレーニング(HIT)をプ ログラムに組み込むと、中強度の連 続的な有酸素性トレーニング(MCT) プログラムよりも、皮脂厚の減少が 有意に大きかった。興味深いことに、 調査期間中のMCTプログラムによる 総エネルギー消費量は、120.4 メガ ル( 28,661 kcal)で あ り、HIT プログラムによる総エネルギー消費 量は、およそ半分の 57.9 メガジュール ( 13,614 kcal)であった。この 2 つのプ ログラムの総エネルギー消費量の違い を考慮に入れると、HITプログラムの ほうが、6 点測定による皮脂厚総和の 序論 過剰な体脂肪と肥満に伴う代謝の問 題が世界各地で発生している。過体重 は、長期的な健康問題と生活の質の低 下を伴う。そのため、目下、体脂肪を減 少させる効果的な方法が求められてい る。過剰な体脂肪に対処するひとつの 方法は運動介入である。一般的に、体 脂肪を減らして身体組成を改善するに は、中強度による定常状態の有酸素性 運動が勧められる(9)。例えばアメリカ スポーツ医学会(American College of Sports Medicine)は、一般人において 臨床的に有意な体重減少を実現させる には、週に 250 分以上の中強度の身体 活動が必要であるとしている(9)。 しかし残念なことに、このような運 動基準が満たされることは滅多にな い(16)。そして、有酸素性エクササイ ズプログラムを処方時間よりも短く 実施すると、体脂肪の減少に対してほ とんど効果が認められない(4,24)。若 年女性を対象としたある調査では、週 に 150 分の運動時間を調査期間中に満 たした被験者は 4.7%に過ぎなかった (1)。平均すると週に 108.3 分、完了率 Key Words 【スプリントインターバルトレーニング:sprint interval training、身体組成:body composition、脂肪減少:fat loss、 女性:women、性差:sex differences、肥満:obesity】

女性の体脂肪減少に スプリントトレーニングが及ぼ …...ン後に、Bod Podで測定した体脂肪量 が 1.96±0.99 kg減少した。除脂肪体重 量には両群とも変化がみられなかっ

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56 July 2018  Volume 25  Number 6

CNSCA JAPANVolume 25, Number 6, pages 56-63

女性の体脂肪減少にスプリントトレーニングが及ぼす効果The Effect of Sprint Training for Reducing Body Fat in Women

Laanna Carrasco, MA, MS, CSCSDepartment of Education and Human Performance, University of Central Florida, Orlando, Florida

要約 近年、肥満人口はますます増加しており、長期的な健康問題や生活の質の低下をもたらしている。身体組成の改善については、有酸素性運動による脂肪減少の試みよりも、スプリントインターバルトレーニングのほうが効果的である可能性がある。しかし、男性と女性とでは、スプリントトレーニングへの適応が異なるとみられる。本稿では、女性を被験者とする様々なインターバルトレーニング研究を取り上げ、この運動様式が女性の体脂肪に及ぼす影響を検証する。さらに、女性の体脂肪減少のためのプログラム開発に役立つ実践的なガイドラインを提供する。

は比較的高く 78%であった。これは、同等以上の体力や身体組成の適応を誘発できるならば、短時間で終わるエクササイズプロトコルのほうが好ましいことを示している。 スプリントインターバルトレーニングは、定常状態での有酸素性運動よりもトレーニングに要する合計時間が少なく、楽しんで実施できるだけでなく、身体組成の改善に優れた効果をもたらす可能性がある(3)。Tremblayら(33)の調査によると、高強度のインターバルトレーニング(HIT)をプログラムに組み込むと、中強度の連続的な有酸素性トレーニング(MCT)プログラムよりも、皮脂厚の減少が有意に大きかった。興味深いことに、調査期間中のMCTプログラムによる総エネルギー消費量は、120.4 メガジ ュ ー ル( 28,661 kcal)で あ り、HITプログラムによる総エネルギー消費量は、およそ半分の 57.9 メガジュール

