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読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:[email protected] TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

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「第3の創業」のフジクラの柱となる、ロビー・ショールームが2007年7月27日に新装オープンしました。ロビー・ショールームはフジクラの歴史歴史と現在現在が一目で分かる“歴史歴史ゾーン“と“製品製品ゾーン“で構成構成されており、未来未来に羽ばたくフジクラをご覧いただけると思います。ご来社来社の節には、ロビ-・ショールームの全貌全貌をぜひご覧ください。

1 2

社長インタビュー

読 者 の み なさまへ

対象範囲

期間

データは2007年4月1日~2008年3月31日の実績を集計しています。 活動については直近のものも含んでいる場合があります。

発行

2008年8月(次回発行は2009年8月予定)

会社概要

商 号 株式会社フジクラ

明治18年(1885年)

明治43年(1910年)

530億円(2008年3月31日現在)

連結6,594億円(2007年度) 

大橋一彦

〒135-8512  東京都江東区木場1-5-1

佐倉、鈴鹿、沼津、石岡

東京、佐倉、シンガポール、タイ

大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、 札幌、富山、高松/沖縄、沼津

アメリカ、イギリス、シンガポール、 マレーシア、タイ、中国、ベトナム、 インド、ロシア

連結49,448名 (2008年3月31日現在)

光ファイバケーブル、光伝送シス テム、通信システム、電子材料、 電力システム、被覆線、マグネット ワイヤ、機器電材、金属材料

創 業

設 立

資本金

売上高

取締役社長

本 社

事業所

研究所

支店/営業所

海外事業所

従 業員

事 業内 容

お問い合わせ先

(株)フジクラ地球環境保護推進室

CSR活動推進チーム

E-mail:[email protected]

TEL:03-5606-1081

FAX:03-5606-1520

特 集

特集 1

特集 2

マネジメント

経営理念とCSRへの取り組み

創業の精神(ことだま)

CSR推進体制

経済性パフォーマンス

2007年度業績

環境パフォーマンス

環境マネジメントシステム

環境管理活動指針

環境監査/環境会計・環境教育

マテリアルバランス

地球温暖化対策

グリーン調達/グリーン購入

廃棄物対策

製品リサイクル

化学物質の管理・削減

環境配慮型製品

社会性パフォーマンス

顧客視点の品質管理

株主・投資家との関わり

調達先との関わり

社員との関わり

安全衛生

社会貢献活動

地域コミュニケーション/表彰

第三者意見

5

7

9

10

11

13

15

17

19

20

21

23

24

25

26

27

31

33

34

35

37

39

41

42

「フジクラCSR報告書2008」(冊子)は、GRIによるサステナビリティ・レポーティングガイドライン(GRIガイドライン)3版および

環境省の「環境報告ガイドライン2007」を参考に、フジクラのCSR 情報開示の概要版としてとりまとめたものです。

フジクラは“つなぐ”テクノロジーを通じ、顧客の価値創造と社会に貢献することをミッションとして全員参加で取り組んでいます。

このミッションそのものがCSRの基本理念ととらえています。

フジクラの商品やサービスがお客様の信頼(Reliability)に応え、社会から尊敬(Respect)される企業となるよう努めていきます。

本報告書発行以降も、フジクラのCSR に関する情報をタイムリーに

WEBサイト(http://www.fujikura.co.jp/csr/index.html)で開示していきます。

今年度の新企画として、光ファイバケーブルおよび光ファイバ融着接続機の特集を記事にしています。

(株)フジクラとグループ会社の一部 国内 西日本電線(株)、米沢電線(株)、第一電子工業(株)、(株)東北フジクラ、(株)

青森ディーディーケイ、藤倉エネシス(株)、(株)フジクラコンポーネンツ、(株)フジク

ララインテック、協栄線材(株)、沼津熔銅(株)、フジクラプレシジョン(株)、シスコ

ム(株)、(株)フジクラ・ダイヤケーブル、藤倉商事(株)、フジクラ開発(株)、(株)

ケーブルネット鈴鹿、(株)フジクラテレコム、(株)スズキ技研、(株)シンシロケーブル、

フジクラ物流(株)、(株)青森フジクラ金矢、富士資材加工(株)、(株)フジデン、プ

レシジョンファイバオプティクス(株)、(株)フジクラ情報システム、(株)フジクラアカ

ウンティングサービス、フジサービス(株)、武蔵金線(株) 28社

海外 Fujikura (Thailand) Ltd.、PCTT Ltd.、LTEC Ltd.、DDK (Thailand) Ltd.、

Yoneden (Thailand) Ltd.、Fujikura Federal Cables Sdn. Bhd.、Fujikura Asia

Ltd.、FIMT Ltd.、Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.、Fujikura Fiber Optics

Vietnam Ltd.、Fujikura Europe Ltd.、Fujikura America, Inc.、United States

Alumoweld Co., Inc、 America Fujikura Ltd.、藤倉香港有限公司、珠海藤倉

電装有限公司、広州米沢電線有限公司、藤倉電子(上海)有限公司、藤倉電子(無

錫)有限公司、第一電子工業(上海)有限公司、江蘇藤倉亨通光電有限公司、

Fujikura Engineering (Thailand) Ltd.、米沢電線(昆山)有限公司 23社

3

「第3の創業」のフジクラの柱となる、ロビー・ショールームが2007年7月27日に新装オープンしました。ロビー・ショールームはフジクラの歴史と現在が一目で分かる“歴史ゾーン“と“製品ゾーン“で構成されており、未来に羽ばたくフジクラをご覧いただけると思います。ご来社の節には、ロビ-・ショールームの全貌をぜひご覧ください。

Con

tent

sC

onte

nts

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「第3の創業」のフジクラの柱となる、ロビー・ショールームが2007年7月27日に新装オープンしました。ロビー・ショールームはフジクラの歴史歴史と現在現在が一目で分かる“歴史歴史ゾーン“と“製品製品ゾーン“で構成構成されており、未来未来に羽ばたくフジクラをご覧いただけると思います。ご来社来社の節には、ロビ-・ショールームの全貌全貌をぜひご覧ください。

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社長インタビュー

読 者 の み なさまへ

対象範囲

期間

データは2007年4月1日~2008年3月31日の実績を集計しています。 活動については直近のものも含んでいる場合があります。

発行

2008年8月(次回発行は2009年8月予定)

会社概要

商 号 株式会社フジクラ

明治18年(1885年)

明治43年(1910年)

530億円(2008年3月31日現在)

連結6,594億円(2007年度) 

大橋一彦

〒135-8512  東京都江東区木場1-5-1

佐倉、鈴鹿、沼津、石岡

東京、佐倉、シンガポール、タイ

大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、 札幌、富山、高松/沖縄、沼津

アメリカ、イギリス、シンガポール、 マレーシア、タイ、中国、ベトナム、 インド、ロシア

連結49,448名 (2008年3月31日現在)

光ファイバケーブル、光伝送シス テム、通信システム、電子材料、 電力システム、被覆線、マグネット ワイヤ、機器電材、金属材料

創 業

設 立

資本金

売上高

取締役社長

本 社

事業所

研究所

支店/営業所

海外事業所

従 業員

事 業内 容

お問い合わせ先

(株)フジクラ地球環境保護推進室

CSR活動推進チーム

E-mail:[email protected]

TEL:03-5606-1081

FAX:03-5606-1520

特 集

特集 1

特集 2

マネジメント

経営理念とCSRへの取り組み

創業の精神(ことだま)

CSR推進体制

経済性パフォーマンス

2007年度業績

環境パフォーマンス

環境マネジメントシステム

環境管理活動指針

環境監査/環境会計・環境教育

マテリアルバランス

地球温暖化対策

グリーン調達/グリーン購入

廃棄物対策

製品リサイクル

化学物質の管理・削減

環境配慮型製品

社会性パフォーマンス

顧客視点の品質管理

株主・投資家との関わり

調達先との関わり

社員との関わり

安全衛生

社会貢献活動

地域コミュニケーション/表彰

第三者意見

5

7

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13

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35

37

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41

42

「フジクラCSR報告書2008」(冊子)は、GRIによるサステナビリティ・レポーティングガイドライン(GRIガイドライン)3版および

環境省の「環境報告ガイドライン2007」を参考に、フジクラのCSR 情報開示の概要版としてとりまとめたものです。

フジクラは“つなぐ”テクノロジーを通じ、顧客の価値創造と社会に貢献することをミッションとして全員参加で取り組んでいます。

このミッションそのものがCSRの基本理念ととらえています。

フジクラの商品やサービスがお客様の信頼(Reliability)に応え、社会から尊敬(Respect)される企業となるよう努めていきます。

本報告書発行以降も、フジクラのCSR に関する情報をタイムリーに

WEBサイト(http://www.fujikura.co.jp/csr/index.html)で開示していきます。

今年度の新企画として、光ファイバケーブルおよび光ファイバ融着接続機の特集を記事にしています。

(株)フジクラとグループ会社の一部 国内 西日本電線(株)、米沢電線(株)、第一電子工業(株)、(株)東北フジクラ、(株)

青森ディーディーケイ、藤倉エネシス(株)、(株)フジクラコンポーネンツ、(株)フジク

ララインテック、協栄線材(株)、沼津熔銅(株)、フジクラプレシジョン(株)、シスコ

ム(株)、(株)フジクラ・ダイヤケーブル、藤倉商事(株)、フジクラ開発(株)、(株)

ケーブルネット鈴鹿、(株)フジクラテレコム、(株)スズキ技研、(株)シンシロケーブル、

フジクラ物流(株)、(株)青森フジクラ金矢、富士資材加工(株)、(株)フジデン、プ

レシジョンファイバオプティクス(株)、(株)フジクラ情報システム、(株)フジクラアカ

ウンティングサービス、フジサービス(株)、武蔵金線(株) 28社

海外 Fujikura (Thailand) Ltd.、PCTT Ltd.、LTEC Ltd.、DDK (Thailand) Ltd.、

Yoneden (Thailand) Ltd.、Fujikura Federal Cables Sdn. Bhd.、Fujikura Asia

Ltd.、FIMT Ltd.、Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.、Fujikura Fiber Optics

Vietnam Ltd.、Fujikura Europe Ltd.、Fujikura America, Inc.、United States

Alumoweld Co., Inc、 America Fujikura Ltd.、藤倉香港有限公司、珠海藤倉

電装有限公司、広州米沢電線有限公司、藤倉電子(上海)有限公司、藤倉電子(無

錫)有限公司、第一電子工業(上海)有限公司、江蘇藤倉亨通光電有限公司、

Fujikura Engineering (Thailand) Ltd.、米沢電線(昆山)有限公司 23社

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「第3の創業」のフジクラの柱となる、ロビー・ショールームが2007年7月27日に新装オープンしました。ロビー・ショールームはフジクラの歴史と現在が一目で分かる“歴史ゾーン“と“製品ゾーン“で構成されており、未来に羽ばたくフジクラをご覧いただけると思います。ご来社の節には、ロビ-・ショールームの全貌をぜひご覧ください。

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社長インタビュー

3 4

取締役社長

社会やお客様を、人と人を、“つなぐ”テクノロジーで、つなぎます

取締役社長 大橋一彦

Q: 近年はグローバル化をはじめ大きな変化が起きています   が、そうした変化への対応についてお聞かせください。

現在、フジクラは情報通信、電子電装、ケーブル・機器関連の

3つのコア事業部門から成り立っています。その歴史は明治

18年(1885年)に始まり、これが「第1の創業」です。

「第2の創業」は、創業60年目となる1945年(昭和20年)です。

主力の深川工場が戦災で全焼し、ゼロから全社員がひとつ

になって再出発しました。戦後の日本経済の高度成長期は、

バブル崩壊と共に終焉し、1990年代から2000年代前半まで

続く長期不況「失われた10年」と2000年のITバブルの崩壊

により、日本国内のインフラ中心の事業のマーケット環境は

激変しました。これに伴い、もう一度当社の事業形態も大きく

変わり、120周年を迎えた2005年に、「ゼロからの再出発」と

いう強い意志を宣言するため、「第3の創業」と位置づけま

した。2008年は「第3の創業」の4年目に当たります。2005年

10月に「第3の創業」の新しい経営理念『ミッション・ビジョン・

基本的価値(MVCV)』を制定し、浸透活動をスタートさせて

以来、「それでお客様は満足ですか」のスローガンの下で、

当社はフジクラグループの社員一人ひとりに、気づきと変革を

中心とした啓蒙活動を行ってまいりました。

Q: 創業以来、変わらないことは何でしょうか。 フジクラの120年余りの歴史は、藤倉善八が絹巻線、綿巻線

の製造を開始したことに端を発します。藤倉善八は鋭いビ

ジネス感覚と起業家精神に富んでいる一方、弟の留吉は全国

的販売網づくり、数々の新製品の市場投入等、大胆な経営

戦略を実践しました。こうして“技術の研鑽”を経営理念とし、

需要家から“技術の藤倉”と呼ばれる絶対的信頼を確立しま

した。フジクラの、徹底して「技術と品質」を追求する姿勢は、

120年以上を経た現在に受け継がれ、どんなに時代が変わろ

うとも一貫して変わることはありません。

Q: 「技術と品質」を支えている一つが、   ムダどりですね。

フジクラが重視しているのは、ものづくり

であり、現場力です。製造現場を中心に

20数年来、徹底したムダどりを目指した

FPS(フジクラ・プロダクション・システム)

活動を、2006年度からはステップ・アップ

させ、新たにG-FPS(グローバル・フジクラ・

プロダクション・システム)活動として開始

しています。G-FPS活動は“ものづくり

体質”の強化ならびに“聖域なきムダどり”

を、フジクラグループ国内だけでなく海外

を含め、また、間接部門も対象としたあら

ゆる職域で行っています。

2008年度はMVCVの基本的価値の"共創

(Collaboration)"「お互いに協力し合っ

ていますか」、"変革(Change)"「進歩

への意欲を持って取り組んでいますか」のスローガンの下、

全員参加の「ムダどり活動」をフジクラグループ全体で推進し

ています。

Q: 地球環境とのつながり、中でも緊急の課題とされる   地球温暖化対策の進行状況はどうでしょうか。

環境とのつながりにおいて、フジクラは地球温暖化対策、廃

棄物削減、製品リサイクル、化学物質の管理・削減、環境に

配慮した物流、環境配慮型製品に取り組んでいます。

地球温暖化対策については二酸化炭素の排出量の低減に

努めており、2007年は連結会社を含むフジクラグループ全体の

二酸化炭素排出量の実態の把握を行いました。2008年は、二

酸化炭素の排出量を削減するための、具体的な取り組みを

展開します。

また、化学物質の管理・削減については、今後さらなる製品の

非鉛化やエコ化、代替材料への転換を進めていきます。

Q: 社員の方々にとって働きやすい職場環境づくりについて  は、どうお考えでしょうか。

人材こそ、フジクラにとって最大の経営資源であると考えてい

ます。そのために、“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値

創造と社会に貢献すると共に、働く仲間が楽しく、生き甲斐を

感じ、そして誇りを持てることを目指しています。

海外においては、特にタイ国内では3万人のタイ人従業員を

雇用しており、「怪我をしない、させない」職場づくりなど、安

全面に注力しています。

Q: 社会貢献は、どのようなことをされていますか。 フジクラの社会貢献の一例として、80年以上も前から障がい

者施設「藤倉学園」に取り組んできました。2007年6月には

本館並びに自立訓練棟を再建し、これを寄贈しました。また、

前述のタイ国や中国においては、各小学校への寄付を通じ

て地域の教育環境の改善に貢献しています。

このように藤倉善八、留吉らの経営理念、社会貢献への精

神は、グローバル企業に成長したフジクラのDNAとして今な

お受け継がれています。

Q: CSRと経営、両者のバランスを どのようにとっていこうとお考えでしょうか。

フジクラが経営理念(MVCV)を事業活動の中で実践し、社

会とお客様に価値を提供し、健全に成長し続けること、それ

が私達のCSRであると考えます。

会社を経営理念(MVCV)の下で、健全に持続的に成長さ

せるためには、“つなぐ”テクノロジーで強いフジクラにする

必要があります。そこで2007年6月に新中期経営方針では、

「顧客価値創造型事業を展開し、"お客様に商品ではなく価

値を提供する"」を掲げ、2010年度を目標年度とする中期経

営計画を発表しました。

2008年度においてはこの経営方針に則り継続的に意識改革を

続けるという信念のもと"聖域なきムダどり"によりスリムで筋肉

質の体質づくりを進めていきます。

Q: 今後の事業計画や展望について、お聞かせください。 新中期経営計画の2010年目標に向けて、次のような事業展

開を考えています。

第一に、情報通信事業においては、北米・アジア等海外での

FTTx伸展に合わせ事業を拡大し、非通信分野での事業

開拓も進めます。

第二に、電子電装事業部門では、ワンストップソリューション

提供による差別化・競争力強化により収益率を高め、継続

拡大を行います。

第三に、ケーブル・機器事業部門については、さらなる採算

改善を進め、海外マーケットでの拡販を行います。

一方、2007年度に続いて2008年度も、事業環境は大変厳し

いものになると思われますが、私たちは、3つのコア事業部門

の事業計画を踏まえ、全社2010年度目標達成に向け持続的

成長を目指します。事業発展の原動力となる研究開発において

は、光/無線と電子の融合技術領域を拡大し、環境にやさ

しい色素増感太陽電池やイットリウム系酸化物超電導線材

などの研究開発を進めています。タイ国には、2008年4月に

新しい研究開発センター(Fujikura R&D Center Thailand)

を、国立研究機関が集まるタイ・サイエンスパーク内に設立しま

した。昨年設立した米国AFL社のR&Dセンターと共に、良い

シナジーを出せるように、引き続き人材育成と研究の拡充

強化を行っていきます。

Q: 締めくくりとして、ステークホルダーの方々への メッセージをお願いします。

フジクラの“つなぐ”テクノロジーで、社会やお客様に価値を

創造する顧客価値創造企業として、豊かな未来づくりに寄

与していく。こうしたフジクラの社会貢献や事業活動にご理

解いただくために、コミュニケーションや広報活動を、より強化

していきたいと考えています。今後とも、皆様のご理解、ご鞭

撻をよろしくお願い申し上げます。

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社長インタビュー

3 4

取締役社長

社会やお客様を、人と人を、“つなぐ”テクノロジーで、つなぎます

取締役社長 大橋一彦

Q: 近年はグローバル化をはじめ大きな変化が起きています   が、そうした変化への対応についてお聞かせください。

現在、フジクラは情報通信、電子電装、ケーブル・機器関連の

3つのコア事業部門から成り立っています。その歴史は明治

18年(1885年)に始まり、これが「第1の創業」です。

「第2の創業」は、創業60年目となる1945年(昭和20年)です。

主力の深川工場が戦災で全焼し、ゼロから全社員がひとつ

になって再出発しました。戦後の日本経済の高度成長期は、

バブル崩壊と共に終焉し、1990年代から2000年代前半まで

続く長期不況「失われた10年」と2000年のITバブルの崩壊

により、日本国内のインフラ中心の事業のマーケット環境は

激変しました。これに伴い、もう一度当社の事業形態も大きく

変わり、120周年を迎えた2005年に、「ゼロからの再出発」と

いう強い意志を宣言するため、「第3の創業」と位置づけま

した。2008年は「第3の創業」の4年目に当たります。2005年

10月に「第3の創業」の新しい経営理念『ミッション・ビジョン・

基本的価値(MVCV)』を制定し、浸透活動をスタートさせて

以来、「それでお客様は満足ですか」のスローガンの下で、

当社はフジクラグループの社員一人ひとりに、気づきと変革を

中心とした啓蒙活動を行ってまいりました。

Q: 創業以来、変わらないことは何でしょうか。 フジクラの120年余りの歴史は、藤倉善八が絹巻線、綿巻線

の製造を開始したことに端を発します。藤倉善八は鋭いビ

ジネス感覚と起業家精神に富んでいる一方、弟の留吉は全国

的販売網づくり、数々の新製品の市場投入等、大胆な経営

戦略を実践しました。こうして“技術の研鑽”を経営理念とし、

需要家から“技術の藤倉”と呼ばれる絶対的信頼を確立しま

した。フジクラの、徹底して「技術と品質」を追求する姿勢は、

120年以上を経た現在に受け継がれ、どんなに時代が変わろ

うとも一貫して変わることはありません。

Q: 「技術と品質」を支えている一つが、   ムダどりですね。

フジクラが重視しているのは、ものづくり

であり、現場力です。製造現場を中心に

20数年来、徹底したムダどりを目指した

FPS(フジクラ・プロダクション・システム)

活動を、2006年度からはステップ・アップ

させ、新たにG-FPS(グローバル・フジクラ・

プロダクション・システム)活動として開始

しています。G-FPS活動は“ものづくり

体質”の強化ならびに“聖域なきムダどり”

を、フジクラグループ国内だけでなく海外

を含め、また、間接部門も対象としたあら

ゆる職域で行っています。

2008年度はMVCVの基本的価値の"共創

(Collaboration)"「お互いに協力し合っ

ていますか」、"変革(Change)"「進歩

への意欲を持って取り組んでいますか」のスローガンの下、

全員参加の「ムダどり活動」をフジクラグループ全体で推進し

ています。

Q: 地球環境とのつながり、中でも緊急の課題とされる   地球温暖化対策の進行状況はどうでしょうか。

環境とのつながりにおいて、フジクラは地球温暖化対策、廃

棄物削減、製品リサイクル、化学物質の管理・削減、環境に

配慮した物流、環境配慮型製品に取り組んでいます。

地球温暖化対策については二酸化炭素の排出量の低減に

努めており、2007年は連結会社を含むフジクラグループ全体の

二酸化炭素排出量の実態の把握を行いました。2008年は、二

酸化炭素の排出量を削減するための、具体的な取り組みを

展開します。

また、化学物質の管理・削減については、今後さらなる製品の

非鉛化やエコ化、代替材料への転換を進めていきます。

Q: 社員の方々にとって働きやすい職場環境づくりについて  は、どうお考えでしょうか。

人材こそ、フジクラにとって最大の経営資源であると考えてい

ます。そのために、“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値

創造と社会に貢献すると共に、働く仲間が楽しく、生き甲斐を

感じ、そして誇りを持てることを目指しています。

海外においては、特にタイ国内では3万人のタイ人従業員を

雇用しており、「怪我をしない、させない」職場づくりなど、安

全面に注力しています。

Q: 社会貢献は、どのようなことをされていますか。 フジクラの社会貢献の一例として、80年以上も前から障がい

者施設「藤倉学園」に取り組んできました。2007年6月には

本館並びに自立訓練棟を再建し、これを寄贈しました。また、

前述のタイ国や中国においては、各小学校への寄付を通じ

て地域の教育環境の改善に貢献しています。

このように藤倉善八、留吉らの経営理念、社会貢献への精

神は、グローバル企業に成長したフジクラのDNAとして今な

お受け継がれています。

Q: CSRと経営、両者のバランスを どのようにとっていこうとお考えでしょうか。

フジクラが経営理念(MVCV)を事業活動の中で実践し、社

会とお客様に価値を提供し、健全に成長し続けること、それ

が私達のCSRであると考えます。

会社を経営理念(MVCV)の下で、健全に持続的に成長さ

せるためには、“つなぐ”テクノロジーで強いフジクラにする

必要があります。そこで2007年6月に新中期経営方針では、

「顧客価値創造型事業を展開し、"お客様に商品ではなく価

値を提供する"」を掲げ、2010年度を目標年度とする中期経

営計画を発表しました。

2008年度においてはこの経営方針に則り継続的に意識改革を

続けるという信念のもと"聖域なきムダどり"によりスリムで筋肉

質の体質づくりを進めていきます。

Q: 今後の事業計画や展望について、お聞かせください。 新中期経営計画の2010年目標に向けて、次のような事業展

開を考えています。

第一に、情報通信事業においては、北米・アジア等海外での

FTTx伸展に合わせ事業を拡大し、非通信分野での事業

開拓も進めます。

第二に、電子電装事業部門では、ワンストップソリューション

提供による差別化・競争力強化により収益率を高め、継続

拡大を行います。

第三に、ケーブル・機器事業部門については、さらなる採算

改善を進め、海外マーケットでの拡販を行います。

一方、2007年度に続いて2008年度も、事業環境は大変厳し

いものになると思われますが、私たちは、3つのコア事業部門

の事業計画を踏まえ、全社2010年度目標達成に向け持続的

成長を目指します。事業発展の原動力となる研究開発において

は、光/無線と電子の融合技術領域を拡大し、環境にやさ

しい色素増感太陽電池やイットリウム系酸化物超電導線材

などの研究開発を進めています。タイ国には、2008年4月に

新しい研究開発センター(Fujikura R&D Center Thailand)

を、国立研究機関が集まるタイ・サイエンスパーク内に設立しま

した。昨年設立した米国AFL社のR&Dセンターと共に、良い

シナジーを出せるように、引き続き人材育成と研究の拡充

強化を行っていきます。

Q: 締めくくりとして、ステークホルダーの方々への メッセージをお願いします。

フジクラの“つなぐ”テクノロジーで、社会やお客様に価値を

創造する顧客価値創造企業として、豊かな未来づくりに寄

与していく。こうしたフジクラの社会貢献や事業活動にご理

解いただくために、コミュニケーションや広報活動を、より強化

していきたいと考えています。今後とも、皆様のご理解、ご鞭

撻をよろしくお願い申し上げます。

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もう、ライバルには負けない。

フジクラの光ファイバの取り組みは、1970年に始まります。

当時、光ファイバの実用化への鍵は、米国コーニング社とベル

研究所が握っており、1970年代半ばになると光ファイバの

実用化への道が一気に現実味を帯びてきました。

フジクラも研究員を一気に増員、通信事業部の研究開発費

を集中するなどの大胆なシフトが行われました。そして、その

研究体制と成果が認められ、日本電信電話公社(現NTT)

との共同研究に、住友電工と古河電工とともに参加すること

になりました。当時、本業である電線のNTTにおけるフジクラ

のシェアは第3位。企業規模の差というハンデがあるにしろ、

フジクラには秘めたる想いがありました。

ライバルには絶対、負けない!そして、大きな変化をチャンスと

とらえ、技術力で変化の時代を勝ち残る……。この闘争心が、

研究開発チームの何よりのモチベーションとなりました。

5 6

神様からの贈り物とも称された“極低損失光ファイバ”。 神様からの贈り物とも称された“極低損失光ファイバ”。 世界中をITという、大きな潮流が押し寄せています。

その起爆剤となったのが「光ファイバ」で、情報の大容量伝送を可能にする光ファイバケーブルの技術進化に、

フジクラは少なからず貢献してきました。その歩みは、常に挑戦と創造の連続でしたが、

「神様からの贈り物」とまで讚えられるほど高い評価を受けました。

「変化はチャンス」 Phase.1 「背水の陣」 Phase.2

MCVD法による母材作製

VAD法によるスートプリフォーム作製

フォトニックバンドギャップファイバ

「フジクラ・ラッシュ」 Phase.3 「主導的立場」 Phase.4

実用化計画において、リード役となる。

1976年10月の横須賀通研における第一次所内総合実験を

皮切りに、1978年3月には東京で中距離用GI(グレーディッド

インデックス)型光ファイバケーブル第一次現場試験(FR-1)

が行われました。1980年1月の第二次現場試験(川崎20km)、

1980年12月の最終段階としての商用試験を経て、遂には

1982年11月、フジクラ方式によるGI型光ファイバケーブル

(マルチモード・中容量伝送方式)は、本格採用となりました。

一方、長距離・大容量伝送のためのSM(シングルモード)型

光ファイバの現場試験も、GI型を追う形で1980年10月に行わ

れました。SM型の場合、特に接続に高度な技術を必要とする

ため、フジクラは自動調心融着接続装置、コア直視型接続

装置の開発など、この領域でも独走態勢を整え、世界シェア

No.1の座を獲得しました。

Electronics Lettersに 掲載された論文

「フジクライズム」 Phase.5

厳しい企業間競争を、見事に勝ち抜く。

1975年に共同研究がスタートして10年。実質的に完全競争

であった研究は、ほぼフジクラの勝利で一応の区切りがつきま

した。しかも、世界の競合相手にも一歩も引けをとらない「フジ

クラ流デファクトスタンダード(事実上の標準)」創造のプロセ

スの証明にもなりました。フジクラの勝利の要因、それは「創造

的に仕事をしよう!挑戦的に仕事をしよう!そして決してあきらめ

ない!」このフジクライズムを徹底的に貫いた結果でもあります。

フジクラは、今や世界シェアNo.1となっている「融着接続機」

をはじめ「光伝送用コンポーネント」「光伝送機器」および「光

測定器」、さらには光通信のトータルシステムの構築でも、先

進的な役割を果たしています。

最先端の技術領域でも、例えば水酸基ゼロのファイバの実用

化、「分散マネジメントファイバ」「パンダファイバ等機能性ファ

イバ」「フォトニックバンドギャップファイバ」の開発など、フジクラ

は“光”の可能性をさらに広げる技術実績で、光通信の世界を

リードし続けています。

競争なら、技術力で勝負できる。

日本電信電話公社との共同研究は、月1回、研究成果の発表が

行われ、しかも、その都度、研究成果の勝敗が決まるという、実質

的には技術開発競争でした。まず、研究テーマとなったのは、

「極低損失化へのアプローチ」です。研究陣は寝食を忘れるほど、

日々実験に没頭しました。当時、最も進んでいたベル研の方法

(MCVD法=内付け化学的気相堆積法)で仮説と検証を重ね、

程なく波長0.85μmで損失1.5dB/kmのファイバを完成。この

ファイバの分析結果には、それまでのファイバとは違った一つの

特徴が見られました。

当時の石英ガラス光ファイバの波長と損失の関係を示すグラフ

によると、光ファイバ中の水分(水酸基)による損失の大きな山

がありました。ところが、フジクラは製造工程で水を抜く技術を

開発し、水分による損失が極めて少ない光ファイバの開発に

成功しました。この光ファイバの特性の重要性に気づいた日本

電信電話公社茨城通研は、未解明の長波長側に低損失領域

があることを発見しました。

この画期的成果を、茨城通研とフジクラは共同で英国電気学会

誌「エレクトロニクスレターズ」に投稿しました。同誌の1976年

6月10日号に掲載された「水酸基の少ない光ファイバの波長

損失特性」と題したこの論文は、光通信関係で“世界で最も引用

される論文の一つ”となり、

英国電気学会(IEE)の年間

最優秀論文賞のほか、国内

では電気通信学会の業績

賞(1976年)、科学技術庁

の研究功績者表彰(1978年)

