鉄鋼を支える石炭

ＪＦＥスチール株式会社

常務執行役員 西日本製鉄所副所長

川田 仁

２０１０年３月１日

1

1 ＪＦＥスチールの概要

企 業 理 念

創 立 ： ２００３年４月、旧川崎製鉄と旧ＮＫＫ(日本鋼管)が統合

２００８年度粗鋼生産量： ２６５５万トン （世界第５位）

ＪＦＥグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します

東日本製鉄所（千葉/京浜）

知多製造所

西日本製鉄所（倉敷/福山）

東日本製鉄所（西宮）

千葉倉敷福山

京浜知多

行動規範

挑戦。柔軟。誠実。

2

2 製鉄プロセス

鉄鋼製品高炉

鉄鉱石

石炭石灰

ｺｰｸｽ炉焼結炉

スクラップ

使用済みﾌﾟﾗｽﾁｯｸ

副生物ｽﾗｸﾞ等 転炉

O2

マーケット

ｶﾞｽ処理設備

電気炉

電極

銑鉄生産

ｵｰﾀﾞｰﾒｲﾄﾞ生産

新たな鉄の生産量：６０％（新構造物、自動車保有増など 新たに保有される鉄）

リサイクル生産量：４０％

3

3-1 鉄鋼での石炭使用（石炭からｺｰｸｽへ）

蒸し焼き

石炭 コークス

原料炭 粉砕機

調湿

配合 成型

コークス炉CDQ（乾式消火）

高炉

4

鉄鉱石の還元反応でCO2が発生

3-2 高炉でのｺｰｸｽの役割

Fe２Ｏ３ ＋ＣＯ → ２FeＯ ＋ ＣＯ２（酸化鉄） （一酸化炭素） （酸化鉄） （二酸化炭素）

１２００℃～１４００℃

融着帯

ＦｅＯ＋Ｃ → Ｆｅ＋ＣＯ羽口

出銑口

１５０℃～２００℃

１５００℃

鉄鉱石コークス

送風

高炉ガス

銑鉄 コークスの主な役割

○鉄鉱石を炭素で還元して鉄分を取り出す

○高炉内で還元ガスや溶けた鉄の通路を確保する

Ｃ＋1/2Ｏ２ → ＣＯ

5

4-1 国内の鉄鋼生産推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

51 56 61 66 71 76 81 86 91 96 '01 '06

電炉鋼

転炉鋼

平炉鋼

・高度経済成長の始まる1960年代より粗鋼生産量が増加

・1973年以降、粗鋼は、年産 1億～1.2億ｔで横ばい 出典：日本鉄鋼連盟 鉄鋼統計要覧

（万ｔ/年）

6

4-2 日本の鉄鋼業での石炭輸入量推移

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

1951 1956 1961 1966 1971 1976 1981 1986 1991 1996 2001 2006

その他

豪州

南ｱﾌﾘｶ

ｺﾛﾝﾋﾞｱ

米国

カナダ

ロシア

ﾎﾟｰﾗﾝﾄﾞ

ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ

中国

豪州

米国カナダ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ

出典：2009石炭年鑑

（万ｔ/年）

・高度経済成長の始まる1960年代より使用量増加

・最近は豪州炭の使用量が一番多い（全体の約６０％）

7

4-3 世界の鉄鋼生産量推移

出所：ＩＩＳＩ (注）日本は年度

1250

970904

850848789777799750752725728719734769

11411069

600

800

1,000

1,200

(百万ｔ） ＜世界計＞

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

1990年 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006

＜各国の粗鋼生産＞

(百万ｔ）

119

ＥＵ15

中国

米国C.I.S

日本

91

168

423

118（CIS）

356

280

222

中国の伸びが著しい

2008

500 489502

13451329

8

4-4 世界のｺｰｸｽ用原料炭使用量推移