( 13,614 kcal)であった。この 2 つのプログラムの総エネルギー消費量の違いを考慮に入れると、HITプログラムのほうが、6 点測定による皮脂厚総和の

序論 過剰な体脂肪と肥満に伴う代謝の問題が世界各地で発生している。過体重は、長期的な健康問題と生活の質の低下を伴う。そのため、目下、体脂肪を減少させる効果的な方法が求められている。過剰な体脂肪に対処するひとつの方法は運動介入である。一般的に、体脂肪を減らして身体組成を改善するには、中強度による定常状態の有酸素性運動が勧められる(9)。例えばアメリカスポーツ医学会(American College of Sports Medicine)は、一般人において臨床的に有意な体重減少を実現させるには、週に 250 分以上の中強度の身体活動が必要であるとしている(9)。 しかし残念なことに、このような運動基準が満たされることは滅多にない(16)。そして、有酸素性エクササイズプログラムを処方時間よりも短く実施すると、体脂肪の減少に対してほとんど効果が認められない(4,24)。若年女性を対象としたある調査では、週に 150 分の運動時間を調査期間中に満たした被験者は 4.7%に過ぎなかった

(1)。平均すると週に 108.3 分、完了率

Key Words【スプリントインターバルトレーニング:sprint interval training、身体組成:body composition、脂肪減少:fat loss、女性:women、性差:sex differences、肥満:obesity】

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57C National Strength and Conditioning Association Japan

女性の体脂肪にスプリントトレーニングが及ぼす影響 諸研究によると、SITは標準体重の女性にも肥満の女性にも好ましい身体組成の変化をもたらす。MCTと比較すると、トレーニング量が等しくても、あるいは少なくても、SITのほうが体脂肪の減少が大きい。以下では、SITが女性の体脂肪減少に及ぼす影響を調査した諸研究の結果を概括する。表 1 は、女性を被験者として、インターバルトレーニングが身体組成に及ぼす影響を調査した研究の一覧である。 2008 年の研究では、非活動的な標準体重(BMIが 23.6、DEXAで測定した体脂肪率が 33%)の若い健康な女性を対象として、ステーショナリーバイクを用いたスプリントインターバルプロトコル( 8 秒間のスプリントと 12 秒間の積極的休息の繰り返しを 60 回)と、中強度の有酸素性トレーニング

( 60% V4

O2maxで定常状態の有酸素性運動を 40 分間)の効果が比較された

(32)。その結果、MCT群は脂肪量がわずかに増加した( 0.44±0.88 kg)が、SIT群は運動時間が半分であるにもかかわらず、総脂肪量が 11.2%減少した

(-2.5±0.83 kg)。脂肪の減少と運動開始時の肥満レベルの間には、中程度の相関関係が存在する( r =-0.58、p<0.02 )。したがって、運動開始時の体脂肪が多いほど減少する脂肪も多いと考えられる。例えばSIT群内では、体脂肪が少ない女性はその減少も少なかった。すなわち、平均体重が 52.9 kg(SIT群 全 体 の 平 均 は 63.3 kg)、 平 均BMIが 21.1 の 4 名の女性は、総脂肪量の減少が 3%以下であった。これら 4 名の女性を除くと、SIT群の体脂肪量の減少は平均 3.94 kgであり、これは体重の4.3%の減少、総脂肪量の 14.7%の減少に相当する。また、SIT群は腹部中央

減少が 9 倍大きかった。 その後のインターバルトレーニング研究も体脂肪への好ましい効果を見出している(14,32)。しかし一部のエビデンスは、女性と男性とではスプリントトレーニングへの適応反応が異なる可能性があることを示している(20)。例えばある研究は、レクリエーション活動を行なう 20 名の健康な大学生年齢の男性と女性を被験者として、6 週間にわたってMCTとスプリントインターバルトレーニング(SIT)とを比較した。その結果、Bod Podによる測定では、SIT群は体脂肪率が平均 12.4%減少したが、MCT群はそれをかなり下回る 5.8%の減少に留まった(20)。しかし、体脂肪の変化を性差分析したところ、SIT群の体脂肪の減少は男性にのみ認められ(トレーニング前の 13.7±2.4 kgからトレーニング後の 10.7±2.3 kgへと 3 kgの減少)、女性には認められなかった(トレーニング前の 13.7±1.7 kgからトレーニング後の 14.0±1.1 kgへと増加)。対照的にMCT群の女性には、トレーニング前の 18.7±2.6 kgからトレーニング後の 17.3±2.5 kgへと 1.4 kgの体脂肪の減少が認められた。この結果から、性別とトレーニング様式との間には何らかの相互作用が存在し、そのせいで、女性は男性とは異なる反応を示す可能性があると考えられる。しかし、標本サイズが小さく