などの栄誉に輝きました。

世界中の研究者が、フジクラにやって来た。

フジクラの研究成果に世界が注目し、ベル研をはじめ世界中の

研究者がフジクラを訪れるようになりました。あの天下のベル研

でさえ「神様からの贈り物」と讚え、その奇跡的成果に脱帽。こ

のフジクラ詣の、フジクラ・ラッシュにより、労せずして世界中の最

先端情報が集まるようになり、そして、さらなる追い風が吹き始め

ました。まずは、「シリコーン緩衝層付き光ファイバ」の開発で、実

用化への弾みがつきました。これは日本電信電話公社の標準

仕様になると共に、国際的にも広く使用されるようになりました。

続いて低損失光ファイバの理論的裏付けを、「損失要因の解明

についての論文」として発表(1976年12月)。ロスを減らすのは、

「ファイバの製造方法」でも決まることを証明し、損失要因を分

かりやすく知る方法を発表。この論文はその後の光ファイバの

低損失化に、多大な貢献を果たすことになります。

こうしてフジクラの世界的成果は、日本電信電話公社との共同

研究にも弾みをつけることになります。コーニング社の外付法(OVD

法)とベル研の内付法(MCVD法)から脱却しようという機運が

高まり、1977年3月、日本独自のVAD法(気相軸付法)の開発

に成功。このVAD法の最大のブレークスルーポイントは「水抜き」

でした。フジクラは、ほぼ完全に脱水する方法を開発し、実際にほ

とんど水酸基を含まない光ファイバを1980年に第6回欧州光

通信国際学会で発表したのです。

特集1特集1

Page 7: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

もう、ライバルには負けない。

フジクラの光ファイバの取り組みは、1970年に始まります。

当時、光ファイバの実用化への鍵は、米国コーニング社とベル

研究所が握っており、1970年代半ばになると光ファイバの

実用化への道が一気に現実味を帯びてきました。

フジクラも研究員を一気に増員、通信事業部の研究開発費

を集中するなどの大胆なシフトが行われました。そして、その

研究体制と成果が認められ、日本電信電話公社(現NTT)

との共同研究に、住友電工と古河電工とともに参加すること

になりました。当時、本業である電線のNTTにおけるフジクラ

のシェアは第3位。企業規模の差というハンデがあるにしろ、

フジクラには秘めたる想いがありました。

ライバルには絶対、負けない!そして、大きな変化をチャンスと

とらえ、技術力で変化の時代を勝ち残る……。この闘争心が、

研究開発チームの何よりのモチベーションとなりました。

5 6

神様からの贈り物とも称された“極低損失光ファイバ”。 神様からの贈り物とも称された“極低損失光ファイバ”。 世界中をITという、大きな潮流が押し寄せています。

その起爆剤となったのが「光ファイバ」で、情報の大容量伝送を可能にする光ファイバケーブルの技術進化に、

フジクラは少なからず貢献してきました。その歩みは、常に挑戦と創造の連続でしたが、

「神様からの贈り物」とまで讚えられるほど高い評価を受けました。

「変化はチャンス」 Phase.1 「背水の陣」 Phase.2

MCVD法による母材作製

VAD法によるスートプリフォーム作製

フォトニックバンドギャップファイバ

「フジクラ・ラッシュ」 Phase.3 「主導的立場」 Phase.4

実用化計画において、リード役となる。

1976年10月の横須賀通研における第一次所内総合実験を

皮切りに、1978年3月には東京で中距離用GI(グレーディッド

インデックス)型光ファイバケーブル第一次現場試験(FR-1)

が行われました。1980年1月の第二次現場試験(川崎20km)、

1980年12月の最終段階としての商用試験を経て、遂には

1982年11月、フジクラ方式によるGI型光ファイバケーブル

(マルチモード・中容量伝送方式)は、本格採用となりました。

一方、長距離・大容量伝送のためのSM(シングルモード)型

光ファイバの現場試験も、GI型を追う形で1980年10月に行わ

れました。SM型の場合、特に接続に高度な技術を必要とする

ため、フジクラは自動調心融着接続装置、コア直視型接続

装置の開発など、この領域でも独走態勢を整え、世界シェア

No.1の座を獲得しました。

Electronics Lettersに 掲載された論文

「フジクライズム」 Phase.5

厳しい企業間競争を、見事に勝ち抜く。

1975年に共同研究がスタートして10年。実質的に完全競争

であった研究は、ほぼフジクラの勝利で一応の区切りがつきま

した。しかも、世界の競合相手にも一歩も引けをとらない「フジ

クラ流デファクトスタンダード(事実上の標準)」創造のプロセ

スの証明にもなりました。フジクラの勝利の要因、それは「創造

的に仕事をしよう!挑戦的に仕事をしよう!そして決してあきらめ

ない!」このフジクライズムを徹底的に貫いた結果でもあります。

フジクラは、今や世界シェアNo.1となっている「融着接続機」

をはじめ「光伝送用コンポーネント」「光伝送機器」および「光

測定器」、さらには光通信のトータルシステムの構築でも、先

進的な役割を果たしています。

最先端の技術領域でも、例えば水酸基ゼロのファイバの実用

化、「分散マネジメントファイバ」「パンダファイバ等機能性ファ

イバ」「フォトニックバンドギャップファイバ」の開発など、フジクラ

は“光”の可能性をさらに広げる技術実績で、光通信の世界を

リードし続けています。

競争なら、技術力で勝負できる。

日本電信電話公社との共同研究は、月1回、研究成果の発表が

行われ、しかも、その都度、研究成果の勝敗が決まるという、実質

的には技術開発競争でした。まず、研究テーマとなったのは、

「極低損失化へのアプローチ」です。研究陣は寝食を忘れるほど、

日々実験に没頭しました。当時、最も進んでいたベル研の方法

(MCVD法=内付け化学的気相堆積法)で仮説と検証を重ね、

程なく波長0.85μmで損失1.5dB/kmのファイバを完成。この

ファイバの分析結果には、それまでのファイバとは違った一つの

特徴が見られました。

当時の石英ガラス光ファイバの波長と損失の関係を示すグラフ

によると、光ファイバ中の水分(水酸基)による損失の大きな山

がありました。ところが、フジクラは製造工程で水を抜く技術を

開発し、水分による損失が極めて少ない光ファイバの開発に

成功しました。この光ファイバの特性の重要性に気づいた日本

電信電話公社茨城通研は、未解明の長波長側に低損失領域

があることを発見しました。

この画期的成果を、茨城通研とフジクラは共同で英国電気学会

誌「エレクトロニクスレターズ」に投稿しました。同誌の1976年

6月10日号に掲載された「水酸基の少ない光ファイバの波長

損失特性」と題したこの論文は、光通信関係で“世界で最も引用

される論文の一つ”となり、

英国電気学会(IEE)の年間

最優秀論文賞のほか、国内

では電気通信学会の業績

賞(1976年)、科学技術庁

の研究功績者表彰(1978年)

などの栄誉に輝きました。

世界中の研究者が、フジクラにやって来た。

フジクラの研究成果に世界が注目し、ベル研をはじめ世界中の

研究者がフジクラを訪れるようになりました。あの天下のベル研

でさえ「神様からの贈り物」と讚え、その奇跡的成果に脱帽。こ

のフジクラ詣の、フジクラ・ラッシュにより、労せずして世界中の最

先端情報が集まるようになり、そして、さらなる追い風が吹き始め

ました。まずは、「シリコーン緩衝層付き光ファイバ」の開発で、実

用化への弾みがつきました。これは日本電信電話公社の標準

仕様になると共に、国際的にも広く使用されるようになりました。

続いて低損失光ファイバの理論的裏付けを、「損失要因の解明

についての論文」として発表(1976年12月)。ロスを減らすのは、

「ファイバの製造方法」でも決まることを証明し、損失要因を分

かりやすく知る方法を発表。この論文はその後の光ファイバの

低損失化に、多大な貢献を果たすことになります。

こうしてフジクラの世界的成果は、日本電信電話公社との共同

研究にも弾みをつけることになります。コーニング社の外付法(OVD

法)とベル研の内付法(MCVD法)から脱却しようという機運が

高まり、1977年3月、日本独自のVAD法(気相軸付法)の開発

に成功。このVAD法の最大のブレークスルーポイントは「水抜き」

でした。フジクラは、ほぼ完全に脱水する方法を開発し、実際にほ

とんど水酸基を含まない光ファイバを1980年に第6回欧州光

通信国際学会で発表したのです。

特集1特集1

Page 8: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

特集2特集2

研究開発の第一歩は、静かにスタートした。

現在、フジクラの融着機事業は、世界60ヵ国に戦略パートナー

としての代理店を擁し、きめ細かな販売&アフターサービス網を

確立しています。また、他社の追随を許さない研究開発体制、

コストパフォーマンスを極める製造ライン、そして営業体制を常

に進化させ、トップメーカーとしての地位を維持しています。今

や名実ともに世界標準として、圧倒的な強みを発揮している融

着機事業ですが、その開発プロジェクトは苦難の連続でした。

そもそも光ファイバには最大の問題がありました。それは光ファ

イバ同士の接続の難しさです。しかし、フジクラはこの難題に

ビジネスチャンスを見い出します。

当初の研究陣は、わずか3名。スタートした1976年当時、光フ

ァイバの開発自体もまだ試行錯誤の最中で、不安定な構造

および強度不足に加え、伝送損失を測る解析手段もありませ

んでした。泥臭い実験の連続。先が見えない不安……。八方

塞がりの状況の中で、なんとか光明が見え始めたのは翌77年、

光ファイバ自体の構造が安定し、強度が格段に高まったからです。

7 8

シェア50%超、世界No.1に至る「光ファイバ融着接続機」の道のり。 シェア50%超、世界No.1に至る「光ファイバ融着接続機」の道のり。 光ファイバをはじめ光関連機器の分野でも、フジクラはトップクラスの実績を誇っています。

中でも、光ファイバの接続に不可欠な「光ファイバ融着接続機」は、

光ファイバの研究開発とほぼ同時期にスタート。前例のない機器をゼロから開発する試みは

数々の試練や苦難を伴いましたが、シェア50%超、世界No.1という大きな成果をもたらしました。

「先見の明」 Phase.1

コア直視型光ファイバ融着接続機「FSM-20」

12心一括融着機

「世界へ営業」 Phase.3

客先の半信半疑の反応は、一転、賞賛となる。

「FSM-20」の完成でビジネス面での成功を確信した開発陣は、

自らデモ機を抱えて世界へ売り込みの旅に出ました。意気揚々

と客先にアプローチするも、「コアが直視できる?そんなわけがな

いだろ!」など、取り合ってはくれません。最初の1年間は、またも

や苦戦続きでした。ただ、とりあえずは、どの客先も試しに導入し

てくれました。実際に使ってみて、その機能特性に驚き、その驚き

が賞賛へと変わったのです。米国ではベル研が大量に購入、

この実績が評判を呼んで一気にビジネスに火がつきました。

特に米国では「PAS(Profile Alignment System)というネー

ミングまでもらい、フジクラの光ファイバ融着接続機は、世界市場

へと広がっていきました。

「開発のドラマ」 Phase.2

奇跡的な発見と極秘開発を経て、名機が誕生する。

開発の主流だった「融着法」では、非常に精密な制御が必要とさ

れます。当初、カムやリンクによるメカニカルな方法で、チャレン

ジしたものの頓挫。そこで、ほとんどの制御を電気で行うという、

発想の大転換を図りました。結果的にこれが功を奏し、思いのほ

か開発は順調に進みました。さらに、機械制御チームと電気制御

チームの連携により、非常に優れた機械が誕生しました。

この機械は1979年、ワシントンで開催されたシンポジウムの、併

設展示会に出品されました。展示場の片隅の、ほんの小さなス

ペースという、あまり良くない条件であったにもかかわらず、黒山の

人だかりで大きな脚光を浴びました。ただ、この時期はまだ需要

が少なくビジネスには至りませんでしたが、世界デビューにして、デ

ファクトスタンダードへの先鞭をつけ、後のフジクラの快進撃につ

ながるエポックとなりました。

初期の光ファイバ融着接続機はマルチモード光ファイバ用で、コ

ア径も太く(50μ)、比較的繋ぎやすいシングルモード用L光ファ

イバ(コア径10μ以下)に移行したのは、1980年からです。ここ

から、本当の意味での悪戦苦闘が始まりました。一番の課題は、

コア部の接続をクリアすること。当初は、「位相差顕微鏡」や「偏

光顕微鏡」を使うことを試みましたが、いずれも装置が大掛かり

で敷設現場で使う光ファイバ融着接続機に導入するには難が

あり、大きな壁にぶつかります。

そんな折、当時の日本電信電話公社の研究所から、「普通の

顕微鏡を使っているが、光ファイバのコアのようなものが見える。

ちょっと調べてほしい」という依頼が舞い込みます。最初は「見え

ない」「確かに見える」「いや見えない」……、そんなやりとりが

続きました。これはいわば天体観測のようなもので、微かなものは

最初なかなか見えませんが、一度実体を捕えると、よく見えてきま

す。顕微鏡のピントを少しずらしてみると、確かにコア部と思わ

れる影がおぼろげながら見えてきました。そこで解析してみると、

まさしくコアだったのです。普通のコンパクトな顕微鏡なら光

ファイバ融着接続機にも組み込めるということで、研究室は興奮

に包まれました。

早速、この方式で試作機をつくり、海洋通信研究室で試しても

らったところ、「これは使える!」ということになりました。この大発

見こそ、今日、フジクラが世界シェアNo.1となるきっかけであり、

最大のブレークスルーポイントとなったのです。しかし、課題も

少なくありません。そこで、極秘裏に開発が進められ、約1年間、

専任の研究者が実験室にこもり、ただひたすら改良とアルゴ

リズム開発に明け暮れました。そして、1985年2月、コア直視型

光ファイバ融着接続機機「FSM-20」として実用化に成功した

のです。

「デファクトスタンダード」 Phase.4

米国を皮切りに欧州、アジア市場を席巻する。

「FSM-20」は世界の名機として認められ、量産化体制へ。その

後も技術進化、モデルチェンジを繰り返し、後継機5種が開発

され、国際的に通用するデザイン性にも磨きがかかりました。

また、気候条件による気圧の変化に対しても、圧力センサを

組み込むことで自動調整する特殊機能も付加しました。さらに

はコストパフォーマンスを極める量産化ラインも改善し続け、

文字通り、デファクトスタンダードと言えるほどの完成度を高め

ていきました。フジクラが圧倒的なシェアを獲得するきっかけに

なったのは、小型の12心一括融着機の開発です。特にこれは

米国の各電話会社で高く評価され、米国市場での大半の契約

を獲得するに至ったのです。

「今も進化するフジクラの技術」 Phase.5

世界最小・最軽量の光ファイバ融着接続機の 開発に成功。

フジクラでは、お客様に満足していただけるよう「今、必要な光ファ

イバ融着接続機」の研究・開発を続けています。

2005年には、世界最小・最軽量の光ファイバ融着接続機で

あるスプライスメイトの開発に成功しました。

これは、光ファイバによるブロードバンドサービスが一般加入者ま

で普及する中で、施工の簡略化・低コスト化のニーズに応えた

ものです。「本当に小さく、軽い」と驚きの声と共に高性能な光

ファイバ融着接続機として好評をいただいております。

現在、光ファイバの用途は、急激な多様化が進んでいます。

光ファイバがある限り、融着接続は決してなくならない技術で

もあります。思えば、フジクラの光ファイバ融着接続機がなけ

れば、今の光の世界はなかったかもしれません。それほどまで、

フジクラの果たした役割は大きいのです。

光ファイバ融着接続機の商品開発には、今なお受け継がれる

3つのスローガンがあります。

1.狙うは世界一!(誰にも負けない商品を開発してこそ明日が

ある。)

2.こだわりを貫け!(自分のこだわりを捨てるな。)

3.トラブルを恐れるな!(新しいことにチャレンジしろ。)

長年、世界シェアNo.1の座を維持するのは、並大抵のことで

はありません。それを成し遂げ続けられるのは、3つのスローガン

がしっかりと浸透している証でもあります。フジクラの「光ファ

イバ融着接続機」ビジネスは、まだまだ可能性を秘めており、

今後も世界中で大きな飛躍を目指しています。

スプライスメイト(FSM-11R)

Page 9: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

特集2特集2

研究開発の第一歩は、静かにスタートした。

現在、フジクラの融着機事業は、世界60ヵ国に戦略パートナー

としての代理店を擁し、きめ細かな販売&アフターサービス網を

確立しています。また、他社の追随を許さない研究開発体制、

コストパフォーマンスを極める製造ライン、そして営業体制を常

に進化させ、トップメーカーとしての地位を維持しています。今

や名実ともに世界標準として、圧倒的な強みを発揮している融

着機事業ですが、その開発プロジェクトは苦難の連続でした。

そもそも光ファイバには最大の問題がありました。それは光ファ

イバ同士の接続の難しさです。しかし、フジクラはこの難題に

ビジネスチャンスを見い出します。

当初の研究陣は、わずか3名。スタートした1976年当時、光フ

ァイバの開発自体もまだ試行錯誤の最中で、不安定な構造

および強度不足に加え、伝送損失を測る解析手段もありませ

んでした。泥臭い実験の連続。先が見えない不安……。八方

塞がりの状況の中で、なんとか光明が見え始めたのは翌77年、

光ファイバ自体の構造が安定し、強度が格段に高まったからです。

7 8

シェア50%超、世界No.1に至る「光ファイバ融着接続機」の道のり。 シェア50%超、世界No.1に至る「光ファイバ融着接続機」の道のり。 光ファイバをはじめ光関連機器の分野でも、フジクラはトップクラスの実績を誇っています。

中でも、光ファイバの接続に不可欠な「光ファイバ融着接続機」は、

光ファイバの研究開発とほぼ同時期にスタート。前例のない機器をゼロから開発する試みは

数々の試練や苦難を伴いましたが、シェア50%超、世界No.1という大きな成果をもたらしました。

「先見の明」 Phase.1

コア直視型光ファイバ融着接続機「FSM-20」

12心一括融着機

「世界へ営業」 Phase.3

客先の半信半疑の反応は、一転、賞賛となる。

「FSM-20」の完成でビジネス面での成功を確信した開発陣は、

自らデモ機を抱えて世界へ売り込みの旅に出ました。意気揚々

と客先にアプローチするも、「コアが直視できる?そんなわけがな

いだろ!」など、取り合ってはくれません。最初の1年間は、またも

や苦戦続きでした。ただ、とりあえずは、どの客先も試しに導入し

てくれました。実際に使ってみて、その機能特性に驚き、その驚き

が賞賛へと変わったのです。米国ではベル研が大量に購入、

この実績が評判を呼んで一気にビジネスに火がつきました。

特に米国では「PAS(Profile Alignment System)というネー

ミングまでもらい、フジクラの光ファイバ融着接続機は、世界市場

へと広がっていきました。

「開発のドラマ」 Phase.2

奇跡的な発見と極秘開発を経て、名機が誕生する。

開発の主流だった「融着法」では、非常に精密な制御が必要とさ

れます。当初、カムやリンクによるメカニカルな方法で、チャレン

ジしたものの頓挫。そこで、ほとんどの制御を電気で行うという、

発想の大転換を図りました。結果的にこれが功を奏し、思いのほ

か開発は順調に進みました。さらに、機械制御チームと電気制御

チームの連携により、非常に優れた機械が誕生しました。

この機械は1979年、ワシントンで開催されたシンポジウムの、併

設展示会に出品されました。展示場の片隅の、ほんの小さなス

ペースという、あまり良くない条件であったにもかかわらず、黒山の

人だかりで大きな脚光を浴びました。ただ、この時期はまだ需要

が少なくビジネスには至りませんでしたが、世界デビューにして、デ

ファクトスタンダードへの先鞭をつけ、後のフジクラの快進撃につ

ながるエポックとなりました。

初期の光ファイバ融着接続機はマルチモード光ファイバ用で、コ

ア径も太く(50μ)、比較的繋ぎやすいシングルモード用L光ファ

イバ(コア径10μ以下)に移行したのは、1980年からです。ここ

から、本当の意味での悪戦苦闘が始まりました。一番の課題は、

コア部の接続をクリアすること。当初は、「位相差顕微鏡」や「偏

光顕微鏡」を使うことを試みましたが、いずれも装置が大掛かり

で敷設現場で使う光ファイバ融着接続機に導入するには難が

あり、大きな壁にぶつかります。

そんな折、当時の日本電信電話公社の研究所から、「普通の

顕微鏡を使っているが、光ファイバのコアのようなものが見える。

ちょっと調べてほしい」という依頼が舞い込みます。最初は「見え

ない」「確かに見える」「いや見えない」……、そんなやりとりが

続きました。これはいわば天体観測のようなもので、微かなものは

最初なかなか見えませんが、一度実体を捕えると、よく見えてきま

す。顕微鏡のピントを少しずらしてみると、確かにコア部と思わ

れる影がおぼろげながら見えてきました。そこで解析してみると、

まさしくコアだったのです。普通のコンパクトな顕微鏡なら光

ファイバ融着接続機にも組み込めるということで、研究室は興奮

に包まれました。

早速、この方式で試作機をつくり、海洋通信研究室で試しても

らったところ、「これは使える!」ということになりました。この大発

見こそ、今日、フジクラが世界シェアNo.1となるきっかけであり、

最大のブレークスルーポイントとなったのです。しかし、課題も

少なくありません。そこで、極秘裏に開発が進められ、約1年間、

専任の研究者が実験室にこもり、ただひたすら改良とアルゴ

リズム開発に明け暮れました。そして、1985年2月、コア直視型

光ファイバ融着接続機機「FSM-20」として実用化に成功した

のです。

「デファクトスタンダード」 Phase.4

米国を皮切りに欧州、アジア市場を席巻する。

「FSM-20」は世界の名機として認められ、量産化体制へ。その

後も技術進化、モデルチェンジを繰り返し、後継機5種が開発

され、国際的に通用するデザイン性にも磨きがかかりました。

また、気候条件による気圧の変化に対しても、圧力センサを

組み込むことで自動調整する特殊機能も付加しました。さらに

はコストパフォーマンスを極める量産化ラインも改善し続け、

文字通り、デファクトスタンダードと言えるほどの完成度を高め

ていきました。フジクラが圧倒的なシェアを獲得するきっかけに

なったのは、小型の12心一括融着機の開発です。特にこれは

米国の各電話会社で高く評価され、米国市場での大半の契約

を獲得するに至ったのです。

「今も進化するフジクラの技術」 Phase.5

世界最小・最軽量の光ファイバ融着接続機の 開発に成功。

フジクラでは、お客様に満足していただけるよう「今、必要な光ファ

イバ融着接続機」の研究・開発を続けています。

2005年には、世界最小・最軽量の光ファイバ融着接続機で

あるスプライスメイトの開発に成功しました。

これは、光ファイバによるブロードバンドサービスが一般加入者ま

で普及する中で、施工の簡略化・低コスト化のニーズに応えた

ものです。「本当に小さく、軽い」と驚きの声と共に高性能な光

ファイバ融着接続機として好評をいただいております。

現在、光ファイバの用途は、急激な多様化が進んでいます。

光ファイバがある限り、融着接続は決してなくならない技術で

もあります。思えば、フジクラの光ファイバ融着接続機がなけ

れば、今の光の世界はなかったかもしれません。それほどまで、

フジクラの果たした役割は大きいのです。

光ファイバ融着接続機の商品開発には、今なお受け継がれる

3つのスローガンがあります。

1.狙うは世界一!(誰にも負けない商品を開発してこそ明日が

ある。)

2.こだわりを貫け!(自分のこだわりを捨てるな。)

3.トラブルを恐れるな!(新しいことにチャレンジしろ。)

長年、世界シェアNo.1の座を維持するのは、並大抵のことで

はありません。それを成し遂げ続けられるのは、3つのスローガン

がしっかりと浸透している証でもあります。フジクラの「光ファ

イバ融着接続機」ビジネスは、まだまだ可能性を秘めており、

今後も世界中で大きな飛躍を目指しています。

スプライスメイト(FSM-11R)

Page 10: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

経 営 理 念 と C S R へ の 取 り 組 み

創 業 の 精 神( こ と だ ま )

M a n a g e m e n t

マネジメント G-FPS活動

フジクラは、1885年に創業者・藤倉善八が絹・綿巻線の製造を開始して以来、先端の技術と高い信頼で社会の発展に貢献してきました。2005年に創業120年を迎えたフジクラは、「第3の創業」と位置づけ、「“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する」ことをミッションとした、フジクラグループ全従業員が共有すべき新経営理念、“ミッション・ビジョン・基本的価値(MVCV)”を策定しました。さらに新経営理念MVCVの思いを社外の皆様に発信していくコーポレートスローガンとして、「“つなぐ”テクノロジーで未来をひらく」を定め、“お客様に商品ではなく価値を提供する”顧客価値創造型企業として、豊かな未来社会づくりに貢献していく姿勢を明確にしました。 フジクラは企業活動を通じ、コーポレートスローガンに則り、新経営理念を実践することが、フジクラのCSR(企業の社会的責任)だと考えています。株主、投資家、お客様、従業員およびその家族、取引先、調達先、協力会社、行政、地域社会、そして国際社会などさまざまなステークホルダーの期待や関心を的確に把握し、経済、社会および環境に対して責任ある行動をとり、より良い社会の形成に貢献して企業を健全に成長し続けるため、新経営理念の浸透活動を推進しています。 第3の創業 フジクラは創業以来、人生に例えれば還暦を2回繰り返し、3回目の転生を迎えたことになります。そこで、2005年120周年を「ゼロからの再出発」という強い意志を宣言するため、2005年を「第3の創業」の年と位置づけることにしました。 「第1の創業」は1885年(明治18年)。創業者・藤倉善八翁が神田淡路町にて、絹・綿巻線の製造を開始した黎明期です。 「第2の創業」は1945年(昭和20年)で、主力の深川工場が戦災で全焼し、ゼロから全従業員がひとつになって再出発した年です。幸い、戦後復興のためのインフラ需要、高度成長期の光ファイバ需要等に支えられ、電力事業・情報通信事業を中心に順調に社業を発展できた期間です。これらの電力・情報通信事業は社会の安心・安全の発展に貢献する、インフラ構築のビジネスです。私たちは、特定優良顧客に対応することにより安定したビジネスを展開することができました。しかし、ここ最近はインフラ投資も頭打ちになり、激しい競争の時代へと移行しています。したがって、フジクラのこれから先の事業環境も大きく変化していかざるを得ません。昨日までの"安定した時代"の遺伝子は"変化が常態の時代"には重い足枷となってしまいます。今一度、ゼロからの再出発に立ち返る必要があるとの強い決意の下に「第3の創業」を宣言しました。

コーポレートスローガン このコーポレートスローガンは、フジクラの製品・技術の歴史を振り返り、“つなぐ”テクノロジーでお客様に新しい事業領域を提唱し、「人と人を“つなぐ”」、「知恵と知恵を“つなぐ”」、「組織と組織を“つなぐ”」、「お客様と当社を“つなぐ”」といったような新たな価値を創出して社会に貢献していくという、私たちの決意が込められています。

9 10

事業戦略ゴール

事業戦略(全社、事業部門)

中期・単年度経営計画

MVCV

品質改善

顧客の視点から「必ず実行すること、絶対にしてはならないこと」を明確にし、 これを必ず守る組織風土に変えること。

聖域なきムダどり 販売即経営

G-FPS 活動

クオリティーファースト

MVCVによる継続的意識風土改革の推進

G-FPS活動推進による “ものづくり体質”の強化並びに “聖域なきムダどり”の実施

ミッション フジクラは“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する 私たちは“つなぐ”テクノロジーの分野であくなき挑戦を続け価値ある商品及びソリューションの提供により顧客の信頼に応え社会に貢献します ビジョン ・ “つなぐ”テクノロジーの分野で、顧客に最も信頼される パートナーになる ・ 先進的で有用性の高い商品とソリューションを継続的に 開発し、“つなぐ”テクノロジーの分野でリーダーになる ・ 「一人ひとりが主役」として行動し、世界で通用する 有能な人財集団になる

基本的価値 ・ カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction) “それでお客様は満足ですか?” ・ 変革(Change) “進歩への意欲を持って取り組んでいますか?” ・ 共創(Collaboration) “それぞれが十分に能力を発揮するために協力し 合っていますか?” 行動基準 ・ カスタマーの立場で考え行動することを最優先せよ ・ 何を残し何を捨てるかを常に考えよ ・ ゴールを明瞭に示せ ・ 絶えず研究し一歩先んぜよ ・ 事実に基づき迅速に行動せよ

