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両面読み出し基盤を用いたGEMチェンバーの開発
大阪市大, 高エ研A,国際医療福祉大B総研大C,東北学院大D
山本健二,中野英一, 宇野彰二A,内田智久A,小池貴久B,庄子正剛C,長島福太郎D
2011年5月13日金曜日
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また、現状のシステムでは検出効率が低いという大きな課題を確認することができた。現状での改善点を以下に挙げる。
• を多く積層する• マルチピンホールの利用
節の実験結果にも示したが今回の実験では最大 枚まで を多層化することに成功した。 枚にすることで合計の電圧が約 と必要になった。 を一枚増やすことで必要電圧が 増えることから、最終的に合計の電圧の高さによる多層化の限界がありそうである。それを緩和する方法として、両面読みストリップを用いた両面読みチェンバーというものを考えている。図 にその概略図を示す。今回の実験では片面読みの読み出しストリップを用いたが、これを両側から読み出せるようなストリップ基板を使用することで図のようなことが可能になる。図では 枚の を両面に積んだときの概略図であり、これにより動作電圧の合計が 枚のときの電圧で 枚の
を積むことができる。また、そのほかにもマルチピンホールの利用を考えている。マルチピンホールとは、ピン
図 両面読みチェンバー概略図
ホールの孔が複数個空いているものを指す。ピンホールではガンマ線は一つの小さな孔を通ったものしか検出器に届かないので、検出器の入射頻度は落ちてしまう。これを多数の孔にすることで検出器のイベント数を増やすことができる。しかし、ピンホールの原理と同様に孔の数だけ像ができてしまうため一つの画像に戻す作業をしなければならない。図はマルチピンホールを用いて像を得るための方法の概要図である。図では 個の孔の
マルチピンホールを想定している。一つの線源がマルチピンホールを使用すると検出器には 個の像となって出力される ! 。これを再構成アルゴリズムで元の一つの線源に戻している " 。これにより、単純に考えると 個の像が一つに戻るので、ピンホールを使用
目的硬X線検出器としての問題点・Au-GEMを8枚積層して検出効率が8%
一枚では検出効率が低い・GEMを多層にすると電圧が高くなる
・チェンバー内で放電が起きやすい
問題解決のため両面読み出し基盤を用いる
今回の実験の目的は両面読み出し基盤で画像検出できるのを確認すること
・GEMを並列につなぐことで電圧を小さくすることができる
2011年5月13日金曜日
GEM (Gas Electron Multiplier)
(GEM全体図) (GEM拡大図) (GEM断面図)
70μm
140μm
読み出し基板
GEM1
GEM2
GEM3
cathode
初期電子
5μm Cu
5μm Cu
孔の中が高電場になる
GEM1枚では十分な増幅率が得られないため複数枚組み合わせて用いる。3
2011年5月13日金曜日
Au-GEM
ガンマ線を電子に変換する物質として金を選んだ。
Au-GEM(50μmGEMの上下面に3μm厚で金をメッキしたもの)を製作。
積層することで検出効率が向上することが分かっている。
Au-GEM1枚で
約1%の検出効率(140keV)。
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両面読み出し基盤
0.8mmピッチのX、Yストリップで各120ch、計240chである
FPGAでX、Yのコインシデンスをとり画像化
表面は金メッキ
Y軸(裏)
X軸側(表)
0.8mm
1つのセル
フレキシブルな絶縁体の表面に金メッキされた銅でできた三角形のパッドが並んでいる
2011年5月13日金曜日
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チェンバー内の構成
cathodeAu-GEM100μm-GEM
100μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
Au-GEMcathode
240V
240V
600V
600V
400V400V
400V400V
1mm1mm
1mm1mm
2mm2mm2mm2mm2mm2mm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
4.0kV/cm4.0kV/cm
triple GEM 100µm/50µm/50µmの
組み合わせを用いる
増幅段で得られる増幅率は約5万倍
電子変換層にはAu-GEM1枚を用いる検出効率は約1%
read strip読み出し基盤の裏表に同じGEMの構成をする
Ar-CO2(70:30)Am
チェンバー内のガスはAr-CO2を70:30で混合させる
線源に Amを使用
241
241
2011年5月13日金曜日
Vth
250 mm
11
0 m
m
アナログ信号をデジタル化64 chs . inputs
読み出し回路読み出し用ストリップ基板
デジタル信号をデータに変換
hit 時刻と位置のデータに変換
ASIC( Application Specific Integrated Circuit)とFPGA( Field-Programmable Gate Array)を
搭載した、一枚で64chの読み出しする回路を4枚使用
ストリップからの信号
ヒット
読み出し回路
PCでX,Yのコインシデンスをとり画像化7
2011年5月13日金曜日
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画像検出 A
cathodeAu-GEM100μm-GEM
100μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
Au-GEMcathode
240V
240V
600V
600V
400V400V
400V400V
1mm1mm
1mm1mm
2mm2mm2mm2mm2mm2mm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
4.0kV/cm4.0kV/cm
0
50
100
150
200
0 5 10 15 20 25 30
A
even
t数
位置
A
3550Vの電圧をかけ10分測定し画像検出を行った
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画像検出 B
cathodeAu-GEM100μm-GEM
100μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
Au-GEMcathode
240V
240V
600V
600V
400V400V
400V400V
1mm1mm
1mm1mm
2mm2mm2mm2mm2mm2mm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
4.0kV/cm4.0kV/cm
0
50
100
150
200
0 5 10 15 20 25 30
B
even
t数
位置B
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画像検出 両面
cathodeAu-GEM100μm-GEM
100μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
50μm-GEM50μm-GEM
Au-GEMcathode
240V
240V
600V
600V
400V400V
400V400V
1mm1mm
1mm1mm
2mm2mm2mm2mm2mm2mm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
1.5kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
2.0kV/cm2.0kV/cm
4.0kV/cm4.0kV/cm
0
50
100
150
200
0 5 10 15 20 25 30
両面
even
t数
位置
両面
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event数分布
0
50
100
150
200
0 5 10 15 20 25 30
両面とA+B
even
t数
位置
両面 A+B
同位置でのevent数分布を両面とA+Bで比較
位置15~20で差ができている
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12
電圧による各event rateの比較
0
10
20
30
40
50
60
70
3300 3400 3500 3600 3700 3800 3900
電圧ごとの各event rate
even
t ra
te (
Hz)
電圧(kV)
両面 A B
Bの最大電圧3680Vまで両面のevent rateはA,Bのどちらよりも大きい
3600~3680VはBで放電が起こっていたためBのrateは高くなっている
2011年5月13日金曜日
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まとめ
・両面読み出し基盤の両面同時に画像検出したことを確認できた
・劣化したGEMの代わりに質の良いGEMを用いてより正確なデータを測定する必要がある
・医療用に応用するためAu-GEMをできるだけ積層し、検出効率をあげることが次の目標
2011年5月13日金曜日