(女性は各群に 4 名)、MCT群の女性は体脂肪率の初期値が高いため(MCT群は 30.6%、SIT群は 22.3%)、この研究から決定的な結論を引き出すことは不可能である。したがって本稿では、SITを利用して女性の身体組成の改善を試みた諸研究の結果を概括する。さらに、女性の体脂肪減少を目的とするプログラムの開発に役立つ実践的なガイドラインを提供する。

部の脂肪量の有意な減少を示した(-0.15±0.07 kg)が、MCT群は有意ではない増加を示した(+0.1±0.08 kg)。除脂肪体重には有意な変化が認められなかった。 ほかのサイクルトレーニングプロトコルも、女性被験者において有意な体脂肪の減少を見出している。2016 年の研究では、トレーニング経験のない肥満(BMI 30.3 )の若年女性を対象として、6 週間のSITサイクルプログラム( 30 秒間の最大努力によるスプリントと 4 分間の休息の繰り返しを 5 回から 7 回へ増加)とMCT有酸素性プログラム(予備心拍数の 60 ~ 70%の中強度のサイクリングを 20 ~ 30 分間)との比較が行なわれた(15)。SITプログラムとMCTプログラムのエネルギー消費量は同等である。研究の結果、SIT群はDEXAで測定した総脂肪の減少がMCT群よりも有意に大きく、それぞれ-3.6%と-0.6%であった。ウエスト部分の体脂肪量の減少もSIT群は有意であり 6.6%の減少を示したが、MCT群には変化が認められなかった。脚部の除脂肪体重は両群とも同程度の増加を示した(+2%)。 2017 年の研究では、高強度サイクルインターバルトレーニングを 3 週間にわたって続け、過体重の女性の体脂肪への影響が調査された。トレーニングは短時間( 90% V

4

O2peakを 1 分間、休息 1 分間を 10 回)と、長時間( 80 ~100% V

4

O2peakを 2 分間、休息 1 分間を 5 回)の 2 つの様式に分けて実施された(28)。両群ともわずか 9 セッション後に、Bod Podで測定した体脂肪量が 1.96±0.99 kg減少した。除脂肪体重量には両群とも変化がみられなかった。両群の結果を結合すると、下腹部の皮脂厚には 11.29±18.4 cmの減少が認められたが有意ではなかった。

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58 July 2018  Volume 25  Number 6

表 1 スプリントインターバルトレーニングが女性の身体組成に及ぼす影響に関する研究文献 被験者 プロトコル デザイン 主な結果

Tremblayら(33)

非活動的な標準体重の男性 13 名と女性 14 名

HIT:有酸素性セッションと短時間( 15 ~ 30 秒間を 10~ 15 回)と長時間( 60 ~ 90秒間を 4 ~ 5 回)のインターバル。

HIT:合計 15 週間。初期セッションとしてサイクルエルゴメータで70% HRRmaxの 30 分間の有酸素性運動を 25 回。その後、短時間のインターバル( 19 回)と長時間のインターバル( 16 回)。

総エネルギー消費量:MCTは 120.4 MJ( 28,661 kcal)、HITは 57.9 MJ( 13,614 kcal)。

MCT:60 ~ 85 % HRRmaxで 30 ~ 45 分間の有酸素性運動。

MCT:持続時間と強度を漸進的に増加させる。頻度は、20 週間にわたって週に 4 から 5 セッションに増加させる。

6 点測定による皮脂厚の総和が、MCTでは-4.5 mm、HITでは-13.9 mm。

Trappら(32)

45 名の非活動的な標準体重の女 性、 平 均BMIは 23.2±2.0

HIT:8 秒間の最大努力によるスプリントと 12 秒間の休息を 60 回。0.5 kgの抵抗をHRの低下につれて増加させる。

15 週間の介入。現在の身体活動を継続する対照群を含む。

総エネルギー消費量:MCTは 36.6 MJ( 8,670.11 kcal)、HITは 41.5 MJ( 9,912.1 kcal)。

MCT:60 % V4

O2maxで 40分間の有酸素性運動。0.5 kgの抵抗をHRの低下につれて増加させる。

HIT:インターバルを 5 分間から、最大 20 分間に増加させる。

体脂肪量:MCTは+0.44 kg(+2.2%)、HITは-2.5 kg(-11.2%)、CONは+0.33 kg(+1.3%)