新経営理念MVCVを実践する具体的な活動として、G-FPS活動を行っています。G-FPS活動とは、ものづくりのプラットフォームであるクオリティーファーストという基本概念の下で、お客様の視点から「必ず実行すること、絶対にしてはならないこと」を明確にし、「第3の創業」を強力に推進するためのものづくり風土を改革することです。 G-FPS活動では、MVCVをナビゲーターとして一人ひとりが主役となり、“ものづくり体質”の強化並びに“聖域なきムダどり”を、フジクラグループ国内だけでなく海外を含めたあらゆる職域で、ものづくりの製造現場だけでなく間接部門に対しても行っていき、フジクラグループの持続的な成長を図ります。 このG-FPSの目標値は“ハーフorダブルorゼロ”とし、それぞれの活動の2006年度実績値を基準に、2010年度までに半減または倍増するものです。さらに顧客安全や労働安全のようにゼロが目標である活動を行っています。この活動の目標は、プロセスクオリティー(作り込みの品質)において、一人ひとりがムダを省いて個々の仕事の質をあげれば、不良率ゼロ、クレームゼロの品質アップにつながり、一方では全従業員が明るく、楽しく、安全に働けるような労働災害ゼロの会社を目指すことで、「お客様の価値創造」を全員で実践できることにあります。

新経営理念MVCVを定め、従業員一人ひとりに継続的意識風土改革を行っていくとき、フジクラの社会貢献の企業文化としての原点に立ち戻るべきものとして、創業の精神(ことだま)を編纂しました。フジクラの遺伝子である創業の精神(ことだま)である、「地道に、しぶとく、ひたむきに」、「ものづくりを大切にするフジクラ」、「技術のフジクラ」を、これからもしっかりと大切に受け継いでいきたいと考えています。 地道に、しぶとく、ひたむきに 「地道に」とは、目標達成に近道や秘策を期待せず、手堅く着実に確実にやり遂げることであり、“成功への王道”です。「しぶとく」とは、やらねばならないことは粘り強く、やるからには万難を排し、あきらめずに徹底的にトコトンまでやりぬくことです。「ひたむきに」とは、あらゆる困難にも敢然と挑戦し、いかなる挫折にも屈しない執念、一途さが必要であると、先哲は考えたのです。 ものづくりを大切にするフジクラ フジクラの商品は、お客様にとっての大きな価値を提供するものでなければなりません。「経営の留吉※ 、技術の顕三※ 」と呼ばれ、フジクラの礎を築いた岡田顕三がいましたが、顕三は、他社には真似できないような高品質な電線をつくりあげ、他社から「あれが藤倉(フジクラ)の岡田か」と言わしめた人物でした。顕三は、「ものづくりに対する厳しさ」があり、製造技術や材料技術も一流であり、特に品質面ではわずかでも疑わしいものは不良とみなし、藤倉製品の高品質を維持し、今日まで続くフジクラとお客様の信頼関係を確立させた先哲でした。 留吉: 松本留吉。藤倉電線株式会社初代社長。創業者藤倉善八の末弟。「松本家」を継ぎ松本留吉となる。 顕三: 岡田顕三。松本留吉初代社長を製造・開発の面で支える。 技術のフジクラ フジクラは創業以来、先進の技術により信頼性の高い製品を世に送り出すことで社会の発展に貢献してきました。「技術のフジクラ」とは、「フジクラは技術がなければ存在価値がない(生き残れない)」ということです。フジクラ独自の技術を持ってマーケットインをしなければならない。新しい機能、新しい価値の創造は、自らの技術を持つことで初めて可能となり、“つなぐ”テクノロジーの分野でリーダーになれるということです。

ものづくり風土「変革」

創業の精神(ことだま)

行 動 規 範

お客様 株主 投資家 取引先

従業員およびその家族 調達先 協力会社 学生 マスコミ 地域社会 国際社会など

ステークホルダー

双方向 コミュニケーション ステークホルダーの 期待や関心を 的確に把握する

経済・社会・地球環境

新経営理念

“つなぐ”テクノロジーで未来をひらく

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経 営 理 念 と C S R へ の 取 り 組 み

創 業 の 精 神( こ と だ ま )

M a n a g e m e n t

マネジメント G-FPS活動

フジクラは、1885年に創業者・藤倉善八が絹・綿巻線の製造を開始して以来、先端の技術と高い信頼で社会の発展に貢献してきました。2005年に創業120年を迎えたフジクラは、「第3の創業」と位置づけ、「“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する」ことをミッションとした、フジクラグループ全従業員が共有すべき新経営理念、“ミッション・ビジョン・基本的価値(MVCV)”を策定しました。さらに新経営理念MVCVの思いを社外の皆様に発信していくコーポレートスローガンとして、「“つなぐ”テクノロジーで未来をひらく」を定め、“お客様に商品ではなく価値を提供する”顧客価値創造型企業として、豊かな未来社会づくりに貢献していく姿勢を明確にしました。 フジクラは企業活動を通じ、コーポレートスローガンに則り、新経営理念を実践することが、フジクラのCSR(企業の社会的責任)だと考えています。株主、投資家、お客様、従業員およびその家族、取引先、調達先、協力会社、行政、地域社会、そして国際社会などさまざまなステークホルダーの期待や関心を的確に把握し、経済、社会および環境に対して責任ある行動をとり、より良い社会の形成に貢献して企業を健全に成長し続けるため、新経営理念の浸透活動を推進しています。 第3の創業 フジクラは創業以来、人生に例えれば還暦を2回繰り返し、3回目の転生を迎えたことになります。そこで、2005年120周年を「ゼロからの再出発」という強い意志を宣言するため、2005年を「第3の創業」の年と位置づけることにしました。 「第1の創業」は1885年(明治18年)。創業者・藤倉善八翁が神田淡路町にて、絹・綿巻線の製造を開始した黎明期です。 「第2の創業」は1945年(昭和20年)で、主力の深川工場が戦災で全焼し、ゼロから全従業員がひとつになって再出発した年です。幸い、戦後復興のためのインフラ需要、高度成長期の光ファイバ需要等に支えられ、電力事業・情報通信事業を中心に順調に社業を発展できた期間です。これらの電力・情報通信事業は社会の安心・安全の発展に貢献する、インフラ構築のビジネスです。私たちは、特定優良顧客に対応することにより安定したビジネスを展開することができました。しかし、ここ最近はインフラ投資も頭打ちになり、激しい競争の時代へと移行しています。したがって、フジクラのこれから先の事業環境も大きく変化していかざるを得ません。昨日までの"安定した時代"の遺伝子は"変化が常態の時代"には重い足枷となってしまいます。今一度、ゼロからの再出発に立ち返る必要があるとの強い決意の下に「第3の創業」を宣言しました。

コーポレートスローガン このコーポレートスローガンは、フジクラの製品・技術の歴史を振り返り、“つなぐ”テクノロジーでお客様に新しい事業領域を提唱し、「人と人を“つなぐ”」、「知恵と知恵を“つなぐ”」、「組織と組織を“つなぐ”」、「お客様と当社を“つなぐ”」といったような新たな価値を創出して社会に貢献していくという、私たちの決意が込められています。

9 10

事業戦略ゴール

事業戦略(全社、事業部門)

中期・単年度経営計画

MVCV

品質改善

顧客の視点から「必ず実行すること、絶対にしてはならないこと」を明確にし、 これを必ず守る組織風土に変えること。

聖域なきムダどり 販売即経営

G-FPS 活動

クオリティーファースト

MVCVによる継続的意識風土改革の推進

G-FPS活動推進による “ものづくり体質”の強化並びに “聖域なきムダどり”の実施

ミッション フジクラは“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する 私たちは“つなぐ”テクノロジーの分野であくなき挑戦を続け価値ある商品及びソリューションの提供により顧客の信頼に応え社会に貢献します ビジョン ・ “つなぐ”テクノロジーの分野で、顧客に最も信頼される パートナーになる ・ 先進的で有用性の高い商品とソリューションを継続的に 開発し、“つなぐ”テクノロジーの分野でリーダーになる ・ 「一人ひとりが主役」として行動し、世界で通用する 有能な人財集団になる

基本的価値 ・ カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction) “それでお客様は満足ですか?” ・ 変革(Change) “進歩への意欲を持って取り組んでいますか?” ・ 共創(Collaboration) “それぞれが十分に能力を発揮するために協力し 合っていますか?” 行動基準 ・ カスタマーの立場で考え行動することを最優先せよ ・ 何を残し何を捨てるかを常に考えよ ・ ゴールを明瞭に示せ ・ 絶えず研究し一歩先んぜよ ・ 事実に基づき迅速に行動せよ

新経営理念MVCVを実践する具体的な活動として、G-FPS活動を行っています。G-FPS活動とは、ものづくりのプラットフォームであるクオリティーファーストという基本概念の下で、お客様の視点から「必ず実行すること、絶対にしてはならないこと」を明確にし、「第3の創業」を強力に推進するためのものづくり風土を改革することです。 G-FPS活動では、MVCVをナビゲーターとして一人ひとりが主役となり、“ものづくり体質”の強化並びに“聖域なきムダどり”を、フジクラグループ国内だけでなく海外を含めたあらゆる職域で、ものづくりの製造現場だけでなく間接部門に対しても行っていき、フジクラグループの持続的な成長を図ります。 このG-FPSの目標値は“ハーフorダブルorゼロ”とし、それぞれの活動の2006年度実績値を基準に、2010年度までに半減または倍増するものです。さらに顧客安全や労働安全のようにゼロが目標である活動を行っています。この活動の目標は、プロセスクオリティー(作り込みの品質)において、一人ひとりがムダを省いて個々の仕事の質をあげれば、不良率ゼロ、クレームゼロの品質アップにつながり、一方では全従業員が明るく、楽しく、安全に働けるような労働災害ゼロの会社を目指すことで、「お客様の価値創造」を全員で実践できることにあります。

新経営理念MVCVを定め、従業員一人ひとりに継続的意識風土改革を行っていくとき、フジクラの社会貢献の企業文化としての原点に立ち戻るべきものとして、創業の精神(ことだま)を編纂しました。フジクラの遺伝子である創業の精神(ことだま)である、「地道に、しぶとく、ひたむきに」、「ものづくりを大切にするフジクラ」、「技術のフジクラ」を、これからもしっかりと大切に受け継いでいきたいと考えています。 地道に、しぶとく、ひたむきに 「地道に」とは、目標達成に近道や秘策を期待せず、手堅く着実に確実にやり遂げることであり、“成功への王道”です。「しぶとく」とは、やらねばならないことは粘り強く、やるからには万難を排し、あきらめずに徹底的にトコトンまでやりぬくことです。「ひたむきに」とは、あらゆる困難にも敢然と挑戦し、いかなる挫折にも屈しない執念、一途さが必要であると、先哲は考えたのです。 ものづくりを大切にするフジクラ フジクラの商品は、お客様にとっての大きな価値を提供するものでなければなりません。「経営の留吉※ 、技術の顕三※ 」と呼ばれ、フジクラの礎を築いた岡田顕三がいましたが、顕三は、他社には真似できないような高品質な電線をつくりあげ、他社から「あれが藤倉(フジクラ)の岡田か」と言わしめた人物でした。顕三は、「ものづくりに対する厳しさ」があり、製造技術や材料技術も一流であり、特に品質面ではわずかでも疑わしいものは不良とみなし、藤倉製品の高品質を維持し、今日まで続くフジクラとお客様の信頼関係を確立させた先哲でした。 留吉: 松本留吉。藤倉電線株式会社初代社長。創業者藤倉善八の末弟。「松本家」を継ぎ松本留吉となる。 顕三: 岡田顕三。松本留吉初代社長を製造・開発の面で支える。 技術のフジクラ フジクラは創業以来、先進の技術により信頼性の高い製品を世に送り出すことで社会の発展に貢献してきました。「技術のフジクラ」とは、「フジクラは技術がなければ存在価値がない(生き残れない)」ということです。フジクラ独自の技術を持ってマーケットインをしなければならない。新しい機能、新しい価値の創造は、自らの技術を持つことで初めて可能となり、“つなぐ”テクノロジーの分野でリーダーになれるということです。

ものづくり風土「変革」

創業の精神(ことだま)

行 動 規 範

お客様 株主 投資家 取引先

従業員およびその家族 調達先 協力会社 学生 マスコミ 地域社会 国際社会など

ステークホルダー

双方向 コミュニケーション ステークホルダーの 期待や関心を 的確に把握する

経済・社会・地球環境

新経営理念

“つなぐ”テクノロジーで未来をひらく

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C S R 推 進 体 制

M a n a g e m e n t

マネジメント

コーポレートガバナンス

リスクマネジメント

フジクラは、執行役員制度の採用により、執行責任の明確化と効率的なトップマネジメントの構築を図ると同時に、経営の監視・監督体制としては、経営意思の形成過程での監視・監督が行いやすい監査役制度を採用しています。 執行役員制度の導入により執行と監督の分離を進め、取締役の監視・監督機能を明確に位置付け、業務執行が法令・定款に適合することを管理することとしています。日常的な業務執行における内部統制活動は、内部監査部門、本社共通管理部門、各事業部門管理組織などにより、業務執行過程において適法性・妥当性を常に管理することを原則としています。 内部統制のための制度として、重要な経営情報の保存・管理については文書および電子情報の管理規程を定めてこれを行い、また、リスク管理委員会および行動規範推進委員会を設けて全社共通のリスクについての検討やコンプライアンス体制の整備ならびに内部通報制度の運用を行っています。 企業集団としての統制については、「グループ経営指針」を定めてフジクラグループの共通の価値観を示して一体感の醸成を図るとともに、グループとしての経営の管理精度向上とリスク管理体制およびコンプライアンス体制の整備を進めることとしています。 監査役の業務監査をサポートし監査精度を向上させるための仕組みとしては、監査役を補助する使用人の任免、その執行部門からの独立性ならびに監査役が必要とする情報へのアクセスなどに関して取締役の義務を定め、また、執行責任者との定期的な意見交換の場を設けて監査役がその要求を表明する機会を保証しています。 財務報告に係る内部統制については、専任担当組織を設置し、監査法人等とも調整を図りつつ、2009年4月には内部統制報告書が提出できるよう準備を進めています。 「全社的内部統制」、「決算財務プロセス」、「決算財務以外の業務プロセス」および「IT全般統制」の各統制活動について、文書化がほぼ完了し、統制活動の評価の実施に向けて、その試行を2008年2月から開始しています。

フジクラグループは、経済、社会および環境に対して責任ある行動をとり、より良い社会の形成に貢献したいと考えています。 事業活動全般を通じ、人権、労働、品質、企業倫理、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報セキュリティなどのさまざまなテーマをバランス良く推進し、ステークホルダーの期待に応える企業を目指します。フジクラの推進体制を以下に示します。 フジクラは管理すべきリスクを、事業機会に関連するリスク(戦略リスク)と事業活動の遂行に関連するリスク(業務リスク)に分類し、

戦略リスクは取締役会および経営会議のトップマネジメントの合議により管理し、業務リスクは「フジクラリスク管理規程」に基づきリスク管理委員会が管理する体制をとっています。また、危機管理についても、「フジクラリスク管理規程」において、情報のトップへの速やかな伝達と対応組織の構築および責任体制などを定めています。 業務リスクは、コンプライアンス、品質保証、環境管理、安全衛生、情報セキュリティなど、現代社会における企業活動に伴い発生する多様な事象を、それぞれの専門組織を中心とした体制によって日常的に管理しています。法務室、品質保証部、地球環境保護推進室、人事・総務部、システム部、輸出管理室など、当該事象を専門的に取り扱う組織が、役員および従業員に対して、企業が社会から求められている価値基軸を示しながら最も適切な行動を選択するよう、単に法令遵守に止まらない社会的な要請を意識しながら、社会、顧客、消費者、従業員、取引先、株主などの多様なステークホルダーから信任を得られるよう活動しています。 コンプライアンスについては、「フジクラ行動規範」を定めて役員および従業員の活動の基本的な基軸を明らかにし、この周知活動などについて、行動規範推進委員会で定期的なフォローアップを行っています。 また、昨今の消費者保護の高まりを受けて、品質保証部を中心に、製品品質の向上はもちろん、万が一の場合の届け出や消費者保護体制を整備しています。公害防止活動や温室効果ガス削減など地球環境保護施策の推進、ハラスメントの撲滅を含む安全で働きやすい労働環境の整備、企業情報や個人情報の有効活用とメリハリのある機密保持の体制など、損失の最小化との観点をこえて、積極的価値を生み出す活動としてのリスク管理を意識しています。

11 12

基本方針 1.フジクラは、全社的な情報セキュリティ体制を構築するとともに、個人情報の保護に関する規程を定め、個人情報の漏えい、滅失、毀損等の防止を図ります。 2.フジクラは、個人情報の取得に当たってはその利用目的を明示してこれを行います。 3.フジクラは、利用目的及び利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる目的の範囲内で個人情報を取扱います。 4.フジクラは、法令に定める場合及びご本人の同意がある場合を除き、個人情報を第三者に提供しません。 5.フジクラは保有する個人情報について、その透明性の確保に努めご本人からの問合せ窓口などを整備します。

個人情報保護

フジクラは、お客様の情報資産をお預かりし、ものづくりをすることを主な事業としています。そのため、情報セキュリティは、フジクラの経営上及び事業上の最重要課題のひとつであると認識しています。2005年に「情報セキュリティ基本規程」を制定し、これを役員・従業員に周知するとともに、フジクラグループが取り扱うすべての情報資産を適切に保護するセキュリティ体制と施策を確立しています。 <主な施策> ・すべての従業員へのセキュリティ教育 ・ICカードによる事務室への入退室管理 ・ノートPCの暗号化 ・メール/Webフィルタリングの実施 ・全PCへのウイルス対策ソフト搭載徹底 ・PC操作ログの収集 ・外部からの不正アクセス対策 など

電子情報セキュリティ

お客様・取引関係者・従業員等の個人情報について、管理体制及び遵守事項等を定めた「個人情報保護規程」を制定し、従業員に対する教育を含め社内管理体制の整備と拡充を進め適正な取扱いに努めています。

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C S R 推 進 体 制

M a n a g e m e n t

マネジメント

コーポレートガバナンス

リスクマネジメント

フジクラは、執行役員制度の採用により、執行責任の明確化と効率的なトップマネジメントの構築を図ると同時に、経営の監視・監督体制としては、経営意思の形成過程での監視・監督が行いやすい監査役制度を採用しています。 執行役員制度の導入により執行と監督の分離を進め、取締役の監視・監督機能を明確に位置付け、業務執行が法令・定款に適合することを管理することとしています。日常的な業務執行における内部統制活動は、内部監査部門、本社共通管理部門、各事業部門管理組織などにより、業務執行過程において適法性・妥当性を常に管理することを原則としています。 内部統制のための制度として、重要な経営情報の保存・管理については文書および電子情報の管理規程を定めてこれを行い、また、リスク管理委員会および行動規範推進委員会を設けて全社共通のリスクについての検討やコンプライアンス体制の整備ならびに内部通報制度の運用を行っています。 企業集団としての統制については、「グループ経営指針」を定めてフジクラグループの共通の価値観を示して一体感の醸成を図るとともに、グループとしての経営の管理精度向上とリスク管理体制およびコンプライアンス体制の整備を進めることとしています。 監査役の業務監査をサポートし監査精度を向上させるための仕組みとしては、監査役を補助する使用人の任免、その執行部門からの独立性ならびに監査役が必要とする情報へのアクセスなどに関して取締役の義務を定め、また、執行責任者との定期的な意見交換の場を設けて監査役がその要求を表明する機会を保証しています。 財務報告に係る内部統制については、専任担当組織を設置し、監査法人等とも調整を図りつつ、2009年4月には内部統制報告書が提出できるよう準備を進めています。 「全社的内部統制」、「決算財務プロセス」、「決算財務以外の業務プロセス」および「IT全般統制」の各統制活動について、文書化がほぼ完了し、統制活動の評価の実施に向けて、その試行を2008年2月から開始しています。

フジクラグループは、経済、社会および環境に対して責任ある行動をとり、より良い社会の形成に貢献したいと考えています。 事業活動全般を通じ、人権、労働、品質、企業倫理、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報セキュリティなどのさまざまなテーマをバランス良く推進し、ステークホルダーの期待に応える企業を目指します。フジクラの推進体制を以下に示します。 フジクラは管理すべきリスクを、事業機会に関連するリスク(戦略リスク)と事業活動の遂行に関連するリスク(業務リスク)に分類し、

戦略リスクは取締役会および経営会議のトップマネジメントの合議により管理し、業務リスクは「フジクラリスク管理規程」に基づきリスク管理委員会が管理する体制をとっています。また、危機管理についても、「フジクラリスク管理規程」において、情報のトップへの速やかな伝達と対応組織の構築および責任体制などを定めています。 業務リスクは、コンプライアンス、品質保証、環境管理、安全衛生、情報セキュリティなど、現代社会における企業活動に伴い発生する多様な事象を、それぞれの専門組織を中心とした体制によって日常的に管理しています。法務室、品質保証部、地球環境保護推進室、人事・総務部、システム部、輸出管理室など、当該事象を専門的に取り扱う組織が、役員および従業員に対して、企業が社会から求められている価値基軸を示しながら最も適切な行動を選択するよう、単に法令遵守に止まらない社会的な要請を意識しながら、社会、顧客、消費者、従業員、取引先、株主などの多様なステークホルダーから信任を得られるよう活動しています。 コンプライアンスについては、「フジクラ行動規範」を定めて役員および従業員の活動の基本的な基軸を明らかにし、この周知活動などについて、行動規範推進委員会で定期的なフォローアップを行っています。 また、昨今の消費者保護の高まりを受けて、品質保証部を中心に、製品品質の向上はもちろん、万が一の場合の届け出や消費者保護体制を整備しています。公害防止活動や温室効果ガス削減など地球環境保護施策の推進、ハラスメントの撲滅を含む安全で働きやすい労働環境の整備、企業情報や個人情報の有効活用とメリハリのある機密保持の体制など、損失の最小化との観点をこえて、積極的価値を生み出す活動としてのリスク管理を意識しています。

11 12

基本方針 1.フジクラは、全社的な情報セキュリティ体制を構築するとともに、個人情報の保護に関する規程を定め、個人情報の漏えい、滅失、毀損等の防止を図ります。 2.フジクラは、個人情報の取得に当たってはその利用目的を明示してこれを行います。 3.フジクラは、利用目的及び利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる目的の範囲内で個人情報を取扱います。 4.フジクラは、法令に定める場合及びご本人の同意がある場合を除き、個人情報を第三者に提供しません。 5.フジクラは保有する個人情報について、その透明性の確保に努めご本人からの問合せ窓口などを整備します。

個人情報保護

フジクラは、お客様の情報資産をお預かりし、ものづくりをすることを主な事業としています。そのため、情報セキュリティは、フジクラの経営上及び事業上の最重要課題のひとつであると認識しています。2005年に「情報セキュリティ基本規程」を制定し、これを役員・従業員に周知するとともに、フジクラグループが取り扱うすべての情報資産を適切に保護するセキュリティ体制と施策を確立しています。 <主な施策> ・すべての従業員へのセキュリティ教育 ・ICカードによる事務室への入退室管理 ・ノートPCの暗号化 ・メール/Webフィルタリングの実施 ・全PCへのウイルス対策ソフト搭載徹底 ・PC操作ログの収集 ・外部からの不正アクセス対策 など

電子情報セキュリティ

お客様・取引関係者・従業員等の個人情報について、管理体制及び遵守事項等を定めた「個人情報保護規程」を制定し、従業員に対する教育を含め社内管理体制の整備と拡充を進め適正な取扱いに努めています。

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2 0 0 7 年 度 業 績

E c o n o m i c a lp e r f o r m a n c e

経済性パフォーマンス

設備投資 2008年3月期(2007年4月1日~2008年3月31日)における世界経済は、資源高のもと、中国、インドなどの新興国市場の拡大や資源輸出国の好況が続いたものの、後半には米国発の金融市場の混乱が世界的な広がりを見せ、年度末には懸念されていた米国の景気停滞が現実のものとなりました。この影響を受け、日本経済も、米国向輸出が減少し、設備投資の拡大に陰りが見られるなど、全体として足踏み状態となりました。 このような状況の中、情報通信分野では世界的にFTTH(Fiber To The Home)関連の需要は底堅く、特に新興国市場で大きな拡大を見せました。電子電装分野では、一時期の急激な伸びは落ち着きを見せているものの、携帯電話に代表される携帯型電子機器や薄型テレビなどのデジタル家電の市場拡大が続きました。ケーブル・機器関連では、製造業や商業施設などの建設投資があり、産業用電線の市場は銅価の値上がりもあって拡大しました。 結果として、フジクラは連結売上高6,594億円(前年度比2%増)と過去最高となったものの、電子電装部門の利益減少が著しく、全体の営業利益は203億円と前年度比41%減、経常利益は160億円(同51%減)となりました。当期純利益は、法人税等の税率の低いタイや中国の子会社が減益となった結果、前年度に比べて全体の税負担率が上昇し、また、繰延税金資産の取崩し等もあったことから前年度比79%減の45億円となりました。

フジクラグループ(フジクラおよび連結子会社)では、「成長分野への経営資源の集中」、「ものづくり体質の強化」の基本戦略のもと、364億円の設備投資を行いました。

研究開発費

フジクラグループでは、下記研究所で商品開発ならびに新技術の開発を進めています。 ・材料技術研究所 ・光電子技術研究所 ・電子デバイス研究所 ・電子電装開発センター ・光ケーブルシステム開発センター ・光電子回路開発センター ・メタルケーブル開発グループ 全体の研究開発費は139億円です。

研究開発

酸化物超電導線材の性能を大幅に向上

イットリウム線材は、臨界電流密度が大きく、液体窒素温度

の磁場下で臨界電流が大きいため、モーターや電力貯蔵装置、

変圧器等の強磁場を利用する機器では、小型化、高効率化

が実現できます。強磁場を発生するイットリウム線材により、

これらの機器の実用化に大きく前進しました。

13 14

従業員数(連結)

600,000

百万円

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

0

売上高(連結)

総資産(連結)

営業利益(連結)

当期純利益(連結)

セグメント別売上高(連結)

年度 2004 2005 20072006

360,752

645,984 659,482

503,090

25,000

百万円

20,000

15,000

10,000

5,000

0年度

30,000

2004 2005 2007

4,503

2006

5,412

21,484

24,989

40,000

人数

35,000

30,000

25,000

15,000

5,000

0年度

10,000

20,000

600,000

百万円

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

0年度 2004 2005 2007

537,451

2006

411,619

536,766

465,366

百万円

40,000

30,000

20,000

10,000

0年度

情報通信 17%

電子電装 38%

その他 3%ケーブル・ 機器関連 42%

2004 2005 2007

20,375

2006

16,763

34,507

39,757

50,000

2007

49,448

2004 2005 2006

43,874

27,553

33,658

情報通信事業

電子電装事業

ケーブル・機器関連事業

その他および全社

合 計

55 億円

228 億円

25 億円

54 億円

364 億円

光関連製品製造設備および開発設備

電子材料製造設備および開発設備、タイ生産拠点でのFPCや生産能力増強

鈴鹿事業所メタルケーブル関連製造設備整備

材料関連、半導体加工技術関連研究開発設備

2007年度設備投資額

情報通信部門

電子電装部門

ケーブル・機器関連事業

53 億円

80 億円

5 億円

合 計 139 億円

FTTH※対応ケーブル、部品、ファイバーレーザー、 光インターコネクションモジュールなど

2007年度研究開発費

ファインパターン、多層積層技術、ICチップ内蔵基盤、 低反発基板開発、色素増感太陽電池セルなど 発電方式の多様化対応配電部品、 高温超電導線材の長尺化や実用化研究など

※FTTH(Fiber To The Home):光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス

色素増感太陽電池モジュールの耐久性を大幅に改善

フジクラは、次世代太陽電池の有力候補と期待される色素増感太陽電池(DSC)

モジュールの耐熱性、耐湿性を大幅に改善し、実使用環境下での長期安定性確保に

向けて大きく前進しました。素子を封止する材料と構造を工夫することで、耐久性に

悪影響を与える水分の浸入を防ぎ、85℃・85%RH条件下1000時間以上の湿熱暴露

をはじめ、温度サイクルや連続光照射などの各種耐久性試験をクリアしています。

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2 0 0 7 年 度 業 績

E c o n o m i c a lp e r f o r m a n c e

経済性パフォーマンス

設備投資 2008年3月期(2007年4月1日~2008年3月31日)における世界経済は、資源高のもと、中国、インドなどの新興国市場の拡大や資源輸出国の好況が続いたものの、後半には米国発の金融市場の混乱が世界的な広がりを見せ、年度末には懸念されていた米国の景気停滞が現実のものとなりました。この影響を受け、日本経済も、米国向輸出が減少し、設備投資の拡大に陰りが見られるなど、全体として足踏み状態となりました。 このような状況の中、情報通信分野では世界的にFTTH(Fiber To The Home)関連の需要は底堅く、特に新興国市場で大きな拡大を見せました。電子電装分野では、一時期の急激な伸びは落ち着きを見せているものの、携帯電話に代表される携帯型電子機器や薄型テレビなどのデジタル家電の市場拡大が続きました。ケーブル・機器関連では、製造業や商業施設などの建設投資があり、産業用電線の市場は銅価の値上がりもあって拡大しました。 結果として、フジクラは連結売上高6,594億円(前年度比2%増)と過去最高となったものの、電子電装部門の利益減少が著しく、全体の営業利益は203億円と前年度比41%減、経常利益は160億円(同51%減)となりました。当期純利益は、法人税等の税率の低いタイや中国の子会社が減益となった結果、前年度に比べて全体の税負担率が上昇し、また、繰延税金資産の取崩し等もあったことから前年度比79%減の45億円となりました。

フジクラグループ(フジクラおよび連結子会社)では、「成長分野への経営資源の集中」、「ものづくり体質の強化」の基本戦略のもと、364億円の設備投資を行いました。

研究開発費

フジクラグループでは、下記研究所で商品開発ならびに新技術の開発を進めています。 ・材料技術研究所 ・光電子技術研究所 ・電子デバイス研究所 ・電子電装開発センター ・光ケーブルシステム開発センター ・光電子回路開発センター ・メタルケーブル開発グループ 全体の研究開発費は139億円です。