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006

その他

米国

日本

ＣＩＳ

ＥＵ

中国

百万ﾄﾝ

中国

出典：IEA COAL INFORMATION2008

9

4-5 世界の石炭の埋蔵量

23%

19%

13%10%

10%

8%

6%3%3%

1%4%

米国

インド

中国

南ア

ロシア

豪州

カザフスタン

ポーランド

ウクライナ

カナダ

その他

全石炭埋蔵量 瀝青炭･無煙炭埋蔵量

4800億t

出典：IEA 2005

石炭 ：米国、インド、中国の埋蔵量が多い。但し、インドは品質が劣るため原料炭は海外からの輸入も多い

瀝青炭＋無煙炭埋蔵量51%

亜瀝青炭＋褐炭埋蔵量49%

全埋蔵量8500億トン（2005年末、2007年発表）2005年末埋蔵量比率（2007年発表）

10

製鋼プラント

焼結プラント

連続鋳造プラント

発電

加熱炉 圧延

電力

電力

製品

高炉

熱風炉

副生ガス

コークスプラント

高炉

ガス

転炉

ガス

コー

クス

炉ガ

ス

製銑・製鋼工程投入エネルギーの副

生ガス回収

排熱・排圧力エネルギー回収に占め

るCDQ、TRT

石炭

鉄鉱石

電力

CDQ：コークス乾式消火設備TRT：高炉炉頂圧発電

副生ガス回収40％

TRT30％

他CDQ50％

ＪＩＳＦ

5-1．製鉄プロセスでのエネルギーの流れエネルギー所内リサイクル（66%）

エネルギー供給（34%)

11

5-2 鉄鋼業のエネルギー効率の国際比較

図 鉄鋼業（高炉・転炉法）のエネルギー原単位の国際比較

出所：「エネルギー効率の国際比較(発電、鉄鋼、ｾﾒﾝﾄ部門)」RITE、2008(日訳・指数化は、（社）日本鉄鋼連盟)

100

117120 122

125 127 129132 134 136

107

80

100

120

140

日 韓 独 仏 英 米 加 中 印 豪 露

日本の鉄鋼業（高炉‐転炉法）の粗鋼トン当たりのエネルギー原単位は、

主要国の国際効率比較において最も低い

CO2：▽ 約３億t/y

12

5-3 石炭利用の課題と技術開発

資源対応力の強化、炭酸ガス排出抑制に向けた革新技術の開発が必要

中国、インドの経済成長に伴う

○ 原料炭の不足、価格高騰

CO2削減の国際的、社会的要請

CDQの設備化

SCOPE21炉の実用化

（出所）石炭年鑑2008年度版鉄鋼新聞 (09/03/24）

年 度

0

50

100

150

200

250

300

350

'90 '92 '94 '96 '98 '02 '04 '06 '08

（US$/MT）

‘00

石炭価格推移

強粘結炭（高品位炭）

一般炭（低品位炭）

高度石炭配合技術（低品位炭使用）

実用化技術

調湿炭技術

CDQ設備

成型炭配合技術

成型

水分調整

中、長期的な抜本的なCO2排出抑制ニーズ

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5-4 フェロコークス製造プロセスの開発「資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発（NEDO）」

・革新的塊成物による資源対応力強化(低品位製鉄原料の利用拡大)＋省エネ

（平成18‐20年の「先導研究」からの発展、平成21-23年パイロット規模開発実施予定）

成型

石炭

コークス炉

(新)革新的塊成物製造ﾌﾟﾛｾｽ

高炉

ｺｰｸｽ

竪型連続乾留

10％省エネ

本PJ

現在の製銑プロセス

低品位

高品位

低品位

鉄鉱石

焼結機 焼結鉱高品位

装入物１

装入物２

装入物３

炭材削減

低品位原料の利用拡大

革新バインダー

革新的製銑プロセス(革新的塊成物利用)構想

石炭

鉄鉱石

革新的高炉操業技術

革新的塊成物

ご静聴ありがとうございました。

JFEスチール 西日本製鉄所（福山）