MCT:持続時間を 10 ~ 20 分間から、最大 40 分間に増加させる。

除脂肪体重:変化なし。

Dunnら(10)

32 名のトレーニング経験のない過体重の女性、平均BMIは 26.6±0.7

HIT:80 ~ 85% HRpeakで 8秒間のスプリントと 12 秒間の休息を 60 回。

12 週間。生活様式への介入として、地中海食と 1 日 3.3 gの魚油摂取を指導。食事や運動を変化させない対照群を含む。

体脂肪量:HITは-2.6 kg、CONは+0.8 kg。体脂肪率:HITは-2.7%、CONは+0.9%。除脂肪体重:HITは+0.5 kg、CONは+0.2 kg。ウエスト周囲径:HITは-3.7 cm、CONは変化なし。

Macphersonら(20)

活動的な標準体重の男性 12 名と女性 8 名

HIT:最大努力による 30 秒間のランニングスプリントと 4 分間の休息を 4 ~ 6 回。

6 週間の介入。

体脂肪量:MCTは-0.8 kg、男性は-0.5 kg、女性は-1.4 kg。HITは-1.7 kg、男性は-3 kg、女性は+0.3 kg。

MCT:65% V4

O2maxで 30 ~60 分間の有酸素性運動。

HIT:2 週間ごとに回数を 1 回増やす。

体脂肪率:MCTは-5.8%、HITは-12.4%。

MCT:2 週間ごとに持続時間を 15分増やす。

除脂肪体重:MCTは+0.6 kg、HITは+0.6 kg。

Sijieら(25)60 名の非活動的な過体重の女性

HIT:85% V4

O2maxで 3 分間のランニングと 3 分間の積極的休息を 5 回。 12 週間の介入。通常の活動を継続

する対照群を含む。

体脂肪量:MCTは-4.2 kg(-5.2%)、HITは-5.8 kg(-9.9%)、CONは+0.9 kg。

MCT:50% V4

O2maxで 40 分間のウォーキング/ジョギング。

体脂肪率:MCTは-2.15%、HITは-4%、CONは+0.17%。

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 トレーニング様式が女性の体脂肪の変化に及ぼす影響を調査するため、2014 年の研究では、レクリエーション活動を行なう標準体重の若年女性を被験者として 6 週間のランニングスプリントインターバルトレーニングが実施された(12)。自走式のWoodwayトレッドミルを利用して、30 秒間の最大強度によるスプリントと 4 分間の休息を 4 ~ 6 回繰り返した。その結果、体脂肪の 8%の減少、ウエスト周囲径の3.5%の減少、除脂肪体重の 1.3%の増加が認められた。体重は 60.8±5.2から60.3±4.8 kgへ減少、体脂肪量は 15.1±3.6 から 13.9±3.4 kgへ減少、体脂肪率は 24.7±4.9 から 23.0±4.6%へ減少、ウエスト周囲径は 80.1±4.2 から 77.3±4.4 cmへ減少した。また、除脂肪体重量は 45.7±3.5 から 46.3±2.9 kgへ増加した。Macphersonら(20)の研究では、スプリントトレーニングによる体脂肪

の減少には性差が存在する可能性があると考えられていたが、本研究の著者らは、研究結果から性差は存在しないと述べている。しかし、Macphersonら(20)の研究における男性の体脂肪量の減少は 3 kgであり、本研究における 1.2 kgの減少よりも大きい。したがって、インターバルトレーニングへの反応としての体脂肪の減少に性差が存在するかどうかを決定するには、引き続き調査を行なう必要がある。

考察 女性を被験者とする研究の大多数は、SITが体脂肪の減少と身体組成の改善に有効なトレーニング様式であることを示している。しかし、SITによって体脂肪が減少するメカニズムはまだ解明されていない。さらに問題を複雑化させているのは、食事内容の記録の不正確さや、エネルギー消費の測

定方法などの要素である。すなわち、SITに伴って発生する体脂肪量の変化は、報告されていない食事の変化に影響されている可能性がある。これまでの研究では、インターバルトレーニングによって食欲が抑圧されたり、高カロリー食品が食べられなくなったりするケースが指摘されている(8,35)。ただし、女性に関しては結論が出ていない(11)。Trappら(32)、Hazellら(12)、Higginsら(15)はいずれも、トレーニングの前後 3 日間の食事内容を日誌に記録させたが、被験者のエネルギー摂取量にも主要栄養素摂取量にも有意な変化は見出されなかった。しかし、このような自己報告式の食事日誌は信頼性が低いため、ここから決定的な結論を引き出すことは不可能である。 考えられる 2 つ目のメカニズムは、スプリントインターバルエクササイズの最中と後に脂質の利用が増加するこ