研究開発

酸化物超電導線材の性能を大幅に向上

イットリウム線材は、臨界電流密度が大きく、液体窒素温度

の磁場下で臨界電流が大きいため、モーターや電力貯蔵装置、

変圧器等の強磁場を利用する機器では、小型化、高効率化

が実現できます。強磁場を発生するイットリウム線材により、

これらの機器の実用化に大きく前進しました。

13 14

従業員数(連結)

600,000

百万円

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

0

売上高(連結)

総資産(連結)

営業利益(連結)

当期純利益(連結)

セグメント別売上高(連結)

年度 2004 2005 20072006

360,752

645,984 659,482

503,090

25,000

百万円

20,000

15,000

10,000

5,000

0年度

30,000

2004 2005 2007

4,503

2006

5,412

21,484

24,989

40,000

人数

35,000

30,000

25,000

15,000

5,000

0年度

10,000

20,000

600,000

百万円

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

0年度 2004 2005 2007

537,451

2006

411,619

536,766

465,366

百万円

40,000

30,000

20,000

10,000

0年度

情報通信 17%

電子電装 38%

その他 3%ケーブル・ 機器関連 42%

2004 2005 2007

20,375

2006

16,763

34,507

39,757

50,000

2007

49,448

2004 2005 2006

43,874

27,553

33,658

情報通信事業

電子電装事業

ケーブル・機器関連事業

その他および全社

合 計

55 億円

228 億円

25 億円

54 億円

364 億円

光関連製品製造設備および開発設備

電子材料製造設備および開発設備、タイ生産拠点でのFPCや生産能力増強

鈴鹿事業所メタルケーブル関連製造設備整備

材料関連、半導体加工技術関連研究開発設備

2007年度設備投資額

情報通信部門

電子電装部門

ケーブル・機器関連事業

53 億円

80 億円

5 億円

合 計 139 億円

FTTH※対応ケーブル、部品、ファイバーレーザー、 光インターコネクションモジュールなど

2007年度研究開発費

ファインパターン、多層積層技術、ICチップ内蔵基盤、 低反発基板開発、色素増感太陽電池セルなど 発電方式の多様化対応配電部品、 高温超電導線材の長尺化や実用化研究など

※FTTH(Fiber To The Home):光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス

色素増感太陽電池モジュールの耐久性を大幅に改善

フジクラは、次世代太陽電池の有力候補と期待される色素増感太陽電池(DSC)

モジュールの耐熱性、耐湿性を大幅に改善し、実使用環境下での長期安定性確保に

向けて大きく前進しました。素子を封止する材料と構造を工夫することで、耐久性に

悪影響を与える水分の浸入を防ぎ、85℃・85%RH条件下1000時間以上の湿熱暴露

をはじめ、温度サイクルや連続光照射などの各種耐久性試験をクリアしています。

Page 16: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム

E n v i r o n m e n t a lp e r f o r m a n c e

環境パフォーマンス

環境活動推進体制

フジクラは1992年に経団連が発表した産業界の地球環境保全についてのガイドラインを基にフジクラ地球環境憲章を制定し経営理念の一環

として環境に対する経営姿勢を明示しました。その後、2000年に環境と経営の両立を目指す環境マネジメントの国際規格ISO14001の要求

事項にも対応できるようこの憲章を改訂し、フジクラグループ全社をあげて社会のニーズに応えるべく地球環境保全に取り組んでいます。

フジクラは、「フジクラ地球環境憲章」を制定するとともに、社内の環境保全推進体制を整備しました。従来の工場公害防止管理だけでなく、環境担当役員を環境保全の責任者とし、各事業所および事業部を統括しています。全事業所長と事業部のメンバーを委員として構成する「地球環境委員会」や地球環境保護推進室および事業所の環境担当で構成する「環境連絡会」のほか、事業所ごとに構成する「環境管理委員会」など各種委員会を設置しています。この中では、環境負荷低減に関する目標や計画の審議、経過実績のフォロー、環境課題への取り組み、情報交換、水平展開等を実施しています。

フジクラ地球環境憲章

制定 1992年4月 改訂 2000年4月

前 文 人類の文明は、科学技術の急速な発展とともに、飛躍的な進歩を遂げ、私たちは豊な生活を享受できるようになりました。しかしその一方で、地球温暖化、大気のオゾン層破壊、酸性雨、熱帯林の減少、砂漠化、海洋汚染など地球レベルで環境破壊が進み、人類のみならず地球上の生命全体の存続にかかわる深刻な事態が進行しています。 この地球環境問題には複雑多様化した社会システムが深くかかわっており、企業活動がその重大な要因のひとつであることは否めません。フジクラは、私達の事業活動が地球環境と密接な関係をもつということを深く認識し、地球環境を保護するために最大の努力を尽くします。 基本理念 フジクラは、『フジクラグループ全員の努力により豊かで明るい生活を確保する』との基本方針を地球的規模に広げ、経営の最高課題のひとつとして、全社を挙げて地球環境の保全に取り組んで行きます。 行動指針 企業活動の全領域で、一人ひとりが地球環境の保全を優先して行動します。

1. 2. 3. 4. 5. 6. 7.

組織と運営 環境担当役員を責任者とする環境保全のための社内組織及び運営制度を整備し、各組織は環境目的、環境目標を明確にし、計画的かつ継続的な改善を推進する。 環境管理基準と環境管理レベルの向上 国や地方自治体などの環境規制を遵守することはもちろん、自主的な管理基準を設定して、環境管理レベルのいっそうの向上に努める。また定期的に環境監査を実施し、自主管理の維持向上をはかる。 事業活動において 製品の開発、設計、購買、生産、施工、販売、物流、廃棄等に至るまで、企業活動の全段階において環境の保全に努める。さらに省エネルギ-、省資源、リサイクルの促進、廃棄物および環境負荷物質の削減に取り組み、環境の汚染予防をはかる。 顧客への適切な情報提供 製品の利用者に対して、適正な使用方法、再資源化、廃棄方法などの情報を提供する。 地域社会への貢献 地域環境の保全活動に積極的に参画して、相互理解と協力関係の強化につとめ、地域社会の一員として貢献する。 海外での事業活動 進出先国の環境基準を遵守することはもちろん、自主的な管理基準を設定して環境の保全に努める。更に環境保全のための技術、ノウハウを積極的に活用するとともに、環境管理に関する人材育成に努める。 広報、啓蒙活動 全従業員に教育、広報および啓蒙活動を実施し、地球環境保全の理解と環境意識の向上を図る。

法規制の遵守

フジクラグループの2007年度事業活動において、法に抵触したことによる罰金・科料などの支払い事例は発生していません。また、社外に影響を及ぼすような環境事故も発生していません。

15 16

社 長 環境担当役員 地球環境保護推進室長

人事・総務部長

地球環境担当者(事業所長)

地球環境担当者(事業部門)

環境担当課長

部課長

環境管理責任者

公害防止管理者

大 気

水 質

騒 音

振 動

環境管理委員会

事業所環境管理責任者

会 議

主 査

地球環境委員会

環境担当役員

環境連絡会

地球環境保護推進室長

事業所部課長 メンバー 地球環境保護推進室長 人事・総務部長

事業所、事業部地球環境担当者 事業所環境担当課長

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環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム

E n v i r o n m e n t a lp e r f o r m a n c e

環境パフォーマンス

環境活動推進体制

フジクラは1992年に経団連が発表した産業界の地球環境保全についてのガイドラインを基にフジクラ地球環境憲章を制定し経営理念の一環

として環境に対する経営姿勢を明示しました。その後、2000年に環境と経営の両立を目指す環境マネジメントの国際規格ISO14001の要求

事項にも対応できるようこの憲章を改訂し、フジクラグループ全社をあげて社会のニーズに応えるべく地球環境保全に取り組んでいます。

フジクラは、「フジクラ地球環境憲章」を制定するとともに、社内の環境保全推進体制を整備しました。従来の工場公害防止管理だけでなく、環境担当役員を環境保全の責任者とし、各事業所および事業部を統括しています。全事業所長と事業部のメンバーを委員として構成する「地球環境委員会」や地球環境保護推進室および事業所の環境担当で構成する「環境連絡会」のほか、事業所ごとに構成する「環境管理委員会」など各種委員会を設置しています。この中では、環境負荷低減に関する目標や計画の審議、経過実績のフォロー、環境課題への取り組み、情報交換、水平展開等を実施しています。

フジクラ地球環境憲章

制定 1992年4月 改訂 2000年4月

前 文 人類の文明は、科学技術の急速な発展とともに、飛躍的な進歩を遂げ、私たちは豊な生活を享受できるようになりました。しかしその一方で、地球温暖化、大気のオゾン層破壊、酸性雨、熱帯林の減少、砂漠化、海洋汚染など地球レベルで環境破壊が進み、人類のみならず地球上の生命全体の存続にかかわる深刻な事態が進行しています。 この地球環境問題には複雑多様化した社会システムが深くかかわっており、企業活動がその重大な要因のひとつであることは否めません。フジクラは、私達の事業活動が地球環境と密接な関係をもつということを深く認識し、地球環境を保護するために最大の努力を尽くします。 基本理念 フジクラは、『フジクラグループ全員の努力により豊かで明るい生活を確保する』との基本方針を地球的規模に広げ、経営の最高課題のひとつとして、全社を挙げて地球環境の保全に取り組んで行きます。 行動指針 企業活動の全領域で、一人ひとりが地球環境の保全を優先して行動します。

1. 2. 3. 4. 5. 6. 7.

組織と運営 環境担当役員を責任者とする環境保全のための社内組織及び運営制度を整備し、各組織は環境目的、環境目標を明確にし、計画的かつ継続的な改善を推進する。 環境管理基準と環境管理レベルの向上 国や地方自治体などの環境規制を遵守することはもちろん、自主的な管理基準を設定して、環境管理レベルのいっそうの向上に努める。また定期的に環境監査を実施し、自主管理の維持向上をはかる。 事業活動において 製品の開発、設計、購買、生産、施工、販売、物流、廃棄等に至るまで、企業活動の全段階において環境の保全に努める。さらに省エネルギ-、省資源、リサイクルの促進、廃棄物および環境負荷物質の削減に取り組み、環境の汚染予防をはかる。 顧客への適切な情報提供 製品の利用者に対して、適正な使用方法、再資源化、廃棄方法などの情報を提供する。 地域社会への貢献 地域環境の保全活動に積極的に参画して、相互理解と協力関係の強化につとめ、地域社会の一員として貢献する。 海外での事業活動 進出先国の環境基準を遵守することはもちろん、自主的な管理基準を設定して環境の保全に努める。更に環境保全のための技術、ノウハウを積極的に活用するとともに、環境管理に関する人材育成に努める。 広報、啓蒙活動 全従業員に教育、広報および啓蒙活動を実施し、地球環境保全の理解と環境意識の向上を図る。

法規制の遵守

フジクラグループの2007年度事業活動において、法に抵触したことによる罰金・科料などの支払い事例は発生していません。また、社外に影響を及ぼすような環境事故も発生していません。

15 16

社 長 環境担当役員 地球環境保護推進室長

人事・総務部長

地球環境担当者(事業所長)

地球環境担当者(事業部門)

環境担当課長

部課長

環境管理責任者

公害防止管理者

大 気

水 質

騒 音

振 動

環境管理委員会

事業所環境管理責任者

会 議

主 査

地球環境委員会

環境担当役員

環境連絡会

地球環境保護推進室長

事業所部課長 メンバー 地球環境保護推進室長 人事・総務部長

事業所、事業部地球環境担当者 事業所環境担当課長

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環 境 管 理 活 動 指 針

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

フジクラ環境管理活動指針 2版(2006~2008年度)

「フジクラ環境管理活動指針2版」に基づき、フジクラグループ全社で環境活動に取り組みました。国内・海外グループ会社のデータを集約し、グローバルな視点での活動展開を目指しています。概ね目標を達成することができましたが、一部の項目で海外拠点のデータ

集計システムが構築しきれず、全グループ会社の結果を網羅することができませんでした。2007年度の実績は以下の表にまとめて記しています。

環境ISO 認証取得状況

2007年度、新たにISO14001認証を取得した事業所はありませんが、取得済一覧を以下に記します。

フジクラ環境活動指針 3版(2008~2010年度)

2008~2010年度までの環境管理中期目標として、フジクラグループの環境管理活動指針(3版)を新たに定め活動しています。

17 18

項 目 2006年度~2008年度中期目標

2007年度目標 2007年度実績 評 価 参照頁

環境法規制の遵守

事業活動に伴う 環境負荷低減と 汚染予防

温暖化の防止

国内・海外における法律・条例・協定やその他要求事項の遵守する

認証機関 認証取得日 フジクラ事業所

国内・海外における法律・条例・協定やその他要求事項の遵守する 環境事故ゼロ ○

国内は20%削減、海外は15%増 △

エネルギー消費原単位を2006年度比9%削減 ○

単体では0.8%、フジクラグループ含む全体で5.1% △

2005年度比7.5%削減 ○

2005年度比25%増 ×

2005年度比7%増 ×

国内、海外で調達品の管理を強化し、 禁止化学物質不含有品の調達と徹底

国内、海外の文具とOA機器の エコマーク製品購入比率59%

RoHS規制への対応を徹底し、 規制物質を全廃(顧客仕様除く)

グリーン製品認定制度(グリーンプロジェクトマーク製品)

2005年度比12%増 ×

16

22

22

24

○ 27

26

26

21

〔評価  ○:目標達成  △:一部、目標未達  ×:目標未達成〕

(1)エネルギー使用効率の向上   国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内3%、海外9%以上削減する

廃棄物削減、 資源リサイクル

顧客要求への 対応と 環境配慮型製品 への取り組み

製品含有化学物質 管理及び エコ製品の開発と 拡大

環境汚染予防、 グリーン調達、 グリーン購入

(1)廃棄物の削減   国内の埋立廃棄物比率を2%以下とする

(1)エネルギー使用効率の向上   国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内2%、海外6%以上削減する

(1)廃棄物の削減   国内の埋立廃棄物比率を2.5%以下とする

(2)温室効果ガス排出量の削減   国内の二酸化炭素排出量を2005年度比8%以上削減する

(2)温室効果ガス排出量の削減   国内の二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する   拠点ごとに温室効果ガス排出量を監視する

(2)梱包資材の削減   国内の梱包資材の購入費用比率を2005年度比3%以上削減する

(2)梱包資材の削減   国内の梱包資材の購入費用比率を2005年度比2%以上削減する

(1)PRTR対象化学物質排出・移動量の削減   国内・海外で排出・移動量を2005年度比10%以上削減する

(1)PRTR対象化学物質排出・移動量の削減   国内・海外で対象化学物質排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

(2)VOC 対象化学物質大気排出量の削減   国内・海外で大気排出量を2005年度比10%以上削減する

(2)VOC 対象化学物質大気排出量の削減   国内・海外で対象化学物質の大気排出量を2005年度比5%以上削減する

(3)調達品の含有化学物質管理の拡大   国内・海外で禁止化学物質不含有保証品の調達徹底をする

(3)調達品の含有化学物質管理の拡大   国内・海外で禁止化学物質不含有保証品の調達徹底をする

(4)エコマーク製品等の購入比率を国内・海外で70%以上とする   文具やOA 機器の比率拡大 (4)エコマーク製品等の購入比率を国内・海外で50%以上とする

(1)製品含有化学物質管理の拡大 (1)製品含有化学物質管理の拡大   RoHS規制の遵守

(2)省資源、省エネ、リサイクルしやすい環境   配慮製品の開発と拡大の推進

(2)省資源、省エネ、リサイクルしやすい環境   配慮製品の開発と拡大の推進   ISO14021制度の運用

(3)グリーン物流の推進   国内の製品物流に要するエネルギー消費原単位を2006年度比2%以上削減する

(3)グリーン物流の推進   国内の製品物流に要するエネルギー消費原単位GJ/トン・キロ値を2006年度比1%以上削減する

本社(国内8支店、関係会社15社含む)

佐倉事業所(関係会社2社含む)

鈴鹿事業所(関係会社1社含む)

沼津事業所(関係会社3社含む)

石岡事業所(関係会社3社含む)

LRQA

LRQA

LRQA

LRQA

JQA

2000年 9月

1998年 9月

1999年9月

2002年3月

2001年12月

海外グループ会社 認証機関 認証取得日

Fujikura (Thailand) Ltd.  

DDK (Thailand) Ltd. 

LTEC Ltd.

PCTT Ltd.

Yoneden (Thailand) Ltd.

Fujikura Engineering (Thailand) Ltd.

Fujikura Federal Cables Sdn. Bhd.

Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.

Fujikura Asia Ltd.

Fujikura Fiber Optics Vietnam Ltd.

珠海藤倉電裝有限公司

米沢(昆山)電線有限公司

広州米沢電線有限公司

藤倉電子(上海)有限公司

第一電子工業(上海)有限公司

SGS

TUV CERT

SGS

TUV CERT

SGS

SGS 

SGS Yarsley

SIRIM QAS

LRQA

SGS

CQC

CQC

BSI

SGS

SGS

国 名

タイ

タイ

タイ

タイ

タイ

タイ

マレーシア

マレーシア

シンガポール

ベトナム

中国

中国

中国

中国

中国

1998年5月

1999年11月

2000年2月

2002年2月

2003年12月

2000年12月

2002年8月

2004年12月

2004年12月

2005年1月

2004年5月

2004年8月

2004年12月

2005年2月

2006年5月

国内グループ会社 認証機関 認証取得日

西日本電線㈱(関係会社1社含む)

㈱東北フジクラ

第一電子工業㈱(関係会社1社含む)

米沢電線㈱ 郡山工場

米沢電線㈱ 本社/米沢工場

米沢電線㈱ 八幡原事業所

㈱青森フジクラ金矢

㈱スズキ技研

沼津熔銅㈱ 金谷工場

富士資材加工㈱ 本社/富士事業所

藤倉商事㈱

シスコム㈱ 本社/東京事務所

フジクラプレシジョン㈱

LRQA

LRQA

JQA

JQA

JQA

JQA

LRQA

LRQA

JQA

LRQA

LRQA

PJR

LRQA

1999年5月

1999年6月

1999年11月

2000年2月

2000年10月

2001年3月

2000年3月

2000年9月

2001年9月

2003年2月

2004年3月

2004年8月

2006年6月

認証機関名称

BSI: British Standard Institute    CQC: China Quality Certification Center 中国質量認証中心 JQA: Japan Quality Assurance Organization 財団法人日本品質保証機構      LRQA: Lloyd's Register Quality Assurance Ltd.   PJR: Perry Johnson Registrars     SGS: Societe Generale de Surveillance     SGS Yarsley: SGS Yarsley International Certification Services Ltd. SIRIM QAS: Standard and Industrial Research Institute of Malaysia Quality Assurance System     TUV CERT: TUV CERT through TUV Industrie Service Gmb

(1)オフィス部門を含む生産量CO2排出原単位を2010年度に2007年度比5%以上削減(国内、海外生産拠点) (2)製品物流に要するエネルギー原単位を2010年度に2006年度基準の4%以上改善する(フジクラ製品の国内輸送)

(1)産業廃棄物の埋立比率を2010年度に1%以下にする(国内 グループ生産拠点) (2)梱包材使用量を2010年度に2007年度比2%以上削減する(国内グループ生産拠点)

生産工程で使用するVOCの大気排出量を2010年度に2005年度基準の20%削減する(国内グループ生産拠点)、 同上10%削減する(海外生産拠点)

サプライチェーンでの製品含有化学物質管理を推進する(RoHS規制を含むグリーン調達及びREACH規制での 情報伝達に係わる高懸念物質管理の推進)

フジクラグリーンプロダクツ製品登録数を毎年3件以上とする(国内グループ生産拠点)

HCFC225とHCFC1414b全廃に向けたスケジュールを作成する(国内、海外生産拠点)

鉛使用量の削減 一般電線ケーブルの被覆材に使用する鉛化合物を2010年度に2007年度比80%以上削減する

温暖化防止

廃棄物ゼロエミッション

環境負荷物質削減

発性有機化合物の排出削減

代替フロン削減

汚染予防・グリーン調達

環境対応製品拡大

項 目 目 標

Page 19: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

環 境 管 理 活 動 指 針

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

フジクラ環境管理活動指針 2版(2006~2008年度)

「フジクラ環境管理活動指針2版」に基づき、フジクラグループ全社で環境活動に取り組みました。国内・海外グループ会社のデータを集約し、グローバルな視点での活動展開を目指しています。概ね目標を達成することができましたが、一部の項目で海外拠点のデータ

集計システムが構築しきれず、全グループ会社の結果を網羅することができませんでした。2007年度の実績は以下の表にまとめて記しています。

環境ISO 認証取得状況

2007年度、新たにISO14001認証を取得した事業所はありませんが、取得済一覧を以下に記します。

フジクラ環境活動指針 3版(2008~2010年度)

2008~2010年度までの環境管理中期目標として、フジクラグループの環境管理活動指針(3版)を新たに定め活動しています。

17 18

項 目 2006年度~2008年度中期目標

2007年度目標 2007年度実績 評 価 参照頁

環境法規制の遵守

事業活動に伴う 環境負荷低減と 汚染予防

温暖化の防止

国内・海外における法律・条例・協定やその他要求事項の遵守する

認証機関 認証取得日 フジクラ事業所

国内・海外における法律・条例・協定やその他要求事項の遵守する 環境事故ゼロ ○

国内は20%削減、海外は15%増 △

エネルギー消費原単位を2006年度比9%削減 ○

単体では0.8%、フジクラグループ含む全体で5.1% △

2005年度比7.5%削減 ○

2005年度比25%増 ×

2005年度比7%増 ×

国内、海外で調達品の管理を強化し、 禁止化学物質不含有品の調達と徹底

国内、海外の文具とOA機器の エコマーク製品購入比率59%

RoHS規制への対応を徹底し、 規制物質を全廃(顧客仕様除く)

グリーン製品認定制度(グリーンプロジェクトマーク製品)

2005年度比12%増 ×

16

22

22

24

○ 27

26

26

21

〔評価  ○:目標達成  △:一部、目標未達  ×:目標未達成〕

(1)エネルギー使用効率の向上   国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内3%、海外9%以上削減する

廃棄物削減、 資源リサイクル

顧客要求への 対応と 環境配慮型製品 への取り組み

製品含有化学物質 管理及び エコ製品の開発と 拡大

環境汚染予防、 グリーン調達、 グリーン購入

(1)廃棄物の削減   国内の埋立廃棄物比率を2%以下とする

(1)エネルギー使用効率の向上   国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内2%、海外6%以上削減する

(1)廃棄物の削減   国内の埋立廃棄物比率を2.5%以下とする

(2)温室効果ガス排出量の削減   国内の二酸化炭素排出量を2005年度比8%以上削減する

(2)温室効果ガス排出量の削減   国内の二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する   拠点ごとに温室効果ガス排出量を監視する

(2)梱包資材の削減   国内の梱包資材の購入費用比率を2005年度比3%以上削減する

(2)梱包資材の削減   国内の梱包資材の購入費用比率を2005年度比2%以上削減する

(1)PRTR対象化学物質排出・移動量の削減   国内・海外で排出・移動量を2005年度比10%以上削減する

(1)PRTR対象化学物質排出・移動量の削減   国内・海外で対象化学物質排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

(2)VOC 対象化学物質大気排出量の削減   国内・海外で大気排出量を2005年度比10%以上削減する

(2)VOC 対象化学物質大気排出量の削減   国内・海外で対象化学物質の大気排出量を2005年度比5%以上削減する

(3)調達品の含有化学物質管理の拡大   国内・海外で禁止化学物質不含有保証品の調達徹底をする

(3)調達品の含有化学物質管理の拡大   国内・海外で禁止化学物質不含有保証品の調達徹底をする

(4)エコマーク製品等の購入比率を国内・海外で70%以上とする   文具やOA 機器の比率拡大 (4)エコマーク製品等の購入比率を国内・海外で50%以上とする

(1)製品含有化学物質管理の拡大 (1)製品含有化学物質管理の拡大   RoHS規制の遵守

(2)省資源、省エネ、リサイクルしやすい環境   配慮製品の開発と拡大の推進

(2)省資源、省エネ、リサイクルしやすい環境   配慮製品の開発と拡大の推進   ISO14021制度の運用

(3)グリーン物流の推進   国内の製品物流に要するエネルギー消費原単位を2006年度比2%以上削減する

(3)グリーン物流の推進   国内の製品物流に要するエネルギー消費原単位GJ/トン・キロ値を2006年度比1%以上削減する

本社(国内8支店、関係会社15社含む)

佐倉事業所(関係会社2社含む)

鈴鹿事業所(関係会社1社含む)

沼津事業所(関係会社3社含む)

石岡事業所(関係会社3社含む)

LRQA

LRQA

LRQA

LRQA

JQA

2000年 9月

1998年 9月

1999年9月

2002年3月

2001年12月

海外グループ会社 認証機関 認証取得日

Fujikura (Thailand) Ltd.  

DDK (Thailand) Ltd. 

LTEC Ltd.

PCTT Ltd.

Yoneden (Thailand) Ltd.

Fujikura Engineering (Thailand) Ltd.

Fujikura Federal Cables Sdn. Bhd.

Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.

Fujikura Asia Ltd.

Fujikura Fiber Optics Vietnam Ltd.

珠海藤倉電裝有限公司

米沢(昆山)電線有限公司

広州米沢電線有限公司

藤倉電子(上海)有限公司

第一電子工業(上海)有限公司

SGS

TUV CERT

SGS

TUV CERT

SGS

SGS 

SGS Yarsley

SIRIM QAS

LRQA

SGS

CQC

CQC

BSI

SGS

SGS

国 名

タイ

タイ

タイ

タイ

タイ

タイ

マレーシア

マレーシア

シンガポール

ベトナム

中国

中国

中国

中国

中国

1998年5月

1999年11月

2000年2月

2002年2月

2003年12月

2000年12月

2002年8月

2004年12月

2004年12月

2005年1月

2004年5月

2004年8月

2004年12月

2005年2月

2006年5月

国内グループ会社 認証機関 認証取得日

西日本電線㈱(関係会社1社含む)

㈱東北フジクラ

第一電子工業㈱(関係会社1社含む)

米沢電線㈱ 郡山工場

米沢電線㈱ 本社/米沢工場

米沢電線㈱ 八幡原事業所

㈱青森フジクラ金矢

㈱スズキ技研

沼津熔銅㈱ 金谷工場

富士資材加工㈱ 本社/富士事業所

藤倉商事㈱

シスコム㈱ 本社/東京事務所

フジクラプレシジョン㈱

LRQA

LRQA

JQA

JQA

JQA

JQA

LRQA

LRQA

JQA

LRQA

LRQA

PJR

LRQA

1999年5月

1999年6月

1999年11月

2000年2月

2000年10月

2001年3月

2000年3月

2000年9月

2001年9月

2003年2月

2004年3月

2004年8月

2006年6月

認証機関名称

BSI: British Standard Institute    CQC: China Quality Certification Center 中国質量認証中心 JQA: Japan Quality Assurance Organization 財団法人日本品質保証機構      LRQA: Lloyd's Register Quality Assurance Ltd.   PJR: Perry Johnson Registrars     SGS: Societe Generale de Surveillance     SGS Yarsley: SGS Yarsley International Certification Services Ltd. SIRIM QAS: Standard and Industrial Research Institute of Malaysia Quality Assurance System     TUV CERT: TUV CERT through TUV Industrie Service Gmb

(1)オフィス部門を含む生産量CO2排出原単位を2010年度に2007年度比5%以上削減(国内、海外生産拠点) (2)製品物流に要するエネルギー原単位を2010年度に2006年度基準の4%以上改善する(フジクラ製品の国内輸送)

(1)産業廃棄物の埋立比率を2010年度に1%以下にする(国内 グループ生産拠点) (2)梱包材使用量を2010年度に2007年度比2%以上削減する(国内グループ生産拠点)

生産工程で使用するVOCの大気排出量を2010年度に2005年度基準の20%削減する(国内グループ生産拠点)、 同上10%削減する(海外生産拠点)

サプライチェーンでの製品含有化学物質管理を推進する(RoHS規制を含むグリーン調達及びREACH規制での 情報伝達に係わる高懸念物質管理の推進)

フジクラグリーンプロダクツ製品登録数を毎年3件以上とする(国内グループ生産拠点)

HCFC225とHCFC1414b全廃に向けたスケジュールを作成する(国内、海外生産拠点)

鉛使用量の削減 一般電線ケーブルの被覆材に使用する鉛化合物を2010年度に2007年度比80%以上削減する

温暖化防止

廃棄物ゼロエミッション

環境負荷物質削減

発性有機化合物の排出削減

代替フロン削減

汚染予防・グリーン調達

環境対応製品拡大

項 目 目 標

Page 20: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

環 境 監 査

環 境 会 計 ・ 環 境 教 育 マ テ リ ア ル バ ラ ン ス

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

社内環境監査

環境会計

環境教育

ISO14001環境監査

フジクラ沼津事業所 フジクラ佐倉事業所 第一電子工業(株) (株)シンシロケーブル

省エネ勉強会

フジクラは「環境に影響のある活動にかかる経営管理を促進する」「環境方針の遵守状況を評価する」ことを目的に、環境保全に係る組織、管理システムおよび手続きの状況を定期的に、客観的に評価するため監査を行っています。監査の種類はISO14001環境マネジメントシステムの内部監査(第一者監査)、審査機関によるフジクラの環境マネジメントシステム外部監査(第三者監査)、フジクラグループ会社を対象に地球環境保護推進室が環境監査を毎年行っています。また、お客様による顧客監査(第二者監査)も実施されています。 2007年度に実施した監査を以下の表に示します。

環境会計は、企業が環境対策を進めるためにどれだけコストをかけ、その結果、どんな効果が得られたかなどを、定量的に評価することで、自社の環境保全への取り組みを効果の高いものにするための経営管理上の分析ツールです。 フジクラと主要な国内のフジクラグループで環境保全に要した投資や費用を、環境省の「環境会計ガイドライン2005年版」に基づいて集計しています。 2007年度の国内フジクラグループの投資総額は1,454百万円、費用総額は3,500百万円です。 ●対象範囲:フジクラと国内グループ会社28社 ●対象期間:2007年4月から2008年3月末まで

事業活動に伴う環境影響

フジクラの事業活動が環境に与えた影響として、2007年度のフジクラ事業所と本社の環境負荷を合計して示しています。

内部環境監査員人数

金額:百万円 費用合計

3500

1696

177

293

1278

11

45

投資合計

1454

2007年度経済効果(フジクラ分のみ)

収益(リサイクルや有価売却分)

費用削減分

239

1

20

1194

0

0

投資内容/取組内容

排ガス洗浄装置、本社ビル照明インバーター、 省エネ型水銀灯、粉塵静電除去装置など

光ケーブル解体設備など

ISOマネジメントシステム維持管理費など

環境対応製品開発費など

ボランティア清掃、緑化など

汚染負荷量賦課金、調査費など

合  計

(1)事業エリア内コスト   (公害防止コスト、   地球環境保全コスト、   資源循環コスト)

(2)上・下流コスト

(3)管理活動コスト

(4)研究開発コスト

(5)社会活動コスト

(6)環境損傷対応コスト

19 20

INPUT 製造 OUTPUT

原材料  銅  ポリエチレン  ポリ塩化ビニール

※1 PRTR(Pollutant Release and Transfer Register):環境汚染物質の排出と移動登録 ※2 VOC(Volatile Organic Compounds):揮発性有機化合物

トン 158,000 7,400 4,100

エネルギー起源CO2 製品物流CO2 廃水量

トン 69,000 7,600

530,000

廃棄物  埋立処理量  PRTR※1排出と   移動量  VOC※2排出量

トン 59

5,400

11

エネルギー

ギガジュール 1,695,000

水資源 トン 2,000,000

製品  銅アルミ電線    光ファイバ

89,000トン

12,000千km

c:コア(素線)長

ISO14001 マネジメントシステム フジクラグループ環境監査 顧客監査

内部監査 外部監査

ISO14001 認証取得事業所、 関連会社すべて 国

佐倉事業所、鈴鹿事業所、沼津事業所、 (株)東北フジクラ、(株)シンシロケーブル、 米沢電線(株)、第一電子工業(株)、沼津熔銅(株)、 武蔵金線(株)、フジクラ物流(株)

Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.、 Fujikura Federal Cable Sdn. Bhd.、 Fujikura Engineering(Thailand)Ltd.、 KDK-Fujikura(Thailand) Ltd.、 DDK(Thailand)Ltd.、 Fujikura SHS Ltd.、Yoneden (Thailand) Ltd.、 LTEC Ltd.、PCTT Ltd.、Fujikura (Thailand) Ltd.

Fujikura (Thailand) Ltd.、PCTT Ltd.、 LTEC Ltd.、DDK (Thailand) Ltd.、 Yoneden (Thailand) Ltd.、 Fujikura SHS Ltd.、KDK-Fujikura(Thailand) Ltd.、 フジクラ電子(上海)有限公司、 広州米沢電線有限公司、 第一電子工業(上海)有限公司

佐倉事業所 第一電子工業(株)、協栄線材(株)、 (株)東北フジクラ、(株)青森フジクラ金矢、 (株)青森ディーディーケイ

一人ひとりが省エネルギーやリサイクルなどの省資源活動に取り組み、さらに日常の業務を通じて地球環境保護に努めるよう、全従業員に対する環境教育を実施しています。新入社員研修で行う環境講座、事業所でのOJT、各事業所・部課単位のISO14001教育、業務に関わる専門的な教育などを行い、環境意識の向上を図っています。 <省エネ勉強会1 本社オフィス部門> 本社ではオフィス部門を対象に省エネルギー勉強会を開催しました。パソコンモニタの電源自動オフ時間の短縮設定や照明のプルスイッチの活用、室内の冷気・暖気の窓ガラスからの放熱ロスを防ぐためブラインドによりガラスとの間に空気の層をつくるなど、誰もが簡単に実施できる事例を紹介し、職場に戻ってすぐに実行してもらいました。 また、各職場に省エネ活動を進めるよう電力メーターを設置し、使用電力の見える化による省エネに対する意識を高めています。 <省エネ勉強会2 フジクラグループ全体> 2008年5月21日、社外講師による省エネルギー勉強会を開催しました。 「改正省エネ法の概要と省エネ対策事例」(省エネルギーセンター)および「空調機の省エネ」(空調メーカー)について、日本のエネルギー消費の動向と省エネの必要性や、工場、事業所の省エネ改善事例を講演していただきました。国内外のグループ会社からも多数の方が参加し、熱心に聴講しました。

(単位:百万円)

金額(百万円)

728

146

Page 21: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

環 境 監 査

環 境 会 計 ・ 環 境 教 育 マ テ リ ア ル バ ラ ン ス

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

社内環境監査

環境会計

環境教育

ISO14001環境監査

フジクラ沼津事業所 フジクラ佐倉事業所 第一電子工業(株) (株)シンシロケーブル

省エネ勉強会

フジクラは「環境に影響のある活動にかかる経営管理を促進する」「環境方針の遵守状況を評価する」ことを目的に、環境保全に係る組織、管理システムおよび手続きの状況を定期的に、客観的に評価するため監査を行っています。監査の種類はISO14001環境マネジメントシステムの内部監査(第一者監査)、審査機関によるフジクラの環境マネジメントシステム外部監査(第三者監査)、フジクラグループ会社を対象に地球環境保護推進室が環境監査を毎年行っています。また、お客様による顧客監査(第二者監査)も実施されています。 2007年度に実施した監査を以下の表に示します。

環境会計は、企業が環境対策を進めるためにどれだけコストをかけ、その結果、どんな効果が得られたかなどを、定量的に評価することで、自社の環境保全への取り組みを効果の高いものにするための経営管理上の分析ツールです。 フジクラと主要な国内のフジクラグループで環境保全に要した投資や費用を、環境省の「環境会計ガイドライン2005年版」に基づいて集計しています。 2007年度の国内フジクラグループの投資総額は1,454百万円、費用総額は3,500百万円です。 ●対象範囲:フジクラと国内グループ会社28社 ●対象期間:2007年4月から2008年3月末まで

事業活動に伴う環境影響

フジクラの事業活動が環境に与えた影響として、2007年度のフジクラ事業所と本社の環境負荷を合計して示しています。

内部環境監査員人数

金額:百万円 費用合計

3500

1696

177

293

1278

11

45

投資合計

1454

2007年度経済効果(フジクラ分のみ)

収益(リサイクルや有価売却分)

費用削減分

239

1

20

1194

0

0

投資内容/取組内容

排ガス洗浄装置、本社ビル照明インバーター、 省エネ型水銀灯、粉塵静電除去装置など

光ケーブル解体設備など

ISOマネジメントシステム維持管理費など

環境対応製品開発費など

ボランティア清掃、緑化など

汚染負荷量賦課金、調査費など

合  計

(1)事業エリア内コスト   (公害防止コスト、   地球環境保全コスト、   資源循環コスト)

(2)上・下流コスト

(3)管理活動コスト

(4)研究開発コスト

(5)社会活動コスト

(6)環境損傷対応コスト

19 20

INPUT 製造 OUTPUT

原材料  銅  ポリエチレン  ポリ塩化ビニール

※1 PRTR(Pollutant Release and Transfer Register):環境汚染物質の排出と移動登録 ※2 VOC(Volatile Organic Compounds):揮発性有機化合物

トン 158,000 7,400 4,100

エネルギー起源CO2 製品物流CO2 廃水量

トン 69,000 7,600

530,000

廃棄物  埋立処理量  PRTR※1排出と   移動量  VOC※2排出量

トン 59

5,400

11

エネルギー

ギガジュール 1,695,000

水資源 トン 2,000,000

製品  銅アルミ電線    光ファイバ

89,000トン

12,000千km

c:コア(素線)長

ISO14001 マネジメントシステム フジクラグループ環境監査 顧客監査

内部監査 外部監査

ISO14001 認証取得事業所、 関連会社すべて 国

佐倉事業所、鈴鹿事業所、沼津事業所、 (株)東北フジクラ、(株)シンシロケーブル、 米沢電線(株)、第一電子工業(株)、沼津熔銅(株)、 武蔵金線(株)、フジクラ物流(株)

Fujikura (Malaysia) Sdn. Bhd.、 Fujikura Federal Cable Sdn. Bhd.、 Fujikura Engineering(Thailand)Ltd.、 KDK-Fujikura(Thailand) Ltd.、 DDK(Thailand)Ltd.、 Fujikura SHS Ltd.、Yoneden (Thailand) Ltd.、 LTEC Ltd.、PCTT Ltd.、Fujikura (Thailand) Ltd.

Fujikura (Thailand) Ltd.、PCTT Ltd.、 LTEC Ltd.、DDK (Thailand) Ltd.、 Yoneden (Thailand) Ltd.、 Fujikura SHS Ltd.、KDK-Fujikura(Thailand) Ltd.、 フジクラ電子(上海)有限公司、 広州米沢電線有限公司、 第一電子工業(上海)有限公司

佐倉事業所 第一電子工業(株)、協栄線材(株)、 (株)東北フジクラ、(株)青森フジクラ金矢、 (株)青森ディーディーケイ

一人ひとりが省エネルギーやリサイクルなどの省資源活動に取り組み、さらに日常の業務を通じて地球環境保護に努めるよう、全従業員に対する環境教育を実施しています。新入社員研修で行う環境講座、事業所でのOJT、各事業所・部課単位のISO14001教育、業務に関わる専門的な教育などを行い、環境意識の向上を図っています。 <省エネ勉強会1 本社オフィス部門> 本社ではオフィス部門を対象に省エネルギー勉強会を開催しました。パソコンモニタの電源自動オフ時間の短縮設定や照明のプルスイッチの活用、室内の冷気・暖気の窓ガラスからの放熱ロスを防ぐためブラインドによりガラスとの間に空気の層をつくるなど、誰もが簡単に実施できる事例を紹介し、職場に戻ってすぐに実行してもらいました。 また、各職場に省エネ活動を進めるよう電力メーターを設置し、使用電力の見える化による省エネに対する意識を高めています。 <省エネ勉強会2 フジクラグループ全体> 2008年5月21日、社外講師による省エネルギー勉強会を開催しました。 「改正省エネ法の概要と省エネ対策事例」(省エネルギーセンター)および「空調機の省エネ」(空調メーカー)について、日本のエネルギー消費の動向と省エネの必要性や、工場、事業所の省エネ改善事例を講演していただきました。国内外のグループ会社からも多数の方が参加し、熱心に聴講しました。

(単位:百万円)

金額(百万円)

728

146

Page 22: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

地 球 温 暖 化 対 策

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

グリーン物流推進・改正省エネ法対応

二酸化炭素排出量

日本は温室効果ガス排出量を2008年度から2012年度の間に基準年度(1990)の6%を削減する京都議定書目標達成計画を推進しています。 フジクラグループは、事業活動に伴うエネルギー使用の効率化を進め、工場やオフィスからの温室効果ガス排出の低減に努めています。具体的な取り組みとして、従来の生産活動でのエネルギー効率化による省エネルギー活動として、生産工程の見直しによる不要エネルギーの削減、生産ラインの集約、冷暖房ゾーンの局所化、照明の高効率化設備更新、などを進めています。また、東京都も都内のエネルギー使用の多い事業所1,000社以上を対象に「地球温暖化対策計画書」制度により、2010年までのCO2排出量削減に取り組んでいます。フジクラ本社ビルもその対象として2005年度から2010年度まで削減対策計画を提出し、毎年その対策と実施が評価されています。空調用氷蓄熱装置の冬期運転見直し、照明安定器のインバータ化とHf蛍光管への変更などを実施して温暖化対策を進めています。

目標: 製品等輸送により発生するエネルギー消費原単位を毎年1%削減する

製品をお客様のもとに輸送する際にもエネルギーを消費することから、省エネルギー法が改正され、2006年4月1日から施行されています。フジクラ

は、年間で3000万トンキロ以上の輸送を運送業者に委託している特定荷主にあたり、毎年、輸送の省エネ計画および実績を経済産業省に報告

することになっています。具体的な省エネ活動としては、製品のまとめ出荷および物流拠点の集約等による輸送効率の向上やモーダルシフトに

取り組んでいます。

フジクラが2007年度に製品等輸送を委託した総量は約8000万トン・キロ(輸送重量トン×輸送距離)で、これは輸送時に発生するCO2に換算

すると約7600トンに相当します。2006年度との比較では、輸送によるエネルギー消費原単位を約9%(CO2排出量換算約700トン/年の削減)を

削減しました。

なお、輸送トンキロには工場で発生した廃棄物の輸送に要した量も含んでいます。

また、フジクラは、電線業界全体の省エネ活動の一貫として、工事現場への電線・ケーブルの共同納入を実施しています。この活動は、搬入トラック

削減によるCO2排出量の削減効果に加えて、交通渋滞の緩和にも貢献しています。

2007年度は継続3件、新規1件の共同納入を実施しました。

2007年度共同納入実施案件

<継続>

新丸の内ビル新築工事

東京駅八重洲口南棟新築工事

東京駅八重洲口北棟新築工事

<新規>

広尾地区再建整備計画分譲マンション新築工事

エネルギー使用効率の向上

21 22

1.20

1.10

1.15

1.00

1.05

0.95

0.902005年度 2006年度 2007年度

1.00

1.07

1.12

国内(フジクラ+フジクラグループ生産拠点)

1.20

1.10

0.90

1.00

0.70

0.80

0.60

0.502005年度 2006年度

1.07

0.91

エネルギー費/売上

2007年度

1.15

0.98

国内(フジクラ+フジクラグループ)

2007年度目標: 国内フジクラグループの二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する 2006年度から「地球温暖化対策の推進に関する法律」により二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等の6種類の温室効果ガスを一定量以上排出する事業所は自らの温室効果ガス量の排出量を算定し、国に報告することが義務付けられました。二酸化炭素排出量を地域の電力会社ごとに公表された購入電力排出原単位を用いて、各事業所・各社に二酸化炭素量を計算して事業所単位で報告しています(各燃料については地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく命令による排出係数により計算)。 2007年度の目標はフジクラと国内のフジクラグループから排出されたエネルギー使用から計算される二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する目標を設定しましたが、結果はグラフで示すように2005年度比で12%増となりました。これは光ファイバなどの情報通信需要の増加や産業用電線の国内製造業および流通業の大型投資や建設需要増により電力使用分が増加したためです。 フジクラ本社と事業所および国内のフジクラグループのエネルギー起源CO2は各事業所の購入電力量と燃料油やガス使用量から計算しています。購入電力の使用に伴う原単位は日本経団連環境自主行動計画による1997~2006年度実績の数値を使用しています(産業界全体の二酸化炭素排出量は発電端の排出係数により算定。2007年度分は現在数値が確定していないので2006年度の数値で計算しています)。 2006年度から、各電力会社が公表したCO2排出係数を用いて電力分の二酸化炭素排出量を計算する制度になりました。2007年度のフジクラと国内フジクラグループの二酸化炭素排出量は、電力会社の排出係数で事業所ごとに計算した結果、前年度比1.2%の増加でした。

トン

2007年度 2006年度

133,613131,913

各電力会社係数によるCO2排出量

単体 国内グループ8社

海外フジクラグループ

目標: 2007年度の国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内2%、海外6%以上削減する フジクラはエネルギー使用効率を売上高当たりのエネルギー費用比率の指標で国内・海外の製造拠点やオフィスについて削減目標を定め活動しました。国内(フジクラとフジクラグループ)と海外のフジクラグループの売上当たりのエネルギー費の比率を2005年度基準で比較したのが以下のグラフです。国内は2005年度比2%削減を達成できましたが、海外のフジクラグループについては2005年度比15%増で目標未達の結果になりました。これは、国内外の原油高の影響と為替の変動による電力や燃料油の費用上昇および海外で新会社が3社増加した影響です。 2008年度以降は、各拠点単位で生産性指標(生産量、生産個数、 生産台数、床面積などを原単位とした電力使用量)の向上を目標に定め、電気エネルギーの効率化を図っていきます。

200,000

180,000

140,000

160,000

80,000

120,000

60,000

40,000

20,000

0

1.2%増

電力以外

電力

CO2合計

Page 23: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

地 球 温 暖 化 対 策

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

グリーン物流推進・改正省エネ法対応

二酸化炭素排出量

日本は温室効果ガス排出量を2008年度から2012年度の間に基準年度(1990)の6%を削減する京都議定書目標達成計画を推進しています。 フジクラグループは、事業活動に伴うエネルギー使用の効率化を進め、工場やオフィスからの温室効果ガス排出の低減に努めています。具体的な取り組みとして、従来の生産活動でのエネルギー効率化による省エネルギー活動として、生産工程の見直しによる不要エネルギーの削減、生産ラインの集約、冷暖房ゾーンの局所化、照明の高効率化設備更新、などを進めています。また、東京都も都内のエネルギー使用の多い事業所1,000社以上を対象に「地球温暖化対策計画書」制度により、2010年までのCO2排出量削減に取り組んでいます。フジクラ本社ビルもその対象として2005年度から2010年度まで削減対策計画を提出し、毎年その対策と実施が評価されています。空調用氷蓄熱装置の冬期運転見直し、照明安定器のインバータ化とHf蛍光管への変更などを実施して温暖化対策を進めています。

目標: 製品等輸送により発生するエネルギー消費原単位を毎年1%削減する

製品をお客様のもとに輸送する際にもエネルギーを消費することから、省エネルギー法が改正され、2006年4月1日から施行されています。フジクラ

は、年間で3000万トンキロ以上の輸送を運送業者に委託している特定荷主にあたり、毎年、輸送の省エネ計画および実績を経済産業省に報告

することになっています。具体的な省エネ活動としては、製品のまとめ出荷および物流拠点の集約等による輸送効率の向上やモーダルシフトに

取り組んでいます。

フジクラが2007年度に製品等輸送を委託した総量は約8000万トン・キロ(輸送重量トン×輸送距離)で、これは輸送時に発生するCO2に換算

すると約7600トンに相当します。2006年度との比較では、輸送によるエネルギー消費原単位を約9%(CO2排出量換算約700トン/年の削減)を

削減しました。

なお、輸送トンキロには工場で発生した廃棄物の輸送に要した量も含んでいます。

また、フジクラは、電線業界全体の省エネ活動の一貫として、工事現場への電線・ケーブルの共同納入を実施しています。この活動は、搬入トラック

削減によるCO2排出量の削減効果に加えて、交通渋滞の緩和にも貢献しています。

2007年度は継続3件、新規1件の共同納入を実施しました。

2007年度共同納入実施案件

<継続>

新丸の内ビル新築工事

東京駅八重洲口南棟新築工事

東京駅八重洲口北棟新築工事

<新規>

広尾地区再建整備計画分譲マンション新築工事

エネルギー使用効率の向上

21 22

1.20

1.10

1.15

1.00

1.05

0.95

0.902005年度 2006年度 2007年度

1.00

1.07

1.12

国内(フジクラ+フジクラグループ生産拠点)

1.20

1.10

0.90

1.00

0.70

0.80

0.60

0.502005年度 2006年度

1.07

0.91

エネルギー費/売上

2007年度

1.15

0.98

国内(フジクラ+フジクラグループ)

2007年度目標: 国内フジクラグループの二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する 2006年度から「地球温暖化対策の推進に関する法律」により二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等の6種類の温室効果ガスを一定量以上排出する事業所は自らの温室効果ガス量の排出量を算定し、国に報告することが義務付けられました。二酸化炭素排出量を地域の電力会社ごとに公表された購入電力排出原単位を用いて、各事業所・各社に二酸化炭素量を計算して事業所単位で報告しています(各燃料については地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく命令による排出係数により計算)。 2007年度の目標はフジクラと国内のフジクラグループから排出されたエネルギー使用から計算される二酸化炭素排出量を2005年度比4%以上削減する目標を設定しましたが、結果はグラフで示すように2005年度比で12%増となりました。これは光ファイバなどの情報通信需要の増加や産業用電線の国内製造業および流通業の大型投資や建設需要増により電力使用分が増加したためです。 フジクラ本社と事業所および国内のフジクラグループのエネルギー起源CO2は各事業所の購入電力量と燃料油やガス使用量から計算しています。購入電力の使用に伴う原単位は日本経団連環境自主行動計画による1997~2006年度実績の数値を使用しています(産業界全体の二酸化炭素排出量は発電端の排出係数により算定。2007年度分は現在数値が確定していないので2006年度の数値で計算しています)。 2006年度から、各電力会社が公表したCO2排出係数を用いて電力分の二酸化炭素排出量を計算する制度になりました。2007年度のフジクラと国内フジクラグループの二酸化炭素排出量は、電力会社の排出係数で事業所ごとに計算した結果、前年度比1.2%の増加でした。

トン

2007年度 2006年度

133,613131,913

各電力会社係数によるCO2排出量

単体 国内グループ8社

海外フジクラグループ

目標: 2007年度の国内・海外のエネルギー費用を売上高当たり2005年度比国内2%、海外6%以上削減する フジクラはエネルギー使用効率を売上高当たりのエネルギー費用比率の指標で国内・海外の製造拠点やオフィスについて削減目標を定め活動しました。国内(フジクラとフジクラグループ)と海外のフジクラグループの売上当たりのエネルギー費の比率を2005年度基準で比較したのが以下のグラフです。国内は2005年度比2%削減を達成できましたが、海外のフジクラグループについては2005年度比15%増で目標未達の結果になりました。これは、国内外の原油高の影響と為替の変動による電力や燃料油の費用上昇および海外で新会社が3社増加した影響です。 2008年度以降は、各拠点単位で生産性指標(生産量、生産個数、 生産台数、床面積などを原単位とした電力使用量)の向上を目標に定め、電気エネルギーの効率化を図っていきます。

200,000

180,000

140,000

160,000

80,000

120,000

60,000

40,000

20,000

0

1.2%増

電力以外

電力

CO2合計

Page 24: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

グ リ ー ン 調 達 / グ リ ー ン 購 入 廃 棄 物 対 策

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

廃棄物の削減

グリーン調達

フジクラは従来、製造過程で使用する原材料・資機材において環境負荷の低いものを優先購入する“グリーン調達”とオフィスなどで環境負荷を配慮した商品を購入する“グリーン購入”に積極的に取り組んでいますが、2007年度ではさらに、調達先に対し“環境側面管理状況調査”を実施し、一部のお取引先に対しては、環境への配慮をさらに進めていただくよう要請いたしました。

目標: 国内フジクラグループの埋立廃棄物比率を2.5%以下とする

廃棄物の減量化(リデュース)と、廃棄物にしないでリサイクルをすることは製造メーカーにとって重要な課題です。生産工程から発生する有価物以外の廃棄物量を減らし埋立処分量を減らすことで埋立処分地の逼迫を緩和できます。また従来廃棄物処分を行っていたものを可能な限り有効利用できる先を開拓し、資源循環型社会を実現することが望まれています。 フジクラは日本経団連の環境自主行動計画の廃棄物対策として日本電線工業会の定めた産業廃棄物の最終処分量を、1995年度を基準として2010年度までに82%削減する活動に取り組んでいます。 従来、銅やアルミは産業廃棄物ではなく有価金属として回収され、ほとんど100%が再び銅やアルミとして利用されています。 グループ企業のすべてが生産工程において発生する原材料のロス低減活動によるムダ取り、さらに分別回収による有効利用によって最終処分で埋立や単純焼却(熱として利用しない)される廃棄物を削減する活動を行っています。 2006年度からフジクラ単体の活動を国内連結グループ全体に広げ、埋立廃棄物を削減する活動に取り組んでいます。 2007年度フジクラおよび主要製造グループ8社の合計排出量は15449トンで、そのうち埋立処分された廃棄物量は788トン(比率は5.1%)でした。計画値は2.5%だったので目標未達となりました。この原因は、製造工程の一部の電線被覆材の混合物が埋立処理されたことによります。混合物の分離が今後の課題です。

お客様に環境品質の高い製品をお届けするためには、まず製品を構成する原材料・部品自体の環境品質が高いことが大前提となります。フジクラは、購入品の環境負荷物質含有を防止するために、次のような活動を行い、細心の注意を払っています。 環境負荷物質含有調査アンケート 資材部では、「環境負荷物質ガイドライン」を主要なお取引先全てに配布し、周知徹底いただくと共に、購入品への負荷物質含有の有無のアンケートを実施しています。含有している場合には、その含有率をppm単位で管理しています。 環境負荷物質データベース 「環境負荷物質データベース」を構築し、上記の調査で判明した約4500品目の購入材料・部品のデータをこれに登録しています。含有状況を知りたい部門は、イントラ上でいつでもこのデータベースにアクセスし、検索することが可能です。 調達先への環境管理上の協力要請 主要な調達先に対し、環境管理に関して以下の協力を要請しています。 1.フジクラへの納入品(以下、「納入品」と言う)に対する、環境負荷物質の使用禁止又は削減 2.納入品の製造工程中での、環境負荷への配慮 3.MSDS(化学物質等安全データシート)等、納入品の有する危険有害性及び適用法令に関する情報提供 4.納入品の簡素化・減量化、及び環境負荷の小さい材料の選択 5.納入品に関する、再生容易な材料の選択、分類・分解が容易な構造の選択などのリサイクルへの配慮 6.納入品への再生資源の積極的利用 7.納入品輸送時に生ずる環境影響への配慮 社内での購入品の分析・管理 安全な製品を安定して供給できるよう、当社自身でもISO17025の認定を受けたトップレベルの分析技術を用いて、購入品の環境負荷物質に関する分析・管理を行っています。 無機分析: 原子吸光、ICP、XRF、EPMA、XRD等 有機分析: GC/MS、UV吸収等の各種分光計測器、IC等

調達先の環境側面管理状況調査と改善要請

調達先に対し、以下の事項の環境側面管理状況調査を実施しました。 1.環境マネジメントシステム(ISO14001等)の整備・運用状況 2.著しい環境影響を及ぼす緊急事態への対応体制 3.過去3年間の環境に関わる事故の有無 4.環境関連法規制遵守状況 (廃棄物処理法、水質汚濁防止法、下水道法、大気汚染防止法、騒音防止法、振動防止法) 調査の結果、環境負荷が大きく、かつ環境側面管理が不充分と思われる調達先には改善の要請をいたしました。

グリーン購入

フジクラでは、文房具・事務用機器の購買品リストをイントラ上に掲載しており、そこには環境対応品がエコマークやグリーンマークで表示されています。購入希望者が環境対応品を選んで購入するようグリーン購入促進運動を推進中です。

23 24

2,000

0

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

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18,000

20,000

0.0

2.0

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6.0

8.0

10.0

トン %

7,303

グループ会社(国内)

埋立比率(%)=埋立量/総発生量×100

国内総計 フジクラ単体

59

8,146

729

15,449

788

埋立量(トン) 総発生量(トン) 埋立比率(%)

0.8

8.9

5.1

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グ リ ー ン 調 達 / グ リ ー ン 購 入 廃 棄 物 対 策

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

廃棄物の削減

グリーン調達

フジクラは従来、製造過程で使用する原材料・資機材において環境負荷の低いものを優先購入する“グリーン調達”とオフィスなどで環境負荷を配慮した商品を購入する“グリーン購入”に積極的に取り組んでいますが、2007年度ではさらに、調達先に対し“環境側面管理状況調査”を実施し、一部のお取引先に対しては、環境への配慮をさらに進めていただくよう要請いたしました。

目標: 国内フジクラグループの埋立廃棄物比率を2.5%以下とする

廃棄物の減量化(リデュース)と、廃棄物にしないでリサイクルをすることは製造メーカーにとって重要な課題です。生産工程から発生する有価物以外の廃棄物量を減らし埋立処分量を減らすことで埋立処分地の逼迫を緩和できます。また従来廃棄物処分を行っていたものを可能な限り有効利用できる先を開拓し、資源循環型社会を実現することが望まれています。 フジクラは日本経団連の環境自主行動計画の廃棄物対策として日本電線工業会の定めた産業廃棄物の最終処分量を、1995年度を基準として2010年度までに82%削減する活動に取り組んでいます。 従来、銅やアルミは産業廃棄物ではなく有価金属として回収され、ほとんど100%が再び銅やアルミとして利用されています。 グループ企業のすべてが生産工程において発生する原材料のロス低減活動によるムダ取り、さらに分別回収による有効利用によって最終処分で埋立や単純焼却(熱として利用しない)される廃棄物を削減する活動を行っています。 2006年度からフジクラ単体の活動を国内連結グループ全体に広げ、埋立廃棄物を削減する活動に取り組んでいます。 2007年度フジクラおよび主要製造グループ8社の合計排出量は15449トンで、そのうち埋立処分された廃棄物量は788トン(比率は5.1%)でした。計画値は2.5%だったので目標未達となりました。この原因は、製造工程の一部の電線被覆材の混合物が埋立処理されたことによります。混合物の分離が今後の課題です。