表 1 スプリントインターバルトレーニングが女性の身体組成に及ぼす影響に関する研究(つづき)文献 被験者 プロトコル デザイン 主な結果

Hazellら(12)20 名の活動的な標準体重の女性

HIT:最大努力による 30 秒間のランニングスプリントと 4 分間の休息を 4 ~ 6 回。

6 週間の介入。 体脂肪量:-1.2 kg2 週間ごとに回数を 1 回増やす。 体脂肪率:-1.7%MCT群と対照群はなし。 ウエスト周囲径:-2.8 cm

除脂肪体重量:+0.6 kg

Higginsら(15)60 名の非活動的な肥満の女性、BMIは 30.3

HIT:最大努力による 30 秒間のサイクルスプリントと 4 分間の回復を 5 ~ 7 回。

6 週間の介入。体脂肪量:MCTは-0.2 kg、HITは-1.2 kg。

MCT:60 ~ 70% HRRで 20~ 30 分間の有酸素性運動。

HIT:1 週間ごとに回数を 1 回増やす。

ウエスト部分の体脂肪量:MCTは変化なし、HITは-6.6%。

MCT:持続時間を 20 分から増加させて、エネルギー消費量をHIT群と同等にする。

脚の除脂肪体重:MCTは+1.9%、HITは+2%。

Smith-Ryanら(28)

30 名の非活動的な過体重の女性

HIT 1 分:90% V4

O2peakで 1分間のサイクルインターバルと 1 分間の休息を 10 回。

3 週間の介入。対照群を含む。

体脂肪量:HIT 1 分は-2.07 kg、HIT 2 分は-1.83 kg、CONは-0.50 kg。

HIT 2 分:80~ 100%V4

O2peakで 2 分間のサイクルインターバルと 1 分間の休息を 5 回。

下腹部の皮脂厚:HIT群の結合は-11.29 cm、CONは-3.44 cm。

BMI=体格指数、CON=対照群、HIT=高強度トレーニング、HR=心拍数、HRR=予備心拍数、kcal=キロカロリー、MCT=中強度の連続的有酸素性トレーニング、MJ=メガジュール、V

4

O2max=最大酸素摂取量、V4

O2peak=ピーク酸素摂取量

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とである。インターバルトレーニングは、血漿中のグリセロール濃度を一時的および長期的に上昇させるが、これは、トレーニングの最中と後に大きなエネルギー源として脂質が利用されている可能性を示唆している(31)。SITへの反応としては、骨格筋細胞とミトコンドリアへの脂肪の輸送が増加する

(29)とともに、ベータ酸化に関与する酵素とタンパク質の濃度と活動も増加する(6,33)。さらに、カテコールアミンが増加し、それに対する感受性が上昇して、脂肪分解が増大することも考えられる(32)。カテコールアミンは脂肪分解を促進することが判明しており、皮下と筋内に蓄えられた脂肪を放出して酸化している。また、SITがβアドレナリン受容体の感受性を向上させて、腹部に蓄えられた脂肪の酸化を促進することも考えられる(4)。SITへの反応としては証明されていないものの、持久系トレーニングによっては、βアドレナリン受容体の感受性が向上する一方で、抗脂肪分解作用を有するαアドレナリン受容体が減少するエビデンスも存在する。 SITへの反応としての成長ホルモンの増加も、脂質利用の増加を支えるメカニズムとして考えられる。成長ホルモンには強い脂肪分解作用があり、成長ホルモンの増加は発揮パワーの増大と関連している。また、30 秒間の最大努力によるトレッドミルスプリントへの反応としては、持久系トレーニングの経験があるアスリートよりも、スプリントトレーニングの経験のあるアスリートのほうが成長ホルモンの放出量が多い(21)。SITへの反応として女性の体脂肪減少を示す研究は複数存在するが、成長ホルモンやカテコールアミンの濃度を測定したものはない。したがって、ホルモン濃度の上昇がどの程