お客様に環境品質の高い製品をお届けするためには、まず製品を構成する原材料・部品自体の環境品質が高いことが大前提となります。フジクラは、購入品の環境負荷物質含有を防止するために、次のような活動を行い、細心の注意を払っています。 環境負荷物質含有調査アンケート 資材部では、「環境負荷物質ガイドライン」を主要なお取引先全てに配布し、周知徹底いただくと共に、購入品への負荷物質含有の有無のアンケートを実施しています。含有している場合には、その含有率をppm単位で管理しています。 環境負荷物質データベース 「環境負荷物質データベース」を構築し、上記の調査で判明した約4500品目の購入材料・部品のデータをこれに登録しています。含有状況を知りたい部門は、イントラ上でいつでもこのデータベースにアクセスし、検索することが可能です。 調達先への環境管理上の協力要請 主要な調達先に対し、環境管理に関して以下の協力を要請しています。 1.フジクラへの納入品(以下、「納入品」と言う)に対する、環境負荷物質の使用禁止又は削減 2.納入品の製造工程中での、環境負荷への配慮 3.MSDS(化学物質等安全データシート)等、納入品の有する危険有害性及び適用法令に関する情報提供 4.納入品の簡素化・減量化、及び環境負荷の小さい材料の選択 5.納入品に関する、再生容易な材料の選択、分類・分解が容易な構造の選択などのリサイクルへの配慮 6.納入品への再生資源の積極的利用 7.納入品輸送時に生ずる環境影響への配慮 社内での購入品の分析・管理 安全な製品を安定して供給できるよう、当社自身でもISO17025の認定を受けたトップレベルの分析技術を用いて、購入品の環境負荷物質に関する分析・管理を行っています。 無機分析: 原子吸光、ICP、XRF、EPMA、XRD等 有機分析: GC/MS、UV吸収等の各種分光計測器、IC等

調達先の環境側面管理状況調査と改善要請

調達先に対し、以下の事項の環境側面管理状況調査を実施しました。 1.環境マネジメントシステム(ISO14001等)の整備・運用状況 2.著しい環境影響を及ぼす緊急事態への対応体制 3.過去3年間の環境に関わる事故の有無 4.環境関連法規制遵守状況 (廃棄物処理法、水質汚濁防止法、下水道法、大気汚染防止法、騒音防止法、振動防止法) 調査の結果、環境負荷が大きく、かつ環境側面管理が不充分と思われる調達先には改善の要請をいたしました。

グリーン購入

フジクラでは、文房具・事務用機器の購買品リストをイントラ上に掲載しており、そこには環境対応品がエコマークやグリーンマークで表示されています。購入希望者が環境対応品を選んで購入するようグリーン購入促進運動を推進中です。

23 24

2,000

0

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6,000

8,000

10,000

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14,000

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20,000

0.0

2.0

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6.0

8.0

10.0

トン %

7,303

グループ会社(国内)

埋立比率(%)=埋立量/総発生量×100

国内総計 フジクラ単体

59

8,146

729

15,449

788

埋立量(トン) 総発生量(トン) 埋立比率(%)

0.8

8.9

5.1

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再生

PEペレット

皮剥ぎ解体 粉砕粉 鋼線屑

破砕解体 富士資材加工

PEシース屑

光撤去ケーブルをプラスチックパネルにリサイクル リサイクル事例

廃棄物の光撤去ケーブルを破砕処理し、プラスチックパネルに加工され、駐車場などに使用されています。このリサイクル処理により、廃棄物を焼却することで発生するCO2も抑制しています。

破砕処理された 光撤去ケーブル

プラスチック パネル

富士資材加工(株) 坪井孝雄

現在のマテリアルリサイクル

率は40~50%です。今後の

課題は、さらにリサイクル率を

向上させること、そして、光ケー

ブルへのクローズドリサイクル※2の実現です。

担当者の声

製 品 リ サ イ ク ル

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

光ファイバケーブルのリサイクルシステム

化 学 物 質 の 管 理 ・ 削 減

PRTR法

光ファイバケーブルの普及に伴い、使用済み光ファイバケーブルの適切なリサイクルがユーザおよびメーカの課題になっています。フジクラでは、関係会社の富士資材加工(株)が産業廃棄物処理業の許可を取得し、撤去光ファイバケーブルのリサイクル処理を行っています。2006年6月には、光ファイバケーブルの破砕機を設置し、マテリアルリサイクル※1率をアップさせる取り組みも行っています。 2007年度に国内フジクラグループの製品原材料や製造工程で使用された化学物質のうち、PRTR法「特定化学物質の環境へ

の排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」で定められた取扱量1t以上の指定化学物質は法に則り各事業所が毎年度、国に排出・移動量を届け出ています。フジクラおよび国内グループ会社合計の排出・移動量は合計40,911kgでした。昨年に比べ生産量増加もあったため排出・移動量合計で4,612kg増加しました。 アンチモンや鉛化合物、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、モリブデンなどはプラスチックやゴム材料の添加剤として、キシレン、トルエンなどはインキ溶剤や運搬車輌用のガソリンとして使われています。PRTR対象化学物質の管理・削減のため、今後さらなる製品の非鉛化、エコ化、および代替材料への転換を進めていきます。

揮発性有機化合物(VOC)の削減

大気汚染防止法により、大規模な特定施設からの揮発性有機

化合物(VOC)の排出が規制されています。フジクラおよびフジ

クラグループ内には法で指定される特定施設はありませんが、

VOC排出量削減について自主的な取り組みを行っています。

2007年度の国内におけるフジクラグループ合計排出量は約180

トンでした。昨年度に比べ14トンの量が削減されましたが、2005

年度比では7%増でした。

銅電線のリサイクルシステム

独自の比重分別法により、フジクラのエコ電線は、リサイクル性が高く、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクル※3が容易にできます。 鈴鹿事業所では、使用済み撤去電線の被覆材を回収し、3種類の材料(ポリエチレン、エコ材料、PVC)の比重差を利用した「液体サイクロン被覆分別回収装置」を稼働してリサイクルを行っています。このリサイクルシステムを用いると、一度でそれぞれ99%以上の純度で分別回収が可能になります。 このほか、ビニル電線についても、銅および被覆材の電線等ヘのリサイクルを推進しています。

25 26

エコ電線

電線等廃材 電線等の解体・粉砕

銅の回収

銅と 被覆材の 分別

混合被覆 材の回収

再生ペレットの製作

■液体サイクロンでの  被覆材の分別 PVC、架橋ポリエチレン、エコ材料が混じったナゲット処理回収材から、各材料を99%以上の高純度で分別

※1 マテリアルリサイクル: 使用済み製品や生産工程から出た材料を回収し、利用しやすいように処理して、新しい製品の材料もしくは原料として使うこと

※2 クローズドリサイクル:  ケーブルのシース材から光ケーブルのシース材へのリサイクル ※3 サーマルリサイクル: 廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること

アンチモン及びその化合物 キシレン トルエン 鉛及びその化合物 バリウム・その水溶性化合物 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) モリブデン及びその化合物

0 137

10,537 0 0 0 0

10,674

0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0 0 0

0 137

10,537 0 0 0 0

10,674

0 0 0 0 0 0 0 0

2,026 30 764 3,218 156

24,043 0

30,237

2,026 30 764 3,218 156

24,043 0

30,237

2,026 167

11,301 3,218 156

24,043 0

40,911

25 63 227 230 243 272 346

政令 番号

移動量(kg) 排出・移動 量合計(kg) 公共水域 事業所土壌 事業所埋立 合計 下水道 事業所外(廃棄物) 合計 大気 物質名

合計

排出量(kg)

政令番号 物質名称 2007年度排出量(t) PRTR該非 PRTR PRTR PRTR PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR

63 227 310 44— — — —— — — ——

キシレン トルエン ホルムアルデヒド エチレングリコールモノエチルエーテル イソプロピルアルコール エタノール メタノール メチルエチルケトン エタノール アセトン シクロヘキサノン n-ヘキサン 酢酸エチル

0.7 8.8 0.1 0.2

116.3 17.3 10.1 19.5 0.5 1.4 0.3 0.1 4.5

179.8 注)フジクラおよび国内フジクラグループ会社15社の合計値

目標: 国内・海外で対象化学物質の排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

目標: 国内・海外で対象化学物質の排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

PRTR第1種指定化学物質の排出量、移動量(2007/4-2008/3実績)

注)フジクラおよび国内フジクラグループ会社15社の合計値

合 計

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再生

PEペレット

皮剥ぎ解体 粉砕粉 鋼線屑

破砕解体 富士資材加工

PEシース屑

光撤去ケーブルをプラスチックパネルにリサイクル リサイクル事例

廃棄物の光撤去ケーブルを破砕処理し、プラスチックパネルに加工され、駐車場などに使用されています。このリサイクル処理により、廃棄物を焼却することで発生するCO2も抑制しています。

破砕処理された 光撤去ケーブル

プラスチック パネル

富士資材加工(株) 坪井孝雄

現在のマテリアルリサイクル

率は40~50%です。今後の

課題は、さらにリサイクル率を

向上させること、そして、光ケー

ブルへのクローズドリサイクル※2の実現です。

担当者の声

製 品 リ サ イ ク ル

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

光ファイバケーブルのリサイクルシステム

化 学 物 質 の 管 理 ・ 削 減

PRTR法

光ファイバケーブルの普及に伴い、使用済み光ファイバケーブルの適切なリサイクルがユーザおよびメーカの課題になっています。フジクラでは、関係会社の富士資材加工(株)が産業廃棄物処理業の許可を取得し、撤去光ファイバケーブルのリサイクル処理を行っています。2006年6月には、光ファイバケーブルの破砕機を設置し、マテリアルリサイクル※1率をアップさせる取り組みも行っています。 2007年度に国内フジクラグループの製品原材料や製造工程で使用された化学物質のうち、PRTR法「特定化学物質の環境へ

の排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」で定められた取扱量1t以上の指定化学物質は法に則り各事業所が毎年度、国に排出・移動量を届け出ています。フジクラおよび国内グループ会社合計の排出・移動量は合計40,911kgでした。昨年に比べ生産量増加もあったため排出・移動量合計で4,612kg増加しました。 アンチモンや鉛化合物、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、モリブデンなどはプラスチックやゴム材料の添加剤として、キシレン、トルエンなどはインキ溶剤や運搬車輌用のガソリンとして使われています。PRTR対象化学物質の管理・削減のため、今後さらなる製品の非鉛化、エコ化、および代替材料への転換を進めていきます。

揮発性有機化合物(VOC)の削減

大気汚染防止法により、大規模な特定施設からの揮発性有機

化合物(VOC)の排出が規制されています。フジクラおよびフジ

クラグループ内には法で指定される特定施設はありませんが、

VOC排出量削減について自主的な取り組みを行っています。

2007年度の国内におけるフジクラグループ合計排出量は約180

トンでした。昨年度に比べ14トンの量が削減されましたが、2005

年度比では7%増でした。

銅電線のリサイクルシステム

独自の比重分別法により、フジクラのエコ電線は、リサイクル性が高く、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクル※3が容易にできます。 鈴鹿事業所では、使用済み撤去電線の被覆材を回収し、3種類の材料(ポリエチレン、エコ材料、PVC)の比重差を利用した「液体サイクロン被覆分別回収装置」を稼働してリサイクルを行っています。このリサイクルシステムを用いると、一度でそれぞれ99%以上の純度で分別回収が可能になります。 このほか、ビニル電線についても、銅および被覆材の電線等ヘのリサイクルを推進しています。

25 26

エコ電線

電線等廃材 電線等の解体・粉砕

銅の回収

銅と 被覆材の 分別

混合被覆 材の回収

再生ペレットの製作

■液体サイクロンでの  被覆材の分別 PVC、架橋ポリエチレン、エコ材料が混じったナゲット処理回収材から、各材料を99%以上の高純度で分別

※1 マテリアルリサイクル: 使用済み製品や生産工程から出た材料を回収し、利用しやすいように処理して、新しい製品の材料もしくは原料として使うこと

※2 クローズドリサイクル:  ケーブルのシース材から光ケーブルのシース材へのリサイクル ※3 サーマルリサイクル: 廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること

アンチモン及びその化合物 キシレン トルエン 鉛及びその化合物 バリウム・その水溶性化合物 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) モリブデン及びその化合物

0 137

10,537 0 0 0 0

10,674

0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0 0 0

0 137

10,537 0 0 0 0

10,674

0 0 0 0 0 0 0 0

2,026 30 764 3,218 156

24,043 0

30,237

2,026 30 764 3,218 156

24,043 0

30,237

2,026 167

11,301 3,218 156

24,043 0

40,911

25 63 227 230 243 272 346

政令 番号

移動量(kg) 排出・移動 量合計(kg) 公共水域 事業所土壌 事業所埋立 合計 下水道 事業所外(廃棄物) 合計 大気 物質名

合計

排出量(kg)

政令番号 物質名称 2007年度排出量(t) PRTR該非 PRTR PRTR PRTR PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR 非PRTR

63 227 310 44— — — —— — — ——

キシレン トルエン ホルムアルデヒド エチレングリコールモノエチルエーテル イソプロピルアルコール エタノール メタノール メチルエチルケトン エタノール アセトン シクロヘキサノン n-ヘキサン 酢酸エチル

0.7 8.8 0.1 0.2

116.3 17.3 10.1 19.5 0.5 1.4 0.3 0.1 4.5

179.8 注)フジクラおよび国内フジクラグループ会社15社の合計値

目標: 国内・海外で対象化学物質の排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

目標: 国内・海外で対象化学物質の排出・移動量を2005年度比5%以上削減する

PRTR第1種指定化学物質の排出量、移動量(2007/4-2008/3実績)

注)フジクラおよび国内フジクラグループ会社15社の合計値

合 計

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環 境 配 慮 型 製 品

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

グリーン製品認定制度

フジクラおよびフジクラグループで企画、設計、製造した製品で地球環境保護の観点からフジクラ製品の優位性を市場にアピールすること、および環境対応型製品の開発を推進することを目的としてグリーン製品認定制度を設けています。

エコ製品

長年培ってきたノンハロゲンケーブル技術を応用して分別リサイクルが容易な産業用エコ電線を開発し、フジクラは業界No.1の納入実績を持っています。この技術は電子機器、情報機器、自動車用途のハロゲンフリー製品に展開されており、さらに揮発性有機化合物(VOC)などの削減も進めています。また鉛フリー化も積極的に進め、RoHS 規制への対応も完了しています。これらの環境配慮製品として、各種ワイヤ、ケーブル、FPC、コネクタなど幅広い製品ラインアップを整えています。

フジクラは、“つなぐ”テクノロジーで「環境」に貢献します。

情報通信関連

産業電線関連

27 28

エコ光ケーブル 用途 : 一般通信用 特長 : ハロゲンフリー、鉛フリー、    RoHS対応

エコ市内ケーブル 用途 : 一般通信用 特長 : ハロゲンフリー、鉛フリー、    RoHS対応

低比重エコ電線 用途 : 汎用電線、ケーブルのリサイクル、環境負荷低減、    環境調和型建築物用、半導体製造工場などの    クリーンルーム内配線用 特長 : ハロゲンフリー、RoHS対応、アウトガス(周辺環境負荷物質) 低減、リサイクル性(比重分別リサイクル)

省資源

省エネルギー

回収エネルギー

節水

再使用可能

リサイクル可能

リサイクル材料の含有率

長寿命化

分解可能

解体容易

コンポスト可能

廃棄物削減

グリーン製品の環境配慮評価項目

グリーンプロジェクトマーク

細径1000心光ケーブル

細径1000心テープスロット型光ケーブル

用途 : 多心光配線用

特長 : 従来の1000心光ケーブルと比較し、外径で

5mm低減(外径23mm)、質量で約25%

低減を実現した省資源ケーブル。梱包・

輸送費の低減にも貢献。

“グリーン製品”とは、これまで脱鉛、脱ハロゲン等に対応した製品を“エコ製品”と称してきましたが、グリーン製品はこれよりさらに環境対応された製品で、従来製品と比較して省資源、省エネ、リサイクル、再資源化、リユース等12項の評価項目で定量的に評価された製品です。グリーン製品には、製品または、製品案内にグリーンプロジェクトマークを表示します。なお認証方式はISO14021に定める環境ラベルタイプ IIに準拠しています。

光ファイバ融着接続機 FSM-60 用途 : 光ファイバの接続と補強 特長 : 軽量化による省資源、 省エネルギー、RoHS 対応

CスロットTM型光ケーブル 用途 : FTTHや構内などの光配線用 特長 : 細径・軽量化による省資源、    解体容易

CA線(銅覆アルミ線、銅断面積15%および5%) 用途 : 同軸ケーブル、自動車用ケーブル、 モータ・IHヒータ・マイクロスピーカ・光ピックアップ用エナメル線 特長 : 軽量化(銅線対比)、細線化(アルミ線対比)

グリーン製品認定例

従来型 外径28mm

細径型 外径23mm

銅(周囲)

アルミ(中心)

CA線断面

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環 境 配 慮 型 製 品

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

グリーン製品認定制度

フジクラおよびフジクラグループで企画、設計、製造した製品で地球環境保護の観点からフジクラ製品の優位性を市場にアピールすること、および環境対応型製品の開発を推進することを目的としてグリーン製品認定制度を設けています。

エコ製品

長年培ってきたノンハロゲンケーブル技術を応用して分別リサイクルが容易な産業用エコ電線を開発し、フジクラは業界No.1の納入実績を持っています。この技術は電子機器、情報機器、自動車用途のハロゲンフリー製品に展開されており、さらに揮発性有機化合物(VOC)などの削減も進めています。また鉛フリー化も積極的に進め、RoHS 規制への対応も完了しています。これらの環境配慮製品として、各種ワイヤ、ケーブル、FPC、コネクタなど幅広い製品ラインアップを整えています。

フジクラは、“つなぐ”テクノロジーで「環境」に貢献します。

情報通信関連

産業電線関連

27 28

エコ光ケーブル 用途 : 一般通信用 特長 : ハロゲンフリー、鉛フリー、    RoHS対応

エコ市内ケーブル 用途 : 一般通信用 特長 : ハロゲンフリー、鉛フリー、    RoHS対応

低比重エコ電線 用途 : 汎用電線、ケーブルのリサイクル、環境負荷低減、    環境調和型建築物用、半導体製造工場などの    クリーンルーム内配線用 特長 : ハロゲンフリー、RoHS対応、アウトガス(周辺環境負荷物質) 低減、リサイクル性(比重分別リサイクル)

省資源

省エネルギー

回収エネルギー

節水

再使用可能

リサイクル可能

リサイクル材料の含有率

長寿命化

分解可能

解体容易

コンポスト可能

廃棄物削減

グリーン製品の環境配慮評価項目

グリーンプロジェクトマーク

細径1000心光ケーブル

細径1000心テープスロット型光ケーブル

用途 : 多心光配線用

特長 : 従来の1000心光ケーブルと比較し、外径で

5mm低減(外径23mm)、質量で約25%

低減を実現した省資源ケーブル。梱包・

輸送費の低減にも貢献。

“グリーン製品”とは、これまで脱鉛、脱ハロゲン等に対応した製品を“エコ製品”と称してきましたが、グリーン製品はこれよりさらに環境対応された製品で、従来製品と比較して省資源、省エネ、リサイクル、再資源化、リユース等12項の評価項目で定量的に評価された製品です。グリーン製品には、製品または、製品案内にグリーンプロジェクトマークを表示します。なお認証方式はISO14021に定める環境ラベルタイプ IIに準拠しています。

光ファイバ融着接続機 FSM-60 用途 : 光ファイバの接続と補強 特長 : 軽量化による省資源、 省エネルギー、RoHS 対応

CスロットTM型光ケーブル 用途 : FTTHや構内などの光配線用 特長 : 細径・軽量化による省資源、    解体容易

CA線(銅覆アルミ線、銅断面積15%および5%) 用途 : 同軸ケーブル、自動車用ケーブル、 モータ・IHヒータ・マイクロスピーカ・光ピックアップ用エナメル線 特長 : 軽量化(銅線対比)、細線化(アルミ線対比)

グリーン製品認定例

従来型 外径28mm

細径型 外径23mm

銅(周囲)

アルミ(中心)

CA線断面

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環 境 配 慮 型 製 品

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

電子関連

自動車関連

29 30

エコFPC 用途 : デジカメ、 携帯電話、 ノートPC 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

エコフジカード 用途 : プリンタ、 パソコン、 デジタルビデオ カメラ 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

μUSBケーブル 用途 : パソコンと携帯    電話との接続 特長 : 省資源、 RoHS対応 (ハロゲンフリー も可)

極細同軸ケーブル 用途 : ノートPC、 デジタルビデオ カメラ、 携帯電話 特長 : 鉛フリー、 RoHS対応

5in1複合カード コネクタ 用途 : フォトプリンタ、 カードリーダ 特長 : 鉛フリー、 RoHS対応

0.3mmピッチ FPCコネクタ 用途 : MP3プレーヤ、 携帯電話等の モバイル機器 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

HEV用ケーブル &コネクタ 用途 : ハイブリット車、 電気自動車 特長 : ELV対応

圧力センサ 用途 : ガソリンタンク 内圧センサ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

メンブレン 着座センサ 用途 : 乗員検知センサ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

フィルムアンテナ 用途 : TV、ラジオ用 アンテナ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

エコ電線・ケーブルラインアップ

用途 エコ電線・ケーブル

記号 適用規格 名称

EM 600V IE/F

EM 600V EEF/F

EM 600V CE/F

EM 600V CET/F

EM-MB

EM 6600V CE/F

EM 6600V CET/F

EM CEE/F

EM CEE/F-S

電力・制御用ケーブル

通信用ケーブル

消防用電線

EM-TVECX EM-TVEFCX EM-S-4C-FB EM-S-5C-FB EM-S-7C-FB

EM-5C-2E EM-5D-2Eなど

EM-JKEE

EM-F-LINK-L

600V EM-FP NH-FP

EM-HP

6600V EM-FP NH-FP

JIS C 3612

JIS C 3605

JIS C 3605

JIS C 3605準拠

JCS 4427

JIS C 3606

JIS C 3606

JIS C 3401

JCS 4419準拠

JCS 5423

JCS 4364準拠

-

消防庁告示 第十号(平成9年)

消防庁告示 第十一号(平成9年)

600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線

600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V単心より合わせ型架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V EM分岐付きケーブル

6600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

6600Vトリプレックス型架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

静電しゃへい付き制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

耐燃性ポリエチレンシース高周波 同軸ケーブル(ポリエチレン絶縁編組形)

耐燃性弱電計装用ケーブル

耐燃性LONWORKS用ケーブル

テレビジョン受信用ポリエチレンシース 絶縁耐燃性ポリエチレンシース 同軸ケーブル

耐燃性小勢力回路用耐熱電線

耐燃性ポリエチレンシース 6600V耐火ケーブル

耐燃性ポリエチレンシース 600V耐火ケーブル

弱電計装用 ケーブル

同軸ケーブル

通信ケーブル

光ファイバコード/ 光ファイバケーブル

制御用 ケーブル

高圧電力用 ケーブル

低圧電力用 ケーブル

屋内用 絶縁電線

消防用電線

EM-SMC EM-OG4UTSZWBE EM-OGNELAP

EM-CCP-P EM-CCP-AP

EM-TIEF EM-TIEE

光ファイバコード、光ファイバケーブル ( 耐燃性ポリエチレンシース)

市内対ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

着色識別ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

耐熱性CCPケーブル

耐燃性ポリエチレン被覆屋内用通信線

耐燃性ポリエチレンシース通信用構内ケーブル

耐燃性UTPケーブル

マイクロホン用耐燃性ポリエチレンコード

耐燃性ポリエチレンシース屋内用ボタン電話ケーブル

JCS 5420

JCS 5421

JIS C9072準拠

JCS 9074

JCS 9075

TIN/EIA 568B準拠

JCS 3271準拠

JCS 9076

JCS 5422

EM-CPEE

EM-FCPEE

EM-構内ケーブル

EM-LANケーブル

EM-MEE-S

EM-BITEE

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環 境 配 慮 型 製 品

E N V I R O N M E N T A LP E R F O R M A N C E

環境パフォーマンス

電子関連

自動車関連

29 30

エコFPC 用途 : デジカメ、 携帯電話、 ノートPC 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

エコフジカード 用途 : プリンタ、 パソコン、 デジタルビデオ カメラ 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

μUSBケーブル 用途 : パソコンと携帯    電話との接続 特長 : 省資源、 RoHS対応 (ハロゲンフリー も可)

極細同軸ケーブル 用途 : ノートPC、 デジタルビデオ カメラ、 携帯電話 特長 : 鉛フリー、 RoHS対応

5in1複合カード コネクタ 用途 : フォトプリンタ、 カードリーダ 特長 : 鉛フリー、 RoHS対応

0.3mmピッチ FPCコネクタ 用途 : MP3プレーヤ、 携帯電話等の モバイル機器 特長 : ハロゲンフリー、 鉛フリー、 RoHS対応

HEV用ケーブル &コネクタ 用途 : ハイブリット車、 電気自動車 特長 : ELV対応

圧力センサ 用途 : ガソリンタンク 内圧センサ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

メンブレン 着座センサ 用途 : 乗員検知センサ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

フィルムアンテナ 用途 : TV、ラジオ用 アンテナ 特長 : ELV対応、 ハロゲンフリー

エコ電線・ケーブルラインアップ

用途 エコ電線・ケーブル

記号 適用規格 名称

EM 600V IE/F

EM 600V EEF/F

EM 600V CE/F

EM 600V CET/F

EM-MB

EM 6600V CE/F

EM 6600V CET/F

EM CEE/F

EM CEE/F-S

電力・制御用ケーブル

通信用ケーブル

消防用電線

EM-TVECX EM-TVEFCX EM-S-4C-FB EM-S-5C-FB EM-S-7C-FB

EM-5C-2E EM-5D-2Eなど

EM-JKEE

EM-F-LINK-L

600V EM-FP NH-FP

EM-HP

6600V EM-FP NH-FP

JIS C 3612

JIS C 3605

JIS C 3605

JIS C 3605準拠

JCS 4427

JIS C 3606

JIS C 3606

JIS C 3401

JCS 4419準拠

JCS 5423

JCS 4364準拠

-

消防庁告示 第十号(平成9年)

消防庁告示 第十一号(平成9年)

600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線

600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V単心より合わせ型架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

600V EM分岐付きケーブル

6600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

6600Vトリプレックス型架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

静電しゃへい付き制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

耐燃性ポリエチレンシース高周波 同軸ケーブル(ポリエチレン絶縁編組形)

耐燃性弱電計装用ケーブル

耐燃性LONWORKS用ケーブル

テレビジョン受信用ポリエチレンシース 絶縁耐燃性ポリエチレンシース 同軸ケーブル

耐燃性小勢力回路用耐熱電線

耐燃性ポリエチレンシース 6600V耐火ケーブル

耐燃性ポリエチレンシース 600V耐火ケーブル

弱電計装用 ケーブル

同軸ケーブル

通信ケーブル

光ファイバコード/ 光ファイバケーブル

制御用 ケーブル

高圧電力用 ケーブル

低圧電力用 ケーブル

屋内用 絶縁電線

消防用電線

EM-SMC EM-OG4UTSZWBE EM-OGNELAP

EM-CCP-P EM-CCP-AP

EM-TIEF EM-TIEE

光ファイバコード、光ファイバケーブル ( 耐燃性ポリエチレンシース)

市内対ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

着色識別ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル

耐熱性CCPケーブル

耐燃性ポリエチレン被覆屋内用通信線

耐燃性ポリエチレンシース通信用構内ケーブル

耐燃性UTPケーブル

マイクロホン用耐燃性ポリエチレンコード

耐燃性ポリエチレンシース屋内用ボタン電話ケーブル

JCS 5420

JCS 5421

JIS C9072準拠

JCS 9074

JCS 9075

TIN/EIA 568B準拠

JCS 3271準拠

JCS 9076

JCS 5422

EM-CPEE

EM-FCPEE

EM-構内ケーブル

EM-LANケーブル

EM-MEE-S

EM-BITEE

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顧 客 視 点 の 品 質 管 理

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

品質保証体制

フジクラの各事業部、国内・海外グループ会社はISO9001の品質マネジメントシステム(QMS)をベースに事業に適したQMSを構築し運用しています。 全社品質保証委員会では、品質保証担当役員のもと、全社の方針や品質目標の決定、品質に関する全社的なさまざまな問題に対する審議・決定と意見交換を行っています。一方、品質保証監査委員会は事業部およびグループ会社に対してQMSの運用状況を監査しています。2007年度も引き続き“ものづくり”に着目して監査を実施しています。

消費生活用製品安全法への対応

製品事故が発生した場合は、トップに報告すると共に最優先で対応できる体制を取っています。 フジクラは、製品の安全性は重要な要素であると認識しています。これまで以上に製品の安全性について、予防の観点から設計プロセス、製造プロセスを中心に細心の注意を払っていきます。 フジクラでは改正消費生活用製品安全法(略称消安法)での製品事故に関するお客様からの専用の情報受付窓口として、フリーダイヤル(0120-7970-45)およびホームページに電子メールでのお問い合わせのフォームを用意しています。また、販売事業者様との連携を取り、一般消費者のお客様からの情報収集、お客様への製品の正しい使い方等の情報提供を行い、お客様が安全に使用できるように努めています。お客様から寄せられた苦情、ご意見等の情報は、製品の安全性の改善や取扱説明書の見直し等に反映させています。 フジクラは、2007年10月9日にケーブルモデム用ACアダプターの無償交換のお知らせを行いました。 これはフジクラが輸入し、2002年7月から2004年12月にかけて、国内の主にCATV事業者様向けに販売した『ACアダプター(ケーブルモデム専用)(型名:STA-075100J)』について、ごく稀ですが、発熱による変形が発生したことが判明したためです。ただし、仮に発熱しても、難燃性(自己消火性)樹脂の採用や内蔵している温度ヒューズにより、発煙・発火の恐れはなく、現在までの変形事例においてもこのような事故の報告はありません。フジクラは輸入事業者兼販売元として、ご使用いただいているお客様へのご迷惑をこれ以上拡大させないため、当該ACアダプターについて、発熱を抑止するタイプのものに無償にて交換させていただくこととしました。順次、お取引をいただいている全国のCATV事業者様に以上のご連絡を申し上げ、交換方法等についてご相談・ご協力をいただきながら交換を進めています。 品質管理教育

ものづくりを支える品質管理教育として、階層別に若手技術者を対象にした教育を実施し、「すぐに使える」を合い言葉に実践に役立つ品質管理の基礎能力を身につけることを目指しています。また、国内・海外グループ会社と連携をとり、教育の機会の増加など教育の場の多様化を進め、品質管理教育を充実させていきます。

品質状況 フジクラは、品質に対する全社の方針として定めた「フジクラ クオリティ方針」に基づき、顧客の視点に立ったモノの見方での品質管理を指向しています。2006年度本格展開したG-FPS活動は、製品品質だけに着目するのではなく、さまざまな業務プロセスの質を対象にしています。これは日々の仕事によって、製品を生み出す業務の質が製品の品質として作り込まれていくからです。品質は企業の総合力としてとらえ、営業・開発・設計・製造・間接部門が一体となって“お客様の視点に立った”活動を進めています。

31 32

100

指数

80

60

40

20

0年度 98

100

99

89

00

62

01

57

02

58

03

68

04

52

05

50

06

43

07

70

クレーム件数推移 (98年度を基準とした指数)

全社品質保証組織

社 長

全社品質保証委員会

社内品質保証監査委員会

QA担当連絡会 品質保証部

事業部

ISO9001のQMS

ISO9001のQMS

国内・海外グループ会社

QA担当

事業部組織 全社組織

委員長:品質保証担当役員 委 員:各事業部長、本社ライン部長、     地球環境保護推進室長、他

委員長:品質保証部長 委 員:事業部QA部門、他 監査

クレームの状況はグラフのとおりです。2007年度のクレーム件数は、一部の品種においてクレームが増加したため、前年に比べて増加しました。クレームはお客様にとって最も望ましくないことであり、クレームの低減は重要項目と考えています。クレームを再発させないためには、クレームの真の原因を見つけ出すことが重要であり、CPSという問題解決手法を全社展開し、効果的な対策が実施できるように活動を推進しています。またクレームを発生させないためには、設計や製造プロセスでの品質の作り込みが重要であり、この点に重点をおいて未然防止活動を強化しています。 なお、重要なクレーム(重大クレーム)は、随時品質保証担当役員、経営者に報告するとともに、お客様との連絡を密にしてお客様への影響を最小限にすべく処置を行っています。 重大クレームはゼロではありませんが、今後とも「重大クレームゼロ」を目指して品質保証活動を進めていきます。

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顧 客 視 点 の 品 質 管 理

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

品質保証体制

フジクラの各事業部、国内・海外グループ会社はISO9001の品質マネジメントシステム(QMS)をベースに事業に適したQMSを構築し運用しています。 全社品質保証委員会では、品質保証担当役員のもと、全社の方針や品質目標の決定、品質に関する全社的なさまざまな問題に対する審議・決定と意見交換を行っています。一方、品質保証監査委員会は事業部およびグループ会社に対してQMSの運用状況を監査しています。2007年度も引き続き“ものづくり”に着目して監査を実施しています。

消費生活用製品安全法への対応

製品事故が発生した場合は、トップに報告すると共に最優先で対応できる体制を取っています。 フジクラは、製品の安全性は重要な要素であると認識しています。これまで以上に製品の安全性について、予防の観点から設計プロセス、製造プロセスを中心に細心の注意を払っていきます。 フジクラでは改正消費生活用製品安全法(略称消安法)での製品事故に関するお客様からの専用の情報受付窓口として、フリーダイヤル(0120-7970-45)およびホームページに電子メールでのお問い合わせのフォームを用意しています。また、販売事業者様との連携を取り、一般消費者のお客様からの情報収集、お客様への製品の正しい使い方等の情報提供を行い、お客様が安全に使用できるように努めています。お客様から寄せられた苦情、ご意見等の情報は、製品の安全性の改善や取扱説明書の見直し等に反映させています。 フジクラは、2007年10月9日にケーブルモデム用ACアダプターの無償交換のお知らせを行いました。 これはフジクラが輸入し、2002年7月から2004年12月にかけて、国内の主にCATV事業者様向けに販売した『ACアダプター(ケーブルモデム専用)(型名:STA-075100J)』について、ごく稀ですが、発熱による変形が発生したことが判明したためです。ただし、仮に発熱しても、難燃性(自己消火性)樹脂の採用や内蔵している温度ヒューズにより、発煙・発火の恐れはなく、現在までの変形事例においてもこのような事故の報告はありません。フジクラは輸入事業者兼販売元として、ご使用いただいているお客様へのご迷惑をこれ以上拡大させないため、当該ACアダプターについて、発熱を抑止するタイプのものに無償にて交換させていただくこととしました。順次、お取引をいただいている全国のCATV事業者様に以上のご連絡を申し上げ、交換方法等についてご相談・ご協力をいただきながら交換を進めています。 品質管理教育

ものづくりを支える品質管理教育として、階層別に若手技術者を対象にした教育を実施し、「すぐに使える」を合い言葉に実践に役立つ品質管理の基礎能力を身につけることを目指しています。また、国内・海外グループ会社と連携をとり、教育の機会の増加など教育の場の多様化を進め、品質管理教育を充実させていきます。

品質状況 フジクラは、品質に対する全社の方針として定めた「フジクラ クオリティ方針」に基づき、顧客の視点に立ったモノの見方での品質管理を指向しています。2006年度本格展開したG-FPS活動は、製品品質だけに着目するのではなく、さまざまな業務プロセスの質を対象にしています。これは日々の仕事によって、製品を生み出す業務の質が製品の品質として作り込まれていくからです。品質は企業の総合力としてとらえ、営業・開発・設計・製造・間接部門が一体となって“お客様の視点に立った”活動を進めています。

31 32

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指数

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0年度 98

100

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05

50

06

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07

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クレーム件数推移 (98年度を基準とした指数)

全社品質保証組織

社 長

全社品質保証委員会

社内品質保証監査委員会

QA担当連絡会 品質保証部

事業部

ISO9001のQMS

ISO9001のQMS

国内・海外グループ会社

QA担当

事業部組織 全社組織

委員長:品質保証担当役員 委 員:各事業部長、本社ライン部長、     地球環境保護推進室長、他

委員長:品質保証部長 委 員:事業部QA部門、他 監査

クレームの状況はグラフのとおりです。2007年度のクレーム件数は、一部の品種においてクレームが増加したため、前年に比べて増加しました。クレームはお客様にとって最も望ましくないことであり、クレームの低減は重要項目と考えています。クレームを再発させないためには、クレームの真の原因を見つけ出すことが重要であり、CPSという問題解決手法を全社展開し、効果的な対策が実施できるように活動を推進しています。またクレームを発生させないためには、設計や製造プロセスでの品質の作り込みが重要であり、この点に重点をおいて未然防止活動を強化しています。 なお、重要なクレーム(重大クレーム)は、随時品質保証担当役員、経営者に報告するとともに、お客様との連絡を密にしてお客様への影響を最小限にすべく処置を行っています。 重大クレームはゼロではありませんが、今後とも「重大クレームゼロ」を目指して品質保証活動を進めていきます。

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株 主 ・ 投 資 家 と の 関 わ り 調 達 先 と の 関 わ り

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

公平公正な取引 公平公正で自由な競争の原則に立ち、国内外を問わず優良なお取引先との購買取引を求めています。お取引先の選定は、品質・価格・納期・安定供給力・信頼性等の観点から、公正な評価に基づいて行います。 相互信頼を基盤とした協力関係 信義・誠実の原則を守り、共存共栄の理念のもとに、お取引先との相互協力関係を築く努力をします。 関連諸法規の遵守・機密の厳守 購買取引にあたっては、関連する諸法規を遵守します。 また、お取引で知り得た機密情報は、お取引先の承諾無く第三者へ開示いたしません。

1 2 3

公平公正な調達活動による会社の利益への貢献 法令遵守・機密保持による社会的信用の維持・向上 節度ある調達マンとしての規律保持と社内外からの信頼の獲得 背任・不正行為の防止

1 2 3 4

近年、CSRに関するステークホルダーの関心は、企業自身のCSR活動の推進のみならず、自社のサプライヤの皆様のCSRに配慮することまで求めつつあります。 そこで、フジクラはサプライヤの皆様に以下の事項について要望書を送付し、多くのご賛同をいただきました。 フジクラとお取引先が一体となってCSR活動を推進することで、相互の繁栄を実現したいと考えています。

フジクラ購買基本方針

フジクラ行動規範

【お取引の皆様への要望事項(項目)】 1. 人権・安全・衛生 児童労働禁止及び青少年労働の制限 強制労働の禁止 差別の禁止 体罰・虐待・ハラスメントの禁止 適正な労働時間管理 安全で衛生的な職場環境及び健康管理の推進 公平で公正な報酬の提供 労働者の権利の尊重

①②③④⑤⑥⑦⑧

3. 公正取引・倫理 汚職・賄賂などの禁止 優越的地位の濫用の禁止 不適切な利益供与及び受領の禁止 競争制限的行為の禁止 正確な製品・サービス情報の提供 知的財産の尊重 適切な輸出管理 情報公開 不正行為の予防・早期発見

①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

4. 品質・安全性 製品安全性の確保 品質マネジメントシステムの運用

①②

6. 社会貢献 国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を積極的に行なう 国際社会・地域社会への貢献 5. 情報セキュリティ

コンピュータ・ネットワーク脅威に対する防御 個人情報の漏洩防止 顧客・第三者の機密情報の漏洩防止

① ②③

2. 環境 製品に含有する化学物質の管理 製造工程で用いる化学物質の管理 環境マネジメントシステムの運用 環境への影響の最小化(排水・汚水・排気など) 環境許可証/行政認可⇒法規制・条例の遵守 資源エネルギーの有効活用 温室効果ガスの排出量削減 廃棄物削減 環境保全への取組状況の開示

①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

CSR調達活動

IR活動においては、適正な企業価値評価、社会認知度の向上のため、会社の正しい情報を迅速、正確、公平に適宜、適切に積極的な情報開示を行い、フジクラに対する認知度を向上させるとともに、その理念やブランドの理解を促し、信頼関係を築き上げるように努めています。 各事業部門に広報責任者を置き、新商品、新規事業、研究開発成果、新会社の設立等の情報を社内で収集し、東証開示やプレス発表において、株主・投資家へよりスピーディーな情報開示を推進しています。ホームページの「投資家情報」のサイトにおいては、四半期開示日程、四半期ごとの業績開示資料、中期経営計画資料およびプレスリリースについて和文・英文で掲載しています。 また、海外IR活動においては、社長をはじめ、役員が欧州・米国・香港の海外機関投資家・アナリストと訪問ミーティングを行い、日本での外国人機関投資家向けセミナーにも積極的に参加しています。 一般株主・投資家の皆様からの業績開示の日程や業績予想に関してのお問い合わせは、広報グループが窓口となり、回答しています。

フジクラの経営は、フジクラの製品を買っていただくお客様だけでなく、原材料・部品や設備を供給いただく数多くの調達先によっても支えられています。したがって、私たちの活動は調達先との関わりを含めて、社会的責任を十分果たせるものでなければなりません。 そのために、「フジクラ購買基本方針」を定め、さらに「資材部行動規範」を制定し自らの行動を厳しく律しています。

33 34

海外投資家訪問

フジクラは日本国内のみならず、海外の機関投資家・証券

アナリストに対して経営説明を積極的に行っています。欧州、

米国、香港等の機関投資家・証券アナリストと直接お会いし、

コミュニケーションを図っています。

また、日本で行われる海外の機関投資家・証券アナリストが

集まるイベントにも参加をしています。

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株 主 ・ 投 資 家 と の 関 わ り 調 達 先 と の 関 わ り

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

公平公正な取引 公平公正で自由な競争の原則に立ち、国内外を問わず優良なお取引先との購買取引を求めています。お取引先の選定は、品質・価格・納期・安定供給力・信頼性等の観点から、公正な評価に基づいて行います。 相互信頼を基盤とした協力関係 信義・誠実の原則を守り、共存共栄の理念のもとに、お取引先との相互協力関係を築く努力をします。 関連諸法規の遵守・機密の厳守 購買取引にあたっては、関連する諸法規を遵守します。 また、お取引で知り得た機密情報は、お取引先の承諾無く第三者へ開示いたしません。

1 2 3

公平公正な調達活動による会社の利益への貢献 法令遵守・機密保持による社会的信用の維持・向上 節度ある調達マンとしての規律保持と社内外からの信頼の獲得 背任・不正行為の防止

1 2 3 4

近年、CSRに関するステークホルダーの関心は、企業自身のCSR活動の推進のみならず、自社のサプライヤの皆様のCSRに配慮することまで求めつつあります。 そこで、フジクラはサプライヤの皆様に以下の事項について要望書を送付し、多くのご賛同をいただきました。 フジクラとお取引先が一体となってCSR活動を推進することで、相互の繁栄を実現したいと考えています。

フジクラ購買基本方針

フジクラ行動規範

【お取引の皆様への要望事項(項目)】 1. 人権・安全・衛生 児童労働禁止及び青少年労働の制限 強制労働の禁止 差別の禁止 体罰・虐待・ハラスメントの禁止 適正な労働時間管理 安全で衛生的な職場環境及び健康管理の推進 公平で公正な報酬の提供 労働者の権利の尊重

①②③④⑤⑥⑦⑧

3. 公正取引・倫理 汚職・賄賂などの禁止 優越的地位の濫用の禁止 不適切な利益供与及び受領の禁止 競争制限的行為の禁止 正確な製品・サービス情報の提供 知的財産の尊重 適切な輸出管理 情報公開 不正行為の予防・早期発見

①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

4. 品質・安全性 製品安全性の確保 品質マネジメントシステムの運用

①②

6. 社会貢献 国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を積極的に行なう 国際社会・地域社会への貢献 5. 情報セキュリティ

コンピュータ・ネットワーク脅威に対する防御 個人情報の漏洩防止 顧客・第三者の機密情報の漏洩防止

① ②③

2. 環境 製品に含有する化学物質の管理 製造工程で用いる化学物質の管理 環境マネジメントシステムの運用 環境への影響の最小化(排水・汚水・排気など) 環境許可証/行政認可⇒法規制・条例の遵守 資源エネルギーの有効活用 温室効果ガスの排出量削減 廃棄物削減 環境保全への取組状況の開示

①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

CSR調達活動

IR活動においては、適正な企業価値評価、社会認知度の向上のため、会社の正しい情報を迅速、正確、公平に適宜、適切に積極的な情報開示を行い、フジクラに対する認知度を向上させるとともに、その理念やブランドの理解を促し、信頼関係を築き上げるように努めています。 各事業部門に広報責任者を置き、新商品、新規事業、研究開発成果、新会社の設立等の情報を社内で収集し、東証開示やプレス発表において、株主・投資家へよりスピーディーな情報開示を推進しています。ホームページの「投資家情報」のサイトにおいては、四半期開示日程、四半期ごとの業績開示資料、中期経営計画資料およびプレスリリースについて和文・英文で掲載しています。 また、海外IR活動においては、社長をはじめ、役員が欧州・米国・香港の海外機関投資家・アナリストと訪問ミーティングを行い、日本での外国人機関投資家向けセミナーにも積極的に参加しています。 一般株主・投資家の皆様からの業績開示の日程や業績予想に関してのお問い合わせは、広報グループが窓口となり、回答しています。

フジクラの経営は、フジクラの製品を買っていただくお客様だけでなく、原材料・部品や設備を供給いただく数多くの調達先によっても支えられています。したがって、私たちの活動は調達先との関わりを含めて、社会的責任を十分果たせるものでなければなりません。 そのために、「フジクラ購買基本方針」を定め、さらに「資材部行動規範」を制定し自らの行動を厳しく律しています。

33 34

海外投資家訪問

フジクラは日本国内のみならず、海外の機関投資家・証券

アナリストに対して経営説明を積極的に行っています。欧州、

米国、香港等の機関投資家・証券アナリストと直接お会いし、

コミュニケーションを図っています。

また、日本で行われる海外の機関投資家・証券アナリストが

集まるイベントにも参加をしています。

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社 員 と の 関 わ り

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

従業員・雇用

従業員に対する安全衛生管理および倫理的配慮について フジクラグループは「フジクラ行動規範」の基本理念に則り、全世界のすべての従業員に対して、倫理観に基づいた安全衛生管理および労働環境を提供いたします。 労働法、安全衛生法等の関係法規や規範、社会通念との兼合いを十分に考慮しつつ、国際基準であるILOの条約に沿った対応を基本とし、公平で公正なマネジメントを実施します。

労使関係~十分な協議を重視した労使関係 フジクラは労使がお互いの立場を尊重しながら、話し合うことで相互の信頼関係を築くことを約束しています。 経営方針や事業計画、経営施策・事業施策については、適宜「経営説明会」や「労働協議会」を開催し、経営から組合員に対して十分な説明を行う一方、組合との意見交換を十分に行い、労使で理解を深めながら課題解決に努めています。 また、フジクラを取り巻く経営環境や会社方針や、労働組合の運動方針について労働組合幹部、社長、各事業部門を講師とした研修会を定期的に実施しています。 労働条件についても、労使協議会にて労使間の合意を得るための協議を尽くして決定しています。 ① 経営説明会(3回/年) ② 労働協議会(毎月+適宜)  月次採算、生産状況、労務状況、労働条件 ③ 労使研修会(年1回)     経営理念・方針、労働組合の運動方針  ④ 関連会社支援(適宜)    関係会社労使との意見交換(全藤労)、海外労使視察

高齢者の雇用 フジクラは長年培った「モノづくり技術」や「経営ノウハウ」をフジクラグループ内に伝承するため、定年退職(60歳)されたOBのうち、会社として雇用する必要性の高い人材をマスターズコンサルタントとして再雇用しています。 また、2006年4月の高齢者雇用安定法の改正を踏まえ、一般従業員についても、労使協定に定めた継続雇用の選考基準を満たした従業員について定年後再雇用する制度を導入しました。

次世代育成支援と男女性差の解消に向けて フジクラは従業員の仕事と家庭の両立を支援するための環境整備として、育児・介護休業制度、短時間労働制度を導入しています。今後は育児・介護支援のための情報提供、相談体制の拡充や男性従業員の育児休業制度の導入などさらなる取り組みを計画しています。また、男女の均等な機会・待遇を確保し、セクシャルハラスメント対策や母性保護に関する就業環境の整備に注力をしています。

障がい者雇用 フジクラの2007年3月時点の障がい者雇用率は1.31%で、法定雇用率1.8%を下回っています。 今後、法定雇用率達成に向け、継続的かつ積極的に雇用していきます。

男女総合職比率 2008年3月末現在でのフジクラ総合職総数は838名で、女性総合職比率は0.7%となっています。

男女従業員比率 2008年3月末現在でのフジクラ社従業員数は2,461名で、女性従業員比率は11.9%となっています。

1. 2.

フジクラ・アカデミー フジクラは120年の歴史を経て第3の創業期に入り、企業の経営理念も一新し、“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する企業を目指しています。その企業に相応しい人材を確保するため、2006年4月にフジクラグループの教育部門としてフジクラ・アカデミーを発足させました。 育成すべき人材 フジクラグループとして、国内だけでなくグローバルに展開できる人材、発展していく企業に必要な素養を備えた人材、社会や環境に配慮できる人材、など幅広い人材の育成を目指しています。教育の基本はあくまでも職場のOJTであることを踏まえ、職場における人材教育を支援し、“気づき”を与えながらOJTでは不足しがちな分野の教育や、職場単位ではできない全社横断的な教育プログラムをアカデミーで実施しています。

3. 4.

カリキュラム 全従業員必須の階層別研修、リーダ層育成などのための選抜研修、受けたいプログラムを選択できる選択研修、の3種類のプログラムを用意しています。階層別研修としては、「新入社員」、「入社2年目」、「入社3年目」、「係長」、「総合職」などの職級により受けるプログラムと、昇格や業績評価に反映される「評価者研修」などのプログラムが用意されています。 最近はTOEIC試験も必須科目として定着しており、それに呼応した英語研修も各種用意されています。選抜研修としては、「リーダー研修」が製造分野、研究開発分野、業務分野、営業分野に用意され、それぞれの分野でのリーダを育成しています。選択研修としては、「プレゼンテーション」、「英語プレゼンテーション」、「経営マネジメント」、「傾聴とコーチング」など、自分の能力向上に意欲的な人や、上司推薦された人などが積極的に受け入れられるように、いろいろなプログラムが用意されています。また、グローバル化に対応した社員教育として、グループ全体の幹部育成を目指し、若手を対象とした「次世代経営者育成」、海外グループ会社の現地リーダーを対象とした「海外現場力学校」などを実施しています。特に後者は、対象者を日本に呼んで、国内事業所に派遣し、1年間製造現場に入り、日本の「ものづくり精神」を学んでもらうものです。さらに、最近の高齢者の雇用環境が整うのに対応した「50歳キャリアデザイン」も用意され、”もう一頑張り”のヒントを得る選択研修も実施されています。 技術/技能継承 製造業として成長していくための技術/技能の継承プログラムを整備しています。継承すべき技術/技能の登録、実施、評価を進めたり、OBによる現場指導の実施などをフジクラ・アカデミーが中心となって進めており、継承すべき技能の対象者には「匠」の称号を与えて、計画的に継承活動を継続しています。

児童労働の禁止及び青少年労働の制限 児童労働(ILO基準満15歳未満)を禁止する。又、法律による義務教育対象に該当する社員を雇用している場合、修学に影響が出ないように配慮しなければならない。 又、満18歳未満の社員の労働時間は1日10時間を超過してはならない。 強制労働の禁止 社員の意思に反した強制労働は禁止する。又、勤労を条件として保証金や身分証明書原本を強制的に担保にしてはならない。 差別の禁止 人種、国籍、宗教、性別、思想などによって社員の採用、雇用、補償、教育、昇進において差別を禁止する。 体罰、虐待、ハラスメントの禁止 体罰、精神的、性的、肉体的な強制、虐待、言動を禁止する。 懲戒の適用は、法規に準拠した範囲とし、予め就業規則に定めなければならない。

1. 2. 3. 4.

適正な労働時間管理 労働時間に関する適用法令を遵守しなければならない。通常の週労働時間は、法令で定められたものとするが、原則として週48時間を超えてはならない。 また、7日間に1日の休日を与えなければならない。 時間外労働及び休日労働は社員の同意の上で行わなければならない。 安全で衛生的な職場環境及び健康管理の推進 会社は安全で衛生的な労働環境を社員に提供しなければならない。 また、社員の健康管理を推進しなければならない。 公平で公正な報酬の提供 法定の最低賃金を確実に遵守し、基本的な生計を営む為の必要な報酬を支払わなければならない。 また、公平で公正な評価体系、賃金体系を構築しなければならない。 労働者の権利の尊重 労働者の権利を尊重し、権利行使に必要な自由意志による団結 (労働組合の結成)や団体交渉権を規制してはならない。

5. 6. 7. 8.

フジクラの人材教育の考え方

35 36

0年度

1

2

2003 2004 2005 20072006

法定雇用率

3000

2500

2000

1500

1000

500

0年度

3500

2003

329

2372

2004

291

2114

2005

261

2072

2006

269

2096

2007

294

2167

男性 女性

11.9%

88.1%男性 女性

人材育成の考え方

社 内

教育制度

本 人

意 欲

職 場

OJT

従業員数

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社 員 と の 関 わ り

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

従業員・雇用

従業員に対する安全衛生管理および倫理的配慮について フジクラグループは「フジクラ行動規範」の基本理念に則り、全世界のすべての従業員に対して、倫理観に基づいた安全衛生管理および労働環境を提供いたします。 労働法、安全衛生法等の関係法規や規範、社会通念との兼合いを十分に考慮しつつ、国際基準であるILOの条約に沿った対応を基本とし、公平で公正なマネジメントを実施します。

労使関係~十分な協議を重視した労使関係 フジクラは労使がお互いの立場を尊重しながら、話し合うことで相互の信頼関係を築くことを約束しています。 経営方針や事業計画、経営施策・事業施策については、適宜「経営説明会」や「労働協議会」を開催し、経営から組合員に対して十分な説明を行う一方、組合との意見交換を十分に行い、労使で理解を深めながら課題解決に努めています。 また、フジクラを取り巻く経営環境や会社方針や、労働組合の運動方針について労働組合幹部、社長、各事業部門を講師とした研修会を定期的に実施しています。 労働条件についても、労使協議会にて労使間の合意を得るための協議を尽くして決定しています。 ① 経営説明会(3回/年) ② 労働協議会(毎月+適宜)  月次採算、生産状況、労務状況、労働条件 ③ 労使研修会(年1回)     経営理念・方針、労働組合の運動方針  ④ 関連会社支援(適宜)    関係会社労使との意見交換(全藤労)、海外労使視察

高齢者の雇用 フジクラは長年培った「モノづくり技術」や「経営ノウハウ」をフジクラグループ内に伝承するため、定年退職(60歳)されたOBのうち、会社として雇用する必要性の高い人材をマスターズコンサルタントとして再雇用しています。 また、2006年4月の高齢者雇用安定法の改正を踏まえ、一般従業員についても、労使協定に定めた継続雇用の選考基準を満たした従業員について定年後再雇用する制度を導入しました。

次世代育成支援と男女性差の解消に向けて フジクラは従業員の仕事と家庭の両立を支援するための環境整備として、育児・介護休業制度、短時間労働制度を導入しています。今後は育児・介護支援のための情報提供、相談体制の拡充や男性従業員の育児休業制度の導入などさらなる取り組みを計画しています。また、男女の均等な機会・待遇を確保し、セクシャルハラスメント対策や母性保護に関する就業環境の整備に注力をしています。

障がい者雇用 フジクラの2007年3月時点の障がい者雇用率は1.31%で、法定雇用率1.8%を下回っています。 今後、法定雇用率達成に向け、継続的かつ積極的に雇用していきます。

男女総合職比率 2008年3月末現在でのフジクラ総合職総数は838名で、女性総合職比率は0.7%となっています。

男女従業員比率 2008年3月末現在でのフジクラ社従業員数は2,461名で、女性従業員比率は11.9%となっています。

1. 2.

フジクラ・アカデミー フジクラは120年の歴史を経て第3の創業期に入り、企業の経営理念も一新し、“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する企業を目指しています。その企業に相応しい人材を確保するため、2006年4月にフジクラグループの教育部門としてフジクラ・アカデミーを発足させました。 育成すべき人材 フジクラグループとして、国内だけでなくグローバルに展開できる人材、発展していく企業に必要な素養を備えた人材、社会や環境に配慮できる人材、など幅広い人材の育成を目指しています。教育の基本はあくまでも職場のOJTであることを踏まえ、職場における人材教育を支援し、“気づき”を与えながらOJTでは不足しがちな分野の教育や、職場単位ではできない全社横断的な教育プログラムをアカデミーで実施しています。

3. 4.

カリキュラム 全従業員必須の階層別研修、リーダ層育成などのための選抜研修、受けたいプログラムを選択できる選択研修、の3種類のプログラムを用意しています。階層別研修としては、「新入社員」、「入社2年目」、「入社3年目」、「係長」、「総合職」などの職級により受けるプログラムと、昇格や業績評価に反映される「評価者研修」などのプログラムが用意されています。 最近はTOEIC試験も必須科目として定着しており、それに呼応した英語研修も各種用意されています。選抜研修としては、「リーダー研修」が製造分野、研究開発分野、業務分野、営業分野に用意され、それぞれの分野でのリーダを育成しています。選択研修としては、「プレゼンテーション」、「英語プレゼンテーション」、「経営マネジメント」、「傾聴とコーチング」など、自分の能力向上に意欲的な人や、上司推薦された人などが積極的に受け入れられるように、いろいろなプログラムが用意されています。また、グローバル化に対応した社員教育として、グループ全体の幹部育成を目指し、若手を対象とした「次世代経営者育成」、海外グループ会社の現地リーダーを対象とした「海外現場力学校」などを実施しています。特に後者は、対象者を日本に呼んで、国内事業所に派遣し、1年間製造現場に入り、日本の「ものづくり精神」を学んでもらうものです。さらに、最近の高齢者の雇用環境が整うのに対応した「50歳キャリアデザイン」も用意され、”もう一頑張り”のヒントを得る選択研修も実施されています。 技術/技能継承 製造業として成長していくための技術/技能の継承プログラムを整備しています。継承すべき技術/技能の登録、実施、評価を進めたり、OBによる現場指導の実施などをフジクラ・アカデミーが中心となって進めており、継承すべき技能の対象者には「匠」の称号を与えて、計画的に継承活動を継続しています。

児童労働の禁止及び青少年労働の制限 児童労働(ILO基準満15歳未満)を禁止する。又、法律による義務教育対象に該当する社員を雇用している場合、修学に影響が出ないように配慮しなければならない。 又、満18歳未満の社員の労働時間は1日10時間を超過してはならない。 強制労働の禁止 社員の意思に反した強制労働は禁止する。又、勤労を条件として保証金や身分証明書原本を強制的に担保にしてはならない。 差別の禁止 人種、国籍、宗教、性別、思想などによって社員の採用、雇用、補償、教育、昇進において差別を禁止する。 体罰、虐待、ハラスメントの禁止 体罰、精神的、性的、肉体的な強制、虐待、言動を禁止する。 懲戒の適用は、法規に準拠した範囲とし、予め就業規則に定めなければならない。

1. 2. 3. 4.

適正な労働時間管理 労働時間に関する適用法令を遵守しなければならない。通常の週労働時間は、法令で定められたものとするが、原則として週48時間を超えてはならない。 また、7日間に1日の休日を与えなければならない。 時間外労働及び休日労働は社員の同意の上で行わなければならない。 安全で衛生的な職場環境及び健康管理の推進 会社は安全で衛生的な労働環境を社員に提供しなければならない。 また、社員の健康管理を推進しなければならない。 公平で公正な報酬の提供 法定の最低賃金を確実に遵守し、基本的な生計を営む為の必要な報酬を支払わなければならない。 また、公平で公正な評価体系、賃金体系を構築しなければならない。 労働者の権利の尊重 労働者の権利を尊重し、権利行使に必要な自由意志による団結 (労働組合の結成)や団体交渉権を規制してはならない。

5. 6. 7. 8.