度の影響を及ぼしているかは不明である。 SITへの反応としての体脂肪の減少に貢献すると考えられる 3 つ目のメカニズムは、エクササイズセッション後の回復時間に発生する代謝の増加である。この現象は運動後過剰酸素消費(EPOC)の名で知られ、一定の長さ

( 24 ~ 48 時間)の回復時間中に、身体による燃焼カロリーが増加することを指す。その際、乳酸と水素が除去され、心肺機能が向上する。さらに、体温が上昇し、カテコールアミンの影響が増大し、グリコーゲンの再合成が増加する(4)。EPOCは運動の持続時間よりも運動強度による影響が大きく、運動中に産生される乳酸の増加と関連する

(2,19)。 EPOCが女性の体脂肪の変化に及ぼす役割を考慮する際は、EPOCについては男性を被験者とする研究がわずかに存在するだけで、女性を被験者とする研究はほとんど存在しないことに注意を払う必要がある。数少ない例外として、Townsendら(30)は両性を被験者として、ランニングSIT群、サイクリングSIT群、および対照群におけるEPOCを比較した。その結果、総合的なEPOCには性差による有意差は見出されなかった。これは、高強度運動からの回復時間における代謝反応に男女差はなく、男性を被験者とするEPOCの研究結果は女性にも当てはまることを示唆している。むろん、女性に限定した研究も行なわれるべきであり、これが今後の研究の焦点となるであろう。 運動に伴う身体組成の変化にEPOCが及ぼす影響に関しては結論が出ていない。運動後は安静時を超える代謝の増加が見出されるものの(7)、運動後のエネルギー消費の増加はごくわずかに留まることが指摘されている(17,35)。

Williamsら(35)によると、運動後 2 時間のEPOCは持久系エクササイズ後と比べてインターバルトレーニング後も違いがなく、また、EPOCの程度そのものも小さかった。対照群と比較すると、SIT後は回復時間中のエネルギー消費量が 33.5±16.3 kcal増加し、持久系トレーニング後は 41.5±13.8 kcal増加した。運動中のエネルギー消費量は持久系トレーニング群のほうが有意に大きく、総エネルギー消費量(EPOC+運動)が 560 kcalであったが、SIT群はわずか 85 kcalであった。 この研究では運動後 2 時間のEPOCしか調査されていないため、代謝過程が基準値に戻るまでの 24 ~ 48 時間にわたって持続的な代謝率の上昇が存在する可能性がある(13,26)。例えば、30 秒間の最大努力によるスプリント 4 回と、30 分間の 70% V

4

O2maxによるMCTを比較した研究では、ワークアウトを含む 8 時間では、SIT群よりもMCT群のほうが、酸素消費が 17%多かった(13)。これは、後者のほうが運動に要するエネルギー消費量が大きいことによる。しかし 24 時間の範囲でみると、SITはMCTと同等の酸素消費量をもたらしていた(SIT群は 498ℓ、MCT群は 500.2ℓ)。すなわち、SIT後 24 時間の代謝の増加によって、MCT後 24 時間に見出されるのと同等のエネルギー消費が発生していた

(18)。 上記のメカニズムのいずれも、SITが女性の体脂肪減少に果たす優れた役割を説明するにはまだ不十分である。そこで、今後の調査によって、食欲とエネルギー摂取量に対するSITの長期的影響を解明する必要がある。また、EPOCと安静時エネルギー消費量に関する調査も行なわれるべきである。特に、SITへの反応として、過体重や肥

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満の被験者のように体脂肪の減少を示さない、やせ気味の女性に焦点を当てる必要がある。 インターバルトレーニングをめぐる重要な問題のひとつは、肥満や過体重のクライアントが十分に耐えうるものであるかどうかである。SITは一般に主観的運動強度が高い。しかしこれは、運動を好む気持ちや楽しさの低下につながり(5,22)、結果として運動の継続意欲を損なうことになりかねない。運動を好む気持ちは、長期的(最大 12 ヵ月)な運動行動の予測因子であり(34)、トレーニングプロトコルが困難に思えるほど、運動の継続意欲は低下する傾向にある。しかし興味深いことに、スプリントトレーニングはこのケースに該当しないことが示されている。 SITとMCTへの反応として、疲労、気分状態、および楽しさを比較した研究では、SITのワークアウトはMCTよりも主観的運動強度が高いにもかかわらず、楽しさには有意差が見出されなかった(22)。別の研究では、高強度トレーニング( 3 分間の 90% V