フジクラの人材教育の考え方

35 36

0年度

1

2

2003 2004 2005 20072006

法定雇用率

3000

2500

2000

1500

1000

500

0年度

3500

2003

329

2372

2004

291

2114

2005

261

2072

2006

269

2096

2007

294

2167

男性 女性

11.9%

88.1%男性 女性

人材育成の考え方

社 内

教育制度

本 人

意 欲

職 場

OJT

従業員数

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安 全 衛 生

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

安全衛生活動

労働災害ゼロを目指し、全従業員が一丸となって、安全衛生活動を推進しています。 また、メンタルヘルスを含め、従業員の心とからだの健康づくりを支援する取り組みを進めています。 2007年度は特に下記3点を重点活動として取り組み休業度数率ゼロを達成しました。

主な活動内容

安全集会 年度当初や全国安全週間等に事業所全員集会を開催し、事業所トップによる安全確保に向けた決意表明と全員参加の意識付けを図っています。 特に、全国安全週間時には、役員が各事業所で社長メッセージを代読するとともに安全確保に向けた取り組み強化の要請を行っています。

石綿について

石綿を含む製品は現在製造されていませんが、フジクラでは過去に電線被覆材に一部石綿を使った電線を製造していたことがあります。ただし、使用量、使用場所もきわめて限定されており、また当時関連職場に在籍していた従業員の健康調査も実施しています。 関係者で健康被害を被った事例はこれまで発生していません。また、工場周辺の住民の方からの健康被害に関するお申し出もありません。 建屋の一部に耐火目的で吹付け石綿を使用していた箇所については、フジクラグループを含む関連会社の調査を行い、吹付け石綿箇所は認定工事業者による非石綿材に置き換えを完了しています。生産設備にも一部耐熱材に石綿を用いた備品が使われているものがありますが、このような箇所は飛散防止対策および安全を確認した上で当該箇所に「a」マークを貼り付けし、全員に注意喚起するとともに、順次計画的な代替品に変更しています。 なお、石綿にアンソフィライト、トレモライト、アクチノライトという種類が追加されたことを受け、建屋の建築材料に使われていないかの再調査を行っています。

リスクアセスメント 労働災害の発生は、職場環境にあるリスクが顕在化したものと考えられます。見えないリスクを把握し、改善することが安全な職場環境の実現につながることから、危険性・有害性を摘出・評価し、除去または低減するリスクアセスメントに着手し、職場に潜む危険の芽を摘む活動を展開しています。また、この一連の活動を通じて、一人ひとりの安全意識を高める教育にもなっています。

KY(危険予知)活動 一人ひとりの危険に対する感受性を高め、ヒューマンエラーによる災害を防止するため、作業の中に潜む危険性の摘出と対策について話し合うKYTを日常的な職場の小集団活動として取り組んでいます。

作業経験のない人や浅い人に対する教育 作業手順に始まり、設備や作業の安全ポイント集、やってはいけない作業集を中心に現場でマンツーマン教育を実施しています。その後のフォローとして、安全衛生委員等による職場パトロールで、「この設備、この作業の安全ポイントは何?」「やってはいけない作業は何?」等と直接確認するとともに、必要に応じて指導しています。

交通安全指導 事業所の通勤はマイカー通勤が多いことから、朝の通勤時間帯に事業所周辺や駐車場入り口等で、シートベルトの着用、右左折の方向指示器、そして駐車場への進入速度など、各職場持ち回りで交通指導を行っています。 また、「人のふり見て我がふり直せ」という諺通り、注意・指導する側にとっても生きた交通安全教育になっています。

メンタルヘルス 管理監督者を対象に、メンタル不全の症状や成り立ち、早期発見の方法、メンタル不全者への対応等の研修を実施しています。また、どの程度ストレスを受けて、どの程度ストレスによって心身の状態に影響が出ているのかを自分で評価できるストレスチェックをイントラに開設するなど、心の風邪とも言われるメンタル不全は早期発見・早期治療が重要であるとして「気付き」に重点を置いた取り組みを進めています。また、プライバシーの保護を前提に、心の悩みを相談できるよう、産業医・保健士による診療所での相談窓口や産業カウンセラーによるカウンセリング窓口も設けるなど、サポート体制の整備も進めています。

健康づくり 自らが健康度や疾病リスクを知り、自主的な健康づくりのベースとなる定期健康診断は、法定検査項目にフジクラ独自の検査項目を加えて実施しています。付加検査項目には社会的に問題となっている生活習慣病の早期発見を目的とした検査項目を加えるとともに、発症リスクの高い因子を多く有する従業員に対しては指導するなど、予防管理や一人ひとりの健康意識の向上に向けた取り組みを展開しています。また、「健康増進法」や「職場における喫煙対策のガイドライン」に基づき、受動喫煙(室内またはこれに準ずる環境において、他人の煙草の煙を吸わされること)を防止するため、喫煙室を設置しています。

構内運搬車輌の点検と教育 フォークリフト等の運搬車輌については、法に基づく日常点検・定期点検はもちろんのこと、構内通路に全車両を集め、点検・整備状況をチェックする一斉点検も実施しています。 また、急ブレーキ、急ハンドル、車輌の内輪差、死角などの危険体験を通じて、車輌の特性や安全運転、または歩行者側の理解を深め、危険予測・危険回避能力を高める教育を実施しています。

2007年度重点取り組み内容 労働災害発生状況 労働災害発生頻度(休業度数率)

安全衛生は企業の根幹に関わる重要な事項として、心身ともに安全で健康的に働ける職場環境づくりのために取り組んでいます。

37 38

職場内のコミュニケーションを活発に 心とからだの健康づくり活動

新人・初任者に安全知識技能が十分身につくよう教育指導 安全衛生教育の徹底

設備や作業環境の観察・評価・改善によりリスク(危険要因)を排除 機械設備の本質化安全

具体的な活動内容 重点取り組み内容

2

度数率 全産業 全製造業 電線ケーブル製造業 フジクラ

出所:厚生労働省 労働省は年、フジクラは年度での数値

(注)休業度数率とは、労働時間100万時間当たりの休業災害による死傷者数で、   休業災害発生の頻度を表す指標。

3

1

096 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07

具体的には ① 安全衛生教育・訓練の充実 ② 機械設備の本質安全化のさらなる推進 ③ 安全パトロールの励行 ④ 5S活動の徹底

⑤ 危険予知(KY)活動の充実 ⑥ 心とからだの健康づくり活動の推進 ⑦ 交通事故防止活動の推進

2008年度安全衛生活動方針 スローガン:ルールの順守と危険の排除で、築こう安心職場

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安 全 衛 生

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

安全衛生活動

労働災害ゼロを目指し、全従業員が一丸となって、安全衛生活動を推進しています。 また、メンタルヘルスを含め、従業員の心とからだの健康づくりを支援する取り組みを進めています。 2007年度は特に下記3点を重点活動として取り組み休業度数率ゼロを達成しました。

主な活動内容

安全集会 年度当初や全国安全週間等に事業所全員集会を開催し、事業所トップによる安全確保に向けた決意表明と全員参加の意識付けを図っています。 特に、全国安全週間時には、役員が各事業所で社長メッセージを代読するとともに安全確保に向けた取り組み強化の要請を行っています。

石綿について

石綿を含む製品は現在製造されていませんが、フジクラでは過去に電線被覆材に一部石綿を使った電線を製造していたことがあります。ただし、使用量、使用場所もきわめて限定されており、また当時関連職場に在籍していた従業員の健康調査も実施しています。 関係者で健康被害を被った事例はこれまで発生していません。また、工場周辺の住民の方からの健康被害に関するお申し出もありません。 建屋の一部に耐火目的で吹付け石綿を使用していた箇所については、フジクラグループを含む関連会社の調査を行い、吹付け石綿箇所は認定工事業者による非石綿材に置き換えを完了しています。生産設備にも一部耐熱材に石綿を用いた備品が使われているものがありますが、このような箇所は飛散防止対策および安全を確認した上で当該箇所に「a」マークを貼り付けし、全員に注意喚起するとともに、順次計画的な代替品に変更しています。 なお、石綿にアンソフィライト、トレモライト、アクチノライトという種類が追加されたことを受け、建屋の建築材料に使われていないかの再調査を行っています。

リスクアセスメント 労働災害の発生は、職場環境にあるリスクが顕在化したものと考えられます。見えないリスクを把握し、改善することが安全な職場環境の実現につながることから、危険性・有害性を摘出・評価し、除去または低減するリスクアセスメントに着手し、職場に潜む危険の芽を摘む活動を展開しています。また、この一連の活動を通じて、一人ひとりの安全意識を高める教育にもなっています。

KY(危険予知)活動 一人ひとりの危険に対する感受性を高め、ヒューマンエラーによる災害を防止するため、作業の中に潜む危険性の摘出と対策について話し合うKYTを日常的な職場の小集団活動として取り組んでいます。

作業経験のない人や浅い人に対する教育 作業手順に始まり、設備や作業の安全ポイント集、やってはいけない作業集を中心に現場でマンツーマン教育を実施しています。その後のフォローとして、安全衛生委員等による職場パトロールで、「この設備、この作業の安全ポイントは何?」「やってはいけない作業は何?」等と直接確認するとともに、必要に応じて指導しています。

交通安全指導 事業所の通勤はマイカー通勤が多いことから、朝の通勤時間帯に事業所周辺や駐車場入り口等で、シートベルトの着用、右左折の方向指示器、そして駐車場への進入速度など、各職場持ち回りで交通指導を行っています。 また、「人のふり見て我がふり直せ」という諺通り、注意・指導する側にとっても生きた交通安全教育になっています。

メンタルヘルス 管理監督者を対象に、メンタル不全の症状や成り立ち、早期発見の方法、メンタル不全者への対応等の研修を実施しています。また、どの程度ストレスを受けて、どの程度ストレスによって心身の状態に影響が出ているのかを自分で評価できるストレスチェックをイントラに開設するなど、心の風邪とも言われるメンタル不全は早期発見・早期治療が重要であるとして「気付き」に重点を置いた取り組みを進めています。また、プライバシーの保護を前提に、心の悩みを相談できるよう、産業医・保健士による診療所での相談窓口や産業カウンセラーによるカウンセリング窓口も設けるなど、サポート体制の整備も進めています。

健康づくり 自らが健康度や疾病リスクを知り、自主的な健康づくりのベースとなる定期健康診断は、法定検査項目にフジクラ独自の検査項目を加えて実施しています。付加検査項目には社会的に問題となっている生活習慣病の早期発見を目的とした検査項目を加えるとともに、発症リスクの高い因子を多く有する従業員に対しては指導するなど、予防管理や一人ひとりの健康意識の向上に向けた取り組みを展開しています。また、「健康増進法」や「職場における喫煙対策のガイドライン」に基づき、受動喫煙(室内またはこれに準ずる環境において、他人の煙草の煙を吸わされること)を防止するため、喫煙室を設置しています。

構内運搬車輌の点検と教育 フォークリフト等の運搬車輌については、法に基づく日常点検・定期点検はもちろんのこと、構内通路に全車両を集め、点検・整備状況をチェックする一斉点検も実施しています。 また、急ブレーキ、急ハンドル、車輌の内輪差、死角などの危険体験を通じて、車輌の特性や安全運転、または歩行者側の理解を深め、危険予測・危険回避能力を高める教育を実施しています。

2007年度重点取り組み内容 労働災害発生状況 労働災害発生頻度(休業度数率)

安全衛生は企業の根幹に関わる重要な事項として、心身ともに安全で健康的に働ける職場環境づくりのために取り組んでいます。

37 38

職場内のコミュニケーションを活発に 心とからだの健康づくり活動

新人・初任者に安全知識技能が十分身につくよう教育指導 安全衛生教育の徹底

設備や作業環境の観察・評価・改善によりリスク(危険要因)を排除 機械設備の本質化安全

具体的な活動内容 重点取り組み内容

2

度数率 全産業 全製造業 電線ケーブル製造業 フジクラ

出所:厚生労働省 労働省は年、フジクラは年度での数値

(注)休業度数率とは、労働時間100万時間当たりの休業災害による死傷者数で、   休業災害発生の頻度を表す指標。

3

1

096 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07

具体的には ① 安全衛生教育・訓練の充実 ② 機械設備の本質安全化のさらなる推進 ③ 安全パトロールの励行 ④ 5S活動の徹底

⑤ 危険予知(KY)活動の充実 ⑥ 心とからだの健康づくり活動の推進 ⑦ 交通事故防止活動の推進

2008年度安全衛生活動方針 スローガン:ルールの順守と危険の排除で、築こう安心職場

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社 会 貢 献 活 動

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

藤倉学園

「藤倉希望小学校」竣工開校

藤倉電子(上海)有限公司(FESL)8周年記念活動、在中国フジクラグループの「社会貢献活動第一号案件」として建設資金を支援した、安徽省舒城県「藤倉希望小学校」の改築工事が完了しました。2007年9月13日、同校庭で竣工・開校式典が行われ、中国側から舒城県政府余副知事、安徽省青其会 会長、地元政府代表が出席しました。学校側から頴原FESL福総経理に感謝の錦旗が贈られました。当日、FESL社からTシャツユニフォーム、文具、お菓子などが生徒にプレゼントされ、FHL社からコンピュータ2台、藤倉上海貿易社(FST)から大型液晶テレビ、DVD設備も学校に寄贈されました。「藤倉」の名のついた小学校から、今後多くの卒業生が誕生することはフジクラにとっては感慨無量です。今後も同校の支援を継続していきたいと考えています。

中国四川大地震被災者に義援金

震災被災者に対して、フジクラ社および中国のフジクラグループ会社全体で義援金1,800万円を寄託しました。また光ファイバ融着接続機1台を寄付するとともに亨通光電と協力して通信会社に光ケーブル用ファイバ約2万kmを無償支給しました。

ASZAへの経済援助

39 40

藤倉学園は、フジクラ創業者藤倉善八翁の実弟中内春吉氏が大正8年に私財23万円および土地家屋等を寄付し、精神薄弱児に保護教育の施設を提供する目的で設立されました。 昭和27年に社会福祉法人となった藤倉学園に、当時フジクラ専務の兵藤嘉門が理事として加わり、以来現在のフジクラ相談役の辻川昭理事まで法人の経営に参加しています。 また、フジクラ内に藤倉学園を支援する賛助会を作り、従業員に参加を呼びかけました。現在ではフジクラ従業員にとどまらず、フジクラグループ会社まで支援の輪が広がり、その篤志による資金援助が行われています。

Auxiliar de Componentes Eletricos (ACE-Grupo Fujikura)社は、Asociacion de Personas Sordas de Zaragoza(サラゴサ聾唖者協会)へ、ろうあ者の労働参加を促進するために10,000ユーロの寄付を行いました。 両者は4年前から協力関係にあり、ろうあ者の職業訓練などの促進を行っています。今後もろうあ者が社会的に平等になれるよう活動を継続していきます。

私たちにとって、ACEのように聴力に障がいがある

方に対して特別な関心を持った会社があることは

大変名誉だと思っています。また、私たちのような

障がい者の労働市場への参加に協力をいただき、

大変感謝しています。

(ASZA代表ペドロ・ガルシア氏:写真左)

海外養護施設を支援

鈴鹿事業所の従業員から提供していただいた古着をダンボール15箱、2007年8月3日にFOV(フジクラファイバオプティクスベトナム)の近くにある養護施設に届けました。この施設は、0歳から中学生までの子ども270人が生活をともにしています。施設の中では一般教育や自立のための教育を行っています。私たちが届けたとき、子どもたちが歌と演奏で迎えてくれました。子どもたちに明るい笑顔で迎えてもらったのがとても印象的でした。帰りに感謝状をいただき、施設をあとにしました。

担当者の声

藤倉学園を支援する宝塚のOGによるチャリティーショー「宝塚ファミリーショウ」が、2007年7月4日にテアトル銀座で開催

されました。公演の中で、フジクラが創業120周年事業で自立訓練棟などを寄付したことが司会から紹介され、意義の深い

ものとなりました。公演と同時に、エントランスでは学園生の作品などを学園のスタッフの方々が販売されていました。

Page 41: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

社 会 貢 献 活 動

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

藤倉学園

「藤倉希望小学校」竣工開校

藤倉電子(上海)有限公司(FESL)8周年記念活動、在中国フジクラグループの「社会貢献活動第一号案件」として建設資金を支援した、安徽省舒城県「藤倉希望小学校」の改築工事が完了しました。2007年9月13日、同校庭で竣工・開校式典が行われ、中国側から舒城県政府余副知事、安徽省青其会 会長、地元政府代表が出席しました。学校側から頴原FESL福総経理に感謝の錦旗が贈られました。当日、FESL社からTシャツユニフォーム、文具、お菓子などが生徒にプレゼントされ、FHL社からコンピュータ2台、藤倉上海貿易社(FST)から大型液晶テレビ、DVD設備も学校に寄贈されました。「藤倉」の名のついた小学校から、今後多くの卒業生が誕生することはフジクラにとっては感慨無量です。今後も同校の支援を継続していきたいと考えています。

中国四川大地震被災者に義援金

震災被災者に対して、フジクラ社および中国のフジクラグループ会社全体で義援金1,800万円を寄託しました。また光ファイバ融着接続機1台を寄付するとともに亨通光電と協力して通信会社に光ケーブル用ファイバ約2万kmを無償支給しました。

ASZAへの経済援助

39 40

藤倉学園は、フジクラ創業者藤倉善八翁の実弟中内春吉氏が大正8年に私財23万円および土地家屋等を寄付し、精神薄弱児に保護教育の施設を提供する目的で設立されました。 昭和27年に社会福祉法人となった藤倉学園に、当時フジクラ専務の兵藤嘉門が理事として加わり、以来現在のフジクラ相談役の辻川昭理事まで法人の経営に参加しています。 また、フジクラ内に藤倉学園を支援する賛助会を作り、従業員に参加を呼びかけました。現在ではフジクラ従業員にとどまらず、フジクラグループ会社まで支援の輪が広がり、その篤志による資金援助が行われています。

Auxiliar de Componentes Eletricos (ACE-Grupo Fujikura)社は、Asociacion de Personas Sordas de Zaragoza(サラゴサ聾唖者協会)へ、ろうあ者の労働参加を促進するために10,000ユーロの寄付を行いました。 両者は4年前から協力関係にあり、ろうあ者の職業訓練などの促進を行っています。今後もろうあ者が社会的に平等になれるよう活動を継続していきます。

私たちにとって、ACEのように聴力に障がいがある

方に対して特別な関心を持った会社があることは

大変名誉だと思っています。また、私たちのような

障がい者の労働市場への参加に協力をいただき、

大変感謝しています。

(ASZA代表ペドロ・ガルシア氏:写真左)

海外養護施設を支援

鈴鹿事業所の従業員から提供していただいた古着をダンボール15箱、2007年8月3日にFOV(フジクラファイバオプティクスベトナム)の近くにある養護施設に届けました。この施設は、0歳から中学生までの子ども270人が生活をともにしています。施設の中では一般教育や自立のための教育を行っています。私たちが届けたとき、子どもたちが歌と演奏で迎えてくれました。子どもたちに明るい笑顔で迎えてもらったのがとても印象的でした。帰りに感謝状をいただき、施設をあとにしました。

担当者の声

藤倉学園を支援する宝塚のOGによるチャリティーショー「宝塚ファミリーショウ」が、2007年7月4日にテアトル銀座で開催

されました。公演の中で、フジクラが創業120周年事業で自立訓練棟などを寄付したことが司会から紹介され、意義の深い

ものとなりました。公演と同時に、エントランスでは学園生の作品などを学園のスタッフの方々が販売されていました。

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地 域 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン / 表 彰

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

各事業所では、近隣地域との交流を図っています。活動の一部をご紹介します。

地域コミュニケーション

技能五輪「おもてなし広場」に参加 沼津事業所 2007年11月15日~18日沼津市門池にて「第39回技能五輪国際大会」が開催されました。会場に足を運んでいただいた方を沼津市民・企業全体でもてなそうということから、会場周辺に「おもてなし広場」が開設され、地域の一員としてフジクラも参加しました。沼津で製造している電線のみならずiPodやデジカメに使われるFPCも展示し、興味をひかれて学生さんたちも集まるなど盛況でした。

41 42

歳末助け合いチャリティー開催 佐倉事業所 恒例の歳末助け合いチャリティーゲームを2007年12月5日~12日の昼休み、食堂にて開催しました。ゲーム「お手玉シュート」にたくさんの方々が参加していただき、その時の募金と、各職場から寄せられた暖かい募金で255,497円集まりました。お預かりした募金は、藤倉学園と佐倉市社会福祉協議会に寄付させていただきました。

表 彰

中学生の職場体験学習 沼津熔銅 2007年11月13日~15日の3日間、島田市立金谷中学校の2年生2名が職場体験学習に訪れました。主に試験、検査関係の作業を体験してもらったところ、仕事の大変さを感じ取ってくれたようです。今回の職場体験学習をこれからの学習や将来の進路に役立ててもらえたらと思います。

地域の喫煙マナーアップキャンペーンに参加 本社 2008年2月22日の朝、地下鉄木場駅周辺で、「歩きたばこの自粛」「ポイ捨て禁止」を呼びかける「喫煙マナーアップキャンペーン」があり、フジクラも参加しました。「喫煙マナーアップキャンペーン」は木場駅周辺の町会・商店会・企業、区民ボランティア等で実施され、朝の通勤・通学の人たちに呼びかけや、歩道、植え込みなどの清掃を行いました。

周辺の清掃を毎月実施 鈴鹿事業所 毎月月末に、事業所周辺と国道23号線から事業所までの一般道を清掃・草刈りを行っています。当日は昼休みに50人ほどの人数で、なれた作業で手際よく行っており、地域の住民の方から好評の声をいただいています。

厚生労働省埼玉労働局長賞 奨励賞を受賞

グループ会社の(株)シスコムは7月4日、厚生労働省埼玉安全衛生表彰式において「埼玉労働局長賞

奨励賞」を受賞し、渡辺社長に表彰状が授与されました。この表彰は全国安全週間中、県内で安全衛生

管理水準などが優良高水準で、他の模範と認められる事業場、および長年にわたり県内の安全衛生

水準の向上・発展に尽力した事業所に対し授与されるものです。今後とも頑張っていきます。

 企業に求められる社会的責任は、国際的に高まっています。健全な経営を

実行するには、この要求に誠実に答えていく必要があります。CSR報告書の

公開は、この活動を進めるために極めて重要な活動といえます。

 フジクラ「CSR報告書2008」は、社内の莫大な情報が整理されており、ステーク

ホルダーに対し、できるだけ多くの情報を伝えようとしていることがうかがえます。

また、写真や図を有効に利用した表現が数多く示されており、理解しやすいもの

になっています。特に、環境パフォーマンスで示されているリサイクルに関して

は、今後の問題に対しての予防となる光ファイバーの再生利用、国際的に

資源価値が注目されている銅電線の具体的な分離回収が述べられており、

ポジティブに取り組んでいる様子がわかります。しかし、環境管理活動指針に

関した海外事業所の情報整備が十分に整理されていない点が気になります。

気候変動に関する国際連合枠組条約に基づく京都議定書の第一約束期間

が本年より始まっており、地球温暖化に関わる事業所からの環境負荷低減

は社会的に重要な環境パフォーマンスといえます。情報公開活動の現状を

真摯に示した点は評価できますが、今後当該情報整備に関した社内マネジメント

システムの改善が望まれます。

 一方、環境配慮製品が写真、特徴(環境性能)とともに沢山示されており、

電子部品など環境商品が計画的に開発、普及していることが理解できます。

しかし、取引先や協力会社などへ向けての専門的な商品一覧の明示もありま

すが、一般公衆にとってはわかりにくいため、記載の仕方を工夫した方がよい

と考えられます。これからは、生産品の環境効率(環境価値/環境負荷、または

環境負荷削減量/環境コストなど)についての検討を進め、そのパフォーマンス

の向上を図っていくことが期待されます。社会性パフォーマンスについても

内外のステークホルダーとのコミュニケーションについて多くの活動が紹介され

ており、会社の積極的な姿勢がよくわかります。時間的な変化など詳細に記述

されていますので、その活動について自己分析を図り、今後の改善点、将来

計画なども示されるとさらによい情報公開になると考えられます。

勝田 悟 教養学部人間環境学科

社会環境課程兼

東海大学大学院

人間環境学研究科准教授

第 三 者 意 見

Page 43: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み

地 域 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン / 表 彰

S O C I A LP E R F O R M A N C E

社会性パフォーマンス

各事業所では、近隣地域との交流を図っています。活動の一部をご紹介します。

地域コミュニケーション

技能五輪「おもてなし広場」に参加 沼津事業所 2007年11月15日~18日沼津市門池にて「第39回技能五輪国際大会」が開催されました。会場に足を運んでいただいた方を沼津市民・企業全体でもてなそうということから、会場周辺に「おもてなし広場」が開設され、地域の一員としてフジクラも参加しました。沼津で製造している電線のみならずiPodやデジカメに使われるFPCも展示し、興味をひかれて学生さんたちも集まるなど盛況でした。

41 42

歳末助け合いチャリティー開催 佐倉事業所 恒例の歳末助け合いチャリティーゲームを2007年12月5日~12日の昼休み、食堂にて開催しました。ゲーム「お手玉シュート」にたくさんの方々が参加していただき、その時の募金と、各職場から寄せられた暖かい募金で255,497円集まりました。お預かりした募金は、藤倉学園と佐倉市社会福祉協議会に寄付させていただきました。

表 彰

中学生の職場体験学習 沼津熔銅 2007年11月13日~15日の3日間、島田市立金谷中学校の2年生2名が職場体験学習に訪れました。主に試験、検査関係の作業を体験してもらったところ、仕事の大変さを感じ取ってくれたようです。今回の職場体験学習をこれからの学習や将来の進路に役立ててもらえたらと思います。

地域の喫煙マナーアップキャンペーンに参加 本社 2008年2月22日の朝、地下鉄木場駅周辺で、「歩きたばこの自粛」「ポイ捨て禁止」を呼びかける「喫煙マナーアップキャンペーン」があり、フジクラも参加しました。「喫煙マナーアップキャンペーン」は木場駅周辺の町会・商店会・企業、区民ボランティア等で実施され、朝の通勤・通学の人たちに呼びかけや、歩道、植え込みなどの清掃を行いました。

周辺の清掃を毎月実施 鈴鹿事業所 毎月月末に、事業所周辺と国道23号線から事業所までの一般道を清掃・草刈りを行っています。当日は昼休みに50人ほどの人数で、なれた作業で手際よく行っており、地域の住民の方から好評の声をいただいています。

厚生労働省埼玉労働局長賞 奨励賞を受賞

グループ会社の(株)シスコムは7月4日、厚生労働省埼玉安全衛生表彰式において「埼玉労働局長賞

奨励賞」を受賞し、渡辺社長に表彰状が授与されました。この表彰は全国安全週間中、県内で安全衛生

管理水準などが優良高水準で、他の模範と認められる事業場、および長年にわたり県内の安全衛生

水準の向上・発展に尽力した事業所に対し授与されるものです。今後とも頑張っていきます。

 企業に求められる社会的責任は、国際的に高まっています。健全な経営を

実行するには、この要求に誠実に答えていく必要があります。CSR報告書の

公開は、この活動を進めるために極めて重要な活動といえます。

 フジクラ「CSR報告書2008」は、社内の莫大な情報が整理されており、ステーク

ホルダーに対し、できるだけ多くの情報を伝えようとしていることがうかがえます。

また、写真や図を有効に利用した表現が数多く示されており、理解しやすいもの

になっています。特に、環境パフォーマンスで示されているリサイクルに関して

は、今後の問題に対しての予防となる光ファイバーの再生利用、国際的に

資源価値が注目されている銅電線の具体的な分離回収が述べられており、

ポジティブに取り組んでいる様子がわかります。しかし、環境管理活動指針に

関した海外事業所の情報整備が十分に整理されていない点が気になります。

気候変動に関する国際連合枠組条約に基づく京都議定書の第一約束期間

が本年より始まっており、地球温暖化に関わる事業所からの環境負荷低減

は社会的に重要な環境パフォーマンスといえます。情報公開活動の現状を

真摯に示した点は評価できますが、今後当該情報整備に関した社内マネジメント

システムの改善が望まれます。

 一方、環境配慮製品が写真、特徴(環境性能)とともに沢山示されており、

電子部品など環境商品が計画的に開発、普及していることが理解できます。

しかし、取引先や協力会社などへ向けての専門的な商品一覧の明示もありま

すが、一般公衆にとってはわかりにくいため、記載の仕方を工夫した方がよい

と考えられます。これからは、生産品の環境効率(環境価値/環境負荷、または

環境負荷削減量/環境コストなど)についての検討を進め、そのパフォーマンス

の向上を図っていくことが期待されます。社会性パフォーマンスについても

内外のステークホルダーとのコミュニケーションについて多くの活動が紹介され

ており、会社の積極的な姿勢がよくわかります。時間的な変化など詳細に記述

されていますので、その活動について自己分析を図り、今後の改善点、将来

計画なども示されるとさらによい情報公開になると考えられます。

勝田 悟 教養学部人間環境学科

社会環境課程兼

東海大学大学院

人間環境学研究科准教授

第 三 者 意 見

Page 44: 読者のみなさまへ - FujikuraE-mail:f-eco@fujikura.co.jp TEL:03-5606-1081 FAX:03-5606-1520 特 集 特集 1 特集 2 マネジメント 経営理念とCSRへの取り組み