4

O2maxの運動と 3 分間の積極的休息を 6 回繰り返す)は、主観的運動強度が高いにもかかわらず、中強度( 70% V

4

O2max)の 50 分間の連続的ランニングよりも楽しさの評価が高かったことが報告されている(3)。さらに別の研究では、高強度( 100%ピーク仕事率)と中強度

( 70%ピーク仕事率)のインターバルトレーニング( 60 秒間の運動と 60 秒間の積極的休息を 10 回繰り返す)への反応として、運動を好む気持ちと楽しさが比較された(5)。その結果、運動を好む気持ちは、高強度のプロトコル後のほうが大きく低下した。しかし、楽しさはどちらも同等であった。さらに両群とも、処方されたプロトコルを完了したことに対して自分の能力に高い

自信を示し、今後、そのプロトコルを毎週の運動ルーティンに組み込むことができると回答した。最後に、過体重の男性と女性に 3 週間の高強度トレーニングを実施させた研究がある。トレーニングへの反応として楽しさを測定したところ、1 回目のセッション後が高かった( 7 ポイントの尺度で 4.2±1.0 )(27)。しかし、ワークアウトが漸進するにつれて、トレーニング時の%心拍数と主観的運動強度が高まることを考慮に入れると、回を追うにつれて楽しさの評価は有意に向上していた。楽しさの評価は男女で差がなく、男性被験者を対象とした楽しさの調査は女性にも当てはまると考えられる。これらの研究結果は、高強度のインターバルエクササイズは楽しいとする報告を裏付けている。ただし、今後の研究によってそれを確証するとともに、長期にわたる継続意欲を調査することが必要である。また、運動の楽しさ、主観的な楽しさの尺度、そして継続意欲に、運動強度がどのような影響を及ぼすかも明らかにする必要がある。ここで取り上げた諸研究では、スプリントプロトコルで一般に利用される、最大強度のトレーニングは実施されていないことに注意が必要である。 トレーニング脱落率に関しては、適切にデザインされたSITプロトコルは、中強度の有酸素性トレーニングと同じぐらい耐えることができるとされており、体脂肪の減少においてSITのほうが効果的であるならばSITのほうが好ましいと考えられる。Tremblayら(33)の調査では、脱落率はSIT群もMCT群もほぼ同じであり、当初の参加者の 25~ 30 % で あ っ た。ま たTrappら(32)の調査では、SIT群の脱落者は 4 名、MCT群は 7 名であった。中強度のインターバルトレーニング( 85% V

4

O2max

で 3 分間を 5 回)と低強度の有酸素性運動( 50% V

4

O2maxで 40 分間)を比較すると、SIT群は女性 3 名が脱落し、有酸素性運動群は女性 4 名が脱落した。これは、運動の継続意欲の尺度が、最大下強度であっても高強度であっても同等であることを示している(25)。

今後の研究への推奨事項 高強度のインターバルトレーニングは、標準体重の女性にとっても肥満の女性にとっても、体脂肪を減らして身体組成を改善するために時間効率の良い効果的な方法である。しかし、今後の研究によって、女性の身体組成を最も改善するだけでなく、運動の継続意欲を高めるようなトレーニングパラメータ(様式、強度、持続時間)を見極める必要がある。これまでのところ、数多くのプロトコルが女性にとって有益であると示されているが、とりわけ肥満女性に対する至適SITプロトコルを決定する必要がある。これまで最も多く利用されているプロトコルは、Wingateテスト(最大努力によるスプリントを 30 秒間)を 4 分間の休息を挟みつつ 4 ~ 7 回繰り返すことである。しかし、このプロトコルは心身への負担が大きく、強度の低いプロトコルでも同様の結果が得られるか検証する必要がある。  大 切 な こ と は、 最 大 の 反 応 を 引き出す最小の量を見極めることであ る。現 時 点 で は、 長 期 的 な 研 究

( 12 または 15 週間)も短期的な研究( 6 週間)も、有意な体脂肪量の減少と除脂肪体重の増加を示している

(12,15,20,32,33)。SITが体重の長期的な管理に適したツールかどうか、あるいは体脂肪を減少させる一時的な介入として利用し、その後はほかの運動形式に移行するべきかどうかを決定する

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62 July 2018  Volume 25  Number 6

必要がある。また、SITやMCTを完了することで、体脂肪の再増加に対し、長期的にどのような影響が生じるかも調査するべきである。 トレーニング様式をめぐって、成果に違いがあるかどうかを決定することも必要である。身体組成に対して、ロウイング、ウォーキング、スイミング、ステアクライミングが同等の利益をもたらすかどうかは不明である。身体組成の変化が見出された研究のほとんどにおいては、ステーショナリーサイクルエルゴメータが利用されていたが、少なくとも 2 つの研究では自走式トレッドミルが利用されていた。どちらの様式も、被験者に対して外的負荷を課すものであり、それが除脂肪体重の増加に貢献していた可能性がある。Macphersonら(20)とHazellら(12)は除脂肪体重の有意な増加を記録しているが、どちらも自重を抵抗とする自走式トレッドミルによるランニングスプリントを利用しており、これが除脂肪体重を増加させる十分な過負荷を生み出していたと考えられる。地上でのランニングなど、抵抗が小さいほかの様式では、これに匹敵する除脂肪体重の増加が発生しない可能性がある。 体脂肪減少における個人の反応を見極めることも、今後の重要な調査課 題 で あ る。Trappら(32)の 研 究 では、SITへの反応としての体脂肪の変化は 8 kgの減少から 0.10 kgの増加にまで及び、平均すると 2.5 kgの減少であった。体脂肪減少者(体脂肪が増加せずに減少した被験者)だけをみると、体脂肪減少の平均は 3.94 kgである

(4)。つまり、同じプロトコルに対して、やせている女性は反応が小さく、体脂肪の多い女性のように体脂肪量が減少しない。この点に関しては、性別による違いと同じく今後の調査を必要とす

る。また、体脂肪の多い鍛錬された女性アスリートに対するSITの効果も調査するべきである。さらに、スプリントトレーニングが回復を妨げたり、競技パフォーマンスに負の影響を与えたりしないかどうかも見極める必要がある。 女性の体脂肪の減少には、プログラムデザインにおける別の要素が影響を及ぼすことも考えられる。例えば、身体活動の少ないメタボリックシンドロームの女性に、地中海食を食べて魚油を 3.3 g摂り、SITを実施するように指導すると、体脂肪量が 2.6 kg減少し、DEXAで測定した体脂肪率が 6.2%減少した(10)。したがって、SITが総エネルギー摂取量や食欲に与える影響だけでなく、食事そのものの役割も解明する必要がある。

現場への応用 女性をクライアントとするストレングス&コンディショニングコーチやパーソナルトレーナーにとって、体脂肪を減少させるにはインターバルトレーニングが効果的かつ効率の良い方法である。身体組成を改善するために、必要に応じて、連続的な有酸素性運動の代替としてインターバルトレーニングを実施するとよい。プロトコルをデザインするにあたっては以下の点に留意する必要がある。・スプリントトレーニングは、摂取カ

ロリーを減らすことなく体脂肪を減少させることに有効である。ただし、1 食の分量や全体的な食事摂取量に注意するように指導する。無意識のうちに「ご褒美」として食事摂取量が増加すると、トレーニングによって生み出されたエネルギー不足の状態が「相殺」されてしまうからである

(12)。

・最大強度のスプリントは、健康な女性、肥満の女性、過体重の女性、標準体重の女性に対して実施することが可能である。しかし、予備心拍数の 85 ~ 90%の強度で 60 秒間のインターバルを 10 回実施するなどの中強度のプロトコルも、息抜きになると同時に、耐性を向上させるために役立つ(12,26,28)。

・抵抗を利用するスプリントは、ステーショナリーバイクであれ、自走式トレッドミルであれ、ウェイティッドスレッドであれ、抵抗を利用しない様式(地上でのランニングやサイクリング)よりも好ましいと考えられる。除脂肪体重を増加させて、好ましい身体組成を達成する刺激として十分な過負荷を与えられるからである(12)。

・体脂肪を減少させる必要のあるアスリートには、参加競技に特異的な様式でトレーニングを実施させる。競技会における運動強度と運動-休息比を模倣して、プロトコルをデザインするとよい。強度をモニタリングする際は、最大上強度での運動においては、心拍数が運動強度の尺度として有効ではないことに注意する必要がある。適切な努力によって運動させるには、目標ペースを提示するとよいだろう(23)。◆

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Laanna Carrasco:科 学 記 事 の ラ イ タ ー。Unive r s i t y   o f   Cen t r a l Floridaで応用生理学の修士号を取得。

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